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2014年8月19日 独立行政法人評価委員会労働部会(第91回) 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年8月19日(火)13:30~16:15


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

今村部会長、小西委員、柴田委員、関口委員、松浦委員、宮崎委員

○議事

(以下、議事録)

○今村部会長

 定刻になりましたので、第91回厚生労働省独立行政法人評価委員会労働部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は、高田部会長代理、松尾委員、志藤委員が御欠席です。また、小西委員が少し遅れて到着されるとの連絡を頂いております。

 それでは本日の議事について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは本日の議事について御説明いたします。本日の議事はお手元の議事次第のとおり、労働部会4法人の平成25年度財務諸表の承認及び平成25年度業務実績に係る総合評価に加え、労働者健康福祉機構の中期目標期間の業務実績評価、いわゆる最終評価などを行うこととしております。

 それぞれについて簡単に御説明させていただきますと、まず、財務諸表の承認についてですが、こちらは通則法第38条の規定に基づくものでございまして、独立行政法人の毎事業年度の財務諸表の主務大臣による承認にあたり、通則法第38条第3項の規定により、あらかじめ評価委員会の御意見を賜るものでございます。

 後ほど、本部会の財務担当委員でおられる宮崎委員のほうから、事前に実施しております法人へのヒアリング結果などを御報告いただき、それを踏まえ御意見を賜ります。

 続いて、平成25年度業務実績に係る総合評価についてですが、こちらは、前回の個別評価において委員の皆様に御記入いただきました評定及び評定理由を踏まえまして、起草委員において起草いただいた評価書の案について御審議していただくこととしています。

 なお、委員の皆様に御記入いただいた評定及び本部会の評定につきましては、本日、御参照いただけるような形で、「評価結果集計表」をお手元に配布させていただいておりますので御参照いただければと思います。

 最後に、中期目標期間の業務実績評価、いわゆる最終評価についてですが、こちらは、平成25年度に中期目標期間が終了しました法人の中期目標期間全体の業務実績について評価を行うものでございまして、通則法第34条の規定に基づく評価となります。なお、最終評価につきましては、本部会での御議論を踏まえまして、826日開催予定の委員会総会の決議をもって最終的に決定される事項となっております。

 このほか、役員の退職金に係る業績勘案率の決定、不要財産の国庫納付についても本日は御審議いただくこととしております。事務局からは以上でございます。

 

○今村部会長

 それでは議事に入ります。初めに、労働政策研究・研修機構の平成25年度財務諸表について審議いたします。財務担当の宮崎委員から御報告をお願いいたします。

 

○宮崎委員

 お手元に資料1-2の財務諸表が配布されているかと思いますが、こちらの資料を参照しながら御説明を申し上げます。

25ページが財務諸表の貸借対照表になります。労働政策研究・研修機構の平成25年度の法人全体の財務諸表数値は、この25ページの財務諸表に記載されておりますとおり総資産額が71億円、それから下段の負債総額が10億円、それから純資産額が60億円となっております。それから26ページ、次ページの損益計算書ですが、経常費用の合計額が23300万円、それから経常収益の合計額が23600万円で、当期の総利益が144万円となっております。主な利益発生要因ですが、国から交付される財源の運営費交付金について、期間進行基準を適用したことによるものでして、具体的にはその予算上見込んだ経費よりも少ない実績で経費が執行できた差額、これが利益として計上されたものとなっております。

 当機構の財務諸表全般につきまして、前年度比の増減の内容分析並びに私が特に必要と判断いたしました個別の会計処理内容につきまして質疑を実施させていただき、その妥当性の確認を実施させていただきました。

 会計監査人は有限責任あずさ監査法人が監査を実施しておりまして、同法人から提出を受けている監査結果報告書によりまして監査の実施状況についても確認いたしました。

 また会計監査人及び幹事から提出を受けた監査結果の意見書、こちらのいずれにおきましても財務諸表の適正意見が表明されています。

 以上から、労働政策研究・研修機構の平成25年度の財務諸表は適正に作成されており、申請どおり、原案どおり承認することは適当であると判断いたします。

 併せて、若干、コメントを付け加えさせていただきます。当機構におきましては、予算の執行の方法として、いわゆる自己収入、これは出版物の販売収入であるとか、労働大学校の受講料収入と、こういった自らの収入、これを先に予算執行した上で不足分として国から交付される運営費交付金を執行するという方法で予算を執行されているというふうに伺っております。これは国費の使用を極力抑制し、可能な限り自ら獲得した収入を先に使用するということで、適切な予算執行が行われていると私どもは理解しているところです。

 しかしながら、昨年の12月の独立行政法人制度改革に関しての閣議決定におきまして、今後は、法人の自己収入に関して目的積立金であるとか使える財源についての経営努力認定、こういったものの運用ルールの見直しが検討されておりますので、こういった制度改正の動向を踏まえていただいて、今後、その予算執行の方法に関しても制度が変わった場合には新しい制度に適応したものとなるように必要な検討は行っていただきたい。この点だけ補足させていただきたいと思います。

 内容としましては、先ほど申し上げましたとおり、原案どおり承認することが適当であると判断いたしております。以上です。

 

○今村部会長

 ありがとうございます。ただいま御報告いただきました労働政策研究・研修機構の平成25年度の財務諸表について御意見、御質問等がございましたらお願いします。

1つだけ、29ページにちょうど今、拝見したんですけど、注記事項で、期間進行基準を適用しているところと費用進行基準を適用しているという話がありましたけれど、その2つの基準をもしよかったらちょっと教えていただきたいんですが。

 

○宮崎委員

 伺っている範囲におきましては、いわゆる警備業務であるとか機械の保守業務のような毎月均等にある程度、その12か月間均等に業務が見込まれるようなものに関しましては、期間で予算を見込めるということで期間進行基準を採用されていると。その他、突発的なものであるとか、金額がその年間の予算額として必ずしも、研究するというような業務の性質もありますので、見えないものについては費用進行基準と。これはすなわち使った額だけ交付金という財源を、予算を執行するというか、収益にするという処理をしていると。そこを区分されていると伺っております。

 

○今村部会長

 ありがとうございます。何かございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは修正意見はないようですので労働政策研究・研修機構の平成25年度の財務諸表につきましては、資料1-1の意見書()のとおり、本部会として了承したいと思います。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 続いて、労働政策研究・研修機構の総合評価について審議をいたします。関口委員から起草していただいた評価書()について御報告をお願いいたします。

 

○関口委員

 まず一番最初ですが、平成25年度の業績評価について報告申し上げます。機構の第3期中期目標では、厚生労働省の労働政策の企画立案及び推進に資する質の高い労働政策研究及び労働行政職員研修を、より一層効果的かつ効率的に実施する観点から、労働政策研究事業の重点化等を実施することになっております。

 このため、機構の業務実績の評価に当たっては、業務の効率化を図りながら研究体制の改革を行った結果、機構の業務が、我が国の労働政策の立案及びその効果的かつ効率的な推進に寄与し、労働者の福祉の増進と経済の発展に資するものになったかという視点が中心となっております。

 こうした視点から評価を行いました結果、平成25年度の業務実績については、中期目標・中期計画に沿った取組が行われ、中期計画に掲げられました目標値の達成、利用者からの高い有益度及び満足度が確保されており、適正な業務運営が行われていることで評価することができます。今後も機構に課せられました使命を高いレベルで効率的に達成していくために、それぞれの業務のバランスを考慮しながら重点化を進め、業務間の連携を密にして業務運営を行っていくことが望ましいと考えております。

 続きまして、具体的な評価内容についてです。1ページの一番下の所からですが、1点目は、業務運営の効率化についてです。業務運営の効率化に対しての機構の努力は従来から高いものがありまして、その努力を維持されていることは高く評価できます。組織規律の強化ですが、従来から適切な統制環境の下で業務運営に取り組んでいらっしゃるところですが、平成25年度においては新たにリスク管理規程を策定するなど、更なる内部統制の充実・強化のための取組を行っていることは評価できます。また、モニタリングについても監事、監査等の独立的評価によりモニタリング体制が整備され適切に機能していることを評価することができます。

2番目の効率的かつ効果的な業務運営体制の整備についてですが、機構は過去の閣議決定において独立行政法人労働安全衛生総合研究所と統合すること、労働大学校を国へ移管することが決定されておりましたが、昨年12月に閣議決定された「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」におきまして、引き続き中期目標管理型の法人として単独で存続すること、労働大学校における研修事業は引き続き機構が実施することが決定されました。

 当委員会としては、閣議決定の内容も踏まえ、引き続き政策研究と研修事業との連携の強化に努め、高い相乗効果を発揮されることを期待しております。

 経費の節減についてですが、様々な取組の結果、平成25年度の予算においては、一般管理費、業務経費、人件費のいずれについても節減が図られているとともに、自己収入の拡大に向けた取組を行っており評価できます。契約の適正化の取組についても、随意契約等審査委員会の審査等より適正性が確保されておりますが、今後も随意契約の件数削減のため、一層の取組を継続していかれることが望ましいと考えております。

3ページは、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上についてです。1点目は、理事長のリーダーシップの下、業務実績については事前・中間・事後の内部評価だけではなく、外部有識者から成る総合評価諮問会議においても評価を受けているなど、多方面からの評価システムを活用されており、また、評価情報の透明性も確保されていることが評価できます。

 併せて、有識者アンケートによる機構の業務運営等についての意見の把握や、ホームページ等を通じた国民からの意見募集が広く行われており、これらの取組によって質の高い業務運営が行われていると評価できます。今後も、これらの評価や意見を機構の業務の改善に役立て、一層の取組を進めていくことが望ましいと考えております。

 労働政策研究においては、第3期中期計画に基づき、中長期的な労働政策の課題に対応するプロジェクト研究と厚生労働省の要請や緊急の政策ニーズを踏まえ、短期間で成果の取りまとめを行う研究等を幅広く実施されており、労働政策の企画立案等で活用されております。研究テーマについては、厚生労働省との密接な連携の下、機構の問題意識や労使のニーズを踏まえて決定する体制が構築されております。特に平成25年度においては、厚生労働省との連携を従来以上に強化し、行政のニーズを的確に研究に反映したことは大いに評価できます。

 また、厚生労働省だけではなく、経済団体や外部研究者との連携についても積極的な推進が図られており、調査研究の活性化のための取組がなされております。今後もより一層、労働政策の企画立案に真につながるような時宜を得た研究テーマを厳選し、質の高い研究が継続されることを期待しております。

 研究成果の評価体制についても、内部研究者によるピアレビューや内部評価、外部専門家による外部評価等が整備されており、重層的かつ厳格な研究評価の仕組みが維持されております。研究成果についての外部評価、有識者等に対するアンケート調査、厚生労働省からの評価においても目標値を上回る高い評価を得ることができており、質の高い成果を上げていると評価できます。今後とも研究の更なる効率的・効果的な推進に資する評価の実施が徹底されることを期待しております。

4ページは、労働事情・労働政策に関する情報の収集・整理についてです。国内外の労働事情の収集・整理について、いずれも中期計画に定めた目標を上回る成果を上げられております。中国・韓国などアジア諸国について情報収集・発信強化をしていることについても評価できます。今後も、より質の高い情報の収集・整理を行っていただき、政策立案やほかの研究機関の研究等に貢献していくとともに、アジアにおける日本のプレゼンスを高めるための情報発信を強化する取組を行っていかれることを期待しております。

5ページは、研究者・有識者の海外からの招へい・海外派遣、海外とのネットワークに関しても、中期計画どおりに実施されており、日中韓ワークショップや国際セミナー等を海外の研究機関と共同開催され、機構の研究に資する情報の収集に努めるなど海外とのネットワークの強化に取り組まれていることは評価できます。引き続き、海外からの招へい・海外派遣をする対象者の厳選や効果の検証を行いつつ、海外研究機関等とのネットワークの拡大等に積極的に取り組まれることを期待しております。

5番目ですが、労働政策研究等の成果の普及・政策提言に関しても、ホームページ、ニュースレター、メールマガジン、労働政策フォーラムの開催等を通じて効果的に行われており、利用者の評価も高く、中期計画に掲げた全ての目標について、目標以上の成果を上げていることを高く評価いたします。特に、労働政策フォーラムの首都圏以外の地域も含めた開催の継続や、内閣府経済社会総合研究所・独立行政法人経済産業研究所との共同セミナーの初開催など、成果の普及・政策提言をより一層積極的に進めようとされている姿勢は評価できます。今後は、成果の普及等が更に幅広い層の国民を対象に行われるよう、ホームページやマスメディアの活用を初め、更なる取組がなされることを期待しております。

6番目ですが、労働行政担当職員その他の関係者に対する研修についてです。研修コースの新設、科目の見直しによる研修内容の充実や研究員の研修講師としての派遣やイブニングセッションの開催により研究部門と研修部門の一層の連携が図られ、研修生や研修生の所属長からも高い評価を得ていることは評価できます。引き続き政策研究機能と研修機能の相乗効果を高める取組を推進するとともに、更なる研修内容の充実に取り組まれることを期待いたします。

6ページは、その他の事業に関してです。労働教育講座事業については、昨年度に引き続き多くの受講者を得ているほか、受講生を対象としたアンケート調査においても高い満足度を得ており、労働教育講座を通じた労使実務家等への教育の場の提供は中期計画に定めた目標を上回っていると評価することができます。

 続きまして、(3)財務内容の改善等及び人事に関する計画等についてです。1番目の予算、収支計画及び資金計画等についてですが、予算執行等については、引き続き、一般競争入札等の推進による効率的執行や経費削減に向けた取組を実施し、一般管理費、業務経費、人件費の節減を図ったことは評価できます。また、平成25年度における運営費交付金債務は13,800万円となっておりますが、これは一般競争入札等の推進等による予算の効率的執行や人件費の給与水準見直しの継続等によるものであり、適正な業務運営が行われております。

 2の人事に関する計画です。研究員の採用について優秀な人材の確保・育成に向けた取組を推進し、研究の質の確保のための取組が図られており、また、職員の専門的資質や研究員の意欲向上にも努められていることは評価できます。引き続き職員の方の士気を維持し、能力・活力を高めるための工夫が行われることを期待いたします。

 最後の項目ですが、施設・整備に関する計画です。施設・整備の改修・更新等については、中期計画どおりに着実に実施されており、また、実施に当たっては、より競争性の高い仕様書を作成の上、一般競争入札を実施することで多くの入札参加業者を得た結果、大幅な経費削減を行ったことは評価できます。

 以上、独立行政法人労働政策研究・研修機構の平成25年度の業務実績の評価報告について、御報告申し上げます。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。ただいま御報告いただいた評価書()について、御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。

 これでいいとは思うのですが、気になる所を2点ほど教えていただければと思います。5ページの上から4行目に、「アジアにおける日本のプレゼンスを高めるための」と書いてあります。いきなりこれが出てくるのですが、これは日本という国ということなのか、日本の労働政策研究・研修のことなのか、この文章だとかなり範疇が広いという印象を受けましたが、それについて御説明いただければということ。7ページの上から2行目で、「機構の人員の抑制が継続される中で」と、人員の抑制が継続されることをほぼ断定的に書いているのですが、これはこれでいいのですか。例えば見通される中とかもう少し柔らかいことになるのかなと。この表現、もちろんそのとおりで修正する必要は特にないのかもしれませんが、何かこれは重苦しい感じがしたという、以上2点です。

 

○労政担当参事官

 アジアにおけるという部分。

 

○今村部会長

 この文章だけを切り取ると、アジアにおける日本のプレゼンスは、すごく大きいなという感じがするのですが、趣旨としては労働政策研究・研修機構がアジアと政策立案などにおいて交換をして、例えば日本の労働政策や日本の労働研究、そういうことでプレゼンスを高めるという意味ですけど。

 

○労政担当参事官

 労働政策研究とか、労働政策とか研修についてのアジアと日本の関係を述べている。その前提は当然のこととして確かに書いていただいているかと思うので。

 

○今村部会長

 読めないこともないのですが。

 

○労政担当参事官

 これだけ見ると、そうかもしれませんけども。

 

○今村部会長

 これでいいと思いますが、確認です。もう1つは、機構の人員の抑制が継続される中でという、継続されるということがあらかじめ予見のように書かれているのがニュアンスとして強いのかなという感じがしたのですが、将来の状況に関しては必ずしも断定的にはできないと思うのです。

 

○労政担当参事官

 昨年の閣議決定でも、職員削減を計画的にと言われておりますので。

 

○今村部会長

 それはもう、ほぼ確実に見通されるということで、予定として組んでしまっていいということですね。

 

○労政担当参事官

 はい。

 

○今村部会長

 分かりました。いつもJILPTさんの場合には一生懸命削減されて、努力して人員も経費も削減されていて、本当に士気はモラルは大丈夫かという指摘をこの委員会で、かつて何回も指摘されておりますので、特にこの部分は重要かと思われます。もちろん後半の部分は大事ということで理解いたしました。

 

○労政担当参事官

 ありがとうございます。

 

○松浦委員

 先ほど部会長からの御指摘があった部分なのですが、私もやはり「アジアにおける日本のプレゼンス」という所がやや気になるので、そういう御趣旨であれば、「アジアにおける日本の労働研究のプレゼンスを」というように、「労働研究」という言葉をはっきりとお入れになったほうが、誤解がないと思います。

 

○今村部会長

 今、委員の御指摘がありましたが、例えば、ここはJILPTをそのまま取り入れて「日本の労働政策研究・研修のプレゼンスを高めるために」と入れるというのは1つのアイディアかと思います。

 

○労政担当参事官

 特にここは研究の部分ですので、労働事情、労働政策に関する情報の収集・整理のところに、「日本の労働政策研究のプレゼンスを高めるための」と修正する方向で調整させていただきたいと思います。

 

○今村部会長

 そうですね。これを受けて、ここの所に日本における具体的には労働政策研究でよろしいですか、研修はいらないのですね。

 

○労政担当参事官

 はい。

 

○柴田委員

 私が書いたコメントがあったからかなと思って、アジアにおける、そのときに日本のプレゼンスと書いたからかなと思ったのですが。

 

○今村部会長

 そうですね。

 

○柴田委員

 そのときの意図は、別に労働研究だけではなくていろいろな面で日本のプレゼンスをもうちょっとアジアで発揮したいという趣旨です。でも、おっしゃっていたように、ここだったら研究に、労働研究とかに断定したほうがいいかもしれません。

 

○今村部会長

 むしろ、その窓口を通してもっと広く日本の存在をアピールしていくという趣旨にも取れると思います。

 

○労政担当参事官

 そうですね。確かに、ひいては労働政策、ひいては労働全体ということになると思うのです。直接は私たちによる労働政策研究かと思います。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。それでは、今、御指摘のとおり修正をいたしまして、労働政策研究・研修機構の「平成25年度の業務実績の評価結果」については本部会として決定したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。最後に法人の理事長から、一言いただければと思います。よろしくお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 本日は、当機構の平成25年度の財務諸表の承認の件、及び業務実績の総合評価の件について御審議をいただき、ありがとうございます。私どもは本日の評価結果を踏まえ、また評価の過程でいただいた御意見を踏まえながら、引き続き労働分野の政策研究機関として、労働政策の企画立案、推進に貢献すべく役職員一丸となって努力してまいる所存でございます。委員の皆様方には引き続き御指導いただきたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。次の議題に入る前に法人及び法人所管課の入替えを行いますので、しばらくお待ちください。

(法人及び法人所管課入替え)

 

○今村部会長

 それでは、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度財務諸表について審議いたします。財務担当の宮崎委員から御報告をお願いいたします。

 

○宮崎委員

 資料2-22ページです。高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度の法人全体の財務数値は記載されているとおり、総資産額が4,920億円です。負債総額が3ページの678億円、純資産額が4,242億円です。4ページの損益計算書です。経常費用の合計額が1,050億円、経常収益の合計額が1,038億円、5ページの臨時損失が1,600万円、障害者雇用納付金勘定における納付金関係業務引当金戻入により、臨時利益が56億円計上され、当期の総利益は44億円です。

 当機構の財務諸表全般について、前年度比の増減の内容の分析並びに私が特に必要と判断した個別の会計処理の内容について、質問を実施し、その妥当性の確認をしました。

 会計監査人は有限責任あずさ監査法人が行い、同法人から提出を受けている監査結果報告書により監査の実施状況についても確認をしております。会計監査人及び監事から提出を受けた、監査結果の意見書、このいずれにおいても財務諸表の適正意見が表明されているところです。

 以上から、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度の財務諸表は適正に作成されており、申請どおり承認することが適当であると判断いたします。

 併せて、若干コメントさせていただきます。障害者雇用納付金勘定においては、支給金が障害者雇用納付金の徴収収入を上回る状況が継続しており、引当金の取崩しが継続しております。今後、制度改正により障害者雇用納付金の適用対象となる事業所が増加することにより、収支見込みが改善すると伺っておりますが、適用対応事業所数が大幅に増加するという大きな制度改正を伴うものと考えておりますので、このような、業務量の増加を想定した着実な準備をお願いしたいということです。

 

○今村部会長

 ただいま御報告いただいた高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度財務諸表について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。特に修正意見はないようですので、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度財務諸表については、資料2-1の意見書()のとおり、本部会として了承いたします。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 続いて、高齢・障害・求職者雇用支援機構の総合評価について審議いたします。柴田委員から、起草していただいた評価書()について報告をお願いいたします。

 

○柴田委員

 資料2-3で高齢・障害・求職者雇用支援機構の第3期中期目標期間の初年度となる平成25年度業務実績の評価結果を御説明します。

1ページの1(2)業務全般の評価です。平成25年度は、第3期中期目標期間の初年度として、中期目標・中期計画の着実な達成に向け、業務運営の効率化、経費節減等に努めたほか、多様なニーズに機動的に対応したことなどにより、業務実績は全ての項目で年度計画の数値目標を上回っており、着実に実績を上げていると言えます。次年度以降については、次の3点に留意して業務を進めることを期待します。

1点目は、今後も、生涯現役社会の実現に向けた取組がより重要となり、高年齢者雇用の相談・援助ニーズはますます高まっていることから、効果的な相談・援助や啓発活動の充実を図るとともに、業務の更なる質の向上に向けて取り組む必要があること。

2点目は、精神障害者、発達障害者など、他の就労支援機関では対応が困難な障害者の就労支援ニーズに積極的に応えるため、関係機関とのネットワーク形成を一層強化し、より円滑な就職・職場定着に向けて、サービスの一層の質的向上について検討する必要があること。

3点目は、職業訓練を効果的に実施するとともに、定員充足率が低下傾向である要因を分析し、定員充足率の向上に取り組むほか、求職者支援制度に係る情報漏えい事案を踏まえ、職業訓練認定の信頼性向上のための体制強化に引き続き取り組む必要があること。

 続いて、2ページの2.具体的な評価内容について説明します。(1)「業務運営の効率化に関する措置」についてです。本部管理部門の職員の削減、業務量の変化に見合った本部業務部門の実施体制の検討、地方組織の一元化に向けた準備、地方施設の移設・集約化が着実に行われており、評価できます。特に、平成25年度当初から、福島及び香川の高齢・障害者雇用支援センターを職業訓練支援センターへ移設・集約化したほか、平成26年度当初に青森の高齢・障害者雇用支援センターを職業訓練支援センターへ移設・集約化できるよう、必要な準備を行ったことについては、費用の節減効果が期待され、評価できます。

 業務運営の効率化に伴う経費削減等については、平成24年度予算と比較し、一般管理費は18.2%、業務経費は3.6%の節減を行っており、評価できます。契約については、調達に係る点検シートによる自主点検、入札・契約手続運営委員会による審議を経た上での調達の実施、監事・契約監視委員会による確認の手続など、契約事務の適正化を図りつつ、競争性・透明性の確保に向けた努力が行われており、評価ができます。

 次に、2ページの中段の(2)「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について」です。1業務の質の向上への取組についてです。関係者のニーズ等の積極的な把握や業務の点検・改善に努めており、評価できます。また、内部統制の改善に積極的に取り組んでいることも評価できますが、一部に不正・不適正事案の発生があったので、人材育成、組織ガバナンスの観点からコンプライアンス・リスク管理の徹底・強化を図るとともに、引き続き業務の体制強化に努めていくことを期待します。

3ページです。2高年齢者等雇用支援業務についてです。給付金の支給業務については、厚生労働省と機構が連携することにより効率的に業務を行ったことや、昨年度に引き続き不正受給防止対策の一層の強化に取り組んでおり、平成25年度の不正受給件数が0件になった点は、評価できます。今後は、分かりやすい支給手引の作成や支給処理日数の短縮に向けた検討を期待します。

 続いて、「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発・提供及び高年齢者雇用に関する啓発等」についてです。職業安定機関との連携の下、改正高齢法の施行初年度であることを踏まえて、企業に対して相談・援助を積極的に実施したことなどにより、相談・援助件数、課題改善効果ともに目標を上回り、過去最高の実績となったことは評価できます。今後も、生涯現役社会の実現に向けた取組がより重要となり、高年齢者雇用の増加に伴い、相談・援助ニーズはますます高まっていることから、高年齢者が能力を最大限に発揮できるよう、効果的な相談・援助や啓発活動の充実を図るとともに、業務の更なる質の向上に向けた取組を期待します。

3ページ、下段の3障害者雇用支援業務についてです。地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援業務において、ハローワークや地域の関係機関との連携を図りつつ、就労支援にとどまらず、ジョブコーチによる就職後の職場定着や職場復帰支援にまで、一貫した専門性の高い支援を実施していることは評価できます。今後は、うつ病などの精神障害者への対応に戸惑っている企業への専門的支援がなされることを期待します。

4ページ、「地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」についてです。地域の関係機関が効果的な職業リハビリテーションを実施できるよう、地域センターのカウンセラーが関係機関職員との協同支援等を積極的に実施し、地域の関係機関とのつながりを強化する試みがされており、評価できます。

 続いて、「職業リハビリテーションに関する調査・研究及び技法の開発」についてです。既に高い水準ですが、その水準を更に高めるため、時宜を得た研究テーマを厳選することで、全てのテーマにおいて3分の2以上の外部評価委員から上位2段階の評価を得たことは評価できます。今後も、更に現場のニーズや課題を踏まえた研究になることを期待します。

 中段の「障害者職業能力開発校の運営」については、関係機関と連携しつつ、職業訓練上、特別な支援を要する障害者の受入拡大などに取り組み、平成25年度においては、定員充足率が目標を大きく上回ったほか、職業訓練上、特別な支援を要する障害者の割合が過去最高になったこと、修了者の就職率も目標を大きく上回った実績となっており、評価できます。

4ページの下段、「障害者雇用納付金の徴収及び障害者雇用調整金、報奨金等の支給業務」についてです。障害者雇用納付金関係の業務については、企業が引き続き厳しい経営環境にある中で、非常に高い収納率を達成しており、評価できます。今後も業務の効率化に取り組みつつ、収納率について高い水準を維持することを期待します。

 「障害者雇用納付金制度に基づく助成金の支給業務」については、昨年度に引き続き不正受給防止対策の強化を進めており、評価ができます。今後も関係機関と連携するとともに、事務の効率化を図りつつ取り組むことを期待します。

5ページです。「障害者雇用に関する各種講習、相談・援助、実践的手法の開発、啓発等」です。障害者雇用に関する各種講習、相談・援助については、個別相談の実施等により、特に困難な課題を抱える事業主に対する相談・援助体制の強化を進めており、評価できます。障害者雇用に関する実践的手法の開発については、事業主ニーズや国の障害者施策の動向を踏まえて実施し、分かりやすく実践的なマニュアル・好事例集の作成に取り組んでおり、評価できます。

 続いて、「アビリンピックの開催」についてです。障害者の雇用・就業の動向を踏まえ、様々な競技を実施したことにより、来場者へのアンケート調査において、障害者の職業能力及び雇用に対する理解が深まった旨の評価を得た割合が、過去最高となっており、評価できます。また、技能五輪全国大会との同時開催といった新しい取組や、地方アビリンピックについては、組織内外の関係機関との連携強化によるシナジー効果により、競技参加者数及び競技種目が過去最高になった点は評価できます。

 中段のやや下の4職業能力開発業務についてです。まず、「効果的な職業訓練の実施、公共職業能力開発施設等」の所です。効果的な職業訓練の実施については、「機構版教育訓練ガイドライン」に基づいたPDCAサイクルによる多様な利害関係者を取り込んだ訓練コースの不断の見直しを行っており、評価できます。今後も、企業等のニーズに応えた効果的な職業訓練の実施に取り組むことを期待します。また、東日本大震災の被災地等における震災復興訓練として、被災地等6県において地域と連携し、震災復興訓練を引き続き設定、実施しています。なお、定員充足率が低調な施設については定員充足率の向上に取り組んでいると認められますが、低調な要因を分析し、今後も引き続き定員充足率の向上に取り組むことを期待します。

6ページ中段の「離職者訓練」です。離職者訓練については、地域ごとに人材ニーズを踏まえた上で、民間教育訓練機関では実施できない訓練コースの設定に努めるとともに、「就職支援行動ガイド」などを活用し、就職支援の強化を行うことで、訓練終了後3か月時点の就職率については目標を達成し、過去最高となったことや、常用労働者の割合も前年度実績を上回ったことは評価できます。

 続いて、「高度技能者の養成訓練」についてです。人材ニーズに的確に対応した訓練を実施し、就職希望者の就職率が目標を上回ったことは高く評価できます。また、「ものづくり体験教室」を実施するなど、地域に開かれた施設運営を行っていることも高く評価できます。

 続いて、「在職者訓練、事業主等との連携」です。在職者訓練については、受講者と事業主のアンケート調査の満足度が、いずれも目標を上回っており、中小企業の技能水準の維持・向上に役立ち、日本経済の競争力を高める施策として評価できます。

7ページの「職業訓練指導員養成、訓練コースの開発、国際連携・協力の推進等」です。職業訓練指導員の養成については、技能習得の指導やキャリア・コンサルティング、就職支援等に対応できる幅広い能力を有する人材の養成に努めており、評価できます。国際連携・協力の推進等については、職業訓練指導員の開発途上国への派遣など、国際的視野の中で指導的人材の育成を行っており、評価できます。

 次は、「求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等」です。これについては、職業能力の開発及び向上を図るために効果的な訓練内容となっているかを踏まえ、認定申請書の受理・審査等の認定を実施しているほか、訓練の質を確保するための定期的な訓練及び就職支援の実施状況調査、訓練実施機関に対する実施状況確認など、重要な取組を着実に遂行していると認められます。求職者支援制度の情報漏えい事案に対しては、訪問計画の機密性の確保などの再発防止の徹底を行っており、更なる職業訓練認定の信頼性の向上のため、体制強化に努めることを期待しています。

8ページの(3)「財務内容の改善等について」です。予算執行について、通信運搬費の低減、職員宿舎の借上げ経費の低減、職業能力開発施設に係る土地及び機器賃借料の見直しなどの取組により、業務経費等の節減を図っております。

 雇用促進住宅について、東日本大震災に伴い住宅を喪失した被災者等に対し、住宅を無償で提供するなどの支援に努める一方で、地方公共団体や民間事業者に譲渡・売却するなど、譲渡等を着実に進めています。財産処分については、国が決定した保有資産の処分方針に基づき、職業能力開発施設の敷地や職員宿舎の処分を着実に進めています。人件費については、目標の達成に向けて着実に節減するとともに、給与制度・退職手当制度について、国に準じた見直しがなされており、ラスパイレス指数が国と同水準になっていることは評価できます。

 以上で、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度の業務実績の評価結果(案)の説明を終わります。

 

○今村部会長

 ただいま御報告いただいた評価書()について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 

○宮崎委員

 細かい点で恐縮ですが、1ページ、3ページに、文言として「高齢者雇用」という表現と「高年齢者雇用」と両方が出てきまして、意図して使い分けられているのか、そういうわけではないのか、両方書きぶりとしてあるものですから、どちらかに統一したほうがいいと思いました。気になったという程度の意見です。

 

○今村部会長

 私も気がついたのですが、特徴的なのは3ページの真ん中の辺りで、「高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法」とあります。その本文の下から3行目の所に、「高齢者雇用の増加に伴い」と書いてあります。このように、混在しているように感じますが。

 

○柴田委員

 そうですね。全部「高齢者雇用」だとまずいですか。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 正式には「高年齢者雇用」です。

 

○柴田委員

 「高年齢者雇用」で統一します。ありがとうございます。

 

○今村部会長

 これも文章としては分かるのですが、一般の方が読むときには説明不足だと思われるところがあります。まず、1ページの下から4行目以降、「医療・教育・福祉等の関係機関とのネットワーク形成を一層強化するとともに、精神障害者、発達障害者等のより円滑な就職・職場定着に向けて、サービスの一層の質的向上について、検討する必要がある」とあります。読むとそのとおりなのですが、サービスを一層の質的向上だけに限定しているのは、何か意味があったのでしょうか。つまり、量的な部分に関してだけではなく、わざわざここで「質」と断るのは、何か意味があったのか、私も思い出せないのですが。

 つまり、こういう人たちというのは、より存在を確認されて、量的なニーズも増えているはずだと思うのですが、「質的」という意味はどうだったのかが思い出せないものですから、何だったでしょうかね。そもそも単純に、文章の使い方として、質を向上させようということだろうというのは分かるのですが。

 

○柴田委員

 でも、量も大切ですよね。

 

○今村部会長

 質という議論があったのか。

 

○柴田委員

 いや、そのような議論にはなっていなかったかもしれません。

 

○今村部会長

 唐突に「検討する」と出てくるのですが、例えば「引き続き」とか、そういう感じになるのか、文章の流れとしては。

 

○柴田委員

 「一層」ですから今もやっているということですものね。

 

○今村部会長

 そうです。いきなり「検討」ではなくて、「引き続き」ぐらいは入れたほうがいいのかな。蛇足ですが、そういう印象もあるのですが。

 

○柴田委員

 これは期待することなので、たくさん期待してもよさそうな気がするので、「サービスの一層の向上について、引き続き検討する必要がある」でよろしければ、入れたいと思います。

 

○今村部会長

 そのほうが、流れがはっきりすると思います。

 

○柴田委員

 ありがとうございます。

 

○今村部会長

 もう1つは、我々だと常識になっていると思うのですが、5ページの4からの「職業能力開発業務について」という所で、職業能力開発促進センター(61か所)、職業能力開発大学校(10)とあって、6ページの12行目に、その名前がまた出てきまして、「職業能力開発促進センター及び職業能力開発大学校・短期大学校の都道府県への移管については」と書いてあって、「平成263月までの移管期限については延長の措置をとらず」、そこでいきなり「ポリテクセンター・ポリテクカレッジ」と出てくるのですが、この両者の関係は、おそらく、それぞれ前者と後者で対応しているかと思うのですが、これはどういう意味なのか。ポリテクセンター・ポリテクカレッジというのは、文章上はこの中でいきなり出てくるのです。気になったのですが、いかがでしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 今の御指摘のあった後半のほうで、初めて片仮名で出てくる所は、起草委員におかれては、去年の12月の閣議決定が「ポリテクセンター・ポリテクカレッジ」という表現になっているので、閣議決定を忠実に書かれたものだと思います。

 閣議決定では、その手前の文章の所で、「ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)」というように説明があるものですから、結果的に後半部分を持ってきて、こういうことが起きたのかなと想像するところです。

 そうだとすると、部会長がおっしゃったように、ワーディングとしては統一して、「職業能力開発促進センター・職業能力開発大学校」としたほうがよろしいかなと。

 

○今村部会長

 あるいは括弧で最初に入れるかですが、起草委員としてはどちらがよろしいでしょうか。

 

○柴田委員

 いろいろな言葉が出てこないほうがいいので、今の御意見のように、「ポリテクセンター・ポリテクカレッジ」を入れないほうが分かりやすいと思います。

 

○今村部会長

 ただ、お言葉を返すようで恐縮なのですが、お盆で田舎に行っていたときに、空港などに、「ここに就職するならポリテクセンター」と宣伝が出ているのです。ブランドとしては「ポリテクセンター・ポリテクカレッジ」が浸透しているのです。それが少し気になるところです。

 

○柴田委員

 そうですね。読むのも大変なぐらい長いので、こちらのほうがしゃべりやすいという意味で、愛称にも近いから、そしたらこちらを括弧書きで書くほうが。

 

○今村部会長

 例えば5ページの冒頭に出てくるのが、4のすぐ下の所ですので、そこに括弧で「職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)」、「職業能力開発大学校(ポリテクカレッジ)」と入れさせていただくと。いかがでしょうか。こういう理解でよろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 そのとおりです。

 

○今村部会長

 ほかにはいかがでしょうか。それでは指摘があったことに関しては修正しまして、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成25年度の業務実績の評価結果については、本部会として決定いたします。なお、今後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応につきましては、私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 続いて、高齢・障害・求職者雇用支援機構の役員の退職金に関わる業績勘案率について審議いたします。最初に事務局より説明し、その後に法人から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 独立行政法人の役員の退職金について御説明いたします。参考資料113ページから16ページまでにございます別添7、別添8も併せて御参照ください。

 独立行政法人の役員の退職金については、平成151219日に閣議決定された「独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について」により、在職期間に応じて算出した額に、0.0から2.0の範囲内で、業績に応じて、独立行政法人評価委員会が決定する業績勘案率を乗じた金額とされております。

 本日は、本年331日付けで退職した高齢・障害・求職者雇用支援機構の役員2名に関しての業績勘案率について、法人から本委員会の委員長あてに算定の依頼がありましたので、事務局で、平成16330日に本委員会で決定された「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づいて試算させていただきました。その結果を御説明させていただいた上、その試算結果について御審議いただくこととしております。

 なお、本日決定した業績勘案率については、後日、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会に通知し、同委員会から意見が附され、再審議が必要な場合には本部会において改めて御審議いただきます。一方、意見がない場合、あるいは意見が附されたものの再審議が必要ない場合には、事務局から部会長に報告し、最終決定させていただくという流れになります。

 また、本議題の配付資料については、参考資料117ページ、別添9にありますが、厚生労働省独立行政法人評価委員会の会議の公開に関する規程第2条第1号に該当するため、非公開としていますので、机上に配付した資料のうち、退職金見込額等の個人情報については、御発言いただかないようお願いいたします。

加えて、委員限り資料については、本部会終了後に回収いたしますので、持ち帰らずに机上にそのままにして御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、試算した業績勘案率の案について、資料2-5に沿って御説明いたします。まず、役員の退職金に係る業績勘案率ですが、先ほど御説明しました評価委員会として定めた方法に従い、計算を進めていきます。

 資料2-5-1を御覧ください。加藤理事についてです。旧雇用・能力開発機構の理事としての在職期間を含め、在職期間は平成2241日から平成26331日までの48か月ですので、旧雇用・能力開発機構の平成22年度から平成239月末までの16か月の年度評価の結果、及び高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成2310月から平成25年度までの26か月間の年度評価の結果について、各年度、夏の評価委員会で委員の皆様方に付けていただいた「SABCD」の評価を数値化し、その平均をとります。評価の数値化については、参考資料1の別添8の表1にあるように、S2.0A1.5B1.0と換算し、平均値を算出しています。その結果は、資料2-5-1の別添2-1、別添2-2、別添2-3のとおりです。

 さらに、参考資料1の別添8の一番下の表2にありますが、先ほど算出した平均値が1.5以上の場合は1.50.511.49の場合は1.00.5以下の場合は0.5と置き換えます。今回の場合は、資料2-5-12(1)の表の下段のとおり、旧雇用・能力開発機構の平成22年度及び平成23年度が1.47、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成23年度は1.63、平成24年度が1.48、平成25年度が1.45となっておりますので、旧雇用・能力開発機構の平成22年度及び平成23年度を1.0、高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成23年度を1.5、平成24年度及び平成25年度を1.0と置き換えます。これに各年度の在籍月数を掛け、資料2-5-12(2)の計算式のとおり、在職期間の48か月分の加重平均を算出した結果、業績勘案率は1.1となります。

 続いて、役員の在職期間における目的積立金の状況、退職役員に係る職責事項について勘案します。今回の場合、目的積立金は積んでおりません。また、職責事項について特に法人から申し出はありませんが、(5)の特記事項の記載のとおり、平成239月末で旧雇用・能力開発機構を退職した役員の方々については、平成2489日の第77回労働部会において、不適正経理等の発生後における法人組織内の情報共有の状況等を踏まえ、一律、業績勘案率を0.9と算定していることから、既に退職した役員の方と同時期に在任していた加藤理事についても、0.9として試算しております。

 続いて、資料2-5-2を御覧ください。玉山監事についてです。計算の手順は先ほどの加藤理事と同じですが、在職期間が平成25101日から平成26331日までの6か月間ですので、平成25年度の年度評価の結果を基に算定します。これに在籍月数を掛けて資料2-5-2(3)の計算式のとおり、在職期間の6か月分の加重平均を算出すると、結果1.0となり、目的積立金は積んでおらず、職責事項についても特に法人からは申し出がありませんでしたので、業績勘案率を1.0として試算しています。事務局からは以上です。続いて、法人から説明をお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構総務部長

 資料の別添12(2)「特記事項」です。ただいま説明のあった2人の元役員の職務について、御説明させていただきます。加藤元理事は旧雇用・能力開発機構においては、中期計画及び年度計画の作成と管理、各種業務の広報、予算の執行計画の策定と管理、訓練計画の全体調整等の業務について、高齢・障害・求職者雇用支援機構においては離職者訓練、在職者訓練及び学卒者訓練の実施、求職者支援訓練に係る認定審査と訓練実施機関への指導、雇用促進住宅の管理・運営等の業務について的確に取り組まれ、着実に各業務を推進されました。

 玉山元監事は、関係法令及び業務方法書その他の諸規程等の実施状況、各事業年度における中期計画及び年度計画の達成状況、予算の執行状況及び決算状況等について、監査を実施し、業務の適正かつ能率的な運営の確保のために取り組まれました。

 

○今村部会長

 ただいま御説明がありました高齢・障害・求職者雇用支援機構の役員の退職金に係る業績勘案率について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 念のための確認ですが、前者の加藤理事に関しては、業績勘案率は1.1の計算ですから、1.10.9になるのではなくて、目的積立金の状況等を考慮して1.0、特記事項を考慮して0.9になるということですね。

 

○政策評価官室長補佐

 はい。

 

○今村部会長

 ほかによろしいでしょうか。修正意見はないようですので、申請があった高齢・障害・求職者雇用支援機構の役員の退職金に係る業績勘案率については、原案のとおりに決定します。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 高齢・障害・求職者雇用支援機構の審議は以上です。最後に法人の理事長から一言いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 本日は当機構の平成25年度の業務実績等の評価について、御審議をいただき、ありがとうございました。総合評価書でお示しいただきました諸課題、皆さんからいただきました御意見等を踏まえまして、中期目標達成に向けて、なお一層効率的な業務運営を心掛けたいと思いますので、御指導方よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

 

○今村部会長

 どうもありがとうございました。次の議題に入る前に、法人及び法人所管課の入替えを行いますので、しばらくお待ちください。

(法人及び法人所管課入替え)

 

○今村部会長

 それでは、勤労者退職金共済機構の平成25年度財務諸表について審議をいたします。財務担当の宮崎委員から御報告をお願いいたします。

 

○宮崎委員

 お手元の資料3-2の決算書を御覧いただければと思います。資料3-2の決算と書いてある所、32ページまでめくっていただきますと、その次に財務諸表があります。勤労者退職金共済機構の財務諸表の1ページを御覧ください。勤労者退職金共済機構の平成25年度の法人全体の財務諸表数値は、この1ページに記載されておりますとおり、総資産が法人全体で58,564億円、負債総額が55,347億円、純資産が3,216億円となっております。2ページの損益計算書は経常費用の合計額が5,502億円、経常収益は合計が7,335億円、当期の総利益が1,834億円となっております。これは主として中退共勘定におきまして、1,608億円の利益を上げたことが主な要因となっております。

 勤労者退職金共済機構の財務諸表全般について、前年度比の増減内容の分析、並びに私が特に必要と判断いたしました個別の会計処理内容に関しての質疑を実施させていただきまして、その内容の妥当性を確認いたしました。また、会計監査人は有限責任あずさ監査法人が監査を行っております。当法人から提出を受けております監査結果報告書によって、監査の実施状況についても確認しております。併せて、会計監査人及び監事から提出を受けた監査結果の意見書、いずれにおいても財務諸表の適正意見が表明されています。

 以上から勤労者退職金共済機構の平成25年度の財務諸表は適正に作成されており、申請どおり承認することが適当と判断いたします。

 若干、コメントを付け加えさせていただきます。当機構の中退共勘定は、解散する厚生年金基金の受皿となり得るなどの重要な役割を有しているものと認識しています。このような基金からの移行の受皿となり得るというような点について、事業報告書のような中で、加入者の増加要因、掛金の増加要因の説明として、あるいは定性的な情報として、少しそういった重要な役割を担っている、ないしはそういった要因で収入なり掛金が増えているといったことの積極的な情報開示という点もあると、よりよいのではないかということで、中身がよりよく分かるという部分もあります。この点については、今後の取組として、事業報告書の記載に関して、前向きに検討いただければと思いますので、コメントさせていただきました。以上です。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。ただいま御報告を頂いた勤労者退職金共済機構の平成25年度財務諸表について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、特に修正意見はないようですので、勤労者退職金共済機構の平成25年度財務諸表について、資料3-1の意見書()のとおり、本部会として了承したいと思います。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 続きまして、勤労者退職金共済機構の総合評価について審議いたします。私のほうから起草した評価書()について、報告させていただきます。資料は3-3です。それでは、勤労者退職金共済機構の平成25年度業務実績の評価概要を申し上げます。

 まず、1(2)ですが、平成25年度業務実績全般の評価です。機構の目的に照らして、業務の効率化及び質の向上により得られた成果が「確実な退職金支給」「退職金共済制度への着実な加入」及び「財形持家融資制度の普及」にどの程度寄与するかという視点が評価の中心となります。平成25年度の業務実績については、全体としては適正に業務を実施したと評価できますが、以下の点に留意する必要があります。

 まず、1番です。中退共事業については、当期純利益を計上しまして、平成26年度における付加退職金支給率が定められたところですが、林退共事業においては、一定の累積欠損金が解消されたものの、引き続き「累積欠損金解消計画」を踏まえて、今後の市場の推移の中で着実に解消を図ることが重要です。

 2です。加入促進については、平成26年度以降も更に効果的な取組を行うことが求められます。特に平成25年度に加入者が目標に達成しなかった中退共事業及び林退共事業については、その要因を解析し、また業界の状況等も勘案しつつ、確実な加入に向けて、より一層の努力が求められます。

 3です。中退共事業における退職金未請求については、意欲的に新たな未請求退職金の発生を防止するための対策がなされたものの、建退共事業における共済手帳の未貼付の証紙に係る対応は、改善が求められます。今後とも、未請求の発生要因や建設業の労働市場の特殊性に留意しつつ、更なる取組が行われることを期待しております。

 4です。財産形成促進制度については、中小企業における融資の利用促進を図るため、中小企業退職金共済制度の利用促進に向けた取組との連携を強化する等、更なる取組の工夫がなされることを期待します。

3ページの下は、具体的な評価内容についてです。ポイントを申し上げます。まずは(1)業務運営の効率化に関する措置についてです。1効率的な業務運営体制の確立については、総務部、システム管理部及び建退共本部における組織の見直しを行い、定員2名の削減が行われたほか、中退共事業においては、請求手続の要請業務の外部委託化により、全体の効率化や未請求対策の強化が図られるなど、効率的かつ安定的な業務実施体制の確立に向け、大きな成果を上げている点は評価できます。

4ページの2は、中期計画の定期的な進行管理です。加入促進対策の遂行状況等について、組織的な進行管理が図られており、中期計画の進行管理は着実に行われていると認められます。

 3は、内部統制の強化です。理事会、幹部会及びコンプライアンス推進委員会等の開催により内部統制の強化を図る従来からのPDCAの仕組みに加えまして、「反社会的勢力に対する基本方針」を策定するなど、コンプライアンス高度化に向けて新たな取組が実施されたことや、情報セキュリティ対策が強化されたことは評価できます。

 4は、業務運営の効率化に伴う経費節減です。大幅な経費節減が行われており、また平成24年度に比べて、人件費が削減されていることは評価できます。

 5は契約の適正化の推進です。平成24年度に比べて、随意契約件数が減少したことは評価できます。また、全省庁統一資格の導入による入札参加機会の拡大など、契約の適正化に努めていると認められます。

4ページの下の(2)は、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置についてです。1確実な退職金支給のための取組については、まず中退共事業における退職金未請求に対する取組として、引き続き、「加入通知書」や「加入状況のお知らせ」の発行により被共済者の意識を高める取組等を行ったほか、退職後3か月経過しても未請求者でいる被共済者に対して、退職金請求を促す要請通知を行うことに併せて、長期間未請求となっている者に対して、在宅時間に合わせたテレホンアプローチなどを実施することで、脱退後2年経過後の未請求率を1.59%まで縮減したことは評価できます。引き続き、目標達成に向けた効果的な取組を期待いたします。また、これまでに累積した退職金未請求者に対する取組ですが、退職後5年以上を経過した未請求者(平成18年度脱退者)に対して請求手続要請を行っており、努力を重ねているものと認められます。

 建退共事業における共済手帳の長期未更新者発生防止等に関する取組としては、新規加入時及び共済手帳の更新時における被共済者の住所把握や、既加入者に対する長期未更新調査による長期未更新者縮減に向けた取組が引き続き行われており、努力が認められます。共済証紙の適正な貼付に向けた取組については、共済契約者に対する指導等の努力が認められますが、共済証紙の販売額の増加等に伴い、共済証紙の販売額の累計と貼付確認額の累計との差額が前年度末と比較して増加したため、要因解析を行った上、効果的な対策を実施し、目標達成に向けて更なる改善を期待いたします。

 次に、清退共事業及び林退共事業についてです。新規加入時及び共済手帳更新時において把握した被共済者の住所のデータベース化を行うなど、対策の強化を行っている点は評価できます。今後とも、それぞれの業界の特性や機構の実施体制等を勘案しつつ、成果を把握し、その結果を今後の対策に反映させるなど、引き続き効果的な取組を期待いたします。

 2は、サービスの向上についてです。退職金給付に係る処理期間については、中退共事業については25日以内、建退共事業、清退共事業及び林退共事業については30日以内とする目標を達成しているほか、利用者の利便性の向上に努めた点は評価できます。今後は利用者の情報環境状況等の変化を踏まえつつ、更なるサービスの向上に努めることを期待いたします。

6ページ3は、加入促進対策の効果的実施です。全体としてはおおむね目標を達成したものと認められます。各事業では建退共事業及び清退共事業は目標を達成し、加入促進の取組が評価できるものの、中退共事業及び林退共事業では加入者の目標達成率がそれぞれ97.4%、82.7%と目標を達成することができませんでした。特に、目標を大きく下回っている林退共事業は今後の課題です。今後は、未達成についての更なる要因解析を行った上、各事業の特性に応じて、効果的な加入促進対策を行うことを期待いたします。

6ページの真ん中は、財産形成促進事業です。全ての貸付決定について、16日以内で対応した点、周知・広報についてホームページの積極的な活用、外部委託の活用や関係機関との連携等に努めることにより、ホームページのアクセス件数、リーフレット配布箇所数など、目標の上回った点は評価できます。中小企業における融資の利用促進を図るため、更なる取組の工夫がなされることを期待いたします。

6ページの下(3)は、財務内容の改善等についてです。1は累積欠損金の処理についてです。「資産運用の基本方針」に基づき、安全かつ効率を基本として資産運用を行った結果、中退共事業については、約1,606億円の当期利益を計上し、8年ぶりに付加退職金の支給率が定められた点は高く評価できます。林退共事業においては、年度ごとの解消目標額を上回る9,300万円の累積欠損金を解消した点は評価できますが、解消年限である平成34年度末までに約10億円の欠損金を解消する必要があるため、引き続き累積欠損金解消計画を踏まえて、資産運用について安全かつ効率的な運用を基本としつつ、着実な解消に努めることが求められます。

7ページ2は、健全な資産運用等です。委託運用において、内外債券高、内外株高、円安等により、各経理ともベンチマークを上回るパフォーマンスを達成し、利益を確保したことに加え、自家運用においても安定した収益を確保した結果、当期純利益を確保することができた点は評価できます。

 2は、財産形成促進事業、雇用促進融資事業についてです。財産形成促進事業については、運営費交付金の廃止を踏まえ、安定的かつ効率的な財政運用に努めた結果、当期利益を34億円計上したことは評価できます。また、貸付金利設定を見直すなど、利用者の利便性の向上等を図った結果、貸付決定が5年ぶりに1,000件を超えたことは評価できます。雇用促進融資の財政投融資への償還も約定どおり実施されており、財務内容の改善が着実に進んでいると認められます。

7ページの下(4)は、その他業務運営に関する措置についてです。退職金共済事業と財産形成促進事業の連携について、中退共事業本部が発行する「中退共だより」に財形事業の広告を掲載するなど、目標達成に向けた一定の取組が認められます。今後は、より効果的な両制度のシナジー効果を引き出すため、人事・事業両面での新たな横断的取組や工夫も含め、積極的な推進がなされることを期待いたします。以上が勤労者退職金共済機構の平成25年度業務実績の評価概要です。

 それでは、ただいま報告させていただきました評価書()について、御意見、御質問等がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

 よろしいですか。ありがとうございました。それでは、特に修正意見はないようですので、勤労者退職金共済機構の平成25年度の業務実績の評価結果については、本部会として決定したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正等が必要になります場合は、対応について私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。では、最後に法人の理事長から一言頂ければと思います。お願いいたします。

 

○勤労者退職金共済機構理事長

 本日は御審議賜りまして、誠にありがとうございました。御審議の結果を踏まえまして、機構運営に万全を期してまいりたいと思います。

 

○今村部会長 

 ありがとうございました。次の議題に入る前に、法人及び法人所管課の入替えを行いますので、しばらくお待ちください。

(法人及び法人所管課入替え)

 

○今村部会長

 それでは、労働者健康福祉機構の平成25年度財務諸表について審議をいたします。財務担当の宮崎委員から御報告をお願いいたします。

 

○宮崎委員

 それでは、お手元の資料4-2の財務諸表を1枚おめくりいただきまして、1ページを御覧ください。1ページが貸借対照表となっております。労働者健康福祉機構の平成25年度の法人全体の財務数値が1ページに記載されておりますとおり、総資産額が4,680億円、2ページ、負債総額が3,089億円、純資産額が1,591億円となっております。

3ページ、損益計算書です。経常費用の合計額が3,087億円、経常収益の合計が3,062億円、労災病院等の減損損失などの要因によりまして、臨時損失が14億円計上され、最終数値として、当期損失が40億円となっております。この25年度の決算ですが、診療報酬の計算方法の改定ですとか、病床滞在日数の縮減などの影響によりまして、収入が減少する一方で、医師、看護師等の人員増員による人件費増加、光熱費等の経費増加によって、当期総損失が40億円、累積欠損金が413億円となっております。そのような増減内容と伺っております。

 当機構の財務諸表につきまして、前年度比の増減の内容分析、並びに私が特に必要と判断した個別の会計処理について、内容の質問を実施しまして、その妥当性を確認しております。会計監査人は有限責任あずさ監査法人が監査を行っており、同法人から提出を受けている監査結果報告書によって、監査の実施状況についても確認をしております。会計監査人及び監事から提出を受けた監査結果の意見書のいずれにおいても、財務諸表の適正意見が表明されております。以上から判断して、労働者健康福祉機構の平成25年度の財務諸表は適正に作成されており、申請どおり承認することが適当であると判断いたします。

 若干、コメントを付け加えさせていただきます。労災病院によっては、設備はあるものの医師不足により、稼動病床数が減少して、減損損失を計上した病院があると伺っております。病院ごとの地域特性や稼動状況、医師・看護師等の配置状況、いろいろな要因があろうかと思いますが、やはり当機構の労災病院としてのネットワーク機能を是非いかしていただいて、労災病院間の医師の人事交流、人員配置の工夫を図るなどの取組強化を引き続き期待したいと思っております。なかなかできること、できないこと、いろいろあるとは思いますが、この辺は病床数は十分あるけれども、医師が足りないので稼動が十分でないところに関して、是非この労災病院のネットワークとしての位置付けを勘案して、適切な人員配置、可能な限りでの人事交流を進めていただいて、有効に設備の利活用も検討いただければと期待したいと思います。以上でございます。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。ただいま御報告いただきました労働者健康福祉機構の平成25年度財務諸表について、御意見、御質問等がございましたら、お願いします。

 宮崎委員に質問ですけれども、当期損失が約40億ですが、この内訳は診療報酬、それから病床滞在日数、人件費、その他経費ということなのですが、この要因、この辺の背景説明については理解できるという御判断でしょうか。

 

○宮崎委員

 特に診療報酬の体系とか、厚生労働省全体として、行政の方針として急性期医療にシフトしていって、慢性疾患のようなものに関しては厳格に、より病床の滞在日数を計算するなど、レセプトの計算の仕方も制度改正そのものによる影響もあるということで、これは内容としては、他の一般の病院でも同じような動きをしているところを私も存じ上げておりますので、特段違和感なく、内容が合理的なものだと理解しております。

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、修正意見はないようですので、労働者健康福祉機構の平成25年度財務諸表については、資料4-1の意見書()のとおり本部会として了承したいと思います。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 続きまして、労働者健康福祉機構の総合評価について審議いたします。小西委員から起草していただいた評価書()について御報告をお願いいたします。

 

○小西委員

 平成25年度業務実績の評価概要について、ポイントを絞って御報告いたします。資料4-3、平成25年度の業務実績の評価結果()を御覧になりながらお聞きいただければと思います。

 まず、本文1ページの1.平成25年度業務実績についての(2)「平成25年度業務実績全般の評価」についてです。機構は労災病院等の運営のほか、国の労働政策と密接に連携した多様な事業を効率的に運営していくことが求められています。まず、全般的な評価は、平成25年度の業務運営に関しては、平成24年度と比較して患者満足度が更に向上した労災病院における高度・専門的医療の提供の分野、そして労災病院への紹介元である労災指定病院等に対する有用度調査の結果が更に向上した勤労者医療の地域支援の分野、そして、中期目標期間を通じて目標の10倍近くの件数の学会発表等を行った労災疾病等に係る研究・開発の分野、そして、過去最短の支払処理日数を達成しました未払賃金立替払事業の分野の各分野において、積極的かつ有用度の高い取組を行ったことは高く評価できます。加えて、行政機関等への貢献を初めとした各分野においても、独法としての役割を着実に果たしており評価できます。

 一方で、25年度は労災病院事業に関し、21年度以来となる経常損失を生じさせたことは遺憾ですが、収入が計画を大幅に下回る病院に対して、患者の確保対策等に関し、指導を行うなどの対策を取ったことは一定の評価ができます。今後も機構本部のガバナンスの徹底により、損益の改善に向けた業務運営の一層の効率化に取り組むことを強く期待いたします。

 以上を踏まえ、全体を総括したところ、機構の平成25年度の各種業務運営は、機構の設立目的に沿って適正に行われており、その実績は全体として、平成25年度計画を達成したものとして評価できます。業務実績全般の評価については以上です。

 続きまして、2ページ中ほどの2.具体的な評価内容について、(1)(3)の大きく3つに分けて説明いたします。まずは、(1)業務運営の効率化に関する措置についてです。1機構の組織運営体制の見直しについては、24年度に引き続き本部の経営指導体制の強化に取り組み、理事長自らが個別に病院長と協議するなど、本部と病院とが密接に連携し、業務運営の効率化に向けた一層の取組を続けています。2一般管理費、事業費等の効率化について、24年度に比べ、退職手当を除いた一般管理費が3.5%削減、労災病院、医療リハビリテーションセンター及び総合せき損センターを除いた事業費が3.0%削減されています。

 次に、3ページの(2)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について、順番に説明いたします。1労災疾病等に係る研究開発の推進等についてです。中期目標期間を通して、目標の10倍近くの件数の学会発表などの取組は高く評価できます。その中でも、アスベスト関連疾患に関する研究では研究の知見を基に、「アスベスト関連疾患早期発見・早期診断の手引き」を改訂し、それが各種研修等で活用されていることなどが評価できます。今後は、研究成果のまとめ方を更に工夫するとともに、その普及については、マスコミを活用した啓発の強化や国レベルでのよりダイナミックなアクション等を通じた、より一層の取組を期待いたします。

4ページの2勤労者医療の中核的役割の推進についてです。ア、高度専門的医療の提供については、24年度と比較し、地域医療支援病院、災害拠点病院とともにそれぞれ1施設ずつ増加していることや、急性期医療への対応を進めた結果、平均在院日数の短縮が進んだほか、救急体制の整備に努めた結果、救急搬送患者数の受入れが増加したことは評価できます。また、医療の質の向上等の面においては、臨床評価指標に労災病院らしさを評価する指標を新たに追加したことや、労災看護専門学校において、機構独自の勤労者医療の教育を実施するなど、労災病院らしさを追求していることなどは高く評価できます。今後も個々の病院の役割に応じた臨床評価指標の設定など、更にきめ細かな対応を期待いたします。

 イ、勤労者医療の地域支援の推進については、患者紹介率、逆紹介率等のいずれも24年度を上回って目標数値を達成しており、高く評価できます。

5ページのウ、行政機関等への貢献については、特に専門的な知見を要する労災認定に係る意見書の作成について、機構本部で対応可能な労災病院をコーディネートする体制を確立したことは評価できます。なお、福島第一原発事故に係る労働者の健康管理等のため、福島労災病院に設置したホールボディカウンタの利用数がやや低調であり、今後、利用数の向上の取組に期待いたします。

 エ、過労死予防等の推進については、勤労者予防医療センターにおいて、過労死予防対策、メンタルヘルス不調予防対策、勤労女性の健康管理対策を行っており、いずれも実績は24年度を上回って目標を達成しており評価できます。26年度からは、勤労者予防医療センターは治療就労両立支援センターに改組され、新たに治療就労両立支援モデル事業が実施されているところであり、今後、更なる取組を期待いたします。

 同じ5ページの一番下、3重度被災労働者の職業・社会復帰の促進についてです。医療リハビリテーションセンター及び総合せき損センターでは、複数の診療科の医師や医療スタッフが連携したチーム医療により、専門的なリハビリテーションが行われており、社会復帰等への取組が着実に実施されており、評価できます。その取組の結果、社会復帰率等の目標数値を達成しており、計画に沿って適正に運営されていると評価できます。労災リハビリテーション作業所については、閣議決定により順次廃止とされており、在所者に対して退所先の確保等の支援を実施した結果、25年度中の退所者8名全員が希望先に対処できたことは評価できます。

6ページ中ほどの4産業保健活動の積極的な支援と充実したサービスの提供推進についてです。22年度当初には47か所あった産業保健推進センターが25年度当初には15か所に集約化された中で、専門的研修の実施件数等が目標数値を上回っていることは評価できます。なお、26年度から産業保健推進センターは産業保健総合支援センターに改組されたところであり、今後もニーズを踏まえた適切な研修回数を設定することを期待いたします。

6ページの一番下の5未払賃金の立替払事業についてです。支払日までの期間について、目標である25日以内を大幅に上回り、過去最短の15.1日になったほか、破産した企業に対する求償についても累積回収率が過去最高の25.2%になったことは高く評価できます。

 続いて、7ページ中ほどの6は、納骨堂の運営業務についてです。産業殉職者合祀慰霊式においては、参列遺族等に対するアンケート結果をもとに、新たに休憩場所を設置するなどの取組の結果、満足度調査に係る目標を継続して達成しており、評価できます。

 最後に、同じく7ページの(3)、財務内容の改善等についてです。1財務状況について、医療の質と安全の確保の観点から、医師や医療スタッフを増員し、上位施設基準の取得等により、診療単価が増加したものの、長期入院患者の退院の促進等により、患者数が減少したため、経常収益は24年度と比較し微増にとどまり、給与費や材料費等の経常費用の増加を賄うには至っておりません。この結果、労災病院事業に係る経常損益が約25億円の損失に、当期損益が約40億円の損失になり、21年度以来の経常損失を生じるとともに、繰越欠損金が増加したことは遺憾です。機構が果たすべきミッションを考慮しつつ、徹底した経営改善により、損益の改善を図るとともに、厚生年金基金の見直しによる、退職給付費用の削減と損益の改善及び繰越欠損金の解消に向けた今後の取組を強く期待いたします。

 2は人事、施設・整備に関する計画についてです。運営費交付金を充当して行う事業に係る常勤職員については、「期首の職員数(720)以内とする」という25年度計画に基づき、628人となっており、引き続き効率的な人事・施設運営に取り組んでいることは評価できます。駆け足になりましたが、以上が平成25年度業務実績の評価結果の概要です。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。ただいま御報告いただきました評価書()について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいですか。特に修正意見はないようですので、労働者健康福祉機構の平成25年度の業務実績の評価結果については、本部会として決定したいと思います。なおこのあと、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただけますでしょうか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます、そのようにさせていただきます。

 続いて、労働者健康福祉機構の最終評価について審議いたします。最初に法人から説明し、そのあと小西委員から起草していただいた最終評価書()について、御報告いただき、最後に質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、法人から説明をお願いいたします。

 

○労働者健康福祉機構総務部長

 資料4-5、色刷りのパワーポイント資料に基づき、第2期中期目標期間の最終評価について御説明させていただきます。1ページを御覧ください。評価シート1、高度・専門的医療の提供です。各労災病院は13の労災疾病等の研究・開発を行いながら、勤労者医療という政策医療を展開しておりますが、地域の中核的な医療機関としての役割も担っているところです。急性期医療への対応ということで、71看護体制の導入あるいは自前収入による高度医療機器の整備等の体制整備を進めています。また、医療の質の向上に関する取組ということで、優秀な医師の確保、看護師の確保・育成とともに、臨床評価指標、DPCデータの分析により、更に患者の満足度の向上ということで、5年連続の80%以上の満足度を得たところです。これらによりまして、最終評価は「A」となっています。

2ページは、勤労者医療の地域支援の推進です。地域の労災指定医療機関や産業医との連携が地域支援の観点から極めて重要な要素でして、毎年実施していますニーズ調査を踏まえ、労災医療機関等に対するきめ細かい連携支援に努めてまいりました。その結果、数値目標は全て達成をしていまして、特に産業医からの評価は4にありますとおり、82.5%という高い有用度を得ることができました。また、紹介率・逆紹介率、モデル医療の普及のための症例検討会、あるいは講習会参加人数などについても数値目標を大きく上回っています。このように、5年間にわたり連携強化に努めた結果、最終評価は「S」評価となっています。

3ページの評価シート03、行政機関等への貢献です。労災病院としての使命を果たすために、国の要請に応じまして、審議会等への医師の派遣あるいは労災認定に係る意見書の迅速な作成に努めたところです。また、労災病院の得意分野である、アスベスト関連の疾患への取組として、石綿診断技術研修会の実施あるいはアスベスト小体の計測と、多岐にわたる取組を行ったところです。さらに、中期計画以外の取組として、福島第一原発への継続的な医師の派遣、また、一番下にあります、印刷事業場に係る「胆管がん問題」への対応等緊急性の高い課題にも積極的に対応することにより、最終評価は「A」評価をいただいているところです。

4ページは、労災疾病等に係る研究・開発です。従来型の労災疾病に加え、アスベスト関連疾患あるいはメンタルヘルス不調、治療と就労の両立といった新たな課題にも取り組んでまいりまして、ネットワークを活用して研究開発に取り組んだところです。研究成果についても学会発表やそのメディア等の普及を通じて、数値目標を大きく上回る実績を達成したほか、JICAの協力依頼を受け、中国人医師に対するじん肺、アスベストの診断技術研修を実施したところです。21年度以降、連続して「S」評価をいただいており、最終評価も「S」評価となっています。

5ページは、過労死予防等の推進です。勤労者予防医療センターあるいは勤労者予防医療部において、勤労者の過労死予防対策、メンタルヘルスの不調予防対策、そして勤労女性の健康管理対策の3つの事業に取り組んでおり、疾病予防のための指導、相談を行ったところです。また、時間外や休日における相談指導あるいは企業への出張指導等、勤労者が利用しやすい環境整備を行ったことにより、それぞれ数値目標を上回り、実績を達成したということで、5年連続で「A」評価をいただき、最終評価も「A」評価となっています。

6ページの評価シート06、医療リハビリテーションセンター及び総合せき損センターの運営状況です。両センターにおいて、それぞれ専門性を発揮しまして、重度被災労働者の治療から専門的なリハビリテーションあるいは自宅改修、職場環境の改善といったトータルサポートを行っており、満足度調査についても80%以上を達成しているところです。最終評価としては「A」評価をいただいています。

7ページの労災リハビリテーション作業所の運営です。本事業については、平成19年の閣議決定、それから平成22年の閣議決定により、退所先の確保を図りながら、段階的に廃止することとされています。このため、入所中の重度被災労働者の意向に沿った社会復帰、退所先の確保を図りながら、この間、5つの作業所を廃止したところです。中期目標期間における社会復帰率は46.9%となっており、最終評価は「A」となっています。

8ページの評価シート08、産業保健関係者に対する研修・相談等です。研修、相談等の実施件数については全て中期計画の目標を達成しています。また、★印ですが、印刷事業場に係る「胆管がん問題」に関する相談対応と、社会のニーズに即した取組を行ったところです。また、平成22年の閣議決定に基づいて、産業保健推進センターの段階的集約化によって、運営費交付金の大幅な削減を達成いたしました。この結果、最終評価は「A」となっています。

9ページは、産業保健助成金の支給です。小規模事業場産業保健活動助成金を初めとする助成事業については、平成2212月の閣議決定により、平成22年度で事業を廃止し、その支給業務も平成24年度末で完了しています。最終評価は「B」評価です。

10ページの評価シート10、未払賃金の立替払事業です。立替払の迅速化に向けて、破産管財人等への働きかけを積極的に行い、支払日数の短縮化に努めてまいりました。25年度は、15.1日と過去最短となっています。また、倒産した事業場に対する立替払金の求償についても困難な状況の中で回収に努めたことにより、累積回収率も着実に増加しています。最終評価は「A」となっています。

11ページの納骨堂、高尾みころも霊堂の運営です。毎年秋に開催しています産業殉職者合祀慰霊式に際して、満足度調査を行っていますけれども、この調査結果を踏まえ、利用者の利便性、サービスの向上に努め、満足度90%以上を達成しています。最終評価は「B」評価です。

12ページの業務運営の効率化です。各労災病院の運営に当たり、機構本部がガバナンスを発揮しまして、個別の協議等を通じて、経営指導、支援を行ったところです。また、数値目標を上回る一般管理費、事業費の削減に取り組むとともに、平均2.5%の俸給月額の引下げにより、給与水準の適正化あるいは随意契約の見直し、内部統制の充実・強化などに取り組んだことにより、最終評価は「A」となっています。

13ページの評価シート13、予算・収支計画及び資金計画です。サブプライムローン、リーマンショック等により、厚生年金基金の年金資産が減少して、このことが機構の財務状況に大きな影響を及ぼしているものではありますけれども、上位施設基準の取得等により収入の確保、あるいは共同購入契約などにより、支出削減に努めた結果、平成22年度以降3年連続で経常損益の黒字を確保いたしました。しかしながら、25年度は先ほどもありましたけれども、経常損益、当期損益とも損失を計上したことから、最終評価は「B」となっています。

14ページの評価シート14、短期借入金等です。短期借入金については実績がありません。2の保有資産の見直しについては、評価替による減額処理の実施などにより、着実に売却処分を実施しています。最終評価は「B」となっています。

15ページの人事、施設、設備に関する計画です。運営費交付金等を充当して行う事業に係る職員数については段階的に削減しており、25年度は628人に削減をしています。また、労災病院の職員については派遣交流制度を活用して、人材育成、組織の活性化に努めています。また、老朽化が著しい労災病院については、自前収入により計画的に増改築工事を進めているとともに、1912月の閣議決定に基づいて、労災リハビリテーション工学センター、海外勤務健康管理センターを21年度末で廃止しています。最終評価は「A」評価です。

 最後に、16ページの評価シート16、業績評価の実施です。当機構において、バランススコアカードを活用したPDCAサイクルによる、内部業績評価を実施しています。また外部有識者による、業績評価委員会を年2回開催し、その評価結果を業務運営に反映させているところです。ホームページでも公表しています。こうしたことで、最終評価は「A」となっています。以上です。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。続きまして、小西委員から起草していただいた最終評価書()について御報告をお願いいたします。

 

○小西委員

 最終評価の概要について、ポイントを絞って御報告いたします。資料4-6「中期目標期間の業務実績の最終評価結果()」を御覧になりながらお聞きいただければと思います。

1ページの1.2期中期目標期間の業務実績についての(2)2期中期目標期間の業務実績全般の評価についてです。まず、全般的な評価を御説明いたします。第2期中期目標期間の業務運営に関しては、勤労者医療の地域支援の推進の分野において、労災病院の患者の紹介率等が一貫して上昇したことや、労災疾病等に係る研究・開発の分野におきまして、研究及びその成果の普及を積極的に進めたことなどは高く評価できます。

 また、急性期医療に対応した診療体制の構築等に取り組んだ高度・専門的医療の提供の分野や、アスベスト関連疾患に係る対応等に積極的に取り組んだ行政機関等への貢献の分野をはじめ、各分野において独法としての役割を着実に果たしたものと評価できます。

 一方、最終年度である平成25年度において、平成21年度以来となる経常損失を生じ、繰越欠損金が拡大したことは遺憾ですが、各病院に対し患者の確保対策に関し、指導を行うなどの対策を取ったことは一定の評価ができます。

 加えて、一般管理費及び事業費について目標を上回る節減を達成したことは評価できます。以上を踏まえ、全体を総括したところ、第2期中期目標期間の各種業務運営は、機構の設立目的に沿って適正に行われたものであり、その実績は全体として中期計画を達成したものとして評価できます。

 平成26年度から始まる第3期中期目標期間においては、引き続き勤労者医療の中核的な医療機関としての使命を果たすため、労災疾病研究の成果である労災疾病等の診断法などについて、地域の医療機関等への普及活動などを更に進めることが必要であるとともに、今後、独立行政法人労働安全衛生総合研究所との統合が予定されていることから、両者の研究機能の一体化による効果を最大限に発揮できる体制を構築する観点から、組織業務のあり方について検討を進めることを期待します。

 また、機構本部のガバナンスの徹底により、損益の改善及び繰越欠損金の解消に向けた業務運営の一層の効率化に取り組むことを強く期待します。業務実績全般の評価については以上です。

 続きまして、2ページの一番下の2.具体的な評価内容についてポイントを申し上げます。(1)業務運営の効率化に関する措置についてです。1機構の組織運営体制の見直しについては、本部の経営指導体制の強化に取り組むとともに、理事長自らが個別に病院長と協議するなど、本部と病院とが密接に連携し、中期目標期間を通して、業務運営の効率化に向けた取り組みを続けており評価できます。

3ページ、2一般管理費・事業費等の効率化については、中期目標期間の最終年度におきまして、平成20年度と比較して、退職手当を除いた一般管理費を15%程度、労災病院医療リハビリテーションセンター及び総合せき損センターを除いた事業費を10%程度、それぞれ削減することとしておりますが、平成25年度においては平成20年と比較して一般管理費は15.2%、事業費は44.2%削減し、着実に取組が進められたと評価できます。

(2)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置についてです。4ページの1労災疾病等に係る研究開発の推進等については、研究各分野全般において、労災病院の臨床データ等を基礎として積極的に特色ある研究に取り組むとともに、中期目標期間を通して目標の10倍近くの件数の学会発表を行うなど、研究及び成果普及のための取組が高く評価できます。

 2勤労者医療の中核的役割の推進のア、高度・専門的医療の提供については、平成25年度において、地域医療支援病院が25施設、地域がん診療連携拠点病院が11施設となったことが評価できます。

 また、医療の質の向上等の面では、医療の標準化等を図るために、平成25年度までに4,397件のクリニカルパスを作成しており評価できます。

5ページのイ、勤労者医療の地域支援については、労災指定病院の医師等を対象とした症例検討会等を積極的に開催し、参加人数が合計で13万人弱となったことは高く評価できます。また、労災病院に対する紹介元である労災指定病院等に対する有用度調査におきまして、診療や産業医活動を実施する上で有用であった旨の評価が一貫して上昇しており評価できます。

 ウ、行政機関等への貢献については、福島第一原発における労働者の健康管理等のため、Jヴィレッジ内の診療所に対して平成235月から平成256月までの間、延べ119名の医師を継続的に派遣したほか、福島労災病院にホールボディカウンタを設置し、除染等業務従事者の内部被ばく線量の測定を実施するなど、震災対応に関する貢献等が評価できます。

6ページのエ、過労死予防等の推進については、勤労者予防医療センターにおいて、過労死予防対策、メンタルヘルス不調予防対策、勤労女性の健康管理対策を行っており、いずれも実績が目標を上回る件数となっているほか、時間外や休日の指導・相談等の実施に積極的に取り組んでおり評価できます。

 3重度被災労働者の職業・社会復帰の促進についてです。医療リハビリテーションセンター及び総合せき損センターでは、各年度とも社会復帰率と患者満足度が目標である80%を超えていることは評価できます。労災リハビリテーション作業所については、在所者に対して、退所先の確保等の支援を実施した結果、社会復帰率が各年度とも目標を上回ったことは評価できます。

 4産業保健活動の積極的な支援と充実したサービスの提供推進についてです。専門的研修の実施件数、専門的相談の対応件数及びホームページのアクセス件数のいずれについても、中期計画の目標数値を上回っているとともに、メールマガジンの延べ配信件数についても200万件に達しており評価できます。

 また、専門的研修の受講者等に対するアンケートにおいては、「有用であった」旨の評価が各年度とも90%を超えており評価できます。

7ページの5未払賃金の立替払事業については、支払日までの期間の短縮に取り組み、中期目標期間を通して、大きな実績を上げたことは評価できます。また、立替払の更なる迅速化のために、全国の弁護士会での研修会の実施等の取組を積極的に行ったことは評価できます。

 6納骨堂の運営業務については、産業殉職者合祀慰霊式において、平成21年度からは最寄駅と会場間で送迎用バスの運行を行い、平成22年度からは会場内でキャリーカートの運行を行う等の取組の結果、各年度とも満足度調査に係る目標を達成していることは評価できます。

(3)財務内容の改善等についてです。1財務状況については、平成22年度~平成24年度までの各年度において、労災病院事業に係る経常損益の黒字を確保したことは評価できます。一方、平成25年度においては、労災病院事業に係る経常損益が約25億円の損失、当期損益が約40億円の損失になり、平成21年度以来となる経常損失を生じるとともに、繰越欠損金が増加したことは遺憾です。機構が果たすべきミッションを考慮しつつ、徹底した経営改善により損益の改善を図るとともに、厚生年金基金の見直しによる退職給付費用の削減等、損益の改善及び繰越欠損金の解消に向けた今後の取組を強く期待します。

 2人事、施設・整備に関する計画については、運営費交付金を充当して行う事業に係る常勤職員について、「業務の簡素化・効率化等により、その職員数の抑制を図る」という中期目標に基づき、平成21年度には720人であったものが平成25年度には628人となっており、中期目標期間を通して効率的な人事・施設運営に取り組んでいることは評価できます。駆け足になりましたが、以上が、労働者健康福祉機構の中期目標期間の業務実績の最終評価の概要です。

 

○今村部会長

 それでは、ただいま御報告を頂いた最終評価書()について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。1つだけ、これは修正というわけではなく確認ですが、8ページの最後の3行、「労災病院の自己収入に基づく自前財源により、施設の老朽化の状況等を十分に勘案した上で、各労災病院の計画的な施設整備を行っており、効果的かつ効率的に」というところで、労災病院の施設に関しては自前の財源で整備するということの確認です。資料4-7の最終評価シートの8485ページの「施設・設備に関する計画」を見ますと、労災病院に係る計画というのは、計画はこのように進めたと書いてありますが、財源については特に触れていなくて、労災病院以外の施設に係る計画については、労災病院以外の施設については施設整備費補助金により行ったと書いてありますが、この辺を正確に教えていただければと思います。

 

○労働者健康福祉機構医療企画部長

 医療企画部長の佐藤と申します。労災病院の施設整備については、建て替えの関係ですが、これは自前収入により、診療報酬を財源として国費を入れずに自前でやっております。そのほかの、いわゆる交付金を充当する事業の関係の施設については、補助金を頂きまして建て替え等を行っているのが実態です。

 

○今村部会長

 ほかにはいかがでしょうか。それでは、修正意見はないようですので、労働者健康福祉機構の「中期目標期間の業務実績の最終評価結果()」については、826日の委員会総会に報告したいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応については、私に御一任いただけますか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。続いて、労働者健康福祉機構の不要財産の国庫納付について審議します。最初に事務局より説明し、その後に法人から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 独立行政法人の不要財産の国庫納付について御説明します。独立行政法人は、独立行政法人通則法第8条第3項の規定により、将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる不要な財産について処分しなければならないとされております。この不要財産のうち政府からの出資又は支出に係るものについては、通則法第46条の21項又は第2項の規定により、主務大臣の認可を受けて、現物又は譲渡代金を国庫に納付することとされており、主務大臣が当該認可をしようとするときには、同条第5項の規定により、あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないとされておりますので、本日、本部会において御審議いただくこととしております。それでは法人から説明をお願いします。

 

○労働者健康福祉機構経理部長

 それでは、国庫納付関係について御説明します。2件提出させていただいております。1件目は、資料4-8-1、第2期中期目標期間終了、平成25年度末ですが、この終了に伴う運営費交付金の残額の国庫納付についてです。当機構の運営費交付金については、独立行政法人会計基準に基づきまして、中期目標期間終了時に運営費交付金債務を精算収益化、いわゆる精算処理することになっており、今回、この作業によりまして、運営費交付金を使用して業務を行っている勘定である本部等勘定で16,000万円余の残額が生じております。

 私ども機構の区分経理では、独立行政法人労働者健康福祉機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令があり、この省令に基づいて、本部等勘定はそれ以外の勘定と明確に区分して経理を行うこととしております。

 この結果、残額、この資金については、使途がない状態で現在留保しております。つきましては、独立行政法人通則法第8条第3項の規定に基づいて、当該資金16,1164,057円を将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がない財産と認定して、独立行政法人通則法第46条の21項により、不要財産として国庫に納付することとしているものです。

 なお、前期第1期中期目標期間終了時においても、今回と同様に運営費交付金の精算により国庫納付を行っております。

 続きまして資料4-8-2を御覧ください。これは、敷金等返戻金の国庫納付です。機構設立の際、前身の組織である労働福祉事業団が民間より賃貸していた事務所又は宿舎等の敷金、タクシー共通券契約預託金を政府出資見合いの資産として機構が承継しました。それ以後、事務所の縮小や宿舎の退去等に伴い返戻された敷金は、新たに借り上げた事務所、宿舎の敷金として使用したものを除いて、預金等々として留保しておりましたが、平成24年度の会計検査院の検査で、留保している返戻金については、今後の使用計画がなく、業務の財源に充てることは想定されていないと認められるため、通則法に基づいて、不要財産であるとして国庫に納付するよう指摘がありました。

 当機構はこれを受けて、平成24年度までに生じた当該返戻金を国庫納付したところですが、今回、平成25年度においても、事務所の縮小や宿舎の退去等、契約解除による敷金、契約預託金の返戻金が生じて、7055,828円を使途がない状態で留保しております。つきましては、同じく独立行政法人通則法第8条第3項の規定に基づいて、当該敷金等を、将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がない財産と認定して、通則法第46条の21項により、不要財産として国庫に納付することとしております。私からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

 

○今村部会長

 それでは、ただいま御説明がありました労働者健康福祉機構の不要財産の国庫納付について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいですか。それでは、特に修正意見はないようですので、労働者健康福祉機構の不要財産の国庫納付については、本部会として了承したいと思います。なお、今後の手続の過程で内容に変更が生じた場合の取扱いについては、私に御一任いただけますか。

(各委員了承)

 

○今村部会長

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。続きまして、労働者健康福祉機構の役員の退職金に係る業績勘案率について審議いたします。議事の進め方及び配付資料の取扱いなどについては、先ほど審議した高齢・障害・求職者雇用支援機構の場合と同様です。それでは、事務局より説明し、その後に法人から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、本年331日付で退職した労働者健康福祉機構の役員3名に係る業績勘案率について、法人から本委員会委員長宛てに算定の依頼がなされたため、事務局におきましては、本委員会で定めている「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づき、業績勘案率を試算させていただきましたので、資料4-9-1~3に沿って御説明します。

 まず、資料4-9-1、細川理事についてですが、在職期間が平成22101日から平成26331日までの42か月となりますので、平成22年度から平成25年度までの4年間の年度評価の結果について、各年度の夏の評価委員会で委員の皆様方に付けていただいた「SABCD」の評価を数値化し、その平均を取ります。評価の数値化については、参考資料1の別添8の表1にあるように、S2.0A1.5B1.0に換算して平均値を算出しております。その結果については、資料4-9-1の別添2のとおりです。さらに参考資料1の別添8の一番下の表2にあるように、この平均値が1.5以上の場合は1.50.511.49の場合は1.00.5以下の場合は0.5と数値を置き換えます。今回の場合は、平成22年度が1.53、平成23年度が1.59、平成24年度が1.53、平成25年度が1.50となっておりますので、いずれの年度も1.5という数値に置き換えます。これに各年度の在籍月数を掛けて、資料4-9-1の2(2)の計算式のとおり、在職期間42か月分の加重平均を算出した結果、業績勘案率は1.5となります。

 続いて、役員の在職期間における目的積立金の状況、退職役員に係る職責事項について勘案しますが、今回の場合、目的積立金は積んでおらず、職責事項についても特に法人からの申出はありませんので、過去の厚労省所管法人の業績勘案率の実績と比較考量して、最終的に業績勘案率を1.0として試算しております。

 続いて、資料4-9-2と3、山部理事、海野監事の業績勘案率についてです。計算の手順については、先ほどの細川理事と同じになりますが、山部理事については、在職期間が平成2341日から平成26331日までの36か月となりますので、平成23年度から平成25年度までの3年間の年度評価の結果を、海野監事については、在職期間が平成2441日から平成26331日までの24か月となりますので、平成24年度と平成25年度の2年間の年度評価の結果を基にそれぞれ算定します。

 これらに各年度の在籍月数を掛けて、資料4-9-2、3、それぞれの2(2)の計算式のとおり、山部理事については、在職期間36か月分の加重平均、海野監事については、在職期間24か月分の加重平均を算出しますと、山部理事、海野監事ともに結果としては1.5となりますが、目的積立金は積んでおらず、職責事項についても特に法人からの申出はありませんので、過去の厚労省所管法人の業績勘案率の実績と比較考量して、最終的には両名とも業績勘案率を1.0と試算しております。事務局からは以上です。続いて、法人から説明をお願いします。

 

○労働者健康福祉機構総務部長

 資料4-9-1の別添1、細川和彦理事についてです。担当した職務については、途中変遷がありますが、労使交渉等に関する職員担当、人事・総務に関する総務担当、予算・決算等に関する経理担当の3つです。この間、給与特例減額等の実施により、人件費の削減に努めるとともに、福利厚生事業からの互助組織への法人支出の廃止など、法定外福利費の見直しにも取り組んだところです。

 資料4-9-2、別添1、山部久雄理事についてです。担当した職務については、途中変遷がありますが、労災病院事業に関する医療事業担当、未払賃金立替払事業等に関する援護担当、営繕・医療企画担当の3つです。71看護体制の積極的な導入により、急性期医療への対応を進めるとともに、福島原発対応として、平成239月からJヴィレッジ内の診療所に労災病院グループの医師を派遣するなど、東日本大震災への対応にも積極的に取り組んだところです。

 最後に資料4-9-3、別添1、海野哲也監事についてです。監事として当機構の業務全般の監査を担当しましたが、特に施設の内部統制、ガバナンスの強化に向けた監査を重点的に実施したものです。説明は以上です。

 

○今村部会長

 それでは、ただいま御説明がありました労働者健康福祉機構の役員の退職金に係る業績勘案率について、御意見、御質問等がありましたらお願いします。

 

○宮崎委員

 事務局に伺いたいのですが、参考資料115ページ、先ほど来おっしゃっているのですが、4で、目的積立金の積立状況に照らして、業績勘案率が1.0を超える場合には適切であるかを考慮することとするというルールになっており、本件の場合は目的積立金を計上しておりませんので、特にこの内容そのものに関して何か影響が出るものではないと理解しているところです。目的積立金を仮に計上していない場合には、1.0を超えるものは付かないという意味なのか、「考慮する」というのは、参考までにどうするのかというところが、もし何か実務的な扱いがあるのであれば参考までに教えていただければと思います。これはどういう意味なのか一度確認したいと思います。

 

○政策評価官室長補佐

 宮崎委員がおっしゃっているのは、「考慮する」というのが、ある基準を上回ればもう決定するという意味なのかそうではないのか、それとも「目的積立金」という費目に引っかかるのか、御質問の趣旨としては、前者、後者のどちらになりますか。

 

○宮崎委員

 どちらかというと「考慮する」とは、どうような意味合いなのかということです。目的積立金は、積立金のうち経営努力認定として法人の何か自己収入なり、使えるものが認められた場合のケースだとは理解しておりますので、「考慮する」というのは、どのような意味合いなのかということをお聞かせいただければと思います。

 

○政策評価官室長補佐

 そうすると、前者が御質問の趣旨ということですね。もちろん「考慮する」ですので、検討材料にするということにはなりますが、過去の例で言いますと、やはり目的積立金、自己財源があれば、1.0を超えて業績勘案率を決定してきております。そういう過去の例をもって、それは検討すると言いながらも、あらかじめ基準を設けたかのように機械的に決定しているのではないかという御指摘もあろうかと思いますが、あくまでも過去の例においてはそのようにしてきたというだけのことであり、今後の状況によっては、仮に目的積立金、自己財源があったとしても1.0のままでいくようなケースも当然あると思います。したがって、「考慮」ということは、文言の持つ元々の意味合いのとおり、機械的に決定されるものではなく、判断材料の一つとして検討していくという幅がある概念であるということを御理解いただければと思います。

 

○宮崎委員

 ありがとうございました。

 

○今村部会長

 今の宮崎委員の質問は、全体的に独法の財政が厳しい中で、目的積立金が認められるというケースは一般的には難しいということでよろしいのですか。

 

○政策評価官室長補佐

 やはり、自己財源にある程度余裕があれば、目的積立金を積み立て、勘案率を上げることはできると思いますが、それぞれの法人の運営の中の優先順位から考えれば、ここに書いてあるような考慮事項としての目的積立金としては、一般的に財政が厳しい法人からは、なかなか表には出てこないであろうと我々としては思っております。

 

○今村部会長

 それを受けての全般的な印象で、過去にもこの委員会で議論があったのですが、インセンティブを考慮すると、幾ら頑張っても標準の1.0しかもらえないとなると、頑張る意欲が湧かないのではないかというのは、過去に議論しております。しかも三段構えで、15ページの4、5、6と見ていくと、目的積立金がないと駄目ですし、なおかつ特段の職責事項がなければこれは考慮の対象外。さらに特段に考慮する事項がなければということですから、かなり厳格に上限が押さえられているように感じます。これは過去に議論もあったのですが、インセンティブがもう少し働くような仕組みもあってもいいのではないかという意見も出ておりますので、是非またそれは御考慮、御検討を何かの折にされることを期待しております。いかがでしょうか。それでは、特に修正意見はないようですので、申請があった労働者健康福祉機構の役員の退職金に係る業績勘案率については、原案のとおり決定することといたします。

(各委員了承)

 

○今村部会長

労働者健康福祉機構の審議は以上となります。最後に、法人の理事長から一言いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

○労働者健康福祉機構理事長

 本日は評価委員の先生方には、大変貴重なお時間をさいて、私どもの業績活動を非常に入念に、丁寧に評価していただきまして、本当にありがとうございます。

 私たちの業務内容は大変多岐にわたりますので、これを全部お目通しいただき、コメントを頂くことはさぞかし大変な御苦労があったことだろうと拝察いたします。今日の評価は、総じて当初の目標は達成したと。こういうような評価を頂き、大変光栄に存じております。特に勤労者医療の地域支援、あるいは労災疾病に関わる研究活動に対してはS評価ということで、これは大変私どもにとっては励み、喜びになるものです。

 私どもの機構というのは14,000人を超える職域であり、組織全体が一丸となって共通の目標を目指して活動しないと組織は機能しないわけです。このような評価を頂いたことは、職員一人ひとりの努力によるものです。職員にとっても大変喜び、あるいは誇りとなるものかと思います。

 ただ一方で、財務状況に関しては、これまでほぼ右肩上がりに比較的経営収支が好転してきたわけですが、第2期の最終年度に至りましては、病院に関しては経常損益で25億円の損失ということで、これは大変残念に思っております。私どもも、上半期ぐらいから予測はしていたので、懸命にこの流れを食い止めようとしたのですが、それでもその努力及ばず、こういう結果に至りました。これはガバナンスが至らなかったということにはなりますが、他の事業と違って、医療事業だけは外的要因がかなり関係するということと、診療報酬制度、細かいことで光熱・水道費の増加、あるいは健康保険料の支出増加などということがあります。

 また、急性期医療ということで、国がそちらにリードしてきたわけですが、やはり平成25年度になって、その流れ自体がやや分岐点に差しかかったと。その辺を読み切れなかったということかと思います。労災病院というのは収支相償で運営することを旨としておりますので、経営に関しては、私ども機構本部として、今後とも最大のプライオリティとして取り組んでいく所存です。

 既に第3期に突入しており、近々に労働安全衛生総合研究所との統合もほぼ確実視されていると。そういうことで、また違った枠組みで労働者の健康と福祉、あるいは安全に奉仕することになろうかと思います。今日の専門の委員の方々からのコメントを肝に銘じて、第3期の運営に活かしていきたいと思います。本当に長時間、私どものために建設的な忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、大変ありがとうございました。以上です。

 

○今村部会長

 どうもありがとうございました。それでは、本日の議事は以上です。事務局から今後の予定等について連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、御審議いただいた労働部会4法人の「平成25年度の業務実績の評価結果」、いわゆる総合評価については、本日いただきました御意見を反映する形で必要な修正を加えた上で、法人及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会へ通知させていただくとともに、公表させていただきます。また、委員の皆様には、後日、確定版をお送りします。

 労働者健康福祉機構の最終評価書については、826日開催予定の委員会総会に附された後、決定することになります。こちらについても、委員の皆様には、後日、最終的に確定した最終評価書をお送りします。

 なお、正委員の皆様におかれましては、826()14時から、厚生労働省9階の省議室において、第36回独立行政法人評価委員会総会が予定されておりますので、御出席いただきますようよろしくお願いいたします。

 最後に、本日配布した資料の送付を御希望される場合には、事務局より送付いたしますので机上にそのままにして御退席いただきますようよろしくお願いします。事務局からは以上です。

 

○今村部会長

 それでは、本年夏の労働部会の審議は以上です。長時間、長期間にわたりまして、熱心な御審議を頂きありがとうございました。


(了)

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