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平成26年10月10日(金)

健康局がん対策・健康増進課

 課長補佐 宮田(4605)

 課長補佐 長坂(3827)

(代表番号) 03−5253−1111


小児がん拠点病院等指定後の整備状況にかかるヒアリング結果概要

小児がん拠点病院の指定に関する検討会
平成2610月10


1.はじめに

小児がん拠点病院(以下、「拠点病院」という。)は、平成25年2月に15箇所指定された。その後、平成25年9月1日から4年間の整備計画である、拠点病院の小児がん医療・支援に関する計画書及び地域ブロックの小児がん医療・支援に関する計画書に基づき、拠点病院及び地域ブロック毎にその体制整備を行ってきた。
平成25年2月5日付の小児がん拠点病院の選定結果のまとめでは、「指定1年後を目途に、有識者、患者・家族等、医療従事者等から構成される検討会を設置し、各ブロックの計画とその進捗状況を検証すること」及び「拠点病院の指定後も、1年後を目途に、有識者、患者・家族等、医療従事者等から構成される検討会を設置し、各拠点病院から提出された計画及び実施報告をもとに、各拠点病院の取組・実績等の把握や評価、拠点病院の抱える課題の抽出を行い、課題への対応案を検討してくことが求められる。」とされている。
 今般、第6回小児がん拠点病院の指定に関する検討会において、拠点病院指定後の拠点病院及び地域ブロックの整備の進捗状況を検証するため、各拠点病院からヒアリングを実施した。同様に、平成26年2月に指定された、小児がん中央機関(国立成育医療研究センター及び国立がん研究センター)の業務の役割分担及びその進捗状況についても、ヒアリングを実施した。
ここでは、当該ヒアリング結果を「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」としてとりまとめた。


2.整備の進捗状況について

2−1.小児がん中央機関

平成26年2月に、国立成育医療研究センター(以下、「成育」という。)及び国立がん研究センター(以下、「国がん」という。)の両施設が、小児がん中央機関として指定された。その後、両施設による小児がん中央機関業務の役割分担を行い、以下の通り進捗の報告があった。

○ 小児がんの相談支援向上に関する体制整備(成育・国がん)
・ 当面は国がんのがん診療連携拠点病院がん相談支援センター相談員基礎研修受講による相談員育成
・ 小児がんに特化した相談員研修を計画中
・ がん専門相談員のための小児がん就学の相談対応の手引きの作成

○ 小児がんに関する情報の収集(国がん)
・ 国がんの小児がん情報サービスHP(別ウィンドウで開く http://ganjoho.jp/child/)で小児がんに関する情報を集約し、発信

○ 小児がん拠点病院等に対する診断、治療などの診療支援(成育)
・ 拠点病院等において診断困難症例に対する病理診断、放射線診断、分子生物学的診断の支援
・ 診断用検体のアーカイブシステムの構築を予定 

○ 小児がん診療に携わる者の育成に関する国内の体制整備(成育)
・ 成育にて、放射線診断、病理診断に関して3ヶ月の研修プログラムを作成中

○ 小児がんの登録体制の整備(成育)
・ フォローアップのための生死情報、二次がんなどの情報を登録するため、学会と調整中

○ 患者、家族及び外部有識者等による検討の場の設置(成育・国がん)
・ 連絡協議会の設置
・ 患者、家族、教育関係者、学会関係及び有識者で構成される、アドバイザリーボード設置の準備

○ その他
・ 上記内容に対応するための、人員あるいは資金が不足しているとの課題があった。

<検討会指摘事項(以下、「指摘事項」という。)>
・ 小児がん登録については学会等の各団体と連携を図り、具体的に進めて行くべきではないか。
・ 小児がん中央機関として、国がんの小児がん情報サービスHPで情報発信が開始された。さらに、内容を充実させ、小児がん患者及びその家族に対してわかりやすく情報提供していくことが求められる。
・  小児がん中央機関にコールセンターを設置すべきではないか。
・ 小児がん拠点病院のみならず、拠点病院以外の小児がんに携わる医療機関とも連携を図り、診療支援を行って頂くべきではないか。


2−2.拠点病院

平成25年2月に、全国15箇所の拠点病院が指定され、その整備を進めてきた。また、全国7つの地域ブロックについては、各地域での協議会を開催し、拠点病院を中心に地域連携等についてその整備を進めてきたところ。
各拠点病院から、報告された主な進捗状況について、以下列挙する。

○ 診療提供体制、診療実績、地域連携について
・ 一定程度の小児がん症例の集約化
・ 腫瘍センターに小児がん部門を新設
・ 無菌室病床の増設
・ 入院患者のみならず外来患者も対象とする緩和ケア外来を開設
・ 小児の緩和ケアチームで緩和ケアを提供
・ チャイルド・ライフ・スペシャリスト(以下、「CLS」という。)の新たな雇用及び病棟保育士、ソーシャルワーカーの増員を行い身体面、心理面、生活面のトータルケアの実施
・ 医師のためのホットライン(コールセンター)設置
・ 小児がん医療に携わる他科との連携体制の整備
・ 地域ブロック内における他施設との合同の症例検討会を開催
・ 地域ブロック内の医療機関との連携における役割分担の明確化
・ 患者の動向にあわせて、他の地域ブロックの拠点病院との連携の実施
・ 拠点病院の体制整備にあたり、人材が不足
・ 小児がん患者数の増加に伴う病床確保が不十分

<指摘事項>
・ 入院がん患者数については、その集計方法にばらつきがあるため、小児がん患者の治療形態を正しく反映するようなデータの集計方法を統一すべきではないか。
・ 拠点病院は難治性がん及び再発がんについて特に集約し、診療することが必要ではないか。また、その情報をわかりやすく、患者及びその家族に伝える必要があるのではないか。
・ 小児がんの初診を行う医療機関に対し、小児がんに関する情報の周知・研修をより推進すべきではないか。
・ 小児がん医療の集約化は拠点病院の基本コンセプトであるが、均てん化も重要な点であり、別途検討していく必要があるのではないか。
・ 拠点病院の役割の周知、小児がん医療及び支援の中長期計画の策定が必要ではないか。
・ 小児がんの在宅医療支援について、拠点病院を中心として、小児がん患者が終末期を家で安心して迎えることができる体制の整備が必要ではないか。

○ 人材育成について
・ 小児がん診療に関する勉強会や研修及び講演等の実施
・ 院内における小児がん診療医師育成プログラムを実施し、プログラムを修了した者が地域ブロック内の医療機関へ係わる体制を整備
・ マンパワー不足による診療の負担が大きく、人材育成が十分にできていない

<指摘事項>
・  症例が集約される拠点病院において、引き続き人材育成について、その体制整備を含めた取組をさらに推進をすべきではないか。 
・ 小児がん医療・支援が円滑に進むようマンパワー不足の解消に対策を考える必要があるのではないか。

○ 相談支援体制について
・ 相談支援センターに新たに相談員等を配置
・ 全ての新規小児がん入院患者に対し、相談支援センターの相談員が介入
・ ホットラインの開設
・ 患者会との連携の実施
・ 院外に対する相談支援の広報が不十分

<指摘事項>
・  小児がん患者及びその家族への情報提供の更なる充実のため、相談支援センターの人材配置等の体制整備を更に進めるべきではないか。
・  相談支援体制整備も重要であるが、相談員の質の確保も併せて重要であり、その研修カリキュラムの整備が望まれる。
・ 各職種の特性及び役割の共有化と周知のための作業が必要ではないか。

○ 長期支援について
・ 長期フォローアップ外来を医師、専属看護師、臨床心理士によって実施
・ 移植後患者の退院後の生活上注意すべき点をまとめたパンフレットの作成などを実施
・ トランジショナルケア外来を開設し、成人期に達した患者が成人診療科へ円滑に移行するための支援を実施 
・ 院内ワーキンググループが設置され、小児と成人の診療科の連携を確認

<指摘事項>
・ 長期支援に必要である小児がん登録については、今後の見通しが不明瞭であり、その体制整備をより一層進めて頂くことが必要ではないか。
・  長期支援の取り組みが十分に進んでいない病院が多くみられる。地域や医療機関の特性や事情はあるものの、長期支援の内容について共有することが必要ではないか。
・ 後遺症・晩期合併症、闘病による社会性の不足、社会資源の不足等から自立困難な小児がん経験者が存在するため、今後長期支援の在り方について検討していく必要があるのではないか。
・ 小児がん経験者の支援については、がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会においても、就労支援とともに就学支援が必要であるとの課題の指摘があった。文部科学省と連携をとり、小児がん患者・経験者に対する就学支援が求められる。

○その他
・ 臨床研究の症例数が増加
・ 長期滞在施設の拡充 
・ 院内学級の教員との月1回のミーティングを実施

<指摘事項>
・ AYA(Adolescence and Young Adult)世代への診療体制及び就学支援の体制整備が十分ではないのではないか。
・ 院内学級の整備が不十分であり、就学の保障が十分にされていないのではないか。
・ 小児がん拠点病院の整備状況の進捗について、引き続き可視化が必要ではないか。


2−3.地域ブロック

○ 地域連携、人材育成 
・ テレビ会議システムの導入による、会議や研修カンファレンス及び症例検討会の開催により、地域連携の取組を実施
・ 行政と連携し、ブロック内の実態調査を実施
・ 拠点病院であることの周知が不十分
・ 地域連携を進めて行くために、行政との連携が不十分
・ 拠点病院が所在する都道府県以外からの紹介、集約が不十分

<指摘事項>
・  地域ブロック毎に連携施設があるが、どこでも連携施設になるのではなく、診療の質の確保及び集約化を図るため、一定程度基準を設けるべきではないか。
・ トランジッションについて、拠点病院を中心に取組の中身を具体的に決めていく必要があるのではないか。
・ 集約化については、全国一律で考えることは難しいので、地域毎に地域の実情に合わせて取り組むべき方策について検討すべきではないか。
・ 各地域ブロック及び拠点病院の地域連携について、連携の意味を再確認し、今後の具体的計画や役割分担などの方法論を共有すべきではないか。


3.おわりに

 小児がん中央機関及び拠点病院は、2の整備の進捗状況を関係者間で共有するとともに、指摘された事項に対する改善策を講じることが求められる。また、地域ブロックにおいても、拠点病院を中心に引き続き検証及び改善策を講じ、地域の実情に応じた小児がん医療体制の更なる充実に向けての取組が求められる。
 今後、厚生労働省としては、こうした指摘事項への対応状況を適時確認し、必要に応じて、小児がん拠点病院の指定に関する検討会の意見を踏まえ、小児がん拠点病院等の指定の見直しを行うことが求められる。

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