ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(介護給付費分科会) > 第108回社会保障審議会介護給付費分科会議事録(2014年9月10日)




2014年9月10日 第108回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成26年9月10日(水)
14:00〜17:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホール(2階)


○出席者

阿部、安部、井上、内田、大島、河村、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、鈴木、鷲見、武久、田中、田部井、東、平川、福田(亀田参考人)、本多、村上、山際(敬称略)

○議題

1.平成27年度介護報酬改定に向けて(事業者団体ヒアリング1)
2.その他

○議事

○迫井老人保健課長 それでは、定刻になりましたので、第108回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。

 本日の委員の出席状況でございますが、大西委員、亀井委員、堀田委員のお三方から御欠席の御連絡をいただいております。

 また、福田富一委員にかわりまして、亀田参考人に御出席をいただいております。

 以上より、本日は21名の委員に御出席をいただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告させていただきます。

 次に、事務局に異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。

 大臣官房企画官の矢田貝でございます。


○矢田貝企画官 よろしくお願いいたします。


○迫井老人保健課長 また、本日、認知症・虐待防止対策推進室長につきましては、公務のため欠席をさせていただいております。

 それでは、冒頭のカメラの撮影はここまでとさせていただきまして、御協力のお願いをいたします。


(報道関係者退室)


○迫井老人保健課長 以降の進行につきまして、田中分科会長にお願いをいたします。


○田中滋分科会長 皆さん、お集まりいただきましてありがとうございます。

 本日は、事業者団体ヒアリングの1回目です。7団体の方々にお越しいただいております。

 初めに、事務局から紹介をお願いします。


○迫井老人保健課長 それでは、御紹介をさせていただきます。

 24時間在宅ケア研究会より、時田純様でございます。

 日本理学療法士協会より、半田一登様でございます。

 日本作業療法士協会より、中村春基様でございます。

 日本言語聴覚士協会より、深浦順一様でございます。

 全国特定施設事業者協議会より、市原俊男様でございます。

 全国軽費老人ホーム協議会より、川西基雄様でございます。

 サービス付き高齢者向け住宅協会より、奥村孝行様でございます。

 以上の方々に、御出席をいただいております。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 ヒアリングに御出席の方々におかれましては、お忙しいところ、お集まりいただきどうもありがとうございます。

 平成27年度介護報酬改定に向けての検討の一環として、本日は忌憚のない御意見を頂戴できればと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局より、資料の確認をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 それでは、お手元の資料の御紹介をさせていただきます。

 まず議事次第と委員名簿がございます。

 その後ろに、ヒアリング資料1といたしまして「定期巡回・随時対応サービスの推進に向けて」というものがございます。

 ヒアリング資料2「リハビリテーションサービスの質の向上に向けた提案」。

 ヒアリング資料3「地域包括ケアシステムの実現に向けた作業療法士の提案」。

 ヒアリング資料4「地域包括ケアシステムの実現に向けた言語聴覚士の提案」。

 ヒアリング資料5「平成27年度介護報酬改定に向けての意見」。

 ヒアリング資料6「介護給付費分科会事業者団体ヒアリング資料」。

 ヒアリング資料7「サービス付き高齢者向け住宅の状況」。

 最後に、参考資料でございますが「社会保障審議会介護給付費分科会(第107回)の資料1の数値訂正について」1枚紙でございます。

 資料に、もし過不足等ございましたら、事務局に申しつけていただければと思います。

 以上でございます。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 早速、議事次第に沿って事業者団体ヒアリングを開始いたします。

 本日、御出席いただいている7団体の皆様より、順に御意見を頂戴してまいります。

 進め方としては、審議を前半、後半に分けます。それぞれヒアリングと質疑という形にします。前半と後半の間には10分間の休憩を入れる予定です。

 前半につきましては、24時間在宅ケア研究会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会の皆様より、それぞれ連続して10分ずつ御説明をいただきます。その後で、まとめて質疑を行います。

 では、最初に24時間在宅ケア研究会の時田様、説明をお願いいたします。


24時間在宅ケア研究会 最初に、このような機会をお与えいただいて、ありがとうございます。

 私は、一般社団法人24時間在宅ケア研究会の理事長を務めております時田でございます。

 本会は、介護保険事業の夜間対応型訪問介護及び定期巡回型訪問介護あるいは24時間在宅ケアを推進する事業者と、もしくは支援を行う事業者による全国的事業の普及と啓発を目的として、7年前に設立をした団体でございます。

 主な活動はセミナー、講演会、ワークショップ等による啓発活動の推進、厚生労働省、地方自治体、保険者・事業者による情報交換会あるいは交流会の開催、啓発用の冊子及び事例集等の発行、そして厚生労働省老人保健健康増進等事業、補助金による調査・研究事業を毎年実施してまいりました。

24時間在宅ケア研究会は、本日、3点についてプレゼンさせていただきます。忌憚なく、大局観に立って述べさせていただきます。

 まず最初に、スライド1及び5までをごらんください。

 定期巡回・随時対応訪問サービスのあり方を検討された「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」座長、堀田力先生は、定期巡回サービスについて次のように述べておられます。

  人は誰でも、自分らしく生きていきたいと願っている。

  自分が主人公の人生、人から支配されない人生。

  それを、人生最後の段階、人の世話にならなければ、食事もできず、トイレにも行け

 ない状態になった段階においても、実現しようというのが、定期巡回・随時対応サービ

 スである。

  人類の夢をかなえる、究極のサービスといってよい。

  そのサービスを、自ら担える人々は、ほんとに幸運な人々だと思う。報酬を得て行う

 自分の仕事が、福祉の歴史を切り拓くものになるからである。

 この事業の発展に、絶大な期待を寄せてくださっています。

 このサービスの最終目標は、改めて申し上げるまでもなく「単身重度の要介護者」であっても、在宅を中心に住み慣れた地域で尊厳と個別性が尊重された生活を継続的に支援し、在宅療養の限界点を高め、できれば在宅で生涯を全うするための「まったく新しい類型」のサービスでございます。

 スライド5は、特養と在宅のサービスを可視化したものでございますが、これだけ大きな開きがあります。比較になりません。特養に入所すれば家族は介護負担がなくなり、御自分の生活が自由になります。しかし、在宅では24時間、重い介護負担を担い続けなければなりません。また、施設サービスでは補足給付までついています。入所者の約6〜7割は減免の対象ですが、在宅ケアには補足給付はありません。特養の待機者が増え続けるのは当然ではないでしょうか。

 スライド6は、堀田先生が中心に、24時間地域巡回訪問サービスのあり方を検討したときのシミュレーションでございます。

 人口10万人を想定した数値ですが、定期巡回の利用者は225名を想定いたしました。また、通報があれば30分以内に駆けつけると想定すると、1事業所当たりの利用者45名と積算をし、5つの事業所が必要と算定しました。

 しかし現状は、全国的に利用者数は1事業所当たり平均18.5名、せっかく参入した事業者は、ほとんどが経営困難な状況です。これでは、自治体や事業者が参入を危ぶむのは当然でございます。

 スライド7〜9は、本会が平成26年4月末時点で実施をした会員の調査でございます。

 「法人形態別」の事業所比では、社会福祉法人が31%。営利法人が43%。医療法人は21%です。1事業所平均利用者数は23.6名です。うち、営利法人の平均利用者数は36.8名ですから、集合住宅等への頻回な訪問など、経営努力が反映されています。

 スライド1011は、私ども社会福祉法人小田原福祉会の定期巡回利用者の地域分布図でございます。かなり広範に広がっています。このエリアには、当法人以外に10カ所の居宅支援事業所があって、訪問介護を併設しています。当然、定期巡回訪問を必要な方もいるはずですが、実態は見えません。これでは、時間的にも経済的にもロスが極めて多いわけでございます。

 小田原市の例を申し上げますと、人口は約20万人。高齢化率は26%弱ですから、スライド5のシミュレーションから推定をいたしますと、サービスを必要とする利用者はおおむね450名くらいいるはずでございますが、しかし、2年半が経過した現在も、定期巡回利用者はわずか2526名にすぎません。シミュレーションのわずか1割です。これほど計画と実態に大きな誤差が生じた原因はどこにあるのでしょうか。それは、小田原市には現在、居宅介護支援事業所が39カ所、さらに35カ所の訪問介護事業所がありますが、これらの事業所のほとんどが相互に事業を併設しています。

 小田原市は、平成14年度、定期巡回の実施に当たり、事業者を公募しました。結果は、私の法人以外、手を挙げる事業者はいませんでした。当法人は、実施に際して、職員に全事業所を訪問させ、定期巡回への協力の依頼をしました。しかし、全ての事業者から断られました。「うちは日中だけのサービスで早朝・夜間はできません」とか「働いてくれる人がいません」という回答でした。

 訪問介護事業所の多くは、利用者のニーズに応える事業を行っているのではなく、事業者の都合で仕事をしているにすぎないということがわかりました。

 平成15年度も小田原市は公募をしましたが、応募者はゼロでした。結論的に言えば、35カ所の訪問介護事業所があっても、早朝・夜間・深夜を含めて24時間365日、サービスを提供する事業所はないのです。これでは、訪問介護を社会的インフラとして位置づけられませんし、サービスの質が担保できません。ヘルパーの社会的なステータスが高まらない原因もここにあるのだと思います。大変、残念な話ですが、質の高いサービスが提供できません。

 ところで、介護保険では、ケアマネジャーは要介護者から依頼を受け、心身の状況や環境、当事者や家族の希望を勘案してサービスの種類や内容、サービス提供事業者を選定し、ケアプランを立案します。そうすると、当然自分の法人の訪問介護を優先させるでしょう。定期巡回サービスはやりませんから、旧来型の訪問介護をケアプランに組み込みます。定期巡回を利用したほうがよい人でも、手放すつもりはないわけですから定期巡回を勧めません。まして、定期巡回というよいサービスがつくられていることも利用者は知りませんし、サービスを比較できません。訪問介護ならどこでも同じだと思っております。

 結論的に言えば「まったく新しい類型」のサービスとして制度化し、せっかくの定期巡回訪問介護という事業も、旧来の古い仕組みを温存していたのでは、2025年に在宅で15万人の高齢者を支えるという、このサービスの目標は達成できないのではないでしょうか。地域包括ケアシステムそのものも在宅ケアを支える定期巡回サービスが定着しなくては、絵に描いた餅になりかねません。今こそ制度改革をしなくてはなりませんし、イノベーションが必要です。

 地域包括ケアシステムの構築について、田中滋先生は、雑誌「訪問看護と介護」の中で、次のように述べておられます。

 「制度論のレベルでは、日常生活圏域における各種機能の統合的な確保を行いやすくする方策を検討するべきである。予防を含めると、40以上にも上る現在の介護保険給付対象のビジネスラインごとに人員配置基準を定め、経営実態調査を実施し、収支を人為的に計算させて把握しようとする方式は、地域包括ケアシステムの概念と整合的ではない。また、典型的には、地域包括ケアシステムの柱として期待が集まる、定期巡回・随時対応訪問介護看護は、まさに業務管理の単位であって、経営の単位とは考えがたい。定期巡回・随時対応型サービスも、提供する事業体が全体として利用者や医師の信頼を獲得し、長期で見た経営に資する稼働を見るべきであって、単独収支で参入を判断すべきタイプの業務ではない。」とおっしゃっておられます。私も全く同感です。

 日本医師会総合政策研究機構の前田由美子研究員のワーキングペーパーによれば、2011年時点での訪問介護は、大手を中心に営利企業が58.6%のシェアを占めています。しかし、現在32,000を数える訪問介護事業所の大半が、全体的に規模が小さいのでございます。

 先に御紹介した堀田先生は「福祉は事業者の都合で行う施しではなく、個人の尊厳を支えるために行う、なくてはならない事業であるということを、定期巡回・随時対応サービスを定着、普遍化することによって証明したい。このサービスが持つ重大な意義に思いをいたしてほしい」と期待されています。

 プレゼンの第2点目は、ますます困難性が高まる人材確保をどうするかという重い課題でございます。

 スライド14は、24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会報告書のデータですが、ヘルパーの確保困難な状況が10年来続いていることを示しています。平成22年1月以降、採用が非常に困難な事業所が43.9%。やや困難が37.9%で合計81.8%の事業所が困難に陥っています。募集しても応募がないのです。

 この状況については、スライド15、労働生活政策研究機構の堀田聡子先生が、データをお示しになっています。人材確保が困難な職種別データですが、7割以上が訪問介護員の不足を挙げております。

 スライド17は、平成1910月時点の「訪問介護事業・開設者別事業所別数と構成割合」ですが、営利法人が54%、社会福祉法人が26.5%ですが、この割合は現在もほとんど変わっておりません。

 スライド18は、1事業所当たりの利用者数のデータですが、利用者が39名以下の事業所が7割を占めています。また、100名以上の利用者の事業所は、わずか4%にすぎません。これでは、定期巡回サービスに参入できる事業所は極めて限られていると言えます。

 スライド19は、直近の訪問介護利用者数ですが、要介護1以上が922,000人。要支援を含めると、実に1356,000人が訪問介護を利用されています。しかし、これらの利用者を支える訪問介護員の確保は、極めて困難な状況です。

 第3点は、首都圏の介護事業者が破綻の危機を迎え、人材確保が喫緊の課題であることについて、実情を申し上げたいと思います。

 スライド21は、現在の「都道府県別・労働力人口(千人)と最低賃金(円)比較」でございます。

 最高の東京都と神奈川県と、最低の17県がございますが、実に1.33倍もの開きがあります。介護報酬は、このような格差を反映しておりません。最低賃金は毎年改定され、ことしも既に改定値が発表されました。御高承のとおり、首都圏は日本を代表する産業が集積をし、他県に比べて一般産業の賃金水準が高く、介護・看護人材の確保が特に困難で、事業経営の破綻が危惧されております。

 ところで、介護報酬算定基準は、3年ごとに地域区分の適用地域及び報酬単位を改定され、さらに経営実態調査をもとに改定をするという複雑な仕組みで構成されています。しかし、3年ごとの改定では、現在の急速な賃金上昇に追いつけませんし、事業経営の実態は極めて困難になっています。

 当法人も、平成2425年度は経営全体で赤字が連続しております。社会福祉法人が金をため込みすぎるなどという批判は、全く当てはまらない批判でございます。

 ところで、地域区分は国家公務員の級地区分が用いられ、国民生活とはかけ離れていますし、経営実態調査も全体の事業所数から見れば調査客体が少なく、経営実態を反映しているとは言いがたいのが実情です。しかも報酬は全国一律に1点10円を基準にして、若干の地域区分を加味しておりますが、国民の生計費を反映しているとは言いがたいのではないでしょうか。

 介護は本来、人が人に対して行う仕事ですから、報酬の大部分は人件費を賄う費用でございます。しかし現在の介護報酬は、算定基準そのものが低く、一般産業と競争できない水準でございます。

 ところで、地域別最低賃金の算定は、厚生労働省産業労働局の所管でございますし、国民の生活費を反映し、極めてエビデンスが高いと承知をしております。また、守らなければ罰則が非常に厳しい法律ですから、地域別最低賃金が上がれば、支払いは待ったなしになります。

 したがって、介護報酬算定基準を、この際、地域別最低賃金に転換をしていただき、介護報酬の算定基準をわかりやすくするとともに、生計実態に即して改善されるよう期待を申し上げたいと存じます。

 私のプレゼンは以上でございます。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 次に、日本理学療法士協会の半田様より発表をお願いいたします。


○日本理学療法士協会 では、よろしくお願いいたします。

 表紙を見てもらえればわかるのですけれども、まず、リハビリテーションサービスをどうやって質の向上をさせようかということで提案をさせていただきます。

 その中で、この検討会の中でも、理学療法、作業療法とは何か、というような御質問等々があったようですので、若干そこの補足説明をさせていただきたいと思います。

 スライドの3枚目をちょっと見ていただきたいのですけれども、理学療法士とは何なのか。基本的には、医師の指示を受けて専門的な評価をやります。評価は、病院でリハビリテーションの中で「エバリュエーション」という言葉を使っていまして「アセスメント」という言葉は使っていないです。

 エバリュエーションというのは、問題を抽出して、それを分析してどうしたらこの問題を解決できるか、その原因分析をするのがエバリュエーション、日本語で言ったら「評価」です。

 そして、我々理学療法士が担うのは、移動能力あるいは歩行能力の維持向上をどうやって生活機能につなげていくか。皆さんもここに歩いて来られたと思います。歩く能力がなければ参加できない。この能力をどう担保するかが、主たる理学療法士の仕事であろうというふうに思っております。

 その次の4ページになりますが、これは参考ということで、教育課程では4年制大学が増えていることだけを確認願えればありがたいです。

 5ページも参考資料としてつけましたけれども、右下を見ていただきたいのですが、本会会員が現在9万5,000名います。そのうちの約10%が介護保険領域で仕事をしております。

 左下を見ていただきたいのですが、ところが、本会の会員の平均年齢が32.6歳、非常に若い9万5,000名の組織になっているということについて、かなり問題があるのかなというふうに思っております。これが理学療法士に対する簡単な説明であります。

 これから、我々の要望ということで5点を挙げさせていただきたいと思います。

 7ページを見ていただきたいのですが「自立支援に資する専門的な評価」、今、評価はほとんどアセスメントという言葉で使われているかと思います。

 具体的には現場ではどのようなことか、アセスメントはどのような行為かというと、できないことをどう抽出して、どう支援するか。我々エバリュエーションというのは、できない理由を探して、どう解決するのかというのがエバリュエーションです。今、一番これ、エバリュエーションというリハビリテーションの中で使われている評価、これが非常に大事ではないのか、その上でいろいろなリハビリテーション前置的なことをやった上で、支援をどう決めていくのか、この流れが、やはりアセスメントとエバリュエーションという中で検証が必要ではないかなと思っております。

 8ページは、今、申し上げたことをちょっと図柄にして、左のほうから見ていただきますと、ADL等々ができない人とできる人がいる。だけどできる人の中には、できるけれどもしていない人もいらっしゃる。していない人たちにどうやって動機づけするかということと、上のできない人たちの要素をどう原因を分析するのか、ここに一定の科学性がなければ、なかなかうまく回らないのではないかなと思っております。

 9ページにまいりますが、ここは参考として飛ばしていただいていいのですけれども、1番下になりますが、介護支援専門員の方々と一緒になってそういうアセスメントの中にリハビリテーション的エバリュエーションをもっと持ち込んだほうがいいのではないのか、そのように思っております。

 1点目の要望ですが、介護支援専門員がケアプランを策定する際に、専門的な評価(evaluation)に基づいてミニマムアシストを提案できるようなリハビリテーション専門職、理学療法士等々の活用あるいは協働を推進していただきたいということが、1点目の要望になります。

 2点目の要望になりますが「心身機能」「活動」「参加」、この2〜3年のところ、この「活動」「参加」というのが強く言われるようになってまいりました。よくわかりますし、もともとリハビリテーションの目的は何か。社会復帰にあります。社会復帰こそが「活動」「参加」であると思っております。それが近年、少しリハビリテーションがゆがんで使われてきたところに欠点があるように思っております。

12ページにありますけれども、これも参考資料としてつけましたが、介護が必要になった主な原因として2つ、左のほうに「高齢による衰弱」あるいは「骨折・転倒」、あわせると25%、4人に1人がこのようなことから発生している。

 次のページにありますが、見ていただきたいのは右のほうです。転倒がない人の不安、あるいは1回転んだ、2回転んだことによって、どんどん不安感が強くなる。不安感が強くなれば活動・参加は抑制される。抑制されれば、廃用症候群が強くなってさらに悪くなっていく、そういうことからすると、やはり一定の機能訓練等々も必要であると我々は思っております。

14ページにありますが、転倒リスク、これは以前から大体データは変わっておりませんけれども、筋力低下、バランスが悪化する、歩行能力が低下する等々、この問題をどう解決した上で活動・参加をしていくか、そういう意味で2つ目の要望になりますけれども、時間がないので下のほうだけ読ませていただきますが「各生活機能にバランスよく働きかけていくためには、心身機能へのアプローチについても、重要であること」を御理解願いたいということで、考えております。

 3点目になりますが、リハビリテーションサービスの質の向上に向けた研修制度を評価していただきたい。

 これまで、リハビリテーション専門職については、量的にどう補充するかということが大きな課題でもありました。この問題は、やや解決されつつあるのか、そうした中で、これからやはり質をどう担保していくのか、重要な時期に差しかかっているかというふうに思っております。

 ところが、17ページを見ていただければわかるのですけれども、医療保険下、あるいは医療機関に就職した理学療法士と、地域あるいは介護保険下で就職した理学療法士では、学ぶ機会が全く違うということがあります。そういう意味で、この学ぶ機会をどういう形で担保してあげて、質の高いリハビリテーション専門職を育成していくのか、そのことは決定的な問題になるだろうと思っております。

 そこで本会では、次の18ページになりますが、下のほうから見ていただければよくわかるのですが、新人教育、3年を目安に新人教育を修了し、次の専門分野のほうを選択していってもらう、その一つとして生活環境支援、その中で地域理学療法、健康増進・参加、介護予防、補装具等々含んで勉強をさせているところであります。

19ページ、これは、これから発言されます作業療法士協会あるいは言語聴覚士協会とリハビリテーション専門職団体協議会というふうに3団体でやっておりますけれども、そこで力を合わせて研修会も既にだいぶ長いことやっております。

 目的は、右のほうの四角を見ていただければわかるのですが、訪問リハビリテーションの質の向上に資する管理者を育成する。あるいは実務者を育成する研修、地域で手足となって頑張る人たちの質を上げていく研修というのを長らくやっております。それも管理者の教育のところを見ていただければわかるように、9日間、これを1クールとして研修をさせております。

 次のほうを見ていただきたいのですが、その研修の中身です。制度論から方針論等々について3日間研修をさせて、最後には試験を行っております。試験の合格率は九十数%というところで経緯しているかというふうに聞いております。

 その次の21ページ、絵柄にするとこういうことかなと、3協会で共通した研修をやって、それが済んだら理学療法、作業療法、言語聴覚療法の専門的な教育をしていく。その上で一定の評価をいただければ、さらに動機づけにもなるのではないかなと思っております。

 そういうところから、3つ目の要望事項としては、各専門分野の研修を終了した者を訪問や通所、あるいは入所リハビリテーション人員基準に加えていただきたい。何らかの評価をできないか。ただ頑張れ頑張れでは人の心というのはいつまでも続くものではない。そこに対して何らかの評価をいただければありがたいと思っております。

 4点目「通所リハビリテーション利用者の送迎機能のあり方」ということで、提案をさせていただきます。

24ページを御参照ください。

 ことしの診療報酬改定で、次期改定では通院リハビリテーションをやっています脳血管リハビリテーションと運動器を介護保険に回しますよということが明記されております。その重大な受け皿になるべきものが、短時間型通所リハビリテーションだと理解しておりますが、この短時間型通所リハビリテーションのやることは、自立の視点で頑張ってもらう。ところが、送迎をしなさいということが条件になっていることは、ここに大きな矛盾があるのではないか。自分で来られる人は自分で来らせる。あるいは人的介助が必要な人はそのような送迎機能というのを付加したほうがいいのではないのか。何も、歩ける人をバスに乗せてこないといけませんという条件は、これはおかしいのではないか。自立の視点からすると、全く私はナンセンスだと思っております。そのようなことから、この送迎機能という意味を、多様な送迎機能を含めた形で運用あるいは認識していただきたいと思っております。

 最後の要望になりますけれども、複合的なサービス拠点があったら利用者の人たちにいいのかなと思っております。

 一つ課題がありまして、今、訪問リハビリテーションをやろうとすると、主治医とリハビリテーション担当のドクターと2人から指示が必要になります。これは非常に難解な話であります。ただ、医療制度上、その2人からもらわざるを得ないということもよく理解できます。

 ところが、次のページ御参照願いたいのですが、訪問リハビリテーションのほうでは、やはり医師との関係で非常に混乱性が高いというのは、介護支援専門員の方々へのアンケート結果から出ている。ところが、訪問看護ステーションからの理学療法士等の派遣については、そういうものは余りない。これは片一方の指示だけでいけるということが大きく影響している、そのように思っております。

28ページ、これは併設した事業所と、あるいは併設していない事業所との関係で、緊急事対応等々ちゃんとやっていますかという質問に対して、併設している中では非常に高いレベルで決められている。ところが、事業所連携という形になった場合には、なかなかそこまではいけていないという数字をことし出しております。

 そういうところで、最後に近くなりますけれども、29ページ、このような図柄で拠点をつくって、介護予防あるいは在宅の障害者、障害児、これも大きな課題というふうに思っております。そういう方々に対するサービスを提供できる拠点というものがあったほうがいいのかなと、そのように思っております。

 そろそろ時間になっておりますので、2つほどスライドを飛び抜かしていただいて最後のページになりますが、下の丸のところ、下から4行目ぐらいから読ませていただきます。 かかりつけ医との適切な連携の下で、看護機能や介護機能、リハビリテーション機能または薬剤機能等も含めて、一体的に提供できる、総合的かつ複合的なサービス拠点をつくったら、利用者にとって非常にワンストップの意味も含めていいのではないかなと、以上、5点を提案させていただきます。

 どうもありがとうございました。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 次に、日本作業療法士協会の中村様より、御説明をお願いいたします。


○日本作業療法士協会 中村と申します。このような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

 私の話のポイントは、前回、分科会で活動と参加について、具体的にどういう方法があるのだろうかという提案がなされました。それについて、こうやったらできるのではないのかということを、5年間研究を行ってまいりましたので、その御紹介とそこからの御提案が話のポイントでございます。

 一枚目の本日のコンテンツを1〜7つ挙げてありますが、4までは大体作業療法の概論の話でありまして、5〜6が一番のポイントでございます。「生活行為向上マネジメント」というツールを、是非、覚えていただきたいと思います。

 1ページをお願いいたしたいと思います。

 これは、作業療法士の対象と評価と、具体的なアプローチを模式化したものです。

 作業療法は、心と体に問題のある方に対してPDCAサイクルを使って評価をし、主に活動と参加、応用的動作能力、社会的適用能力に対して基本的練習、応用的練習、社会適応練習を行うのが作業療法士の使命であります。

 次、お願いをいたします。

 作業療法士はどのようにして育成されているかということであります。先ほど半田会長からありましたとおり、理学療法士法、作業療法士法は双子法でありまして、同じような構造であります。現在173校、6,950名というのが入学定員でありまして、大学の比率が大体34%になっているところです。

 カリキュラムを見ていただきますと、基礎分野が大体15%。専門基礎、これは医学ですね。臨床医学、病気の話でございますが、大体3割。専門科目が5割強の割合となっています。この中には先ほど半田会長が言われました評価に関すること、治療に関すること、それから地域作業療法、臨床実習、そういう構造からなっております。3年制で93単位、4年制では123単位というカリキュラムになっております。

 3ページをお願いします。

 協会が行っています生涯教育体制の模式図です。横軸に年、縦軸にその内容を示してあります。

 黄色の部分は「生涯教育基礎研修」として、5年目までである一定の基礎研修をやっております。それを終了しますと、認定作業療法士というものを10年目までで取得していただきます。これは臨床家として、その組織を運営する人としての実践能力を協会が認めたものであります。また、認定作業療法士5年おきに更新をする制度となっております。

 認定作業療法士制度の上の赤でしめしました図は専門的なスペシャリストを育てる、専門作業療法士制度を示しています。

 右のほうを見ていただきますと、現在7領域指定しております。福祉用具、認知症、手外科、特別支援教育、高次脳機能障害、精神科急性期、摂食嚥下となっております。

 前回の分科会で、医療職は認知症を、教育しているのかという問いかけがありましたが、卒前教育、それから国家試験にも出てきますし、作業療法におきましては、専門家を育てているとことを御理解賜りましたら、ありがたいと思います。

 次、お願いをいたします。

 これは協会員の全体のプロフィールですが、現在、有資格者が70,675名おります。これは有資格者の登録者でありまして、実際に働いている数というものではありません。多くが医療施設、介護施設に勤務しておりましが、介護保険領域に約1万強の作業療法士が勤務をしています。

 次に地域包括ケアシステムの実現に向けた作業療法士の取り組み(マル1)について説明します。これは先ほど言いました本日のポイントの部分であります。活動と参加について実際的に実施するためのツールを6年間かけて研究してまいりした。生活行為向上マネジメント、Management Tool For Daily Life PerformanceMTDLP)という、ややこしい長い名前をつけておりますが、開発いたしましたので紹介します。

 これは「やりたい」「したい」と思っている生活行為、これは活動と参加に焦点を当てるのですが、そのマネジメントツールでございます。

 真ん中のほう「生活行為向上マネジメントシートの流れと基本ツール」と書いてありますが、、聞き取り調査をしてアセスメントをして、プログラムを立てて、あと実施をして、それを申し送りするという流れでございます。この一連の流れの中で大事なことは、利用者の方と共同で先にあげました一連の過程、作業を行うことです。利用者の方と一緒に、できない生活行為の原因を考え、目標を設定し、やり方も理解した上で取り組むということであります。

 生活行為マネジメントの評価表を見ていただきたいのですが、右の一番上は御本人様のニーズを書いていただきます。そのニーズに対して、左にアセスメント項目の欄があります。そして、生活行為を妨げている要因、現状の能力、予後予測、合意した目標を書くようになっています。

 右に見ていただきたいのですが、いずれの項目でも、心身機能に関する分析、それから活動と参加の分析、環境の因子の分析、御存じのICFに基づいた分析を行っていくということになります。

 次に生活行為プラン表について説明します。アセスメント表で合意した目標について、だれが、いつ、どこで、どの期間、なにを実施するかを表にしたものです。また、達成のためのプログラムは基本的プログラム、応用的プログラム、社会適応訓練プログラムについてそれぞれ記載できるような書式となっています。これを、それぞれ利用者の方と分析を一緒に立案にいたします。実施するために本人様、御利用者様は何をしていただくのか。御家族、介護職のスタッフが具体的に何をしたらいいかということを、明らかにします。

 こういう過程を通して、利用者の方が具体的に1カ月後はどうなるのか、自分は何をしないといけないのか、何ができないのか、御家族も、どうやったらできるか、そういうことが理解できるようになります。これが1番のポイントだと思っています。

 こういうことを各事業所でもやっていただくことにより活動と参加の向上が可能になるものと思っております。

 なお、このツールを急性期、回復期、老人保健施設、通所リハ等で、それぞれで導入した結果、いずれにおいても効果があるということが証明されております。

 次に取り組みの効果(マル2)についてご紹介します。「病院と介護支援専門員と連携効果」につきましては、申し送り表の活用は90%以上、退院時同行訪問は全員が有意義と回答しております。大変有効であるという結果が出ております。

 次に「通所リハビリテーションでの効果」です。介入1年後の結果を、老研式活動能力評価とHUIHealth Utility Index:健康関連QOL評価)で比較しますと、介入群は維持改善し対象群は低下していました。

 次に訪問介護との連携による効果について紹介します。左下を見ていただきますと、ある自治体の御協力を得まして、実際にヘルパーの介護現場に同行訪問してプランの見直し行いそのプランに沿った実施を3カ月間やってもらった後の結果であります。そこの表のピンクの線が3カ月後であります。この結果から、介護の中でも十分に活用できることがわかりました。

 次に通所介護との連携による効果をご紹介します。ここに書いてありますように、作業療法士の立てたプランは、本人の望む生活行為に対して、通所で練習し、その後自宅での実行につなぐプランを立案していました。通所介護で立てていただいたプランが少し違うのがわかると思います。

以上のように、介護サービスの現場において、生活行為向上マネジメントは、活動と参加の向上に有効であることが証明されました。

 では、そういうことができる人材育成が大事なわけですが、次のページに示しましたように、現在、作業療法士協会では、「基礎コース」とか「熟練者コース」というものを設けております。

 「基礎コース」の研修会受講者総数は(平成21年〜25年の実績)10,590人。これは協会の約2割に相当します。その中で講習と演習を受けた者は、6,380人となっています。

 熟練者コースにつきましては、目的にも書いてありますとおり、サービス担当者会議、地域ケア会議等で十分に役割が担えるような人材の育成も考えております。内容的には事例報告、口頭審査等もやりまして、各都道府県での指導、市町村支援等の役割を担っていただいております。加えまして、各都道府県の作業療法士会に推進委員というものをおきまして、普及に努めております。

 次のページに6として、地域包括ケアシステムの実現に向けた作業療法士の提案をまとめてあります。生活行為向上マネジメントは、介護状態にあっても認知症であっても、利用者が「やりたい」「したい」と思っている生活行為に焦点を当てた支援でございます。

 介護される人から主体的な生活をする人に変化し、活動的な生活を営むようにする、それがこのツールの活用する目標であります。その効果をまとめますと、アセスメント、目標設定、プラン作成の一連の過程を利用者とともに行うことにより、利用者自身が主体的な活動に取り組むようになり、できたときの成功体験は達成感、効力感を向上させ、やる気を出し、意欲的な生活に変化させるということを感じております。

 介護認定非該当者の高齢者でありましても、瓶のふたをあける、階段の上り下り、生活の不自由さを感じている方は約3割存在しています。しかし、このような方に用具の活用や環境の整備等を行いますと、ほとんどの方ができるようになります。これは介護予防につながります。

 次に、要支援1、2、要介護1、2の軽度要介護者で、生活課題の原因の特定、予後予測に基づく目標を設定し、段階づけられたきめ細かなプログラムを行うことで、多くが改善し、且つ、生活範囲は拡大していくことがわかっております。

 介護職との同行訪問、ケア会議での情報提供等作業療法士の参画により、介護支援計画が活動と参加に焦点をあてた自立支援型計画に、また、実際の介護現場で過介護を防ぎ、自立に結びつける介護方法になります。

 以上の結果を踏まえ、3点の要望をいたします。

通所リハ等で生活行為向上マネジメントに基づく実践ができるような仕組みにが必要と思います。例えばこういうのを行いなさいと推奨するような形でもいいと思うのですが、ぜひお願いをしたいと思います。

 それから、リハ実施機関からの同行訪問、ケア会議での情報提供など連携の評価が要望します。

 最後に、活動と参加に関する実践について、その質を評価する仕組が必要と考えています。

 以下、次のページから、生活行為向上マネジメントを活用した活動と参加についての事例であります。9事例を参考資料とさせて頂きました。

 事例の概要、ADL、生活目標、介入内容、結果、課題をまとめてあります。

 この中で3枚目に通所リハでの認知症への事例を紹介してあります。家事や畑作業を再開して介護負担が軽減した認知症例であります。脳血管性の認知症で変形性膝関節症をお持ちの方です。ADLIADLの状況は、ここに書いてあるとおり助言による一部介助で、家事や助言が必要な方で、昼夜逆転の症例であります。そこに示しました介入の結果最終的には目標であった農作業ができるようになったという事例であります。

 そのほか、ここに8例ほど挙げましたが、このようにざっと見ていただきますと、いずれも具体的な生活行為の制限に目標を設定し、評価に基づいたきめ細かいプログラムの基、ケアマネジャーさん、介護職員も含めて連携の下、実施をしたら、活動と参加に向上が見られた事例であります。介護保険の制度の中で、生活行為向マネジメントツールは十分に活用できるものと確信しております。

 以上で説明を終わります。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 次に、日本言語聴覚士協会の深浦様より説明をお願いいたします。


○日本言語聴覚士協会 日本言語聴覚士協会の深浦でございます。本日は、このような機会を設けていただき感謝申し上げます。

 私の本日のプレゼンテーションは、1枚目に書いておりますように、1〜5までが言語聴覚士のことに関して。6、7に介護報酬改定に関する、あるいは介護保険に関する提案等について述べていきたいと思います。

 言語聴覚士の対象は、聴覚障害、言語障害、摂食嚥下障害です。新生児から高齢者まで幅広い年齢の方が対象となります。近年、高齢社会が進む中で、言語聴覚士のニーズが高まっています。

 その背景には、高齢者では、ここに示すように難聴の方の比率が高まり、コミュニケーションに困難を生じる方が多くなること。

次のスライドですが、そして死亡原因で肺炎が増加しており、その予防が重要となっていることがあります。

次のスライドです。言語聴覚士は、聴覚障害や言語障害、摂食嚥下障害のある方たちに評価を行い、訓練・指導、その他さまざまな援助に関して計画を立てます。心身機能へのアプローチでは直接的な訓練・指導を行いますが、活動と参加レベルでは本人、家族、周囲の方への助言を、関係する専門職とは連携を図って自立した生活へ向けた取り組みを行っています。

 次に、卒前、卒後教育について御説明いたします。

 卒前教育では、養成課程は高校卒業後3年以上の養成校での養成と、それから4年制大学卒業後に2年課程の養成校での養成が主なものです。現在、7581課程ございます。理学療法士、作業療法士に比べると、随分少のうございます。

 履修すべき内容は、教養科目を中心とした基礎分野。医学、心理学、言語学、音響学、社会福祉・教育などの専門基礎分野、言語聴覚障害学、言語聴覚療法学の専門分野、この専門分野の中には、12単位480時間の臨床実習を含んでおります。全体では93単位となっています。

 次のスライド、卒後教育に関してです。

 協会では、卒後3年までで履修することを目安としている基礎プログラム、これは都道府県の言語聴覚士会が実施しています。5年を1クールとする専門講座プログラム、これは生涯繰り返し履修していきます。

 そして、認定言語聴覚士の課程、これは臨床経験6年以上で基礎と専門プログラムを終了した者に受験資格が与えられます。現在、右側の3つの領域で実施していますが、来年度、聴覚障害領域と発声・発語障害領域を開講する予定です。専門言語聴覚士のコースについても、早急につくらなければいけませんが、現在その制度について検討中でございます。

 次のスライドでございます。

 左上からですが、言語聴覚士の国家試験合格者は、最近は1,500名から大体1,700名程度です。有資格者総数は24,000名弱となっています。学校定員が全校で約2,600人、1年の受験者は約2,400人。そのうちの新卒受験者は1,800人程度であり、供給量には大きな問題があります。会員の4分の3が病院勤務ですが、最近、介護保険領域の従事者が増えています。20代、30代が8割を占め、女性が多い職種です。左下になりますが、高齢者に多い摂食嚥下障害、失語症、構音障害などを対象としている言語聴覚士が多数を占めています。

 それでは、介護保険における言語聴覚療法の提供について、なかなか日が当たっていない分野かもしれませんが、失語症の方に関する点について、1点だけ述べさせていただきます。

 これは、2010年に栃木県病院協会で行った1日調査の結果です。特定療養診療所、支援診療所や訪問看護ステーションを利用する在宅脳卒中患者427名のうち、95名が失語症を有していたと報告されています。その割合は、22.2%となります。失語症は他の原因によっても生じますので、在宅失語症患者の数はもう少し多くなります。

 失語症友の会連合会の調査では、介護保険のサービスを受けられない、あるいは受けていない方が28.2%いると報告されております。

 失語症及びその家族の声として、以下のような点が上げられております。

 「失語症に対する理解が不足しているため、対応が十分ではない」「期間ではなく病状に応じてリハビリの必要性を決めてほしい」「デイサービスは多いが、デイケアが少なく、なかなか入れてもらえない」「言語と身体の障害が重なっていると言語の訓練は受けられない」など、介護保険で受けているリハビリテーションについての要望などが上がっています。また「要介護認定において、失語症が正しく認定されない」「軽症のため保障が受けられないが、外出できず付き添いが必要で、仕事ができない」などの声も上がっています。

 失語症の方は、制度の狭間に置かれている場合が多く、今後、医療と介護の連携を図る上で適切な受け皿を確保する体制が必要であると考えています。

 次のスライドでございます。

 言語聴覚士がかかわる高齢者像には、虚弱高齢者や認知症つまり全般的機能が低下された方と、脳卒中などの疾患後の後遺障害がある方との2つがあります。

 虚弱高齢者や認知症の方には、介護予防の取り組みが重要とされる一方で、脳卒中などの後遺障害を有する高齢者に対しては、回復を促進するリハ専門職の支援が必要です。

 要介護認定において要支援と判定された方でも、失語症等の脳卒中の後遺障害を有し、機能回復の可能性のある場合には、通所サービスにおいてリハ専門職の個別リハビリテーションを受けられる支援体制が必要です。

 私ども言語聴覚士は、今後ますます増加する難聴高齢者が閉じこもりになることなく、地域の中で生きがいを持って生活ができる地域の実現に向けて、聴覚の評価や補聴器等の助言や指導をすることで地域に貢献したいと考えております。

 失語症など、コミュニケーションが困難な方が地域での活動に参加できるように、具体的なコミュニケーション方法に関する助言や指導を行うこと、そして地域の失語症友の会などの地域の活動組織への支援や協力など、コミュニケーション障害者が利用しやすいコミュニティー活動を支援することで、地域に貢献したいと思っております。

 また、他職種と連携を図ることで、肺炎予防や、よりよいコミュニケーション環境づくりを提案し、高齢者・障害者の方のコミュニティー活動への積極的な参加を支援していきたい、貢献していきたいと考えております。

 そのためには、言語聴覚士が介護支援専門員や介護サービス提供事業所、市町村等の依頼によりアセスメントに基づいて助言・指導ができる環境整備が必要です。言語聴覚士が聴覚やコミュニケーション、摂食嚥下に問題を抱える方の個別の相談に応じ、その方に合った対応策をアドバイスできるよう、地域ケア会議などに参画できる環境整備が必要であると考えております。

 最後に、参考資料として「摂食嚥下機能改善が及ぼす効果」とコミュニケーション活動の影響に関することについて、参考資料として付しておりますので、御参照いただければ幸いでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 では、これまで御意見を伺った4団体の皆様方の御説明に対して、委員のほうから御質問がありましたら、お願いいたします。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 24時間在宅ケア研究会の時田先生にお伺います。このサービス自体は非常にすばらしいサービスだと思うのですが、現実的にはなかなか広まらないわけです。大体あるサービスが広まらないという場合にはやはり何か理由があるのですが、今のお話ですと、ほかの介護サービスがあるからとか、給与が安いからとかそういうお話でした。1つ前の給付費分科会でも介護の、特に非常勤のヘルパーさんの、給与はほかに比べても高いというデータも報告されておりましたので、必ずしも安いということではないのだろうと思うのです。

 多分非常に負担が重くて大変だとか、そういう理由があるのではないかという気がします。実際24時間対応するヘルパーさんは、夜勤帯の対応は日勤帯の方がオンコールでされているのか、それとも夜間帯は夜間帯で専門の方がされているのか。そこはどうなっているのか、教えていただけますでしょうか。


24時間在宅ケア研究会 御質問ありがとうございます。

 ヘルパーの稼働の状況というものも先ほどちょっとお話を申し上げましたが、ほとんどの事業所が日中のサービスなのですね。夜間対応型訪問介護をつくるときに、早朝・深夜・夜間のサービスを提供する事業体というものを調査したその数値では、その早朝・夜間にできる事業所は2.8%しかなかったのです、当時でも。

 ですから、一つは教育がありますよね。通常の労働時間は8時間ですけれども、在宅の支援というのは24時間です。ですから、これは訪問介護が、実は特養等の介護施設に受託を始めたのは平成3年です。当時、制度的にそのような補助を国がつけるようになりましたから。そして、その当時、実は中心的にサービスを担っていたのは社協です。結局、社協は身体介護ができないものですから、それで、身体介護が中心の特養に訪問介護の委託が出てきた。それが大体、特養が在宅へ手を染める最初のことだったと思うのですね。

 実際には、24時間働く人材を教育していないというのが大前提なのです。教育機関もその生活を支援するのは24時間だということを教えていないということですね。ですから、当然そういう人材が育っていないというのは当たり前なので、まず教育のところで、在宅を支援するというのは24時間型なのだということを当たり前に教育をしていただかなければ、人材の確保はできないと思います。

 私の法人は、平成4年から特養で人材養成を始めました、神奈川県知事の指定を受けまして。そういう意味では、私はある程度の規模がある法人はみずから人材養成をすればいいと思っているのです。24時間型の人材をみずから養成すればいい。人に依存して人材を確保する時代は終わっていると私は思っている。

 そういう意味では、実はヘルパーさんというのは、実態として教育レベルが非常に高い人たちが多い。そして御自分の生活に則して働いてらっしゃるのです。だから、いわば非常勤の職員を常勤にしろというお話がよく出ますよね、市議会でも。だけども、そういう御相談を申し上げても、ならないのですよ。御自分の生活が中心だから。ですから、ホームヘルパーの働き方というのは極めて多様性がある。そして、御自分の希望するスタイルで働いていただくという、そういう仕組みをつくって私どもは全ての訪問介護を実施しているわけですが、ヘルパーの給与が低いと、確かに全国データ等を拝見するとそういう実態なのですが、それはいわゆる当該法人の方針が現実的にその給与を決めているわけです。

 だから、働き方も法人がお決めになればいいし、そしてその給与の体系も法人が工夫をなさればいい。そういう意味では、実は人件費比率非常に高いのです。通常、訪問介護では人件の比率は80%を超えていますから。それでも報酬自体、全体的な割合からすると、もともと対人サービスというのは人が人に対して行う仕事ですから、報酬は丸々、あるいはそれが人件費として支出をされていっても決して不思議ではないというふうに思っているのです。

 そんな意味で、逆に言えば、そういう机1つ、椅子1つあるというような事業所がいっぱい増えてしまったということですね。そして、サービス自体は昼間のサービスが中心になる。早朝や夜間などとんでもないというような事業所が結局たくさんできてしまったというのが今の現状です。ですから、定期巡回おやりくださいと言っても、現実的にはできないというのが実態でございます。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 東委員、田部井委員の順でお願いします。


○東委員 全老健の東でございます。今は質問のみで、意見はあとの方がよいでしょうか。


○田中滋分科会長 あとで意見の時間をまとめて。まずは質問でよろしくお願いします。


○東委員 では定期巡回・随時対応サービスについて、一般社団法人24時間在宅ケア研究会の時田様に御質問をいたしますが、ヒアリング資料111ページに「訪問介護事業 ヘルパーの就業実態」という非常に興味深い表が出ております。

24時間随時対応の事業所の就業実態を示したものだと理解をしておりますが、これを見ますと、いわゆる夜間、例えば20時を過ぎてから、それから朝の8時までという時間帯の訪問というものが本当に意外に少なく感じているのでございますが、これは需要が余りないということなのか、それとも例えば居宅介護支援事業所等からの理解が少なくて、需要はあるけれどもオーダーがないというのか、そのところをお教えいただきたいと思います。


24時間在宅ケア研究会 今、訪問介護という名のついているサービスは6種類ございます。旧来型のもの、それから予防の訪問介護、それから定期巡回、夜間対応。そして障害者に対する訪問介護。そして自費の訪問介護があります。これらは全て訪問介護として対応していくという事業体は少ないのですけれども、このヘルパーの就業実態をごらんいただきますと、あるサービスに固定していないのですね。いわゆるヘルパーさんの働き方で、空白時間をなるべく設けない。それがいわばこの働き方で報酬が決まっているわけですから。

 そういう意味では、ヘルパーさんの生活を安定させていくためには、実態として常勤化できれば一番いいのですが、御自分の生活を主体に考える方たちが多いです。ですから非常に多趣味な方が非常に多いですね、働いている方たちは。御自分の生活に則して働いている。それが大前提です。

 ですから、今お尋ねのところは2つあったと思いますが、このシフトの組み方のところは非常に複雑です。サービスの提供管理者はこの部分が一番仕事としては困難な部分です。しかし、どなたが時間があいているのか、あるいは働いていただけるのかということはデータできちんと把握ができております。それに応じて、なるべく空白時間がないように働いていただく。あれもこれもやるということが、このグラフで御理解いただけるだろうと思います。

 それから、2点目の早朝・夜間の問題ですが、実は、やはり早朝・夜間はほとんどのお年寄りが寝ていらっしゃるんです。ですが、コール対応を当然している。ペンダントも持っていただいておりますし、あるいはベッドサイドにコールをできるような、そういうシステムになっているのですが、頻回にコールをなさる方の例ではやはり認知症の方が多いのです。しかし、その都度対応します。例えばAさん、どうされましたと。そのコールの対応のオペレーションセンターには、データ管理したお一人お一人のそのデータがございます。ですから、どなたがお呼びになっているかというようなことはすぐわかるわけですから、そしてかかりつけ医から、あるいは看護師から全部データが入っていますので。

 ですから、このコールが当然、病気に対してのコールなのか、あるいはケアのコールなのかというようなことはオペレーターが判断をし、そしてナースに要請をするとか、あるいはヘルパーさんを派遣するとかということは、当然そういう対応の仕組みになっているわけです。

 ですけれども、夜間・早朝というのは、コール自体も大変少のうございますし、そういう御心配で事業への参入をためらっているならば、そんなに大きな不安はございません。そのように御理解をいただければと思います。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 田部井委員、どうぞ。


○田部井委員 24時間ケアについてちょっと伺いたいのですが、認知症の人と家族の会の田部井と申します。

 制度上の24時間ケアの、今の制度上の問題というのは、おおむね御指摘いただいたとおりの課題があるかなと思うのですけれども、もう一つ、私は利用者の側から見たニーズはあるはずなのにということなのですが、利用者の側から見た課題というのを実際に取り組まれていて、分析されてみたりということがございましたら教えていただきたいと思います。

 私どもの感覚でいきますと、デイサービスを例えば認知症の人で大変で毎日利用すると、それで昼間は何とか介護やっていく、夜も大変になったら必要に応じてショートステイを利用するというような形で何とか乗り切って、それ以上、夜も含めてヘルパーさんという形で入っていただいて在宅介護をしのいでいこうというほどまでに、そこにいくまでに私は在宅介護者の多くは疲弊してしまっているのではないかという危惧を持っています。そういうようなところから、受け入れ側から見た24時間ケアの課題というものを分析してみた資料がございましたら教えていただきたいと思います。

 もう一つ、やはりPTさんとOTさんとSTさんに出ていただいて、やはり伺うと、OTさんがやはり認知症については一番熱心かなというふうに思うのですね。ただ、私は、OTさんとPTさんがどこで違うのかというのはよくわからない。それが多分認知症に対する取り組みの差になってきているのではないかと思うのですけれども、こういうことどうかわからないですけれども、PTさんから見た、いや、OTとはここが違うんだというようなこと、あるいはOTさんから見たPTとはここが違うんだというようなことを、ぱっと言えることがありましたら教えていただきたいというのと、それからOTさんは認知症については、それなりに取り組みのあれがあると感じられましたけれども、PTさんとSTさんは認知症についてどんなふうに捉えていらっしゃるのか、一言で結構ですので、お考えを伺えればありがたいと思います。


24時間在宅ケア研究会 最初の御質問だけにお答えを申し上げます。

 私どもは、全国的にかなり啓蒙活動に歩いております。ほとんどが都道府県別あるいは自治体別にケアマネさんを中心にした、いわゆる講演会、セミナー、ワークショップ等で御理解をいただく活動を進めているわけでございますが、本当にこのサービス自体、あるいはこれが全く新しい類型のサービスであるというようなことを、自治体の職員の方も余り御存じないというのが実態です。

 しかし、このサービスというのは、これまでの訪問介護の延長線上にあるような仕組みではございませんで、まさに協同ケアマネジメントという言葉で説明しておりますが、現実にサービス提供の実態というのは、対象者自体が病人ですから、相手は。ある意味では毎日様態が違うと言ってもよろしいと思います。ですから、ケアプランそのものがほとんど役に立たない。現場に行けば実態が違っているというようなことですから、このサービスはまさに適宜、適切なサービスを、その訪問したヘルパーが判断をして提供できるという、そういう仕組みになっております。

 しかし、旧来型の非常に使いにくい訪問介護、やはりイメージが抜けませんね。そして、それがまして利用者の方たちが御存じあるはずがありません。そういう意味で、私は非常に残念だと思いますが、前段ちょっとプレゼンのときに申し上げましたように、旧来型の仕組みというものを温存しながら、さらにそこに定期巡回をのせようという、この制度設計は、私は失敗だったと思います。

 堀田先生を中心にした検討会で私ども議論したのですが、これはやはり、例えば要介護3以上の重度者を在宅で支えるとすれば、もうそれは独占をしていく以外ないと。先ほども私は検討会のシミュレーションに対して、実態として利用者は今1割しかいないという、この制度自体の設計はやはり失敗と言わざるを得なかったと思います。

 そういう意味で、保険者がどういう決意で、在宅で支え続けようとするのかどうか、ここにこのサービスの帰趨は、かかっているというように思っているわけでございます。


○日本理学療法士協会 認知症に対する理学療法と作業療法は何が違うのだという御質問をいただきましたけれども、理学療法というのは、もともと体のほうにアプローチする仕事をやっています。

 例えばちょっと偏った言い方になってしまうかわからないのですが、例えば精神科領域の先生方と今、話し合いをしているのは、精神科の患者さんの中に動かない人もやはりいらっしゃる。動かないことによっていろいろな問題が発生してくるという、その動かないことに理学療法士はどうアプローチするかということをやってきました。

 ところが、最近、認知症に対するいろいろな知見が出始めたのですけれども、我々理学療法士として一番関心を持っているのは、体を動かすことが一番認知症を予防する効果が高いです。そういう意味から、我々はこれまでの考え方を、最近のデータからすると考え直す時期にきているのかなと。また、法律上も作業療法士さんは「心身」となっているのですが、我々は「身体」になっているのですね。そういう違いがもともと組み込まれていることも、ひとつお知りおき願いたいと思います。


○日本作業療法士協会 理学療法と作業療法の違いを一言で述べろということですので、作業療法は、活動と参加を目標として、それができるように具体的な行為の中で変化をさせていきます。そこが一番の違いだと思います。事例報告の写真を見ていただきますと、それは一目瞭然であると思います。具体的な生活行為の課題に対して、目標を設定し、活動と参加のに対するプログラムを立案し、利用者主体の支援を行う、大変わかりやすい治療方法だと思っております。


○日本言語聴覚士協会 御質問ありがとうございました。

 言語聴覚士は、先ほども申し上げましたように、マンパワーの問題がございまして、必要とされるところに多くの人員をまだ配置できていないというところがございます。その一つのあらわれが認知症に対する取り組みであろうと思っております。

 認知症の方々との経験を持っている言語聴覚士たちに話を聞きますと、周りと御本人とのコミュニケーションのずれが、さまざまな周辺症状といわれるものを引き起こしているということがございますので、評価と、コミュニケーションのとり方について介護者の方たちを含め、アドバイスをしていくというのが一つ我々の仕事であろうと認識しております。

 それからもう一点は、私も経験があるのですが、初期に言語の障害、失語症とか構音障害という発音の障害を呈して、その後認知症になっていかれる進行性のものがございます。この初期のときに、きちっと評価をして、対応していくということも我々の責務であろうと思っております。

 また、摂食嚥下、食べることに関して、御承知のように認知症の方も進行するにしたがって困難になってこられます。難しい問題でありますが、できるだけ最後まで自立して食べていただくように、肺炎を起こしたりしないような形での取り組みというものが、もう一つ我々の重要な仕事であろうと認識しております。

 以上でございます。


○田部井委員 ありがとうございます。


○田中滋分科会長 村上委員それから平川委員の順でお願いします。


○村上委員 ありがとうございます。

 まず、時田先生にお尋ねしたいと思います。

 私は特養にいまして、特養の必要性というのは、今後ますます重要であるということを先にお話をさせていただいた上で、私はここでも随分発言させていただいておりますけれども、特養にいる方で元気な方は、やはり帰られたらいいなというふうにずっと思っています。これは介護保険始まる前からそう思っていますし、今、現在もそう思っていまして、今も要介護3以上の人で3人ぐらいは帰ったらいいなと思っているのですよ。帰したいと思っています。

 ただ、やろうと思っても帰る家がないということ、あるいは帰っても重い家族の介護負担が待っている、ついこの間も労働団体から介護者の苦悩というような調査結果が出ておりましたけれども、まさにそういうような状況のところに帰らなければいけないということがあるわけですね。

 今後、これからは老老介護とか、あるいは単身世帯あるいは支え手の減少というようなことを考えますと、そういうことでは大変帰ることが難しくなってきているなと思うわけです。

 そこで私は、介護保険が始まる前から、そして今も、やはり在宅サービスはそこを支えてくれるようなしっかりしたサービスにしてほしいと思っています。この中で24時間対応型というのは、私はそれなりの役割も、それから評価も高いと思っているのですが、実際上、今お話をお聞きいたしまして、そのとおりだなということを一面、感じました。

 そこで1つ、今までもお話しされているのだと思いますが、改めてこの9ページに書かれている、在宅サービスのイノベーションというものは一体どういうふうに考えられているかということを教えていただけたらなと思っております。

 それから、OTPTSTの方々にお尋ねしたいのですが、我々のところにもOTが今から4年ぐらい前に入ってきて特養にいるのですけれども、やはり入所者の自立支援には大きな役割が、機能がその中で発揮されているなと思っています。姿勢だとかあるいは歩行だとか、あるいは活動、コミュニケーション、食事摂取、排泄等、生活全般にわたって大きな役割を果たしていると思うのですが、我々が介護をしているときに中心になるのは介護職ですね。もちろん看護職もいますし栄養士もいますし、そういう意味で、多職種協働なのですけれども、やはりOTの方がいると、OTの人たちは生理的あるいは科学的な視点というものが多少違って、お年寄りを見るときの広がりが物すごく増えるのですね。そういう意味では、高齢者の生活状態だとか生活環境にすごく大きな役割があるなと、常日ごろ私、思っております。

 ただ、残念ながら、この方々を評価してもらうのは機能訓練指導員として役割をとる以外にないのですね。改めて、PTSTOTの方々の協会として、特養にそういうような専門職が入ったときの配置に対しての加算体系、これをぜひ考えていただけたらなと思いますが、何かそこら辺で考えていることがあれば、教えていただきたいと思います。

 以上です。


24時間在宅ケア研究会 御質問ありがとうございます。

 今、この人材の確保がこれほど困難な社会を迎えて、しかも先般の国民会議の1つのキーワードとしては「一人一人の個人がどこで暮らしていても、同じサービスが受けられる社会をつくる」というのが1つのフレーズだったと思います。私は全くそのとおりだと思うのですね。

 少ない人材を、なるべく多くの方にサービスとして提供する仕組みをつくるというのは、かなり難しいと思っています。やはり重点化せざるを得ない。そういう意味での今回の制度改正の方向性というものを、理解をしているわけですが、基本的に申し上げて、私の法人も、もちろん特養も経営しておりますが、37年前に創設をしたときに、どうも違うのではないかと、お年寄り御本人がみずから希望して入所をなさる人というのは、そうはいない。やはり介護者が介護負担に苦しんで、いわば行く先を特養に求めたわけですね。

 だけど、特養に入所させた家族はそれで肩が抜けたかと、やはりそうではないのです。入所させても、やはり自分の親しい家族をよそに預けていることについて、うしろめたいとか、あるいは毎日気がかりであるというような、そういうお声をたくさん聞きました。そういう意味では、できれば施設に入らないで在宅で暮らし続けられる仕組みをみんなでつくらなければいけないというのが、私のこの37年の経験の中で進めてきたことでございます。

 そんな意味で、この定期巡回というものは、先ほど堀田先生が究極のサービスというふうにおっしゃったとおり、まさに在宅を支える基幹的なサービスであり、しかも地域包括ケアシステムの構築をする上のベースとして、これをどうしても定着させなくてはいけない。これの生死にかかっていると私は思っているのです。

 そんな意味で、私は1つの御提案ですが、前の老健局長のときに私がお願いをいたしましたのは、例えば今の人員設備及び運営の基準というのは、1つのところに人材を張りつけてしまっている。これでは人材が生きないし、いわばもっと人間というのは多機能であり、そして優秀な、ある意味では機能ですよね。これを複合化する以外ない、そういう意味で基準省令を緩めてほしいとお願いしました。そして、現実になりました。

 夜間・深夜などで女性が1人で訪問するというのは非常に危険です。そういうときには特養なり老健なりの、当然職員を加配しているわけですから。その人に兼務していただければいいじゃないかという形で今、実施ができているわけです。

 そんな意味では、24時間対応できている老健、療養型あるいは特養が積極的に定期巡回に参加をなさったらいいと思っています。もちろん現在も定期巡回に参加をされている社福は少なくはありませんけれども、それを、むしろ入所施設が積極的に対応なさり、中もやれば外もやる。こういうような仕組みになさったらどうかと思っているわけです。そうすれば、一挙に私はサービスは進むのだろうと、そんなように思っている次第でございます。


○日本理学療法士協会 特養等へのリハビリテーション専門職の配置はどうだというお話をいただいたのですが、3協会で施設の定員化ということは検討しまして、ただ、一度に定員化は難しいということから、外づけというところでしっかりとしたものをもっとつくる必要がまずあるんじゃないのかというところで、考えております。

 将来については、やはり定員化等々ができて、しっかりとサポートできる体制ができればいいというふうにも思っておりますが、現状ですぐ定員化というのもどうなのだろうというところで、一歩引いた形で外づけ機能を考えております。


○田中滋分科会長 きょうは3時間なので、途中に休憩を入れたいと思っています。したがって、その前に平川委員が最後で、また休憩後に。


○平川委員 ありがとうございます。時間がないので、簡単に。

 作業療法士会と理学療法士会にお聞きします。人材不足の関係でそれぞれの職種、大変貴重な存在になっております。一方で、このリハビリに対してのニーズというものは大変高くなっています。先般、第106回の介護給付費分科会におきまして、居宅サービスにおけるリハビリテーションの課題が出されています。

 その中で、心身機能、活動、参加のそれぞれの要素にバランスよく働きかけるリハビリテーションが課題になっています。バランスのとれたリハビリの課題というものを教えてください。また、介護職との連携については、基本的には専門の、OTPTさんの専門的な支援というものは大変重要だと思いますが、一方で全て生活全編にわたるリハビリテーションというところまで全てOTPTさんがやるのかどうか、介護職にどうやってつなげていくのかという課題について、お聞きをしたいと思います。

 以上です。


○日本理学療法士協会 バランスのよいリハビリテーションとは何なんだということの1つの質問かなと思いますけれども、もともとリハビリテーションというのは、社会復帰させることが目的なのですよね。社会復帰させることが目的で始まった医療体系なのです。

 障害者に対しての社会復帰を促すということがそうだったのですけれども、この超高齢社会になって診療報酬上、在宅復帰率というものが大体目安になっていったわけです。その中で、リハビリテーション全体が、家に帰せば成功だというような評価がずっと続いてしまったんです。

 ですから、本当は社会復帰させるべきリハビリテーション医療が、家に帰せばいいんだみたいにちょっと矮小化されてしまった。本来の形に戻せば、当然活動・参加はあるはずなのです。社会参加させるのがリハビリテーション医療。これが原理原則ですから、ところが、それが今、若干、この超高齢社会になっていった中で、制度の中でちょっとリハビリテーション医療がかなり狂ってしまったよねというようなことを、私は強く感じております。


○日本作業療法士協会 御質問ありがとうございます。

106回に出ましたあのデータが、実にショックであります。あれはPTOT、ナースが同じようなことをしていて、これでいいのだろうか、もっとバランスのいいアプローチをしなさいという警告だったと思います。

 作業療法士はADLIADLを主に行うわけですから、あのデータは、作業療法士はちゃんとしなさい、というデータだと私は思っております。そういう意味でも、生活行為向上マネジメントを用いて、全ての作業療法士がそういうアプローチをできるように、ぜひ、していきたいと考えている次第であります。

 それから、生活全般に対するアプローチ、介護職との連携という御質問ですが、実際、生活行為向上マネジメントは、1日それから1週間、1カ月、全体に多職種がどういうふうにかかわったらいいかということをあらわしたマネジメントであります。ですから、連携のところで使ってみても効果が出るということでありますので、そういう意味では、他職種を含めたアプローチをしていく、多職種連携でやっていくというふうに考えております。

 以上です。


○日本理学療法士協会 1点、御質問を忘れてしまって。介護職との関係についてですね。リハビリテーション専門職の技術移転を介護職にやれる範囲やって、その中でいろいろな情報収集等をやるということについて、もっと綿密なものをつくっていただきたい。可能な限りの技術移転、あるいは評価、そういうこともちゃんと身につけていただくための我々の協力が必要だったらそれをやりましょうというようなことを考えております。


○田中滋分科会長 まだ質問があるかもしれませんが、残りのお三方の御発表もあります。それを踏まえて質疑それから最後に先ほど東委員のときに申し上げました、委員の側からの意見というふうに進めてまいります。

 ここで10分間の休憩を入れさせていただきます。

 

(休  憩)

 

○田中滋分科会長 およそ10分たちましたので、審議を再開いたします。

 後半については、全国特定施設事業者協議会、全国軽費老人ホーム協議会、サービス付き高齢者向け住宅協会の順で資料を御説明いただき、その後、質疑時間をとります。

 さらに、全体の討議を行いますが、その段階で前半の方々に対する質問をしていただいても結構です。

 最初に、全国特定施設事業者協議会の市原様より、説明をお願いいたします。


○全国特定施設事業者協議会 全国特定施設事業者協議会代表理事を務めております市原と申します。本日は、このような機会を賜りまして、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 特定施設は、介護保険の創設以来、順調に拡大しておりまして、現在では18万人の利用者、入居者規模にまで拡大してまいりました。高齢者の住まいとして、介護サービスを提供する施設として、大変重要な役割を果たしていると自負しております。

 今般の法改正により、特養の入所も原則要介護3以上という制限が設けられ厳しくなると伺っております。今後ますます軽度要介護の方が特定施設に入居するという流れも生まれてくるのではないかと想定しております。

 もちろん特定施設でも重度の介護の方はいらっしゃいますし、軽度の方から、その方がだんだんお年を召されて重度になられても、認知症を併発されても、あるいは医療的な措置が必要になっても住み続けられ、さらに看取りのところまで特定施設は取り組んでおります。本当に最期までお住まいになれる、介護サービスを提供する住まいということの役割を、今、一生懸命取り組んでいるところであります。

 このように地域包括ケアシステムにおいても重要な役割を果たしていると認識しております。都市部がこれから非常に高齢化してまいりますが、地域においても介護保険事業計画の中に特定施設をきちんと位置づけいただきたいと存じます。各地域において特定施設に対する需要もきちんと測定していただき、介護保険事業計画の中に特定施設をさらに適切に位置づけていただいて、高齢社会に貢献してまいりたいと考えております。

 それでは、お手元の資料「平成27年度介護報酬改定に向けての意見」を御高覧いただきたいと思います。これから「特定協」というふうに省略させていただきます。

 あけて1ページ、右下にページを打っておりますので、御参考になさってください。

 1ページ目は、特定協の組織の御説明です。

 今、全国で特定施設は4,100強ございますが、うち1,900施設が特定協の加盟会員で、組織率は46%です。特定施設としては、有料老人ホームと軽費老人ホームとサービス付き高齢者住宅、この3種類がありますが、その全ての全特定施設の施設数が4,149施設、うち1,900施設が特定協の会員になっていただいております。組織率46%です。

 2ページ目へまいりまして、特定協としてはいろいろな活動をしておりますが、サービスの質の向上につながります職員の研修にも力を入れております。今年のプログラムとしては、2ページに表記しております。看護師の研修等も実施しておりまして、日本看護協会の齋藤訓子先生にも御指導・御協力をいただいて、看護師の研修等も実施をしております。

 3ページへまいりまして、今回の意見陳述においては、3本の柱を立てております。

 1つ目は、急速に高齢化が進む都市部における人材の確保について、これは先ほど時田先生もおっしゃっておりましたが、それについての意見、要望。

 2つ目が、特定施設においても、認知症、重度化、あるいは医療的措置、あるいは看取りの対応についても、積極的に取り組んでおりますので、それについての評価をいただきたいという意見、要望。

 3つ目が、特定施設を地域の社会資源として積極的に活用いただきたいということの観点からの意見、要望を申し述べさせていただきます。

以上、3本の柱で申し上げていきたいと思います。

 4ページですが、まず最初の1つ目の柱として「今後、急速に高齢化が進む都市部における人材確保のために」ということで意見を申し述べさせていただきます。

 5ページをごらんいただきたいと思うのですが、サービス別に、そのサービスの提供がどこでなされているか、級地別にお示ししております。

 左上から定期巡回・随時対応型、特定施設入居者生活介護等々、サービス別に並べておりますが、1級地、2級地、色別で分類しておりまして、これは1級地に存在している、あるいはサービス提供しているというふうに読み取っていただきたいと思います。特定施設入居者生活介護は、1級地は濃い紺のところ、2級地は薄いグレー、3級地はやや薄いブルーのところと、都市部にサービスを展開しているという実態になっております。

 6ページ、都市部において人材確保が非常に困難だというエビデンスなのですが、この6ページの棒グラフですが、求人の倍率をお示ししてあります。このブルーのほうが職業の合計で、赤い棒グラフが介護関係の職種です。介護関係は約2倍の求人率になっております。高いところでは、東京都の3.5倍ぐらい、愛知県の4倍近くということで、非常に求人倍率が高くなっております。それから、6ページの下段の表では、これから都市部において75歳以上の高齢者が非常に増えてまいります。1.7倍〜2倍ぐらいの75歳の人口が増えてまいります。

 7ページ、特定協の調査においても、特に1級地、2級地の職員の給与は相当高くなっております。特定施設としても頑張って職員の給料は上げているところですが、これだけの給料を出しても、なかなか職員が集まらないということで苦労しております。この右上の折れ線グラフは常勤職員の給与の級地別の給与の平均値です。左下の折れ線グラフは非常勤の職員です。

 8ページ、これは介護労働安定センターの調査ですけが、特定施設においては施設で職員が不足している状態が悪化しているというデータが出ております。

 9ページ、特別養護老人ホームと特定施設の職種別の給与を比較しております。向かって左上のところ、棒グラフ、グレーのほうが老人福祉施設の給与、濃い紺が特定施設の給与で、看護師においても4万〜5万円ぐらい、准看護師においてもそのくらいの給与の開きが出ております。

 その一方、同じ9ページの右のほうのグラフですが、1人当たりの給付においては、特定施設は少し低い水準になっております。総数のところだけ申し上げますと、特定施設の1人当たりの給付の金額は21万円ぐらいですね、この紺の棒グラフが特定施設の1人当たりの給付額ですが、21万円ぐらいになっております。特養等に比べると数万円ほど低くなっているというのが御理解いただけると思います。

 以上の点から申し上げまして、特定施設においても、介護福祉士とか、優れた人材を募集し、配置をしていく努力をしておりますので、そのサービス提供体制を強化するための加算、例えば介護福祉士が半数以上ですとか、勤続年数3年以上が75%といったような条件のもとに、サービス提供体制強化加算の創設をぜひ御検討いただきたいと考えております。

10ページへまいりまして、特定施設の「人件費割合の見直しによる地域区分単価の引き上げ」について意見を申し述べさせていただきます。今、特定施設は総収入に占める人件費の割合が45%というところに位置づけをされております。これは特養も老健もグループホームも同じなのですが、経営の実態としては、人件費の比率は45%ではなくて、やはり6070%ぐらいの人件費の比率がございます。そこについてはぜひ見直しをいただいて、人件費率実態に合わせて70%のグループに入れていただきたいと考えております。

11ページ、特定協独自の実態調査なのですが、特定施設の人件費の割合は70%ぐらいというデータも出ております。

 それから、今般消費税、4月に8%へ引き上げになりましたが、そのとき介護報酬におけるいわゆる物件費比率、これは調査の結果に基づくものだと思いますが、20%相当というデータが出ておりました。残りの70なり80%は人件費ということであれば、もう少し人件費率は45%ではなくて70%近くというふうに評価をいただいてもよろしいのではないかなと考えております。

 次に、12ページへまいりまして「特定施設における認知症ケア、重度化および看取り介護のために」の意見を申し述べさせていただきます。

13ページですが、この赤い枠の中、特定施設において認知症の方が今11万人と推計されております。入居者の数が18万人ですから、半分強の方が認知症というふうに推定されております。これが、あと5年後には19万人、約20万人と推計されており、特定施設が認知症ケアに果たす役割が拡大する実態が見てとれます。

14ページ「特定施設における医療ニーズと看護職員の体制について」のデータをお示ししております。

 まず、特定施設に入居される方が、どちらから入居されているかというデータが14ページの左上、図表1「最近3か月の入居者の入居前の生活場所 合計数」ということで、医療機関から特定施設に入居されている方が36.8%。それから介護保険施設から特定施設に入居されている方が8.5%。40%強の方が病院あるいは介護保険施設からの入居者です。

 それから、看護師をどういうふうに配置しているか。24時間で夜間も含めて看護師を置いている特定施設が15%の比率まで高まってまいりました。やはり夜間の看護も必要だということで、看護師の配置も手厚くしているという実態が見てとれると思います。

15ページ、特定施設でどのような医療的ケアが行われているか、これは在宅療養支援診療所の先生の指導に基づいて看護師が提供している医療的サービスとお考えいただきたいのですが、例えば真ん中の「胃ろうによる栄養管理」等については、特養では12.9%ぐらいですが、特定施設においても、薄い紫の柱ですけれども、入居者に占める割合は平均5.3%ぐらいとなっています。特定施設においても胃ろう等の医療措置を提供しているというデータであります。

 そのほか、ストーマですとか酸素療法等々の医療的措置も、特定施設においても提供しているという実態のデータであります。

16ページ、認知症ケアや医療行為が必要になってくる入居者に対しましては、やはり相当数の時間数、ケアの提供量が増えるという実態があります。16ページの左上のこの横の棒グラフですが、認知症(ローマ数字3)のレベルになると、赤い丸で囲ってあります26分とか21分、これは食事ケアとか排泄ケアの時間数をあらわしておりますが、食事とか排泄のケアの時間が長くなってまいります。それから、もう一つ赤丸、右に囲っておりますが124分というところで、これは見守りの時間が増えてまいります。

 その下段、図表2のところ、医療的措置において経管栄養等がありますと、このケア提供時間が106分もの医療的な処置ですとかあるいは服薬管理、こういったところが増えてまいります。認知症あるいは医療的処置が必要ですと、ケアの投入量が増えてまいりますというデータが16ページです。医療的措置等についても積極的に取り組んでおりますので、この辺はいろいろな評価で評価いただけるとありがたいと考えております。

17ページ、先ほど申しましたが、特定施設あるいは介護付有料老人ホームに、どちらから入居されてきたかというデータですが、医療機関から36.8%、これは入居のときですが、今度、契約終了、退去のとき、死亡されて契約終了する方が55%いらっしゃいます。この55%の死亡終了の方のうち、18ページへまいりますが、半数ぐらいの方は特定施設あるいは特定施設の中の一時介護室、健康管理室等で亡くなっております。この円グラフの赤い部分、これが有料老人ホームの特定施設、居室で亡くなった方が48.1%。それからやや薄い赤い色のところが一時介護室、健康管理室で亡くなった方。約半数の方が特定施設内で亡くなっております。これは3年前のデータに比べると14%ぐらい増えておりますので、特定施設において、看取りにも積極的に取り組んでいるということを見てとっていただけるのではないかと思います。

19ページ、看取りに対する取り組みについては、都市部のほうがやや進んでいるという傾向が見てとれます。都市部において、住み慣れた特定施設で最期が迎えられるように私たちも積極的に取り組んでおりますし、ぜひ老人福祉施設様と同じように「看取り介護加算」についての拡充をお願いできれば幸いと思っております。前回改定で特定施設は、看取り介護加算を設けていただいたのですけれども、さらなる拡充について御検討いただけるとありがたいと思っております。

20ページ、特定施設入居者は服薬の数が多いと、薬の数が多いという御指摘がありまして検証いたしました。ただ、検証の母数・時間がちょっと少なかったので、有意な検証結果は出ておりませんが、今後、特定施設において服薬管理をどのようにやっていくかということの取り組みの第一歩ということで、20ページにお示しをしております。説明は省略させていただきます。

21ページ、特定施設の入居者といえども入院することがありまして、入院先から特定施設へ戻すと、帰すという取り組みの1つとして、あるいは年末年始、正月等で一時的に特定施設に帰すといったときに、その一時的な帰宅のときは、居宅介護サービス費が算定できません。特定施設としての介護保険給付が請求できませんので、ここについては御検討いただけるとありがたいという要望です。

 最後22ページ「地域の社会資源としての特定施設の更なる活用」ということで、ぜひ介護保険事業計画においても積極的に位置付けていただきたいと思います。また、前回改定で特定施設の短期利用を認めていただいているのですが、なかなかこの短期利用が進んでおりません。理由としては、開設3年以上ですとか、あるいは入居率が80%以上というような、利用の厳しい要件が課せられておりますので、なかなかこの短期利用についての活用が進んでおりません。この要件を緩和いただいて、ぜひ地域包括ケアシステムの中で、短期利用等で特定施設も活用いただくという方法もあると考えております。

 そのほか、地域包括ケアの1つの特定施設の役割としては、災害とか避難時に特定施設のサービスを使っていただくとか、あるいは高齢者を受け入れるというような役割も果たしていかなくてはいけないと思っております。

 以上で、当協議会からの要望、意見について陳述を終わります。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 次に、全国軽費老人ホーム協議会の川西様より、説明をお願いいたします。


○全国軽費老人ホーム協議会 失礼いたします。全国軽費老人ホーム協議会の川西と申します。まず、この場にお呼びいただきましたことに、心より感謝申し上げます。

 私どもは、老人福祉施設でありながら、介護保険の施設ではございません。居宅系のサービスを使うというような立場で、今、資料にもありますが、2004年に一般財源化されて主体は都道府県ということで、財源が都道府県から補助金という形で流れてきております。

 したがいまして、この場でそぐわないという話が出るかもしれませんが、あらかじめ御了承をいただきたいと思います。

 まず自己紹介といいますか、団体の紹介ということなのですけれども、まず制度は昭和38年、老人福祉法施行と同時に軽費老人ホームは創設されまして、昨年50周年といいますか、50年を迎えました。私どもの団体も昨年11月に30周年ということで、その前年に一般社団法人化をしております。

 現在、資料にもございますが、約2,200の施設が全国にございまして、4分の1強が我々の団体に加盟しております。

2004年に一般財源化ということは申し上げたとおりで、国から都道府県に財源、権限、全て移譲されたということでございまして、2008年に基準省令というもので都道府県のばらつきを縛るような省令を発令をしていただいたということでございます。

 一般財源化と同時に、ケアハウスの一本化という方針は示されているのですが、軽費のA型、B型ケアハウス、現在、たまゆらの問題以降、都市型ケアハウスが創設された現在、4種類の施設がございます。

 今日の添付されている4ページ以降の資料は、ほとんど104回の社会保障審議会介護給付費分科会で配付されている資料でございます。

 4ページの上をまず見ていただきますと、平成25年の12月に、要望にもありますけれども、軽費老人ホームについては、低所得高齢者や介護保険制度等ではできない社会的保護を要する高齢者の生活を支える機能を一層発揮できるよう、新たな役割や在り方について検討していく必要がある、この資料は平成25年度の国庫補助事業、老健事業の全国調査で出ました報告書でございまして、まず冒頭にお願いしたいのは、国費を拠出して出された報告書ですね、ぜひとも具体化といいますか、実現できるように早急にお願いしたいと考えております。

 地域包括ケアということで、介護保険の第5期に入ってからこれが言われておるわけで、一言で申しますと、軽費老人ホームも新型、地域包括型にモデルチェンジをしなさいという方向性が示されたと考えております。

 ただ、モデルチェンジをするには、やはりこの規制を緩和していただいたり、財源を伴うようなことが出てきているのではないかと考えております。

 1ページの説明からいかせていただきますが、まず課題整理ということで、利用者ニーズの多様化というものがございます。

 資料の7ページにございますが、全てのページを説明しませんので、7ページの上段の資料41と書いてあるところに「介護ニーズに特化」とか「介護+社会的保護ニーズに対応」とか「社会的保護が必要な高齢者を積極的に受け入れ」とかいうことでございますが、冒頭にも申し上げましたように、特養は介護保険と同時に介護保険施設に移行しましたが、養護老人ホーム、軽費老人ホームに関しましては、国から都道府県にといいましても、財源は公序である税ベースでございます。

 それと、枠組みも介護保険の認定制度の枠組みから外れた社会的保護を要する方、具体的には知的障害であったり精神障害であったり、一部生活保護であったり、虐待を受けた人であったり、そういう方が利用されていらっしゃいます。そういう人の対応ということで、なかなか介護保険制度の枠組みの中では対応できないということがございます。

 2番目に「地方分権・一般財源化による財源問題」と書いてありますが、5ページと8ページが関連いたします。

 5ページのほうで、下段の平成16年にと書かれてありますが、三位一体改革によりまして、今財源は都道府県から流れているということなのですけれども、国から地方交付税にまぜ込んで事務費補助金がまいりまして、各施設へ都道府県から支給されるという形でございます。

 国のときは民間給与等改善費、これは処遇改善交付金なんかにあたるようなものでございます。施設機能強化推進費等の加算がついておりましたが、一般財源化で都道府県に移行されてからそういうものが撤廃されて、加算がついていないということが現在の殆どの都道府県の現状でございます。

 非常にそういう支給が厳しくなったということと、8ページの下段にございますが、本年の4月から消費税が増税されまして、これは国策ということでございますが、105分の108ということになりまして、全国で6県ぐらいは利用者の生活費が、増税分を利用者負担しなさいというのが現在6県ぐらいございますが、ほかは変わっていません。

 事務費補助金のほうに関しては、国のほうはこういう通知を出しているのですが、都道府県で改善して消費税増税分を出したということは、まだ1県も聞いておりません。

 そういう意味で、平均50名で年間150万円ぐらいの支出増ということで、特養等と比較しまして軽費老人ホームは非常に小規模な団体が多くて、その辺の問題で財源問題が非常に出てきているというのが課題2でございます。

 あと「重度化対応問題」と、過半数の方が介護保険の該当という認定を受けているのですが、隣の特定協の方もいらっしゃいますけれども、なかなか特定の指定が、基礎自治体、保険者のほうから総量規制で受けられない。有料老人ホームあり、サービス付き高齢者向け住宅ありで、なかなか基礎自治体もそう簡単にはということなのですが、50年以上の歴史を持つ軽費老人ホームが、同列で総量規制がなされているのですが、来年の4月から、特養が要介護3以上の重度者しか対応できませんので、もっと介護保険の要介護の方が増えてくるだろうということがございます。これも基礎自治体による総量規制の問題があるということでございます。

 4番目、そもそも公費による施設整備補助金があってつくられてきたのですけれども、介護保険に入って、非常にそういう大規模修繕とか立て替えた補助金が出ないため、再生産が困難になってきております。

 ある都市部で、昭和47年ぐらいの創設で、建てかえができないので平成28年の末に廃業するというようなところが出てきているというふうに聞いております。特定の指定のこととか、いろいろなことがあるのですけれども、低所得の人たちのためのセーフティーネットと考えているのですが、そういうものが再生産できないという事情が現在出てきているということでございます。

 後発でサ高住が15万人分ぐらい出てきたのでいいんじゃないかという意見もあるかもしれませんが、なかなか家賃だとか居住費の部分で拠出できないという高齢者が多いと、生活困窮者問題とかいろいろ、生活保護の増大とかということで、時代は古い軽費老人ホーム、もう一度リモデルして役割要請される部分があるのではないかと考えております。

 それと、社会的認知が低い、7ページをあけてください。

 これは全国調査で、下の部分ですけれども、都道府県と基礎自治体と分けておりますが、都道府県でも、ある程度認識しているというのが4分の1で、余り認識していない、認識していないというのが4分の3あるのですね。基礎自治体に至っては、8割以上が軽費老人ホームをわかっていないということなのですね。

 そもそも、直接契約で始まった入所形態ですので、行政が余り関与しないということもあるのかもしれませんが、低所得の方の入所施設ということで、先ほど申しましたように社会的保護を要する方もいらっしゃるということで、一部、生活保護の受け入れ入所を認めているのは8割弱とかということですが、軽費老人ホームに生活保護受給者の入所を認めない自治体も2割程度あるということでございまして、余り機能と役割を認識されていないという自治体も多いというのが課題の最後でございます。

 それと「今後の方向性」ということでございますが、施設福祉が中心の時代から1990年代からゴールドプランで在宅福祉を重視しようと、在宅福祉と施設福祉は車の両輪という時代を経て、地域福祉から現在、地域包括ケアという時代に入りました。

 そもそも施設で入所だけを対応していたらいいということでございますけれども、施設が立地する地域の中に社会的保護を要する方がいらっしゃって、その人たちに対してアウトリーチしていくとか、エンパワーするとか、それと支え合いを日中は活動で支えていくとか、短期入所生活支援。特養では短期入所生活介護というのは、ショートステイで対応できているのですが、先ほど申しましたように、その枠組みから外れる方で、一時的に虐待等で保護しないといけない方がありまして、全国の軽費で大体20%ぐらい、そういう方を受け入れたりしているという結果もありまして、そういうことを制度化していく必要もあるのではないかということが、この国庫補助事業の中でもいわれております。具体的に第2種社会福祉事業とか、そういう形で制度化していく必要があるのではないかということが言われております。

 あと、地域包括ケアの中で、同じようなことになるのですけれども、そういう方を我々の言葉で言いかえますと「ケアマネジメントからソーシャルワークへ」と言っているのですね。介護保険が始まってから、介護で対応できないことにもっと広い福祉といいますか、そういう中でやはり新しい機能というものが求められているということでございます。

 モデルチェンジをするためには、先ほど相談援助なんかもしていくときに老人介護支援センターなんかを併設したらいいということなのですが、ソーシャルワーカーといいますか、生活相談員の兼務要件が認められていないとか、制度の壁がありまして、そういう要件も緩和していく必要があるのではないかということがございます。新たに配置すると相談員の人件費が出てくるということになります。

 そういう再生産も含めて、その2,200の拠点があるのに、なかなかそういうふうな機能を現在はしていないものがあるので、機能するようにやはりしていく必要があるのではないか。

 2番目のほうのものですが、先ほど申しましたけれども、特定施設入居者生活介護というものが自治体での総量規制がなかなか厳しいので、そういうことを見直して要介護の人をもう少し入りやすくするということをしてもらいたいということでございます。

 先ほど相談員のことを言いましたが、職員の件も要件の緩和、それからその辺を、人件費ということなのですけれども、これはお手元の資料の11ページ、これは前の資料ではなくて、新たに厚労省のほうから頂戴した資料でございますが「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置」というものがございます。

 申し上げましたように、軽費老人ホームも地域包括ケア型に転換するというのであれば、地域のほうへ出て行くこういう職員のことも、ここでは「社会福祉法人等」というのが11ページの下の右のほうに書かれてありますので、設置主体が社会福祉法人になりますので、軽費老人ホームも該当するのかなと考えておりますが、事務費補助金、税ベースのお金の流れから、やはりこの介護予防であるとか地域支援というものの予算で軽費老人ホームが地域化できるような財源確保といいますか、そういうことができないだろうかというお願いでございます。

 それから「来年4月」というのは10月の間違いですね。これは来年消費税がまた増税が検討されているということで、福祉目的税というふうにいわれておりますが、現在ではなかなかそれが、消費税支出分の収入が行政から手立てされていないのでこれ以上の支出が出ていくと、死活問題になるのではないかという現場の意見がありまして書かせていただきました。

 その次の部分は、今、申し上げましたように、介護予防、地域支援の範疇で軽費老人ホームを地域包括型へモデルチェンジするということを検討していただけないかなと。

 最後のものですが、そもそもゴールドプラン、新ゴールドプランでは計画に目標数値を明記されていました軽費老人ホーム、ケアハウス、それが今どこにも、公的な計画に軽費老人ホームと見えないのですね。だから、これをやはり行政とか都道府県とか基礎自治体が知らないということは、書かないから知らないのであって、やはりこの辺の社会的認知を高められるように、自治体の計画に明記するように御検討いただきたいということでございます。

 ちょっと説明不足なこともありますが、あと、資料の中にございますので、お目通しいただければ幸いと思います。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 最後になりましたが、サービス付き高齢者向け住宅協会の奥村様より、説明をお願いいたします。


○サービス付き高齢者向け住宅協会 サービス付き高齢者向け住宅協会の奥村でございます。最後でございます。もうしばらく御辛抱いただければと思います。

 まず、1ページ目でございます。

 そもそも、サービス付き高齢者向け住宅の「サービス」は何かということを確認したいのですけれども、少なくとも安否確認・生活相談を提供することはサービス付き高齢者向け住宅では必須でございますが、それ以外のサービス、食事、介護サービスなどは任意でございます。サービス付き高齢者向け住宅は、住まいの類型であるということを認識していただきたいと思います。

 居室面積は、一応25平米以上が原則でございます。有料老人ホームよりは基準としては広くて、賃貸借契約が多く、居住の安定が図られているということでございます。

 2ページ目でございます。

 御存じのように「地域包括ケアの目的」は、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けて送ることができるということでございます。それを支援するということでございます。

 したがって、要は自宅や集合住宅、高齢者の住まいをそのまま、サービスが足りないからといって施設へ入居するのではなく、医療とか介護の連携をとって、住まいの移動を防ぐようにするということが地域包括ケアの目的ではないかと思います。

 3ページ目でございます。

 「住まいとケアの分離」についてでございますが、自宅はこのようになっております。住まいはそのままで、介護度が重くなるにつれてケアの部分が増えていくということでございます。サービス付き高齢者向け住宅は、自宅に安否確認と生活相談が最低限ついているということでございます。したがいまして、サービス付き高齢者向け住宅で住み続けられないということであれば、ひとり住まいの御自宅の方は、皆さん施設に移動しなければならないということになってしまうのではないかと思います。要は、サービス付き高齢者向け住宅は居宅であるということを言いたいということでございます。

 4ページが今の現状でございます。上のほうの棒グラフを見ていただきたいのですが、全体としては今、4,900件、4,900棟と言ってもいいと思います。登録戸数は157,000戸ぐらいでございます。

 制度の初めのあたり、この棒グラフの上の24年の2月、3月は、これは高専賃からの移行でございます。多分40,000戸ぐらいだったと思います。2月、3月にちょっと登録が多いのは、これは補助金の締め切りの関係だと思われます。実像としましては、100,000戸ぐらいが新規で増えたのかなという感じでございます。最近やや登録数が減っているのではないかなと思いますが、これはちょっとまだわかりません。

 次のページを見ていただきたいと思います。

 サービス付き高齢者向け住宅の供給目標でございますけれども、国の目標として有料老人ホーム等を含めて、高齢者人口に対する高齢者向けの住宅を3%から5%にするという目標があったと思います。それでいきますと、この下のほうの棒グラフですと、2020年には108万戸、これが3%でございます。このぐらいの戸数が要るということです。

 6ページに円グラフがあります。これは、円グラフのほうは、要支援・要介護認定者の約590万人の方がどこにいるかというグラフでございます。自宅が圧倒的に多いわけですが、この下のほうが高齢者の住まいとした場合、特養、老健などの施設系に比べて大体半分ぐらいでございます。

 右下の高齢者人口3,200万人に対しては、住宅系というのはまだ66万人、2.1%しかなくて、先ほどの108万戸に比べますと、40万戸ぐらいまだまだ足りないということが言えるのではないかと思います。

 7ページにいきまして、ところで、サービス付き高齢者向け住宅の外づけサービス、介護保険サービスのことですが、どれぐらい請求しているのかという実態、これは大手のA社、B社、緑は在宅専門のC社でございます。赤がA社、青がB社、これはサービス付き高齢者向け住宅でございます。縦が報酬点数、横が要介護度別になっております。これは6月の、それなりにN数が多いので、実態として見ることが出来るのではと思われます。

 A社については併設の訪問介護事業所の点数でございますが、B社は福祉用具も全て、デイサービスも含めた点数になっております。グリーンのほうは在宅だけでございます。ひとり住まいも、家族がいらっしゃる方も含めておりますが、これで比べますと、在宅と比較してサービス付き高齢者向け住宅はそれほど大きな違い、あくまで平均ですが、多いか少ないか、それほど変わりはないのではないかなと思います。当然ですけれども、それぞれの報酬限度額からはかなり低いという実態があるのではないかと思います。

 8ページ、これはA社のある住宅の個人別の介護保険利用額になります。1番、要介護度4の方を見ていただきたいのですが、この方は145,000円ぐらい使われております。訪問介護と福祉用具とあわせてということです。要介護度4にしてはちょっと少ないのですけれども、支給限度額に対しては47%、その横に特定施設、仮、参考ですが、特定施設は、これは包括報酬ですけれども、比較した場合、64%ぐらい少ないということでございます。

 8番を見ていただきたいのですが、これは要介護度3の方、ずっと奥にいきますと、この方は258,000円ぐらい使われております。この方は、ほぼ、いっぱいいっぱい使われて、特定施設よりもこの方はたくさん費用がかかっていると、もちろんこういう場合もあるということでございます。

 ずっと下におりまして、この平均でございますが、この住宅では33人の方が要支援・要介護で、支給限度額に対しましては66%、特定施設と仮に比べた場合75%で、いろいろなサービスを使われてもこういう状況であるということでございます。

 次の9ページを見ていただきたいのですが、これがA社のおひとりの方の週間スケジュールで、時間と曜日でございます。赤が生活支援サービスでございます。青が介護保険サービス。きちんと切り分けられておりまして、おひとり住まいの高齢者を支えるということは、このようないわゆる毎日同じようなサービスが、帯状のサービスということが言えるかと思いますけれども、このように御自分でお支払いになった生活支援サービスと介護保険サービスを、きちんと切り分けて使って生活を支えるという工夫がなされているのではないかと思います。

 これは多分同一法人だと思いますが、深夜であるとか早朝であるというサービスも、当然、覚悟を持って併設サービスを開設しているわけです。外には案外、夜間・土日対応できない、それでは生活を支えられないということがあるわけですけれども、併設サービスでは当然そのようなニーズがあるわけですから、そのような対応を最初からしているということで、こういう形のサービスができるということだと思います。

 それから10ページ、併設状況なのですけれども、これはやはり介護・医療との連携は当然必要ですし、期待されているわけですから、このように8割の住宅で何らかの併設があると、これはクリニック等も入っての数字でございます。多いのは訪問介護事業所、居宅、デイサービスということだと思います。

 最後1112ページでまとめが書いてあります。

 地域包括ケアの実現の「住まい」の一つであり、まだまだ足りないということでございます。それから、介護保険サービスは時間と内容で単価が決まっております。ケアマネジャーがアセスメントを行い、立てたプランに基づいて、決められたサービスに、今以上の減算をするのはどうかというふうに思います。提携事業者、委託事業者がサービス付き高齢者向け住宅におけるサービスを避け、結果として同一法人のサービス提供しか選べないという結果を招くのではないかなと思います。

 減算については、現状もう少し細かい調査が、もしこれ以上の減算をするのであれば、もう少し細かな実態調査をして、合理的な根拠に基づいて減算をすべきではないかと思います。

 定期巡回・随時対応は、先ほども話がありましたように普及されているとは言えません。定期巡回は、やはり地域展開と集合住宅を組み合わすことが必要なのではないかと思っております。集合住宅では訪問回数が多く、きめ細かい対応ができているのではないでしょうか。同一建物での減算は、継続して回避するべきというふうに思います。

 次のページ、最後ですが、医療・介護の連携はやはり非常に重要です。選択の自由を担保されることは当然必須でございますが、併設の事業所は現在、利用しやすい環境にあるということが言えます。

 先ほどありましたように、サービス付き高齢者向け住宅での介護報酬は、在宅と同じか、それほど変わらないという実態があるのではないかと思います。

 おひとり住まいの高齢者を支えるために、介護保険サービスや生活支援サービスをいろいろ活用して、毎日の「帯状の援助」が入るように工夫がされているのが実際ではないかと思います。

 そして、ケアプランが適切かどうかは、ケアマネジメントの質の向上、これは非常に重要でございます。事業者も自主的なケアプランの点検、それからさらに都道府県・保険者の実地指導の強化が必要ではないかと思います。

 さらに、事業者も外づけサービスのあり方について、業界で守るべき自主ルール、選択の自由をどのように担保するのか、きちんとほかの事業者を紹介しているのか、掲示しているのかということも含めて周知し、ルールを決め、自浄を行う。事業者のガイドラインを決める必要があるのではないかと思っております。

 以上でございます。ありがとうございます。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 時間がちょっと予定より過ぎてしまったので、残りの時間、前半の団体に対してでも結構ですし、先ほど東委員の後にしていただきましたけれども、意見も結構ですので、どうぞ。


○東委員 全老健の東でございます。

 まず、前段で簡単に意見を申し上げたいと思います。

 老健施設におきましては、まさしく今、在宅復帰だけではなく在宅支援という課題が突きつけられており、全老健としても鋭意、それに取り組んでいこうと思っております。

 老健施設における在宅復帰、在宅支援を推進するうえで、作業療法士の役割は大変大きいものがございまして、今回、日本作業療法士協会から出されたヒアリング資料311ページにございます認知症の短期集中リハビリテーションにつきましては、これを主に担っていただいているのは作業療法士でございます。また、この認知症短期集中リハビリテーションは、在宅復帰、在宅支援に対して大変効果的というデータが全老健の調査結果でも出ておりますので、今後さらに老健施設でも作業療法士の働きに期待をしているところでございます。

 それから、言語聴覚士にしましても、在宅復帰、在宅支援に関して大変重要な役割を担っていると思っております。今のところ老健施設では言語聴覚士の雇用がそう多いとは言えませんので、今後も全老健としましては、老健施設における言語聴覚士の雇用について、一層進めていく所存でございます。

 それから最後に、日本理学療法士協会から出されたヒアリング資料225ページにございます訪問リハビリテーションについてですが、この訪問リハビリテーション事業所がなかなか増えないのは、いわゆる主治医と提供事業所の医者の両方の診察が要るということで、私も大変な問題だと思っております。今後さらに在宅支援を進めるために、訪問リハビリテーション事業所を増やすには、このような煩雑な制度というものを再考していただきたいというのが私の意見でございます。

 それから、サービス付き高齢者向け住宅協会の奥村様の資料について1点だけ質問と、サービス付き高齢者向け住宅についての意見を述べさせていただきます。

 ヒアリング資料7の8ページでございますが、これを見ますと「デイ」と一言で書いてありますが、これはデイサービスなのかデイケアなのかというのがわからないので教えて頂きたい。また、残念ながら訪問リハビリの利用がゼロでございます。サービス付き高齢者向け住宅というのは、2ページにあるとおり「自宅や集合住宅」の集合住宅に入るのですが、これは自宅と同じような環境というのが私は非常に重要だと思います。そういう意味では、サービス付き高齢者向け住宅でありましても、やはり自立支援の考え方に基づいたサービスというのは、必要だと思いますので、リハビリというものが全く入っていないサービス状況というのは今後検討を要するのではないかと思います。

 以上でございます。


○田中滋分科会長 1点質問ですね。


○サービス付き高齢者向け住宅協会 これはデイサービスでございます。申しわけございません。多分近隣にリハのデイがないのではないかなというふうに思っております。

 もちろん、リハビリは必要でございますので、必要に応じてそのような活用をすることは、やぶさかではないということをつけ加えさせていただきます。


○田中滋分科会長 安部委員、どうぞ。


○安部委員 前半の部分で、リハビリテーションに関して意見と質問がございます。

 きょうは3団体の方々から御説明をいただきました。私は薬剤師でございますが、在宅復帰それから機能回復をされて在宅できちんと歩いている方、それから薬局まで歩いて来られる方、こういった方々を私自身も目で見ており、リハビリテーションの効果というのは、非常に重要だと感じております。

 今日、半田意見陳述人のほうから御説明のとおり、在宅に復帰するためだけではなく、在宅に復帰してからリハビリをして機能を回復するということは非常に重要なものと思います。

 そして、今日は幾つかの課題をお示しいただきましたけれども、私ちょっとどのように理解するのかイメージが湧かないのは、制度移行は28年3月31日以降ですから、4月から入院患者以外は、介護保険対象者は介護保険の中でのサービスになるということでありますが、そうなってきますと、今日お示しいただきました課題でありますとか、そういったものについても、介護保険やその対象者の特性に合わせて介護部会でありますとか、介護給付費分科会でも議論することになろうかと思います。

 そういう意味では、28年3月31日以降という期日になりますと、ちょうど改定が、医療保険と介護保険の関係から言いますと、介護保険の議論として、どういうふうな整理をしていくのかなということが私としてはちょっとイメージが湧かないということなのですが、これについては、むしろ意見陳述人よりも事務局のほうでどのように整理されるのか。28年3月31日以降でありますと、医療保険で全部議論してから保険だけ介護保険に移行するというようなイメージなのかという疑問が湧くのですが、これはいかがなものでしょうか。


○田中滋分科会長 事務局お答えください。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 この対応につきましては、当然、保険局、医療保険との連携でもって本来対応すべきお話だと思いますけれども、私どもの理解は、もともとこれは24年の同時改定のときに医療保険でのリハビリに関する役割分担、特に維持期・生活期のリハビリにつきまして、当初24年改定のときに26年改定までに一定の整理をつけるということで方針を打ち出しましたが、その前提条件として、実態を見て、特に介護保険と医療保険の連携のもとで維持期・生活期のリハビリが実態として役割分担が適切に実施されているということの状況を見てという話でございました。

 それが実態として、十分まだそこのところが進展がないという中医協での御議論もあって、2年間それを延長してという言い方は必ずしも適切ではないかもしれませんが、2年後にもう一度判断をすると、そういう形になっているというふうに承知をしております。

 ですから、具体的なプロセスは当然のことながら診療報酬改定の中でさらにもう一度御議論いただくというのが私どもの受けとめ、理解でございます。


○田中滋分科会長 では、武久委員、鷲見委員、鈴木委員、佐藤委員、順番にお願いします。


○武久委員 今のお話を聞くと、養護老人ホームとか軽費老人ホームというのは、何かのけ者にされているような感じがして、これは地域包括ケアシステムの中へぜひとも組み込まなければ、かなりな方がいらっしゃいます。地域では施設が老朽化して、なかなか市町村がそれを建て直すという資力がないという現状も目の当たりにしておりますので、ここはやはり介護保険のシステムの中に入れるべきかなと思います。

 また、サ高住の場合は、サ高住の中のデイサービスについてとか訪問とかは、やはりアクセス時間の差であると思うのですね。だから、アクセス時間の差が、ほかのコントロールに比べると確かに短いと思うのですが、むしろアクセスが長い、すなわち山の上にケアに行くような場合にアクセス加算というものをつけて、ベーシックなものは余り下げないほうが私もいいかなと思っております。

 それから、PTOTST、また特定のところも非常にそれぞれの団体が苦労して研修をされておりまして、特にリハ団体は専門性に基づいてかなり深い研修をやられています。また、3団体で、合同であれだけ高度な長い研修をやられているということは非常に評価して、頭が下がる思いですけれども、訪問リハビリテーションについて、やはり3つの団体でお互いの技術をある程度補完しながら、知識を獲得しながらやっていこうという姿勢は非常に私も共感するのですが、その研修が終われば、できれば訪問リハビリテーション専門療法士とか、それから3つの技術をある程度習得した場合は総合的なリハビリ療法士とか、何か御自分の団体で仮称の名前をつけて、こういうような研修を行った場合にはこういうふうな加算をほしいとか具体的な要求をされるほうが私はいいかなと。

 と申しますのは、PTOTST非常に専門性が高くて、それぞれ侵しがたいものがあるのですけれども、病院の中では、それぞれが深く治療に入りますが、訪問になりますとある程度回復しております。そのときには、やはり3職種がばらばらに行くというのは余り考えがたいので、1つの職種の人がほかのことも勉強して訪問すると。また、特にこの症例にはSTが特に必要だと思ったら、そのときは行くというような対応が一番リーズナブルではないかと思いますので、3団体の方に自主的にそういうふうに前向きに検討していただければと思います。

 以上です。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。


○鷲見委員 ありがとうございます。

 それでは、前半のほうのリハについて2点、感想を含めて御質問を申し上げたいと思います。

 1点目は、訪問リハビリテーションというのは、今後非常に重要な役割、特に中重度の方に関しては大事なことになってくると思います。

 しかしながら、先ほど東委員のほうからお話がありましたように、導入に際しての指示書の問題があってなかなか難しいという点があると思います。調整が困難であるという意味では、訪問リハビリテーションを終了するという、その終わりについても同様に、非常に調整の難しさがあると思いますので、どのようにお考えになっているのかお伺いしたいということと、それから、地域ケア会議や、一緒にケアマネジャーとアセスメントしていただくことは、特にこの生活機能向上プログラム等に比べますと本当に有用なことだと思いますし、我々もぜひ学んでいきたいと思うのですが、実際に現在、例えば家屋調査であるとか、在宅のケア会議であるとか、地域ケア会議に参加していただくことがむしろ難しい状況にあるというのが現状だろうと思います。

 我々が依頼しても、セラピーに時間がとられてしまって、なかなか外に出られないという話をたびたび聞くことがございます。その点に対して、もしかするとこれは職能団体ではなくて法人に対することなのかもしれませんが、もし御意見があればお伺いしたいということがもう1点です。

 また、サービス付き高齢者向け住宅に関しましては、見守りや相談機能を備えているということが基本にあった上での居宅サービスの利用ということであるとしますと、支給限度額に対する居宅サービスの利用率は、高い利用率を示していると個人的な感想ですが、思います。

 なおかつ、それに対して中重度の方がたくさんいらっしゃるのに、医療的ケアが入っていないというこのデータを見ますと、ケアマネジメントに対して、公正中立の立場、利用者本位という点からも質の向上が求められるのかなと思いますので、その辺も踏まえてきちんとしたケアマネジメントが行われるよう要望いたします。

 以上です。


○田中滋分科会長 では、リハ協会の方、お答えください。代表して。


○日本理学療法士協会 PTOTSTをいかに派遣するかというところですね。3職種ほとんどがサラリーマンで、ほとんどが病院で勤務しているという実態がありまして、なかなか難しいところがありまして、そういうところからすると、施設長さんや病院長の方々の理解というのがまず必要だろうと思っております。

 ただ、もう一方では、3協会で全ての都道府県で自立支援センターみたいなものを設立して、そこでコーディネートしながら、そういう要望に応えられる体制をつくろうということで今、話し合いをしているところです。

 ですから、介護保険分野になるのか、地域支援事業の推進になるのかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、派遣をどうやるのかというところでは3協会がばらばらの窓口では都道府県も非常にやりづらいので、3職種で合同の自立支援センター的な、派遣に対して応えられるような、あるいは調整するようなところをつくり上げていきたいと思っております。

 それと、終わりをどうするのかという御質問一つあったのですが、これは我々専門職としても一番悩むところで、脳卒中の患者さんであったら、だんだんよくなっていって余り変わらなくなる、プラトーと言っていますが、そこが一つ終わりという基準があります。

 ただ、高齢者の場合に、または要介護度が高い人たちが、何をもって終わりとしたらいいのか、手を話せば確実に悪くなるだろう、ではそれをどう捉えたらいいのだろうかというのをいろいろな立場から考えたときに一番悩むところで、手法としては評価をしっかりやるとしか言いようがないのですけれども、ただ、その中で高齢者の、要するに我々がやるリハビリテーションというのは、もともとは右肩上がりの理念なのですね。脊髄損傷になりました、どう治すのか、脳卒中になりました、どう治すのかという、これから今、必要とされているのは、右肩下がりの人にどうするのかという理念は、まだ十分な構築ができていないようにも思っております。

 これからターミナルの人も含めてそういう論議が必要で、理念をそこへがっちり固めないとちょっと各現場、現場で非常に悩みが強いというふうに思っております。


○鈴木委員 何点か意見と要望的なものも含めてお話しさせていただきたいと思います。

 1つは、サ高住、一部は特定施設の方も該当する話です。中医協では不適切事例の話も出たわけですが、今回そのようなものは全くないきれいなデータを見させていただいたと思います。医療依存度の高い方が増えてくるということですけれども、かかりつけ医との関係が、そういった施設に入居すると、近くにあるにもかかわらず絶たれてしまう例があると聞いております。かかりつけ医としてはできるだけ最期まで診させていただきたいという気持ちでおりますので、その関係が絶たれることのないようにしていただきたいということが要望でございます。

 それから、リハビリの3団体の方も来られておりますが、少し前の介護給付費分科会でも生活期リハビリをどうするかという話をしました。やはり回復期はかなり成果を上げてエビデンスもしっかり出ているのですけれども、生活期のリハにもエビデンスが必要だということで、各団体とも取り組まれるということですので、期待したいと思います。

 その中で、OTの協会からお話がありました、生活行為向上マネジメントというのは有力なツールになるのではないのかなと感じました。

 もう一つは、前半のほうで24時間巡回型がなぜ増えないのかについてですが、私は増えないのには理由があると思うのです。介護療養型が減らないのは理由があったわけですけれども、やはり原因を突きとめて対策を立てないと、いつまでたっても、理念は立派でも普及しないということになると思います。鷲見先生ともお話ししたのですが、現場のケアマネとしてのお考えも含めてお話しさせていただきますと、24時間巡回型は非常に報酬が高いので、ほかのサービスが必要なのに入らないという問題があるということ。それから短時間のサービスだけでは不十分な場合もあるのだけれども、それに対応できていないということ。そして移動時間が長いと採算が取れないので、そういう場合は成り立たないということ。それと夜・夜中に家に入って来られるのを歓迎しない方もかなりいらっしゃるということがあるというようなお話でした。

 私としても、例えば従来から、我が国には施設もあるわけですし、それから従来型の、通常の訪問介護もあるわけですから、そういったものと共存していかなければいけないわけです。無理やりそれを変えることはできないわけです。

 一方では、マンパワーは今後ますます確保が困難になるわけですので、むしろ考え方を変えて、そういった施設や通常型の訪問介護のマンパワーも活用するような形で柔軟な仕組みにしていかないと、なかなか普及するのは難しいのではないのかという感じがいたしました。

 以上でございます。


○田中滋分科会長 お答えください。


○サービス付き高齢者向け住宅協会 サービス付き高齢者向け住宅における介護報酬がちょっと高いのではないかということですけれども、まず、サービス付き高齢者向け住宅に入居の方は、ひとり住まいであるということを御理解いただきたいと思います。

 一般在宅であれば、家族の援助というものが入っていると思うのですが、ひとり住まいをどう支えるかというふうになりますと、特に要介護度が高くなって排泄介助が高くなってくると、それなりの援助がやはり必要になってきますので、限度額に近くなる方は多いと思いますし、それは正当であると思います。

 反対に、介護度が軽い方は、生活支援サービスでかなり賄えることができますので、介護保険サービスを余り使っていないということが言えるのではないかなと思います。

 医療については、これはやはり訪問診療をうまく使っている、ちょっと報酬は下がったのですけれども、往診の先生に、ばらばらで来るかまとめて来るかはいろいろ先生のやり方ですが、訪問診療でやはり医療は頼っているということは実態でございます。

 以上でございます。


○田中滋分科会長 佐藤委員、どうぞ。


○佐藤委員 今日は、リハの3団体からいろいろお話を伺いまして、本当にありがとうございました。

 本当に、私たちも食べる機能というのは重要であるということですし、ただ、これまでやはり歯科の医療というのは、いわゆる形態回復が主体であったということなのですが、これからはやはり機能回復が非常に重要であろうということで、義歯等においてもそのリハビリテーションという考え方が導入されてきていると、こういう現状があるわけです。

 そういったところで、やはり我々もまだまだ歯学の教育、それからその後の研修、そして臨床というところで、食べる機能の学びというのは、まだまだ不足しているんだというふうに捉えております。

 そういう中で、この3職種の方々も、本当に食べることに今、一生懸命取り組んでおられるということもよくわかりますので、ぜひ連携も図って、うまくこの超高齢社会に対応ができればと思っているのですが、そういった中で、それぞれの組織・団体に取り組みがあるのかどうかはちょっとわかりませんが、その教育や研修、そして連携の体制ですね。

 というのは、私どもは地域のかかりつけ歯科医を持っておられる高齢の方々もおられるし、それから私どもの診療所の体系として、現状やはり、ひとり歯科診療所というのが多いのですね。非常に小さい診療所で、なかなか外に出ることが難しい状況もあるので、そういったことをサポートするために、歯科医師会という組織もありますので、そういった我々の地域の歯科医師会とのこの連携についての何かお考えがあればお聞かせをいただきたいと思っていますし、それから、もう一つは今日、資料でお出しいただいた言語聴覚士さんのほうの資料の13ページでしょうか、これはまさに私どももこういった形で資料をお出ししなければいけないということで、摂食嚥下機能改善が及ぼす効果ということで、わかりやすくまとめていただいたポンチ絵があるわけですが、嚥下機能ということと、口腔機能ということが2つ掲げられていると、摂食嚥下機能障害の対応というのは非常に難しくて大変であるということもわかっているわけですが、この口腔機能低下の中には、やはりそしゃく機能の低下というものも、そこにしっかり入っているということに関しての評価あるいはその機能の回復にかかわるような治療やリハビリということに対する考え方についても、もし今、何かあればお教えいただきたい、それもまた連携をしていく必要があるということは踏まえた上でということでございますので、よろしくお願いいたします。


○田中滋分科会長 ちょっと時間の都合があるので、給付費そのものに関係ないケアのあり方論はちょっと別途していただいたほうがいいと思うのですが、あと、質問は歯科医師会との連携という話だけお答えください。


○日本言語聴覚士協会 どうもありがとうございます。

 歯科医師会の方たちとの連携は、幾つかの都道府県で、口腔機能向上の啓発ということでやっているというところであり、これからもどんどん進めていきたいと思っております。


○田中滋分科会長 あと村上委員が手を挙げてらっしゃいますか。では、内田委員、村上委員、これで最後にいたします。


○村上委員 ありがとうございます。

 先ほど、OTPTSTの方に、その評価についてお聞きしたのですけれども、当面外づけというお話がございました。施設においては、先ほど重度の方々に対するPTの方々が、支えがなくなった段階でまた下がっていくということがありましたけれども、同じように施設の方々も、やはり生活体ですから、ずっと見ていっていただかなければ、やはり役割をきちっと果たしていただくことはできないかなと思いますので、そこのところについての評価をどういうふうに考えていただけるかなということを、先ほど御質問させていただきました。今、これについては結構です。

 もう一つは軽費なのですが、今後の社会構造だとか人口動態を考えますと、大変私は僭越なことをお話しすると思いますが、特養、養護、軽費は改めて国の制度設計の中では最大の功績かなと思うわけです。特に軽費に関しては、これから特養は1、2の方々は特例入所として入りますけれども、入られなくなります。その中に認知症の方々もいますし、それから、これからの社会構造の中では、人間関係の難しさによってドロップアウトをする人がたくさんいますけれども、そういう人のケアとか、あるいは障害だとか生保だとか、あるいは精神疾患のある方々、こういう人たちに対して、やはり軽費の役割というのは大きいかなと思いますが、これらの人たちに対するサービス提供の選択肢というのは、今いろいろ増えているわけですね。

 ですけれども、このような人たちに対して、在宅ではもちろん難しいということもありますが、外づけサービスでの理解だとか把握には、私は今、前段でお話ししたように限界があると思います。そういうことでは、軽費による、あるいは養護も一緒なのですが、専門性のトータルケアが必要というふうに私は改めて考えるわけです。

 これに対して、川西理事長さん方のところでは、今後どのようにその専門的な機能を推進しようとしているのかということについて、お聞きしたいなと思います。

 以上です。


○田中滋分科会長 手短にお願いします。


○全国軽費老人ホーム協議会 平成26年度に私どもの団体で国庫補助事業を受託しておりまして、軽費老人ホームの生活相談員、ソーシャルワーカーのあり方みたいなものを問うて、できればそういうものをきちっと明確にして、制度改革への提言、組織的な養成研修をしていこうと考えております。

 以上です。


○内田委員 ありがとうございます。

 サービス付き高齢者向け住宅について、お伺いしたいのですが、まず住宅だということで、それは理解はしているのですが、やはり利用される方が介護、それはレベルはあっても何らかの介護を必要とするような方々ばかりということですから、自発的に何か中でコミュニティーをつくるとか、何かおつき合いができるということはないわけですから、閉じこもりがちになるということが十分考えられるわけで、そういうことについて、やはり業界としてどんなふうに考えておられるのかということと、それから今、認知症の方が非常に多く利用するようになってこられて、やはり何かのことで外に出られてしまうというようなことから、なかなか外との行き来ができないようにするといったようなことがあるかなというふうなことで、その辺もどんなふうに考えておられるのかということと、あとは外づけでその訪問介護等が利用されるということなのですが、一般の在宅などとはやはりちょっと別ものというような気がしているのですけれども、そこら辺はどんなふうに考えておられるのでしょうか。


○サービス付き高齢者向け住宅協会 業界としては、ちょっと決め事はないのですけれども、やはり孤立を避けるために、住宅でありますが有料老人ホームに近いようなアクティビティーサービスですね、これは必須ではないかなと思っております。

 しかし、これがあるところもあればないところもある、これも地域のいろいろな資源を使うということも必要かと思います。これも、ケアマネジメントの中に位置づけるべきだと思っておりますけれども、これがちょっと広がっているかどうかというのは、やや疑問があります。

 認知症の方の対策につきましては、これはやはり基本的には住宅(住まい)ですので、玄関を閉める、自由を束縛するということは、基本的にはしないのが正解ではないかなと思っております。これはやはり、きめ細かい対策、案外、玄関が閉まっているから出たいということもあるようでございまして、出られるたびに探し出すとか、ココセコムのような位置情報をつけていただいて捜索なんかもしているうちに、そのうちにおさまってくるというようなこともあるかと思います。これについても、ちょっと答えはないということです。

 おっしゃるとおり、外づけサービスは、そうはいっても、在宅といっても特質性があると思います。一般の居宅とは違って、例えば一般の居宅でしたら挨拶して、いろいろ中に入るのにも障害があるのですが、サービス付き高齢者向け住宅でしたら多分簡単に扉をノックしてすぐ入れると、挨拶抜きで、知っている顔なのでサービス提供がすぐできるという特質性もあると思います。これについては、いろいろなこれからサービスをするルールというのでしょうか、囲い込みをしない、サービス提供が過剰にならない、過小にならないというような、何らかの基準を業界としてもつくっていくことが必要ではないかなと思っております。

 以上です。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 では、本日は御出席いただいたヒアリングの団体、7団体の方々から貴重な御意見を頂戴いただきまして、ありがとうございました。

 それぞれが大変、前向きに取り組んでらっしゃることもわかったし、先ほどの歯科医師会との会話でも大変よかったと思うのですが、こちらにいらっしゃる団体との連携などもこれから進めていくことを期待しております。

 今後の改定に向けた議論の参考にさせていただくと同時に、改定を超えてそのケアのあり方論まで広がっていって、大変結構でした。

 あと、すみません、2、3分だけ。

 「その他」として、前回の分科会において資料の一部について訂正したいとの報告を受けています。手短に説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。お手元参考資料、簡単に御説明させていただきます。

 これは、誠に申し訳ございません。資料の数値を間違っておりましたので訂正をさせていただいております。ホームページの当該資料については、既に差しかえさせていただいております。

 参考資料1枚目に「男性のスーパー店チェッカー」「スーパー店チェッカー」それから「女性の鉄筋工」に関します数値、誤っておりました。数字的には表の紙でございまして、めくっていただきまして正しいグラフがこのようになっているということでございます。重ねておわび申し上げまして、訂正をさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。


○田中滋分科会長 ありがとうございました。

 この訂正については、事前に事務局より皆様にもお伝えしているとおりでございます。そのため、これは御報告事項とさせていただきます。

 本日の審議は、ここまでといたします。

 次回の分科会の日程等について、事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 次回は、9月29日月曜日、16時より事業者団体ヒアリングの2回目ということで、会場はこのベルサール半蔵門を予定いたしております。

29日、実際に御意見をお聞きします団体は、以下の7団体でございまして、

 日本福祉用具・生活支援用具協会、日本福祉用具供給協会、日本リハビリテーション病院・施設協会、全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会、全国個室ユニット型施設推進協議会、全国有料老人ホーム協会、日本認知症グループホーム協会、以上の7団体でございます。

 審議時間につきましては、本日と同様、3時間程度を予定いたしております。

 それでは、本日はこれで閉会させていただきます。ありがとうございました。


○田中滋分科会長 どうもありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(介護給付費分科会) > 第108回社会保障審議会介護給付費分科会議事録(2014年9月10日)

ページの先頭へ戻る