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2013年1月22日 第69回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成25年1月22日(火)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(中央合同庁舎第5号館19階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

相澤好治、明石祐二、浅井紀子、犬飼米男、小畑明、勝野圭司、新谷信幸、瀬戸実、辻英人、角田透、土橋律、中村聡子、春山豊、半沢美幸、三浦武男、三柴丈典

事務局:

宮野甚一 (安全衛生部長)
井内雅明 (計画課長)
半田有通 (安全課長)
椎葉茂樹 (労働衛生課長)
奈良篤 (化学物質対策課長)
木口昌子 (調査官)

○議題

(1)第12次労働災害防止計画の本文案について(その2)
(2)その他

○議事

○相澤分科会長 皆さんこんにちは。定刻になりましたので、第69回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日は、公益代表委員では日下部委員と小野委員、労働者代表委員では縄野委員、使用者代表委員では大山委員と高橋委員が欠席されておられます。使用者代表委員の瀬戸委員は、所用のため17時20分頃に御退席される予定です。
 議事に入ります。本日の議題は、「第12次労働災害防止計画の本文案について」のみです。前回、昨年になりますが審議途中になっておりますので、早速審議再開とさせていただきますので、質問等発言のある方は挙手をお願いいたします。
○小畑委員 確認ですが、資料1の1ページの(1)「計画が目指す社会」の下から2行目の「安全や健康のためにかける必要のあるコストについて正しく理解し」の部分ですが、前回の分科会において、この文言では誤ったコスト意識を助長しかねないことから、「安全や健康のためのコストが必要不可欠であることを正しく理解し」と御提起を申し上げました。そのように修正することについて、当日出席された委員の方から異論はなかったと理解していますが、この部分の取扱いについて、念のため確認をさせていただきたいと思います。以上です。
○相澤分科会長 これは前回も出していただいた意見ですし、各委員も了解していますので、意見どおり修正するということでよろしいでしょうか。
                  (了承)
○相澤分科会長 それでは、そのままということにさせていただきます。ほかにはいかがでしょうか。ページの順番に行きたいと思いますが、今1ページがありました。2、3、4ページのあたりはいかがでしょうか。「計画のねらい」が2ページ、2「社会の変化と安全衛生施策の方向性」が2〜8ページまであります。
○辻委員 5ページに障害者雇用についての記載があります。昨年の分科会において労働側より、?現在、障害者権利条約に対応する国内法の整備に向けた検討が進められていること、さらには、?本年4月から障害者の法定雇用率が0.2ポイント引き上げられることを踏まえれば、障害者の権利保護や社会参加に向けた取組を社会全体で強化していく必要があって、障害者が働く上での安全衛生の対策についても強化が必要である旨、指摘したところです。昨年6月時点で障害者の雇用者数は38万人を超え、雇用者数、雇用率ともに過去最高を更新しております。また、現在、障害者雇用分科会では、精神障害を持つ方の増加を踏まえ、障害者雇用率制度における雇用義務の対象範囲に精神障害者を加えることについても議論がなされております。このように、障害者を取り巻く状況が大きく変化している中で、今後5年間を見据えた労働災害防止計画を策定することを考え合わせれば、いま申し上げた状況について、本計画にもう少し記載をしていただくようにお願いをしたいと思います。以上です。
○相澤分科会長 5ページの(3)の「非正規労働者等の増加と外部委託の広がり」の下ですか、障害者雇用率が進んでいるということですが、もう少し書き込んだほうがいいという御意見です。これはよろしいでしょうか。使用者側の方。
○明石委員 これは計画なので、障害者は障害者でそのような議論をする所があるので、ここはこれだけ書いていれば十分ではないですか。
○相澤分科会長 いかがですか。事務局としては何か修正される可能性のあることは。
○井内計画課長 ただいま御意見がお二方からありましたが、先ほどおっしゃったように確かに障害者の雇用については、4月から法定雇用率が引き上げられることもありますし、これから障害者の雇用義務の範囲をどうしようか、精神障害者を追加するのかどうかというような議論もあるのも、おっしゃったとおりです。これから障害者の雇用も増えていくのではないかというのは実際にそうですし、障害者雇用の増加もそういった施策の動きで見込まれるということであれば、わずかな記述の変更というのはあり得るかなと思っています。5ページの下から4行目の「増加しているため」の所に、「増加していて、障害者雇用率の引き上げなどによって、今後も障害者雇用の増加が見込まれることから」というように、この労働災害防止計画でも趨勢を受けた形で施策の流れを記述することもよろしいのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○相澤分科会長 今後の増加が見込まれるというのも修正ということで、明石委員よろしいですか。
○明石委員 ほかのところもそうですが、所管の範囲がどこなのかというのははっきりしてもらわないと、何でもかんでも関係があるからということで書き込まれて対策をしますというのは、流れとしては違うのではないかと思います。今言われた事実を書かれるのは別に反対はしませんが、そこは御留意をいただければと思います。
○相澤分科会長 辻委員はどうですか。
○辻委員 今の文章を追記していただくことと、それから数字の確認として、ここには平成23年ということでありましたが、私が捉えている数字としては直近では38万人という数字もありますので、その辺の数値の精査も含めて追記をお願いしたいと思います。
○井内計画課長 ただいまおっしゃられたように、直近の数字ではここに36.6万人とありますが、38.2万人のようですので、新しい数字で出させていただければと思っております。
○相澤分科会長 そうすると、「平成24年には38.2万人に増加しており」ですかね。「障害者雇用率の引き上げ等により、今後も障害者雇用の増加が見込まれるところから」という文章を加えたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。2の社会の変化はよろしいですか。ほかにはありませんか。
 3の重点施策。9ページです。
○三浦委員 13ページですが、前のハーネス型の安全帯の普及というところで、第64回のときに質問させていただいて、半田課長より一定条件の中で作業性が若干悪い形があるので、どこでもというわけにはいかないという返答があったと思いますが、その中で「義務化」という言葉をここで入れてしまうと、その言葉が独り歩きして、ハーネス型ではないと駄目だというようなことになりかねないので、できれば「義務化」という言葉を外していただきたい。ですから、ここで言わせていただければ、「一般に広く使用されている胴ベルト型の安全帯は墜落時の体への衝撃を考慮し、作業内容によって墜落時に衝撃が少ないハーネス型安全帯の普及を図る」とか、そういう文章にしていただければなと。「義務化」というと、これでなければいけないというような言葉が独り歩きしてしまいます。少し考慮していただけますか。
○半田安全課長 御意見は分かりました。少し検討させていただけますか。ただ、これは非常に重要なものです。普及は平成25年度から取り組むことにしていますので、義務化は、それを踏まえた上でのことで、いきなり全ての現場で義務づけるというわけではないです。それを1つずつやっていって、最終的には必要なところは是非やっていただくような方向で持っていきたいと考えています。
○三浦委員 この前も言いましたが、業界としては一丁掛けから二丁掛けに今変更しつつやっている中で、急にまたハーネス型が義務化という形になってしまうと、ハーネス型でなければ変えなければ駄目なのかというような言葉が独り歩きしてしまうような懸念がありますので、それをひとつ考慮してもらえればなと思います。
○新谷委員 今、三浦委員から「ハーネス型の安全帯の普及」について、その義務化を外してほしいという御提案をいただきましたが、これまでかなり論議をしてきまして、最初のまとめに近い計画案が出てきているわけです。厚生労働省の労働安全行政としても胴ベルト型よりもハーネス型のほうが、ここに書いてあるように衝撃の負担が少ないということで、胴ベルト型からハーネス型に切り替えようという提案だと思います。胴ベルト型だと腰に衝撃がかかってしまい、下手すると腰骨の骨折などがあるため、衝撃を分散する形のハーネス型を提案しているのだと思いますが、この安全帯を替えることによって墜落災害で死傷されている方の数が減るというのであれば、必要な対策ではないかと思います。しかし、今の安全課長の答弁だとそれを緩めることも含めて何か考えるように受け取れるのですが、原文どおりでここまで確認してきたわけですから、この対策を取ることによって建設労働者の災害、死傷者の数が減るというのであれば進めるべきだと、労働側として申し上げたいと思っています。
○相澤分科会長 公益委員側、いかがでしょうか。
○三浦委員 我々業界としては、今ようやく安全帯を一丁掛けから二丁掛けにしてきました。ただ、骨折がある、障害があるということであれば、逆に言えば安全帯を着けて衝撃が大きくて、どれだけの影響が出たのだろうと。そのときに常日頃言われているのは、安全帯をどこに掛けられたのですかと。通常、腰から上に掛けなさいよというのが安全帯ですよね。そうすると衝撃が少ない、落下が少ないわけですから、実際に障害が出ている形の中に、その安全帯を下に掛ければそれだけロープが長いわけですから、衝撃が大きいというような話になりますよね。その原因がどこにあったのか。その辺もあると思います。
○土橋委員 ここに書くことで独り歩きするという話もありましたが、一定条件下で義務づける等という書き方ですので、そこまで独り歩きするとも考えにくいのですが、そういった意味では一定条件下では義務化ということは、ある程度視野に入れるということは前からのお話にもありましたので、多少そういったことは残す、という形にしたほうがよろしいのではないかと思います。
○相澤分科会長 三浦委員、少し文言の訂正はあるかもしれませんが、考え方はこれでいけるかと思いますが、いかがでしょうか。
○三浦委員 その一定条件下という形の中で記載してもらわないと、得てして大体全てそれでなければいけないと、指導がそういう形になってしまうのです。その辺を十分議論していただきたい。
 もう1つ、同じく13ページですが、震災の影響による全国的な人材不足の中で発注者に対してというような文言があって、個人の安全衛生を確保するための必要な経費を積算するという形になっていますが、この部分でせっかく21ページでも「リスクアセスメントの普及・促進」ということがうたわれているので、できればリスクアセスメントを踏まえた安全経費と必要な経費とか、そういう文章を入れられたらいいのではないかなと。何でもかんでも安全経費という形にならないと思います。
○半田安全課長 最初にお話のありましたハーネス型のほうは、決して私どもも義務化を後退させようとか、そういうつもりはありません。必要なことを行っているだけでございます。ただ、三浦委員に申し上げておきたいと存じますのは、ステップ・バイ・ステップできちんとやっていきますということです。いきなり義務化ではなく、まず指導を通じて普及を図った上で、それからどういうところでお願いするかについてはきちんと私どもでも調査をいたしまして、それを進めていくことを申し上げています。
 それから、ただいまの御指摘のありました発注者に対してのところですが、ここの趣旨は、リスクアセスメントは当然のことですが、ここで一番申し上げたかったのは、発注者においてきちんと安全経費を確保していただく。前回、勝野委員からの御指摘もありましたが、その部分を確立していきたいというところを特に強調したいと思っていまして、こういう書き方にしています。リスクアセスメントを踏まえてというのは当然のことですので、それを書くことが必要であるという分科会の御判断であれば、それに従ってやらせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○勝野委員 ちょうど今、13ページの下段のところが出たものですから、前回も発言させていただきましたが、今、課長のほうで少しお話をいただきましたが、ここのところは建設産業の安全対策を推進していく際の肝になる部分だと理解をしておりますので、しっかりと実効性のあるものになるように国交省だけでなくて、発注官庁ときちんとした連携を取っていただきたいと思っております。
○半田安全課長 発注者との連携はおっしゃるとおりだと考えております。まずは、そうはいいながらも、国交省がいろいろな発注のあり方のモデルになりますので、国交省ときちんと話をしていくことを誠実に進めてまいります。手法等が確立してまいりますれば、他の地方公共団体の発注、民間の発注にも及んでいくと考えておりますので、そのように取り組んでまいります。
○相澤分科会長 先ほどリスクアセスメントという文言を入れるということがありましたが、いかがでしょうか。安全衛生を確保するというところの安全衛生にリスクアセスメントが入ってきますから、あえて書かなくてもいいかなと思いますが、それは後ほど全体の文脈から考えてまた訂正することもあるかもしれませんが、今のところはよろしいのではないかなと思います。ほかにございますか。
○半沢委員 14ページで2点ほど意見を申し上げたいと思います。14ページの下から2行目に、「安全衛生体制の再確認が急がれており」となっております。骨子案では、「製造業でも安全衛生体制の弱体化が懸念されており」という表現だったものが変更されたわけですが、この「安全衛生体制の再確認」という表現が分かりにくいように思います。前にあります「団塊世代の引退や経営環境の悪化など」による影響を考慮した上での対応ということでは、例えば「安全衛生体制の点検強化」のような表現のほうが適切ではないかと考えておりますので、御検討をお願いしたいと思います。
 もう1つは、一番下の行にかかっていますが、「小規模事業場における安全衛生活動の底上げを図るため、中央労働災害防止協会の活動を支援する」という表現があります。中小企業においては、安全衛生に関係するリソースが不足しがちであって、その活動の底上げを図ることが重要なことは理解できます。また、そのために外部機関等の支援が必要なことも事実だと思っております。その底上げを図るためということで、「中央労働災害防止協会の活動を支援」と記載されているわけですが、底上げを図るため、中災防の活動を支援するというところに間があるように思います。ここの根拠又は理由を明らかに記載していただいたほうが分かりやすいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○相澤分科会長 2点ほど半沢委員から御指摘がありました。最初の点の前回「懸念され」というのを今回は「再確認が急がれており」という表現に直したのですが、それを元に戻したいということと、一番下の中災防の活動を支援するというところをもう少し正確な表現が必要かなということですが、最初の点はいかがですか。
○半沢委員 元に戻すというか、「再確認」というのが分かりにくいので、「点検強化」という表現のほうが適切ではないかと考えております。
○相澤分科会長 事務局のほうでは何か提案はありますか。
○井内計画課長 今解説いただいたように、「弱体化が懸念されており」というところから「再確認が急がれており」と修正をしたわけですが、まだまだ課題として対応する必要、強化していく必要があるのではないかという今の御意見ですので、1つの案として「安全衛生体制の再確認が急がれており」を例えば「安全衛生体制の維持・確保が課題となっており」という表現で、課題として認識をして対応を図っていくのだというような文言としてはいかがでしょうか。
○半沢委員 「維持・確保」ですと、それに対する行動が明確でないように思えます。「再確認」というのは、もう一度体制についてきちんと整備されているかを点検して、足りないところは補うということを意味していると考えると、「点検強化」と言い換えたほうが適切ではないかということです。「維持・確保」だと行動が伴わない感じがします。もう一度点検をするという行動につながるような表現のほうがよろしいかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○新谷委員 前回から、「再確認」へと修正をされたわけですが、よく分からなかったのは今半沢委員も申し上げたとおり、誰が何を確認するのか。要するに、アクションを何か起こすということを書いているわけです。誰が何をするか、というところをもう少しクリアにしていただかないと、前の文章から修正したことと、今の再提案とがうまくつながらないので、もう一度「再確認」という文章にした意義を御説明いただけませんか。
○井内計画課長 これまで安全衛生体制の取組を進めてきて、もちろんいろいろな努力で改善されてきた部分もあるだろうと認識しておりますが、それで果たして十分かというようなことで、この前の「安全衛生体制の再確認が急がれており」と記載いたしました。ただ、そこの中には、今後の対策が必要だというニュアンスが出ていないのではないかという御指摘もあったと思っておりますので、安全衛生体制をしっかり維持・確保することが相変わらず課題となっているのだという文言で、私どもはそういった認識を示した上で対策を取っていくことでいかがかというふうに再度提案させていただきました。
○新谷委員 もう一度お聞きしますが、再確認というのは主体が誰で、何を確認するのですか。これは事業主が確認するのですか。それとも国が確認するのですか。
○宮野安全衛生部長 恐らく今の御質問は、後段のもう1つの御質問と併せてお答えをしないと、はっきりしないと思います。bのところは労働災害防止団体と連携した取組ということですので、正に主体は当然ながら、それぞれの企業において安全衛生体制というのを確認する。主体というのは、第一義的にはそれぞれの企業、事業主ということになると思います。ただ、小規模事業場においてはそれが非常に困難だということで、中央労働災害防止協会の支援を、と繋がるわけでございます。ただ、ここは文章として分かりにくいのは先ほど御指摘いただいたとおりでございます。中央労働災害防止協会の活動というところは、具体的には中小事業場における安全衛生活動の底上げを図るために、中災防による指導援助の事業というものを新たに行いたいということでございます。支援をする主体は国ですが、中災防の事業としてそういう事業を行っていただいて、国においてもそうした支援をしていきたいという形で、そういう意味で、小規模事業場において安全衛生体制の再確認と私どもとしては書いているわけですが、そこが少し分かりにくいということであれば今お話があったような形で、計画課長からも申し上げたとおり、例えば維持や確保という形での修正、また後段についても今申し上げたような修正をして、もう少し文章全体の意味が分かりやすくなるように修文できればと考えております。
○新谷委員 では、その修文案は前段と後段がつながる形で出されるという理解でよろしいですか。
○宮野安全衛生部長 はい。
○相澤分科会長 その次は、いかがでしょうか。重点課題が続きます。15ページあたりから23ページですね。
○三浦委員 22ページの上のbの「建設業の元方事業者と関係請負による」という文の中でお聞きしたいのですが、最後に「建設業労働災害防止協会と連携して指導する」というところで、建災防に加入している業者は、今のところはっきり言って少ないです。そういった中で、災害が発生しているのは非会員と、今騒がれている一人親方で、非会員と一人親方に対しては、国として直接指導支援をしていくのか、何かその辺の対応を考えられているのかをお聞きしたいです。
○半田安全課長 まず建災防の体制ですが、おっしゃるとおり会員は少ないですが、安全指導者という方々がたくさんおられまして、こういった方々に主に活動していただいています。それで建災防に限ったことではないですが、建災防をはじめとする関係団体とのあり方というのは御案内のとおり、事業仕分けなどを踏まえていろいろ見直しをしていますが、特に建設に関しては今お話にありましたように、建災防で行っていただく活動と私ども行政が自ら行う活動と少し区別していこうかなということも考えています。特に中小企業等々で、まずは法令施行をしっかりやっていただかなくてはいけないような所に関しては、私どもが権限を持ってきちんと対応したらよろしいのかなと考えております。ですから、私どもが監督指導等で入る部分と、建災防に民間側の自主的な活動としてやっていただく部分を少し整理してやっておこうと考えています。
○相澤分科会長 連携してということですね。よろしいですか。ほかはいかがですか。
○犬飼委員 18ページの腰痛予防の目標設定のあり方についてです。前回の分科会においても申し上げましたが、これまで独立した目標を掲げていて、再修正の段階で社会福祉施設の死傷者目標に包含するということで、ここに特記されているわけです。腰痛の業種別内訳を見ると、社会福祉施設を含む保健衛生業というのは3割弱です。他業種でも腰痛が多く発生している。これは前回もお話をしました。ですから、腰痛そのものを業種横断的な職業病対策と捉えるべきではないかと思っています。
 本文の15ページの現状と課題の真ん中あたりには、「業務上疾病の約6割を占める腰痛が、社会福祉施設、小売業、陸上貨物運送事業等の労働災害件数を押し上げている」という捉え方があり、これは正しいと思います。そして、19ページの講ずべき施策aにも、「社会福祉施設、小売業、陸上貨物運送事業を重点として」となっています。ですから、現状と取るべき対策はいいのですが、残念ながら目標値は社会福祉施設の再掲に終わっているということです。今回、下線は引いていませんが、「腰痛を含む」というかたちで若干文言を加筆されています。そこは評価できますが、第67回の分科会の労働衛生課長のご説明ですと、社会福祉施設の労働災害のうち、腰痛の占める割合は16.1%とのことです。他の業種は1〜6%程度であり、発生割合や増加率が社会福祉施設は非常に突出しているから、このような目標設定をしたということは分かりますが、発生割合や増加率に着目をして、社会福祉施設のみの腰痛発生を捉えて目標設定をするというのはいかがなものかと思っています。
 休業4日以上の死傷者数が10%以上減少したとしても、理論上16.1%しかないわけですから、10%を削減しても1.6%です。理論上からいっても腰痛予防の目標値には届かないわけです。腰痛予防対策全体をカバーするという当初考えていた12.9%減という目標はあったのです。具体的にどの程度の目標値が適切かは別途議論が必要かと思いますが、とにかく社会福祉施設そのものだけを取り上げることに違和感があって、腰痛予防対策は業種横断的に実施するべきであって、その中で社会福祉施設に特化したものにするということならば歓迎しますので、是非、先ほど掲げられていたような職場で腰痛予防対策が取り組まれるような目標値にされてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○椎葉労働衛生課長 事務局で腰痛予防対策の目標を社会福祉施設に絞った理由は、大きく3点あります。1つ目は、社会福祉施設だけで腰痛全体の約2割を占めており、腰痛対策としては最重点であるということです。2つ目ですが、腰痛の過去10年間のトレンドを見ますと、他の業種においては、おおむね減少傾向が見られている中で、社会福祉施設に限っては急増し、過去10年で2.7倍の急増です。3つ目は、腰痛が災害全体に占める割合を見ますと、他の業種においては1%から6%程度ですが、それに比べて社会福祉施設は16%と格段に高いため、特に重点的な取組が必要ということで、こういう目標設定にしたところです。
○犬飼委員 その話は、私が言ったことそのままでしょう。前回、課長が同じようなご説明をされましたけれども、休業4日以上の腰痛全体のうち16.1%を占める社会福祉施設の腰痛を10%減らしたからといって、腰痛全体の目標値である12.9%には、理論上いかないのではないですか。突出していることと増加率のトレンドはいいです。しかし社会福祉施設だけがここに挙がるのは、いかがなものかと言っているわけです。そこだけを特化してやってしまって、横断的にほかの業種でも、本当にやれるのかと言っているのです。
○井内計画課長 委員がおっしゃっているのは、社会福祉施設だけで腰痛全体の話が言えるのか、なぜ腰痛を社会福祉施設に重点化して絞り込んでいるのか、そこがはっきりしないということかと思います。その御意見を踏まえてお話申し上げたいのは、15ページの「現状と課題」の表の上から3つ目のポツに、「業務上疾病の約6割を占める腰痛が社会福祉施設、小売業、陸上貨物運送事業等の労働災害件数を押し上げている」とあって、続いているわけです。ここに労働衛生課長が説明したような事情を追加してはどうかと思います。「押し上げている」の後に、「このうち社会福祉施設は過去10年で腰痛が急増しており、しかも腰痛全体の2割を占めているため、特に重点的な取組が必要となっている」という趣旨の文言を盛り込んで、社会福祉施設を重点化して絞り込んで対応していくということを、18ページ、19ページにつなげていくということでいかがでしょうか。
○犬飼委員 目標を掲げるときに、「社会福祉施設」という名前だけが目標に挙がるのがいかがなものかと思います。現状もOKですし、取るべき対応策も19ページにしっかり書かれていますから、何の異論もないのです。ただ、目標として、休業4日以上の労働災害を社会福祉施設で10%減らせば、腰痛が減るという認識になるのはいかがなものかと言っているのです。「現状と課題」もそのとおりですし、社会福祉施設での腰痛件数が突出していることもそのとおりですし、増加していることもそのとおりですし、目標として社会福祉施設を対象とすることも歓迎します。しかし、この項というのはメンタルヘルス対策も含めて、私は過重労働も化学物質もすべて業種横断だと思っているのです。ここは広くかぶせておいて、中でも社会福祉施設を10%以上減少させるというのなら歓迎しますが、これだけ書かれると非常に違和感があります。
○相澤分科会長 ほかの委員はいかがでしょうか。
○新谷委員 要するに、腰痛予防対策として掲げる目標に、代理変数的に扱うものとしては、少し範囲が狭いのではないかという懸念があるのです。全体的な我が国の労働安全衛生の現場で、腰痛対策を実施するのは社会福祉施設だけ、しかもその死傷者数を10%減らすだけで、我が国の腰痛予防対策の代理変数的に使えるのかということなのです。確認した数字は、社会福祉施設については腰痛全体の2割というのが1つあります。それと、実は社会福祉施設における労働災害の16%しか、腰痛が占めていないということもあるわけです。この2つの数字を組み合わせたときに、休業4日以上の死傷者を10%以上減少させることが、なぜ全産業の腰痛対策として象徴的に目標になるかというのが、うまくつながらないのです。そこをうまく説明できるようにしてほしいと思います。
○宮野安全衛生部長 ここで重点目標として掲げているものは、安全衛生対策で必要な目標をすべて網羅的に掲げているわけではなくて、個別の目標というのは特にこの5年間、ここを重点的にやっていこうというものを、ピックアップして掲げているというように考えております。腰痛については社会福祉施設で非常にウエイトが高く、かつ他の業種では減少傾向にあるにもかかわらず、社会福祉施設では急増しているという中で、重点的な目標として掲げたらどうかということでお示ししているものです。これについては使用者側、あるいは公益委員の先生方の御意見をいただかなければならないと思いますけれども、私どもとしては、そうした重点的な目標の1つとしてどうかということでお示ししているものです。
○三柴委員 今、宮野部長がおっしゃったことと同じ趣旨のことを申し上げようと思ったのです。枠内では重点目標を掲げて、その後の?-1でその他の問題もカバーするという趣旨で具体化を図っているから、併せ読みをするという趣旨で捉えればいいのではないかと思います。
○犬飼委員 再修正案を出される前の目標というのは、平成23年度と比較して、平成29年度までに腰痛を12.9%減少させるという目標値だったのです。今回、先ほど新谷委員が言われたように社会福祉施設における労働災害の16.1%を10%減らすことと、全体の目標値である12.9%との整合性を教えてほしいわけです。どのような目標値を重点的に掲げるかはまた意見があると思いますが、最初に厚労省が修正案を出された12.9%減少させるという目標値と、今回、社会福祉施設の中の16.1%から10%減らしたことによって、本当に数字の整合性があるかということを聞きたいわけです。
○三柴委員 併せ読みをすると、他分野の減少も射程に入って来るわけですから、他分野を全く無視するのではなくて、限られた行政資源の効率配分も考えながら、重点目標としては枠内に掲げ、当然ほかの領域にもトレンドを目配せされるという中で、全体として総合目標を達成するという趣旨で捉えればいいと思うのですけれども、それではまずいのでしょうか。
○犬飼委員 全体の作り方から言うと、そのようにはなっていないのです。ほかの目標値を見ていただければ分かりますが、そのような捉え方では作っていないと思います。削減する目標値の一部を取り上げて、後ろに記載した対策でフォローしていくというかたちにはなっていないのです。流れとしては、大きな目標値があって、そこをベースにさまざまな対策を実施するというかたちになっているのです。
○相澤分科会長 腰痛対策の指針を作った経験から言うと、製造業はかなり自動化が進んだり、環境がよくなったりして、実際に少なくなってきているのです。やはり介護が一番ネックになっています。自動化といっても医療費のこともありますから、なかなか進まないし、機械があっても実際の忙しさで使えないという問題があることが分かったので、できればここもそのほかの所も改善するという感じはしているのです。
○犬飼委員 記述として全体を書いていただいて、対策として社会福祉施設を書いていただいたほうが見やすいのではないかと言っているのです。ですから実情は分かっているのです。
○相澤分科会長 業種別ではないので、確かにほかの所とは書き方が違うのです。
○犬飼委員 だから、ここは非常に座りが悪いのです。趣旨はものすごく分かっています。社会福祉施設の労働災害発生件数が減れば、腰痛が減ることに貢献することもよく分かっています。それならば、そのような書き方にできないですか。目標値は全体横断的に何パーセント減少させる、特に社会福祉施設では何パーセント減少させる、という書き方のほうが、座りがいいと思うのです。1つの業種だけを目標に書いて、対策の記載には業種横断的なものがあるから、こちらでフォローしていますと言われても、ほかの項目と計画の作りが異なってしまいます。
○井内計画課長 犬飼委員も事実はご存じだろうと思います。業種別に見てここで皆様方にもう一度、腰痛の過去10年間の増加率を申し上げます。製造業が-16.5%、建設業が-26.2%、交通・運輸業が-18.7%、卸売・小売業が-4.8%です。そして社会福祉施設が171.4%増加ということで、ここだけが突出しているのです。それで今回、このような書き方にしているということです。
○相澤分科会長 ほかの疾患は大体全産業で、業種で増えたりしてやっているわけです。熱中症については建設もそうだし、製造もそうですよね。ここだけが今のデータで突出しているということで、そこを集中的にやろうと。新谷委員、いかがですか。
○新谷委員 今の計画課長の御説明でますます分からなくなったのは、171%増加というときに、従事する労働者の数はどれくらい増えているのですか。これは労働者の増加を見込んで、目標値を立てようという話をしていたわけですから、そこをおっしゃらずに実数としてこれだけ増えたというのは、根拠というか、説得力が弱いのではないかと思います。
○宮野安全衛生部長 9ページの真ん中ぐらいに、社会福祉施設は雇用者数が過去10年で約2倍と、ちょうど書いてあると思います。ですから腰痛の件数も、それ以上に相当増えているというのも間違いないということです。
○相澤分科会長 率で表したほうがいいのか、実数で表したほうがいいかというのは難しと思うのです。政策的には多分、実数のほうが効果的だと思います。やりやすい業種というのは確かにあると思うのです。労働者が増えれば当然、件数も増えるのでしょう。
○新谷委員 収まりがここだけ悪いのです。枠の中の目標について全体を見渡しても、この腰痛予防対策だけが特定の業種をターゲットに捉えている。「そこが重点なのだ」と言われると、確かにそうですけれども、ほかの目標と比べて座りの悪さは目立つところです。
○相澤分科会長 非常に偏りがあるということだと思います。どうでしょうか。ほかの委員から御意見はありませんか。
○三柴委員 おっしゃる数値の整合性というのは分かるのですけれども、?-1aでは、社会福祉施設だけがターゲットではないと明記してあって、cでは諸外国の状況等も踏まえて、規制の導入を検討するとまで書いておられて、重点として枠内で現在のデータのトレンドを踏まえつつ、社会福祉施設をメインターゲットとしておられるというところで、全体として見たときに、合理的な内容と取ることもできると思うのです。おっしゃる趣旨は書かれていると思います。
○犬飼委員 それは私が最初に質問したとおりです。「現状と課題」が書かれていますから、書かれていることを素直に目標にできないのかということなのです。素直な目標にしていただいて、その中で特化して社会福祉施設に取り組むという目標にできないのかというだけのことです。
○宮野安全衛生部長 確かにそうです。ここだけ社会福祉施設というのが出ていることに非常に違和感があるとすると、先ほど計画課長も申し上げたとおり、「現状と課題」の15ページの「腰痛が社会福祉施設、小売業、陸上貨物運送事業等の労働災害件数を押し上げている」という所に、特に社会福祉施設については雇用者数も増えているけれども、それ以上に腰痛がかなり増えているということを記述した上で、目標の所に特に社会福祉施設を明記するというのであれば、犬飼委員がおっしゃる違和感は大分失せるのではないかと思うのです。そういうやり方でいかがでしょうか。
○犬飼委員 分かりました。
○相澤分科会長 もちろん忘れることはありませんので、犬飼委員からの指摘ということで。それでは20ページですね。
○犬飼委員 19ページの受動喫煙の目標値は、労働者の割合の15%以下にするということですが、このときの実態把握を是非、慎重に行っていただければと思います。根拠となる調査は喫煙所での喫煙者によるものも含めて結果が出ているという話も聞いたことがあります。当然、喫煙者は受動喫煙といっても、被害を受けているというより能動的です。調査は非常に難しいと思いますが、15%というときに受動喫煙している方の割合の調査をきちんとしていただくと、信憑性が増すのではないかと思います。もし事務局のほうで、こんな調査だというのが分かれば教えていただきたいと思います。
○椎葉労働衛生課長 現状の調査は労働者本人にお聞きするという方式で、それを信用するしかないわけですが、そういう方向でやっているということです。
○犬飼委員 そうすると、当然アンケートだから喫煙する人も、自分は受動喫煙している、ということになってしまうのですね。ある調査を見たら、喫煙者の83%が、受動喫煙があるという答えがあるという話だったのです。
○椎葉労働衛生課長 そこはきちんと対応させていただきます。後ほど詳しく御説明いたします。
○相澤分科会長 調査をするには非常に大事な点ですので、よろしくお願いします。最後のほうまでで、ほかにいかがでしょうか。
○新谷委員 23ページに非正規労働者対策について書いていただいております。確かこの分科会が始まった際に、これまでの5年間とこれからの5年間を考えると、労働者の構成の変化を考えたときに、非正規労働者の数が非常に増えてきているのではないかという指摘を申し上げて、追記をいただいたと思います。現状では、非正規労働者に特化したいろいろな実態把握がされていないのです。今回追記されている内容でいきますと、「雇入時の教育、健康診断の実施等の実態把握を進める」という記載をしていただいているのですが、普段の安全衛生教育もそうです。
 職業能力開発局で「職業能力開発基本調査」という調査をやっておられる中で、やはり正社員と非正社員とでは、企業の教育投資の額が半分ほど違っているという結果が出ております。その中に多分、安全衛生教育なども入っているのではないかという懸念があります。そういった教育投資の違いとか、現実に労働災害が起こったときに雇用形態別に何らかの有意な差が出ているのかどうか。
 例えば、非正規の方というのは有期労働の方が多いと思いますので、企業としても長期雇用に対する投資と違って、安全を含めた教育投資が非常になおざりになる。それを雇用形態別に見たときに、有期と無期で労働災害の発生状況が異なるのではないかという懸念もあるわけです。また、労働時間の長短によっても、フルタイムで働いておられる方とパートタイムで働いておられる方で見たときに、何らかの有意の差があるのではないかという現状が厚労省も把握されていないと思います。これだけ雇用形態が変化してきている中では、多面的な労働災害、雇用形態別の実態把握を是非進めていただきたいと思っております。この記載ぶりですと、雇入時の教育と健康診断の実施などとしか書かれていないので、労働災害の分析については多面的な調査・分析を、是非書き加えていただけないかということを要望申し上げたいと思っております。
○相澤分科会長 できましたら、事務局で修正案はいかかでしょうか。
○井内計画課長 先ほど有期・無期というお話も出ましたけれども、もともと正規・非正規の労働者というのは、定義でなかなかはっきりしないところがあります。ただ非正規労働者の安全衛生活動、安全衛生対策が非常に重要であるのは、新谷委員のおっしゃったとおりです。まずは災害の発生についても調べて、実態を把握するべきではないかというのもおっしゃるとおりかと思います。ただ、できることとできないことがいろいろありますので、どういった形になるのか。すごくターゲットを絞った、一時的な研究という形もあるのかもしれません。どんな方法でできるのか、現時点では、はっきり申し上げられませんけれども、私ども行政も何らかの形で、労働災害の状況についても調べるようにしたいと思っております。したがってaのポツの2行目の「安全衛生活動の実態」に、「労働災害の発生状況」も加えて把握を進めるということで、記述を変えさせていただければと思っております。
○相澤分科会長 それでは、労働災害についても把握するという言葉を加えさせていただきます。ほかにいかがでしょうか。
○明石委員 16ページのメンタルヘルス対策についてです。先般の調査官の説明のときに、セルフケアについて書きましたということだったのですが、これは「セルフケア」という言葉を書いただけであって、内容については書かれていません。メンタルヘルス不調の予防のためには、まずセルフケアが必要だと思うのです。ラインケアの前にセルフケアが一番大事だと思うので、ここに労働者は自らの健康維持・増進のために留意するというようなことを書いていただけないかと思います。
○相澤分科会長 これについてはいかがでしょうか。どこにどういう風にというのを、もう一度お願いします。
○明石委員 字面では16ページの一番上に、セルフケアというのが出ていますけれども、内容としては出ていないので、まず予防するために必要なのはセルフケアであるということを書いていただきたいと思います。
○井内計画課長 予防のためのセルフケアの重要性という文言を加えるという。
○明石委員 加えていただきたい。
○相澤分科会長 それはよろしいですね。
○新谷委員 明石委員の御指摘もよく分かるのですけれども、その一方で、予防が労働者個人のヘルスケアだけだ、それが重点だと言われたときに、使用者の責任が薄まってしまわないかというのを、当然懸念するところです。どのような修文をされるかというのは、我々も十分見させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○宮野安全衛生部長 いずれにしても修文をして、その内容を見ていただくことになると思います。
○明石委員 新谷委員が懸念されていることですが、この下にラインケアが重要であるというのは、当然書いてある話なので、別に労働者に全部任せるという話ではありません。労働者にも努力していただきたいということを申し上げているのです。私は、最初からそれを求めていたのです。「セルフケア」という言葉しか出ていないものですから、そこら辺を1つでも書き加えていただければと思っております。
○相澤分科会長 そういうニュアンスで加えることにいたします。ほかにいかがでしょうか。
○新谷委員 26ページの下から2つ目の?、「重大な労働災害の発生の改善がみられない企業への対応」です。資料2の5ページの一番下に、骨子案から計画案に移る際の記述の変更が書かれています。これは順序を入れ替えて書かれているのですが、骨子案から計画案の記載に変更された意図、理由や背景について改めてもう一度御説明いただければと思います。
○井内計画課長 5ページの一番下、26ページの33行ですけれども、修正前の案で申しますと、「企業名と労働災害の発生状況をホームページ等で公表することを含め、着実に労働環境の改善を図らせる方策を検討する」となっています。「労働環境の改善を図らせる方策を検討する」というのが、言切りの最後になっていたわけですけれども、いろいろと御議論いただいている中で、労働環境の改善を図らせるために、何かを含めて施策を検討したらいいのではないか、そのほうがはっきりするのではないかという御意見もありましたので、左のほうにありますように、「着実に労働環境の改善を図らせるため、公表することも含めて検討する」という言切りで、意味を明確にしたということです。
○新谷委員 よく分かりました。やはり当初の意気込みからこの内容が後退することを一番懸念しております。これも度々申し上げておりますけれども、特に若者が社会に出る際に、いろいろな世の中の仕組みや情報がよく分からない中で、最近ブラック企業と言われているものが、若者を追い込んで大量に採用して、一部の上澄みだけを残して退職に追い込み、その過程でうつ病を発症させるといった事例が出てきているわけです。それも社会的な問題になりつつありますので、そういった本当に悪質な企業、労働災害を繰り返し発生させるような企業については、やはりこういった取組の中で淘汰していくことが、行政としても必要ではないかと思います。是非、この方向で展開いただきたいということを、期待を込めて申し上げておきたいと思います。
○小畑委員 27ページのbの2つめに、「大学教育への安全衛生教育の取入れ方策を検討する」とあります。これは大変歓迎すべきことであると考えているのですが、今後の検討の進め方のイメージについて、お聞かせいただければというのが1点目です。
 もう一つは、以前も申し上げたのですが、中学・高校を卒業して社会に出る方が、毎年20万人近くいます。なおかつ、高校卒業生の方というのは、重篤度の高い労働災害が発生する製造業、建設業などの2次産業の割合が高いことを鑑みたときに、中学・高校における安全衛生教育の強化・充実も重要だろうと考えているところです。加えて、学校教育における安全衛生教育の実効性を高めていくには、単に労働災害防止計画に盛り込むだけではなくて、文科省、教育委員会との連携が不可欠だと思いますので、省庁間の連携も含めて、取組の強化をお願いしたいと思います。
○相澤分科会長 2点ございましたが、事務局からどうぞ。
○井内計画課長 大学での教育については私どもも一度、御説明をさせていただいたことがございます。大学で取り組まれているのは、理系学部を中心に学生が実験をする学生実験時の安全衛生に係る教育が、一部行われているわけです。ただ、教育内容が体系化されていないこともあり、その体系化に向けて現在、厚生労働省の厚生労働科学研究費補助金を使って研究を進めています。一部の大学においては、社会人として必要な安全衛生教育に関心を示して、教育内容について検討を始めております。私どもとしてはこうした動きを適宜サポートしながら、大学での安全衛生教育の普及を進めていきたいと考えております。
 ただ、中高生の関係で現状を申しますと、中学段階では働くことに関連した安全衛生教育は行われておりません。高等学校の関係では学習指導要領の保健の科目の中で、労働災害や職業病、あるいは健康の保持・増進について扱うことになっております。実際に高校生の教科書の中にも、職業病とか特殊な健康診断、あるいは健康の保持・増進ということが子細に書かれておりますし、わりと詳細な記述が学習指導要領の中にもあります。小畑委員がおっしゃったように、もちろん中高の段階でも大事なところですので、私どももこれから文科省としっかり連携していくことも必要だと思っております。中高での安全衛生教育が充実されるように、我々としても取り組んでいきたいと思っております。
○相澤分科会長 これからそういうように取り組むということで、小畑委員、それでよろしいですか。
○小畑委員 はい。
○相澤分科会長 ほかにいかがでしょうか。
○半沢委員 確認します。33ページの「原発の事故対応」の下から4行目に、「緊急作業に従事した労働者に対して、健康相談等の長期的対策を着実に実施する」というのがあります。以前も申し上げたとおり、原発事故の収束に向けた作業は日常的に行われておりまして、「緊急」というのがどの範囲を指すのか、緊急に限るというよりは、その作業に従事した労働者が、いずれもそういった対象になるべきではないかと感じているというのが1点目です。
 その後に、請負の体制で十分な安全衛生受入れの教育がされていないという実態が、アンケートなどで明らかになったという資料も拝見しました。それに対して東京電力からは、きちんと指導していきますというようなコメントもいただいたわけですけれども、その部分は非常に気を付けて、本当に隅々まで管理を徹底させないといけないのではないかと感じたわけです。「安全衛生管理の実施を徹底するとともに」という表現に含まれているのかもしれませんが、就業形態、雇用形態も含めて表現したほうが、より明らかではないかと感じました。これは意見でございます。
○相澤分科会長 いかがですか。現在働いている人も含めてということですか。
○半沢委員 はい、そうです。
○椎葉労働衛生課長 bの1つ目のポツに、「第一原発の廃炉に向けた作業の被ばく防止対策、特別教育等の安全衛生管理の実施を徹底するとともに」ということで、これに入っております。ですから緊急作業に従事した労働者だけではなくて、実際に今、廃炉に向けた作業を行っている方、元請や孫請といったいろいろな体制も含めて、安全衛生管理の実施を徹底するということで入っておりますので、事務局としてはこれでよろしいのではないかと考えております。
○半沢委員 では「緊急作業」というのは、どういった作業を指して書いていらっしゃったのでしょうか。
○椎葉労働衛生課長 緊急作業というのは当初、まさに原発事故が起こってから通常の放射線業務とは異なる環境下の緊急性の高い作業ということです。これらの作業に従事した方については長期的な健康管理として、厚労省で長期的な健康管理のフォローアップを実施するということで、指針も作り、今やっているところです。
○新谷委員 最初に半沢委員がした質問に対する最初の答弁と、また質問されたときの再答弁とで、中身が変わっていると思うのです。最初の答弁だと前段の部分で、廃炉に向けた作業の被ばく等々全て含まれており、緊急作業に従事した労働者に限らないという御答弁をいただいたと思います。しかし今の御答弁だと、最初の緊急作業に従事した者だけだという御答弁に切り替わったのではないかと思うのです。要するに、ここに書いてあるメンタルヘルスケアを含めた長期の健康対策は、今作業に従事されている方についてもやるべきではないかというのが、半沢委員の意見だったのです。再答弁ですと、それは緊急作業だけだということに切り替わってしまったのです。どちらを指しているのですか。
○椎葉労働衛生課長 緊急作業に従事した労働者に対しては指針を作り、長期的な健康管理やメンタルヘルス対策も一緒にやっているというのが1点目です。2つ目は、作業に従事した方については、被ばく防止対策やメンタルヘルス対策もその中に入っております。そういうことで今、実際に作業に従事している方は一般的な安全衛生対策を実施しておりますが、かつて緊急作業に従事した方については、上乗せで被ばく管理と、今後離職しても長期的にフォローアップをするという、特別な対策を実施しているということです。
○新谷委員 三柴先生にお聞きしたほうがいいかもしれません。この記載では、対象を緊急作業に従事した者に限るというように、要件に見えてしまいます。そしてその効果としては、着実に長期の健康管理を実施するということです。しかし御答弁の内容は、それも含めて現に廃炉に向けて作業している労働者全てということなのです。それならば「緊急作業に従事した労働者に対して」という文言は不要で、ここだけ削除すれば、おっしゃっている内容は全部クリアになると思うのです。ここの書き方の問題なのです。どうしても条文的に読んでしまうので、限定されるなという懸念を申し上げているわけです。
○相澤分科会長 恐らく長期的な健康管理対策というのは、手帳みたいなものを作って、仕事を辞めた人を国が責任を持ってやるということですね。そして現在仕事をしている人については、会社が健康管理をやるということで、一応分けてあるというように読み取れますけれども、これだとまずいのですか。
○犬飼委員 しかしメンタルヘルスも入っている。
○相澤分科会長 前のほうにも当然、メンタルヘルスがある。
○犬飼委員 文章の表現に問題があるのです。
○三柴委員 文章の表現について、今、衛生課長から御答弁いただいた内容がより明確化するように、事務局の方で少し御検討いただければとは思います。
○宮野安全衛生部長 文章を整理して、またお示ししたいと思います。縷々答弁をいたしましたが、緊急作業に従事した対象の方は、実際に約2万人いらっしゃいます。直後の被ばく線量限度を250mSvまで上げていたときに従事された方は、特に手厚く、私どもでデータベースを作って、退職後もきちんとフォローアップをしていくと。そういう方に長期的健康管理対策をやっていきましょうと。もちろんそれ以外の方についても、現に今働いていらっしゃるわけですから、そこはメンタルヘルス対策も含めて、きちんと安全衛生管理をやっていくということです。もちろん東電、元請、それぞれ雇用している事業者も含めてやっていただくということで、私どもも指導していますし、メンタルヘルス等々についても、この前の視察のときにも御覧いただいたような診察施設でも、きちんと対応するという体制を整えてやっております。そういった形で、この文章の表現を少し整理させていただきたいと思います。
○半沢委員 雇用形態についての表現も、いかがでしょうか。
○宮野安全衛生部長 そこは今申し上げたとおり、あえて「安全衛生管理の実施を徹底する」という所で。とにかく私どもとしては安全衛生対策の原則として、それぞれの労働者や作業員を雇用している事業主に、きちんとやっていただく。ただ原発に限らず、3次、4次、5次という下請体制の実態にあることも事実ですので、元方の事業主、原発で言えば東京電力にも、そこはフォローしていただくということで現状やっております。表現ぶりにそこまで書くかどうかということになるのだろうと思いますけれども、そこは同じような形で、引き続ききちんと対応していきたいと思っております。
○犬飼委員 半沢委員がおっしゃるのは、この間現地を見せていただいて、この雇用形態ならば、恐らくいくら相談窓口があっても安全衛生管理はできないだろうと思ったということです。私も同様です。安全衛生管理というのは、雇用形態に非常につながっているので、修文をなさるときには、そういう認識を含めて、安全衛生管理体制を充実するためには、雇用形態にも少し触れるような文章にしていただければ有り難い。要するに、安全衛生管理が非常に届きにくいというか、非常に難しいところだと思うのです。そこでやらなければいけないということですから。ですから「この記載ぶりでご指摘の趣旨は含まれています」という簡単なものではない。原因の払拭をするような書き方はできないでしょうか。
○宮野安全衛生部長 では、そこの表現は考えてみたいと思います。
○相澤分科会長 安全衛生部長も現地に行っておりますし、私も行っておりますので、一緒に考えさせていただきます。ほかによろしいでしょうか。
 それでは私から、1つ提案をさせていただきたいと思います。復旧・復興工事、又はトンネルの天井が崩落した事故等もあり、建設業対策として東日本大震災の教訓を踏まえて、もう少し加筆してはどうかと思います。また、1月には閣議決定で緊急経済対策が出て、インフラ整備や災害に強い国道造りということが言われております。その辺にも対応して、当会か分かりませんけれども、少し変えていったらどうかと思います。
○宮野安全衛生部長 この12次防は、第3次産業の労働災害が増えてきているというのが、1つの大きな重点項目だと思っておりますけれども、確かに建設業の労働災害も非常に増えております。これはやはり復旧・復興工事が本格化してきたということが、1つの背景にあると思います。今後の見通しを見ても、緊急経済対策に伴う様々な復旧・復興、様々な公共工事等々が今後も予想されます。対策としては、恐らく御議論いただいているものに尽きると思いますけれども、やはり背景としてそういう状況の中で、きちんと建設業の対策をしていかなければならないと考えております。そこは、また少し表現ぶりを工夫させていただきたいと思います。
○相澤分科会長 それでは議論が出尽くしたと思いますので、12次防については終了いたします。今回もいろいろな御意見をいただきましたので、字句の修正等が発生しました。事務局で修正して、分科会長が確認するという作業をしたいと思います。つまり、分科会長一任ということにさせていただけますか。
(了承)
○相澤分科会長 ありがとうございます。委員の皆様方におかれましては、大変長機関にわたり、労働災害防止計画をまとめていただきました。1回ずれましたけれども、お陰様で何とかまとめることができました。ありがとうございました。それでは事務局から、今後の進め方についてお願いします。
○井内計画課長 本日も熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございます。お礼申し上げます。また、委員の皆様の御協力をもちまして、本日の分科会にて第12次労働災害防止計画を取りまとめることができました。今後の進め方については、分科会長に確認していただいた計画案を諮問させていただくことになるわけですけれども、事務局としては、既に委員の皆様に十分な御審議をいただいておりますので、修正して分科会長に確認していただいた諮問は、持ち回り審議にさせていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○宮野安全衛生部長 もちろん今日の修文もまた見て、確認いただいた上での話です。
○相澤分科会長 よろしいですか。
(了承)
○相澤分科会長 ありがとうございます。事務局の説明のとおり、これまでに十分な審議をしておりますので、諮問は持ち回りの審議とさせていただきます。これで本日の分科会を終了いたしますが、議事録の署名については、労働者代表委員は小畑委員、使用者代表委員は中村委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。


(了)

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