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2013年4月15日 第19回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成25年4月15日(月)13:00~15:00


○場所

厚生労働省12階 専用第12会議室 


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員、西沢委員

○議題

○平成24事業年度の業務実績に関する評価の進め方等について
○平成25事業年度における業務運営に関する計画について

○議事

○事業企画課長
 定刻になりましたので、ただいまから社会保障審議会日本年金機構評価部会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、本日も大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、委員の出欠状況ですが、本日は全ての委員に御出席をいただいております。ありがとうございます。また、先般、委員の皆様方からあらかじめ御了承いただきました、本評価部会の下に設置をされた「年金記録問題に関する特別委員会」が3月26日に開催されました。机の上に「第1回年金記録問題に関する特別委員会 資料1-1」を置かせていただきました。この場を借りて、御報告を申し上げます。設置の趣旨、委員会の名簿については、資料をお目通しいただければと思っています。よろしくお願いいたします。
 ここで、前回の部会以降に厚生労働省及び日本年金機構の人事異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。厚生労働省年金局大西事業管理課長、同じく山崎システム室長、日本年金機構水島理事長、同じく深田事業管理部門担当理事です。カメラは、ここで退室をお願いいたします。
 議事に入る前に、私から一言御報告をしたいと存じます。先週末から、時効特例給付に関して日本年金機構における業務の取扱いに、一部不統一があるという報道が出ています。本件については、明日16時から開催される予定の総務省の年金業務監視委員会において、調査の結果と併せて機構及び厚労省の対応の方針について御報告をする予定です。そこで御議論をいただくことにしております。大臣からも業務監視委員会での御議論を踏まえて、速やかに対応するようにという指示を私どもも受けています。本件業務の不統一があったことについて遺憾でございます。申し訳なく思っております。改めて緊張感を持って、業務に取り組むように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。引き続きまして、水島理事長からも一言お願いいたします。

○日本年金機構理事長
 この場をお借りいたしまして、一言申し上げたいと思います。時効特例給付業務に関しては、今、八神課長からお話がありましたとおり、報道がなされております。私としても、懸案事項として引き継ぎを受けております。この重要性は強く認識をしておるところです。今般、本件業務の不統一が判明をいたしましたことについては誠に遺憾でありまして、申し訳なく思っております。当機構としても、厚生労働省の御指示、御指導の下、速やかに是正措置をはじめ、対応策を講じますとともに、時効特例給付だけでなく、機構の業務全般について国民の信頼を損なうことがないよう、改めて緊張感を持って全力で取り組んでまいりたいと考えております。どうか、よろしくお願いを申し上げます。

○事業企画課長
 部会長、よろしくお願いをいたします。

○本田部会長
 これについて、我々は率直に申し上げてよく分かっていませんので、そこについては然るべきタイミングで是非委員の皆さんにもどういう内容であったかご報告していただきたいと存じます。よろしくお願いします。
 議事次第に沿って、ただいまから評価部会を進めます。本日の主な議題は議事次第にありますように、1つ目は「平成24事業年度の業務実績に関する評価の進め方等について」です。平成24年度が終わりましたので、その評価を例年どおりやるときの基準等について、今日御審議いただきたいということです。
 2つ目は、「平成25事業年度における業務運営に関する計画について」です。この議題では、日本年金機構より、先般策定した平成25年度計画について、部会に御報告いただきます。それでは、1つ目の平成24年度の業務実績に関する評価の進め方等について、まず事務局から評価の進め方や評価の基準案について御説明を頂きました後、委員の皆様から御意見、御質問等をいただきたいと思います。それでは資料の説明をお願いします。

○事業企画課長
 お手元の資料1-1から資料1-4までが、平成24年度の業務実績に関するものです。まず資料1-1「平成24事業年度の業務実績に関する評価の進め方等について」で、本日の位置付け、今後のスケジュールについて御説明を申し上げます。御審議いただきたい事項です。今日は、日本年金機構の平成24事業年度の業務実績に関する評価の基準、どういった視点から評価をしていただくかについて御審議をいただくということで、後ほど資料1-2あるいは資料1-3に基づいて御説明をいたします。
 今後のスケジュールを御覧いただきますと、今日開いたあとは7月下旬ごろまでの間、4回ほど御審議の日程を取りたいと思っております。7月中には、平成24年度の評価を終える形でお願いしたいと思っております。6月上旬ごろ、第20回評価部会とあります。これについては、日本年金機構の現在の中期計画期間におけるこれまでの実績について御説明、御審議をお願いしたいと思います。これは、今年度いっぱいで今期の中期目標・中期計画期間が終わります。次期の中期目標を本年秋以降に御審議いただく予定ですので、それに備えたものとして平成24年度に限らず、中期計画期間における実績についての御審議をお願いしたいというのが6月上旬です。
 6月下旬からは例年と同じペースですが、第21回の評価部会を開催し、この際に日本年金機構から実績報告書(案)の御説明をいただき、議論をいただきまして、それを踏まえて6月末ごろに日本年金機構から実績報告書を提出していただく。7月中旬には第22回評価部会として、その実績報告書を踏まえて厚生労働省の事務方の評価のたたき台というものを出させていただき、それについて説明、御審議いただく。その上で、7月下旬ごろに第23回の評価部会ということで、平成24年度評価の諮問・答申をいただくといった段取りで開催をしたいと思っております。6月下旬からの3回は、例年と同様のものです。以上のスケジュールを踏まえて、資料1-2、資料1-3に基づいて、評価の基準の案の御説明をしたいと存じます。
 資料1-2「日本年金機構の平成24事業年度の業務実績に関する評価の基準(案)」です。平成23年度をベースとして修正と、平成24年度の計画に基づいた修正を加えたものとお考えいただければいいと思います。
 2.は、「平成24事業年度に係る業務の実績に関する評価」で、平成24年度計画に掲げた項目ごとに行う個別的な評価、業務実績全体の状況について行う総合的な評価の2つを併せて行っていただくということです。最初に個別的な評価です。個別的な評価は、平成24年度計画の個別項目ごとの進捗状況についてお願いをするということです。以下、1~6ページの間、四角枠囲みに書いてあるのが評価の視点です。これについては、ホッチキス留めをしている資料1-3で、主な事項の御説明をしたいと存じます。
 資料1-3の見方ですが、今から私が御説明する評価の基準、評価の視点といったものは一番右の欄です。左から中期計画、23年度計画、平成23年度評価基準、平成24年度計画、平成24年度評価基準案とある一番右欄です。平成23年度の評価基準と比べて、変わった点についてはアンダーラインが付してありますので、そこを特に今日は御説明の中心に置いていきたいと思っています。
 平成24年度評価基準案です。幾つかの項目がありますが、大きな項目として「年金記録問題への対応に関する事項」です。以下(1)から(5)まで、様々な記録問題について少し横串にした形でまとめています。平成23年度の評価基準も、同じような考え方になっています。(1)のねんきん特別便、ねんきん定期便各種解明作業に基づく「年金記録の確認のお知らせ」ですが、平成24年度計画の欄の(2)の未送達者に対する再送付の回答に係る記録確認作業を進めるといったこと、平成23年度と比べて、未送達者に対する再送付の回答云々とあります。こういった計画に位置付けられた事項を評価基準の視点にも加えて評価をしていただくという書き方をしています。記録解明については、1つは未送達者に対する再送付の回答に係る記録確認作業等を進める。(2)の紙台帳とコンピュータ記録の突合せについて、受給者の突合せを進める、通知作成等の体制強化を行うといったことについて、そういう視点から御評価をいただければということです。3番目の「ねんきんネット」に関しては、「ねんきんネット」の情報提供の充実、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」を1月からスタートしています。これについての取組を進めたかといったことを記載しています。少しお時間の関係で端折ってまいりますが、年金記録問題に関しては6ページまで並んでいます。
 7ページです。大項目としては、記録問題の次に「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」です。提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というのも、適用、収納、給付、相談、お客様の声、電子申請といった幾つかの項目に分かれています。適用については、前年度を踏襲した視点となっています。
 8ページの(2)に「厚生年金保険・健康保険・船員保険の適用の促進」とあります。適用の関係で申しますと、アンダーラインの「特に未適用事業所の正確な実態把握に努め、加入指導等を実施したか」と、計画に位置付けられているこういったことを視点に加えて御評価をいただければということです。
 11ページを御覧ください。業務の質の向上の関係の2つ目の項目になります。「保険料等収納事務に関する事項」というところでは、収納対策強化指定年金事務所の進捗管理の強化等に取り組んだかという視点を加えています。
 少し飛びますが、16ページ、業務の質の向上に関しての3つ目です。「給付事務に関する事項」で、事務処理の誤りを防止するための措置を行ったかということを視点として加えています。
 17ページの「相談、情報提供に関する事項」として、平成24年度の計画に書いている難易度の高い相談対応については、基本的にスキルを持った正規職員で対応する体制を計画的に構築する、といったことを評価の視点として加えています。
 25ページの一番右下の業務の質の向上という観点で、5つ目の「お客様の声を反映させる取組に関する事項」ですが、前年度を踏襲した形で書いています。
 28ページは業務の質の向上の6つ目で「電子申請の推進に関する事項」です。電子媒体申請の対象届書の拡大、広報・普及啓発、事務処理の効率化を図るといった視点。
 29ページは昨年度は検討でしたが、国民年金関係届書等の電子媒体化の実施に向けた取組を進めたかということです。以上が、業務の質の向上の項目です。大きな項目の3、「業務運営の効率化に関する事項」です。効率的な業務運営体制に関する事項として、業務改善工程表、システム再構築工程表に基づいて、適切な進捗管理、着実な実施ができたかといった観点を加えています。
 30ページは、「運営経費の抑制等に関する事項」。視点としては昨年度を踏襲しています。その下の「外部委託の推進に関する事項」も同様です。
 「社会保険オンラインシステムの見直しに関する事項」、4番も同様です。
 32ページは、「その他業務運営の効率化の取組に関する事項」です。ここでは、昨年度と比べて調達計画額の10%程度というものを達成したので、10%以上を削減することを目指すと計画でも書かれていますので、そういう視点を書いています。
 33ページは、「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」ということで、最初に内部統制システムの構築があります。下にアンダーラインがある所ですが、事務処理誤りの分析、再発防止の新たな取組や対応についての検討・実施等という視点を追加しています。
 36ページ以下は、業務運営の公正性・透明性という観点で、情報公開については前回を踏襲させていただいています。
 37ページは、「人事及び人材の育成に関する事項」でアンダーラインがありますが、職場内研修の体系的な実施、集合研修実施後のフォローアップや効果測定を踏まえた研修内容の改善といったことを視点として書き加えています。
 39ページの「個人情報の保護に関する事項」、40ページの最後の項目の「予算、収支計画及び資金計画」は、前回を踏襲させていただいています。非常に雑駁ですが、前年度と比較して、加えた、修正させていただいた視点に触れさせていただきました。
 資料1-2の6ページにお戻りください。今申し上げたような視点に基づいて、○2の個別的な評価は、ここにある5段階の評価でお願いしたいと思っております。個別的な評価に当たっての留意点は○3で書かせていただきました。以上、個別評価ですが、最後に(2)で総合的な評価とあります。個別的な評価の結果を踏まえて、機構の平成24年度計画の達成状況について、まとめの評価をお願いしたいということで、評価の基準案を御提案させていただきたいと存じます。以上、雑駁でしたが説明させていただきました。

○本田部会長
 ただいまの説明について、皆様から御意見なり御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。平成24年度の新たな計画に盛り込んだものもきちんと評価できるように修正をしたということでよろしいですか。

○事業企画課長
 そのとおりです。

○本田部会長
 そういうことも踏まえて、何か皆さんから御意見がありましたらお願いします。

○西沢委員
 8ページの未適用事業所の適用の促進で、今回は平成24年度の評価をしていく1回ということで、この点に関して御質問なりお伺いしていきたいことがあります。近年、日本年金機構の方々が未適用事業所の把握を積極的に進められてきたことは非常にいいことだと思います。雇用保険のデータと突合せをされたり、今回は法人登記簿統計と突き合わせた結果が今後出てくると思いますが、私たちは現場に入っていないので、最終的に4回の議論を踏まえて評価するとき、ここは難しいと思いますが、ある自治体の方に聞いた話ですと、企業に従業員の住民税の普通徴収から特別徴収への切り替えといったものを一生懸命に行っている自治体があるそうです。普通徴収ですと企業に勤めていても、本人が細長い紙で金融機関に行って払いますが、それを特別徴収にするように自治体としても頑張っている。多分、中小企業だと会社が特別徴収するのに手間がかかるので、従業員にさせているのではないかと推測されますが、企業に勤めていながら普通徴収にさせているような会社というのは、厚生年金の保険料も余り払っていない所がオーバーラップしているのではないかと思います。ですので、自治体によっては特別徴収を勧奨するために頑張っている所と、例えば日本年金機構の方が協力していれば。今は法務省の法人登記簿だけだと雇用実態はなかなか分からないと思います。給与を払っているとか。ですから、これから4回の議論の中で情報を頂けるかどうかは分かりませんが、頑張っていても適用状態の余り良くない所、年金事務所などがあれば、その近隣の自治体などと協力関係を築いているかどうか。もし築いていなければ、今後の業務の中で自治体が特別徴収を頑張っている所と協力していけば、業務が進めやすくなるかと思います。これは今回の評価の中で間に合うかどうかは分かりませんが、もしそういった情報があれば教えていただければ、今後の評価につながっていくのかなと思います。

○本田部会長
 今の意見に対して、何かありますか。現実に去年もありましたが、できるだけ地方自治体と連携をしていくというのがありましたね。今御意見があったことについて、何か御説明はありますか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 我々のほうも未適用の事業所をいかに把握して、いかに適用につなげていくかというのは非常に重要な課題で、いろいろな所の情報を集めたり協力をしていくことが重要なことですので、御意見を頂きましたので持ち帰りまして、そういうところがあるかどうかを調べて評価のときに間に合うようにさせていただきます。

○長沼委員
 昨年も申し上げたかと思いますが、昨年の夏に都市部の自治体の年金担当者の集まりがあって、日本年金機構で使っている年金相談マニュアル等についても市町村に配布してほしいというお話がありました。平成24年度は全国の市町村に、こういう形で年金相談マニュアルを配布させていただきましたという事項は、「日本年金機構の平成24事業年度の業務実績に関する評価の基準」でいくと、どこの事項で、それがなされた、なされなかったという評価をしていくのか。あわせて、22ページの「(2)分かりやすい情報提供の推進」で、繰上げ請求をした場合について、障害者特例や長期特例が該当する・該当しないという表記の文言を、様式102号の裏面、注意事項の箇所で、一部直したと理解しています。さて、平成24年度の場合、「分かりやすい情報提供の推進」の一環として、様式102号について、こう直したとか、様式のこういうところについては、後面の注意事項をこういう形で表記して、わかりやすい情報の提供に努めたというものは、「日本年金機構の平成24事業年度の業務実績に関する評価の基準」に基づいてやっていくと、実際にそれらは審査の対象になるのかどうなのかについて、お伺いしたいと思います。以上です。

○事業企画課長
 あくまでこの基準の所で示したのは視点ということなので、御指摘いただいたようなことも含めて実際に実績報告案を出していただくときには、個別の事項について詳しい説明がある中で、どれだけ盛り込んでいただけるかということを機構とも、また相談をしたいと思います。

○木間委員
 業務の質について申し上げます。評価部会に提示される評価は数値目標が挙げられていますが、業務の質の評価については着実に推進するとか、スキルの向上を目指すといった表現が見受けられます。先ほど、事業企画課長さんの御説明の中に「評価の視点」という言葉が何回か出てきました。確かに、業務の質の評価については、評価基準というよりも、評価の視点ではないかという感じがしております。業務の質の評価をストラクチャー(構造)とプロセス(過程)とアウトカム(結果)で捉えるとしたら、ストラクチャーの質は、例えばシステムや経営の評価に見ることになるのかと思います。アウトカム評価は、数値目標の達成という点で実施されていますが、モニター会議や覆面調査などが実施されていても、それらの実施と業務の評価の結び付きはよく分かりません。私はプロセス評価がとても重要だと思っています。業務の質の向上のために行われている研修や効果測定などの実施はプロセス評価につながると思いますが、これらについても質の評価への反映はなかなか難しいと感じています。様々な業務があり様々な事情があり、業務の質の評価基準の作成は大変難しいと思いますが、業務の質の評価基準作成についてどのようにお考えなのかをお尋ねします。

○事業企画課長
 まず、お答えになっているかどうかはあれですが、「視点」という言葉は何度か使わせていただいています。資料1-2を御覧いただきますと、全体としてタイトル「評価の基準(案)」とあります。評価自体については6ページに判定基準などを示して、これは全体をもって基準でございまして、1ページの箱の上の○1「個別的な評価は、平成24年度計画の個別項目ごとに以下の視点から行うものとする」としております。これは前年度も同じですが、私が御説明を申し上げたのは基準(案)とありますが、視点を説明していて、資料1-3の右欄に「評価基準案」とありますが、視点をずらっと並べているものです。そこは言葉の整理が足りなくて申し訳ありません。

○木間委員
 私が余計なことを言ってしまいました。課長さんの「視点」ということを別にあげつらうつもりはなくて、確かにこれは視点であろうと思います。評価基準があっていいのではないか。そんな急にできるものではありませんが、この部会の名称が「評価部会」ですので、そう感じているということです。

○本田部会長
 そういう意味においては、数値目標は簡単なわけですね。それ以外にやる質を含めて、評価というのを中で考えていっていいのではないかと思います。

○岩瀬委員
 17ページの相談、情報提供に関する点でお尋ねします。難易度の高い相談に対して、正規職員で計画的に対応する体制を構築したかを評価してほしいということですが、それは計画的に構築した結果、前年と比べてどこがどう変わったのかみたいなところを、次回に割と具体的に教えていただきたいなという気はしています。そこをお願いしたい。
 もう1つは事務処理誤りの防止についてですが、冒頭、総務省の監視委員会から指摘を受けたと。事務処理及び年金給付をできる限り結び付けていくための措置ということですが、時効特例法の扱いにおいてちぐはぐがあったということは、もう既にできていないということを外部から言われているということだと思います。ここについてもどういう対応をしていたのか、前年と比べてどう改善されたのかを詳細に教えていただきたいと思います。
 もう1つは、アニュアルレポートに関しても、作ればいいというものではなくて、内容がどう充実したかが非常に重要だと思います。前年と比べてどう内容が良くなって、情報提供という点でサービスに努められたのかという事後評価を教えていただきたいという感じです。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 1点目の相談体制は何度か御説明しているように、相談でも遺族関係、障害関係等は難しい事案が多いので、これらは基本的に正職員、エルダー職員のような60歳以降の雇用の人もそうですが、有期の雇用の方ではなくて恒常、パーマネントの人でやっていこうという方針です。ただ、現実、ベテランの方が機構になる段階で辞められたこともありまして、正規職員は2割ぐらいの水準だったものを徐々に4割まで上げていこうという目標でやっております。ですから、データとしてはその後どのぐらいの比率で伸びてきたかというのは、いつ時点のものまで出せるかは分かりませんが、またいろいろな御評価をいただくときに、必要なデータを出していくようにしたいと思います。

○日本年金機構副理事長
 そのほか、事務処理誤りの関係、アニュアルレポートの関係も御指摘いただきましたので、今のは、私ども平成24年度の実績報告をまとめる際に、どういう形で盛り込めるかという御指摘だと思いますので、できる限りの工夫をしていきたいと思います。

○斎藤委員
 30ページの2の運営経費の抑制等に関する事項でのお願いです。一般管理費、業務経費を削減できればよいというものではないと思います。一般管理費に関しても言えることですが、とくに業務経費の場合、効果が期待できるものには「投資」として多少予算をオーバーしても許されることがあると思います。効果のないものにお金を注ぎ込んでいないかどうか。経費に対してどのような成果が得られたのか、費用対効果を評価すべきではないでしょうか。業務経費で、どうその効果を測定するのかは難しいところではありますが、単に数字の多寡だけではなくお金が賢く使われているのかどうかが評価できるような資料を頂けたらと思います。

○日本年金機構副理事長
 各事業の効果というのは、それぞれの個別の分野で整理をしていくことになります。それと要した費用との関係というのはおっしゃられるように説明は難しいのですが、これも機構になっていろいろな工夫をしてきておりますので、昨年度の報告についてどういう形ができるか。なかなか難しいですが、トライしてみたいと思います。

○本田部会長
 先ほど木間委員がおっしゃったように、数字的に何パーセント出るかということだけではなくて、そのためにどういう効果があったという、正に質の問題ももしできるのであれば活かしていただきたいと思います。

○西沢委員
 今、斎藤さんの言われた質は、計測するノウハウを蓄積していく必要があると思います。人件費なり業務経費は削れたらいいに決まっていますが、例えばこういうことがあると思います。日本年金機構側で事務コストが安くなりました。でも、実は事業者側、保険料を納めたりする手続が煩雑になったりしている可能性があるかもしれないですよね。それは、トータルでコストを国が負うか民間側が負うかということなので、国でコストを切って、「今度書類などを全部こちらに持ってきてくださいよ。何か証明するのも、そちらでやってくださいよ」となってしまうと、元も子もないはずなので、そこら辺は切ればいいというものではなくて、それによって納税者側のベネフィットも上がっていないといけないわけですから、こういった評価はこれからもどんどん繰り返していかなければいけないので、何らかの形で金銭化なり時間を測っていく。それは決めがあると思いますが、今回の評価に限らずそれをやっていかないと、単にコストを削るだけという終わりなき旅みたいな形になってしまうと思います。ですから、今回の評価ということではなくて、何か企画セクションのようなところで、そういう方法を作っていくことが必要かなと思います。

○本田部会長
 もう御意見がないようでしたら、今、委員の皆様からいただきましたような御指摘等を踏まえて、年金機構と事務局で連携を取りながらやりたいと思います。
 ただ、私が1つだけ気になるのは岩瀬委員もおっしゃいましたが監視委員会の問題、中身が分からないのですが、これも平成24年度の評価にかなり関係するのか、しないのかも考えなければいけないと思います。監視委員会は明日ですか。

○事業企画課長
 明日です。

○本田部会長
 できたら次回までに、どういうことがあってということを委員の皆様にもお知らせいただけないでしょうか。私も中身はよく分かりませんが、それが、ある意味では平成24年度の評価という全体の評価にも関係がありますので、そこら辺はよく事務局で考えてお願いしたいと思います。とりあえず、今日の議論は今申し上げましたように、皆様からいただいた御意見等を踏まえながら、年金機構と事務局で相談していただくということで、議題(1)は了承したいと思います。

○事業企画課長
 資料については明日、監視委員会が開かれて、公表できるということであれば、委員の皆様方にお届けをいたしますので、まず御覧いただければと思います。

○本田部会長
 それでは、次の「平成25事業年度における業務運営に関する計画について」に入りたいと思います。日本年金機構から説明をよろしくお願いいたします。

○日本年金機構理事長
 改めまして、理事長の水島でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。就任いたしまして3か月が経過いたしました。公的年金の事業運営という重責を担うことになりました。誠に身の引き締まる思いですが、この評価部会の先生方の御指導、御助言を頂きながら業務の遂行に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 本日は平成25年度計画について御説明を申し上げることになりますが、このうち、私は特に3点。まず第1点目は年金記録問題への対応、次に年金制度に対する国民の信頼のバロメーターであると私が認識している国民年金保険料の納付率の向上の問題、これが2点目の重要な課題であると考えています。年金記録問題につきましては、本年度中に一定の目処をつけるべく、最後の仕上げに取り組んでまいる所存です。また、国民年金保険料の納付率につきましては、目標達成に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えています。3点目は、皆様方から、ただいまもいろいろ御指摘がございましたが、事務処理誤りの問題です。お客様の受給権に関わる場合が極めて多いと。今回の時効特例問題も根っこにはこの問題があると認識しており、お客様の年金権を守るという強い決意で徹底して取り組んでまいりたいと考えています。
 機構が発足いたしまして3年が経過しました。様々な課題を解決してきているというように考えていますが、これから取り組まなければならない課題もまだまだ山積しています。私は内部で、信頼と誇りが日本年金機構のキーワードだと言っています。信頼されて、職員が誇りが持てる日本年金機構をつくり上げるために、機構職員の先頭に立って諸課題の解決に向けて尽力してまいる所存です。皆様方におかれましても、引き続き御指導をよろしくお願い申し上げる次第です。
 機構発足以来4年目、また、中期計画の最終年度となります平成25年度計画につきましては、去る3月29日に厚生労働大臣から御認可を頂きました。個別事項の詳細につきましては、後ほど担当者から御説明を申し上げますが、私からは、ポイントのみ御説明を申し上げます。
 まず年金記録問題への対応に関する事項ですが、特に「気になる年金記録、再確認キャンペーン」の周知、広報を進めますとともに、紙台帳等とコンピュータ記録の突合せ及び厚生年金基金記録との突合せについて重点的に処理を進めてまいります。
 2つ目は適用、徴収、給付などの基幹業務についてです。いずれも重要なテーマですが、先ほど申し上げましたとおり、特に国民年金の納付率の向上に向けては、平成23年度の保険料の最終納付率の伸び幅を6.5ポイント程度確保したいと考えています。また、平成25年度分の現年度納付率につきましては、60パーセント台の回復を目指して更なる改善の努力を進めてまいる所存です。
 3つ目です。業務運営の効率化に関する事項としまして、事務処理誤りの未然・再発防止という観点を踏まえつつ、効率的な業務運営体制の構築を進めますとともに、運営経費の抑制、外部委託の推進、社会保険オンラインシステムの見直し等の取組を進めてまいります。
 4つ目ですが、業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項としまして、内部統制システムの構築、情報公開の推進、人事及び人材の育成、個人情報の保護等への取組を進めてまいります。
 繰り返しになりますが、今年度は中期目標及び中期計画の最終年度です。年金記録問題及び国民年金の収納対策、更には事務取扱いの正確性確保など、私が陣頭指揮を取って目的の実現に向けて取組を進めてまいる所存です。是非、御指導をよろしくお願い申し上げる次第です。私からの冒頭説明は以上です。

○日本年金機構経営企画グループ長
 すみません、後ろから引き続き。経営企画グループ長の田中と申しますが、私から年度計画について詳細に御説明させていただきたいと思います。時間の関係上、かなりポイントを絞った御説明をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料は2-1から2-3まであると思いますが、資料2-1が今年度の計画全体版、資料2-2が今年度計画のポイント、資料2-3が中期計画と昨年度計画の対比表です。説明につきましては、資料2-3の対比表に基づいて平成24年度計画とどのように変わったかということを中心に御説明させていただきたいと思います。まず資料2-3ですが、一番左に中期計画、真ん中に平成24年度計画、一番右に今年度の計画という構成になっておりまして、修正したものに下線を引いております。
 まず1ページです。冒頭のはじめに、前文ということですが、これは今年度の機構の組織目標に置き換えて修正をいたしました。
 2ページです。ここからは「年金記録問題への対応に関する事項」についてです。まず、今年度の取組の中心となる「気になる年金記録、再確認キャンペーン」ということを冒頭に記載させていただきました。また、未統合記録の統合・解明についてですが、(2)で平成25年度は本人へのお知らせと、回答を受けての記録確認作業が中心になるということを明確にするとともに、(3)ですが、受給者及び待機者に対して「アクセスキーのお知らせ」を送付して、「ねんきんネット」の利用を促進すること、また、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」で年金記録確認の呼び掛けを行うことを明記いたしました。
 次に、3ページの(4)ですが、紙台帳との突合せです。平成25年度を目途に被保険者を含めた突合せ作業を終了し、該当者へのお知らせ通知の送付を進めること、あるいは、紙台帳検索システムを活用した持ち主検索作業の結果、御本人と思われる方へのお知らせ通知の送付、これを平成25年度に進めるということで記載させていただきます。(5)につきましては、キャンペーンの中身を具体的に書いております。
 4ページの真ん中のねんきん定期便は、節目年齢が58歳から59歳に省令改正されましたので、記載を修正しております。
 5ページですが、2つ目のポツの「加入履歴や収めた保険料」云々という記載は、「ねんきんネット」の第5次リリースも見据えまして具体的な記載に修正しております。引き続いて、真ん中ですが、(9)厚年基金記録との突合せです。第1次審査を進めるとともに、第2次審査について、10月末までに報告があったものについて、25年度中を目途に必要な記録訂正を進めるということを記載しております。5ページの一番下、(10)「基礎年金番号の正確性の確保」です。まず、未処理の解消に努めることを記載するとともに、重複付番については、疑いがあると考えられる基礎年金番号について、平成25年度中を目途に照会票をお送りして、基礎年金番号の重複の解消を進めるということで5ページから6ページにかけて記載しております。
 6ページ、○2新規発生の防止です。再発防止への取組としまして、基礎年金番号有無の調査の改善を図る旨を追加記載しております。また、2つ目のポツですが、同様の趣旨から、事業主による本人確認が行われるまで処理を保留するなど、本人確認を徹底する旨を追記しております。
 7ページから、「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」です。
 8ページ、○1未適用事業所の適用の促進です。ア、未適用事業所の確実な把握ということで法人登記情報との突合せですが、昨年から実施しておりますので、これを引き続き実施していくということを記載しております。イ、未適への重点的加入指導等につきましては、従業員の多い事業所から優先的に加入指導を実施して、3年以内に半減するということ。あるいは、加入するに当たっては外部委託による加入勧奨を行って、その結果を踏まえて重点的加入指導を実施するということで記載しております。
 8ページの一番下、重点的加入指導の回数です。これは昨年度、3回ということで記載しておりましたが、縛りをかけるというのではなくて、相手の対応によって弾力的に対応していくというために複数回という記載にさせていただいております。
 9ページの一番下です。一括適用制度又は本社管理の利用促進を図ることにより、短期間の加入漏れの発生防止等に努めるという記載を追加させていただきました。
 ページをおめくりいただいて国民年金に入ります。1つは○1のア、最終納付率についてです。昨年度、現年度納付率から5.5ポイント程度の伸び幅の確保ということにしておりましたが、本年度につきましては、6.5ポイント程度ということで修正をしております。ウの現年度納付率については、引き続き60%台の回復を目指すということにさせていただいております。
 11ページです。収納対策の強化ということで、一番上の所ですが、厚生労働省との連携を密にすること、未納者の属性ごとにきめ細かな対応を図ることを追加しております。
 12ページの一番上のほうです。同様の趣旨から、国税庁との打合せを定例化するなどということを追加で記載したところです。
 13ページの一番上の○9です。後納制度ですが、引き続き周知をしていくという旨を記載しております。
 14ページ、「給付事務に関する事項」です。「サービススタンダード」についてです。昨年は、できるだけ90%に近づけようということでしたが、中期計画自体が、達成率90%以上を目指すということなので、ここにつきましては、90%以上となるよう取組を推進することにしております。また、達成率ですが、障害厚生年金は御案内のとおり達成率が低いので、本部の審査の効率化、スキルの向上、年金事務所・事務センターとの連携を強化するということを新たに記載いたしました。14ページの一番下、○2正確な支給です。ここにつきましては、事務処理誤りについて、過去の裁判等の事例も含めということを記載するとともに、要因分析やマニュアルの充実、職員への周知などを記載しております。
 15ページの「相談、情報提供に関する事項」です。一番下のほうですが、この制度の専用コールセンターは設置しましたので、引き続き運営するという旨を記載しております。
 16ページの一番上、相談窓口体制です。最終的には平成26年度4割を目指しておりますので、平成25年度につきましては、3割の正規職員化を目指すということで記載しております。
 17ページです。○5「ねんきんダイヤル」です。これは、混雑時における混雑していない日の架電案内ガイダンスを実施することになっておりますので、それを記載しております。
 19ページです。地域年金展開事業ですが、この1月から実施しておりますので、その事業概要について記載いたしました。
 20ページ、ホームページです。昨年度、リニューアルを行いました。したがって平成25年度では、今年度予定しております改善項目について記載しております。
 21ページです。年金個人情報の提供の充実についてですが、先ほどと同様、節目年齢の変更等について記載しております。真ん中辺りのイですが、年金記録の確認に関する記載について、「ねんきんネット」に関する記載を追加しております。
 22ページ、23ページです。お客様の声を反映させる取組に関する事項についてです。23ページの真ん中辺り、○4の一番下ですが、「お客様対応管理システム」を今年の9月に導入する予定ですので、その旨を記載しております。一番下です。昨年度、「日本年金機構マナースタンダード」を改定するとともに、「サービス推進の手引き」を作成しましたので、これらを使った研修を推進していくという旨を記載しております。
 24ページ、6.「電子申請等の推進に関する事項」です。これは、昨年度、届書等の電子媒体化を実施しましたので、記載を、未実施市区町村への協力依頼を進めることに修正しております。
 次は、3「業務運営の効率化に関する事項」です。24ページ目から25ページ目にかけてです。先ほどの「正確な支給」で御説明させていただいたのと同様、給付だけではなく、事務処理誤り全般に係る事項として記載を追加させていただきました。
 25ページの○2受付進捗管理システムです。これは昨年度導入いたしましたので、機能改善を進めていくということで記載を修正しております。○5未達郵便物の対応です。これを新たに記載として追加いたしました。25ページから26ページ、「運営経費の抑制等に関する事項」です。これにつきましては、一般管理費については、平成22年度比で12%程度、業務経費については、平成22年度比で4%程度の削減を達成するということで、昨年は記載しておりませんでしたが、そもそも中期計画ではこれが1つの目標になっておりまして、先ほどもありましたように、今年度が最終年度ですので、改めて記載させていただいたということです。3.「外部委託の推進に関する事項」です。26ページの下のほうです。定期報告や立入検査の実施に当たっての観点として、契約違反等の不適切な処理の防止を追加させていただきました。
 27ページは社会保険オンラインシステムの見直しに関する事項です。これは、特に変更はありません。5.「その他業務運営の効率化の取組に関する事項」です。これも、特段の変更はありません。
 28ページです。4の「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」です。こちらは内部統制システムの構築に関する事項です。28ページの下から29ページにかけてです。昨今の不祥事案の発生を踏まえ、リスク管理とコンプライアンス確保のため、コンプライアンス自己チェック等々を実施していくということで修正をしております。
 29ページです。○4については、緊急時対応マニュアルの充実の実施予定のものの記載を追加しております。○5ですが、事務処理誤りについて、昨年12月に「総合再発防止策」を改定いたしましたので、これにつきまして記載を追加しております。
 30ページ、○7文書の管理です。こちらについて、少し記載を充実して書いております。
 情報公開の推進に関する事項です。31ページの上のほう、○3ですが、「お客様対応管理システム」を導入することを再掲しております。31ページの真ん中から、「人事及び人材の育成に関する事項」です。○1です。年金記録問題について計画期間の最終年度ですので、進捗状況を踏まえた人員配置を的確に行うことを明記させていただきました。イですが、昨年から幹部登用試験を始めさせていただきましたので、引き続き実施することを明記させていただきました。
 32ページです。○2人事評価です。これにつきましては、そろそろ定着してきているということで、記載を変更するとともに、年金事務所に加えて事務センターでも評価を行うことにさせていただいておりますので、その旨の記載を追加しております。人材の育成ですが、内部資格制度を昨年度創設いたしましたので、これの取得の推進をしていくことを明記しております。アからオまでですが、平成25年度、研修計画の見直しを行いましたので、管理職のマネジメント能力の向上、CS向上のための研修実施体制の構築等々、その計画に基づいて記載を修正しております。
 33ページです。イのワークライフバランスの推進のため、昨年度第2期一般事業主行動計画を策定しましたので、その旨を追加したということです。4が個人情報の保護に関する事項で、取組を進めていくということです。
 34ページ、予算、収支計画及び資金計画です。これにつきましては添付を省略させていただいております。大変足早で恐縮ですが、私からの説明は以上です。

○本田部会長
 ただいまの説明、内容について、御質問や御意見があればお願いいたします。

○西沢委員
 幾つか質問いたします。12ページの右上の6行目で、国税庁との打合せを定例化としていることは非常にいいことだと思います。恐らく、これは霞が関の国税庁の本庁との打合せを想定しているのかもしれませんが、先ほども市町村の特別徴収の事例で申し上げたように、税務署も源泉徴収の事務を通じて給与の支払い実態が分かっていると思います。今もされているのかもしれませんが、今後の可能性として、税務署と情報交換ができれば、厚生年金の適用徴収に結び付くと思います。これは質問と意見を兼ねております。
 2つ目として、15ページの右側の「相談・情報提供に関する事項」で、「マイナス改定」というのは特例水準の解消を示しているのだと思うのですが、これは12月支給でしょうか、4月ではない12月というイレギュラーな時期に年金が減ることになりますから、多分、質問がかなりくると思うのです。また、過去にマイナススライドをやっていなかったので今回マイナスしますという難しい理由のため、相談が相当くるのではないかと思いますから、事前周知しておくことによって、相談の負荷を減らすことができるのではないかと思います。この点はどのように計画されているのか、お聞きしたいと思います。
 3つ目として、33ページのワークライフバランスについて、ちょっと本題と離れるかもしれませんけれども、日本にとって重要な課題だと思いますし、皆様は厚生労働省ですから率先してできると思いますので、女性を含めてどのような働き方をされているのか、マニュアルレポートでもいいですが、広く教えていただければ、今後のためにいいかなと思っております。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 最初の国税庁委任の関係ですが、定期的な打合せ会は地方単位で行っております。特に、悪質な例といったものは、枠組みとして国税庁に委任して行うという例がありますので、積極的に取り組んでいきたいと思っております。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 2点目の特例水準の解消ですが、確かに、かなり反響があるだろうといろいろな方がおっしゃっています。いろいろなお声を頂くのですけれども、通常のスライドでもマイナスの場合、お客様から「聞いていない。」という声が多いですし、ましてや、今回は通常の物価スライドとは違いますので、事前の周知は非常に大事だと思っております。そのような意味では、厚生労働省に対して政府広報を通じてのPRなど様々なお願いをしております。また、年1回、6月に今年の年金額について、受給者の方全員に送る通知がありますので、その中でも特例水準解消のため、今年は10月分からマイナス改定が予定されていることを、確かに表現は専門的で難しいのですけれども、何らかの形で書けないかということで、現在、厚生労働省を中心にいろいろな調整を行っていただいているという状況です。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 最後のワークライフバランスの問題ですが、仕事と生活の両立ということで、先年度第1期の事業計画が終わりました。第2期の計画は4月から始まりまして、機構内ではワークライフバランスについての委員会も立ち上げて、こちらに書いてあるように、今後は休暇制度を中心に、どのような制度にしていくかを検討し、やるに当たっては、当然、労働組合とも協議をしていかなければならないと思っておりますが、第2期ではより良いものができるようにということを意識してやっているところです。

○斎藤委員
 8ページの「未適用事業所の適用の促進」アの法人登記情報との突合せというのは、逆効果ではないかと思いますので、いろいろと努力をなさろうという決意が表れているとは思うのですが、是非再考していただきたいと思っております。法人登記というのは割合簡単にできます。しかし、そのあと会社の実体がなくなったから、会社を廃止しますという申請をする会社がどのぐらいあるかというと、非常に少ないと思います。多分、幽霊企業はかなりの数に上っているのではないでしょうか。精度の低い情報と突合せをするのは、無駄な努力になってしまう可能性が非常に高いと思いますので、決意のほどはよく分かるのですが、これは外していただきたいと思っております。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 なかなか答えにくいのですけれども、基本的には法人登記の情報も、雇用保険の情報も、市町村あるいは情報関係で得られるものを全部合わせた中で、総合して現在取り組んでいるところです。法人登記情報を全て洗って全部やっていくというよりは、雇用保険との突合せはしましたので、むしろ、そちらで未適になっている部分が本当に適用すべきものなのか、そうではないものなのかを整理しているというのが今の姿です。

○石井委員
 多分、一番効果的なのは、国税庁と打合せをしているのでしたら、生きている法人は役員報酬が出ているはずですから、役員報酬が出ている法人を突き合わせてみる、これが一番おもしろいと思います。つまり、実質は一人役員で機能しているのだけれども、年金管理等を一切していないタイプの法人が、多分、未適用事業所だと思いますから、もしやるのであれば、国税庁とそうした意思疎通をされるのが最も効率的かなと、実務家としては感じました。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 内部に持ち帰りまして、相談させていただきます。

○石井委員
 前年の部分も絡む可能性があるのですが、幾つかお聞きしたい点があります。今、御覧いただいている資料2-3の26ページです。最初にお聞きしたいのは、26ページの真ん中の平成24年計画における最初の書き出しの所に、「社会保険労務士会連合会へ委託する」というコメントがあったのですが、平成25年度はそれが消えているのですけれども、何か意味があるのかということです。また、○3ないしは○2で、平成24年と25年の下から6、7行目の書きぶりで、追記されている部分があります。平成25年度で見ると、「契約違反等の不適切な処理の防止の観点も踏まえ」という一文が加わっており、大変結構なことだと思うのですけれども、防止の観点も踏まえた結果、結果として不適切な契約違反等があった場合、どのような対応をしていくのかについては、現場の運用段階において何らかの改善がされたのかどうか、1つ確認させていただきたいと思います。
 これとの関連で、様々な事故というのが今でも時々起きているようですが、その事故原因は常勤職員が主な原因なのか、非常勤の職員や契約社員が主な原因なのか、さもなければ委託業者の業務に原因があるのか、その辺りは一体どうなっているのだろうかと感じます。特に、26ページの一番下の行ですけれども、これは中期計画の中でも各年次でもそのように記載されていますが、「効率化を図ることができる場合には、積極的に複数年契約を活用する」とあります。これに関してはこれから行われる平成24年度の評価に際して、可能であれば情報といいますか、資料を見せていただきたいと思うのです。機構に移行したあとの3年半の間で、積極的に複数年契約を活用してきたことによる変化のようなものを、見せていただけないだろうかと思います。
 また、26ページの上に、平成24年度も平成25年度も、一般管理費、業務経費について、「執行状況を分析してコストの可視化を進める」と書いてあるのですけれども、具体的にどのような手法によって可視化を図っているのか、これについての説明を頂けないだろうか。何となくはやり言葉のように使われておりますが、現実にはどのようなことをされたのかということを教えていただきたいと思います。
 説明は割愛されましたけれども、それとの関係で、資料2-1の最終ページには事業計画、資金・収支・予算が出ております。平成25年度の収支計画を見ると、費用は「業務経費」と「一般管理費」に分かれています。一般管理費は人件費とその他一般管理費に分かれていますが、できれば実績評価の段階で、既に機構としての歴史が何年か出てきておりますので、実績値として、この何年間かに渡る費用項目についての内訳、つまりここでは業務経費に関してはそれぞれの内容というか、事業経費の内訳別で保険事業経費が幾らと出ているのですけれども、それぞれの項目について人件費が幾らで、委託費が幾らで、主立った経費がどうなっているか。このようなことを区分して年次別の推移を見るような情報を当然お持ちだと思いますから、できれば、そういった情報を実績評価の際にお出しいただけると、評価側としてコストの可視化というのが現実的に少し見えるかなと思っております。これは次回以降の実績評価のことになりますが、お願いできればと思っております。

○日本年金機構副理事長
 石井委員の御指摘は2つあると思います。1つは、平成25年度以降の計画について、平成25年度の計画を実施していく段階で、その辺を具体的にどうやっていくかということで、できるもの、できないものとあるのですが、取り組んでいきたいと思っております。また、これから平成24年度の実績評価を御議論いただくわけですけれども、そちらでどのようなデータが出せるか、こういうデータは出せないかという問いかけだと思いますので、どのような工夫ができるかを6月に向けて検討していきたいと思っております。

○本田部会長
 ただ、決算に関しては、正に石井委員が言われたように、そうした分析なりができていると思うのです。細かいところまでは要りませんけれども、やはり1年間の一番のものですし、今日の収支計画云々についてはこういうことでいいでしょうけれども、決算に当たっての年度計画などいろいろあるわけですから、次の年度決算といいますか、できれば報告のときにお願いしたいと思います。そういうことで、石井委員、よろしいですね。

○石井委員
 結構です。

○日本年金機構経営企画グループ長
 細かい点ですが、26ページ○1の年金相談センターの業務についての社労士委託について、昨年の計画には記載してあるのに今年は書いていないという御指摘でしたが、今年度も既に委託をしております。昨年度契約させていただいておりますので、あえて記載はしなかったということです。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 補足しますと、前段部分の18ページ辺りに、年金相談センターは社労士会連合会に委託して効果的な実施を図っていくと書いてありまして、いわば文章の整理と受け止めていただければと思います。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 それから、いわゆる契約違反等という御指摘がありましたけれども、現在、機構において各契約を結ぶときに、いわゆるSLA、業務の質に関しての契約というのを結んでいるのですが、実際には非常にアバウトなところがあります。委託事業者の業務の質について、安かろう悪かろうとなることのないように、どういった項目で評価したらいいか、この3月にSLAに関するガイドラインを出しまして、それぞれの事業別に、どのようなデータを取って評価していくのかということを始めたところです。それをもって悪質な業者を排除していこうと考えております。また、複数年計画の内訳の話については、今、手元に資料がありませんので、次回までに揃えておきたいと思います。可視化の話についてですが、機構においてはこれまでコストに対する意識がなかったということがあります。実際にやってきたことは何かというと、非常にベーシックなものでして、例えば平成23年度においては、事務所の中で電話はどのように使われているか、どの電話の時間が多いのかとか、昨年はコピー機の使用状況がどうかなどということです。要は、コスト意識の醸成から入っているという状況です。

○大山部会長代理
 3つほど質問いたします。まず、24ページの6.です。これはなかなか言いづらいことかもしれないのですが、最初の電子申請等の推進の所はいいのですけれども、最後の「また」以降で、「未実施市区町村への協力依頼を進め、電子媒体を利用して」とあります。今、審議されている共通番号との関係というのは、どのように考えられているのか、何か独特な、別のやり方をなさろうとしているようにもみえるし、そこのところの考え方だけ教えていただければと思います。
 28ページで、こう書くのかなと思って見るので確認ですが、4の1.の○2の最後に、「昨今の不祥事案の発生を踏まえ」とあります。この不祥事案というのが何を指すのか、分かるのだろうか。先ほど来、お話があった内容なのか、それともそれ以外のものを指して言われているのかで、この時点での判断として、確認ですが教えていただければと思います。
 最後に30ページの○7で、ここは教えていただければと思うのですが、「文書管理に関する基準を作成し」と書いてあります。これですと、今は全くないと聞こえるのですが、正しいのでしょうか。普通ですと信じ難いことなのですけれども、これに対してのお答えをお願いいたします。

○日本年金機構事業企画部長
 事業企画部長の北波と申します。大山先生から指摘された、24ページの6.ですが、国民年金関係の届出書の電子媒体化について云々ということがあります。どのような形で国年の関係について届出の作成の支援をしていくかについては、私どもが現在行っている「ねんきんネット」の機能の中でどのようなものが可能か、正に次のリリースに向けて検討していきたいと考えております。また、現在「ねんきんネット」を導入している市町村数は500ちょっとありまして、今後導入しようというところも数百に上っておりますので、「ねんきんネット」を利用している市町村数が増えてくるに従って、どのような形が一番いいのか、これについては大山先生の指導も頂きながら、順次検討していきたいと思っております。

○日本年金機構副理事長
 2点目、3点目についてお答えいたします。2点目の昨今の不祥事についてですが、もちろん、事務処理誤りなどを減らしていくことにも努力をしていかなければいけませんが、一方で大変残念な話ですけれども、ここにも公表したように、昨年、現金が紛失し、職員が逮捕されるという事件がありました。機構発足以来、幾つかそういった事件もありましたので、自戒の意味も込めまして、あえてここは書かせていただいたということです。また、文書の関係について御指摘がありましたが、記録問題があって、現在、機構において本来の文書の保存期間などというのはあるのですが、一過性のものを別にすると、今のところ、基本的にはあらゆる文書を永年保存する格好になっております。その辺については、どのような文書を整理するか、今、文書があっても検索がなかなか難しく、単に持っているだけではしようがないので、そのようなところも含めて考えていこうとしております。現在、文書管理規程等は、当然ございます。

○大山部会長代理
 そうだとしたら、ここのところだけ誤解を受けないようにしたほうがいいのではないかと思うのです。当たり前だと思うのですけれども、「文書管理の基準を作成し」と書いてあると、今まではなかったのかと取る人もいるのではないかと気になります。

○日本年金機構副理事長
 計画自体は認可していただいているものですけれども、私どもの説明としてはそういうことですので、誤解を受けないようにしていきたいと思います。

○長沼委員
【資料2-3】の14ページですが、「過去の裁判等の事例も含め」ということで、これについては基本的に同じ内容が24ページにも記されております。一般的に、裁判に至る前には不服申立てとか審査請求等で一定程度は決着がついている、と認識しています。にもかかわらず、「裁判等の事例も含め」というのは、裁判によって初めてというか、裁判によらなければ、こういった事務処理の誤りが表面化しないために、このような記載になっているのでしょうか。裁判事例でなければ、表れていない事務処理誤りにはどのようなものがあって、今回、平成25年度の計画に入れられているのか。あわせて、疑義照会なども含め、あるいは裁判の事例も含めて、事務処理誤りを少なくしていこう、なくしていこうという場合に、先ほども少し申し上げましたけれども、例えば申請書類の中に注意書き等で記載することによって、誤りを少なくしていく必要があろうと考えております。
 その関係でお伺いしますが、疑義照会等を踏まえて、年金の繰上げ請求についての注意書きを見直されたと理解しているのですけれども、様式102号の注意事項7ですと、「老齢基礎年金を繰り上げて請求した後は、原則、障害者の特例措置および長期加入者の特例措置を受けることができなくなります」とあります。これは原則と書いてあるので、原則でないものについては、長期特例や障害者特例が受けられることになるわけです。そうすると、新しい様式102号ですと、繰上げ請求を行うことによる制約等を理解の上、アの請求を行うのか、イの請求を行うのか、ウの請求を行うのか、エの請求を行うのかで、丸○をするように今回変わったわけです。例えばアの老齢基礎年金の全部を繰上げ請求するという場合については、長期特例あるいは障害者特例が該当するのか、しないのか、この書類を見ているだけではわからないのです。つまり、窓口で説明を聞かないとわからないわけですが、窓口の説明が間違えたりしてしまうと、将来的に訴訟に発展するかもしれないのです。そういうことであれば、アを選択すると、このような原則が適用になるのか、ならないのか、もう一つ詳しい説明をわかりやすく記載する必要があるのではないかと思います。
 例えばイとして、老齢基礎年金の一部を繰上げ請求する場合は、原則どおり、長期特例や障害者特例は受けられないし、ウの老齢厚生年金の繰上げ及び老齢基礎年金の全部繰上げを請求するというような方が、今後は出てくる可能性があるわけです。昭和28年4月2日以降生まれの方については、いわゆる特別支給の老齢厚生年金が61歳以降でないともらえない。61歳から支給になる方について、60歳からもらうとウが該当するというときに、ウの場合は原則が適用になって、長期特例や障害者特例は該当しないけれども、昭和28年4月2日以降生まれの方が61歳まで待って、特別支給の老齢厚生年金をもらえるようになって、そこで繰上げ請求をすると、それはウではなくてアに該当するのか、基礎年金の全部を繰上げ請求するとなるのかどうかがわ分からないのです。やはり、記入するのが難しいし、説明を受けた、受けないで将来的にトラブルになる可能性があると思いますので、ア、イ、ウ、エを請求したときに、原則が適用になるのか、ならないのか。
 様式102号に書けるのか、書けないのかということもありますが、同じ生年月日であっても、請求する年齢によって、ウが該当になったり、アが該当になったりするわけですから、その場合はこのような支給制限を受けます、ということをもう少しわかりやすい形で書かないと、結局は事務処理誤りというか、説明を聞いたけれども適切に理解できなかったということにつながってしまうのではないかと危惧します。その辺は平成25年度にやっていく計画があるのかどうか、教えていただきたいと思います。
 【資料2-3】の18ページには、常設の出張相談所や年金相談センターの業務の充実を図るという記載があります。これは日本年金機構だけの問題ではないと思いますが、厚生労働省本体のほうは、厚生労働省ということで一本化しているけれども、地方ではハローワークはハローワーク、年金事務所は年金事務所、労働基準監督署は労働基準監督署と、分かれて業務を行っている。また、いろいろな出張相談所を常設型で実施する、とも記載されている。市町村や遠隔地の出張相談の充実を図るということであれば、場合によっては年金事務所の再配置を考えたほうが、より効率的な解決策になっていくのではないかと思います。
 例えば、朝霞税務署は志木、新座、朝霞、和光の4市だけで、ハローワークも志木、新座、朝霞、和光の4市だけですが、川越年金事務所は朝霞地区4市から川越市、東松山市と、市だけでも10市に及び、非常に広範囲になっております。私の記憶では、社会保険庁の時代に、埼玉県では越谷の社会保険事務所ができて以降、新しい年金事務所はできておりません。今後の高齢化の状況や所在する事業所の数などによっては、年金事務所のリロケーション、適正配置をもう1回考えるということが、平成25年度にあってもいいのではないかと考えます。検討した結果、今と同じ312事務所となるかもしれませんが、平成25年度の事業計画の中で、何かする予定のものがあれば教えていただきたいと思います。

○日本年金機構副理事長
 最初の裁判事例についてですが、法令に従ってきちっと行われていて、もしミスがあれば、審査請求とか再審査請求ということになります。もちろん、そこの法令の解釈をめぐって裁判になる事例もあります。今日、特別委員会の設置についてという紙が配られていますが、特別委員会の前にあった年金記録回復委員会において、様々な事務処理誤りがあったと。その中には訴訟を起こした方もいらっしゃるだろうから、そのようなものもよく分析して、再発防止なり、必要な対応を考えなければいけないという御指摘の中から出てきているものです。例えば裁判事例としては、法令に基づく処理はいいのだけれども、その前の段階で説明を誤ったために損害があったような話も含めて、国が訴えられたもの、機構が訴えられたものと両方ありますけれども、整理をして再発防止に活かしていくという趣旨です。
 また、事務所の適正配置についての御質問がありましたが、ハローワークあるいは税務署の数については、今、手元に持っておりませんけれども、年金事務所312に対して、それよりかなり多い数が現実に設置されております。この種の組織は、スクラップ&ビルドでどんどん作ればいいということではありませんが、ニーズなどが変わってきますから、中長期的なテーマとしては事務所の適正配置を考えていく必要があると思っております。ただ、計画に入れるということになりますと、かなり具体化したものを入れていくということだろうと思っておりますので、平成25年度においては、どのようなことが必要か議論はしていきたいと考えております。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 今、副理事長からおおむねお話がありましたが、先ほど長沼委員から繰上げ請求の書類について、具体的な例示を挙げて御質問がありました。いずれにしても、私どもとしてはお客様に分かりやすくし、事務処理誤り、あるいは裁判に発展ということもあり得るかもしれませんけれども、そういった点についてもよく分析をする。提出書類に書くといっても限界がありますし、かなり複雑ですから、そこで書き切ることはなかなか難しいと思っております。事務所の窓口に問合せがあったときには、注意すべきポイント等がありますので、これまでの事務処理誤りの事例等を分析した上で、情報提供していく、このような取組を進めていきたいと思っております。

○長沼委員
 まず、訴訟になった事案の関係ですが、日本年金機構か、厚生労働省かはともかくとして、実際に敗訴になり、精神的な苦痛を与えたということで、国家賠償法に基づいてお金を払った事例があるという理解でよろしいのでしょうか。そういうものを職員に示しながら、事務処理の誤りが今後はないように徹底していくというのが平成25年度の計画に入っているという理解でいいのか。それとも、和解にはなったけれども、損害賠償でお金を払ったような事案はないということなのか、その辺を教えていただければと思います。あわせて、先ほどの繰上げ請求の関係などについては、少なくとも市町村のレベルであっても、窓口で相談を受けたときに、現に今でも必ずしも正確に答えられないものがありますので、それについてわかりましたら、是非教えていただきたいと思います。これは後日で構いませんので、よろしくお願いいたします。

○日本年金機構副理事長
 これは一つ一つの事件ということになりますので、今、手元に数字などは持っておりませんけれども、説明を誤って、そこで問題になり、和解をし、なにがしかの支払をしたという事例はあります。

○木間委員
 23ページの「お客様の声の集約」で、アンダーラインがある部分ですが、「さらに、平成25年9月に導入する『お客様対応管理システム』を活用し、お客様の声等の管理・分析を向上させる」とあります。確か、機構がスタートする前の部会で、業務の質の向上につなげるためには、この分析をすることがいかに重要であるかを述べたような気がするのですが、このことをもう少し御説明いただけたらと思います。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 機構発足前にも、一種のデータベースを使って事務処理も簡素化するし、いろいろな分析もする、このようなコンセプトのプランがありましたし、民間企業はどこもこのようなデータベースを導入していますから、民間企業からもいろいろな話も聞きました。その中では、お客様の声の対応状況などもトレースして、例えば1週間以内全然反応していなかったら、担当者が現場に対応の指示を出すとか、そうした工夫もしているとか、そのようなお話も民間企業から聞きながら今までプラン作りをやってきました。当初はもっと早くという計画だったと思うのですが、お客様の声をデータベース化するときには、単にお客様の声、苦情だけではなくて、今も話が出ていましたけれども、事務処理誤りからのデータや相談窓口での相談といったものまで、どうせやるなら包括的にやったほうがいいと、社外理事である磯村さん、三木さんから提言を頂いて、それでは包括的に作りましょうということになりました。ただ、包括的に作ることになったため、当然、システムは大きくなり、時間がかかっているということです。ただ、この種のシステムは、実際に入れてみて、うまくいくかどうかはやってみないと分かりませんので、今も現場の声を聞きながらやってはいるのですけれども、使い勝手なり、現場の反応なりを聞きながら、いきなりパーフェクトなものはできないと思っており、だんだん改善をしていきたいと思っております。いずれにしても、民間企業では当然入れているというシステムですので、何とか追い付いていきたいと思っております。

○斎藤委員
 独り言のようなコメントになりますが、民間企業で中期計画、単年度の計画を立てるときには、当然ながら、業界を取り巻く環境や国の景気などの外部環境を分析して、その中で当社の事業は今年はどうなるということを話し合うわけです。今までは景気がパッとしないというか、余り大きな変化はなかったのですが、平成25年度はアベノミクスの効果は未知数ですが、潮目が変わりそうな気配はあります。一応その辺りのことを分析して、それが平成25年度の計画にどう影響するのか、しないのかという考察は一言、二言しておいたほうがいいのではないかなという気がしております。

○本田部会長
 平成25年度計画を作るときに、全体的な企画のほうの議論になかったですか。

○日本年金機構副理事長
 例えば厚生年金の適用、徴収、特に徴収あるいは国民年金の収納率については、経済状況の影響を受けるというのは当然あろうかと思います。ただ、日本年金機構として与えられた使命を果たすというのは、経済状況のいかんにかかわらず変わらないので、やるべきことを計画では書かせていただいております。評価は私どもがするわけではないですけれども、実績報告をするに当たっては、例えば1年前ですと、震災の話などといったバックグラウンドは説明させていただいたかなと思っております。

○岩瀬委員
 個人情報の保護に関する事項で、少しお尋ねいたします。中期計画では、個人情報の保護、管理は万全に行うということがうたわれておりますが、この中期計画が終わるに当たって、この辺は計画どおりに十分達成できているのかどうか。今年度の対応策で十分かどうかというのを、まず1つ教えていただきたいと思います。また、その後個人情報が漏れたり、業務外閲覧がなされているなどという実態があれば、それも教えていただきたいと思います。

○日本年金機構副理事長
 機構発足の段階から、個人情報の保護は非常に重要なテーマであるというのはおっしゃるとおりです。業務目的外閲覧の話が出ましたが、今もまだ業務目的外閲覧があって制裁をするということはありますけれども、正規職員というよりは、むしろ新しく入った特定業務契約職員が、自分の記録を見てしまったとか、そのようなものが中心です。そこから漏れたというのは、今のところはないと思っております。ただ、一方で業者にいろいろなものを郵送してもらう仕事を委託しておりますが、あるいは職員がやるケースもそうなのですけれども、例えばある事業所に送る文書の中に、別の事業所に送るものを混ぜてしまったとか、あるいはファックスの誤送信といった事例が、正直言いまして、まだあります。これらは事務処理誤り等で公表しておりますが、要はどうチェックするか、ファックスは原則として使わないなど、そういったことが起きないように取り組んでいく必要があると考えております。

○本田部会長
 ほかに御質問はよろしいですか。それでは、平成25年度計画についての質問等は終了といたします。是非、平成25年度計画が達成できるよう、機構におかれましては御努力をよろしくお願いいたします。次回の日程等について、事務局からお願いいたします。

○事業企画課長
 次回の日程ですが、6月上旬頃の開催を予定しております。後日、改めて日程調整等の御連絡を差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○本田部会長
 以上で本日の会議を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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