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2014年10月6日 第81回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成26年10月6日(月)15:57〜18:09


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)
東京都千代田区平河町2-4-2


○議題

医療保険制度改革について

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻より少し時間がございますけれども、皆さん御着席でありますので、  ただいまより、第81回「医療保険部会」を開催いたします。

 台風一過で、天候も少しずつよくなっているようですけれども、委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。

 それでは、本日の委員の出欠状況について申し上げたいと思います。本日は、岩本委員、岡崎委員、齋藤委員、柴田委員、福田委員、松原委員、和田委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。柴田委員の代理として飯山参考人、福田委員の代理として和田参考人、松原委員の代理として鈴木参考人の御出席につき、御承認をいただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

遠藤部会長

 ありがとうございます。

(冒頭カメラ撮り終了)

遠藤部会長

それでは、議事に移らせていただきます。

本日も前回に続きまして、医療保険制度改革を議題として、各検討項目について議論を深めてまいりたいと思います。

本日は、初めに高齢者医療・被用者保険に関する議論、続きまして、現金給付等の見直しに関する議論を行いたいと考えております。事務局にそれぞれの現状や課題、論点等々につきまして資料を作成していただいております。

また、本日は委員提供資料といたしまして、協会けんぽの収支見通しに関する資料が小林委員より提示されています。

それでは、まずは、高齢者医療、被用者保険の関係について、事務局から説明をいただいた上、御議論をお願いしたいと思います。それでは、事務局より説明をお願いしたいと思います。

鳥井保険課長

 それでは説明させていただきます。保険課長でございます。

 お手元の資料1、「高齢者医療・被用者保険について」を参照いただきたいと思います。

 まず、1年分になりますけれども、現在の財政状況ということで資料にさせていただいております。まず、協会けんぽの財政の現状ということでございますが、2ページ目、3ページ目は、現在の直近の財政構造ということで省略をさせていただきます。

 4ページ目、財政構造の関連でいいますと、保険料収入、収入は保険料収入の大部分を扱っているわけでございますけれども、その基礎となります平均標準報酬月額は、平成25年度において平成22年度の水準まで回復しており、平成26年度の動向を見ますと、それよりもう少しよくなる傾向を示しているということでございます。

 次に、5ページ目でございますが、これは直近の収支差と準備金残高の状況ということでございますが、省略をさせていただきます。

 6ページも省略いたします。

 7ページ目、「協会けんぽと健康保険組合の保険料率の推移」ということでございますけれども、近年、御承知のとおり協会けんぽ、健保組合ともに保険料率を引き上げてきておりますが、協会けんぽへの国庫補助等によって、平成24年度から保険料率を3年間据置きということでございますが、健保組合の保険料率は上昇しており、一定程度格差が少し縮小してきている現状はございます。

 とはいいましても、8ページ目でございますが、報酬水準は平成15年度より総報酬制に移行してから報酬水準の格差は拡大し、その基本的な趨勢というものは変わっていないという状況にございます。

 続きまして、「健康保険組合の財政状況」ということでございます。

10ページ目は省略させていただきまして、11ページ目でございます。先日、25年度の決算が出ましたので、その数字を入れ込んだものでございますけれども、引き続き保険料は平均保険料率を引き上げており、対前年度伸び率で平均2.6%の引き上げということでありまして、単年度赤字こそやや足元では縮小しておりますけれども、6年連続で赤字ということでございまして、引き続き赤字傾向にあるということでございます。

12ページ目、これも数字を新しくしてございますけれども、そのような中で、協会けんぽの保険料率10%を超えている健康保険組合というものが123組合と、ふえている状況でございます。

13ページ目は、前々回質問がありましたが、付加給付の実体ということで、付加給付について資料をお出ししておりまして、そこに書いてありますような付加給付を基本といたしまして、独自に付加給付が存在しているということでございます。

 続きまして、14ページ目でございます。14ページ目以降は「高齢者医療制度の現状と被用者保険者の課題について」ということでございます。

15ページ目、16ページ目は割愛をさせていただきます。

17ページ、18ページ目、これで「高齢者医療への拠出負担の推移」ということでございますが、平成26年度現在で義務的経費に占める割合47.7%まで健保組合の場合は高くなっているということでございます。

19ページ目、「被用者保険が抱える課題と今後の対応」ということで、事務局のほうでまとめさせていただいたものでございます。

 まず1点目は、「被告用者保険者間の財政力格差」があるということで、現在、3分の1を総報酬割、3分の2を加入者割ということで後期高齢者支援金の負担を導入しているわけでございますけれども、引き続き財政力格差に鑑みますと、負担能力に応じた負担とするため、全面総報酬制を検討すべきではないかということが1点。

 それから、2点目は「高齢者医療への拠出金負担」ということでございますが、上記1により、支え合い機能を強化するということにいたしましても、保険者が保険者機能を健全に発揮し続けるためには、個々の自助努力で解決が難しい課題、こういったものを踏まえた軽減措置を検討すべきではないかということでございます。その資料が35ページ以下にございますが、1つには人口構造の急激な変化ということでございます。それから、2点目は制度改正による影響。それから、3点目はその他、例えば人口減少、少子化等について何か被用者保険者サイドで考えられることはないかということでございます。

以下、各3つの項目について説明をさせていただきます。

その後に、最後に3点目といたしまして、「協会けんぽの財政基盤」ということで、プログラム法等の検討規定がございますことから、それを踏まえた国庫補助水準の検討をすべきではないかということを説明させていただきたいと思います。

藤原課長

 引き続きまして、20ページから資料を御説明申し上げます。

 先ほど鳥井課長のほうから、被用者保険が抱える課題の中で、第1点目、財政力の格差を御説明申し上げましたが、その関係で、全面総報酬割を検討すべきではないかということにかかわる資料を御用意しております。

21ページは、国民会議の報告書はプログラム法において、全面総報酬割を検討することということで宿題をいただいているということをあらわした資料でございます。

22ページは、これも従来からお示しをしている基礎的な資料でございます。高齢者医療は、高齢者の保険料1割、現役世代からの支援金が4割、公費が5割といった、財源構成割合で運営をさせていただいております。原則、この支援金については加入者数で按分をするというやり方で支援いただいていますが、この現行制度では財政力の弱い保険者の負担が相対的に重くなるということを踏まえまして、22年度から3分の1分の総報酬割の導入、逆に言えば、3分の2は加入者割という負担方法で運営をしているということの説明資料でございます。

23ページ、24ページ、めくっていただきますと、これも、これまで部会で御説明をしている資料でございますので、説明を省略させていただきまして、25ページでございます。

ここから高齢者の支援金の総報酬割に関しまして、追加的に御説明をしたいということで御用意をしております。高齢者の支援金は、前期の高齢者分の支援金の調整という仕組みがございます。これについて、本日御議論いただきたい点がございますので、追加的に資料を用意いたしました。

現行の仕組みがどうなっているかということでございますが、前期高齢者の財政調整には、前期高齢者の医療給付費そのものを調整する仕組みと、もう一つは後期の支援金を前期高齢者に着目して調整する仕組みの2つがございます。したがいまして、高齢者の支援金の負担の重さを議論する時には、支援金本体に加えまして、この支援金に係る前期調整についても負担が重いかどうかということが常に議論になってまいります。

現行の制度の説明をしたものがこの上のページでございますが、前期高齢者の給付費そのものは比較的シンプルでございまして、全国平均の前期高齢者の加入率と丈比べをいたします。これを比べまして、これよりもたくさん負担をするところについては青い部分、それから、平均よりも低い加入率のところについては黄色い部分、この黄色い部分を納付金として納付いただき、青い部分のほうに交付するという仕組みで、前期の高齢者の加入率に応じて負担の調整を行うという仕組みとなっています。

それでは、その下でございますが、前期高齢者に係る後期支援金の調整はどうやっているかといいますと、原則、国保、被用者とも同じように前期の高齢者加入率に応じて負担を調整するという原則ではございますけれども、被用者保険者間については支援金の本体が3分の1の総報酬割が導入されたことに伴いまして、3分の1部分については被用者保険者分を総報酬割に応じて調整配分をするという仕組みをとっております。すなわち、色でいいますと、テンテンで書いております部分、3分の2の加入者割の部分は1番と同じようなやり方で調整をするのですが、黄色の部分、3分の1分については総報酬に応じて按分をして負担をしていただくという形になりますので、3分の1の部分については前期の高齢者の加入者率による調整が行われていないという仕組みになっております。 

この現行の仕組みの結果、27ページで具体的にお金のやりとりを表示しておりますが、前期の医療費給付費分については1ということで、調整前、調整後と見比べていただきますと、調整前は高齢者の偏在を考慮しないので、実際には国保のほうに前期高齢者が8割方いらっしゃるものですから、偏在を考慮しなければ8割部分について国保が負担することになるのですが、この前期高齢者の調整を加えることによって、その下の調整後というところで実質負担がこのように調整されることになります。

この間、納付金ということで被用者側から協会けんぽ1.3兆、健保から1.2兆、共済0.5兆という納付金が国保のほうの交付金として交付され、それが3.0兆円ということで交付金をいただく、その結果、実質の負担としては5.4兆円の国保の分が2.4兆円というふうに調整されると、このような仕組みになっています。

これが前期高齢者の支援金分についても同様に、同じように調整がなされまして、7,000億円国保の前期高齢者の支援金分があるところは、納付金が合わせて3,900億ということで国保への交付金となりますので、実質的には市町村の国保が3,100億円の負担になるということで、逆に言えば、被用者側にそれだけ応援いただくというやりとりをしているということを示した資料でございます。

それでは、どうしてこのような前期の高齢者の調整の仕組みを設けているのかという趣旨を示すために、28ページで前期高齢者の加入者の分布を整理しております。

市町村国保では前期高齢者の加入率が約3割でございますが、協会けんぽにおいては4.7%、組合健保においては2.5%となっております。もちろん、健保組合によって高齢者率が高いところ、低いところ、さまざまございます。相対的に見れば、このような差があるということです。これを横串で見ますと、全国の前期高齢者の約8割ぐらいの方が国保にいらっしゃるという状況になっておりまして、このような偏在を調整する仕組みが設けられているのが現行の制度となっております。

29 ページは財源構成、今、申し上げましたような財源構成を詳しく整理したものでございますので、後ほどご覧いただければと思います。

このような形で後期高齢者の支援金の総報酬割を議論する時には、したがいまして、この前期調整についてもどのような扱いにするかということを決めていかなければいけません。

30 ページに現行の制度、もう一度おさらい的に書いてございます。制度創設時には、前期調整において前期高齢者に係る医療給付費と後期高齢者の支援金、この2つについて、いずれも前期高齢者の加入率で調整をしておりました。左側の下のほうの図を見ていただきますと、全て薄いブルーの絵で示されておりますけれども、全て加入率の調整であったということです。22年からは、高齢者支援金のほうが3分の1総報酬割が導入されましたので、これに伴いまして、前期調整の後期支援金分についても同じように3分の1分については総報酬割で調整をするという仕掛けを入れてございます。ここまでが現行の仕組みになっております。

それでは、これからどうするかということでございますが、31ページをお開きください。31ページ囲いに説明が書いてございます。後期高齢者の支援金を仮に総報酬割を導入する場合に、前期調整におけるこの支援金の部分の計算方法について2案をお示ししております。

非常にシンプルに、前期調整においても後期支援金に合わせて百パーセント総報酬割にするというのが1案。

それから、総報酬割に加えまして加入者率の調整も加味した形で調整するというのが2案でございます。

1案、2案、それぞれ留意点があろうかと思っております。

1案につきましては、国民健康保険に8割の高齢者が偏在するというところの調整機能はあるのですが、被用者の保険者間では前期高齢者の偏在を調整する機能がなくなるということになります。

それから、2案を採用しますと、負担能力に加えまして前期高齢者の加入率も勘案する、2つの要素を勘案するという計算方式になりますので、報酬が高く前期高齢者加入率が低い保険者にとっては、1案よりもさらに負担が重くなるというような仕組みになります。

このあたりをどう考えるかということが論点になろうかと思います。

仮に2案を取り入れるとすると、どうなるのか少し丁寧に書かせていただいたのが32ページ、2案の説明の資料ということでございます。被用者保険者間においても前期高齢者の偏在を調整するという趣旨から、総報酬割後の支援金に基づいて、加入者の調整、加入率に応じた調整を行うということになりますので、下の図を見ていただきますと、AとBとCとDという保険者を例に挙げておりますけれども、AとBは前期高齢者の加入率が同じで、1人当たりの総報酬がAのほうが大きい場合に、加入者率が同じで報酬がAのほうが高いのでAのほうが負担が大きくなる。それから、一方、1人当たりの総報酬が同じCとDの保険者で比べますと、前期高齢者の加入率の低いCのほうが負担が高くなります。

1案と2案で比較した場合に、後期高齢者支援金の総報酬割による影響がどのようになるかというのを粗い試算で示したのが、次の33ページでございます。下の半分に(1)加入率調整なし、(2)加入率調整ありと、2つの案についての試算額をお示ししておりますけれども、協会けんぽにおいては1案よりも2案をとったほうが、相対的に高齢化率が高いためか、より負担が軽くなるのですが、一方逆に、相対的に高齢化率の低い健保組合や共済のほうは、1案よりも2案のほうが負担額が重くなる傾向が試算から読み取れるかと思います。あくまでも荒い推計ではございますが、27年度の推計をするとこのような形になるということです。

こういった点を勘案して、総報酬割についてはどのような論点をもってこれから検討していくべきかということを34ページに整理をいたしております。総報酬割に係る論点としては、平成22年度からは3分の1を総報酬割、3分の2を加入者割とする負担方法を現行導入しております。しかしながら、依然として、被用者保険者間においては、負担に隔たりがございますので、国民会議での指摘等を踏まえまして、負担能力に応じた公平な負担とするために、これを全面総報酬割としてはどうかということ。そして、先ほど技術的な説明で恐縮でございましたが、前期調整における後期高齢者支援金部分の扱いについて、各保険者間の前期高齢者の偏在を調整するという制度本来の趣旨を踏まえれば、被用者保険者間においても全面総報酬割を導入したとした場合において、前期高齢者の加入率の調整を加味した計算方法を検討してはどうかと書かせていただいております。すなわち、先ほどの2つの案のうちの2つ目の案を検討してはどうかということです。

また、この全面総報酬割による影響を踏まえますと、1つ目、段階的な実施を行うことが必要ではないか。それから、2番目としまして、そうはいっても負担増となる被用者保険者の負担軽減措置をあわせて検討する必要があるのではないかという論点を掲載しております。

引き続きまして、35ページでございます。先ほど被用者保険が抱える課題の2つ目で御説明申し上げました高齢者医療への拠出金負担をどう考えるかということでございますが、もちろん負担能力に応じた負担にするということで全面総報酬割の議論をしているわけですが、さはさりながら、自分たちの個々の保険者の自助努力では解決が難しい課題もあるので、そういった観点からの資料をおつけしております。

36 ページからが人口の構造的な課題に関しての資料を掲載してございます。御承知のとおり団塊の世代ですけれども、平成24年以降団塊の世代が65歳に達しまして、平成27年度には団塊の世代の方全員が65歳に達します。そして、平成34年から36年度に団塊の世代が75歳に達するということで、平成37年度には団塊の世代全員が75歳以降に移行していくということで、特にこれからの10年間が団塊の世代が前期高齢者になるというふうな時期が続きますという資料でございます。

37 ページは拠出金の負担の推計が掲載してございます。今後10年間、前期納付金の負担が増加するという資料でございます。濃い青い部分が前期納付金でございますが、この前期納付金は平成3233年ごろにピークを迎えまして、団塊の世代が前期高齢者に達する以前の23年と比べますと、健保組合、協会けんぽともに、約1.5倍ぐらいに負担がふえることが推計されます。

このような内容が38ページで、やはり前期高齢者の増によって前期納付金の所要保険料率が全体として高まるというグラフの形で説明してございます。

39 ページ、40ページは、現在そういったこともあり、拠出金負担の重い保険者への負担軽減措置が現行でも幾つかございます。

1つ目と2つ目は、保険者間の調整ということで、義務的な支出の重い保険者への負担軽減の措置などが、これは国庫が入る形ではなく保険者間の調整の仕組みとしてございます。

それから、3番目は、裁量的経費、国の補助金でございますけれども、拠出金負担が重く被保険者1人当たりの標準報酬総額が低い保険者を対象に補助金を出しているということで、現在は拠出金の割合が健保組合平均の1.1倍を超えるという要件と、もう一つ、1人当たりの標準報酬総額が平均よりも低いという2つの要件をもって補助対象にして補助金を交付しているという状況がございます。

41 ページが、これら「被用者保険者の個々の自助努力で解決が難しい課題への対応に係る論点」ということで整理しています。現行制度については、今、申し上げましたような負担の調整ですとか、国庫の補助ですとか、こういった方策を実施しています。しかしながら、中長期的には後期支援金、前期納付金がさらにこれから重くなるということが想定されますし、特に当分この10年ほどは団塊世代の影響で前期納付金の負担の急増が想定されるという問題がございます。

被用者保険者は、一方で、人口のこうした急激な変化や、財政力の格差などの構造的な課題に加えて、19ページにあるように、制度改正、例えばパート適用の拡大の影響ですとか、その他、人口減少、少子化などの影響も受けるというように、自助努力では解決が難しい課題を抱えているということがあります。

こういったことを踏まえて、負担の重い被用者保険者の負担軽減を考えるべきではないか。この場合、現行制度を踏まえて、どのような方策が適当と考えられるのかということを論点として掲げてございます。ただし書きでございますが、後期高齢者医療制度を創設する時に限られた財源を75歳以上の後期高齢者に重点化をするということで、前期については基本的には保険料財源より賄うというふうに整理をしてきたという基本的な考え方がございますので、前期調整への負担軽減については、こうした考え方との整合性を考えていく必要があることを論点として入れております。

以上でございます。

鳥井課長

 続きまして、42ページ目以下でございますが、ただいまの被用者保険者の個々の自助努力では解決が難しい課題への対応ということのもう一つの例でございますけれども、短時間労働者の適用拡大の問題がございます。

43ページをごらんください。既に社会保障・税一体改革の中で、非正規労働者に被用者保険を適用しセーフティーネットを強化するということで、平成2810月、2年後から施行される適用拡大が法律で定まっております。

 具体的に申し上げますと、現行は週30時間以上の適用であるものを20時間以上、月額賃金8.8万円(年収106万円)以上、それから、従業員501人以上の企業に適用する等々の条件をつけまして適用拡大をするものでございます。

 その際に、被用者保険につきましては、影響緩和措置がございまして、その43ページの下の方でございますが、短時間労働者などは賃金が低うございますので、加入すると保険料負担が重くなってくるということでございますので、当分の間はそういった方たちの後期支援金、介護納付金の負担について、被用者保険者間で広く分かち合う特例措置というものがございます。

 具体的には48ページ目でございますが、そこに図示されておりますことは、端的に申しますと、現在後期高齢者支援金の加入者割相当分は加入者割で調整いたしております。これにつきまして、9.8万円標準報酬月額以下の方につきましては、その被保険者及びその被扶養者の方たちの人数のカウントの仕方を1ではなくて零点何人という形でカウントし直すということによって、負担を減らすということがございます。具体的にどの程度にするかにつきましては、その四角の中でございますが、政令事項で今後決めるということになってございます。

 それから、このような激変緩和措置が必要な保険者でございますけれども、47ページのほうに戻っていただきますと、適用拡大による財政影響の試算ということがございますけれども、そこに医療保険者別の影響額が書いてありますが、主に健保組合でネットの負担額が増加いたしますので、この中で先ほど言いましたような短時間労働者の方が多く入ってくるところ、こういうところがこの激変緩和措置の対象になるということでございます。

 今後の論点でございますが、49ページ目でございます。大きくは2つあることを考えておりまして、1つは、この激変緩和措置というものは加入者割を前提とした措置でございます。今回、全面総報酬割を導入するということを検討しておりますので、これの検討にあわせまして、激変緩和措置についてまたさらに検討を加える必要があるのではないかということが2番目の丸でございます。なお、先ほど言いましたけれども、具体的な調整計数はまた別途議論させていただきたいと思います。

 それから、3番目の丸にありますように、現行制度では、2か月以上被保険者期間があれば任意継続被保険者となることが可能でございまして、加入すると2年間は継続できるということでございますが、短時間労働者の適用拡大等の措置によって1年以上の勤務期間が見込まれる方が被保険者になりますけれども、こういう方がふえていけば、短期間の雇用期間であるのにもかかわらず2年間の任意継続ができるということになりますが、そのことについてどう考えるかということも前回提起されましたので、その論点として掲げさせていただいております。

 以上でございますが、最後に協会けんぽの財政基盤についてということでございます。

 これはプログラム法の検討規定を踏まえておるということでございまして、そのプログラム法の検討規定を52ページに書いていますが、これは省略させていただきます。

53ページ目、現在の将来見通しということでございます。協会けんぽによる推計によりますと、現行の財政特例措置を前提としたしまして、保険料を据え置いた場合には賃金上昇率を低成長ケースの2分の1と仮定いたしますと、平成29年度までは準備金残高は法定準備金を上回るという見通しでございます。しかし、今後、経済や医療費の動向によっても変わります。それから、基礎報酬制のあり方によっても変わりますので、これらの議論を踏まえて、さらに国庫補助、保険料のあり方、こういったものについて検討を行うことが必要だと考えております。

 論点でございますが、54ページ目、先ほども申し上げましたように、協会けんぽに対する国庫補助といいますものは、財政基盤が弱いということに着目をして設けられているということでございますが、健康保険法上は16.4%から20%までの範囲内において政令で定める割合と規定しておりますが、附則において当分の間13%とするとされているわけでございます。さらに、当該附則規定を同じ附則において平成25年度、26年度においては16.4%とすると読み替えているものでございます。したがいまして、平成26年度までの財政特例措置が切れて何も措置しない場合には、国庫補助率は13%に戻り、後期高齢者支援金は百パーセント加入者となり、法定準備金として一月分を積み立てなければならないということになるわけでございます。そういった中で、協会けんぽの5年収支見通しを踏まえますと、16.4%を前提にすると平成29年度までは一定額の準備金は確保できる見通しでございます。

繰り返しになりますが、今後経済、医療費の動向とか、あるいは制度改革の影響を踏まえて国庫補助と保険料のあり方等について検討を行う必要がございます。具体的には、平成27年度以降の国庫補助率についてどう考えるかということでございます。

最後一点だけ参考資料でございますけれども、先ほど説明省略いたしましたが、やはり少子化ということで人口動態が我が国、変わっておりますので、それに関する資料をつけさせていただいております。説明は省略いたしますけれども、これは最後の61ページでございますけれども、今、安倍内閣で「まち・ひと・しごと創生本部」というものを設けておりまして、その中で右側のほうでございますけれども、人口減少を克服するための効果的、効率的な地域の社会経済システムの構築を図るということで、税制、地方交付税、社会保障制度を初めとしたあらゆる制度についてこうした方向に合わせて検討するということも折り込まれておりますので、このあたりについて御意見があればぜひお出しいただければありがたいと考えております。

長くなりましたが、説明は以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございました。

非常に豊富な内容でございまして、多様な御議論があるかと思いますけれども、事務局が御用意していただいた論点ということで申し上げれば、まず大きなところが19ページ、さらに個別論点として4149、そして57といったところではないかと思います。

また、最後には現在議論されている内容ということで、61ページに関することで御意見があれば承りたいということであったと思います。

もちろんこれにとらわれなくても結構でございますけれども、御質問、御意見等をいただければと思います。なかなかテクニカルな話もございましたので、質問も御遠慮なくお願いしたいと思います。

 小林委員、どうぞ。

小林委員

 資料1の53ページに、私ども協会けんぽが本年7月に行った収支見通しの結果が示されております。資料では、賃金上昇率を低成長ケースの2分の1と仮定した場合の収支見通しだけ示されておりますが、加入事業所の多くが小規模事業所である私ども協会けんぽの被保険者の賃金上昇率はこれより低いと想定されますので、その点だけご説明させていただきたいと思います。

 私が提出させていただいた委員提出資料をご覧いただきたいと思います。表紙をおめくりいただきまして、1ページ目の表の一番下の黒の線、これが協会けんぽの被保険者の賃金上昇率の実績で、真ん中の線が低成長ケースの賃金上昇率の2分の1に相当する平成21年財政検証における経済低位の賃金上昇率の2分の1の数値です。これを見ていただきますと、協会けんぽの被保険者の賃金上昇率は、平成21年財政検証における経済低位の2分の1を下回る状況にあります。また、過去10年間の平均をとりますと、マイナスということも想定しており、本年7月に公表いたしました収支見通しにおいては、これを含めた試算を行っております。こうした過去の状況を踏まえますと、私どもといたしましては、協会けんぽの被保険者の28年度以降の賃金上昇率については、慎重に推移を見守っていく必要があると考えております。

 本年7月に行いました収支見通しにおいては、賃金上昇率が過去10年の平均のケースと、ゼロ%のケースも試算しております。本日は、そのうちの高いほうの試算結果を資料2ページにつけさせていただいております。

 資料の2ページをご覧いただきたいと思います。現在の財政特例措置を前提に、現在の平均保険料率10%を据え置いた場合、過去10年の平均より高い、賃金上昇率をゼロ%で一定と仮定しますと、平成28年度には単年度収支がマイナス1,600億円となって、低成長ケースの2分の1の場合の2倍の赤字が発生し、平成30年度には3倍の赤字が発生いたします。この結果、平成29年度には準備金残高が法定準備金を下回って、平成30年度には準備金残高が100億円程度となります。私ども協会けんぽにつきましては、直近の財政収支は若干改善しておりますが、これまで申し上げておりますとおり、赤字構造は変わっておらず、財政状況は厳しいと考えております。

また、現在10%となっている平均保険料率も、他の被用者保険と比べて依然として大きな開きがあり、これ以上の引き上げは加入者の多くを占める中小企業の経営、生活を超えるものであり、限界であります。協会けんぽへの国庫補助につきましては、これまでの暫定対応の繰り返しではなくて、国庫補助率20%引き上げをはじめとした恒久措置をぜひとも実現させるように、重ねてお願いいたします。

 引き続いて、高齢者医療の支援金についてもよろしいですか。

 まず、後期高齢者支援金の全面総報酬割については、被用者保険内の負担の公平性を実現するために導入するものでありまして、被用者保険の負担を調整することで生じた財源は、被用者保険の負担軽減に用いられることが筋であることを改めて申し上げたいと思います。

 なお、資料1の30ページ以降にあります、被用者保険の前期財政調整における後期高齢者の支援金の扱いについては、その影響などを分析する必要があると思います。ただ、私ども協会けんぽは被用者保険制度の中で、前期高齢者の加入者数が多くなる傾向にある保険者であります。そのことを踏まえますと、前期高齢者に係る後期高齢者支援金の算定においては、前期高齢者の比率を考慮する方向ではないかと考えております。

 以上です。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

ほかにございませんでしょうか。

 白川委員、お願いします。

白川委員

 今回、私どもが申し上げた意見が百パーセント無視されたということで、非常に怒りを覚えております。

 まず、総報酬割について、私どもが今までも反対したことございませんし、これを導入することについてはそういう意見の方も非常に多かろうというふうに理解をしております。いつもそうですけれども、ここでは負担能力に応じた負担という言い方、美しい言葉で書かれておりますけれども、過去、総報酬割導入の議論は常に財政当局といいますか、ここで、協会けんぽに入れている国費を引き揚げるということが主眼で総報酬割という手段を使っている、というふうに私どもは常に感じております。

5年前の3分の1総報酬割も同様でございまして、その見返りといっては大変申し訳ないのですけれども、当時協会けんぽさんの国庫補助を減らすために健保組合と共済組合の負担をふやすというやり方をしたわけでございまして、今回の全面総報酬割も同じような考え方で提案されているというふうに言わざるを得ません。したがいまして、私どもとしては、総報酬割という問題だけを切り離して議論するということについては、非常に大きな不満を持っております。

何度も申し上げているとおり、総報酬割で浮くといわれる二千数百億円の国費をどこに使うのかということもセットでないと、我々としては議論できないと、再度、再度どころか再三再四申し上げているとおりでございます。我々、被用者保険に関係する5団体としては、そのお金は国保に持っていくということについては断固反対をしておりますし、健保組合としては拠出金負担の軽減に使っていただきたいという主張でございますので、まず、それを1点目で申し上げたいと思います。

 2点目でございますけれども、前期高齢者に係る後期高齢者支援金の計算方法でございます。これは、私もこの医療保険部会で申し上げましたけれども、考え方としては、前期高齢者の加入率の偏在を財政調整しようという考え方でございますので、これについて私どもは特に国民全体で高齢者医療を支えるという考え方からして、私どももそうあるべきだというふうに思っております。

 ただし、その加入率調整の時に、前期高齢者に係る後期支援金というのは、言ってみれば被用者保険に在籍していない方々の後期支援金を被用者保険で負担しろという話でございますので、これはそういう法律になっているようでございますけれども、法律そのものがおかしいのではないかというのが私どもの意見で、少なくとも我々はこの仕組み自体に納得しておりません。それにもかかわらず、1案、2案という形で提案されると。しかも、2案に至ってはさらにまた健保組合と共済組合の負担をふやすと、これはどういうことなのか、私どもには全く納得できません。というのが2点目でございます。

 それから、34ページの一番最後に全面総報酬割による影響を踏まえると、1で段階的な全面総報酬割、これはそうかもしれません。2、負担増となる被用者保険者の負担軽減措置と、これは今3分の1総報酬割に際して、40ページに高齢者医療運営円滑化補助金というのが健保組合に出されているという説明がございまして、そのとおりでございます。ただ、この種の類いのいわゆる毎年の予算措置で、34ページに書かれているような被用者保険者の負担軽減措置というのを考えているように見えるのですけれども、そういう問題ではないだろうということは再三申し上げております。

私どもとしては、特に前期の高齢者の拠出金負担がこの10年間、団塊の世代とともに相当にふえると。もう今でさえ拠出金負担で被用者保険のほうは相当財政的に苦しい状態ですので、仕組み自体を考え直していただきたいというふうに申し上げているわけでございまして、毎年の予算で財務省と交渉して、十分なお金かどうかは別にして、持ってくるというやり方ではまずいだろうというのが私どもの意見でございます。

ちなみに40ページの表でいきますと、毎年減らされるわけですね。しかも、26年度で265億円という数字でございますけれども、健保組合の拠出金は3兆円を超えているわけです。したがって、265億というのは1%にも満たないと。拠出金はふえているのに、こういう助成金はどんどん減るという変な形になっておりまして、我々としてはこういう予算措置でやるのではなく、制度そのものの見直しということで被用者保険の拠出金負担の見直しを主張しているということでございますので、以上3点、私ども今回の事務局の提案についてはいずれも不満でございます。

以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

従来からのお考えをベースにしての今回の事務局提案についての御意見を伺ったということでございます。それに関連してでも結構ですし、違う視点でも結構でございますけれども。

 では望月委員、どうぞ。

望月委員

 ありがとうございます。

 先ほど、白川委員より全面総報酬割を導入した場合に生じる二千数百億の使い道についてのお話があったのですけれども、この点につきましては極めて重要な論点だと思っておりますので、ぜひこの場で議論していただきたいと思っています。

 我々としては、現役世代全体の負担軽減を図るという意味では高齢者医療、とりわけ今後急増する前期高齢者医療に充当していただきたいと考えています。

 あと2点、意見があるのですけれども、まず資料41ページです。御説明ありましたけれども、いずれにしても来年度からこの団塊の世代が全て前期高齢者になるということで、言わずもがな、被用者保険が負っている納付金が急激に増加していくことが想定されます。ぜひ、前期高齢者医療に対しても制度的に公費を投入して、納付金の負担を軽減する方向で考えていただきたいと思っています。団塊の世代が前期高齢者である10年間、この10年間が当面の問題だという説明もありましたけれども、ぜひ早急な対応を行っていただくようお願いしたいと思います、

 それから、2点目ですけれども、資料の19ページです。あと、一番最後に少し人口動態の御説明もありましたけれども、この2番のところにその他として「人口減少・少子化など」ということで書かれていますけれども、言うまでもなく、こういった少子化対策については極めて重大な課題です。いろんな対策が政府でとられているわけですけれども、高齢者医療への拠出金負担がふえ続け、保険料率が際限なく引き上がるということであれば、現役世代の可処分所得は当然減少、もしくは伸びが抑制されてしまいます。ぜひ、若者たちが、結婚や出産といった選択を積極的に、あるいは安心して行えるよう、現役世代の高齢者医療への拠出金負担を抑えるということは大変重要だと思います。

 医療保険における人口減少、少子化への配慮というものは、今後の課題としてぜひ、頭出しだけでなくて重要視していただきたいというふうに考えています。

 以上です。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 何かほかに。

それでは、鈴木参考人から高橋委員、まずはそのお2人でお願いします。

鈴木参考人

 何点か意見を中心に述べさせていただきたいと思います。

 まず、13ページの健康保険組合における付加給付についてでございます。これは以前私が資料を要求したものに対する回答なのかもしれませんが、付加給付の実体が一部なりとも明らかになったということだと思います。これを見ますと、健保組合の白川先生は「苦しい、苦しい」とおっしゃるけれども、やはり余裕があるのかなという気がいたします。これは意見でございます。

 それから、21ページの社会保障制度改革国民会議の報告書を見ますと、これは2025年に向けた改革の道筋が示されてということで、これに沿っていろいろな改革が進んでいるわけです。ここに全面総報酬割ということが書かれているわけですが、その結果として健保組合の中でも4割弱の健保組合の負担が軽減されるということも書いてありますので、白川先生も先ほど、反対しているわけではないというお話でしたが、健保組合間の公平、格差の是正、縮小というものにもつながるという意味があることが示されているのではないかと思います。

 また、その下のところに、日本の被用者保険の保険料率はフランスやドイツ等よりも低いと書かれております。特に事業主負担が低いのですが、ここは今後の超高齢社会を支えるためにもう少し御負担をお願いできればと思っております。

 それから、最後の61ページに、「まち・ひと・しごと創生本部」の基本方針がつけられておりますが、これがどういう意味なのかということです。私はここに書かれているような地域に居住しております数少ない委員の1人だと思いますが、ここに書いてあるように、若い人に「起業をしなさい。」と幾ら言っても、その土壌がないところにはなかなかそういったものがすぐにはできません。私は地方において、医療機関や介護施設には、若い人がまだたくさん来てくれますので、そこを核に少子化対策、あるいは人口減少対策、そして地域活性化対策を行い、地域の資源を発掘して、ネットワークをつくっていきながら、そういう起業などを支援していく仕組みが必要ではないかと思います。医療は、海外でも高齢化が進んでいるところでは雇用を確保する重要な場としての意義もあるということがいわれておりますので、ぜひ医療保険部会として何ができるのかということも考えていただければと思います。これも意見でございます。

 以上です。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、高橋委員、それから和田参考人、樋口委員の順でお願いしたいと思います。

 では高橋委員、お待たせしました。

高橋委員

 ありがとうございます。

 私のほうから2点、意見を述べさせていただきます。

 まず49ページになろうかと思うのですけれども、短時間労働者の適用拡大ということについて、前回からちょっと申しておりましたけれども、今回示された資料なのですが、これは短時間労働者の適用拡大による財政影響への対応ということが論点になっていますが、従前から言っていますように、連合としては全ての雇用労働者に社会保険を原則、適用すべきだというふうに考えておりますし、また、今後予測される労働人口減少や人手不足の中で良質な人材確保という観点からも、2016年、平成2810月から実施ということになっていますが、その前倒しやさらなる適用拡大を推し進めるということが必要だというふうには思っております。

 それと同時に任意適用を認めるべきだと思います。現行の任意包括適用制度でも約8万6,000の事業所で約275,000人が適用を受けているというふうに聞いております。また、短時間労働者の人数は産業によっても違いますし、短時間労働者の多い中小、あるいは零細企業、あるいは保険者への何らかの支援策も同時に検討すべきだろうというふうに思います。

 2点目は協会けんぽへの国庫補助、ページ数でいうと54ページになるかと思います。先ほど小林委員からも御発言ございますが、しばらくは法定準備金として積み立てるべき見込額を上回る準備金が積み上がっていくことになると思いますが、協会けんぽには中小、零細事業者が多く、賃金水準が低いために財政基盤は本当に脆弱だと思います。

 収支は賃金上昇率の推移によって大きく変動するものであり、中期的には決して楽観できる財政状況ではないというふうに受けとめております。したがいまして、国庫補助率は13%に戻すべきではなく、法律の本則に沿って引き上げるべきだというふうに考えます。

 以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では、お待たせしました。和田参考人、お願いします。

和田参考人

 ありがとうございます。

 国保の保険料負担の問題につきましては、たびたび私どものほうから御指摘させていただいているわけでありますけれども、全面総報酬割の導入によって生じる財源の使い方のところで、そこのところが議論になっているということでありまして、今後の医療費の増大等を見据えた時には、私ども知事会としては2,400億という額の範囲内では、構造問題が解決できるとは考えてはおりませんので、国においてはその責任において、国保の財政基盤を抜本的に解決するために必要となる国費の総額を確実に確保していただきたいというふうに考えております。

 その際に、後期高齢者支援金の全面総報酬割を導入した場合に生じる財源、この活用については、国民会議の報告書の中に財政上の構造問題の解決を図るために考慮に入れるべき財源として記載されているところでございまして、国保に優先的に活用すべきであるというふうに考えております。

関係者の国の皆さんには、関係者の理解を得られるように説明責任を果たしていただきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では樋口委員、お願いいたします。

樋口委員

 ありがとうございます。

 後期高齢者医療についてちょっと発言させていただきます。

2012年、平成24年度に11年ぶりで高齢社会対策大綱が改定されまして、ここで65歳以上の高齢者を支えられる側から支える側へ、人生65年時代から人生90年時代へという内容が閣議決定されました。その後、遠藤部会長が重要な役割を果たされました社会保障制度改革会議でも、やはり高齢者のあり方について同じような意味のことを述べておられたと思います。ということは、少なくとも前期高齢者においては、さきほどからずっと前期高齢者という御説明を聞きながら、私の耳には「前期高齢者」というのは「元気高齢者」と聞こえまして、基本的に私はこれからの人口構成、資料の一番最後のページなんてもう恐るべき数字でありますけれども、ここで前期高齢者が元気高齢者となって、就労することが広がっていけば、それでも怖いですけれども、この超高齢社会の恐ろしさはかなり和らぐのではないかと思っております。

 ということは、ページでいえば28ページでございますけれども、主な保険者別の年齢階級別加入者数でございますが、今のところは前期高齢者も圧倒的に市町村国保に入っておりますけれども、もしも高齢社会対策大綱にあるような政策が推進されれば、後期高齢者までもとは言いませんけれども、前期高齢者においてはこうした協会けんぽなり健保組合なりに加入する比率は絶対ふえるだろうと思うし、またふやしていくことが国の政策であってしかるべきだし、日本が超高齢化による医療破産、介護破産から免れる最大の道だと思っております。でございますから、いろいろ御意見はございますでしょうし、総報酬割の具体的な決め方ということは技術的にもいろいろ御意見があると存じますけれども、ぜひともこの被用者保険に前期高齢者の加入を促進するという方向で御議論いただきたいと私は切に願っております。

 それは、医療保険部会で決めることではなくて、あるいは税制の優遇措置であるとか、奨励金、補助金でやるべきだという御意見もあるとは思いますけれども、基本的にやはり保険制度の中でも少なくとも前期高齢者の被用者保険加入を促進する方向、就労の増加を促進する方向で御議論いただきたいとお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは武久委員、お願いいたします。

武久委員

 短期、短時間の労働者のことで今、高橋さんがおっしゃいましたけれども、脆弱な経営基盤のところは非常に大変だというようなことで、医療産業もその中へ入るのです。診療所を含め、中小・民間病院というのは非常に経営基盤が脆弱でありまして、女性従業員が非常に多い。しかも妊娠とか育児とかいうことで、短時間労働者が非常に多いわけです。これに対して厚生労働省のほうも、いわゆる時短とか短時間の正規社員とか、いろいろ政策をなさっているわけでございますけれども、この被扶養者の収入の限度額が今、少しずつ上がって、今、百二、三十万ですか、ちょっとはっきりしませんが。

ここの短時間のところで106時間以上というふうに書いてあるのですけれども、結局この枠はこの106時間という条件の中へ入ってしまうということもありまして、安倍首相もこの被扶養者の枠を外すとか、その額をふやすとか、ある意味、国策的にやろうとなさっているわけですけれども、結局、被扶養者の範囲内でお仕事をしているパートのいろんな職員の皆様方、介護職員も、時給を上げると働く時間が減るのです。こういう非常にタイトな条件の中で、いわゆる常勤換算的に職員を集めるということは現状としては非常に厳しい。そんな現状の中で、しかし、労働者の、特に女性労働者の福利厚生も非常に重要だと思うのですけれども、この辺のところを実際に30時間から20時間の間に拡大になるとすると、その半分は事業者負担ということになりまして、今回の診療報酬改定でも非常に厳しい改定でありまして、中小・民間病院等、非常に経営に困難を生じているというところもございます。

これは安倍首相が、はっきりと被扶養者の枠についておっしゃっていますので、国策なのであれば、医療産業を含めて弱小の中小・民間事業者については、何らかの国費を投入すべきではないかというふうに思います。よろしくお願いします。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに何かありますか。

 堀委員、お願いいたします。

堀憲郎委員

 今の武久委員の御意見にちょっと関連するのですが、短時間労働者の適用拡大に関連して、今、言われた国の政策的なものを念のため聞かせていただいて理解したいと思うのですが、今、言われたように、短時間正社員等の多様な正社員制度をつくろうというふうな方向性が出てきていて、一方で、その短時間労働者についてのこういったセーフティーネットの強化ということをやられているということで、そごはないと思うのですが、そういった一方で、短時間労働者を減らそうという方向があって、もう一つでそこをしっかりと補強しようという考えで、政策的にはそのあたりの整理というのが恐らく関連するところがあろうかと思うのですが、そこを一応、念のためお聞かせいただきたいなと思って、御質問でございます。

遠藤部会長

 これについては、担当はいらっしゃいますか。

 ではお願いいたします。

鳥井課長

 今、社会保険における適用拡大の枠組みについては、基本的には今の制度を前提に、どこまでその被用者保険の被保険者たる地位を与え、セーフティ−ネットを強化するかということで組立てをしております。それは先ほど来、出ておりますように2810月からの分は、まず法律改正でできておりまして、それ以降、あるいは何か前倒しでもできるものがないかというのが今、年金部会でも議論をし、こちらの医療保険部会のほうでも必要に応じ、今後議題としていくことを考えております。

それで、新しい働き方の労働法制との整合性ということにつきましては、まだ全然これからでございまして、そこのほうが変わりましたら、こちらも必要な手当てがあればその旨、そのことを検討していきたいと考えております。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 堀憲郎委員、どうぞ。

堀憲郎委員

 はい、わかりました。

 恐らくひょっとして、その短時間労働者が減ってくるとなると関連するところがあると思うので、ぜひ情報を共有して対応していただきたいというふうに思います。

遠藤部会長

 それでは岩村部会長代理、お願いします。

岩村部会長代理

 ただいまの議論ですけれども、少なくとも私の理解しているところでは、政府の雇用政策というのは、パートタイマーを減らそうという政策ではないと理解しております。そして、特に女性が多いパートタイマーについて適正な処遇というのを図っていこう、場合によっては短時間で正社員というような企業の雇用のあり方もあるのではないか、それが可能であればそれを促進しようという方向の政策だと考えています。ですので、特にその政策が進められたからといって、パートタイマーの数が減る、あるいはパートタイマーの数を減らそうという政策だとは理解は私としては個人的にはしてはおりません。

 ですから、その雇用政策の問題とパートタイマーへの社会保険の適用拡大の問題というのは、ちょっと違うものだというふうにお考えいただいたほうがいいだろうと思っております。

 それから、適用拡大によって、パートタイマーが社会保険の被保険者になるということによって企業に対する影響というのが発生するということは確かにそのとおりであり、それがまさに社会保険のパートタイマーへの適用拡大を議論していた時の一番の大きな焦点であったということは確かでありますが、他方で新しく適用拡大された中で、そのパートタイマーについてどういう処遇をしていくのか、あるいはどういう雇用のあり方をしていくかというのは、まさに個々の企業が判断して決めていくということでありますから、基本的には、パートタイマーを雇用している企業に適用拡大になる人がいる、だから補助金をという、そういう論理というのは私は出てこないだろうと考えておりますので、その点、一言だけ申し上げます。

◯遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは白川委員、どうぞ。

白川委員

 済みません。怒りの余り、短時間労働者についての御意見申し上げるのを忘れておりましたので、2回目でございますけれども。

 短時間労働者の適用拡大に係る論点が49ページに書かれておりまして、その2つ目に、短時間労働者の、後期高齢者の支援金に関する特例取扱いは全面総報酬割導入に伴って必要なかろうという趣旨のことを書かれておりまして、私もそれはそうだろうなと思います。ここに書かれたとおり、そうはいっても、適用拡大になりますと、特定の業種の負担が、簡単に言えば小売業でありますとか、外食業でありますとか、一部医療・介護関係の小規模施設等々、こちらの負担が相当、特に拠出金負担がふえるということでございますので、ぜひとも激変緩和措置というのは考えていく必要があるのだろうというふうに、書かれておるとおりだというふうに私も賛成でございます。

 それから2つ目は、3つ目の丸に任意継続被保険者という制度、我々、任継制度というふうに簡単に言っておりますけれども、これ自体、医療保険制度の改革のたびに問題提起をさせていただいているのですけれども、歴史を調べますと、大正時代にまだ皆保険制度になっておらず、一部の大企業が健康保険組合だけを持っていたと、まだ国民健康保険もなかった時代に、大企業が退職された方々の医療保険を退職後も2年間面倒を見ようということでこの制度ができたようであります。今、御案内のとおり、被用者保険を定年等で退職された方は国保のほうに移るということで、保険制度は保証されているわけでございますので、この任継制度自体、必要なのかということをたびたび申し上げております。今回、すぐ変えられるかどうかは別にしまして、2年間という期間がいいのか、ここにも書いてありますとおり短期間の雇用期間、2か月間の資格要件でいいのか、それから、保険料の設定方法はそれでいいのかということも含めて、引き続き検討していただくようにお願いをいたします。

 以上でございます。

遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 これまでの御議論、大変大所高所からの御議論でありまして、皆様方、非常に高い視点からの御発言をいただいているということで、非常に参考になるお話であったわけですけれども、一方で事務局としてさまざまな課題を具体的に挙げておりまして、そういうことについての御意見もまた承りたいところもあるわけです。もちろん御意見を制約するつもりはございませんけれども、例えば、事務局が論点として出している事柄について具体的な御意見があれば承りたいと思います。

 武久委員、どうぞ。

武久委員

 岩村代理がおっしゃいましたけれども、この労働政策の被扶養者の額を撤廃するとか、上げるとかいうことと、この短時間の保険とは全く別の次元だと言うけれども、別の次元ではないではないのですか。直接に関係してきますよ。要するに、被扶養者の間は、弱小産業のところはその人の保険料の半分は負担しなくていいわけですよね。20時間ということは、1日4時間で5日間ですよね。それだけしか業務をしていない人に対しても保険を掛けるということは、それは大変結構なことなのですけれども、それを国策としていながら事業者に負担させると、ここに非常におかしな理論があって、別に補助金をくれとかそういうことを言うわけじゃなしに、国策として労働者をふやして、被扶養者を減らして、できるだけ働いてくださいと、労働人口をふやしましょうという国策であれば、その事業者側にそれを全部、ふえた分を負担しろというような政策でいいのですかということになる。

つまり、根本的な原因として、その短時間労働者にこのようにいろいろ事務局が保険を掛けるということに関しては、私は非常に大賛成で、その論点については何の問題もありません。だけれども、医療産業だけじゃないですよ。いろんな弱小の産業に、直接かかわってきて、今の現状では大企業は非常に給料上がっているけれども、地方とか中小企業は給料下がっているとかいうようなことを国会でも言っていましたけれども、現実にそういう状況の時に、根本的な話をして申しわけないのですけれども、その辺のところが大分私の考えと部会長代理とは、考え方が違うと思いますけれども。

遠藤部会長

 お名前が出ましたので、岩村部会長代理。

岩村部会長代理

 済みません。ごく簡単に。

 ます、被扶養者の問題というのは、1つは、夫の所得税のところの配偶者控除をどうするかという問題で、そのことが実はとりわけ女性の就労を阻害しているので、その配偶者控除をどうするかというのが議論の1つだと思います。

 そこを修正することによって、女性の就労を阻害している要因をできるだけ減らし、女性の就労意欲を高めよう、その結果として、必ずしも従来のような意味でのパートタイマーではない形で女性が働くということも当然出てくると考えられます。

 ですので、今おっしゃっている問題というのは、必ずしも社会保険の被扶養者の問題としてどうかということとは直結しない問題だと私としては考えております。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 どこまで拡大した議論をするかということは人によっていろいろあるかもしれませんけれども、私自身もその短時間労働者の社会保険適用拡大に関する部会の部会長をやっておりましたので、その辺の議論はよくわかっているつもりですけれども、今、我々、ここで議論しなければいけないことは、このような適用拡大も決まりましたので、その中で、保険者が受けるさまざまな影響についてどう考えるかということがここでのミッションだと思いますので、それについての御意見を承れればと思います。

 これも含めまして、幾つか前期高齢者の財政調整の問題についても選択肢が出されていました。これについても御意見承れれば承りたいと思います。やや専門的な話になりますが。

 それではお願いいたします。岩村部会長代理。

岩村部会長代理

 済みません。今の部会長のお話もありましたので、若干幾つかの課題について述べさせていただきたいと思います。

 まず第一に、きょうの資料1の34ページの「後期高齢者支援金の全面総報酬割に係る論点」で、3番目の丸のところで、前期財政調整における後期高齢者支援金部分の扱いということで、きょう事務局のほうからは、被用者保険者間においても全面総報酬割を導入した場合において前期高齢者加入率による調整を加味した計算方法を検討してはどうかという論点が提示されております。

 確かにきょうのこの資料などにもありますように、この前期財政調整における後期支援金部分について完全に総報酬だけということにしますと、前期高齢者加入率による差が調整されないという問題があります。また、当然その結果として、各被用者保険の保険者の65歳を境とするところでの事業主の雇用政策によって、前期財政調整における後期支援金の負担のあり方が動いてしまうという問題もあることは確かですので、きょう提示されたこの考え方というのは、そういう意味ではなかなかいいところに着眼したかという気がいたします。ただ、きょう初めて出てきたということもあって、もう少し事務局においても検討を深めていただければと思いますし、私としても前向きには考えられるのかなとは思いますけれども、もう少し考えてみたいと思います。

 それから、短時間労働者への適用拡大の部分の49ページのところですけれども、確かに論点として挙げられている2番目の丸のところについては、特定の産業なり業種のところに非常に負担がかかるということですので、それについての激変緩和措置はやはり検討していく必要がありますし、27年度中に調整計数も決めなければいけないということですので、早急にこの部会で検討すべきだろうと思います。

 任意継続被保険者はなかなか悩ましい問題ですので、ちょっとそこも私も考えてみたいと思っております。

 それから、あともう一つは、前期高齢者医療制度のところで、被用者保険の個々の保険者の自助努力では解決が難しい課題がきょう提起されています。35ページからで、論点としては41ページのところですけれども、とりわけ平成28年度から平成38年度までのところで、被用者保険に非常に大きな負担がかかるという点は重要です。この10年間について何らかの形で被用者保険を支援することを考える必要はあるだろうと思います。

 ただ、その時に、もともと前期財政調整がつくられた時の経緯を鑑みると、一般的に公費負担を導入するというのはなかなか難しいかもしれませんが、幾つかのきょうも論点が提示されていますので、そういった点について前向きに検討する必要があるかは思っております。

 済みません。手間取りましたけれども、以上です。

遠藤部会長

 ありがとうございます。具体的な御意見を承れました。

 最初のお話では前期調整につきましては、加入率といいますか、高齢者の割合の違いを反映するほうが合理性が高いのではないかという御趣旨の御発言だったと思います。

 また、パートに対する被用者保険の適用拡大につきましては、業種間において非常にばらつきが大きいものですから、それに対して配慮することは適切ではないかと、こういう御趣旨だったと思います。ほかにもいろいろと御指摘いただきました。

 ほかに何か御意見ございますか。

 横尾委員、どうぞ。

横尾委員

 やや小さいことかもしれませんけれども、いただいた資料の27ページや、今ほどの示しがありました33ページに、それぞれ関係する市町村国保や協会けんぽ、健保組合等の負担に関するシミュレーション、現状等が出ているわけです。その一番右端に共済組合が出ているのですけれども、この共済組合の意見というのはここの会議に入っていないのですが、どうやって酌み取っておられるかを教えてください。

◯遠藤部会長

 では、総務課長。

大島課長

 制度改正します際に、健保法と類似する規定が共済にもありますので、ある程度方針が決まった段階で、国共済は財務省、地共済は総務省にそれぞれの窓口がありまして、そちらにこういう改正をしようと思うという投げかけをしまして、共済としてのあり方を考えてもらうというのがこれまでのやり方になっております。今回もある程度議論がまとまって方針が出てくれば、それぞれの共済担当の役所のほうに投げかけをするということになってまいります。

遠藤部会長

 横尾委員お願いします。

横尾委員

 現状はわかるのですけれども、例えば、ステークホルダーはその議決するべき時に参加するのが通常フェアな考え方だと思うのです。そういった、例えばこういったところで意見を述べる機会というのは、共済の方々には全くないということですね。事務的調整で終わり、「決まったからこうしてよ」ということですね。それで本当にいいのかなというのをちょっと疑問が残ったので聞いたのです。その辺はいかがですか。

大島課長

 改めて意見を聴取するとすれば、ヒアリングをここの場でやるということもないことはないかもしれませんが、関係者が多いという状況はございます。

遠藤部会長

 これは問題提起という形で受けとめさせていただきます。これは共済組合のほうから強い要求が今あるということでは必ずしもないということですので。

横尾委員

注目はされていると思います。

遠藤部会長

 では続けてください。もし、まだあれば。

横尾委員

 関連で、次のページの28ページを見るとわかるのですけれども、これは当然各委員の方も御認識されていると思いますし、私たちもどうあるべきかを考えるべきと思いますが、この棒グラフの表を見ても、市町村国保が多い状況があり、やはり前期高齢者の方が大変多くおられるし、この先には、私も関係いたします後期高齢者がいらっしゃるわけですけれども、やはりこの3つの大きな分類表で見ますと、協会けんぽの方や健保組合の方々それぞれおられますが、それぞれの国保や3つのグループの収支はもちろん考える立場におられる方が多くおられるわけですが、やはりトータルとして国としてどうあるべきかということは、ぜひ厚労省のほうでいろんな意味での深掘りや研究もしていただいて、こういった協議の時にシミュレーションとかを出していただくといいかなというふうに思いますので、よろしくお願いして、これは御意見でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございます。まだ御意見はあるかと思いますけれども。

 保険局長どうぞ。

唐澤局長

 横尾委員からいろんな関係者がいるという御指摘がありました。そのとおりです。医療保険部会の委員もかなりたくさんの方にお願いをしていますが、関係するすべての方々に御参加いただくことができません。例えば、国保組合の方ですとか、それから介護事業の方も関係してくるようなところも出てまいります。私どもは、この場では委員としてのお話は伺えませんけれども、いろんな方々から御意見を丁寧に聞くという姿勢で臨ませていただきたいと思います。

 いろんな方々から御意見を聞くという姿勢で臨ませていただきたいと思います。

遠藤部会長

 よろしくお願いします。

それでは、きょうは大変難しい課題も含めての御提案であり、しかもさまざまな御意見を承りましたので、必ずしも十分煮詰まってはいないものもありますが、本日はこのぐらいにさせていただきたいと思います。

 もう一つ議題がございます。

 それでは、続いて現金給付の見直しについてを議題としたいと思います。事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

鳥井課長

 保険課長でございます。

 資料2をごらんください。「現金給付等の見直しについて」ということでございます。一度、現金給付等につきましても御議論をいただいておりまして、今回、事務局で少し整理、検討をさせていただいた結果としての論点を示させていただき、今回、それについて御意見をいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

 3つございます。

1点目、海外療養費でございますが、まず2ページ目は制度の概要ですが、海外療養費自体は海外渡航の一般化ということで、健康保険は56年から、国保は13年からということで制度化されたということでございます。

3ページ目でございますが、しかし、そうはいいましても、近年海外療養費の請求はふえておりまして、中でも不正請求対策等が国会等においても取り上げられたということがございます。また、資格管理がなかなか難しいというお話もいただいております。したがいまして、今回医療保険制度全般を見直すに伴いまして、この海外療養費制度についても対応をとってはどうかということで、2点加えさせていただいております。

1つは不正請求対策ということで、海外に渡航した事実がないにもかかわらず海外療養費を請求する事案等があると指摘されておりますので、そういったものを防ぐ観点から、パスポートの写しですとか、海外の医療機関等に対して照会を行うことの同意書の提出を求めることを省令上規定してはどうかということが1点。

それから、2点目でございますが、資格管理の適正化ということで、国内に生活実態がない方に対する資格管理の適正化ということが論点になっております。健康保険につきましては、被扶養者であれば、あるいは被保険者でありましても、必ずしも国内の生活実態というものを求めているわけではございませんけれども、さはさりながら、海外に在住する被扶養者の扶養事実、こういったものは認定する必要がありますので、こういったものの取扱いについて厳格化をいたしたいということが1点。

それから、国保後期については、これは国内の生活実態が非常に深く関係してきますので、国外に長期滞在する者、こういったものに関する資格管理についての取扱いを徹底してまいりたいということを考えたらどうかということでございます。

具体的に申し上げますと、4ページ目、これは先ほども申しましたことに重なりますが、海外医療費を支給の申請に当たってパスポートの写し、それから、照会の同意書の提出を省令上求めるということにしてはどうかということでございます。これは既に通知上では、そういうことを求めてはどうかということを書いておりまして、これを省令化して義務化するということでございます。

それから、5ページ目、資格管理の適正化でございます。健康保険においては扶養認定、これが問題になりますので、なかなか海外に住んでいらっしゃる方につきましては事実認定が難しいといったような意見がございますので、例えば、定期的な音信や仕送り等の事実が確認できる書類を提出していただくなどの取扱いを通知でまず示し、適正化を進めてまいりたいと。それから、国保後期におきましては、国内の生活実態ということが問題になりますので、まずその保険者はパスポートの写しから海外渡航期間を確認する、もしくは市町村の区域内に生活実態があるかどうかの確認を行うといった形で徹底をするということを通知で示してはどうかと考えております。

次に、傷病手当金、出産手当金でございます。

7ページ目は現行でございますので、省略させていただきます。

8ページ目は、以前の会で他の公的給付との関係も確認すべきということでございましたので、模式図としてつけさせていただいております。簡単に申し上げますと、まず業務災害と業務外がございまして、業務災害は労働者災害補償保険、それで、業務外につきましては雇用保険と健康保険で生活保障を対応しているということでございまして、両者に共通する基礎的なものとして障害年金があるということでございます。共通して障害年金が優先して適用されるということでございますが、業務外については、現行の制度では健康保険が優先して適用されているということになります。

具体的には9ページ目にありますけれども、後で見ていただければと思います。最も違いますのは、支給期間のところでございまして、傷病手当金は1年6か月ということでございますが、雇用保険の傷病手当については60日から360日の上限を被保険者機関に応じて変わってくるということでございます。

10 ページ目は出産手当金でございますが、説明は省略させていただきます。

今回の見直しの論点ということで11ページでございますが、まず、傷病手当金につきましては、前回の議論でもございましたけれども、休業前の標準報酬日額を基礎として支給額が決定される仕組みとなっておりまして、休業直前に高額に標準報酬を改定するということによって高額な傷病手当金受給が可能になっているという仕組みがございます。また、被保険者資格喪失後の傷病手当金の支給期間が長期にわたっている状況がありますことから、改めて他制度との比較も踏まえた上で退職後の所得保障をどう担うべきなのかを整理すべきという意見もございます。

私どもといたしましては、論点といたしまして、この休業直前に高額に改定するということを防ぐ観点から、給付の基礎となる標準報酬の算定を過去の一定期間の平均とすることをしたらどうかというふうに考えております。

それから、他制度との違いも踏まえた位置づけでございますけれども、これは今、御説明いたしましたとおり、他制度と支給期間の違い等ございますので、傷病手当金については現行では引き続き退職者の所得保障としての面がありますので、直ちに見直すことはなかなか難しいのではないかと考えております。

具体的に支給額の見直し案を12ページにつけておりますが、これはまだ検討途上のものではありますけれども、例えば直近の月の標準報酬日額ということではなくて、直近1年間の標準報酬日額の形式に改めたらどうかということでございます。その根拠といたしましては、やはりその定時決定、あるいは賞与の支給時期によって計算上差が出てくることは余り適切ではないという考え方もあり得ますので、やはり1年間をとるべきではないかということでの提案でございます。

また、受給直前に高額の標準報酬になるというケースがあることに対応いたしましては、短い被保険者期間の方、具体的には、例えば1年未満の方については標準報酬日額の平均もしくはその保険者の全被保険者の平均標準報酬日額のいずれか低い額を丈比べいたしまして、その低いほうを算定の基礎とするということでいかがかと考えております。

早足になって恐縮でございます。

出産手当金につきましては、同様の標準報酬日額の算定の方法を採っておりますので、傷病手当金と同様の見直しがあり得るのではないかと考えております。

以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございました。

 現金給付の問題は、これまで議論されておりました課題について、その論点を整理して、その上で対応策が示されたわけでございます。ここでの議論はこの対応策について御議論いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 横尾委員、どうぞ。

横尾委員

 海外の不正受給の件と、傷病手当金の休業直前に報酬を上げてやや不適切な支給がされているということなのですけれども、こういったものについては、公表はされているのでしょうか。どこの事業者とか、どこの組合とか、そういった公表はされているのでしょうか。

遠藤部会長

 事務局、コメントありますか。

中村課長

 国保課長でございます。

 最近特に国保の関係で、海外療養費の不正請求事案についてマスコミ報道等がされています。統計的なものというのは、把握はしてございません。

 それで、きょうの参考資料で申し上げると、資料の16ページをごらんいただきますと、昨年の暮れにお出ししました不正請求対策についての通知の概要をおつけしてございます。この中で、不正請求事例への対応というのは2番のところにございますけれども、個別の事案について、保険者間で情報を共有していただいたほうがいいだろうという判断のもとに、そうした事例があった場合には、厚労省のほうに報告を求めて、それを各自治体のほうに情報としてお流しするということを決めてございます。

 先日、1例目が出てございますので、そうしたことで今、取り組みを進めているという状況でございます。

横尾委員

 続けていいですか。

 明治以降の日本の資本主義をつくった草分けの人として、渋沢栄一翁がおられますが、『論語と算盤』という名著を残されておりまして、経済的に儲かることを考えるのもいいけれども、人の道に外れるなという意味で論語ということを象徴的に掲げておられて、東京商工会議所では百年記念の復刻版まで出されております。そういった点から見ると、不正なことをやるということ自体が甚だ恥ずかしいことだと思うのですね。だとしたら、本当に不正で悪質な場合は、例えば厚労省ホームページ、政府のホームページ、あるいは報道機関に公表して、「『こういったところは、よろしくないところですよ。』というぐらいのことをこれからやりますよ。」とアナウンスをされたら、かなり自粛というのも働くと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

遠藤部会長

 事務局、何かありますか。

中村課長

 刑事事件になっている事案等もございまして、そうした場合に、行政の立場でどこまで世の中に情報としてお出しするかというのも非常に難しい問題もあろうかと思います。基本的にはまず市町村において、そうした事案があったという情報を共有いただくという形を今とらせていただいているということでございます。

横尾委員

 たまたま調べてわかったのですけれども、韓国では不正受給があった場合は、その医療機関等については政府が公表するらしいのですね。そのことをもって自制が働いて、抑止効果が出ているらしいので、ぜひそういったこともタブー視せずに、よりよい、正しいことができるように促すということもぜひ政策で検討してほしいと思います。

遠藤部会長

 御意見として承りました。

 鈴木参考人、お待たせしました。

鈴木参考人

 海外療養費制度についてですが、以前、この議論をした時は、4ページの論点でいうと、不正請求対策が中心だったと思います。海外に行ってもいないのに請求することは問題ですので、それは厳しく対応することが必要だと思います。しかし、その下の資格管理の適正化も厳格化するというお話がございましたが、これは例えば年金で生活されている方でも、国内ではゆとりのある生活ができないということで海外にロングステイのような形で行ったり来たりされている方もいらっしゃると思いますし、それは今まで推奨とまではいかなくても認めていたと思いますので、そういった方々がお困りになることがないように、どの辺で線引きをされるのか、そこははっきりしていただく必要があると思います。高齢者は日本の国内でこれからどんどんふえていきますので、少しは海外へ行っていただく方もいらしてもいいのではないかと気もしますので、その辺は現実的に考えていただく必要があると思います。その点について、現時点でどのようにお考えなのか、担当は鳥井さんですか、お考えを伺えればと思います。質問でございます。

遠藤部会長

 では国保課長、お願いします。

中村課長

 今、お話がございましたように、国保の場合ですと、例えば企業をおやめになった後に、海外に長期間滞在されているようなケース等があって、たまに入国というか帰国をされて、海外療養費の請求をされるというようなケースがあるようでございます。

 それで、ここは結局、住民票は残されているということだと思いますので、住基部局との連携ということも大切になってくると思いますので、国保課だけで単独で判断するというよりは、総務省ともよく調整をした上で、最終的に資格の管理が少し適正化されるような通知を発出したいということをきょうは申し上げたいということで、資料を用意してございます。詳細につきましては、これからさらに検討していきたいというふうに考えております。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 よろしいですか、鈴木参考人。

◯鈴木参考人

 よろしくお願いします。

遠藤部会長

 小林委員、どうぞ。

小林委員

 まず、海外療養費についてであります。資料2の2ページ目の制度の概要にありますように、そもそも海外の事業所に転勤する被保険者など、日本から海外に渡航する方を対象にして創設されたと私どもは理解しております。しかしながら、近年、日本の事業所に勤務する被保険者の被扶養者が海外に在住しているケースもあり、日本で全く生活していない被扶養者から長期にわたる海外療養費の請求があるケースもあります。そもそもそのような方を、我が国の制度である医療保険の給付の対象とすべきなのかどうか、被扶養者の範囲について検討していく必要があるのではないかと思っております。

この問題は、住民要件を設けている国保では基本的には生じないはずであり、被用者保険でもこのような問題が生じないよう、今後見直しを行っていただきたい。

その上で、今回の資料で示されました事務局の見直し案については、日本に生活拠点がない健康保険の被扶養者からの支給申請に際して、資格確認のプロセスが入ることは適正化に向けた前進であると思いますが、この見直しの実施後の実態を踏まえて、必要に応じてさらなる制度見直しについても検討していただきたいと思います。

それから、傷病手当金及び出産手当金についてであります。傷病手当金については、今回、他の公的給付との関係性を示した資料を作成していただいたことについて事務局にお礼申し上げたい。

この資料に関連して、制度を運用する立場から意見を申し上げます。

資料2の8ページと9ページにあるように、傷病手当金については、他の給付との併給調整が行われております。まず、傷病手当金を支給した後に、障害年金や労災の休業給付がさらに本人に支給されますが、結果的に二重払いとなり、協会けんぽは支給した傷病手当金を回収しなければならなくなるということであります。このようなケースが年間約1万件程度発生しており、その回収に多大な労力を要しております。この回収金の発生を防ぐために、例えば年金保険者や労災の保険者との間で保険者間調整を可能にするなど、何らかの手段が必要であると考えております。

この問題は医療保険、年金、労働保険にまたがる見直しが必要でありますが、今後検討していただきますよう、ぜひともお願いしたいと思います。

次に12ページの見直し案について意見を申し上げます。

傷病手当金や出産手当金については私どもも不正受給の対策に取り組んでおりますが、限界があります。そのような中で支給額算定の基礎を見直していただくことは非常に意義があると思います。算定の基礎となる日額については、資料で例示されている直近1年間の標準報酬日額の平均とすることが妥当であると私どもは思います。

以上です。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局提案の内容についてはおおむね御賛同は得たと理解いたします。

 ただ2つほど、また別の問題点の指摘がございました。もしこれについて事務局、何かコメントがあれはお聞きしたいと思いますけれども、いかがですか。日本に住んでいない被扶養者からの請求の問題と、併給調整に関しての保険者間の調整の問題でしたけれども、何かコメントございますか。

鳥井課長

 1点目につきましては、制度的な対応が必要なことだと思いますけれども、いずれにしましても、その被扶養者の生活の安定を図るという目的と、その目的をどこまで図ることが必要なのか、どこで線を引くのかという非常に難しい問題がございますので、今後の課題として認識して検討はしたいと思います。

 それから、2点目につきましては実務上のことでございますので、何らかの方策はとれないかという点は、私ども受けとめて検討をしたいと思います

 以上です。

遠藤部会長

 よろしくお願いいたします。

 ほかに、横尾委員どうぞ。

◯横尾委員

 言い忘れたことがあります。

いただいた資料の3ページで、海外療養費制度の不正請求対策のところでパスポートの写し等が出ているのですが、これは渡航歴についての確認という意味だと思いますけれども、もうあと数年でマイナンバー制度が本格的に稼働しますので、それを前提とした対策をしっかり考えるべきではないかなと思います。

 それとあわせて、同意書というのはプライバシーを尊重すれば必要だと思うのですけれども、渡航している、していないは、自動的にパスポートナンバーとマイナンバーでわかる時代になっていくと思いますから、そこで役所間、あるいは保険者と信頼のもとに、符号突合させればすぐわかることですけれども、そういったことは考えられなかったのでしょうか。

遠藤部会長

 これも御質問だと思いますので、何かコメントございますか。

鳥井課長

 パスポートの写しにつきましては、将来的にはそのようなこともあり得るのかもしれません。まだ全然検討していないのでわかりませんが、これはただ、今ある措置として考えられるものということで、昨年から通知上はお願いをしているものでございまして、それを省令で義務化してはどうかということでございますので、当面の措置と、そういう意味では緊急的な措置ということが言えるかと思います。将来的にはもしかしたら考える余地もあるのかもしれません。

 それから、海外の医療機関等については、同意書につきましては、これは恐らくマイナンバーでは解決できないことでございまして、恐らくこれは海外の医療機関に対して、本人から同意をもらっているのだということを明確に言うことができるということでありまして、海外の法制によって変わってくるのかもしれませんが、少なくともそういう事実が海外の医療機関に対して言うことができるということで、意味があると考えておりまして、そういうことでつけることを提案させていただいております。

 以上です。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 よろしゅうございますか。

 森委員、どうぞ。

森委員

 ありがとうございます。

 海外医療費制度ですけれども、先ほど小林委員からもありましたけれども、この制度が健康保険に導入されたのが昭和56年3月からということで、その当時と大分、環境が変わってきていると思います。そういう中で、対象者であったり請求数、それから請求の状況等を踏まえて、今後の課題になると思いますが、一度そういうことを整理した上で、今後どうあるべきか検討すべきではないかと思います。

 以上です。

遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかに。

白川委員どうぞ。

白川委員

 2点申し上げたいと思います。

 海外療養費の不正の問題ですけれども、被用者保険ではむしろ被扶養、扶養認定がやはり問題でございまして、特に日本の企業で勤務する外国人の扶養認定、そもそも海外には扶養なんていう概念のない国もたくさんあるかと思いますけれども、そういったことから、日本で勤務する外国籍の方で外国で暮らす被扶養者の扶養認定にいろいろ問題があるというのが現実でございまして、これは扶養ということですので、健康保険だけの問題ではもちろんない話なのですけれども、この辺はぜひともどうあるべきかということについて検討していただきたいというふうにお願いをします。これが1点目です。

 2つ目は、傷病手当金と出産手当金の話でございますが、標準報酬の算定を過去の一定期間の平均とする、あるいは12ページにありますような直近1年間とか、資格取得してからの平均でやるのだとかいう考え方は支持をいたします。こういうやり方でよろしいかと思います。

 ただ、もう一つの11ページの一番下のところでございますが、資格喪失後の傷病手当金の支給についての記述で、傷病手当金は退職者の所得保障としての面を有しているというのは、これはどういうことなのかというのが少し理解に苦しむのですけれども、実体として、こういうことにも使われているという実体は理解しますけれども、コンセプトとしてやはりこれはおかしいと、傷病手当金はあくまで傷病で休業されている期間の所得を保障し、職場に復帰していただくために給付しているという位置づけというふうに私どもは思っておりますけれども、退職した方の分まで面倒を見ろというのは、これはちょっと雇用保険に傷病手当金が使われているということを公に認めることになるので、これは表現を変えるべきだと、あるいはこの部分は削除すべきだというふうに思っておりますし、前から申し上げているとおり、資格喪失後の給付、これは先ほど申し上げた任継とあわせてぜひとも今後も検討していただくようにお願いをいたします。

 以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございました。後段の問題につきましては、そういう御意見がありましたので、この文言をどうするかも含めて、再度御検討いただきたいと思います。

 それでは堀真奈美委員、お待たせしました。

堀真奈美委員

 海外療養費制度についてなんですが、不正防止というのは非常に重要な視点ですし、資格管理の適正化というのもよいと思います。ただ、これは質問になりますが、海外療養費制度が適用される海外の医療機関等というのは、どのような医療機関でもいいのでしょうか。日本の場合、保険給付の場合は、保険医療機関に限定されますし、何らかの日本の制度の規制の対象になると思いますが、海外療養費制度の場合は、海外の医療機関であるならば、どのような医療機関でも申請して認められるということなのかどうかという質問です。

19ページの「諸外国における海外療養費類似制度と不正請求対策等について」というところに、「EU加盟国等の公的医療制度が適用される医療機関で療養を受けた場合」というふうに給付の例が書いてあるので、恐らくどのような医療機関でもいいわけではなくて、何らかの法的な制限が最初からあると思います。医療機関を制限できれば、不正受給は起きにくいと思いますし、当該医療機関からの情報も入りやすいので、より徹底できるのではないかと思います。。つまり、要は海外の場合は、医療機関の規模にかかわらず、また、公的か民間機関か、どのようなものでもよいのでしょうか。

遠藤部会長

 今すぐ特にコメントできなければ、後日でも結構ですけれども、いかがでしょうか。

 では国保課長、どうぞ。

中村課長

 海外療養費につきましては、基本的に本来は我が国の保険医療機関で医療を受けて、療養の給付を受けていただくということになっているところ、受けることができなかったという時にやむを得ず支給されるものということでございますので、海外で受けられた医療、医療機関の縛りはございませんけれども、医療の内容につきましては、我が国において保険が適用になるものということが前提になってまいります。したがいまして、申請をいただく時には、その海外で受けられた医療の中身がわかる書類をあわせて添付いただくということを求めているという状況でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 それでは、高橋委員、樋口委員の順番でお願いします。

高橋委員

 ありがとうございます。

 私のほうからは、大きく2点ですけれども、海外療養費制度のことで先ほどからるる意見がございましたが、今回の示された対策についてはいたし方がないのかなというふうには思っておりまして、大事なのはこの対策で今後改善が見られたのかどうかという、見直し後の検証ということも必要なのかなと思っていることと、それから、制度をもっと周知をするということについても先ほどほかの委員の方も言われましたが、この制度の周知ということを強化するということが、ある意味、抑制力というか予防につながるのかなと思ったりしました。

 それから、傷病手当金、出産手当金のところですけれども、11ページから12ページについて、今回見直しの論点というのが出されたところですけれども、この給付の基礎となる算定の部分の標準報酬の算定を一定期間の平均とするということについてはやむを得ないのかなというふうに考えます。ただ、その一定期間を満たない被保険者も出てくることも想定されますので、その場合に、今回の見直しが事実上の加入期間の要件とならないよう、あるいは給付抑制とならないような、十分注意した設計が必要なのかなということをお願いしたいと思います。

 また12ページの一番下のところですけれども、被保険者期間が1年に満たない場合の考え方が記載されていますけれども、これによって給付抑制はないというふうに考えてよろしいのでしょうかという確認を、できれば事務局のほうにお願いをしたいと思います。

 また、先ほど小林委員からの意見もございましたが、私たちとしては傷病手当金や出産手当金というのは、収入の喪失または減少を来した場合に、これはある程度補填し生活保障を行うということも目的としている法定給付であるというふうに捉えております。それで、不適切な受給への対策ということは十分にしなければいけませんが、その対策として、傷病手当金や出産手当金の支給額上限を引き下げるということや、加入期間の要件を設けるということについては反対と考えておりますし、また、資格喪失者への支給も維持すべきだろうというふうに思います。

 今般、昨今はメンタルヘルスというところでの傷病手当金も非常に増えているという問題もありましたが、保険者によるメンタルヘルス研修等の取り組みも非常に努力をしていただいていることも承知をしております。このような職場におけるメンタルヘルス対策の強化を通じてこういった精神疾患を未然に防ぐ総合的な対策が必要であろうというふうに思っておりまして、それよりも前に、こういった不正受給対策としての給付抑制を行うことについては問題があるのではないかと思います。

 以上でございます。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほとんど御意見だったわけですけれども、質問がありましたので、確認事項ということで事務局お願いします。

鳥井課長

 ただいまの御指摘でございますが、12ページのうち今おっしゃったのは、2番目の丸が給付抑制目的ではないかということかと思いますけれども、これは、最初の丸では、直近1年間の平均ということを御提案させていただいておるわけでございますが、これによりまして、ずっと長く勤められている方が最後の1か月だけ改定する、インセンティブが働くということは上のところで抑制されると考えておりますが、下のところにつきましては、例えば1か月なら1か月だけ働いて高い標準報酬を設定するといったことについては、最初の丸では対応できないものですから、そういう非常に短い方、例えば1年以内の方についてはやはり全体の平均額という1つのメルクマールがあり、それとの丈比べでやるということで、そのようなインセンティブがなくなるという意味で提案させていただいているものでございまして、何か支給額を抑制したいということから来ているものではございません。

 以上でございます。

遠藤部会長

 よろしゅうございますか。

高橋委員

 はい。

遠藤部会長

ありがとうございます。

 関連ですので、先に岩村会長代理に。

◯岩村部会長代理

 簡単にだけコメントをしたいと思います。

 まず、海外療養費ですけれども、3ページのところで資格管理の適正化ということで、1番目のクロポツで、海外に在住する被扶養者の扶養事実の認定に関する取扱いを適正化、厳格化してはどうかということで、先ほど幾つかの御意見が出ておりましたけれども、気をつけなければいけないのは、被保険者の国籍によって分けることは多分できないので、あくまでも被扶養者が外国に住んでいるから、それは被保険者が日本国籍か外国国籍かにかかわらず、外国に住んでいる被扶養者という観点で整理をしなければいけないだろうということです。

 それから、傷病手当金と出産手当金ですけれども、きょうの見直し案の12ページの案というのは、保険料を報酬比例で基本的に取っていて、他方で給付のほうは、その報酬とのつながりを少し弱めるというか、少し保険料とは違う形にするという御提案だと思います。

 そういう意味ではなかなか微妙なところもないわけではないという気がしますが、他方で、上の丸の場合は、きょう議論しているように、直近に報酬をぼんと上げるという場合だけではなくて、逆のケース、つまりそれまで1年の間で高い報酬をもらっていたのだけれども、何らかの形で急激に報酬が下がったという場合については、むしろ傷病手当金は上がるということになるので、その点も含めて報酬比例というものの意味を考えるということになるのかなということかと思います。そうすると、許容範囲以内なのかなという感じを持っております。もう少し考えてみたいと思います。

 以上であります。

遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは樋口委員、お待たせしました。どうぞ。

樋口委員

 出産手当金についてなのですけれども、私も余りよく知らないで、今ちょっと戸惑っているのですが、支給件数が22万、平成24年度直近の単年度だけなので、これは一体ふえているのか、減っているのか。実は子育て支援に関するかなり重要な項目の1つではないかと思います。

 私、民間団体にっぽん子育て応援団の団長を堀田力さん、勝間和代さん、安藤哲也さんと一緒に共同団長を務めておりまして、その視点からちょっと御質問をしたいと存じます。

 例えば諸外国では、いわゆるシングルマザーが急激に増加しています。例えばフランス52.6%、デンマーク46.2%。日本の、その点に関する一種の保守性は私などにはむしろ好ましいことではありますが、にもかかわらず、0.8%だったシングルマザーが2.1%までにふえてきています。本当に夫の扶養に頼ることができないで、自分の就労による賃金の中で出産しなければならない女性が、日本では膨大にふえないと思います。しかし、個別に見れば一定程度、数がふえてくることは確かであり、そして、広い意味での子育て支援とか、そういう少子化対策ということから見ると、やはりほかの手当金と比べたとき、出産手当金に関しては、働きながら子供を産む人がふえるということですから、むしろこの増加は奨励してというか、喜んでよろしいことではないかと思うのです。

 まだ女性活躍政策も始まって1年そこそこでございますから、本当に女性が働きながら子供を産みやすくなるかどうかは、もう二、三年見なければわからないことだとは思いますけれども、例えば、ここから先が質問です。

給付に関しまして、給付要件、被保険者が出産のために会社を休み、事業主から報酬が受けられない時に支給される、これは大体ノーワーク・ノーペイでこういう企業のほうが多いと思いますけれども、最近見ておりますに、行き届いた大企業などでは、給料はある程度支給しているところも広がっているように見えますけれども、この点どうなのでしょうか。ここにある22万件というのは、みんな一定の有資格で働いている有業の女性が出産のために休業して出産したのが22万件と見てよろしいのか、そのプラスアルファ、それもかなり大きなプラスアルファとして、会社から出産休暇中も給料を得ている人は除いているのでしょうか。これは質問です。

遠藤部会長

 前半は御意見としてはお聞きしました。質問についてお答えいただけますか。

樋口委員

 わからなかったら、後で調べて教えてください。

鳥井課長

 ちょっと整理して調べてみたいと思います。

遠藤部会長

 ではよろしくお願いします。前半の御意見は基本的に、出産手当金というのは非常に重要な意味合いが現代あるのだということをおっしゃったということですので、御意見として賜りたいと思います。

 ほかに、よろしゅうございますか。

 森委員、どうぞ。

森委員

 済みません。1点だけ。

12ページの傷病手当金のところの支給額の丸の2つ目ですけれども、「受給直前に被保険者資格を取得し」ということで、例えば転職をして変わったということもこれに該当してしまうのではないかと思います。不正受給ではない場合に受けられないケースが出てきてしまうのではないかと心配をしています。きちっと転職等で移ったにもかかわらず、新しいルールになったことにより、対象とされてしまうということが心配です。

 以上です。

遠藤部会長

 別に支給がされないということではないわけですね。わかりました。そういう懸念もあるということで、御意見として賜っておきます。

 大体よろしゅうございますか。

 それでは本議題につきましても、これまでとさせていただきたいと思います。本日いろいろな御意見いただきましたので、それを踏まえまして、今後さらに議論を深めていきたいと考えております。

 それでは、予定の時間を若干過ぎてしまいました。本日はこれまでにさせていただきたいと思います。

 次回についてですけれども、1015日の水曜日、9時から、ちょっと早いのですけれども、9時から厚生労働省2階講堂で開催する予定となっております。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございました。

事務局何かありますか。よろしゅうございますね。

どうもありがとうございました。

 


(了)

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