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2012年10月22日 第65回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成24年10月22日(月)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

委員:五十音順、敬称略

相澤好治、明石祐二、犬飼米男、小野真理子、小畑明、日下部治、新谷信幸、瀬戸実、辻英人、角田透、中村聡子、半沢美幸、三浦武男、三柴丈典、山口氏(春山委員代理)

ヒアリング対象者

齋藤氏(全日本トラック協会)、小畑氏(全日本運輸産業労働組合連合会)

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
井内雅明 (計画課長)
半田有通 (安全課長)
椎葉茂樹 (労働衛生課長)
奈良篤 (化学物質対策課長)
木口昌子 (調査官)

○議題

(1)陸上貨物運送事業関係団体からのヒアリング
(2)第12次労働災害防止計画の骨子案について(その3)
(3)その他

○議事

○分科会長 定刻の前ですが、予定されている委員がお揃いですので、ただいまから第65回「労働政策審議会安全衛生分科会」を開始いたします。本日は、公益代表委員の浅井委員と土橋委員、労働者代表委員では縄野委員、使用者代表委員では大山委員と高橋委員と春山委員が欠席です。春山委員の代理として、日本化学工業会環境安全部長の山口様が参加されておられます。なお、労働者代表委員の古市委員については、所属組織の人事異動によって交替され、後任として勝野圭司様が委員に就任する予定になっております。公益代表委員の三柴委員は少し遅れるとの連絡をいただいております。本日は、委員の皆様方のほかに、ヒアリングのために全日本トラック協会から齋藤様においでいただいております。
 議事に入ります。本日1つ目の議題は、「陸上貨物運送事業関係団体からのヒアリング」です。第12次労働災害防止計画の骨子案で、重点業種として取り上げられている陸上貨物運送事業について、労働現場の実情を労使双方からヒアリングさせていただきます。本日は、業界団体の全日本トラック協会と、労働組合の運輸労連にそれぞれご説明をお願いしております。双方からご説明いただいた上で、質疑応答とさせていただきます。大変恐縮ですけれども、説明時間は10〜15分でお願いいたします。早速全日本トラック協会常務理事の齋藤様から御説明をお願いいたします。
○齋藤氏(全日本トラック協会) ただいまご紹介をいただきました全日本トラック協会の齋藤です。本日は、このような場を作っていただきましてありがとうございます。お手元に配付しております資料に基づき、最初にトラック産業の現状といった内容で簡単にご説明させていただきます。お手元に「日本のトラック輸送産業2011」という冊子がありますが、こちらを使ってご説明させていただきます。
 4ページと5ページを開きますと、「国内貨物輸送とトラック」という内容で、トラック産業の位置づけが解説されております。これを見ていただきますと、トンベースで9割、トンキロベースで6割とシェアが書いてあります。これはトラック全体を指していて、私ども業界の営業用トラックとなると、4ページのいちばん下に「輸送トン数の推移」という表がありますが、その中にトラックの営業用、これは緑の色掛けがしてありますが、それの平成21年度を見ますと分担率ということで55.6%、単純に国内の貨物輸送量全体の約56%は営業用のトラックが運んでいると言えます。
 5ページは「輸送トンキロの推移」ということで、1トンの荷物を1キロ運んだものがトンキロとなっております。これも同じく緑掛けの営業用トラックの分担率が、平成21年度で56%ということで、半数以上は営業用トラックが国内貨物輸送量の中で占めているという現状であるということをまずご確認いただければと思います。
 11ページは、「トラック事業者の事業規模」です。大きな見出しの下のところに、トラック運送事業者の9割は中小企業とあります。文章のいちばん最後に、トラック運送事業者の事業規模は、車両数20両以下の事業者が全体の77.6%、中小企業基本法では資本金3億円以下又は従業員300人以下の企業を中小企業と規定しておりますけれども、これによると一般貨物自動車運送事業者の99%以上が中小企業の産業だということをご認識いただければと思います。
 12ページは、「事業者の増加と競争の激化」です。12ページのグラフを見ますと、平成6年度には4万5,000社だったものが、平成21年度には6万2,000社を超えるということで、事業者の数としては1.5倍になっております。なぜこのようなことになったかというと、実は平成2年に貨物自動車運送事業法が施行され、新規参入の事業者が急増したことが原因として挙げられます。なぜ急増したかというと、事業免許が免許制から許可制になったこと。更に運賃料金については認可制から事前届出制になったということで、参入しやすくなったことがその一因です。その後、運賃料金については事後届出制になったり、更にいままであった営業区域が撤廃されるということから、自由競争が激化したことから、事業者が1.5倍になり、その多くは小さな中小企業が主体になっているというのが実態です。
 15ページは、「荷主との適正取引きが課題に」という内容です。このような中小企業が多数ある、事業者として6万2,000社もある中で、どちらかというと、私どもの業界は従属的な取引きが慣習化し、荷主に対しては構造的に弱い立場になっていると言えると思います。内容については、後ほどご参照いただければと思います。
 こうしたことを改善するために若干の法改正等がありました。例えば、平成6年というのは、過積載車両が問題になった時ですが、この時に道路交通法が改正されました。本来なら積んでもいいものが10トンと決められているところに、12トン、13トンと、積載重量を超える貨物を積んで運行することを過積載と言っております。こういう内容については、運送事業者が、本来は実際にその重量が分かった時点で、それは積めないということをお客様に対して申し上げる、ということが当然のことではあるのですが、先ほど申し上げたようなことで、「運べません」とはなかなか申し上げにくいような立場にあります。
 実は、今回の改正が実際に過積載であることが分かって、それを強要することになると、荷主に対しても過積載防止命令といった指摘が掛けられます。こういうことに対して違反をすると、6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金が科せられるということで、法改正があって、この過積載についてはその後かなり減少してきたということがあります。こういう実態があったことを若干申し述べさせていただきます。冊子のほうはこれだけで、後ほどお目通しいただければと思います。
 今回、私どもで作りました「輸送の安全の確保?」「輸送の安全の確保?」というペーパーがあります。これを基に安全の取組みについてご説明いたします。安全確保の?は、私ども『トラック事業における総合安全プラン2009』を作りました。これは、国が2009年3月に作成いたしました「事業用自動車総合安全プラン2009」を踏まえ、営業用トラックのバージョンの計画を作りました。このグラフAを見ますと、赤い線の丸ポツとして時系列で死者の数が出ております。徐々に減少していて、2010年においては421名となっております。緑色の四角のポツがありますが、2010年の2万5,447件というのが人身事故の件数です。最終的には死者数が200名、人身事故件数1万5,000件以下が目標です。こういうプランを作成し、いま現在取り組んでいるところです。
 左側のほうに主な取組みとして????とあります。主なところとしてはASV(先進安全自動車)関連機器の導入、並びにドライブレコーダーの導入ということです。いちばん最後の別紙2の「輸送の安全の確保?」の4ページ目に、それぞれ安全装置、衝突被害軽減ブレーキ、ドライブレコーダーといったものの導入に対し、全日本トラック協会として、それぞれの事業者に対して助成を行った内容です。ご覧いただきますとおり、徐々に助成の金額も増えてきています。また、台数等については下の表を見ますと、平成18〜23年度にかけての台数、金額の助成が実績として出ております。このような形で、全日本トラック協会としては、交通事故防止に対する事業者の支援を行っております。一方でドライバーの運転技術の向上という意味では、安全セミナーを開催し、協会としての支援を行ってきております。
 更に「輸送の安全の確保?」を見ますと、トラック運転者の健康管理の支援について、記載しております。なぜかというと、トラック業界というのは高齢化が非常に進んでいて、定期健康診断の有所見率が毎年高くなっています。このため、健康が一因と思われる事故が多数あることから、そういった防止を図るために、高脂血症、肥満、高血圧、脳卒中、心臓病等の予防改善に資するために、「トラックドライバーの健康管理手帳」とか、「トラックドライバーの健康管理マニュアル」といったものを作成し、指導を行ってきております。特に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)については、居眠り運転防止のために、こうしたスクリーニング検査の費用の支援なども行ってきております。以上が安全対策に関わる取組みです。
 特に、荷役時における労災事故の防止ということで、昨年度の取組みを若干ご説明いたします。これについては口頭だけになってしまいますが、実は私どもで機関紙「広報 とらっく」を月に2回発行しています。こういう広報の紙面で安全の教育や啓蒙を図っております。また厚生労働省で主催された陸運事業者の労働災害防止にかかわる荷主への説明会にも積極的に参加してきました。
 また、厚生労働省で作成した「荷主の皆様へ−自社構内での荷役作業の安全確保に協力してください」という、リーフレットによる荷主への呼びかけに呼応し、昨年全日本トラック協会では、「荷主の皆様へ5つのお願い」という意見広告を作成し、荷主の業界紙に掲載いたしました。主な掲載新聞は農業協同組合新聞、日本農業新聞、日刊工業新聞、日刊自動車新聞、ぜんせき労働新聞、日経MJです。こうした意見広告に対する読者の反響なども、その後集約いたしました。こういうことを通じ、少しでも荷主の皆様に実態を知っていただくといった活動を行っております。
 最後に、「輸送安全の確保?」の1ページの左の下の表にグラフAがあります。「陸上貨物運送業における労働災害の推移」ということで、いちばん上に労災保険料率の推移が載っています。いちばん高かったときで、この表では13/1,000でしたが、11/1,000になり、表にはありませんが平成24年度は9/1,000となっております。徐々にではありますが、労災事故防止の成果は出てきているのかと思っているところです。状況としては、まだまだ私どもの思うとおりにはなかなかならないところもあります。これからも、労働災害防止に向けて邁進していきたいと思っております。状況としては以上です。
○分科会長 ありがとうございました。本分科会の委員でありますが、運輸労連中央書記長の小畑様からご説明をお願いいたします。
○小畑委員 私からは、委員兼報告者ということで運輸労連、労働組合の立場から陸運業の労災の実態についてご報告申し上げます。ヒアリングの項目を6項目いただいておりましたので、これに沿った形で資料1-3を準備させていただきました。
 この業界は約6万3,000社、約120万人が従事していることになります。私どもの組合は約600組合で、12万人を組織しています。これは企業数でいうと1%、労働者数でいうと10%の組織率ではありますが、トラック運輸の産業別労働組合としては最大の組合であります。
 構成組合の組合員規模別の分布で見ると、この表のとおり約97%が中小規模になります。ただし、この表にはないのですが、人員ベースで見ていくと、大手の15組合で78%を占める構造になっていて、これは業界そのものの構造と非常に近いと思われます。そこで私どもとしては、今回大手組合と中小組合からそれぞれヒアリングをして、提出をさせていただいた一覧表にまとめさせていただきました。
 表の中の○で括った文章が、特に中小からの報告とご理解いただければと思います。1番目の項目で、○3つのヒアリング内容については、荷主と事業者の力関係を如実に物語っていると読み取れるかと思います。ここまでが契約内容で、ここからは別作業だというルールがないので、荷主から要請されると、運転手個人では断れないという実態が1つ目の○のところです。2つ目の○については、13年連続で国内貨物輸送量が減る中で、収受料金も2割から3割減となっているため、下請会社に対する下請代金を下げざるを得ないという状況を示しております。3つ目の○については、公契約の場合は、落札してから車や人を手配したのでは納期に間に合わないという業界の特性を示したものです。
 次は「労働災害の特徴とそれに対する問題意識、取り組み」です。陸運業の労働災害の約7割が、荷役作業時に発生しているということです。どういう荷役作業なのかという正確な分析が必要だと思っております。なぜかというと、第63回分科会の参考資料2の別紙7にありましたが、愛知労働局の調査によれば、平荷台からの墜落・転落が全体の2/3を占めています。これは、恐らく愛知県という地域特性から、自動車産業に特化した運輸業の実態が反映されていて、これがそのまま業界全体の実態といえるかどうかは疑問が残ると思っております。ちなみに第62回分科会資料1の?の「業種別事故の型別の労働災害発生状況(平成13年)」によれば、「墜落・転落」は2/3ではなくて約1/4、28%という数字になっています。
 私どもの大手のヒアリングによると、この表のとおり2011年の実態として、これは休業1カ月以上の数字になりますが、確かに墜落・転落は多いです。しかし、それ以上に多いのは、同じ荷役作業ですけれども、「はさまれ・巻き込まれ」であり、客先での事故についてもこちらのほうが多いという結果になっております。
 この表には記載していないのですが、休業をしなかった災害のところまで広げてみますと、2007年から2011年の累計で、墜落・転落が330件で全体の13.3%。それに対してはさまれ・巻き込まれは422件で17%という数字になります。具体的にはさまれ・巻き込まれというのはどういう事故かというと、ターミナルのプラットホーム等での、ボックスパレットが介在した事故のことだと思われます。
 実態としてはこの型の事故がいちばん多いと思っております。例えば、自分で引っ張っているボックスパレットで自分の足を轢く。あるいは、転がして運びやすくするために、フォークリフトからはずみを付けて下ろすケースがあります。それで、動いているボックスにはさまれてしまう事故。あるいは仕分のシューターにはさまれるといった事故が、はさまれ・巻き込まれという事故の中身だろうと思っています。中小からの意見としては、人への教育、作業手順を守ることのほうが、災害防止の装置を作るよりも有効ではないかという内容であったと思っています。ここに記載した4つ目、5つ目の○のところは引越し会社からの報告ですのでお読み取りをいただければと思います。
 「トラック運転手に対する荷役作業に関する安全教育の実態」については、大手、中小とも安全衛生委員会等で、それぞれの作業内容に応じた教育を行っているところです。特に、実際に発生した事故を教材にして研修をしていくというのは、各社とも共通したやり方であると認識しております。
 「トラックに墜落防止装置をつけるなどの墜落災害防止対策に対する意見」としては、墜落防止装置を付けることについては否定的な意見が多かったというのは記載のとおりです。理由としては、作業効率が落ちるのではないか、費用対効果を考える場合に、余りその効果は高くないのではないかということ。そもそも教育の充実、あるいは教育の徹底に力を入れたほうがより効果的ではないかという意見だと読み取れると思っています。
 現場ではウイング車、あるいはテールゲート車、キャリアカーなど車種ごとの安全装置がありますので、既に対策が取られている面もあると思っています。トラックに墜落防止装置を付けるという発想は、先ほど申し上げた2つの資料になりますが、業種別、事故の型別の労働災害発生状況の一覧表によると、はさまれ・巻き込まれというのが1,511人で、それに対して墜落・転落というのは3,627人。それから、第63回分科会の参考資料2の別紙7の愛知労働局の資料で、平荷台からの墜落・転落が全体の2/3を占めるというのと関係していると思うのですが、私どもが加盟組合からヒアリングした結果によると、実態としては、仮に装置を作ったとしても普及しないのではないか、という意見が多かったところです。
 次は、「荷役作業における荷主との関係と、モデル運送契約書を普及することに対する意見」です。これについては、中小の現場の声として、冒頭の業界の実態のところでも述べましたように、荷主と事業者の力関係から、モデル運送契約書ができても実効性はない、あるいは普及しないという意見が多かったです。しかし、産業別労働組合としては、力関係に違いがあるからこそ、改善の第一歩としてこのモデル運送契約書は有効であると考えているところです。韓国の標準委託・受託契約書のように、強制力があればいちばんいいとは言えるのですけれども、行政からの指針として、このモデル運送契約書が示されるということであれば、これまでの慣習・慣例の実態を打破するツールになると期待しておりますので、是非推進をしていただきたいと思っております。このモデル契約書の具体的な内容の作成についても協力させていただければと思っております。
 最後に「その他の要望・意見等」について、2つ○で記載させていただきました。1つは、モデル運送契約書がどこまで実効性を持つかは別にして、荷主と運送事業者のルールづくりが必要だということ。もう1つは労働災害を防止するには、長時間労働の改善が必要だという意見だったと思っております。
 これは表にはありませんけれども、過労死の労災補償のデータを見ますと、平成23年から過去5年間だけ遡ってみても、全産業に占める支給決定件数の割合で、26〜30%とワースト1をこの産業は占めています。その背後には長時間労働があるというのは容易に想像できるところであります。自動車運転の業務というのは、改善基準告示があるために、時間外労働の限度基準の適用除外になっております。改善基準告示自体が、年間の拘束時間を3,516時間まで容認しており、かつ罰則規定がないということで、長時間労働がなかなかなくならない側面があるように思われます。
 国土交通省の改善基準告示は、厚生労働省の改善基準告示を基に出されているわけですから、厚生労働省がイニシアチブを取って、改善基準告示の改善に取り組んでいただきたいということを要請し、運輸労連からの報告を終わります。
○分科会長 ありがとうございました。齋藤様と小畑様からご説明をいただきました。質疑応答に移らせていただきます。ただいまのご説明の内容について、ご質問のある方は挙手をお願いいたします。
○犬飼委員 トラック協会にお聞きします。参考資料の別紙2「輸送の安全の確保?」の2枚目、4ページ目ですが、この棒グラフを見ると、安全教育訓練の助成というのは、平成21年度から下降を示しています。ドライバーの安全教育訓練は、下の図を見ると台数、金額とも増えています。この助成が減った原因を教えていただきたいというのが1点目です。
 もう1点は、「輸送の安全の確保?」の今後の課題のところに分析が出ています。TSの立寄台数と利用者数の推移です。参入者も増えて、台数も決して減っていないのに年々減少しています。この右肩下がりの現状をどのように分析しているのかを教えてください。
○齋藤氏 最初のご指摘は、?の4ページですね。トラックの安全教育は、私どもの指定する教育機関でいま実施に取り組んでおります。現在は、茨城県の中央安全研修センター、埼玉県にある埼玉県トラック協会が運営しているセンター、名古屋にあるセンター、滋賀、福岡と5つほどあります。いま私どもが取り組んでいる中で、実際のところ3泊4日とか、ドライバーにはちょっと負荷がかかるような講習があります。昨今の傾向としては、日程をそれだけまとまって取りにくいというご指摘もあり、いま現在のところなんとか日数を短縮化し、少しでも多くの方が参加しやすいようなものを検討しております。やはり、そういうことの影響があるのかというところはちょっと懸念しております。
 TSセンターに関して申しますと、実は私どもがトラック・ステーションをつくったときに、ドライバーが仮眠するような、休憩を取る施設がほとんどない時代でした。時代が移ろうに従い、今、現在高速道路のサービスエリアとか、道の駅が整備されてきて、ドライバーの利用状況を見ますと、そういう施設を利用するケースが増えてきていて、相対的にトラック・ステーションの利用がちょっと減ってきているという実態があります。
○新谷委員 トラック協会の資料を拝見すると、12ページに新規参入の推移があり、15ページに荷主との適正取引が課題であるという分析をされております。お聞きしたいのは、約6万2,000社がトラック運送事業に関わっているということですが、トラック協会としての業界のガバナンスといいますか、コントロールがどのようになっているのかをお聞かせいただきたいのです。
 それから、労働側で小畑委員が発言された中で、荷役作業における荷主との関係で、モデル運送契約書の普及についての意見がありました。トラック協会の資料の15ページにありますように、適正取引が課題であるという分析をされています。このモデル運送契約書の普及等については、どのようにお考えになっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○齋藤氏 いま現在、中小を含めて6万2,000社以上の事業者があります。私ども全日本トラック協会の各会員というのは、各地方のトラック協会が会員になっています。47都道府県の協会です。それぞれの都道府県に協会に加盟している事業者を全部合計すると、大よそ5万2,000社ぐらいです。1万社ぐらいが加盟していないということです。先ほども申し上げましたように、協会員であれば広報なりセミナー等々で教育を行っているところですが、それ以外の方については若干そういうところがこぼれてしまいます。
 実は、いま適正化指導員という方が地方のトラック協会にいて、日々各事業者に適正化の指導ということで巡回しています。その対象は、協会員外も対象にしています。先ほどもお話がありましたが、当然中小では、本来やっていただかなければいけないところ、コンプライアンスに関わるようなところもできていないところがあります。そういうところを指摘しながら指導する、といった取組みもいま現在やっております。
 モデル契約書については、私どもとしても大いに期待をしております。ただ、私どもとしては、できるだけそれを成果あるものにするにはどうしたらいいのかと。まだ組織的に検討をしてはいないのですが、私の個人的意見としてご紹介させていただきます。一口に荷主といいましても、発の荷主と、着の荷主といるわけです。発の荷主というのは、運送事業者にとっての、運送契約の当事者になるケースが一般的に多いです。そうすると、日ごろから発の荷主に対しては行き来があります。荷主の構内も、私どもとしては普段から把握できる関係にあるかと思います。
 一方着の荷主に関しては、発荷主にとってのお客様となるケースが多いと思います。例えば、いろいろな製品を購入する。購入に当たって、発のお客様がそれを指定された倉庫や配送センターに運んでいくようなケースがあります。そのようなことになれば、発荷主も若干着荷主から比べると立場上ちょっと弱いのかなということもあります。私どもにとっても、そこまでの情報、着荷主の情報というのは、発荷主から得られないケースもあります。
 そういうことがありますので、事故が荷主の庭先で起きているということも、実際このように2つのケースがありますので、それをより細かく、実際の事故事例を分析し、防止策をとっていかなくてはならないのではないか。実際に労働災害事例に関する詳細なデータというと、いま労働災害のデータベースが厚生労働省にあるのですけれども、更にいま申し上げたような観点から、全てとは言えないと思うのですけれども、できるだけある程度ピックアップした事例を、いま申し上げたような観点から、より詳細な内容をなんとかご提供いただけないか。そういうものでより詳しく分析をして、こういうモデル契約書に反映できたらいいのではないか。これは、私の個人的な見解もありますが、そういうことに期待をしております。
○新谷委員 6万2,000社のうち、1万社ぐらいが協会に入っていないということでした。協会に入っていれば、いろいろな周知なり、集団指導的な教育研修等々が実施されて、徹底できると思うのです。1万社のフリーライダーに対する規制といいますか、これをどのように徹底していくのかは課題だと思います。
 いまお話をいただいて、なるほどと思ったのですが、荷主にも発荷主、着荷主があり、さらには運転手個人が介在しているということですから、運転手個人はその契約の中での力関係からいえば、荷主から言われて荷役作業を手伝うということでありますし、怪我をするのは運転手になります。そこは、契約ベースできちんと管理をしていただかないと、皺寄せが全部運転手に行ってしまう可能性もあろうかと思いますので、我々としてもそこはよく見ておきたいと思います。
○犬飼委員 運輸労連にお伺いします。1ページの下の○については、運輸労連ではなくて、中小のほうからの聴き取りだという説明でありました。
○小畑委員 運輸労連加盟の中小です。
○犬飼委員 そうなのですか。
○小畑委員 はい。
○犬飼委員 非常に気にかかる言葉があります。「特に腰痛・転落が多く、体操や、ヘルメット着用で抑止できる」という、この感覚が私には分からないのです。まさかとは思ったのですが、腰痛や転落が、体操やヘルメット着用で予防できるわけがないのです。もし、こういう認識でいるとすれば大変怖いと思います。ヘルメットというのは、私たちの林業現場でもそうですけれども、それそのものでは、小さな飛来落下物しか防止できません。あとは精神的な緊張感と、メリハリを付けるという意味で私たちは被らせています。防護という意味ではあまり効果はない、ということが認識としてあります。
 次のページで、荷主との関係で弱い立場というのはあるのですけれども、いちばん最後のその他の要望で、「荷主から依頼される危険な作業も行わざるを得ない」という怖い記述があります。「危険な作業も行わざるを得ない」というのは、危険と分かっていて行わざるを得ないということなのか。その辺りの力関係は分かるのですが、危険を伴っているという認識の下に行わざるを得ないとなると、ちょっと深刻かと思いますので、その辺りをお聞きしたいと思います。
 トラック協会の資料の1ページの棒グラフで非常に気になったのは、飲酒事故と飲酒トラックの件数です。これは、よもやグリーンナンバーを付けたプロがやっているのではないでしょうね、ということを言いたいのです。もしやっているとすれば、プロなのですから、ここはトラックという、普通の乗用車よりも大きなものを運転し、もしものことがあったときには大変なことになるわけですから、これについては厳正に対処していただかないと、これは由々しき実態かと思ったので、その辺の認識も含めてお伺いします。
○小畑委員 1点目の指摘についてですが、私自身事細かく状況を把握していないので、上がってきた報告書をまとめた内容になりますので、正確かどうかは分かりません。恐らくドライバーが、倉庫作業であるとか、構内作業であるとか、通常のドライバー業務でない業務をやらざるを得ないケースがあったりして、そういうときに本来ヘルメットをかぶらなければいけないけれども、そもそも持っていないということが現実問題としてあるわけです。たぶん、その辺の不備がこういう表現になって出てきたのかと思っております。
 裏面のほうで、これは確かに犬飼委員が指摘されるとおりなのですが、逆に言うと、それほど現場のドライバーが、対荷主との関係の中で疲弊しきっているというような関係もあるのではないかというところが読み取れるのだろうと思っています。もちろんご指摘のとおり、これが文字どおり危険なのか、あるいは危険と感じるような作業の中という、その辺の線引きは厳密に、誰がどう考えても危険作業というものを、言われたからやるという人はいないと思うのです。その辺の微妙な言葉の綾はあるかもしれませんけれども、そういう実態があって、このような表現になっていると把握しています。
○齋藤氏 ご指摘の飲酒事故についての認識は、業界としても最も神経を注いでいるところです。あってはならないという認識は全く一緒です。現在のところ、それを防止するために、対面点呼の徹底とか、アルコール検知器についても、記録が残るようなアルコール検知器。実際にドライバーというのは、泊を伴うような運行に出てしまうと、その後は何をやっているか分からない。そういうときのために、携帯用のアルコール検知器を携帯させることも義務づけるなど、飲酒運転の防止についての取組みは非常に強化しています。ただそういう中でも、こういった不届きな者がまだまだいるという実態は否定できない。ただ、徐々に減少はしているということは申し上げておきます。
○辻委員 トラック協会のパンフレットの12ページですが、規制緩和があって、新規参入が増えたとあります。もともと規制緩和の目的はいろいろあったと思いますが、当然良い面と、ここに来て少し問題だという面があると思うのです。安全衛生という観点から見たときに、もう一度この部分の規制を揺り戻すというか、見直したほうがいいのではないかというところがあるのかどうか、ご認識をお伺いします。
○齋藤氏 いまご指摘の内容については、国土交通省の中でも検討がされています。実は私どもの業界の中でも検討しているところです。先ほど申し上げましたように、中小が非常に多い業界ですので、それらに対して、例えば最低車両台数の引上げ、現行では5台が1つの線引きになっていて、5台以上持っていないといけませんよというのがあるのですが、実際にそれでいいのかという検討もいま行われております。我々としては、適正な規模というのはどの辺なのか、というものについてもいま検討の結果を待っているところです。先ほど申し上げましたように、どうしても競争が激化してまいりますと、1人、2人抜け駆けをして、無謀な条件で受注するといった傾向もありますので、そういう現状を踏まえながらいま検討していただいております。
○分科会長 ほかにはよろしいでしょうか。小畑様、齋藤様どうもありがとうございました。これでヒアリングは終了いたします。次は議題2です。これまでの骨子案の審議において、1つの大きな論点となっておりました目標値の設定の仕方について、事務局から修正案が示されておりますのでご審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。
○木口調査官 資料2「第12次労働災害防止計画の目標設定について(修正案)」に沿ってご説明します。
 1ページです。?死亡災害の目標、?休業4日以上の死傷災害の目標があります。この目標の設定に関しては、新成長戦略で掲げられている、平成20年と比較して平成32年までに労働災害の件数を30%減少させるというものをベースにして、修正前は平成20年を起点として設定しておりました。これを、これまでの労働災害防止計画と同じように平成24年、つまり初年度の前の年を起点とした形に計算し直したものです。
 死亡災害の目標については、平成20年と比較して平成29年までに30%減少させる、つまり、本来なら平成32年がゴールなのですが、これを平成29年に前倒しして目標を掲げておりました。これを平成24年を起点としたらどうなるかというのが、算出方法としてグラフに示してあるとおりです。平成20年を起点として、平成32年に30%減少とすると、888件になります。これを平成29年に前倒しして、平成24年の数字は平成23年の確定値に対して直近の災害の増減率を掛け合わせたもので、現在1,171件です。これを始点として、終点を平成29年として、削減率24.2%といった計算をしております。
 次に、休業4日以上の死傷災害です。これは平成32年までに3割減少ということで、修正前はこの途中段階で、平成29年までに平成20年と比較して22.5%減少させることにしておりました。これを同様に、平成24年を起点とした形で振り直すと、平成24年現在の推計値が12万3,621件、平成29年の目標値が平成32年でアップロードした途中経過で10万2,807件、この差ということで削減値16.8%という数字を示しております。
 次に?、第三次産業の目標です。第三次産業の目標については、いまご説明した休業4日以上の死傷災害と同様の計算をしております。ただし、災害の件数の減少に着目するということで、修正前は死亡者数と死傷者数両方について目標を考えておりましたが、これを死傷者数だけにして、同様の計算をして20.9%としております。
 ?陸上貨物運送事業についても、同様に災害件数の減少に着目して、死傷者数のみの目標ということで削減率14.2%という数字を示しております。
 次に?建設業と?製造業については、重篤な災害の減少に着目し、目標としては死亡者数のみを掲げることとしております。建設業と製造業については、修正案としては削減率というよりも絶対数で、建設業については300人以下、製造業については160人以下に減少させるという目標を示しております。
 続きまして、?メンタルヘルス対策の目標です。メンタルヘルス対策については、いわゆる一次予防である労働者への教育研修・情報提供に関して、労働者だけではなく、管理監督者への教育研修・情報提供も必要ではないかというご示唆を受けましたので、これを入れるとともに、数値目標としてそれを行っている事業場の割合として50%以上という値を出しました。メンタルヘルス対策としては、まず一次予防に力を入れるべきということで、後段の目標については削除しております。
 次に?過重労働対策の目標です。こちらは、同じ新成長戦略の中で週労働時間60時間以上の雇用者の割合を半減させるという目標がありますので、これも平成20年の段階で10%からプロットして、途中段階の平成29年に6.4%という数字になります。また、平成23年との比較、これは平成24年の速報値が出ていませんで平成23年との比較になっていますが、これで30%減少という目標値を掲げております。
 ?化学物質対策ですが、これは特に修正はかけておりません。化学物質安全データシートの交付を行っている化学物質製造社の割合を80%とするという目標です。
 ?腰痛予防対策です。腰痛予防対策については、休業4日以上の災害と同様の考え方で目標値を設定しております。ただし、こちらも平成24年度の速報値が出ていないので、平成23年の値を起点にして減少率12.9%を出しております。
 ?熱中症対策です。熱中症については死傷災害で目標を立てていたのですが、これは季節・気候による変動がかなり大きいということもありますので、単年度での比較ではなくて、5年間の合計値で比較していくという考え方にしております。このグラフですが、赤い棒グラフがそれぞれ単年度の休業4日以上の熱中症における死傷者数で、青い折れ線グラフは過去5年間の死傷者数の合計で、例えば平成15年の数字は平成11年から平成15年までの合計値ということです。この折れ線グラフで見ると、平成21年度に少し下がっておりますが、長期的に見るとずっと増加傾向にあります。この増加傾向に歯止めをかけるということで、平成24年までの5年間合計値と平成29年までの5年間合計値の比較で、20%削減するという目標を上げております。
 最後に?受動喫煙対策です。こちらは修正はありませんが、新成長戦略の目標とプロットするとこのような姿になるということで、平成29年までに職場で受動喫煙を受けている労働者の割合を15%以下にするといった目標です。以上です。
○分科会長 それでは、これについてご意見をいただきたいと思います。
○明石委員 いまご紹介いただいた中で、「新成長戦略」とそれをリニューアルした「日本再生戦略」は、目標は3つしかありません。少し拡大してやられているような気がします。そういうことで、?、?、?については中に書かれていますので、これは目標としていいと思いますが、内容については異論があります。そのほかについては、こういう細々した目標を付けられると、数字が独り歩きしたりしますし、それによって事業者に過大な負担を負わされる懸念がありますので、これについては、容認はできません。
 2つ目は、目標の設定の仕方に異議があります。例えば、?に第三次産業の目標とありますが、トレンドをかなり無視して、真っ直ぐ線を引いただけになっていますし、第三次産業というものすごく広い中で、小売業を重点項目にすると聞いておりますが、これだと第三次産業全部が重点項目になってしまいます。そういう意味では、こういう目標の設定の仕方はまずいのではないかと思います。もっと産業の特性とか、産業人口の移動とか、事業所数の増減とか、そういうものをきちんと見て目標を設定していただかないと、かなり問題になるのではないかと思います。
 また、?の過重労働対策ですが、この分科会で議論した話ではないので、これをここに持って来られても非常に問題があると思います。
 先ほど申し上げた3つの目標のうち、?についてはもう少し強度率とか、その辺も少し加味をしていただきたいと考えています。
 メンタルヘルスについては、書き方が新成長戦略等と違った目標の書き方になっているのですが、これでいいのか。また、?の受動喫煙については、先般も申し上げましたが、今年の春先に決めたのが年間2%減です。これを平成29年までに15%にするということは、年間5%減ということになります。日本再生戦略では、2015年の中間目標で2007年の半減と書かれています。65%の半減なので、32.5%。それは、1年にすると今後3年で2.5%なので、そういう意味ではこの15%というのは難しい、現実的ではない目標のような気がします。メンタルヘルスと受動喫煙については、いま改正安衛法案が出ていますので、それがある程度目処がつくまで、これは記述を差し控えたほうがいいのではないでしょうか。以上です。
○宮野安全衛生部長 個別の細かな項目そのものについては、また別途説明させていただきますが、私から何点か申し上げます。
 1つは、明石委員からご指摘がありましたとおり、新成長戦略そのものに設定をされている目標は確かに3つですが、これは労働災害防止計画なので、新成長戦略そのものではなくて、むしろそれを更に詳細に、個別の対策に対してどういう対策を行っていくかについて計画を立てるものです。そうした観点から、これは前回も申し上げましたが、確かにこれまでの労働災害防止計画では大きな目標しか設定していなかったということではありますが、現在、行政の遂行の中でもさまざまな事業について、それぞれの項目についてPDCAを働かせて、それぞれどういった効果が上がっているのかをきちんと検証しながら行っていくということで進めるべしという流れになっております。
 そうした観点から、今回の12次防については大きな全体としての死傷者数、あるいは死亡者数の目標だけではなくて、いくつかの重点的な項目についても設定をしたいと考えております。具体的に労働災害の発生件数、全産業の動きを個別に見れば、それぞれ業種ごとにも大きく減っているもの、あるいはむしろ増えているもの、近年増加傾向にあるものがありますので、私どもとしては、そういったものについてそれぞれ細かな対応が必要ではないかと考えております。いずれにしても、これは非常に大きな点、11次防と大きく変わる点ですので、委員の皆様方に是非十分ご議論いただきたいと思っております。
 メンタルヘルスと受動喫煙ですが、これは確かに私どもとしても正直非常に悩んでいるところで、明石委員がご指摘のとおり、今、改正労働安全衛生法案が継続審議中ということになります。これがどうなるかによって、これから5年間の私どもの施策の進め方が大きく変わってくる部分はあると思います。そういう観点で、近々10月末にも臨時国会が開催されるという話も聞いておりますので、そこでどのようになるのかということもありますが、そうした状況を踏まえながら、この点についてはもう少し状況を見ながら検討したいと思っております。
 もう1点、過重労働です。確かに過重労働対策をどうするかについては、どちらかと言えば労働条件分科会の所掌であると思います。ただ、安全性対策の観点から言えば、今日ヒアリングの中でもお話が出たとおり、この過重労働の部分についても、安全衛生に大きくかかわる部分であることは確かであろうと考えております。したがって、もしこの部分について、仮にこの場での議論ではなくて、例えば労働政策審議会の場で議論すべしということであれば、その部分については労働政策審議会でご議論いただくということも含めて考えたいと思います。これはまたご相談させていただきたいと思いますが、とりあえず私から総論的なところについてお答えしました。
○半田安全課長 第三次産業の数値目標についてご指摘がありましたのでお答えします。
 ただいま部長からも申し上げましたように、数値目標は、これまでも全産業としては掲げておりましたが、それぞれ災害防止に取り組んでいただくには、それぞれの特色を持った業界ごとの取組みが必要になってくると思います。そういう意味で、第三次産業に限らず、各産業について死傷者数なり死亡者数なりの目標値をある程度設定したいということは、是非ご理解をいただきたいと思います。
 特にご指摘のあった第三次産業ですが、一括りに「第三次産業」と言ってもいろいろな業種があって、二次産業そのものも三次産業化していくような傾向がある中で、目標としてはどんなものなのかというご指摘かと思います。第三次産業も、これまでもご説明しておりますが、中身を見ると、例えば卸小売業や医療福祉業、あるいは宿泊業や飲食業といったところが大きな部分で残っておりますし、こういったところは、言葉は悪いですが、まだまだ私どもの従来の4S運動やKY等を普及していくことによって災害を抑止、あるいは減少させていくことが可能なのではないだろうかと考えております。また、そういった目標を掲げて取り組まないと、全産業としてこれだというだけでは、第三次産業の皆さんに対する私どもの指導もやりにくいし、受け手としても何をどうやっていくかというところが見えづらいのではないだろうかと思っております。そういったことで、この目標を掲げさせていただきたいと考えております。ご理解をいただきたいと思います。
○椎葉労働衛生課長 受動喫煙について補足します。受動喫煙の目標ですが、これについては平成19年が65%ほどでしたが、直近の平成23年度末の調査においては、43%までに減少するということで、事業場における取組みは徐々に進展してきており、現時点で達成不可能な目標ではないと考えております。私どもとしては、事業場の取組みを一層促進するために、受動喫煙防止対策助成金の助成率について、来年度より現行の4分の1から2分の1に引き上げることや、さまざまな説明会の実施など啓発・普及を行い、そういった対策を強化する予定ですので、そういったことで目標達成を目指したいということです。
○新谷委員 いま明石委員から目標設定についての枠組みというか、大きな話が出ましたし、安全衛生部長からもご答弁いただいて、委員での論議をお願いしたいということですので、明石委員の提起に対して労働側としてどのように受け止めるかということを申し上げます。
 ご指摘いただいた内容は、新成長戦略なり日本再生戦略の中の目標設定と、今回の12次防での各論に当たる目標設定との考え方だと思いますが、これは私ども労働組合の立場からもそうですし、明石委員の所属される経済団体もそうですが、個別企業の中では労働者や従業員が健康で安全に働くために、労使で協同して取組みを進めていて、現場では取組みを徹底するためにいろいろな目標を作って、かつ非常に分かりやすい目標を設定して、本社のレベルから事業場の現場までそれをずっと流していって、安全活動をやっているわけです。
 そういった意味で、今回示された目標は、あとで目標設定のあり方そのものについても申し上げますが、目標を立てていって、現場まで巻き込んで取組みをするという面では、何らかの目標を設定して、かつそれは分かりやすいもので、みんなが取り組めるものが必要だと思っております。これは12次防ですから、労使で一緒に取り組めるものを、是非使用者側の皆さんと一緒に設定をして、私どもも一緒にこれを取組みとしての目標としたいと考えておりますので、当面の見解を申し上げておきます。
 過重労働の扱いですが、確かにご指摘のとおり、この分科会と労働条件分科会にまたがる事項だと思っております。ただ、過重労働が労働災害を引き起こす原因になっているということで言えば、対策については労働条件分科会で法規制なりを考えればいいと思いますが、災害を起こさないということを目標にするのが、この分科会の所管ではないかと思いますので、私自身はここで論議をすることには何ら違和感を覚えておりません。是非、これも目標として設定していくべきではないかと考えております。
○半沢委員 目標設定のあり方について、ある基準に従ってパーセンテージでの表示がされているということについては、分かりやすさの点においては理解できると思っております。更に分かりやすくするという観点から、できる限り絶対値での記入もあったらいいのではないかと思います。
 もう1つ、いまのご議論にもありましたが、これは骨子の段階であり、また12次防としての目標はこうだというお話であるということは理解しておりますが、そもそも災害を起こさない、ゼロにするというのが究極の目標です。その上で、一定の期間を定めて目標を立てて取り組むというのが、安全衛生活動だと思っておりますので、そういう意味では積極的な目標であるべきだと思います。逆に言うと、立てた目標を達成すればそれでいいのだというものでもないのだと思います。更にそれから先も目指していくのだという意味も含めて、目標値を定めているということを確認していただけるとありがたいと思っております。
○角田委員 明石委員のご指摘は、労働災害防止計画の数値目標の中身についてもう少し大雑把な数字でよいのではないかというご提案ではないかと思います。確かに新成長戦略のお立場からはそのような考えもよろしいと思いますが、もともと労働災害については産業ごとに過去において多くのデータが累積されてきており、それらの数字を基にいろいろと検討・計画することは現時点で可能となっています。従来も労働災害防止の活動はそれらを基に進められてきたと認識して間違いないという気が致します。ですから、緻密な積重ねの上に労働災害防止事業としての全体の成果が期待できるのではないでしょうか。労働災害が減るということは国益にかかわる極めて大事なことであり、従来からの姿勢を継続進展させて行くのは好ましいことではないかと思います。私は自分の専門領域にふくまれるものに衛生統計があり、現実にデータを扱いますので、そんな感じが強く致しました。
 メンタルヘルスや受動喫煙、過重労働などのことが話題になっていますが、現場で産業保健、労働安全衛生の専門職が業務にかかわる場合、労働政策審議会の場では他の分科会との守備範囲ということがありますが、現場ではそれらを総合的・統合的に限られた人員のティームでやっているのが現実だと思います。そして、この第12次防は産業保健に携わる私たち自身が仲間と協力しあって進めるわけですが、実際に総合的・統合的にティームとして業務を行うには、全体を網羅しているもののほうが、分かりやすく、使いやすく、また受け入れられやすいと思います。少々第三者的な意見でありますが、そのような印象を感じております。
○明石委員 新谷委員からも力強いご発言をいただきましてありがとうございます。私は当然労災が減ってはいけないと言っているわけではありませんし、先生がおっしゃったことも重々理解をしているつもりです。
 ただ、目標の設定の仕方が、例えば労災保険の料率を決めるときには、もっと10年ぐらい遡って、きちんと全部数字を出してやられる話ですし、最終目標がこれだからということで直線を引いてこうしますというのは、日程設定の仕方としては、あまりにもあり得ない話で理解できないのです。もっと懇切丁寧にいろいろな要素を考えていただいて、これは新成長戦略ですから、成長がない所には、いくら言っても安全衛生のほうに回ってこない部分もありますので、成長あってこそ、企業の発展があってこそ、安全衛生対策も十分にとられるという意味では、そういうところをしっかりやっていただきたいと思います。
 個別に言うとミクロの話になってしまうのでしませんが、例えばこちらは死傷者数なのにこちらが死亡者数であったり、そういう目標の取り方は何となく安定感が悪いような気がします。もう少しきめ細かい数値を取って、実現可能性のないものをいくら出しても仕方がないと思いますし、PDCAを回すのであれば責任を問われる話です。それと、安全衛生法6条で審議会の意見を聞けと書いてありますから、審議会自体にも責任がある話なので、もう少ししっかりした目標設定を考えていただきたいと切に望みます。
○宮野安全衛生部長 今日は時間が限られていますので、いずれにしても、個別の目標についてはご意見を引き続きいただければと思います。例えば、いま「死亡」と「死傷」とそれぞればらばらで、おかしいではないかというご意見がありました。これは、骨子案そのものを見ればご理解いただけるかと思いますが、前から申し上げているとおり、今回の計画については、大変厳しい状況の中である程度重点的な対策を取りたいという観点で、重篤な災害は多くはないけれども、件数としては増えている、あるいは、減っていない業種については死傷者数を主に目標として設定したい。
 一方で、これまで非常に業界としてご努力をいただいて、労働災害の発生件数自体は下がっている、死亡者数も減ってきてはいるけれども、絶対数で見ると、先ほどご意見をいただいたように、本来死亡者はゼロにしなければならないものだと思っていますが、全体の中で死亡者のウエイトが非常に大きい所については、死亡者を目標として設定しているといった形で、今回の個別の目標については設定をしております。これについては、いずれにしてもそうした目標の設定の仕方がいいのかどうか、一律に死傷者数、あるいは双方で設定すべきだというご意見もあるかもしれませんが、ご意見をいただければと思います。
 もう少し精緻な形で目標を設定すべきではないかということですが、ご案内のとおり、そもそも労働災害の発生件数自体は、経済活動の状況や雇用者数が伸びている、減っているといった状況によっても大きく影響されるものだと思います。したがって、景気の状況は先がどうなるかは分かりませんが、雇用者数について言えばこれまでのトレンドもあり、そういったものを考慮するという考え方も、もちろんあると思います。その点についてもご意見をいただきたいと思います。
 他方、明石委員から先ほどお話があったとおり、乱暴に作った目標が独り歩きをすることについてのご懸念があるということは、十分理解できると思います。周辺の状況を考えずに非常に高い目標を立てて、それが独り歩きをして、非常に無理な行政指導が行われるといった事態を想定されているのだろうと思います。ただ、これについてもお示しした骨子案の最後にも記載していたと思いますが、基本的にこの5年間の災害防止計画も、立てっ放しで、あとはとにかく目標を達成してくださいというものではなく、この分科会の場でも状況を随時フォローアップして、ご報告してご意見をいただき、経済情勢やその他諸々の状況によって、対応も5年間一律に同じ形でやるということではなく、当然弾力的に行うものであると思います。これは前回ご質問いただいたとおり、それがものすごく大きな周辺関連状況の変動があれば、もちろん計画そのものの見直しということもあるかもしれませんし、少なくとも計画は立てっ放しで、あとはとにかくそれでゴリゴリやるのだというものでもないということも、併せてご理解いただければと思います。
○木口調査官 今日は骨子案のペーパーをお配りしていないのですが、骨子案の最後に、6として「災防計画のPDCAサイクルの強化」という項目があって、この中で「労働災害防止計画の評価にあたっては、単に死傷者の数や目標に掲げた指標の増減のみで評価するのではなく、その背景となった又は影響を及ぼしたと考えられる社会的指標や社会経済関係の変化も含めて分析を行う」と書いてあります。ですから、一度目標値を付けて、それに達した、達しないということだけで評価をするのではなく、それでこの計画の期間中に経済情勢等でどういうことがあったかを総合的に判断するということは、是非ご理解いただきたいと思います。
○犬飼委員 いまPDCAというお話がありましたが、PDCAを回すためには、その基になる評価のための毎年なり中間年なりのデータが要ると思うのです。いまの体制でそれが取得できるような状況にあるか、データを入手できるのかということを1点お伺いしたいと思います。
 また、データの拠り所になる統計ですが、実は非常に災害が増えているということで、先般、宮野部長のお名前で緊急要請が出されました。その文書を見ると、全産業で休業4日以上の件数は前年比の7.9%増、死亡災害は14.4%増。単純に掛け算したら、死亡のほうは数字が合うのです。ところが、死傷災害件数は平成23年度の11万1,348に掛けても数字が合わない。恐らく、これは労災保険の関係や一人親方の特別加入の関係があると思うのです。しかし、私たちが拠り所とするデータは、例えば厚生労働省で統計を取っている労働災害の発生状況、あるいは「職場のあんぜんサイト」になります。こうした統計の数値と全然データが違うのです。ですから、是非データの一元化というか、考え方として労災保険だけを取ったほうがいいのか、あるいは特別加入のところをどういう扱いにするのかという辺りを、つまりいちばん基になるところをしっかり決めていただきたいのです。
 サイトにはいろいろなデータがありますが、例えば第62回の分科会でいただいた「労働災害防止計画関係統計データ集」のデータとも全然違います。どこの数字とも合わないのです。これはどこから出てきたのかと私は思っているのです。東日本大震災が含まれているか含まれていないかということはあると思いますが、いずれにしても分からないわけです。だから、データを出すときに、その根拠というか、これを除いているからこうなのだといった説明書きを入れていただき、誰もが比較できるようなデータに是非してほしいと思っています。
○半田安全課長 ただいまご指摘のあった、死傷災害等の数字のことだと思いますが、これは専門的なお話になってしまいますが、これまでは労災給付データをベースにして統計を取ってきました。いま、それを死傷病報告の届け出られたものをベースとした統計に切り替えようとしているところです。給付データを使っていたのにはそれなりのわけがあって、当時いろいろな起因物云々の分析をやるにあたっては、そういったものしかなかったわけです。この死傷病報告がきちんと取れて、監督署の職員が入力者になって、これが使えるようになってきましたので、基本的にはそちらのほうに変えていきたいと考えております。若干のでこぼこがあるのは事実ですが、全般的に見れば、基本的には傾向は一致してくるものと考えております。
 なお、ご指摘のように、特別加入のところをどう扱うかといった問題もありますので、それは考えていきたいと思っておりますが、基本的な流れとしては、今後さまざまな要因分析、対策を考えていく上でも、死傷病報告をベースとしたものに切り替えていきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。また、データがどちらに基づいているのかを明確にすることは当然のことだと思いますので、そのように努めてまいります。
○犬飼委員 データは大丈夫なのですか。
○木口調査官 62回のときに出したデータですが、平成23年の数字は東日本大震災を直接原因とするものを含んだデータで、今回目標を掲げるにあたって、計算しましたのはそれを除外したものです。その辺も、今後どのような性格のデータであるかはきちんと確認したいと思います。
○犬飼委員 いま厚生労働省が、例えば過重労働とかメンタルヘルスとか、そういったデータが1年ごとに取れるような事務局体制にあるかということをお聞きしたのです。
○木口調査官 長期的なデータについては、総務省の統計局で実施しているものが5年に1遍のデータということで取っております。あとは研究機関などに依頼して臨時的に取ることもあり得るのですが、常態として取っているのは5年ごとのデータです。
○犬飼委員 5年ごとのデータだと、PDCAを回すことができないのではないですか、そこをどのようにやっていくのですかということをお聞きしているのです。
○椎葉労働衛生課長 メンタルヘルス対策などについては、中間年度に調査を行うということで、これもJILPT等が調査をしていますので、評価をするためにもそういったことは検討したいと思います。
○新谷委員 2点申し上げます。1点は、先ほど明石委員が目標設定について、もう少し精緻な分析をしてはどうかとおっしゃいましたが、全くそのとおりだと思うのです。ただ、これは本当に難しいと思っていて、いろいろな変数があって、精緻にすればするほど分析が難しいと思うのです。そういった意味では、いま出ている数字、24.2%減らすとか16.8%減らすとか、これは目標としては非常に分かりにくいというか、目標になりにくいと思っています。先ほど半沢委員がおっしゃったように、みんなが取り組める分かりやすい数字、具体的には絶対値の人数等が出るのであれば、それに向けて減少させていくほうが、共通の目標になっていいのではないかと思いますので、そういった面で検討いただきたいというのが1点です。
 もう1点は、各論の中身が変わった点が8ページのメンタルヘルスの部分です。これは内容が変わっていて、前回の修正前と修正後で見ると、管理監督者について教育研修・情報提供の対象に加えたことは一歩前進だと思いますが、事業場の割合50%という数字が出てきて、これは何だろうという感じがします。要するに、これは5年後にたった50%かと、ここは100%でもいいのではないか、あるいはもともとあったような情報提供を徹底するといったことでやったほうがいいと思います。加えて、修正前にあった職場復帰の支援が削除されてしまったということは、大きく後退しているのではないかと思っております。
 労働安全衛生法改正法案を出す際の分科会の建議の中で、職場復帰のプランについて事業主の取組みの支援等を行うという共通認識があったわけです。それにもかかわらず、職場復帰支援の目標が削除されており、いわゆる三次予防については全く抜けております。もともと一次予防と労働安全衛生法改正法案に盛り込まれている二次予防、そして三次予防の目標が入っていたのに、一次予防の目標のみになっており、これは大きく後退していると考えております。是非、ここは再考をお願いしたいと思います。
○椎葉労働衛生課長 メンタルヘルス対策の目標ですが、これについては私どもは一歩後退とは感じていなくて、実はいろいろと考えました。まず、メンタルヘルス対策は一次、二次、三次とありますが、二次予防については改正安衛法が施行されれば全ての事業者に義務づけられるということで、法律上は100%になる予定です。一次予防と三次予防ですが、骨子案の本文においては、一次予防である管理監督者、労働者への教育研修・情報提供の推進と、三次予防である職場復帰対策の促進については本文ではきちんと記載していて、それはかなり充実した内容です。
 ただ、目標については、確かに前案につきましては一次予防と三次予防を入れておりましたが、三次予防のくだりが「労働者数50人以上の規模の事業場においては」ということで、かなり限定したものです。そもそもこの「50人以上の事業場」ですが、中小の事業場においては調査の割合が低いところがあって、50人以上の事業場の数が少ないわけで、ほとんどの事業場が目標に関与しないということです。それでいろいろ考えて、下の修正案ですが、50人以上の規模に限ることなく、全ての事業場において労働者と管理監督者の教育研修・情報提供を行っていくのを50%にするということです。
 そういったことで、後退したわけではなくて、本文と照らし合わせて、目標はスリムにしたということです。
○新谷委員 そうであれば、修正前の3行目の「労働者数50人以上規模」という文言を削除する修正のみをしていただければ、私どもとしては非常によろしいのではないかということを提案したいと思います。
○分科会長 ありがとうございました。時間が迫ってきましたので、簡単にお願いします。
○明石委員 皆さんにいろいろ意見をいただきましたが、短時間で私もまとめができておりません。PDCAを回すということであれば、目標の付け方についてはまだ納得ができませんので、またご相談をさせていただきたいと思いますし、次回も少し意見を言わせていただきたいと思います。
○分科会長 数値目標については、いま新谷委員からもありましたが、パーセントより絶対値のほうがいいというご意見もありました。今日は議論を尽くすには時間が足りませんので、継続審議としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。次の分科会ですが、来週の水曜日、小売業の関係団体からヒアリングをしたいと思いますので、よろしくお願いします。事務局からご連絡をお願いします。
○井内計画課長 本日は、遅い時間までご議論いただきましてありがとうございました。ただいま分科会長からご案内いただきましたとおり、次回の分科会は小売業の関係団体からのヒアリングを予定しております。10月31日(水)に行いたいと考えております。また、これまでの審議を踏まえて、骨子案の修正案をお示ししたいと思っております。併せて、今日いろいろご議論いただきましたが、まだまだ議論が尽くされておりませんので、目標値についても引き続きご議論いただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○分科会長 ありがとうございました。それでは、本日の分科会は終了いたします。議事録の署名につきましては、労働者代表委員は辻委員に、使用者代表委員は瀬戸委員にお願いします。
 それでは、今日は議論をいただきまして大変ありがとうございました。これで終了いたします。


(了)

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