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2014年7月9日 薬事・食品衛生審議会 生物由来技術部会 議事録

○日時

平成26年7月9日(水)15:00〜


○場所

航空会館702+703会議室


○出席者

出席委員(10名) 五十音順

◎大 野 泰 雄、○神 田 忠 仁、 斎 藤    泉、 島 田    隆、
  鈴 木 邦 彦、 谷   憲三朗、 津 田 知 幸、 新 見 伸 吾、
  俣 野 哲 朗、 森 川 裕 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人2名

欠席委員(4名) 五十音順

岡 野 栄 之、 五 箇 公 一、 手 島 玲 子、 横 田 恭 子

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤 岳 幸 (審査管理課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
中 野   惠 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻より少し早いですが、薬事・食品衛生審議会生物由来技術部会を開催いたします。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の委員の出席についてですが、岡野委員、五箇委員、手島委員、横田委員から御欠席との御連絡をいただいております。現在のところ、当部会委員数14名のうち、10名の先生方の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 また、本日は議題3に関する参考人として、国立医薬品食品衛生研究所主任研究官の山口先生と、同研究所遺伝子細胞医薬品部部長の佐藤先生に御出席をいただいております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 それから、前回の会議以降人事異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。PMDA再生医療製品等審査部長の佐藤です。それでは、大野先生、以降の進行をよろしくお願いいたします。

○大野部会長 皆さん、お忙しいところお集まりいただいて、いろいろ審議していただき、どうもありがとうございます。最初に、事務局から配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をいたします。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しています。議事次第に記載されている資料1-1から資料5をあらかじめ送付しております。その他、当日配布資料として、資料6「専門委員リスト」、資料7「競合品目・競合企業リスト」、資料8「諮問書」、資料9「薬事法等の一部を改正する法律の概要」、資料10「薬事分科会規程等の一部改正について」、参考資料を配布しております。資料に不足等がありましたら、事務局までお申し付けください。

 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、報告いたします。資料7の1ページを御覧ください。ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子遺伝子を発現するF遺伝子欠損非伝搬型遺伝子組換えセンダイウイルスですが、本申請品目は、導入細胞に線維芽細胞増殖因子を発現させるためのベクターであり、競合品目は「コラテジェン」、「K-134」としております。

 「ポールバック E.coli」ですが、本申請品目は、鶏大腸菌症の予防を目的とする生ワクチンの有効成分となる遺伝子組換え大腸菌であり、競合品目は「ガルエヌテクトCBL」としています。

 続いて、各委員からの申し出状況について報告いたします。議題1、退出委員なし、議決に参加しない委員なし。議題2、退出委員なし。議決に参加しない委員なしです。

○審査管理課長 審査管理課から補足ですが、一部報道で先生方御承知のとおりかもしれませんが、他部局の審議会において利益相反の事務手続の誤りが発生したという報道がありました。その中で、申告漏れも一部あったということです。当部会については、薬事分科会の規程に基づき、適正に行われているところですが、委員の先生方におかれましても、より一層の御注意を払っていただければと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 何か御質問はありますか。よろしいですか。それでは、本日の議事ですが、審議事項が3議題、報告事項が1議題です。まず、1番目の審議事項として、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第一種使用規程の承認について、ここにある資料について御審議いただきます。それでは、まずその制度について事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 事務局から、制度について説明いたします。参考資料1を御覧ください。遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、いわゆるカルタヘナ法ですが、これは生物多様性の確保を図るため、平成15年に制定された法律です。続いて、参考資料2を御覧ください。上から3つ目の囲み、「遺伝子組換え生物等の使用等に係る措置」にありますように、この法律では遺伝子組換え生物等の使用等に先立ち、使用形態に応じて環境中への拡散を防止しないで行う「第一種使用等」と、環境中への拡散を防止しつつ行う「第二種使用等」に分類されております。第一種使用等に当たっては、使用者による第一種使用規程及び生物多様性影響評価書の作成、厚生労働大臣及び環境大臣による学識経験者への意見聴取、必要に応じてパブリックコメントの募集等の手続を経た上で、大臣の承認を受ける必要があります。第二種使用については、品目のリスク区分に応じて、使用者が拡散防止措置を定め、それについて大臣の確認を受けるなどにより、使用等を行うこととなっております。

 本日の審議事項については、開放系での環境中への拡散を防止しないで行う第一種使用等について、第一種使用規程の承認について申請があり、あらかじめ厚生労働大臣等の承認を得る必要があり、本部会に御審議いただくものです。説明は以上です。

○大野部会長 今までの説明について、先生方から御質問、御意見はありますか。よろしいですか。それでは、具体的な審議をお願いいたします。議題1の品目について、説明をお願いいたします。

○機構 本審議品目は、国立大学法人九州大学 九州大学病院から申請がなされておりますヒト塩基性線維芽細胞増殖因子遺伝子を発現するF遺伝子欠損非伝搬型遺伝子組換えセンダイウイルスベクターの第一種使用規程承認申請です。資料1-1は、総合機構が作成しました事前審査結果通知書で、資料1-2が申請書と生物多様性影響評価書となっております。適宜御参照ください。

 それでは、品目の概要を御説明申し上げます。本品目は、遺伝子治療等に用いる遺伝子組換えセンダイウイルスベクターです。本組換えセンダイウイルスベクターは、血管新生を促すヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF2)の遺伝子を発現するように設計されており、これを含む製剤を用いて閉塞性動脈硬化症患者などを対象とする治験が計画されております。今回、本組換えセンダイウイルスを含む製剤を用いて治験を行うに当たり、申請されたこの第一種使用規程が適切であるかについて、申請書に添付された生物多様性影響評価書などの資料に基づき、御審議いただきます。本組換えセンダイウイルスは、昨年度までに品質試験などを行う3施設での閉鎖系での使用に関して御審議いただいた品目と同一のものです。

 本組換えセンダイウイルスの特性について説明いたします。生物多様性影響評価書にある説明を、資料1-1、事前審査結果通知書の別添2ページを御覧ください。ここにまとめております。 1. 他の微生物を減少させる性質、2.病原性、 3. 有害物質の産生性、 4. 核酸を水平伝達する性質の4つの観点からまとめております。 いずれの観点からでも大きな問題はないものと考えております。

 次に、本組換えセンダイウイルスの第一種使用規程について、簡潔に説明いたします。資料1-2の冒頭にある第一種使用規程承認申請書を御参照ください。この規程に基づいて製剤の投与、保管、運搬、廃棄、これらに付随する行為が行われることになっております。本組換えセンダイウイルスを含む製剤は、カテゴリー1の拡散防止措置を執った個室内において、注射液を調製したあと患者に投与され、製剤を含む溶液、患者の排泄物、使用された器具類などは、不活化処理して廃棄されるか、不活化処理後に十分に洗浄されることになっております。本組換えセンダイウイルスを含む製剤を投与された患者は、投与後1日間は個室内で管理されることになっております。なお、注射部位の状態や患者の全身状態などから判断して、必要に応じて個室管理期間を延長する規程も定められております。

 機構における審査について説明いたします。論点は、本組換えセンダイウイルスを含む製剤を投与された患者の個室管理期間でした。本組換えセンダイウイルスは、既に九州大学での臨床研究において、ヒトへの投与経験がありますが、その際の個室管理期間は投与後7日間とされておりました。今回の申請に際しても、同様に7日間と設定されていました。専門委員との協議を行い、本組換えセンダイウイルスが非増殖性であり、排出物などにより体外に排出される可能性が低く、生物多様性に影響を与える可能性は非常に低いことから、申請者に対して個室管理期間を再考するよう求めることとなりました。申請者における検討の結果、個室管理期間は投与後1日間と変更され、機構としてこれを了承しております。

 また、審査において主に次に挙げる3点より申請された第一種使用規程に従って使用を行う限り、生物多様性影響が生じるおそれはないと判断しております。一つ目は、九州大学病院における臨床研究で、本組換えウイルスを投与した患者の体内動態を検討したデータがありますが、排泄などにより本組換えウイルスが患者の体外には排出される可能性は低いと考えられること。二つ目としては、使用規程に基づいて使用した残液や器具の不活化処理や管理が適切になされれば、環境中への拡散リスクが適切に減じられると考えられること。三つ目は、たとえ外界に出たとしても、本ウイルスが非増殖性のウイルスであり、基本的には量が減っていくだけと考えられることです。

 以上が、申請された規程に従って使用を行う限り、生物多様性影響が生じるおそれはないと判断している根拠です。また、本組換えウイルスを用いた治験の実施を予定している施設について、機構職員が現地を訪問し、図面等と照らし合わせながら内容を確認していることを申し添えさせていただきます。本遺伝子組換え生物の第一種使用規程承認申請書と、生物多様性影響評価について、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 まず、議論を始める前に、九州大学病院で本遺伝子組換え生物の第一種使用実績があるということですが、それはこの会議で了承を得て第一種使用をやったということでよろしいですね。

○機構 臨床研究のときは、この部会ではなくて、厚生科学の部会で審議されて、了承を得たものです。

○大野部会長 分かりました。それでは、ただ今の説明について、先生方から御意見、御質問を伺いたいと思います。

○神田部会長代理 生物多様性影響評価書の19ページの4.()と、最後の総合的評価の所に出てくる「野生型センダイウイルスと共存しても増えない」と書いてあるのですが、これは本当に共感染すると、Fタンパク質を供給されて、恐らく増えるのですよ。微妙に誤解を招くような、要するに相同組換えを起こすのは非常に低いだろうというのはいいのですが、増えないというのは何か違うような気がするのです。

○機構 まず相同組換えが起こる可能性は非常に低いだろうと。このウイルスが核の中に入らないことと、RNAウイルスであることからですが。可能性としては、今、先生が御指摘いただいた共感染でF遺伝子がたまたま供給されて増えることは、理論として確かに可能性はあると思います。

○神田部会長代理 わざわざ、ここに「野生型センダイウイルスと共存しても相同組換えは起こさないため、環境中では増殖することはない」と書いてあるのが、何か変だなと思います。相同組換えが起きないのはいいのですが、野生型センダイウイルスと共存すると、このウイルスは増えるでしょ。

○機構 増殖性のウイルスというものは生じないですが。

○神田部会長代理 というか、このウイルスがF欠損のウイルスそのものが共感染した細胞で増えますよ。増えて出てくる。

○機構 この表現は、申請者の主張であって、機構としては結果通知書のように書いてはあるのですが。

○神田部会長代理 そういう意図なしにこれだけを読むと、これは公文書として残るのでしょ。何か微妙に変だよと言っているのですが、これでいいのでしょうか。

○審査管理課長 これに対するPMDAの完全な評価はどこかに載っているのですか。それを先生は多分言われているのだと思います。それがあればよろしいのですね。

○神田部会長代理 要するに、相同組換えを起こさないというのはいいのですが、野生型センダイウイルスと共存すると環境中では増殖しますよ。

○審査管理課長 先方の主張はこうだけれども、それに対してどう評価したのかというところはあるのですか。それを説明して差し上げた方が。

○機構 私どもの結果通知書の中では、「増殖能を回復する可能性は低いと考えられる」とあり、絶対増えないとは書いてはおりません。

○神田部会長代理 つまり、回復するということは、限りなく野生株に戻ることだと思うのだけれども。

○機構 分かりました。委員の誤解のない形で、そこは訂正とさせていただきます。

○神田部会長代理 そこは記載を工夫された方がいいと思います。

○機構 承知いたしました。

○大野部会長 資料1-1が、機構としての公文書となるわけですね。この中で、そういった文面がなければ、いいのかなと思いますが。こちらは、申請者の書いた文章ということではないですか。

○機構 公文書は、承認申請書と生物多様性影響評価書です。

○機構 今の所をもう1回整理をいたしますと、本日お配りしております資料1-1に事前審査結果通知書があります。これは、当機構の理事長から厚生労働大臣宛に出されている紙ですが、こちらを御覧いただいたときに、3枚目の2.に病原性とあり、このパラグラフの真ん中辺り「また、非増殖性であるため、病原性は非常に低く、一本鎖RNAウイルスであること等から」の次ですが「野生型センダイウイルスの共存下で相同組換えを起こし、増殖能を回復する可能性は低い」ということで、申請者が言っているような可能性はないということではないということで、こちらの審査結果としては書いております。

○神田部会長代理 この資料に書いてある記載がおかしいと私は言っただけで、大事なのは、これはどうでもいいというのであれば、私はそれでいいです。

○機構 この結果通知書の申請者の主張がやや齟齬がありますので、そこは申請資料を適切に訂正させるということで対応させていただこうと思っております。

○島田委員 多分、前に厚生科学でやったときのものと文書は変わっていないと思うのです。これは、読み方の問題だと思うのですが、相同組換えを起こさないから、増殖性のウイルスが出てこないという意味なのですが、これは環境中で増殖することはないと書いてあるのだけれども、増殖するのは患者の足だけの話なのですよ。環境中ではないのですよ。ですから、これは必ずしも間違いとも言えないような気がするのですが。

○神田部会長代理 どうも、19ページのものは、野生型センダイウイルスと共存してもと書いてあるのですね。「環境中では増殖することはない」。

○島田委員 19ページのどこですか。

○神田部会長代理 19ページの下から3行目です。つまり、これは一つの細胞に共感染した場合を想定しているのですね。

○島田委員 ですから、環境中というのが、この患者の足の中というのを、それは言葉の問題ですから、それ以上は余り議論してもしょうがないのですが、少なくとも増殖性のウイルスが新たに出てきて環境中に影響を及ぼすことはないのですよ。あっても、たまたま共感染した足の細胞では、確かに新しいベクターがもう1回できてしまうということはあるかもしれないのですが。もう少し分かりやすい表現の方がいいですね。

○機構 記載ぶりは、いろいろな認識が生まれてしまうというところで、適切な表現に修正させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○大野部会長 では、そういうことで、表現をおかしくないような形で修正していただくということでよろしいでしょうか。

○島田委員 そうですね。もう少し、いちいち説明のいらないような表現がいいと思います。

○神田部会長代理 初めて読むと誤解しますよ。

○大野部会長 そのほかに御意見はありますか。

○谷委員 文献38というのは、載っているのでしょうか。

○神田部会長代理 こういう表現になっている。文献38から直さなければいけないのでしょうか。

○大野部会長 38は、相同組換えを起こさないという文献ですね。

○神田部会長代理 それはいいのですが、共感染したときに増えないと読めてしまうのが気持ち悪いので、そう読めないようにしていただければいいです。

○大野部会長 ほかに御意見はありますか。特に追加の御意見がないようでしたら、議決に入りたいと思います。若干申請書を修正していただくということはありましたが、内容として第一種使用を承認してもよろしいでしょうか。それでは、承認を可とすることとし、薬事分科会に報告させていただきます。

 次に、議題2について御審議をお願いいたします。議題2は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく動物用遺伝子組換え技術応用医薬品の第一種使用規程の承認についてです。aroA遺伝子欠損鶏大腸菌EC34195株について、御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、農林水産省より説明させていただきます。資料2の緑色のタグで「申請書」と書かれているページからが、第一種使用規程承認申請書です。

 本審議品目ですが、「aroA遺伝子欠損鶏大腸菌EC34195(ポールバック E.coli)」の第一種使用規程承認申請です。本遺伝子組換え生物は、鶏用生ワクチンの有効成分としての使用が予定されています。申請者はゾエティス・ジャパン株式会社です。遺伝子組換え生物等の第一種使用等の内容は、運搬及び保管、薬事法に基づく治験、薬事法に基づく承認申請書に従った使用等です。

 次のページです。ここからが、生物多様性影響評価書です。これに従って本申請の遺伝子組換え生物及び審査の概要を御説明します。1ページから8ページが、本遺伝子組換え生物の宿主に関する情報です。本遺伝子組換え生物の宿主は、英国において鶏大腸菌症の臨床例から分離された血清型O78:80の大腸菌株です。性状については一般的な大腸菌株と同様とされています。

 8ページから15ページが、供与核酸や本遺伝子組換え生物の作出等に関する情報です。供与核酸は、宿主大腸菌が保有するaroA遺伝子を改変し、一部を欠損させ、欠損させた部位に遺伝子欠損をさせるために使用した合成オリゴヌクレオチドプライマーの中の26塩基対の配列が存在しているものです。この26塩基対の中には三つの制限酵素切断配列及び二つの終止コドンが含まれています。供与核酸については、全塩基配列が明らかにされており、挿入された合成ヌクレオチドプライマー中の26塩基対の配列については、有害物質の産生性は知られていません。

16ページから19ページが、本遺伝子組換え生物と宿主又は宿主の属する分類学上の種との相違に関する情報です。本遺伝子組換え生物と宿主との特性の違いは、一つはaroA遺伝子を欠損させた本遺伝子組換え生物は、細菌が増殖するために必須の芳香族アミノ酸を自ら生成することができないこと。二つ目として、本遺伝子組換え生物は、宿主同様の鶏への感染性は認められますが、シキミ酸経路を持たない鳥類やほ乳動物の体内では増殖できないこと。三つ目として、本遺伝子組換え生物のaroA遺伝子の欠損配列や26塩基対の合成ヌクレオチドの挿入は宿主大腸菌や自然界の大腸菌では報告されていないこと等があります。

20ページから24ページが、本遺伝子組換え生物の使用に関する情報です。本遺伝子組換え生物は、鶏大腸菌症の予防を目的とする生ワクチンとして使用される予定です。第一種使用等の開始後の治験期間中の使用に際し、日本国内の野外条件下で本遺伝子組換え大腸菌を使用した場合に、本遺伝子組換え大腸菌が一定期間生存せず、増殖しないことを確認するために、申請者が自主的にモニタリングを実施する予定となっています。また、本遺伝子組換え生物を用いたワクチンは、既に米国及びEU等でも承認されており、これまでも使用された鶏、ヒト及びその他の動物に対する有害事象は認められておらず、使用に伴って生物多様性に影響を及ぼしたと考えられるような報告もありません。

25ページから29ページが、生物多様性影響評価です。生物多様性影響については、本遺伝子組換え生物は、細菌が増殖するために必須の芳香族アミノ酸を自ら生成することができず、動物体内及び環境中で増殖できず、一定の期間しか生存できないことから、一つ目として、他の微生物を減少させる性質については、宿主と比べて他の微生物との競合能力が低く、微生物に対して殺傷能力を持つコリシンの産生量及び産生期間が限られていること。二つ目として、本遺伝子組換え生物が野生動物に感染したとしても、伝播能力は宿主に比べて低いこと。三つ目として、病原性については、鶏の実験感染等の成績からも宿主に比べて低いこと。四つ目として、有害物質の産生性については、本遺伝子組換え生物の有害物質の産生性は宿主と比べて低下していること。五つ目として、核酸を水平伝達する性質については、供与核酸が感染動物の染色体に含まれる可能性が低いこと。本遺伝子組換え生物が他の微生物に核酸を水平伝達する機会が宿主に比べて低下していること等から総合的に評価し、第一種使用規程に従った使用を行う限り、生物多用性影響が生じるおそれはないものと判断されております。

 本部会の傘下の動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会における事前の審議においては、本遺伝子組換え大腸菌を用いたワクチンの治験期間中に申請者がモニタリングを実施することとしており、その際は菌分離とPCRを組み合わせたモニタリングを方法とすること、及び本遺伝子組換え大腸菌の作出中の本遺伝子組換え大腸菌を選択する過程を明確にすること、という二点が指摘されており、指摘に従った整備がされたことから、第一種使用規程の承認の可否に関する事前の調査を終了し、本部会に上程して差し支えないものとされています。本遺伝子組換え生物の第一種使用規程について御審議のほどをよろしくお願いいたします。

○大野部会長 これについては調査会の方で、神田先生が座長として審議してくださったということですので、皆さんの御意見を伺う前に、神田先生から説明をお願いいたします。

○神田部会長代理 この調査会の座長をしていまして、非常に短く言うと、鶏大腸菌症に使う生ワクチンで、その大腸菌株から芳香族アミノ酸の生合成に関わる遺伝子を欠損させた大腸菌です。欠損させるときに、101塩基除いて26塩基挿入されている。その26塩基が残っているがために、これは組換え大腸菌というカテゴリーに入るのです。その残っている26塩基は3つの制限酵素のサイトとストップコドンが2個あるだけなのです。もう一つ、これは商業的に非常に利用価値が高くて、かつ、海外で既に広く使われている。そういう大腸菌を第一種使用してよろしいかということです。

 これは、万が一、野性株と組換え等が起きて、このaroA遺伝子が修復しても、元の大腸菌に戻るだけで、環境中で特に生物多様性に影響を与えるとは思えないというのが、調査会の結論でした。以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。

○島田委員 これは申請書として少し問題があるのではないかと思うのです。例えば、今、神田先生が言った話や、事務局の言ったサマリーがどこにも出ていないのです。ですから、これを送られてきても、どこから読んでいいかも全然分からない申請書なのです。

○大野部会長 見にくいですね

○島田委員 非常に見にくいです。

○大野部会長 こういった、今回の議題2に関わることでも、そういうサマライズなどは、付かないのはなぜですか。

○事務局 もし今後、今、私どもの方で説明させていただいたような概要のようなものを御用意した方がいいということであれば、資料として用意させていただくことは可能かと思います。

○大野部会長 次回からは、概要と要点を整理したものを出してくださるようお願いします、ということでよろしいでしょうか。

○島田委員 はい。

○事務局 今後、用意させていただきます。

○大野部会長 お願いいたします。ほかに御意見はありますか。

 私からの質問です。調査会審議結果回答書の最初の方ですが、2番目の回答で「主に肉用鶏を対象に孵化場またはコマーシャル農場の鶏舎内での接種を想定している」ということで、ほかのことは想定され難いなどと書いてあるのですが、想定しているということは、何か非常に弱い感じで、本当にそれで、そういう想定された範囲内だけでの使用に制約されることの保証のようなものはあるのでしょうか。それ以外の所で使われた場合、何か問題が起きないのかどうかということですが。

○事務局 使用については飽くまでも想定で、それ以外のものも使用される可能性はあります。それでも、このもの自体の生物多様性への影響については問題ないということで動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会で議論していただいております。

○大野部会長 神田先生のお話を伺っても、ここで想定している所以外で使われても大丈夫だという感触は受けたのですが、それでよろしいでしょうか。

○神田部会長代理 調査会では、拡散防止措置をとらずに使って構わないという判断でした。

○大野部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見はありますか。

○鈴木委員 そもそもの質問なのですが、当部会は人用ではない、これは鶏用ですね、そういうものも扱うことになっているのでしょうか。確認をさせていただきたいと思います。

○事務局 分科会の確認事項において、審議する対象となっております

○鈴木委員 全てですか。

○事務局 人用だけでなく、動物用の医薬品についても審議をする対象となっております。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。よろしいですか。

 質疑は出そろったかと思いますので、本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。

 次の議題です。生物由来原料基準の一部改正について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 議題3、資料3「生物由来原料基準の一部改正について」、御説明いたします。1ページです。まず、生物由来原料基準についてですが、この基準は、薬事法第42条に基づき、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器に対して、生物に由来する原料等を使用する場合に、その製造の際に講ずべき必要な措置に関する基準を定めたものです。

 改正の背景としては、昨年11月に薬事法の一部を改正する法律が交付され、再生医療等製品が医薬品、医療機器とは別に、法律上位置付けられることとなりました。これを受けて、本基準の対象に、再生医療等製品を加えるとともに、最新の科学的知見により、基準の在り方を検討いただいた研究班等における研究の成果を踏まえ、基準の改正を行うものです。

 改正の根拠とさせていただいた研究班は、具体的には、資料の15ページに参考として添付している、国立感染症研究所の吉倉先生に座長を務めていただいた平成25年度の厚生労働科学研究費補助金、ウシ等由来原料の基準の研究に関する研究班と併せ、23ページから添付している、国立医薬品食品衛生研究所の佐藤先生に座長を務めていただいた平成25年度革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業、『再生医療等製品原料基準』の在り方に関する検討ワーキンググループの、これら二つの研究班の報告を根拠とさせていただいております。これらの研究班の報告に基づいて、基準の改正案を作成したものです。

 1ページに戻ります。改正の概要です。まず、基準全体に関わるものとして、一つ目の○では、基準の対象に再生医療等製品を加えたこと。二つ目の○では、既に薬事承認を受けた医薬品等を原料として用いる場合は、本基準に適合しているものと見なすことを規定しています。また、血液関係の規定として、今回の薬事法等の改正で、再生医療等製品などを製造するために血液を採取することが認められたことから、血液由来の成分を培地や添加物として使用する場合、これについては血液製剤の基準から除くこととしています。

 四つ目の○は、ヒト由来原料について、自己由来の血漿等を培養に用いる場合などを想定して、ウイルス不活化等の工程を不要としたこと。また、2ページの一つ目の○で、原料を作製する作業の経過については、GMP等のほかの基準に基づいて管理することが適切であるとして、こちらの原料の基準からは除くこととしました。

 2ページの二つ目の○は、反芻動物(ウシ等)に由来する原料についてです。使用可能な原産国として、国際獣疫事務局(OIE)において「無視できるリスク国」と評価された国を加えることとしました。これにより、これまで使用禁止とされていた日本・アメリカ産等のウシも使用可能な国に追加されることになります。

 続いて、動物由来の原料に関するものですが、三つ目の○以降、医薬品の材料の由来となるものなど、製造工程の上流で使用されるものであって、セル・バンクを出発基材としたものについては、ドナー適格性の確認や記録の保存を不要としたことや、動物の原産地、使用部位等の確認を、ドナー動物が健康であることの確認により不要としたことなどの改正を行うこととしています。その他、必要な記載整備を行っています。

 今後の予定としては、本部会で御審議いただき、改正を可としていただいた場合には、パブリックコメントを実施した後に公布し、11月下旬に予定している改正法の施行の日に合わせて施行をすることとしています。説明は以上です。御審議のほどをよろしくお願いいたします。

○大野部会長 皆さんから御意見、御質問を伺う前に、本議題については山口参考人及び佐藤参考人にお越しいただいていますので、まず、山口参考人から何か補足はありますか。

○山口参考人 特段の補足はありません。私の方は吉倉先生の班で、反芻動物由来原料基準については、これを設定して長期にわたる期間が経っていますし、この間に反芻動物に関する不活化工程などの科学的な根拠も積み重なってきたこと、あるいは、反芻動物の原料の国の話や部位の話について最新の評価を行った上で、広く使えるような、例えば高度精製品であって、かつ、広く使用されている添加剤等については、反芻動物の評価をあえてする必要のないという考え方を導入したものです。

○大野部会長 ありがとうございます。続いて、佐藤先生から補足があれば伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○佐藤参考人 私の方も特段補足はありません。この改正に関して、ワーキンググループで議論したときに一番注意したことは、再生医療等製品ということで、特段に規制をリラックスするということではなくて、製造の現実にそぐわない要件がもしあった場合に、というか、そういうことを検討したわけなのです。そういった要件に関して、非効率であって不合理というようなことを認めた上で、現実的あるいは合理的な方策でそれを解決していくことを目指して、いろいろと改正の提案をさせていただきました。

○大野部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 ただ今の説明だと、別の製品の原料として長く使われていて、安全性が確認されているものについては適合しているものと見なすという考え方という理解でよろしいですね。

○事務局 はい。

○機構 今の御質問の部分は、要するに薬事法の中で承認されている血液製剤を、例えば培養の過程で培地にする成分として使うような使い方をする場合は、それは既に薬事法で承認された血液製剤であるということで、その中で既にリスク評価がされているものですので、そこについては特段、改めてこの基準の適合性を見なくてもよいという話が一つです。

 あとは、山口参考人から御紹介があったのは、例えばこの資料の19ページにありますが、特にBSEの対応では、高温であったり、アルカリの処理をすることによって、通常、プリオンが不活化される条件の下で精製されるという化学物質です。これまでは、その化学物質についても、高温やアルカリの処理の下でBSEのリスクを個別に評価してきたのですが、そもそも製造する医薬品や医療機器の中での使用実績があって、それなりの工程が評価されているものを表2の形でリストアップさせていただいて、それらについては、この基準で言っているところの高度精製品という高温・アルカリ等で処理したものという形で具体的に例示をして、そこについてはこの基準の適合性の評価からは除外をするという形をとっています。そうすることによって、恐らくこの基準を使って製造される方にとっても分かりやすい形の基準の運用ができるのではないかということです。

○大野部会長 ありがとうございます。この高度精製品というのは、特定の製品について、そういうラベリングをするということなのですか。

○機構 これは、特定の製品ということではなくて、こういうアミノ酸の原料としての一般的な作り方から見て大丈夫だろうということで、ここでの研究班での評価を頂いて、リストアップをしてきたということです。

○大野部会長 分かりました。ありがとうございます。先生方はいかがでしょうか。

○島田委員 実際の対象表の内容についてです。再生医療等製品が今回ここに新しく入ったということで、7ページの左側の()のイの所にヒト受精胚というのが急に出てきますが、少し違和感を覚えます。ヒト幹の指針などを見ても、受精胚が出たところでは、結構いろいろ条件が、特段にインフォームドコンセントを注意しなくてはいけないなどということが書いてあるのですが、これは何か、ほかの組織と全く同じ扱いでポッと出てきているような感じがしてしまうのです。ヒト幹の方と両方あるからいいのだということなのかもしれませんが、こういう出し方がいいのかというのが少し気になったのが一つです。

○事務局 今の御指摘について、事務局から現状を説明いたします。ここの受精胚ということで、ES細胞から分化された製品のようなものを想定しています。今、先生からも御指摘があったように、ヒト幹指針の方でそこを拡大するような議論も行われてきたわけですが、今般、昨年11月に、薬事法の改正とともに再生医療の新法ができまして、これに合わせてESの取扱いを再度整理するということで、総合科学技術会議で、これまで基礎利用に限ると言っていたESの取扱いについて、新しい製品や治療法の開発に資するような臨床的な使用についても対象を広げようということになりました。

 併せて、これまで文科省で持っていた樹立の指針や分配といったところについては、今後、厚生労働省も共管の形で取り扱うこととさせていただきます。また、使用に際しての種々の規定は、ここに一部がありますが、これ以外にESに特有のいろいろな規定もありますので、こういったものは薬事法に合わせて、臨床研究などもありますので、厚生労働省全体として、また別途、定めさせていただくことになっています。ここでは最低限の同意のところだけ入れている状況です。

○島田委員 今の時点ではそういうことでいいのだと思います。その次の、代諾者で実際に医薬品を作る、要するに自分の治療をするために代諾者ということはあるかと思うのですが、他人のというか、一般の医薬品を作るために代諾者で試料をもらうということがあり得るのですか。この試料提供者は全くメリットがないわけですね。

○機構 例えばどういうケースが考えられるかということですが、今あるケースとして、多指症の子供から、その指を、大抵は生まれたときに取ることになりますが、そのときの指等を使わせていただくなどという形もあり得ます。その場合は、生まれたばかりの赤ちゃんですので、当然、同意等は取れませんので、代諾者に頂くようなケース等が考えられます。

○島田委員 それは納得できました。それに関連してですが、未成年者の扱いが新しく出ています。確かに赤ちゃんの場合はもちろんしょうがないのですが、今ここに、多分インフォームドアセントのことが出てきているのだと思うのですが、今、新しいパブコメの前だと思うのですが、臨床研究で新しくインフォームドアセントを出しましたね。解釈はなかなか難しいのだと思うのです。ここに書いてあるのは理解を得るということになっているのですが、これは実は十分ではない考えだと思います。理解を得て納得してもらうところまでが、今のインフォームドアセントの考え方だと思うのです。ですから、今、臨床研究の指針の方はそういう形になっていると思うので、その辺りの整合性などは考えてもらった方がいいと思います。

○事務局 御指摘いただいた部分は、その他の部分もですが、この辺りはドナーの同意の取得や倫理的な規定が、ほかの技術的な部分とは少し性質が異なる部分になっています。この辺りの規定については、御指摘いただいた臨床研究の議論や、再生新法、総合科学技術会議における議論も踏まえ、また適切に記載を整備させていただければと思っております。

○大野部会長 島田先生、よろしいですか。

○島田委員 結構です。

○大野部会長 ほかの先生から御意見、御質問はありますか。よろしいですか。

 それでは、議題3の議決に入ります。本議題について、生物由来原料基準の一部改正ということですが、それを可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、生物由来原料基準の一部改正を可として、薬事分科会に報告させていただきます。

 次は報告事項です。まず、報告事項の議題1について、機構から説明をお願いいたします。

○機構 報告事項議題1、資料4、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の確認を行った品目について、御説明します。1枚の両面になっているものです。裏に表があって、前回の生物由来技術部会での御報告以降、平成26年4月〜6月までの期間に、厚生労働大臣の第二種使用等確認を行ったものを表でまとめています。全部で2件あります。総合機構において専門委員と協議をした上で、いずれの遺伝子組換え生物についても使用区分はGILSP相当であり、執られる拡散防止措置は適切であると判断したものです。資料4については以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。続いて、農林水産省から説明をお願いします。

○事務局 農林水産省から御報告します。資料5を御用意ください。こちらは、前回本部会において御報告した以降に、動物用医薬品の分野における第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の農林水産大臣による確認を行った品目についての御報告です。

 2ページを御覧ください。まず、資料の訂正をお願いいたします。本表の2番目の組換えカイコについて、使用区分の所に「GILSP」と記載されていますが、こちらは組換え動物に関するものですので区分はありません。そのため削除をお願いいたします。

 それでは、御報告します。こちらに示します3品目について、本部会の傘下である動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会において、拡散防止措置の内容について御審議を頂きました。まず上二つです。1番と2番です。こちらは動物用医薬品の成分を製造するための組換え体です。3番目です。こちらは、この成分そのものが遺伝子組換え生ワクチンの成分となるものです。こちらの三つについて第二種使用を行うということです。これらの使用区分ですが、1と3番目の微生物についてはGILSP、2番目のカイコについては、遺伝子組換えカイコを使用する際に、適切な拡散防止措置が執られるものとして農林水産大臣による確認を行っています。以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。ただ今2件について報告を頂きましたが、それらについて先生方から御意見がありましたら伺いたいと思います。質問も含めてですが、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、御確認を頂いたとさせていただきます。どうもありがとうございました。

 その他です。「薬事法の一部を改正する法律の概要」と「薬事分科会規程等の一部改正について」、これについて事務局から説明をお願いします。

○事務局 それでは、まず資料9を御覧ください。先ほど議題3でも一部御紹介をしましたが、薬事法等の一部を改正する法律の概要について御説明します。昨年11月に、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供の確保を図るため、所要の措置を講ずるものとして法律の改正を行いました。最初のページに概要があります。

 まず、医薬品、医療機器等に係る安全対策の強化、医療機器の特性を踏まえた規制の構築、三つ目ですが、新たに再生医療等製品を定義付けて、この特性を踏まえた規制の構築をすることとしました。2ページに「再生医療等製品の特性を踏まえた規制の構築」について御説明しています。併せて4、5ページを御覧ください。再生医療等製品として、ヒトの細胞に培養等の加工を施したものであって、身体の構造・機能の再建・修復・形成であるとか、疾病の治療・予防を目的として使用するようなもの、それから、遺伝子治療を目的として、ヒトの細胞に導入して使用するもの、こういうものについて医薬品・医療機器とは別に、「再生医療等製品」として新たに定義をして、その特性に応じた規制を実施することとしました。

 大きな規制の特徴として、2ページ、二つ目です。条件及び期限付承認制度の導入をします。これについては6ページを併せて御覧ください。再生医療等製品については、ヒトの細胞を用いるなどという特徴があることから、個人差を反映し品質が不均一になるという特徴があって、有効性を確認するためにはデータの収集・評価に長時間を要するという課題がありました。こういう特性に対応したものとして、条件・期限を付して承認をするという制度を設けたものです。この条件・期限付に際しても、治験ということでGCP、それから信頼性の基準に沿った臨床試験データの収集をして、申請をしていただきます。それを審査した上で、条件・期限を付して承認をします。その後、市販後に有効性と更なる安全性の検証ということでデータを更に増やしていただき、期限内に再度承認申請をしていただき、審査を経て引き続き市販となっています。仮に、この段階で申請がなかった場合、あるいは有効性の検証ができなかった場合には承認の失効というような手続になっています。

 3ページに戻ります。こういう製品の安全対策の整備ということで、()製品の使用に当たっては、患者に対して適切な説明を行い、使用の同意を得るよう努めていただくものとすること、それから()使用成績に関する調査、感染症定期報告のほかに記録と保存などをして、市販後の安全対策を講じることとしています。また、()副作用、それから感染症被害救済の制度の対象としています。こういう内容について、公布の日から起算して1年を超えない範囲内ということで、本年の11月下旬をめどに施行することとしています。

 資料10です。ただ今、御説明をした薬事法等の一部を改正する法律に対応するために、薬事分科会規程等の一部改正を行うこととしました。趣旨にあるように、今、申し上げた再生医療等製品のカテゴリーの新設、医療機器及び体外診断用医薬品に係る使用成績調査の導入などの見直しに合わせて対応するものとなっています。また、下に小さな がありますが、施行そのものは11月下旬となっていますが、附則において施行前の準備ができるようになっていて、施行前でも再生医療等製品の承認申請であるとか、審議を行うことが可能となっているので、施行に先駆けてこの規程の改正を行ったものです。

 具体的な内容が2にあります。再生医療等製品に係る承認であるとか、安全対策に係る調査審議を行うための部会の設置をします。この生物由来技術部会を改組して、「再生医療等製品・生物由来技術部会」と名前を変えて、ここで承認審査などの御審議をお願いします。また、市販後の安全対策を審議する部会ですが、これは医療機器安全対策部会を改組して、「医療機器・再生医療等製品安全対策部会」として、こちらの部会で審議をいただくことにします。また、この部会の改組に伴い、今後、再生医療等製品に関する知見を有する専門委員を新たに委嘱をお願いすることにしています。二つ目の○は、医療機器、体外診断薬に対する対応ということで、この見直しに合わせて分科会規程、確認事項、参加規程を改正するものです。

 予定です。6月27日に分科会でこの内容について御了解を頂きました。また、7月中にこの改正関連の政省令の公布をして分科会規程を施行いたします。また、先ほど申し上げたとおり、11月の施行までの間であっても、仮に事前申請などがあった場合については所要の審議をお願いすることとしていて、11月下旬に改正法の施行がなされるというスケジュールになっています。説明は以上です。

○大野部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○鈴木委員 少し確認したいのです。条件付・期限付承認制度の導入ということなのですが、有効性が推定された段階で条件付・期限付承認をするということなのですが、推定の段階で承認する理由はその再生医療等製品が均質でないからということで、ということは、有効でない場合も、効かない場合もあるということですか。ですから、時間が掛かるということですか、どういう意味なのでしょうか。均質ではないから推定しかできないというのはどういう意味なのか、これを教えていただけますか。 

○機構 では、事務局の方からお答えをいたします。もともと再生医療等製品という場合には、例えば自己由来の表皮とか、軟骨というものがこれまでありましたが、自己由来の製品で、それを培養してまた患者に戻してあげるという形態のものが多くあります。この場合に、出来上がった製品の性質というものはどうしても個人差が出てくる部分があって、そこは一般的な工業的に生産される化学物質とかそういうものとは性質は異なるということになります。

 通常は臨床試験をやるときに、探索的な試験をやって最終的に検証的な試験をやって、二段階で大体は承認をする形になります。例えば、探索的な試験をやっている段階で、探索的試験ですから、例えば3年後の死亡割合とか、そういう最終的にエンドポイントを見ているわけではない段階で、例えば癌で言えば腫瘍縮小効果みたいなものを見ていくのが探索的試験ですが、その段階で条件付承認するようなケースです。  

また、臨床研究の中でその製品を使ったときに、きちんと統計的にものが言えるような有効性のデータが出ればいいのですが、やはり、製品にばらつきがあることによって、なかなか集めた症例数の中できちんと統計的に有意差が出る、出ないというところで出ないようなケースもあるかもしれない。

 その原因がやはり製品の個々のばらつきによるようなものであるという場合については、通常でしたら、統計的な有意差が出たところで承認となりますが、そこについては、有効性の傾向がある程度見られるような段階であれば、それなりに有効性が評価できるような症例がきちんとあるとか、統計的にはなかなか難しいけれども、一定の有効性の見られる傾向があるようなきちんとした症例のデータがあることによって、例えば承認をするとか、そういうことが恐らく考えられるのだろうと思っています。

 ですから、何も有効な症例が全くないまま承認をするとかそういうことではなくて、やはり、細胞がばらつくことによってなかなか統計的にものが言いにくいようなケースの場合に、こういう仕組みが適用できるのではないかと考えています。

○鈴木委員 具体的に言うと、個人差というのは、いろいろな人から採りますから、個人によって、何か元気な人もいれば元気でない人もいるから、採った細胞も元気なものもあれば元気でないものもあって、そのような感じですか、簡単に言えば。

○機構 そうですね。やはり、例えば培養表皮などでも採った患者によって増えるスピードが違ったりするわけです。そうすると、やはり細胞の活性とかも細胞によって違うと。そういうものが臨床試験の評価に影響を与えるというところがあって、そういうものもきちんと考慮した形で承認ができるようにということで作った制度です。

○鈴木委員 分かりました。

○大野部会長 新見先生お願いします。

○新見委員 先ほどの品質の話ですが、例えば、心筋梗塞に骨髄由来の幹細胞を用いるときに、先ほど話があったように、高年齢の人から採ったものだと非常に生着率とかパラクライン的な増殖因子の産生が悪いことはかなりはっきりしたエビデンスがあるわけです。また、ある病態の人も、正常の人に比べると治療効果が低いという、そういう意味での品質というように理解してよろしいですか。

○機構 やはり、再生医療等製品は生ものですので、いろいろな、もともとのドナーの状態とか、条件によって生物活性とかそういうものがばらついてくることがあります。それを一つの製品というカテゴリーで括ってしまうのがこの薬事法の下での承認ということですので、そういう意味では、例えばサイトカインの規格みたいなものを通常の医薬品に比べると幅広に採るとか、そういう工夫をしながら承認をしていくようなものとお考えいただくと分かりやすいかと思います。

○谷委員 この場でお聞きするべきかどうか分からないのですが、施設内に再生医療等審査委員会というのが立ち上がってくるのではないかと思いますが、こちらで7月から11月に、既に履行的に何かケースがあった場合には審査をというふうに、有り得ると先ほどお話がありましたが、ということは、施設内の委員会もそれに準じてということでしょうか。 

○機構 恐らく、今の御質問は再生医療安全確保法のお話かと思いますが、そちらについては、まだ今日御説明したような形での施行のスケジュールが恐らく明確に出ていないのではないかと思っています。ですから、そこは現状のとおりでよろしいと思います。今日、事務局からお話したのは、製品としてこれから申請をしてくる場合に、例えば、申請者の方が、培養皮膚みたいなものがあったときに、現状の現行の薬事法であれば医薬品なのか医療機器なのか、どちらのカテゴリーで承認申請をすべきなのかを当然迷われるわけです。ただ、こういうものは、今後11月からの法施行に伴って再生医療等製品という形で全部1本のものになると。この7月予定の政令とか省令が出た段階からは、現行法ではありますが、医療機器なのか医薬品なのかということを迷わずに再生医療等製品というカテゴリーで承認申請ができると、そういうことをここでは言っていることですので、そこは少し、再生医療新法、安全確保法の方とはまた違う議論ということで御理解いただければと思います。

○谷委員 ありがとうございました。

○俣野委員 少し繰り返しの質問になるのですが、先ほどの早期の実用化に応じた承認制度で、不均一等々のことで御説明をいただきましたが、安全性に関しても、要するに長期的なところはもう見ないというように一見見えますが、そういう意味ではないのですね。それで、条件・期限を付して承認というところにおいて、安全性について見る視点については何が変わるのでしょうか。これまでの基準とどう変わるのでしょうか。

○機構 条件付・期限付承認の所では、むしろ有効性の評価が難しいという所に着目をしてここでは書かれています。特に安全性については、何か条件・期限付承認のために臨床試験のデザインを変えるという話ではないので、そういう意味では、通常の臨床試験をやっていただいた中で出てくる安全性の確認ということですので、条件付承認を得るまでの安全性データが、何かほかの一般的な医薬品の開発における臨床試験と異なるということではないだろうということです。ただ、やはり、条件・期限付承認ということですので、より市販後に有効性と安全性のデータを集めていただくということです。これは、現状でもオーファンドラッグなどの市販後にやっているのと同じような考え方になるかと思いますが、そういう形での対応となっています。

○大野部会長 ほかにいかがでしょうか。では、私から。オーファンドラッグのような場合でも、健康被害が生じたときには機構の救済の対象となるのですか。この場合も、機構の救済制度の対象ということですが、救済制度の対象ということになると、安全性評価についてかなりガッチリやらないとまずいのではないかという感じがするのですが、そうするとかえって実際の承認、一時的なこういう状況での承認でも少し遅れてしまうのではないかという懸念があるのですが、いかがですか。

○機構 ここで申し上げているのは、安全性が認められればということで、救済制度の適用という観点から見ても、安全性についてはしっかりと審査をしていく必要はあるだろうということです。当然、臨床試験では限界もあるところもあって、これはオーファンドラッグなどでもそうかと思いますが、やはり非臨床の段階でのいろいろな知見とか、様々な安全性に関する知見を集めて、臨床試験のみならず、評価をしていく必要があるのだろうとは考えています。

○大野部会長 こういう形にしても、開発促進とか承認の促進につながるという判断なわけですね。

○機構 薬事法を所管する立場から、開発の促進と申し上げることはなかなか難しい御質問だとは思っていますが、やはり製品の特性に合わせて、要するに実用化の障害にならないような制度を考えるという観点からこういう法改正がされたものと理解しています。

○大野部会長 ありがとうございました。先生方いかがでしょうか。ほかにございませんでしょうか。それでは、特に追加がないということですので、報告していただいた事項については御確認を頂いたとしてよろしいでしょうか。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、本日の議題は以上ですが、事務局から何か連絡事項なりその他の項目がありますか。

○事務局 次回の部会については、また改めて日程調整をした上で御連絡いたします。よろしくお願いします。

○大野部会長 それでは、特にほかに議題がないということですので、本日はこれで終了させていただきます。どうも御協力ありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 井本(内線2746)

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