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2013年2月1日 第7回 厚生年金基金制度に関する専門委員会 議事録

年金局

○日時

平成25年2月1日(金) 13:00〜15:00


○場所

中央合同庁舎第5号館18階専用第22会議室


○議題

意見とりまとめ

○議事

○神野委員長 それでは、お待たせいたしました。いずれ駒村委員もお見えになると思いますので、ただいまから第7回社会保障審議会年金部会の「厚生年金基金制度に関する専門委員会」を開催したいと思います。
 委員の皆様方には、お寒い中、またお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。とりわけシーザー歴では2月は年の終わりでして、文字どおり大学関係の皆様には入試等々で先生が走り回るお忙しい月にもかかわらず、万障繰り合わせて御参集いただきましたことに感謝する次第でございます。
 本日は山本委員から欠席との御連絡をいただいておりまして、山本委員の代理として杤原参考人が御出席いただけるということでございます。委員の皆様方に御承認いただければと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○神野委員長 それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきますが、大変恐縮でございますが、カメラの方々には、これにて退室をお願いしたいと思います。御協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○神野委員長 それでは、既に前回に申し上げましたけれども、今回の委員会では、専門家委員会としての意見の取りまとめを行いたいと考えております。そこで、事務局に意見書を準備していただいておりますので、それに基づいて委員の皆様方から御議論を頂戴できればと考えております。
 それでは、事務局のほうから御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○渡辺課長 それでは、まず、資料の確認をさせていただきます。
 本日は、資料といたしまして「『厚生年金基金制度の見直しについて(試案)』に関する意見(案)」ということで、意見書のたたき台を御用意させていただいております。
 また、参考資料といたしまして、本委員会の第1回目にお出ししました厚生労働省試案につきまして、改めて御用意をさせていただいております。
 それでは、続きまして、資料の御説明に入らせていただきます。資料の意見書(案)ですが、この委員会では、第1回に厚生労働省から試案を御提示し、これに基づきまして、これまで御議論いただいてきました。その間には、関係団体等からのヒアリングも2回ほど行ったわけでございますが、そうしたことを含めまして、全体としての専門委員会からの御意見をいただく、その案ということでたたき台を整理しております。全体が少し大部にわたりますので、かいつまんで申し上げたいと思います。
 まず、意見書(案)の構成でございますが、大きく分けて2部構成になっております。「はじめに」というところでこれまでの審議経過等を書かせていただきまして、大きく「Ⅰ.総論」と「Ⅱ.各論」に分けてございます。
 「Ⅰ.総論」のほうは、厚生年金基金制度の制度的な基盤でございます「1.代行制度の現状と課題」につきまして、これまでの御審議あるいは各委員から出されました意見書等も参考に整理させていただいております。
 総論の2つ目の柱は3ページ目でございますが、これも前回の取りまとめに向けての議論の中で、試案で示されている3つの論点、それぞれが相互に関連している。この点を整理する必要があるのではないかという御意見がございましたので、そこについて書かせていただいております。
 5ページからの「Ⅱ.各論」は、厚生労働省試案で示しております3つの柱、「1.特例解散制度の見直しによる『代行割れ問題』への対応」「2.企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進」「3.代行制度の見直し」という3つの柱に沿いまして、それぞれ基本的な考え方と個別事項についての意見ということで整理させていただいている、全体はこうした構成になってございます。
 それでは、1ページをごらんいただきまして、まず「Ⅰ.総論」のところでございます。現状分析が主でございますので、細かくはご説明しませんが、まず大きく1ページ目からは、厚生年金の制度基盤であります代行制度につきまして「(1)制度面から見た特徴と意義」ということで整理させていただいております。
 1ページの下にもございますように、この代行制度というのは、いわゆる「適用除外(コントラクトアウト)」とは異なりまして、あくまでも最後まで代行部分の責任というものは公的年金のほうにもかかわるということで、その意味では、最後の行のほうにございますが、公的年金と企業年金の財政責任というものがある意味渾然一体となった仕組みであるというところが特徴的であるということでございます。
 2ページ目でございますが、厚生年金基金制度、代行制度につきましては、昭和41年に創設されたわけでございますが、2ページの最初にもございますように、社会連帯ということを基本理念とする公的年金制度におきまして、こういった一部の企業群を対象とした制度が許容された背景としては、1つには、そういった企業群の労使自治による自律的な運営というものによって公的年金の補完としての老後の所得保障の充実が図られるということ。
 もう一つは、解散・復帰時に厚年本体についての財政リスクを負わせないという、その意味での基本原則があったということで、また、これを裏づけるだけの経済・金融環境があった。実際にも、この代行メリットを生かした順調な発展というものが当初見られたということを書いてございます。
 2ページの中ごろからは、こういった代行制度の役割の変化ということで、いわゆる平成バブルの崩壊後、利差益が利差損に転じる中で、1つには企業会計基準の見直しの影響もあったわけでございますが、大企業を中心とする企業は代行返上によって大半が移行し、現時点では約8割はいわゆる総合型基金でございます。この総合型基金のガバナンスの問題ということにつきましては、この専門委員会でも、これまで何度か指摘のあったところでございます。
 また、制度改革といたしましては、これも前回のときに資料で詳しく御説明申し上げましたが、これまでの制度改革の方向は、基本的には厚年本体との財政中立化という方向で進められてきたわけでございますけれども、この財政中立化によりまして、ある意味、代行部分の資金というのは公的年金から基金への貸付金的な性格を有するものですが、そういった性格が一層強まってきたというところでございます。
 そして、代行資産を借りて利差益の拡大を図る、一種のレバレッジ効果をねらったこういうモデルというものが、昨今の金融市場の変化の中で時代の変化に適合しなくなってきているということ、数字等も含めて整理させていただいております。
 3ページ目の(3)、そうした中で、いわゆる代行割れの問題ということが近年顕在化してきているということ。これは一時的ということではなく、過去十数年間の実績で見ましても、平均的に見て不足額数千億円規模で推移してきているということで、これも前回の委員会でも指摘がありましたが、代行割れというのは代行制度の存立基盤から見れば非常事態ということであるわけですが、それが常態化をしているような状況になっているということでございます。
 この代行割れにつきましては、もちろん、母体企業の事業主が補填するというのが大原則でございますが、こういったことが昨今では母体企業の経営にも影響を及ぼし始めているということ。これを放置することは、最終的に財政責任を負う厚年本体の財政にも影響してくるということでございます。
 もう一つ、代行制度のというのは代行をもとにして上乗せ給付を厚くするということが目的であるわけですが、現実には上乗せ給付につきましても、かなりの積み立て不足が生じているということは前回の資料でお示しをしたところでございます。
 こういった中で、かつては企業年金普及の原動力ということで代行制度が機能していたわけですけれども、今日では上乗せを実行するという意味においても、あるいは代行割れの不足を負担する母体企業のリスクという点においても、最終的には代行部分についての責任を負う厚年本体の被保険者、事業主という点から見ても、やはり代行制度そのもののあり方を再考すべき時期に来ているのではないかということ。これがこれまでの委員会での御審議の大きな流れであったかと思います。
 その上で、「2.試案を考えるに当たっての基本的な視点」ということでございますが、まず、第1の論点でございます代行割れ問題への対応。これはまた各論でも詳しく述べますが、基本的に試案の方向としては、今の特例解散制度を改善する、ないしは特例措置を拡大するということで、この代行割れ問題については早期に対応するということを提案してございます。
 4ページでございますが、代行割れ問題への対応、対応の仕方についてはいろいろ御議論ございましたが、早期対応が必要であるということについては、当委員会でも意見が一致したところではなかったかと思っております。ただ、これは逆の見方をしますと、厚年本体の側から見れば、今以上に財政リスク、これは貸し倒れリスク的なものも含めてでございますが、リスクを高めることにつながるということでございます。
 しかし、今回の大きな流れとしましては、自己責任原則を貫徹すべきという点は基本に置きつつも、こういう多くの関係者がリスクを負担する形で早期対応を図っていこうと。ただ、それをするからには、やはり原因となった代行割れを二度と起こさないようにするために、これも前回の議論の中で基金と本体との財政リスクを遮断するという言葉もございましたけれども、そういった制度的なビルトインというものが必要ではないか。その意味で、代行制度の第3の論点であります代行制度の見直しと、第1の論点であります代行割れへの対応ということは関連をしているということでございます。
 また、中ほどからでございますが、第2の論点でございます「企業年金の持続可能性を高めるための施策」ということは、こういった代行全体の見直しとどう関連しているかということでございますが、ここでは大きく2つの視点ということで整理をさせていただいております。
 1つ目は、基金からの移行の受け皿ということで、この専門委員会でもしばしば言及をされてきてございますけれども、実際にこういった制度的な受け皿として、制度としては確定給付企業年金や確定拠出年金、あるいは中退共も含めてということになりますと、制度的なものはあるわけでございますが、やはり今の厚生年金基金の母体企業の大半は中小企業であるということを考えると、こういった現行制度そのままではなかなか難しい。やはり一定程度の改善なりが必要であるということでございます。試案でも幾つか提案しておりますけれども、この委員会の中でもさらなる改善が必要であるといった具体的な御指摘もございました。特に適格退職年金からの移行ということも一種の反省材料として取り組むべきという御指摘もされていたかと思います。
 もう一点の視点としまして、代行制度の縮小・廃止ということで、公的年金と企業年金、冒頭も申し上げました財政責任の混在が解消する。その意味では、改めて私的年金というもののあり方、これは公的年金等の関係ということもございますし、また私的年金自体の普及・充実ということについて、改めてこういった議論の場を設けて早急に議論する必要があるということ。これも前回、いろいろ御指摘があったことでございます。
 このように3つの論点がそれぞれ関連しているということが、まず総論として重要であるということが委員会でもかなり御指摘をされましたので、そういったことを踏まえて、たたき台として今のようなものを用意させていただいております。
 5ページ目以降は「Ⅱ.各論」でございますが、まず、特例解散制度の見直しということでございますけれども、これは総論とも重なりますが、やはり代行割れ基金の解散というものは母体企業の労使を中心とした基金の自己責任というものが原則である。この点は大きく揺るぐものではございませんし、現実にこの試案でも、現行の特例解散制度という枠組みの中でそれを改善していくということを提案してございます。これについては、こういった枠組みについて、特にこの委員会でも異論はなかったかと思いますので、妥当であると整理させていただいております。
 また、当然でございますけれども、税財源の投入ですとか、いわゆる「あるだけ解散」という厚年の積立金で救済するようなことは避けるべきというのが共通した意見ではなかったかと思っております。
 ただ、一方で、この母体企業を取り巻く非常に厳しい経営環境というものにも配慮する必要があるということで、この委員会の中でも年金政策にとどまらず産業政策や金融政策ともっと連携をすべきだという御意見がございました。この点ももちろん不可欠でございますし、また、母体企業の円滑な資金調達を支援するという観点から、一定程度の見直しを行うことはやむを得ないというようなことではなかったかと思っております。
 ただ、そのためには、繰り返しになりますけれども、こういった今後の財政リスクというものが厚年本体に及ばないようにするという方策を制度的にビルトインするということが必須条件でありますし、また、特例解散、試案では5年間の時限ということで提案させていただいておりますが、これについても今回をもって終了させるということも改めてここに書かせていただいております。
 個別事項につきましては、特例解散のプロセスについては、特に第三者委員会の位置づけが重要であるという御意見がございました。現行の特例解散制度の改善につきましては、大きく連帯債務の見直しと利息の固定化という2点を提案しておりますが、これにつきましては母体企業の雇用への影響等を回避するという点から、やむなしということが御意見だったかと思っております。
 6ページでございますが、委員会の中でも少し御意見があったところでございまして、既に分割納付を行っている基金が現行でもございます。こういったところに遡及適用するかどうかという点が今後論点となり得るわけですけれども、これについてもモラルハザード防止をしっかりするということが必要であるということでございます。
 試案の中では、こういった現行制度の改善に加えて、いわゆる新特例ということで、納付期間の延長と納付額の特例をさらに拡大するA案、B案というのを提案しておりますけれども、これまでの委員会の御議論の中では、特にB案については、これまでの解散基金等との公平性等の観点から問題があるという御指摘が多かったかと思いますので、ここでは講ずべきではないということで否定的な書き方にしております。
 また、仮に行うとした場合でも、納付期間の延長にとどめるべきではないかということ。ただ、これについても新特例そのものが必要ないのではないかという御意見もございましたので、そこも付記させていただいております。
 4点目の、いわゆる特例解散の申請時点から3階部分を止める、支給停止をするという今回新しく立法措置を行おうとしていることでございますが、これにつきまして、前回少し事務局からも資料を出し、先生方からも御意見をいただきましたので、その点を整理しております。
 この点につきましては、次の7ページのところでございますけれども、審議の中では明確に受給者の3階を止めるということについて反対であるという御意見がペーパーで出されておりましたので、その点も付記をさせていただいております。
 7ページから大きな柱の2つ目、「2.企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進」でございますが、これは前回、第6回の御議論の中に公・私年金の役割ということで先生方のほうからいろいろと御意見を出していただきましたので、この専門委員会のミッションとしては、厚生年金基金ということに限っておるわけでございますが、今後の議論ということもありますので、一つ一つは申し上げませんが、7ページの2つ目の○のところで、これまで出た御意見を少し列記させていただいております。
 8ページ、当面の課題でございます基金から他の企業年金制度への移行ということについては、企業年金、中小企業が導入しやすい仕組みということが非常に重要であるということで、確定給付につきましては、できるだけ事後的な不足が発生しにくいように、あるいは確定拠出についてもコストの低減化を徹底するといった御指摘のあったところでございます。
 (2)個別事項というところでございますが、試案の中で提案しておりますキャッシュバランスプランの弾力化につきましては、選択肢を多様化していくという方向はそれほど大きな方向として異論はなかったかと思いますが、個別のキャッシュバランスプランの設計のこと、特に今回運用実績を指標に加えるということにつきましては、さまざまな御意見がありましたので、それを列記させていただいております。
 また、中小企業向けの最後のところですが、できるだけ簡易な制度設計や手続にしていくということも今後の検討課題としてあるということも付記させていただいております。
 9ページ目の集団運用型(DC)のところでございますが、ここは試案で提示しております投資教育を不要とすること、あるいは資産運用委員会を設置するということについては、慎重あるいは反対という御意見も多数でありましたので、その旨を付記させていただくと同時に、DCにつきましては、これは税とも絡むわけですが、拠出限度額の引き上げですとか、マッチング拠出の規制緩和とか、そういった点についてもう少し考えるべきであるという御意見が出されましたので、その点も付記をさせていただいております。
 9ページの中ごろからは「3.代行制度の見直し」、3つ目の柱のところでございます。基本的な考え方しましては、総論のところでも整理しておりますけれども、これも繰り返しになりますが、そもそも代行制度創設時の前提条件であります労使自治による自律的な運営ですとか、上乗せ給付の確実な実行、あるいは厚年本体の財政リスクを負わせないといったところが今日ではかなり崩れてきているということで、今後の持続可能性は低いということでございます。
 しかし、一方で、現に生じている代行割れ問題を放置するということも適切でないということで、これは先ほどの総論の基本的な視点というところとも重なりますが、やはり代行割れ問題は今回終止符を打たなければならない。そのためには代行制度そのもののあり方を考えるということで、先ほど申しましたような厚年本体とのリスクを遮断するという観点から、最後の○のところでございますが、今回、試案で提案しております一定のプロセスを経て代行制度をたたんでいく、廃止をしていくという方向性については妥当であるという意見で、全員というわけではございませんが、ほぼ一致したということではなかったかと思います。
 ただ、御意見の中には、10ページにもございますように、一定の基準を定めて、これに届かない基金は速やかに解散させつつ、こういう基準を満たす健全な基金については存続させてもよいのではないかという御意見もありましたので、その点も付記させていただいております。
 この場合、健全性というものをどう考えるかということについては、前回のときにも事務局からも少しデータなどもお示しをして御議論いただきましたけれども、この点を安易に設定した場合には、代行割れ予備軍とでも言うべき状態を将来に向けて残すということになるということで、そういう意味では健全性というものをどう評価するかということでございますが、そもそも代行制度の基本的な存立基盤というのは、代行部分を使って、そして労使の自律的な運営によって上乗せ部分を確実に実行していく。その意味では、代行部分の資産に頼らなくともきちっと上乗せ給付が自律的に行えているという、前回も3階部分を持っているかどうかという基準を出しましたけれども、こういう非継続基準といったようなものを満たしているということは当然の前提ではないか。
 さらにその上に、昨今のように金融市場のリスクが高まっている中で、やはり最低限、この資産運用のリスクから代行割れのリスクを遮断するという意味では、前回、事務局からもお示しをしておりますけれども、実績としてはおおむね代行の1.5倍以上ということが、当面短期間ではありますけれども、代行割れが生じないバッファー水準であるということで、これを最低限の条件とすべきではないかということで整理させていただいております。
 ただ、そうは言いましても、将来に完全に代行割れリスクをゼロにすることはできないというときに、これをどうやって制度的にビルトインするかということでございますが、これにつきましては、以前、委員から御提出のあった資料の中で、1つは適用除外ということが制度的には考え得る。ただ、これは皆年金からの例外をつくるということで望ましくないという御意見もありましたので、その点、1つの制度の考え方として整理させていただいています。
 また、こういった適用除外というところまでせずとも、今、申し上げました非常に厳しいバッファーというものを設けた上で、これを下回った場合には直ちに解散命令を出すということも考え得るわけですけれども、ただ、昨今のように非常に金融市場のリスクが高まっている状態では、下方リスクに対してかなり緊密に見ていかないと対応が手遅れになる可能性もあるということも指摘させていただいております。
 いずれにしましても、11ページ、代行割れ問題と代行制度の抜本的な見直しというものが対になっているということをここで改めて強調させていただいております。
 個別事項につきましては、最低責任準備金の計算方法の見直し、これは0.875の問題、期ずれの問題、事務局から最初の試案でお示ししておりますが、これについては財政中立化の徹底という観点から、特に御異論はなかったと思いますので、妥当であると整理させていただいておりますし、また、解散要件の緩和につきましても、そのように整理させていただいております。
 最後に「おわりに」のところでございますが、この審議会の議論の中でも、いろいろと厚生労働省のこれまでの対応ということについても種々御指摘があったところでございますので、ここにつきましては、「おわりに」の2つ目の○のところで、自戒も込めて整理させていただいております。また、今後、実際に制度改正を行っていくということはそれなりの時間かけて実行していきますので、そういった意味では、制度改正後がむしろ大事だということで、そういうことも整理させていただいております。
 また、さらにこの間、やはり加入者や事業主といった真の意味でのステークホルダーの十分な情報が伝わっていないのではないかという御指摘もありましたので、その点につきましても付記をさせていただいております。
 以上、簡単でございますが、意見書のたたき台の御説明にかえさせていただきます。
○神野委員長 どうもありがとうございました。委員の皆様方から熱心に御議論をこれまでいただいた内容を忠実にまとめたと考えておりますが、この意見案をめぐって御議論を頂戴できればと思っております。その際、お願いがございまして、可能な限り具体的な修文意見というような形でお出しいただければ取りまとめが効率的に進みますので、御協力をいただければと考えております。
 議論の進め方でございますが、生産的に議論を頂戴するために、3つぐらいに意見案を分けて、それぞれの部門でいただければと思っております。
 まず、第1のパーツでございますけれども、1〜4ページ、つまり、「はじめに」の部分と、2部構成になっておりますが、そのうちの1部に当たります総論に関して御意見を頂戴できればと思っておりますので、いかがでございましょうか。総論の部分と初めの部分で修正、御意見がございましたら頂戴できればと思っております。
 菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 大変細かいのですけれども、2ページの下から5行目、「あったことにより」というのは、「あることにより」という。
○神野委員長 済みません。2ページの下から5行目。
○菊池委員 下から5行目です。「不十分であったことにより」は「あることにより」のほうがいいのではないかという。
○神野委員長 過去ではないという意味ね。
○菊池委員 はい。ある意味で、従来の社会経済状況のもとでは、はっきりとしたビルトインスタビライザー、そう言った話が出ましたが、そういうものがないことが公的年金たるゆえんであったと思うのです。そういった基盤が失われた。まさに今の問題として適合しなくなってきているということなので、細かくて大変申しわけないのですが。
○神野委員長 ちょっと考えさせていただきます。いずれにしても、意見を頂戴しておきます。あといかがでございましょうか。第1のパートはよろしいですか。
 それでは、引き続いて2つ目のパートですが、5〜8ページです。つまり、2つのパーツの「Ⅱ.各論」のうち、「1.特例解散制度の見直しによる『代行割れ問題』への対応」と「2.企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進」、この2つの部分について御意見を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○駒村委員 7ページの施策の推進に行っていいですか。
○神野委員長 はい。いいです。
○駒村委員 一番下の私的年金の普及に当たって、大企業、中小企業に広がらないようにと書いてあるのですが、11ページのほうには、自営業等も含めて自助努力による私的年金の普及・充実と書いてあるので、ここは大企業、中小企業だけではなくて、働き方にかかわらずとか、そういう文言が入っていたほうが11ページとマッチするのではないかと思います。
○神野委員長 わかりました。一応御意見を頂戴しておいて、ここの部分は言わば委員会としてまとまったということではなく、それぞれの意見が出ているパーツなので、全体の脈絡と外れてもと言ったら変ですが、表現ぶりがそれぞれの御意見を並べているところなので、そこを考えさせていただいて検討させていただければと思っております。
 あといかがですか。山口委員、どうぞ。
○山口委員 修文というよりコメントなのですけれども、よろしいでしょうか。
○神野委員長 いいですよ。
○山口委員 6ページの一番上の○のところなのですけれども、既に分割納付をしている基金において、事業者の倒産が相次いでいるといったようなケースが報道されておりましたけれども、残った企業に非常に重い負担がのしかかっているといったような事態がありますので、ぜひ遡及適用については、もちろん、第三者委員会でのチェックといったようなことを前提として、これは積極的に対応していただきたいと思っております。
 以上です。
○神野委員長 わかりました。これは御意見として頂戴しておくことにさせていただければと思います。あといかがでございましょうか。よろしいですか。
 それでは、最後のパーツになりますけれども、9ページの「3.代行制度の見直し」以降11ページまで、「Ⅱ.各論」の「3.代行制度の見直し」と「おわりに」について御議論頂戴できればと思います。
 どうぞ。
○森戸委員 まず、修文案で示せなくて恐縮なのですが、確認したいのです。9ページの3の(1)で始まっている2つ目の○です。「一方で、現に生じている」というものですが、2つ目のパラグラフで、代行割れ問題には、まずは代行割れ基金の事業主や加入員・受給者が最大限対応するのが当然である。
 この意味なのですが、事業主が対応するというのは金を積めということでいいのですけれども、加入員・受給者の対応というのは、考えるに、加入者であれば給付減額に賛成しろとか、解散に同意しろとかで、受給者はもう自分の給付の話しかないから基金の意思決定には参加できないので、受給者の対応というと、受給者減額を受け入れなさい、一時金で取るのはやめなさいとか、もっと言えばもらわないで返しなさいとか、そこまでは言わないのかもしれませんけれども、加入員・受給者の対応は何を想定して書かれているのか、教えていただきたいのです。
○神野委員長 これはそもそもの趣旨で書いているということですね。代行制度のそもそもの趣旨から言ってという理解でよろしいですね。
○渡辺課長 はい。具体的にどういうツールがあるかといえば、今、森戸先生が御指摘のあったことだと思います。
○森戸委員 制度として事業主、加入員・受給者と同じレベルで対応するような仕組みにはなっていないのかなと思って、一時的には事業主がやることで、結果的に加入員とか受給者は労使合意とか、受給者減額における同意とか、そういうレベルなので、そこも責任を負うべき人たちですよという趣旨はわかるのですけれども、最大限対応しろというので事業主と同じレベルに並べているのはおかしいのではないかと思ったのです。
○神野委員長 とはいえ、ポツの1のところで、そもそもの趣旨を書いているところから受けている。労使の自治とかですね。
○森戸委員 それはもちろんわかるのですけれどもね。
○神野委員長 責任に差異があるではないかと。
○森戸委員 そうですね。今、負担をかぶるべき人だというのはわかりますけれども、そもそも責任を負うという話なのかという。これで間違いとは思いませんが、対応というと積極的にしなさい。事業主に対しては、やはり代行が割れているのにお金を積むのが筋でしょうというのは非常にストレートに出てくる話だけれども、加入員・受給者というのは違うのではないかということです。
○神野委員長 では、表現ぶりを後ほど考えさせていただきますので。
○森戸委員 考えた上でこれでというのであればそれでもいいですけれども、いずれにしても一応意見として申し上げておきます。
○神野委員長 わかりました。あとはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○宮本委員 ありがとうございます。11ページの「(2)個別事項についての意見」の「②解散要件」のところは2行しか書いてございませんけれども、できればもう少し丁寧に書いていただければと思っております。労使合意に基づく自主解散が基本というのは当然でありますけれども、特に中小はなかなか労働組合の組織率も低くて、労使が本当に対等というところは少ないのが実態となっています。したがって、労働組合のあるところは従業員代表としてチェックはできるのですけれども、多くのところはそういうふうになっていない。
 そこで、十分に積立水準が確保されているところで解散、制度廃止に便乗して3階部分の支給額を減額するようなことが絶対にあってはならないということで、下の「おわりに」の一番最後に、ステークホルダーである加入者・受給者・事業主に対して行政としても支援を行っていくという記載がありますけれども、ここの解散要件のところに関しても厚生労働省として監視の目を光らせるような記載をぜひお願いしたいと思います。
○神野委員長 そうすると、修文するにしても特に補強をするような感じですね。ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○駒村委員 今の宮本委員の話ともかなり重なるのですけれども、この問題については幾つかのプリンシパル・エージェントの問題があったと思うのです。1つは、基金の経営者側と受託金融機関の間で、基金側がプリンシパルのほうに考えれば、受託金融機関がエージェントという関係があって、そこにおいては情報の非対称性、不完全情報みたいな問題があった。これについては、12月10日の全国中小企業団体連合会のほうからも、こうした情報の不完全性に関わる指摘があったと思います。そういう部分での情報の非対称性がある部分で、どうやって行政がそこをサポートしていくのかという問題。
 今、宮本委員がおっしゃった、今度はプリンシパルを加入者としたときに、エージェントである企業年金の経営者のほうの間でも2つの問題があって、1つは単独型のように、かなり利害関係がきちっとまとまっていれば問題は小さいわけですけれども、総合型のように利害関係が必ずしも一致しなかった。あるいは今のお話のように、特に大きい変更をするときの情報が不完全であるという問題もあったと思う。
 そういう問題を克服するためには、従来から質問させていただいたときに、いま一つ労使自治の姿が本当に見えてこなかった。ヒアリングをしても実態は結局最後まで見えてこなかった。そういう意味では、きちんとと労使が実質的に意思決定にかかわっているかどうかというのをきちんと報告させるとか、モニターするということは必要だと思いますし、宮本委員がおっしゃった11ページに書いてあるように、プリンシパルである加入者に的確な情報が伝わるように行政としても支援していく、それの具体的な施策も考えておかなければいけないと思います。
 さらに、行政側の日ごろのチェックとしては、10ページの一番下にある適切なモニタリング制度の整備というのもきちんとやっていただくということを、修文ではないのですけれども、コメントとして議事に残しておきたいと思います。
 以上です。
○神野委員長 どうもありがとうございます。最初の部分は、ある程度「おわりに」の中に修文というか趣旨が盛り込めればということを含んでらっしゃいますか。
 どうぞ。
○駒村委員 宮本委員のおっしゃった話とつながっていくわけですけれども、単なる情報ではなくて、重要な意思決定をしなければいけないときに、非常に不利益な情報のギャップを使って、加入者に不利益な解散・変更が行われないようなことも含めての施策をお願いしたいということです。
 モニタリング体制のほうも同時に、これは情報ギャップから加入者が気づかない問題を回避し、あるいは基金側が状況を評価・認識して報告をさせる、あるいはそれを行政が監視するということが必要ではないかと思います。
○神野委員長 両方含めて、できれば少し補強できればという御意見ですね。
○駒村委員 はい。可能であれば。
○神野委員長 わかりました。
 花井委員、どうぞ。
○花井委員 2点ほどあります。
 11ページの「②解散要件」ですが、今回の解散要件を緩和するということについてはやむを得ないと考えています。ただし、その解散要件の緩和については、厚生年金基金に限定していただきたい。DBにまで拡大するようなことはしないでいただきたいということは意見書で述べたかと思うのですが、そのことの確認です。ここに記載していただけるのか、もし、厚生年金基金だけだということであれば、その御答弁をいただきたいというのが1点です。
 次に、「おわりに」のところで、今の流れの話ですが、厚生労働省の責任というか、「厚生労働省の対応にも問題があったと指摘せざるを得ない」と2つ目の○に書かれています。それは全くそのとおりだと思っているのですが、前回、例えば地方厚生局の監督のあり方がどうだったのかという意見も出されていました。そういう意味で言うと、さまざまに関わった方たちの対応にも問題があったのではないかと考えております。
 そのことについて、やはりこれから何が必要なのか。むしろこれからが大切とおっしゃった渡辺課長の説明がそのとおりだと思っていまして、情報伝達のことが触れられています。問題は、加入者・受給者のところにきちんとした情報が届いていなかったということです。そこで、基金から事業主へ、基金から加入者・受給者へ、事業主から従業員へという流れの形が見えるように書けないものか。ガバナンスがきいていなかったということと同じかもわかりませんが、そのことをもう少しこれからの解散に向けて記載できないか。さらにガバナンスをちゃんと組み込んでいくことを厚生労働省が指導していくということがもう少し明確に記載できないか。具体的な文言は今すぐに言えないですが、ぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○神野委員長 最初の話は、ここは当面代行制に限っているところ。
○渡辺課長 この委員会は、基本的には厚生年金基金制度のあり方についての議論ということで進めていただいたと思いますので、厚生年金基金の文脈の中でこれまでも御議論いただいたものと理解しております。
○神野委員長 趣旨を何か生かせるかどうかは考えますが、いずれにしても、ここはそういうことを入れると混乱しますので、限らせていただければと思います。あといかがでございましょうか。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 11ページの解散要件の1つ上の「①最低責任準備金の計算方法の見直し」のところですが、新たな特例措置をしなくても、実は計算方法の見直しによって、現時点では相当の改善効果、負担の軽減が期待される要素だと思います。したがいまして、ここでは割合淡々と「妥当であると考える」という表現になっているのですけれども、できれば早期にこれを変更するといったようなことで実現を進めていくことが必要なのではないかなと感じております。
○神野委員長 わかりました。それも考えさせていただきたいと思っております。
 あといかがでございましょうか。よろしいですか。全体を通して見ていただいても構いませんが、戻っていただいても構いません。
 それでは、どうもありがとうございました。御意見を頂戴し、また生産的な御意見を頂戴したことを感謝いたします。そして、私の認識では、この事務局が作成していただいた意見書について、全体としては皆様方の御了解が得られたのではないかと思っておりますので、なお、今この場で御意見を頂戴したことについては、表現ぶりだけの話ではないかもしれませんが、いずれにしても、御趣旨を可能な限り生かすような工夫をさせていただくということを、恐縮でございますが、私に一任させていただければそのようにさせていただいて、この専門委員会としては御了承賜ったということにさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○神野委員長 それでは、そのようにさせていただいて、私が責任を持って修正をさせていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。
 また、この「(案)」を委員会としては取りますけれども、これをいつの時点で年金部会に報告をするかという時期についても、諸般の事情を考慮しながら、私のほうに一任させていただければと思います。それも御了解いただければ。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○神野委員長 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 本日をもちまして、この専門家委員会は閉じさせていただくことになります。委員の皆様方からは、昨年11月から7回に及ぶ極めて熱心な御議論を頂戴いたしました。私の運営が至らない点があったと思いますけれども、お許しをただいた上、かつ委員の皆様方の御協力をもちまして、とりあえずまとめられたということを深く感謝を申し上げる次第でございます。重ねてでございますけれども、事務局の皆さん方には、私の至らない点を補うどころか大変な御努力を頂戴いたしましたことを感謝申し上げます。
 最後に、個人的なことでございますけれども、私の健康上の問題で、局長初め事務方の皆様には大変な御心配をおかけいたしました。これも感謝を申し上げるとともに、また委員でも、駒村委員にはこの点についても御心配を頂戴いたしました。御礼を申し上げる次第でございます。
 いずれにいたしましても、お詫び方々、最後に私のほうで御礼を申し上げたということでこの会を閉じさせていただきますが、事務局から何かお言葉をいただければと思います。
○香取年金局長 年金局長でございます。
 昨年の11月以降7回にわたりまして、委員長初め委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、熱心な御議論をいただきまして、本日取りまとめいただきまして、まことにありがとうございました。
 この厚年基金制度の問題につきましては、田村大臣も大変御関心が高くて、田村大臣御自身も、例えば基金の健全性の問題でありますとか、本来の厚生年金基金の役割である3階部分の給付というものもきちんと見た上でいろんな議論をするべきだというような御議論の御指示もいただいておりまして、この専門委員会の取りまとめについては非常に関心を持って見ておられたと、我々もその都度、大臣には御報告をして、御指示を仰ぎながらきょうまで議論を進めてまいりました。
 きょう、取りまとめいただきました委員意見につきましては、大臣にも早速御報告をして、一応、今国会の提出予定法案ということで厚年基金制度の改正を予定してございますので、早急に法案改正の作業に着手いたしたいと思っております。
 法案提出の前には、改めまして年金部会のほうでも御報告をし、御議論いただくことになりますので、委員長以下の年金部会の委員の先生方も何人かいらっしゃいますが、その方々には、年金部会の場でも改めて御報告を申し上げるということにいたしたいと思います。大変短い間に精力的に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。
 以上です。
○神野委員長 それでは、これにて、この委員会の最終的な終わりでございますが、終わりにさせていただきたいと思っております。どうも御協力ありがとうございました。


(了)

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