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2012年11月28日 第121回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課

○日時

平成24年11月28日(水)10時00分〜12時00分


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

公益代表委員

林分科会長、権丈委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

齊藤委員、關委員、中島委員、半沢委員、松田委員

使用者代表委員

川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員

厚生労働省

石井雇用均等・児童家庭局長、定塚総務課長
成田雇用均等政策課長、田中短時間・在宅労働課長
田平均等業務指導室長

○議題

1 男女雇用機会均等対策について
2 その他

○配布資料

配付資料No.1 性別を理由とする差別の禁止に関するデータ
No.2 雇用均等室における行政指導等の状況
No.3 諸外国における性別を理由とする差別の禁止に関する規定等【未定稿】
参考資料参考No.1 参照条文

○議事

○林分科会長
 では定刻になりましたので、第121回労働政策審議会、雇用均等分科会を開催いたします。
 本日は佐藤委員が御欠席です。電車の遅延が生じていますので、中窪委員、松田委員が遅れて出席という御連絡がありましたので始めたいと思います。
 議題は男女雇用機会均等対策についてです。では、事務局から説明をお願いします。

○成田雇用均等政策課長
 それでは、資料について御説明させていただきたいと思います。前回の御議論を踏まえまして、本日は、「性別を理由とする差別の禁止(間接差別を含む)」について御議論いただきたいと思います。これに関する資料として資料1から3までと、参考資料を御用意しております。資料1は「性別を理由とする差別の禁止に関するデータ」です。資料2は、雇用均等室における相談事例等を整備したもの、資料3は諸外国における関連の法令の規定、それから参考資料として、関連する均等法、施行規則、告示等の条文の抜粋をお示ししております。資料1から順に御説明させていただきます。
 資料1は、前回、「男女雇用機会均等関係資料(改訂版)」としてお出しした資料のうち、今回のテーマである採用、配置・昇進、コース別雇用管理に関する部分の一部と、今回新たにお出しするデータを整理したものですので、前回から変更した点を中心に御説明させていただきたいと思います。
 1ページから採用の関係です。2ページの「企業規模別一般労働者の入職者数」は、新しく追加した資料です。これまで分科会で新規学卒者のデータをお出ししてきましたが、10月15日の雇用均等分科会で、中小企業は新規採用ではなくて中途採用で女性を採っている可能性もあるので、そこも見る必要があるのではないかといった御指摘がありましたので、今回入職者全体についてのデータの御用意をしております。この資料を見ていただきますと、まず全体で平成22年と平成18年の規模計の入職者を比べてみますと、男女とも減少しておりますが、男性の方が減少幅が大きくなっておりますので、入職者全体に対する女性の割合は大きくなっているところです。平成22年の女性の入職者ですが、上から2つ目の棒では実数で書いていますが、転職入職者が全体の63.1%、新規学卒者が20.7%、一般未就業者が16.3%という割合になっておりまして、これを規模別で見ていただきますと、女性の入職者はどちらかというと、規模が小さい方が転職入職者の割合が高いという傾向があります。
 3ページは「新規学卒者の採用区分、採用状況別企業割合」です。これは前回と変更のないデータです。事務系では「男女とも採用」の割合が増えておりますが、技術系では4年制大学卒と高校卒で「男女とも採用」の割合が減っているというデータです。
 4ページは「新規学卒者の規模別男性のみ採用理由別企業割合」です。これは前回と同じものですが、前回は棒グラフでお出ししておりましたのを今回は表の形にしています。それから5ページと6ページですが、これは前回と変更はありません。
 7ページです。これも前回と変更はありません。「新規学卒者の技術系男性のみ採用理由別企業割合」です。3ページで技術系の「男女とも採用」の割合が減っていることとの関係で、この資料と4ページの資料を比べて見ていただきますと、4ページで男性の採用のみだった理由についてお伺いしてみると、「女性の応募がなかった」が全体では56.2%となっていますが、7ページを御覧いただきますと、技術系では、「女性の応募がなかった」が61.4%となっているところです。
 次からは、新規採用者との関係で、学校卒業者のデータを御用意しています。8ページは「大学卒業予定者の就職内定率の推移」です。これを見ていただきますと、長期的には男女間の差が小さくなっているところです。
 9ページは、大学の卒業者の就職率を学科別に見たものです。人文科学、社会科学、理学などでは女性の方が就職率が高くなっています。工学では男性の方が高くなっていますが、その差はあまり大きくなっていない状況です。一方、右側に進学率を書いていますが、進学率は人文科学、理学、工学などで男性の方が高いという傾向があります。
 10ページは、大学の学科別に卒業生の女性割合を見たものです。全体では家政、芸術、人文科学で女性の割合が高くなっていて、商船、工学、理学などで低くなっていますが、平成18年と平成23年を比べていただきますと、あまり大きな傾向の違いはないという状況です。
11ページは、同じことを高校の卒業生で見たものです。女性の割合が高いのは看護、家庭、福祉などとなっておりますが、高校卒業者につきましても、平成18年と平成23年であまり大きな傾向の違いはないという状況です。
 12ページからが配置・昇進の関係です。13ページの「部門、配置状況別企業割合」ですが、これは前回と変更はありません。14ページからは「昇進」で、管理職の関係ですが、これも変更はありません。15ページの「規模別役職者別管理職に占める女性割合」です。これも変更はありませんが、一番右側に参考として、非役職者も含めた一般労働者全体に占める女性労働者の割合を規模別にお示ししています。これも既に御紹介していますように、労働者全体で見ましても、規模が大きくなるほど女性労働者の割合が低くなっています。16ページ、17ページ、18ページは変更はありません。
 19ページは「女性管理職割合の国際比較」です。この資料については、前回、ドイツと日本の間にどれほどの国が位置付けられるのかという御質問がありましたので、ドイツと日本の間に例としてアジアの国であるタイとマレーシアを追加するなど追加をしています。20ページです。ほかにもいろいろな国のデータがありましたので、女性管理職の割合が高い方から順番に並べています。また、右側に「就業者に対する管理職の割合」を付けています。管理職の定義は国際的な基準に基づいていますが、国によって就業者全体に対する管理職の割合にかなり差がありますので、こういったことも参考に付けさせていただいています。
 21ページからはコース別雇用管理の関係です。22ページから26ページまでは「雇用均等基本調査」などのデータの御紹介をしていますが、これは前回と変更はありません。
 27ページからはコース別雇用管理制度の実施・指導状況です。これは平成22年度に都道府県労働局雇用均等室が把握したコース別雇用管理制度導入企業のうち129社についての状況を整理したものです。
28ページは「コース別雇用管理制度の導入時期」です。全体で見ていただきますと、平成11年から平成18年の間が43.4%、昭和61年から平成10年までが29.5%、昭和60年以前と平成19年以降がそれぞれ11.6%などとなっています。
 29ページは「コース別雇用形態の組合せ」です。これを見ていただきますと、総合職と一般職の組合せが最も多く45%です。次いで総合職プラス一般職と専門職、現業職がある組合せが25.6%、その他が22.5%となっています。
 30ページは「コース別雇用管理制度の見直し内容」です。これを見ますと、「昇格に上限のあるコースの昇格上限を引き上げる、転職経験等昇格要件を見直すなど、処遇の見直し」が一番多くなっており、次いで「その他」、「職務内容、職務レベルの高低によりコースを分割、コースを統合」、「コース転換の資格要件の緩和」という順になっています。前回、コース別雇用管理制度の見直しの内容が分かるといいのではないかという委員の御指摘があり、26ページの雇用均等基本調査ではこれ以上詳しいデータを取ることができないのですが、この均等室を通じた調査で個別のデータを確認しましたところ、左側の下の※にありますように、処遇の見直しの内容としては、昇格に上限のあるコースの昇格上限の引き上げや、昇格上限の廃止の例、例えば一般職は今まで係長級までとされていたのを課長代理級にまでになれるようにしたとか、エリア総合職でも支店長になれるようにしたとか、そもそも上限を撤廃したといったような事例が多かったところです。
 31ページです。コース転換制度の有無です。これは、全体では「あり」が86%、「導入予定あり」が2.3%、「導入予定なし」が11.6%です。規模別でも規模が大きいほど割合が高くなっていまして、業種別では「金融・保険業」などの割合が高くなっています。
 32ページは「過去3年間のコース転換の実績の有無」です。これは、全体では「あり」が85.6%で、これも規模が大きいほど「あり」の割合が高く、業種別では「金融・保険業」などが多くなっています。
 33ページです。転換の実績をもう少し詳細に見てみますと、左側の総合職から一般職は、全体では「毎年あり」が8.2%、「3年間で1度又は2度あり」が34.4%、「3年間一度もなし」が57.4%です。一般職から総合職は、「毎年あり」が8.8%、「3年間で1度又は2度あり」が42.5%、「3年間一度もなし」が48.8%となっています。
 34ページは「コース転換するときの要件割合」です。総合職から一般職では「本人の希望」が最も多く、次いで「その他」、「筆記試験」、「資格等級」などが多くなっています。一般職から総合職も「本人の希望」が一番多く、次いで「筆記試験」、「面接試験」、「その他」などが多くなっています。
 35ページです。総合職の採用者の男女比率を見てみますと、男性が9割前後を占めて、平成23年では88.4%です。女性の割合は平成23年度では11.6%ですが、3年間では少しずつ割合が増えてきています。右側は応募者に対する採用者の割合です。男性の方が採用者の割合が高く、平成23年で男性が5.8%、女性が1.6%となっていますが、男女の差はこの3年間で少しずつ縮小してきています。
 36ページです。同じことを一般職について見たものです。採用者の男女比率は女性の方が多く、平成23年で86%となっています。一方で応募者に対する採用者の割合ですが、一般職についても男性の方が高くなっています。平成23年で13.3%、女性が5.8%となっています。男女の差ですが、平成23年と平成21年を比べてみますと、縮小をしています。
 37ページは「総合職に占める女性の割合」です。これは「0超〜10%」が最も多く、68.5%となっておりまして、次いで「0%」と「10超〜20%」がそれぞれ11.8%となっています。
 38ページは「一般職に占める女性割合」です。これは「50超〜100%未満」が45.5%、「100%」が41.4%となっています。
 39ページは「10年前に採用された総合職の男女別の職位割合」です。男性は離職者が29.2%、一般職員が29.4%、係長相当職が34.6%、女性では離職者が65.1%、一般職員が22.1%、係長相当職が11.1%などとなっています。左下ですが、同じデータについて離職者を除いてグラフにしたものです。これで見ますと男性では一般職員が41.6%、係長相当職が48.9%、女性では一般職員が63.4%、係長相当職が31.7%などとなっています。右側は企業ベースで見たものですが、既に「女性は0」が約半数です。次いで「男女で同位職」が約3割です。「男性が1段階上位」が12.8%、「男性が2段階上位」が8.5%となっています。資料の1は以上です。
 資料2は、雇用均等室における行政指導等の状況についてです。1ページから2ページ、3ページにかけまして、過去5年間の相談件数の推移の表をお示ししています。雇用均等室への相談の内容別の件数は、既に10月15日の分科会でお示ししていますが、今回少し詳しくしていますのは、6条について号別の内訳を追加しているということと、それから相談者別、男性労働者なのか女性労働者なのか事業主なのかということの別の内訳をより詳しく記載しています。
 3ページの上の平成23年度の数字を御覧いただきますと、5条の「募集・採用」の関係が一番多く1,100件になっています。それから6条1号の「配置」が222件、「昇進」が68件、「降格」が22件、「教育訓練」が16件です。6条2号で「福利厚生」が49件、3号の「職種・雇用形態の変更」が46件、4号の「退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新」が70件です。7条の間接差別の関係では、「身長・体重・体力」が17件、「総合職の転勤要件」が32件、「昇進の転勤経験要件」が10件、「その他」が8件となっています。間接差別は、後ほどもう少し詳しく触れさせていただきます。「その他」ですが、これは厚生労働省令で定める要件には該当せず、間接差別にはならない事案ですが、間接差別になり得ると考えられるような相談がここに計上されています。
 相談者別に見てみますと、年によって変動はありますが、平成23年度で見ますと、5条関係は、「その他」が最も多くて事業主、男性労働者、女性労働者の順になっています。6条は、配置、昇進、降格、職種・雇用形態の変更、退職勧奨等については女性労働者からの相談が多くなっていまして、福利厚生については事業主からの相談が多くなっています。7条については、「その他」や事業主が多くなっていて、女性労働者が7件、男性労働者が4件という状況です。
 3ページの中ほどから相談の事案です。全体で見ますと、平成23年度の相談件数が2万3,303件、このうち5条から7条の関係が1,660件で全体の7.1%です。件数が多いので、このうち特定の2つの労働局への相談事例を確認しましたところ、5条から7条関係の内容が以下のとおりでした。5条関係ですが、上のポツにありますように、男性であることを理由に面接を断られたという事案のほかに、求人の内容について、例えば介護職について女性のみ、あるいは男性のみの求人が可能かといった求人内容についての御相談が多かったということです。
 4ページです。6条関係ですが、女性労働者が電話対応などしかやらせてもらえない、時間外労働をする部署に女性労働者を配置しないことが違法なのか、結婚を理由に転勤を希望したけれども一般職にすると言われた、女性の多い部署で退職勧奨を募集した事案といったようなものがありました。
 それから、下の3つが7条関係です。一般職でも役職に就くには転勤有りとしたいという事案、転勤の実績がない会社で面接時に転勤できるか確認をしている事例、役職者になるには転勤ができることという要件を付けたいという事案があったところです。
 5ページからは報告徴収の状況です。昨年度は4,955の事業所に対して報告徴収を行い、1万8件の助言を行っています。このうち5条から7条関係が348件で全体の3.5%です。5ページの下のところが助言件数の推移を時系列で見たものです。6ページの上が指導件数、6ページの下が勧告件数です。5ページの助言の内容で見ていただきますと、平成23年度は5条関係が221件で最も多く、次いで6条の「配置」が83件、「福利厚生」が18件、「教育訓練」が14件、7条関係で言いますと1件という状況です。それから指導件数が全体では202件、勧告件数は全体で2件という状況です。
 7ページです。2つの労働局における報告徴収の内容を確認したところ、5条関係では、募集・採用に当たって職種によって男女のいずれかを優先していた、アロマセラピストの求人について女性のみの募集を行っていた、求人申込書の求人数に男女の区別があった、テレフォンアポインターの求人において男性のみ長髪禁止などの条件が付いていたという事案がありました。それから6条関係では、男性のみを深夜業に従事させるという方針があった事例があったところです。
 8ページです。紛争解決の援助の関係です。全体では昨年度610件のうち、5条から7条関係が17件で全体の2.8%です。この内容の内訳ですが、年度によって変動がありますが、5条より6条の方が多くなっていまして、平成23年度では6条の「昇進」、「職種・雇用形態の変更」がそれぞれ5件、退職勧奨等が4件などとなっています。5条関係は2件、7条関係は0件でした。具体的な内容については8ページの中ほどから記載しています。紛争解決の援助は件数が少ないので、一応全数を確認しています。また、ここに記載してある内容は申立者の方が主張された内容です。例えば、女性であることを理由に就職の内定が取り消されたという事案、6条関係では、女性であることを理由に配置の転換を強要されている、同期の平均などよりも昇進が遅れている、同期の男性よりも賃金が低くて総合職への転換も認められない、正社員への転換基準が性別で異なっている、9ページで、女性であることを理由として解雇された、女性で子供がいることなどを理由として契約更新されなかったという事案があります。
 10ページです。機会均等調停会議による調停の関係です。昨年度は、開始件数72件のうち、5条から7条関係は3件で全体の4.2%となっています。平成23年度は3件とも配置の事案です。具体的な事案としましては、上のポツは前々回の資料でもお示ししていますが、総務課長は男性社員がよいという理由で、女性社員を他課の課長に異動させたという事案です。それから男性が総合職、女性は一般職として配置されているという事案があったところです。
 11ページからは間接差別の関係ですが、御案内のとおり間接差別は前回の改正で追加されたものです。改めて定義を御紹介するまでもないと思いますが、一応参考資料の1ページに条文を付けていますので、御確認をいただければと思います。7条にありますように、間接差別というのは労働者の性別以外の事由を要件とする措置であって、この措置要件を満たす男性及び女性の比率、その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあるもので、厚生労働省令で定めるものです。3つ目のポイントとして、その措置の対象となる業務の性質に照らして、その措置の実施が業務の遂行上特に必要である場合、業務の運営の状況に照らして雇用管理上特に必要である場合、その他の合理的な理由がない場合に講じるものとされています。
 具体的な措置は、次の2ページになりますが、省令で定められていまして、この第2条にありますように、労働者の募集・採用に当たって一定の身長・体重・体力を要件とした場合、総合職の募集・採用に当たって転居を伴う配置転換に応じることができるということを要件とした場合、昇進に当たって転勤経験を要件とした場合というものが定められているところです。
 また、この間接差別については、前回の法改正のときの附帯決議などで、例えば衆議院の附帯決議では法律施行5年後の見直しを待たずに機動的に対象の追加見直しを図ること、そのための男女差別の実態把握や要因分析のための検討を進めることとされていましたので、資料2の11ページ以下に書いてありますように、厚生労働省の雇用均等室で間接差別に該当する事案、あるいは間接差別に該当しない事案も含めていろいろな事例を収集してまいりましたので、それらの事例を御紹介させていただいています。
 (1)が間接差別に該当する事案です。5ページ、6ページの資料でお示ししていますように、過去5年間に助言10件、指導9件を行っています。その概要をお示ししています。なお、10月15日の分科会では、この間接差別についての助言の内容についてお示しするようにという御意見も頂きましたので、その事案も含めてこちらに記載をしています。まず、一番上の「身長・体重・体力要件に関するもの」は高校生の採用について体力を要しない職種も含めて、体力測定を行っていたという事案です。次に「総合職の募集・採用に当たっての転勤要件に関するもの」ですが、①から次のページの⑦まで書いていますが、転勤の実態がなかったり、転勤を要するような事業所がないにもかかわらず、転勤を要件としていたといったような事例が挙げられています。
 (2)は厚生労働省令で定める要件には該当せず、間接差別にはならないものの、これに関する相談事案などを収集しています。まず、労働者からの相談により把握した事案としまして、昇格に伴って転勤することを昇格時の要件とするもの、転勤できないことを理由に課長への昇進対象から外されたもの、一定年齢以上になると転勤を命じられ、応じられないと職種変更となるといったようなものがありました。事業主からの相談により把握した事案としては、正社員の採用について全国転勤を要件とするもの、特定の職種について全国転勤要件を設けるもの、転居転勤ができることを管理監督者への昇進の要件とするもの、コース別雇用管理を新たに導入し、正社員をコース区分するに当たって、総合職には全国転勤を要件とするものといった事案があったところです。
 次に報告徴収によって把握した事案ですが、まず①から④までは転勤の関係です。特定の職種について全国転勤を要件とするもの、募集・採用に当たって全ての職種に海外転勤を要件とするもの、昇格に当たって遠方地転勤ができることを要件とするもの、入社後に総合職か一般職かを労働者本人が選択する制度において、転勤できることを総合職の要件とするといったようなものがあります。
 14ページは転勤以外の事案ですが、技術職の募集・採用について畜産系大卒を要件とするもの、自動車整備士の募集・採用について専門高校卒を要件とするもの、社宅入居に当たって世帯主であること等を要件とするもの、住宅融資について、同居を必要とすると会社が認めた扶養親族がある場合を要件とするもの、契約社員の雇止め年齢について、職種によって差があるものなどがあったところです。資料2は以上です。
資料の3としまして、諸外国における法令の規定を御紹介しています。1ページが性差別を禁止する規定の関係です。2ページは性差別の例外を許容する根拠規定などを書いています。3ページで間接差別に関する規定を御紹介しています。なお、参考資料として先ほど御紹介しましたように、関連する現行の規定等を御紹介しています。資料の説明は以上です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○林分科会長
 ありがとうございました。ただ今の事務局の説明について、委員の皆様から御質問、御意見等がありましたら、お願いしたいと思います。議論をしていただく内容が大変広い範囲にわたっておりますので、本日の議論は、均等法第5条、第6条、第7条、コース別雇用管理と便宜的に項目を区切って、順番に議論をしていただきたいと思います。
 最初は、均等法第5条の募集・採用関係から御議論いただきたいと思います。今日は全くの自由討議ですので、活発な議論をお願いしたいと思います。第5条関係での資料に対する質問も含めて、質問、御意見をお願いします。

○半沢委員
 資料をありがとうございました。今、第5条の募集・採用関係でしたので、意見として申し上げたいと思います。感じたことにもなってきますが、例えば、資料の8ページを御覧いただくと、卒業予定者の内定率は男女で多少の差はありますが、それほど大きく変わらないのではないか。10ページ、大学卒業者に占める女性割合も直近で43%です。11ページ、高卒に占める女性の割合も49.5%ということで、一定の割合、女性と男性が世の中にいる割合程度には、女性の割合が卒業者の中にもあるという状況にあるのですが、35ページの「総合職採用者男女比率及び応募者に対する男女別採用割合」と、36ページの「一般職採用者男女比率及び応募者に対する男女別採用割合」を見ますと、コース別を入れているところの比率は一定程度少ないのは確かですが、その中において、特に総合職で男性の割合が大きくなっており、一般職が女性というところが非常に大きい。その結果、37、38ページにもありますが、それぞれに占める全体の女性の割合も、一般職として採用が多いわけですから、多くなってきている現状があると思います。
 こういった現象がどういったところにあるのか、総合職の採用の状況を見ますと、総合職と一般職の仕事の違いはあるのですが、先ほどのように、卒業した男女の比率を見て考えると、大学卒業、高校卒業の学歴を見ても、仕事の内容で男女がこれほど大きく差が出るものかと疑問に感じる部分があります。
 そういう意味では、例えば、事例にある転勤の要件といったものが影響しているとも感じています。気になっているのが、少し話が全体に及んでしまいますが、採用の入口でそういったことが起こっていて、結果的にコース別採用で総合職は男性が多く、一般職は女性が多い結果になっていることが、この先の例えば賃金の全体的な差にも影響してくると思いますし、管理職の比率にも影響してくるのではないかと感じるところです。
 そういった状況が残っているというのが、全体から分かると思います。この区分の合理性、処遇格差の指針なども出していただいているのですが、それが十分に理解されているのかどうか、実効性を伴っているのかというところが、疑問に思うところです。区分間の転換があるというデータも出していただいていますが、3年に1、2回で、1度もないという感じです。余り頻繁に行われていない感じがして、柔軟な運用が行われている感じもしませんので、そういったところも少し影響をしているのかと思います。いろいろ言って申し訳ないです。
 最後に、39ページの総合職の男女別職位割合を見ますと、女性が男性の倍辞めていると。一般的に辞める割合が一定程度、例えば3割あるとすれば、残りの部分は一体どういったところで辞めてしまうのかなと思うところです。こちらもコース別に関して、例えば仕事と生活の調和を推進するということが指針でも示されていますが、そういった働き方の柔軟性に関して、もっと実効性を持ったものになるように法律なり、指針なりで工夫をすべきではないかと思っています。いろいろ言いましたが、まとめますと、総合職と一般職のところで、コース別雇用管理に着目すると、少しデータから考えるには、こういったコース間の合理性や処遇格差というのが、例えば賃金の男女格差の原因になっている側面があるので、今は比較が同一の雇用管理区分ごとになっていますので、その点はもう少し広く比較をしていくべきというのが一つです。仕事と生活の調和や柔軟性の実効性をもっと進めていくべきではないかと感じております。

○林分科会長
 今、採用のところとコース別のところを併せての発言でしたが、両方併せたことでも結構ですので、どうぞ御意見をお願いします。

○瀬戸委員
 資料をありがとうございます。資料を御提示いただいているわけですが、例えば、採用などの資料の関係で、厚生労働省としては、均等法の中でどのような問題があるから、こういう資料を提示されているのか。少なくとも私どもは、こういう資料を見ても、どこが問題なのかというふうに感じるわけです。論点となり得るのか、ということが素直な気持ちとしてあります。厚生労働省は、こういうことが問題だから、こういうことを改善すべきだという方向性を持ちながらこれを出されているのかどうか。

○林分科会長
 事務局、お願いします。

○成田雇用均等政策課長
 事務局といたしましては、あくまでも今回のテーマである第5条から第7条について、私どもの把握している実態、事実を御提示申し上げていて、これを踏まえて、どういったところが問題で、どういったところを改善する必要があるのかないのかも含めて、御議論いただければということで御提示しております。

○渡辺委員
 今のようなお話であればというところも含めて申し上げますと、全般的にデータを拝見しても、男女の雇用機会均等の推進というのは、徐々にではありますが進んでいると判断されます。大事なことは、現行法の問題点を探るという段階ではなく、現行法による取組をいかに推進していくかということだと思いますので、この現行法をどうやって推進して、より成果を上げていくかという点を検討すべきと考えております。

○林分科会長
 ありがとうございました。ほかに御意見等はございますか。

○布山委員
 資料1の7ページの就職内定率や、9ページの学科別の大学就職率等を見る限りでは、学部による就職率の差はあるようですが、同じ学部では、男性よりも女性の就職率が低いということもありませんし、就職内定率も平成8年頃に比べれば、年を追うごとに差は縮小しているのではないかと思っております。
 コース別の採用で言えば、資料1の「コース別雇用管理の実施・指導状況」のところで、これはもとの母数がかなり少ないので、参考ぐらいにしか見られないのかもしれませんが、一般職の比率について言えば、そもそも応募が女性が圧倒的に多いので、結局比率的にも、そういうものが出てくるのではないかと思います。
 ここで言う「総合職」「一般職」の「一般職」に、いわゆる現業職も入っているのであれば、一般職応募者の男女別の採用比率は現業職で、例えば工業系の高校を出ている方に男性の方が多ければ、その辺の影響もあるのではないかと、私はこの資料を見て思いました。ただ、129社分ということと、規模別、産業別で出していただいていますが、これはこの母数からして余り意味がないのかと思います。以上です。

○中島委員
 私の方からは質問をさせていただきたいと思います。資料の中にも、結果としてということだと思いますが、男性のみ採用をされたという規模別、産業別の企業の割合が結構あるのですが、募集・採用について、労働者側が性別を理由とする差別を立証することは非常に難しい事実があると思うのです。過去には、企業の採用の自由を認めるという判例もあるようですが、もう一方では、法的に募集・採用の自由を基本的には規制する法律もできてきていると思います。例えば、雇用対策法の第10条では年齢、障害者雇用促進法では障害などを理由として、募集・採用の自由を一定程度規制しているわけです。均等法の第5条というのは、性別を理由とした募集・採用の差別を規制するというふうに、法理として理解をしてよろしいのでしょうか、改めて確認をしたいと思います。そのことによって、採用の自由を絶対的なものにしないで、差別禁止のあり方や、実効性の確保などを検討していく必要があるということで問題意識を持っております。


○成田雇用均等政策課長
 そこは条文に書いてあるように、「均等な機会を与えなければならない」という義務ですので、従来、努力義務から改正してこの条文のとおりであるということです。

○半沢委員
 先ほど御意見も頂いたところですが、総合職のところで一つ疑問に思うのが、比率は少ないとは言え、これだけはっきり比率として出てきてしまう、むしろ、これが本当に一部のものなのかというのは、データがないから分かりませんが、ある程度映している部分もあるのではないかというのは単なる推測なのですが。
 疑問に思うのは、総合職という分類をした場合に、基幹的、企画立案が総合職、一般職が定型的業務で製造の現業が入っているというのがあったとしても、そこの部分が必ずしも女性が多いと限るものではないだろうと思いますし、また、女性が選ぶということになってくると、どうして逆に選んでしまうのかというところです。推測するには、コース別の分類の定義の中には転居を伴う転勤というのがありますが、転勤が悪いのではなくて、転勤が一つの差とすれば、なぜ転勤がない方を選ぶかというと、家庭責任がこれから重いであろうと思う状況にあるということが、そもそも採用の段階でもあるのではないか。そういう意味においても、職業のステージでの仕事と生活の調和がもっとできるのだということを出していくことが、自分で選ぶ選択肢の幅を広げることにもなるのではないかと思います。転居というところではなくて、もし仕事として一般職を選んでいるとすれば、学歴から見るとそれほど大きく変わらないですし、いろいろな学部の能力をお持ちの方がいるのに、十分に活かせていないというふうにも受け取れますので、その点は御指摘のとおりですが、疑問にも思うところということで、意見として述べさせていただきたいと思います。

○成田雇用均等政策課長
 先ほど布山委員から、一般職に現業職が入っているのかということがありましたが、27ページにそれぞれ定義しております。現業職も別に定義しております。これを見ていただいた上で、企業に御回答いただいて、そのうち一般職で回答していただいたところについて、後の資料の集計をしておりますので、正しく御理解いただいていれば、一般職に現業職は入っていないということです。

○権丈委員
 同じく先ほど布山委員からご発言のあったデータの取扱いに関する点です。「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」は、サンプル数が少ないので、これをどう見るかということは、確かに問題になると思います。私も日頃、データを使った分析をすることが多いので、少数サンプルの問題に直面することがよくあります。
 もちろん、他の事情が一定であれば、サンプル・サイズは大きい方が良いわけですが、残念ながら、知りたいことに答えてくれる調査が少数サンプルのものしかない場合にもあり、その場合、調査結果を直ちに役立たないと見なしてしまうのも、貴重な情報を活用しないという点でもったいないわけです。できることなら活用したいわけですが、活用する条件としては、まずは、データがゆがんだものでないこと、サンプルが母集団を適切に代表していることが重要になります。今の場合、サンプルが少ない理由は何か、それから、サンプルが全企業の傾向を読み取るのに適切なものが選ばれているかという辺りが、最初のポイントになると思います。
 この点で問題がなければ、この調査結果が、類似の他の調査結果と整合的であるかどうか、複数年にわたる調査ということですので調査年により結果が極端に振れていないかどうかなどを確認しておくとよいと思います。以上の点について事務局の御意見を伺えればと思います。

○成田雇用均等政策課長
 この調査は、雇用均等室を通じて行いました。均等室の規模に応じてそれぞれ何件ということで、コース別雇用管理制度を導入している企業に行って調査をしてくるようにという指示をしております。そういう意味では調査のサンプルの選定に当たって、特に恣意的な選択をするようにという指示はせず、件数だけを決めて、均等室が制度を導入している所を選んで行っているということです。
 時系列について、この調査は何年かに一度はやっておりますので、その傾向が年によって違うか違わないかというのは、詳しくは、元のデータに当たって確認する必要があると思います。例えば、直近が平成19年度でしたが、パッと見た感じでは、特に今回のものと大きな違いがあることはないという印象を持っております。

○権丈委員
 ありがとうございます。お伺いしましたところ、この調査結果を議論の一つの材料として使ってもよいのではないかと私は考えます。もちろん、規模別、業種別となると、それこそサンプル数が非常に少なくなってしまうので、注意が必要になりますが、それでも、規模別については、数値そのものはともかく、規模の大小による傾向を捉えることはできると思います。
 この調査結果のなかで、私が興味を持ったのは、35ページの総合職応募者と総合職採用者の男女比率の図です。総合職採用者において男性に比べて女性がずいぶんと少ないということは、これまでも認識されていて、ここでも、そういった結果となっています。それから、総合職応募者に対する男女別採用割合では、驚くほど大きな男女差があり、その理由が気になります。これは企業ベースで応募者をカウントしてとりまとめているので、個人ベースで女性の方が男性よりも多く応募しているとすると、その分多くカウントされ、その結果、差が出てしまった部分もあるのだろうと思います。とはいえ、女性の方が男性に比べて3倍以上応募しているとも考えにくいように思います。

○成田雇用均等政策課長
 もう1点、補足させていただきます。均等調査と今回の均等室を通じた調査というのは、例えばコース別雇用管理制度の見直しの内容について両方に載せておりますが、そういったものを見ていただいても余り食い違いがないので、そういう意味でも、ゆがみはないかと思っています。

○松田委員
 このデータからどこが問題なのかということについて、私から1点、問題といいますか課題として捉えていることを申し上げます。39ページに「10年前に採用された総合職の男女別職位割合」がありまして、10年前に採用された女性の総合職は、10年経つと65%が辞めているということです。これは半沢委員からも指摘をしたとおりです。これが大きな課題と思っており、労働者にとっても、企業にとっても大きい問題だと思います。というのは、総合職を自分で選んでなろうという女性は、高い教育を受けた、能力も意欲もかなり高い優秀な人材ということが言えると思います。その人たちが10年も経ったら、ほとんどと言うのは言い過ぎでしょうが、6割5分辞めているというのは非常にもったいないことだと思うのです。これは労働者の意識とか、当然そういったような問題ではないと思いますし、コース別の制度を導入していない会社というのは、女性の離職率はここまで高くはないのかと思います。そういうところを指摘させていただきたいと思います。

○林分科会長
 ありがとうございました。中西委員、どうぞ。

○中西委員
 資料を拝見させていただきました。特に資料1の中で、コース別雇用管理制度の実施・指導状況について、意見を述べさせていただきたいと思います。
 資料を拝見しますと、31ページに示されているとおり、多くの企業でコース転換制度が取り入れられていることがわかります。さらに、34ページにあるとおり、これは本人の希望を重視した形で取組がなされていることがよく分かります。また、管理制度の見直しに当たりましては、30ページにあるとおり、コースの昇格上限を引き上げるなど、積極的に取り組む企業も見て取ることができると思います。35ページの「総合職応募者に対する男女別採用割合」におきましても、平成21年度以降、男女間の割合の差は年々減少傾向にあるように思えます。進展の傾向が見て取れると思います。
 改正法によりコース別雇用管理制度における現状については、着実に改善傾向にあると考えます。こうした状況を踏まえると、現行法による企業の取組を引き続き推進していくことが重要であると考えております。更に都道府県労働局雇用均等室の職員の方々が各企業を訪問されて、人事労務管理担当者との面接等をされた実績として、コース別雇用管理制度の実施・指導状況について資料を御提供いただいておりますが、サンプル数に関して、129社と先ほどより言われておりましたが、やはり数が少ないようには感じます。この資料につきましては参考として捉えてはいかがかと存じます。

○渡辺委員
 一つ戻りますが、先ほど松田委員から御指摘のあった39ページの「10年前に採用された総合職の10年後の男女職位割合状況」によると、女性の65%が離職なさっているのは、会社にとっても非常に痛手であり、これを是正したいというのは企業側としても要望があります。ただ、離職のことを議論する場合には、この資料だけでは少し難しいと思います。離職の理由が法的な対応で緩和されるのであれば、議論の余地があるかもしれませんが、離職率が高いということが法改正にとって論点となるかどうかは、このデータだけでは分かりませんので、離職の理由のデータが取れれば出していただきたいと思います。

○林分科会長
 事務局、お願いします。

○成田雇用均等政策課長
 この調査では離職理由は取っておりません。例えば、一般的には、今回も御紹介している雇用動向調査で、労働者が離職された理由を伺っております。それで見ると、女性が辞められた理由は「個人的な理由」が多くなっております。詳しいデータ等は必要があれば次回以降お示ししたいと思います。

○渡辺委員
 このデータで議論するのであれば、一般論ではなくて、総合職で離職された方々の離職理由がないと、論点としては矛盾してしまいます。しかも、それが法改正によって離職が緩和できるようにすべきかどうかを考えるに当たっては、やはり女性一般の離職理由によって、総合職の女性離職率が高いことを議論するのは難しいのではないかと思いますので、できれば総合職の女性の離職理由を御提示いただけると議論しやすいと思います。

○林分科会長
 この調査は、会社側の人事労務管理担当者に対する聞き取りによる調査なので、その辺で離職理由をきちんとつかめているのかどうかという問題は一つあるのかと思います。その辺はいかがですか。

○成田雇用均等政策課長
 今、申し上げたように、この調査では取れないのですが、何か少し類推できるような、あるいは関連するデータがあるかどうかは確認をしてみたいと思います。

○林分科会長
 中島委員、どうぞ。

○中島委員
 今のところですが、併せて男性の離職理由、今の仕事にそのまま残っている理由というのも、比較調査ができている資料があればいいと思います。恐らく男性の29.2%、多分女性も3分の1ぐらいはそうなのでしょうが、新卒の3分の1ぐらいは転職されると一般的に言われています。恐らく、3分の1は採用後、例えば3年ないし5年以内に転職されるようなケースです。問題は、女性で言えば残りの30数パーセントの方たちということになります。私どもが相談を受けたり、聞いているケースでは、やはり家族的な責任、あるいは妊娠、出産、子育てというところで、男性並みの働き方に合わせると、なかなか付いていけないということで、先ほど個人的な理由とおっしゃいましたが、属人的な理由としては処遇上の様々な配慮がなされないために、結果的にお辞めになるという方が多いです。これは私どもが把握している実態ですので、意見としてお聞きいただいて構いません。

○権丈委員
 今のところですが、確かに総合職で辞めた方の理由がわかれば最も望ましいわけですが、そのような形で取られていないとすると、その代わりのものとして、女性全体、あるいは男性の離職理由を参考にするとよいと思います。取りあえずはそういったデータを御準備いただければと思います。
 併せて、ここでは総合職について見ているわけですが、女性は一般職も多いので、一般職についても、10年前に採用された方が現在どうされているかという調査があれば出していただくと参考になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○林分科会長
 事務局、お願いします。

○成田雇用均等政策課長
 この調査では、一般職について同じことを調査しておりませんので、それも含めてデータ等を探してみたいと思います。

○中窪委員
 今の39ページの調査というのはなかなか面白くて、辞めた方についても非常に知りたいところです。もう一つ、残った方について、男女で同位職が29.8%で、男性の方が高いのが幾つかあるということですが、女性の方が高いというのは、ゼロだったということでよろしいのですか。あるいはクエスチョンに用意して、そういう欄もあったのですが、それに該当するのはゼロだったという理解でよろしいのですか。

○林分科会長
 事務局、お願いします。

○成田雇用均等政策課長
 「女性の方が上位職」という企業がゼロになっているということです。

○中窪委員
 分かりました。

○林分科会長
 川﨑委員、どうぞ。

○川﨑委員
 同じく39ページの資料でデータが追加であればうかがいたい。左下のグラフで「10年前に採用された総合職の男女の職位割合」ということで、離職者を除いたデータを100としてグラフを作っていただいています。この男性、女性の労働者の就労期間のデータがあるかどうかということです。何かと言いますと、10年間働いたという期間にしてみると、女性の場合は大体20代前半ぐらいから30代前半か中頃かと想定します。恐らく、育児による休職期間、休業期間を挟んでいる人たちも、サンプル数の中には一定割合あると想定できます。男性の育児休職の取得率と女性の育児休職の取得率を見ますと、女性の方が高く、同じく10年間働いたのではなくて、女性の場合はひょっとしたら7年の人もいれば、8年の人もいるかもしれない。そういうところの差分をなくした形でデータを取ってみても、差があるのか、ないのか。休職を除いてみれば、ほぼ差がないのかといったところもデータとしてあれば、働き続けていれば、差がないような処遇になっているのかというデータが見られるといいかなと思います。休職期間のデータがあるかどうか伺いたいと思います。

○成田雇用均等政策課長
 今の点につきましては、調査票で「平成13年度新規採用の総合職」という聞き方をしておりますので、その間にその方が何年間か休業されていたのかどうかということは、この調査からは把握できません。

○布山委員
 併せて伺いたいのが、10年前に総合職の男女を採用した企業の職位の比較の円グラフの、同位職なのか、上位に上がっているのか、既に女性はゼロなのかというところで、10年前にそれぞれ何人いたかは一緒に聞いていらっしゃらないということですか。10年前に男女別の総合職の採用人数が、それぞれ何人だったか、ここでは聞いていらっしゃらないのですか。

○成田雇用均等政策課長
 10年前、つまり平成13年度の新規採用の総合職を何人採りましたかという質問をして、聞いている人数が左上に、男性と女性の下にそれぞれ括弧で書いてある数字です。男性は1,313、女性は235です。39ページの左上です。

○布山委員
 この円グラフの中の括弧ですか。そうではなくて、10年前の1,313というものですか。

○成田雇用均等政策課長
 左側の数字は人数です。右側の円グラフは、このときに総合職の男女を最低1人でも採用した企業を全体の分母として、その内訳は括弧の中に企業数が書いてありますが、その企業に、「10年後、採用された人がどういう役職にいるのか」と伺って、その分布を表したものです。

○布山委員
 そうですか。何でそんなことを伺ったかと言いますと、このデータはある程度議論するに値すると公益委員の先生がおっしゃったからです。37ページの総合職に占める女性の割合は、今のことを聞いていると思うのですが、規模別に見ると、299人以下は0%が22.2%です。これは現在いらっしゃらないということですが、小さい企業で、今ゼロということは、もともと入っている女性総合職の数が少なかったので、10年前と比べてどうかと言ったときに、1人採用していたが、1人もいなくなったということもあり得るのかなと。ある程度の人数がいて、誰もいなくなったのか、1人だったのがいなくなったのか、理由は別にしてそういうこともありうるのかなと思ったので、そういう聞き方をされているのかどうかを伺いたかっただけです。
 資料2につきまして、A局、B局で調査していただきましてありがとうございました。確認ですが、例えば3ページの「相談事案」のところで、実際にA局、B局の相談内容のうち、こういう中身になっているということで事例を書いていただいていますが、これはA局、B局を調べたときに、この事例自体が比較的多かったということでよろしいのですか。

○成田雇用均等政策課長
 二つの局の事例を調べて、基本的には網羅するように書いています。よほど特殊で、あまり例としてないのではないかというものは除いて、要するに取捨選択はしないで全部網羅するようにしております。一方で、例えば介護職について男性のみ、女性のみの求人はいいのかといったものは複数ありましたので、これは1本にまとめているというものです。

○布山委員
 事案によっては、1件のものもあるということですか。もう一つは、これは相談事案ですよね。あくまでも相談の中身で、これで説明をした結果、終わったものともう少し調べなければいけないものと一緒に並んでいるということでよろしいですか。

○成田雇用均等政策課長
 御指摘のとおり、1回御説明をして御理解をいただいて終わったケースも、更に先のプロセスに進んでいるものも両方あり得るというものです。

○布山委員
 分かりました。

○林分科会長
 そのほか御質問、御意見等はございますか。半沢委員、どうぞ。

○半沢委員
 少しずつ企業でも取組をしていただいて、取組は徐々に進んでいるのだろうと確かに言えるのかとは思うのです。例えば、管理職の比率も少しずつ上がっているということはあるわけです。ただ、もう少し希望を言えば、国際比較で見ると日本は11%程度になっているのですが、奇しくもというか、偶然というか、たまたまかもしれませんが、35ページの総合職採用者の比率も11%程度です。そもそも総合職の人でなければ、なかなか管理職になるのが難しいだろうと想像すれば、採用の段階でこういう状況であれば、これ以上上がってくるのは正直難しいのかなとも感じているところです。
 参考までに、35ページ右側の採用割合を見ると、女性の採用割合が3年間並んでいますが、ほとんどブレがない状況にあります。男性の方は結構ブレがあるのです。男性のブレが何か有意なものがあるのかというのは一つお聞きしたいところです。こういった状況から見ても、もう少し積極的に、たくさん辞めてしまうから、なかなかその気が起きないということもあるのかもしれませんが、そういった原因を少しずつでもなくして、思い切ってもう少し比率を全体として上げていただくような動きもお願いしたいと思います。これは意見です。先ほどの男性のブレは何か有意性があるのかというのは、事務局から教えていただきたいと思います。

○成田雇用均等政策課長
 御指摘のとおり、男性の方が変動が大きくて、女性の方が1%強です。これは前の調査でもこういう傾向が出ておりまして、原因が明確には分からないのですが、例えば景気などが少し影響しているのかもしれませんが、そこは明確にはこの調査からは取れないところです。

○権丈委員
 今の件についてですが、時系列でみた採用割合の変動は、景気による採用状況の変化の影響を受けていると考えられます。女性については、男性に比べて採用割合が低いため変動も小さくなっていますし、男性との相対的な状況では改善しているという傾向が見られるようです。

○林分科会長
 瀬戸委員、どうぞ。

○瀬戸委員
 今の35ページの表のところですが、参考として平成23年度の応募者数の女性、男性を記載していますが、この表にある平成22、平成21というところの女性、男性の応募者数は分かるのですか。

○成田雇用均等政策課長
 平成21年4月の男性の応募者が2万3,267人、女性の応募者が1万358人、平成22年4月の男性の応募者が2万2,809人、女性の応募者が1万2,124人です。

○瀬戸委員
 ありがとうございました。

○林分科会長
 他に御質問、御意見等はございませんか。中窪委員、どうぞ。

○中窪委員
 一つは資料に関する意見です。先ほどから出ているように、35、36ページで男女の割合を横の帯で見ますと、なるほど、総合職は男性が多いとか、女性は一般職が多いのはよく分かります。それとの関係で言いますと、10ページから11ページの学科別の大学ないしは高校の卒業者に占める女性割合ということで棒グラフになっているのですが、これは棒の先の方は男性なわけですから、円グラフでもいいですが、両者の比率がもう少し分かるようにするほうが望ましいのではないかと思います。女性比率という形で棒グラフというのは、何となく見にくいなという印象がありましたので意見として申し上げます。
 それと関係なくもないのですが、資料2の一番最後のところで、間接差別の関係と言っていいのか、今、間接差別は三つだけですが、14ページの技術職の募集、採用について畜産系大学を要件としているとか、専門高校卒とか、あるいは世帯主であることを要件としているといった、今の間接差別に含まれていないケースも幾つかあるわけです。これについては、具体的にどういう対応をされたのか分かりましたら教えていただきたいのです。

○林分科会長
 事務局、お願いします。

○成田雇用均等政策課長
 報告徴収でこういった間接差別に類するようなものを把握した場合につきましては、雇用均等室で、例えば間接差別については御説明をして、法律違反にはなりませんということを申し上げた上で、必要があれば、こういった取組をしたほうがいいのではないかといったような助言をするなど、ケース・バイ・ケースで対応しているところです。

○中窪委員
 法律には厳密には該当しないが、もう少し考えてみる余地はありませんかとか、そういうことを指導しているということですか。分かりました。

○成田雇用均等政策課長
 女性に活躍をしていただくために、こういう取組をされてはどうかというアドバイスをすることはあり得るということです。

○中窪委員
 ありがとうございました。

○川﨑委員
 私も資料2の要望と意見ですが、先ほどの事案によって女性の活躍が促進するようなアドバイスをされた、法律違反にはならないがというお話がありました。少し具体的申し上げます。、例えば14ページの⑤畜産系の大卒を要件としましたと。それは業務そのものが牛の審査・登録等の業務で、畜産系の進学は男性が多いと。その結果、技術職の多くは男性となっていたということで、具体的にどのような女性の活躍促進のアドバイスをされたのか。特に個別の事案を今回挙げていただいていますが、、労働者からや事業主から相談した事案もありますが、これが実際、相談したあと、どういうようなヒアリングをされて、どういうふうな結果になったのか。ケース・バイ・ケースというお話かもしれませんが、少し議論ができるような結論めいたところが何かあれば記載をいただいたほうが、問題の所在が明らかになるのかと思います。具体的にアドバイスをして、納得して終わったということが大多数であれば、ほぼ現行の法律で問題なかったということになるでしょうし、そうではないのであれば、また次の議論と思いますので、資料2の作り方に関しては、もう少し情報を豊富にしていただきたいというのが要望です。

○成田雇用均等政策課長
 検討させていただきたいと思います。

○林分科会長
 ほかに御意見はありますか。もう既にコース別雇用管理とか、間接差別等の議論に入っておりますが。特にこの件に対してなければ。瀬戸委員、どうぞ。

○瀬戸委員
 今の質問というか、要望に関連するところだと思いますが、例えば、資料2の5ページの「報告徴収等の状況」の内容別助言件数、6ページの内容別指導件数、勧告で教えてもらいたいのですが、そもそもこれは相談というよりも、労働局が事業所の調査をされた上での助言なのか、あるいは事業所に勤めている方からの疑問というか、こんなことはどうなのかということに対しての助言、あるいは指導というふうに理解してよろしいのですか。

○林分科会長
 事務局、お願いします。

○成田雇用均等政策課長
 報告徴収をする場合には、相談がきっかけになるケースもあろうかと思いますし、そういうことがなくて、計画的に行っているケースもあろうかと思います。事業主にどういうことをやっておられるのか報告を求めた上で、法律違反があれば、まず助言で直していただく。それで直らない場合は指導、あるいは勧告に進むのが、一般的なパターンだと思っております。

○瀬戸委員
 そうしますと、例えば助言件数は、平成23年度で5条が221という数字がありますが、こういう助言をした結果、事業所における改善といったものもあるし、助言に従わなかった所もあるということですか。

○成田雇用均等政策課長
 助言をして御理解いただけなかった場合には、更に指導をさせていただく形になるのが普通のパターンと思っております。

○瀬戸委員
 例えば、第5条のところで221件助言があって、次のページの指導件数で127とありますが、これとの相関関係はそういう意味合いで見ればいいのですか。221件助言したが、更に指導を要するのが127件あったという理解でよろしいのですか。

○成田雇用均等政策課長
 法違反があった場合には、まず助言をさせていただいて、直らなかった場合には指導をしているということですので、基本的には127というのは、221の内数ということです。件数が年度をまたいだりしてずれたりすることはありますが、基本的パターンとしては助言をして、すぐ直していただければそれで終わりますし、法違反があって直らないということであれば指導するということです。それが127ということです。

○瀬戸委員
 しつこくて申し訳ないです。221件の指導があって、指導した結果改善されて、それでもなおかつ改善が見られないものに対して勧告したのが1件と理解していいわけですか。

○成田雇用均等政策課長
 基本的なパターンとしては、そういう流れだと御理解いただきたいと思います。

○瀬戸委員
 そうすると、ほとんどが指導していただいた結果、改善されたということで理解していいわけですか。

○成田雇用均等政策課長
 基本的には大半のケースは均等室の方で指導して、御理解いただいて直していただいているものがほとんどだと考えていただければと思います。

○林分科会長
 ほかに御意見がないようでしたら、第6条の配置・昇進・降格・教育訓練関係等の御議論に入り、最後に全体を見ていきたいと思います。6条関係の資料が12ページ以降からありますが、それについての御意見がありましたらお願いします。

○中島委員
 資料から質問させていただきたいと思います。13ページの「部門、配置状況別企業割合」という資料がありますが、その資料の中で「いずれの職場にも男女とも配置」というところを見ますと、平成15年から23年にかけて、販売・サービス部門を除いて、男女とも配置するという企業が減ってきているのです。男性のみ配置の職場があるというところを見ると、その結果だと思いますが、一定の企業、部門を除いて、結果的に増えてきているということなのですが、この理由、原因のデータがありますか。あるいは、想像できる理由というのがあれば教えていただきたいと思います。

○成田雇用均等政策課長
 今回この資料をお出しするに当たって、その原因が分かるものがないかということで、大学の卒業生のデータ等も御用意したところですが、明確にこういうことだというのは私どもも分からなかったので、お知恵を頂ければと思います。今まで男性と女性がいた職場で、女性が何らかの理由で異動なり退職なりをされていなくなった後、入職者の数が減っているということもあるので、その後、補充しなかったというケースもあろうと思いますし、あるいは技術系で男性のみの採用が増えているということもありますので、その後は男性で補充をしたと。その理由として、先ほども御紹介しましたように、女性の応募がなかったということもありますので、女性の応募がなくて男性を採用したというようなケースも中にはあるのではないかと推測しているところでございます。

○中島委員
 これも推測ですけれども、非正規に置き換えたということもあるかなと思いますが、具体的なデータがないので推測の域を出ませんが、それもあるかなと思います。

○林分科会長
 御意見として承ります。配置・昇進について特にこのデータに関する御質問、御意見等はございませんでしょうか。

○松田委員
 6条の配置について、女子労働者についてのみ婚姻や妊娠、出産を理由として不利な配置替えが行われ、男女間格差、処遇格差につながっている事例がございます。配置について指針では、女性労働者についてのみ婚姻していること、一定の年齢に達したこと、子を有していることを理由に、企画立案業務を内容とする職務への配置の対象から排除することを禁止することが明記されておりまして、育介法の22条でも、育児休業、介護休業後の原職復帰の努力義務が定められていますが、均等法でも一方的に不利な配置替えが行われないように規定する必要があると思います。このことは9条で議論すべきという御意見もあろうかと思いますが、差別というものは包括的かつ複合的なものでありますので、婚姻、妊娠、出産を理由に配置や担当の転換を強要すれば、6条や指針等で補強をしていくべきだと思います。

○成田雇用均等政策課長
 例えば女性であることを理由として、女性が婚姻をしたとか、妊娠されたということで、配置等の差別をしたということであれば、これは現在でも6条に該当するケースが多く、均等室に情報が寄せられれば指導するということになると思いますが、何か指導ができなかった事案があったということでしょうか。

○中島委員
 関連して、特に配置のところでは、確かに指針にこういう例示があるのですが、現実問題として、やはり婚姻や妊娠、出産、子持ちであることを理由として、前にも申し上げましたが、企業さんは親切でやってくださるということかもしれないのですが、一方的な配置替えだとか担当替えだとか、降格に近いようなことが行われている事実がかなりあるのです。これはここの相談事例にもありますし、私どもが調査などをしましても、そういう事例が大変多いです。多分、妊娠、出産以外は男女差別に当たるということで、子持ち及びもう一つの要件についてはここに書いてあるのですけれども、実際には妊娠、出産をきっかけに配置転換を強要されるというケースが結構多いのです。それは不利益取扱いという考え方かもしれないのですが、女性にとってはやはり差別というように映るのです。ですから、9条との関係で整理は必要だとは思いますし、建て付けも分かりますけれども、できれば指針の中に、妊娠、出産に関わって、そういう配置転換や担当替えを強要することも差別ですよということを追加をして書いていただいたほうがいいのではないかと思っております。

○齊藤委員
 6条の関係では、資料2の3ページの「相談件数」の中でも6条に関する部分が労働者からの相談で多いので、この部分については、労働者から説明を求められた場合に、事業主は説明しなければならないということ、また説明を求めたことを理由に、不利益取扱いをしてはならないということを指針に盛り込めば、企業ではきっとそういうことを実際にやっておられると思うので、それは改めて指針に明記することによって、相談件数はだいぶ減ってくるのではないかと思いますし、6条の実効性を確保するために、基準や運用のあり方を明らかにする、例えば合理性や透明性を担保したものにすることが必要なのではないかと思っております。

○成田雇用均等政策課長
 例えば15条で苦情の自主的解決の規定などもございますので、そういったようなもので十分対応できないということであれば今後、御議論いただければと思います。

○権丈委員
 6条では教育訓練についてもカバーされると思いますが、教育訓練の実態についてのデータ、資料はありますか。

○成田雇用均等政策課長
 今回は付けておりませんが、何か資料があるかどうか確認したいと思います。

○林分科会長
 ほかに6条関係についての御意見等はございますか。それでは、前に出たりしていますけれども、7条の間接差別関係を御議論いただきたいと思います。

○松田委員
 7条の関係ですが、現行法では、間接差別として三つの要件が限定列挙されていますが、間接差別に該当する事例を限定する立法というのは、諸外国にはありません。また、男性中心に形成されてきた職場慣行を男女平等の観点から見直すことを目指すものであることを考えても、限定列挙という方法は問題であり、例示列挙にすべきであると考えております。具体的には、少なくとも2004年の男女雇用機会均等政策研究会報告書が挙げた七つの事例を間接差別として例示列挙して、具体的な適用範囲を拡大すべきであるというように考えます。

○林分科会長
 前回の報告書は資料としてどこかにありますか。

○成田雇用均等政策課長
 ないです。

○林分科会長
 ないですね。では七つがどのようなものであるかだけ、もし分かりましたら読み上げてください。

○松田委員
 この研究会が挙げた間接差別の例として、現行法に入っているものもありますが、①から読み上げます。①募集・採用に当たって、一定の身長・体重・体力を要件とした場合、②総合職の募集・採用に当たって全国転勤を要件とした場合、③募集・採用に当たって、一定の学歴・学部を要件とした場合、④昇進に当たって転居を伴う転勤経験を要件とした場合、⑤福利厚生の適用や家族手当等の支給に当たって住民票上の世帯主(又は主たる生計維持者、被扶養者を有すること)を要件としていた場合、⑥処遇の決定に当たってパートタイム労働者と比較して正社員を有利に扱った場合、⑦福利厚生の適用や家族手当等の支給に当たってパートタイム労働者を除外した場合。以上です。

○林分科会長
 前回、その点については大変議論がありまして、前回の改正法のようなことになったので、使側のほうとしてもその点については何か御意見がおありだろうと思います。では、事務局から説明していただけますか。

○成田雇用均等政策課長
 今、読み上げていただいたことについて、若干補足します。これらは間接差別として考えられる例という形で挙げられていたということと、これらのうち合理性・正当性が認められないものを例として書いてあるということを補足させていただきます。

○布山委員
 読み上げていただいた内容のものが何か間接差別の事例として出てきているということになるのでしょうか。今、資料2として配られているものについては、実際に平成19年から23年の5年間で行政指導されたものが19件です。0件でなくてはいけないのだというのは最終的な結論かもしれませんが、間接差別ということで、非常に大きな問題があるとは思っておりません。現行法の3つの以外の要件が入らなかったことで、何か実際に問題が起きているのかどうかというところをお伺いしたいのですが。

○中島委員
 労働側が例示列挙の範囲を拡大していただきたいと申し上げている理由なのですが、やはり例示列挙の範囲が非常に限定的であるがために、今、出されている3例以外は、結果として間接差別にならないと解釈される可能性があります。
 具体的には例えば、非常に分かりやすい例としては、福利厚生に関わる家族手当の支給要件です。これらは結果として、非常に多くの事例が問題ではないかと私たちは思っています。世帯主要件がないと支給されない住宅手当ですとか、家族手当というのが多々ございます。住民票上の世帯主は90数パーセントが男性ですし、戸籍上の戸主という規定を持っている企業さんもおありで、そうしますと結果的に手当関係が全て男性のほうに付いてしまうということで、非常に分かりやすい例としては問題だと思っています。結局、手当というのは、将来の年金のほうにも影響しますので、賃金の男女格差及び生涯の所得格差にも結び付くものでございまして、こういうところは是非具体的に入れ込んでいただいて、できるだけ間接差別の予測可能性、その安定性を高めるという形で対応していただきたいなと思っております。
 国連の女子差別撤廃委員会からも、日本は女子差別撤廃条約の理念を国内法に取り入れていないのではないかということで、間接差別の点が不十分だということは指摘をされております。そういうところとの整合性も含めて、間接差別のところは慎重に検討していただきたいと思っております。もし必要であれば、改めて研究会を設置するなどの具体的な裏付けになるような作業もしていただければうれしいと思います。

○布山委員
 まず、福利厚生に世帯主要件を掛けているのかは企業それぞれの事情があるのだと思います。世帯主は確か変えることが可能なので、必ずその家族の中の男性というか夫が世帯主になっていなければいけないということではなかったと思います。変更が可能なので、そういう中身のものをここで議論するのはどうかなと思うところです。
 それから、研究会というお話ですが、今このぐらいのデータしか出てこない中で、実際の労使という企業の実態が分からない中で、どういう議論をするのかなと甚だ疑問に思っておりますので、ここできちんと議論ができるようなデータなり資料を出していただければというのが私の意見です。

○中島委員
 世帯主のところに限って言いますと、確かに住民基本台帳法上は、世帯主は自由に変えられますけれども、現実問題としてそんなにころころ世帯主を変えるという方はいらっしゃらないわけで、男性が通常は世帯主になっている例が多いわけです。結果として差別につながるということで、指摘をしたいと思います。

○山川委員
 一つは労働側の皆さんに質問です。特に先ほど例示ということで七つ挙げられましたが、それ以外のものも出てくるかもしれませんが、現実に相談事例等で上がっているものの中で、特に問題とされるようなことが現実にあるかどうかお伺いします。二つ目は事務局への質問で、世帯主との関係で福利厚生のお話が出てきましたが、これは賃金との関係が出てくるのではないかと思います。資料に出てこないというのは、そういう辺りが関係するのかなという感じもしますので、その点をお伺いしたいと思います。それぞれへの御質問です。

○關委員
 資料2の例えば12ページの上のほうにありますが、①②で、昇格・昇進に伴って転勤をすることを要件としているところは、現状は省令の中でも、転勤経験という過去の経験だけを条件とすることは間接差別になっております。もちろん過去の転勤というのもそうなのですが、将来の転勤というか、これから転勤をすることを承諾するか否かが昇格・昇進の条件になるということも、趣旨から考えれば間接差別としてむしろ扱うべきではないかと考えているところです。以上です。

○中島委員
 先生からの質問に対してですが、労働側で特に相談が多いのは、やはり転勤を要件とする場合の配置や昇格のケースで、特に転勤の将来可能性についても踏み絵にされるというところを指摘をしておきたいと思います。そういうケースが相談としては多いです。それから、圧倒的に多いのは、先ほど申し上げた世帯主要件です。これが具体的な賃金格差につながっていきますので、非常に多いです。今般、労働契約法の中などでも、一定の合理性ということが書き込まれていますから、そこら辺については整合性を図るべきではないかなと思います。

○山川委員
 ありがとうございました。事務局のほうに福利厚生の中身との関係で、事案にあまり上がってこないのは、もしかすると賃金との関係があるからではないかとお伺いしたのですが、その点はいかがですか。

○成田雇用均等政策課長
 先生の御指摘のとおり、手当となりますと、基準法との関係というのは整理が必要だと思っています。

○中窪委員
 これは基準法4条違反ではないかとか、そういう事例というのは何か出ているのですか。間接差別に当たりかねないような事例として。

○成田雇用均等政策課長
 すみません。ちょっと確認したいと思います。

○林分科会長
 間接差別については、この辺りで議論は一応よろしいですか。
 ないようでしたら、最初から議論が出ていますが、コース別雇用管理について、また別の観点から、今までに出なかった御意見等ありましたらお願いいたします。

○山川委員
 細かいことなのですが、資料1の24ページの調査結果についての質問です。これは雇用均等基本調査等なので、サンプル抽出としては非常に多いのではないかと思いますが、この中での総合職の定義と、次に出てきます指導関係の総合職の定義が違っているのです。24ページの総合職の定義というのは、現在余り一般的ではないのではないか。総合職で全国転勤無しというカテゴリーがありまして、その点はもう変えられないのかという点。つまり統計ですから、定義を変えてしまうと連続性がとれなくなるということで、その辺りの定義をどうお考えかというのと、あとは実数ですね。全国転勤無しの総合職と、準総合職、中間職の実数がどのくらいあるか御紹介していただければと思います。

○成田雇用均等政策課長
 まず定義は、調査で現状はこのようになっておりますので、今後どうするかはまた考えたいと思います。それから、均等調査は、均等室の調査よりは確かに調査対象は多いのですが、抽出調査で、それを復元をしておりますので、実際に何人とか何社という形ではお出しできないことを御理解いただければと思います。

○山川委員
 確認したかった点は、全国転勤無しの総合職というのは余り実数として抽出段階でも多くはないのではないかと、そういうことなのですけれども。

○成田雇用均等政策課長
 それはちょっと確認してみたいと思います。

○中島委員
 雇用管理区分、コース別雇用管理について、一つ問題提起をしたいと思います。現在の均等法の建て付けでは、いわゆる一般職、総合職などの一つの雇用管理区分の中でのみしか男女の差別というか、格差というのは比較できない構造になっていると思うのです。ところが、相対的に見ると、一般職は女性職、総合職は男性職みたいに具体的に傾向が全体としてはっきり出てきてしまうということが構造的にございます。構造的に出てくることが、結果として賃金差別などにも結び付いていくわけで、構造的に出てくるという問題をどのように解決したらいいのかというのは、大変悩ましい課題としてあるのではないかと思っております。

○山川委員
 先ほどの続きで、比較すべき定義が27ページにあって、こちらは原則転居を伴う転勤があるということで、さっき全国転勤と言いましたが、それは舌足らずというか、言い間違いだったと思います。この27ページと24ページの比較という趣旨でした。訂正します。

○林分科会長
 ほかに何か。

○成田雇用均等政策課長
 先ほどの山川委員の全国転勤有りの総合職と、全国転勤無しの総合職ですが、22年度の調査で、そもそもコース別雇用管理制度がある企業が11.6%ですが、これを100%として総合職があるところが80.3%で、このうち総合職(全国転勤有り)のある企業が60.2%で、総合職(全国転勤無し)のある企業が54.1%です。

○林分科会長
 ほかに特に御意見等はございますか。

○半沢委員
 先ほど採用のところを申し上げたつもりではありましたが、やはりコース別雇用管理制度については、コース区分間の合理性であるとか処遇格差というのは、中島委員もおっしゃったように、結果として状況の見える構造となっていますので、その部分をいかに同一の雇用管理区分だけの中の比較ではなくて、全体として見ていくか、そういった方策というか、仕組みを検討していく必要があるのかなと。それは採用だけではなく、この部分についても同じように思うところでございます。

○布山委員
 コース別雇用管理については、資料1の24ページの定義でも、27ページの定義をみても、これまで言われていた総合職、一般職という単純なコース別ではなくなっているので、この議論をするときには、それ以外のコースも含めての議論が必要なのではないかと思っております。少なくとも総合職と一般職という単純な議論にはならないのかなというように感じております。

○林分科会長
 ありがとうございました。時間がきましたので、今日頂いた宿題もありますし、性別を理由とする差別の禁止等の議論等にまだ入っておりませんので、次回に引き続き、その点を議論していただきたいと思います。5条から7条関係の議論をしていただきたいと思います。前回の資料として提出された「考えられる論点(案)」について、次の論点とされておりました「婚姻、妊娠、出産を理由とする不利益取扱いの禁止について」の資料についても、事務局で次回に準備していただきたいと思います。

○中窪委員
 主たるテーマと関係ないのですが、先日、政府のほうから人権委員会設置法案というのが国会に提出されました。結局解散してなくなってしまいましたけれども、その中で、「何人も、特定の者に対し、不当な差別、虐待その他の人権を違法に侵害する行為をしてはならない」とか、不当な差別の禁止というのが条文にあるのですが、これと均等法というのは関係があるのかないのか、これがどうなるか分かりませんが、通った場合にどういう関係になるのか、分かりましたら教えていただければと思います。

○林分科会長
 それは次回でよろしいですか。

○中窪委員
 はい。

○林分科会長
 では、時間がまいりましたので、これで終了したいと思います。本日の署名委員は労働者代表は松田委員、使用者代表は川﨑委員にお願いします。それでは終了いたします。お忙しい中ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
雇用均等政策課
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2
電話(代表)03−5253−1111(内線7835)

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