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2013年1月15日 第3回 除染廃棄物等の処分に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課

○日時

平成25年1月15日(火)16:00~


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○議事

○得津室長 定刻となりましたので、会議を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。ただ今より「第3回除染廃棄物等の処分に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会」を開催いたします。
 本日の出席の状況です。名古屋委員からは1時間ほど遅れるという御連絡が入っております。杉浦委員は若干遅れているようです。そのほかの委員の先生方には御出席をいただいている状況です。
 本日も、環境省からオブザーバーとして3名の方に御出席いただいております。廃棄物・リサイクル対策部指定廃棄物チームから東補佐、同支部の南補佐、最後に除染チームから高橋補佐に御出席をいただいております。
 カメラの撮影につきましては、ここまでとしますので、報道関係の方、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事進行は森座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○森座長 それでは、議事に入りますが、本日は事務局から検討会報告書の骨子案も示され、大変重要な段階にきておりますので、是非円滑かつ活発な議論をお願いします。議事に入る前に、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○安井室長補佐 それでは、資料の確認をいたします。1ページは次第、資料1は「開催要綱」、資料2は「第2回検討会議事録」です。23ページは資料3「処分場の施設要件と線量限度等(案)」です。25ページは資料4-1、29ページは資料4-2、39ページは資料5-1、43ページは資料5-2、51ページは資料6です。資料は以上です。
○森座長 資料の不足等ありませんでしょうか。なければ、早速本日の主な議論である「報告書の骨子案」についての審議に入ります。項目数が非常に多いので、いくつかに分けて進めていきたいと思います。項目の1から4に関して、併せて資料3と資料4-1について、事務局から御説明いただきます。
○安井室長補佐 それでは、資料6、51ページから御説明させていただきます。51ページの1.新たな対策の適用対象です。52ページに骨子案があります。1適用等ですが、今回、提言いただく対策の適用を示したものです。1の(1)のア、イに適用するもので、アは具体的にはいわゆる除染作業を行った結果生じた土壌のうち、除去土壌と書いてありますが、セシウム134とセシウム137の放射能濃度の値が1万Bq/kgを超えるものが第1点です。
 もう一つが除去土壌以外に事故由来放射性物質に汚染された廃棄物。これも同じくセシウム134と137の放射能濃度が1万Bq/kgを超えるものに限ると。これを「汚染廃棄物」と称しておりますが、アとイの「処分に係る業務を行う事業」を対象とするということです。
 同時に、除染電離則で4つの業務があります。土壌等の除染等の業務、廃棄物収集等業務、特定汚染土壌等取扱業務、特定線量下業務に該当する業務は対象としないということです。
 二つ目の(注)です。適用の考え方ですが、除染電離則と申しますのは、放射線源が管理できない状況、いわゆる現存被ばく状況となっている「除染特別地域」又は「汚染状況調査地域」における業務の適用を対象としています。
 今回の対策は、事故由来放射性物質を管理された線源として取り扱うことは可能であって、かつそこからの被ばくが支配的な状況、これを「計画被ばく状況」と呼びますが、管理された線源の処分の業務を適用対象とするという趣旨です。処分ですが、最終処分及び中間貯蔵は両方とも埋立てで、これを一環として、選別、破砕、圧縮、濃縮、焼却等の中間処理が含まれます。
 もう一つ、境界領域で、上下水道処理施設において、最初は濃度が低かったのですが、処理を行った結果、1万Bq/kgを超えてしまった汚泥が発生した。焼却施設についても、一般廃棄物、産廃を焼却した灰が結果的に1万Bq/kgを超えてしまったものが出た場合、それを保管、あるいは貯蔵する作業は、管理線源の処分を目的とした業務ではないということで、本対策の適用対象には含めず、従来の電離則の貯蔵を適用するということです。
 また、除染作業を行っている状況で、除染土壌又は汚染廃棄物を除染現場に仮置き、保管するということも除染電離則上明記されておりますが、これも管理線源の処分を目的とした業務ではありませんので、本対策の適用には含めないということです。
 (2)は若干の重なりがあるものがあります。具体的には除染電離則の適用地域、除染特別地域等において、留意すべき点として、ア、除染電離則上の「土壌等の除染等の業務」「特定汚染土壌等取扱業務」を主たる目的として、その中で破砕や選別とあります。これは現場で破砕機を入れてやるような場合です。主たる目的としてあくまで土壌の除染等の業務を行うことになっておりますので、今回の対策である事故由来放射性物質の業務には含まないということです。
 イは逆のパターンで、事故由来廃棄物等の処分を主たる目的として、その作業の一環として、事故由来廃棄物等の収集、運搬、保管を行う場合があります。これについては、除染電離則ではなく、事故由来廃棄物等処分業務に含むという整理をしています。
 次は2、管理区域の設定及び被ばく線量の管理の方法です。これ以下につきましては、先にポンチ絵を御説明します。23ページ、資料3です。このポンチ絵は、後に出てくる規制の体系のうちの施設要件と線量限度等についてピックアップをしたものです。基本的には、これを施設要件と言っておりますが、除染廃棄物等の処分の施設というのは、排気、廃液等を外に出さない構造で、空間線量率や表面汚染限度等の管理をするということです。具体的にどのような作業になるかというと、右上に処分場の境界というのが一番外枠としてあります。まず境界を明確にしていただき、右上に出入口があり、ここからトラックが入り、それがダンピングヤードというところに入って、手作業で荷卸しをして、手選別ラインというところで、破砕等の設備に入らないようなものは手で除かれます。それがベルトコンベアで破砕等設備に運搬され、そこで破砕されたものが更にベルトコンベアで焼却炉に運ばれ焼却されます。焼却された灰はまたベルトコンベアで主灰排出の設備にいくという流れです。
 同時に破砕等設備、あるいは焼却炉からの排気・廃液については、配管を通じて回収され、飛灰・ダスト排出設備に廃棄されるという流れです。
 メインテーブルだけ色が付いていますが、ダンピングヤードなどを囲っている赤枠が非密封の放射性物質の取扱いをするエリアです。それ以外の黄色いエリアにつきましては、人間は入らない。設備の中で放射性廃棄物が処理されるというラインで、それが最終的に容器に入って、容器に入った状態で貯蔵施設、あるいは埋立施設、紫のラインにいくという流れを考えています。
 まず一番外側の左上、電離則適用区域ですが、ここの境界に柵などを設置していただき、関係者以外の立入りを禁止するという措置を取っていただく。それから、管理区域の明示及び立入禁止措置ですが、これは空間線量率で言えば、3月あたり1.3mSvを超える、あるいは表面汚染であれば4Bq/cm2を超えるエリアについては、管理区域として設定していただくと。管理区域以外の部分については、表面汚染が4Bq/cm2を超えない。それから、空気中濃度限度の10分の1、これは年間5mSv相当ですが、これ以下であるとするということです。
 作業環境測定については、空間線量率の測定を行うということです。
 次に右上の事故由来廃棄物等の取扱施設です。これは非密封の廃棄等の取扱いをする設備ですが、施設要件としては、天井、壁、床に隙間が少ないということですので、屋内で作業をするという想定です。
 それから、除染が容易な仕上げとする。液体などを扱う場合があれば、液体等が漏れないような構造が必要となります。これは後ほど御説明いただきますが、トラックが入る関係があり、開口部が非常に広いので、開放してしまいますと、ほとんど中の物質がそのまま出てしまうということがあります。出入口は二重扉の形態を求めたい。当然標識の設置及び立入禁止措置が必要ではないかと考えております。
 線量限度等については、1週間あたり1mSv以下。これは年間50mSvを超えないという趣旨でそれを求めるということです。空気中濃度限度についても当然年間50mSv相当を超えないということです。表面汚染限度については40Bq/cm2以下ということです。
 次の青の部分ですが、入口の部分で汚染検査を行うということで、ダンピングヤード、赤いところから出ていくときには、4Bq/cm2以下に落として外に出ていただくということです。
 黄色い部分は焼却炉、排気・廃液施設、破砕等設備、ベルトコンベア等ですが、ここには運転中、労働者は立ち入らないという発想ですので、中で扱っている放射性物質が外に漏れてこない構造で、それを担保するということです。現時点では、例えば焼却炉などは屋外に設置することも想定されております。
 一番最後、左下ですが、貯蔵施設、埋立施設です。これは基本的に容器を使用することを前提にしていますので、施設要件としては、外界から区画されていればいい、あるいは標識の設置をすればいいということですが、線量限度については1週間あたり1mSv週以下ということです。また、埋立施設については、非密封の場合を扱うという議論がありますので、それにつきましては後ほど御説明をさせていただきます。
 それでは、資料6、54ページです。管理区域の設定及び被ばく線量管理の方法の骨子案です。まず基本原則として、ICRPで定められている、最適化原則で、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならないと規定しています。
 次は管理区域の明示ですが、従来の管理区域の基準設定と同じと想定していますが、空間線量率、外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量の合計が3か月間で1.3mSvを超えるおそれのある区域、放射性物質の表面密度が表面汚染限度は10分の1、4Bq/cm2を超えるおそれのある区域については、管理区域を明示して、立入禁止措置を講じるということです。当然、外部放射線による実効線量については、事故由来放射性物質以外の環境、いわゆる従来から汚染されているものからの外部線量と区別できませんので、それは当然累積管理される形になります。表面汚染限度については、事故由来放射性物質ということですので、従来、除染電離則で40Bq/cm2で管理しておりますが、今回は処分施設が受けないようなピットなら、管理された状況であることを前提として、従来どおりの基準、4Bq/cm2を考えております。一部例外については考えたいと思います。
 3番の線量の測定です。外部線量の測定及び内部被ばくの測定ですが、これも現状の電離則の取扱いをそのまま踏襲することを考えております。外部被ばくの測定については、電離則に定めるところにより、放射性測定器を装着する。内部被ばくの測定については、管理区域のうち、放射性物質を吸入摂取、経口摂取のおそれのある場合の立入り者を対象に、3月ごとに1回ということです。外部被ばく測定の放射線測定器の装着の部位ですが、男性は通常胸、女性にあっては腹部です。今回は注にも書いてありますが、廃棄物を処理した結果、γ線源となるセシウムの134、あるいは137を除去するような処理をしたものはβ線源しかありませんので、そういったものを扱うような場合には、リングバッチ等々のものが必要になるということで、これも従来の電離則に定められておりますが、除染電離則と比べると、不均等被ばく等々についての規定を適用しているということです。
 被ばく線量の限度につきましては、ICRPの定めは、職業被ばく限度である、5年間につき100mSvかつ1年間につき50mSvということで、妊娠する可能性がある女性につきましては、3ヶ月間につき5mSvということです。
 妊娠と診断された女性につきましては、内部被ばくによる実効線量で1mSv、腹部表面に受ける等価線量は2mSvということです。これも従来の電離則の基準と全く同じです。
 線量の測定結果の記録については、従来から30年間の保存を義務づけており、これを引き続き義務づけるということですが、将来記録を5年間保存した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡す場合は、そこで義務を免除するということです。
 頻度は基本的には3月ごと、1年ごと及び5年ごとの合計について線量を記録し、その記録を労働者に通知するということです。事業を廃止する場合は、線量の記録を厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すということです。
 一つの論点は、除染電離則においては、労働者が離職するときにも写しを渡すという規定を設けていましたが、これについては除染の作業というのは大変労働者に離職が多いということを前提に作っておりましたが、今回の場合はいわゆる施設労働者になりますので、必要か否かについては、御検討いただきたいと考えております。事務局の考えとしては、基本的には施設労働者ということですので、それほど大きく離職はないということを考えると、従来の電離則の規定で十分ではないかと考えておりますが、御意見をいただきたいと思います。
 57ページ、3番、施設等の線量等の限度です。具体的な骨子案としては58ページです。施設等における線量等の限度については、これもICRPで定められておりますが、1週間につき1mSv、年間につき50mSvを超えないような施設環境を求めるということですが、これはあくまで労働者が常時立ち入る場所について規定をするということですので、いわゆるメンテナンスのために、機械の内部に立ち入るような場合については、この限度は適用しないということです。
 2番の施設等における表面汚染の限度ですが、これも従来どおり、非密封の放射線源を扱う設備ということで、放射線取扱い作業室というのは従来から規制がありますが、その並びを取りまして、非密封の放射性廃棄物を扱う場所において、表面汚染限度は40Bq/cm2というのを使うということです。
 それから、非密封の廃棄物を扱わない場所での空気中の放射能濃度限度については、空気中濃度限度の10分の1、年間5mSv相当ですが、それを維持するということです。
 同じく非密封の放射線源を扱わない場所で、放射性物質をこぼしてしまった場合につきましては、表面汚染限度は10分の1、4Bq/cm2以下になるまで除染するということです。事実上これが限度になっているということです。ただ、一方、今回は場面として除染特別地域等内に、処分場を設置するという状況がございます。この場合は、屋外は当然汚染されているわけですが、屋外で例えば事故由来廃棄物をこぼしてしまったという場合に、4Bqまで下げることができるかといいますと、バックグラウンドの関係もありますが、かなり困難ということがありますので、一義的には、こぼす前のレベル、つまりバックグラウンドレベルまで除染をするということを一部例外措置として設けると考えております。
 5番の作業環境測定につきましては、管理区域については、線量当量率、または線量当量、非密封の放射性廃棄物を扱う施設においては、空気中の放射性物質の濃度について、月に1回測定を行うということを意味しています。
 60ページ、4番ですが、汚染の防止のための設備等の要件です。骨子案は61ページです。1番として、処分場の境界に柵等を設置するということです。これは先ほど御説明をしましたが、適用の関係もありますので、柵の内側は原則として電離則の管理をするということもありますので、明確にしていただくということもあって、柵等を設けた上で、もちろん中で放射性物質を扱うので、一般の方が立ち入らないような立入禁止措置は当然やっていただくということです。
 2番目が、非密封の廃棄物を取り扱う事故由来廃棄物等取扱い施設です。これについては(2)で基本的な要件として、施設の内側の天井、床、壁、その他汚染のおそれのある場所については、アからウを満たすということで、気体、液体が浸透しにくく、かつ、腐食しにくい材料で、表面が平滑に仕上げられていて、除染しやすい。それから、くぼみの少ない構造であるということです。これは、基本的には屋内に設置をするということで、ただ、あくまで隙間が少ないということになっていますので、必ずしも気密構造とか、そういったものを求める趣旨ではないということです。
 (3)は(2)に加えて、液体を扱うようなことについては、追加的な措置を求めるということです。放射性物質に汚染された液体が発生するおそれのある廃棄物等を扱うときについては、液体が漏れるということになりますと、大きな汚染拡大になりますので、液体が漏れるおそれのない構造であり、かつ腐食し、液体が浸透しにくい材料を用いた設備にするということです。
 イは、気体、ガス状のものが発生するおそれのある廃棄物を取り扱う場合は、気体が漏れるおそれがない構造の施設において行うということです。これについてはあまり該当がない可能性があります。
 ウはそれ以外ということで、粉じんが発生するおそれがあるものについては、粉じん発生を防止する措置を講じるということです。
 (4)は、施設の出入口については、二重扉の設置等、汚染の拡大を防止するための措置を講じるということです。
 (5)は、取扱施設の出入口に標識を掲げて、立入禁止の措置をとるということです。
 注書きは、汚染の除去が容易にできる材料や仕上がりの構造につきましては、トラックや車両系建設機械の乗り入れに対して耐久性があり、かつ、除染が容易にできるものについて規定するということです。これは、従来、鉄板の上にアスファルト等の措置をするという、既存の方法がありますので、そういったものを考えています。
 中間処理施設、焼却施設における粉じんの濃度ですが、前回の資料で、高い場合で15mg/m3ということです。焼却後の廃棄物の最大の濃度でも、大体200万Bq/kgぐらいですので、単純に掛算しますと、最大の粉じん濃度であったとしても、30Bq/m3にしかならないということです。一方、電離則別表第1に定める空気中の放射能濃度の限度は、2000Bq/m3から3000Bq/m3と、桁が二つ違いますので、空気中の濃度限度の10分の1に抑えるということについては、かなり余裕があるということです。必ずしも施設を密閉する必要は求められないのですが、当然二重扉等を設置しないと、物理的に全部出ていってしまいますので、汚染拡大を防止すればよいということですので、粉じんの発生を防止する措置というのは、施設を密閉化するという措置以外に、できるだけ隙間を少ない構造とした上で、いわゆる集じん機の設置を求めるということを考えています。
 出入口につきましては、トラック等が入退出しますので、非常に開口部が大きいと、中身が全部出て行ってしまいますので、二重扉ということを考えていまして、その中で汚染検査を実施するということで、施設近辺への汚染拡大防止を図るということを考えておりますが、二重扉はいわゆる建築物である必要は必ずしもなくて、仮設テント等でもかまわないと考えております。
 3番の事故由来廃棄物の破砕、選別、圧縮、濃縮等を行う設備ということです。これは破砕等設備と定義していますが、これにつきましては液体を扱う場合は、当然液体が漏れるおそれがない構造は必要であろうと考えています。それ以外のもの、粉じんまたは気体が発生するおそれがあるものについても、粉じんが発散するおそれがなく、気体が漏れるおそれがない構造の破砕等設備を考えています。これは、中に人間が立ち入るわけではありませんので、屋外に設置することも想定していますので、ここが破れるとそのまま屋外に出るということですので、厳しい要件を課すということです。もちろん、「粉じん又は気体が漏れるおそれがない」というのは、入排気系統から引くということは問題ないということです。
 焼却炉につきましては、従来から電離則上に規定がありますので、気体が漏れるおそれがない、あるいは灰が飛散するおそれはない構造の焼却炉において行うということです。
 5番の埋立てを行う施設ですが、これは原則として容器に入れることを想定していますので、外部から区画された構造であり、かつ扉、ふた等の外部に通じる部分に、カギその他閉鎖の設備があればいいということですが、もし密封されていない廃棄物等を埋め立てるということになりますと、2で定める非密封を扱う設備ということになりますので、その要件を満たしつつ埋立てを実施していただく必要が出てくるということです。
 (注)で除去土壌等の中間貯蔵については、埋立方式による場合は、埋立てに含む。それ以外の貯蔵方法を取る場合には、貯蔵規定で担保する。今のところは埋め立てることを前提に考えています。
 要検討事項としては、先ほども御説明しましたとおり、粉じんの濃度というのは、なかなか濃度限度の10分の1というレベルは出ませんが、汚染拡大防止という観点から、埋立てをする場合、非密封のものを埋め立てるということである場合は、厳密な密封は要らないのですが、天井及び壁面を有する場所において、仮設のものでもいいので、埋立てを行った上で、汚染されていない覆土等を行うということで、粉じんの抑制を図るといったこともあり得るのではないか。ただ、この場合、床面にあたるコンクリートピットや遮水シート等については、検討する必要があるということです。
 6番は貯蔵施設、7番の排気又は廃液の施設につきましては、従来の規定がありますので、そのとおりの規定を考えています。
 64ページですが、8番のベルトコンベアです。これにつきましては従来は規定はなかったのですが、今回はかなりいろいろなところでベルトコンベアを使うということが想定されていますので、これも場合によっては屋外にベルトコンベアを設置することも想定されますので、ベルトコンベアそのものに覆いを設ける等によって粉じんが飛散するおそれがない、閉じ込めの機能を持つものを規定する必要があると考えています。
 資料4-1です。25ページです。これは放射線審議会が平成16年にIAEA輸送規則の取入れをするかどうか検討したときに配布された資料です。簡単に御説明させていただきますが、27ページに簡単な試算があり、2番の下のほうに1,2,3とありますが、換気がない、あるいは汚染が全て遊離して、汚染面は十分広くかつ汚染が均一に分布しているという、非常に安全といいましょうか、保守的な設定をした上で、どれぐらいの空気の濃度になるのかということを計算した上でやっているもので、次のページに結論があります。3番、換気がないという状況を考えている、表面汚染のすべてが遊離性の汚染である。これは現実はなかなかあり得ないということです。
 4ですが、最も危険な核種の空気中濃度限度、これは、具体的にいうと、鉛の210をβ核種として考えておりますが、これはちょうどセシウムで言いますと、これも2桁ぐらい違うということで、危ない想定をしています。放射線審議会の結論としては、安全系数は少なく見積もって100から1,000以上あると考えているというのが、この4Bq/cm2ということですので、今回除染電離則にあわせて、40 Bq/cm2まで緩和したとしても、いわゆるIAEAが考えている当初の目的のレベルの防護が失われることはないということです。
○森座長 ただいま御説明いただきました1から4について、議論をさせていただきたいと思います。最初に、新たな対策の適用の対象ということで、事故由来廃棄物等の処分業務について、業務をかなり限定的に明確にした上で、その中で適用の管理をしていこうといった説明でしたが、この1について御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
○松村委員 (2)の「検討の対象となる業務」の中に「運搬業務」というのが入っていないのですが、先ほどの文書には「運搬というのはそんなに長時間でもないし、それほどばく露しない」と書いてありましたが、これは仮置場に置いてあるものをクレーンなどで、フレコンの単位で吊り上げて、トラックに積んで、またそれを処理施設で積み下ろすという作業だと思うのですが、これが規定どおりのフレキシブルコンテナに処理されていれば、そういう処理ができると思うのですが、聞くところによりますと、普通の土嚢のような、非常に耐久性の弱いものに詰めてあるものもあって、それは破れやすいというようなことも聞きますし、本当に規定どおりの作業だけを想定しておいていいのかどうか、吊り下げた途端に破れて、土がこぼれるというような状況があり得るのではないかという気がしております。その点について、運搬業務というのも、一つ作業の形態の中に入ってもいいのではないかと思うのです。
 もう一つは、破砕等の施設というのが、全部焼却施設のところに持ってくるわけでもなくて、現場で破砕するものもあるということなのですが、そこの施設条件がどういう状況なのかというのが分かりません。
 もう一つは、減容・濃縮のところで、液体、気体の廃棄物については何も触れられていないのですが、液体、気体の相当の量のものをそのまま保管するというのは非常に大変なのですが、気体というのはなくて、実態はほとんど粉じんだと思うのです。そういう意味では濃縮ができるのではないか。液体については、今はゼオライトが使われているようですが、そういうようなもので、液体、気体の濃縮減容ということも考えられているのかどうか。そのような点をお伺いしたいです。
○安井室長補佐 まず第1点で、運搬が入っていないという御指摘です。これは除染電離則上、「収集、運搬、保管」というのがございます。運搬については、除染電離則でみる形になります。
 御指摘のフレコンに入っていなくて、土のうが破れてこぼれてしまうケースがあるということですが、仮に施設の中に持ち込んだあとに土のうが破れた場合は、先ほど申し上げた「こぼれた場合」に当たりますので、除染をする形になると思います。
 道路上にこぼれるというのは、一応は車に積んでいるので、ないと思いますが、もし起きた場合は当然除染することにはなろうと思いますが、それは除染電離則の体系の中で行うことになります。
○松村委員 もし破れるとしたら、仮置場から吊り上げるときが一番可能性としてはあると思います。
○安井室長補佐 そこも、収集、運搬、保管ということになりますので、仮置場でこぼれた場合は、除染電離則に基づいてきちんと片付けていただいた上で、汚染検査40Bq/cm2で担保するということになっています。
○松村委員 片付けるのは、どこの責任でやるのですか。
○安井室長補佐 収集、運搬、保管を行う事業者になります。別途、収集、運搬、保管の業務を規定していますので、その収集、運搬、保管の業者が責任を持って受けるということになります。
 あと、破砕等の設備ですが、現場破砕については、フレコンバックに入れる前に、例えば大きな木を切った場合にフレコンバックに入りませんので、現場に屋外型の破砕機を置いて、そこで破砕してからフレコンバックに入れることを現実に行っております。
 これは、いわゆる除染の現場で行っていますので、全員、タイベック等の必要があれば、そこの濃度も含めた作業に適した保護具を着用するということで、担保しているということです。ほとんどの破砕の行為は屋外で行われていますが、これは、従来汚れている所で行いますので、汚染拡大という概念はないということです。
 それから、減容・濃縮について、気体ということですが、正直なところ、今のところ放射性物質の気体は想定していませんが、あるかどうか教えていただければと考えております。
 液体につきましては、御指摘のとおり、ゼオライトによる濃縮という実験を環境省でされていますので、そういった液体を扱う設備も、この省令で読めるように考えています。何か付け加える点があればお願いいたします。
○大迫委員 最後の点ですか。
○安井室長補佐 はい。気体と液体。
○大迫委員 液体は、例えば灰、特に焼却飛灰、煤燼を集めたものの中では、溶けやすい塩の形でセシウムは存在しているので、それを洗浄して、液体にして、それを濃縮するという施設も、今後は必要になる可能性があって、その実証も行われているので、ぜひ電離則の中で、きちんとした作業者管理が必要かなと思います。
 気体の濃縮とか、気体になるということ自身は、焼却炉の本当の高温の中でやるという状況で、それが漏れ出ないようにという側面での気体の存在というのは考えられますが、それ以外のところで気体としてというのは、存在自身がないので、必要はないのではないかと思います。
○門馬委員 処分の中には「中間処理」というのが入っているのですが、例えば焼却炉のメンテナンスとか、部材の交換のような、処理に伴う活動のようなものは、ここの適用範囲に含まれると考えるのでしょうか。
○安井室長補佐 適用の範囲に含まれます。処分の設備のメンテナンスですので、処分の業務に含まれます。
○門馬委員 あとでも出てくるのかもしれないのですが、先ほど資料3の御説明にありましたが、焼却炉は屋外に設置されていることも、現実としてあるということで、あと排気、廃液の処理施設というのは、今は非密封の取扱い施設の扱いにはなっていないのですが、そういったメンテナンス等で施設を開放するような作業もあると思いますので、その辺についてのケアも必要かと思います。
○安井室長補佐 メンテナンスにつきましては、汚染拡大と被ばく防止の両方の観点がありますので、具体的にはガイドライン等で規定しようと思いますが、屋外の場合に、開けたときに中のものが出てくるという可能性がありますので、そこは何らかの措置が必要ではないかと考えています。いずれにせよ、法令上は、もしこぼれれば除染するという規定で、包括的に担保する形になります。
○大迫委員 最初の適用対象のところで、「処分」という言葉の概念は、中間処理あるいは中間貯蔵を含めて広く使われているわけですが、この中で「最終処分」という言葉を使っていますが、埋立てです。埋立てに関しては、骨子案の中には、遮断型埋立地というものに限定した書き方はされていなくて、「最終処分」「埋立て」としか書いていないのですが、最初の51ページには、「遮断型埋立施設」と限定して書いてあります。
 これは、それ以外に管理型埋立地といって、環境省でも、富岡町での管理型処分場で1万Bq/kg以上のものを処分するという計画があるわけですが、そこはオープンな場になるので、今はオープンな場であり、かつ土を掘ったところにシートを敷いてという形の処分の行為になるわけですが、そこは今回は対象にせずに、コンクリートのピットみたいなものに、埋立て処分をする遮断型埋立地に限るという理解でよろしいでしょうか。
○安井室長補佐 御指摘のとおり、51ページの検討の対象となる業務については、遮断型もあるということで当初は書いていたのですが、環境省からの説明によると、管理型もあり得るということで、骨子案では管理型も読めるようにスコープを広げています。
○大迫委員 ああ、骨子案ではスコープを広げているのですね。
○安井室長補佐 ただし、非密封のものを扱うときには、オープンエアは駄目だとしています。
○大迫委員 今度は、そういう全く現実的でなくなる状況になってくるので、何か埋立ての中で、ある程度コンクリート固形化とか、飛散しない対策をした上で処分していくように、管理型でもなると。処分基準はそうなっているわけですが、そこをテントで覆ったりとか、いろいろなことまでやる必要が出てくるのかどうかとか、後ろ側の要件も含めて、もう少し現実に沿った整理が必要かなという感覚は持っています。
○安井室長補佐 おっしゃるように、一義的には、今、指定廃棄物で考えておられるのは、全部フレコンに入っている状態ですので、屋根はない状態でやっていただいているということですが、除染の土壌につきましては、必ずしもフレコンに入れない場合もあるかもしれないという御指摘が、環境省からあったものですから、それも視野に入れざるを得ない状況にはなっていて、今のような記載ぶりになっているということです。何かございますでしょうか。
○高橋室長補佐 中間貯蔵施設に関しましては、先立っても御紹介をさせていただきましたとおり、貯蔵する量の推定として、約1,500万から2,800万m3とされています。そのほとんどが土壌ということになるかと思っています。
 それに必要な貯蔵面積で言いますと、今の推定で3から5km2という、非常に広大なエリアが必要になりますので、それは例えば建屋に覆われた所だけで貯蔵していくということを考えると、今の一刻も早く除染を進めるべきという地元の御意向も踏まえると、現実的ではないようなことも考えられるかなと思いますので、そういった点も踏まえて、御議論いただきたいと思います。
 あと、先ほどの細かい点ですが、中間貯蔵施設で行おうとしているのは、これは中間貯蔵の定義もないのですが、例えば減容化をしたり、貯蔵したりということで、「埋立て」という表現は使っておりません。誤解を招く恐れがありますので、用語については御配慮いただければと思います。
○森座長 今の非密閉型の貯蔵施設をどう管理するか、どうレベルの制限をするかといった内容ですが、今議論している定義とは少し離れており、あとで出てくる部分ですので、それについては、またあとで御意見をいただければと思います。
 ほかに、ここの適用範囲に関していかがでしょうか。基本的にこれでカバーできないところは、現行の電離則や除染電離則で管理されて、またこれらの省令で管理されていないところは、ここできちんと管理をするという、住み分けがされているということだと思います。よろしいでしょうか。また意見がありましたら、後ほど、又は終了後にお願いしたいと思います。
 それでは、2番目の「管理区域の設定及び被ばく線量管理の方法」です。ここについての御意見をいただきたいと思います。
○杉浦委員 外部被ばくの測定ですが、これは、いわゆる個人線量測定サービス会社が行うものと、電子式のポケット線量計のようなものの両方を認めるということでよろしいですか。
○安井室長補佐 どちらでも構わないということです。
○杉浦委員 そうしますと、外部被ばくの場合は、「実効線量を管理しよう」と書かれていると思うのですが、障害防止法あるいは原子炉等規制法ですと、実効線量以外に、皮膚の線量等価線量限度と水晶体の等価線量限度の規定もあります。そちらの放射線関係の法律ですと、皮膚の等価線量と実効線量を評価して、それの高いほうをもって、目の線量にしましょうということが決まっています。
ただ、セシウムのγ線の外部被ばくを考えるのであれば、実効線量当量に相当する1cm線量当量で評価できると思いますので、70μm線量当量の測定ができない電子式ポケット線量計を使っても、外部被ばくの管理は十分にできるということを考え合わせた上で、皮膚あるいは目の限度を設けていないという理解でよろしいでしょうか。これが1点です。
 それから、もう1つは、55ページの下のところで、「液体を扱う場合には、リングバッジ等を手に装着する必要がある」ということで、測定の義務を課しています。今度は体幹部ではなくて、皮膚の等価線量を測るということになりますが、これに対する限度が書いていないのです。この場合、皮膚について500mSv/年とか、それなりの限度を示すことが必要なのではないかと思います。以上の2点です。
○安井室長補佐 除染電離則のときは御議論いただいて、等価線量限度は要らないという結論にいたしましたが、今回については水もありますので、等価線量限度は必要かなということで、リングバッジを書いておきながら、等価線量限度を書いていないという矛盾した状態になっておりますので、御指摘のとおり、電離則には等価線量限度の規定がありますので、それを今回も適用するという方向で考えたいと思います。
○杉浦委員 そうすると、電子ポケット線量計だけでは、70μm線量当量が測れないので、運用上、日々着けて、何μSvというのを合算していく方式を採られる事業者の方は困って、全て個人測定サービスを利用することを強いることになってしまうのかもしれません。
○安井室長補佐 例えば東京電力の福島第一ですと、APDで、γとβの両方を測れるものがあります。そういうものもございますので、それを使うという手もあろうかと思いますし、そもそも水を扱わなければ、γという割り切りもあるのかなと考えております。
○森座長 その辺について、法令レベルとは別にガイドラインなどできちんと説明していただければ、運用上の混乱がないかと思います。
○安井室長補佐 ガイドラインで詳しく書きたいと思います。
○森座長 よろしくお願いします。
○大迫委員 管理区域の設定で、3か月で1.3mSvということですが、私はその辺の専門ではないのですが、これは労働者の作業の行為を踏まえて、管理区域の設定を考えればいいのか。つまり、実際の施設だと、2.5μSv/hというもので、単純に空間線量から管理区域も判断したりする部分もあるのですが、かといって、それが本当に今回の状況に適切かどうかというのも、厳しすぎる側面もあるかもしれないというのもあります。この3か月で1.3mSvというものの実際の運用の仕方というのは、実態的にはどのような形で進むのでしょうか。
 それから、表面汚染限度というものが設定されると、これは測定しなければならないという話になるかと思うのですが、4Bq/cm2というのが、また再浮遊するようなものの表面汚染として、どれぐらいの汚染レベルなのかというのが、実態と、まだ認識がうまくできなくて、これを義務化するべきなのか、あるいはここら辺は作業の防護という形でしたほうが、今回の問題は仮設焼却炉等にしても、またいろいろな汚染レベルも時間とともにどんどん下がってくる可能性もある中で、ある一時期の対策のために、過剰な義務化にならないかなということも、感覚として持っているところです。2点お願いします。
○安井室長補佐 第1点については、1.3mSv/3月ですが、これは外部線量しかないような、要するに空気中の汚染がない場合については、2.5μSv/hと全く同じです。
 ただし、汚染された物質が空気中にある場合は、そこからの寄与も考えますので、空間線量が2.5μSv/hを下回っている場合でも、1.3mSv/3月を超えてしまう場合がございます。それは空気中の放射性物質の濃度を測った上で、その濃度限度との両方の兼ね合いで、空気中と外部線量両方で、1.3mSv/3月を超えないような管理をするということで、超えてしまえば管理区域とするということです。
○大迫委員 2.5μSv/hというのも、例えば作業者が1日8時間でどうこうと、ある程度条件を踏まえた2.5μSv/hでしたか。
○安井室長補佐 はい。
○大迫委員 そういう労働実態は必ずしもない、もっと短い時間の作業の形で、実際は作業をされる場合に、もちろん空気中の問題も含めてですが、3か月の1.3mSvというのは、必ずしも2.5μSv/hと同値という意味ではないという理解でよろしいでしょうか。
○安井室長補佐 短時間労働についての基準をどうするのかというのは、また細かい議論でございますが、最も安全側としての2.5μSv/hがありまして、少なくとも2.5μSv/hを超えたものは、管理区域ということになると思います。
 2点目についてです。表面汚染限度についてですが、これは4Bq/cm2というのは、汚染検査をするときの限度と、放射性物質をこぼしてしまったときの除染の限度ですので、基本的に設備を毎回サーベイして、4Bq/cm2を下回っていることを確認することは求められていません。特別な場合についてで、汚染検査のときと、こぼしてしまったときだけにしかないということです。
 それから、平方メートルに直すと4万Bqなのですが、1万Bq/kgぐらいのもので、1平方メートルに4kgのものを敷き詰めないと、4Bq/cm2は出ないのです。だから、相当高いというイメージは持っていただいてよくて、それを現実に超えるとすると、相当な汚染だということですので、実行不可能ではないと考えています。
○大迫委員 表面汚染検査というのは、どういう場面でやられるのですか。
○安井室長補佐 表面汚染限度については、先ほどの図面で言いますと、赤いエリア、非密封の放射線を扱うエリアから外に出て行くときにするものです。あるいは赤以外のエリアでこぼしてしまったあとに、掃除をしたときにも、汚染検査をするということです。
○大迫委員 管理区域を設定してというところについて、表面汚染限度を超えるおそれのある場所で更に管理をしていくということですね。
○安井室長補佐 もちろん4 Bq/cm2を超えたから駄目ということではなくて、その場合は管理区域にすればいいということですので。
○森座長 おっしゃるとおりで、法令としては管理区域にする基準値が初めに決まっていて、それを超えた場合には管理区域として管理するということですよね。
○安井室長補佐 放射性物質を扱わないような場所で、4 Bq/cm2を超えるというのは、よほどの事故がない限りは考えにくいということです。
○森座長 あと、56ページの「事故由来廃棄物等の処分業務に従事した労働者が離職するとき」で、除染電離則と同じような特別の規定を設ける必要があるほど、労働者の入れ替わりがあるのか、という問題が1つ残っているのですが、これについての実態はどうなのでしょうか。通常の原子力発電所やそれ以外の放射線設備と同じ程度の人の出入りが実態なのか、除染作業のように、日々人が替わることを前提にするような状況なのでしょうか。大迫委員、どうですか。
○大迫委員 実際の既存の施設ですと、比較的長期的に働く方で、そんなに流動するわけではないと思いますし、今後、仮設の施設等においても、数年間ぐらいのタームで稼働するものになるので、その間には、基本的には長期的に従事されるのであろうとは思います。
○杉浦委員 それと別の視点がありまして、この除染作業者に限らず、放射線作業者の線量の一元管理というのが長年話題になっていまして、それがやっと進むというニュースも入ってきて、そういうこともありますので、こういう登録をする形のところは残しておくのが良いのではないかと思います。
○森座長 いずれにしても、一元管理していく上で、既存の電離則でいけるのか、除染電離則のような規定を設ける必要があるのかは、検討いただくということでよろしいですか。
○安井室長補佐 事業場できちんと管理できる体制が取れれば、実は一元管理はできて、むしろ離職者に渡すというのは、一元管理ができていないからということになっていますので、一元管理が実現すれば、要らない規定にはなるのですが、大迫委員の御意見も踏まえまして、検討させていただきます。
○大迫委員 私は、決して必要ないということではなく、もし現実的な、効率的なシステムとしてやれるということは望ましいとは思います。
 もう1点質問なのですが、先ほど「管理区域は、ばく露濃度が高い場所で」という議論があったと思うのですが、そこはどういう理解をすればよろしいでしょうか。そういったことも含めて、ばく露濃度も含めて、実効線量としてというお話なのでしょうか。
○森座長 それは3の内容ですので、3の「施設等における線量等の限度」に入りたいと思います。今の質問については、いかがでしょうか。
○安井室長補佐 58ページの4ですが、先ほど申し上げましたように、従来、クリーンなエリアでこういった設備を設けた場合は、4Bq/cm2を超える汚染というのはなかなか考えられませんので、4で管理するということですが、今回は、例えば指定廃棄物処分場として検討されている施設などは、原発がかなり近い所でして、そもそも土壌が汚染されているということで、4Bq/cm2はバックグラウンドで超えていて、それ以下にすることは現実に難しいということになります。施設の中はきれいですから、それはできるということですが、屋外でこぼしてしまったときに、4Bq/cm2まで屋外を清掃するかというと、それは現実的ではないので、いわゆるこぼす前のバックグラウンド程度に除染すればいいのではないかという発想です。
○大迫委員 γ線のみの放射線の2.5μSv/hとか、そういう問題はどう理解するのでしょうか。
○安井室長補佐 管理区域の設定ということですか。
○大迫委員 そうですね。管理区域の設定で、オープンな場に仮設の焼却炉を置いたときに、周りが2μSv/hぐらいというときに、灰出しの施設の周りとかが、追加でプラスすると2.5μSv/hを超えるといった場合には、作業者の観点からは、当然管理区域として管理すべきだという理解でいいでしょうか。
○安井室長補佐 そうです。23ページのポンチ絵で見ていただければと思いますが、緑のエリアの内側は電離則で、外側は除染電離則となるわけですが、仮に、非常に線量の高い所にこういう施設を設置するという場合、緑の外側はもう既に3μSv/hある。そうすると、緑の線の内側の屋外も3μSv/hありますので、そこは適用の規則は切り替えて、緑の内側は電離則上の管理区域として管理する、つまり線量計の装着を求める。
 少しややこしいですが、トラックの運搬などをして、この処分場の外に出るような方については、除染電離則に基づいて、2.5μSv/hを超えるエリアになりますので、線量計を装着するということで、シームレスにはなりますが、敷地の境界を跨ぐかどうかで、適用の省令は変えようという発想で考えています。
○大迫委員 そういう場合の汚染拡大という側面から、余りここをきれいにしても、意味をなさないというか。
○安井室長補佐 そうです。先ほどの説明は、正にそういう趣旨です。
○大迫委員 ああ、先ほどの説明はそういう意味なのですね。
○森座長 除染電離則か、新たな規制かどちらで管理をするかという話と、施設を出るときに汚染をどう測って、またどこまで除去するかという話の違いですかね。ほかにいかがでしょうか。3の「施設等における線量等の限度」ということで、それぞれ限度を示していただいていまして、除染特別地域等の中だけは、特別的に数字をバックグラウンド値にするとか、その他の対応をしていただいているという内容になっています。
○南課長補佐 1つ質問させてください。59ページの「作業環境測定等」の注釈の2番目の最後の1行に、「簡易の方法を検討する」とあるのですが、具体的に何か検討なされているのでしょうか。
○安井室長補佐 これについては、従来、空気中の放射性物質濃度の濃度測定と言いますのは、フィルターで引いて、そのフィルターをラボに持って行って、ゲルマニウム測定器で測って、空気量で割って計算をしますので、かなり煩雑なのですが、今は仮にですが、取り扱う物質の濃度と粉じんの濃度、これはデジタル粉じん計で割と簡単に測れますので、そのデジタル粉じん計の濃度を使って、簡易に空気中の濃度を推定に近い形で測定することができないかということは考えています。
○南課長補佐 今の話で、そのときの実施者について、例えば作業環境測定士であるとか、その辺りも少し緩和する可能性があるということですか。
○安井室長補佐 月に1回の作業環境測定になっていますので、これは、空気中の放射性物質の濃度については、いわゆる作業環境測定士の義務が掛かっています。そこをダイレクトに緩和することは考えていませんが、一方、日々測らなければいけないような場合もあると思いますので、そういったところについては、先ほどいった簡易測定というような、誰でもできるようなものを考えています。ただ、月に1回はきっちりと測るというのは、外さないような方向で考えています。
○大迫委員 今の点も関係するのですが、1か月に1回の測定ということで、先ほど粉じんとか、ああいったものに関して、200万Bq/kgとかなり高いところと、今の粉じん濃度の実態を踏まえても、40Bq/cm2を超えることはあり得ないとか、そのような御説明もあったと思います。そのように、ほとんど可能性がない中に、1か月に1回という義務化が必要なのか。こういうレベル以上だと、安全からみて対処してくださいというように、その間に線引きして効率的なやり方はないのかという辺りはいかがなものでしょうか。
○安井室長補佐 これは、当然場所を限定していまして、事故由来廃棄物等取扱施設という、つまり非密封で扱う場所だけです。それ以外の場所については、作業環境測定は義務化しないということです。場所で限定する形で対応しているということです。
○大迫委員 1万Bq/kg以上であれば、ここの取扱施設であれば、1か月に1回はやるということですね。
○安井室長補佐 非密封の場合はやることになります。
○大迫委員 非密封の意味合いというのは、例えばフレコンに入った状態はどちらの扱いになりますか。
○安井室長補佐 密封扱いになります。ですから、かなり限られます。
○大迫委員 灰出しのところとか、最後のダンピングするところ。
○安井室長補佐 正にダンピングヤードに受け入れるときとか、手選別のときとか、あるいは灰の処理といった場面に限定されるということです。
○森座長 発散する可能性があるので、測定していかないと何が起こるか分からないという判断だと思います。
 続いて、「汚染の防止のための施設、設備等の要件について」に移ります。ここについてはいかがでしょうか。先ほど、資料3で絵を示していただいたところで併せて説明をいただきましたけれども、それぞれの場所において、細かく規定をいただいていますが、いかがでしょうか。
○大迫委員 先ほどいった非密封の取扱施設に関して、二重扉に関してですが、その後を読んだら、仮設テント的なもので簡易的にやっても差し支えないというのもありますが、実態を踏まえた議論はされているのでしょうか。そこら辺のヒアリングも踏まえて、ここはこういった対処で大丈夫だろう、あるいはそこまでする必要があるというスタンスで提案されているという理解でよろしいでしょうか。
○安井室長補佐 中間処理施設は見に行っていまして、どうしても開口部が極めて広いと。実際にもう開放してやっています。
○大迫委員 そうですね。
○安井室長補佐 先生も御存じでしょうけれども、中のものは外に出て行っている状態になっていますので、正直、粉じんも外にそのまま出て行っていますので、もしあれが放射性物質であることを想定すると、恐らく建屋の周りは全部汚染されてしまうのは間違いないと思いましたので、二重扉のような、汚染の封じ込め措置は必要ではないかということで、設けています。
○大迫委員 二重扉というものの思想は、単なる覆いだけではなくて、二重扉というのはどのような機能を設けるということですか。
○安井室長補佐 原発の管理区域で通常行われているものでして、ドアが両方あって、片方ずつしか開けない、同時には開けないというものです。中から外に出て行くことを防止するというものです。ただ、福島第一原発も立派な全自動などではなくて、単に人間が開けたり閉めたりしているのですが、とにかく同時に開けないようにしているというだけです。
 あとは、いわゆる引き戸でなくて、シートのようなもので区切る場合もありますので、そこは子細はかなりフレキシブルに対応はできると思います。発想は、とにかく同時に開けないということです。
○大迫委員 仮設テントで、下から垂らすようなシートで、あれが二重になっているとか、そういう。
○安井室長補佐 そうですね。まず外側を開けて入って、外側を閉めてから内側を開ける。それで中に入るというイメージです。
○松村委員 二重扉がいいかどうか分からないのですが、ダンピングヤードから配管を通して、排気、廃液施設、そこから飛灰ダスト排出施設までは、空気はつながっているわけですよね。最終的にはどこかで空気を吸引して、バグフィルターとか、電気集じん機などを通して、排出するようになっていると思うのです。
 ですから、ダンピングヤードまでを含む排気、廃液施設全体を、少し陰圧にすれば、二重扉ではなくて、エアカーテンのような効果になるのです。そうすれば自動車が出入りしても、出入りするところは二重カーテンぐらいのほうがいいかもしれませんが、非常に弱い陰圧管理でいいのですが、そういう方法もあるのではないかと思います。
○安井室長補佐 陰圧管理は可能だと思うのですが、特にダンピングヤードについてはトラックの出入りということで、開口部が非常に大きくて、相当の風量を引かないと、気圧差は出ないと思いますので。
○松村委員 入ってからカーテンを閉めるとか。
○安井室長補佐 「二重扉等」になっていますので、密閉による陰圧管理を否定はしておりません。ただ、おそらくそちらのほうが費用がかかるのではないかと考えています。
○松村委員 でも、どちらにしても飛灰ダスト排出のところで、少し吸引しなければいけないのですよね。
○安井室長補佐 結局、引いているとは思います。ただ、陰圧できるほど引いているかどうかということだと思います。
○高橋室長補佐 中間貯蔵施設については具体的な議論はできていないので、あくまでもイメージということでお話をさせていただきますが、土壌については、谷地形を利用したような所に貯蔵していくことを考えています。それなので、屋外ということが想定されています。あと貯蔵施設の下部に、遮水工なりをすることは考えていますが、例えばその表面は平滑に仕上げることも、想定できないかもしれないということもあります。あとは、雨水が入ってくることも想定されますので、そういったことで、ここで言う液体がもれるおそれのない構造かどうか、ということもあると思います。
 こういった貯蔵施設のエリア、規模は大規模になることが想定されますので、屋内施設を想像して御議論いただくだけでなく、そういったことも御勘案いただきたいと思っています。
○森座長 今のは5の「埋立てを行う施設」という辺りのことですか。
○安井室長補佐 63ページです。フレコンに入れる設備であれば、屋外でも現状の規定でもOKです。フレコンの状態で持ち込んでいただいたものを埋めて、単にコンクリートピットに落とすという作業であれば、屋外で全く問題はないということです。
 なおかつ(2)ですが、全くオープンな状態で土を埋めるという状況について、どうするかという議論だと思います。
 これについては、先ほど申し上げましたように、非密封のものについても、完全な空気密封というのは必要ありませんが、施設外への汚染拡大を防止するものとして、仮設のテントでいいと思います。埋める瞬間は天井と壁があって、それを埋め終わって、覆土すれば、テントは移動しても構いません。以前に見せていただいたものが、セクションごとに分かれているイメージがありましたので、極端な話でいえば、セクションごとにテントを立てて、埋め終わって、覆土が終わったら、そのテントを次のセクションに移して作業を繰り返す。そういったことも認められるのではないかと想定はしています。詳細はこれからの検討です。
○大迫委員 今の点で、最初に埋立てに関してです。私は管理型の処分場の話をさせていただいたのですが、環境省からもあったとおり、中間貯蔵でも、汚染土壌の除去土壌の処分は、量的なものなどを含めて考えても、あるいはフレコンの状態で必ずしも投入しない可能性があるので、ましてや周辺に住民がいない状況の中で、貯蔵の作業が行われるというところに、どこまで汚染拡大防止のための措置を講ずるかというのは、もう少し考えたほうがいいのではないかと思います。
 例えばダンプするときに、こういう負圧措置とか二重扉などではなくて、周辺に飛ばないぐらいのちょっとした囲いを設けてやるとか、土壌に関しては、それほど飛散性はないと思うので、そういう実態も踏まえて、ここら辺はもう少し考えたほうがいいのではないかと思います。
○安井室長補佐 中間処理室のようなものを露骨に作るという趣旨は考えていません。63ページに書いてありますとおり、厳密な密封を要求するというつもりはなくて、天井及び壁面を有する場所で、先ほどおっしゃったダンピングをすると。今、我々がいただいている資料ですと、第1回の検討会で説明でいただいたような、いわゆるセル方式といったことになりますので、セルというのは1個1個はそれほど大きくないと認識していますので、セルごとに仮設テントのようなものを作っていただいて、セルを完全に埋めて、埋め戻してしまえば、仮設テント等を次のセルに移動するといった方式があり得るのではないかという発想をしています。
○高橋室長補佐 福島県内で除染に伴って出てきた土壌などは、仮置場で3年程度保管をして、中間貯蔵施設に運搬するとなっています。非常に短期間に、除染などに伴った土壌を中間貯蔵施設に持って行く必要があるということになります。
 そうなりますと、大変多くのトラックを用いて搬入をしなければいけないというのが実態で、それに間に合うかどうかというのが、実態面としてはあります。
 その中で、作業員の放射線障害防止という観点で、どこまで寄与できるのかできないのかということについて、実態も踏まえて御議論いただけると、大変助かります。
○森座長 ここについては、実態に合わせて、どこまで簡易化できるかの摺り合わせだと思いますので、継続審議とさせていただくことでどうですか。
○安井室長補佐 そうですね。ダンピングする瞬間と言いますか、そのときに覆われていればいいという発想ではありますので、恒久的な、例えば屋根が付いた建物でなければ埋めてはいけないとか、そういうことを言っているわけではありません。仮設的で、移動可能なテント的なものを想定しています。
○名古屋委員 ダンピングのときに、配管で溶液を取るのですが、ダンピングのところというのは、もともと水分が付いてきたものを廃液するのか、少し洗浄を入れるのか、これはどちらですか。
○安井室長補佐 先生のおっしゃっているのは、図面上のダンピングヤードですね。
○名古屋委員 はい。
○安井室長補佐 今、議論していましたのは屋外になります。
○名古屋委員 お尋ねします。配管があるのは、もともと搬入物は濡れていますよね。それを持ってきたときに、その水分を少し落としてから入れるのか、搬入物を少し洗浄してから、手選別のところの粉じんが立たないようにするために水を掛けるのか、それがよく分からなかったのです。この配管の意味がよく分からなかったのです。
○安井室長補佐 水の関係ですね。現状の運用では、ダンピングヤードで、ミストみたいなものを掛けている施設が多いですが、掛けると水が出ますので、それを引き続き放射性物質を扱っているときもやるかどうかというのは、分かりません。
○名古屋委員 床に溜まったのは抜いたほうがいいということですね。
○安井室長補佐 水が溜まれば、収水して汚染廃棄物として扱う必要が出てきますので、そういうことをしたくないということであれば、多少粉じんが舞っても、水は掛けないというのもあるかもしれません。
○名古屋委員 もう1点です。ベルトコンベアのところで、「覆いを設ける」と書いてあるのですが、屋外では覆いを掛けるというのは、風による飛散はないのですが、一番ベルトコンベアでやってはいけないのは、ベルトコンベアが返りして、下側になったときに汚染物が付いて、二次発生源を一番作りやすいということで、逆に密閉施設では覆いではなくて、ベルトコンベアの下の部分にカバーがほしいのです。要するに、戻ってきたのが下に落ちますから、二次発生源となって、乾くとそれが飛散するということで、ベルトコンベアの上によくカバーを付けるのだけれども、本来の防じん対策としては、風がなければ下のほうが大切なので、特に水を使うので、「等」の中に、そういうものを含めてもらえると、有り難いと思います。
○安井室長補佐 覆いというのは360度ということで、漏らさないという趣旨です。
○森座長 まだあるかもしれませんが、時間の関係もありませんので、次に入ります。追加の意見がありましたら、終了後に出していただいて、次回につなげていきたいと思います。
 それでは、5から7についてです。事務局より説明をお願いいたします。資料4-2も事務局から説明をいただきまして、そのあとに松村委員から資料5-1、資料5-2の説明をいただきます。よろしくお願いします。
○安井室長補佐 それでは、65ページ。5番の汚染の防止の措置です。骨子につきましては、66ページからです。
 1番、容器ですが、事故由来廃棄物等を保管し、貯蔵し、運搬し、又埋め立てるときは、容器を用いるという規定があります。これは従来から保管、貯蔵、運搬についてはありましたが、これに埋立て等を付け加えているということです。この容器については但し書きが従来からありまして、容器に入れることが著しく困難なものについては、放射線を遮蔽するため若しくは汚染の広がりを防止するための有効な措置を講じたときは差し支えないということになっています。これについてはビニールシート等による梱包があります。今回2つ付け加えていますが、1つはもともと非密封の放射性物質を扱うことが想定されております、この取扱施設内において、取り扱うときはもちろん構いませんし、もう1つがベルトコンベアで運搬する場合ももちろん容器に入れて運搬する必要はないということを付け加えるということです。
 2番、汚染検査ですが、非密封を扱う事故由来廃棄物等取扱施設の出口。これは先ほど御説明いたしました二重扉の間ということですが、そういった設備の中で汚染検査所を設けて、労働者及び物品の検査を行うと。その汚染限度につきましては、4Bq/cm2ということです。
 (4)物品につきましても当然必要で、車両の汚染検査につきましては、仮設テント等による二重扉を設置して、その中で検査を行うということを想定しています。
 要検討で、先ほどの議論と同じですが、除染特別地域等に設置された処分場ですと、敷地境界を1歩出ると除染電離則の40Bq/cm2で汚染管理されております。設備で4 Bq/cm2にしても外に出た瞬間汚れてしまいますので、基本的にこれは40 Bq/cm2に合わせるということを提案しています。
 3番、用具につきましては、従来ピンセットと書いていましたが「工具等」に直していますが基本的には同じです。
 4番、5番が御議論いただきたい点ですが、まず保護具です。呼吸用の保護具で従来は空気中放射性物質濃度限度の10分の1。年間5mSv相当を超える空気を吸入するおそれがある場合、有効な呼吸用保護具を備えて労働者に使用させるということになっています。
 32ページ。これは除染電離則の検討をした委員会で、松村先生からいただいた資料で表の5というのがございます。これは除染作業者が吸入をする可能性のある1年間の実効線量ということで計算されていますが、これは縦軸が粉じんの吸入量ということで、18mg、54mg、180mg/hと書いてありますが、これは粉じんの濃度に直すと、10mg/m3。次は30、100となっておりますが、それぞれで横軸が除染対象物の放射線量。取り扱う放射能濃度に応じて、それを100%吸引したとしてどれぐらい被ばくがあるかというのを調べたのがこの資料です。例えば10万Bq/kg程度のものを、10mg/m3ですのでかなり高い粉じんで扱ったとしても、年間で言うと0.031mSvにしかないということです。一方で仮に500万Bq/kgという高いものを100mg/m3というあり得ないぐらい高い濃度で扱えば、15mSv/年になります。こういった計算に基づきまして除染電離則につきましては、50万Bq/kgを超えてかつ10mg/m3を超えるような粉じん作業を行う場合については捕集効率95%。それ以外は80%といった規定を作っています。今回の場合は、これをどうするかという議論があります。今回我々の提案としては、従来は捕集効率95%以上、80%以上の2種類のマスクで足りていたわけですが、今回は濃縮等もありますので、極端な話、500万Bq/kgというのも出てくる可能性もあるということで多分95%では足りないだろうということで、99.9%を使うような場面というのも想定したほうがいいのではないかということです。従来は2×2の4種類ということにしていましたが、今回濃度については3区分で6種類にして、先ほどの表を踏まえた上でどういった数字で規定していくのかということを御検討いただきたいと思います。5mSv/年ということになると、それを超えるような濃度というのは極めて限られてきますが、5を上回らなければマスクは絶対いらないというのもなかなか厳しいというところもございますので、ある程度それよりも低いところでもマスクを付けるような方向で御検討いただけないかなというふうに考えています。従来の原発は、5mSv/年を超えるところで、いきなり捕集効率99.9%という最高レベルのマスクを着けて、それ以外は全く着けないという規制になっていますので、もう少しグレードがあってもいいのではないかという想定をしております。
 68ページ(2)が保護衣です。これも同じようなマトリックスで考えるわけですが、これは要検討というところで従来の除染電離則では、保護衣のレベルを3種類に分けているということで一番高いところはタイベック、ゴム手袋二重とゴム長靴ということで、次のレベルは長袖、ゴム手袋、ゴム長靴。いちばん低いところは長袖、綿手袋、ゴム手袋、ゴム長靴と普通の作業着で構わないという3段階になっておりますので、この3段階でいいのかどうか。その3段階であれば、どのように割り振っていくのかというところを御議論いただければと考えております。
 喫煙の禁止につきましては、従来どおり管理区域の中での喫煙は禁止するということです。
 69ページ、作業の管理ということで、これは前回の資料までは出てきておりませんが、従来の電離則で加工施設、原子炉施設におきましては作業規定を設けるという規定があります。これはJCOの事故が起きたときに、作業規定の逸脱による事故であったということから設けられた規定ですが、今回も非密封あるいは処理を行うということもありますので、作業規定というのを設けるべきではないかと考えておりまして、内容につきましては加工施設と並びで、まず設備の操作の方法、安全装置の調整、作業の方法の準備、放射線の監視に関する措置、汚染の状況の検査及び除去に関する措置、異常事態の応急の措置、その他必要な措置という内容について、マニュアルを作っていただくということを規定するということを考えています。
 7番、緊急措置ですが、従来から遮蔽物が破損したり、あるいは放射性物質が大量に漏れ、こぼれ、または散逸した場合で、その事故により受ける実効線量が15mSvを超えるおそれのある場合は、その区域を標示した上で緊急作業従事者を除き、立入禁止にするという措置がございますので、今回の場合も処理施設であれば大量漏洩というのは考えられるということでございますので引き続きこの規定はおきたいと考えています。
 2番。医師の診察等についても同様でございます。これにつきましては、前回杉浦委員から御指摘がございましたように、このウの放射性物質を誤って吸入または経口摂取した場合というのは、一定程度内部被ばくが見込まれる前に限定するという趣旨の注意書きを付け加えていると。説明は以上でございます。
○森座長 松村委員続けてお願いします。
○松村委員 それでは資料5-1からです。その前に、あまりいい写真ではないのですが、福島原発が水素爆発を起こした直後に、そこで放水をした自衛官がタイベックの下に着ていた下着に付いていた放射能を光らせて写真を撮ったスライドを学会で発表してもらったもので、その写真を持って来たものを回覧します。
○森座長 これは後で、保護衣のところとの関連の資料ということでお願いします。
○松村委員 資料5-1は、主に呼吸保護具なのですが、これは第1回の検討会で事務局から配布していただいたダイオキシン類のばく露防止要綱のダイジェストをしたものです。あの通達では、作業の場所、作業の内容、そこで推奨される保護具の区分というようなものが三つぐらいの表に分かれて表示されていて非常に分かりにくかったので、それを一つにまとめてみました。今回対象になる焼却施設の中で行われる作業の分類としては39ページの一番左側に1、2、3とありますが、この1は焼却炉に一番近い所で、焼却炉及び集じん機などの内部で灰出しや設備の保守点検などの前に行う清掃等、一番厳しい条件のところです。
 焼却炉や集じん機の外で作業をする、灰の運搬や飛灰の固化等焼却灰や飛灰の取扱い、集じん機等の外部で行う清掃等、焼却炉、集じん機等の外部で行う運搬や清掃の支援や監視作業などが、その次です。これは、使う保護具のレベルを1、2、3、4で表しているのですが、ここではレベル2を灰出しや設備の保守点検のところで指定しています。
 あとは、程度によって、この場合には対象が放射性物質ではなくてダイオキシンなので、むしろ放射性物質の今の考え方よりも非常に厳しい保護を目的としていますが、焼却炉の外側の支援や清掃などは濃度によってレベル2や1が指定されています。
 焼却炉や集じん機の設備の保守点検、これはランニングを止めた状態ですが、実際に設備に触れて行う作業です。
 焼却炉、集じん機等の外部から、その焼却炉や集じん機を運転する、あるいは、外部からリモートで保守点検する作業は、濃度によりけりですが、それほどレベルが高くない、レベル2又はレベル1となっています。
 一番下の3の作業は、今は該当しないかもしれませんが、ダイオキシンの場合には焼却施設を解体するときには、焼却施設の耐火煉瓦にダイオキシンが染み込んでいる想定ですので、それに対しては最も厳しい防護を必要とするとなっています。
 ガラス等により隔離された場所から焼却炉やその他の装置を遠隔操作で行う作業や、灰等をベルトコンベアで運搬するのを監視する作業など、かなり離れた位置で監視や操作をするものについては、保護具のランキングの適用を外しております。
 これらの作業で、指定されている呼吸用保護具が、実際にどのぐらいの防護率とされているものかを次に数値で出してみました。
 一番軽度の呼吸保護に対しては、取替え式で粉じん捕集効率が高いものという指定になっていますが、面体は全面形と半面形の指定はありません。どちらでもいいのです。それは、現在のJISで見ると全面形で50、半面形で10の防護ができるということになっています。もし、これに対して、この当時は電動ファン付き呼吸用保護具が今ほどポピュラーに使われていませんでしたので、書かれていないのですが、電動ファン付きの全面形あるいは半面形を使うとすれば、防護係数は全面形では100、半面形では50になって、電動ファンのないものよりも性能がよくなりますので、こういうものは取り込んでいきたいと思っております。
 レベル2に対しては、それより少し高い防護を要求されていまして、防じん機能付の防毒マスク、これはガスと微粒子を両方取れる、フィルターが二層になっている全面形のマスク又は半面形のマスクということになっています。これは、少し温度が高い所ではダイオキシンが蒸気になることを考えて、ガス用の対応と防塵機能とを両方兼ねているものという指定なのですが、これは現在の場合、やはり焼却施設の中ということを考えればダイオキシン対応もしなければいけないので、そういう意味では必要になります。
 放射性物質については、特にガスが共存するというこの観点は必要ないと思うのですが。この場合にも、防塵機能付防毒マスクで、全面形は50、半面形は10ですが、電動ファン付きを使えばそれよりも高い、50に対して100、10に対して50という防護係数が期待されます。
 かなり厳しいレベル3の、焼却炉の中に入って行うような作業に対しては、陽圧形の給気式呼吸用保護具を使うようことになっています。このときには、密閉形の防護服も同時に使うことになっています。全面形プレッシャデマンド形エアラインマスクというのは、高圧空気配管にホースでマスクをつないで、そこから空気を供給したもので、面の中を常に陽圧に保つように圧力調整をして使うものです。面の中が陰圧になることがないので、外気が漏れ込むことが非常に少ないので、防護係数は5000ということになっています。これは漏れる空気が5000分の1ですから、0.02%の漏れということになります。
 エアラインがない所では、酸素ボンベを空気供給源として面体の中に送って、しかもそれを常に陽圧管理をするというようなマスク、全面形プレッシャデマンド形の空気呼吸器を使うという指定になっています。これも、防護係数が5000です。これに相当するものは、電動ファン付きでも駄目で、結局、濾過式で呼吸するものでは駄目です。やはり、炉の中に入って行うような修理や点検や、あるいは炉が一時、稼働が悪くなって手当てをしなければならないような作業が出てきたときには、こういう服が必要になります。
 4は、実際には焼却炉の解体作業に割り付けてあるので、今は対象外に考えたいと思います。
 呼吸保護具については以上なのですが、次に防護服について御説明したいと思います。資料5-2です。
 一般に使われているタイベックスは、密閉服と言われているものです。JISによりますと、防護服は8種類に分かれていますが、自給式呼吸器内蔵形や外装形の気密服というのが左側の三つです。これは服を加圧して、しかも5分間、内部の気圧が20%しか低下しない気密性を保証されているもので、生地も、空気を透過しないようなものを使っています。サリンのときに使うような服です。
 それに対して、陽圧服というのは気密性はない、手首や足首や襟は開放されているのですが、中に空気を送っていますので、服の中がいつも陽圧になっているものです。
 これに対して、密閉服というのは、液体のスプレーやシャワーやミストなどに対するものと、粉じん用のものがあるので、一般には粉じん用のタイプ5が使われているのですが、材質は不織布です。決して内部が保護されるというものではありません。これの性能として最後のページに「各種密閉服の試験法と性能基準」というものがありますが、ここで「固体粉じんの漏れ率の性能基準」というものがあります。どういう試験をするかといえば、10着のサンプルを用意して、これを被験者がそれぞれ着て、着た状態で静止状態、歩行状態、膝の屈伸運動などを9分ずつして、その間に服の中の3か所で3回ずつ粉じんの測定をします。そうすると9点の測定値が得られます。それを10着分、全部測定値を並べると90個の測定値ができます。90個の測定値を漏れ率の低い方から高い方に昇順に並べて、その82番目の漏れ率が30%以下ならいい。だから、83番目から90番目のものはどれだけ漏れているか分からない。そういう基準です。これがJISです。これはISO規格ですから、海外メーカーも、もちろん大体このような試験をしています。メーカーは、漏れ率を少なくするために、手首をテーピングしたり、足首をテーピングしたり、顔の周辺も防護服とマスク面体の間をテーピングしたりして、なるべく漏れないようにしているのですが、屈伸運動などをすると、やはり空気の出入りがあります。服が膨れたりへっこんだりしてポンプ作用がありますので、だんだん時間が長くなるにつれて漏れてきます。
 先ほどお回しした写真は、タイベックスーツを着て、その下にアンダーウェアを着て、これは東電の指定による防護服だそうですが、水素爆発を起こした直後の原子炉に放水をした自衛官が、作業が終わって帰ってきてからタイベックスを脱いだ下に着ていた服に放射能が付いている状態を、発光するような紙を貼り付けて写真を撮ったもので、青く光っている所がそうです。黄色に光っている所はもっと濃度が高い所です。これだけ漏れていたということです。
 それは当然で、この固体粉じん漏れ率の性能基準からいっても、これは40分ぐらいの試験ですが、例えば4時間ぐらい着ていればもっと内部に汚染物が入ってくるのです。そういうことを考えると、防護服はアンダーウェアの管理まで含めて使用基準を決めていただきたいと思います。
 防護服の絵はたくさん付けていますが、それぞれ見ていただければよいと思います。
 私としては、焼却施設は熱源があって、お湯が沸くはずなのです。ですから、表面に着ている粉じん用の密閉服は1回ごとに使い捨てるとして、アンダーウェアは汚染の程度によって事業の一環として管理をして、洗浄するなり廃棄するなりして、シャワーを浴びて、作業中には着ていなかったものを着て、作業者は家に帰るというシステムを構築していただきたい。
 タイベックスはいろいろな作業に使われていますが、聞くところによるとアメリカでは石綿作業などでも、大体その下に紙のアンダーウェアを着て、それは1回ごとに捨てるということを聞きましたので、その辺りは、少なくとも廃棄物処分場の中で働く作業に対しては、特に密閉服の着用が必要な作業については、そういう管理が可能だと思いますので、そのようにお願いしたいと思っております。以上です。
○森座長 ありがとうございました。今の最後のご指摘は大変重要ですが、おそらくどこまでを規則で規制して、どこをガイドラインにするかという検討を行う必要があるところではないかと思います。
 かなり時間が迫っていますが、順次いきたいと思います。5番の汚染の防止のための措置についてですが、数字を求められているところが4、5番のところにあります。まず先に、1番から3番、容器、汚染検査、放射性物質取扱用具の範囲については何か御意見ございますでしょうか。特に要検討のところでは、除染特別地域等に設置された場合においては4Bq/cm2を40 Bq/cm2にしないと現実的に合わないということで、そういった数字が入っています。そういう提案もありますが、この範囲内でよろしいですか。
 続いて、呼吸用保護具に関してです。除染電離則のときには粉じん濃度を10mg/m2で分けて、放射線濃度を50万Bq/kg以下か超かで分けたマトリックスを作ったのですが、今回はそれを3段区分にしたらいいのではないかという話がありました。先ほどご説明いただいた資料との関連になりますが、松村委員、具体的に何かご提案がありますか。
○松村委員 本日は最終案まで保護具を割り付けて来なかったのですが。その場合どうなのでしょうか。焼却炉の近傍で働く人については、当然、ダイオキシン対策と放射性物質対策を両方考えなければいけないのでしょうか。
○大迫委員 松村委員から御説明いただいたものは、比較的、炉内の作業者に関して、レベルを上げていくような感じで理解しました。今回は炉内作業は対象にしていない。これは保守点検や常時働くわけではないからという理解ではなかったでしょうか。
○安井室長補佐 施設要件は付けませんがメンテナンス作業は含まれます。
○大迫委員 メンテナンス作業は含まれている。
○安井室長補佐 そのときは保護具を付けるという議論が出てきます。
○大迫委員 適用範囲の中に入れないということでしたか。
○安井室長補佐 施設の週1mSvには入れない。それは担保できませんので。
○大迫委員 なるほど。
○安井室長補佐 そういう一番シビアな状況で保護具で担保するということになります。
○大迫委員 分かりました。基本的にはダイオキシン対応のもので十分適応できているという落としどころが、多分、現実的だし、十分それで対応可能なのではないかという理解はしています。
○松村委員 ダイオキシンは相当厳しい対応になっていますので、多分それで十分だろうという気がします。
○安井室長補佐 ダイオキシンは、ダイオキシンを測って、その濃度でやりますので、正直なところ我々の考えている基準とは当てはまらない可能性もありますね。
○松村委員 でも、結局それは両方に対応せざるを得ない。
○安井室長補佐 結局は厳しい方に合わせることになろうかとは思います。ただ、今回、我々は焼却施設だけを検討しているわけではありませんので。なおかつ、私の理解では塩素系がなければ作業時にダイオキシンは出ないということですから、塩素系は絶対漏らさない炉というものも、今回の場合はないでしょうか。そういう場合は、また違うとは思います。
○松村委員 でも、建材だって入ってくるわけですよね。
○安井室長補佐 いわゆる災害廃棄物のように一緒くたになっているものは何が入っているか分かりませんから。ただ、きれいに木だけ燃やすとか、牧草だけ燃やすとかもありますので、そういうところは、また違う話かなと思います。
○門馬委員 実際のところで見ると、飛灰のベルトコンベアのところの集飛灰の排出のところと、飛灰ダスト排出施設のところは、多分ここはエアラインはもう無理だと思うのです。現実的に非現実的ですから。これはやめた方がいい。要するに、ここのところは電動ファン付きの99でいいのだと私は思います。ほかのところは、当然99%で入れなくて、90でオーケーですよ。そのほかは80でいいですよ。一番厳しいのはこの2か所だけで、あとは普通の粉じん発生作業だけですから、もっともっと軽くしてあげていいのかなと。エアラインを付けると確かにいいのだけれども、作業性が悪くて逆にそちらの方が引っ掛かって事故につながってくる可能性があるから、やはりそういう形のものではなくて、電動ファン付きのいいのができていますから、そこで対応しても十分間に合いますよということ。要するに焼却炉で言うような形の飛灰という形のダイオキシンに比べると、多分濃度的にはそれほど高くないのではないかなと思いますので、そこのときだけではないかなと。区画で分かれた方がいいのかなと思います。
○安井室長補佐 そうですね。ガス状のものがあるかどうかで大分違うと思うので、炉の中だけですが、そのときどうするかというのはありますが。
○大迫委員 先ほどダイオキシンの対応でということを申し上げましたが、ダイオキシンは蒸気状のものも十分あるのではないかという想定の上でレベル分けしているということで、それで安全側にすれば十分なのですが、先ほど言った発言は撤回して、やはりこの放射性セシウムに関するもので適切なものを決めていただいて、先生がおっしゃったように、エアラインなどを設けると、転落など、炉内作業だとかえって危険になったりということもあります。今、多分実態としても、炉内をいろいろと測定した上でやっていると思うのですが、そこまで厳重に防護服を着て炉内作業をしているという理解は、私はしていない部分もあります。その辺りは適切に判断した上でやっているとは思うのですが、そういう意味では、この放射性セシウムの今回の実態に沿ったものでやればいいと思います。放射性セシウムは、一番最初にこの委員会のときに、私の方で、どれぐらい揮発するかという資料を出させていただいたと思うのですが、ダイオキシンの蒸気圧と比較しても、セシウム化合物は10桁ぐらい低い蒸気圧になっていますので、多少温度が高い状況であっても、人が入るぐらいの温度であれば、ほとんど気体としては存在しないという理解でよろしいかと思います。
○森座長 一番ひどいところを何にするかということで、電動ファン付きのものぐらいでいいだろうと。そうしたときに、あとはどこからそれぞれのレベルのマスクを使用しなければいけないという切り方の議論になるかと思いますが。
○名古屋委員 多分それは濃度で。外部被ばくを測定しますから、濃度的なもので判断されて。
○森座長 今の枠組みで。
○名古屋委員 そういうことです。
○安井室長補佐 32ページで言うと、500万Bq/kgかつ一番濃度が高い粉じんで15mSv/年ぐらいなので、正直なところこれでも99.9%であればいいですね。年間1ミリを上回ることはないわけです。ここでいきなりエアラインまでいく必要があるのかどうか、若干疑問はございます。もし500万Bq/kgを超えるものというのがあれば、それはそれで違うのかなと思いますが。今のところは、数百万Bq/kgぐらいしか出ていないという理解ですが、よろしいでしょうか。
○大迫委員 私の記憶にあるのは、大熊町で行われたモデル事業の中で小さな焼却炉での実証実験の中で200万Bq/kg以上という灰が出てきたというものが、一番最高だと思います。
○安井室長補佐 先生がおっしゃっていたゼオライトを使った濃縮などをした場合に、濃縮後のものというのはどれぐらい出るのでしょうか。
○大迫委員 それは、基本的には密閉されたものの扱いになると思います。
○安井室長補佐 濃度的にはどれぐらいですか。
○大迫委員 濃度的には原理的には1000万Bq/kgを超えるものも条件によってはできる可能性はあると思いますが。それは最初から吸着塔の中に、例えばステンレスの容器の中に密閉された状態で最初から存在しています。作業が終わったあとも廃棄体のまま扱えるようなものになり得るのではないかと思っています。ゼオライトは、そこまでは濃縮は難しいとは思いますが、プルシアンブルーという紺青と言われるフェロシアン化鉄を用いた場合のケースです。
○安井室長補佐 そういった、極めて例外的なものを除けば、500万Bq/kgというのはマキシマムな数字かなという気がします。
○森座長 今の議論では、大体、使う保護具の上限の辺りは一致しているようなので、次回に数字を入れた形で提案を頂いて議論をしていくということでよろしいでしょうか。
 続いて、保護衣等について御意見を頂きたいと思います。
○安井室長補佐 これも先ほどエアラインなども、いわゆる全身形の陽圧というのがありましたが、先ほど申し上げました15mSvぐらいのオーダーで、原発でもそこまではなかなかやっていないというところもありますので、やはりタイベックを上限にするのが法令上はいいのかなと思いますが。
○森座長 そのあと、それをした上での汚染検査や除染をどう盛り込むかということです。もちろん規則レベルにするのか、ガイドラインにするのかの選択肢がありますが。
○松村委員 タイベックスを使う作業は有害物を使う作業ですが、私が一番気にするのが、タイベックスだけ脱いで、その下に着ているものはそのまま上着だけ替えて家路につくと。結局、それは家庭で洗濯するのです。それがとても気になっております。やはり、アンダーウェアも規定のものにして、それは表のタイベックスほど汚れていないという仮定で、洗浄なり何なりで管理をするということが考えられるのではないかと思います。それでシャワーを浴びて帰ると。
○名古屋委員 原子力のところは多分そうなのですが、普通の現場でそこまでさせてしまったら、タイベックだけでも大変なのに、そこの作業着のところまで規定してしまったら、今までの作業は一体何だったのだろうという話になってきてしまう。今まではそれがちゃんとできなくて、作業着の管理を何もしなかったですねということになってしまう部分がある。そこまではどうなのでしょうか。きちんと濃度を測っているわけではないのに、一例を付けて、原子炉などのものすごく高濃度のところがタイベックが抜けてきたということを前提にしてするというのは、ちょっと行き過ぎではないかという気がします。そこまでは必要ないのではないかと。
○森座長 アスベストのときは、付着しているかどうかを検査することが困難なのですが、この場合は汚染検査ができるので、それを踏まえて。
○名古屋委員 そこはある程度、実態を調査してからでないと。
○安井室長補佐 おっしゃるとおり汚染検査を行いますので、汚染があればその時点で分かって、当然、下着は廃棄ということになります。そういう汚染検査と組み合わせた管理にはなろうかと思います。
 除染電離則の場合は、100万Bq/kgを超えることを扱うのは想定していませんが、今回の場合、それの5倍、10倍ぐらいまでありますので、それは濃度に応じた規制になるのかなというイメージはあります。
○森座長 その点も盛り込んで、次回に数字を出していただければと思います。
 続いて、作業の管理等について、列挙されている項目を盛り込んだ作業規定を作らせるということですが、これについては何かございますか。よろしいですか。
 続いて、緊急措置についてです。吸入や経口摂取したものは余りにも大げさな対応がされないようにということで、杉浦委員から頂いたコメントを基に、少し注意書きが入っている状態です。いかがでしょうか。これについてもよろしいでしょうか。
 大変重要な議論なのでもう少し具体的な議論の時間を取りたかったのですが、前半のところが特に重要でしたので後半が駆け足になってしまいました。少し宿題が残った形になりますが、7までの議論をこれで終わりたいと思います。
 最後、8から10について事務局から御説明いただきたいと思います。
○安井室長補佐 71ページの8番の労働者に対する教育です。これについては、骨子案としては、従来の除染電離則と加工施設の両方を鑑みた形で項目は考えております。
 まず、電離放射線の生体に与える影響等の知識。処分の作業の方法の知識。使用する機械・機器の構造及び取扱いの知識。それと、関係法令ということで座学をする。そのあとに、処分の方法及び使用する機械の取扱い等についての実技を若干設けるということを想定していまして、長さについても、基本的に除染電離則と同じぐらい、1日で終わるという程度の特別教育を想定しております。
 73ページの健康管理の措置については、従来から、特殊健康診断と特定健診ということを6か月に1回実施しておりますが、これについては同等レベルのものを引き続き課すということです。ただ、これについても先ほどの議論と同様に、除染電離則については離職したときに健康診断の結果の写しを交付するという義務規定が新設されますが、これについて入れるかどうかというところを御検討いただければと考えております。
 74ページの10番の安全衛生管理体制です。これは前回お示ししたのとあまり変わっておりません。1番は、施設管理事業者。これは施設の所有者です。これが実施する事項ということで、まず協議会を設置する。それから、当然、施設の所有者ですから、設備の維持、補修に関する責任は負ってもらう。状況によるとは思いますが、施設の管理者が自らオペレーションを行う場合は、元方に当たりますので関係請負人の安全衛生管理体制の確立ということですし、一元的な被ばく管理を求めたいということです。
 2番目が、施設の運転管理を全部委託された場合は、運転管理事業者が元方ということになりますので、同じような安全衛生統括者の選任や一元的な被ばく管理の実施をやっていただきたい。
 定期点検・修理等の場合で、保守管理事業者、これはプラントメーカーだと思いますが、こういった方が元方事業者に当たる場合は、関係請負人を含めた一元的な管理を実施していただくということです。この辺りは原発と基本的には同じような考えになっています。
 それぞれの事業者については、それぞれ安全管理者、衛生管理者、産業医、安全衛生委員会などをきちんとやっていただくということを想定しております。
 11番ですが、ほかに何か盛り込む事項があればということです。説明は以上です。
○森座長 ありがとうございます。まず、労働者に対する教育ということで、実態に合わせた形で一般的な放射線、電離放射線に関する知識とともに、業務の取扱い、その他についての内容ということになっています。時間はそれらの内容に合わせた形で、あとで入れるということと理解していますが、いかがでしょうか。これについては、今までのものと同じような考え方ですので、よろしいでしょうか。
 9番の健康管理のための措置についても、従来の電離則と同じような考え方です。先ほど6番のところでもあった、離職のときの話は、ここは線量管理のところと合わせるしかないので、その検討の中で併せて行うということだと思います。何か御意見があればお願いいたします。これについても、既存の規制や他の部分との関係を考えると、変える余地がないように思いますが、よろしいでしょうか。
 10番の安全衛生管理体制で、施設管理者で元方に当たるような場合には、一元的な被ばく管理も含めて責任を持っていただこうという考え方の内容だと思いますが、いかがでしょうか。
○大迫委員 不勉強で申し訳ないのですが、この管理体制で放射線管理担当者になる管理者の立場で担当者になる方というのは、特に何か資格は必要ないのですか。
○安井室長補佐 現状の除染電離則も、実はガイドラインでしか出てこないのですが、放射線管理者をガイドライン上で置いてくださいとなっていますが、資格要件については特に設けてはおりません。
○大迫委員 別に、一種の資格を持たなければいけないなどということではないと。
○安井室長補佐 望ましいとは書いてありますけれども、必須要件にはしていません。
○森座長 ほかにいかがでしょうか。ここも基本的にこの考え方でよろしいでしょうか。次回もまだ引き続きこの報告書の内容について議論をさせていただきますので、そこで何かあれば追加で御意見を頂ければと思います。
 11番の「その他」ですが、何か追加すべき事項があればよろしくお願いいたします。
○大迫委員 新たにということではないのですが、途中で申し上げたように、放射性セシウムは作業をする環境下では気体になって存在したことはありませんので、気体、又は例えば粉じんと、「又は」で結んでいる部分がどういう理解をしているのか分からないですが、この気体という性状に対応するための対処に関して、何か過剰にこういったものをやらなければいけないということにならない形で、全体的に見直していただくと有り難いなと思います。
○安井室長補佐 おっしゃるように、セシウムであればないと思いますので、どちらかというと処理をしたあとに、残渣物のように残ったときにあるかどうかということですが、杉浦先生とも御相談して、そういった揮発性核種があるかどうかで、絶対ないということであれば削除できると思いますが、少しでもあるということになると、規定上置いておいて空振りにするというのが我々としては安心なのですが。そこは検討させていただきます。
○松村委員 確認したいのですが、焼却炉のある場所での作業に対して、ダイオキシン対策というのは別の規則があるからそこに任せればいいと思えばいいのか、あるいは、ダイオキシンと放射性物質との両方を考慮した保護規程を作らなければいけないのか、どちらなのでしょうか。
○安井室長補佐 基本的に前者です。これは、電離放射線障害防止規則になりますので、前者の形です。もちろん整合性を横目でにらみつつ、放射線障害防止のための規制をするということになります。
○松村委員 そうすると、管理者はダイオキシン対策も考慮して、両方に合うような保護をしなさいということでいいのですか。
○安井室長補佐 そうですね、そうなります。
○松村委員 厳しい方を採るということですね。
○森座長 恐らく除染電離則のときも、除染作業には熱中症の問題など他の安全衛生上のリスクがあって、当然それを両方合わせてやらなければいけないという議論をさせていただきました。それらのことはガイドラインの中にも少し盛り込まれたりしていますが、おそらく、今回もそのような取扱いを検討いただくことになるのではないでしょうか。
○松村委員 分かりました。
○森座長 よろしいでしょうか。それでは、大変駆け足になりまして、また特に数字のところは宿題が残った形ですが、本日はかなり活発な議論を頂きました。これで終了させていただくことにしたいと思いますが、従来通り、追加の御意見がある方は、今回も期間は短いのですが、今週の18日の金曜日までに事務局までメールをお送り頂ければと思います。保護具に関する基準の部分については、松村委員は事務局と相談いただいて、対応をお願いします。
 それでは、次回では、今回の議論の内容と追加でいただいた意見を含めて、事務局から報告書案を御提示いただいて、更に議論をしていきたいと思います。
○安井室長補佐 第4回の検討会ですが、再来週の1月30日水曜日、午後3時半から開催予定です。場所は追って御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
○得津室長 それでは、以上で第3回除染廃棄物等の処分に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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