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2013年3月27日 化学物質のリスク評価検討会の「第8回有害性評価小検討会」

労働基準局安全衛生部

○日時

平成25年3月27日(水)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 19階 専用第23会議室


○議事

○瀧ヶ平室長補佐 おはようございます。本日は、大変お忙しい中御参集いただきましてありがとうございます。定刻より少し早いのですが、皆様お集まりですので、ただいまより、平成24年度第8回有害性評価小検討会を開催いたします。本日は全委員の皆様方が御出席でございます。
 それでは、座長の大前先生に、以降の進行をお願いいたします。
○大前座長 おはようございます。年度末のお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。早速始めたいと思います。
 最初に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○瀧ヶ平室長補佐 お手元に資料と次第がございます。次第の裏側に配布資料一覧がありますので、それを見ながら御確認いただければと思います。
 資料1が「平成24年度ばく露実態調査対象物質の評価値について」です。資料2が「フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)の一次評価値について(案)」。資料3が「一部の遺伝毒性発がん性物質の一次評価値について」。資料4が「酸化チタン(ナノ粒子)の評価値(二次評価値)について」。資料5が「今後の予定」。参考資料1として「リスク評価検討会(有害性評価小検討会)参集者名簿」。参考資料2として「DEHPに関するIARCの発がん性評価について」。参考資料3として「有害性評価書等」です。参考資料4として、「『印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会』報告書」。参考資料5として「厚生労働科学特別研究事業」関係資料ということで、大阪で圓藤先生が公表された資料です。参考資料6として「提案理由書等」ですが、これは机上配布とさせていただいております。参考資料7として「資料2関係文献(抜粋)」で、これも机上配布としております。参考資料8として「資料3関係文献(抜粋)」で、これも机上配布とさせていただいております。過不足ございましたらお申し付けください。
○大前座長 いかがでしょうか。特にないようでしたら、本日の議事に入りたいと思います。(1)のフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)について事務局から御説明をお願いいたします。
○松井化学物質評価室長 DEHPについては、前回のこの小検討会でいろいろ、このような実験結果や文献があるという御指摘を頂きましたので、事務局で再度整理しまして、評価値を提案させていただいております。資料としては、資料1-1と右上にある資料のフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)と書いてあるものと、資料2のフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)の一次評価値について(案)という資料を使って御説明いたします。まず、資料1-1の右下に評価値(案)という欄がありますが、このリスク評価検討会においては、リスク評価の評価値として2段階の評価値を御検討いただいておりまして、一次評価値として、リスクが十分に低いか否かの指標ということで、DEHPについては1.8mg/m3。二次評価値(健康障害防止措置の規制等が必要か否かの指標)ということで、5mg/m3ということで提案させていただきます。
 資料2を御覧ください。前回、江馬先生や宮川先生からDEHPの生殖毒性に関しては、いろいろな評価書などで、もう少し低いNOAELが設定されている例があるので、再整理してくださいという御指摘を受けております。資料2の1枚目ですが、もともとDEHPに関しては、リスク評価に係る企画検討会において、対象物質として選んでいただくときに、生殖毒性に着目をして選んでいただいております。ただ、そのあと、IARCのモノグラフが昨年出まして、発がん性評価の区分が「グループの3」から「2B」に見直されています。ですので、一次評価値の設定については、生殖毒性と発がん性の2つの観点から検討をいたしました。2にあるように、生殖毒性については、既にいろいろな評価書が公表されていますので、その中で一番新しい食品安全委員会の「器具・容器包装評価書」というものが、先月、公表されていますので、この評価書の中で、TDIの設定に使用されているNOAELを使用して、労働分野のほうの評価値を導いてはどうかということです。
 3にあるように、発がん性については、前回も資料にありましたが、非遺伝毒性発がん性物質ということで、閾値のある発がん性と判断しまして、これも、動物では長期試験が複数ありますので、その動物実験のNOAELを、いろいろな評価書から調べて、最も小さいものを設定して、生殖毒性の評価値と比較して、その低いほうを一次評価値として採用してはどうかということです。
 2、3ページに、「主要な評価書におけるDEHPの生殖毒性の評価」ということで、ごくかいつまんで表にしております。先ほどお話しました、先月公表された食品安全委員会の「器具・容器包装評価書」においては、非常にたくさんの試験結果を考察した結果、最も低いNOAELとして3mg/kgというものを、これは体重に対してですが、この場合は規制等の基になるTDIを設定するということですので、これからTDIを設定しております。根拠になっているのがChristiansenらの2010年の報告で、ラットの強制経口投与試験で、期間については括弧書きで書いてあるとおりですが、エンドポイントとして、雄の出生児の肛門生殖突起間距離の短縮及び生殖器官の重量減少ということでNOAELが設定されております。その下の、EUのECHAのリスク評価報告書が2008年に出ていますが、これは複数のNOAELを設定して、MOSを算出して、ばく露シナリオによるリスク評価を行っています。3つの試験のうち、2つが生殖毒性に関するもので、NOAELは4.8と20mg/kgということで、(1)(2)というような試験結果を根拠にしております。
 それから、NTPヒト生殖リスク評価センターのモノグラフが2006年に出ています。これでの生殖毒性のNOAELということで、1〜10mg/kgと記載されています。先ほどの食品安全委員会の評価書の3mg/kgより低いのですが、根拠としては、Akingbemiらの2001年の、やはりラットの強制経口投与試験で、ホルモン濃度をエンドポイントにもってきています。先ほどの3mg/kgよりも低いのですが、食品安全委員会の評価書によると、右の備考欄にあるように、食品安全委員会のほうの評価書の評価としては、「ホルモン濃度の変動のみを指標としている」ので、TDIを設定するためのNOAELとしては適当ではないということで、「NOAELを設定することはできない」と記載されています。
 4つ目は、若干古くなりますが、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・器具容器包装合同部会報告ということで、これは、食品安全委員会ができる前の審議会の報告ですが、NOAELとして3.7〜14mg/kgということで、これを根拠にしてTDIを設定しております。根拠としては、そこに書いておりますPoonらの試験結果です。
 このようなことがありまして、事務局案としては最も新しい食品安全委員会の先月の評価書からNOAELを持ってきて、これは経口試験ですので、気中濃度に換算した数値を生殖毒性の評価値として考えてはどうかという提案です。
 次に、4ページを御覧ください。発がん性のほうですが、これは長期試験が複数行われているとはいっても、数は限られています。同じ試験で、いろいろな評価書でNOAEL等について考察なり、あるいは試験報告の中から引用されていますが、考え方としては同じで、右側のアメリカの環境有害物質・特定疾病対策庁のToxicological ProfileはLOAELしか書いていませんが、1つ下の用量は、真ん中にある2つの評価書のNOAELと一致するということになっています。NOAELの設定できるような試験結果が3つありまして、真ん中のラットの長期試験のエンドポイントを肝腫瘍の増加としたNOAELが28.9mg/kgということで、これも経口試験ですので、気中濃度に換算した数値を一次評価値の候補としてはどうかということで考えました。
 1ページに戻っていただいて、2にあるように、生殖毒性の気中濃度に換算して不確実係数を掛けたときの評価値、1.8mg/m3と計算され、3にあるように、発がん性のほうを算出すると2.4mg/m3ということになります。もっとも、発がん性のほうはヒトへの外挿の問題が相当ありますので、もし、発がん性のほうの数値が低いと、また、いろいろ御検討いただかないといけないことになるかと思いますが、2つを比べると、生殖毒性の評価値のほうが低いので、この1.8mg/m3を一次評価値として、それで、先ほどの資料1-1にあるように、二次評価値のほうはACGIH、それから、日本産業衛生学会が勧告しているばく露限界値を採用してはどうかということで御提案しております。以上です。
○大前座長 ありがとうございました。前回、江馬先生から食品安全委員会の評価書がもうすぐ出るということで、DEHPに関しては新しい情報ということで、今、こういう状態になっているわけですが、江馬先生から今の御提案に何か追加されることはありますか。
○江馬委員 特にありません。
○大前座長 資料2の2、3ページに、各委員会の評価書が載っていまして、備考の所に食品安全委員会のコメントがあるのですが、例えば(評価書3)のNTPのデータではホルモン濃度の変動は余り指標として用いられないと。(評価書4)では、セルトリ細胞の空胞変性のみでは、というお話で、この2つに関してはアドバースエフェクトではないという判断を、多分、食品安全委員会はされていまして、今回のAGDの短縮はアドバースエフェクトだということだという御判断で、この3mgを採られたのではないかと思うのですけれども。実は私はAGDのことを余りよく分かっていないのですが、これはやはりアドバースエフェクトなのですか。あるいは、これがあると、例えばそのあとの生殖、これは雄性ですが、生殖に関係をするというエフェクトなのですか。
○江馬委員 AGD短縮というのは、抗アンドロゲン作用によるということで、フタル酸エステルのジブチルフタレイトやブチルベンジルフタレイトも共通して抗アンドロゲン作用を示しますので、毒性のエンドポイントとしていると思います。フタル酸エステルの抗アンドロゲン作用で、もう1つ大きな影響があるものが、精巣下降不全なのです。多分、この量よりも、もう少し濃度が高いと、それも出てくると思います。ジブチルフタレイトやブチルベンジルフタレイトは、雄のAGDの短縮と精巣下降不全が同時に出てきます。雄の外生殖器の大きさにかかわってくるというデータもあったと思います。
○大前座長 Christiansenの資料には、多分、3が一番低い濃度で、高い濃度でもやっているということだと思うのですが、そちらには、今おっしゃったような精巣の下降なども見えているということですね。抗アンドロゲン作用はアドバースだと取ると。
○西川委員 1つ確認したいのですが、肝腫瘍についてはPPARαが関与していて、ヒトへの外挿は完全には否定できないとなっているのですが、精巣毒性、あるいは生殖毒性について、PPARαの関与はどの程度分かっているのでしょうか。
○江馬委員 そこまで言及した論文は出ていないと思います。
○西川委員 というのは、肝腫瘍と同じように、ヒトへの外挿性を考える上で参考になるのかなと思ってお伺いしたのですけれども。
○大前座長 ヒトへの外挿のところで非常に気になるのが、これもやはり食品安全委員会の中の資料ですが、参考資料7の手書きで10ページと書いてある所です。ここには、「なお、近年の疫学調査によれば」という一番下の段落ですが、DEHPの低用量で換算すると10μで、単位が1つ違うレベルでAGDの短縮ということが書いてあるのです。これは、食品安全委員会は、この情報は、まだ確定していないというか、確認されていない情報だから取らなかったという解釈でよろしいのですか。
○津田委員 このモノグラフの会議に出ていまして、いろいろな議論があったのですが、PPARγと肝発がんのことは既に解決済みで、人間ではあり得ないから外挿できないとなっている。ペルオキシソーム増性物質は、医薬にも幾らでもあるわけで、それはそれでいいのですが、ほかの腫瘍に関しては、ヒトでは余りない腫瘍であることは知られているのですが、やはり、PPARγを介さない経路がある可能性が否定できないということで、最終的にはグループ2Bに上がったという経緯があります。その経路が、ヒトにもあり得るという想定でなったということです。
○大前座長 そのほか、御意見はいかがでしょうか。そのAGDをアドバースと見て、Christiansenのデータの3を採って、それを経気道に換算して1.8を一次評価値にしたらどうかということですが。二次評価値は既に出ていますから、そういう意味でも小さな値で、ここに書いてあるように、リスクが十分低いか否かの指標として行政指導等に使うという値ですので、そういう意味合いをもった一次評価値です。ヒトに関してはよく分からないと。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)に関しては、一次評価値を1.8、二次評価値は5ということで決めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 次が「1,2-ジクロロプロパン」です。御説明をよろしくお願いします。
○瀧ヶ平室長補佐 資料1-1の2ページ目、今の裏面を御覧ください。初期評価の対象物質です。この物質はバイオアッセイ研究センターの試験結果を基に、がん原性指針の対象になっていますので、リスク評価の対象として選んだ物質です。名称としては1,2-ジクロロプロパン、化学式は炭素が3つに塩素が2つ付いているということです。物理的化学的性状としては、特徴的な臭気のある無色の液体、沸点96℃、蒸気圧としては20℃で27.9キロパスカル、生産量としては、平成20年度の化審法の優先評価化学物質の届出として1,806トン、用途としては、金属用の洗浄剤や製剤の原料、中間体、中間体含有物等となっています。
 重視すべき有害性、発がん性としては、今申し上げたように、日本バイオアッセイ研究センターのがん原性試験の結果、がん原性を示す証拠があるということで、がん原性指針の対象物質になっています。IARCのほうでは3ということで、産衛学会については、情報はまだなしということです。重視すべき有害性の(2)ですが、有害性の情報の収集の結果、3例の症例報告では、急性腎障害、急性肝障害、溶血性貧血等が見られたということや、溶剤の吸入により、食欲不振、腹痛、夜間の発熱等、その下のほうには、混合溶剤に4年間、作業中にばく露した10人の塗装工及び金属加工作業員に、手の甲や指に痒みを伴う皮膚炎を認めたということや、1,2-ジクロロプロパンを含む染み抜き剤の吸入(乱用)によって、様々な障害が出たということや、ヒト及び動物試験で、皮膚感作性が報告されているという状況です。
 左の下のほうです。閾値の有無、ユニットリスクの有無ですが、閾値の有無については「なし」ということで、根拠としては、遺伝毒性ありという判断で閾値は「なし」ということです。許容濃度等については、ACGIHのほうで10ppmということで、根拠はそこに書いておりますので御覧いただければと思います。日本産衛学会では、今のところ情報はありません。OSHAのほうがTWAで75ppm、STELで110ppmです。
 評価値の(案)です。一次評価値については、先ほど申し上げたようにユニットリスクの情報がないということで、評価値の設定はなしという整理にさせていただければと思っております。二次評価値のほうは、ACGIHのほうで10ppmという提案がありますので、これを二次評価値にしてはいかがかという提案です。
 なお、産衛学会のほうで、現在、許容濃度が検討されているということですので、今後、学会の許容濃度が勧告された場合には、必要に応じて、また、検討を行うという対応をしてはいかがかと考えております。
 これに関しては、参考資料として先ほど説明しましたが、参考資料4が、14日に労災の業務上との関係で報告書がまとめられています。17ページを御覧ください。これは胆管がんとの関係で、当該事業場で、この物質を長期間使っていたということで、17ページの上のほうの2に、発症原因がありますが、1,2-ジクロロプロパンに長期間、高濃度ばく露したことが原因で発症した蓋然性が極めて高いと判断するということで、労災手続きについて今、事務的に作業を進めているところです。資料の関係の説明は以上です。
○大前座長 参考資料5はよろしいですか。
○瀧ヶ平室長補佐 大阪で圓藤先生が公表されたときの公表資料を御提供いただきましたので配布させていただいております。
○大前座長 いかがでしょうか。今の大阪の話で、発がん性はありそうだということですが、一次評価値としてはユニットリスクがまだ出ていませんので、現在、対応ができないというか、出せないと。二次評価値は、ACGIHが10ですけれども、産衛のほうが、多分、この春に提案すると思いますけれども、その数値が出たら、そのときにまた考えましょうということです。
○宮川委員 遺伝毒性があって、しかしユニットリスクが計算されてないものについては、今までもこのような扱いであったと思いますが、参考資料3の(2)に付いている有害性総合評価表では。
○大前座長 何ページですか。
○宮川委員 42ページです。以前は、ユニットリスクがない場合には、一応そのことが書いてあって、あとは全部「参考」という書き方になっていたような気もします。その辺りを確認していただいて、そうであれば、そう書いていただいたほうが、ここで計算値があるのに最終的な判断と違うというのは、疑問を持たれる方がいると思います。基本的には、ユニットリスクで今までやっていたということで、他の計算があるものについて「参考」と書いていない所があると思いますけれども、本来は「参考」にするということで、最終的に政府の評価書、あるいは評価表になった場合には、それが本来の作り方だと思います。
○瀧ヶ平室長補佐 参考資料をあとで修正させていただきます。
○大前座長 この計算式の0.293というのも、一応、参考として入れておくということですね。そのほか、御意見いかがでしょうか。
 産衛の許容濃度のほうは、先週の土曜日に委員会がありまして、まだ正式には決まっておりません。多分、5月の大会のときの委員会で決まって、それから提案することになると思いますが、現段階では決まっておりませんので、この状態です。
○西川委員 1つ確認ですが、NTPでも、経口投与でがん原性試験はやっていなかったでしょうか。
○松井化学物質評価室長 はい、以前マウスでやられております。先ほどの、発がん性の根拠のところに、それを入れたほうがよろしいですか。
○西川委員 同じような結果が出ていますので参考にはなるかと思うのですが、いかがでしょうか。
○瀧ヶ平室長補佐 多分、今のところは、参考資料4の10ページだと思うのですが、これは労災の報告書ですが、そこに書いてあることですよね。
○西川委員 そうですね。
○松井化学物質評価室長 先ほどの、参考資料3の33ページに、評価書のほうにはNTPの試験の関係も書いておりまして、それを要約するときに、資料1-2のほうはバイオアッセイ研究センターの試験のほうが新しいので、そちらを入れているということですけれども。
○大前座長 バイオアッセイは吸入で、NTPは経口なので、バイオアッセイを優先して入れているという意味合いだと思いますけれども。そのほか御意見はいかがでしょうか。
 今、トピックになっていますが、まだ、数値としてはこういう数値しかないという現在の段階なものですから、一次評価値はなし、二次評価値は10という形になっておりますが。よろしいですか。産衛の数字が出ましたら、また、それを基に再度検討するという条件にはなっております。
○津田委員 このNTPのは、マウスにあってラットにないということで、結局、IARCでは3としか採らなかったのですが、このマウスのほうのデータと、バイオアッセイ研究センターのデータを採ると、一応、マウスとラットで発がん性ありということになるので、そういう意味では、動物ではかなり根拠のある発がん性というふうになると思います。
○大前座長 このデータでしたら2Aぐらいにはなるのではないかと思うのですが。
○津田委員 そのときにデータがあればです。
○大前座長 そうですね。産衛学会においては、今、それも同時に検討しておりますので出てくると思います。どうもありがとうございました。1,2-ジクロロプロパンは本日の段階ではこういうことで可ということにしていただきたいと思います。
 次は、フェニルヒドラジンです。よろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 フェニルヒドラジンについて説明させていただきます。資料1-3を御覧ください。
 フェニルヒドラジンは、ここにあるベンゼン環にヒドラジンの追加構造の物質で、「物理的化学的性状」の所を御覧いただくと、油状の液体又は結晶ということで、融点が19.5℃の物質です。「生産量等用途」ですが、化審法に基づく届出の生産事業者は2社以下ということ。ばく露作業報告も1桁台しか出ていません。その後の調査でも、使っている事業者が非常に少ないことが分かっています。
 この物質は、もともと、平成20年のばく露作業報告の際に報告をされてきた物質で、選定の経緯は発がん性に着目したものです。「重視すべき有害性」の(1)の部分ですが、発がん性の有無としては、全体として、ヒトに対してはおそらく発がん性がある物質ということです。IARCでは情報がありませんが、EUで発がん性区分の1Bとされていて、ACGIHでも動物発がん物質ということでA3になっています。
 その根拠として、下に少し実験データが引用してありますが、陽性の発がん結果を示す試験として、フェニルヒドラジン塩酸塩をマウスに毎日強制経口投与した42週間の試験で、肺腫瘍の発生が認められていると。肺腫瘍のうち83%が腺腫であって、17%はがんであったということです。
 もう1つの例として、フェニルヒドラジン塩酸塩の水溶液を飲水に混ぜて経口投与した、生涯にわたっての実験で、肝臓の血管腺腫が有意に増加したとなっています。発がん性についてはこういったことです。
 次に「重視すべき有害性」として、(2)の「発がん性以外」の部分ですが、ヒトについて、血液の関係で、少し、薬に用いられた経緯もあったようですが、「反復ばく露毒性」の所にあるように、ヒトのボランティアにフェニルヒドラジン塩酸塩を経口投与した結果、溶血がみられたということ。あるいは、動物実験で吸入ばく露した結果、血液毒性がみられたということで、このほかにも、血液毒性を示す結果が報告されています。
 「皮膚刺激性・腐食性・感作性」の部分では、ヒト及び実験動物で、皮膚感作性が報告されています。刺激性の部分でも顕著な発赤や腫脹等が報告されています。
 次に、下の段の「閾値」の部分です。発がん性に関与する部分の閾値の有無については、「閾値なし」ということでまとめております。根拠としては、ここにあるS9ミックスの存在・非存在の条件下での変異原性を示したということ。それから、ラットの単回経口投与で、肝臓のDNA付加体が増加したというような、ここに示しているような実験によって、閾値はなしとされています。この場合のユニットリスク値は入手できておりませんので推定できておりません。
 「許容濃度」の設定の部分です。ACGIHのほうから、TLV-TWAとして0.1ppmというものが勧告されています。この根拠ですが、下にあるように、鼻腔及び皮膚刺激、皮膚炎を、これに基づいて設定していまして、また、その下の段にあるように、溶血性貧血症も毒性影響の可能性があるということで考慮されています。日本産衛学会のほうでは、現在のところ設定はありません。
 こういった勧告等を踏まえて、評価値として一次評価値としては「評価値なし」ということです。二次評価値としては、ACGIHのTLV-TWAを引用して、0.1ppmということで提案をさせていただきたいと思います。説明は以上です。
○大前座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。これもユニットリスクはないので、一次評価値は決められないと。二次評価値はACGIHが溶血性貧血、若しくは皮膚感作性などを含めて、0.1ということです。IARCは設定されていませんがACGIH、EU等々でヒトの発がん性が疑われるということですが。特に御意見、御異論がなければ、一次評価値なし、二次評価値はACGIHの0.1を取るということで決めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 その次ですが、4番「一部の遺伝毒性発がん物質の一次評価値について」ということで、資料3の説明を、事務局からお願いします。
○松井化学物質評価室長 資料3ですが、この資料の最初の1に書いてあるように、このリスク評価検討会の一次評価値の設定の仕方は、遺伝毒性のある物はユニットリスクを基に設定をして、非遺伝毒性の物質は発がん性に関するNOAELを基に設定してきております。今年度、委託調査の結果、有害性の総合評価表とか有害性評価書を作成した中で、一部の遺伝毒性の発がん性物質であっても、閾値があるという整理を報告の中でされているものがあります。閾値があるのであればNOAELを基に設定する方法が選択肢として考えられます。次のリフラクトリーセラミックファイバーや酸化チタン(ナノ粒子)は、これに該当する物質ですので、まず遺伝毒性がある発がん性物質で、発がん性に関する閾値をなにがしか前提として考えるのかという点と、その場合にはNOAELを前提にした一次評価値の設定をするのかというところを、幾つかの物質がありますので、それぞれの物質の検討に入る前に大まかな方針などを御議論いただければと考えております。
 資料3の表で、まずリフラクトリーセラミックファイバーですが、委託調査結果の有害性総合評価表では遺伝毒性あり、発がん性の閾値ありということです。根拠としては、発がんは酸化ストレスによる二次的な遺伝毒性メカニズムによると考えられるということです。この考え方は次の酸化チタン(ナノ粒子)以下、共通した考え方です。これに加えて、リフラクトリーセラミックファイバーの場合は、ヨーロッパの職業ばく露限界を検討する科学委員会のSCOELが勧告を行うときにも、閾値のある発がん性として扱っております。繊維状物質による遺伝毒性発生のメカニズムとして、炎症性細胞から持続的かつ長期にわたって発生する活性酸素種がDNA傷害に重要な役割を担うということで、二次的な遺伝毒性とされています。
 また、SCOELについては、職業ばく露限界を設定するときに、発がん性の物質の分類をAからDの4つに分けております。Aは閾値なしということで、これはこの検討会においても閾値なしと扱っているカテゴリーです。Bとして、DNA反応性で変異を起こすもので、下のC以外の物、これもやはりこの検討会と同じ考え方かと思います。Cとして、実際的な閾値の存在可能性大ということで、弱い遺伝毒性で二次的な機序、メカニズムが重要である物質については、実質的な閾値の設定を検討するということで分類をしてきておりますので、この考え方に沿えば遺伝毒性のある発がん性物質であっても、閾値が存在する場合があるということになります。
 机上配布している参考資料8に、今申し上げたような考え方が出ております。特に5ページの先ほどのSCOELの考え方を示したAからDのカテゴライズのフロー図が入っております。
 資料3の裏側ですが、酸化チタン(ナノ粒子)です。これも委託調査の有害性総合評価表では遺伝毒性あり、発がん性の閾値ありということです。根拠ですが、難溶解性の粒子における遺伝毒性は核に対する直接作用よりは、フリーラジカルが引き起こす間接的遺伝毒性が関与するということです。これは有害性評価書の作成者がいろいろとフリーラジカル産生に関する報告をしております。有害性評価書の15ページから16ページとなっていますが、全体の通しページで99ページの下半分から次のページにかけて、二酸化チタンによるフリーラジカル産生による報告ということで、様々な報告があるということで列挙していただいております。
 表面積用量、特にこれはナノ粒子ですので、表面積が効いてまいりますが、一定の用量から急に腫瘍の発生が増加するということがあります。これもAppendixとして118ページにグラフがあります。これは横軸が表面積、比表面積で、縦軸がラットの肺腫瘍の発生率ということで、いろいろな粒子をプロットすると、シリカのように特別のものを別にして、毒性の低い物は一定の用量から肺腫瘍の発生率が増加するということで述べられております。
 なお、参考資料8の9ページはNIOSHのCIBの中に入っているグラフですが、横軸が比表面積で、縦軸が肺腫瘍の発生率ということで、いろいろな粒子を取った場合。ここの解説には、特に一定の用量から急激にどうかというようではないのですが、このような関係が見られると考えられております。やはりNIOSHのCIBにおいてもセカンダリー、二次的な遺伝毒性というメカニズムについて考察されております。
 (3)のカーボンブラックですが、委託調査の有害性総合評価表では遺伝毒性あり、発がん性の閾値ありです。理由は、酸化チタン(ナノ粒子)と同様なのですが、ラットの肺がんの発生メカニズムは、肺におけるクリアランスの障害と粒子の沈着を起点として、同様に炎症、細胞障害、そして活性酸素種の生成ということで、これが腫瘍の発生に結び付いているメカニズムだということです。
 参考資料8の10ページは、IARCのモノグラフの抜き書きです。図の4-2ですが、粒子の吸引から粒子による負荷ということで、炎症が起こって、活性酸素種などが起こって、それがミューテーションになって、下のほうの腫瘍になるという概念図です。これがIARCのモノグラフに掲載されております。
 (4)の三酸化二アンチモンですが、委託調査の有害性総合評価表によると遺伝毒性あり、発がん性の閾値は判断できないということで、肺過負荷を引き起こす高濃度ばく露では、二次的な遺伝毒性が生物学的には意味をもつということです。これについてはEUのリスク評価報告書で、エアロゾル、この粒子の長期吸入ばく露による肺がんは、同様に肺クリアランス機能の低下による肺内蓄積、肺炎症反応が長期にわたって持続するということで、閾値のある発がん性物質であると考察をしております。その部分は、先ほどの参考資料8の11ページ以下に抜粋をしております。
 このようなことで、遺伝毒性発がん性物質についての閾値の考え方が、少し今までと違うような整理のものが委託調査では出てきておりますし、ほかの報告でもいろいろ考察されているところですので、全体としての方向性なりをとりあえず出した上で、個別の物質を検討いただければと思います。以上です。
○大前座長 こういう難溶性の粒子がこれからたくさん出てきて、それに関しては遺伝毒性あり、発がん性の閾値ありという考え方ができるものがあるのではないか。根拠についても、参考資料8で幾つかの機関ではもう既にそういう考え方を採っているということで、この委員会としても発がん性の遺伝毒性があるものは全て発がん性の閾値はないとしないで、こういうタイプの物によっては閾値があるという考え方でやってもいいのではないかという御提案ですが、いかがでしょうか。いわゆる過負荷のようなことで、結果的に炎症細胞が出てきて、いろいろなメディエーターが出てきて、それでROS、活性化させて、それによってDNAが損傷するということなので、そこには閾値があるだろうという考え方です。
○西川委員 その考えにおおむね賛成なのですが、その前に例えばリフラクトリーセラミックファイバーについては、結構、遺伝毒性陽性の物が多いですね。ですから、二次的に遺伝毒性が関与する可能性ももちろんあるのですが、そもそも遺伝毒性試験陽性という成績をどう考えるかについては、やはり議論しないといけないと思います。
○大前座長 今のリフラクトリーセラミックファイバーの遺伝毒性のところというのは。
○瀧ヶ平室長補佐 参考資料3の66ページ以降に、いろいろな試験の結果が出ております。
○大前座長 ここに幾つかの試験結果で、プラスがたくさん出ておりますが、このようなものをしっかりチェックして、確かに二次的なメカニズムだということをチェックする必要があるということを、多分西川先生はおっしゃりたいのだと。これが一次的なメカニズム、ダイレクトに遺伝子に対する影響ではないだろうということを一応チェックして、それでやるべきだという御意見と考えてよろしいですか。必ずしも流消物質、難溶性物質が全部二次的なメカニズムではないだろうと、そういう可能性を見ておく必要があると。ということを前提といいますか、そういう考え方は当然すべきだということを前提として、物によっては二次的な影響で閾値があるタイプの発がんという形で議論を進めていくということでよろしいですか。したがって、今後こういう物質を議論する場合には、評価書の遺伝毒性の部分を一応見て、それで進めていくという形になろうかと思います。
○清水委員 基本的には今のお考えでいいと思うのです。バクテリアの場合と哺乳動物細胞の系によって、特に哺乳動物細胞ですとファゴサイトーシス(貪食作用)などもありますし、その辺を十分に考慮しながら考えていけばいいのではないかと思います。
○大前座長 基本的にはこの考え方でいきましょうということで、今言いましたような条件付きですね。しっかり遺伝毒性の結果を見て、間違いなくこれは二次性のものだということを確認しながら、その場合やっていくということでよろしいですか。そういうことを基にして、(4)と(5)、リフラクトリーセラミックファイバーと酸化チタンについて、話を進めていきたいと思います。最初に、リフラクトリーセラミックファイバーについて、事務局から説明をよろしくお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 資料1-4、リフラクトリーセラミックファイバーです。リフラクトリーセラミックファイバーは、人造鉱物繊維の一種ですが、化学式、構造式の部分は特定不能ということで記載しております。リフラクトリーセラミックファイバーを含むセラミックファイバーは、アルミナとシリカを主成分とした人造鉱物繊維の総称で、非晶質のリフラクトリーセラミックファイバーと結晶質のアルミナ繊維及びムライト繊維に分けられております。物理化学的性状ですが、ここにあるように無臭の繊維状の固体ということで、1000℃を超えると結晶繊維になるということです。不燃性、水には溶けないという性質の物です。
 有害性評価書本体ですが、参考資料3の61ページからリフラクトリーセラミックファイバーの有害性評価書がまとまっております。ここにリフラクトリーセラミックファイバーのいろいろな種類がありますので、その種類について掲載されており、61ページの下から62ページにその成分であるとか、サイズが記載されております。例えば62ページの真ん中の2、RFシリーズという標準セラミックファイバーの物のRF1とRF2がリフラクトリーセラミックファイバーに当たるかと思います。そこですと、平均径として0.77μm、平均長さとして12μmと記載されております。そういう繊維状の物質ということです。
 生産量と用途ですが、資料1-4に戻って、平成17年度の数字で16,000トンとなっており、いろいろな耐熱の材料として工業的に使われております。
 重視すべき有害性の部分ですが、発がん性としてはヒトに対する発がん性が疑われるとまとめられていて、IARCで2Bになっています。IARCの評価の根拠なのですが、有害性評価書に記載してありますが、ヒトに対しての発がん性については証拠が不十分であるということなのですが、動物実験では肺腫瘍であるとか、腫瘍についての報告が多数あり、ヒトに対しては不十分だけれども、動物に対しては明らかであるということで2Bに分類されています。そのほかの分類についても以下のとおりです。
 重視すべき有害性(2)の発がん性以外の項目ですが、反復投与毒性として(吸入ばく露)試験の結果を少し引用しております。ほかにも多数ありますが、リフラクトリーセラミックファイバーをラット又はハムスターに吸入ばく露した実験において、肺でマクロファージの浸潤や肉芽腫の形成、間質性線維化を生じたという報告があります。肺機能の関係で、BALFの好中球の増加があります。ラットとハムスターに12週間ばく露させた試験で、同様に胸腔液の検査で炎症性変化を認めたというものがあります。これら以外にも幾つか報告があります。
 ヒトに対する反復投与毒性でも、複数の疫学調査において肺機能の低下、ここにあるような(努力肺活量の低下)、ほかにもありますが、胸膜肥厚斑等が指摘されております。そのような具体的な内容については割愛いたします。
 閾値の有無、ユニットリスクですが、ちょっと紹介いたします。先ほどの参考資料3の66ページに、遺伝毒性についての試験結果が記載されております。ここは遺伝毒性、いわゆる変異原性試験とか小核試験などについてはプラスという結果がまずあって、67ページに発がん性に関わる試験として少し関連する試験がありますが、溶解性の試験で溶解性が非常に低いことが記載されています。ほかの人造鉱物繊維と石綿との間ぐらいの溶解性ということで、溶解性は低いと。
 肺内の滞留性試験の結果として、セラミックファイバー、アスベストほどではないけれども、半減期が長いということで、線維化や腫瘍を誘引しているのではないかということが記載されています。
 82ページに閾値についてまとめてあるものがあります。今のような遺伝毒性は一般的な変異原性試験でプラスがありますが、閾値が無いとした場合と閾値が有るとした場合の計算をここに記載しております。閾値が有るとした場合ですが、2つの試験結果からNOAELを16mg/m3ということで算定をしております。1つの試験としては、ラットに2年間吸入ばく露させた試験において、NOAELが30mg、最大耐量のところで発がん性を示したとなっています。第2の報告では、0〜16mg/m3の物をばく露させておりますが、16mgの部分でも有意な増加が見られなかったということで、NOAELとして16mgを設定しております。そこから導いて、労働補正、不確実性係数を掛けて、評価レベルとして0.12mg/m3(0.9WHOf/cm3)を設定しております。これが閾値がある場合の数値になります。
 参考として、閾値がない場合の計算としては、ユニットリスクとしてここに記載しているとおりで、1×10-4の余剰発がんレベルに相当する濃度として0.1f/cm3となっております。閾値については、これのいずれかということの御検討をお願いしたいということです。
 資料1-4に戻って、許容濃度としてACGIHの数字を引用しております。TLV-TWAとして0.2f/ccということで設定しております。根拠にあるように、ヒトに対する報告が十分でないということですが、ラットの長期のばく露では肺の線維化、肺の胸膜肥厚及び肺がんと中皮腫が誘発されていることが明確に示されており、こういったものを根拠にして設定しているということです。日本産衛学会は値の設定はありません。
 評価値として右の欄ですが、一次評価値は閾値がある・なしによって、いずれかを設定ということです。二次評価値は、ACGIHのTWAを採用して0.2fを提案させていただくということです。説明は以上です。
○大前座長 リフラクトリーセラミックファイバーですが、今ありましたように、ポイントは先ほどの議論の続きですが、閾値の有無をどのように考えるかということで、資料3を基に66ページ辺りを挙げていただきました。評価値によると、遺伝毒性の閾値は発生するROS、活性酸素種によるものだろうということで、閾値のあるタイプの発がんということでいいのではないかというのがこの評価書の結論になります。もし、その閾値があることを基にして計算すると、83ページで0.9f/cm3、ミリグラム単位にすると0.1mg/m3が出てくる。UFを、種差とがんの重大性10×10で100を使ってそのようになるということですが。
○西川委員 炎症細胞に伴う活性酸素の産生による発がんというのは、恐らくそうだろうと思うのですが、遺伝毒性試験では炎症細胞は関与していないはずですので、その辺りはいかがでしょうか。
○大前座長 いかがでしょうか。遺伝毒性に使う細胞からROSはやはり出るものかどうかということですが、これはなかなか判断が難しいですか。
○清水委員 酸化チタンの場合、そういう記載があるのではないですか。
○大前座長 酸化チタンのリスクは何ページになりますか。99ページ。
○清水委員 これはフリーラジカルを産生するということでしたね。二酸化チタンの場合でも、やはり活性酸素種は多少関係しているのでしょうかね。
○江馬委員 二酸化チタンの場合は、二酸化チタンが活性酸素種を発生させるというのは結構論文があると思います。今セラミックファイバーでは、そういう記載が余りないので、ちょっと違うのではないかと思います。遺伝毒性の成績があるとはいえ、エームス試験の成績ないしDNAに直接作用するような試験が67ページの2つ、DNA損傷試験が2つある。それもプラスとマイナスに分かれているという状況で、二酸化チタンとデータの数が圧倒的に違うのではないかと思います。
○池田委員 66ページの下にIn Vitroの結果が出ております。例えばDNA付加体の検出試験があり、そこにマロンジアルデヒドの修飾されたDNA付加体が書いてあります。マロンジアルデヒドは活性酸素で脂肪を分解して出てきた分解産物なのです。それがDNAに反応しているということで、結果的には活性酸素が出ていることの状況的な証拠ではないかと思うのです。同じように、上の染色体異常試験で、8-ヒドロキシデオキシグアニンも酸化された物質ですので、この化合物そのものがそうするのではなくて、結果的には活性酸素が出ているという証拠ではないかと思うのですね。メカニズムは私は分かりませんが、データとしてはそういうことが言えるのではないかと思いますけれども。
○大前座長 8-HDG、あるいはマロンジアルデヒドの修飾型があるということは、活性酸素が作用したのだろうということではないかということですか。
○西川委員 まず、8-HDGはネガティブですね。マロンジアルデヒドというのは脂質過酸化の最終産物の1つであって、活性酸素と関連するのですが、直接フリーラジカルとの関係は、このs試験だけでは分からないと思うのです。
○大前座長 8-OHdGは染色体異常試験ですとポジティブだと思うのですが、DNA損傷試験ではネガティブになっていますね。
○西川委員 66ページではポジですか。67ページではネガティブです。
○大前座長 そうしますと、セラミックファイバーに関しては、今の遺伝毒性の試験については、まだ若干未確定なところがありそうだと。多分そうだろうけれども、未確定なところも若干ありそうだということですかね。
○清水委員 66ページの本文ですね。カ、遺伝毒性の下3行辺り、26とか34の文献を使っているわけですが、炎症細胞で活性酸素種ができて、それが遺伝毒性発現により関与しているという、活性酸素種が関与しているというような書き方をしておりますが、いかがですか。メカニズムまではよく分からないです。
○西川委員 ですから、質問していますのは、生体においては恐らく活性酸素絡みの影響があると思うのですが、遺伝毒性試験そのものにおいて、活性酸素がどれほど関与しているかということについて議論が必要だということを申し上げていると。
○大前座長 34番の文献は多分オリジナルの文献で、26番は先ほどのSCOELの文献ですので、34番はオリジナルでそのように書いてあるということだと思います。とはいっても、実際にこれが発がんにかかる試験のところでは、今のようなROSが関与しているのだろうというのは多分間違いないだろうということに関しては、共通の認識ということでよろしいですか。この場合、遺伝毒性に関しては若干、躊躇はありますが、発がんのメカニズム自体から見たら閾値ありと考えていいだろうという考え方、まとめ方でよろしいですか。そうしますと、先ほどの83ページの数字になりますが、1件のNOAELが16ですので、0.12mg/m3。これをファイバーに直すと0.9ということですから、二次評価値よりも大きくなってしまうということで、一次評価値としてはいずれにしても使えないといいますか、結論としてはここには出さないことになります。
○宮川委員 考え方としては、ある程度不確かなときには、ちょっとためらっておくことも必要かなという気もいたします。そのときに、逆に閾値を無しとしたときのユニットリスクですが、資料3-4の74ページだとWHOが労働環境のユニットリスクを設定したという記載があって、今まで国のリスク評価では、WHOの設定したものは使っていなかったと思うのですが、もしWHOがきちんと設定したものであれば、それを参考として、これから使うということで、ユニットリスクとしては今まで用いてきたものを少し広げて、これを採用するという考え方もあるのかと思うのです。さらに、今ちょっと見たらWHOが定めたと思われる14番の文献のタイトルが「ヨーロッパにおけるエアコリティガイドラインス」なので、これは本当にWHOがこのユニットリスクを設定しているかどうか、ちょっとこれだけでは分からないので、もしこういうものを使うのだとすると、WHOのものは使えるかなと一旦思ったのですが、確認は必要かなという気もいたします。
○大前座長 引用している場所は、WHOのホームページですよね。そうすると、WHOが作ったような気がするのですけれども。
○宮川委員 もしこれが使えるのだとすると、先ほど委員長がおっしゃいましたように、一次評価値と二次評価値が逆転しないような参考値として、行政指導の面で参考にするということでは、それに値するような気もいたします。
○大前座長 基本的にがんの起きるメカニズムは、多分先ほどのメカニズムは間違いないだろうと。でも、一応、遺伝毒性に関しては若干躊躇があるので、その面を考えると0.1fという数字をWHOが出していますので、一応WHOが出しているのかどうかは確認するということは前提として、これを一次評価値にしてはどうかというのが宮川先生の御提案だったと思いますが、いかがですか。
○松井化学物質評価室長 ちょっと確認いただきたいのですが、参考資料8の1ページで、先ほどのSCOELの勧告のときのドキュメントを抜粋しており、リフラクトリーセラミックファイバーの遺伝毒性について、このページの上から書いてあります。いろいろな試験結果を検討した結果、下のタイトルから見て下から4行目になります。the genotoxic effects observed in the different studies are secondaryという結論付けになっているので、バクテリアを用いた試験はここに並んでいないような気もするのですが、その辺りとの関係はいかがでしょうか。
○大前座長 いかがでしょうか。1ページのFactors that effect toxicity of RCFの上の文章ですけれども。ここはセカンダリーだと結論付けておりますが。この機関はこのように言っておりますが、いかがでしょうか。この機関が1機関だけ言っているのを、それでとるのかという問題はまたありますけれども。でも、発がんのメカニズムがどうかというところが一番重要なファクターなので、二次的な影響であるというところは皆さん先ほど合意されたわけですから、そういう意味では遺伝毒性試験に関して若干結論付けられないところがあっても、閾値がありと考えるという判断、考え方はいかがですか。
○西川委員 考え方として、こういう物質についてはエームス試験をやってもネガティブになるに決まっているのでやらないのか、あるいは染色体異常はやれば陽性になる可能性があるということが言えるのでしょうか。
○江馬委員 エームステストでは多分物質が細胞内に入らないので陰性になると思います。だけど、ROSを発生させて、そのROSによって反応が出る細胞株もあると思います。発がん性の場合は、多分オーバーロードによる結果だと思います。メカニズムはオーバーロードになって、そこにずっととどまっていて、それで炎症を起こして、発がん性を起こすと思うのです。オーバーロードには閾値がありますよね。したがって、多分発がん性にも閾値があるということにはならないですか。
○西川委員 炎症が起こること自体が、恐らく閾値があると思うのですよ。炎症が起こるか、起こらないかという、そういう閾値ですね。問題は、染色体異常試験が結構陽性なのが多いので、それは出ても当たり前ということであれば。
○江馬委員 染色体異常は、一般的には閾値有りと考えますよね。
○西川委員 それとは別に、遺伝毒性試験でいろいろな染色体異常試験をやって、ポジティブが出ていますよね。それは出ても物質の特性から言って当たり前のようなことが言えれば、一番いいかなと思うのですけれどもね。
○清水委員 難しいところだと思うのですが、ここではまだ出てきておりませんが、多層カーボンナノチューブなどですと、染色体異常が起こるのです。ただ、これは倍数体が主に出てくる。構造異常ではないのです。ここでは染色体が出るか出ないかという、プラスかマイナスかのことしか言っていませんが、それもメカニズム的には、セラミックの場合どのようになっているかよく分からないですが、RSが関係しているという事実があるということですから、一応セカンダリーは認めてもいいのではないかと私は思います。
○大前座長 多分こういう考え方をするのが初めての物質なので、これが前例になりますから、少し慎重に話を進めたいと思います。いずれにしても、具体的に発がんに関しては二次性だろうということに関しては、皆さん合意しているということだと思います。遺伝毒性のプラス・マイナスをどのように考えるか。今までの御議論ですと、多分二次性だろうけれどもということだと思いますが。でも、EUの先ほどの参考資料8は二次性だと断定しているといいますか、そういう形になっている。
○津田委員 この議論は、今ある異物による発がん全部に係る話になってくると思います。全部で概して言えば直接エームス試験では陰性である。in vivoでは多分マクロファージが関与して、いろいろなことが起こるであろうということまで分かっているのですね。直接的には染色体異常を起こすと、機械的なDNAの傷害も起こすということが分かっているというところまでですね。そこまでほとんど共通だと思うのです。このところの解釈はほかの異物の場合にも及んでくることもあるので、十分慎重に考えて議論されたほうがいいと思います。ここで一応、幾つかの系では、エームスでは出ないけれども、他の試験で出たり出なかったりすることを、どのように考えるかということも非常に難しい話です。私は変異原性の専門ではないのでよく分かりませんが、あるといえばあるし、ないといえばないととれるので、難しい問題だと思います。
○大前座長 変異原性に関しては、多分今ここで議論しても結論は出ないと思いますので、今回に関しては、少なくとも肺がんの発生に関しては二次性だろうということを根拠にして、先ほどの0.9をとる。したがって、二次評価値よりも大きいですから、一次評価値は作らないということにしてよろしいですか。具体的な今おっしゃった問題点については、別の委員会で別の専門家を少し集めていただいて、そこで議論をして結論を頂くという形にしないと、多分ここでは終わらないと思いますので、そういう形でよろしいですか。とりあえず数字としては、一次評価値はなし、二次評価値はACGIHの0.2でいくということで、よろしいですか。
 酸化チタンですが、これも似たような議論はあるかもしれませんが、変異原性の有無に関してはそのようなことで進めていきたいと思います。酸化チタンの御説明をよろしくお願いします。
○松井化学物質評価室長 資料は、A3の資料1-5とA4の資料4があります。酸化チタン(ナノ粒子)については、昨年度の年度初めに全体会合において検討していただきました。評価値については少しだけ御検討いただきまして、あとは有害性の小検討会で検討することになっております。まず、A3の資料を御覧いただきますと(ナノ粒子)ですので、一次粒径が100nm以下のものと整理をしております。触媒の担体などでかなり使われてきておりますが、生産量は2010年で13,490トンです。用途としては、結晶型によって(ルチル型)、(アナターゼ型)と実用的には2つ使われておりますが、ルチル型は特に日焼けどめのような化粧品や塗料、トナーの外添剤、トナー本体ではなくてトナーの性質を改良するもの、またゴム、タイヤ等の充填剤にも使われております。アナターゼ型は触媒活性が強いので、光触媒として、あるいは工業用の触媒担体として使われております。
 発がん性としては、IARCが酸化チタン全体について評価しておりまして、2Bと分類しております。IARCの分類の根拠ですが、全体としては2つの吸入ばく露試験を挙げており、1つはナノ粒子に関するもの、もう1つは顔料級の粒子を使ったものです。気管内投与試験については、ナノ粒子と顔料級の粒子の両方で肺腫瘍の増加がみられたという報告があります。
 発がん性以外に重視すべき有害性としては、基本的には肺の炎症で、生殖毒性について若干の報告がありますが、委託調査の有害性評価書では、判断できないという結論になっております。閾値の有無に関しては、先ほど説明したように、活性酸素中の発生について様々な報告があること、難溶解性の低毒性の粒子について、一定の量を超えると肺腫瘍が増加するということが考察されておりますので、先ほど説明したように、委託調査の有害性総合評価表では、閾値ありとなっております。
 これに沿って一次評価値を求めることになりますと、参考資料3の113ページの真ん中から少し下に、[閾値ありの場合]とあります。酸化チタンナノ粒子の長期試験というのは、Heinrichの報告の「1用量による試験」の1本で、今のところ使えるものはそれしかありません。途中で用量が少し変動しておりますけれども、平均すると、10.4mg/m3で腫瘍の増加が見られて、これがLOAELということです。これから算定していくと、次ページの上にある0.023mg/m3という数値が、委託調査の有害性総合評価表では掲載されております。
 資料1に戻りまして、許容濃度等については、ACGIHや日本産業衛生学会は、ナノ粒子に限定した酸化チタンの許容濃度は勧告をしておりません。一次評価値については先ほど御説明したところですけれども、二次評価値については、資料4を御覧ください。これは昨年5月の全体会合において、このような評価値の候補があるというところまで検討していただいて、この辺を基点にして小検討会で検討するということが名古屋先生が結論としていたところです。候補としては、先ほどのACGIHや日本産業衛生学会でナノ粒子に限定したものがありませんので、3つほど候補を挙げております。(1)はNIOSHのCIBで勧告されている濃度、(2)としてNEDOプロジェクトの報告書で提案されている許容ばく露濃度、(3)として有害性総合評価表において毒性試験からの外挿により導出されている評価レベルがあります。この辺を比較、検討していただくことになっておりましたけれども、特段3つの中でどの数字がということではなくて、考え方として、材料としてこのようなことがあるということです。
 2の二次評価値の候補の概要の(1)NIOSHが勧告している濃度ですが、設定の考え方としては、労働生涯を通じてばく露しても、肺がんの過剰発生リスクが1/1000未満と計算されるばく露レベルで、ナノ粒子とレスピラブル粒子の両方が勧告されております。これは考え方としては過剰発がんリスクですが、先ほど述べたように、NIOSH自体が酸化チタンナノ粒子による肺がんの発生が、肺の炎症を通じた二次的な障害であると考察しておりますので、必ずしも過剰発がんリスクを採用しているから閾値のない発がん性であると判断しているわけではないということがあります。濃度レベルとして0.3mg/m3です。
 次ページに入りまして、評価のエンドポイントは肺腫瘍ですが、根拠とした3件の試験結果から、この数値を導いております。1995年のHeinrichのナノサイズの試験結果のみがナノ粒子で、ほかはそれより大きい顔料級のものです。これらの試験を粒子の表面積を指標として考えていくと、粒子の表面積と肺腫瘍の発生という量一反応関係を把握して、それからベンチマーク用量の方法で導いているのがこの数値ということです。F.その他にあるように、NIOSHの報告では、肺腫瘍以外にも肺の炎症をエンドポイントとして同じような方法で、これは過剰発生リスクではありませんけれども、数値を導いております。ただ、低くなり過ぎるので、発がんのほうから導いた数値のほうが、安全側ではないけれども、実際的であろうということで、先ほどの発がんリスクから導いた数値を採用しております。
 3ページのNEDOプロジェクトの報告書において提案されている濃度は、A.設定の考え方として、当面15年程度の亜漫性のばく露期間を想定した許容ばく露濃度で、10年程度で見直しすることを前提に提案されております。B.濃度レベルは0.6mg/m3です。エンドポイントは肺の炎症で、これに用いた試験結果が、ラット、マウス、ハムスターの13週間吸入ばく露試験で、2004年に行われた試験結果を使っております。これを採用するかどうかというところでは、いろいろな試験結果を比較検討して、結果として、使えるのはBermudezの2004年の報告に決定しております。また、外挿の方法が同ページの下から4ページにかけて出ておりますけれども、NOAELとして2mg/m3を採用して、補正の仕方、不確実係数の取り方が(2)(3)に出ております。不確実係数の取り方で、用量指標が3とありますが、種間差の1とこの3、それから(2)にある肺換気量の補正を含めて、大まかに言うと種間差に当たるかなと、厳密には違うのかもしれませんけれども、このような不確実係数になっているということです。
 (3)の今回の委託調査ですが、平成23年度、24年度にかけて有害性総合評価表の案を委託調査で検討していただいたところで、その報告が参考資料3ですけれども、これも先ほどのNEDOプロジェクトと同じ試験の肺の炎症反応をエンドポイントとしております。ただ、不確実係数の取り方などが違うと、外挿の方法が若干安全側に見られているので、濃度レベルとしては0.15mg/m3ということです。5ページの上にあるように、外挿の方法は従来の委託調査の方法を使っておりまして、種間差を10として、ばく露時間補正を6から8時間でみて、これを掛けると0.15になるということです。このような3つのものが設定されていることを参考としましたので、ほかの物質とは設定、検討の仕方は違うかと思いますが、御検討いただければと思います。
○大前座長 これは二次評価値のほうの指針ですが、二次評価値は3つの候補があると。今ではACGIHも日本産業衛生学会の出している数値を二次評価値として使っておりますが、いかがでしょうか。肺の炎症は別にして、肺の腫瘍は閾値のあるタイプの影響と考えていいかどうかを、まず御議論いただきたいと思います。資料3の96ページに、変異原性試験、遺伝毒性の試験の結果が載っております。おおむねマイナスが多いでしょうか、必ずしもそうではないですね。99ページには、二酸化チタンによるフリーラジカルの産生が載っておりまして、培養マウス脳ミクログリア2(BV2)、ヒト上皮由来の細胞、次ページのヒト培養線維芽細胞、気管支上皮細胞といった様々な細胞を使ってラジカルができることは確認ができていて、この評価書の中では遺伝毒性が幾つかプラスになっていますけれども、恐らくROSができることによる反応だろうという言い方になっております。したがって、遺伝毒性はあるけれども、ナノの場合閾値があるタイプの発がんだろうという結論になっております。この点についてはよろしいですか。先ほどの議論は、また別のところでやっていただくことにして、そのような解釈でやっていくと。
 発がんに関しては、実は1個しか実験がなく、しかもこの実験が2濃度のデータ、コントロールプラス1濃度というデータしかない、Heinrichの動物実験ですけれども、そのように非常に大きな制約と言いますか、情報がないという状態で、どうするかということです。
○津田委員 ナノ物質が多く出るようになってきて、例えば二酸化チタニウムですと、100nmで大きい、小さいを分けているのですけれども、分けたところで物性なり、発がん性が変わるというデータもないのです。多くの場合は、生産したときはナノでも、水溶性にしたり、使うときにはほとんどアグリゲーションを起こして、全部がナノとは限らないという事実もあります。二酸化チタニウムで言えば、大きいサイズでも発がん性が既に出ているわけです。Heinrichの1つの試験でも同じようなことが出ているわけですから、1個の試験だけと見ると、全体としての像を見誤る可能性がありますから、ここでは100nm以下のナノ物質で試験を実施した結果が審議の対象になっているのですが、考え方としては、ナノサイズとそれ以上のサイズで区切る必要はないと思います。
○大前座長 多分、Heinrichの実験もオーバードーズだろうとうことを言われておりますけれども、そのような意味ではナノでも、あるいはミクロレベルでも、ドーズをオーバーすれば起きるなら、発がん実験に関してはナノとミクロを分ける必要はない、おっしゃるとおりだと思います。
○津田委員 私はこれにも出ていまして、二酸化チタニウムの評価を担当したのですが、従来の二酸化チタニウムであっても、ナノサイズのものであっても、病理組織像は全く一緒でして、これらによって発生するがんは腺扁平上皮がんが圧倒的に多いということも同じです。ですから、生物学的には、反応は変わるところはないというのがそのときの結論です。
○大前座長 二酸化チタンの発がんに関しては、先ほどと同じように、二次性のものというのは間違いないということに関しては、よろしいですか。実際の一次評価値、二次評価値ですが、一次評価値は、ナノに関してはもともとのデータに情報がない状態ですので、作りようがない。また、二次評価値に関しては、今3つ候補を挙げていただいております。1つはACGIH、産衛がまだない時点なので、これで作るか、あるいは産業衛生学会もナノの許容濃度を今度出そうとなっておりますので、そこまで待つか、急ぐか急がないかという話です。もう1つ、酸化チタンは動物実験を今度ナノでやります。そうすると5年先になりますけれども、これはちょっと待ち過ぎかなと思いますが、ひょっとすると、そのときに一次評価値がきちんと出てくるのかもしれません。
○松井化学物質評価室長 役所の都合を申し上げますと、今年度、事業場でばく露実態調査をやっておりまして、その結果を来年度初めに検討いただくことになりますので、そのための評価値というのは、少なくとも何らか必要になると思います。
○大前座長 できれば二次評価値をここで決めていただきたいということですが、NIOSHが0.3mg/m3、NEDOが時限付ですけれども、0.6mg/m3、今回の有害性総合評価表ですと0.15mg/m3と、それぞれ考え方が若干違っていて、試験期間のUFが入っていたり、いろいろなことをしているわけですが、いかがでしょうか。NEDOの場合は、一応10年間でしたでしょうか、年度の時限が付いておりますので、これを今採るのはまずいかなと思うのですが、その判断はよろしいですか。そうしますと、リスク評価のグループが作った0.15mg/m3という数字にするか、あるいはNIOSHのを採るかということですが、これは多分、元のデータは同じものを使っていて、試験期間の差だけで、そこでUFを採るか、採らないかということだけだと思いますし、どちらを採るかに帰着すると思うのです。UFを採って0.15mg/m3というのが、今までの考え方との整合性から見たらいいかなという気がいたします。
○宮川委員 多分、ナノではない酸化チタンについては既にリスク評価がされていると思いますが、NIOSHのデータは、計算のときにナノサイズではないものも使って計算をされているものだと思うのです。仮にこれを持ってくるのだとすると、ナノではないものについても一応見直して、同じにしなければいけないということもあります。そうしますと、発がんのエンドポイントではないとは思うのですけれども、参考資料3-5の事業で出していただいた数値を使うということになります。ただ、ナノ粒子についての発がん試験の結果が出たときには見直すということを考えてやる、というのが論理的には筋が通るような気がいたします。
○大前座長 確かにNIOSHの場合はそうですので、取りあえず、今日の段階では0.15mg/m3ということでよろしいですか。これから発がん実験が始まりますので、その結果を見て、当然見直しをすると。酸化チタンのナノに関しては、二次評価値は0.15mg/m3ということで、皆さんの御了解を得たことにさせていただきます。それではその他について、事務局からお願いいたします。
○瀧ヶ平室長補佐 資料5を御覧ください。有害性評価小検討会は引き続くわけですが、一応、年度で回数を数えておりまして、4月10日が第1回目ということで、残っている物質等の評価値の話をさせていただきます。2回目は5月2日、13時半〜15時半、全体でお集まりいただくのは4月26日、10時からを考えております。合同の第2回目は5月24日、第3回目を6月21日と考えておりますので、よろしくお願いいたします。また、発がん性のワーキンググループということで、西川先生、津田先生が委員をされておりますが、こちらも5月2日に開催させていただき、清水先生に座長をしていただいております遺伝性のワーキンググループは、5月22日の開催を考えております。以上、日程等よろしくお願いいたします。
○大前座長 平成25年度もたくさんありますけれども、皆様、御協力のほど、よろしくお願いいたします。以上で終了いたします。本日は長時間ありがとうございました。


(了)

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