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2014年9月30日 第116回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成26年9月30日(火)10:00〜12:00


○場所

専用第12会議室


○出席者

【公益代表委員】

岩村委員、田島委員、野崎委員、村中委員、山川委員

【労働者代表委員】

新谷委員、高松委員、冨田委員、八野委員、宮本委員、神田委員代理

【使用者代表委員】

秋田委員、池田委員、小林委員、鈴木委員、田中委員、平岡委員、宮地委員

【事務局】

岡崎労働基準局長、大西審議官、秋山監督課長、村山労働条件政策課長、古瀬調査官

○議題

1 報告事項
2 今後の労働時間法制の在り方について
3 その他

○議事

○岩村分科会長 定刻より少し早いですが、出席予定の委員の皆様おそろいですのでただいまから「116回労働政策審議会労働条件分科会」を開催することにいたします。

 本日、御欠席と承っております委員は、公益代表の権丈英子委員、守島基博委員、また、労働者代表の工藤智司委員、春木幸裕委員となっております。

 また、工藤委員の代理で日本基幹産業労働組合連合会事務局長の神田健一さんが出席されております。

 それでは、議事に入ります前に、定足数の報告を事務局からいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

(カメラ退室)

○岩村分科会長 お手元の議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。最初の議題は報告事項となっております。事務局から、内閣府に設置されました「休み方改革ワーキンググループ」につきまして、報告があるとのことでございます。まず、その説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 御報告いたします。当分科会で現在御議論いただいている内容に関係する新しい会議体が設置されましたので、その設置の経緯や概況について御報告いたします。

 資料No.1をごらんください。今、分科会長からお話がございました「休み方改革ワーキンググループ」です。このワーキンググループの設置経緯ですが、9月16日の「経済財政諮問会議」の議題の1つとして、「経済の好循環の更なる拡大に向けた取組について」が審議されました。その際、民間議員から、最近の正社員化の流れや労働参加の拡大の流れをとらえて、女性、若者、高齢者の働きやすい雇用機会の提供、さらには我が国における長時間労働を是正し、休み方を改革していく取組を、生産性の向上と一体的に進めていくことが必要ではないかという提起がありました。

 その結果、昨年開催された政労使会議の再開とあわせ、この「休み方改革ワーキンググループ」を甘利大臣のもとに設置し、今後、休み方改革について検討していくこととなったものです。

 また、このワーキンググループが設置されたもう一つの背景は、「経済財政運営と改革の基本方針2014」、いわゆる「骨太の方針2014」において、本年6月に地域経済活性化の観点から観光振興を進めるという文脈の中で、「『休み方』の改革について検討を進め、有給休暇を活用した秋の連休の大型化等を推進する」ということも定められており、この点についてもあわせて検討される方向です。

 2ページの資料1です。「休み方改革ワーキンググループ」の趣旨は、「ワーク・ライフ・バランスの推進、生産性の向上及び地域活性化に向けた課題と具体的な方策等について検討」し、「この議論の内容は、必要に応じて経済財政諮問会議に報告するものとする」とされております。

 3ページの資料2です。メンバーは、労使の代表者や、シンクタンクや学者等の有識者の方々から構成されており、「経済財政諮問会議」との有機的な連携の観点から、座長には高橋進経済財政諮問会議民間議員が選任されております。

 5ページの資料4です。主な論点は、「ワーク・ライフ・バランスの推進、生産性向上等の観点から、働き方とともに休み方を見直すことの必要性・重要性」が1つ目の柱です。先ほど御説明した経緯もあり、2つ目として、「秋の連休の大型化等を実現する上での課題」について、自治体や教育現場、家庭、企業等から見た課題も含めて議論を深めていくこと。さらに、3つ目として、「休み方・働き方を向上させるその他の施策」についても、十分なリフレッシュと仕事の質の向上の両立について、企業の事例を踏まえて検討される方向性となっております。

14ページの資料5にスケジュールが示されております。先ほど御説明したとおり、9月26日に第1回会合が開催され、各省の取組として、厚生労働省と観光庁から、関連の施策の実施状況や基本的なデータ等について報告し、委員による自由討議が行われました。

 第2回会合は、地方公共団体や地域関係者や観光業界、教育関係者のヒアリングの上で討議が深められる予定です。

 さらに、第3回会合で、先行的な取組をされている企業・労使の取組等についてヒアリングが行われ、その上で報告書のとりまとめの議論へ入っていくということです。

 第1回会合で内閣府の事務局から説明がありましたが、現行の労働法制を前提として好事例をヒアリングし、その横展開等を考えていくことを基本的な方向性として議論していくということです。

15ページ以降に、当日、厚生労働省から説明した資料等を添付しておりますが、既に本分科会でいずれも御報告した内容ですので、説明は割愛させていただきます。私どもとしては、政府全体のこうした流れに必要な対応を行っていくとともに、御報告の必要があれば本分科会にその状況等について報告していきたいと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま説明いただきました、資料No.1につきまして御意見あるいは御質問がありましたら、お願いしたいと思います。特によろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○岩村分科会長 ありがとうございます。それでは、この議題についてはここまでとしまして、議題の2番目に移りたいと思います。今後の労働時間法制のあり方についてになっております。今回は、前回の分科会の最後にも申し上げましたけれども、長時間労働抑制策、年次有給休暇の取得促進策などについて御議論いただきたいと考えております。そこでまず、資料を用意していただいておりますので、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 それでは、お手元の資料No.2と資料No.3に基づき、御説明いたします。

 まず、資料No.2です。これは前回の分科会でもお配りいたしましたが、この議題一覧の中でも本日は黒枠で囲っております「長時間労働抑制策」と「年次有給休暇の取得促進策」について御議論をお願いしたいということでお配りしているものです。

 本題の資料No.3です。

 まず、1ページの総論です。「1我が国経済社会の担い手である労働者の心身の健康と生活時間を確保するため、長時間労働の抑制策を検討していくことが必要となっているが、これまでの審議会での議論を踏まえ、以下の点についてどのように考えるか。」として、1つ目「割増賃金の時間外労働抑制効果」、2つ目「欧州諸国にみられる労働時間の上限規制やインターバル規制」、3つ目「健康確保措置の前提となる時間把握」としております。

 「2労働者の心身の疲労回復や、仕事と生活の調和を図るためには、低迷する年次有給休暇の取得率の向上を図ることが必要となっているが、これまでの審議会での議論を踏まえ、以下の点についてどのように考えるか。」として「年次有給休暇の計画的付与制度の効果等にかんがみた、確実に年次有給休暇の取得が進むような仕組み」としております。

 「3企業労使が話合いの場を設定し、目標を設定して長時間労働抑制や年次有給休暇の取得率向上ための方策を実行の上、検証し改善していく取組みの必要性について、どのように考えるか。また、そうした取組に対する政策的支援のあり方について、どのように考えるか。」、また、「4長時間労働抑制等に係る監督指導体制の強化について、どのように考えるか。」としております。

 2〜4ページは総論的なデータです。まず2ページは、年間総実労働時間は減少傾向であるが、パートタイム労働者比率が上がっていることが主な要因で、一般労働者については、ほぼ横ばいで推移しているというグラフです。

 3ページは、週労働時間が60時間以上の者の割合は全体では低下傾向で推移しているが、30代男性では以前より低下したものの、1718%で推移しているという表です。

 また、4ページは諸外国との比較です。左側は「年平均労働時間」、右側は「長時間労働者の構成比」で、赤の週49時間以上の割合は欧米よりも多くなっているという資料です。

 5ページです。先ほど御説明した論点の1つ目の長時間労働抑制策について大きく2つに分け、1つ目として「月60時間超割増賃金率」について論点を記載しております。

 まず、1つ目として、「月60時間超時間外労働の割増賃金率(50%以上)については当分の間、中小企業には適用しないこととされているが、法律上の見直し時期の到来を踏まえ、『最低基準を定める労働基準法の性格』、『中小企業の経営や中小企業労働者の労働条件への影響』、『長時間労働抑制効果』の観点から、これを見直すことについて、どう考えるか。その際、実態調査の結果や、これまでの審議を踏まえ、業種別の実情を踏まえた対応の必要性について、どう考えるか。」としております。

 2点目として、「月60時間超の時間外労働を行った場合の代替休暇について、活用を促進していくことについて、どう考えるか。」としております。

 6ページは、「法定時間外労働の実績」についてのデータです。既に御説明しておりますが、右下の黒枠で囲っている部分をごらんいただくと、1カ月の時間外労働が最長の者で見て60時間超となっている企業の割合は、大企業で8.1%、中小企業で4.4%となっております。

 8ページです。先ほどは最長の者についてでしたが、今度は平均の者についてみると、月60時間超となっている企業の割合はさらに少なくなっており、大企業で0.5%、中小企業で0.8%となっております。

10ページは、月60時間超割増賃金率に係る平成20年改正時の労働基準法の検討規定です。

11ページは、中小企業の範囲とその割合についてで、最新の統計では、中小企業の雇用者割合は62.7%となっております。

12ページは、平成20年労働基準法改正における割増賃金率引上げ図です。右上の月60時間超の部分について、割増賃金率を50%以上とすることが大企業で義務となっております。また、黒枠で囲みました部分については、労使協定で代替休暇の対象とすることも可能となっております。

13ページは、その代替休暇の説明図です。右側の四角の例ですが、時間外労働を月76時間行った場合、4時間分の有給休暇の付与となっております。また、下の四角のとおり、1日又は半日とされている代替休暇の単位や2カ月以内とされている付与できる期間等について、労使協定を締結することとなっております。

14ページは、代替休暇制度の導入が進んでいない理由に関し、この制度を設けていない企業にその理由を聞いたものです。「管理が煩雑になる」や「システム改変が必要になる」といった理由が複数見られるところです。

15ページは、前回、委員から御指摘があったことを踏まえ、参考で現行の休日規制についてまとめたものです。「労働基準法第35条に基づき、使用者は毎週少なくとも1回の休日又は4週間に4日以上の休日を与えなければいけないこと」とされており、「4週間に4日以上の休日を与えることとする場合には、就業規則等で4週間の起算日を明らかにすること」とされております。

16ページは、長時間労働抑制策の2つ目として、「36協定の特別条項のあり方等」としております。論点としては、まず「36協定の特別条項に定める延長時間に関して、36協定の基本的性格や強制力を持たせた場合の影響を踏まえ、上限規制を行うことや特別条項のあり方について、どう考えるか。」としております。

 また、2点目は、「休息時間を確保するため、EU諸国と同様に『勤務間インターバル』制度を導入することについて、我が国の商慣行や労務管理の実態、我が国で労使の自主的取組により運用している実例等を踏まえ、どう考えるか。」としております。

17ページは、36協定の基本的事項についてまとめたものです。真ん中の点線の枠ですが、「36協定の限度時間は1カ月45時間、1年360時間等」とされております。また、「臨時的・一時的または突発的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない『特別の事情』が予想されるときは、限度時間を超えて労働時間を延長できる旨を協定することができる」とされており、この「特別な事情」については、平成15年の限度基準告示の改正により「臨時的なものに限る」こととされております。

18ページ、19ページは、「36協定・特別条項付36協定の締結状況」です。まず、18ページは、一番左のオレンジ色の網かけのとおり、36協定の締結率は37.4%から55.2%へ大幅に上昇しております。

 また、19ページは、延長時間数について、左側の1カ月では80時間超、100時間超は減っている一方で、60時間超は増加しております。右側の1年でも同様の傾向となっております。

20ページから23ページは、時間外労働の実績のデータです。

 まず、20ページは、最長の者についての1カ月の時間外労働の実績です。小規模事業場では時間外労働が大きく減少しております。一方、大規模事業場では、オレンジの下の部分ですが、月45時間超の時間外労働のある事業場割合は増加している一方で、月80時間超、月100時間超については減少しております。

21ページは、最長の者についての1年の実績で、1カ月と同じ傾向となっております。

22ページは、平均的な者についての1カ月の実績です。全ての規模で月45時間超の時間外労働のある事業場割合は減少しております。

23ページは、平均的な者についての1年の実績で、1カ月と同じ傾向となっております。

24ページは、「時間外労働・休日労働に関する労使協定の締結の有無等」についてです。時間外労働・休日労働に関する労使協定を締結していない事業場が44.8%で、その理由が右側に載っておりますが、最も多いのは「時間外労働・休日労働がない」の43.0%、次いで「労使協定の存在を知らなかった」が35.2%、すなわち全体の15.8%となっております。

25ページから26ページは、「特別条項付36協定で定める特別延長時間別の時間外労働の実績」です。25ページは最長の者についてで、下の枠のとおり、特別延長時間が長いほど時間外労働の実績も長くなっていることと、一方で、特別延長時間と比べれば時間外労働の実績は短い事業場が多くなっていることが読み取れるデータになっております。

26ページは、平均的な者についてで、先ほどの最長の者よりも実績は短くなっております。

27ページは、36協定届の省令様式と、赤字の部分がその記入例です。特別条項については特段の様式の定めはありません。

28ページから、勤務間インターバル関係の資料です。まず、諸外国の法制度との比較の表です。EU諸国においては、時間外労働も含め超えてはならない規制として、原則として週48時間の上限規制があり、また、割増賃金率は基本的に労働協約等により定められ、24時間につき原則として11時間のインターバル規制があります。

 一方、米国では量的上限規制やインターバル規制はありませんが、割増賃金率は50%となっております。

29ページから32ページは、日本国内で勤務間インターバル制を導入している事例についてのヒアリング結果です。過去の分科会で説明させていただきましたので、説明は省略させていただきます。

33ページは、長時間労働抑制の関係で、いわゆる46通達と呼ばれている「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」の概要です。「適用の範囲」は、労働時間規制が適用される全事業場で、対象労働者は、管理監督者及びみなし労働時間制適用労働者を除く全ての労働者となっております。

 また、「使用者が講ずべき措置」については、枠内に列記しているとおりです。

34ページは、医師による面接指導等の実態調査の結果です。時間外・休日労働が月100時間を超えた労働者について、申し出の有無にかかわらず面接指導を行っている事業場が81.6%となっております。また、面接指導を実施し、その結果を踏まえて何らかの措置を講じた事業場について、その措置内容で最も多いのが「時間外労働の制限」で、措置を講じた事業場のうち50.8%となっております。

 また、35から37ページは、労災の支給決定件数関係のデータです。

35ページの右側は、脳・心臓疾患の支給決定件数の多い職種を中分類で示しておりますが、多いものから「自動車運転従事者」、「営業職業従事者」、「商品販売従事者」となっております。

 精神障害についての同様のデータは37ページの左側です。上から「一般事務従事者」、「商品販売従事者」、「自動車運転従事者」となっております。

38ページは、2の論点の「年次有給休暇の取得促進策について」です。論点としては、「年次有給休暇の取得率が5割を下回る水準で推移し、年間取得日数も一桁にとどまっていることについて、年次有給休暇取得率と労働時間の関係や我が国の国民の祝日の数も踏まえ、どう考えるか。」、また、「これまでの審議会の議論や計画的付与制度の状況も踏まえ、確実に年次有給休暇の取得が進むような仕組みについてどう考えるか。また、検討に当たり、どのような点に留意すべきか。」としております。

 次にデータですが、まず39ページが「年次有給休暇の取得率の推移」で、直近の数字は47.1%となっております。

40ページは、業種別の年次有給休暇の付与日数、取得日数ですが、業種によりばらつきが大きくなっております。

41ページは、年次有給休暇の取得率と労働時間の長さの関係についてのグラフです。週当たりの労働時間が長いほど、つまり右側の棒になるほど、年次有給休暇の取得率は低い傾向にあり、青の0%や赤の0〜25%未満が増えていることが読み取れます。

42ページは、「年次有給休暇取得に対するためらい」についてのデータです。平成12年と平成24年の調査の比較になっており、下の左側のグラフをごらんいただくと、「ためらいを感じる理由」で最も多くかつ増加している項目は「みんなに迷惑がかかる」というものです。一方、右側のグラフですが、「ためらいを感じない理由」として増えているのは「効率的に仕事ができる環境だから」、「職場の雰囲気で取得しやすい」といった項目となっております。

43ページは、「年次有給休暇を取り残す理由」についてです。左側のグラフで最も多いのは、「病気や急な用事のために残しておく必要があるから」、次いで「休むと職場の他の人に迷惑になる」や「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がないから」、「休みの間仕事を引き継いでくれる人がいないから」等となっております。

 また、右側の表をごらんいただくと、年次有給休暇取得率別に各項目の割合を集計したものです。おおむね年次有給休暇取得率が低くなるほど「休んでいる余裕がない」や「引き継いでくれる人がいない」等の割合が高くなる傾向となっております。

44ページは、年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合です。全体として2割弱で推移している状況です。

45ページは、計画的付与制度を導入している企業と導入していない企業の年次有給休暇取得率の比較です制度がある企業とない企業を比べると、ある企業の方が平成24年度で8.6%取得率は高くなっております。

46ページは、「諸外国の年次有給休暇」についてです。付与方法について、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの下に大きな括弧でくくっているとおり、おおむね労使合意が優先したり、労働者等の意見を聴く手続を要したりしますが、基本的には使用者により付与時期が決定されております。

47ページは、3の論点で、「労使による話合いの場を通じた労働時間等の設定の改善について」です。論点としては、「企業労使が働き方について自主的な話合いの場を設定し、目標を設定して、長時間労働抑制や年次有給休暇の取得率向上のための方策を実行の上、検証し改善していく仕組みの必要性について、どのように考えるか。また、それに対する政策的支援のあり方について、どのように考えるか。」としております。

 まず、データとして円グラフを載せておりますが、実際に話合いの機会を設けている企業は約6割となっております。

 また、その下は、話合いの見直しに向けて企業トップのリーダーシップのもと全社的な取組を行って成果を挙げている事例を2つ載せております。

48ページは、労使による話合いの場の設定に関し、労働時間等設定改善法がありますので、その概要についてお示したものです。労働時間等の設定改善のための国や事業主の努力義務、「労働時間等設定改善委員会」の設置の努力義務等が規定されております。

49ページは、行政として労使の取組を支援している施策をまとめたものです。働き方・休み方改善コンサルタントや助成金の支給等の施策を行っております。

50ページは、「労働基準監督行政について」です。労働基準監督官制度は、労働基準関係法令の違反行為の発生を未然に防止し、かつ、早急に是正させるための機能を持っており、全国3,000人余りの労働基準監督官が配置されております。

 また、51ページは、監督業務の実施件数等です。左側上から計画的に行われる定期監督、労働者からの申告による申告監督、また、重大・悪質な事案に係る司法処分について、ごらんの数字となっております。

 最後に52ページは、労働基準監督の仕組みについてのフロー図です。法違反がある場合とない場合について、それぞれごらんのような流れになっております。

 なお、最後に、資料の関係ではありませんが、前回、小林委員から、中小企業における月60時間超割増賃金の適用猶予に関して、関係団体等に事務局からヒアリングを行ってほしいという御意見をいただいたことを踏まえ、事務局でヒアリングを開始したところであることを御報告いたします。

 駆け足ですが、説明は以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局から長時間労働抑制策、そして、年次有給休暇の取得促進策、その他について説明をいただいたところでございます。これから委員の皆様方の御意見あるいは御質問などをお願いしてまいりたいと思いますけれども、議事の進行を整理させていただくために、全体を2つに分けまして、前半と後半という形にさせていただいて進めてまいりたいと思います。

 まず、前半としましては長時間労働抑制策について、これは資料No.3の1ページに総論ということで全体の構造が出ていますが、そのうちの1に関する部分につきまして、御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。

 小林委員どうぞ。

○小林委員 まず、事務局にお礼を申し上げたいと思いますけれども、長時間労働抑制の議論をするに当たって、どうしてもいろいろな業種の特性があるということは以前から申し上げているところでございます。いろいろな業界団体からヒアリングを開始していただいたということでございますので、それぞれの業界団体も名前の公表ができるとかできないもあると思いますので、その辺公開ができるかどうかわからないところもありますけれども、一通り終わった段階である程度、ペーパーにできないのであれば口頭でも結構でございますので、経過の御報告をよろしくお願いいたします。

 長時間労働の抑制策で、1の月60時間超の時間外労働の件なのですけれども、従前から申し上げていることをもう一度繰り返しになりますが、大企業で実際に割増賃金率50%以上というのが既に始まっているのですけれども、そのデータを見ても割増賃金の時間外労働の抑制効果という部分では余り効果が出ていないというのがひとつございます。その辺も十分踏まえて今後も議論していただきたいということと、業種別の実情を踏まえた対応というのはどうしても必要でございます。業種特性に合わせた、これを取り入れることが逆に負担になってしまうとか、いろいろな部分もございますので、その辺を踏まえて今後も検討していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。新谷委員どうぞ。

○新谷委員 資料No.2にこの分科会で論議すべき論点の全体像が示されている中で、今日については1つ目の論点とされている「長時間労働抑制策・年次有給休暇の取得促進策」について論議を行う会であるとの整理をしていただいたところです。今日は長時間労働抑制策に関する各論部分についても本格的な論議を行うということでございますので、それに先だち、まずは総論的な考え方を申し上げたいと思います。

 今回のテーマであります長時間労働抑制策・年次有給休暇の取得促進策については、まず、我が国の労働時間が一向に削減されておらず非常に長時間のままであるという実態、それに派生する問題として、いわゆる家庭と仕事とのバランスがとれていないというワーク・ライフ・バランスの問題、これは我が国の課題として浮上しております少子化の問題とも直結しているわけですが、こうした課題が存在しているということをまず指摘しておきたいと思います。

また、今日の資料にも入っておりましたが、非常な長時間労働によって、いわゆる働き過ぎに起因する脳・心臓疾患による「過労死」が発生しているという問題も起きています。この過労死の問題については、今日の資料にもあるように、平成23年には過労死認定された方が121名、平成24年が123名、今回が133名ということで、年々過労死で亡くなる方の数が増えてきているという実態にあることを強調しておきたいと思います。

 そこで、こういった労働時間の現状を見たときに、まず行うべきは1の論点であります「長時間労働の抑制策・年次有給休暇の取得促進策」を優先的に議論してこの分科会において一定の方向性を出すということに注力すべきということであり、それが重要であると考えているところです。こうした結論を踏まえた上で、その他の論点についての論議も行っていくといった整理がなされることが必要であると考えています。

 こうした我々の考え方は、何も労働側だけが主張していることではありません。発表された資料等によりますと、例えば5月28日の「産業競争力会議」において、議長であります安倍総理は、「まず『働き過ぎ』防止のために法令遵守の取り組み強化を具体化することが改革の前提となる」と言われておりますし、また、国会での論議、具体的には衆議院の6月16日の「決算行政監視委員会」においても、安倍総理から「過労死は絶対にあってはならないことだから、われわれはそれはしっかりやらなければならない。労働基準局もちゃんとその仕事を徹底していくというのは当然のこと。そういうことをより一層ちゃんと徹底していくことが前提だ。」といった趣旨の御発言があったと聞いております。まさしく行政府のトップとして総理がこうした方針を示しているということを踏まえましても、まずは実効性のある長時間労働抑制策・年休取得促進策を講ずることを最優先に議論すべきであると考えている次第です。

 すなわち、私どもとしては、今日から始まる「長時間労働抑制策・年次有給休暇の取得促進策」の論点について、まず一定の方向性を見出して、その上でその後の論議につなげていくという整理がなされないと、今後の論議を進めていくことはなかなか難しいと考えております。この点、議論の冒頭にあたって、まずは総論的な考え方として申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ただいま新谷委員から議論の進め方について御意見があったところでございます。振り返ってみますと、昨年9月27日、労働時間制度改革の議論がこの分科会で始まりました経緯は昨年6月の「日本再興戦略」の閣議決定だったわけでございます。閣議決定の中で生産性向上とワーク・ライフ・バランスを実現するために総合的に検討することがうたわれ、これを前提に、これまでもまさしく総合的に議論を重ねさせていただいた経緯があり、それを引き続きさせていただきたいという思いがございます。

 付言いたしますと、今年6月の「日本再興戦略改訂2014」では、世界トップレベルの雇用環境の実現の大前提として、働き過ぎ防止に全力で取り組むということが盛り込まれました。この世界トップレベルの雇用環境というのは、例えば「産業競争力会議」の議論では、柔軟で多様な働き方ができるような社会、あるいは企業外でも能力を高め、適正に移動できる社会。さらには、全員参加により能力が発揮される社会という大きな3つの社会像を表したということで、一言で申し上げれば、全ての労働者の方々が生き生きと働いて、持てる能力を最大限発揮できるようなイメージだと理解しております。そうした社会を実現するため、政府としても能力開発支援を行ったり、あるいは多様な正社員制度の普及を図ったり、あるいは個々の企業の中で処遇の公正性を確保していくというようなさまざまな取り組みの文脈の中で、世界トップレベルの雇用環境をとらえることができ、弾力的な労働時間制度も当然その中身に入るとは思っておりますけれども、それに限らないと理解しているところでございます。

 また、生産性向上に向けた施策と過重労働防止に向けた諸施策というのは相互に関連するところがあると思っておりますので、これは同時並行的に進めるべきと考えます。

 私からは以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 それでは、八野委員のお手が先に挙がりましたので八野委員どうぞ。

○八野委員 今、使用者側からも「世界トップレベルでの雇用環境」といった話がございました。それに関連して、そうした雇用環境をつくる上で、まず労働政策をどのように考えていくのか、ということを考えるべきと思います。私としては、やはり社会の中には社会的弱者がいるというのが現状であり、その人たちが抱える雇用環境の問題をいかに制度的に解決していくかが労働政策上重要なのではないか、と思っています。

 それを労働時間法制という視点から見たとき、労働基準法は「人たるに値する生活」を保障するための労働条件の最低基準を定めるものであり、事業や職種が異なれば人たるに値する生活水準が異なってもよいというものではない以上、やはりすべての労働者に対して平等に健康、安全の確保、生活時間を十分に保障するといったことがなされるべきであり、言い換えれば、全ての労働者に対して平等に規制をかけていくことが非常に重要なのではないか、と思っております。

 それと、この場でも「生産性」という言葉が出てきておりますが、何をもって生産性と言っているのか、その意味するところが明確になっておりません。「労働生産性」を指しているのか、それとも「全要素生産性」的なものを指しているのか、このあたりの「生産性とは何か」といった定義にかかる議論も、この場できちんとしていくべきだろうと思っています。

 次に、長時間労働抑制策については、「時間外労働にかかる上限時間規制の導入」を求めたいと思います。この関係では、先ほど説明があった4ページを見ますと、欧米諸国との労働時間の長短の比較が出ております。「世界トップレベルでの雇用環境の実現を目指す」というのであれば、日本の年平均労働時間を欧米諸国との比較でどう捉えるのかという観点も必要と思います。この点、資料によりますと、日本は欧米諸国に比べて年平均労働時間が2割程度長くなっており、特に週48時間以上働いている者の割合については、わが国では23.1%であるのに対し、イギリス、フランス、ドイツでは11%台にとどまっているところです。この差を生み出している要因についてはさまざまに考えられると思いますが、私はとりわけ「時間外労働の量的上限規制を明確に課しているか否か」という点が大きいのではないか、と考えております。

 その他、28ページを見ていきますと、皆様御承知のとおり、わが国では36協定さえ結べば法定労働時間を超えてどれだけ残業させたとしても何ら罰則を科されることはないというのが現状になっておりまして、「時間外労働が青天井になっているのではないか」という指摘もなされているところです。

 この点について、EU諸国では安全衛生の観点から「労働時間は時間外労働を含めて原則として週48時間まで」との規定がなされており、この労働時間に関する量的上限規制に違反した場合には当然違法となる法制が採用されております。

 こうした事例からもわかるように、わが国において時間外労働を削減するためには、時間外労働に関する量的上限規制を導入することが何よりも効果的だ、と考えております。

 それと、今、厚労省の告示にとどまっているために強制力等に欠けている「時間外労働限度基準告示」について、これを法律へ格上げするとともに、特別条項付36協定を適用する場合における上限時間規制を法定化するなど、適宜、規制強化を行うべきであろうと思っております。その際、告示の適用除外になっている「自動車の運転業務」等についても規制を強化すべきであると考えております。

 最後に、1つ事務局にお伺いしたい点があります。先ほどの説明の中で、36協定を届け出るための「様式」は定められている一方、特別条項付きの36協定については何ら「様式」がないという説明がありました。この点、特別延長時間や健康確保措置が妥当なものとなっているかといった点を行政として判断するためには、特別条項付きの36協定についても一定の「様式」がなければ行政監督も不十分になってしまうのではないか、という懸念を覚えるところです。その辺について、何か御意見等がございましたら、ご回答いただきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 では、1点事務局に質問でしたので、よろしくお願いします。

○村山労働条件政策課長 ただいまの八野委員の御質問へのお答えに先立って、先ほど小林委員から御意見のあった点ですが、現在、関係団体へのヒアリング等を行っておりますので、一巡した段階で、審議会への御報告の仕方について、各側と御相談してまいりたいと考えております。

 その上で、ただいま八野委員から御質問のあった件です。確かに、労働基準法施行規則上の様式第9号には、ただいま御指摘のあった特別条項に関する様式の定めはありません。一方で、手続や特別延長時間等の具体的な内容について労使間で定めてくださいという内容については告示上で定めております。

 そして、局署レベルでの指導としては、省令様式のみならず特別条項の書き方についても一定のモデル的な例もお示ししながら、こうした形できちんとやってくださいという指導をしております。そうした実績をベースしにながら、ただいま委員から御提案のあった点も含め、長時間労働の抑制や健康確保措置のあり方について、この場で御議論を深めていただければと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 それでは、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 先ほど鈴木委員より、労働時間制度について「世界トップレベルの労働環境を実現する」という表現が引用されたましたが、これが公表された時、私には「世界トップレベル」である労働時間制度、労働環境とは一体どのようなものなのか、という点が全く想像できませんでした。といいますのも、年間労働時間の各国の平均値がこの分科会の資料でも出ていましたが、それを見ますと、わが国は先進国と言われる国の中では韓国の次に労働時間が長いグループに入っております。その一方で、ドイツなどでは1,300時間台まで実労働時間が下がってきている状況にあるわけです。このような違いがある中で、さらにわが国では諸外国には見られない「過労死」という問題も起きています。この分科会でもたびたび紹介していますように、オックスフォードの英語辞書には、そのまま「karoshi」という言葉で載っているなど、わが国固有の社会現象としても世界に広く知られているわけでして、こういった過労死の問題をどのように解決していくべきかという視点が「世界トップレベルの労働環境」といった発言においては全然考慮されていないように感じられるところです。過労死をなくさずして世界トップレベルの労働環境と言えるのか。この点をどう考えているのかが、私には本当に分かりません。

 それから、今回提案されている「新しい労働時間制度の創設」というのは、アメリカのホワイトカラー・エグゼンプションに類似した制度であると思います。このアメリカのホワイトカラー・エグゼンプションは、もともとは1938年にニューディール政策の一環としてFLSAという公正労働基準法をつくる際に導入されたものであり、具体的には、時間外割増賃金率について「使用者は、ここに規定する労働時間を超える労働について、通常の賃金率の1.5倍以上の補償を支払うのでなければ40時間を超えて労働者を使用してはならない」という単純な規定があったのですが、この規定の適用対象の例外として設けられたものがホワイトカラー・エグゼンプションだった、と私は理解しております。そういった面で言っても、例えば、先ほど小林委員からご発言のあった時間外割増賃金率の問題については、わが国では1947年の労働基準法の創設以来ずっと25%という、国際水準から見ると本当に半分程度の水準でしかなかったものが、ようやく2008年の改正で「月60時間超の時間外労働にかかる割増賃金率」に限っては50%という世界標準に届いたに過ぎない状況にあるわけです。

こうした現行制度の状況のどこを見て「世界トップレベル」の労働時間制度を創設することができるとおっしゃっているのか、全くわかりません。もし、本当に使用者側がおっしゃっていたことが、割増賃金率や上限時間規制といった点で「労働時間法制のグローバルスタンダードに近づけていく」という意味であれば、大いに私どもとしては賛成でございますけれども、それなしに「新たな労働時間制度」のみ導入するなど、いいところどりの議論をしたいというのであれば、労働側としてはそうした論議には乗っていけないということを申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 それでは、労側が続きましたので、お手が挙がっている池田委員どうぞ。

○池田委員 今回のテーマの長時間労働抑制策につきまして、その中でも大きなテーマが時間外労働の割増賃金率の見直しということでありますが、まず結論から申し上げますと、割増賃金率を引き上げても長時間労働抑制にはつながらないということが、はっきりとデータ的にはわかっているのではないかと思います。問題は、長時間労働をしている方は有給休暇の取得率が悪いということであると考えています。

 国としても、秋に大型連休をとれるような取組を検討している動きもあるようですが、日本は世界的に見ると法定祝日が多いわけですから、それを多くしていけば、休日前後の労働時間が長くなる可能性もあると思います。長時間労働の抑制策というのはいろいろな観点から総合的に検討していかないと、有給休暇取得率の問題も解決しないのではないでしょうか。単に、割増賃金率を50%に引き上げるだけでは、中小企業の長時間労働は抑制できないと思います。

 1つの例を申し上げますと、自動車運転従事者の労働時間が長いというデータをお示しいただきました。ここにきて石油価格も上がっており、人件費負担が増えるとバス代が上がり、観光代が上がる。そうすると今、旅行業界としては、ある地点から地点に動く人たちが激減して、地方の観光地区やリゾート地区が痛手をこうむるということになる。つまり、1つのところを抑制すると、必ずどこかに影響が出てくるわけです。ですから、これは具体的に政府の方策としてしっかり取り組むべきだと思います。

 別の例としては、介護サービス職業従事者の賃金を上げることは良いことだと思いますが、業種的に介護や運送業というのは、労働時間が長くならざるを得ないという事情があるわけですから、そういうところをどう解決するか、根本的なところを解決していかなければなりません。単に時間外の割増賃金率を引き上げるだけでは解決しない部分があるのではないかと思います。先ほど申し上げましたように、介護の賃金を上げていけばそこに従事する人が増えて、労働需給のバランスがとれていくことになり、長時間労働も減っていくと思います。

 それから、以前も議論があったトラック運転手の問題も、東京のコンテナヤードなどはものすごく混んでいるから待ち時間が長いわけです。そうすると、それを消化するためには長時間労働せざるを得ないということになります。いろいろなインフラ整備もしていってもらわないとならないので、総合的な政策として、国としても長時間労働を抑制し、世界トップレベルの労働環境を目指すことと同時に、いかにして労働環境を改善して労働の需給バランスをよくしていくかという視点も考えていかなければなりません。

 それから、法違反企業の問題についてですがが、守秘義務との関係があるのかも知れませんが、法違反した企業がどういう業界で、どういう環境にあって、国としてどういう改善指導を行ったのかということを、具体的に出していただきたいと思います。例えば、先日も大手飲食チェーンの法違反企業の問題が大きく取り上げられました。そうすると、社会的な制裁を受けるわけですから、企業としても労働環境を改善しないといけない、夜間の1人オペレーションのところを2人にしなければいけないという改善策をつくっていくわけです。そういうところは労使一緒になってマスコミの力もお借りして改善していかないと、なかなか解決できない問題がたくさんあるのではないかと個人的に考えています。

 ちょっと長くなりましたが、以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 それでは、もう一方、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 手短に申し上げたいと思います。先ほど新谷委員から過労死防止という観点から御発言があったところでございます。過労死防止に向けて、とりわけ過重労働対策を長時間労働の抑制と年次有給休暇の取得促進等の両面からやっていくは、私どもとしても強い思いを持っているところでございます。

 グローバル化に関してアメリカの例をおっしゃられたかと思います。前回私からグローバル化への対応、あるいは少子高齢化に伴う市場の変化に対応していくことの必要性について申し上げたところでございますが、労働法制をアメリカの制度に合わせるということを主張したわけではございません。以前申し上げましたとおり、労働法制というのは、それぞれの国・地域の法体系あるいは個々の産業・企業の労使慣行の積み上げ、あるいは労働市場のあり方によって当然違い得るものだと思っています。世界トップレベルというのは、あくまでも日本にとって働きやすいさまざまな制度、風土などをイメージしているところでございます。

 前回、神田代理からも御発言がございましたが、安全・安心な職場づくりというのは大変重要なキーワードだと思っております。ただ、私どもはその方策に関しては、それぞれの職場によって長時間の原因・背景が異なるため、職場の労使がきちんと話し合って、適正で実行性のある対策をとっていく、あるいはただいま池田委員からもおっしゃられた社会全体の問題、インフラの整備ですとか社会意識改革というものも含めて全体で取り組むべき問題ではないかと思っております。 以上でございます。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 秋田委員に続けてお話しいただいて、その後、宮本委員ということでお願いいたします。

○秋田委員 手短に。先ほどトラック運転手等のお話もいろいろ出ました。これまでの本分科会でも出ていますように、自助努力ではなかなか解決できない手待ち時間等の要因があっての長時間労働ということで、その実態を踏まえて現状、改善基準告示が制定されておりますので、それに基づいてしっかりやっていくことが重要だろうと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 それでは、お待たせしました宮本委員どうぞ。

○宮本委員 先ほどの小林委員、池田委員から、「割増賃金率を引き上げても長時間労働抑制の効果は出ない」、あるいは「業種ごとの特性を踏まえるべき」といった趣旨の御発言がありましたけれども、そもそも中小企業においてはなぜ時間外労働にかかる割増賃金率を5割にすることができないのでしょうか。中小企業でも適正なコストを転嫁した上で利益が残るというような公正な取引環境を構築するといった取り組みを社会全体で進めていかなければならない、と考えております。中小企業だけがいつまでも労基法第138条によって月60時間超の時間外労働にかかる37条を適用しないということはおかしいと思っております。

 平成22年から既に4年たっている中、日本人であろうが、外国人であろうが、日本国内で働くすべての者についてその労働条件の最低基準を定めるべき労働基準法がいまだにダブルスタンダードな状態となったままであるわけですので、一日も早くこのダブルスタンダードを解消して、中小企業を適用除外とする労基法138条を廃止していくという努力を、この分科会の中でしていくべきだと私は思っております。

 それから、海外での時間外労働の量的上限規制について、先ほど八野委員からも御発言がありましたけれども、私からも関連して御意見を申し上げたいと思います。

 長時間労働に歯止めをかけるためには、残業時間を含めた労働時間の量的上限規制を設けることが何よりも大切な方法だと思いますが、EU諸国ではこうした労働時間の量的上限規制に加えて、「24時間につき連続11時間の休息期間を設けるべし」という、いわゆる勤務間インターバル規制についても設けられているのは見逃せない点だと思っております。EUの労働時間規制は、労働者の健康と安全の確保といった労働者保護を目的としています。わが国においてもEUのような勤務間インターバル規制があれば、24時間ごとに一定の休息期間が確保されるということになりますから、その結果、必然的に長時間労働は抑制され、労働者の心身の健康維持やワーク・ライフ・バランスの確保に資することになるものと思っております。

 また、先ほど八野委員からは「時間外労働限度基準告示」を法律に格上げすべきという意見がありましたけれども、この限度基準告示を根拠として行政指導ができる延長時間は最短の単位でも「1週間当たりの限度時間」という形となっており、「1日」単位での限度時間については何ら定められておりません。労働者の健康と安全の保護という観点に立つならば、やはりここは全ての労働者を対象に、「原則として24時間につき連続11時間の休息時間を確保する」、いわゆる勤務間インターバル規制を定めることが重要であると考えております。

 仮にこのような勤務間インターバル規制を導入した場合について「一律に連続11時間の休息時間確保を求めると業務遂行に大きな影響が出る」といった意見も聞かれます。しかし、わが国でも既に自動車運転者を対象にして勤務終了後連続8時間以上の休息時間を与えることを内容とする「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」が設けられておりますし、情報通信設備の関連企業労使では最低8時間以上のインターバル規制を盛り込んだ労使協定も締結されております。また、EU諸国でも、原則的な規制を踏まえた上で労使協定等を締結して代償休息や適正な保護を与えさえすれば休息時間の短縮も含めた柔軟な取り扱いができるようにしている、とも聞いております。我が国でもこのような制度を参考にして制度設計をしていけばいいのではないか、と思っています。

 こうした実態等を踏まえて、当分科会では「長時間労働抑制のために勤務間インターバル規制を一日も早く導入していく」という結論を出していただいた上で、その後に企業での勤務運営の関係を柔軟に調整できるような仕組みなどについてはどうあるべきかといった議論についても補足的に行うこととすればよいものと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。今、資料No.3の1ページの総論の1で、1番目と2番目について幾つか御意見を頂戴したと思いますが、あともう一つ総論の1では、健康確保措置の前提となる時間把握というものも取り上げられているのですけれども、これについてもできましたら御意見あるいは御質問などを頂戴できればと思います。

 高松委員どうぞ。

○高松委員 先ほど来、労基法第37条の中小企業への適用猶予措置に関する議論がありましたので、私からもその関連で少し申し上げたいと思います。

 先ほど八野委員から発言がありましたとおり、労働基準法は「人たるに値する生活」を保障するために労働条件の最低基準を定めた法律でありますから、企業規模あるいは業種によってその適用のあり方について格差が設けられるべきではないと思っております。これまでの労働条件分科会の場で労働側として申し上げているとおり、「労基法第37条の中小企業への適用猶予措置については早急に解消すべき」、これがまず結論でございます。

 それで今日、いろいろ資料もご用意いただきました中で、11ページの「中小企業及びその雇用者割合」というデータを見ていきますと、新たな資料として「中小の常用雇用者の割合:627%」という数字が今回披瀝されております。この数字から考えますと、6割以上の労働者が月60時間超の時間外労働にかかる割増賃金率の適用を受けていないということになるわけですから、そういうことになると労働条件の最低基準を定めた労働基準法そのもののあり方として果たして適当なのか、という疑問を持たざるを得ないところです。また、先ほど来その他の委員の発言でも出ていましたが、国際比較のデータでいきますと、50%という割増賃金率がある意味グローバルスタンダードとしての水準になっているといえますので、公正競争を担保する労働条件のあり方としても、50%の割増賃金率に引き上げていくのが極めて妥当なものではないかと思っております。したがって、早急に中小企業に対しても、月60時間超の時間外労働にかかる割増賃金率を50%とするように求めていきたいと思います。

 その点、使用者側委員の方からは「割増賃金率を50%とする規定を適用すれば、中小企業の経営に与える影響が大変大きい」というご意見もございました。ただし、この点についても本日の資料の8ページに、「平均的な者」についての「1カ月の法定時間外労働の実績」のデータが出ております。このデータを見ますと、事業場単位でのデータですから必ずしも労働者ベースでの割合となっているわけではないですが、中小企業において「1カ月の法定時間外労働の実績」が60時間超となっている事業所の割合は0.8%しかないというデータが示されているわけです。したがって、厳密な検証はできないですが、この数字だけを見れば、月60時間超の時間外労働にかかる割増賃金率50%が適用となる事業所は実際にはそれほど多くは存在していないのではないかということになり、そうであるならば、50%に特別割増賃金率を引き上げたとしても直ちに経営に与える影響が大きいとは言い切れないのではないか、とも考えます。したがって、「経営に与える影響が大きいために適用猶予は継続すべき」という意見に対しては根拠不十分と言わざるを得ない、と考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 それでは、小林委員どうぞ。

○小林委員 高松委員からそういう意見が出るとは思わなかったですよ。私は、全ての中小企業にと言っているわけではないのです。先ほど宮本委員も言われましたが、中小企業はできないのか、できるのかというかという問題ではなく、中小企業の中で労働時間は残業時間を見たって大企業より正直言って少ないわけです、実態は。多くの企業で時間外労働という側面でいくと、中小企業の小さいところでは時間外労働させないような形でもともと取り組んでいるし、多くの中小企業がそういう環境づくりをしているわけです。ただ、私が言っているのは、この法律自体が中小企業全般に対して1.5の割増にしなかったというところ、これは様子を見ましょうということで前回の改正ではやってきたわけですけれども、その中でも、幾つかの業種の特性がまだ残されているということを申し上げているのです。だから、いろいろな業界ごとでヒアリングしてくださいというのは、運送業界が特に厳しいというのは、もう御承知のはずでしょう。これは自社では解決つかない問題があるのだ、業界で取り組んでも解決がつかない問題が今はあるんだと。だから、さっきから言っているように、運送業界を例に挙げるのであれば、社会全体で状況を改善していかなければならない。下請取引価格でも中小企業では交渉できない実態がある訳じゃないですか。解決がつかない。価格を上げてもらえるのだったらいい訳ですが、業界を挙げて頑張ってもできない状態が今ある訳じゃないですか。ですから、そういうことを社会全体で解決する、運送業界の運賃を上げるような仕組みをつくらなければならない訳です。

 前々政権の平成2年の法改正のとき、運輸規制の法の規制緩和を行って競争環境をつくったから大変厳しい状況にある訳です。それは御承知のはずでしょう。だから、そういう業界をそのままさらに厳しい苦境に持っていくことは本当にできるのですかと私は言っているんです。その業種特性もしっかり見た上で、今、厚生労働省でいろいろ業界団体の調査をやっていただいていますので、その辺のことも含めて、全ての中小企業に対して適用しろと言っているのではなくて、中でも業種特性が合った、運送業なら運送業とか医療関係もあるとか、解決がつかない問題がある訳ですから、その辺を含めて御検討いただきたいということでお願いしているということですので、十分御理解いただきたい。

○岩村分科会長 大変重要な議論であることはわかるのですが、ぜひ時間管理の話もお願いしたいものですから、よろしくお願いいたします。

○高松委員 今、小林委員がおっしゃられることは十二分に承知してございます。自助努力が限界であることも、あるいはインフラ整備が必要であることも重々承知の上で、そこは先ほどの小林委員の発言趣旨と同様の観点も含まれているのではないかと思いますが、だからといって、中小企業という名のもとに法律で一律に適用除外とされている現状についてはいかがなものか、という問題意識を持っているということでございます。まさに今、建設業界もそうですし、運送業界でも、人手不足、ドライバー不足といったことが言われています。現在の「改善基準告示( 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準) 」で言いますと、拘束時間の上限を定めているとは言いつつも、年間で3,516時間までの拘束時間を認めているのです。私が思うのは、そんな業種に果たして人が集まってくるのかどうか、ということです。やはりこのような現状に対しては何らかのてこ入れを、多少無理があってもやっていかないと、今後の雇用環境の改善も含めて人手不足の解消につながっていかないという思いが強いものですから、あえて言わせていただいた次第です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 時間管理の件でいかがでしょうか。それでは、新谷委員、それから、池田委員、お願いします。

○新谷委員 総論1で示された論点の3つ目、「健康確保措置の前提となる時間把握」の問題について申し上げたいと思います。この点は前回、9月10日の分科会の際にも私どもの考え方として申し上げましたように、資料の33ページに記載がありますが、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」という告示が一応出ているわけですけれども、この告示は法的な強制力を伴っておらないわけでして、私どもとしてはこういった告示という形ではなくて、実労働時間の把握の義務については法文化すべきであると考えております。

 この点、労働契約の付随義務として安全配慮義務があるのは御承知のとおりですけれども、「使用者による労働時間の適切な把握」というのは、使用者が安全配慮義務を果たすための最低限のスタートラインであると考えます。労働者が一体何時間働いたのかも把握できていないということでは、まさしく安全配慮義務が果たせないわけでして、これは使用者にとっても重要な課題ではないかと思っているところです。

33ページにあります「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」については、上から2つ目のところに対象労働者について記載されているように、対象労働者には適用除外が設けられています。すなわち、管理監督者と裁量労働制などのみなし労働時間制適用労働者についてはこの告示ですら適用除外ということになっておりまして、その結果何が起こっているかというと、これまでの分科会資料にも出ておりましたように、「実労働時間の把握」に関するアンケート結果を見ますと、企画業務型裁量労働制の場合では「実労働時間の把握方法が分からない」との回答が全事業場の4割近くに上っているわけですし、また、自己申告制といった管理の方法が、そもそもこのような管理方法が管理していると言えるものなのかどうかわかりませんけれども、取られているという現状があるということでもあります。

 したがって、私どもとしては、まず、告示にとどまっておりますこの「基準」について、労働基準法上の義務として法文化するとともに、その違反に対しては罰則を付す形で規制の強化を行うべきと考えております。その際、適用除外となっております管理監督者と裁量労働制の適用労働者についても、いわゆる「健康管理時間」という考え方で一定の実労働時間についての把握義務を使用者に課すという方向で改正を行っていくことが必要と思っております。こうしたことを行うことで、いわゆるサービス残業、残業不払い労働の撲滅にもつながると考えておりますので、そういった観点からも法制度の見直しを行うべきであると考えております。

 加えてもう一点、先ほど中小企業の話になりましたので私もそれについて言及しておきたいのですけれども、先ほどのやりとりを聞いていますと、「ますます中小企業には人材は来ないな」という感じがした次第です。今、中小企業はわが国の産業社会において重要な位置づけにあるという点は承知しておりますけれども、そこに優秀な人をなかなか採用することができないといった現状も報告されているわけであります。現行制度のように、「法律によってダブルスタンダードが認められているが故にこれからも中小企業の労働条件は劣位のままでもいい」ということにはならないと思うのです。これは週44時間労働制の特例措置についても同じことでありまして、やはりそこは法律的に同じ労働条件にそろえていくべきであり、そのような取り組みを行うことが優秀な人を採用するためにも重要ではないかと思っているところです。この点、言及させていただきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。それでは、池田委員どうぞ。

○池田委員 先ほどちょっと質問したことでもう一度確認したいのですけれども、司法処分を受けた会社についてですが、会社はつぶれるとすぐ倒産情報が金融機関などに全部流れますが、どこまで守秘義務があるのでしょうか。5152ページの監督業務を実施した状況の是正勧告なり、どこまで情報が開示されるのでしょうか。今でなくて結構ですが、後ででも御回答いただければと思います。

 もう一つは、今度消費税の再引き上げがあると思うのですが、やはり消費税が上がることによって、今までは丸投げしてどんどん下請けに流していたのが、下請けに人が集まらないから全部自分たちでやらざるを得ないということで、下請を使わない土木建築会社が非常に増えているという話を聞きます。当然、消費税が上がれば、それだけのものを全部吸収できるかというと、やはり中小企業なり2次下請、3次下請にそのしわ寄せが来るわけです。先ほどお話があったように、確かにダブルスタンダードは好ましくないのかもしれませんが、現実的には生産性と負担能力の問題がありますから、負担能力のあるところは割増賃金を払えるし、休暇も与えられます。本当に払えないような企業をどう救済できるのかを考えていかなければならないのではないかと思います。

 過去にもいろいろな不況の時代がありました。例えば、昔は給料が払えないから夜逃げをしてしまったり、自殺してしまったりする中小零細企業の経営者も多かったのです。信用保証制度の見直しなどを受け、近年は、そういう人が非常に減ってきまして、何とか再チャレンジしていこうという零細企業が増えてきました。だから、もう一息のところではないかと思うのですが、ただ、これから再度消費税が上がりますから、中小企業はさらに負担が増すことが予想されます。もう一度どのような業界で、どのような原因があるのか、どこをどうすれば負担能力の格差が解決できるのかという観点を労使一緒になって研究していかなければなりません。その上で先ほどもお話しした法違反企業の実態についてお示しいただければ、これも非常に参考になるのではないかと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 その御質問は私のほうで失念しておりました。事務局で今お答えいただける範囲があればと思いますが、監督課長お願いします。

○秋山監督課長 監督課長の秋山でございます。

 本日の資料の一番後ろに監督指導の流れを添付しております。今、池田委員から御質問のあった52ページの点ですが、労働基準監督官が定期監督等で事業場を監督し、法違反があった場合には当然是正勧告等して指導するわけですが、守秘義務等の関係があり、その場合の個々の企業にどういう違反があったかということは公表しておりません。ただ、悪質な場合に司法処分、送検することになります。送検した場合には基本的に公表することにしております。

 また、今の御質問の関係では、労働基準監督機関として例えば、昨年9月にありました若者使い捨ての重点監督ですとか、また、技能実習生に対する受入れ事業場に対しての監督、賃金不払残業の監督という、いわば集中的に実施した監督やテーマ別に1年間の監督実績をまとめて新聞発表するタイミングがあります。その際できる限り個別の企業が明らかにならない形で、どのような違反があったかや違反の事例をわかりやすく解説して、こういう違反があったので、例えばこれを参考に気をつけていただくとか、そういうことは参考にしていただけるのではないかと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。ちょっと質問ですけれども、例えば、今の中小企業の特例との関係で言いますと、労働基準法違反でどういう業種が多いのか、この違反だとこういう業種が多いとか、そういうデータはとれるものなのか。それもわかると、少し議論の素材にはなるかと思いますが、そこはいかがでしょうか。

○秋山監督課長 毎年、監督年報をまとめており、公表しております。紙冊子に載っており、今の段階で必ずしも全部はホームページに載っておりませんが、極力ホームページに載せたいと思っていますし、そこには細かい業種別や違反の条文、企業規模別、今、私の手元にありませんので正確には覚えておりませんが、細かい資料が載っておりますので、そこも見やすい形で御提示できるようにしたいと思っております。

○岩村分科会長 それは、事務局のほうで資料として出せるか御検討いただければと思います。池田委員、よろしいでしょうか。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 私から、新谷委員の裁量労働制の対象労働者の健康確保のための管理がずさんではないかという御指摘について申し上げたいと思います。

 繰り返しになりますけれども、健康確保を目的とした何らかの時間把握というのは、全ての労働者に対して事業者が安全配慮義務を履行する上で必要なことだと理解しております。

 裁量労働制については御案内のとおり、労使委員会で決定しました具体的な勤務状況の把握方法に従って把握するということになっております。御指摘のデータに関し、管理監督者については在社時間の把握等の観点から行っているものを質問していますということで、質問票の中に明確に書いてあるのですけれども、裁量労働制の場合にはそれが書いておりません。いわゆる1分単位の実労働時間を把握する方法について質問したことになると、どこにつけていいかわかりません。事務局からお出しになられた資料の中にも注で、適用除外である裁量労働制適用者については、質問の意図がわからず不明と回答した事業所もあると考えられるとございます。私どもの知る限り、裁量労働制対象者に対する勤務状況の把握方法としては、例えば、入退場の時間から自己研鑽の時間数を自己申告で差っ引く、逆に、出張の場合には加算するというような企業もございます。

 一部ではありますが、会社によっては家を出た時刻から会社に帰ってきた時刻を健康確保時間として自己申告してもらって、月に一定時間を超えた場合に医師の面接指導を受けてもらうようなところもあると聞いております。

 強調したいことは、裁量労働制対象者も、外回りや出張をされる方がいらっしゃいますので、自己申告の仕組みを入れないと、それこそ実態に合った健康確保のための時間把握が難しいと思います。

 私からは以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今、鈴木委員がおっしゃったことについて、分科会の資料として配付されたデータに関する事項でありますので、ぜひ事務局から明確な答えをいただきたいと思います。要するに、厚生労働省が調査された「実労働時間の把握」の実態というのがこの分科会でも報告されておりますが、企画業務型裁量労働制における回答の多くは「不明」ということになっているわけです。「質問の意図がよく分からないために『不明』という回答が42.6%もあるのではないか、そうした理由による回答が大部分を占めているのではないか」という使用者側からの御指摘だったわけですけれども、同じ調査の中で専門業務型裁量労働制についての回答を見ると、「不明」という回答は11.5%しかなかったわけです。その差異は一体何であるのかというところを分析しない限り、いつまでも使用者側からは「調査票の設問が悪い」との主張が出されてしまい、労使ともに「このデータは一体どう見ればいいのか」という疑問が続いていくことになります。このテータは今後の論議にとっても重要な指標になりますので、事務局には、ぜひもう一度、回答内容について詳細な分析を行うよう、お願いしたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 では、村山労働条件政策課長、お願いします。

○村山労働条件政策課長 お答えいたします。先ほど鈴木委員、そして今、新谷委員から御指摘のあった点については、昨年9月以来の経緯として、そもそも勤務時間の把握方法について労側からの御提起があり、個別企業労使のヒアリング結果をお示しした段階がありました。さらにその上で、JILPTに委託して調査した結果がとりまとまり、先ほど新谷委員から御指摘のあった数字について、鈴木委員からお話のあった点に注目した上で、この分科会で御報告したところです。その後、この調査結果については、さらに詳細なクロス集計等も載った冊子が出ておりますので、改めて精査した上で、今後も裁量労働制について御議論いただく回があると思いますので、その際に改めて経過とともに御報告したいと考えております。

○岩村分科会長 新谷委員、よろしいでしょうか。

 それでは、1を終わりにしたいと思ったのですが、冨田委員がお手をお挙げになりましたので、どうぞ。

○冨田委員 申しわけありません、ありがとうございます。私からは資料の15ページに参考として記載いただきました「現行の休日規制について」に関連して、この休日規制のあり方を論点として加えていただきたいというお願いとともに、この休日規制のあり方につきまして、2点ほど労働側の考えを申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、1点目ですけれども、この資料にも書かれておりますとおり、現状、使用者に対しては「毎週少なくとも1日の休日を付与すべき」という義務は課されておりますが、週のいずれの曜日に付与するかということまでは求められておりません。したがって、労働側としては「週のいずれの曜日に法定休日を付与するかを特定する義務」を労働基準法に新たに課していただきたい、と考えているところであります。

 なぜこうしたことを申し上げるかといいますと、2008年の労働基準法の改正に伴って、先ほどからありましたように、月60時間超の時間外労働については50%の割増賃金率を支払わなければならなくなったということとの関係もございまして、かかる50%での割増賃金の支払いを運用上逃れるといった目的のもとで実際に不適切な運用が行われているといった声も耳にしているところでございます。具体的には、前述の義務は課されているものの、週のいずれの曜日に付与するかを特定することまでは求められていないことを奇貨として、直前になって法定休日を特定したり、もしくは変更したりして、50%の割増賃金の支払いを回避しているような事例があるということでございます。このような実態が見受けられますので、こうした不適切な実態をなくし労働者のワーク・ライフ・バランスを確保するといった観点から、法定休日の特定義務を新たに労働基準法上に新たに課していただきたい、ということでございます。

 次に、2点目でございますが、「4週で4日以上の休日付与という変形の週休制につきまして、その実施要件の厳格化を行うべき」ということでございます。この変形週休制につきましては、現状、単位となる4週の起算日を就業規則に定めることが求められているにとどまっておりまして、「どの週に何日の休日を与えるのか、どの週に休日を与えないのか」といった事前の特定までは不要とされているところです。

 そうしたことから、大変極端な例になりますけれども、例えば、使用者が起算日から4日の休日を連続で与えてしまいさえすれば残りの24日間については連続で働かせても違法とならない、といった状況になっているわけであります。このような安易な運用が仮になされているということがあれば、労働者の健康や安全に障害が生じるというのも明らかではないかと思います。したがいまして、「変形週休制を実施する場合には労使協定を必要とする」といった実施要件の厳格化についても行うべきではないかと考えております。

 労働側としてこうした規制を求めていきたいと考えているのは、「そもそも法定休日というのは何のためにあるのか」という課題意識があるからでございます。当然のことながら、この法定休日は労働義務のない日、すなわち労働から開放される日であり、そこには、労働者の疲労回復を図る、もしくは心身の健康を維持する、さらにはワーク・ライフ・バランスを充実させるといった目的があるところです。そうである以上、この法定休日がいつであるのかが労働者にあらかじめ知らされていないと、その役割を十分に果たせないのではないかと思う次第です。したがいまして、法定休日の本来の役割を果たすためにも、先ほど申し上げた2点の規制強化をぜひとも実現すべく、この分科会で議論する論点に加えていただきたい、ということを重ねてお願い申し上げたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。では、御意見ということで承りたいと思いますが、今のことに関連してでしょうか。鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ただいまの冨田委員からの御提案に対して申し上げたいと思います。

 可能な限り法定休日は事前に特定されるということは、あるべき方向性としては私も理解しているところでございます。ただ、特にシフト勤務の職場ですとか、あるいは小さな事業場で代替要員の確保が難しいような職場がございます。そうすると、だれかが年次有給休暇をとられたような場合に、だれかに代わりに出勤してもらうような必要性から、直前というのはどのくらいが適当なのかというのは各職場によって違うと思いますけれども、労働日、逆に言えば法定休日ですが、それを決めることが実際には難しいような職場があるということを御理解いただければと思っているところでございます。

 それから、事前に労働日、逆に言うと法定休日を特定しても、多くの企業では振替休日や代替休日の運用をしているような実態にあろうかと思います。仮に、法定休日の特定義務というのが相当前の段階で課されるということになると、頻繁に振替休日などが発生しかねないということで実務上の影響もあるのではないか、そういったことも含めて議論していくテーマではないかと思っております。

 最後に質問でございますけれども、おっしゃられた脱法的なケースというのがどのくらいあるのかということについて、もし事務局のほうで把握されているところがあればお教えいただきたいと思います。

○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。

○村山労働条件政策課長 前回、労働者代表委員連名の意見ペーパーでこの点が提起されましたので、先ほど冨田委員からお話のあった月60時間超割増賃金率50%と休日労働割増賃金率35%のすき間に着目した振替の運用等について、具体的な相談事例が実際に寄せられているかどうかについては、可能な範囲で大都市部の労働基準監督署に照会をかけて、相談票等を改めて精査したところですが、必ずしもそのような事例は見つからなかったということを御報告しておきます。

 その上で、先ほどの冨田委員の御意見、また今、使側からの御意見もありましたので、この場の議題として本件をどう扱うかについては、分科会長の御指導のもと、各側と御相談してまいりたいと思います。なお、労働基準法第35条の休日の規定というのは、毎週少なくとも1回の休日という第1項が原則で、4週4休というのはあくまで例外であること、また、振替の手続についてはきちんと定めていただくことを、労働基準監督行政の指導方針として過去から貫いてきているということは申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今の事務局の回答と、先ほどの鈴木委員の御指摘・御主張については、私には全く理解できませんでした。「なぜ法定休日を事前に特定できないのか、特定したらなぜ支障があるのか」というところの論拠が非常に薄弱ではないかと思うのです。急に出勤せざるをえない場合があるということ、あるいはその結果としての振替休日が発生するということと、事前に法定休日が特定されないことによるデメリット、との間の比較考量を一体どのように考えておられるのでしょうか。例えば、鈴木委員の職場には就業規則があって、当然ながら法定休日は指定されていると思います。あるいは、指定されていなくても通常は日曜日という運用がされていると思いますけれども、その特定がされていなかったとしたら、いつ休みができるのかというのは全くわからない中で働かされ、ある日突然「明日を法定休日にしようと思っていたけれど、急に仕事ができたから出てくれ」と使用者から言われかねない状態となるわけです。ですから、使用者側としても「法定休日を特定することによるデメリットが一体どこにあるのか」という点を、もう少し明確にしていただきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 それでは、時間の都合もございますので、このあたりで1は終了とさせていただいて、次に2〜4、具体的には年次有給休暇の取得促進策や労働時間等の設定の改善、監督指導体制の強化について、御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。なお、池田委員が先に御退出されるということで承っておりますので、もし池田委員からこの点について何か御意見・御質問がありましたら、先に。

○池田委員 最後のほうで申し述べておりますので。

○岩村分科会長 そうですか、わかりました。ありがとうございます。

 それでは、いかがでございましょうか。神田代理どうぞ。

○神田代理 「年次有給休暇の取得促進」に関して考え方を述べたいと思いますが、それに先だって冒頭での議論を伺った際に感じたことを申し述べたいと思います。

 私は今日で2回目の出席となります。この資料No.3の総論の1については「我が国経済社会の担い手である労働者の心身の健康と生活時間を確保するために、これまでの審議会での議論を踏まえ」長時間労働の抑制効果等についていろいろな議論をしている、との説明がありました。それぞれの産業・企業あるいはまた個社における実態というのは、我々労働者側もそれなりに理解はしているつもりではありますが、今言ったような目的があることを前提とした上で、それぞれしっかりと議論していかないとならないと感じているところであります。

先ほども社会システムを変えていかないとその問題を解決するのは無理ではないか、という意見があったように、私には聞こえました。ただ、我々が今議論しているのは、まさに総論の今ほど触れた部分、すなわち「我が国経済社会の担い手である労働者の心身の健康と生活時間を確保するため」に我々労使がどうやっていくのかという点だろうと思っていますので、この点を改めてぜひ意識していただいて、その上での議論・意見を聞きたいなと思っております。私としても、これからまた、ぜひ勉強させていただきたいと思っております。

 その上で、「年次有給休暇の取得促進」について申し述べたいと思いますが、これについては労使ともに大きな意見の隔たりはないところと思ってございます。しかしながら、どのような方策によって具体的に促進を図るかという点になると相違があるようにも感じます。すなわち、使用者側は、「各企業では計画年休の活用も含め、労使で工夫して取り組んでいるので、一律に規制を強化すると現在の労使の取り組みを減じてしまう」ということを主張されています。

 さはさりながら、本日の資料の中にもありましたように、例えば39ページにある年次有給休暇の取得率の推移を見ますと、これは平成12年から平成24年までのデータということですけれども、近年5割を切ったといった実態にあるという点に留意すべきだと思います。また、44ページにある「計画年休制度」も実施している企業についても、平成24年で19.6%といった状況にあり、なかなか進まない実態にあるということも分かります。このように、「労使による自主的な取り組みに委ねる」というやり方を続けていても一向に年休取得は進んでいかない、ということは明らかであるように思います。私も個社労使の関係でしっかりと労使関係について取り組んできましたので、まさに労使でどうやっていくかということが大切であることは十分承知していますが、この中のデータにもありますように、仕事量が多過ぎて休めない、あるいは休みの間仕事を引き継いでくれる人がいない、こうした声こそ労働者の切実な思いだと思うのです。以前も触れましたけれども、我々が本当に安心・安定した上で企業が儲かるためにどうやっていくのかということを考えたとき、その答えは、人の数、時間、仕事量のバランスを取った上で結果をどう生み出していくか、ということに尽きるのではなろうかと思います。先程の「年次有給休暇なり、あるいは祝日がふえると長時間労働になるのではないか」という発言にはびっくりしたのですが、そうした認識のあり方まで含めて、年次有給休暇の取得促進についてはもう少し踏み込んで議論をしていく必要があるだろうと考えているところです。

このように考えますと、年次有給休暇はいわゆる働く側の権利ではありますけれども、46ページにある諸外国の年次有給休暇に関する法制度も参考に、年休取得について何らかの義務を使用者に課すことについても検討していかないと確実に年次有給休暇の取得が進むという環境にはなかなか行き着かないのではないか、このように考える次第です。こうしたことが確実に一つ一つ進んでいけば、先程も言及しましたとおり、10年以上も年次有給休暇の取得率が5割を切っているという状況も改善できるのではないかと思ってございます。この点を改めて意見として述べておきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでございましょうか。

 宮地委員どうぞ。

○宮地委員 年次有給休暇の取得促進について意見を述べさせいただきます。年次有給休暇の計画的付与について御意見がございましたが、資料の45ページにあるように、どの規模別で見ても年次有給休暇の計画的付与制度を導入している企業は、導入していない企業よりも年次有給休暇の取得率が高くなっております。計画的付与制度を導入している企業として、現状を述べさせていただきたいと思います。

 年次有給休暇の取得計画を一斉に提出することにより、職場内で有給休暇の取得予定の情報を共有することができ、年次有給休暇がとりにくいという意識を軽減する一助となり得、また、諸事情が発生し、計画どおりに有給休暇を取得できていないときに、再度取得を組み直すというフォローも可能となるので、計画的付与制度の導入が有給休暇取得促進につながっているという実感を抱いております。

 働き方も多様化している現在、年次有給休暇の取得促進のためには、やはり企業ごとの働き方に即した取り組みを労使で工夫していくということが一番大切であり、年次有給休暇の取得促進の意識づけを続けることが最も重要であるという実感を抱いております。

○岩村分科会長 大変貴重なお話をありがとうございます。

 では、神田代理どうぞ。

○神田代理 今ほどのまさに「計画的な年休付与」という点については、しっかり取り組まれている企業についてはそれなりに結果も出ているな、と思ってはいるところです。

 さはさりながら、先ほども触れましたけれども、年次有給休暇の計画的付与制度がある企業の割合を見ますと、いまだに2割を切っているような状況にあるわけです。したがって、こうした状況を改善していくためには、年次有給休暇を本当に計画的に、もっと言うと、働く側の希望を踏まえた上で一定の日数を付与することを企業側の義務にするといった形に見直すことも、計画的年次有給休暇のあり方の1つとしてとらえることもできるのではないかと思っております。今までの発言にありました「労使の話し合いで取得を促進していく」ということももちろん大切なのですが、先ほど触れたとおり、年休取得率は平成12年からなかなか5割を超えておらず、もっと言うと5割を切っている現状にあるわけですから、年休のうち一定日数については労働者に付与すべき義務を使用者に課すべきことを検討し、それによって年次有給休暇の取得を促進していくべきではないか、といった思いを持っているところです。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 それでは、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 とかく休みということになりますと、仕事の山を越えたときに初めていつとろうかということになりがちですが、本人も上司もこの時期に何日とるということを明確にすることで、年次有給休暇に限らず休暇の促進にもつながると思っています。その意味で、計画的付与制度というのは大変有効なしくみでありまして、引き続き厚生労働省にはその普及をお願いしたいと思います。

 その際、御案内のとおり計画的付与制度というのはさまざまな仕組みがございます。日数の設定あるいは具体的に付与する方法について、例えば、事業場単位で決めるようなやり方ですとか、職場の班単位ですとか、あるいは労働者単位でカレンダーをつくって決めるやり方など、さまざまでございます。多様な好事例の周知を引き続きお願いしたいと思っています。

 次に、会社が指導する形で確実に一定日数の年次有給休暇の取得を進めるアプローチに関して申し上げたいと思います。これは労働側委員の皆様からもよく言われているところでございますけれども、週労働時間が60時間を超える方に年休取得がゼロの方が多いですとか、あるいは2020年までに年次有給休暇取得率を7割にするという目標を達成していくという文脈だけでなく、年次有給休暇を全くとっていない社員あるいはとっても数日というような社員の対応というのが、過重労働防止対策という観点からも重要ではないかという思いを持っております。そうした社員の年次有給休暇取得の底上げという目的のために、会社が指導する形で確実に一定日数の年次有給休暇取得を進めるというアプローチを検討することは一つのアイデアだと考えます。これは以前から申し上げているとおりでございます。

 ただ、仮に検討するのであれば、幾つか重要な前提を置く必要があるのではないかと思っております。第1に、労働者に年次有給休暇をとってもらう具体的な方法というのは、実効性を高める観点から個別企業に委ねるべきだと思っております。例えば、計画年次有給休暇制度を入れているような会社で、結果として全員が一定日数以上の年次有給休暇をとっているのであれば、今の計画年次有給休暇制度のしくみ、運用は変える必要がないと思っておりますし、また、夏休みの前後に年次有給休暇の取得を推奨するような会社も多いと存じますが、そういったやり方でも問題ないと思っています。

 そのほか、年度が終わる1カ月前や2カ月前になってもまだ年次有給休暇が1日もとれていないというような方に対しては、まずは上司が鈴木君、ちゃんと年次有給休暇をとってくれたまへというようなことを言った上で、それでも何らかの事情でとらないということであれば、年次有給休暇日を会社で指定するというようなやり方、さらには今申し上げたそれぞれの方法の組み合わせということもあろうかと思いますけれども、多様なやり方を許容するということが重要ではないかと思っております。

 第2に、ただ今申し上げた点に関係いたしますけれども、小規模事業所を初め、人のやりくりが大変で、実際には一定日数でも休みをとることが難しいという職場があると思っております。そういう意味では、事業の柔軟性確保とのバランスをとるということが、一つ留意すべき点だと思っています。当然、労務管理上は個別の企業労使が話し合って、いつ取るかについて労働者の意思を尊重するということは当然あると思っているとこでございますけれども、あくまでも年次有給休暇取得促進の底上げを目的とする以上、法律上は労働者の意見を踏まえるかどうかは個別企業に委ねるべき問題ではないかと考えております。

 3点目は、これまでの労働者の権利としていた体系をある意味、一部とはいえ大きく変える仕組みでございます。また、年次有給休暇の底上げを図るということが目的だということ、さらには、平均年給取得日数が5日を割るような産業もあるということを考え合わせますと、一定日数はせいぜい3日程度とすべきことを求めたいと思います。

 4点目は、過重労働対策というのが目的でありますので、所定労働日数あるいは所定時間数がそもそも短い、いわゆる比例付与対象者については、対象とならないとすることが自然ではないかと考えるところでございます。

 私からは以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 では、八野委員どうぞ。

○八野委員 年次有給休暇の取得促進をしていくということでは労使で一致しているところがあるかと思いますが、今、夏休みという話も出てきましたが、現在の雇用の中ではサービス産業が7割を占めている状況にあるところ、サービス産業の中には「夏休み」という概念がもともとないような場合も多く見られるわけです。また、土・日、祝日がふえても、そこが休みになるとは限らないというような産業で働く人たちがこれから非常に増えてくるといった事態も十分に考えられるところです。そういうことを考えながら、例えば、今日の資料の40ページにあります「産業別労働者1人平均年次有給休暇の付与日数及び取得日数の推移」を見ていきますと、やはりサービス産業のところは決して取得日数は高くないことが分かるわけです。そのような観点で見ていくと、このように計画的年休取得というものがなぜできていないのか、それを進めるためにどうしていくのか、ということをしっかりと考えていかないといけないな、と感じる次第です。

このままの状態を放置しておけば、今のまま何も変わりません。さらに、これから労働人口が減少してくるという時代環境を考えると、直近の問題を解決するだけでなく、中期的な課題解決といった観点からも、労働時間法制を考えていかなければいけないと思っています。その際、その一つの論点として年次有給休暇の取得促進というものもあるということかと思いますので、必ずしも製造業を中心として考えるということではないと思うのですが、またサービス産業と言ってもいろいろな業種・業態があるところでありますが、そういう業界の中でも年次有給休暇の取得促進が進められなければならないな、と思っているところです。ただし、取得促進の取り組みを行ったものの、その結果、今と同じような取得率のままであってはいけない、そういう思いを強く持っておりますので、先ほど発言のありました年次有給休暇の計画付与制度についても、しっかりと考えていくべきだと思っております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 秋田委員どうぞ。

○秋田委員 今、夏期休暇というお話も出ましたけれども、46ページの表でいきますと、これは各国と年次有給休暇を比べている数値だと思いますが、日本の企業はまだまだそうはいっても夏期休暇を年次有給休暇と別に設定しているところも多いのではないかと思います。諸外国でもそういったものも別扱いなのかどうかというデータがもし事務局であればお願いをしたいのと、46ページにはイタリアとカナダが入っていて、4ページには韓国が入っているのですが、46ページの内容でも、日本企業の競走相手となっている韓国といったところのデータも、何らかあればお示しいただければと思います。

○岩村分科会長 では、事務局いかがでしょうか。

○村山労働条件政策課長 2点の御質問にお答えします。

 まず、1点目の特別休暇制度として、年次有給休暇と別に全額有給の夏期休暇がある企業の比率です。平成25年の就労条件総合調査での30人以上規模で夏期休暇がある企業が44.7%、全額有給の企業がそのうちの80.7%ですので、掛け合わせると我が国では3割強の企業で、全額有給の夏期休暇があることは確認されます。いずれにしても、その点だけの御質問ではなく、そのような点も含めて国際比較に際してはよく諸外国の状況に留意すべきだということで、今後の資料の作成の仕方に意を用いてまいりたいと思います。

 また、年次有給休暇の国際比較の表が、ほかととり方が違うということで、まず、アメリカは年次有給休暇については法令上の規定はなく労働契約によっている国ですので、この表には入れにくいということです。ただいま御指摘のありました韓国等についてはよく勉強させていただいて、今後、お示しの仕方も含めて各側と御相談してまいりたいと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 よろしいでしょうか。

 あと、時間の関係で、実は労働時間等設定改善法についてももし御意見があれば伺いたいと思ったのですが、よろしいでしょうか。では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 労働時間等設定改善法についての見解も申し上げますけれども、それに先だって、今ほどの年次有給休暇の対応について、鈴木委員から非常に前向きな御発言がありましたので、それについて申し述べたいと思います。つまり、議論の入り口のところについては労使の考え方がやっとすり合わせできたのかな、と思ったところです。ただ、その内容についてはいろいろな点について御指摘がありましたので今後詰めていくとしましても、やはり大きな問題としては、我々が申し上げたように、もともと労働者の権利として位置づけられた年次有給休暇の法制を今後は使用者が取得をさせる義務化へと一部切りかえていくということについては、労働者にとっても非常に大きな方針の転換となるという点はご理解いただきたいと思います。ただ、この方針転換については、取得日数の実績が8.6日、取得率が47.1%しかないような状況がずっと続いているのが現状でありますので、年次有給休暇の取得促進策のあり方について何とかしなければいけないという問題意識から労働側として提案させていただいた内容でございます。したがいまして、そうした前提のもと、「年次有給休暇の取得促進」については今後その詳細を詰めさせていただければと思っております。

 その上で、先ほども論議があった労使の取り組みや労使の自治ということにも関連して、今日の論点3に書いてあります「労働時間等の設定の改善」についても意見を申し上げたいと思います。

 今日の論点の中には「企業労使が話し合いの場を設定する、目標を設定する」ということで書かれてありますが、これらの点をどう考えるかということについてであります。今回の労働時間法制の論議の際も「いわゆる労使自治に委ねてはどうか」とか、あるいは産業競争力会議等の論議でも「全ての枠組みを労使に委ねてはどうか」といった論議がなされたことから、いわゆる「法律での規制の領域」と「労使の自治に委ねる部分」のバランスをどう考えるかという論議が重要である、と私は思っております。そういった意味では、私どもとしては、これはいわゆる法律によって規制をつくっていく部分と、労使の自主的な取り組みとの関係でいくと、労使自治だけに頼っていては現状から見てもなかなか改善が進まないと思っておりますし、また、労働者の命と健康にかかわるような内容であることからしても、これを労使自治に委ねるべきではない、と考えているところです。そのため、「法律としてきっちりと規制をかけていって、国の取り締まり行政によって実効性を確保する。その前提のもとで、労使の話し合いというものが構築されるべき」であるといったように考えてございます。

 そういった意味では、労働時間等改善設定法等に基づく協議の場を「話し合いの場」とすることが想定されているわけですけれども、こうした想定のあり方についても、そうした枠組みの中で論じられるべきということを、まずは申し上げておきたいと思います。

 それと、この労使の話し合いについての場ということでいきますと、例えば、労働時間等設定改善法には「労使委員会」というのが規定されているわけですけれども、この枠組み自体の中にも非常に違和感を覚える部分がございます。具体的には、労働時間等設定改善法の第7条第2項に規定されている、いわゆる「衛生委員会のみなし規定」という箇所です。これは、有名な使用者側の弁護士が執筆された本などにも、「36協定を潜脱するというためには、この労働時間等設定改善法の衛生委員会のみなし規定を使えばいい」という指導がされているような事例もありまして、このような形で集団的な合意がかなり骨抜きにされてしまっているという懸念が実はあるわけであります。仮にこうした枠組みを考えるということであれば、そういった穴をどうやって塞いでいくのかということについても、あわせて論議をしていくべきだと考えております。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 労働時間等設定改善法と同指針は、個別企業労使が労働時間、休日・休暇の実態を共有し、対策について話し合うことを支援する目的のものでございます。その活用というのは大変大きな役割を担っていると思っているところでございますけれども、どうしても法律・指針等も認知度が低いということが否めないのではないかと思っております。その点は、個別企業労使に使ってもらえるよう、より実践的なものとするような形での見直しということが考えられないかということでございます。

 第1に、長時間労働削減についての話し合いがされていない4割の企業の労使にいかに活用してもらうかというのが大きなポイントではないかと思っております。以前にも申し上げましたけれども、指針は労働時間削減などの基本的な対策についてかなり網羅的に書かれていると思いますけれども、やはり内容が相当広いので、初めて取り組もうと思われる企業労使にやや不親切な感じがいたします。例えば、ノー残業デーなど比較的簡単にできる施策の御紹介ですとか、毎年無理なく継続することが重要だというようなこと、あるいは先ほどちょっと労側委員からも御指摘がありましたけれども、現状把握のために労働時間や勤務状況の実態を個人単位や職場単位で把握するということの重要性等について、初めて使われる企業労使に向けて強調してはどうかと思います。

 第2に、私どもの調査によりますと、経営トップの関与ですとか、労働組合との連携によって長時間労働の抑制をしていくことに効果があるというようなデータもございます。実は、昨日もあるメーカーの労働時間削減に向けた取り組みについてお話を聞いたところでございますが、そこで印象的だったのが、部下に不必要な仕事をさせない、それから、忙しくないときには早く帰ることを徹底するためには、勤怠管理とマネジメントを含めて課長・係長クラスに責任を課すのではなくて、部長クラスに責任を持って取り組んでもらっている。そのためには、トップダウンで行うことが大変重要だというようなお話を聞いたところでございます。まだ取り組み初めて半年だということですが、かなり効果が上がっているそうであります。改めてこの点は指針等を読まれた方に伝わるような書きぶりを御検討いただければと思っております。

 これに関連しては、指針には上司のマネジメントの重要性ということもうたわれていますが、労働者の能力に見合った仕事の割り振りですとか、業務遂行の把握、明確な業務指示、あるいは目標管理をする際の留意点なども、この点は今、新谷委員にうなずいていただいておりますけれども、労側と問題意識は一にするところだと思いますので、その点も改めて強調していただければと思っております。

 また、3点目でございますが、指針の現代化、すなわち指針の見直しがされてちょっと時間がたっておりますので、例えば、深夜労働の規制ですとか、あるいは夜の残業は極力抑えつつ、必要な残業については朝に行うような、いわゆる朝型勤務を入れるというようなこと。さらには、朝型勤務については、例えば、お子さんをお持ちの方ですと保育園とかにお子さんを預ける時間との兼ね合いで、なかなか朝型勤務は難しいというような場合もあろうかと思いますので、朝型勤務になじまない方への配慮といったこともあわせて記載するような御検討をお願いできればと思っております。

 それから、第4に、次世代育成法の一般事業主行動計画、これは努力義務のところもあったかと記憶しておりますけれども、そういったことの紹介などもありますと、より実務に役立つ内容になるのではないかと思っております。

 最後に、内容からは離れるところでございますが、指針というのはどうしても文字面だけでございまして、特に初めて読まれる方は抵抗感があろうかと思います。そういう意味では、図や好事例を盛り込んだパンフレットや、ウェブでよりわかりやすい形での案内も工夫をしていただく、あるいは先ほど事務局の方から各種助成制度についての御紹介があったところでございますが、無料でコンサルタントの方に来てもらって、時間外の長い原因や打ち手について相談できるんだよということを紹介していただくこともあわせて検討いただければと思っております。

 私からは以上です。

○岩村分科会長 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 今、鈴木委員から労働時間等設定改善法について非常に前向きにたくさんのことを御発言いただいたわけですけれども、私どもとしても、それらを検討していくことについてはやぶさかではないと思っております。しかし、冒頭に申し上げたような長労働時間抑制のための法的な枠組み、具体的には、労働時間の量的上限規制であるとかインターバル規制を入れ込むといったことがあって初めて労使の話し合いという枠組みについても検討できる環境になるものと思っているところです。この争点がここに入ってきたということはありますけれども、「こうした労使の話し合いを充実させてそれでお茶を濁しておしまい」ということでは我々としては論議になりません。それゆえ、まずは、量的な上限規制やインターバルのような法的な規制をどうすべきかといった点を考えた上で、その次に、この労使の話し合いの枠組みといった問題についても考えるようにすべき、ということも申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。では、八野委員どうぞ。

○八野委員 労働基準監督行政等についても発言してよろしいでしょうか。「労働時間の規制を遵守させるための監督行政はどうあるべきか」という点については、これまでも労働側として何度か申し上げてきていると思います。つまり、現在の労働時間の規制のままでは、法制上、長時間労働を直接に取り締まることは非常に難しいというところがあるかと思います。それゆえ、まずは、時間外労働にかかる上限の時間規制を設けるなど、やはり行政がしっかりと取り締まることを可能とするだけの法的な根拠を設けていくことが第一であろうと思います。これなしには監督行政の充実強化はあり得ないものと思っております。

 また、今日出していただいた資料の50ページ、「労働基準監督行政について」を見てみますと、我が国の労働基準監督官は3,200人に満たない水準であるということが分かります。これは諸外国と比較した場合に、2010年に厚生労働省が作成したデータを参照しますと、雇用者1万人当たりの労働基準監督官は日本では0.5人強にとどまるのに対して、ドイツで約1.9人となっているのを筆頭に0.70.9程度の国が多くなっておりまして、いずれもわが国より監督面で非常に充実した人員を整備しているということが明らかとなっているところです。

 今までの労働基準監督官の人数から考えますと、現在の規制のもとでもいわゆる不払い残業などの違法行為を摘発することはなかなか難しいということが判明してきております。その点、経済成長を図るためにも適切・良好な労働環境の実現していくこと重要であるということが我々の話の中でも出てきておりますが、そういう環境の実現に向けては労働基準監督官の役割が非常に重要になってくるものと考えております。そうなりますと、いろいろ財政的な問題もあるかと思いますが、やはり労働基準監督官の増員をしていくことが監督行政の充実強化になるのではないかと考えております。

 それと違反件数に関して、送検事案の数をどのように理解すればいいのかは十分にはわかりませんが、それにしてもちょっと少ないように感じるところであります。そうであるならば、労働法令の違反を軽く考えさせないためにも、一罰百戒ではないですけれども、より一層厳格な監督を行っていくことも重要なのではないか、と思います。

以上、監督行政の重要性をさらに見つめていくべきであるということと、増員等も今後検討していく必要があるのではないか、ということを意見として述べさせていただきたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 ただいま八野委員から御指摘の監督行政の体制について申し上げたいと思います。

 本日の配布資料でも36協定それ自体を知らない事業所が36協定を結んでいないというケースが3割ぐらいあるというデータを示していただきました。その中には特別条項付36協定は臨時的・一時的な場合に限られることの理解が足りない、あるいは特別条項付36協定の発動は1年の半分に限られることの理解が足りないため、長時間になっている可能性が否定できません。したがいまして、改めて36協定の周知徹底を図ることが重要ではないかと思っております。

 それから、監督官におかれましては限られた人数の中で監督指導や、予防のためにセミナーを実施されておられます。厚生労働省は監督官のスキルアップを図るなど、指導体制についてはいろいろ工夫をされていらっしゃると存じます。そうした中、例えば、特に法違反が多いような地域があるとすれば、過重労働重点監督月間の時期にそういったところに監督官を集中配置するなど、引き続き効果的な監督指導を進めていただければと思っております。

 その上で、ただいま八野委員からも御指摘がございましたように、必要に応じて監督官の増員についても、体制強化という観点から検討されてもよいテーマではないかと思っているところです。

 私からは以上です。

○岩村分科会長 それでは、山川委員どうぞ。

○山川委員 今の点について、2010年の諸外国の監督官の状況比較等について、記憶から薄れてしまいましたので、先ほど監督年報のお話もありましたので、可能でしたら、もう一度御紹介いただければと思います。多分、国によって監督官の所轄権限の範囲が異なったりもしますので、そのあたりも含めて考慮する必要があります。

 また、鈴木委員から先ほどお話もありましたように、監督官が監督・取り締まりのみならず周知・教育的な機能も果たしていると思いますので、その点は体系的に整理して紹介するようなことになるかどうかわかりませんが、もし可能でしたら、そのあたりの周知の徹底みたいなことも先ほどから何度か出てきましたので、御説明を改めていただければと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 事務局で御対応いただけるものはぜひ、そのようにお願いしたいと思います。

 では、新谷委員どうぞ。

○新谷委員 時間がない中ですみません。刑法犯については一般司法警察職員としての警察官が捜査・取り締まりにあたり、刑事罰を伴う労働基準法においては特別司法警察権限を持つ労働基準監督官が取り締まりに当たる、ということなのですけれども、事業所の数や労働者の数に比べて、労働基準監督官がたったの3,000人しかいないというのでは、数として少な過ぎるのではないかと思います。確かに、少しずつは増員していただいているのですけれども、その裏側にある事情として、事務職員の割り当てが減らされてしまって、その結果、労働基準監督官が事務の仕事までやっている、といった話も漏れ伝わってきているところです。

 また一方で、例えば「ハローワークの職員を監督行政に回したらどうか」という議論もあるようです。しかし、労働基準監督官というのはスペシャリストである上に、特別司法警察権限を与えられて国家権力を行使する方々でありますので、おいそれとなれるといった職種ではないと思うのです。そういった意味では非常に重要な役割を担っていただいており、例えば、サービス残業などについても特別に査察をやると違反事例が多数出てくるといった効果・実態もあるようですので、労働側としては、財務当局との関係では難しい点もありましょうが、やはり監督行政の強化に向けて、ぜひ厚生労働省として労働基準監督官の増員を実現するようお願いしたいと思います。

 以上です。

○岩村分科会長 ありがとうございます。

 ほかにはよろしいでしょうか。 前回は、新たな労働時間制度について御議論をいただき、今日は長時間労働抑制策・年次有給休暇の取得促進策等について、それぞれ非常に熱心に御議論をいただきました。とりわけ、今日は例えば、年次有給休暇については労使双方からかなり踏み込んだ御発言もいただき、非常に有意義な分科会だったのではないかと思っております。もちろんまだ、例えば、年次有給休暇の御議論についても細部をどうするかというのはこれからの話ですけれども、なおこういう形で御議論をいただければと思っております。

 次回以降ですけれども、労側の委員からは前回も、そして今回も長時間労働抑制策・年次有給休暇の取得促進策について、まず議論をして結論を得るべきである、その上で、他の議題について議論を始めるべきだという御主張もあったところでございますが、分科会長としましては、ほかにも幾つか検討しなければいけない事項がございますし、また、最終的には今日まで取り上げてきた問題についても、また御議論いただく機会もあろうかと考えておりますので、次回以降につきましては、まず、裁量労働制の新たな取り組み、フレックスタイム制の見直しという2つのテーマにつきまして御議論いただきたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。

 それでは、事務局から次回の日程についての説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○古瀬調査官 次回の労働条件分科会の日程・場所につきましては、追って御連絡をさせていただきます。

○岩村分科会長 ありがとうございました。

 それでは、本日の分科会はここまでとさせていただきたいと思います。

 議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては高松委員に、それから、使用者代表につきましては池田委員にそれぞれお願いしたいと思います。

 それでは、分科会はこれで終了させていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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