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2013年5月20日 第1回都市部の高齢化対策に関する検討会 議事録

老健局総務課

○日時

平成25年5月20日(月)18:00〜20:00


○場所

厚生労働省19階 専用第23会議室


○出席者

大森、熊坂、高橋、馬場園、藻谷、山崎、
秋山、生田(代理:白井)、大塔(代理:山本)、岡田、中山、西嶋(代理:久保)、松雄 の各委員
  (大杉、鎌形 の両委員は欠席)

○議題

(1)「都市部の高齢化対策に関する検討会」の設置について
(2)都市部の高齢化対策をとりまく現状
(3)各委員からのプレゼンテーション
(4)高齢者居住を中心とした自治体間連携に関する調査報告
(5)検討会の議題、今後のスケジュール

○議事

○司会 では、定刻前ではございますけれども、各委員の先生方そろっていただきましたので、ただいまから第1回「都市部の高齢化対策に関する検討会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、開催に当たりまして原老健局長より御挨拶申し上げます。
○原老健局長 このたびは大変お忙しい中を、この検討会に御参加をいただきまして、心から御礼を申し上げます。また日ごろから厚生労働行政の推進につきまして、格別な御理解を賜っていることも、あわせまして御礼を申し上げたいと思います。
 御案内のとおり、我が国は大変急速な高齢化が進行しております。特に都市部におきましては短い時間で人口の高齢化が進むという、今まで私たちが経験したことのない大きな課題に直面しているわけでございます。埼玉県さんを例に挙げて大変恐縮なのですけれども、この2010年から2025年の15年間で75歳以上の高齢者が2倍になるという、この大都市部で一番スピードが早いのが埼玉県ですけれども、埼玉県に限らず、ほかの近県でも同じような状況があるということで、私どもは、言い方が大げさかもしれませんけれども、都市部でこれから生じる爆発的な介護事情に対してどう対応していくのか、待ったなしの状況だと思っております。
 厚生労働省といたしましては、高齢者が希望される地域で住み続けることができるように、介護と医療と予防と生活支援サービスと住まいが一体的に提供される地域包括ケアシステムを、団塊の世代の方々が75歳以上になられる2025年ごろを目途に何とか実現にめどをつけたいと考えております。
 このためには中心となる介護保険制度を持続可能なものにしていかなければいけませんが、これだけではなくて、介護保険だけではこれは支え切れませんので、高齢者御自身が社会参加などに積極的に取り組んでいただいて、できるだけ長く、お元気に過ごしていただくという、いわゆる自助。それから、見守りや配食などの生活支援サービスをインフォーマルな形で地域の中で提供して、地域の中でお互いに支え合っていくという互助。こういうものをあわせて拡充していくことが不可欠ではないかと考えております。
 都市部は地域住民の絆が弱いといったデメリットもありますけれども、一方で民間のサービスや若い人口が多いといったメリットもあります。活用できる地域資源は多いということだろうと思います。都市部の保険者におかれましては、このような都市の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築を目指しまして、計画的に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。
 本検討会では都市部における地域包括ケアシステムを構築していく上で、どのような取り組みが必要かという観点から、委員の皆様方の忌憚のない御意見を頂戴できればと考えております。
 2025年まであと12〜13年でございます。介護保険は御案内のように3年ごとの計画をつくってやっていくという仕組みでございます。そうしますと残り4回の介護保険計画、4回の介護保険制度改正あるいは介護報酬改定が残されているわけであります。たったの4回と考えるか、あと4回もあると考えるかですが、できれば私は今度の検討会も当面は次の第6期の計画に向けての必要な御意見を頂戴したいと思っておりますけれども、1回だけではなかなか対策も万全にはなりませんので、少し中期的な視点も持ってタイムスケジュールも踏まえながら、しかし、実現可能なフィージビリティのある対策というものも御議論いただきたい。ぜひ今回その構築に向けてのスタートにしていきたいと考えているところでございますので、どうぞ皆様方、積極的な御意見を頂戴できればと、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、今日は、委員のご都合がございまして、遅い時間の会議の設定になりましたことも、心からおわびをしたいと思いますし、また、きょうはまだ冷房が入っていなくて暑いと思いますので、どうぞ上着等を脱いでいただいて、あと2時間よろしくお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○司会 続きまして、本検討会の座長をお願いいたしました、東京大学名誉教授の大森彌先生から御挨拶をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○大森座長 大森でございます。よろしくお願いいたします。
 この1月まで介護給付費分科会のほうをお手伝いしてきたのですけれども、それで大体終わったかなと思っていましたら、局長さんの諮問機関でございますが、また来いという話になりまして、厚労省は人づかいが荒いところで有名ですので仕方ないと思っているのですけれども、実は5期の介護保険事業計画を自治体の皆さん方にお願いしたときから、既に相当強い問題意識だったのですが、都市部、特に大都市における需要が急激にふえる。絶対数がふえる。特に後期高齢者がふえる。そのときに今までのようなペースとかやり方で本当に大都市の需要を満たし得るだろうか。相当危機が来ているのではないか。何とかしなければならないと。
 これはきょうお集まりの大都市の皆さん方も既にお考えのとおりでございますけれども、もう一方で農山村部は相当程度過疎が進展中でありまして、ここは1人でも人が欲しいのです。日本の国土の形成が非常にいびつに偏ってしまっていまして、何とかしてここを橋渡しする工夫はないだろうかと思っています。
 たまたまこれは介護サービスのほうで考えられていることですけれども、もう少し広く考えれば日本の将来にかかわるようなことを含んでいると私は考えているのです。そういう意味で言うと非常に重要な話でして、こんなにたくさんの皆さん方の御関心があるのはどうしてかよくわかりませんけれども、しかし、何とかして大都市とそれ以外の地域がうまく結び合うような仕組みは考えられないだろうかと思います。自治体同士がご近所で地縁的な連携は可能ですが、私は離れていても事業連携が可能であると見ているのです。事業を通じて自治体間で連携は可能になる。そういう時代ではないか。そうしないと自治体は自己完結的に処理しなければいけないことになる。
 問題はどこにあるかというと、地域包括ケアと言っていますので、これは一応それぞれの地域の中で完結することが前提になっている。それを中心に据えているものですから、果たしてそれ以外の地域とどういう形で結べば、今まで議論してきたことと整合性がとれるか。ここが意外と難しいところではないかと思いますけれども、これだけの知恵者が集まっていただいていますので、何とかしてそこを突破していきたいというのが、私がお引き受けしたときの、私自身の問題意識でございます。ここは自治体の方々もお見えくださっていますし、今回は総務省や国土交通省の皆さん方もお見えくださっていますので、何とかして新しい仕組みを構想できればと思っていますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○司会 ありがとうございました。
 では、大変恐れ入りますけれども、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思います。報道関係の方は傍聴席のほうにお移りいただきますように、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○司会 それでは、第1回目でございますので、本検討会の委員の皆様を御紹介させていただきます。
 まず有識者の委員の方々でございます。
 先ほど御挨拶を頂戴いたしました、大森座長でございます。
 盛岡大学栄養科学部教授、元宮古市長の熊坂委員でございます。
 国際医療福祉大学大学院教授の高橋委員でございます。
 九州大学大学院医学研究院教授の馬場園委員でございます。
 日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷委員でございます。
 立教大学コミュニティ福祉学部講師の山崎委員でございます。
 なお、本日は大杉委員と鎌形委員が所用により御欠席でございます。
 続きまして、地方自治体の委員の方々でございます。
 東京都世田谷区副区長の秋山委員でございます。
 千葉市保健福祉局長の生田委員でございますが、本日は代理の白井高齢障害部長でございます。
 さいたま市保健福祉局長の大塔委員でございます。本日は代理の山本福祉部長でございます。
 横浜市健康福祉局長の岡田委員でございます。
 東京都福祉保健局高齢社会対策部長の中山委員でございます。
 大阪市福祉局長の西嶋委員でございます。本日は代理の久保高齢者施策部長でございます。
 名古屋市健康福祉局高齢福祉部長の松雄委員でございます。
 なお、本日は三菱総合研究所の奥村研究員にも参加をしていただいていますので、御紹介申し上げます。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 先ほど御挨拶申し上げました原老健局長でございます。
 西藤大臣官房審議官でございます。
 片岡総務課長でございます。
 高橋介護保険計画課長でございます。
 深澤高齢者支援課長でございます。
 朝川振興課長でございます。
 迫井老人保健課長でございます。
 勝又認知症・虐待防止対策推進室長でございます。
 金井介護保険指導室長でございます。
 林企画官ございます。
 続きまして、オブザーバーの御紹介をさせていただきます。
 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付高齢社会対策担当の原口参事官でございます。
 総務省地域振興室の出口室長でございますが、本日は都合により欠席でございます。
 国土交通省都市局都市計画課の和田課長ですが、本日は代理の山下企画専門官でございます。
 国土交通省住宅局安心居住推進課の瀬良課長でございます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。少し資料が大変多くなって恐縮ですが、確認をさせていただきます。
 まずお手元にあります第1回都市部の高齢化対策に関する検討会の座席表がございまして、議事次第が次にございます。
 資料1「都市部の高齢化対策に関する検討会について」という1枚物のペーパーがございまして、その次に検討会の委員の先生方の名簿が入ってございます。
 分厚い資料でございますが、資料2「都市部の高齢化対策の現状」という資料がございます。
 資料3「検討会の主な議題(案)」という1枚物の資料がございます。
 資料4「今後の検討スケジュール(案)」という1枚物の資料がございます。
 資料5からは各委員のプレゼンテーション資料でございまして、資料5は藻谷委員のプレゼンテーション資料でございます。
 資料6は少しサイズが大きいのでございますが、高橋委員の資料でございます。
 資料7は馬場園委員の資料でございます。
 資料8は立教大学の山崎委員の資料でございます。
 資料9は千葉市さんにつくっていただいた資料でございます。
 資料10はさいたま市さんに作成していただいた資料でございます。
 資料11は横浜市さんに作成していただいた資料でございます。
 資料12は東京都庁さんの資料でございます。
 資料13は大阪市さんに作成していただいた資料でございます。
 資料14は名古屋市さんに作成していただいた資料でございます。
 資料15は東京都世田谷区さんにおいて作成していただいた資料でございます。
 資料16は三菱総合研究所さんの提供資料でございます。
 追加資料といたしまして、熊坂委員からも資料をいただいておりますので、資料をつけさせていただいておるところでございます。
 過不足等ございましたら事務局までお知らせいただきたいと存じます。
 以後の議事進行は大森先生にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○大森座長 時間が絶対に足りません。そこで最初から提案で恐縮ですけれども、質疑と意見交換は後で一括してさせていただくといたしまして、本日は初日でございますので、まず事務局から若干の説明がございます。その後、御出席の皆さん方から、あらかじめ有識者の委員の皆さん方には1人7分以内、自治体は5分以内でご発言をお願いします。
皆さん方のお手元にある資料を全部にわたって御説明したら1人30分は絶対にかかります。 そこで提案なのですけれども、今後もこの資料を使わせていただきますので、きょうはお一人、御自分のことの自己紹介を兼ねまして、このテーマでここをきょうは言っておきたいということを、あらかじめ念頭にあることを言ってくださって結構だと思います。ですから、後のほうにいきますと前に言った方々とダブる可能性がありますけれども、それはそれで構わない。そして、今後もこの資料をもとにして御発言いただくときには参照いたしますので、きょう全部解説しようとされないでほしいと、私からのお願いでございます。
 恐縮ですけれども、拝見しましたら相当内容的に充実したことを御準備していただいていますので、もったいのうございますので、今後もまたこれを使わせていただきますので、本日は恐縮ですが、そういう話で進めさせていただければと思います。
 それでは、最初に事務局としての説明がございます。林企画官からお願いいたします。
○林企画官 手短にやります。資料1をごらんください。これは検討会の設置についてでございます。これは今御説明した内容でございます。検討事項については、皆さん方のプレゼンの後、今後さらにどういう検討課題をやっていくか、今後のスケジュールとあわせて詳しい資料3、資料4を用意しておりますので、後ほど御説明をしたいと思います。
 スケジュールにつきましては秋ぐらいを目途にやりたいと思いますが、これも後ほど詳しい資料を資料4で用意しておりますので、御相談したいと思います。
 この会議は公開ということで、御承知おきいただければと思います。
 資料1は以上です。
 資料2は、事務局として都市部の高齢化対策の現状にかかわる資料を用意させていただいております。
 1枚おめくりいただきますと目次ですが、現状と将来予測、数字的なものを用意しています。
 2番が地域包括ケアシステム、3番が住まい、4番が生活支援・介護予防、5番が介護サービスの関係で現状の施策の資料をつけております。この場では1番の現状及び将来予測について、どういう資料をつけているか若干紹介をさせていただければと思います。
 4ページ、今後急速に高齢化が進む都市部ということで、65歳以上の人口推移、2010年、2025年と比較してあります。今回この会議で御参集いただいている政令市等の所在する都府県を赤い字で書いております。基本的に増加率で見て上位5位と下位5位を抜いておりますが、上位5位にない場合でも御参集いただいている都府県の場合には括弧書きで書いております。愛知、東京、大阪がそれに該当します。
 1つ目が65歳以上。次をめくっていただきますと75歳以上に変えますと、今回ご参集いただいている府県が大体5位にちょうど入ってくる。東京都以外は入ってくる感じです。
 その3は生産年齢人口で割りまして、比率を出しています。その比率がどのくらい2025年にかけて悪くなるか、変化するかということで、変化率で順位をとったものです。この上位が埼玉、千葉、大阪、神奈川となります。
 参考で65歳以上の人口を生産年齢人口で割ったものが次のスライドでございますが、こうしますと余り今回御参集いただいているところはない。要するに多分75歳以上の増加率が非常に高いところがこの特徴ではないかと考えます。
 8枚目以降が世帯類型の変化でございまして、とりわけ単独世帯と夫婦のみ世帯の比率、内訳を赤字で書いてございます。8枚目が65歳以上、9枚目が75歳以上、10枚目がこれらも含めた形で男女別に出しておりまして、これをグラフにあらわしたものが10枚目、11枚目が75歳以上でございます。
 12枚目は認知症、高齢者の推計。これは去年、厚労省がオレンジプランの中で出しているものをお出ししております。
 それ以降は施策の関係の資料でございますので、以後、必要に応じて御参照していただければと思います。
 訂正ですが、56ページ目、一番最後の紙の数字が若干間違っております。恐縮ですけれども、北海道の札幌市で複合型サービス6カ所になっていますが、7カ所の間違いでございます。訂正させていただきます。
 資料1と資料2は以上でございます。
○大森座長 簡略ですけれども、数字ですので後で恐縮ですが、見ていただければと思います。
 では早速、藻谷さんからまいりましょうか。お願いします。
○藻谷委員 私も非常に触りでございますので、時間を珍しくちゃんと5分でやらせていただきます。
 私は地域振興のコンサルなのでございますけれども、高齢化の問題が地方、いわゆる過疎地ではなく、都市部の問題であるということに社人研予測を早い時期からいじっていたおかげで気がつきました。
 もう一つは、高齢化の問題は高齢化率の問題ではなくて、高齢者の絶対数の問題である。これを大森先生も早い段階から、私が最初にそれを本に書いたときから目にとめていただきましたけれども、高橋先生とかにも目にとめていただいたのですが、当時、厚生労働省の人と話をすると高齢化率ばかりをお使いになっていたのですが、隔世の感がございまして、今回は高齢化率ではなく、率を出すなら生産年齢人口で割るという、総人口ではなく現役の数で割るべきであるということをやっていただいて、ここから先が本当の問題なのですが、私ごときの役割は8割方終わったと非常に感動しております。
 ただ、現実には社会に出ていきますと、ほとんどの方が、恐らくこれは前の前の前の社人研中位推計を見てもはっきりしていたと思うのですけれども、今とほとんど変わらないと思うのですが、大都市で高齢者がふえることを知りません。きょうも名古屋の近郊でこの話をして帰ってまいりました。
 私の資料ですと、1枚めくっていただくと、こういうものを最近使っています。年間400回講演をしながら、必ずしもこればかりではないのですが、どう話すと伝わるかということをやってきたのですけれども、最近は世界と同列に比較をすることにしまして、大正時代から50年後までの日本の推移を1枚目の青い山が真ん中にそびえているものをお見せしまして、私のグラフは左下がゼロなのが特徴です。左下はゼロでありますから誇張していないのですが、誰かが誇張したのではないかというぐらいものすごいおむすび山になっているんですよということをお示しします。
 そして、既に95年をピークに2010年までに6%、これは国勢調査だと7%なのですが、社人研さんが補正して未回答者を補った推計では6%減と少し緩和するのですが、こんなに減っているのです。これから大変なんですということをお示しします。つまり総人口が余り減っていないのですが、年寄りがふえて現役が減っているのですよということを御説明申し上げる。それから、少子化、少子化と言うけれども、昭和60年ぐらいまで余り少子化していない。本当の意味で少子化が急速に今、始まっていて、同時に来ているんですという話です。
 その次に1枚めくっていただくと、日本で今、起きていること、首都圏で今、起きていること、福岡市で今、起きていることというのがあります。これは講演中にクイズになっていて、赤いので隠しておいて当ててもらうというのをやります。全員が外れます。こんな極端なことが起きているとは誰も気がつかない。つまり、たった10年間に日本全体で75歳以上が34%ふえていることについて、まず知らない。絶対数で500万人近いことを意識してごらんということになります。
 全国と首都圏と福岡の違いは1つずつだけです。右下のパーセンテージをごらんください。全国が65歳以上24%増、75歳以上34%増なのに対して、首都圏は65歳はほとんど同じところまで来ています。75歳以上だけがやたらふえる。これは今、局長が御指摘のとおりでありまして、この75歳以上だけがやたらふえるのが地方ではなくて東京及び大都市なんだということを一般人がほとんど知らないので、10年間で1.5倍って対処できるケースだと思いますかということを申し上げる。
 次に福岡をごらんください。福岡は高齢化が非常に遅い町でありまして、現状、高齢化率で言うと多分大都市で一番若いです。千葉と並んで若いのですが、75歳以上も東京並みにふえるばかりか、65歳以上も全国に比べて、東京に比べても非常に急速にふえる。これは団塊の世代から下だけ突然変異のようにたくさん集めた町、つまり工業化しなかったのですが、サービス経済化で成長した町なのでこういうことが起きます。これは札幌と仙台と福岡という、今回出ていらっしゃっていない方々に共通の現象です。
 大阪、名古屋、東京はそうではございません。だから実はきょう御出席の方々はもう少し先に高齢化が進んでいます。ちょっと横浜とか千葉は若干おそいのですが、その次に福岡、仙台、札幌がこういう形で来るので、ここは胸突き八丁と登り口が同時に来るという非常にきつい状況です。
 そこから後は日本、首都圏、福岡、さらに日本で知られていない、プレスの方はぜひこれを勉強していっていただきたいのですが、高齢化の話をすると日本だけが衰えているみたいな話に勝手に捉えて、日本はもうおしまいだみたいなことを言い出しかねないのですが、中国、韓国、台湾、シンガポール、ヨーロッパはロシアは含んでいませんが東欧を含む。そしてアメリカ。全く同じ基準でつくりました。
 これは地方都市といきなり外国が同時に比べられるという資料なのですが、先般、韓国でこの話をしたときに思い切ってつくりました。出典は社人研予測が国内で、外国のものは国連予測ですから、正直精度は全然違います。国連予測はかなりいい加減だと思いますが、いい加減な予測でも同じ基準にしてみると、この問題がユニバーサルであることがわかります。日本全国で先んじて起きたことが、約10年おくれで首都圏で起きています。
 ここにはいわゆる生産年齢人口100人当たり、子供さんと老人合わせて幾らかという、ちょっと子供さんを足した数字を出しています。なぜかと言うと、この数字が小さければ小さいほど目先国力が豊かに見えて、これが一番小さくなったときにバブルが崩壊するというのが河野龍太郎先生が言っている議論でして、見事に全国と符合するので、一番小さくなったときからどれぐらいふえるかという話をしているのですが、この数字を比較していただくと、現時点で一体自分たちがどれぐらいの状況にあるのか。中国と日本が何年ずれているのかということが大体わかります。
 きょうの昼の場合は多治見に私は行っていたのですが、多治見は名古屋近郊のベッドタウンなわけですけれども、生産年齢人口が減って15年たつし、高齢者はまだふえるわけですが、多治見と中国が大体30年しかずれていない。シンガポールとは20年しかずれていない。日本がこの問題をどう解決するのかというのは以降の先生のお話、特に高橋先生のチャートを見るだけで頭がくらくらしてくるのですが、ただ、日本がこれを解決しないと、億単位で高齢者が3倍増する中国、単位は小さいのですが、率としては物すごい高齢化が急速な韓国、台湾、シンガポール。いずれも全く正常にいくとは思えないばかりか、ゆっくりですが、欧州も非常にピンチであります。
 一番最後はアメリカですが、上の見出しが間違っています。現役は減っておりません。現役がふえているアメリカでございます。高齢者はふえているし、現役もふえているということなのですが、アメリカについて一言だけ申し上げると、生産年齢人口がふえ続ければOKというわけではございません。65歳以上が向こう30年間にちょうど2倍にふえるというのが国連の予測です。中国は3倍ですから中国のほうが大変ですけれども、アメリカという医療保険費が異常にかかっている国において高齢者が2倍にふえるというのは国家的には大変危うい状況で、専門家の方もぞっとされると思います。
 つまり、これは日本だけの課題ではなく、我々が前向きにこの話を解決することが世界を救うというか、日本が解決できないと世界的に恐らくどこも解決できないのではないかと私は思っていますし、首都圏並びにきょうお集まりの大都市が解決できないと、世界の都市化している主要国家はどこも解決できないと思います。というわけで、この委員会は歴史的な委員会であるという何の解決策も言わず、かっこいいことだけ言って終わります。
○大森座長 世界的使命を帯びている検討会ですか。
 先ほど林企画官の御報告だと、一応老健局のほうは2025年をターゲットにしているのですけれども、藻谷先生だともう少し遠くまで、だから社人研がやっている2040年とか2050年ぐらいまで、少し広げて考えてもいいかなということがあるかもしれません。
○藻谷委員 2025年を乗り切らないと2040年は来ないですけれども、途中ですね。
○大森座長 そこまで私は生きていると思えないのだけれども、将来のために頑張ると。
 それでは、高橋先生、お願いします。
○高橋委員 ちょうど藻谷さんが高齢化をマクロな視点から発言してくださいましたので、私はむしろ多様性というか、階層化あるいは格差の問題を中心に、都市高齢化の問題を皮切りにお話を申し上げたい。
 私はこの委員会で大変不満なのは、秋山さんしか女性がいないのです。もちろん勝又室長もいらっしゃいますが、実は男が考えて男の論理で考えてきたために間違えてきたのです。一例をあげれば、バリアフリーも「二日酔いのおじさんの論理」といえるような考え方で、まず、昇りのエスカレーターばかりつくるのですけれども、実は女性にとっては赤ちゃんを抱え、バギーをたたんで持ち歩くと降りのほうが危ないのです。女性に多いリウマチの膝の悪いお年寄りにとっては降りのほうも辛いのです。最近は少しは改善されましたが、男の論理で政策決定を行うとしばしば大きな歪みがおこってきました。政策決定を預かる首長も議員も多少は女性も増えましたが、全部男社会の論理が相変わらず優勢なのはご承知の通りです。これからの高齢問題は、実はジェンダー問題としての様相をもってあらわれます。
 というのは、勤労者世帯出自といえども、遺族年金プラス基礎年金層の女性層というのは、シルバービジネスが想定しているような、簡単に市場原理で動かない人たちが膨大にふえるわけで。この問題は意外と気がつかれていない。これも男たちの論理で、高齢化社会論を論じる現実に合わないことが多々予想されます。
 しばしば論じられる現在の問題は、過去に起因する問題が解決できなくて問題となっていることが多いのです。それに従って解決策を導入すると。そのことが将来発生する問題の解決を難しくしてしまうという逆説があります。ですから、本当の問題解決策を論議しようとするとこれから起こるであろう課題を明確に予測する努力が必要です。そのためには2025年どころか、私は2060年まで視野に入れるべきだと思っています。というのは、団塊の世代の高齢化はまだ厚生年金を持ち、企業年金もある人たちで持ち家取得に成功した分厚い層が2025年に後期高齢層を迎えます、しかし、その次の団塊ジュニアは非婚率が高くなり、持ち家率が低下している。このような事態を予測しながら、2025年を考える必要があります。
私は福祉政策を一言で定義すれば、依存人口のマネジメントと思っているのです。これを過去には家族のシステムでやってきました。また、地域社会がやりました。20世紀以降、福祉国家で政府が非常に大きな役割を果たしてきましたけれども、これからを考えると、超高齢化がもたらす増大する依存人口のマネジメントはいままでのやり方ではどうも持ち切れないというのが私も問題意識です。しかし、過去のやり方を踏襲しようとする向きが大きな力を持っているという現実をどう考えたら良いか。
 もう一つは、私は藻谷さんほどいろんなところを歩いているわけではございませんけれども、鹿児島の徳之島とか肝付町の集落40人で高齢化率8割の集落とかそういうところに行ってまいりました。そこではお年寄りは元気なのです。80歳ぐらいまで軽自動車でぶんぶんぶっ飛ばして歩いていますから、あそこでは車の運転ができなくなるとき、朝晩の野良仕事ができなくなるとき、そして御先祖様のお墓参りができなくなると要介護になる。地域おこしで有名な鹿児島県鹿屋市の柳谷集落は人口が減少して200人に落ち込みましが、地域おこしの結果の集落の人口は現在300人にふえましたけれども、高齢化率4割にもかかわらず、高齢者1人当たり医療費と1人当たり介護給付費は鹿屋市平均の3分の2以下、特養入所者ゼロ、75歳以上の人が元気に働いています。そしてピンピンコロリの方が多いのです。
 このような小集落の実験は例外であるといって思考停止せずに、都市部の特性をふまえた、大きな可能性を活かした、様々の挑戦が必要なのではないか。都市部では施設不足を理由に特別養護老人ホーム増設の際に、4人部屋をつくるなどということは言わずに、これからの団塊の世代が4人部屋好んではいるとは考えられませんから、これは過去の20世紀型の古いモデルで問題に対処するのではなく、これからの21世紀型のモデルを創造する視点で高齢化対策を考える必要があります。
 何が21世紀モデルと考えるか。まさに先ほど局長が言われた地域包括ケアがそれなのです。地域包括ケアというのは介護保険法の第5条第3項で法定化されました。これは興味深い条文なのでありまして、どうしてかというと、介護保険のことだけ書いていないのです。介護保険以外のことがたくさん書いてあるわけです。保険給付と同時に予防の話があり、地域の生活支援があり、医療があり、居住がある。これを国及び自治体がやりましょうということは、従来型の縦割り行政をやめましょうという宣言であります。
 ところが、残念ながら都道府県、大規模自治体はむしろ縦割りが非常に強力でございますので、この壁をどう乗り越えるかというのが非常に重要だなと思っております。
 それから、大都市問題の1つの特徴は生活困窮者イコール施策の対象というパラダイムが崩れ始めている。実は50階建てマンションの単身世帯の認知症のごみ屋敷というのがこれから急激に発生する。その人たちは要するに福祉施策なんか使おうと思っていないわけです。ところが、事態が悪化したときに支援の方法がない。支援拒否の人たちです。
 実はそういうことを含めてさまざまなリーチアウトという言葉を横文字で使いますが、問題を待っているのではなくて発見して、さまざまな支援につなげる機能を大都市部でどうつくるか。これは北九州市が、これも時代に逆行したやり方ですが、あえて無任所の係長を配置して、地域との協働関係を促進する役割を果たす、「いのちのネットワーク担当係長」という名称で、ジェネリック・ソーシャルワークという概念があるのですけれども、さまざまなサポートを地域と協働する係長を配置しました。そういう意味で給付行政型ではないタイプの行政のアプローチの仕方を導入しないと、実は問題が解けないだろう。
 もう一つは、やはり私は20世紀型から21世紀型に変えるというのは、私の導入でソリューションを幾つか書きましたが、私が大変注目し、ずっと長くコミットしております「ふるさとの会」というNPOがあります。山谷のホームレス支援から始まって、今、墨田区、荒川区、豊島区等に事業拠点をつくり、現在新宿の大久保地区で全面展開をしています。総計で1,200人を超える方々をサポートしています。
 皆さんのところで養護老人ホーム10個できますか。絶対に住民の反対運動に遭います。ふるさとの会は同じことを社会福祉法人と違って、税金を納めながらやっています。支援している生活困窮者は地域と協働し町会や商店会の会長さんやいろんな地域の方々たちのサポートを受けながら1,200人の人たちの支援を展開しています。そして最近新宿でコミュニティカフェが始まりました。居場所をつくり、この間、認知症のサポーターの講習もやったそうですが、そこには町会の会長さんが出てきてくださいました。もちろん元ホームレスの人も参加しています。さまざまな形で、さまざまな立場の人をそこで参加させるという、地域とウィンウィンの関係をつくりだす、そういうソリューションが事業として確立しました。
今日の状況を考えると私はむしろ社会事業という言葉を復活させる必要があると考え初めています。狭い社会福祉事業の概念に閉じこもるのではなく、戦前の社会事業でてがけられた不良住宅改良事業の事例をみると、住宅と職業と地域活動と医療と子供のサポートが一体的に行われていました。まさに包括的支援だったのです。これに学びながら、21世紀型の新しいタイプの都市型の事業を創出する。これが都市型高齢化対策の思想なのではないかと考えます。      
そして、その芽は既にさまざまな形でございます。
 今、多摩地方では日本医大の長谷川敏彦先生を中心として大変おもしろいプロジェクトが進行しております。ケアサイクルといって、さまざまな人たちを適切なケアの場所をマネジメントする手法の開発に取り組まれています。要するに病院に長期入院する。特養は御承知のように1,500日近く入所しています。それを放置しておいて特養を増設しても意味がない。精神病院もそうですが、そうではなくて、そういう施設を活用するのだったら入所期間を500日、300日、200日に短縮して、地域サポート機能を持ちながら展開するというシステムの再構築が本当の施設再編です。
要するに今の大都市のシステムは少数の受益層が施設入所ができ、しかし、4人部屋に入居を余儀なくされる人は運の悪い人だと私は思っています、なぜならば、故外山義先生が明らかにされたように、むしろ多床室では孤立化が進むのですから。一方で、支援から排除され、放置される大部分の人たちという構図があって、その間隙をぬって「たまゆら」に象徴される貧困ビジネスの問題が起こったわけです。
 以上です。
○大森座長 語りたいことがいっぱいあることは存じ上げております。恐縮です。
 馬場園委員、お願いします。
○馬場園委員 私は日本型CCRCというものを紹介させていただきます。
 九州では社会的入院というのは非常に多くて、自治体で大変な問題になっています。もともとは日本型CCRCというのは、実地医家の先生たちと社会的な入院の受け皿として考えたのですが、地方の日本型CCRCで都市部の高齢者を受け入れる、あるいは都市部に日本型CCRCを建設することは、都市部の高齢者問題を解決する1つの案になると思います。
 CCRCというのは、Continuing Care Retirement Communityの略で「継続したケア」を理念とした高齢者のための共同体です。アメリカでもともとクエーカー教徒とか宗教団体を中心として、未亡人の人に自分の人生を肯定的に統合してほしいというような考え方でつくられた仕組みです。自立している時も、支援が必要な時も、介護が必要な時も、同じ場所で、同じスタッフで、そして仲間とともに最期を迎えられるという仕組みになっています。高齢者のニーズによって、同じキャンパスにある自立型住まい、支援型住まい、介護型住まいに移り住むことになります。
 それによってトランスファーショックというものを避けることができます。高齢者は脳卒中、心筋梗塞、転倒、交通事故、お風呂に溺れる、窒息などのリスクがあります。また、そのような状況にならなくても、全身が衰弱して動けなくなることもあります。そのときに例えば救急車で連れていかれますと望まないケアを受ける。例えば胃ろうをつけられるということがあります。そのことによって高齢者が精神的に抑圧されることが観察されています。環境が大きく変化し、「空間、時間、規則、言葉の落差」に適応できず、うつ状態になったり、認知症が進行したり、歩けなくなったりすることをトランスファーショックと呼ぶのです。そのためにアメリカのCCRCでは、高齢者に自立型住まいに元気なうちに入ってもらって、元気と言っても平均年齢が80代で、よぼよぼな感じもする方も多いのですが、できるだけ長く歩いたり、みんなで食事したり、話をすることで、できるだけ自分たちが要介護になる時間を短くするという仕組みを作っています。
 例えばどういうところでやっているかというと、廃校になった大学をリノベーションして作ったのがエリクソンのチャールズタウンです。これだけの規模になるとスケールメリットがありますので、あとは土地代もただというのもあるのですけれども、かなりリーズナブルな価格で高齢者をケアすることができます。9ページの人は日系の人ですが、必ずしも現役時代に収入が高かった方ではないのですが、こういうところに入居できています。自立している人は自分たちで大学のサークルみたいなグループを結成して、食事の前にみんなの前で歌って聞いてもらうというような催しもあります。
 次に支援型住まいですが、きちんとリハビリできるような施設があって、介護の必要な高齢者も寝たきりにはさせないで、必ずナースステーションというようなところに連れていって、そこで見守ってもらえています。
 CCRCで行われる医療において大事なのは、高齢者の人生を統合するための支援をするといった理念です。何か病気があるから診療をするというだけの医療では不十分です。高齢者の生活の質や人生の質に奉仕するという心構えを医療従事者が持っているというのが非常に大事です。
 このような仕組みを作ることができ、スケールも大きくし、幅広い範囲のサービスを行い、スタッフの教育もしっかりできていれば、経済効率もよくなります。これをどうやって日本でやるかといいますと、23ページにありますように複合型拠点というものをまず作ります。そこは終の棲家である介護型すまいもあるのですが、在宅看護訪問ステーションサービス、在宅介護事業所、在宅療養支援診療所、リハビリのできるデイケアセンター、地域交流センターも設置します。複合型拠点の近くに、支援型と自立型の高齢者住宅を建設するのです。自立型の高齢者住宅は、入居する高齢者の経済力によってさまざまなものがつくれます。そして、高齢者の急病や転倒などの事故といった緊急事態にうまく対応できるようなネットワークを機能させます。複合型拠点では、必要な場合には急性期医療機関に高齢者を搬送し、治療が終わったらすぐに受け入れてリハビリを行うことができます。 
 そして日本型CCRCを機能させるためには、自立型の高齢者に対しても、この高齢者は自分が責任を持つという使命感のある主介護者をつける。あとは、病歴、リビングウイルなどの患者さんの情報に関してはネットワークによってスタッフ間で共有するシステムを作り、緊急の事態にも対応できるようにしておく必要があります。
 それから、町ごとCCRCにすることも可能です。日本型CCRCを実地医家の先生と一緒にやっていると申し上げましたけれども、玉章会という法人が鹿児島にあります。その法人の複合拠点に介護型の住まい、在宅介護事業所、デイケアセンター、地域交流センターが設置されています。デイケアセンター、地域交流センターで、地元住民と交流をしながらお互いに支え合っていくのです。そのデイケアセンターや地域交流センターにはボランティアの人も来ることができ、高齢者の支援ができる仕組みを持たせています。
 都市部で機能させる日本型CCRCは、エリクソンのようにひとつのキャンパスに作るのではなく、複合拠点と複数の支援型すまいや自立型すまいとネットワークで結んでいくものであると思います。それによって都市部のCCRCも検討できるのではないかと思います。
 以上です。
○大森座長 ありがとうございました。
 では、山崎委員、お願いします。
○山崎委員 資料8をごらんいただきたいと思います。私は実務をやりながら大学で教えております。専門は建築なのですが、超高齢社会に向けてのまちづくりを目指してやってきております。
 1枚めくっていただきまして、超高齢社会の課題は本当に幅広くありますので、きょうは3点だけお話をしたいと思います。
 1枚目は在宅生活から死亡へのエピソードルートと書きました。脳卒中、心筋梗塞で倒れて入院をしてリハを受けながら在宅に戻る。それを何回か繰り返しながらデイサービス、ショートを使いながら老健、場合によっては最後は特別養護老人ホーム、がんであれば緩和ケアで亡くなっていく。こういうスパイラルを何回か描きながら亡くなっていくというのが一般的だろうと思います。
 次のページの加齢による住宅と施設の関係。そういった流れの中で各個人の身体状況は年齢とともに下がっていく。縦軸に健康、障害、横軸に年齢を挙げますと、おおむねこの黄色い線のような形で皆さん年とともに障害が出てくる。実はどこに住むかということで1戸建てからさまざまな現在の制度ができております。
 これを見ると制度的にはおおむねできているんだなというのはわかるかと思いますが、問題はそれぞれの質が本当に保てるのかどうなのかということが挙げられます。これが1点目です。
 ここには書けませんでしたけれども、実はこれはクリックしてアニメーションが出てくるものがありまして、要するにそれぞれの場面場面での医療情報、看護情報、介護情報がぶつぶつ切れているというのが1つ問題だろう。やはりこういった制度ができているので、情報の一元化は大切であろうと考えております。これが1点目です。
 次のページをめくっていただきまして、在宅から医療機関、デイ、ショート、介護施設へと切れ目なくスムーズにつないでいくというのが1つの大きな流れだろう。もちろん自宅で最期看取るというのは当然あるという前提でこういうふうに書きました。その中で介護施設に関して見ますと、都市部で介護施設が足りなくなることと同時に、現在ある、例えば東京都内で特養が今、400ぐらいあるのですが、それが耐震関係も含めて改築の時代にぞくぞく入ってくる。それをどうしていくのかというのが2点目です。
 3点目は人材の確保と書きましたけれども、やはりそれを支える人材をどうやって確保していくのかなというところが大切だろうと思います。もちろんそれ以外に元気高齢者の居場所づくりとか、基幹病院の建てかえに伴うさまざまな問題等々がございます。
 3ページ目に都内竣工別の福祉施設の大きな円グラフがございます。これは特養、養護、軽費の昭和56年以前と57年以降の数の円グラフでございます。新耐震になっていないものが既にこれだけあって、これが続々老朽化していく。
 その次のページは特養、養護、軽費それぞれの新耐震以前の割合の表でございます。まさしく人口減少でどうやって、大都市は別ですが、加速がスマートシュリンクしていくのかという大きな課題もございますけれども、やはり同じように施設の建てかえをどうやっていくのかというのが大きな課題だろうと思います。
 1つの案ですが、その次のページに老朽化をした介護施設を建てかえるシステムとして、例えばある地区があって、福祉施設が5つある。それぞれは土地の問題、法規の問題等々を抱えていてなかなか建てかえできないので、1つダミーの施設をつくって、例えば1番の50床であれば移して、その50床のところを建てかえていく。それを順繰りやっていくような建てかえシステム案みたいなものができないのかなというので書きました。
 最後3つ目の人材確保につきましては、東京通勤圏と首都圏3県の医療資源の2枚であります。もちろん東京都内もそうですが、むしろ東京都内の縁辺部の埼玉県、千葉県の市町村が恐らくこれから医療、看護、介護従事者が非常に厳しい状況になるだろう。建物はすぐ建ちますけれども、人は育ちませんので、現在神奈川、千葉、埼玉は先ほど来から出ているところは、医療資源という観点から見ると下のほうですので、そのアンバランスのところが大きな課題になりそうだという表でございます。
 最後であります。まとめとしてひとまず思いつくまま書きました。
 1つは、建てかえ問題に伴って土地の法規制の例えば容積緩和の話であるとか、特区扱いであるとか、そういった土地問題を1つは考えていく必要がある。もう一つは、先ほど申し上げた建てかえの住みかえ案みたいなダミー施設の実験をしてみてはどうだろうか。さらに新しく建てるときには、一部介護施設を組み込むようなことも同時に考えておく必要があるのかなと思います。人材確保は申し上げたとおりでございます。特に東京周辺部の人材確保というのがこれから大きな課題になるだろうということです。
 最後、元気団塊世代の役割というものを再度確認して、まちづくりの担い手運動としての位置づけとしていくべきではないか。まだまだ団塊の世代は元気ですし、ある意味運動、ムーブメントとして捉えていくのはどうなのかなということで掲げてございます。
 以上でございます。
○大森座長 ありがとうございました。
 皆様方のお手元に、一番最後に追加資料がございまして、熊坂委員、御報告お願いいたします。
○熊坂委員 この会合のメンバーに加えていただき、大変光栄に思っております。東日本大震災の被災地に住んでいる委員は私だけだと思いますし、また、保険者としての首長経験、そして私自身が内科の開業医でもあり加えてケアマネの資格を持っていますので、そういった現場からの声をここでお話を申し上げたいと思います。
 この会ができたというのは、地方から見ておりまして、勿論地方も大変ですけれども、都会はもっと大変なのではないかと非常に危機感を持っていましたので、この会でもって日本全体が、先ほど世界でも先駆的な会だということをお話されましたけれども、特にマスコミの皆さんに危機感を持っていただくのは、とても大事なことではないかと思います。
 資料ですが、そういうことで自己紹介も加えさせて頂きましたけれども、まず最初に、建物の話が山崎先生からありましたが、東日本大震災を経験して一言だけ。宮古市では医療福祉施設での犠牲者は出ませんでした。なぜこうなったかというと、ハザードマップを既に震災の3年前に全戸に配布しておりまして、3ページの右のところは宮古市田老地区でございますけれども、今回の津波はほぼハザードマップのとおりです。ですから宮古市としては想定内となります。
 また、ハザードマップの中の津波が来るところにつくりたいというグループホームがありましたが、再検討してくださいということで拒否して高台につくらせたこともありました。そういったことを考えますと、まず都会においても医療福祉施設、建てかえも含めて直下型地震とか南海トラフの地震による津波対策が強く求められることをまず冒頭お話申し上げたいと思います。ちなみに全国先駆けて津波防災都市宣言をいたしました。
 4ページ、私の医院は地図のようにぎりぎり被災しませんでしたし、私も生き残ったのでこれからの人生は復興に役に立ちたいなと思っております。私としてはそういった中でのこの会です。4ページ、まず今回の課題の都市部の高齢者の見通しに対する意見その1をご覧ください。介護保険の制度そのものの根幹にかかわるわけですけれども、宮古市も1号被保険者の保険料が5,104円になっていまして、市民の負担が限界に近付いており制度そのものがもたないのではないかと非常に心配しています。そういった意味で、平成9年に市長になりましたが、12年に介護保険制度がスタートしたときには、介護保険は地方分権そのものだと言って進めてきましたが、ここに来て急激な高齢化ということで、措置制度の考え方も今後視野に入れないと、介護保険制度そのものがもたないのではないかと危惧するにいたりました。
 5ページ、その2ですけれども、これから高齢者の地方での受け入れという議論がなされるわけですが、介護保険財政が大変な状況ですから、ここに工夫をしなければいけないと思っています。最後に書きましたけれども、例えば都会に10年以上住んだら負担は都会の自治体がするとか、非常に抜本的な思い切った対策がないと。地方は来ていただくのは大変ありがたいのです。それは若い人の就労確保になりますからいいのですが、そういったことがないと厳しいかなと思います。介護職員不足の問題は、都会でも深刻になるとの事ですが、地方でも今後非常に深刻な問題になります。
 5ページに3点ばかり挙げましたが、公平性の観点から特定入所者生活介護サービス費の見直し。こういったものは公平性の観点からやめる。それと、介護予防の事業の見直し、利用者負担の見直しが必要だと。私は後期高齢者医療制度にもかかわりました。名前は確かに悪かったのですが、やはり介護保険も現役並み所得者の場合は負担の割合を2〜3割引き上げるべきではないかと思っています。
 6ページ、都市部でのサービス提供の確保ですけれども、宮古市に川井地区というところがあります。合併前の川井村ですが、岩手県で川井村のときは最も高齢率が高かった自治体です。現在65歳以上は44.4%ですが、そういったところでなぜ何とか回っているのかということを考えますと、ある意味では先進地となります。実はサービスをあまり受けないということなのです。これは非常に重要なことなのですが、我慢強い。びっくりするかもしれませんけれども、そういう我慢強い住民のおかげで少ない介護サービスでも何とか回っているということです。
 それから、先ほどから何回も出ていますように地縁的なつながり、住民同士の支え合いで何とかなっている。それから、市立川井診療所の医師が頑張っているということです。
 川井地区からうかがい知れる都市高齢者の悲惨な未来ということを書きましたけれども、今後都市部の高齢者は絶対的サービス不足に我慢できないのではないかと思います。私は開業医ですのでよくわかりますが、今の地方の高齢者は本当に我慢強い。でも団塊の世代は全然だめだというか、団塊の世代の人は権利を主張することが多くて我慢できないのです。これが問題を考える上で非常に大きい要素なると考えます。だから多分都会ではこのギャップがすごく出ると思います。
 それから都会では住民同士の支え合いが希薄。でも逆に考えれば、人口が密集しているのでシステムのもって行き方で互助は可能なのです。隣に人は住んでいます。ただ知らないというだけです。
 また介護を考えた時、自宅で最期を迎えられるかというのは大変大事なのですけれども、医師不足は実は地方よりも埼玉、千葉、茨城が人口からみた場合非常に深刻なのです。そういうことも解決していかなければいけないと思います。
 最後ですけれども、地方での都市高齢者受入時の課題ということですが、高齢になってから地方に来てもらっても、あるいは介護を受ける段階で来てもらっても、地方では非常に困るというか、醒めた目で見させていただきたいと思っています。受け入れるのはいいのですけれども、また地方では福祉はメジャー産業ですけれども、財政的にはもうやれないということです。例えば都会の自治体に負担して頂くということなら喜んでお受けしたいと思います。そういう制度の抜本的な改革、それから、弱小自治体では保険者としてはもたないので、今、国保も議論が進んでいますけれども、保険者の見直し、県単位ぐらいが施設整備から言っても妥当なのではと考えています。
 以上です。
○大森座長 ありがとうございました。
 この中に団塊の世代の方はおいででしょうか。我慢ができない人もいそうですけれども、いろんな困難が待ち受けています。ありがとうございました。
 それでは、これから自治体の皆さん方から一言ずつお願い申し上げます。
 最初は千葉市からお願いいたします。
○千葉市 生田委員代理 千葉市は資料9でございます。
 千葉市は千葉県のちょうど真ん中ぐらいにございまして、東京都心と成田まで約1時間ぐらいで行けるところにあります。現在の人口が約96万人、平成4年に政令市に移行いたしまして、6つの行政区が置かれています。
 市域は、市街化調整区域が市域の53%を占めるということで、まだ郊外が非常に多いようなところでございます。
 2ページ、横長の資料でございますけれども、市の高齢者人口と要介護認定者の推計でございます。65歳以上の高齢者は2010年と2025年を比較しますと19万8,000から27万ということで1.4倍ぐらいにふえる。75歳以上については、7万7,000人ぐらいから16万9,000人ぐらいということで、ここも2倍以上、2.17倍ぐらいにふえるという予測をしてございます。これに伴いまして、要介護認定者数は2万6,000人ぐらいから5万人ということで1.87倍、その中でも特に重度の要介護4、5の方が1.8倍ぐらいにふえていくであろうと見込んでございます。独居の高齢者も2万6,000人ぐらいから4万8,000人と1.8倍、認知症の方も1.87倍にふえるということで、介護保険の事業量は全体で今の倍ぐらいになるだろうと考えています。
 3ページ、(2)で保険給付費の状況ですけれども、今の計画期間内でのお話ですが、まだそれほど千葉市の高齢化が今言ったように進まない段階でも、23年度から24年度にかけて給付費は46億円ぐらい、そして、25年度も45億、次も43億ということで、このときでも毎年44〜45億ふえていく。27年以降、急速に高齢化のカーブがきつくなりますけれども、こうなった場合には給付費が相当膨らむのだろうということで対策が急務だと思っています。
 4ページ、介護サービス事業所数でございます。特に25年4月1日で表の下から3つ目の定期巡回・随時対応型訪問介護看護ですけれども、2事業者入っていますが、1事業者は今休止中ということで思ったほど伸びない。下から7つ目、複合型サービスも2つほど4月から入ってございますが、利用者数はそれほど大きくはないという状況でございます。
 7ページ、千葉市も特養の待機者が今1,800人ぐらいいるわけでございますけれども、それをどういうふうに吸収していこうということでいろんな受け皿を探してございますが、特養整備は、郊外があるからということで、そういう土地で整備してきたのですけど、住民からは市街地の整備を望む声も結構強いという中で、市街地整備をどうしていこうかということでURの土地だとかというのを使って整備しようとしているのが8ページ以降の資料でございます。
 8ページがUR都市機構と包括連携協定を行いまして、URが事業者を選定して、その事業者に千葉市が補助金を出して特別養護老人ホームをつくっていくというやり方です。
 10ページと11ページは市内にある未利用国有地ですけれども、こちらは関東財務局とも調整しながら、国有地を定期借地契約ということで、市が事業者を公募により選定した上で、その事業者と関東財務局が契約するという遊休地の有効活用という形で、特に市街地で、特養の整備を行ってございます。
 また13ページでは、美浜区の真砂地区というところですけれども、これは、小学校の跡施設、統廃合により出たところを使って特養を整備するというように、今直近の対応策としてはこういうように都市部での特養整備については、未利用国有地とか市の空き地を使いながらつくっていくということでございますけれども、1,800人を超える待機者を解消していくためには、特養整備というのもある程度の限界に来ているのかと思っています。そのような状況でございます。
 以上でございます。
○大森座長 ありがとうございました。
 それでは、さいたま市、お願いしましょう。
○さいたま市 大塔委員代理 よろしくお願いいたします。さいたま市の資料でございますけれども、1番目に人口・世帯数等が書かれてございます。これをご覧になっていただくとわかるのですけれども、さいたま市といたしましては政令市になって10年たつのですが、比較的若い市と考えていただきたいと思います。昨日、市長選挙がありまして、現役が再選ということですので、今週、来週にかけて、また市長の新しいマニフェストの検討が始まります。当然その中で高齢者の施策についても検討が始まるという状況ですが、ここに高齢化率が書かれてありますが、さいたま市といたしましては、全国平均と比べると計画の推計では大体4〜5%ほど低めに推移をしていく。ただ、いずれにいたしましても高齢化率というのは上がっていくということは間違いございませんので、今日のさまざまな先生方の御意見、大変参考になるという状況でございます。
 予測といたしましては、平成26年度に高齢化率は21.4%ということで超高齢化と推測してございます。
 高齢者の人口ですけれども、さいたま市の一つの特徴といたしましては、まだ後期高齢者の数が前期高齢者よりは下回っている。これにつきましては、平成32年に逆転するという予測が現在出されております。また、これは他の市町村でも同じだとは思うのですが、「3 認知症高齢者数」が今後増えてくることが予測されております。特に後期高齢者での認知症の割合がどうしても高くなるということは避けて通れないのではないかという状況がございます。
 あわせまして、「4 特別養護老人ホーム入所待機者の状況」ですけれども、実は余り待機者数は変わっておりません。平成21年で約2,600人、その後、大体3年の計画ごとに900〜1,000床整備いたしますので、数としては若干減りつつあるのですが、2,000人台の待機者は変わらない。計画上は、右側に書いてあります、すぐにでも入所が必要な方の人数をもとに整備数を計画しておりますので、なかなか待機者数は減らないというのが現状となっております。
 さいたま市の一つの特徴としては、施設整備をするときに原則として市街化区域を優先するということを定めております。実はさいたま市は、まだまだ市街化で特養の施設整備ができる状況になっております。昨年度も市街化で計画が出されて採択されなかったという状況もございますので、現状ではまだ市街化区域で整備が可能な状況にはなっておりますが、今後の推移を見守っていく必要があるだろうと考えております。現在、特養の施設数は48施設となっております。
 次に、2ページ、特に8番の団塊の世代が75歳に達する年、2025年問題、このあたりが非常に大きな課題になってくるだろうということで、後期高齢者につきましても57.7%で前期と逆転していくということで、このあたりにつきましては介護給付費が非常に増大していくのではないかということを危惧しております。
 9番以降でございますけれども、こちらは施設整備、サービスの整備だけではなく、地域でどのように見守り等も含めて体制を整えていくかの一つの事業でございます。
 ?については、シルバー人材センターに補助金を出しまして、これはちょうどすき間の世帯と私たちは言っていますけれども、介護保険等が使えない方について支援をできるような体制を整えるということを考えております。
 ?は、市長も絆という言葉を非常に大事にしておりますので、地域で見守り体制をしっかりつくっていくということで、それぞれの自治会、独自性がありますので、その独自性を大事にしながら見守り体制をつくっていくということも考えております。
 またあわせて、地域で生活支援サポーター、ちょっとした身の回りの支援活動を行うというようなサポートにつきましても、今年度具体的に検討を開始していくという予定になっております。
 4ページ以降につきましては事業所数の資料になっております。
 私どもの課題といたしましては、施設整備につきましては先ほどお話ししたとおりですけれども、ただ、サービスを整えたといたしましても、実は介護職員につきましてどの程度確保できるのか、この辺が課題になっております。さいたま市というよりは埼玉県全体の課題ということになっておりまして、例えば離職率につきましては、全国平均と比べますとどうしても高い数値で出ているということがございます。今年度も埼玉県のほうで介護職員の団体の入職式を行うとかということで啓発活動等は行っておりますけれども、やはり職員の確保というのが今後の大きな課題になってくるのではないかと考えております。
 私からは以上です。
○大森座長 ありがとうございました。
 それでは、横浜市さん、お願いしましょう。
○横浜市 岡田委員 横浜市です。
 資料11をごらんください。
 2ページ、横浜市は370万の人口を抱えております。高齢者は79万人ということで絶対数として大変多い。横浜市も首都圏の高齢化の推進と歩を一にするという形で、高齢化率も今年の1月、21%を超えまして、超高齢社会ということになりました。
 3ページ、介護サービスの施設の整備状況です。この数字だけ見てもなかなか理解はしにくいのですが、下に囲んであるところで入所待ちが5,152人となっております。これについては、横浜市では毎年300定員ずつ、特養等の整備を行っております。一時は、900ずつつくっておりましたが、今は300です。この300はどういう数字かと言いますと、要介護度3以上の比較的重い方で1年以内に大体入れるというところを目指しておりまして、現時点で大体12カ月ぐらいの待機でおおむねこういった人たちは入れるというような状況です。
 4ページ以降は、施設ごとに都道府県や政令市の中で横浜市の施設整備水準がどこにあるのかというあたりを示してありますので、ざっと見ていただければと思います。大体横浜市は真ん中より左側のほうですから、比較的整備が進んでいるほうということが言えるかもしれません。
 9ページの右から2番目、介護療養型の施設と医療施設ということですから、もともとこのサービスはなくしていくということですので、その考え方には沿った整備にはなっておりますけれども、ただ、介護の点から見ればこれは好ましい状況ではあるのですが、医療の点から見ると、やはり急性期を終わった、病院の転室先を確保するという意味ではなかなか厳しい状況もあるので、どういうふうにやっていくのか、全体の中では課題があるということが言えるかと思います。
 12ページの表は、横浜市の人口推計ということで2060年まで数値が入っております。
ちょうど真ん中のところの線が右肩上がりに上がっていますが、ここが高齢者の人口です。2010年は74万人だったものが2025年のところでは100万人ということで、この間で26万人ふえるということですから、単純に割れば年間で1万7,000人ずつふえるということです。
 さらに右上のほうにずっと線が上がっていくわけですけれども、ここには数字が入っておりませんが、2050年で119万人、2060年で114万人ということになります。これは棒グラフのところが横浜市は、今はちょうどまだ人口のピークは迎えておりませんが、その後、ずっと今度は人口減少の状況になってきますので、高齢化率は上がりますが、絶対値としての高齢者数は大体2050年ぐらいをピークにそのぐらいになるということで考えております。
 13ページ、ここでは後期高齢者の数や認定者数、あとは認知症の高齢者数、こういったものが2025年で2012年に比べるとどのぐらいになるのかということで、認定者数は1.68倍になると推計しています。
 15ページは、横浜市にとってこれから最大の課題は何かということですが、高齢化をする人口やこれから医療費などの社会保障給付をどのように賄うのかという財政上の問題も非常に大きなことだと考えております。
 16ページ、社会給付費の増とか、高齢者のサービスをどうするのかとか、あとは在宅生活をどうするのか、こういったことについて、1つは健康づくりや介護予防などを進めていくことが必要ではないかと考えております。
 17、18、19ページは、横浜市ではこれまでの何か介護が必要になってしまったらこうなるとか、そういうような状況が生まれる前に、介護を必要になってしまう予備軍という人たちが非常に膨大な数いるわけですから、できるだけそういう人たちに介護状態にならないようにしてもらうのが大事ではないかということで、介護予防を非常に強くこれからは考えていきたいと思っています。
 ただ、先ほども御発言がありましたけれども、介護予防ということになると大変評判が悪くて誰も来ないというようなことになりますので、介護予防ではあるのですけれども、介護予防と意識させないで介護予防を受けていただくというような方法をどういう形でオブラートにくるんで展開したらいいのかということが課題だと思います。
 この17ページにあるのは「元気づくりステーション」ということで、地域にそういうような元気づくりのためのグループをつくってもらうというようなプラン。
 18ページは、みんなで元気に歩いてもらおうというようなウォーキングムーブメントを起こすようなプラン。
 19ページは介護ボランティアポイント制度ということで、ボランティアさんにポイントをつけるというような形で現在7,000人以上の方に登録していただいておりますけれども、先ほどの介護の人から見ると大体100人に1人はこのボランティアをやっていただいているということですので、こういうような形でできるだけ介護予防を意識しない介護予防を展開しているということを目指したいと思っております。
 以上です。
○大森座長 ありがとうございます。
 では、東京都、お願いします。
○東京都 中山委員 東京都の中山でございます。
 資料12をごらんください。
 東京都も今後の高齢化の進展というのが急激に進むわけですけれども、先ほどの国の資料にもありましたように、特に後期高齢者の数が圧倒的にふえていくという事態でございまして、現在からやれることをきちんとやっていかなければならないという認識です。
 きょう御用意しましたのは、特に地価が高い東京にあって、また土地に限りのある状況の中で、東京都としていろいろな施設整備の独自の施策をやっておりますので、その御紹介をしたいと思います。
 資料の最初は今後の進展のグラフでございますので、省略。
 次からは、特養と老健、グループホームの年次別の計画に対する整備状況です。よく65歳以上人口比で整備率という形で比較されますと、東京都はほとんどが最下位に近いような位置づけになってしまいます。ただ、これは大都市という逆のメリットみたいなものも考えられるわけでございまして、要は単純な比較で整備数を用いるというようなことは考えてございません。
 「施設整備への支援?」というところをごらんください。先ほども申し上げたさまざまな介護基盤の整備に当たりましては、都として独自の補助あるいは手厚い補助、土地を確保するためのさまざまな施策を行っております。特にここで申し上げておきたいのはオーナー補助ということで地主さんみずからが施設をつくる場合、それをまた事業者さんにお貸しして事業運営するというスキームで、事業者さん、オーナーさん、土地の持ち主さんに補助をする仕組みというものを幅広く取り入れております。
 特に都市型軽費老人ホーム、これはたまゆらを契機として都市型の軽費老人ホームとして平成21年度からスタートしましたけれども、こちらの補助単価、最大で1床あたり500万円というような手厚い補助を予定していまして、普及促進を図るということです。
 ?では、土地を確保するための定期借地権の一時金に対する補助の実績、都有地を活用する場合、これは50%減額してお貸しするというような仕組みですけれども、これまでの実績などを踏まえて記載してございます。
 その次の資料「在宅サービスの充実」。もちろん、そのサービスも同じですけれども、在宅サービスに資する支援を行っています。東京都は広域的自治体でございますので23区と多摩地区と26市等に対して都として支援するということで、包括補助事業ということで先駆的な事業につきましては経費の10分の10を都が負担するという支援の仕方でございます。代表的な事例を掲げてございます。
 最後の資料ですけれども、見守り体制。特に都会でのきずなの薄さをよく指摘されますけれども、見守り体制の充実に向けて東京都なりの考え方を整理し、支援をしているというものでございます。
 きょう資料にはつけてございませんけれども、多分この検討会の今後の議論の方向になるでしょう大都市と地方との人の行き来みたいなところでは、東京都は3年前に、いわゆるふるさと特養勉強会という自主的な検討会でして、地方の自治体の方から大都市の方を積極的に特養老健で受け入れたいという御相談をいろいろ受けていたものですから、勉強会という形でいろんな課題を整理してみましょうということで、関係の自治体の担当の方にお集まりいただいて検討した経過がございます。その辺の状況につきましても、おいおいまたお話をしていきたいと思います。
 以上でございます。
○大森座長 ありがとうございました。
 では、大阪市さん、お願いします。
○大阪市 西嶋委員代理 大阪市です。
 大阪市は1枚物だけの資料でございまして、今後必要な資料はおっしゃっていただきましたら提出していきたいと思っております。
 大阪市の概要ですけれども、昼間人口が非常に多いという状況で、その中で高齢者の人口ですけれども、平成19〜23年まで6.6%の増ということで、現在、ここには23年度59万4,000となっていますけれども、現在59万8,800少しで、約60万人というような状況でございます。
 少し飛びますけれども、一番下のひとり暮らしの高齢者を見ていただきますと、大阪市の特徴といたしまして、全国平均よりかなり高く大阪市はひとり暮らし高齢者が多い。41.1%がひとり暮らしであるという状況でございます。
 要介護認定もそうなのですけれども、その上の認知症高齢者の方も非常に多くなってきているということで、高齢化率の6.6%に比べまして、認知症の率は23.1%という高い伸びとなっております。現在、大阪市は認知症疾患医療センター3カ所と連携をとりながら認知症対策をやっているという状況でございます。
 要介護の認定率が非常に高いということでございます。大体全国平均が17.6%でありますが、大阪市は22.5%と介護認定率が高い。当然そうなりますとサービスを受けますので給付費が増大する。したがって、保険料も高くなっていくということで、現在の第5期の保険料は、大阪市は5,897円という非常に高い、もうこれ以上は高齢者にとっては非常に難しいという状況になっております。
 あと大阪市は非常に低所得者層が多いということでございます。これにつきましては、第1〜第3段階、非課税世帯でございますけれど、大阪市では48.9%という非常に低所得者の高齢者の方が多いという状況がございます。
 大阪市の特に大きな問題点というのは、独居高齢者、単身の高齢者、やはり認定率が非常に高いということ、低所得者の方が多いということでございます。それとひとり暮らし高齢者に関係をいたしますけれども、介護サービスの種類をいろいろ調べてみますと、訪問介護が非常に多く出ております。これは大阪市の特徴だと思います。全国で9.8%のところが大阪市は24.2%と訪問介護が一番多い。逆に、通所の施設ですけれども、通所介護につきましては全国平均が16.4%に対しまして、大阪市は12.1%ということで、逆に今の在宅のところに介護の方に来ていただくという希望が多いということでございます。大阪市の大きな特徴というのはそういうことでございます。
 あとは参考までに少し資料をつけておりますけれども、また詳しい資料につきましてはおっしゃっていただきましたら提出していきたいと思いました。
○大森座長 ありがとうございました。
 では、名古屋市さん、お願いします。
○名古屋市 松雄委員 名古屋市でございます。
 私ごとで恐縮ですけれども、平成10年、11年、12年と介護保険の準備を国の方々と一緒にやらせてもらいまして、その後、総務局という局に行きまして、河村市長と議会とけんかしながら市政の改革をやってまいりましたので、久しぶりに福祉の現場で熱い議論ができるということを大変うれしく思いましてありがたいと思います。
 私どもの資料を少しごらんいただきますと、名古屋市も高齢化の状況というのは同じような状況でございます。右のグラフの一般会計に占める健康福祉費の割合をごらんいただきますと、非常に急速に右肩上がりになっておりまして、やはり財政の硬直化が進んでいるといったようなことがございます。
 ただ、老人福祉の割合を見てみますと、平成9年から下がっておりまして、むしろ都市部というのは生活保護とか待機児童の問題とかに福祉のお金を非常によく使っているというような状況が見ていただけるのではないかと思います。
 3ページ、名古屋市の介護保険の状況でございます。要介護認定、保険給付、事業者の数、平成12年のところからすればほぼ3倍ということになってございます。ただ、私も介護保険制度の準備にずっと携わってまいりましたので、部下職員には介護保険をこれから見直していかなければいけないのは老健局長さんがおっしゃられたとおりなのですけれども、悪く言うなと、要するにこの制度が何かお荷物だから見直さなければいけないと言いますと非常にやる気がなくなるから、いい制度だから、これを大切に育てていこうという観点で物事を考えてくれということを申し上げておりますし、事業者さんにも本当にここまで国民が受け入れるようなサービスを提供していただいたおかげであるということをお話ししながら、また見直す時期が来ますので、このことについてはぜひよろしくお願いしたいというスタンスで名古屋市は取り組んでおります。
 最後のページが名古屋市の高齢化に関する課題ということで、各都市さんと同じでございますが、これからも介護の基盤の整備はしていかなければいけないと思っておりますが、一方で、介護保険料も基盤が整備されれば高くなってまいりますので、とりわけ低所得者対策については国と一緒になって考えていかなければいけないと思っております。
 久しぶりに介護の現場を回っておりますと、やはりおじいちゃん、おばあちゃんをよっこいしょとベッドに上げるとかという大変厳しい状況だなと思っておりまして、名古屋というのはものづくりの産業でございますので、介護のロボットということについてはぜひ名古屋でやらせていただきたいというようなことを思っておりまして、今、理化学研究所とも連携をしながら、産業と一緒になることによって楽にできるような方法がないのかということを模索いたしております。
 地域コミュニティーの再生、高齢者の生きがい施策についてはほかの都市さんと一緒のことでございまして、名古屋も非常に大都市と言いながら、地域のつながりが深いところでございますけれども、それでも地域のコミュニティーは崩壊をしているといったような状況がございます。ただ、大森先生は御存じかもしれませんけれども、河村市長が地域委委員会というような制度を地域に持ち、もう一回地域の中で地域のあり方、意思決定の仕方を見直そうということで、今、名古屋は地域にどんどん入っていっておりますので、ここと少し連携しながら、あるいは高齢者だけの問題に捉われることではなくて、やはり若い学生諸君という方とも一緒になって地域の再生ができるようなモデルができないかといったようなことを取り組んでおります。
 その上で、横浜市の局長さんからお話のありました生き生きポイントというのは、非常に我々としても研究しなければいけない制度と思っておりまして、高齢者にボランティアをやれやれと言ってもなかなかやれないものですから、もう少し遊び心ができるような仕掛けを我々としては考えていきたい。ぜひ横浜市さんに勉強させていただきたいと思っております。
 災害時の要援護高齢者の対応についても非常に大きな課題と思っておりまして、私どもも陸前高田というまちを丸ごと支援させてもらいましたので、被害の状況、大災害が起こったときの状況というのは非常によくわかった、勉強させていただいた自治体でございます。南海トラフの問題も非常に大きいことがありますので、個人情報保護の壁をぶち破って、どうやったらその地域の中で要援護者の方々を守ることができるのかということを今も防災部門と連携しながら取り組んでいるというようなことでございます。
 認知症の問題についても同じような形で地域に入り込んで、何からモデルをつくりたいかというようなことで思っております。よろしくお願いします。
 以上です。
○大森座長 ご苦労様でした。ありがとうございました。
 では、世田谷区、お願いしましょう。
○世田谷区 秋山委員 それでは、1ページからお願いします。世田谷区は国政調査で人口約88万人のうち高齢者人口16万3,000人、下のグラフを見ていただきますと後期高齢者が今は8万人弱なのですが、将来的には2万人ほどふえるだろうという予測になっております。
 2ページ、要支援・要介護度別の割合を表にしたものです。24年度で3万3,363人がいます。認定率約20%。このうち認知症が約1万8,000人で、3万3,000人の約半分以上が認知症高齢者で、これは認知症高齢者に対して今後何とかしていかなければならないと思っています。
 この20%というのは、前期高齢者は65〜74歳までは4.3%にすぎないのですが、後期高齢者になると35%ということで、後期高齢者に対する支援が必要だというような表になってございます。
 3ページ、これは特別養護老人ホームの入所希望者数です。約2,200〜2,300人、ほとんど変わっていません。私どものほうは特別養護老人ホームにつきましても在宅入所相互利用というものをやっておりまして、これは7ベッドしかないのですが、2〜3カ月入所をして、元気になってまた在宅に戻す。また在宅でちょっと具合が悪くなれば特養に入れて元気になって戻すということで、在宅入所相互利用の制度を持っておりますので、それを利用して支えています。
 この下が認知症高齢者グループホーム等の定員数を書いておりまして、世田谷区の特徴といたしまして、有料老人ホーム、住宅型を除く定員数が3,646ございまして、この中で区内の要介護の利用者は約1,278人がこの中で入っているというような状況で、有料老人ホームにも支えられているというような現状がございます。
 4ページが世田谷区の特別養護の整備率で、0.83%。いつも言われておりますが、区部平均1.09%に満ちていないというような状況がございます。
 5ページは、地域密着型サービスの整備状況を書きました。この中で世田谷区の特徴といたしましては、上2つです。定期巡回・随時対応訪問介護看護と、夜間対応型訪問介護です。
 これにつきましては、6ページにこの2つだけ抜き出ししてございます。うちの特徴といたしましては、在宅で最後まで生活をしようということで、みとりの部分も含めまして在宅生活を重視している。そのために特別養護老人ホームの在宅入所相互利用も使いながら、定期巡回・随時対応をやっているというような状況です。世田谷区は、6月現在38人となってございますが、23区で312人の中の1割強が世田谷区で利用している。定期巡回・随時対応型訪問介護看護につきましては、後ほどこの資料の一番後ろのページにパンフをつけてございますので、後でごらんください。
 これと一緒に今やっておりますのが?夜間対応型訪問型介護のところで、ここが439人です。夜間対応型と定期巡回で何とか500人の人たちを支えることができると思っておりまして、特養をつくっていくのか、こういうものを充実していくのかというのにつきましては、もちろん特養ホーム必要だとは認識していますが、できるだけ在宅で支えるということで、こちらのサービスの充実を図っていきたいと考えております。
 (8)で課題と書いておいたのですけれども、今後もし、ここの中で議論があるとするならば、○の2つ目です。介護基盤緊急整備等特別対策事業は大変有効でありがたいと思っているのですが、年度内竣工ということがあって活用が難しいこと。
 一番下の○は、社会福祉法人の資産所有義務付が短期入所や小規模多機能型居宅介護などについては認められていないということで、要件緩和をぜひお願いしたいと思っているところが課題です。
 7ページ、ここは後でごらんいただければと思います。世田谷区の特徴として、地域の支えあい活動が物すごく盛んに行われている地域ですので、ふれあい・いきいきサロンとか支えあいミニデイという実績を載せておきました。配食サービスについては大変重要なサービスだと思っているのですが、延べ数は減り続けておりまして、今コンビニが美味しい食事をつくり出した、業者がいろいろ回って配達もしているということをどのように整合性を持たせていくかというのは私どもの課題だと思っております。
 最後になりますが、8ページが福祉人材の確保についてでございます。福祉人材の確保についても、かなり力を入れてやってきています。この(2)ですが、福祉人材育成における現状と課題ということで、今私どもがやりたいと思っている主任介護支援専門員の養成研修であったり、認知症介護実践等の養成研修であったり、それは(実施主体が)都道府県知事ということになってございまして、世田谷区の場合は東京都さんが実施してくださっているということがございますが、東京都さんはやはり対象人数が多いということもありまして、できれば地域密着型のサービスである認知症などは地域密着型の保険者である私どものほうに任せていただけたらありがたいなと思いつつ、課題として書き込みました。
 9ページは、先ほど言った24時間の定期巡回ですので参考に見ていただければと思います。
 私からは以上です。
○大森座長 ありがとうございました。
 昨年、三菱総研で高齢者居住を中心にした自治体間連携に関する調査をいたしまして、私もそのメンバーの一員だったのですけれども、そのときに取りまとめの中心になりました奥村研究員に来ていただいていますので、ざっと御説明をお願いします。
○三菱総研 奥村氏 それでは、資料16、今、大森座長からありましたように、昨年度、厚生労働省の社会福祉推進事業で行わせていただいた調査の概要を御報告させていただきます。
 こちらの調査の背景としましては、今回のテーマと同様なのですけれども、大都市部で近い将来予測されております高齢者の急増、急激な増加がございます。この問題に各自治体が単独で対処を果たしてできるのか。逆に、地方部の自治体ですと、人口減少で過疎化という別の人口の問題を抱えている。この都市部の地方自治体と地方部の自治体で連携することがこの問題の解決の糸口になるのではないかということでスタートいたしました。
 2ページ目の上、事業スキームのイメージで自治体連携のイメージということで載せさせていただいております。
 介護だけではなくていろいろな問題、分野の解決が図れないかということでスタートいたしました。先生、今おっしゃいました研究班ということで大森先生、大杉先生を含めまして計9名の学識経験者の御議論をいただき、あと3ページ目にございますように自治体ヒアリング、自治体アンケート。アンケートは全国の全市町村、都道府県に行わせていただきました。
 4ページ目、自治体ヒアリング調査の概要でございますが、こちらは今いろいろ御報告があったものとかぶりますけれども、やはり大きな問題は特養需要が急増して、自治体内での施設整備が困難になっている。例えばここで杉並区さんの例を申しますと、小中学校の統廃合によってそういった跡地を利用できないかということも検討されたそうですが、杉並区さんですと児童生徒数もさほど減少しておらず、その土地もなかなかないという中で、緊急性の高い人に限っても対象者が1,000人を超えるという状況の中で、仮に1,000床の特養をつくるとしたときに必要な用地が5万平米必要で、その用地取得に200億円かかるということで、施設を整備しようと思った場合、現実的にその中で全部賄うのは難しい。そういった問題が幾つかの区さんで挙がってきた。特に杉並区さん、豊島区さんですと、どちらも共通していることとしまして、区外に区有地を所有していまして、杉並区さんですと静岡県の南伊豆町、そういったところでの連携が俎上に上ってきておりました。
 一方、受け入れ側といいますのは、どちらかというと地方部でございます。こちらのほうでの連携のニーズということですが、まず共通しておりますのがおおむね地域の雇用、やはり人口減少過疎化、地域の活力をいかに維持していくかということの中での特に経済的な活力といったところを目的としているところが1つ共通しておるのですけれども、その求める高齢者像ですとか地域活性化面で期待している効果というのはいろいろ多様であるということがわかりました。
 例えば南伊豆町さんですと、もともと杉並区さんと30年以上の地域間交流の歴史があって、そういった中での高齢者だけではなくて入居者の家族による活性化等、あるいは高知県さんですと中心市街地にぎわいづくりですとか、中山間地域対策、産業振興といったところ。かすみがうら市さんは、先ほど御発表いただいたようなところにもかかわるような、CCRC的な取り組み、仕組みを検討されている。また舟形町さんは空き学校、保育所の有効活用といった土地の活用といったこと、幾つかそういった目的が付随している形がございました。
 簡単に5ページの上に地域間連携の推進に向けた促進要因・阻害要因ということでまとめさせていただいております。特にこの中で着目したいのは、送り出し側の阻害要因でございます。局長の最初の御挨拶にもありました地域包括ケアということと地域外での居住といったことをどう整理していくかというところがなかなか自治体の中で整理がついていないといったことが一つございます。
 もう一つが政策スパンの問題でございまして、介護保険事業計画が3年期間で、やはり3年タームで物事を考える、政策を組み立てるといったところが基礎的自治体のところでは出てくる。10年スパンでの人口動向の大きな事象に対して政策をどうつくっていくかというところで一つネックがあるということ。
 3つ目は、特に要介護高齢者に限った事例ではないのですけれども、そうしたときに例えば元気な高齢者が要介護になる前から早めの住み替えをしていくというか、地方で居住をしていくといったときには、当然介護保険部局だけではなくて複数部局、例えば産業振興ですとか、地域間交流といったところとの壁を越えた形での一体的な取り組みが必要になってくるので、そのあたりの地方の体制といったところで課題があるといった幾つかの阻害要因といいますか、課題が浮き彫りになってまいりました。
 6ページ目はアンケートの結果をかいつまんで、下は送り出し希望のところが特に特養の不足感が高いですとか、高齢者移住の意向ということで、受け入れ規模と多くは地方部ですけれども、広めにとっていますが、全国の自治体のうち大体16%が受け入れを希望している。逆に送り出し希望は5%ということで、必ずしも送り出し希望は都市部だけではないということが見えてきました。こういう形で受け入れ希望と送り出し希望の需給のギャップというのが少し見えたところでございます。
 7ページ目、受け入れは地域活性化を特に希望している。ただ、8ページ目にございますように、受け入れ側としては、悩みは医療介護費用の負担増加というのが懸念されるということ、また例えばこれは特に就労等希望者ですけれども、受け入れても雇用の場を十分提供できないのではないかといった懸念が挙げられています。
 8ページの下、マッチングの可能性ということで送り出し側が希望する先ということでいきますと、1つは距離が近いということで、ヒアリング等でもありましたが、大体時間距離で1〜2時間ぐらいの距離の連携といいますか、移住といったところが一つ現実的だというお答えもありましたし、また一方で、交通の便利な地域とか医療機関や商業施設の利用が便利な地域ということで、それなりに地方部でもある程度インフラですとか行政サービス等が整った地域との連携が希望として挙がってきているのかなと思います。
 11ページにありますように、必ずしも高齢者だけではなくて若年層も含めた定住促進ですとか、移住者の医療費等の行政負担分の支払いといったところを送り出し地域、自治体に受け入れ先の自治体が希望しているといったところがございました。
 あと12ページ、送り出し希望地域が行えること、受け入れ希望地域先が行えること、それぞれが挙げられています。
 実際いろいろ見てみるといろいろなパターンの自治体間連携が見えてきました。それを一つ整理しているのが13ページ以降でございます。
 まず、1つ目、主に介護サービス利用者のみを対象とした形での連携でございます。特に受け入れ地域のメリット、デメリットに着目して見ますと、メリットとしましては、介護需要が増大して介護サービスの事業所がふえ、雇用の創出が図られるということがございます。
 また、デメリットとしましては、地域内で供給基盤が整わなければ周辺の介護サービスの供給に影響を与えるといったところがございます。一方で、就労等希望者については、心身ともに元気でまだ働きたいと考えている方々の移住を考えた場合、メリットとしましては、地域コミュニティーの活性化ですとか、地域経済の活性化、税収の増といったところ。デメリットとしましては、逆にそういった働く場というのを提供できないとなかなかうまく進まないといったところがございます。
 一方で、介護サービスの利用者と就労等希望者の両方を含めた形での域外居住といったことを考えたとき、メリットとしましては、元気なうちから地域コミュニティーに溶け込んでいけるということ、デメリットとしましては、就労等希望者が移住後に要介護状態になりますと、介護保険財政が受け入れ側の負担になってしまうというところがあります。
 また組み合わせ方もいろいろ多様でして、まず、杉並区さんと南伊豆町さんのように「1対1」の組み合わせがございます。このケースは両地域に歴史的なつながりがあって地域間交流の歴史があるといったところでは比較的進みやすいと思われます。また、15ページ、「1対多」ということで受け入れ先が一自治体、送り出し先が複数の自治体です。あるいは、その逆のパターン、「多対1」のケースも想定されます。もう少しいろいろな形での組み合わせとしては「多対多」があります。基本的には移住というのも移住する高齢者自身の選択の結果ですので、多様な場を用意することが重要であり、「多対多」は居住の選択肢を広げられるメリットがあります。
 昨年度、このような形でいろいろ議論したのですけれども、まだこの問題に着目して検討を始めたばかりというところが正直なところでして、今後検討を深めるための視点が幾つか見えてきたといった段階でございます。どういった視点が見えてきたということを少し整理してみます。
 16ページの下、1つは、自己完結型の行政運営の限界が見えてきたのかなと思っていまして、それぞれの地域が地域を超えた形の行政運営の仕組みを構築するというのも一つですし、また、行政と行政が組むという形もありますが、行政だけではなくて民と官ですとか公ですとか、あるいは住民と行政といった形で連携、つまり自治体と自治体の連携以外のアプローチというのもあるのではないかといったこと。
 また、17ページ、幾つか杉並区さんですとか舟形町さんですとか、既に取り組みの検討を進めている地域を積極的に後押しして、まずは実績をつくっていくといったことが重要ではないかですとか、特に受け入れ側のほうがニーズが高いということがございました。ですから、受け入れ側の整備を図るための仕組みづくりや気運の醸成をまず展開すべきではないか、あるいは、産学官の連携を促進したり住民主導でこの取り組みを進めたりしていくことが重要ではないかということ。または、まずは高齢者の移住のニーズをしっかりと把握することが大切である等、5点ほど展開の方向性としてまとめさせていただいております。
 済みません、長くなりました。以上でございます。
○大森座長 ありがとうございました。
 これから意見交換なのですが、今後のことについても御相談しておかなければいけませんので、企画官から今後のことについて御報告いただいた後、時間ぎりぎりまでもし御意見があれば伺うということにいたします。
 では、企画官、お願いします。
○林企画官 ありがとうございます。資料3と4に戻っていただいて恐縮です。1枚紙がついております。
 資料3は、この検討会で今後主にどういったことを議論していただくかというたたき台でございます。資料1にも書いておりましたが、少し細かくしています。1つ目が都市部の高齢者の見通しを立てていくということで、今、いろいろ委員のプレゼンにもあったようなこと、必要性を議論してはどうか。
 2つ目は、都市部でのサービス提供確保方策の検討ということで、ここに書いているような互助も含め、民間サービスも含めた活用可能性と促進方策。また都市部での特養、居宅サービスの整備の課題と推進方策。幾つか規制緩和の要望などもありましたが、そういったことも念頭にあります。
 3つ目の柱としては、地方での高齢者の受け入れというものの課題と対応策の検討ということで、CCRCの取り組みの御紹介などもありましたが、高齢者を地方で受け入れる場合のモデルの提供、あるいは杉並−南伊豆の話は今の報告でもありましたが、そういった事例を横展開することについて。
 あと介護の社会保障費用ということで受け入れ側は社会保障費用を始め負担の問題が出てきますので、例えば住所地特例の適用範囲の課題、こういったことなどがあるかと。これをさらに加えていったりする必要があると思っています。
 資料4でございます。今後の進め方の御相談、一つのたたき台でありますが、次回、これは委員の皆様方の日程を勘案して、恐縮ですが6月13日の夜ということで進めさせていただきたいと思います。
 次回は、今日おいでいただけなかった大杉委員と鎌形委員は出席可能と今のところお伺いしていますので、プレゼンをいただきたいと思います。加えて、これは去年の今の三菱総研から御報告いただいた研究会でもヒアリングをしておりますが、国際医療福祉大学の高橋泰先生を呼んでヒアリングしてはどうかと思っております。
 また、地方自治体もヒアリングしてはどうかと思っておりまして、これも去年の三菱総研の研究でもお呼びしていますが、名前は書いていませんが、例えば杉並区でありますとか、豊島区でありますとか、南伊豆町でありますとか、高知県、かすみがうら市、舟形町、あと地域包括ケアに最近力を入れて取り組んでいる柏市なども候補に挙がると思っております。こういったところ、都市と田舎とお呼びしてはどうかと思っております。それをもとに意見交換してはどうかと思います。
 あと月に1回ずつ程度開きたいと思っておりまして、7月はサービスや支援の提供者からのヒアリングを意見交換してはどうか。
 8月、9月で意見交換をして9月ぐらいにはまとめるというような、7月以降はざっくりでございますが、こんな形でどうかというたたき台を御用意させていただいております。
 以上です。
○大森座長 ということだそうですが、残っている時間は余りありませんけれども、お互いに何か質問しておきたいということがあるかもしれませんが、何かこういうことをやったらどうかとか、検討すべき事案について御意見があればきょう伺っておきたいと思います。どなたからでも結構です。
○熊坂委員 この検討会に政令指定都市の福祉の責任者が入っているというのはとても大きな意義があると思っております。非常な危機感を持っておられるというのがわかりました。ぜひその危機感に対してどういったことをやろうと思っているのかということを政令指定都市の皆さんから次回はぜひお聞きしたいと思います。皆さんの危機感は伝わりましたけれども、その次がなかなか見えなかったように思います。
○大森座長 大阪市さんは、大阪市がなくなるという最大の危機に直面しているので悩ましいかなと思っていますが、この検討会が終わるまでは大丈夫ではないかと見ていますが。
○大阪市 西嶋委員代理 次期計画のためには、今年度、高齢者の実体調査をしなければいけない。そうしないと来年度計画が立てられない、保険料も決められないということで、今回は調査をかけるのですけれども、24区大阪市はございまして、それらを無作為に抽出しますけれども、それぞれの区の特色、区によってはかなりいろんな地域事情の違いがありますので、それも把握するような調査をして、今後の法定協議会で大阪市の存続がいろいろあるわけですけれども、調査を実施していく予定でございます。
○大森座長 なるほど。行政区の単位で少し情報があれば伺う。
 どうぞ。
○高橋委員 これは多分未来志向の研究会だと思うのです。2020年なのか、2030年、2040年を踏まえてどういうことを考えているか。そうなりますと、特別養護老人ホーム待機者問題がいつも出てくるのですが、実は特養の機能も将来5〜10年かけて変わるはずなのです。とりわけ認知症の問題が焦点になったときに施設機能の再編が必要になると考えます。それから、きょう、馬場園先生もお話になったCCRCと言っているのは、私は地域包括的支援拠点などと、日本語化をしてほしいと思っているのです。横文字だと何が何だかわからなくなりますので、ぜひ先生から御提案いただきたいと思います。
せっかく小学校の跡地を活用するとしたら、既存施設を単にハコのようにぽんぽんとつくるのではなくて、相互に協働しながら、施設を利用する100人の高齢者と同時に地域への出前サービスによって施設入所者の何倍もの在宅の高齢者を支えられるような仕掛けをセットでつくるとかという発想がこれから絶対必要です。
 そういう意味では、今の時点は現行制度を前提として計画を立てざるを得ないのだけれども、その裃を脱いでいただいて、本当はこういうのがあるといいのだという御提案を現場の行政の責任のお立場からしていただく必要があります。そうすると、それを実は都道府県が邪魔しているという節もありますし、政令指定都市は、逆に見ると権限を移譲できているから相当動けるとか、そういうことを含めた、議論をしていただくとすごくプロダクティブな話になると思いましたので、ぜひご検討ください。
○大森座長 いいご意見だと思います。
 どうぞ。
○馬場園委員 高齢者のケアの問題は、やはりハコモノだけではなくて医療とか介護あるいは予防を含めて考えないといけないと思うのです。今、多くの高齢者が病院で亡くなっていますけれども、胃瘻をつけている高齢者が26万人いると推定されています。その9割の方が認知症もしくは多発性脳梗塞ということですので、必ずしも自分の意思にそったケアを行ってもらっていないかもしれないという状況があります。高齢者になったら医療費がかかると言いますけれども、適切な医療を行えば、要するに本人が人生を統合できるような医療を行えば、必ずしも医療費をたくさん使うことにはならないかもしれません。ただし、適切なシステムを作らずに地方に都市部の高齢者を返しても社会的入院はなくならないかもしれません。地方で高齢者の受け皿をつくるにしても、予防・介護・医療を統合した高齢者が望むケアをするというような理念とソフトの仕組みセットが必要だと思います。
○大森座長 ほかにございますか。
○横浜市 岡田委員 今回は都市部の高齢化の急速な進展ということがテーマになっていまして、いかにそれを支えるか。特に施設系のサービスと在宅系のサービスをどこまで整備するかという考え方だと思うのですけれども、私は、一方で、私は支えられる人、私は支える人みたいな形で、その辺の区分をこれからはやはり変えていかないといけない。今のまま、いわゆる15〜64歳までの稼働世帯が全部支えるというのは基本的には不可能なのではないかということを考えています。そうなったときに、高齢者の方も現役とは言わないですけれども、それに近い、働き方を支える方として考えていく必要があるのではないかと思っています。
 以上です。
○大森座長 いいご意見だと思います。
 どうぞ。
○東京都 中山委員 この検討会のスケジュール的なところがよくわからなかったのですけれども、先ほど高橋先生は将来のあり方を検討する場みたいなイメージでおっしゃいましたが、そういうスタンスなのでしょうか。それとも9月に何か取りまとめて、直ちに政策というか方針として打ち出していくものなのか、その辺がはっきりしないものですから、それによって議論も大分変わるのではないでしょうか。
○大森座長 そうですね。
○原老健局長 一つは、仮に法律改正みたいなものが当面の対応として必要であれば、次の制度改正のスケジュールを考えますと、この後、社会保障審議会介護保険部会にもお諮りしなければいけませんので、そういう意味で、とりあえず9月ぐらいまでには意見を取りまとめていただきたいと思っています。
 ただ、一方で、私は最初に挨拶の中で申し上げましたように、この話というのは次の第6期のことだけ考えても多分結論が出ない。もっと中長期的な観点で物事を考えていかないといけない。そういう意味では、高橋先生がおっしゃったような未来志向も多分出てこざるを得ないのだろうと思うのです。そういう中で、このタイムスケジュールでそこまで議論できるのかとかいろいろあろうかと思いますけれども、議論がその辺でもし足りなければまた続けても構わないと思っております。とりあえずはそこはどうぞ委員の皆様方自由に、別に何か次の改正のことだけ考えなくてもいいと思いますし、先のことも含めて御意見を言っていただいて、その上でどういうふうに意見整理していくのか、この検討会を進めていくのかはまた考えていきたいと思います。
 9月末と言っているのは、とりあえず次の介護保険制度改正の取りまとめのことを考えますと、9月が1つあるのかなということでございます。
○大森座長 ということだそうです。とりあえずそうなるのではないでしょうか。余り射程が長過ぎてしまってその議論だけでは困りますので、具体的に特に大都市の現在の危機というか困難に対して、長期的な視点で見ても、ここは一歩踏み出るべきではないかというような、何か具体的なことができていないと局長は困るのではないかと思います。それをまとめていかなければいけないかなと思っています。
 もう8時ですので、私は時間の管理をする役割ですので、これで終わりにいたしたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
 短期間ですけれども、集中的にいろいろ御意見を出していただいて、とりあえずいい報告書をまとめたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日は以上でございます。ありがとうございます。
○林企画官 きょうはありがとうございました。
 次回は、スケジュールの案にありましたような形で、今、御提案させていただいたような形で幾つか調整がつきましたら自治体の方々を呼びましてまた意見交換をしていただければと思っております。
 次回、6月13日の18時から、場所は追って御連絡しますが、また夜になって恐縮でございますけれども、御協力いただければと思います。
 今日はどうもありがとうございました。


(了)

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