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2012年11月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年11月29日(木)
15:00〜


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

出席委員(12名) 五十音順

 新 井 洋 由、 庵 原 俊 昭、 奥 田 真 弘、 清 田    浩、

 黒 木 由美子、 田 村 友 秀、○土 屋 友 房、 豊 見 雅 文、

 中 島 恵 美、 前 崎 繁 文、 増 井   徹、 山 口 照 英、

 (注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(9名) 五十音順

 大槻 マミ太郎、 菊 池    嘉、 櫻 井 敬 子、 佐 藤 俊 哉、

 鈴 木 邦 彦、 濱 口    功、 半 田   誠、 山 本 一 彦、

◎吉 田 茂 昭

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 赤 川 治 郎  (審査管理課長)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 森    和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

 佐 藤 岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」を開催させていただきます。本日はお忙しい中御参集いただきありがとうございます。
 本日の委員の出席についてですが、大槻委員、菊池委員、櫻井委員、佐藤委員、鈴木委員、濱口委員、半田委員、山本委員、吉田委員より御欠席との御連絡をいただいております。清田委員が遅れられているので、現在のところ当部会の委員数21名のうち11名の委員の御出席をいただいておりますので、定足数に達していることを御報告いたします。
 本日は吉田部会長が御欠席のため、部会長代理の土屋委員に以後の進行をお願いいたします。
○土屋部会長代理 ただ今の御説明のように、吉田部会長が御欠席ですので代理を務めさせていただきます。
 本日の審議に入らせていただきます。まず事務局から配付資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1〜10をあらかじめお送りしています。このほか、資料11「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料12「専門委員リスト」、資料13「競合品目・競合企業リスト」を配付しております。また、当日配付ですが、資料14として佐藤委員からの御質問を配付しております。
 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告させていただきます。資料13を御覧ください。
 1ページ、「シムジア」です。本品目は、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
2ページ、「ディレグラ」です。本品目は、「アレルギー性鼻炎」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 3ページ、「ボルテゾミブ(ベルケイド)」です。本品目は、「多発性骨髄腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
4ページ、「マラロン配合錠」です。本品目は、「マラリアの治療及び予防」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
5ページ、「アメパロモカプセル」です。本品目は「腸管アメーバ症」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 6ページ及び7ページ、「インフルエンザワクチン(H5N1株)」及び「プロトタイプワクチン」です。本品目は、「新型インフルエンザ」の予防を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○土屋部会長代理 ありがとうございます。ただ今の事務局からの御説明に特段の御意見等ございますでしょうか。
 よろしいですか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、委員の皆様の御了解を得たものとさせていただきます。
 次に、委員の先生からの申出状況について報告をお願いいたします。
○事務局 各委員からの申出状況についてです。
議題1の「シムジア」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、奥田委員、清田委員、田村委員、前崎委員です。
議題2「ディレグラ」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、奥田委員、前崎委員です。
議題3「ベルケイド」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、奥田委員です。
議題4「マラロン」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、清田委員です。
議題5「アメパロモカプセル」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、奥田委員、前崎委員です。
議題6「インフルエンザワクチン(H5N1株)」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、清田委員です。
議題7「インフルエンザワクチン(プロトタイプワクチン)」に関して、退出委員はなし、議決に参加しない委員は、清田委員です。以上です。
○土屋部会長代理 本日は審議事項が7議題、報告事項が3議題となっています。
それでは、審議事項議題1から始めさせていただきます。議題1「医薬品シムジア皮下注200mgシリンジの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品シムジア皮下注200mgシリンジの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
 本剤の有効成分であるセルトリズマブペゴル(遺伝子組換え)は、大腸菌により産生された遺伝子組換えヒト化抗ヒト腫瘍壊死因子α(以下、TNFα)モノクローナル抗体の抗原結合フラグメントにポリエチレングリコール(以下、PEG)を結合させた新規の抗TNF製剤です。
本剤は、関節リウマチの治療薬として開発され、今般、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」に係る効能・効果で申請がなされたものです。海外において、本剤は2012年9月現在、関節リウマチ等に係る適応にて42か国で承認されています。なお、本邦においては本剤と同様の抗TNF製剤であるインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブが、関節リウマチに係る効能で、既に承認されています。
本申請の専門委員としては、資料12に記載されている11名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について簡単に説明いたします。審査報告書41ページ、「1)国内第II/III相試験」の項を御覧ください。主要試験として、メトトレキサート(以下、MTX)で効果不十分な日本人関節リウマチ患者(以下、RA患者)を対象に、MTX併用下での本剤の有効性及び安全性を検討するため、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されています。用法・用量は、本剤100mg、200mg、400mg又はプラセボを2週間隔で24週間皮下投与することとされ、初期用量として、100mg群及び200mg群では、それぞれ200mg及び400mgが0、2、4週に負荷投与され、400mg群では負荷投与は行われず、0週より2週間隔で400mgが投与されています。有効性の結果については、42ページの表9に示していますように、主要評価項目とされた関節痛等の症状の改善の評価指標である投与後12週におけるACR20%改善率は、プラセボ群28.6%、100mg群62.5%、200mg群76.8%、400mg群77.6%であり、200mg群及び400mg群においてプラセボ群に対する優越性が検証されています。また、43ページの表10に示しているように、関節の構造的損傷の抑制効果について、レントゲンによる画像所見により関節の構造的損傷の度合を示したmodified Total Sharpスコアの投与前からの変化量が評価されています。変化量が小さいほど関節の構造的損傷が進行していないことを示していますが、本剤投与後24週におけるベースラインからの変化量は、本剤のいずれの群においてもプラセボ群と比較して、より小さい変化量となっています。
 これらの成績より、機構は、既存治療効果不十分な日本人RA患者における本剤の関節痛等の症状の軽減に対する有効性は示され、また、関節の構造的損傷の抑制効果も期待できるものと判断いたしました。
 用法・用量につきまして、国内第II/III相試験では、表9及び表10のように、ACR20%改善率及びmodified Total Sharpスコアの投与前からの変化量ともに100mg群の有効性は200mg群及び400mg群に比べて劣っていたこと、200mg群及び400mg群の有効性に大きな差異は認められていないことから、200mg群の設定用法・用量、すなわち初期用量として0、2、4週に400mgを投与し、以降、200mg2週間隔皮下投与を通常の用法・用量とすることが妥当であると機構は判断しております。また、申請用法・用量のとおり、維持用法・用量として200mg2週間隔皮下投与に加え、400mg4週間隔皮下投与も設定することが予定されています。この根拠データとして、45ページ「3)日本人RA患者を対象とした国内第III相長期投与試験」において、46ページ上段の表のIII群、IV群のように、国内第II/III相試験の投与後24週時点でACR20%改善であった被験者を、200mg2週間隔投与又は400mg4週間隔投与に無作為に割り付け、両用法・用量の維持効果が比較検討されています。その結果、46ページの表15及び表16のとおり、投与後52週におけるACR20%改善率及びmodified Total Sharpスコアの変化量に両群で大きな差はなく、いずれの用法・用量においても効果の維持が可能であることが示唆されています。さらに、審査報告書59ページの海外第IIIb相試験において、通常用法・用量によりACR20%改善に至った被験者を対象に、200mg2週間隔投与又は400mg4週間隔投与したときの維持効果を検討するプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施され、60ページの表34のとおり、ACR20%改善率について、いずれの用法・用量においても維持効果が示されています。これらの試験成績を勘案し、機構は、400mg4週間隔皮下投与を維持用法・用量の一つとして設定することは許容可能と判断しております。
 次に、審査報告書68ページ以降の「(5)安全性について」の項を御覧ください。本剤は、TNFαの生理活性を抑制することから、免疫機能への影響により発現が懸念される重篤な感染症をはじめ、抗TNF製剤で知られている有害事象の発現傾向について、本邦で既承認の抗TNF製剤との比較も含め、検討を行いました。69ページ以降、重篤な感染症、重篤なアレルギー反応、間質性肺疾患、ループス様症候群及び全身性エリテマトーデス、脱髄性疾患、心不全、悪性腫瘍、注射部位反応について検討した結果、その発現率や発現事象は既承認の抗TNF製剤と類似していると考えられ、現時点では本剤特有の安全性の懸念は示されていないと考えております。しかしながら、本剤はPEG化製剤である等、既承認の生物製剤と異なる特徴も有していること、また現時点では、他の生物製剤と比べて本剤の使用経験は少ないことから、製造販売後調査等において更に情報を十分に集積した上で、本剤特有の問題の有無も含め、本剤の安全性プロファイルを更に明確にしていく必要があると考えております。また、長期投与時の安全性については、悪性腫瘍、重篤な感染症の発現リスク等について、さらに長期的な情報収集が必要と考えることから、既承認の抗TNF製剤と同様に、長期投与時の安全性及び有効性データを適切に収集可能な製造販売後調査の実施を承認条件として付すことが適切と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、審査報告書83ページの記載のとおり、承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請に係る再審査期間は8年、また、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品に該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。
 また、本品目について、事前に佐藤委員より意見をいただいております。審査報告書62ページの表37に、臨床試験成績がオッズ比で記載されていますが、この試験においてオッズ比を効果の指標とすることは適切ではないこと、また、関連して63ページ上から2行目、国内と海外の臨床試験成績の比較に関する部分ですが、「用量反応関係は両試験で類似していたこと」との機構の見解について、オッズ比ではなくリスク差に基づく判断であることを明確に記載すべき旨の御意見をいただきました。審査報告書の御指摘部分については、その上の行から「国内CDP870-041試験におけるACR改善率が、海外CDP870-050試験よりも高い傾向が認められたが、投与後12週の200mg群及び400mg群とプラセボ群との群間差は、それぞれ48.2%及び49.0%(国内CDP870-041試験)、50.0%及び47.7%(国内CDP870-050)試験であり、用量反応関係は両試験で類似していたこと」との記載に修正させていただきます。また、解析方法については、今後、適切に対応するよう申請者に伝達いたします。なお、本回答については、佐藤委員に事前に御確認いただき、御了解をいただいております。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、この件に関して委員の先生方から御質問、御意見等ございますでしょうか。
○庵原委員 4点お聞きしたいのですが、一つ目は、79ページにもありますが、抗TNFα製剤が、効果が乏しいものに、この薬が効果があるという表現があるのですが、この作用機序をどのように考えたらよいかというものです。
 二つ目は、他の抗TNFα製剤に対する抗体を持っている人に、この薬は効果があるかどうかという問題です。
 以上のことを踏まえて、三つ目として、この薬の臨床的位置付けをどう考えたらいいかというものです。
 四つ目は、これは自己注射になっていますが、その指導に関してはどのようにされるのかという、4点です。よろしくお願いします。
○機構 1点目のTNF効果不十分な患者さんへの効果については、海外第IIIb相試験において、他の抗TNF製剤の使用経験のある患者さんも含めて実施されていて、その中で抗TNF製剤経験を有する患者さんと経験のない患者さんで大きな有効性の相違がなかったことから、抗TNF製剤で効果不十分な患者さんでも有効性が得られるのではないかと考えられています。
○庵原委員 作用機序をどのように考えているのですか。要するに、既存の抗TNFα製剤が効かない人に、この製剤が効くということの作用機序をどのように考えて、この薬が効果があると考えて、これを承認したという、そこのステップが要ると思うのですが、それをどう考えたらいいわけですか。
○機構 一つの可能性として、抗TNF製剤が効かなくなるのは、薬剤に対する抗体の生成等が考えられており、他の製剤で抗体ができた患者さんにおいて、別の製剤に代えることで、その抗体の反応がなく、新たな効果が得られるという可能性もあると考えております。
○庵原委員 ですから、2番目にそれを聞きましたが、その答えはいかがですか。
○機構 可能性としてはあると考えられますが、臨床試験では、他の薬剤に対する抗体の有無を確認しておりませんので、他の抗TNF製剤に対する抗体発現例での有効性データは得られていません。
○庵原委員 抗体だけですか。要するに、この抗TNFα製剤がTNFαと付く場所のサイトが他の抗TNFα製剤と違うなどの細かいメカニズムは分かっていないということでよろしいですか。
○機構 はい、そういう部分は分かっておりません。
○庵原委員 臨床効果があっただけで、その細かい作用機序は分かっていないということですね。
○機構 はい、その通りです。
○庵原委員 作用機序が分かっていない薬を認めていいのですか。
○機構 TNFαに対する活性阻害作用は薬理作用の中で確認されていますので、他の抗TNF製剤との違いという部分では明らかにはなっていないのですが、臨床効果が期待できる薬理作用は示されていると考えております。
○庵原委員 いや、臨床効果はいいのですよ。メカニズムが分からない薬を承認していいのかというところなのです。TNFαを阻害するのは分かっているのです。しかし、ある薬は効かなくて、この薬は効きますよということになると、どこがどう違うのだという説明はどうされるのかということをお聞きしているわけです。
○機構 他の抗TNF製剤に対する抗体等ができて効かなくなった場合に、本剤が効く可能性があると考えられますが、その他の機序は明らかになっておりません。
○庵原委員 そうすると、ほかの薬で作った抗体は、この抗TNFα製剤とクロスしないということが証明されるわけですね。例えば、インフリキシマブでできた抗体が、この薬とはクロスしないということが証明されているということですか。
○機構 それは確認されております。
○庵原委員 確認されているわけですね。
○機構 はい。
○庵原委員 分かりました。
○新井委員 メカニズムに関連する質問なのですが、14ページのヒトの単球に対する作用についてです。LPSで刺激したときにTNFαとIL-1βの産生が抑制されると、表現自体にも少し問題があるかと思うのですが、まず一つ聞きたいのは、先ほどの庵原委員の質問に対する一つの答えかもしれないのですが、このときの効果がほかの抗体に比べてかなり低い濃度で抑えている点は、かなりメカニズムが違うということです。先ほどおっしゃっていた抗体ができるということではなくて、もっと細胞レベルでの作用というか、要するにこのデータはそのメカニズムの違いを示しているのではないかとも思えます。
 聞きたい点は、なぜIL-1βの産生もLPS刺激で抑えてしまうのか説明してもらえますか。
○機構 IL-1βの産生を抑える機序は明らかではありませんが、御指摘いただいた審査報告書の14ページ上の行ですが、エタネルセプトというTNFとの融合たんぱくでは、IL-1βの産生抑制の作用が他の抗TNF製剤に比べて弱いようですので、作用部位の影響もあるかもしれません。
○新井委員 常識的に考えれば、LPS刺激によって産生されたTNFαが、もう1回オートクライン的に単球に働いて、IL-1βの産生をより促進していると、ですから、TNFαをトラップすれば、IL-1βも結果的に抑えると考えるのかと思いました。ダイレクトにTNFα抗体が細胞にLPS刺激の刺激に対して作用して、両方抑えるというのは、過去の報告もそうかもしれませんが、メカニズムはどうなっているのかというのが知りたい点と、濃度が大きく違うので、メカニズムが分かれば、先ほどの庵原委員の質問にも少し答えられるのかと思ったのです。
○機構 発現濃度の違いが作用機序の違いに起因する可能性も考えられますが、ダイレクトな作用なのか、このメカニズムについてはよく分からないところであり、他剤との違いについては十分な考察が難しいと考えています。
○土屋部会長代理 新井先生、よろしいですか。
○新井委員 まあ、分からないものは分からないということですね。ただ、この濃度の違いは、この製剤の新しい抗体のいい点かもしれないですよね。
○機構 その可能性もあると考えています。
○庵原委員 後の二つの点です。臨床的位置付けをどうするのか、ほかの製剤との関係をどうしているのかということ、それから、自己注射をするという話ですが、その辺りの指導はどうなっているのかという2点です。
○機構 位置付けとしては、臨床効果、安全性等を考えると、ほかの抗TNF製剤と大きく異ならないと考えております。
 自己注射については、投与開始時には医療従事者による投与から開始して、患者の希望があれば、自己注射の手技を医師から指導いただいて、患者自身が自己注射を問題なくできるということを医師にその場で確認していただくということで、自己注射へ移行するという形を考えています。また、投与期間中に自己注射で問題があるようであれば、再教育をしていただいたり、中止していただいて、医療従事者の投与に移るような指導をしていくことを考えております。
○庵原委員 そういう資材の提供はされるのですか、されないのですか。
○機構 審査報告書79ページの中段の「また」以降の記載にありますが、説明資材としては医療従事者向けに、1.医師向けの投与ガイドライン、2.自己注射確認チェックシート、3.医療従事者用のWebサイト等、患者向けには、1.自己注射解説DVD、2.自己注射ガイドブック、3.製品解説書、4.投薬手帳、5.患者用Webサイト等が準備される予定になっております。
○土屋部会長代理 ほかにございませんでしょうか。
○前崎委員 安全性についてなのですが、基本的注意事項のところに、B型肝炎キャリアの再活性のことが書いてありますが、実際にはこの審査報告書の安全性の中にはB型肝炎のキャリアの再活性については全く触れていないのですが、実際に治験のときにそういう目で見ていたのか、それとも、それは実際なかったのか、どちらなのですか。多分これは、ほかのTNFα抗体の類薬に準じて、このB型肝炎キャリアの再活性が書いてあると思うのですが、この製剤については、実際には再活性化がどれぐらいの割合で起こるか、あるいは、それに対する実際のデータはあるのでしょうか。
○機構 B型肝炎の再活性化について、本剤では明らかには分かっていないのですが、類薬等ではB型肝炎の再活性化が報告されておりますので、同様の注意喚起を予定しているところです。
○前崎委員 この薬に対してそれはないけれども、基本的注意事項の中に入れても構わないのですか。
○機構 TNFαを抑制するということで、他剤と同様に、免疫機能の低下によりB型肝炎の再活性が考えられますので、同様の注意喚起をすべきと考えています。
○土屋部会長代理 よろしいですか。追加の御説明ございますか。
○機構 海外において、再活性化例であるかは不明ですが、本剤投与例でB型肝炎の発現が1例確認されていますので、同じように注意喚起することで問題ないと考えております。
○土屋部会長代理 よろしいでしょうか。ほかにございませんでしょうか。
それでは議決に入らせていただきます。なお、奥田委員、清田委員、田村委員、前崎委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加は御遠慮いただくことにいたします。
 それでは、本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議がございませんので、承認を「可」として薬事分科会に報告とさせていただきます。ありがとうございました。
 議題2に移ります。審議事項議題2「医薬品ディレグラ配合錠の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。
○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品ディレグラ配合錠の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
 本剤は、抗ヒスタミン薬であるフェキソフェナジン塩酸塩(以下、フェキソフェナジン、報告書中は「FEX」)とα交感神経刺激薬である塩酸プソイドエフェドリン(以下、「PSE」)を有効成分として配合する錠剤であり、今般、アレルギー性鼻炎の効能・効果で申請がなされたものです。
 アレルギー性鼻炎の3主徴であるくしゃみ、鼻汁、鼻閉のうち、鼻閉に対する抗ヒスタミン薬の効果は、くしゃみや鼻汁に対する効果ほど強くないことが知られており、一方、α交感神経刺激薬は、鼻粘膜の血管を収縮し、血流を減少させることにより腫脹を軽減し、鼻閉改善効果を示すとされています。したがって、フェキソフェナジンの鼻閉症状に対する効果をPSEにより補うことを目的として、本配合剤の開発が行われました。
 海外において、フェキソフェナジンとPSEの配合剤は、2012年5月現在、医療用医薬品として24の国又は地域で、またOTCとして米国等、6の国又は地域で承認されています。
 本申請の専門委員としては、資料12に記載されている5名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について簡単に説明いたします。審査報告書13ページ、(1)国内第II/III相試験、EFC11243試験の項を御覧ください。本申請における検証試験として、成人及び12歳以上の小児の日本人季節性アレルギー性鼻炎患者520名を対象に、高用量群として1回当たりフェキソフェナジン60mg及びPSE120mgを1日2回、低用量群として1回当たりフェキソフェナジン60mg及びPSE60mgを1日2回、朝及び夕の空腹時に経口投与した際の有効性及び安全性を、フェキソフェナジン60mgを1日2回投与した場合と比較する、すなわち、フェキソフェナジンに対するPSEの上乗せ効果を検討する、フェキソフェナジン対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されています。その結果、13ページ中段の表6に示しているように、主要評価項目である鼻閉スコアのベースラインからの期間平均変化量について、低用量群ではフェキソフェナジン群に対する統計学的な有意差は認められなかったものの、高用量群(表では本剤群と示しています)とフェキソフェナジン単剤群との群間差は-0.14であり、高用量群の優越性が検証されています。以上の成績より、機構は、アレルギー性鼻炎患者に対する本剤の有効性は示されており、フェキソフェナジンとPSEを配合することの医療上の意義は認め得ると判断いたしました。また、フェキソフェナジンとPSEの用法・用量としては、1回当たりフェキソフェナジン60mg及びPSE120mgを1日2回が妥当であると判断しました。
 次に、19ページ中段、(3)安全性についての項を御覧ください。PSEの交感神経刺激作用に関連して発現する可能性のある、心血管系及び神経系有害事象を中心に検討を行いました。その結果、20ページ中段〜22ページ上段、2)PSEの有害事象についての項に記載しているように、国内外臨床試験、海外市販後安全性情報などからは大きな懸念は示唆されませんでした。しかしながら、薬理作用を踏まえると、PSEによる心血管系及び神経系有害事象の発現リスクは否定できないと考えられることから、十分な注意喚起を行うとともに、製造販売後調査において、これらの有害事象の発現状況及びリスク因子について、更に検討する必要があると考えております。
 次に、24ページ下段、(5)投与期間についての項を御覧ください。国内臨床試験においては、2週間までの安全性しか検討なされていないこと、海外ガイドラインにおいて、α交感神経刺激薬と抗ヒスタミン薬の配合剤の長期投与は推奨されていないこと等を踏まえ、機構は、添付文書及び資材において、本剤を2週間を超えて投与したときの有効性及び安全性は検討されていないことを情報提供した上で、本剤の使用は必要最小限の期間にとどめること、症状の改善を認めた場合には速やかに他の抗ヒスタミン薬等への変更を考慮すること等を十分注意喚起する必要があると考えております。
 また、27ページ下段、(3)製造販売後調査等についてに記載しているように、2週間を超えて投与されたときの安全性及び有効性についても情報収集が可能となるよう、観察期間を8週間とする使用成績調査を実施するよう申請者に指示しております。
 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請に係る再審査期間は6年、また、原体(PSEのみ)及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会では報告を予定しています。
 なお、部会に先立ち、佐藤委員より御質問をいただいております。審査報告書18ページの表10において、大阪ではフェキソフェナジン単剤群の変化量が大きく、東京と異なる結果が得られている点について、東京と大阪で結果が異なった原因が花粉飛散量であれ、それ以外の別の要因であったとしても、大阪の結果は薬効以外の要因が試験参加者の鼻閉スコアに大きく影響していたことと考えられ、大阪の結果を解析に含めることは、薬効ではなく系統的なバイアスをも試験結果として評価していることになるが、このバイアスの影響に関してどのような評価をしたのかとの旨の御質問です。
 御指摘のように、大阪の結果を解析に含めることは、系統的なバイアスも試験結果として評価している可能性が考えられますが、大阪における本剤群とフェキソフェナジン単剤群の鼻閉スコア変化量はほぼ同量であることから、試験全体における本剤の治療効果を小さくする方向に働いており、仮にこのバイアスが存在しなかった場合には、鼻閉スコアにおけるPSEの上乗せ効果は、主要解析結果で得られたものよりも大きかったものと想定されます。
 また、審査報告書18ページの表10に記載した、東京の結果及び試験全体の成績において、本剤の有効性が示されていることを踏まえると、本剤の有効性は否定されるものではないと考えております。
 なお、本回答については、佐藤委員に事前に御確認いただき、承認については差し支えないと御了解いただいております。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見等お願いいたします。
○庵原委員 これは薬とは関係ないのですが、これはエフェドリンですからドーピングに引っかかりますね。そこの確認です。この薬を飲んで、全国大会レベルだと引っかかって、その人は失格になる危険性があるというリスクはいかがなのですか。メチエフは引っかかりますから失格になるのですけれども、これも同じエフェドリンですから引っかかりますね。もし、引っかかるということならば、それをどこかに書いておかないと、間違えて風邪薬として簡単に飲まれてしまうかもしれません。そこの問題をどう解決されるかをお願いします。
○審議役 庵原委員御指摘のドーピングに関しては、薬事法とは少し別の範囲のものですので、これまでも、いろいろな審査の中で、該当する製剤、これはOTCも含めてたくさん出てきていますが、それに関しては、一方でアスリートたちは成分を確認しながらやっていまして、わざわざこの品目以外のもので、そこまでの注意喚起をしたものは、記憶をたどってもないと認識しております。今回の、この薬事に関しては、その問題は別のものとしてお考えをいただいて、スポーツのドーピングに関しては、もしこういうものが出たときには必ず有効成分が公表されますので、それでチェックをしていただくということになるかと思います。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。
○豊見委員 配合剤流行りでたくさん出てきているのですが、この薬はOTCではなく、医療用医薬品で今更という感じがしないでもないですね。今からますますこのようなものが増えていくのかという感想を持ってしまいます。日本ではないだけの話であって、両方とも成分的には、もうOTCになっている薬の組合せですね。薬屋としては、どうなのかという感じが少しいたします。
○機構 御指摘の点につきましては、OTCに配合されているPSE量よりは高用量で配合されているので、鼻閉に対する効果はOTCより高いことが期待さできると考えられます。
○豊見委員 プソイドエフェドリンの方が、量がOTCよりも多いですよね。アレグラに関しては同じですか。
○機構 アレグラに関しては同じ量で配合されていて、PSEに関してはOTCに配合できる量は1日当たり180mgが最大なのですが、本剤に関しては1日当たり240mgです。
○豊見委員 むしろOTCで出していただきたい薬ですよね。
○土屋部会長代理 ほかにございませんでしょうか。よろしいですか。
それでは議決に入らせていただきます。なお、奥田委員、前崎委員におかれては、利益相反に関する申出に基づいて、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 それでは、お伺いいたします。本議決について承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異義がないようですので、承認を「可」として薬事分科会に報告とさせていただきます。
続きまして、審議事項議題3「医薬品ベルケイド注射用3mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療機器総合機構より概要説明をお願いします。
○機構 審議事項議題3、資料3「医薬品ベルケイド注射用3mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について」、医薬品医療総合機構より御説明いたします。
 本剤の有効成分であるボルテゾミブは、がん細胞のプロテアソーム活性を阻害することにより、NF-κBの活性化の抑制等を介して腫瘍増殖を抑制し、アポトーシスを誘導すると考えられている抗悪性腫瘍剤であり、「多発性骨髄腫」を効能・効果として静脈内投与の用法にて承認されております。
 今般、本剤は静脈内投与と同一の用法・用量にて、皮下投与を新投与経路として追加する製造販売承認事項一部変更承認(以下、一変承認という)の申請がなされました。
本剤の皮下投与に関する用法は、審査報告書4ページに記載しているように、平成24年7月時点において、4か国で承認されております。なおEUでは平成24年9月に本剤の皮下投与に関する用法が承認されております。
本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は資料12にあるとおり4名の委員です。
以下、本剤の承認審査の概要を御説明いたします。
 今般の承認申請では、臨床試験成績として海外で実施された一つの第III相試験成績が提出されました。有効性については審査報告書15ページ上から1行目以降に示すように、前治療歴のある多発性骨髄腫患者において、本剤静脈内投与時と皮下投与時の有効性等が比較検討された第III相試験の結果、主要評価項目である奏効率について、静脈内投与群に対する皮下投与群の非劣性が示されたこと、本剤の静脈内投与が既に多発性骨髄腫の標準治療の一つとして位置付けられていることなどから、皮下投与についても、静脈内投与と同様に有効性が期待できると判断いたしました。
 安全性については、審査報告書16ページ上から9行目以降に示すように、本剤の皮下投与時に注意を要する有害事象は、本剤の静脈内投与時に特徴的であると判断した有害事象である肺障害、心毒性、神経毒性、血液毒性、低血圧、消化器毒性、腫瘍崩壊症候群及び横紋筋融解症に加えて、注射部位反応であると考えております。
これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を有する医師による慎重な観察と適切な処置により、忍容は可能と判断しました。ただし、日本人の多発性骨髄腫患者に対する皮下投与の経験は限られていることから、審査報告書36ページ上から4行目以降に示すように、製造販売後には使用実態下での本剤の皮下投与の安全性を確認することを目的として、目標症例数100例、観察期間6週間の調査の実施が必要であると判断し、申請者に指示しております。
 以上のような審査の結果、機構は、静脈内投与と同一の用法・用量にて皮下投与を投与経路として追加する一変承認は可能と判断しました。本剤は、新投与経路医薬品であることから、再審査期間を6年とすることが適当であると判断しました。本剤の一変承認の可否及び再審査期間の指定について、よろしく御審議のほどお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見等をお願いします。
御意見、御質問等はございませんか。問題がなければ議決に入らせていただきます。
奥田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を「可」とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題4に移ります。審議事項議題4「医薬品マラロン配合錠の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。
○機構 審議事項議題4、資料4「医薬品マラロン配合錠の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
 マラリアの病原体はマラリア原虫であり、夜間吸血性のハマダラカの雌により媒介される感染症です。特徴的な臨床症状は高熱であり、特に熱帯熱マラリアでは発熱が連日続き、発症して5〜6日間無治療又は不適切な治療で経過した場合には、痙攣、昏睡、急性呼吸窮迫症候群、急性腎不全、循環不全によるショック等の重篤な症状を呈し、最終的には死に至ることがあります。
 マラロン配合錠(以下、「本剤」と略します)は有効成分として、本邦でニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制薬として承認されているアトバコンと、海外でマラリア予防薬として使用されているプログアニル塩酸塩を含む配合剤であり、アトバコンは、マラリア原虫のミトコンドリア内の電子伝達系を阻害することにより抗マラリア作用を示し、プログアニル塩酸塩は活性代謝物であるシクログアニルに変換された後、マラリア原虫のジヒドロ葉酸レダクターゼを阻害することにより、マラリア原虫の増殖を抑制するとされております。
 本剤は、他の抗マラリア薬とは作用機序が異なるため、それらに耐性を獲得したマラリア原虫に対しても有用な薬剤とされております。また、本剤は他の抗マラリア薬とは異なり、赤血球内サイクル及び一次肝臓内ステージのスポロゾイトにも作用することから、予防投与においては、マラリア流行地から帰国後の服用期間がより短期間で効果が得られるとされております。
 本邦においては、厚生労働科学研究費補助金・政策創薬総合研究事業「輸入熱帯病・寄生虫症に対する希少疾病治療薬を用いた最適な治療法による医療対応の確立に関する研究」班(以下、「熱帯病治療薬研究班」と略します)より本剤の開発要望が提出され、厚生労働省における「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、「医療上の必要性が高い」と評価されております。今般、既存の海外臨床試験データ及び熱帯病治療薬研究班における日本人の使用経験のデータに基づき、製造販売承認申請が行われました。本剤は、1996年10月に英国で最初に承認を取得した後、2012年9月までに80か国以上でマラリアに対する治療及び予防薬として承認されております。
本申請の専門委員としては、資料12に記載されている10名の委員を指名しました。審査内容について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。
 審査報告書43、44ページの表を御覧ください。マラリアの治療及び予防に対する海外臨床試験が実施され、治療で12試験、予防で6試験の成績が提出されております。これらの試験成績のうち、主な試験成績を御説明いたします。
 まず、マラリアの治療についてですが、CTD2.5、臨床に関する概括評価の46ページ表2.5.4-5を御覧ください。海外で実施された実薬対照比較第III相試験において、本剤群(A+P群)の治癒率は94〜100%であり、対照薬群と比較して同等以上の成績が得られております。なお、これらの試験の多くは、マラリア流行地域で生まれ育ち、何度もマラリアに罹患して部分的な免疫を獲得しているSemi-immune患者を対象としておりますが、一番下の段の115-130試験では、マラリア非流行地域に住んでいて免疫を持たないNon-immune患者を対象としており、本剤の治癒率は100%を示しております。また、上から4段目にある小児マラリア患者を対象とした115-131試験においても、本剤は対照薬とほぼ同様の有効性を示しており、この表にはありませんが、別の非対照試験においても、本剤の治癒率は100%でした。以上の成績を踏まえ、本剤のマラリア治療に対する有効性は示されていると判断しております。
 次に、マラリアの発症予防についてですが、審査報告書67ページの表を御覧ください。熱帯熱マラリアの発症予防効果の検討を目的とした健康成人対象の第II相及び第III相試験において、本剤の予防成功率はプラセボ群に対し、統計学的な有意差が認められております。審査報告書60ページの表を御覧ください。小児の熱帯熱マラリアの発症予防効果の検討を目的とした第III相試験における予防成功率は、本剤群92%、プラセボ群78%であり、プラセボ群に対し、統計学的な有意差が示されました。以上より、本剤のマラリア予防に対する効果も示されていると判断しております。
 次に安全性についてですが、審査報告書68ページ及び69ページの表を御覧ください。マラリア治療時の安全性について、熱帯熱マラリア患者を対象とした試験における有害事象発現率はアトバコン/プログアニル塩酸塩併用投与群で29.7〜91.5%、対照薬群で25.3〜95.5%であり、試験間で有害事象の発現率に差異が認められたものの、各臨床試験における有害事象の種類及び発現頻度については、アトバコン/プログアニル塩酸塩投与群と対照薬群で同様でした。また、3〜12歳の小児患者にアトバコン/プログアニル塩酸塩を併用投与したときの有害事象発現率及び主な事象についても成人と同様でした。
 審査報告書70ページの表を御覧ください。マラリア発症予防時の安全性について、健康成人を対象とした第III相試験における有害事象発現率は、本剤群49.1%、プラセボ群64.6%でした。審査報告書61ページの表を御覧ください。4〜16歳の小児を対象とした第III相試験の有害事象は、全体で本剤群63.2%及びプラセボ群で65.0%であり、本剤群とプラセボ群の有害事象発現率及び発現事象に大きな差異は認められませんでした。
なお、日本人における本剤の使用経験は限られていることから、本剤投与時の有効性及び安全性については、引き続き製造販売後調査を実施し、情報収集する予定としております。
 また、海外ではアトバコン/プログアニル塩酸塩配合剤の小児用製剤が存在し、11kg未満の小児に対するマラリア治療及び40kg以下の小児に対するマラリア予防における用法・用量が設定されています。しかしながら、本邦においては、この製剤は、今回は申請されておりません。この件について、本邦においても小児用製剤の国内導入を速やかに行うことが適切と考えており、申請者に小児用製剤の導入について検討するよう指示をしているところです。
 以上の審査を踏まえて、本剤の効能・効果を「マラリア」として承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本申請の再審査期間は8年、原体はプログアニル塩酸塩が毒薬に該当し、製剤は劇薬に該当し、生物由来及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断いたしました。なお、薬事分科会には報告を予定しております。以上です。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
○前崎委員 実際には熱帯熱マラリアの薬は非常に少ないので、これがあると非常に助かります。ただ、熱帯熱マラリアは多くの場合意識障害を伴い経口薬が飲めないという状況になります。そうすると、胃管から入れるということになるのですが、錠剤を潰しても有効性は大丈夫なのでしょうか。静注キニーネはすぐ手に入らないので、最初はこれを使うと思うので、胃管から投与するということが実際に臨床上、起こると思うのです。そのときに効かないということになりますと困るので、その辺の情報はありますか。小児用製剤も錠剤みたいなので、細粒にできないのかという印象があるのですが、その辺はどうなのでしょうか。海外の情報でもいいし、日本の研究班の使用状況でそういうものがあれば教えてほしいのですが。
○機構 本剤を潰して使用するのを推奨することは、なかなか難しいところです。実際に熱帯病治療薬研究班で使用しているかどうかに関しては、今は手持ちの資料がありませんので、お答えしかねます。
○前崎委員 効かないということになるとまずいので、効くか効かないかだけは、できるだけ早く教えていただきたいと思います。それと予防も非常に助かるのですが、現在は予防薬が日本にはほとんどありません。ドキシサイクリンは今、製造中止になったので、メフロキンを使用しますが、副作用が高頻度で見られます。後で忍容性が付くので、しばらく我慢すればよいのですが、この薬の副作用はどのぐらいのタイミングで出ますか。飲んですぐですか、それともしばらく時間が経って出るのか、それによって忍容性が大分違ってきます。実際の副作用の発現率はメフロキンより少ないのでいいと思うのですが、例えば頭痛とか、そういう副作用が幾つかあるので、発現の出方がどうかというのが気になりました。
○機構 少々お待ちください。
○事務局 先ほどの御質問については審査管理課から補足させていただきます。製剤に関する申請者から提出されている資料によりますと、本剤のフィルムコーティングは素錠にある苦みをマスキングし、錠剤表面をより美しくするために行っているとの記載がありますので、腸で溶けるために特殊なコーティングを行っているとか、そういうわけではありません。フィルムコーティングを行って、錠剤にしていること自体は薬効に特別な意味はありません。
○機構 発現時期に関してのデータは、手持ちの資料にございません。
○前崎委員 実際に服用するというか投薬するときには、その辺の情報は非常に大事なので、我慢できるのか。渡航前に飲ませて、そのときに分かるので「出ても大丈夫です」と言うのですが、後からだと、向こうに行った後になってしまうので患者に説明する際には大切な点となります。
○機構 この薬は約48時間前、つまり渡航の2日前から飲み始めることになりますので、先生が説明して渡されて、そのまま海外に飲んで行くような感じになると思うのですが、発現している事象に関しては特に重症なものはなく、副作用でどうしても投与を中止しなければならないような患者がそう多くは見られていないので、問題はないと考えております。
○前崎委員 分かりました。もう1点、最近、予防内服をしないで渡航して、熱帯熱マラリアになって亡くなるという不幸なケースがあります。渡航するときには、外務省の渡航情報のホームページを見るので、もしこういう薬が承認されたら、できれば外務省にも「こういう予防内服ができますよ」ということを是非教えていただいた方がいいと思います。旅行代理店などでもマラリアの浸淫地域に行くときには予防内服をしましょうと言っているのですが、なかなかそれが守られていない現状がありますので、何か情報提供の機会があれば是非お願いします。
○事務局 審査管理課から関係省庁にきちんと伝達させていただきます。
○土屋部会長代理 よろしいでしょうか。私が誤解しているかもしれませんが、審査報告書61ページに有害事象の表がありますが、プラセボ群でも65%出るのですか。
○機構 有害事象としては、プラセボ群で65%の有害事象が認められていますが、もともと本剤かプラセボか分からない状況で、薬剤を飲むことによる影響もあると思います。ただ、プラセボと比較して本剤群で発現率が高い、特有の有害事象が認められているわけではないと考えています。
○土屋部会長代理 ほかにございませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。それではお伺いいたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議がないようですので、承認を「可」とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、議題5に移ります。審議事項議題5「医薬品アメパロモカプセル250mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。
○機構 審議事項議題5、資料5-1及び5-2「医薬品アメパロモカプセル250mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。
 本剤の有効成分であるパロモマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質であり、リボソーム30Sユニットと結合し、タンパク質合成を阻害することにより、赤痢アメーバに対して作用を発揮するとされています。
 本邦では、本薬を含有するカプセル剤及び錠剤が1960年代より「細菌性赤痢、大腸炎及び腸炎」等の効能・効果で承認されておりましたが、現在では承認整理をされております。
 赤痢アメーバ症は、ヒト腸管に寄生するEntamoeba histolyticaによる原虫感染症であり、原虫のシストを経口的に摂取することにより感染します。シストは下部小腸で栄養型原虫となり、粘血便、下痢、腹痛等の症状を呈する腸管アメーバ症を引き起こし、発見と診断が遅れた場合には血行性に進展して、肝膿瘍等の腸管外アメーバ症をもたらします。
 赤痢アメーバの治療薬として、メトロニダゾール等のニトロイミダゾール系薬剤がありますが、これらは腸管から吸収されて組織中に移行するため腸管腔内濃度が低く、腸管内のシストには効果がないとされています。一方で本薬は、経口投与により腸管から吸収されにくい特徴を有し、腸管腔内の原虫に高濃度に作用し、腸管腔に存在するシストを死滅させることが期待できることから、国内外では腸管アメーバ症の治療薬として推奨されております。
 本邦では、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、本剤は「医療上の必要性が高い」と評価されております。赤痢アメーバ症の患者は非常に限られていること、海外における50年以上の使用実績並びに本邦における使用経験の報告等があることを踏まえ、国内外における成書及びガイドライン並びに公表論文等を科学的根拠として、製造販売承認申請が行われました。
なお、本剤は1961年にドイツで初めて承認されて以来、2012年8月時点で18か国において承認されております。
本申請の専門委員としては、資料12に記載されている6名の委員を指名いたしました。
審査内容について、国内外の公表文献を中心に説明させていただきます。
 まず有効性についてですが、審査報告書30〜31ページの表を御覧ください。文献1にありますように、無症候性の腸管アメーバ症患者を対象とした無作為化比較試験において、本薬500mgを1日3回10日間投与した際のEntamoeba histolyticaの陰性率は対照薬と比較して有意に高い85%を示しました。また、国内外の成書において、本剤はEntamoeba histolyticaのシストを含めた駆除のために使用することが記載されていること、国内外の公表文献等において、本剤はシストを含めた駆除のために使用され、各報告において腸管アメーバ症に対して一定の有効性が認められ、投与後の高いシスト陰性化も認められていることから、本剤の腸管アメーバ症に対する有効性は期待できると判断しました。
 次に、安全性についてですが、審査報告書32〜33ページを御覧ください。本薬投与により認められる主な有害事象は下痢、悪心、嘔吐等の胃腸障害であり、報告例数は限られておりますが、国内外で有害事象の種類及び発現率に大きな差異は認められず、現時点で得られている情報から、安全性に関して特段の重大な懸念はないと判断しました。
 なお、日本人腸管アメーバ症における本剤の使用経験は限られていることから、有効性及び安全性については引き続き製造販売後に情報収集を行うこととしております。
 以上の審査を踏まえ、本剤の効能・効果を「腸管アメーバ症」として承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間を8年、原体及び製剤はいずれも毒薬、劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。以上です。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見等をお願いいたします。
○前崎委員 基本的な話で、腸管アメーバという病名ですが、例えば感染症法などでは赤痢アメーバ症です。腸管アメーバ症と書いたときに、普通の臨床医がすぐ理解できるのか。こういう病名は実際に日本で使われることは非常に少ないと思いますが、適応症はこれでいいのでしょうか。
○機構 感染症予防法の5類報告の中では、赤痢アメーバとされています。腸管アメーバ症に関する適応が本当に適切なのかということは、専門協議でもいろいろ議論させていただきました。その中で、この薬は腸管に存在するアメーバの最終的にはシストの駆除も含めて目的としていることから、腸管外でのアメーバには効かないということもあるので、腸管アメーバ症を効能・効果として付けることに大きな問題はないとの御意見をいただいています。
○前崎委員 逆にいうと、赤痢アメーバ症という病名にしておいて、括弧の中に書いてあるように、赤痢アメーバには無効なわけですから、そのように書いた方が、臨床医はすぐ分かるような気がするのです。腸管アメーバというのは一体何だろうという誤解を招くのではないかと思います。実際に病名としても腸管アメーバという病名は、感染症法ではないので病名をきちんと整理しないといけないと考えます。審査報告書の中も読んでいると、赤痢アメーバと書いてあったり、腸管アメーバと書いてあったり、中にはアメーバ赤痢と書いてあったり、ばらばらです。決まっている病名というのは、法律でも決まっているので、その辺りは少し整理したほうがいいのではないかと思います。ですから、赤痢アメーバ症と書いてもらって、注意事項の所に書いてあるように、全身性には無効で、腸管にのみ有効と書いたほうが、現場の臨床医としては間違えないような気がするのですが、いかがでしょうか。
○機構 今回、熱帯病治療薬研究班から未承認薬の要望が上がってくる際に、実際の適応症に関して十分議論された様子があり、適応症として腸管アメーバ症として書くことが適切ではないかとの御意見を聞いたりしております。そのため、効能・効果については問題ないと考えております。
○前崎委員 ただ、熱帯研とかHIVを専門の先生は分かると思うのです。例えば、一般的に使えるようになると、例えば消化器内科の先生が使ったりする可能性があるわけです。そうすると、そのときに何だろうという病名になってしまうので、専門家が知っていることは確かにそうなのでしょうが、一般に使えるようになった場合のことを少し考えないと誤解を招くのではないかと思います。
○審査管理課長 それでは、国際疾病分類もありますし、診療報酬上請求に使っている疾病分類もそれに準拠しておりますので、それとの整合性も図るということも勘案して検討させてください。ただ、内容的には問題がないということでよろしいでしょうか。
○土屋部会長代理 では、そういう取扱いでよろしいですか。ほかに御意見、御質問はありませんか。
○新井委員 この化合物を見ると、ほとんど細胞膜を通らないのではないかという構造をしているのですが、実際に腸管からの吸収はほとんどないと書いてあって、バクテリアというかアメーバに対しては、どうやって細胞内に入っていると理解されているのでしょうか。リボゾームに最終的に作用するとして、ほとんどこれが細胞膜を通れるようには思えない。何かトランスポーターみたいなものを使っているのかと思うのです。
○機構 実際のところ、この薬も1960年代に承認されていたこともありまして、その辺りの詳細な検討結果がないため、はっきりしておりません。申し訳ございません。
○土屋部会長代理 ということでよろしいでしょうか。
○新井委員 はい。
○奥田委員 この薬は腸管アメーバに対して、外国では標準はメトロニダゾールで、その後に使うという位置付けでと書いてありますが、この添付文書だと、最初から使えるという形になるかと思うのですが、特に使う順番を規定する必要はないのでしょうか。
○機構 実際の臨床現場での使用方法に関して、腸管のアメーバ症は症状進行が緩徐で、なかなか分かりづらいところです。実際に発見されたときには肝膿瘍等を発症している場合が多いので、メトロニダゾールから使われます。そのため、ガイドライン等でも肝膿瘍が認められた場合には、メトロニタゾールから使用することとされています。
 一方で、例えば臨床検査で、アメーバが便中に検出されたが、特に症状がない場合、肝膿瘍等がない場合には、メトロニダゾールから使用した後に本剤を投与するのではなく、本剤をシスト駆除の目的で投与することとなると考えられますので、メトロニタゾールを投与した後でなければならないという用法・用量は適切ではないと考えております。
○土屋部会長代理 ほかにありませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、奥田委員、前崎委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。それではお伺いいたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 それでは、御異議がないようですので、承認を「可」とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。ありがとうございました。
 次の議題6及び議題7に移ります。審議事項議題6「インフルエンザワクチン(H5N1株)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、審議事項議題7「インフルエンザワクチン(プロトタイプワクチン)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、事務局から概要説明をお願いします。
○事務局 審議事項議題6、資料6「インフルエンザワクチン(H5N1株)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、及び、審議事項議題7、資料7、「インフルエンザワクチン(プロトタイプワクチン)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」、資料6を用いて事務局より御説明いたします。
 申請者は北里第一三共ワクチン株式会社です。資料の評価報告書のタブを開いていただき、事前評価報告書を御覧ください。対象者数は、いわゆる新型インフルエンザ用ワクチンについて承認が与えられた場合に使用することが見込まれるものとしており、本邦においては現在までに症状を伴うH5N1亜型などのインフルエンザの感染例は報告されておらず、現時点で使用が見込まれるものはいないということで、対象者の指定基準には該当すると考えております。
 医療上の必要性についてです。H5N1亜型インフルエンザでは、呼吸器系以外にも多臓器不全等の重篤な症状に至ることもあり、その治療・予防対策は非常に重要です。また、製造に鶏卵を用いる既承認の沈降インフルエンザワクチンと異なり、鳥インフルエンザ蔓延時の鶏卵供給不足の影響を受けない細胞培養法によるワクチンの開発が求められていることから、今般の新型インフルエンザ対策においても、特に医療上の必要性は高いと考えております。また、様々な亜型インフルエンザウイルスに対応可能な、いわゆるプロトタイプワクチンについても国内において承認されておらず、医療上の必要性は同じく高いと考えております。
 最後に開発の可能性についてです。□□年□月から□□□□□の臨床試験が実施されております。さらに□月からは□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□するための□□□□試験が実施されていることから、本剤の開発の可能性はあると考えております。
 以上3点から、本剤希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと判断しております。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。
○庵原委員 承認することには問題はないのですが、73ページと74ページのHI抗体の抗体保有率のデータが、□□□□□□が測定した結果と□□□□□社が測定した結果が大分違うのですが、この違いはどのように説明されるのですか。用いている□□は両方とも□□□□□ですが、この値が違うのをどのように解釈するかという、そこを教えてください。
○事務局 先生御指摘のとおり、正に分析の結果の違いというところが、今、試験をしている最中で、その結果もこれからですが、十分な考察が必要だろうと考えています。この違いについて私どもはまだ北里から説明を受けておりませんが、その点は審査の中で十分確認は重要なポイントと考えております。
○庵原委員 というのは、測定する方式によって、メーカーによって異なるような測定方法を標準的な方法として審査基準に入れるのが適切かという、そこの検討もお願いしたいのです。と言いますのも、インフルエンザのHI抗体というのは、□□が異なるとか、使う□□によって陽性率が大きく異なることがおこります。そういう方法をスタンダードとしていいのか、本題とは別なのですが、その辺も一緒に検討いただけると嬉しいのですが。
○事務局 先生御存じのとおり、プロトタイプワクチンのガイドラインの方はEUの基準に合わせた形で発出をさせていただいておりますが、そういった総合的な観点の評価も重要と考えておりますので、審査側としてはその点も十分考慮していきたいと考えております。
○山口委員 二つの申請が出ているのですが、作っているものは一緒で、使う用量に応じてプロトタイプとパンデミックと使い分けるような形になっていると、その辺が分かりにくい気がします。一番望ましいのはプレパンとして開発することが最終的な目標になっていただければと思っています。
○事務局 御指摘の点は、正に□□□□試験を実施されているところです。それを受けての用量の設定のところは、今後、企業の方で開発の方向性は検討すると聞いておりますが、より良い製剤を開発するという観点は重要だと思いますので、その点も企業には伝えたいと考えております。
○土屋部会長代理 ほかによろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。それでは、お諮りいたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。
 それでは、御異議がないようですので、指定を「可」とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、報告事項に移ります。報告事項議題1「医薬品アービタックス注射液100mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、報告事項議題2「医療用医薬品の再審査結果について(リネゾリド)」、報告事項議題3「希少疾病用医薬品の指定の取消しについて(アンプレナビル)」について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題1、資料8「医薬品アービタックス注射液100mgの製造販売承認事項一部変更承認申請について」、御説明いたします。
アービタックス注射液100mgはヒト上皮増殖因子受容体に結合するキメラ型モノクローナル抗体で、現在は「EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の効能・効果で承認されております。今般、メルクセローノ株式会社から「頭頸部癌」の効能・効果を追加とする製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたところです。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断したところです。議題1は以上です。
 続きまして報告事項議題2、資料9「医療用医薬品の再審査結果について(リネゾリド)」、御説明いたします。一般名称は「リネゾリド」、販売名は「ザイボックス注射液600mg及び同錠600mg」です。この品目について、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判断したところです。議題2は以上です。
○事務局 報告事項議題3、資料10「希少疾病用医薬品の指定の取消しについて」、御説明します。
届出者はキッセイ薬品工業株式会社、医薬品の名称は「アンプレナビル」、販売名は「プローゼカプセル」です。別紙1ページの1.ですが、本剤は平成7年4月、後天性免疫不全症候群並びに症候性及び無症候性HIV感染症を予定される効能又は効果として、希少疾病用医薬品に指定されました。
 本剤はその後、HIV-1感染症の効能・効果で平成11年9月に承認を受けましたが、本薬のプロドラックであり、吸収性に優れたレクシヴァ錠700(一般名ホスアンプレナビルカルシウム水和物)が承認され、本剤からレクシヴァ錠700への切替えがなされたことから、今般、届出者は本剤の医療上の存在意義がないと判断し、本剤の製造販売の中止を決定し、希少疾病用医薬品製造販売中止届出書が提出されたものです。よって、本剤の本効能・効果に係る希少疾病用医薬品の指定を取り消すこととしました。以上、御報告します。報告事項は以上です。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問等がありましたらお願いします。
 ございませんでしょうか。それでは、報告事項については御確認いただいたものとさせていただきます。本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告等はございますか。
○事務局 次回の部会は、来年の1月31日(木)午後3時から開催をさせていただく予定です。よろしくお願いいたします。
 もう1点、また正式に御連絡をさせていただくことになりますが、来年1月に薬事・食品衛生審議会の改選があり、1月中旬ぐらいになるかと思いますが、改選の結果を踏まえた上での開催となるかと思います。よろしくお願いいたします。
○土屋部会長代理 ありがとうございました。それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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