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2013年2月1日 第9回肝炎対策推進協議会 議事録

○日時

平成25年2月1日(金)17:00〜


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○議事

○北澤肝炎対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまより「第9回肝炎対策推進協議会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 まず初めに、田村厚生労働大臣から御挨拶をさせていただきます。よろしくお願いします。
○田村厚生労働大臣 第9回肝炎対策推進協議会を開催いただくに当たり、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 まず、委員の皆様方には大変御多忙の中を本日も御出席いただき、御協力いただきますことを心から厚く御礼を申し上げます。
 肝炎対策でありますけれども、厚生労働省は今まで医療費の支援でありますとか、またはウイルス検査の無料化、さらには診療体制等々の整備、そして正しい知識の普及でありますとか肝炎研究等々、総合的に対策を講じていく中におきまして、十分ではございませんけれども、それこそ肝炎の患者の皆様方に対して、安心して暮らせるような社会的環境を何とかおつくりしていきたいということで努力をしてまいりました。
 今回、補正予算と来年度予算が閣議決定をされたわけでありますけれども、この中でも肝炎治療の研究、それから新薬等々の開発に向かっての臨床研究の基盤整備でありますとか、または治療と就労の両立支援という意味で、これは新しい取り組みではありますけれども、このようなものに予算を要求しておるわけでございまして、成立に向かって万全の準備をしてまいりたいと思っております。
 私自身は国会議員としてではありますけれども、この肝炎対策に少しばかり皆様方とともにかかわってきた経緯がございます。その中において感じましたことは、やはり患者の皆様方、感染者の皆様方のお一人お一人のお気持ちをしっかりと大切にしながら対策を講じていくこと、これが何よりも重要であると感じております。
 今日は委員の先生方、または有識者の皆様方の方から、肝炎患者の実態の御報告があるとお聞きいたしております。この御報告の中でいろいろな忌憚のない御意見をいただいて、肝炎対策に是非とも御協力いただきますよう心からお願いを申し上げる次第でございます。
 そういうことでございまして、よろしくお願い申し上げます。
○北澤肝炎対策推進室長 ありがとうございます。
 田村大臣におかれましては、公務のためここで退席をさせていただきます。
○田村厚生労働大臣 では、お願いいたします。
(田村厚生労働大臣退室)
○北澤肝炎対策推進室長 本日は、現時点で16名の委員に御参集をいただいております。会議の定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 相澤委員、遠藤委員、柿嶋委員、土井委員におかれましては、御欠席の連絡をいただいております。
 なお、本日は参考人として国立病院機構長崎医療センター臨床研究センターの八橋弘臨床研究センター長に御出席をいただいております。
 次に、事務局に交代がありましたので御紹介をさせていただきます。
 矢島健康局長です。
○矢島健康局長 矢島でございます。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 高島審議官です。
○高島審議官 高島でございます。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 塚本総務課長です。
○塚本総務課長 塚本でございます。よろしくお願いいたします。
○北澤肝炎対策推進室長 次に、配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第、座席表、委員名簿がございます。
 次に、資料といたしまして資料1、1ページ以降は「各自治体における肝炎対策の取組状況について」。
 7ページ以降が資料2で、「病態別の肝臓病患者の実態把握等の研究について」。
 39ページから資料3として、「平成25年度政府予算案(肝炎対策関連)」です。
 次に、参考資料といたしまして、参考資料の1ページからが「肝炎対策基本法」。
 7ページからが参考資料2で、「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」。
 19ページからが参考資料3-1といたしまして、「肝臓病患者さんの病態と生活に関するアンケート調査」、調査票でございます。
 43ページからが参考資料3-2で、「肝臓病患者さんの病態と生活に関するアンケート調査(集計結果、全体像)」です。
 91ページからが参考資料4で、「身体障害者手帳制度における肝臓機能障害について」です。
 99ページから参考資料5で、「平成25年度予算要求に係る肝炎対策推進協議会意見書」です。
 101ページから参考資料6で、「平成23年度肝炎医療費助成対象者数調」です。
 107ページから参考資料7で、「平成23年度肝炎ウイルス検査の実績」でございます。
 それから、阿部委員からの提供資料といたしまして「肝炎患者の生活実態と意見」、こちらの資料につきましては部数の関係上、事務局席及び傍聴者席には縮小版を配付させていただいております。
 また、有川委員、清本委員からの提供資料として「母子感染防止の徹底について」、1枚紙の資料を配付させていただいております。
 なお、委員席にはブルーの大きなファイルがございますが、これは過去の協議会の資料でございます。協議会が終わりましたら、そのまま置いておいていただきたいと存じます。
 以上、資料の過不足等がございましたらお申し出いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、ここでカメラ撮りは終了させていただきますので、御協力のほどをよろしくお願いいたします。
(カメラ退出)
○北澤肝炎対策推進室長 これより、進行は林会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○林会長 それでは、以降の進行を務めさせていただきたいと思います。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、大きく3つの議題でございますが、前回の会議での積み残しの部分がかなりございまして、それに対する議題が本日はかなり多うございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思っております。
 それでは、本日は「各自治体における肝炎対策の取組状況等について」、それから「委員等からの報告」、その他、何件か議事がございます。
 それでは、最初の「各自治体における肝炎対策の取組状況等について」に入らせていただきます。まず、事務局のほうから御説明をどうぞよろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 それでは、資料1をごらんください。「各自治体における肝炎対策の取組状況」について御説明をさせていただきます。
 まず1ページですが、「肝炎ウイルス検査・検診の推移」につきまして、このページは保健所等で実施されます特定感染症検査等事業でございます。23年度をごらんいただきますと、22年度とほぼ同程度の受診者数でございまして、B型は約28万人、C型は約26万5,000人でございます。
 次の2ページをごらんください。これは、市町村等で行います健康増進事業でございます。23年度をごらんいただきますと、B型、C型とも22年度から18万人ほど増えまして76万人となっております。この増加の理由でございますけれども、平成23年度から導入されました個別勧奨メニューの効果があらわれているのではないかと考えております。
 3ページをごらんください。特別枠事業の実施状況につきまして、平成25年1月末現在で取りまとめをしたものでございます。真ん中の特別枠実施自治体数をごらんいただきますと、肝炎患者支援手帳の作成・配布はこの1年間で6つの自治体が増えまして20となっております。また、地域肝炎治療コーディネーターですけれども、これは7自治体増えまして24、出張型研修の実施は12の自治体、個別勧奨メニューの実施につきましては1年前から77の自治体が増えまして、915と着実に進んでいるのではないかと考えております。
 4ページをごらんください。「肝炎対策に係る計画策定状況」についてでございます。一番左の肝炎対策に特化した計画を策定している都道府県は1年前から9つ増えまして13、保健医療計画は約半数の23、がん対策推進計画は21、がん対策推進計画に位置づけられているものが21と、徐々にですが、充実してきております。
 また、次の5ページ、6ページにつきましてはこれを都道府県別にまとめたものでございますので、後ほど御参照いただければと思います。
 説明は、以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
 前回も少し御指摘いただきましたけれども、各自治体における肝炎対策の取り組み状況について御説明いただきましたが、御質問あるいは御意見がございましたらどうぞ。
○阿部委員 阿部でございます。
 今、御説明を伺ったのですが、ウイルス検査の推移ということで1ページの特定感染症のほうは昨年並みというか、同じぐらいの数字ですが、先ほどお話があったように健康増進事業で個別勧奨メニューが導入されて3割以上伸びてきたということで、私は大変歓迎すべきことと思っております。
 ただ、参考資料に各都道府県の検診というところがあります。これはB型でもC型でもほとんど同じような数字なのですが、例えば参考資料の117ページを見ていただきたいと思います。そうしますと、この中には23年度しか入っていないのですが、前年度と比較した場合にどうなのかということをちょっと比較してみたのですが、例えば2倍以上受診者が伸びているという都道府県がございます。北海道は2.35倍、茨城が2.25倍、栃木が2.02倍、長野が2.55倍、静岡も2.41倍とか、岡山が2.4とか、大変受診数数が伸びているところがあるわけです。また、中にはむしろ減っているとか、あるいはほとんど伸びていないようなところもあります。
 これは、個別勧奨が各都道府県で導入の差があるような感じがするのですが、
どんなことでこのような差になっているのか。個別勧奨のせいなのかどうか。そういうところをできればもうちょっと突っ込んで検討してはどうでしょうか。来年度以降の各自治体の打ち合わせなり、あるいはこちらのほうから何か資料を示して協力をお願いしてはどうでしょうか。伸びているところを参考にして、ほかの都道府県もそれに合わせていただくことが必要と思います。
 例えば、次のページになりますけれども、これは指定都市のほうになりますが、千葉市は16.1倍まで伸びているんです。たまたま千葉県は患者会で積極的にやっているわけですけれども、内容を聞きましたら千葉市では40歳以上、年齢制限なしに未受診の方に勧奨をかけてこれだけの数字になっているということです。そういうことを、できれば次の協議会に調査して報告していただければと思います。
○林会長 ありがとうございました。確かに、各都道府県の差がかなり大きいですね。伸びているところはそれなりの対策を講じているわけでございますので、それがわかれば他の都道府県でもそれをお使いいただけるということだと思っております。
 患者さんの団体は、それぞれの都道府県で伸びている理由というのはかなりつかんでおられるんですか。
○阿部委員 つかんでいないです。
○林会長 わからないですか。非常に伸びている県はそれほど多くはございませんから、個別に調べると理由がわかるかもしれませんので、事務局のほうで一度御検討を次回までにいただければと思います。よろしくお願いします。
 それ以外に御質問、コメントがございましたらどうぞ。
○武田委員 肝炎の武田と申します。
 肝炎の計画策定の状況ですけれども、伸びているものは伸びていると思うのですが、策定予定の検討中が13というのは今後する予定があるのか、それともしないのかということはそちらのほうで把握しているのでしょうか。
○林会長 それは、事務局のほうでおわかりになられますか。
○北澤肝炎対策推進室長 この調査の中で細かく把握していないものですから、ただ、策定予定検討中というふうにあっても、実はその県の保健医療計画を見ますと既に肝炎にかかる部分は記述があったりしますので、この5ページ、6ページを見ていただきますと、宮城県さんですと策定予定検討中になっておりますけれども、保健医療計画あるいはその特化した計画は何もついておりませんが、保健医療計画を見ますと肝炎の記述があったりします。
 その辺りは、回答する側の捉え方が若干違う部分があるかもしれませんし、ここの数についてはそれほど多くございませんので、今回御報告できなくて申しわけございませんが、もう少し細かく調べさせていただいて、また次回の協議会でその辺の実態について御報告したいと思います。
○林会長 よろしくお願いいたします。
 では、どうぞ。
○有川委員 有川ですけれども、徳島県もこれでは策定予定検討中ということになっているんです。それで、先週、徳島県の肝炎対策協議会が開かれて、そこでは計画が論議されて、実際は3月の県議会で承認されてちゃんとした計画としてやっていこうというようなお話になっているので、多分事務局の方が言われたように、もっともっと実態としては来年度になったらほとんどの県が計画ができてくるのではないかというふうには感じます。
○林会長 特に、がん対策推進計画を今年度末までにまとめる都道府県はかなり多うございますので、その中に恐らく含まれているだろうということは大体予測がつくと思います。それ以外に御質問はございますでしょうか。
 では、どうぞ。
○浅倉委員 薬害肝炎の浅倉です。
 基本指針では、国民が生涯で1度は検査を受けるようにとうたっていますね。どのくらいの期間でこの目標を達成するつもりなのでしょうか。お伺いいたします。
 今、行政の提供する検査を受ける方が年間100万人程度なので、このペースだとどのぐらいで達成できるのでしょうか。
○北澤肝炎対策推進室長 これは、前回の協議会でも御報告させていただきました受検実態の調査でも、自覚的にこの自治体が行う検査以外でも検査をされた方が約4分の1、二十六・何%という方がいらっしゃったのですが、そういう意味でも確かに全ての方という状況にはございません。
 ただ、これを一足飛びに100%というのはなかなか難しいものですので、ここは自治体の方々あるいは検査を実施されている職域のいろいろな団体の方々とも御協力しながら、できるだけそういった検査を受ける方の人数を増やしていきたいと思っております。
 このお示ししている数字そのものはあくまでもその一部というか、自治体がやっているものというふうに御理解いただいて、これ以外の部分も含めてできるだけ早くそういった方向に向かうように進んでいきたいと思っております。
○林会長 ほかにどうぞ。
○天野委員 日肝協の天野と申します。
 健康増進事業に基づく肝炎ウイルス検診における個別勧奨メニューについてですけれども、これは23年度から実施が開始されてこの4月で3年目に入りますけれども、3ページの表を見てみますとまだ40%の市町村がやっていないということなのでしょうか。そうしますと、多くの国民がウイルス検査の個別勧奨の案内を受け取っていなくて、無料で検査を受けられる機会を逃して自分の感染に気づかずに放置されてしまうというおそれがあると思います。
 今、肝炎の治療というのは専門医の先生方の御尽力によって目覚しい進歩をしておりまして、特にC型肝炎に関しては肝炎のうちに治療すれば治る時代になってきていると思っております。5年前に亡くなった私の主人のように、本人に全く責任なく感染させられた肝炎、肝硬変、肝がんで苦しむ人を減らすために、改めてもう一度国から地方自治体に個別勧奨について周知を徹底していただいて、実施を働きかけていただくことをお願いいたします。
 そして、地方自治体に実施状況の報告を求めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○林会長 これは、実施状況の報告をいただいているわけですね。これは、その数字ですか。
○北澤肝炎対策推進室長 これは、各自治体が個別勧奨メニューを行っているかどうかの数字ですので、そういう意味では各自治体の実態でございます。
○林会長 ただ、実施していないところについてはもう一度その徹底をしていただきたいということでございます。よろしくお願いします。
 それ以外にいかがでしょうか。どうぞ。
○大賀委員 同じく日肝協の大賀です。肝炎対策計画についてお尋ねします。
 13県ということなのですけれども、福岡県の場合は御存じのように肝臓病患者はすごく多いんですね。多いんですけれども、残念ながら福岡県はつくっておりません。がん対策として位置づけて対応する。私のほうから、計画はどうなるんでしょうかという問い合わせはしているのですが、やはりがん対策で間に合わせるような返事しか返ってきません。
 お願いしたいのは、厚労省も各自治体に対して矢継ぎ早にいろいろな対策を求めておられるわけですので、苦しい事情はわかるんですけれども、でもこの計画というのは国が肝炎対策基本法をつくり、私たちは憲法と位置づけているのですが、そして基本指針をつくり、それに基づいて実施主体は自治体ですね。その実施主体の自治体が基盤となる、基本となる計画をまだいまだに大方つくっていないという実情、これはやはりもっともっと重く受けとめなければいけないんじゃないかと思っています。
 患者サイドからすると、この計画がない中で進められることについてすごく不安で、どうなるんだろうかという気持ちが非常に強いんです。ぜひそこら辺りは厚労省からも、この計画の策定の重要性というものを据えてほしいと思います。よろしくお願いします。
○林会長 よろしゅうございましょうか。大阪も実はがん対策の中に入っているのですが、それはいろいろな経緯がございまして、その中のほうが恐らく実際にはやりやすいということで、私もそうしてほしいという要望を出しているくらいなので、それは都道府県で少し事情が異なるかもわかりません。ほかはよろしゅうございますか。
 では、どうぞ。
○阿部委員 何度も済みません。特別枠事業の出張型検診が今は1割未満ということで、これは実績というか、今年度の計画も入っていますので、ほとんど今年度内は伸びる見込みがないという状況にあります。
 それで、ここに12という自治体があるのですが、私の県では二次医療圏ごとにこの出張型の検診をやっていただいているわけですけれども、私も企画会議などにも入っているのですが、何ら問題なくスムーズに進んでいるわけですね。それで、各事業所に行って検診をやっている。
 ただ、ちょっと予算の面があるのか、事業所がそんなに多くないですが実施していただいております。やはりこれもたった12県しかやっていないですから、やっているところがどのようにしてやっているのか。あるいは、やれないところの問題は何なのか。来年度で、もう3年目に入りますので、一旦、棚卸をして次回の協議会に提出していただきたいんです。
 もう一つ、悪いのですが、肝炎患者支援手帳について今、私も自分の県の手帳の検討をしていますが、これも当協議会が始まって一番先にこの手帳を考えたときには、やはりかかりつけ医に行っている方が専門医療機関、専門医のほうに行く機会がないまま、かかりつけ医で重症化してしまっている。
 それで手帳を配布しようということでした。肝炎患者は全国47万人いる。その辺の数字がどこから出てきたかはわからないですけれども、47万部の予算を取ったと思います。今は確かに半分くらいの都道府県がやっているというふうにはなっているのですが、実際は当年度ウイルス検査を受けた人にしか配布していないとか、あるいはかかりつけ医のほうに行っても手帳が無い県もあります。この手帳はどこからもらったらいいんですかというようなことを私たちの団体でもよく聞かれます。
 ですから、今どのくらい肝炎患者支援手帳を配布してどんな実態なのか。この事業についてももう一回整理してみる必要があるのではないかと思います。以上です。
○林会長 かなり都道府県でやり方が違うので、恐らく個別にお聞きしないと事情はわからないでしょうね。それは調べていただくようにお願いをしようと思っていますが、どうぞ。
○北澤肝炎対策推進室長 やはり好事例、うまくいっているところがどのようにやっているかということが非常に重要だと思いますので、これまでもブロック別にその担当者を集めるような会議があって、そこではいろいろなうまくいっている事例については御紹介を我々からしているんですが、今後どういった方向ができるか、我々としても考えていきたいと思います。
○林会長 ありがとうございました。いろいろな計画は進んでおりますが、実際によく進んでいる部分もあれば進んでいない部分、しかもかなり都道府県でばらつきがあるということで、成功例を参考にしながらできるだけ率の低い都道府県の率を上げていただこうということだと思っております。よろしゅうございましょうか。
 それでは、後もございますので、この件についてはこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続きましては、次の案件でございます。八橋参考人の方から、病態別の肝臓病患者の実態把握等の研究についてまず御説明をいただいて、御質問等を受けさせていただきたいと思います。
 それでは、先生どうぞよろしくお願いします。
○八橋参考人 よろしくお願いします。長崎医療センターの八橋です。
 私は、厚労科研で肝臓病患者の実態把握等の研究をおこなっていますので、今日は、その集計結果と途中解析結果をご紹介します。調査内容が多いことから、今からプレゼンするのは、調査結果の一部として御理解していただきたいと思います。
(PP)
 タイトルは「病態別の患者の実態把握のための調査および肝炎患者の病態に即した相談に対応できる相談員育成のための研究プログラム策定に関する研究」という非常に長いタイトルではございますが、肝臓病の患者さんの病態と生活実態を調べるということです。
 概要ですけれども、昨年の2月1日〜7月31日までの期間、国立病院機構と国立国際医療センター合わせて34施設に通院、入院されているB型肝炎、C型肝炎の慢性肝炎、肝硬変、肝がんの患者さん及び脂肪肝、自己免疫性肝炎の患者さんも含めて9,952名の方にアンケート用紙を配布しました。
 患者さんに自由に記述いただき、当院へ郵便で返送していただいた方は6,331名でした。よってアンケートの回収率は63.6%となります。私自身は非常に高い回収率と受け止め、御協力いただいた患者様に感謝している次第であります。
 今回、単純集計に関しては、ほぼデータが固定していますので、それを紹介するとともに、一部詳しく解析した結果も御紹介します。
(PP)
 まず、最初に全体集計について御紹介いたします。
(PP)
 回答いただいたアンケートですが、6,331名中、C型肝炎の方は3,601名で56.9%、B型肝炎は23.3%、それ以外が19.8%でした。病態に関しては 肝硬変と肝がんの方は疾患としては重複しますので、その合計は7,000名になります。慢性肝炎の方が50.9%、肝硬変の方が1,043名の16.5%、肝がんの方が643名で10.2%という頻度でした。
(PP)
 男女に関して、女性がやや多く54.7%であります。C型とB型とそれ以外の3群の年齢分布を示していますが、C型は70歳にピークがあり、B型は60歳にピークがある。B/C型以外は60歳代がピークにあるということが、このグラフを見ていただければおわかりいただけるかと思います。
(PP)
 スライドA-14、現在の暮らしの状況を総合的にどう感じているのかということに関しては、「大変苦しい」と「苦しい」を合わせますと約35%、3人に1人の方が暮らしの状況を「苦しい」と思われていて、「普通」という方が55.5%であります。ゆとりがある方は10%という分布を示していました。
(PP)
 スライドA-15、年収に関しても記入していただくようにいたしました。約90%の方から回答いただいています。「100万円未満」が9.1%、「100〜300万円未満」が40.9%ですので、合わせますと年収300万円以下の方が50%ということがわかりました。
(PP)
 スライドB-1-5、現在の身体状況ということに関しては、これらの症状が肝疾患と関連があるかどうかは別と考えていますが、「体がだるい」とか「体がかゆい」とか「手足がつる」というふうな症状が、比較的頻度の高い症状であることがわかりました。
(PP)
 スライドB-4-1、最近1年間で何回入院したかについては、74%の方は1年間入院していないけれども、残りの26%の方が1回以上は入院されているということであります。
(PP)
 スライドB-4-2、最近1年間の通院頻度に関してですが、一番多いのが3か月に1回という方で28.1%でした。毎週通われている方はインターフェロン治療をされている方だと思われますし、1か月に1回の方も同様の治療をされている方だと思いますが、ある程度安定されている方は半年に1回の通院頻度であります。
(PP)
 スライドB-4-4、医療費に関しては、1年間で「10万円未満」が68.3%ということで、これが最も多かったのですが、中には100万円以上の方とか、50万〜100万円の方も合わせると3%近くあるという状況でありました。
(PP)
 スライドC-1、肝炎の感染経路についてですが、これはB型とC型を合わせた集計結果です。最も多いのが「感染経路はわからない」で39%であります。あとは、「手術の輸血・止血剤」が22.9%、母子感染が13.2%、「集団予防接種」という方が8.5%でした。
(PP)
 スライドC-2、肝炎に感染していることで差別を受けるなど、嫌な思いしたことがあるのかということに関してですが、83.7%の方は受けたことがない。受けたことがあるというのは16.3%、782名の方でした。頻度として16.3%は必ずしも高くないような気がしますが、詳細に解析しますと、この差別を受けたかどうかという体験は、患者さんの心理状況に大きな影響を及ぼすということがわかりましたので後で詳しく御説明いたします。
(PP)
 スライドC-3、次はC型肝炎の方にインターフェロン治療の有無をお聞きしました。71%の方は治療を受けたことがあるけれども、28.5%の方は治療をしたことがないという状況でした。
(PP)
 スライドC-5、治療を受けられたことがある方を対象に、インターフェロン治療でウイルスが駆除されたか、治療を受けたけれどもウイルスが残っているのかお聞きしましたが、およそ半々の分布になっていました。C型肝炎の方でウイルスが消えた方と残っている方とを区分して、アンケートの結果を分析すると、ウイルス駆除が成功した例と残存している方では、患者さんの心理状況に大きな影響を及ぼすということもわかりましたので、この点も後ほど説明します。
(PP)
 スライドC-7、一度治療をして治療が必ずしもうまくいかなかった方にもう一度新しい治療を希望されるかお聞きしました。約半数の方は治療を受けたいわけですけれども、残り半分の方は必ずしもそうでないということでした。この原因が何なのかというのは、今後、さらに分析していきたいと考えています。
(PP)
 スライドC-8、インターフェロン治療をしたことがない方で治療を受けてみたいという方は15.5%しかありませんでした。一度も治療をされていない方が治療を受けるためには何か障害となるものを取り除かないといけないのではないかと考えました。この調査では、治療を積極的に受けたくないと答えられた方が41.3%でした。この点も個別に検討すべき事柄と考えています。
(PP)
 スライドC-9、次にB型肝炎の方に治療状況をお聞きしました。病状が安定している方はお薬を飲む必要はありませんが、そのような方は38.4%で、病気の進行を抑える為に抗ウイルス剤を服用されている方は61.6%であることがわかりました。
(PP)
 スライドC-10、抗ウイルス剤を服用している方を対象にその効果をお尋ねしました。92.7%の方で効果がよいと主治医から説明を受けているという結果でした。現在、B型肝炎のこれらの抗ウイルス剤は、肝機能の安定化とかウイルス量の低下に奏功しますので患者さんもそのように理解されているという結果であります。
(PP)
 スライドD-3、肝硬変の患者さんは1,043名が母集団ですけれども、おなかに水がたまったことがあるか、ある程度進行した肝硬変かどうかお聞きしたところ、25.6%の方で腹水がたまったことがあるという結果でした。
(PP)
 スライドD-5、肝硬変でもさらに病状が進むと肝性脳症という脳の機能が一時的に低下した状況になります。この症状の頻度は、8.9%の方が「ある」という回答をいただきました。
(PP)
 スライドD-7、身体障害の手帳についてですけれども、知っているか、知らなかったかということに関しては「知らなかった」方が88.1%、「知っている」方が11.9%という結果であります。知らない人が多く、知っている人は少ないという印象を私も持ちました。
 ただ、肝硬変の患者さんで身体障害の手帳交付の対象となるは、肝障害の程度としてチャイルドCとなっています。肝硬変の患者さん全体で、チャイルドCの頻度は約10%と言われていることから、身体障害の基準を満たす方に対して主治医が説明をしていると憶測すると、この調査結果の11.9%とチャイルドCの頻度10%の数字は近似しているように思います。この解釈には、少し議論があるところだと考えています。
(PP)
  スライドE-1、肝がんの患者さんを対象に、どのような治療をされたことがあるのかお聞きしました。ラジオ波、外科手術、血管造影下の治療というものが、主に日本で行われている肝癌の治療法ですので、実際、そういうことが行われていることもわかりました。
(PP)
 スライドE-3、肝がんのために今まで何回入院したかについてですが、「1回」の方が27.7%、「5回以上」の方は25.4%ということであります。肝がんは一度治療しても完治には至らないことが多いことから、多くの方が繰り返し治療を受けられているということがわかりました。
(PP)
  スライドE-4、肝がんと診断されて何年が経ちましたかという設問です。診断されてまだ1年未満の方もおられますし、「10年以上」の方も11%いる。これはある程度、肝がんと診断されて10年以上生存されている方という見方もできるかと思います。肝がんも進行状況によってその後の経過は様々であるということです。
(PP)
 スライドF-1、家庭の状況に関してですが、同居している方があなたが肝臓病であるということを知っているかという設問に対して、全員が知っていると答えた方が85.7%であります。私は、この数字は100%に近い数字となると予想していたことから、低い印象を思いました。残りの約15%の方は必ずしもそうではないということで、同居している方に必ずしも伝えられない状況があるのだと理解いたしました。
(PP)
 スライドF-2、同居している方があなたの肝臓病に理解を示しているかということで、非常に理解を示している方の頻度は54%ですけれども、残りの方は必ずしもそうでないということです。家庭においても、肝臓病に対する家族の理解があるかどうかも、患者さんの心理状況に影響を及ぼすと私は理解しています。
(PP)
 スライドF-3-S、病気のことで患者さんが最も気軽に相談できる方はどなたですかというふうなことで選択していただきました。やはり1番は「家族・親族」の66.4%で、その次が「医師」で24.4%でした。この2つの数字を合わせますと90%近くとなり、家族と医師以外の方を選択する方は少ないことがわかりました。
(PP)
 スライドF-6、病気が仕事や家事に与えた影響についてもお尋ねしました。67%の方は病気に関係なく続けられているということですけれども、残りの33%の方は何らかの形で仕事を減らしたり、やめたり、やめたくなくてもやめる状況になったというふうに理解しました。仕事と家事が続けられるのか否かということが、患者さんの生活に大きな影響を及ぼす要因になっていると私は理解いたしました。67%という数字よりも残りの33%に注目すべきではないかと考えています。
(PP)
 スライドF-7、仕事をお持ちの方を対象に、病気のことを職場に知らせているか否かに関してですが、65.6%の方は「知らせている」けれども、残り34.4%の方は「知らせていない」ということでした。これは職場に肝臓病であることを知らせることができない状況に患者さんが置かれていると私自身は理解しています。
(PP)
 スライドF-8、職場の方があなたの病気のことによく理解を示しているかという設問です。28.6%の方では良く理解してくれているということですが、残りの約70%の方は完全には理解していただけない状況にあると理解いたしました。
(PP)
 スライドF-9、仕事をしながらの肝臓病治療を負担に思うかという設問です。全く負担には感じない方は36.4%ですけれども、残りの60%以上の方では程度の差はあれ、仕事をしながら肝臓病の治療というのは負担に思うということであります。
(PP)
 スライドF-10、家事に関しても52.8%方は負担に感じないということですが、残りの約半数の方では何らかの負担に感じているということがわかりました。
(PP)
 スライドF-11、肝臓病を患っていることでの悩み、ストレスということに関しては、47.6%の方で悩みがあるということであります。私の研究班としては、この悩みの状況に関して深く分析する必要があると考えています。
(PP)
 スライドF-12、それはどういう悩みですか具体的にお尋ねしました。多種多様ですが、最も多い悩みやストレスは「自分の病気や介護」でした。
(PP)
スライドF-13、誰に相談するかということですけれども、1番が家族、2番が医師でした。この順番は、先ほどの設問(F-3-S)の結果と似ています。
(PP)
スライドG-1、国に望む政策という設問で、最も多いのが「肝炎などの治療薬、治療方法などの開発、保険認可」、次に「肝炎患者(肝硬変・肝がん患者を含む)の医療費・生活支援」で、これらのことを希望されていると認識いたしました。
(PP)
 以上が、全体集計結果であります。
 ただ、このような全体像だけ示しても患者さんの実態はよくわかりません。年齢層別に区分してどうか、B型肝炎とC型肝炎と脂肪肝患者でどう違うのか、あとは肝硬変、肝癌患者ではどうなのかということに着目することが大切ではないかと考えましたので、今から、その分析結果を御紹介したいと思います。
(PP)
 スライドA-2、例えば、B型肝炎、C型肝炎、その他という原因別区分と、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと病態別区分であります。スライドは色をつけていますのは、70歳以上の方が黄土色になりますので、B型肝炎の方は若くてC型肝炎の方、特に肝がんの方は70歳以上が多いということがおわかりいただけるかと思います。B型とC型では、患者年齢層が異なるという認識は、肝臓病全体を理解する上での基本となります。
(PP)
 スライドA-3、男女差です。慢性肝炎では女性の頻度は高いけれども、肝硬変、肝癌になると男性の頻度が高くなります。特にB型の肝癌では圧倒的に男性が多い。原因別、病態の進行状況で男女の頻度が異なることも理解していただきたいと思います。
(PP)
 スライドA-2,A-3は省略します。
(PP)
 スライドB-4-4、1年間に払った医療費の総額です。最も少ない方、黄緑色ですけれども、慢性肝炎ではおよそ70%〜80%で10万円以下ですが、原因に関係なく肝硬変、肝がんへと進行するとだんだん医療費が高くなるということが理解できると思います。
(PP)
 スライドC-1、感染経路に関してですが、B型の約40%の方は「家族内感染」で、予防接種と御本人が説明を受けているのは約10%で、感染経路不明の方は40%近くあります。
 一方、C型に関しては、手術とか輸血に関連したものが多く、C型でも予防接種と認識されている方が約10%、原因不明が約40%の頻度です。
(PP)
 スライドC-2、肝炎に感染していることで差別を受けるなど、嫌な思いをしたことがあるかという設問です。その頻度は、全体では約16%なのですが、原因別、病態別にみると、最もそういう経験を持っておられるのはB型の慢性肝炎の方で24%になります。どちらかというと、病気が進行するにつれてこの頻度は減っていく傾向にあります。
(PP)
 スライドC-5、これはC型肝炎の方だけの設問で、インターフェロンを受けたことがあるか方を対象とした設問です。C型慢性肝炎の42%の方ではウイルスは駆除されていましたが、肝硬変で26%、肝癌では28%と病気が進行するとその頻度が低下しているということもわかりました。
(PP)
 スライドC-9、省略します。
(PP)
 スライドF-1、「同居している方々は、あなたが肝臓病であることをご存知ですか」という設問に関しては、肝硬変、肝がんの方では家族のほとんどが知っているということですが、慢性肝炎、特にB型慢性肝炎の患者さんの場合には、必ずしも同居している人が全員知らないという状況であります。これは、B型肝炎感染者固有の状況だと理解しています。
(PP)
 スライドF-2、同居されている方の理解に関しても、慢性肝炎レベルの病気が軽い患者さんでは病気であることを必ずしも家族全員に伝えていないことからか、慢性肝炎でよく理解されていると選択された方は50%前後でした。肝硬変、肝がんと病気が進むと、家族の理解度が深まっていくと理解しました。
(PP)
 スライドF-6、病気が仕事や家事に与えた影響に関しては、原因に関係なく、やはり肝硬変、肝がんと進行するにつれて、仕事や家事の量を減らし、仕事をやめた方が多くなりました。
(PP)
 スライドF-7、職場の方に病気のことをどの程度知らせているかという設問です。肝硬変、肝がんの方では、知らせている率は高くなるのですが、B型慢性肝炎で知らせていないという方は44%の頻度で最も高い数字でした。恐らくB型慢性肝炎の方は、病状が安定している方も多く、その場合には身体的に問題となることは少ないと思うのですが、感染性のある疾患であり、職場での偏見などもあることから、B型慢性肝炎の方は知らせられない状況にあると私は理解しています。
(PP)
 スライドF-8、職場での理解に関しても、慢性肝炎レベルの病気の軽い方では、必ずしも理解していただいていない結果でした。
(PP)
 スライドF-20、仕事の内容ですけれども、高齢の場合は無職、年金の方が多いということですが、慢性肝炎の方は、現役世代が多いことがわかります。
(PP)
 スライドG-1、国の政策として何を希望するかという設問ですが、原因別、病態別で大きな差はないように理解しました。「医療費・生活支援」と「新薬の開発」へのリクエストに重きが置かれていると理解しました。
(PP)
 さらに、一つ一つのテーマに関して、掘り下げて分析する具体例として、今回注目した点が、所得と暮らしの状況についてです。少し時間をかけて御紹介したいと思います。
(PP)
 スライドA-15、平成23年度の所得額に関しての分析です。300万円未満の方をピンク色で表示していますが、原因別、病態別、年齢層別の解析結果です。一番上が50歳未満、一番下が70歳以上の方になります。高齢になるにつれて年収300万円未満の方が増えていることが御理解できるかと思います。一方、現役世代は働いているので、それなりの収入があるということです。しかし、若くても肝硬変、肝がんの方では年収300万円未満の頻度が高くなっています。50歳未満のC型肝がんの方は全員が年収300万未満でした。
(PP)
 スライドA-15、これはビジーなスライドで申しわけないのですけれども、1.B型慢性肝炎、2.C型慢性肝炎でウイルスが駆除された方、3.C型肝炎でウイルスが残っている方、4.脂肪肝その他というのが黄色です。脂肪肝その他の群は、一般国民の平均的なものに相当すると考えています。さらに4.肝硬変、5.肝がんの5つのグループに分けて、300万円未満の方の頻度を棒グラフで示しました。
 ぱっと見ておわかりいただけるのは、50歳未満の集団で肝硬変、肝がんの場合には、300万未満の方の頻度は62%とか75%であり、その他のグループに比べても年収の低い方の頻度が高くなっていることがわかります。
 しかし、70歳以上の集団では、病気の進行度と関係なく年収が低い方が多く、年金受給者が多数を占めていると思われます。50歳までに肝硬変、肝癌に進行していますと、何らかの形で病気が仕事に影響を及ぼしていると想像されます。繰り返しになりますが、若い人は現役世代ですのでそれなりに収入があります。一方、年配の方は年金をベースとした所得だと思います。
(PP)
 スライドA-14、今度は暮らしの状況を総合的にどう感じるかという設問です。「苦しい」と書かれている方をピンク色で示しています。大まかですが、若い方よりも年配の方において「苦しい」という頻度が低下する傾向が見られます。ただ、病気が進行してきますと、特に若くして肝硬変や肝がんを併発した場合には多くの方が「苦しい」と思われているということです。
(PP)
 スライドA-14、暮らし向きについてですが、50歳未満の肝硬変、肝がんの患者さんでは73%、75%の方が「苦しい」と感じられていますが、高齢になるにつれて、徐々に病態による頻度の差がなくなっていることが、特に70歳のところを見ていただければわかるかと思います。
 これで見ますと、暮らし向きに関しては収入が高くても50歳代の方は全般的に苦しい状況にあります。特に50歳未満で肝硬変、肝がんの方は年収も低いことから、暮らしの状況は、かなり厳しい状況におかれているのではないかと想像します。
 同様に、悩みやストレスということに関しても同様の分析をしました。
(PP)
 スライドF-11、悩みストレスに関して50歳未満の方でその頻度が高く、70歳以上、高齢になるにつれて悩みの頻度が低下する傾向がみられます。50歳未満の集団に着目します。すると、悩みストレスの頻度が一番低い集団は脂肪肝その他の患者の42%でしたが、肝硬変、肝がんの方は76、78%の頻度でした。C型慢性肝炎でウイルスが残っている方は75%の方で悩みがあるということですが、ウイルスが消えるとその頻度は55%に低下していました。
 この差が顕著なのが50歳代の集団です。C型でウイルスが残っていると悩みがありの頻度は68%ですけれども、ウイルスが消えると35%、脂肪肝その他の30%に近づいてきます。C型慢性肝炎でも、ウイルスが消えた方と消えていない方の間には、悩みストレスの頻度が違うということがわかりました。
(PP)
 今回、新しい手法としてデータマイニングという人工知能を用いて、アンケートの78の質問、212項目について網羅的に解析をしました。
(PP)
 スライドF-11、データマイニングではコンピューターを用いて解析をおこないます。日常生活で肝臓病を患っていることによる悩み、ストレスに与える影響を、このデータマイニングを用いて解析すると、どういう要因が主にかかわっているのか、その図を自動的に作成してくれます。構成要因の重みづけの順番に上から質問が提示され、上からイエス、ノーとアルゴリズムのように辿ってゆきます。上に掲げている因子は、より影響を与える大きな要因であると理解していただきたいと思います。すると、病気が仕事や家事に与えた影響が、悩みストレスの最も大きな要因であることがわかりました。具体的に提示すると、病気で仕事や家事をやめた場合には、悩み、ストレスの頻度が中央の47.6%から右側の68.6%に増えていきます。
 次に、差別を受けた経験があるかないかということが、2番目に重要な要因になりました。例えばこの図の中で一番右をたどりますと、病気で仕事をやめて差別を受けたことがあり、かつ差別を受けたことがある方は一番右端の集団で、89.4%の方で悩みストレスがあるということを示しています。
 最も悩みストレスが少ない集団というのは、病気があっても仕事が続けられて、差別を受けたことがなくて、1か月が1万円未満の場合、この図の中で一番左側をたどる方ですが、29.8%の悩みストレスの頻度であったということです。それぞれ矢印をたどっていけばその集団での悩みストレスの頻度がわかりますので、また後でゆっくりと見ていただきたいと思います。
(PP)
 スライドF-11、まとめますと、今回のアンケート調査で、患者さんの悩みストレスの構成要因は、1.病気が仕事や家事に与えた影響の度合い、すなわち、肝臓病で仕事をやめざるを得なくなるのか否か、このまま仕事を続けることが可能なのか否かが、肝臓病患者の大きな悩みの要因であることがわかりました。2.肝炎に感染していることで差別を受けたかどうかということ。3-1.医療費とか、3-2.ウイルスがC型の場合ですけれども、消えたのか、残ったのか。3-3.それから、入院回数ということなどが、患者さんの悩みストレスの要因であるということがわかりました。
(PP)
 最後に、このアンケートの最後の1枚、A4用紙サイズですけれども、自由に記載をしていただくようにしました。6,331名1,454名、23%の方、約4人に1人の方がいろいろな思いを書いてくださいました。自由記載そのものを今回の資料に入れてはいませんが、口頭で少し御紹介します。
(PP)
 B型肝炎のお母さんからの手記です。感染経路がわからないまま母子感染で息子3人に感染させてしまった。実は、その息子さんが最近、肝硬変で小さな子供さんを残したまま亡くなってしまったということであります。母子感染ですので母親としての悲しみと申しわけない気持ちでいっぱいだと書かれてありました。残された2人の息子たちの将来も心配でならないということでございました。
 もう一人の方は、小さな町にお住いの方です。その地では差別偏見が多く、絶対に肝炎患者であることを知られたくないとのことでした。仮に窓口相談ができたとしても個人情報が守られるという保証と、外部からわからないようでなければ利用しないと書かれてあり、肝炎であることを絶対知られたくないというお気持ちが強いこともわかりました。
 歯科を受診されて、いろいろな意味で差別を受けたというふうな経験の自由記載は多数みられました。
また、仕事仲間に病気の相談を持ちかけたところ、その後、その職場にそのことが知れ渡り、偏見に遭って退職せざるをえなくなった方。結婚後、肝炎であることがわかり、子供を残したまま離婚を余儀なく強いられた方もおられました。職場に病気のことがわかると職を失うことにつながるということが切実に書かれてありました。
 医療費助成を希望する方も多数おられました。今は既にいろいろ助成制度がありますが、さらなる国の支援を望むということです。
 また、今の医療制度に感謝されているも多数おられて、感謝という言葉を紙面いっぱい書かれている方も少なくなかったように思います。
 これはB型肝癌の患者さんの娘さんからの手記です。その娘さんもB型肝炎キャリアで、今も独身だそうです。将来結婚する場合には、事前にパートナーに自分がB型肝炎キャリアであることを告白しなければいけないと若い娘さんとしての悩みが書かれてありました。しかし、その手記の最後には「今まで母親を恨んだことはなく、体が弱いなりに育ててくれた母親に対する感謝の気持ちでいっぱいで、これからもこの病気の克服に向けて家族がさらに絆を深めながら生きてゆく」といった言葉が書かれてありました。
このように厳しい環境の中でも、前向きに生きておられる方もおられます。今回アンケート調査をした私としても、この手記を拝読して明るい気持ちとなり、希望を持つことができました。6,300名の肝臓病患者さんにご協力いただいことを感謝しています。今日は、単純集計結果の報告ですが、あと1年かけて細かな分析をおこなう予定です。またこの結果をどのように解釈するのかについてはプロジェクトチームを組んで最終的には来年度の報告書に御報告したいと思っています。
 以上であります。
○林会長 ありがとうございました。かなり膨大なデータでございますので、日ごろいろいろな意見をお聞きしているもののバックグラウンドのデータが出てきたのではないかと思っております。御質問、御意見がございましたらお受けいたしますが、いかがでしょうか。
 では、どうぞ。
○武田委員 薬害肝炎の武田です。
 今、見せていただいて自分によく当てはまっているなと思うのですけれども、私も60歳代でインターフェロンも3回しましたが、効きませんでした。それで、13ページですが、3,600人の患者がいて2,407人の方がインターフェロンをした。でも、それで治った方は約半分になっていますね。私も、遺伝子の検査をしましても治らないような遺伝子になっているということを言われて、今回また新しい薬に期待しているのですけれども、このようにインターフェロンをしても治らないような方には、何かの具体策というものを今後考えていることがあるのでしょうか。
○林会長 できましたら、今の御発表に関連する御意見をお伺いしたいのですが、今のことは一般的なことなので八橋先生はお答えできないと思います。今の八橋先生の御発表に関係する御質問がございましたらどうぞ。
○武田委員 今後そのような治療に関してとかいろいろなことを、中間報告ですのでまだ期間があるそうですけれども、今後もずっとしていく予定なのでしょうか。
○林会長 今は、中間報告ですね。どうぞ。
○八橋参考人 今後のC型肝炎治療の進歩については、今まで治せなかった人も治せる状況になる日はそう遠くない。もう1年か2年の間に実現すると予想しています。その点については希望を持たれていいと思います。
○武田委員 ありがとうございます。
○林会長 ほかに今の御発表に対して何か御意見、御質問がございましたらどうぞ。
○大賀委員 先生、お疲れ様です。患者はすごく先生の調査を期待を込めて見守っているところですが、今回の結果で身障手帳の交付についての知識ですね。88%が知らなかったという結果なのですが、それを先生はどういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか。
○八橋参考人 私自身は、身体障害の対象となる患者さんに説明しています。原発性肝がんの統計からいいますと、肝硬変の中でチャイルドCに該当する方の頻度は10%と報告されています。
 ですから、今回アンケートを取った約1,000名の肝硬変患者で10%の方が知っていたという点については、私同様に該当する方に主治医が説明しているのではないかと想像します。肝硬変の方の全員に説明するのではなく、身体障害の基準を満たしそうな方に各主治医が説明したとするならば、この10%という数字は理解できます。
○林会長 恐らく主治医の先生も、慢性肝炎の方には全然その話をされていない可能性が多いと思います。
○大賀委員 ただ、身障手帳をこの中で交付された方はわずか16人ですね。ここら辺りがすごく私たちはショックだったんですけれども、改善策が必要ではないかという気持ちを改めて強くしたところです。
○林会長 では、どうぞ。
○天野委員 日肝協の天野です。
 やはり身体障害者手帳の認定基準についてですが、大賀さんもおっしゃったように身障者手帳を持っているという方が16名で、肝硬変の1,443人という母数に対して1.5%くらいですね。それで、いろいろな症状が出ている方はいっぱいいらっしゃって、腹水がたまっている方は25.6%、肝性脳症で意識がなくなった方は8.9%、それから足元がふらついたり、介助がないといけないという方もかなりいらっしゃって、吐血したことがある方は13.2%、食道静脈瘤の治療を受けた方は61.1%もいらっしゃいます。
 こういうふうなかなり重い症状だと思うんですけれども、これに対して16人だけ身障者手帳を1.5%というところで、認定基準に関してちょっと考えたんですが。
○林会長 認定基準は後で議論しますので、今のことと直接関係することをお願いします。
○有川委員 有川ですけれども、今の先生の御報告を聞いていますと、やはりいろいろな患者が置かれている問題点というのがあると思うんです。それで、今後この報告をまとめる中で、厚労省に対して政策的な課題などについても提言なさるおつもりでしょうか。
○八橋参考人 私の研究班では、患者アンケートをおこない、その実態を把握した上で、その調査結果を科学的に分析しているつもりであります。無論、その結果の解釈に関しても研究班の中で行う予定です。実は、私の研究班の中には患者さんが入っていただいていますので、その方にも加わっていただき議論しながら調査結果を解釈する予定です。
 ただ、この研究班は、政策的にこうすべきだというふうな提言を出しなさいと言われていた研究班ではありません。あくまでも調査をするということと、相談員を養成するためのプログラムをつくるというのが私の研究班の主たる目的であります。
○林会長 ほかに御質問、御意見はよろしゅうございますか。
○清本委員 患者委員の清本です。
 最後のアンケートについても、この人はきっと結婚したいからこういうことを今、告白していると思うんですけれども、やはりそういう差別や偏見というのは感じていると思うんです。パートナーに告白しないといけない事実があるというのは、言えないことを告白しているというのは自身も差別を受けたことがあるかもしれないし、告白することによって差別を受けるかもしれない。これは今後、広報によって国のほうできちんと対応してもらいたいですし、肝炎コーディネーターにはこういった精神的ケアのほうもやっていただきたいと思います。お願いします。
○林会長 ほかはいかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは、これは中間報告でございまして、最終的に八橋先生のほうから報告書等も出てまいりますので、後の扱いについてはまた検討させていただきたいと思っております。それでは、八橋先生どうもありがとうございました。
 続きまして、前回阿部委員のほうから御意見がございましたが、時間がなくて御発表いただけなかった件がございますので、阿部委員のほうから「肝炎患者の生活実態と意見」について、ということで少し御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○阿部委員 今お話をいただきまして、発表する意欲がちょっと落ちてしまったんですけれども、私たちも患者団体としてアンケートを実施しまして、昨年こういう小冊子にまとめました。皆さんに我々の声を聞いていただきたいということでまとめたものでございます。
 かなり好評で、この原本の大きいものはほとんどなくなっておりまして、きょう傍聴に来られた方とか、そのほかの方には縮刷版ということで増刷しましたので見づらいかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。ページは、変わっておりませんので。
 ほとんど、八橋先生と同じような内容となっておりますが簡単に説明させていただきます。
 まず3ページのところですけれども、「アンケート実施の概要」というところで、私たちは大分前ですが、2010年の7月〜12月にかけて、日肝協の会員6,615名にアンケートを送付して2,138名から回答をいただいております。
 ここの6に「肝臓病患者実態調査報告書との比較検討」というところがあります。これは、1997年にある大学に依頼をして日肝協の会員の1,094人の回答のアンケート調査報告があったんですね。それで、13年間経ってどうなんだろうということで、比較してみてもおもしろいのではないかということで、今回それを入れてみました。
 ただ、13年前のものとは若干共通していない、設問がちょっと違うというようなところもありますので、共通している部分で比較をしています。
 また、全く印刷会社に回す前まで患者だけでつくったものですから、全く素人的で至らない部分がいっぱいあると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○林会長 どうもありがとうございました。非常に見やすい冊子です。
○阿部委員 お時間をいただいているので、ちょっと中身についていいですか。
○林会長 まだ身障者手帳等についてもありますので、できましたら簡略にお願いできますか。また時間がなくなると検討できなくなってしまいますので。
○阿部委員 先ほどの八橋先生の御説明と似ているんですけれども、肝臓病の種類ですが、我々は患者会が中心ですので8割〜9割はC型肝炎の患者で、八橋先生のほうはB型がかなり多いようでした。その辺のベースが違うということでございます。
 それから、肝臓病とわかってから何年経ちましたかというのは10年以上の人が86%というような数字が出ています。
 それから、治療費、交通費で、先ほども一年間に10万円というような基準ですが、我々は1か月にどのぐらいかかっていますかという設問になっています。年間12万円未満の人が48%、12万円以上の人が46%、肝硬変、肝がんの人になりますと12万円以上の人は64%ということで、3人に2人が月1万円以上の負担をしているという実態です。それで、36万円以上の人というのが129人、その中で100万円以上の人が41名、300万円以上という人も4名ございました。
 それから、先ほど差別の話があったんですが、差別的な経験ということで、34ページから職場で受けた差別とか、地域、病院で受けた差別の中身を一人一人の声を全部載せています。その中には職場で退職を迫られた、リストラされた、婚約を解消されたとか深刻なものがあります。先ほどもお話があったように病院、歯科での診療拒否が大変多いというのがこの中での印象です。最後まで診療を待ってくださいというようなことは、私も実際に経験しております。
 それで、最後の設問が国などへの要望ということで、先ほどお話があったのと全く同じような医療費助成、あるいは治療方法の開発、保険認可というところが飛び抜けて多くなっております。
 それで、時間がないので1つだけ患者の声を紹介します。47ページで千葉の肝がんの70代の女性の方の声なんですが、「薬害患者については補償費が出ているのに、原因不明。注射等で発症した患者についてないのは、不公平ではないか? インターフェロンが効くようになり、料金の面で受けやすくなった時には、肝硬変になってしまっていたので受けられず、このまま進んでいって・・・!かな?と思ったりします。只、今、定期的にエコー、CT、胃カメラ、大腸検査して、見つかったら治療というくり返しです。もちろん、入院費は積み重なっています。」
 C型肝炎は70代の方が多くて、肝がんの方も多いわけですけれども、なかなか思ったような治療を受けられないままに70代になってしまったという方が多いです。先ほどアンケート調査の御報告をいただきましたけれども、若干、病気の種類とか年齢、通院している病院とかは違っておりますが、それらを勘案しますと、私たちがまとめたこのアンケートと同じような内容というふうに私は感じました。
 さらに、治療、生活実態を詳しく調査されており、本当に同感するところが多々ございます。この基本指針でもありますように肝硬変、肝がんの実態を調査して支援のあり方の検討を進めるということになっておりますので、ぜひ我々のアンケート、あるいは八橋先生が実施したアンケートを見ていただいて支援のあり方をまとめていただければと思います。
○林会長 どうもありがとうございました。本当に両方のアンケートを拝見しますと、患者さんが望んでおられることが非常にはっきり出ているのではないかという気がいたします。このことについて何か御質問はございますでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、次に進ませていただきます。先ほど議論が出ておりましたし、前回も少し出ました肝機能障害の障害認定基準についての件でございます。前回、十分に事務局からお答えができませんでしたので、今回は当該課の方も来ていただいておりますので御説明をしていただきたいと思います。
 それでは、まず事務局のほうから御説明をよろしくお願いしたいと思います。
○田中社会・援護局障害保健福祉部企画課長補佐 よろしくお願いいたします。障害保健福祉部企画課の田中と申します。
 参考資料の91ページ目に参考資料4とございまして、こちらのほうに資料としてまとめさせていただいているところでございます。
 概要ということでございますけれども、2.にありますように、平成20年から肝機能障害の評価に関する検討会において専門家の先生に認定基準について議論をいただいたということでございまして、こちらの会長である林先生や、委員の田中先生、先ほど発表された八橋先生等にも入っていただきまして専門家による検討会で議論をしていただいたというところでございます。
 その検討会では、肝機能障害が重症化し、治療による症状の改善が見込めず回復困難になっている患者については、身体障害の対象となるという報告書が取りまとめられております。これが、21年の8月のことでございます。
 そういったことを受けまして4.でございますけれども、身体障害認定分科会におきまして21年9月でございますが、認定基準も含めて肝機能障害を身体障害者手帳の交付対象範囲に追加するということで了承をいただきまして、それを受けまして改正政省令を12月に公布して22年の4月から施行ということになりました。現在、2年余り経ったことになります。
 また、2.の「対象者」のところでございますけれども、こちらのほうにありますように、これは障害全体、他の障害も全部そうですが、肝臓機能障害となった原因は問わずに、またその障害等級に関しましては身体障害者福祉法の考え方のもと、これまで対象とされてきた他の内部障害とか、もちろん視覚障害とかもありますけれども、そういった他の障害の等級も参考として1級〜4級までの障害として認定をしているわけでございます。
 参考1にございますように、身障法に基づく身体障害の考え方でございますけれども、この対象者としましては、「?身体機能に一定以上の障害があること」「?永続する障害であること」「?日常生活が著しい制限を受ける程度であること」、こういったような3点に基づきまして身体障害者福祉法に基づいて認定基準を定めているというものでございまして、参考2にありますように、これまで議論にありましたように、「チャイルド・ピュー分類」の3段階のうち「グレードC」に該当する患者さんが対象となるということでございます。これに日常生活の制限の程度を考慮いたしまして、その中で1級〜4級までを認定しているというものでございます。
 時間もございますので、93ページは障害認定の考え方ですね。基本的には、治療による治癒であるとか改善の可能性がなくなったという段階で障害が固定したという考えによりまして、身体障害者と認定するという考え方の図でございます。
 それから、94ページは「認定基準の考え方」ですね。チャイルド・ピューのグレードCの考え方です。
 それから95、96、97とございますけれども、こういったような身体障害者福祉法に定める障害はいろいろございます、聴覚障害、視覚障害とございますけれども、その他の障害のバランスをもってこういったような認定基準を設定しているということで、肝機能障害に関しましては右の一番端に、日常生活の制限等を勘案してこのように定めているといった趣旨になっているところでございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○林会長 ありがとうございました。
 そういうことで、基本的には身体障害者福祉法の考え方をもとにこの認定基準がつくられたということでございます。
 どうぞ、天野委員。
○天野委員 日肝協の天野です。
 今のお話にもありましたけれども、認定基準の考え方として、まず重症度を測るためにチャイルド・ピューのグレードCが3か月以上継続するという条件をクリアしなければなりません。そして、その条件をクリアした後に、日常生活の制限の程度を考慮して等級を設定するということになっているということですね。
 重症度判定をチャイルド・ピューのグレードだけで判定することについて、5年前に亡くなりました私の夫の天野秀雄の例をお話させていただきたいと思います。天野秀雄は、43歳で食道静脈瘤破裂で倒れてから59歳で5度目の肝がんで亡くなるまで16年間、闘病生活を送っておりました。その中で、チャイルド・ピューのグレードCになったのは2回ございます。
 1回目は、食道静脈瘤破裂後、生死の境をさまよっていたときです。歩くことも、座ることさえままならない状態でしたけれども、アルブミンの点滴や特殊アミノ酸の輸液、非吸収性抗生剤の投与などの治療によって、2か月でスコアは改善いたしました。しかし、まだ入退院を繰り返すなど、生活には大きな支障がございました。
 2回目にチャイルド・ピューのCになったのは、5度目の肝がんを手術した後に極度の肝不全に陥ったときです。血漿交換を何度もやっても回復いたしませんで、ただ死が訪れるのを見守ることしかできなかった1か月足らずの間です。
 このような非常に厳しい状況下でも、この2回のどちらも3か月以上継続するという条件はクリアしておりません。
 亡くなった後、病理解剖の結果を担当医から聞きました。手術で摘出した肝臓のがんの部位以外の残存肝は、マクロで見てもミクロで見ても明らかに高度に重症の肝硬変であり、手術する前のチャイルド・ピューのグレードAという判定とは余りにかけ離れていたので大変驚いたと担当医から言われました。
 このような経験から、重症度をチャイルド・ピューのグレードのみで判定するのは本当に妥当なのだろうかと私は疑問を持っております。チャイルド・ピューのグレードだけではなくて、日常生活の制限の程度も後でではなく同時に考慮して、患者が人間らしく尊厳をもって生きることができるような認定基準にしていただきたいと思います。
 また、肝がんを発症いたしますと、肝臓のがんというのはほかのがんと違いまして多中心性に何回も何回も再発を繰り返すという特性がございます。そして、余命が短くなってしまうということもございますので、肝がんを発症した場合にはこのチャイルド・ピューのグレードだけで判断するのはちょっと無理があるのではないかと思っております。それで、患者を入れた有識者会議などを設けて認定基準の見直しをしていただきたいと思います。
 この認定基準について、私はチャイルド・ピューのグレードのみで判定するのは本当に妥当なのだろうかという疑問を持っているんですけれども、専門の先生方はどのような感想をお持ちであるか、ちょっと伺いたいと思います。
○林会長 いかがでしょうか。では、まず事務局に答えてもらってから専門の先生にお聞きしたいと思います。
 1つは、チャイルド・ピューの分類だけで最後の生活状態を決めるのは問題であるということと、あとは肝がんのことをどう扱うか。そういう改定ができるかどうかという御質問だと思います。
○田中課長補佐 行政の側から答えるものではないかもしれませんが、こちらの方としましても平成20年の専門家の会合の中で93ページの図にありますように、こういったチャイルド・ピューという分類、ほかの障害もそうですが、何らかの指標で等級を定めているわけでございますが、そういったチャイルド・ピュー分類という中でグレードCになれば、治療による改善の可能性がないというふうな判断をいただいているところでございます。
 それをもって、もともとの身障手帳認定の考え方は固定永続というのが原則中の原則でございまして、それに該当するという判断をいただきましたので、それに基づいてその中での日常生活の程度を勘案するということで、こちらとしては考えているということでございます。
 あとは、がんとか、そういうことも、ほかの障害も全部そうですけれども、原因は問わない。障害としては原因を問いませんので、あくまでも機能の障害を見ているというところでございます。
○林会長 このもともとの法律自身がそういうもので、肝がん患者さんだけを対象にしているものではないので、その法律にのっとって決めていくとこういう決め方をせざるを得なかった。この法律自身は肝がん患者さんだけを対象にしているのではないということが、恐らく一番の大きな問題だと思います。
○天野委員 そうしますと、前回の第8回でちょっと質問いたしましたけれども、障害者手帳をいただいている方が死亡者数に対してどれぐらいのパーセンテージになるのかということを前回調べてお知らせしましたが、肝炎の場合は死亡者数に対して身障者手帳をいただいているのが十数%なんです。
 それで、同じ内部障害の腎臓病の場合は1300%くらい、100倍くらいの差があったわけです。バランスをとるという意味でいったら、それは非常にバランスに欠けているんじゃないかと私は思っているのですが。
○林会長 それは、先ほど御質問のように肝がん患者さんをどう扱うかということでパーセンテージが変わってしまいます。C型の場合、肝がんで亡くなられる方が非常に多いので、先ほどから議論になっているものは実はこの中には入っていないので、御指摘のようにパーセンテージは非常に低くなる。それは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、それは法律上そうなっているので、先ほどこの法律をもとにそれを扱うとこういうことになるという御説明だったのではないかと思います。
○田中課長補佐 会長のおっしゃるとおりです。
○大賀委員 先生方の御意見をお聞きしたいんですけれども。
○林会長 どういう点をお答えすればいいですか。
○大賀委員 臨床の先生方が患者さんと接している中で、この認定基準に対して実感としてどう思っているのかということをお聞きしたいです。
○林会長 実際にこの認定基準をどう受けとめているか。
○大賀委員 そうです。受けとめ方です。言いにくいかもしれませんけれども。
○林会長 どうお答えすればいいか、ちょっと難しいところですので、具体的にもう少し言っていただいたほうがいいと思います。
○大賀委員 では、あえて求めませんけれども、患者サイドから言わせていただきますと、私は九州肝臓友の会です。
 これは去年の話なんですが、肝臓がんの治療を繰り返しやってこられた60代の方がおられます。そして、申請しても門前払いです。まだ点数が足りませんということをずっと言い続けてこられて、そしていよいよ肝性脳症とか全部そろって申請してやっと下りました。下りたけれども、ただの一度も使わずに亡くなられて、私がお参りに行ったらその手帳が神棚に供えられて、奥様が本当に悔しい声を私に告げられました。
 要は、重症肝硬変あるいは肝臓がんを繰り返し治療している患者というのは、もうくたくたなんですよ。
○林会長 それは我々も日ごろからそういう意味では重々よくわかっているんですが、我々ドクター側は認定基準によってしか認定ができないので、そのことを我々としてどうお答えすればいいのか。
 制度を変えてほしいという要望だと、それはそう言っていただいたらいいんですけれども、そこを具体的にどう答えればいいか言っていただかないと答えられないと思います。
○大賀委員 認定制度の認定基準の再検討をするための会をつくってほしいと思います。そして、その中に患者代表もぜひ入れて検討してもらえないかという気持ちでいます。
○林会長 これは恐らく事務局のほうにお答えいただかないと、我々ドクター側は答えられないと思います。
○大賀委員 すぐに返事はできないかもしれませんけれども。
○田中課長補佐 要望としては、聞いておりますので。
○大賀委員 実態としては、バランス論から言っても非常に不平等です。透析患者と比べてみてわかるでしょう。
○田中課長補佐 他の障害もそれぞれいろいろ御要望がございますので、あくまでも他の障害とのバランスを勘案して、必要と認める場合はやるということになるかと思います。
○林会長 どうぞ。
○浅倉委員 八橋先生の研究の御報告にもあります、参考資料の56ページのB-2-1です。歩いて移動することがかなり不便である。歩きまわることができないという方が5%もおられます。
 それで、この身体障害者手帳制度の概要ですけれども、「日常生活の制限の程度を考慮して」ということがありますが、私も実際に肝硬変、肝がんになった方のお手伝いをしにいったことがあるんです。でも、おうちの中でさえ壁を支えにしなければ歩けないという状態で、とても不便を通り越して本当に大変な思いで療養されていました。その方はお芝居のほうの仕事をされていましたけれども、それもできなくなりました。
 ですから、そういう仕事もできなくなってしまった方がいるわけですから、やはりほかの疾病の関係と勘案してということは、そういう法律といいますか、こういう行政の考え方はわかります。私も20年の検討会を傍聴しましたので、その議論を見ていますからわかりますけれども、でも、ここであえて見直しをしていただいて、現在、八橋先生が教えてくださった肝硬変、肝がんの患者さんの苦しい闘病をやはり行政の方も、推進対策室のほうも考えていただけないでしょうか。
○林会長 これは、事務局のほうにお答えいただかないと。
○田中課長補佐 障害部としては、やはりあくまで身体障害者福祉法の範囲の中でやっていきたいとは思います。肝機能障害としての認定はまだ始まって2年余りということもありますので、そういったような適切な運営を図っていくことも必要かと考えております。
○林会長 どうぞ。
○天野委員 あとは、1級に認定されている方の中に肝臓移植された方は無条件で入ってきますけれども、その他、重症度で1級に認定されている方もいらっしゃいます。その内訳というのは非常に大事だと思うんです。肝移植後で抗免疫療法を実施している方はそれなりに大変なところはありますけれども、でも一般の人とほぼ変わりない生活をなさっている方が結構多いと伺っております。
 だけど、重症度で1級ということはチャイルド・ピューCが3か月以上続いて身動きが取れないような、本当にもうすぐ死ぬような感じじゃないかと思うんですけれども、そこのところの内訳というのは出していただけるのでしょうか。
○林会長 それはありますね。
○田中課長補佐 22年の4月〜9月まで一度調査をさせていただいて、そのときに発表させていただいたとおりでございます。
○天野委員 その後、1年分を発表していただいたときにはそれはなかったんですけれども、それについてはありますでしょうか。
 多分、前回だと思うんですけれども。22年度分でしょうか。発表するときに、1級の中の内訳を教えてくださいと申し上げたんですが、その場合、最初のときだったから1級の中で肝移植の方と重症度の方とを分けたけれども、2回目以降はそのような予定はないというふうな言われ方をされたんですね。
○田中課長補佐 つまり、自治体における身体障害者手帳の交付台帳につきましては、何度も申しますように原因まで含めて把握する仕組みにはなってございません。それは、法律がそういうものだからです。
 ただ、22年4月〜9月の調査は肝機能障害にかかる認定の開始だということもありまして、その認定状況を把握するために特別に行ったというふうな整理でございまして、そういった新たに調査をするというのであれば全自治体に関係することでもありますので、それは慎重に検討する必要があると思います。
○天野委員 ということは、これからその内訳をとるかどうかは決まっていないということですか。
○田中課長補佐 はい。基本的に原因は問わないので、手帳上は自動的にその内訳をとることにはなってはございません。
○林会長 障害者手帳は、先ほど申し上げた法律にのっとって幾つかの疾患を扱っていますので、その原則で認定されています。
 だから、その中の肝臓のところの内容を変えてもらうというので、こう変えてほしいという要望をするか、もともと障害者手帳ではだめだというのかによって考え方は変わってしまうと思うんです。
 これは法律にのっとって障害者手帳を出しているので、それは法律を変えないとその枠組みは変わらないので、明確に言っていただいたほうが対応を考えやすい。
○大賀委員 だからまさに今、横の連携だと思いますよ。私たちから言えば、障害者交付者数の中で移植者は何人かというのはぜひ把握したいデータなんです。
 障害福祉の面からするとそれは必要ないかもしれませんけれども、僭越ながら推進室のほうは欲しいと思います。
○林会長 そのデータは出てきます。先ほどからの御要望の中の大筋のところはそこのところを分けて考えていただかないと、当局に言っても全然かみ合わなくて、対応のとりようがないです。
 これは法制にのっとって障害者手帳を出しているので、障害者手帳で先ほどのことを解決しようと思うと先ほどのようなことが起こると思います。
 では、どうぞ。
○清本委員 清本です。
 この?の「永続する障害であること」で、「肝機能障害となった原因を問わず」となっているんですけれども、ウイルスが永続して居続けるというのは永続する障害として認められるんじゃないでしょうか。
○田中課長補佐 ウイルスがあっても症状がない方もたくさんいらっしゃるでしょうから、あくまでも障害というのは日常生活の制限を受けるということをもって障害としております。
○清本委員 そのウイルスによって肝硬変になった場合は、障害として永続しているということでよろしいでしょうか。
○田中課長補佐 日常生活に一定以上の制限を受けていれば障害と考えられます。
○清本委員 それであれば、障害者認定も幅を広げることは可能ということでよろしいでしょうか。
 ウイルスがいるということが永続する障害である。それによる肝硬変や肝がんとなった場合は、そのウイルスがいること自体を永続する障害として、それを我々は障害として捉えていますから、それによって障害者認定基準に認められるようなことは可能なのでしょうか。
○田中課長補佐 何度も申しましたように、あくまでも我々の物差しはチャイルド・ピュー分類を使いましてグレードCになった段階で障害が固定したというふうに考えてございます。
○清本委員 経緯を聞いているのではなくて今後の可能性として、この状態だと補償を受ける人も重篤な状態で意味がないわけです。これを改善しなければいけないと思うんですけれども、その永続する障害という部分でアルコール性肝炎とはまた別の話になってしまうんですが、ウイルス性肝炎の場合だと永続する障害として認められるんじゃないかと思うのですが。
○田中課長補佐 他の障害のバランスであるとか、身体障害者福祉法の法律の趣旨から考えても、ウイルスがあることだけをもってして永続する障害とは考えにくいと思います。
○清本委員 例えば、インフルエンザなどだとすぐにウイルスは消えてしまうから永続しないけれども、現状のウイルス性肝炎は消える人もいますが、居続ける場合は永続する障害として問題ないと思うのですが。
○田中課長補佐 何度も申しますように、ウイルスがあることだけをもってして障害とは考えておりません。
○清本委員 それだけではなくて、それがまず前提にありきで、その後、肝硬変になって、その状態によってそれが治らないような肝硬変であったら意味がないわけです。どうにかしてその手前で障害者認定を受けて、今後の生活に役立てていく。
 そうなってくると、ウイルス性肝炎の場合、その永続性という部分でウイルスが居続けるというのは現状永続性があると思うんです。今度、治療して治ればそれはそれでいいですけれども、今の段階でB型もC型もウイルスが残る人は多くいますね。それは永続的な障害にならないんでしょうか。
○田中課長補佐 治療によって治癒しない段階になって、初めて障害と認定されます。
○清本委員 ならないということですか。
○林会長 ほかにいかがでしょうか。
 これは、かなり難しい問題を含んでいるというのは我々もよくわかっていまして、全然違う疾患を一つの法律で扱っているのでいろいろな批判も出てまいります。大変難しい問題を含んでいるというのは、我々も十分わかっております。よろしいでしょうか。
 きょうここで結論が出る問題ではないと思っていますので、はっきりこうしてもらいたいという御要望をはっきりおっしゃっていただいたほうがいいような気はいたします。よろしゅうございましょうか。
 では、どうぞ。
○天野委員 この障害認定を考える有識者会議というのを別に設けていただいて、そこに患者委員も加わって、それで検討するようにしていただきたいと思います。
○林会長 それは恐らく今お答えできないと思いますが、事務局からお願いします。
○田中課長補佐 何度も申しますように、他の障害とのバランスを考えて必要と認めればやりたいとは思います。
○大賀委員 では、お尋ねしますけれども、患者と小宮山元大臣との懇談の中で、ウイルス性の肝臓病患者に対しての施策はほかの病気、疾病と区別して対策を講じていかなければいけないと考えているという発言がありました。これは、厚労省ではまだ生きているんですか。
○林会長 これは、どちらにお答えいただいたほうがいいでしょうか。
○大賀委員 私たちから言えば、障害者認定に絡んでくるわけです。
○田中課長補佐 身障法の法律の中では特別扱いはできません。
○大賀委員 ちょっと気になるのは、先ほどあなたから、まだ2年だからという発言がありましたね。これは患者サイドからいきますと、本当に日々、闘病生活の中でこの交付を希望しながら亡くなっている人たちがたくさんいるんですよ。だから、まだ2年だからという考えは、私たちからいうとちょっと軌道修正をしてほしいという気持ちはあります。
○林会長 わかりました。これは恐らくきょうで結論が出る問題ではないと思いますので、また討論をさせていただきたいと思います。今、患者の方々から御要望があったことについては事務局で御検討いただければと思っております。
 それでは、次に移らせていただきたいと思います。続きまして、平成25年度の政府予算案につきまして、事務局より御説明をよろしくお願いします。
○北澤肝炎対策推進室長 資料の39ページ、資料3をごらんいただきたいと存じます。
 1枚おめくりいただきまして40ページですけれども、平成25年度政府予算案の肝炎対策関連部分について御説明をいたします。
 平成25年度肝炎対策予算につきましては、既存の事業内容を徹底して精査した上で、総合的かつ計画的に肝炎対策を推進するために必要な予算について計上しておりまして、188億円となっております。
 また、平成24年度補正予算案ですけれども、大臣から先ほど説明があったとおりですが、「肝炎研究推進のための臨床研究基盤体制の整備」ということで13億円となっておりまして、いわゆる15か月予算として見た場合はこれを足せば201億円ということになります。
 まず、1の「肝炎治療促進のための環境整備」でございますけれども、B型、C型、ウイルス性肝炎に対するインターフェロン治療、それから核酸アナログ製剤への医療費助成を引き続き行います。平成25年度につきましては、受給者数の見込みを積算し直しまして99億円としております。事業を実施するために必要な予算を確保しております。
 2番目の「肝炎ウイルス検査の促進」ですが、検査未受診者の解消を図るために引き続き保健所、市町村、医療機関委託などの体制を整備いたしまして事業を実施いたします。平成25年度につきましては、これまでの執行実績を勘案いたしまして29億円といたしております。事業を実施するために必要な予算額を確保してございます。
 次に3番ですが、肝疾患診療体制の整備、相談体制整備等でございますけれども、平成25年度につきましては新規で「肝炎患者の就労に関する総合支援モデル事業」ということで4,000万円を盛り込んでおります。これは、肝炎患者さんなどが働きながら継続的に治療を受けることができる環境づくりということで、参考資料の99ページにもあるのですが、前回の協議会で議論いただきまして、昨年8月30日付で提出されております協議会の意見書ですね。「平成25年度予算要求に係る肝炎対策推進協議会意見書」に盛り込まれた御意見も踏まえたものでございます。
 具体的には、資料の43ページをごらんいただきたいと存じます。真ん中辺りの下線部分でございますけれども、拠点病院の肝疾患相談センターなどに社会保険労務士等を配置して就労に関する相談支援体制を強化しようというものでございます。
 次に、4の「国民に対する正しい知識の普及啓発」ですが、44ページをごらんいただきたいと思います。下のほうですけれども、新規といたしまして「肝炎総合対策推進国民運動事業」を盛り込んでおります。今年度、第1回日本肝炎デーの実施など、普及啓発を充実しているところでございますが、先ほど申し上げた協議会の意見書も踏まえまして、平成25年度は国民運動としてさらなる展開を目指していきたいと考えております。
 最後に、5の「研究の推進」ですが、これも協議会の意見書などを踏まえまして、引き続き肝疾患の新たな治療薬、治療法等の開発などを目指して実施をしていきたいと考えております。
 説明は、以上でございます。
○林会長 ありがとうございました。以上でございますが、御質問、御意見がございましたらどうぞ。
 では、阿部委員からどうぞ。
○阿部委員 例えば、特別枠の事業なのですが、市町村における健康増進事業の個別勧奨などは実際にまだやられていないところもございますね。そうした場合に、本来は去年、おととしとやらなければならなかったものをやっていない。そういう対象年齢の方について、今年度から個別勧奨を始めるとした場合、今は41歳、42歳の方たちでしょうか。そういう方たちまで個別勧奨の対象にして、助成の申請をしていいのかどうか。
 また、もう一つは出張型検診ですけれども、全然やっていないところが多いわけですが、これまで全くやっていなかったり、あるいは今まで実施数が少ない場合は追加で来年度やることは認められるのでしょうか。これは4月か5月にもう国に予定を出さなければならないわけですけれどももし、認められるのであれば厚労省のほうから認めますという文書を出していただければ、多くの市町村で個別勧奨、出張型検診もできるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○北澤肝炎対策推進室長 個別勧奨ですが、年齢は特に限定はなくて5歳刻みで行うというのがこの個別勧奨メニューですので、そういった範囲内で各自治体で計画を出していただければ、それは補助として出させていただくことになります。
 あとは、出張型検診は先ほどの話につながりますけれども、昨年度ブロック別の会議などでも出張型検診についてはぜひ取り入れてほしいということはそれぞれ各担当者が個別に出向いて依頼をしておりまして、それを現在各都道府県でどのようにするかを自治体の市町村の状況を収集しているところだと思いますが、引き続きそういったことについての勧奨というのは我々としては行っていきたいと思います。
○阿部委員 今は40、45、50というようになっているんですけれども、それが過去やってこないので、例えば来年度40、41、42、45、46、47と今までやっていない人たちについても個別勧奨を認めてくれるんですかということを言っているのですが。
○北澤肝炎対策推進室長 考え方はあくまでも年齢を固定するということで、40歳で固定すれば新たに40歳になる方が次々と行っていくということですので、毎年、毎年その年齢を40歳を次の年は41歳ということではなくて、基本的な考えは年齢を固定する。そうすれば、いわば5年間で100%やれば全ての方々が検査を受けていただけるという趣旨でやっているものでございます。
○阿部委員 わかりますか。私はわからないです。
 そうすると、去年、おととしやらないで41、42になった人は、この5年間ではできないことになりますね。
○北澤肝炎対策推進室長 この個別勧奨についてはそういう考えです。ですので、当然、個別勧奨以外の機会はありますので、そういったところで受けていただく勧奨をしていくということを自治体にお願いしたいと思っています。現在の考え方はそういったことです。
○林会長 それ以外にいかがですか。
○清本委員 私は35歳で肝硬変なんですけれども、これは何で40歳からなんですか。
○北澤肝炎対策推進室長 もともとこれは経緯から言えば老人保健事業でスタートしておりまして、その年齢層が40歳以上ということがございますので、その流れをくんでいるというふうに理解しております。
○清本委員 肝臓病というのは沈黙の臓器と言われている病気で、特に30代でB型だと発症する人も多いんですね。それで、気づかないまま肝がんになって、病院に行ったらもうあと3か月の命だとか、そういう方も多くいました。
 現状、老人ではなくて、特にこの病気でウイルス感染がわかるのは大きな病気をしたり、健康な人ほど病院に行かないのでわからないんですね。そういう病院に行かないで健康で働いている人というのは国にとって宝だと思うんです。そういう人たちがきちんとウイルス検診を受けて重篤な病気にならないようにするには、40歳では遅いんじゃないでしょうか。
○北澤肝炎対策推進室長 あくまでもこれは個別勧奨については40歳以上ということですが、42ページにもございますとおり、保健所で行っている検診というのは特に年齢の制限はございませんので、こういったことを活用して若い方にもぜひ検査を受けていただくように体制を整えていきたいと思います。
○清本委員 保健所の多くが毎日受けられるわけでもないですし、月に2回の予約制で平日であったりするんですね。ばりばり働いている人はもちろんそんなところに行けるわけがないとは言いませんけれども、自分は健康だと思っているし、保健所でそんな程度でやっても行かないです。
○北澤肝炎対策推進室長 ちょっと説明が漏れましたけれども、これは医療機関への委託もございますので、そういった利便性については各自治体の工夫で図っていただきたいと考えております。
○清本委員 医療機関の委託というところがあって、札幌市でも医療機関の委託をやっています。そういうところは受診率が非常に高い。これは全国的にどこの地方でも、委託することで受診率が上がるんじゃないでしょうか。
○北澤肝炎対策推進室長 おっしゃるとおりですので、そういったことを各自治体にその必要性について我々としても引き続きアドバイスをしていきたいと思います。
○清本委員 そこの部分はぜひともよろしくお願いします。
○林会長 どうぞ。
○大賀委員 国民運動を新規でやるということをおっしゃっていますけれども、具体的に例えば7月28日にやられるのか。そこら辺りはどうなんでしょうか。
○北澤肝炎対策推進室長 詳細は、これから検討したいと思っております。それで、趣旨ですけれども、今年度もおっしゃるとおり日本肝炎デーで普及啓発については力を入れてきたつもりですが、こういった動きをさらに加速させるために、広告媒体なども多様なものをつくるとか、あるいは民間企業との連携ですね。これは、具体的にはこれからよく検討いたしますけれども、そういった工夫をして国民運動のような形でさらに普及啓発をやっていきたいと思っております。
○大賀委員 国のほうでそういう運動をやることで、地方もすごく動き始めます。福岡県も実は初めて今年の7月28日ですが、これは県はやりませんけれども、福岡大学の向坂先生は私たちの顧問の先生でもあるのですが、7月28日に福岡市で肝臓学会のシンポジウムが開かれるので患者会も協力してくれませんか、との呼びかけがありました。それで、ウイルス検査を受けましょうというティッシュペーパーを東京肝臓友の会がつくっておりますので、それを会場で配ろうかというような計画が今、進んでいるところです。ぜひ国も力を入れてほしいと思っています。
○林会長 ほかにどうぞ。
○天野委員 国民への啓発運動ということで、これは非常にありがたいことだと思っております。
 それに関連して、ウイルス肝炎研究財団様にちょっと御挨拶に伺ったときに聞いたんですけれども、昨年ウイルス肝炎研究財団様が窓口になってACジャパンのキャンペーンに応募してくださったそうです。応募数が非常に多くて大変な倍率だったそうですけれども、昨年10月に採用が決定されました。今年の7月1日から全国放映を開始、最低2年間継続、場合によっては3年間の長期放映の可能性があるということです。
 これは非常にいいことなんですけれども、ただ、せっかく全国放映されても自覚症状がない方は自分には関係ない、人ごとと思われる方も多いのではないかと懸念しております。
 そこで、行政から一人一人に宛ててウイルス検査の個別勧奨のお知らせが届けば、自分の健康にかかわる大事な検査なのだということがわかって受検促進につながる可能性があるのではないかと期待しております。
 ぜひ、国から地方自治体に個別勧奨の実施を働きかけていただきたいですし、5年で終わりということではなくて、これで3年目に入りますけれども、今まで実施してこなかったところもありますので、延長していただければと思います。よろしくお願いいたします。
○林会長 ほかはよろしゅうございますか。
 では、どうぞ。
○武田委員 薬害肝炎の武田です。
 就労に関する総合支援モデルで4,000万円いただいたことは非常にうれしいのですけれども、これを見ましたら拠点病院とか、そういうところに労務士さんを置いてといっていますが、私の体験から、私は3回とも仕事をしながらしていたのですけれども、そのときに拠点病院というのは大体県に1つしかないですね。そういうところに行って話をするという時間はないのです。
 それでしたらハローワークとか、そういうところに1人の方がその担当になって、何かを兼務しながらでもしていただいたほうが直接の相談はしやすいと思うのですが。
○北澤肝炎対策推進室長 今の点ですけれども、当然ハローワークでは入院されていない一般の方はそういったところで相談を受ける体制というのはあると思います。
 今回のこのモデル事業については、要するに治療を入院とかで受けていらっしゃる方がずっとその治療を受けながら就労を継続できるようにいかに支援するか。患者さんはいろいろな悩みを抱えていらっしゃいますので、そういったところで社会保険労務士とか、そういった専門家が拠点病院で指導、支援していただくといったことを考えております。
 そういった意味では、ハローワークでやっているものとこういったモデル事業、実はがんのほうでもこういったことを考えているというふうに聞いておりますけれども、そういったことで相乗効果で治療を受けながら就労いただくということを支援していきたいと思っております。
○武田委員 では、ハローワークに行けば聞いていただける方はいらっしゃるのですか。就労に関してというか、勤めていて何かの弊害があったので意見を言いたい場合、ハローワークに行ったらそれを聞いてもらえるのですか。
○大賀委員 相談センターに社会労務士さんを派遣するということでしょう。
○北澤肝炎対策推進室長 このモデル事業は、あくまでも相談センターですね。拠点病院の相談センターに社会保険労務士がいていただいて、その病院の相談センターで相談に乗る。我々の説明は拠点病院での説明ですので、ここでのモデル事業を進めていきたいということです。
○林会長 モデル事業を実施しているところにしかおられないということになります。
○武田委員 では、個人で勤めていて、何か言われて首になったとか、時間を短縮されたとか、そういうようなことを言うのはハローワークしかないのですか。
○北澤肝炎対策推進室長 少なくともこのモデル事業ではそこは対象にはしておりません。
 それから、ちょっと説明が漏れましたけれども、拠点病院の相談センターだけではなくて、このモデルの中には電話で受けられるような社会福祉法人にもお願いしようと思っておりますので、エリアをカバーするという意味ではそういったところとも連携してやっていきたいと思っています。
○武田委員 わかりました。
○林会長 まだ議事があと1件ございますので、これでよろしゅうございましょうか。
 では、次に清本委員のほうから母子感染防止の徹底についてということで御意見をいただいておりますので、最後にそれを討論させていただきたいと思います。
○有川委員 別にB型肝炎訴訟のことでちょっと発言したいんですが。
○林会長 それでは、これは前もっていただいていますので。
○有川委員 では、その後でお願いします。
○清本委員 内容としては、まだ母子感染事業が徹底されていない部分があって、現在のキャリアの30%が母子感染事業が適切に行われていないための感染ではないかということです。
 その原因としては、2番に里帰り出産など、お母さんが受診する産科と小児科との連携が不足であったり、そういった部分があると思いますので、徹底していただきたい。
 要望としましては、1の「母子感染防止策の周知徹底について」、厚生労働省内で連携をとって、結核感染症対策課と出生児を管轄する雇用均等・児童家庭局母子保健課の連携、再度医療従事者や関係団体に通達を行うとともに、産科と小児科及び肝臓専門医との連携や周知徹底が行われているかの調査、監督を次回までにお願いしたいと思っております。
 3の、平成7年に厚生省心身障害研究母子感染防止に関する研究班が作成した「B型肝炎の母子感染を防止するために」と題する免疫グロブリン、HBワクチンの接種スケジュールが書き込めるパンフレットなどがありますが、こういうパンフレットは全てのHBs抗原陽性の妊婦に配布されておらず、また内容も不十分であり、妊娠を機にB型肝炎感染が発覚するケースも多くあり、その時点で肝臓専門医へ受診するようになれば、知識不足のために重篤化することも少なくなる。
 これは、私たちのほうから次回までにこれを解決する何かの提案ができればいいと思っております。特に、妊娠を機にB型肝炎がわかるというのは、妊婦さんにとってはものすごいストレスだと思うんです。子供ができたと思ったけれども、B型肝炎に感染していた。旦那さんが帰ってきて、子供ができていたよ、でもB型肝炎だったと言うと、現状は差別偏見の問題にもなりますけれども、旦那さんのほうも性感染ではないかとか、そういった間違った知識を持っていたら離婚問題にも発展しますし、そういったケアをする方法を考えたいと思いますので、お願いとしましては現状、周知徹底が行われているかという調査を厚労省のほうにお願いします。
○林会長 事務局、いかがですか。調査ですと、これは次回までに文章上、徹底をして実際にどのくらいの方がおられるかということを調べればいいということですね。
 では、どうぞ。
○溝上委員 横浜の済生会病院の小児科というのは首都圏では唯一子供のB型肝炎をちゃんとやっているところです。そこの部長は私の後輩でいろいろと一緒にやっておりますので、一応問い合わせをしました。
 10年くらい前までは年に10例くらいこういうものがあったそうです。ところが、21年の通達以降、年に1例もあるかないかくらいのところまで、少なくなっているようです。また、日本は世界に誇る母子手帳システムがありますので、いつ、どういうワクチンを受けたかということがわかるので、そこまでちゃんとわかります。 ただ、おっしゃるとおり、妊娠して喜んでいるときにHBs抗原陽性だと言われるのは大変なことでございますから、どのように説明するかについてはぜひ周知徹底をお願いしたいとと思います。先ほど30%という数字をおっしゃいましたけれども、それは外国人の妊婦さんとかが、入った数字だったそうです。それで、なかなか説明してもちゃんと打ってくれないとか、不法滞在の人だったとかいうこともあったと聞いております。
 それで、現在、日本は母子手帳が非常に有効に行なっている一番いい例だということで、世界的に母子手帳の普及というものを国立国際医療センターの国際協力局のほうでは積極的に進めております。
○林会長 よろしいでしょうか。実は、さっき事務局のほうから大阪の数字を見せていただいたのですが、実数は年単位に直すと非常に少ない。恐らく今のところは数名くらいのようです。
 全てがうまくいっていない可能性はもちろんあるんですけれども、これは確立している制度なのですが、それが本当に運用されているかどうかについては確かに問題だと思います。それは調べることは調べられると思いますので、一度事務局で検討していただいてもいいとは思っております。
 ただ、今お話がございましたように、今のところほかの国に比べると日本の制度は非常にいい状況ではないかと思っております。
 では、どうぞ。
○北澤肝炎対策推進室長 体制とか、そういったものはかなり関係する医療機関等々が多いので、次回までと言われるとそこはなかなかどうかと思います。
 ただ、ちょっと御紹介しますと、この母子感染に限らない話ですけれども、小児のB型肝炎のキャリア率といったものを来年度の厚生労働科学研究費で一応把握をしようという研究を今、公募中でございますので、そういった結果も踏まえて必要があれば対応していきたいと考えております。
○林会長 それから、3のことは次回に御提案いただければということですね。
○清本委員 もちろん調べてほしいという気持ちはあるんですが、目的としては母子感染防止事業というか、ゼロにしたいのが目的なので、別に結果が知りたいとかではなくて、限りなくゼロにしていきましょうという思いです。
○林会長 よろしゅうございますか。
 それでは、時間が大分過ぎましたが、最後にどうぞ。
○有川委員 有川です。私はB型肝炎訴訟の原告で、昨年1月にB型肝炎の特措法ができて、2月からは裁判所を介して和解が進んできているということは大変うれしいことなんですけれども、四十数万人と言われる集団予防接種時の注射器の使い回しによる被害者を救済するには、今おられる提訴者数を格段に増やす必要が私は求められていると思うんです。それで、厚労省としても現状の提訴者数がどうなのか、和解者数がどうなのか、それが都道府県別にどうなっているのかということを、毎回この協議会で御報告していただきたいと思います。
 それから、B型肝炎訴訟の原告弁護団として各地で特措法の説明会をしております。それで、徳島県でこの2月27日に行われる説明会では、医療講演会と結びつけてすることにしてあるんです。それのほうが多くの方が参加できるのではないかと思っています。
 そして、その会についても県が後援をしようということになっております。こういうことは私は非常に大事なことだと思いますので、厚労省としてもこういった動きを積極的に支援するような後押しを各自治体に働きかけていただきたいと思いますので、要望としてお話ししました。よろしくお願いします。
○林会長 御要望ということで、よろしいですか。
○北澤肝炎対策推進室長 直接の担当課がきょうはいないものですから、要望については伝えさせていただきます。
○林会長 それでは、司会の不手際で大分時間が過ぎてしまいましたので、本日はこれで終わらせていただこうと思っております。まだ議論が不十分な点も多々ございますが、今年度もこの会は継続されますので、そのときにいろいろな御意見を賜われればと思っております。
 本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局疾病対策課肝炎対策推進室 中田
電話: 03−5253−1111(内線2948)

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