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2014年3月25日 薬事・食品衛生審議会 医薬品再評価部会 議事録

○日時

平成26年3月25日(火)15:00~


○場所

厚生労働省専用第18・19会議室


○出席者

出席委員(9名) 五十音順

  菅 野 健太郎、 田 村 友 秀、 土 屋 文 人、 新 見 伸 吾、
○橋 田    充、 林    邦 彦、 前 崎 繁 文、 村 島 温 子、
◎吉 田 茂 昭
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人2名

欠席委員(3名)

笠 貫   宏、 鈴 木 邦 彦、 四方田 千佳子

行政機関出席者

成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤  岳 幸 (審査管理課長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)
山 田  雅 信 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会再評価部会」を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては大変お忙しい中、また年度末のお忙しい中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。当部会は久しぶりの開催でもあり、委員の先生方の改選等が行われたことから、部会の委員の先生方の御紹介をさせていただきます。

 自治医科大学内科学消化器内科学部門主任教授の菅野健太郎委員です。独立行政法人国立がん研究センター中央病院呼吸器内科長の田村友秀委員です。公益社団法人日本薬剤師会副会長の土屋文人委員です。国立医薬品食品衛生研究所医療機器部長の新見伸吾委員です。京都大学大学院薬学研究科薬品動態制御学分野教授の橋田充委員です。群馬大学大学院保健学研究科教授の林邦彦委員です。埼玉医科大学感染症科・感染制御科教授の前崎繁文委員です。独立行政法人国立成育医療研究センター妊娠と薬情報センター長・母性医療診療部長の村島温子委員です。青森県病院事業管理者の吉田茂昭委員です。本日は御欠席ですが、東京女子医科大学学長の笠貫宏委員、公益社団法人日本医師会常任理事の鈴木邦彦委員、独立行政法人医薬品医療機器総合機構規格基準部医療医薬品基準課テクニカルエキスパートの四方田千佳子委員がいらっしゃいます。

 なお、再評価部会の部会長については、昨年1月28日に開催された薬事分科会において、吉田茂昭委員が部会長に選出されておりますので御報告いたします。薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、「部会に属する委員のうちから、部会長が予め指定する者が、その職務を代理する」とされております。部会長代理については、部会長から御指名いただくことになっております。吉田部会長よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 橋田委員にお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

○審査管理課長 それでは、橋田先生は部会長代理席のほうに御移動ください。

○審査管理課長 委員12名のうち9名の先生方が御出席ですので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。先ほど御紹介いたしましたとおり、笠貫委員、鈴木委員、四方田委員は御欠席と御連絡を頂いております。

 本日は報告事項の参考人として、寺澤捷年先生と、花輪壽彦先生に御出席いただいております。当部会は本年度初めての開催となりますが、厚生労働省及び医薬品医療機器総合機構において、幹部の人事異動がありましたので御紹介いたします。大臣官房審議官医薬担当の成田です。独立行政法人医薬品医療機器総合機構・上席審議役の俵木です。同じくPMDA審議役の山田です。PMDA審査センター長の矢守は所用により欠席です。御挨拶が遅れましたが、私は厚生労働省医薬食品局審査管理課長の佐藤です。どうぞよろしくお願いいたします。以降の議事進行は吉田部会長にお願いいたします。

○吉田部会長 本日の議題に入ります。事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。配布資料は、議事次第、座席表、委員名簿。当日配付資料として、添付文書集をお配りしております。なお、テガフールとテガフール・ウラシル、黄連解毒湯に関する資料ということで、資料代4-2、代7-2、漢2-2については企業から差し替えが提出されておりますので、お手元の資料は差し替え版でお配りさせていただいております。その他に資料1、代1-1、非1-1、漢1-1といった資料に関しては、事前にお送りしたものです。過不足等がありましたらお知らせください。

○吉田部会長 議事に入ります。報告事項議題1の再評価結果について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 資料1「医薬品の再評価について」を御用意ください。再評価についてですが、医学薬学の進歩等に伴いということで、厚生労働大臣がその範囲を指定して公示した医薬品について、製造販売承認を受けているものは、厚生労働大臣の再評価を受けなければならないこととされております。

 次の○で、厚生労働大臣は、対象となる医薬品の範囲等を告示することになりますが、再評価指定の告示を行う前に薬事・食品衛生審議会の意見を聴くこととされております。その後、本告示に基づき製造販売業者が必要な資料作成等を行い、厚生労働省又はPMDAに再評価申請を行い、評価を受けることになっております。その審査の過程で、改めて本部会、薬事・食品衛生審議会の意見を聴き、承認の継続又は取消し、効能一部の削除という判断が行われるといった制度です。

 参考1は該当条文、参考2として再評価結果の区分があります。カテゴリー1からカテゴリー3までありますけれども、カテゴリー1と呼んでいるのが、薬事法の第14条第2項に掲げる、いわゆる「承認拒否事由」です。著しい有害な作用などに該当するかどうかというところですが、このいずれにも該当しないものがカテゴリー1です。カテゴリー2と呼んでおりますのは、承認事項の一部、例えば効能を変更するといったようなことで変更すれば、承認拒否事由のいずれにも該当しないというのがカテゴリー2です。カテゴリー3と呼んでおりますのは、承認拒否事由のいずれかに該当するものです。

 1ページの下の2番、本日御報告させていただく再評価指定品目についてです。平成7年に指定いたしました代謝拮抗薬7成分、1処方、非ステロイド性消炎鎮痛薬の7処方。平成3年に指定をした漢方エキス製剤7処方が再評価対象です。

 3ページは「別表」です。3ページと4ページにリストで挙げておりますのが、今回の報告対象の品目です。この表の一番左に資料番号というカラムがありますが、ここにお手元にお配りしている資料と対応する形で番号を記載しております。例えば、一つ目のメトトレキサートについては、資料番号代1-1と代1-2となっております。

 2点誤植があります。3ページの下から3つ目のカラムのバファリン配合錠A330ですが、資料番号の所が非ステ1-1、非ステ2-2になっておりますけれども、こちらは非ステ1-2の誤りですので訂正させていただきます。4ページの漢方処方の真中辺りに小柴胡湯とありますが、こちらの資料番号が漢2-1となっているのを、漢1-2に訂正させていただきます。

 資料の2ページの3「再評価の方針」です。再評価シートで、今回企業のほうに作成していただいたものです。現に製造販売をされ、実際に医療現場において多く使用されているもののうち、有効性に疑念が生じている医薬品については、試験の実施等により新たな知見を求めることとしているが、医療上必要性が認められ、特段有効性について懸念が認められず、かつ、製造販売後の安全確保措置も適切に実施されているものについては、以下、教科書や学会等、また診療外来における医療治療上の位置付け、安全性に関する措置、添付文書改訂等の安全確保措置の状況等を取りまとめた再評価シートで、確認を行うとさせていただければと思います。こちらが資料1-12-1という番号が振ってあるものです。

 もう1つの資料として御用意させていただきましたのが、「使用実態シート」です。資料1-22-2というシリーズのものです。こちらは、実際に医療現場における使用実態を確認するためということで、各社にレセプトデータ等に基づいて、各処方を成分ごとに使用実態シートとして取りまとめて提出していただいたものです。データの範囲は、原則1年間又は過去遡っても5年までのデータということで、主にIMSの情報、又は日本医療データセンターでまとめられているJMGC又はMDVという、メディカルデータビジョン株式会社のレセプトデータ、その他処方実態に関する適切なデータベースというものを対象としてデータを収集し、使用実態シートということでまとめていただいて、提出いただいております。

 再評価シート、使用実態シートに基づき、個別資料を各社から提出いただいておりますので、これに基づいて個別に御説明させていただきます。資料1の説明は以上です。

○吉田部会長 御質問、御意見がありましたらお願いいたします。基本的には、現に製造販売されている薬の中で多く使用されているということが一つその候補になって、その中に有効性に疑念が生じているものかどうか、あるいは安全確保措置が適切に実施されているかということが眼目のようです。

 参考人をお呼びしている関係上、漢方エキス製剤から個別の説明にいきたいと思います。資料漢1-1から漢7-2までの説明をお願いいたします。

○事務局 漢方エキス製剤から御説明させていただきます。「小柴胡湯」ですので、資料漢1-1と漢1-2を御用意ください。再評価シートの見方です。1.「医薬品に関する情報」です。成分名は小柴胡湯です。販売名は代表的なものを記載しています。その他の品目に関しては別紙です。小柴胡湯に関しては、参考資料の前のページに一覧を示しています。小柴胡湯の効能・効果は記載のとおりです。再評価指定日については平成3年です。

 3.「公表文献成書等について」です。()「教科書等への標準的治療としての記載状況」をまとめています。国内の教科書等ということで、日本医師会、医薬品カードなどから、小柴胡湯に関しての記述の抜粋があります。2ページで成書ということで、「一般用漢方処方の手引き」、「漢方診療医典」などで記載があります。その他の教科書ということで抜粋を掲載しております。

 3ページで()「学会又は組織等の診療ガイドラインへの記載状況」です。日本東洋医学会 EBM 特別委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン・タスクフォースより取りまとめられた「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン2010」、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG) Appendix2011」というものを参考に、エビデンスに基づくガイドラインということで、小柴胡湯の該当部分の記載をしております。

 4.「重大な措置状況等」です。小柴胡湯に関しては、間質性肺炎ということで、緊急安全性情報が平成8年に発出されております。

 5ページは「安全確保措置の状況」で、添付文書の改訂の履歴を掲載しております。6ページは、企業としての再評価に関する見解です。現時点において承認された効能・効果及び用法・用量の範囲で治療が広く行われている。国内での重大な措置状況、海外措置報告及び添付文書改訂などの経緯を踏まえると、現時点において本剤を使用する上で安全上新たな措置対応及び懸念事項は認められていない。以上を踏まえ、現在の添付文書に記載された効能・効果、用法・用量及び使用上の注意等で新たに記載整備をする知見は得られていないと考えられる。このような見解の記載をいただいています。

 7.「臨床成績に関する文献」ということで、参考文献をまとめています。参考資料ということで、成書、教科書、ガイドラインの抜粋を付けています。

 資料漢1-2は小柴胡湯の使用実態シートです。IMSのデータから処方データを、効能ごとに引いています。いずれにおいても処方又は使用されています。

 以上、再評価シート、使用実態シートのデータから、教科書、ガイドライン等で位置付けられ、添付文書等安全確保措置も適切に行われているということで、新たな懸念は認められない。使用実態も広く使用されていることから、事務局としては本剤について、再評価結果としてはカテゴリー1が妥当と考えています。1品目は以上です。

 次は、資料漢2-1と漢2-2で「黄連解毒湯」です。黄連解毒湯の効能・効果は記載のとおりです。再評価シートの1ページの下からですが、教科書等での記載があります。3ページでは、日本東洋医学会でのガイドラインでの記載状況が掲載されています。5ページで安全確保措置、添付文書の改訂も行われています。

 資料漢2-2の使用実態シートも、IMSのデータに基づき、それぞれ処方されています。1点目の鼻の出血に関しては、IMS上はデータが出てこなかったということで、補足資料を3ページから、黄連解毒湯の止血での使用例に関する文献が複数提出されています。以上を踏まえ、黄連解毒湯に関しても先ほどと同様に再評価としてはカテゴリー1に該当と考えております。

 次は、資料漢3-1と漢3-2で「小青竜湯」です。小青竜湯の効能・効果は記載のとおりです。教科書、ガイドラインに記載があります。5ページは安全確保措置の状況です。使用実態に関しては、IMSのデータで、各効能で処方されているということで、使用実態も確認されています。以上から、小青竜湯についてもカテゴリー1に該当すると判断しております。

 次は、資料漢4-1と漢4-2で「白虎加人参湯」です。効能・効果は、のどの渇きとほてりのあるものです。教科書、成書等に記載があります。3ページの重大な措置状況は該当事項なしです。その下の安全確保措置、添付文書等は改訂されております。使用実態に関しては、資料漢4-2で、IMSのデータでのどの渇き、ほてりということで多く使用されています。以上から、白虎加人参湯に関してもカテゴリー1と判断しております。

 次は、資料漢5-1と漢5-2で「六君子湯」です。効能・効果は記載のとおりです。胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすくといった効能です。先ほどと同様に、教科書、ガイドライン等に記載があります。添付文書の改訂等の措置がされています。使用実態に関しても、資料漢5-2で、IMSデータに基づいて各効能で多く処方が認められています。こちらもカテゴリー1に該当すると考えております。

 資料漢6-1と漢6-2で「桂枝加芍薬湯」です。効能・効果は腹部膨満感のある次の諸症ということで、しぶり腹、腹痛です。こちらも同様に教科書、ガイドライン等に記載があります。使用実態に関しては、資料漢6-2で、IMSで処方のデータもあり、こちらもカテゴリー1に該当すると考えております。

 次は、資料漢7-1と漢7-2で「芍薬甘草湯」です。効能・効果は、急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛です。こちらも同様に成書、ガイドライン等の記載があります。添付文書の改訂が4ページで、カンゾウの関係のグリチルリチン酸含有医薬品等の関係の注意喚起等も行われています。使用実態に関してはIMSデータでは、それぞれ多く処方されて実際に使用されているということです。こちらも、以上を踏まえてカテゴリー1に該当すると考えております。

 漢方7処方については以上です。笠貫委員から事前にコメントを頂いておりますので御紹介いたします。「漢方薬であっても、副作用の報告はあり、被害救済制度の中でしっかり対応することが重要である。一方で有効性については、漢方薬による治療は患者個人の体質などにより選択される個別医療であり、ランダム化比較試験などの有効性を評価する試験を実施することの難しさは理解できるが、製造販売業者として、引き続きエビデンスの確立には取り組んでいただきたい」というコメントを頂いております。説明は以上です。

○吉田部会長 本日、参考人としてお越しいただいております寺澤先生と花輪先生から、笠貫委員のコメントに対するお答えも含めて補足の説明があればお願いいたします。

○寺澤参考人 非常によく調査が行き届いております。臨床の実態を反映したものだと思います。この再評価結果に異議はありません。

○花輪参考人 特に異議はありません。

○吉田部会長 有害事象も決して少なくないのではないかということなのですが、重症度等も含めてどんな現状かを御説明いただけますか。

○寺澤参考人 一番頻度が高く出る有害事象としては、生薬の「甘草」に伴う偽アルドステロン症、血清カリウム値が低下し、血圧が上昇し、むくみが起こります。これについては十分な注意喚起が、厚生労働省から出されておりますので、皆さんが注意を払うようにしております。

 2番目としては、間質性肺炎が非常にごく希に起こるのですが、これについても警告が発せられておりますので、臨床の現場では適切に対応しています。

○吉田部会長 資料1に臨床試験のデータがあるのですけれども、ランダム化比較試験と言いながら、19例とか20例と数が少なく、これで科学性が本当に担保できるのだろうかという懸念は確かにあります。この辺の臨床評価の難しさということについて、笠貫委員が質問されていますけれども、具体的にはどういう理由で難しいということになるのでしょうか。

○寺澤参考人 私自身、インアクティブなプラセボを対象とした、脳血管性認知症のダブルブラインド・コントロール・スタディをしたことがあります。漢方の病理感というのは、病態を陰と陽の状態に分ける、プラスとマイナスですが、これで治療が全く違ってくる。虚と実というパラメーターもあるので、座標軸でいうとX軸とY軸で立てて、第1象限にあるものと、第2象限にあるものと、第3象限にあるものとでは治療の戦略、選ばれる処方も違ってきます。

 したがって、西洋医学的に、慢性C型肝炎というカテゴリーで分類された病態も原則として4分割される。その第1群をターゲットにしてブラインドを掛けていかなければいけないということなので、それが非常に実施上難しいのです。しかし、一歩ずつやられているのが現状です。最初の母集団からの切り分け、エントリークライテリアが難しいです。

○吉田部会長 有効・無効の判断というのは、いわゆる西洋医学と基本的には変わらないのですか。

○寺澤参考人 はい、これはパラメーターとして肝酵素がどうなったかとか、CRPがどう動いたかとか、そういうものをパラメーターとします。

○吉田部会長 そういうものが、基本的にはパラメーターになってやっていると。

○寺澤参考人 はい。

○吉田部会長 ただいまの内容に関して、委員の先生方からの御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

○花輪参考人 追加なのですが、漢方薬はよく香りとか味があるからプラセボが作りにくいと言われています。今の日本の技術ではそんなことはなくて、官能試験を通して、本物と見分けが付かないプラセボを作ることは、技術的には可能です。私どもの研究所でも、そういうプラセボを作って、実際に薬剤師とか、何名かに実薬とプラセボを飲んでもらっても違いが分からないことを確認した上でRCTをやっております。

 漢方の特徴を反映するために、最初は一律に投与して、効いたものをリスポンダと評価して、その人にもう一度RCTを掛けるとか、そのような漢方の特徴を生かしたRCTの仕方なども検討しております。そんな形で、エビデンスは少しずつ蓄積されていると認識しています。

○吉田部会長 いかがでしょうか。菅野先生どうぞ。

○菅野委員 プラセボができて、アメリカのFDAで六君子湯等の治験を要請されているという話も聞きます。きちんとしたものができるのであれば、きちんとした効能・効果を確かめるような試験を実施されるのが、本当の意味での科学的評価に耐える効能が出てくるのではないかと思いますので、是非、今後御検討をお願いいたします。

 私のコメントとしては、漢方製剤の注意に、他との併用について若干の注意書きが書いてあります。具体的に何剤までというようなことが、漢方の学会では慶應の渡辺先生に聞くと2剤までと、一応は指針のように言っていらっしゃいます。具体的にどのぐらいまでと。内容がかなり重複している部分がありますので、その辺りをきちんと明確にされないと具合が悪い。甘草の話をされましたけれども、甘草は漢方だけではなくて、食品にも随分使われておりますので、知らないうちに甘草を摂取していることがあり得るわけです。その辺りの定量的な評価をきちんと明示される必要があるのではないかと感じております。漢方、東洋医学を開業している先生は、5剤も6剤もドッと出すわけです。そうすると肝障害を来たした症例も出ていますので、その辺りの御検討を是非お願いできればと思っております。

○吉田部会長 適正使用のガイドラインというか、注意喚起も併せてやっていただきたいということだと思います。確かに六君子湯などというのは何だかよく分からない。思わず本当ですかと訊きたくなります。便秘でも軟便でも両方に適応できますということですから。また、胃炎とか、胃アトニー、胃下垂等適応症にしても、こんなものが本当に病的な状態、つまり疾患概念として成立するのかといえば、むしろ否定的だろうと思います。この辺の解釈は、同じ言葉を使っていても多分違っていて、いわゆる症候学的な言い回しとして使っているのだろうと思うのですが、再評価してくださいと言われても、直接的な証明は難しいと言わざるを得ません。従って、そのような形の中での評価を前提にしているということでまず注文を付けておきたいと思います。他にありますか。よろしいですか。

 基本的には重大な有害事象が頻発している状況ではないということと、たくさん使われている現状と、漢方の適正使用に対する注意喚起をやるということですので、一般論的には止める理由は乏しくなります。なお、プラセボを作るのが難しいことでは決してないということであれば、多数例によるプラセボ・コントロールの大規模試験を将来やってほしいということも条件として付けておきたいということでよろしいですか。これらの点についてある程度コメントを頂き、それを付けてカテゴリー1として御確認いただいたということでよろしいでしょうか。そういうことで確認いただいたものといたします。それでは、参考人の先生方どうもありがとうございました。

○事務局 ありがとうございました。製造販売業者にも、適正使用又は副作用の関係の情報提供について、引き続き努めるよう伝達したいと思います。

                             ( 寺澤参考人、花輪参考人退席)

○吉田部会長 次は代謝拮抗薬について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 続きまして、代謝拮抗薬についてです。資料代1-1、代1-2を御用意ください。一つ目は、メトトレキサートです。販売名は記載のとおりで、代表的な先発メーカーのものを記載しております。効能・効果も記載のとおりです。

 5ページ、再評価指定が1995(平成7年)です。6ページ、欧米等の承認状況ですが、米・英・独と、多くの国で承認をされております。公表文献、成書等についてですが、国内の教科書等ということで、メトトレキサートの通常療法、また急性白血病の中枢神経系及び睾丸への浸潤に対する寛解など、日本臨床腫瘍学会の新臨床腫瘍学や血液病のレジデントマニュアル等に記載をされているということで、抜粋をしております。

12ページですが、絨毛性疾患に対するMTXの投与で、こちらも成書等からの記載の抜粋です。13ページは、肉腫に対する投与に関係する部分です。14ページですが、学会又はガイドラインへの記載状況です。レジメン等ですが、後ろに参考資料として該当部分を添付しております。国内ガイドライン等でのレジメン、投与例等々、治療成績などを記載しております。

24ページです。重大な措置状況、海外措置報告ですが、海外での回収情報は米国で4件、英国で1件です。いずれも日本での輸入のない製剤、ロットということで、国内での対応は行っておりません。また、連日投与の誤投与による副作用発現防止に関する注意喚起をしております。25ページは、添付文書等の改訂の履歴です。

 続いて、資料代1-2使用実態シートです。2~3ページですが、IMSのデータに記載がなかったということで、JMDCの使用データベースからということで、3.の最初の表が1年間のデータ、その下が過去5年間の累積のデータです。いずれも使用実態があるということで、以上からメトトレキサートに関しても再評価結果としてカテゴリー1に該当すると考えております。

 続いて資料代2-1、代2-2です。エノシタビン、販売名はサンラビン点滴静注用です。会社は旭化成ファーマ、効能・効果は急性白血病です。承認自体は少し古くて、昭和57年の承認ということで、平成21年に販売名の変更がされております。再評価指定は平成7年です。

 2ページから国内教科書、白血病治療マニュアル等の記載があります。3ページですが、ガイドラインでは「造血器腫瘍ガイドライン」、またJALSGというスタディグループでのプロトコールなどが別紙でまとめられております。

 4ページですが、再評価の見解です。重大な安全確保措置実施を必要とする問題点は認められておりません。現時点においても、効能・効果、用法・用量等を変更する必要はないと考えるといった見解が示されております。

 資料代2-2、使用実態ですが、IMSの1年のデータです。急性白血病で0.3という数字があります。次のページに、少し詳細な、解析した細かい疾病名での分類や割合等の記載があります。以上、エノシタビンに関してもガイドライン等で位置付けられており、使用の実態もあるということで、これらもカテゴリー1に該当すると考えております。

 続いて、資料代3-1、代3-2です。5-FU(フロオロウラシル)の製剤についてです。4ページまで効能・効果の記載があります。下線が引かれている効能、膵癌に対する効能ですが、こちらは未承認薬・適応外薬の開発要請の関係で新たに効能を取得したもので、再評価対象外の効能です。欧米等での承認状況は、米国、英国等です。公表文献・ガイドラインについては、かなり多くの成書又はガイドラインでの記載があるということで、件数のみ載せております。

 8ページから、重大な措置状況、海外措置報告等です。当局に報告した海外措置報告は4件ですが、DPD欠損等の患者への注意ということで、使用上の注意の改訂、また米国、英国における回収に関する報告に関しては、国内の製造ということで影響はないとして、対応は行っておりません。

 9ページですが、添付文書の改訂です。適切に、その都度添付文書の改訂を細かく行っており、16ページまで履歴を掲載しております。こちらも再評価に係る見解は、現時点において承認された効能・効果、用法・用量の範囲で治療が広く行われており、国内での重大な措置状況、海外措置報告及び添付文書改訂などの経緯を踏まえると、現時点で新たな措置対応、懸念事項は認められていないという見解が述べられております。

 資料代3-2、使用実態です。IMSのデータとJMDCの両方のデータを取っていただいておりますが、両方含めて膵癌、子宮体癌、卵巣癌、肺癌、子宮頸癌等についてもJMDCのデータと併せて見ると、使用実態はあるということになろうかと思います。以上から、5-FU(フロオロウラシル)についても、再評価結果としてカテゴリー1と判断をしております。

 資料代4-1、代4-2、テガフールです。販売名はフトラフール、効能・効果は記載のとおりです。ガイドラインについては、2ページで大腸癌、乳癌の診療ガイドラインへの記載ということです。3ページは添付文書改訂の履歴等を記載しております。

 使用実態としては、資料代4-2でIMSのデータの過去4年の累積データを掲載しております。一部、新生物ということで一括で集計されたところがあって、*を付けている所ですが、集計困難なところがあったということです。

 これについて、4ページの参考資料3としてイプソスヘルスケアがん治療モニターデータで、保管データとして、投薬患者数を癌種ごとに集計したデータを掲載しております。こちらも踏まえて使用されているということですので、テガフールに関しても再評価結果はカテゴリー1に該当すると考えております。

 続いて、資料代5-1、代5-2、シタラビンです。販売名はキロサイド、効能・効果は急性白血病又は記載のとおりです。欧米等の承認状況ですが、米国、英国等です。3ページ、公表文献、成書等ですが、複数の教科書での記載、又は急性白血病「造血器腫瘍診療ガイドライン」などに記載されております。重大な措置状況等については、なしということです。海外措置報告は、品質の関係の報告です。安全確保措置ですが、添付文書の改訂等は特段実施をされておりません。これまで国内での重大な措置状況、海外措置等の状況を踏まえると、現時点で新たな対応・懸念事項は認められないという見解が述べられております。参考資料ですが、癌種ごとにガイドライン又は論文を細かく添付いただいております。

 使用実態は、代5-2です。IMSデータで掲載をいただいております。参考資料3が補完するデータで、健保のレセプトデータです。推定投薬患者数ということで、疾病分類ごとに患者数のデータを提出していただいております。こちらも補完のデータとして含めて、先ほどのガイドライン又は使用実態等を踏まえて、本剤についてもカテゴリー1に該当すると考えております。

 続いて、資料代6-1、代6-2、メルカプトプリン水和物です。効能・効果は急性白血病、慢性骨髄性白血病です。欧米等の承認状況は米国、英国、独、仏等です。数多く成書等にも記載があるということです。5ページからは、学会ガイドラインなどの記載もされております。重大な措置状況はなしですが、その他海外措置又は添付文書の改訂履歴も記載をいただいております。

 資料代6-2、使用実態です。メルカプトプリン水和物ですが、2ページ、社保のレセプトデータでは、2012年にそれぞれ効能に関して使用実態ありということです。以上を踏まえて、カテゴリー1と判断しております。

 続いて、資料代7-1、代7-2、テガフール・ウラシル、販売名はユーエフティーです。効能・効果は記載のとおりです。承認状況はフランスです。公表文献等ですが、大腸癌治療ガイドライン2010、肝癌診療ガイドライン、肺癌診療ガイドライン等々に記載があります。4ページからは添付文書の改訂の履歴です。再評価に係る見解ですが、現時点で本剤を使用する上で安全上新たな措置対応、懸念事項は認められておりません。関連の文献の一覧を7~9ページに掲載しております。

 資料代7-2、使用実態です。IMSのデータですが、各統計部分等についてレセプトデータを掲載しております。以上を踏まえ、本剤についてもカテゴリー1に該当すると判断しております。

 代謝拮抗薬の最後ですが、資料代8-1、代8-2、ドキシフルリジンです。販売名はフルツロンカプセルです。効能・効果は胃癌、結腸・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌です。こちらも各成書、がん診療レジデントマニュアル等の記載、胃癌治療ガイドライン、大腸癌治療ガイドラインなどの引用を掲載しております。4ページから再評価に係る見解ということで、少し長めに記載をいただいておりますが、ドキシフルリジンを含む療法は本剤の適応症の癌種において実際の臨床で治療選択肢の1つとして有益と考えるということで記載をされております。

 資料代8-2、使用実態です。1ページはIMSの2012年のデータです。子宮頸癌ですが、補完するデータということで、備考に記載がありますが、メディカル・データ・ビジョン(MDV)のデータでは、対象127病院において6名の子宮頸癌の患者に使用実態があるということです。2ページにも、学会の雑誌に子宮頸癌の患者への使用例があります。以上から、ドキシフルリジンに関してもカテゴリー1に該当すると考えております。

○吉田部会長 それでは、御質問、御意見をお願いします。田村先生いかがですか。

○田村委員 今回の判断には納得します。しかし、かつての薬剤は適応範囲が広いですね。

○吉田部会長 それは特に代5-1のシタラビンで、消化器癌、胃癌、膵癌、肝癌、結腸等と「等」まで付いていて、おまけに肺癌、乳癌、女性性器癌、膀胱まで適応に入っていますので、固形癌なら何でもということになります。しかし、使われている状況を見ると、ほとんど急性白血病だけですね。最近の見ると膀胱癌は少し使われているけれども、あとはほとんど使われていない。この辺りをどう評価するかということだと思います。昔の臨床試験成績の評価が非常に甘いときに適応を取ってしまった薬は、このようなことが少なからず起こってます。テガフールも、消化器癌(胃癌、結腸・直腸癌)とありますが、例えば、この際消化器癌をやめて、胃癌、結腸癌、直腸癌とするわけにはいかないのかと思うのですが、この点に関してはいかがですか。

○事務局 事前に先生の御指摘のところは検討したのですが、幾つか臨床の先生から意見を伺っている範囲では、ごくまれな癌なども、数は少ないと思いますが、ここで読んでいる実例があるようです。今、すぐにここを取ってしまうと、多少問題があるかもしれないということで、特に効能の表現等については、これだけの話ではなくて、医薬品の効能全体の話もあるかと思いますので、例えば研究班等で関係学会の先生方の御意見を伺いながら、場合によっては少しシステム的に見直していくといったことで対応できたらと考えております。

○吉田部会長 それもそうですが、実態調査で出てこなくなったら、実際問題使われていないのに適応を持っていてもしょうがないだろうという意見にはならないのですか。

○事務局 資料代5-2のシタラビンですが、今回、補完するデータということで2~3ページに健保のレセプトデータが出されております。ここを見ると、IMSでは拾えていない消化器癌や肺癌等は、御指摘のとおり血液系の白血病等に比べれば処方数は少ないようですが、一応使用実態は確認できるかと考えております。

○吉田部会長 例えば、食道の悪性新生物は、消化器癌等の中に入ってくるわけですね。

○事務局 はい。

○吉田部会長 さて、どうしましょうか。有効性が本当に証明されたかと言われると、非常に困ると思うのです。今更MFCの有効性を検証しましょうと言っても、臨床試験をやる人は誰もいないでしょうし、行政的な判断ということになるのですかね。抗がん剤の場合、ほかに良い薬がどんどんできているので、自然淘汰されるだろうということで、余り目くじらを立てたりはしませんが、コメントとして入れておきたいと思います。再評価部会でそういう指摘があって、今後の使用実態を見てほしいと言っていただければと思います。

○事務局 はい、ありがとうございました。

○吉田部会長 ほかによろしいですか。

○菅野委員 今回は、こういった代謝拮抗薬は抗がん剤、あるいは抗悪性腫瘍薬としての再評価ですが、メトトレキサートや6MPは、今、免疫調整薬として使われています。実際、使用実態ではかなりそういうものが出てきます。それについてはまた別個に審査ということだろうと理解しておりますが、それでよろしいですね。

○事務局 平成7年の指定の経緯としては、抗がん剤であるメトトレキサートということですので、別の評価ということになるかと思います。

○菅野委員 それに派生して気になるのが、6MPのメルカプトプリンです。過敏性腸症候群という全く適用のないものに使われている使用実態があるのです。これに対して厚労省は指導をされているのか、これは問題ではないかと思うのです。

○事務局 参考資料3の過敏性腸症候群ですが、使用実態ということで広くデータも取っていただいています。そういう意味で拾っているところはあるかと思いますので、その点は企業にも実態をしっかり認識していただいて、適正使用ということで企業側の努力、情報提供をしっかりしていただくように指導していきたいと思います。

○菅野委員 適応がないわけですし、害を及ぼす可能性が高いので、こういったものには使わないように、きちんと企業に指導をするようにお願いしたいと思います。

○事務局 はい、ありがとうございました。

○吉田部会長 よろしくお願いします。それでは、先ほどのコメントを付けた上で、この代謝拮抗薬の再評価結果についてはいずれもカテゴリー1としたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、御確認いただいたということにいたします。引き続き、非ステロイド性消炎鎮痛剤について説明をお願いします。

○事務局 資料非ステ1-1、非ステ1-2です。まず成分名はアスピリン・ダイアルミネート、販売名はバファリン配合錠です。効能・効果は記載のとおりです。欧米等の承認状況ですが、米国、カナダです。1ページの下から、教科書等の記載なのですが、アスピリンの鎮痛効果については、多くの医学、薬学の教科書等に記載されているということ。また、ガイドラインに関しても、リウマチ又は慢性頭痛診療ガイドラインなどに記載されているということです。再評価に係る見解は、国内の公表文献等々の調査をした上で、特に現時点において、使用上、安全性上、新たな措置対応、懸念事項は認められていないということ。以上を踏まえて、効能・効果、用法・用量等、新たに記載整備する知見は得られていないと考えるという見解が述べられています。

 使用実態の方、非ステ1-2□□□□のデータベースです。それぞれ患者数の記載があります。リウマチ熱の所ですが、ここは2010年のデータですが、□□□ということで補足のデータが記載されています。後ろには少し治療指針の抜粋みたいなものを、参考ということで付けていただいています。以上を踏まえて、販売名バファリン配合錠ですが、アスピリンに関しまして、再評価としてはカテゴリー1に該当すると考えています。

 続きまして、資料非ステ2-1と非ステ2-2です。販売名はPL配合顆粒でして、この次の品目は、こちらの幼児用のPL配合顆粒ですので、併せて御説明をさせていただきます。まず資料非ステ2-1を御覧ください。成分名はサリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩です。PL配合顆粒ということで、効能・効果は記載のとおりです。教科書等の記載で、1~2ページの各「かぜ症候群」等に記載があります。ガイドラインは、日本呼吸器学会のガイドラインなどの記載があるということです。

 3ページの安全確保措置、添付文書改定ですが、重大な副作用、また、肝障害がある患者の禁忌への追記といったところ、それぞれ実証されているということです。4ページから再評価に関する見解で、1.有効性について、本剤の有効性は欠如しているとの報告は入手していないということ。また、2.安全性について、いろいろ考察をしていただいていまして、5ページになりますが、本剤の過去5年間の使用患者数を1億人と仮定した場合、肝障害、薬疹、皮膚障害の関係の数字から、肝障害については本剤を使用した患者100万人当たり、年間0.062件、スティーブンス・ジョンソン症候群については0.054件という頻度と推定されたということでして、引き続き副作用に関しては注意、見守る必要があると考えるということで、記載をいただいています。

 また、6ページの結論としては、関連した国内での副作用報告、海外での措置報告等を引き続き注意し、適切な対応を講じていくということにより、安全性に問題はないと考えられたといった見解が述べられています。

 資料非ステ2-2です。PL配合顆粒、こちらはIMSのデータですが、それぞれ処方実態があるというものです。また、非ステ3-2のほうですが、幼児用のPL配合顆粒、こちらも同様にIMSのデータで、処方実態が確認されているというところです。以上を踏まえまして、PL配合顆粒、幼児用のPL配合顆粒、それぞれについて、いずれもカテゴリー1に該当と判断させていただければと考えています。PL配合顆粒と幼児用PL配合顆粒は以上です。

 続きまして、資料非ステ4-1と非ステ4-2を御覧ください。成分名はシメトリドと無水カフェインということで、販売名はキョーリンAP2配合顆粒です。効能・効果は記載のとおりです。非ステ4-1の2、3ページですが、教科書等への記載といったところ、また、添付文書の改定の履歴を掲載いただいているところです。参考文献、該当のハンドブック等の抜粋を添付いただいています。

 使用実態は非ステ4-2を御覧いただければと思います。IMSのデータですが、少し掲載されたデータからNDの部分がありますが、2ページです。JMDCのデータで、他のデータということで掲載をいただいてまして、それぞれ使用実態ありということです。以上、IMS又はJMDCのデータから、使用実態もあり、成書等での位置付けもされているということで、本剤についてもカテゴリー1に該当すると考えています。

 続きまして資料非ステ5-1、非ステ5-2を御覧ください。成分名はサリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジンメチレンジサリチル酸塩ということで、こちら、実は販売名はピーエイ配合錠ですが、先ほどありましたPL配合顆粒の剤形違い、錠剤の形のものということで、後発品に該当するものです。2ページ以降は、先ほどのPL配合顆粒と同様に、ガイドライン又は海外措置状況を記載いただいています。また、非ステ5-2ですが、IMSのデータということで、それぞれ処方データを掲載いただいています。以上を踏まえまして、本剤についてもカテゴリー1に該当すると判断をしているところです。

 続きまして資料非ステ6-1、非ステ6-2を御覧ください。こちらはペレックス配合顆粒という製剤です。こちらも、次の小児用のペレックス配合顆粒の資料が非ステ7-1ですが、内容はほぼ同じですので、併せて御説明させていただきます。まず非ステ6-1ですが、成分名はサリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、クロルフェニラミンマレイン酸塩です。効能・効果は記載のとおりです。2ページは国内ガイドライン、呼吸器感染に関するガイドライン、かぜ症候群の治療方針の項などに記載があります。また、海外措置状況について、4ページからは添付文書の改定履歴の表が記載されているところです。いずれも適切に添付文書等の改定が行われ、注意喚起がされているということで、新たに記載整備等の知見は得られていないと考えるといったような見解が述べられています。

 資料非ステ6-2は使用実態シートですが、IMSのデータからも処方実績があります。合わせて資料非ステ7-2ですが、小児用のペレックス配合顆粒に関しても、同じく処方データが提出されているところです。したがいましてペレックス配合顆粒、また、小児用のペレックス配合顆粒、いずれについても再評価結果はカテゴリー1に該当すると考えています。資料の説明は以上です。

○吉田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方に御質問、御意見をお願いしたいと思います。前崎先生、何かありますか。

○前崎委員 実際にこのPLの有効性をプラセボと比較するなんていうのは、現実的になかなか難しいと思いますので出来ないでしょう。現実的にこれだけたくさん使われている薬ですから、世の中からPLがなくなると困る先生がたくさんおられると思いますので、そういう理由からカテゴリー1で十分結構だと思います。

 ただ、以前一般薬のときに少しお話したのですが、効能・効果の言葉遣いが、少し現実と合っていないと思います。例えば「上気道炎に伴う」と書いてありますが、ほとんど病名は急性上気道炎なのです。ですから、これは「急性」という言葉が入れば、いわゆるレセプト上の病名と、この効能・効果が合うのですが、その辺の言葉のとらえ方に違和感があります。あるいは感冒も、いわゆる急性鼻咽頭炎ですから、病名でいうと急性鼻咽頭炎ですが、効能・効果上は感冒になっているのです。

 さらにガイドラインなどでは、かぜ症候群という言葉を使っているものですから、この辺の言葉が非常に混乱してくるので、もしよろしければこれを機会に、例えば上気道炎の所は「急性」を入れてもらうとか、感冒の所は括弧書きで(急性鼻咽頭炎)とか、言葉の整理を少し考えていただくと、かなり整合性がとれますし、医者の教育上も、非常に言葉が整理されるのでよろしいかと考えます。

○吉田部会長 いかがですか。

○事務局 ありがとうございます。実は前崎先生から、以前、一般用医薬品の承認基準というものを、別途、厚生労働省で検討をしていまして、そこで御指摘を頂いたところなのですが、実は承認基準が「かぜ」という文言を使っています。そういう意味で、やはりある程度そこの整合性といいますか、全体、一般薬で使われる効能も含めて、少し整理が必要だとは私どもも思っていますが、先ほども出てまいりました癌種の所の効能・効果と同様に、別途、研究班等の仕組みを用いて、統一的な形で何か方法を出していただければと考えています。

○吉田部会長 私が訊きたいのは、承認時の病名を一字一句変えてはいけないというルールなのですか、それとも再評価でこういう言葉に変えたらというときは、それはありなのですか、ということなのですが。

○事務局 事務手続上の話になるのですが、効能・効果を変えるということになりますと、いわゆる承認事項の一部変更となります。

○吉田部会長 面倒臭い話になるのですね。

○事務局 そこは少し、まずは情報提供ですとか、そういった所で整合性を図っていき、将来的にはどこか別の、統一的な研究班とか、そういった所の枠組みの中で一斉に切り替えるのであれば、一般薬も含めてと考えております。

○吉田部会長 何十年もたっている薬だと、当時の常識と今の考え方が違ったりするから、それは前崎先生が言われるように、時期に応じて変えるべきだと思います。ですから、それがばらばらにならないように、役所としては、ばらばらが一番困るだろうし、そういった意味である程度統一する、それを何年かごとに見直していくということをやってくれたらいいと思います。よろしいですか。

○事務局 はい。

○土屋委員 これも今さらですが、PL配合顆粒を例えば1日4回使っている例があるかといったら、ほとんどの先生が3回しか使っていないというのです。これは、昔はPLがあって、ペレックスは後発みたいな格好で、実際の内容は違いますが、後発みたいなもので使っている。ところが、片方は1回1gだけで、1日3回から4回と書いてありますね。ところが、PL顆粒は1日4回、決め打ちなのです。もちろん年齢や症状で適宜増減するというけれども、実際、この使用実態を見たら、恐らく90%以上が3gだと思うのです。

 ところが、PL顆粒というのは1日4gだからといって、製薬企業が分包を作るときに、4包を1日分だからといって作っているのです。これは、調剤するときも本当に面倒臭くてしょうがないです。毎回切らなければいけないというのもありますが、ただ、本当にこうしたときに、4gというのが妥当なのかといったときに、これが4g適宜増減で、減で3gというのが、もし減が9割とかそういう数字だったら、3回から4回と書くほうが、むしろ実態に合ったやり方ではないかと思うのです。

 それから、今までそれで3回しか出していなくて、現実は有効だと言っているのですね。有効性に変わりがないとすると、私はこの「4回とする」という決め打ちがどうなのか。それから、小児が昔から6分の1と言われていて、ところが、これがPLとペレックスとで、実は最後の所、年齢の違いの所が、片方はPLの幼児用は12歳まで入っているのですが、ペレックスは11歳なのです。

 細かいことを言うようですが、私はこういう適応症や用法・用量の所を電子的に判断するにはどうやったらいいかという、厚生科研をやったり何とかしようと、この区分が違ったりとか、先ほどから出ているように、昔の話と今の所の情報の流度が違うとか、要するにこれが変えられないからといって、これを活かそうとするために、ものすごく苦労しているのです。

 ですから、そういうことからいくと、やはり先ほどの、何だかもう役割を終えたではないですけれど、使われなくなってしまったとか、そういうことも含めて、本当は再評価とかの所で、やはり実態に合って、そういうことがあっても承認事項がどうのこうのという、恐らく難しい話がいっぱいあるのでしょうけれど、そこは実態に合わせた話を、もう少し検討することがあってもいいのではないかという気がするのです。

 ですから、少なくともPL顆粒については、昔からずっと思っていて、この再評価シートで使用実態シートというときに、常用量が守られているかどうかなんて、どこにもチェックされていないですね。ですから、そういうことを含めて言うなら、本当に些細なことですが、余分な薬を飲ませることはないわけですから、そういうことからいっても、せめてペレックスに合わせて3、4回としておけばまだいいかもしれないと正直に申し上げます。

○吉田部会長 いかがですか。

○事務局 ありがとうございます。承認拒否事由うんぬんという所ではなくて、もう少し時代に合ったというか、用法・用量の変更ということで、これはPL顆粒、ほかにも後発さんがいらっしゃいますが、今回少し御意見を頂きましたので、企業のほうに再評価の結果は結果としてお伝えした上で、少しここの、例えば3回から4回への変更とか、そういった所を具体的に検討するように指摘したいと思います。

○吉田部会長 今、土屋先生から言われたことや、前崎先生の話もそうなのですが、一変だって部会にかけて、異議なしと言って、一変で認めるわけでしょう。再評価部会として、このような変更をしたらどうだろうかという議論があって、いいですねと言って決めたら、そのように変えましょうと。今みたいな議論はなくなるので、体制としては大変やりやすくなるのですが。ほかはありますか。

○林委員 統計的な所で少し質問があります。これは全体を通じてなのですが、多分いくつかのデータのソースを使って、使用実態というか患者数を推定されていると思うのですが、もしも、特に数が少ない所が問題になるのであれば、せめて人数を書くだけではなくて、何か信頼区間を書いていただくというようなことをしないと、数だけが正しいものとして議論が進むと、ちょっと間違える場面もあるかと思うので、次回以降でも構わないと思いますので、是非、信頼区間を付けていただくような形で、資料を作っていただければと思います。

○事務局 ありがとうございます。

○吉田部会長 話が計算値だけで終わってしまうわけですからね。数の信頼性への配慮もよろしくお願いします。ほかにコメントはありますか。

○村島委員 幼児用のPLとかが出てきた所で、81ページの添付文書を見ますと、11歳までは1回3gと用法・用量の所に書いてありますので、11歳以降は使えないのか、大人が使ってもいいものなのかというのがよく分からないのですが、これは別に大人が使っても、適用としてはいいのでしょうか。

 そうだとしたら全然違和感はないのですが、やはり専門上、妊婦、授乳婦の辺りを見ていますと、小児用の所で妊婦、授乳婦の表現があまりにも違和感があって、こういう指摘を受けないのかなと、今、素朴に思いましたので、お聞きしました。

○審査管理課長 村島先生の今の御質問の中に、いくつか条件があると思うのです。例えば医師が処方していいだろうかという点に関しては、医師の処方権からして、そこは別に11歳を超えた人に対して処方するということは、薬事法上は禁止されていません。あくまでも薬事法の承認の中で、効能・効果として、承認として与えられるのが、例えば小児だったらこうだということになります。

 あと、この幼児用PL配合顆粒の中で、妊産婦等への投与の注意事項ですが、ここは全体的によく共通の書き方をさせていただいている所もありますので、そういう意味で書いています。違和感が多少あるかと思いますが、情報提供をしないという選択肢よりは、情報提供をきちんとしておくことのほうが重要かということだと思います。

○村島委員 ありがとうございます。この用法・用量が、医師の処方権のほうが上回るというのは常々お聞きしているので、そういう解釈であれば理解できます。ただ、この違和感に関しては、あまりそういうクレームとか、現場で話題にならないのであればいいかと思います。

○吉田部会長 よろしいでしょうか。

○土屋委員 これは参考までに申し上げます。確かフロモックスだったと思いますが、小児用というのをお年寄りに使うので、お年寄りの方が「私は子供の薬を飲まされるのか」ということを言ったために、確か小児用という言葉を外したと思いますが、やはり幼児用とか小児用とか、本当にそういう言葉が一見いいようで、これから先、そういう意味でお年寄りの方に少量のものを出したいといったときには、むしろ6分の1の量でやっているものだからという融通が利くみたいなところもありますので。

 ただ、名前というのはどうするのかなというのは結構難しい所がありまして、ほとんど同じものが幼児用と小児用だと、ですからペレックスは12歳まで大丈夫なのかなんて、思ってしまったりするのですが、本当にそこら辺の情報の流度という、分け方とかそういうことというのは、もう少し気をつけていただきたいという気がします。

○吉田部会長 先ほども言葉遣いとか、疾患の概念の表し方、年齢についても整合性がとれるように調査していただけるというお話ですので、そのときに考えていただくということにしたいと思います。ほかにございますか。ないようですので、ただ今の先生方からのコメントを付けて、この非ステロイド性消炎鎮痛剤の再評価結果については、いずれもカテゴリー1ということにしたいと思います。よろしいですね。

 では、御確認いただいたということにしたいと思います。以上で本日の議事は終了ということになりますが、何か事務局から報告等はありますか。

○事務局 本日はありがとうございました。次回以降の部会ですが、必要に応じて日程調整させていただいて、御連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○吉田部会長 それでは、本日の再評価部会はこれにて終了ということで、閉会とします。どうも御苦労さまでした。

      


(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 井上(内線2737)

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