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2012年10月31日 第66回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成24年10月31日(水)16:30〜18:30


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(中央合同庁舎第5号館19階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

相澤好治、明石祐二、犬飼米男、小野真理子、大山忠一、小畑明、新谷信幸、瀬戸実、辻英人、土橋律、中村聡子、春山豊、三浦武男、宮本氏(勝野委員代理)

ヒアリング対象者

杉山氏(日本サービス・流通労働組合連合)、新谷氏(日本サービス・流通労働組合連合)、井上氏(日本チェーンストア協会)、伊藤氏(日本チェーンストア協会)

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
井内雅明 (計画課長)
半田有通 (安全課長)
椎葉茂樹 (労働衛生課長)
奈良篤 (化学物質対策課長)
木口昌子 (調査官)

○議題

(1)小売業関係団体からのヒアリング
(2)第12次労働災害防止計画の骨子案について(その4)
(3)その他

○議事

○分科会長 第66回の労働政策審議会安全衛生分科会を開催したいと思います。お疲れのところ、おいでいただきましてありがとうございます。
 本日は、公益代表委員では浅井委員、日下部委員、角田委員、三柴委員、労働者代表委員では縄野委員、半沢委員、勝野委員、使用者代表委員では高橋委員が欠席されておられます。古市委員の後任として就任なさいました勝野委員につきましては、今回は代理といたしまして宮本様がお出ででございます。宮本様は全建総連の労働対策部長でございます。なお、公益代表委員の土橋委員は先ほど申し上げましたように少し遅れると連絡が入っております。
 本日は、委員の皆様のほか、ヒアリングのために日本チェーンストア協会から井上様と伊藤様にお出でいただいております。どうもありがとうございます。また、日本サービス・流通労働組合連合から杉山様と新谷様がお出ででございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは議事に入らせていただきます。本日の1つ目の議題は、「小売業関係団体からのヒアリング」でございます。第12次労働災害防止計画の骨子案で、重点業務として取り上げられている小売業について、ヒアリングをさせていただきます。本日は、業界団体の日本チェーンストア協会と労働組合の日本サービス・流通労働組合連合に、それぞれご説明をお願いしております。双方からご説明をいただいた上で、質疑応答とさせていただきたいと思います。また、大変恐縮でございますが、説明時間は10分から15分以内でお願いしたいと思います。
 それでは、最初に日本チェーンストア協会の専務理事であります井上様から、ご説明をお願い申し上げます。
○井上氏(日本チェーンストア協会)
日本チェーンストア協会で専務理事をしている井上でございます。本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 お手元の資料1-1に沿いまして、せっかくの機会でございますので、チェーンストアでの労働災害防止の実態、それから意見を申し上げたいと思います。
 まず、1ページ目から2ページ目に、その協会、あるいはチェーンストアの概要が出ています。イメージしていただければお分かりのように、チェーン展開をしているスーパーマーケットであり、あるいはホームセンター、あるいはファッション、あるいは100円ショップ、こういうものがチェーンストアでございます。これもイメージをしていただきますとお分かりになりますように、仕事をする環境は、工場とか、あるいは建設現場、こういったものとは全く違って、店頭では、レジ、あるいは接客、あるいは商品の補充、こういうものが中心の仕事になります。その商品はバックヤードから持ってくる。バックヤードでは、例えば刺身を作ったり、あるいは唐揚げを揚げたり、パンを焼いたりというような、基本的には日常生活的な作業の連続ということになります。この1ページ目の5つ目の●のところにも書いてありますけれども、従業員は主婦を中心としたパートさんで、この方達が7割から8割ぐらいを占めているということでございます。それも1つの特徴だと思います。
 小売業は労働集約産業でございますので、人材が商売の命ということであります。したがって、その労働災害防止というものは、従業員の皆様方のためにももちろん必要でございますけれども、経営の観点からも大事という認識は浸透していると思っております。
 3ページ目にチェーンストアにおける労働災害防止の取組を書かせていただいております。具体的な対策事例は、後ほど補足をしていただきますけれども、労働災害としては、業務の特徴から「滑った」「転んだ」「切った」「擦った」、あるいは「腰を痛めた」と、こういう日常の怪我というのが大半になります。したがって、労働災害防止の取組というのも、製造業のようにその機械をどういう風に扱うかという大掛かりなものとは異なりまして、注意喚起と安全教育というものが基本となります。もちろん、それを個々人に「注意しろよ」と言うだけで放っておくわけではございませんで、企業、組織としても当然に入社時、あるいはルール、マニュアルを整備して意識付けるようなこと、あるいは作業環境についても危険箇所の見える化、あるいはその作業環境改善に組織的に取り組むことも大事でございます。
 3ページ目の下のところに安全衛生管理体制と書いてございますけれども、先ほど申しましたチェーン展開でございますので、本部というものと、その店舗というものとの間の情報の共有、あるいは連携というものが大事になってきます。例えば、労働災害事例の本部での集約とか、あるいはそのマニュアルを本部で作って、それを実際の現場に当てはめていくというのが店舗というようなことで、本部と店舗との情報の共有、あるいは連携というのが重要になってきます。
 4ページ目から5ページ目にかけまして、危険予知、ヒヤリハット、4S、私どもはしつけも合わせて「5S」と呼んでいることも多いのですが、あるいは5ページ目でリスクアセスメントの実際例を書かせていただいておりますけれども、基本的には、今、述べました注意喚起や教育、あるいは意識付けの徹底、見える化、作業環境改善、あるいは情報の共有化、こういう基本で申し上げたところの具体的な展開事例ということが見てとれると思います。
 また、5ページ目の4.でございますけれども、先ほど申しましたパートさんの比率が7割、8割ということでございます。当然、この方々に対しての入社時における教育、あるいはルールやマニュアル整備と意識付けというようなことも含めて、入社時、それから定期的な研修、あるいは朝礼を活用した日々の注意喚起、意識付けというものを行っています。
 5ページの?として、意見・要望を若干、忌憚なく書かせていただいております。繰り返しになりますけれども(1)ですが、小売業の現場は、製造業のように危険、あるいは有害作業ということではなく、日常生活の作業の連続ということになります。
 昨今、災害発生件数の増加ということが指摘されています。1つには以前なら放っておいたような、これがいいことかどうかは別として、放っておいたようなものでも大事を取って治療、あるいは病院に行くというようなことで、数値としては増えているという部分もあるのではないかなと。その場合には実態が変わっているわけではないので別に悪化しているということではないという気もします。ただ、やはり高齢化ということで、腰痛の話にしても、あるいは踏ん張りが効かずに転んでしまったというようなことで、怪我が増えていることもあるのではないかなと思います。いずれにしましても日常生活作業の連続ですから、例えばこれも日常でお店に行ったときに、「この魚、ちょっと急いでるんだけど早く刺身にしてくれませんか」と言われることもあろうかと思います。そういうお客様の対応に対して、「そんなこと、できません」と言うサービス業はないわけですから、「分かりました」とやっていくわけですね。そういう流れの中で、且つ一方で、包丁で手を切らないようなことも合わせて対応ができるということをするためには、やはり日々の意識付け、あるいはそのルール、教育の徹底ということが大事なんだろうと思います。
 計画の骨子案を拝見させていただきますと、正規・非正規を問わない災害の防止、あるいは災害を個人の不注意のせいだけにせずに、組織として対応することが大事、あるいはバックヤードの安全化が大切というようなことは、いずれもそのとおりだと思っております。ただ、その計画の骨子案には違和感もいくつかありまして、その1つが5ページ目の(2)で書いてあります。バックヤードの安全化、これは大事だということ自体はそのとおりですけれども、その政策手段として好事例集を作っていくというあたり、これはどの程度、効果があるのかというか、これは使い方だと思うのですね。それをその事業者の方が積極的に参考にしていくという形で使っていくということであればいいのかなと思いますけれども、この好事例集を多様な現場に当てはめるような形で指導として入ってくると、これは多様な現場に合わないような懸念があると思っています。それから安全靴・安全手袋、この辺りも多様な大勢の人がいるわけですから、そこに税金で配るのか、あるいは義務付けて事業者の義務、負担という形で政策を遂行しようとされるのか、方法論は2つだろうとは思いますが、いずれにしろ社会全体の費用対効果というものを考えると、あまり適切な政策手段ではないのかという感じがいたします。
 その次の6ページのところで、(3)は1つの事例でございますけれども、「ヒールの高い靴は危険だから、履かないようにしなさい」、あるいは「靴を脱いで脚立に乗りなさい」という指導があったと、これは1つの実例でありますけれども、例えばファッション系のお店で、多分お客様の前で靴を脱ぐことは、現実にはできないわけですね。そういうことを考えますと、やはり一律に現場の実態の理解が欠けた指導の形で入ってこられると、実態に合わないということになる。これは1つの例でございます。
 (4)ですが、この計画には大規模店、多店舗展開をしている企業に対して、重点的に行うとありますが、ここにも2つ違和感を感じざるを得ません。
 まず1つ目ですけれども、最近、労働行政は非常に企業負担を強いる形で進んでいると認識しています。そういう中でも特に大型店、あるいは多店舗展開をしている企業というのは、厳しい経営環境の中でも組織的対応をしっかりやれていると思っております。むしろ従業員の方々の安全、あるいは健康というものを主眼に考えるのであれば、例えば、小さくてなかなかそういう余力がない、やり切れないといった中小のほうにこそ、むしろ目を向けるべきではないかと思います。
 2つ目の違和感でございますけれども、行政の発想として、その指導ということではなく、悩める中小の方々をどう「サポート」するのかということを是非、考えていただきたいと思います。もちろん、指導ということも有効な場合があるということについては否定するものではございませんけれども、先程来申し上げております業界の特性や現場の実態に合わない形で、一律に、あるいは過度な指導をなされると、アリバイ作りではありませんけれども、その現場を見るよりも行政を見るような形で、とにかくアリバイ作りのような対策を事業者が取ってしまうこともあるでしょう。それから行政への説明、報告書の作成という事務処理作業に労力が取られて、肝心要の現場の改善に対して費やすべきエネルギーが削がれてしまうという本末転倒なことも起こりかねないと思っております。例えばそのデータの整備をしていただいて、業態別あるいは規模別のようなものを情報開示していただくとか、あるいは特に中小等で、何でやるべきことができていないのかという悩みの辺りは相談をしていただくと、相談に乗っていただくというぐらいの心構えを是非、お持ちいただけるとありがたいと思っております。
 (5)はメンタルヘルス対策としての「復職」が重要であるということです。ここでは「リワーク支援」について書かせていただいていますけれども、もちろん、その政策手段として、政府あるいは独法が自ら、あるいは自治体が自らカウンセリングサービスを提供するのか、あるいは産業政策的な視点を入れてカウンセリングを営む民間企業の活動を促すのか、方法論は色々あろうかと思いますけれども、何れにせよ、この世の中には復職をサポートするカウンセリングサービスがもっと市場に出ている、世の中にたくさん出ているというための政策をお願いしたいと思います。
 私のほうからは以上でございますけれども、ユニーの伊藤のほうから具体的な事例を説明させていただきます。
○伊藤氏(日本チェーンストア協会) ユニーの伊藤でございます。よろしくお願いいたします。私ども従業員が先期末で3万9,000人ほど在籍をしております。これは弊社の子会社と合併をいたしまして、先期末で4年前より3,700人ほど労働者数が減少しております。
 そういう中で、昨年は545件、労働災害が発生しました。「休業4日以上」が101件です。類型別の発生状況や年齢別の発生状況を年度で分析しながら集計をして、店舗における安全衛生委員会の議題、あるいは警鐘を鳴らすという意味合いで、そういったことをやっておりますが、その分析の内容自体が、前期比、個企業における比較で、業界あるいは同業他社、同等の企業との比較といったものは皆無です。その、良いか悪いかというところがなかなか判断しづらいのが現状ではないかなと思いますので、是非そういったデータがあれば、ご開示をいただければありがたいと思います。
 「切れ擦れ」が最も多いのですが、やはり「転倒」、「動作の反復」、「墜落」が「休業4日以上」の67%を弊社の場合は占めていまして、前期比では人数の減少とともに減少していますが、平均年齢が46歳を越えています。これはアルバイトも含めて全てですが、50歳以上が発生の半分で、「4日以上」では7割以上が50歳以上の方が発生対象という状況ですので、そういった加齢に伴う発生状態です。年齢別の専任率を見ると50、60、70とどんどん上がるという状態で、先般、アルバイトは70以上もおりましたので、上限年齢70に止めようということで、行ったところ、70代以上の専任率は当然下がるということで、年齢的な要素は非常に多いなと思います。雇用の受け皿としての機能を発揮しているのですが、その反面、そういったことが伴っているなと感じます。
 本部は、先ほども申し上げましたように、分析をして、安全衛生委員会の法的な審議要件は決まっていますので、それに適合するような情報提供、警鐘を鳴らしているということです。店舗のほうは、産業医の巡視の報告書であったり、災害の発生防止対策書であったり、ヒヤリハット起き上がりメモであったり、あるいはパトロール・チェックリストであったり、そういったフォームを作ってやっておりますが、なかなか徹底しづらいというか、ヒヤリハットがなかなか思い浮かばない職場環境というのが現実ではないかなと思います。
 教育のほうはDVDで、当然ながら既存の者や新規の方についてもやっておりまして、カッターナイフの使い方、包丁、スライサー、ミートチョッパーの使い方、腰痛の防止対策、カゴ車、台車、脚立の使い方などのマニュアルをもって指導するというようなことを繰り返しております。
 どうしても、物的要因ということよりは、家庭における、階段を下りるとか、キッチンで調理をするであるとか、あるいは荷物を運ぶであるとか、そういったことの延長線上の、少し大きめな仕事の繰り返しというようなことが多いものですから、どうしても人的な要因ということにならざるを得ないところが、素直な感想です。
 どちらかといいますと、現状行われている施策をある程度しっかりこなしていくことが、より重要だと思っております。先ほど靴の話もありましたが、どうしても商品とサービスとクリーンネスと環境ということで、お客様に気持ちのいい買物をしてもらおうということですので、どうしても目指している基準は守らざるを得ない状況ですので、そういった、企業、業界の実情に寄り添った対応を検討していただければありがたいなと感じます。以上でございます。
○分科会長 井上様、伊藤様、どうもありがとうございました。質問はあるかと思いますが、後ほどまとめてお願いしたいと思います。
 続きまして、日本サービス・流通労働組合連合の政策局長でいらっしゃいます杉山様から御説明をお願いいたします。
○杉山氏(日本サービス・流通労働組合連合) 本日は、こうした場で発言の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。座って説明させていただきます。資料は、A4の横でご用意させていただいております。労働組合としましては、安心して働ける環境づくりが非常に重要な責務でございますが、一方で、この間、実態の把握に取り組んでまいりましたが、限られた時間ということで不十分な部分もあるかとは思います。少しでも労災の減少に尽力できればと思いますので、よろしくお願いいたします。
 資料の2ページに、組織概要が記載されています。私どもの団体の9月現在での登録人員は25万人で、主に百貨店、食品スーパー等の流通サービス産業が加盟している労働組合の組織です。とりわけ、いわゆる正社員が減少している一方で、有期契約労働者が増加しているといった大きな特徴があるかと思います。
 引き続きまして、実態、取組については、担当の新谷から説明をさせていただければと思います。
○新谷委員(日本サービス・流通労働組合連合) 新谷でございます。よろしくお願いいたします。
 3ページです。小売業界の実態ということで、先ほどのサービス・流通連合加盟組合員の構成比、正社員と正社員以外について記載をしております。左上の枠のグラフですが、上が組合員の比率のグラフです。組合員以外に、役職者や組織化をしていない従業員も含めると、全従業員ということで、下のグラフになります。割合を見ていただけると、全従業員では、正社員が半数を切っていることがお分かりいただけると思います。右上の説明書きにも書いておりますが、今回は小売についてということですので、JSD加盟組合の企業の中で、主な小売の業態は、チェーンストアと百貨店ということで、大きく2つの業態に分けてグラフを作ったものが下段の2つです。チェーンストアについては、パート若しくは契約社員の方が非常に多いということで、百貨店については、正社員の方が多いというふうにご覧ください。
 4ページです。「労働災害の特徴と問題意識・取組」ということで、労働災害の特徴について、チェーンストアについては先ほど協会の方からご説明いただいたとおりです。床濡れに対する転倒や、品出しの際の脚立からの転落、通路での躓きなどということです。百貨店についてですが、食品より衣料部門のほうが、面績が広い、従業員が多いということもあるかと思いますが、転倒、転落、腰痛、カットが上位に上がっています。併せまして、双方の小売業全体としての課題として、長時間労働が挙げられます。サービス・流通連合で毎年実施しております総合労働条件調査というものがありますが、年間の総実労働時間を、グラフで出しています。回答組織数が毎年違いますが、回答をきちんといただける組織と加盟組合数も多少変わっていますので、分母が多少違うという点はありますが、いちばん右をご覧いただくと、平均時間が多少下がってはきていますが、ずっと2,000時間を超えている状態です。年間総実労働時間というのは、年間の所定労働時間プラス残業時間です。有給休暇を取った場合は、そこから引いたりして実際の労働時間を割り出したものです。
 下段の(2)は「問題意識と取組」ということで、それぞれ、転倒・転落・カット・腰痛などに対しては、担当部門や担当業務への注意喚起や、それぞれの担当部門のマネージャーとの情報共有を通じて、安全衛生委員会で情報共有、確認、分析というようなことをしている状態です。
 その他、長時間労働に対する取組ということで、こちらもサービス・流通連合の調査によるものですが、組織の中で、どんな対策をとっているかということで、タイムカードのチェックやメンタルヘルス対策として従業員教育や管理者教育など、複数回答で、下の1〜7番をチェックしているものです。1〜7番の細かい内容については、少し文字が小さくなっておりますが、右側の表の中からお読み取りいただければと思います。
 5ページです。こちらから、具体的な取組内容や意見が出てきますが、ヒアリングの期間が少し短かった関係で、ヒアリングができた組織は5組織です。できるだけきちんと取り組んでいるところから意見をいただこうと、安全衛生委員会を設けて、毎月チェックをきちんとしている組織からのデータをいただいたものです。多店舗展開企業における安全衛生管理の役割分担に関して、本社と各店舗については、ほぼどちらの組織も同じような内容でした。各店で起こった内容を本部や中央の委員会で集約をして見ていくような流れが多かったように思います。各店舗でされている内容は、時間外労働や実際に起こった内容のチェックということで、現場に即した具体的なものの対応です。本部でやっているものについては、それを集約して、トータルでどんな対応ができるかというようなことが議案になっています。形としては、下の段の図にしておりますが、まず責任者がいて、責任者を踏まえて、それぞれの各部所の担当者と安全衛生委員会を設置する。施策を普及したり、意見を集約したりするために、各職場に職場委員や職場改善委員などがいるような形になっています。
 右のほうです。ある労働組合が出しているユニオンニュースなのですが、労使の取組ということで、安全衛生の呼びかけを、組合員に一枚ずつ、こういうニュースを出して配っているという事例として載せました。
 右下の表は、先ほどと同様に、労働条件調査の結果です。こちらも複数回答しておりますので、合計が組織数と合いませんが、117の組織がそれぞれ、どういうことに取り組んでいるかということをチェックしたものです。安全委員と衛生委員は人数が少ないですが、安全衛生委員という、別々か、一人だけを兼務で任命しているかというところで、別々に任命している組織は少ないというふうにご覧いただけたらと思います。
 6ページです。「安全衛生活動の実施状況、好事例」ということで、実施状況については主な4点だけを左側に記載させていただいています。年間安全衛生推進計画の作成ということで、1年間に安全衛生委員会をいつするか、強化月間のようなものをいつ持つか、健康診断をいつするかというのを、1年間のスケジュールを組んで、従業員に普及していくような計画書を作っているところもあるということです。
 それから、危険箇所の評価による労災事故の予防ということで、右側の好事例のところにも繋がるのですが、好事例の「リスクアセスメント実施シート」をご覧下さい。これは、ある企業からいただいたものをフォーマットにして作ったものです。実際に事故が起こった後ではなくて、もしここの何かにつまずいたらとか、ここにぶつかったら何が起こるだろうということを、事前に察知をして、解決していこうということで、リスクの見積りをされています。「被災の程度」を○△×、「発生の可能性」も○△×、「優先度」を?、?、?という段階で付けて、できるだけ優先度の高い、リスクの大きいものについては、事前に補修や修理をしていくという事例をご紹介しておきます。
 3点目については、感染症に関する情報発信ということで、衛生面についてです。特に接客業ですので、自分だけが感染するということではなくて、お客様に広めてしまうことのないように、情報については、特に敏感に発信をしているということです。
 長時間労働については、ノー残業デーの実施、これは組織によって違うかと思いますが、週に1回だったり、月に2回だったり、曜日を決めたりして、労使で見回りを行い、「今日は早く帰りましょう」というようなことを取り組んでいるということで、右側が、多少加工したものですが、この人は何時間ぐらい時間外労働をしているかをチェックした表ということです。
 7ページは「非正規労働者に対する安全教育、その他の要望、意見など」ということで、まとめて記載をさせていただきました。非正規労働者に対する安全教育というのは、それぞれの組織で違いまして、全従業員を一斉にやっており、特別に非正規の方だけを指導していることはないというところから、随時、契約社員やパートさんは入ってこられるので、その都度行っているという組織もあったということで、対応はそれぞれ企業によって違うと思っております。
 6.加盟組合からの要望・意見ということで、1点目については、具体的なご意見なので、そのまま記載しているのですが、「休業災害10件/年を目標にしているが、同業他社の好事例があれば情報が欲しい」ということで、先ほど協会の方もおっしゃっていましたが、同じ規模、同じ業種でどのぐらいが標準、あるいは平均なのかや、どのぐらいを目標に取組を進めていったらいいかということについて、なかなか情報が入りにくいということで、好事例があれば、是非教えてくださいということが1点です。
 2つ目の○ですが、障がい者雇用を積極的に行っているということで、今後、身体がいや知的障がいの方を雇用するための安全衛生対策が必要なのではないかと考えているのだけれども、そのご家族やご本人が安心して働ける職場を作る上で、積極的に取り組んでいる例などがあれば情報が欲しいという意見があり、この点については、法的な整備などもこれから必要ではないかというご意見をいただきました。
 右側については、サービス・流通連合(JSD)からの要望と意見です。これから対策を考えられる上で、小売業と言いましても、先ほど御紹介しましたように、チェーンストアと百貨店ではそれぞれ特徴があるかと思いますので、是非具体的に分析をして、有効な対応を考えていただきたいということです。また、業態、企業規模、部門、作業内容、どんな切り口で特徴があるのかということも、まだ分かりませんので、色々なデータがあれば、是非見せていただきたいと思いますし、是非、色々な切り口で特徴を見つけて、対策を講じていただきたいと思います。
 その一つとして、先ほどのように、食品とその他の部門では特徴がみられるのではないかということで、次のページは後ほど御覧いただきますが、具体的な事例を紹介しております。
 小売業にかかわらず、小規模な企業では安全衛生対策が遅れているといいますか、そこまで手が回らないというのが実態だと思いますが、少ない人数でどのようにこれを進めていったらいいかというのが、なかなか難しく、この辺りもサポートいただければと思っています。
 8ページは、資料として実際にこういう状況で事故が起こったというものを携載しておりますので、こちらはお読み取りいただければと思います。
 9ページです。これはサービス・流通連合だけではなくて、連合の調査報告で、サービス・流通連合も協力をしているのですが、各産業別労働組合に安全衛生に関する調査を行った結果で、特徴ある数字を転記させていただきました。第1表は、この3年間に提起した安全衛生の課題です。労働組合から会社に、こういう課題がありますという提起をしたものの中に、長時間労働・過重労働の是正があり、上のほうを見ていただくと、総合の計、民間企業の計、そして中段に点線で囲ってありますが、商業・流通の計ということで、平均よりは少し上回っているというふうにご覧いただければと思います。左下の第5表、リスクアセスメントについて実施しているかどうかについても、同様に総合、民間計と比べて流通・商業部門については少し低いのではないかと思います。
 過去3年間、メンタルヘルス不調による休業者の増減ということで、「増加している」と「休業者がいる」というところにチェックをしましたけれども、増加傾向にあるということと、「休業者がいる」という割合も少し高いということで、資料として掲載をさせていただきました。以上です。
○分科会長 杉山様、新谷様、どうもありがとうございました。
 質疑応答に移らせていただきたいと思いますが、ご説明いただいた内容について質問がある方はどうぞ。
○小畑委員 労使それぞれからのご報告、大変ありがとうございました。
 私からは、業界団体に1点ご質問をさせていただきたいのですが、資料1−1「協会の概要」で、組合のことも先ほど言われていたのですが、一口に小売業といっても、百貨店ありスーパーあり、ホームセンターありで、非常に業態が幅広く、事業者の規模も大小様々であることが分かります。
 そこで、業態や事業規模によって、労働災害の内容、あるいは発生率などに特徴があるのかどうか。先ほども、行政に対する情報開示の要望ということでおっしゃられていましたが、協会としては、そこのところをどのように把握されているのかを教えていただければと思います。
○伊藤氏 私どもは衣・住・食の総合型のGMSをやっておりますので、特に食品系で申し上げれば、床の濡れ、肉片、あるいは野菜の切れ端を踏むなど、そういったことによる重いケースというのは転倒が多いです。スライサーやチョッパーというのは、ある程度、安全カバーがかかっていまして、清掃時に怪我をするケースが多いのですが、マニュアルどおり使えば基本的にはそうならないというのがありまして、一時増えたのですが、それを指導した段階で減ってきました。あとは、冷凍庫の中で作業をするケースで、滑るというケースなどが、食品のケースではあります。包丁を持っての「切れ」というのは、ある程度日常的な部分でして、大きな休業には至らないケースが多いです。衣料、住関係では、先ほどもJSDのほうからも報告がありましたが、脚立や台車などを使ったとき、降りるときに踏み外して転ぶなどの、物を介在した取扱いというようなことが比較的多いということで、動作の反復についても非常にあるわけなのですが、どうしてもそれは腰痛にかかわる部分が多く、認定は非常に難しい部分がありますので、今、私としてはそういう判断をしております。
○小畑委員 規模別でいえば、先ほど、小さいところが多いというニュアンスの話がありました。
○伊藤氏 規模が小さいということは、恐らく食品に特化をされた事業が多いので、当然ながら食品特有の発生をするということではないかと思います。
○小畑委員 その辺りの傾向性について、協会としては、ある程度数字を把握していると理解してよろしいですね。
○井上氏 すみません。定量的なものは、まだ把握はしておりません。どちらかといえば定性的な面ですね。
○犬飼委員 1点確認ですが、JSD資料の4ページにあるとおり、小売業の共通課題として長時間労働が2,000時間で高止まりしているという状況があるのですが、この辺りに関する労働環境について、チェーンストア協会は、どのように認識をされているかというのが、まず1点です。
 それから、もし、労働災害と長時間労働との因果関係などについて、何か認識なり分析結果なりがあれば教えていただくとありがたいと思います。
○伊藤氏 私どもの年間所定労働時間は2,000時間です。そういう事実がありますので、まず、それを御報告したいと思います。
 長時間労働と労働災害ということなのですが、私どもの実情を見ると、発生をしているのは、雇用状況をご覧いただければお分かりでしょうが、パートタイマーであり、アルバイト。先ほど申し上げましたように、高齢のアルバイトの方は、長時間働きません。したがって、労働時間ということよりは、身体的な能力、加齢といったことが、より大きな要因であると思います。
○犬飼委員 今、協会は、そういう御認識なのですが、JSDは、その辺りに関しての認識は何かありますか。
○杉山氏 先ほども新谷から話をしましたが、第3次産業の労災件数が増えている、小売が増えているということで、どこにそこの問題があるのかを、やはりきちんとつかまなければいけないということで、一つの切り口として、労働時間との関係がどうなのかという見方が必要なのではないかという観点で、いまの話を伺っておりました。
 先ほど協会からも話がありましたが、企業負担の問題の中で、この間、正社員から有期契約労働者への雇用転換という動きも出てくる中で、いわゆる正社員の労働負荷のようなものも増えているのではないかということで、そういった方々の負担という面から、件数が増えていないかという実態把握をするとともに、一方で、高齢者の方々への対策も必要ではないかと、今お話を聞いている中で感じました。
○犬飼委員 少し気になったのは、協会資料の6ページの頭の部分で、対策としては教育や徹底遵守、危険度の意識付けと書かれているのですが、せっかく取り組んでいらっしゃる、例えばリスクアセスメントについて、日常生活的な作業の連続として、同じところを人は何回も行き来するわけですから、人の行動の動線からハザードを把握した上で、チェックシートや見える化などをやっていらっしゃると思うのですが、是非認識の中にリスクアセスメントということの位置付けが欲しいと思います。というのは、JSDさんの資料を見ても、リスクアセスメントに取り組んでいるところは非常に少ないのです。だから、これは経費がかかるとか、かからないとかということではなく、まずは経費のかからないようなアイデアを皆さんで是非出し合っていただいて、先ほどの転倒ということであれば、履き物なのか、床の措置なのかは分かりませんが、例えば物を置く場所やロケーションの問題等色々あると思うのです。そのようなことを、是非認識の中に置いていただいて進めていただきたいというのが意見です。
○分科会長 ありがとうございます。他にはいかがですか。
○新谷委員 ありがとうございました。今、チェーンストア協会のお二方から質問に対してご回答いただいたのですが、特に伊藤委員のご回答は、先ほど2,000時間などの所定労働時間をおっしゃっていますが、チェーンストア協会としての全体的な数字をおっしゃっていただいたのですか。
○伊藤氏 これは私の会社の数字です。
○新谷委員 そうですね。ですから、そこはチェーンストア協会として何か統計を取られて数字を開示いただいたのではなくて、伊藤委員の所属される企業のデータということで理解すればよろしいわけですね。
○伊藤氏 はい、そういうことです。
○新谷委員 もう一つ。これは印象のようなものなのですが、頂いているチェーンストア協会の資料の6ページの(4)に、今回の我々が論議をしている12次防の概要について、計画の骨子案に対するコメントをいただいています。この中で(4)の真ん中辺りに、「従業員の安全・健康を守るという目的を達成するためには、むしろ、対応余力に乏しい事業者を政府がいかに「サポート」するかとの視点」と書かれているのですが、これはどういうことを意図されているのか。要するに、従業員が安全に健康で働くというのは、事業を遂行するに当たっての最低限の事業者としての責務だと思うのです。対応余力が乏しいというのは、中小の事業者のことをおっしゃっているのかもしれませんが、従業員の健康と命を守ることに乏しいところが、本当に事業を続けてもいいのか。そこを政府で助けてくれというのは、私の印象としては少し違うのではないかと思います。例えば中小企業は資金が苦しいから金融面でのサポートが欲しいなどというのなら分かるのですが、健康と命を守るのにサポートが欲しいという着眼点が、私は何か少し違和感を覚えますので、感想として申し上げておきたいと思います。
○井上氏 趣旨としては、JSDさんの7ページ目にあるものと同じなのですが、やはりどうしても小規模な企業は、「乏しい」という表現の仕方が語弊があったのかもしれませんが、余力に落ちる、あるいは組織力に落ちると言ってもいいのかもしれませんが、意識はあっても、それが実際に対応できるかというところについての困難さが高いということは事実だと思います。それを「乏しい」という言い方が適切でないのであれば、そこは訂正をさせていただきます。
○犬飼委員 私が以前見た資料の中に、厚労省の委託事業で、小売業における安全管理の推進検討委員会報告書があります。これを見ると、やはり労働災害防止活動と作業改善の相乗効果というのがありますので、それらのもたらす良い部分をポジティブに捉えていただきたいと思います。
 また、労使双方から好事例の情報が欲しいという話がありました。企業内にまだデータが留まっているというユニーのお話もあったのですが、4ページの冒頭にあるように本部と店舗との情報共有が重要であるとありますので、是非、本部機能を発揮していただいて、各店舗間の情報共有を進めていただきたいと思います。
○井上氏 おっしゃるとおりだと思います。最初に申し上げたところで、やはり人材が命、これは経営という観点もそうですが、従業員の方々の健康ということも、正に相乗効果だと思っています。そこの認識は、協会、あるいは各会員企業も十分持っていると思いますし、ただ、もちろん今の状態に甘んずることなく一層持っていくべきだとも思います。
○伊藤氏 今のお話の中で、先ほど申し上げましたが、3万9,000人で500件ということで、結果的には、こうしたからこうなったというようなところが、すごく見えにくい部分が多分にあります。ですので、どちらかというと、今は、こんなことで重篤なことが起こったから注意しなさいというような事例を全店に流して、そうすると注意点は分かるのです。そういったことで、発生を抑制するというようなケースが多いとは思います。
○分科会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 4人の先生方、どうもありがとうございました。これでヒアリングを終了したいと思います。ご退席いただいて結構です。
○井上氏 本日は、どうもありがとうございました。
○分科会長 議題2の第12次労働災害防止計画の骨子案の討議に移ります。本日は、骨子案の本文について事務局から修正案が示されておりますので、ご審議をお願いいたします。まず事務局から説明をお願いいたします。
○井内計画課長 前回御議論いただきました目標値の設定については、現在私ども事務局において精査を進めておりまして、次回の分科会に再修正案をお出ししたいということで考えております。本日は骨子案の本文について、これまでの審議を踏まえて事務局で修正案を作成いたしましたので、こちらについてご議論をいただきたいと考えております。一部、意見が割れているところもありますが、事務局としては議論を尽くした上で計画としてまとめていただきたいと考えておりますので、委員の皆様方の御協力をよろしくお願いしたいと思います。それでは内容につきまして、担当調査官から説明を申し上げます。
○木口調査官 資料2と資料3でご説明いたします。資料3は骨子案の修正のポイントということで、ポイントを掻い摘んでまとめたものですが、これを修正前と修正後、新旧の形で出したものが資料2、横長の資料です。こちらの内容について一通りご説明をいたしました後に、ご議論いただきたいと思います。
 1ページです。この計画の性格について、当初は新成長戦略の達成に向けてということを前面に出して説明をしておりましたが、新成長戦略の関わりについては3「目標」の注に移動して、この計画は平成25年度から平成29年度までの5年間であるということにしております。1と2は、文言の修正です。目標のところについては先ほど計画課長が申しましたとおり、前回のご議論を踏まえて、今、再修正の案を作成しているところですので、とりあえず暫定的に前回お示しした修正案を仮置きで置いております。(P)という表記は、これも保留ということで御理解いただきたいと思います。以下、目標については同様です。
 2ページは4の重点施策ですが、当初案では5つの柱を挙げておりました。これに対して分科会での御議論を踏まえて、6つ目の柱として東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けての対応ということで、項目を新たに1つ起こしております。
 次に、重点施策ごとの具体的な取組ですが、まず問題意識のところを整理いたしました。災害多発業種への取組という、安全面を巡る課題ですので小見出しを修正いたしまして、災害については過去5年の動向で論じておりましたが、これを過去10年のデータに入替えをしております。2つ目のポツで、第三次産業と陸上貨物運送事業をまとめて、命に関わる度合の小さい転倒災害に占める割合が高いという説明にしておりましたが、陸上貨物運送事業については、交通労働災害や荷役作業時の災害ということで、災害の傾向が異なっておりますので、陸上貨物運送事業の事項を上の1つ目の項目で詳しく書きまして、2つ目の項目は第三次産業に限った形ということで整理し直しております。
 3ページの中ほどに、1つ項目を起こしております。これは重篤な災害を防止するという観点で死亡災害に着目をして、その多数を占める墜落・転落災害と、はさまれ・巻き込まれ災害の防止対策を徹底するといった考えを盛り込んでいます。これを受けて、墜落・転落災害の半数以上が発生している建設業、はさまれ・巻き込まれ災害の4割近くが発生している製造業に重点を置くという整理にしております。修正前に「製造業は」というのは最後のパラグラフで上げておりましたが、この部分は全て新しいパラグラフのほうに言及しております。それから建設業については、そのプラスアルファの要素として、東日本大震災の復旧・復興工事の本格化に伴う問題があるということを追加的に書くという整理にしました。
 4ページです。健康面を巡る課題についてはほとんどが文言整理ですが、3つ目のパラグラフの最終行で、東電福島第一原発事故後の対応に当たる労働者の被ばく防止について書いておりました。これは6つ目の柱のほうに移動しましたので、こちらの項目からは落としております。次に業種横断的な課題ですが、2つ目のパラグラフの高年齢労働者の問題について、過去5年の災害データで見ていたものを過去10年のデータに入れ替えたということです。
 5ページは重点とする業種対策です。(ア)が労働災害件数を減少させるための重点業種対策ということで、少し標題を整理いたしました。ここで取り上げるのは、第三次産業と陸上貨物運送事業ですが、いずれも前回と今回ヒアリングをさせていただきまして、これを踏まえた修正を掛けるということで、現時点ではペンディングにしております。
 6ページの頭です。第三次産業で非正規労働者の割合が高い傾向があるというくだりがありまして、雇入れ時教育など現場の安全衛生活動が低調であると見込まれるといったことを書いていますが、この辺りについてはバックデータをまだ私どもも十分に実態を把握していないということもありますので、修正案ではその記述について削除しております。あとは、まだヒアリングの結果を踏まえて修正をするということで、8ページの中ほどまでペンディングです。これは、修正案を次回お示ししたいと思います。
 8ページの(イ)の重篤度が高い労働災害を減少させるための重点業種対策ということで、これについては標題を修正しておりますが、目標の下に冒頭に申し上げましたとおり、建設業では「墜落・転落災害」、製造業では「はさまれ・巻き込まれ災害」に着目した対策を講ずるということをこちらに明記をいたしました。これを受けて、建設業対策については項目を入替えいたしまして、2番目にありました墜落・転落災害防止対策を1番目に場所を移しております。2番目の項目として、震災の影響による全国的な人材の質の低下、現場管理の劣化等の状況を踏まえた対策ということで、もともとありました発注者に対する要請、後ろにあった建設現場の統括安全管理の徹底をまとめて1つの項目にしております。
 10ページです。解体工事対策は修正ありません。次の項目が、元々は震災復旧工事・自然災害の復旧・復興工事対策ということで上げておりましたが、震災復興関係は6つ目の重点に移したということで、こちらは自然災害の復旧・復興工事対策のみを残して項目としております。
 次は、製造業対策です。製造業対策は、はさまれ・巻き込まれ災害の防止を重点にするという観点で機械災害防止対策を上げております。こちらについては、重点的指導という表現でしたが、製造者とメーカー、業界といったところでの自主的な活動も含めて促進していくという観点から、「改善を促進する」といった言い方にしております。対象についても原案では製造者を対象としておりましたが、機械をそのあと改造して譲渡するといった場合のリスクアセスメントなども必要かということで、「製造者等の機械設備の提供者」と対象を広げております。
 重点とする健康確保・職業性疾病対策です。メンタルヘルス対策ですが11ページの下です。まず一次予防に関して、もう少ししっかり書くべきではないかというご指摘を踏まえて、1つ目の項目である「メンタルヘルス不調予防のための職場改善の取組」のところに項目を追加しております。1つ目は、管理監督者と労働者への教育研修・情報提供の推進を図るということで、目標に合わせた形で追加しております。もう1つはパワーハラスメントの防止で、提言を踏まえた周知啓発を図っていくという項目を新たに追加をしています。
 12ページの3つ目のパラグラフは、2つ目のパラグラフとしてパワーハラスメントの推進を新たに立ち上げましたので、3つ目の項目からパワーハラスメントを含めという例示を落としたという整理です。ストレスチェック制度と取組方策が分からない事業場への支援ですが、これは労働安全衛生法の改正を前提とした書き方にしていたものを改めたものです。次に職場復帰対策の促進です。原案では、メンタルヘルス対策の取組が進んでいない事業場でも、ということで、そもそも対象者がいない事業場を含めて取り組むという表現になっておりましたが、メンタルヘルスで問題を抱える労働者の職場復帰支援に取り組むことができるということで表現を改めております。
 過重労働対策です。13ページの2つ目の◆に3つ目のパラグラフとして、「労働基準法第36条第1項の協定で定める基準」の遵守徹底を図るという項目を追加をいたしております。
 化学物質による健康障害防止対策です。14ページの下ですが、項目の入替えをいたしました。「作業環境管理の徹底と改善」という項目を後ろに持っていきまして、「危険有害性情報の適切な伝達・提供」を前に持ってきております。この項目については、リスクアセスメントの促進、つまり規制対象であるか否かに関わらず、有害性の高い物質が適切に管理使用されることを確保するというリスクアセスメントの促進が前提であるということを明記いたしまして、リスクアセスメントの項目でも上げていた「コントロール・バンディング」の周知・普及をこちらでも再掲をしております。これを踏まえて、リスクアセスメントによる自主的な化学物質管理に資するためという目的を明確にした上で、安全データシートの交付の促進を図るといった流れに変えております。
 腰痛予防対策は、社会福祉施設の中で実際の対策は介護労働者を念頭に置いたものにしておりますので、括弧書きで介護施設ということを追加しています。
 16ページは熱中症対策です。1つ目の項目で、屋外作業に対する規制の導入の中で「WBGT値の測定と」ということで手法を限定する書き方にしておりますが、これも今後の検討課題ということですので、「作業環境の測定、評価と」と一般的な表現ぶりに直しております。
 17ページです。放射線障害防止対策については6つ目の重点に移しましたので、こちらからは外しております。受動喫煙防止対策については、2つ目の項目である「受動喫煙防止対策の強化」も、労働安全衛生法の改正を前提とした書き方にしておりましたのを改めたものです。
 業種横断的な取組は18ページです。3つ目の項目である労働衛生分野のリスクアセスメントの促進ですが、パラグラフを2つ入れ換えております。化学物質に関する事項については、「コントロール・バンディング」が既に開発されておりますので前に持ってまいりました。これは、化学物質対策のところでの修正をこちらにも合わせまして再掲という形にしております。労働衛生分野のリスクアセスメントの実施促進のうち、例示で挙げておりましたメンタルヘルスについては、ご議論の中でリスクアセスメントという手法になじむのかどうかというご意見もいただいておりますので、とりあえずは例示からは削除をいたしてございます。
 19ページは、高年齢労働者対策です。高年齢労働者対策の1つ目の項目については、身体機能の低下に伴う取組であるということで標題を改めました。それから、1行目に「定年延長に伴い」という表現がありましたが、「高齢者雇用の進展に伴い」という表現に改めております。ただ、この項目のメニューの1つとして4行目ですが、「身体機能の低下を防ぐための運動」というものを追加しております。2つ目の項目の基礎疾患等に関連する労働災害防止ですが、1つ目の項目と2つ目の項目を入れ換えて、1つ目の項目の2行目に「労働者自身による健康管理を徹底するよう促すとともに」という文言を追加しています。
 20ページの行政、労災防止団体等の取組の(2)です。この問題意識のところですが、3行目の労働災害のデータについて、これまで労災給付データをベースにして対策などを打ってまいりましたが、今回の労働災害防止計画については労働者死傷病報告ベースのデータで全て統一的に扱っておりますので、データとの整合を図るために「平成23年には33年ぶりに」という表現を落としております。
 21ページの下から2行目です。労働災害防止団体の活動について、当初は所管する業界に対する安全衛生指導という書き方にしておりましたが、労働災害防止活動への技術的指導及び援助ということで、正確に書き改めたものです。
 22ページです。イの業界団体との連携による実効性の確保は、小見出しを外しただけです。次の外部専門機関の育成と活用ですが、1つ目の項目の産業保健機関については、既に産業保健機関が活動しておりますので育成ではなくて、質の向上とその活用を図るということで、本文も含めて改めています。
 23ページは意識変革のところです。問題意識の2つ目のパラグラフで、その取組の有無が企業経営に直接影響するような仕組みが必要であるという表現をしておりましたが、これは労働者の安全や健康を守らなければならないという経営トップの強い意識に大きく左右されるため、経営トップの意識付けにつながる取組が必要であるという表現に改めております。これを受けて、講ずべき施策の1番目に「経営トップの労働者の安全や健康に関する意識の高揚」というものを追加しております。2つ目の項目ですが、労働環境水準の指標化・公表については、「水準の高い業界や企業の積極的公表」という表現に改めております。1つ目の指標化ですが、1行目中ほどの取組については、労働災害防止のための取組であるということを明記をいたしました。それから、健康に影響する項目について「時間外労働など」という例示をしていましたが、削除しております。2つ目の○も、水準の高いところを公表するという趣旨を明確にして書き改めています。
 24ページは、重大な労働災害を発生させ改善がみられない企業名の公表でしたが、「企業への対応」という標題に変更して、法令違反により重大な労働災害を繰り返し発生させたような企業について、ホームページなどへ公表することを含め着実に労働環境の改善を図らせる方策を検討するといった形に改めております。エの項目の1つ目のキャンペーン活動については、かなり具体的に教育手法や教育教材の開発ということで書いていましたが、細かくなりましたので包括的な表現に改めたということです。
 25ページは、科学的根拠と国際動向を踏まえた施策の推進です。1つ目のアの項目ですが、私どもが所管しております労働安全衛生総合研究所等との連携によるということで、枕言葉を追加いたしました。2つ目の項目で、研究の振興がありました。これは、当初は「予算の確保に努める」とだけ書いていましたが、そのほかに安全衛生研究に利活用できる有用な情報というものを追加しております。5番目の発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化は、請負構造の重層化、複雑化が発生していることを踏まえ、という表現にしておりましたが、外注化や請負が行われていることでどういう問題が心配されるかについて、講ずべき対策でも書いていたものをこちらにも出しまして、安全衛生上の配慮義務や責任を逃れるとか、経費がそちらに渡らないといった状況が発生しないようにという問題を明確にいたしました。これに合わせて、講ずべき対策のところでも同じように表現ぶりの修正をしております。
 27ページの下の機械の安全対策の強化については、製造業のところでやりました修正を同じように再掲ということで修正したものです。28ページの機械の本質安全化の促進についても、製造者だけではなくて改造時も含めた機械設備提供者に対象を改めたということです。ただ、機械災害の公表制度ですが、当初の案ではリコール制度を念頭に置いて、「機械の製造者名の公表や」ということで書いておりましたが、「発生した労働災害の内容の公表」ももちろん大事ですので、それを追加したということです。
 29ページは、6つ目の柱として上げた東日本大震災、東電福島第一原発事故を受けた対応のところです。こちらについては、当初の案で建設業のところに書いておりました東日本大震災の復旧・復興工事対策をアとして、場所を移して書いたということです。
 30ページは、健康確保のところに放射線障害防止対策と掲げておりましたものを、原子力発電所事故対策として同じく場所をこちらに移したということです。修正点は以上です。ありがとうございました。
○分科会長 前々回までの議論を踏まえて、修正していただきました。また議論を深めていきたいと思いますが、かなり膨大ですので順番にページをめくりながら進めていきたいと思います。1ページの目標についてはペンディングですので、それ以外のところで何かありますか。
○辻委員 今の目標のところは前回の分科会でも色々議論があって、今日はペンディングということは承知をしておりますが、改めて私どもの意見を述べさせていただきたいと思います。
 目標の設定自体がパーセンテージで設定されていることについては、新成長戦略との整合という観点で理解できるわけですが、一方で目標達成に向けたイメージのしやすさや進捗状況の確認評価を行う際の分かりやすさという観点を踏まえれば、パーセンテージでの表記に加えて、可能な範囲で絶対値、すなわち人数も設定すべきと考えておりますので、是非ともご検討をお願いしたいと思います。
○分科会長 これについては、何か他の方から御意見はいかがですか。
○明石委員 絶対数は上げるべきではないのではないかと思います。こういう時代ですので、数字を上げると誤解を招きかねない心配があります。それは率表示、パーセンテージ表示でよいのではないでしょうか。
○辻委員 全てが絶対値でということを申し上げているわけではなくて、目標を掲げる以上はそれに向けて全力で国を挙げて取り組むということですので、その中でも特に人数的な目標を掲げるほうが取り組みやすさ、理解の浸透のしやすさという観点で適切なものがあれば、それは検討材料としては捨てるべきではないと、今のところ我々は考えているということです。
○分科会長 数値目標それぞれについて、また違いがあると思いますので、事務局におかれましては、いまのご議論を踏まえて作成していただければと思います。よろしいですか。
○三浦委員 この「目標の設定について」というところは、建設業と製造業だけですよね。死亡者数を160人、300人という目標を上げている。死亡者数300人、160人という目標がいいのかどうか。逆に言えば平成23年度、平成24年度と比較して、何十パーセントの削減と。これを一般の人が見ると、建設業は300人まで容認されるのかというような取られ方をしないか。ましてや死亡者数を目標数値というのは、非常に違和感を覚えますよね。この辺もパーセンテージでいくのか、そういう形の中で修正していただければと思います。
○分科会長 目標については次回に出てきますので、そのときにご議論いただければと思います。ほかはよろしいですか。2ページから重点施策の1から6もありますし、具体的な取組ということで5ページの頭ぐらいまで何かご意見は。
○新谷委員 今の目標の捉え方について建設業で300人という数字は、確かに違和感もよく分かります。では、300人まで亡くなっていいのかという受け止められ方をする懸念もよく分かります。ただ、私どもとしては労使で災害を減らしていこうという目標を掲げたときに、分かりやすさとか、目標としてのターゲットとしての捉えやすさを考えた時に、現場に下ろしていった時に何人までは許容されるということではなく、本当であればゼロなんです。
○三浦委員 最終的に、ゼロを目標にして取り組んでいるわけです。
○新谷委員 だから、ゼロというのは本当に現実的な目標となりうるかというと、現実には難しいというのもあって、けれどもパーセントだけで労使は本当に取り組めるのかという懸念もあって、もう少しお互いに取り組める目標となるもっと違う数字ができないのかというのが私どもの提案ですので、これはまた事務局で検討いただく時に、それにふさわしいものを検討いただきたいと思います。
○分科会長 それでは、目標以外のところでは。
○明石委員 前回も申し上げましたが、ここに第三次産業というのがずっと書かれています。選択と集中と書かれているのであれば、もう少し第三次産業のどこに重点を置くのか。重点を置くところをすでに書いていらっしゃるわけですから、もう少し絞って書いていただかないとなりません、第三次産業は本当に広いですから。電気、水道、ガスから保険、金融、それからここにある小売までが全部同じ対策を取らないといけないと捉えられると思います。そうであれば、この後に業種としても出てきますが、第三次産業と陸運業、建設業が並んでいるのは、ちょっと違和感があります。
○分科会長 どこの部分ですか。
○明石委員 第三次産業というのが2ページの問題意識のところに書いてあります。たくさん出てきます。
○分科会長 5の(1)ですね。これからも出てきますが、それについてはいかがですか。第三次産業では、後ほど一応そういう議論があったということで。
○宮野安全衛生部長 表現ぶりは、少し工夫させていただきたいと思います。ご指摘のとおり、第三次産業は非常に多岐にわたることも事実ですので、ただ一方で確かに第三次産業という枠で捉えても、全体に労働災害発生件数が非常に増えている事実もあり、そういう全体の話と、一方でその中でもさらに重点化をして取組をしていくことで考えておりますので、そういう方向で表現はまた工夫をさせていただきたいと思います。
○明石委員 そうしていただければと思います。「第三次産業」と書かれると、全部同じ対策ということでは、それぞれの業界、業種なりが困惑いたしますので、よろしくお願いします。
○分科会長 5ページまではいいですか。5ページから「重点とする業種対策」とありまして、11ページぐらいまで続くわけです。今お話にあったようなところがあって、11ページの上のイの「重点とする健康確保・職業性疾病対策」の上まで続きますが、その間で何か御意見がありましたらお願いしたいと思います。
○三浦委員 9ページの「建設工事の発注者に対する要請」の中で、仕様書に安全衛生に関する事項を盛り込むなどという形の中で書かれていますが、必要な経費を積算するようにと。ただ具体的に、これはどのようなことをされるのか。それと、これは経費を積算するようにと書かれているけれども、チェックはどのようにされるつもりなのか。それと、その下のアスベストですが、「必要経費や工期の不足のため」ということで、過重労働防止、労働者の健康管理の点からも、適正工期のチェックも必要と思われますが、その辺はどのように考えられているのかを教えていただきたいなと。
○半田安全課長 ただいまのご指摘の件は前回にも申し上げたかと思いますが、この発注者対策は私どもにとりまして長い課題です。なかなか有効打を打ち出せないでいるところですが、例えば私どもの厚生労働省の発注工事の中から、まずできることをやるということから始めて、その先に「具体的にこういうことができる。」と、「こういうビジョンができています。」ということを、お示しできれば、そういった中で何か具体的なものを入れていければと考えております。例えば、トンネルやアスベストの工事など、個別具体的なところになっていきますと、ある程度こういった発注の仕方があるのではないかというお願いの仕方もできるのかなと思っていて、そういったことで国交省と協議をさせていただきたいと思っております。
○三浦委員 もう1つ。10ページのアスベストの飛散防止対策の中で、下から2行目の「アスベスト除去工事を行う者等の能力向上」。能力向上とは、具体的にどういうことを指しているのか。
 もう1つは、震災復興工事の一番最後に「建設現場の統括安全衛生管理の徹底を図る」と書かれていますが、これも具体的にどうすることによって徹底を図ろうとされているのかを教えていただきたいなと。
○奈良化学物質対策課長 まず、アスベストの除去工事を行う者の能力向上ですが、実際に除去工事を行う中で、アスベストの使用状況について、事前に調査が行われて、その確認に「ない」という話の中で、実際にやってみると、そこでアスベストが出てくるということがありまして、解体工事においてもそういうアスベストについての必要な知識を持った人間を確保していくための教育というものを、具体的にやっていきたいということを考えています。
○半田安全課長 ただいま、震災復旧・復興工事の統括管理についてご質問がありましたが、法制的には既にこれは整っていることですので、これをきちんとやっていくというところです。あとは、現状はどうやってこれを把握するかが問題になるかと思いますが、1つには計画届等で出て来るようなものであれば、そういうところで把握をいたしますし、私どもはパトロールなども実施しますので、そういった中で、管理の状況も聞かせていただくこともあろうかと思います。また、更に被災地ではご案内のとおり、プラットホームを設けまして被災三県でさまざまな支援活動をやっていますので、そういった中で把握できたところに対しては、それなりの指導というか、お願いをしていくことを考えていきたいと考えております。
○辻委員 9ページの◆のタイトルにもありますが、それ以外にもいくつか「人材の質の低下」という表現があります。9ページ以外は3ページ、8ページ、29ページにも同じような表現があると思いますが、これらの記載というのは建設業に関する項目ですが、これは建設業における需要の高まりからくる人材の不足によって、いわゆる熟練ではない労働者が業務に従事することを意味しているという理解でいいのかどうか。もし、そうであれば「人材の質の低下」という表現は若干適切ではないと思っておりますので、より適切な表現に変えていただくことが望ましいと思います。
○井内計画課長 いまご指摘いただいた「人材の質の低下」ですが、この災害防止計画に書く文言としてどうかというようなご趣旨でもあろうかと思いますので、この書きぶり、用語については検討させていただきたいと思っております。
○宮本氏(勝野委員代理) 9、10ページは事前に議論があったのかどうかは分かりませんが、アスベストの「飛散防止措置」あるいは「飛散防止対策」と書かれていますが、厚生労働省の関係でいうと「作業者へのばく露防止」というのが入らないと、おかしいのではないかなと思います。この辺については、どのように考えているのでしょうか。
○奈良化学物質対策課長 確かにおっしゃるとおりでございまして、飛散というよりは労働者、我々の観点からいいますとばく露防止ということですので、書きぶりというか言葉の使い方についてご指摘を受けましたので、検討させていただきたいと思います。
○分科会長 他にはいかがでしょうか。
○明石委員 先ほどの「人材の質の低下」のあとに「現場管理の劣化」というのもありますが、これも何かエビデンスがあるのですか。それとも前に引っ張られて書いたようなところがあるのか。劣化というのは相当な話なので、これもかなり色々なところに出てくるので、もう少し文言を考えていただいたほうがいいのではないかなと思いますが。
○井内計画課長 そこは併せて検討します。
○瀬戸委員 11ページの左側のイの上の「労働災害防止団体と連携した取組」の最後の2行目から、「小規模事業場における安全衛生活動の底上げを図るため、中災防の活動を支援する」と書いてありますが、具体的に中災防のどのような活動を支援することによって、小規模事業場における安全衛生活動の底上げを図ろうとしているのかというところをもう少し明確に書いていただいたほうがいいのではないかというのが1つ。これは5年間の計画ですよね。言ってみれば、5年間ホームページ上に掲載されたりするので、一例として、8ページの建設業では「墜落・転落災害」云々と書いてありまして、昨年来労働災害が増加傾向にあるといった、今、見れば昨年ですが、3年後に見たときの昨年というのはどうなるかということで、もう少し年を特定をしたような書き方で書かれたほうがよろしいのではないかという気がします。これは随所に出てきます。
○宮野安全衛生部長 表現の問題は検討しますが、前段の中災防の活動を支援するという部分ですが、現実の取組として平成25年度の概算要求の中に、小規模事業場における安全衛生活動を支援するための新たに中災防に活動を行っていただいて、それを支援するという仕組みを盛り込んでおります。それを念頭に置いて、ここに書いております。主眼はここにありますように、先ほど来から議論がありますように、小規模事業場における取組というところは非常に難しい問題もありますので、そういうところは中災防を通じて支援していきたいと考えておるものです。
○犬飼委員 6ページの小売業に対する集中的取組の?です。これは、第63回の当分科会で指摘させていただいたのですが、言葉の面から言って、小売業では労働者の不安全行動に起因するとの意識が強くなりがちな転倒災害というように、転倒災害の修飾として使われていますので、これは好ましくないと思います。当日の事務局の回答では、リスクの評価が必要だということは、まさに指摘のとおりなので、そのような形で整理をしたいとご回答をいただいていますので、そのような形で整理をしていただきたいと思います。
○井内計画課長 以前もご指摘があった点ですが、こちらについては転倒災害が最も多く発生している事故の形であるのは事実なのですが、今のご指摘を踏まえて書きぶりを検討したいと思います。
○宮本氏 労働災害の減少のための重点対策のところの目標値なのですが、実は労働災害であれば労働者ということになるわけですが、建設現場では労働をしているのですが、労働者ではない、つまり事業主、あるいは一人親方といったような方々もたくさんいらっしゃいます。私どもの組織の中では、昨年度死亡災害の約半数が、いわゆる労働者ではない一人親方、特別加入者といった方々が亡くなられているという重大な事態に立ち至っています。そのようなことを考えたときに、建設現場全体を見ながら、そういった就業者全体に目配りした対策が重要となるといったような目標設定なり、記載なりができないかどうかという意見ですが、いかがでしょうか。
○宮野安全衛生部長 対策そのものとしては、ご指摘のとおり建設業に従事している方は、労働者以外の方も多数いらっしゃると思います。したがって、ここに記載するような対策は、当然ながらそのような方も想定をして、対策は考えていくのだろうと思います。ただ、目標の設定そのものになりますと、これはご案内のとおり労働安全衛生法そのものはあくまでも労働者のための最低基準ですので、目標の対象そのものを広げることについては、それは法律の建前からすると難しいのかなという気はします。
○半田安全課長 部長からお答え申し上げたとおりですが、私どもとしての問題意識としては、古市委員からも十分ご指摘をいただいていますので、その点はしっかり受け止めていますので、その点は申し上げさせていただきます。
○分科会長 よろしいですか。他にはいかがでしょうか。それでは、11ページの重点とする健康確保・職業性疾病対策が17ページまであります。そこまでで、何かありますか。
○辻委員 11ページのメンタルヘルス対策の目標についてですが、まず第1事項に関しては当初案から修正案は少し表現が変わっています。修正案では、教育研修・情報提供を行っている事業場の割合を、それぞれ50%以上とするとなっていますが、この修正案の目標は余りにも低いと思います。本来、この目標については、100%にすることがあるべき姿ではないかと思います。
 次に、第3事項に関して、修正案では当初案に記載されていた職場復帰に向けた支援に関する目標が削除されています。メンタルヘルス不調を発症した方の職場復帰に向けた支援は、一次予防と同様に極めて重要であることを踏まえれば、あえて当初案から削除する必要はないと考えていますので、是非とも再考をお願いしたいと思います。
○椎葉労働衛生課長 目標値については、次回ご議論させていただきたいと思います。また、職場復帰支援ですが、12ページに職場復帰対策の促進という記述があります。私どもは、この職場復帰対策については、かなり前向きに、攻めの気持ちでまとめいるものでありまして、後退したつもりはありません。その辺は、申し上げさせていただきたいと思います。
○小畑委員 13ページの過重労働対策の中の2つ目の◆ですが、働き方・休み方の見直しの推進の3つ目のポツが、今回入ってきました。限度時間の遵守徹底を図るということなのですが、これを入れていただくことは非常にいいことだと思いますが、具体的に限度時間の遵守徹底を図るための方策のイメージがあるのかどうか。特にお聞きしたいのは、特別条項のところまで踏み込むつもりがあるのかどうか、そこのところを確認させていただきたいと思います。
○宮野安全衛生部長 本日、担当課が来ていませんので、具体的なイメージのところは次回お答えをさせていただきたいと思います。
○明石委員 前回、目標のところで過重労働のことを申し上げましたが、この働き方や休み方の見直しの推進も、これは安全衛生分科会でやっていない話なので、ここに盛られることはいかがかなと思います。今の特別条項についても、別の所でやるべきなのではないでしょうか。
○小畑委員 前回議論があったように、結局そこのところが労働災害の下地といいますか、長時間労働をどう抑制するかに密接に関わってくるものですから、私はここにあっておかしくはないと思います。
○明石委員 私は少し違って、やはり審議会で議論をしていないことを、こちらに関係があるといって持ってこられるのは、やはり違和感があります。
○新谷委員 前の資料のデータがないので、事務局にお聞きしたいのですが、過重労働により毎年過労死で労災認定をされる方の数はどれぐらいおられるのでしょうか。それから、やはり過重労働を原因とする「うつ」によって、休業されている方のデータを取ってあるのかどうかを教えていただけますか。
○井内計画課長 過重労働の認定ですが、脳、心臓疾患の過重労働で新規で労災として認定される件数については、直近の平成23年で310件となっています。精神障害の新規の認定件数は、平成23年で325件です。
○新谷委員 先ほど、具体的な目標数値の話になったときに、建設業300人はどうかという話が出ましたが、本当に災害が多い建設業の数に匹敵する数が、やはり過重労働によってお亡くなりになっており、労災認定をされた数だけで300件を超えているわけですから、今回の第12次防の中にはこの過重労働対策を盛り込むのは、私は当然のことだと考えますので、是非これも検討いただきたいと思っています。
○明石委員 今のは、過重労働ではないのではないですか。今の数は、精神障害ですよね。
○井内計画課長 最初に申し上げた310件というのが、過重労働です。325件が、精神障害です。
○明石委員 震災を除くと、どれぐらいですか。
○井内計画課長 すみません、平成23年で、これは元々震災の関係は除いているデータです。すみません、それは確認させてください。
○明石委員 新谷さんが言われる過重労働に原因があるということを否定はしませんが、この働き方、休み方の見直しの推進は、ここでは全く議論をしていませんので、それを今後5年間の計画に盛り込むのはちょっと整合性がないのではないかと思います。良い、悪いは別です。ここに書くような整合性はないのではないかなと思って、申し上げました。それと、この前に書かれていますが、パワーハラスメントもここでやった話ではありません。かなりパワーハラスメントについてたくさん書かれていますが、大事なことは分かります。ただ、ここで議論していないことをこの計画に載せるのはいかがかなということです。
○宮野安全衛生部長 具体的にこの計画に入れ込む、入れ込まないというのは、引き続きご議論はお願いしたいと思います。前回も申し上げましたとおり、ぎりぎり言えば、それぞれの分科会の所掌そのものと政策そのものとは、完全に一致はしませんので、これ以外のさまざまな案件でもいくつかの分科会に併せてご議論をお願いするということはあります。これは、もちろんご相談いただいた結果ですが、例えばこの部分について、この計画に盛り込む必要がある。ただし、この部分については、この安全衛生分科会だけの所掌でないということであれば、所掌は労働条件分科会ということになると思いますが、そちらでご議論をいただくことも十分ありうるだろうと思いますので、そういった形も含めてご議論をいただければと思います。
○新谷委員 先ほどの数字をもう一度確認しますと、毎年300人を超える方が過重労働で亡くなっていて、それは労災認定された方だけで300人亡くなっているわけなのです。明石委員は、この分科会では扱っていないのだからとおっしゃるのですが、私は経団連として行政の効率化や縦割行政を排除しろと言っているのに、こちらの分科会で扱っていないから書くべきではないというのは、少し違うのではないかと思います。やはり、労働行政としてどうあるべきかを今判断していますので、部長がおっしゃったように他の分科会でたまたま扱ったとしても、それが安全衛生ということで労働者の健康と命を守るために資するのであれば、是非ここに盛り込むべきだと私は思っていますので、是非その点はご理解をいただきたいと思います。
○小畑委員 ちなみに、310件のうち約3分の1が、今回重点になっている運輸業、郵便業の数字になっていますので、是非よろしくお願いします。
○小野委員 今、部長からもお話があったように、災防計画とは何かを考えますと、最初にお話があったパワーハラスメントが大きく入ってきています。それから、長時間労働や過重労働が大きくなってきているということは、現状を主観的に把握したときに対策を取るべきことであろうということで、厚生労働省さんがここに盛り込んできていると思います。ただ、明石委員がおっしゃるように、議論がまだ尽されていないこともありますので、他のものに比べると具体性がないように見えるということで、なかなか議論がうまく噛み合わない事態になっているのかなと思いますが、問題であること自体は間違いないと言っていいと思います。ですから、災防計画とは何であるかをもう一度考えて、内容をもう少し具体的にする必要性はあるような気もしますが、盛り込み方についてはさらに議論を続けていくべきではないかと考えます。
 先ほどの目標についても、やはり誰が実際に何をやるかを考えるときに、数字は結果として出てくるもので、やはり個々に対応するときには、割合でうちはこれだけ下げるぞという目標にすることを考えると、まず割合があって、そこに参考として特に重要なところでは数字にするといった形で考えていくのはいかがでしょうかと、私は考えます。
○分科会長 いかがでしょうか。また目標値が出てきた段階で議論をすることにしましょうか。他にはございませんか。
○明石委員 11ページのメンタルヘルス不調予防のための職場改善の取組のところですが、職場のメンタルヘルス不調の予防のためには、やはり労働者のセルフケアを入れるべきだと思います。その後に、管理監督者の問題等を書いていただいたほうが、スムーズだと思います。
 それから、12ページの取組方策の分からない事業場への支援ですが、ストレスチェックやと書かれていますが、その後に希望する労働者への面接指導等の措置と書かれると、希望すれば誰でもできると思われるので、ここは丁寧に正確に書いていただけませんか。
○椎葉労働衛生課長 まず1番目のセルフケアの位置ですが、まさにメンタルヘルス対策については、管理監督者はメンタルヘルス対策の指針に基づいて記述しています。その順番に基づいて、管理監督者の教育や、4つのケアということでセルフケア、ラインによるケア、スタッフによるケア、外部によるケアという順番で書いていましたので、書きぶりについてはもう一度検討させていただきます。
 2つ目の希望する労働者が受けられるというくだりですが、これも次回までに正確な記述を検討させていただきたいと思います。
○三浦委員 16ページの屋外作業に対する規制の導入という、熱中症対策のところなのですが、作業環境の測定、評価と必要な措置を義務づけるとあるのですが、これはどのようなことをイメージしているのかを教えていただきたいのですが。
○椎葉労働衛生課長 右側に、WBGT値の測定がありますが、実際こういった暑さ指数を測定していただいて、それに基づく塩分や水の摂取やクールベストの着用など、さまざまなことがありますので、そういったやっていただきたいことを義務付けるかどうかについて検討したいということです。特に建設業は大変熱中症が増えていますので、それについては何らかの対応が必要だということで、こういう書きぶりを用意しています。
○明石委員 16ページですが、これは前々回にも私どもの委員が申し上げたと思いますが、重量物取扱い業務に対する規制の導入です。重量物取扱い業務の腰痛予防に資する規制の導入を検討すると書かれると、腰痛は重量物取扱い業務以外でも色々ありますが、予防に資する規制を導入すると仕事ができなくなります。先般の課長のお答えでは、欧米やILOのものを調査すると言われていると思うのですが、いきなり検討されるのではなくて、その辺りをまず調査していただければと思います。
○椎葉労働衛生課長 腰痛予防については、ILOの基準などさまざまな諸外国の例がありますので、そういったものも参考にして検討させていただきたいと考えています。
○中村委員 腰痛予防の目標についてなのですが、腰痛は、職場における腰痛を起こすような環境、年齢の要素や生活習慣などが総合的に影響し合い発症すると考えられます。ですから、目標として腰痛を減らすということにすると、対策の効果を判定することが難しくなります。目標としてこのような対策を行っている事業所の割合をこのようにするというような形のほうが、具体的な行動を起こしやすいと思います。同じく複合要因で発症するとされるメンタルヘルス対策のところでも、メンタルヘルスの不調者を何%減らすという目標ではなく、対策を導入している事業所の割合を目標としていますので、そういった複合要因で起こってくる腰痛対策についても対策を導入している事業所の割合を目標値にしたほうが実行しやすいと思います。
○椎葉労働衛生課長 腰痛については、今回、第三次産業、特に介護で増加しているということで、色々な対策や仕組みも検討させていただきたいと思います。併せて、何らかの形で減少に転じさせるようなことも含めて、検討させていただきたいと思います。
○明石委員 17ページの受動喫煙に関してですが、前回申し上げましたが、これは新成長戦略と目標が違っています。新成長戦略は、受動喫煙のない職場の実現ですので、労働者の割合ではないと思います。労働者健康状況調査の事業所調査の中に入れていただければ済むのではないかと思いますので、ここはご勘案いただければと思います。
 それから、受動喫煙防止対策の強化のところですが、これは建議などには「空間分煙の実施を徹底する」の後に、換気装置の問題や粉じん濃度管理も入っていると思いますが、これもできれば正確にご記入いただければと思います。
○椎葉労働衛生課長 受動喫煙対策についての目標ですが、新成長戦略を念頭におきまして、あくまでも受動喫煙を受けている労働者の割合ということで、これは実際にそのような数字もありますし、取っていますので、目標値として一番分かりやすいということから、このようなご提案を申し上げました。また次回にも、もう一度議論させていただきたいと思います。
 それから、受動喫煙の強化のところですが、職場での禁煙、空間分煙の実施の徹底ということで、これについては書きぶりも検討させていただきたいと思います。
○新谷委員 今の受動喫煙防止対策、メンタルヘルス対策もそうなのですが、労働安全衛生法改正法案の重要項目として入っていますので、法律が成立した段階で、また書きぶりが変わると思います。それは、法案が成立した段階で、この書きぶりを改めて検討するということでよろしいかを確認をさせてください。
○井内計画課長 今、臨時国会が開かれていますが、労働安全衛生法案が継続審議として付託されています。そこで成立すれば、今、新谷委員がおっしゃったように、その書きぶりを最終的にそれに合わせた形で、法律が通ったものとして検討させていただくことになろうかと思います。
○分科会長 他にはいかがでしょうか。よろしいですか。では、17ページの一番下からウの業種横断的な取組から始まりまして、20ページの(ウ)、(2)の前のところまで、同じような内容ですので、そこで何かお気づきの点がありましたらお願いします。
○新谷委員 20ページのいちばん上の非正規労働者対策です。これは、今回の分析のトレンドが5年から10年にレンジを変えていますが、10年の間の労働市場の構造変化でいちばん大きいのは、やはり非正規労働者の割合が増えたことではないかと思うのです。ちょうど10年前は、たぶん4人に1人が非正規であったのが、今は3人に1人を超えている状況になって、1,700万人以上の方が非正規労働者として働いておられると思います。ですから、こういった就業構造の変化が労働安全衛生にどのような影響を与えているのかという分析をすることが重要だと思っています。ここは実態を把握するということが書かれているのですが、過去に安全衛生の行政分野で、非正規労働者や有期雇用などに着目して何か分析をされたことがおありなのかどうかを聞かせていただきたいのが1点です。
 それから、ここの記述ぶりが、雇い入れ時の教育や健康診断など、安全衛生活用の実態把握を進めると書かれているのですが、是非ここでやっていただきたいのは、非正規と一括りにしているのですが、ここに書いてあるパートやアルバイトというのはいわゆる呼称なのです。やはり、労働契約の期間がどうなっているのか。要するに、有期なのか無期なのかが、長期的に投資をして教育をするかしないかという判断基準になってくると思います。パートタイマーの方でも、無期の方はおられます。ですから、無期の方と有期契約の方とでは、どうも教育投資の中身が違うようですから、分析をされる際は非正規ということだけではなくて、労働契約の期間がどうなっているかで分析をしていただきたいと思います。それから、過去の労災給付のデータで追いかけられるのかどうかは分かりませんが、正規と非正規あるいは有期と無期の間で、労災の発生の原因や実状に大きな差異があるかどうかも含めて、是非ここはデータの収集をやっていただきたいと思っています。
 もう1点は、業種横断的な取組ということで、実は労働者の属性に着目した分析が、高齢者と非正規と2つ書いてあります。その前のページには、高齢労働者対策ということで、労働者の属性からみると、この2つが入っているのです。その属性に着目したことで言うと、1点、検討追加をお願いしたい点があります。これは、障害者に対する安全衛生対策の視点です。ご承知のように、国連で障害者権利条約がありまして、日本も2009年に条約に署名しています。それで、今この条約に対応するために、国内法の整備が進められています。実は、今朝も労政審の障害者雇用分科会がありまして、この障害者権利条約の対応について論議が進められています。その中で、職場において障害を持つ方と他の労働者とが平等にすべての権利、基本的自由を享有し、または行使することを確保するために必要な措置を講ずることが求められています。これは、特にバリアフリー法の基準を満たすような障害者の通勤経路や就労環境を検証するなど、社会でインフラを整備することもありますが、事業場の中でそういった環境整備を図る部分もあるわけです。こういった障害者雇用の対策が当然この5年の間には進められると思いますので、その視点についても是非検討の視点として盛り込んでいただけないかということを提案申し上げたいと思います。
○井内計画課長 1点目の非正規労働者の関係です。非正規労働者については、労働災害の発生状況や、安全衛生活動が、正規労働者と比較してどういう状況にあるかについては、これまで調査を行ったり、労働災害の統計の中で把握をしたことがないために、現時点では具体的な状況がなかなか把握できていません。今お話がありました有期、無期や、雇用契約期間の関係での御指摘がありましたが、システム上、調査上できるかどうか、できないこともあるかと思いますが、今後検討させていただいて、非正規労働者対策の実態については、安全衛生に関する全国調査などを通じて把握を進めていきたいと考えています。
 2点目の障害者の安全衛生対策についてですが、今、新谷委員からお話があった国際条約の関係などもあります。今、新しい視点として御提案いただいたので、我々内部で検討させていただきたいと思います。
○明石委員 19ページの基礎疾患等に関連する労働災害防止のところの1点目なのですが、これはたぶん意識障害等の疾患のことを書かれているのだと思います。私傷病は私傷病で自ら治療をしていただくことが基本にあると思いますので、これは混同された書き方になっているような気がします。書きぶりを御訂正いただければと思います。それから、20ページの非正規労働者対策の2つ目の○ですが、これは雇用形態多様化ではなくて、就業形態だと思うのですが。
○椎葉労働衛生課長 1点目の基礎疾患との健康リスクの方の話ですが、こちらについては私傷病だけではなくて、作業関連疾患といいますか、作業によって色々悪化する病気もありますので、必ずしも私傷病だけではないということで、こういった健康管理をきちんとやるのは今後も大事だろうということで、このような記載ぶりにしたわけです。いずれにしても、いろいろとまた検討させていただきたいと思います。
○井内計画課長 2点目については、請負なども入るものですので、就業形態という形に直させていただきたいと思います。
○宮本氏(勝野委員代理) 今、雇用形態、就業形態がどのようになるのかは分かりませんが、最後に労働災害防止の責任の明確化を図ると書いてあるのですが、責任がどこにあるのかという話もあります。今回、一人親方という記載もあります。そのような点では、発注者を含めたというところが入ることが必要なのではないかと思っています。それは、例えば建売事業者については、施工管理や個別発注などを行っているのですが、発注者であって、あくまで労災の元方責任はないというのが裁判事例、あるいは徴収法上の問題になっていまして、労災責任はないわけですね。そういったことを踏まえますと、そういった元方が、元方と言われると、我々はそのように見ているのですが、発注者であるから責任がないのだということになると、ここでいう責任の明確化を図るということがどうなるのかなと考えますと、そうした発注者を含めた労働災害防止の責任の明確化があってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○半田安全課長 ご指摘ありがとうございました。私どもがここに書いています趣旨は、とにかく、これまでの事業者の責任だけではカバーしきれないようなものもあるのかなという問題意識です。そういった中で、どのようなことをやっていくかと、いろいろ事務的に検討しているところもありますが、ただいまの宮本委員のご指摘も重要な参考になると思いますので、検討の材料にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○分科会長 時間が過ぎました。まだ、議論はたくさんあると思いますので、もう1回は少なくとも続けたいと思いますので、この辺りで打ち切ってよろしいでしょうか。次回の分科会では、目標値の設定と骨子案の総括質疑をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いします。
○井内計画課長 本日は、遅い時間まで御議論いただきまして、本当にありがとうございました。ただいま、分科会長からご案内いただきましたとおり、次回の分科会は目標値の修正案と、本日ヒアリングをさせていただいた小売業と陸上貨物運送事業のヒアリング結果を踏まえた骨子の修正案を示し、本日積み残しとなりました項目と合わせて、次回ご審議をいただくことを予定しています。11月中に行いたいと考えていますので、よろしくお願いします。  
○犬飼委員 1点だけお願いなのですが、前回私が厚生労働省からの緊急要請の話をしました。昨日、福島第一原子力発電所の線量管理の実態調査がまとまりまして、不適切19件と発表されました。是非、分科会の皆さんにそのような安全に関する情報の共有も含めて、インターネットを見れば分かるということではなくて、ここに出席のメンバーには先ほど言いました緊急要請や線量管理についても大事なことですので、是非そのような情報の提供をお願いしたいと思います。
○宮野安全衛生部長 分かりました。
○分科会長 それでは、これで本日の分科会を終了いたします。議事録の署名については、労働者代表は新谷委員、使用者代表は明石委員にお願いします。本日は、遅くまで大変白熱した議論をありがとうございました。


(了)

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