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2014年9月11日 第1回労働政策審議会電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の在り方に関する部会 議事録

政策統括官付労政担当参事官室

○日時

平成26年9月11日(木)11:30〜12:30


○場所

厚生労働省 労働基準局第1・2会議室(16階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館)


○出席者

【公益代表委員】

勝部会長、河野委員、中窪委員、仁田委員

【労働者代表委員】

内田委員、新谷委員、蜷川委員

【使用者代表委員】

井上委員、川口委員、鈴木委員

○議題

(1)部会長・部会長代理の選出について
(2)運営規程について
(3)いわゆる「スト規制法」について
(4)その他

○議事

○労政担当参事官室政策企画官 ただいまから、第1回「労働政策審議会電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の在り方に関する部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 本日は、公益委員の中窪裕也委員が御都合により遅れて御出席いただく予定です。出席委員は9名となっており、労働政策審議会令第9条では委員全体の3分の2以上の出席又は公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数を満たしておりますことを御報告申し上げます。部会長を選出していただくまでの間、労政担当参事官室政策企画官の田村が議事の進行をを務めさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。議事に入る前に政策統括官の石井から一言、御挨拶を申し上げます。

○政策統括官(労働担当) 皆様、おはようございます。政策統括官の石井でございます。委員の皆様方には大変お忙しい中、また今日のようなお足元が大変悪い中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。今回の委員をお引受けいただきましたことを厚く御礼申し上げます。部会名にもございます電気事業及び石炭鉱業の争議行為の方法の規制に関する法律、いわゆるスト規制法とも呼ばれておりますが、停電ストなどの一定の争議行為を規制する法律です。

 御承知のとおり現在電力システム改革が進められております。先の通常国会で審議されました電気事業法等の一部を改正する法律案の採決の際に、スト規制法について有識者や関係者から意見聴取し、今後の在り方を検討することを政府に求める附帯決議がなされました。この附帯決議を受けまして本部会を設置することになりました。検討のスケジュールは、来年の通常国会への法案提出を目指している次の電力システム改革に合わせて、スト規制法の在り方を検討することとなっております。

 このため、経済産業省とも十分に連携を図ってまいりたいと考えております。委員の皆様には忌憚のない御意見をいただき精力的な御議論を賜れば大変幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○労政担当参事官室政策企画官 まず、委員の皆様の御紹介ですが、大変恐縮ながら、お手元の資料1-2の委員名簿をもって御紹介とさせていただきます。冒頭の写真撮影は、ここまでとさせていただきます。

 それでは議事に入りたいと思います。最初に本部会の部会長、部会長代理の選出についてです。参考資料22ページに労働政策審議会令の抜粋があります。第7条第6項に「部会に部会長を置き、当該部会に属する公益を代表する委員のうちから当該部会に属する委員が選挙する」とあります。本部会で労働政策審議会本審の委員でいらっしゃるのは勝委員のみですので、勝委員に部会長をお願いしたいと存じます。ここからは、勝部会長に進行をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○勝部会長 ただいま御説明がありましたように、会令にのっとって部会長を拝命いたしました勝と申します。先ほど統括官からお話がありましたように一定の期間、一定の方向性をもって議論するということで、委員の皆様の御協力を得まして進行させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。部会長の代理ですが、労働政策審議会令第7条第8項に「部会長に事故があるときは、当該部会に属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから、部会長があらかじめ指名をする者が、その職務を代理する」と規定されております。あらかじめ御相談いたしまして、仁田委員に部会長代理をお願いしておりますので、御了解いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは仁田委員、一言お願いいたします。

○仁田部会長代理 今、部会長代理ということで出番は多分ないと思いますが、よろしくお願いいたします。

○勝部会長 ありがとうございます。それでは議題ですが、運営規程についてです。新しく設置されました本部会の運営規程()について、事務局から説明をお願いします。

○労政担当参事官室政策企画官 資料1-3を御覧ください。本部会の運営規程の()です。第1条に、本部会の議事運営は、先ほども御覧いただきました資料2に詳しく載せておりますが、厚生労働省設置法第9条、労働政策審議会令及び労働政策審議会運営規程に定めるもののほか、この規程に定めるところによるとなっております。2条以下は他の分科会、部会の例に倣いまして、各側委員の人数、調査審議事項、会議の招集、代理出席、議事の公開等について定めているものです。簡単ですが、規程の()について御承認いただければと思います。

○勝部会長 ただいまの説明について何か御質問、御意見等ございますか。これは、公開ということは通常どおり議事録等も全てWEB上で公開する理解で、よろしいでしょうか。

○労政担当参事官室政策企画官 はい。

○勝部会長 本部会の運営規程は、ただいま御説明がありましたように決定しまして、労働政策審議会関係法令及びこの運営規程に基づいて、本部会を運営してまいりますのでよろしくお願いいたします。次の議題ですが、スト規制法についてです。事務局から説明をお願いいたします。

○労政担当参事官室政策企画官 資料2及び資料3について御説明いたします。お手元の資料2、いわゆるスト規制法について説明いたします。1ページを御覧ください。本日は第1回目ですので労使関係法制の基本的な枠組み等の資料をお付けしております。御承知のとおり憲法第28条において労働三権が保障されておりますが、より具体化するものとして労働組合法等の労使関係法が制定されております。この労働三権は団結権、団体交渉権、団体行動権からなっておりますが、特に今回議論となります争議行為については、団体行動権の中に位置付けられております。

2ページです。労働基本権について民間の労働者及び公務員において、どのような取扱いになっているのかという資料です。民間労働者及び公務員では、類型ごとに適用される労使関係法及び労働基本権の取扱いが異っております。一般民間企業の労働者については、団結権、団体交渉権、争議権全て保障されておりますが、公務員については類型に応じて基本権の一部が制約されております。

3ページを御覧ください。今御覧いただきましたように争議権を含む労働基本権が保障されておりますが、正当な争議行為と刑事免責・民事免責についての関係です。争議行為については「正当なもの」である場合に限り、刑事上及び民事上の免責が認められております。一方、正当でないものについては、刑事、民事免責を認められないことになります。この争議行為が正当であるかどうかの正当性については、一般に、その主体、目的、手続、態様の観点から、個々の事案ごとに判断されます。下に記載のとおり、労働組合法の第1条に刑法の関係、第8条に民事上の損害賠償関係の規定が定められております。

 続きまして、4ページです。労働関係調整法は労働争議の調整を図るための法律です。争議行為が行われた場合に、国民の日常生活等に大きな影響を与える公益事業等については、この労働関係調整法に特別な調整制度や規制が設けられております。ここで言います「公益事業」とは、※に記載がありますが、運輸事業、郵便、信書便又は電気通信の事業、水道、電気又はガスの供給の事業、医療又は公衆衛生の事業であって、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいうと規定されております。

 この特別な制度ですが、4点記載しております。1点目は、公益事業等に係る強制調停についてです。労働委員会による労働争議の調停については、基本的に関係当事者の合意に基づいて開始することが原則、いわゆる任意調停となっておりますが、公益事業等については、関係当事者の合意に基づかずに開始することが可能で、いわゆる強制調停と言われています。(1)にありますように、関係当事者の一方から調停の申請がなされたとき、又は労働委員会から職権に基づいて、調停を行う必要があると決議したときには調停を行う制度です。また、(2)にありますが、公益事業に関する事件、規模が大きいため又は特別の性質の事業であるために公益に著しい障害を及ぼす事件について、厚生労働大臣又は都道府県知事から調停の請求があったときには、調停を行う制度です。こういう強制調停があります。

2点目は、公益事業に係る争議行為の予告で、公益事業において争議行為を行う場合には、少なくとも10日前までに、労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならないという規定になっております。公益事業以外の争議行為については事後届出制になっております。届出を受けた場合には、公表をしなければならないという規定があります。

3点目は、公益事業等に係る内閣総理大臣による緊急調整です。内閣総理大臣は、公益事業に関するもの、規模が大きいもの、特別の性質の事業に関するものであるため、争議行為により、国民経済の運行を著しく阻害し、又は国民の日常生活を著しく危うくするおそれがあると認める事件について、そのおそれが現実に存するときに限り、中央労働委員会の意見を聴いて緊急調整の決定をすることができるという規定があります。この決定がなされた場合には、中央労働委員会がこの事件を優先して処理することになっており、緊急調整の決定の公表から50日間は争議行為を行うことができない仕組みになっております。

4点目は、安全保持施設の争議行為の禁止です。工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又はこれを妨げる行為は、争議行為としてでもこれはなすことはできない、主に人命に対する安全保持を目的としてこういう規定が設けられております。

5ページです。今回の部会の本題であるいわゆる「スト規制法」について説明いたします。この法律は昭和28年に制定されておりまして、3条からなる法律です。上の四角囲みにもありますが、『スト規制法』は、公共の福祉を擁護するため、電気事業・石炭鉱業の労使の争議行為のうち、電気の正常な供給を停止する行為その他電気の正常な供給に直接に障害を生ぜしめる行為、石炭鉱業については、保安の業務の正常な運営を停廃する行為であって、鉱山における人に対する危害、鉱物資源の滅失若しくは重大な損壊、鉱山の重要な施設の荒廃又は鉱害を生ずるものを禁止しているという法律です。具体的には、また後ほど別の資料で説明いたします。

6ページです。スト規制法制定時の提案理由説明です。真ん中の政府としましてはという所に、争議権と公益の調和をはかり、もって公共の福祉を擁護するために、本法案を立案するに至ったという説明があります。こちらについては、参考ということで御覧いただければと思います。

 続きまして、7ページです。現行のスト規制法の電気事業関係について詳しく説明したものです。スト規制法は、争議行為の方法のうち、社会通念上正当ではないものの範囲を明確にしたものです。規定の内容として、対象となる行為と事業をそれぞれ規定しております。

1の概要に、対象となる行為を記載しています。スト規制法は、電気事業の事業主又は電気事業に従事する者に対し、争議行為として、電気の正常な供給を停止する行為その他電気の正常な供給に直接に障害を生じさせる行為を禁止しております。対象となる行為の例としては、例えば発電所における発電機の起動・停止、起動後の修復調整のための機器操作、常時運転監視、中央給電指令所における発電所に対する出力調整指令等があります。

 一方、対象とならない行為としては、発電所、変電所等における機械器具等の日常的な点検・手入れ、小売部門における電力供給契約やこれに基づく集金などがあります。

2点目は、保護法益です。スト規制法の保護法益は、電気事業における労使の争議行為により、電気の正常な供給に障害が生じることによって、国民経済や国民の日常生活に支障が生じないようにすることです。特に現在の電力使用量については、スト規制法制定当初と比べましても約20倍の規模ということで、国民の日常生活や企業の経済活動などに大きな影響があります。

3点目は、違反した場合の法的効果です。先ほど争議行為の「正当な行為」について説明いたしましたが、スト規制法に定めます行為については、労使の正当な行為でないということから、刑事上の免責及び民事上の免責が失われることになります。法律上、直接違反した場合の罰則規定はありませんが、電気事業法の罰則や刑法の業務妨害罪の適用、不法行為・債務不履行による損害賠償責任等を生じるおそれがあります。

4点目は、規制の対象となる事業です。労使の争議行為によって「一般の」、これは不特定多数のという意味ですが、「需要に応じた電気の正常な供給が停止する電気事業」として、現行の一般電気事業者10社及び卸電気事業者2社の事業主及び従業者を規制の対象としております。電気事業につきましては、特定電気事業、特定規模電気事業もありますが、電気の供給先が限定的で社会的影響が相対的に小さいこと等から、これらの事業については対象外となっております。

8ページです。『スト規制法』の制定とその後の経緯です。昭和27年の秋から年末にかけまして、いわゆる電産スト・炭労ストが生じたということで電気・石炭の両産業のストライキが国民経済と国民の日常生活に甚大な脅威と損害を及ぼしたということがありました。こうしたこともあり、昭和28年に「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律」が成立しております。昭和3112月の欄ですが、スト規制法の附則の第2項に、施行から3年を経過したときには、同法を存続するかどうかについて、国会の議決を求めなければならないと規定されていましたので、この規定に基づきまして国会で審議がなされ、同法を存続させる旨の議決があったため、その後、引き続き存続することになりました。

 その後、昭和48年には「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律に関する調査会」が、労働大臣の私的諮問機関として設けられております。スト規制法の運用の実情及び問題点を調査し、改正の要否を検討するために設けられたもので、学識経験者7人と関係労使が参与委員として各2人参画していただいて、議論がなされたものです。この調査会については、昭和52年まで25回ほど開催され、昭和527月に調査会報告が出されました。

 このうち、電気事業関係ですが、1点目にスト規制法については当面現行のままとするのもやむを得ないということが盛り込まれております。2点目は、争議行為の正当性の範囲については一層の明確化が望まれること、3点目は、電気産業労使のトップレベルによる相互理解の一層の促進が望まれるということが、調査会の報告で提言されております。

 これを踏まえて昭和5211月には、都道府県知事宛てに労働省労政局長通知を発出いたしまして、争議行為の正当性の範囲について示しております。平成11年には調査会が廃止されております。その後、東日本大震災もありましたが、電力システムの課題に対しまして改革が議論されて、平成254月には「電力システムに関する改革方針」が閣議決定されております。平成266月には、「電気事業法等の一部を改正する法律」が、これは第2弾の改正になりますが成立し、その中で今回のスト規制法の一部も改正されております。

9ページです。電力システム改革の目的、内容及び実施スケジュールです。電力システム改革の3つの目的として、安定供給の確保、電力料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を掲げ、右側に3本柱として広域系統運用の拡大、小売及び発電の全面自由化、法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保ということで、改革が進められております。

 改革は3段階に分けて進められておりますが、まず、第1弾の改革が広域的運営推進機関の設立で、この改革が盛り込まれた法律については、平成2511月に成立しております。第2弾が電気の小売業への参入の全面自由化、電気事業類型の見直しで、先般の通常国会で法案が提出され平成26611日に成立しております。第3弾は法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保、電気の小売料金の全面自由化について、現在、経済産業省で議論がなされおりますが、平成27年の通常国会に提出することを目指すとされております。

10ページです。電気事業類型の見直しに伴い、『スト規制法』の規定をどのように整備したかというものです。今、説明した第2弾の電力システム改革として平成26年の通常国会に提出して成立した電気事業法等の改正法によりまして、これまでの「一般電気事業」や「特定規模電気事業」という区分をなくして、新たに発電事業、送配電事業、小売電気事業ごとに、それぞれ必要な規制を課すという仕組みに再編がなされております。

 これに伴いまして、スト規制法との関係ですが、引き続き関係労使の争議行為により電気の供給が停止した場合に大規模な停電が生じうる事業として、一般送配電事業、送電事業、発電部門については、争議行為により電気の安定供給の確保に支障が生じ又は生じるおそれがあるものを厚生労働大臣が指定するという規定の整備をいたしました。下の図にありますように、システム改革前、改革後で太枠で囲った部分がスト規制法の対象となる部分です。

11ページです。今、説明いたしました『スト規制法』の規定について具体的な条文を記載しております。改正前は、「一般の需要に応じ電気を供給する事業又はこれに電気を供給することを主たる目的とする事業」と、電気事業を規定しておりましたが、改正後は電気事業法に基づきまして、一般送配電事業、送電事業、発電事業については厚生労働大臣が指定する事業者が営む発電事業として規定しております。

12ページです。今回、電力システム改革第2弾に当たる電気事業法等の一部を改正する法律案の採決時に、衆、参議院経済産業委員会におきまして、平成27年度通常国会への法案を提出を目指す第3弾の電力システム改革の法整備に併せて、スト規制法の在り方を検討することを政府に求める附帯決議がなされました。この附帯決議等を受けまして、本部会においてスト規制法の在り方を検討することとなりました。資料2については、以上です。

 続きまして、資料3も併せて説明いたします。今後の進め方についてです。本日第1回ということで、部会の運営について先ほど決議いただき、また、スト規制法について説明し意見をいただくということにしております。第2回は平成2610月を予定おりますが、今、簡単に説明いたしました電力システム改革等について、改めて議題に設定し御説明、審議いただきたいと思っております。第3回以降は、具体的な議論、検討をいただきたいと考えております。(1)にありますように、月1回程度のペースで部会を開催する予定にしております。平成27年の年明け、これは先ほど説明しました第3弾の電力システム改革は、平成27年の通常国会の法案提出を目指しておりますので、この検討に合わせて来年の年明けの取りまとめを目指していきたいと考えております。説明は以上です。

○勝部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等があれば、よろしくお願いします。

○新谷委員 資料の説明、ありがとうございました。労働政策審議会で、集団的労使関係に関する法律の改正を扱うのは、久しぶりのことではないかと思います。かつ、このスト規制法という法律は、戦後の混乱期の中、先鋭的なストライキが電気事業、石炭事業で起こって、国民生活に影響があったという背景の中で作られた非常に古い法律です。しかも、その法律が、憲法28条に定める生存権的基本権とも言える労働者の労働三権を制約するという中身であり、今日、現段階も存置されているということが、私どもとしては強い違和感を覚えるところです。

 折しも電力システム改革がこれから本格化するという中で、国会での附帯決議に基づき、このスト規制法の在り方について検討することになりましたので、私どもとしては、この論議の冒頭に当たっては、スト規制法を廃止して、憲法が保障する労働基本権の回復をしていただきたいと強く主張したいと思います。

 この法律の対象は、実質的には電気事業で働く労働者になると思いますが、この労働者に限って、憲法が保障する基本権が守られていないということについては、私どもとしては違和感を持っており、強い思いでスト規制法を廃止するべきだということを冒頭に申し上げておきます。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかには何かありますか。

○内田委員 電力総連の内田です。私からも1点だけ主張させていただきます。先ほど事務方から、電力システム改革とスト規制法の検討についてということで、資料212ページで、附帯決議の御説明を頂きました。附帯決議の八にあるとおり、附帯決議で示されたスト規制法見直しにあたっての趣旨は、あくまでも「自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から」というものです。こうした立法府の意思が示されていることからしても、私どもは、あくまでも可能な限り規制を設けず自由な競争を促進する観点でスト規制法について検討すべきと理解していますので、私どもとしてもこういった規制というのは撤廃するべきだと考えています。

 それから、もう1点、事務方からは説明がありませんでしたが、参考資料1として配布いただいている中で、以前設置された「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律に関する調査会」でまとめられた報告書が記載されています。その中で17ページの(5)にあるとおり、調査会では「以上の諸点にかんがみ、スト規制法については当面現行のままとするも、またやむを得ないところである」という形でとりまとめられているわけです。「またやむを得ない」というのは、民間労働者である労働組合の労働三権については担保されるべきであるが、当面の間はやむを得ず残すのだと理解をしています。

 このスト規制法の調査会から40年、スト規制法制定から60年経過しましたが、その間の電力の労使関係や電気事業の在り方は様変わりしているわけです。後々の部会の中で主張させていただきますが、そういった情勢変化の観点からも今回、スト規制法は撤廃すべきという主張をさせていただきます。以上です。

○勝部会長 ほかに御意見はありますか。

○鈴木委員 電事連の鈴木です。一言、御挨拶申し上げます。今年の夏は、沖縄を除く全国におきまして、節電に大変御協力いただいているところです。皆様に大変御不便をおかけしています。お詫び申し上げますとともに、御協力に対して、心より御礼申し上げます。

 私どもとしては、猛暑によって需要増、あるいは設備トラブルといった変動リスクにも備えながら、引き続き安定供給に向けて、最大限の努力をしていきたいと考えています。私どもの電力会社の使命は、電気を安定的にお客様にお届けすることだと考えていますし、スト規制法は、電力の労使間の紛争によって、電気の安定供給が損なわれることがないようにすることが、この法律の立法趣旨だと考えています。是非そういった観点から、また次回以降、御議論いただければと考えています。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。

○川口委員 経団連の川口です。よろしくお願いします。私ども経団連は、新しい内閣が出来る度に、新政権にどういうことを望むのかというのをまとめております。この93日にも「新内閣に望む」という要望において、私どもとして重要と考えている課題等について、整理をしたところです。

 そこでも法人実効税率引き下げとともに、エネルギーの安定供給、経済性の確保ということを謳っているとおり、私どもとしては我が国の持続的な経済成長と、豊かで安心・安全な国民生活を実現するためには、経済活動や国民生活の基盤となっている電力、これが安定的に確保されなければいけないと考えているところです。

 しかし、残念ながら震災を契機とする電力の供給不安というのは、未だに解消されておらず、経団連が会員企業に行ったアンケート調査でも、製造業のみならず非製造業も含めて、多くの企業が電力供給制約というのを、事業活動への懸念材料と回答しているところです。

 そういった観点から、先ほど鈴木委員がスト規制法に関する認識をお示しされたところですが、私ども、基本的に考えは同一でして、電力の安定供給を必要とする産業界の立場から、今後の審議に参加していきたいと思っているので、何とぞよろしくお願いします。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。

○井上委員 日野自動車の井上です。私は大量に電気を使わせていただいているユーザーの立場から、一言お話させていただければと思います。私どもはトラックやバスといった商用車のメーカーです。世界中のお客様に、高い品質の商品を、安くタイムリーにお届けすべく、国の内外で生産や販売の活動をしています。日本には大きな工場が4つほどあり、日々、電力は安定的に供給されるということを大前提として、たくさんの電気を使わせていただいて、昼夜を問わず、ものづくりをさせていただいているということになります。

 御案内のとおり、自動車は非常にたくさんの部品やユニットから構成されているわけですが、その1つが欠けても商品として成立しないものになっています。それぞれの部品やユニットは、作り込む工程がまた様々で、そこではたくさんの設備を使って、大変多くの従業員が力を合わせて作り込んでいる、そういった状況になっています。

 今、工程ということを申し上げたわけですが、工程ごとに必要な電力が非常に大きく異なります。中には非常に高温で長時間の処理を必要とするものもあります。したがいまして、電力の供給が一旦止まることになりますと、大きな設備を使っているので、安全にかつ設備を維持していくことになりますと、実際の生産に使える時間というのは、給電時間とイコールというわけではありません。実際に生産に使える時間の前後に、設備の立ち下げですとか立ち上げといった準備の時間で、45時間以上かかるようなものもあります。また、このような状況は、品質に関しても、影響があることは否めないと認識しています。

 今、品質と申し上げましたが、私ども、日本でものづくりを行っているわけですが、やはり日本のものづくりは高い品質ということで、世界中のお客様から認められているわけですので、これは事業の根幹に関わる、社会としても経済の根幹に関わる問題になるのではないかと認識しています。また、たくさんの従業員ということを申し上げましたが、それぞれ工程で1つのものを順序よく作っていくわけですので、生産に合わせて従業員の勤務のシフトを組んでいくということになり、生活への影響といったこともあります。実際に東日本大震災のときには計画停電ということで、やむなき事態があったわけですが、このときは5パターンの停電時間がありました。これに合わせて、それぞれの工程の生産の順序などを考えながら、シフトを組んで勤務をしました。これには大変な時間と工夫を要したということが、記憶に新しいところです。

 したがいまして、私としては安定的に電力が供給されることを大前提として、日本の中でものづくりをしているという事業会社の立場から、この審議に参画させていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

○勝部会長 ありがとうございます。

○新谷委員 今、使用者側の委員の方々から御意見の表明がありましたが、私は今の御意見を伺って、今後の論点を組み立てないといけないと思いました。川口委員がおっしゃったエネルギーの安定供給という話ですが、これは東日本大震災に伴う原子力発電所の停止という現状がある中で今後の我が国のエネルギーの構成をどうするか、また、それに伴う電力の安定供給をどのようにはかるのかという問題であって、これから議論をしようとしているスト規制法の話とは論点が違うと理解をしています。

 エネルギーの安定供給というのは非常に大事なことです。しかし、発電所の構成を、火力なのか、原子力なのか、水力なのか、あるいは太陽光のようなリサイクルできるエネルギーで作るのかといった問題と、これからこの部会で論議するスト規制法の在り方とは、問題が違います。そこは論点を分ける必要があると思います。

 それと、井上委員から、ものづくりの現場における電力のユーザーの立場での御発言をいただきました。私もものづくりの電機産業出身であり、ユーザーの立場での御趣旨はごもっともなわけですが、ものづくり産業に限らず、我が国で産業を営む企業は全て電気に関わっており、電力に関係ない事業というのはないわけです。電力は国民生活のインフラであり、全ての産業・企業で電力を扱っているわけです。電力が止まったら大変だというのは当たり前のことでして、それは電力に限らずガスや情報通信でも同じことなのです。

 それにもかかわらず、なぜ電気事業だけが今日、このスト規制法によって特別に規制をかけられているかということが論議の焦点なのではないか。今日示していただいた資料24ページに、労調法における公益事業の規制が書かれていますが、4ページの資料の上の枠の囲みの3行目に書いてあるとおり、電気事業についても労調法上、公益事業として指定され、職権調停や、争議行為の予告、総理大臣による緊急調整といった特別な規制が既にかかっているわけです。それにも関わらず、スト規制法がこの上に更に規制をかけて、屋上屋を重ねているのです。

 石炭事業の労働者はあまりないと思いますが、実質的には電気事業だけが、なぜスト規制法によって規制を継続され続けるのかという所が、この部会での論点なのです。論点をうまく整理しないと、電気がなかったら大変だというだけでは、今後の論議は難しいのではないか。それは申し上げたように、ガスや情報通信も国民生活のインフラであることは同じですので、そこの「なぜ電気事業だけなのか」という点を今後論議していく。そのための論点整理が必要だと思います。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。

○内田委員 先ほど使用者側委員の方から、スト規制法が撤廃されると、停電リスクが高まるといった発言があったことを受け、反論するわけではありませんが、私どもの考え方だけ、話をさせていただきたいと思います。

 まず電力の安定供給の観点ですが、現在、我が国の停電回数は年間0.13回であり、これは、7年から8年に1回停電が起こるという状況です。1960年代の我が国の停電回数は年間5回程度でした。また、現在のわが国の停電回数は、米国やEUに比べても7分の1とか5分の1の水準です。つまり、何が言いたいかというと、わが国ではかなりの設備投資を行って、電力の安定供給に資してきたということです。

 もう1つ、先ほど東日本大震災の計画停電の話がありましたが、かなりの供給力を失ったものですから、計画停電をお願いしたという経緯があります。しかし、以前に新潟県中越沖地震が起こった際、柏崎刈羽原子力発電所で360万キロワットの出力を失うこととなりました。しかしこの時、一般のお客様は停電はしていません。これは発電機の過負荷運転や、他電力との融通、需給調整契約お客様へ緊急時の停電対応のお願いをして、一般のお客様には迷惑がかからないような停電対策を経営側が行なったものです。ですから、60年前のスト規制法制定当時の電気事業の情勢とは全く設備の状況が違うわけです。この点は、御認識をまず持っていただきたいと思います。

 それから、あたかもスト規制法の撤廃と労使関係の問題が、停電につながるような話がありましたが、第186回の通常国会で招致された参考人の方はこのように言っています。「今どき組合が本気でストを打つという構えの会社があるとすれば、それは非常に経営者の腕が悪くて、職場にも不満が充ちみちているということだと思うのです。そうした状況の下で、ストだけを禁止いたしましても、社員はどうするかというと、会社に出てきて働かない、それだけのことでございますので、こういう規制をしても、私は意味がないと思います」。このように参考人の方は述べられているわけです。

 こうした点を見ても、労働規制を行えば全てが解決するという問題ではないと思っていまして、あくまでも自由競争の中で、民間労働者というのは健全な労使関係の中で、労使協議を通じて、お互いの力で解決をしていくというのがベースにないと、当然社会に貢献できないと思っています。そういった視点からの議論を是非ともお願いしたいと思っています。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。何か御意見はありますか。

○川口委員 新谷委員から、議論の整理をということです。もちろん先ほど私どもが申し上げたことについては、先ほどおっしゃったような、電力の供給をどういう構成で確保していくとか、それを安定的に供給するような電力システムをどうしていくかということについては、当然こちらの部会ではなくて、経済産業省等で議論されているところだと思っています。

 ただ、先ほど私どもが申し上げたかったのは、先ほど資料で御説明いただいた7ページ、現行のスト規制法の保護法益として説明されました、電気の正常な供給の確保ということ、これについては依然として重要だということを申し上げたかったところです。以上です。

○新谷委員 この部会が設けられたのは、まさしくそこを論議するためだと思うのです。先ほどから使用者側委員がおっしゃっているように、ストライキを歓迎する使用者はいないわけでして、ストライキをやれば当然、事業の正常な運営を阻害し、会社に損害をもたらす。それはなぜなのかというところを、論議をしないといけないと思います。

 それは、まさしく資料21ページ目に書いてある、憲法28条が保障する労働基本権というのは一体何なのかというところだと思います。つまり、なぜ電気事業だけが憲法28条に生存的基本権として定められている労働基本権を制約されるのか。電気事業は、労調法における公益事業と一体どこが違うのか、ということなのです。電気事業であっても、労調法の規制を受け、ストライキを行うとなれば、事前の予告をしなければならず、突然電力が止まるわけではないのです。具体的には争議行為実施の10日前までに予告することになっていますし、本当に国民生活に影響があるというのであれば、かつて炭労ストで発動されたように、内閣総理大臣による緊急調整もできるわけです。こうした労調法による仕組みがあるのに、なぜスト規制法がこのまま存続されるのかというところが、この部会での論議の争点だと思います。争点を明らかにして、論議を深めていきたいと思います。

 また、今後の進め方で、事務局に資料の準備をお願いしたいと思います。それは諸外国において、電気事業におけるスト規制、労働基本権の制約があるのかという点を、資料として頂けないかと思っています。それが1点です。

 もう1点は石炭鉱業における労働者の数についても、分かれば教えていただきたい。

更に、この部会には、電気事業で働く労働者、あるいは事業主の方も列席をされているわけですが、基本的に労使関係の専門家です。電力流通システムは、非常に高度で大規模なシステムです。私は電機産業出身で、発電機、変電所の設備などの電力系統システムを作っている会社にいましたので、ある程度のことは分かるのですが、ただ、電力流通システムが、どういう形で運用されているかということを、一度この部会の中でも、どなたか専門家に来ていただいて、認識を共通にしておいたほうがいいのではないかと思います。この点も事務局で御検討いただきたいと思います。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。

○労政担当参事官 今お話がありました中で、諸外国については必要な調査などをして、今後の部会で御提示していきたいと思っています。石炭については、確かに現在は減っていまして、統計上把握できる人数として、石炭の労働者数は650人ということでして、鉱山数は9と把握しています。

 最後の電気・電力がどのように運用されているかということについて、専門家を呼んでという話については、確かにそうした仕組みについての、部会全体での認識共有は重要かと思いますので、貴重な御指摘と受け止めて、検討したいと思っています。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。

○河野委員 消費者団体から今回この検討に参加させていただきます、全国消費者団体連絡会に所属している河野と申します。私はおそらく一般国民という視点から、ここにいると思っています。

 今、双方の方々から、論点はどこだろうというお話がありました。私も今お話を聞いていて、論点はどこにあるのかなと。権利の問題なのか。私たちは国民として、最低限しっかりした生活を営む権利というのは大前提にあるし、そこに労働の権利も乗ってくるということで、どこを考えたらいいのかなと、まず思ったところです。

1つ、電気というのはもちろん当然のことながら、生活、産業、行政、サービス、全てにおいて必須でして、ないということは考えられない。それは皆さん合意のことだと思います。昭和28年当時と比べても、今の電気の価値と言いましょうか、私たちが電気に求めるものというのは、非常に価値が上がっていて、必需品というか、命にも関わるぐらいに価値が高まっていると考えています。

 だからという言い方は、私はしたくなくて、今回、電気事業法が改正になりました。つまり電気事業の在り方が、大きく構造変化になるわけです。これまでは全国的に、大きな10社の所とプラスアルファで、電気は供給されていたわけですが、その事業構造が変わっていく。そこで今回問題になっている、電気事業における労使の争議行為により、電気の供給にどんな障害が起きてくるのだろうか。その辺りを、やはり電気事業法改正でどんな仕組みになっていくか。次回詳しく御説明いただけると思っていますが、どういった所に、どういう問題が生じて、そして、それが労使の争議につながって、私たち国民生活に影響があるようになっていくのかという辺りを、しっかりと理解していきたいと思っています。

 本当にそういったことがないようにと言いましょうか、改めて長い間、私たちはスト規制法によって電気の安定供給という、電力会社さんの努力もありますし、従業員の方の努力もあって、守られてきたのだなと。今後、これがもしなくなった場合、私たちは守られなくなるのか。その辺りの不安感というのも、是非この検討過程で払拭していただければなと思っています。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。

○新谷委員 私も国民ですので、国民生活において、電気が止まったときの不便さ、大変さ、命に関わるという話も理解できます。しかし、再三申し上げているように、資料24ページにありますように、もともとそういった国民生活に重大な影響を与える産業・事業、医療や公衆衛生の事業、電気通信の事業といった他の事業も、労調法において公益事業として指定されています。昔の電報や電話の時代と違って、今のITインフラを考えれば、電気通信事業も、ITが止まったら産業活動が停止し、まさしく物を作れなくなってしまう事態があるわけです。こうした時代の変化がある中で、なぜ電気事業だけが屋上屋を重ねて、スト規制法によって争議行為が禁止しなければいけないのかという点の論議をしないといけないと思うのです。

 電気は国民生活に影響を当然与えますので、供給が止まれば影響があります。しかし、公益事業の中でもなぜ電気事業だけ特別に規制されるのか。これは、もちろん昭和28年にスト規制法が制定されたときの時代背景があるわけです。

 当時の電産スト・炭労ストという、非常に先鋭化したストライキが行われて、電気が本当に止まったという時代背景があるわけですが、当時と今は全く違うわけでして、労働組合も当時とは代替わりをしています。私はこの部会に参加するに当たって、電力の現場を見てまいりましたが、今の電力マンの皆さんは、1秒たりとも電気を止めてはいけないという強い思いがあります。むしろ1秒ではなくミリセック、1,000分の1秒単位で電気を管理し、それを絶対に止めてはいけないという使命感を持って仕事をされている熱意がひしひしと感じられました。そういった時代背景の変化を踏まえ、このスト規制法の在り方は、冷静に論議をさせていただきたいと思います。以上です。

○勝部会長 ありがとうございます。

○内田委員 労働者の権利については、今、新谷委員が発言したとおりですので、あえて重複は避けますが、今、使用者側委員と消費者団体から出られている公益委員から、停電に対するリスクに関するお話がありましたので、もう一度その点だけお話をさせていただきます。

事務局から説明がありました資料29ページ「電力システム改革の目的、内容及び実施スケジュール」の箇所に、「電力システム改革の3つの目的」が記載されていますが、その1つめに「安定供給を確保する」とあります。諸外国の事例で言うと、発送配電分離や電力の自由化を行うと、供給信頼度が低下する、停電リスクが高まるという事例も報告されています。

 この部会は、経済産業省や資源エネルギー庁の審議会の場ではありませんので、あえて細かいことは言いませんが、諸外国の事例などを見ると、本当に今回の電力システム改革が、国民生活や経済、産業にとっていいのかどうかという議論に行き着きます。電力システム改革は、あくまでも今までの供給信頼度を保つことが前提である中、諸外国の制度設計はまずかったことがあるという形で終わっているわけです。使用者側委員や公益委員の皆さんが、電気の供給信頼度は今まで以上に確保すべきと言うのであれば、私は厚生労働省からでもいいので、もう一度この電力システム改革の審議をやり直すべきだと思います。電気の安定供給の在り方を、私はもう少し審議し直すべきではないかと思います。

 それから、もう1つ、新谷委員から、労働組合も様変わりしたという話がありましたが、当時のストライキでどうして停電したのか、先程電力の状況を専門家を呼んで勉強するという話もありましたが、昭和27年のストライキで我々の手でスイッチを切って一般のお客さまを停電させたということはありません。専用線という高圧のお客さまの一部を20数時間だとか、6回だとか停止した事象はありますが、一般のお客さまの電気は直接停止していません。

 どうして大規模な停電が起こったかといいますと、ストライキを行うと、発電所で働く労働者が当然労務不提供となるわけですから、発電所を運転する人間がいなくなったことを受けた経営側が、電気というのは発電量と使用量を調整しなければならないので、そのバランスが崩れることを懸念して経営者自らがスイッチを切らざるを得なかったということなのです。つまり、労働組合自らが、国民生活や経済生活を人質に取って、ストライキをやったというわけではなく、あくまで間接的に停電が起こったということなのです。この部会では、先ほど提案があったように、電力がどういった形で供給されているかということ、我々の労働三権というものがどういった位置付けにあって、どの部分が規制されているのかというのを、少し理解していただかないといけない。電気事業で働く労働者がストライキに入った瞬間に全て供給停止になるのだという、そういったストレートに物事をとらえがちなので、こうした点は改めて御説明をさせていただきたいと思っています。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかに何かありますか。

○鈴木委員 もう時間となりますので、手短にお話させていただきたいと思います。事務局へのお願いということで、先ほど新谷委員からお話がありました諸外国の調査について、ただいまの内田委員の発言にも関わるところですが、是非、諸外国の事例を見るに当たって、スト規制法のような法律があるかどうかということと、併せて、是非、海外で具体的に電源ストと停電ストなど、どのようなことがあったのか、それはどの程度の規模なのか、そういうことも含めて御報告いただければと考えています。以上です。

○労政担当参事官 そういうことも含めて確認いたします。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかに何か御意見はありますか。そろそろ時間となっていますが、よろしいでしょうか。本日は非常に活発な御議論をいただきました。スト規制法の在り方について、新谷委員からのこの部会の論点の整理ということも含めて、次回以降、更に進めていきたいと思っています。

 それから、もう1つは電気の供給の仕組みが実際にどうなっているのかということを知ること。それから、電力システム改革が今後どのようにあるのか、あるいは電気事業の業務といったことについても、委員の間で情報を共有したほうがよろしいのではないかと思っています。

 事務局からも先ほど説明がありましたが、次回以降、そのような機会を設けていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。今回は第1回目ということで、スト規制法の経緯、それから現状について確認をしました。その下で様々な御意見を頂きました。いくつか宿題といいますか、資料の要求もありましたので、次回の開催時にそのような資料も準備していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、次回の日程について、事務局から説明をお願いします。

○労政担当参事官室政策企画官 次回の部会の日程については、現在調整していますので、追って御連絡させていただきたいと思います。

○勝部会長 ありがとうございます。それでは、第1回目の部会はこれで終了したいと思います。なお、議事録の署名ですが、労働者代表の新谷委員、使用者委員の川口委員にお願いしたいと思います。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。これにて終わりとしたいと思います。よろしくお願いします。


(了)
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法規第1係 内線(7742)
代表: 03-5253-1111

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