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2012年10月9日 新型インフルエンザ等対策有識者会議 医療・公衆衛生に関する分科会(第2回)議事録

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成24年10月9日(月)18:00〜20:30


○場所

厚生労働省 9階 省議室


○議題

(1)新型インフルエンザ等発生時の医療提供体制について
(2)医療関係者に対する要請・指示、補償について
(3)抗インフルエンザウイルス薬について
(4)水際対策について
(5)その他

○議事

○佐々木室長 定刻になりましたので、ただいまより第2回医療・公衆衛生に関する分科会を開催いたします。委員の皆様方にはご多忙の折、お集まりいただき御礼を申し上げます。初めに委員の皆様の出欠状況を確認いたします。本日は11名の委員及び井戸委員の代理として兵庫県疾病対策課田所課長にご出席いただいております。また、押谷委員、大橋委員、河岡委員、櫻井委員、古木委員、丸井委員の6名の委員からご欠席されるとのご連絡をいただいております。それでは、以降の議事進行を岡部分科会長にお願いいたします。カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
○岡部分科会長 こんばんはという時間ですが、皆さん、お集まりいただいてありがとうございました。今日は8時半までということになっております。いろいろ議論があるところだと思いますので、積極的に意見を事務局側に示すというような形でお願いいたします。最初に資料の確認からよろしくお願いします。
○佐々木室長 配付資料ですが、議事次第、資料1「新型インフルエンザ等感染症発生時の医療提供体制について」、資料2「医療関係者に対する要請・指示、補償について」、資料3「抗インフルエンザウイルス薬について」、資料4「水際対策について」です。参考資料1は前回の第1回の分科会の主なご意見をまとめたものです。なお、参考資料2については、いま参考資料1の議題1の○の下から3つ目の「分科会で検討する場合の論点整理を行う委員の名簿を提出していただきたい」というご指摘がありましたので、参考資料2として名簿をつけさせていただいています。なお、この名簿のうち上から3つ目の「医療体制について」ですが、岡部分科会長から当日に川名委員、小森委員、永井委員というご指名がありました。そのあと、ご指名のあった委員の先生方及び岡部分科会長とのご相談により、坂元委員を追加という形にさせていただいております。参考資料3は参考資料1の議題1の下から2番目の○、「ガイドラインの見直し意見書が法律のどの条項にかかわっているのかわかる資料を作成していただきたい」というご指摘がありましたので、横紙ですが、項目とガイドライン見直し意見書、特措法、附帯決議の各々の条文等々、政省令・告示に関係するのはどこかというのを一覧表にまとめたものです。参考資料4として「新型インフルエンザまん延期の診療継続計画作り」、参考資料5「臨時の医療施設等に関する参考資料」、参考資料6「医療関係者に対する要請・指示、補償に関する参考資料」、参考資料7「新型インフルエンザの診療等に関する情報」に関する事務連絡、参考資料8「ファクシミリ等による抗インフルエンザウイルス薬等の処方に関する参考資料」、参考資料9「新型インフルエンザ発生時等における対処要領」です。資料の不足等ありましたら、事務局にお申しつけください。いかがですか。
○岡部分科会長 特になければ議事に入ります。よろしくお願いいたします。議事は、今日の1番目の議事として「新型インフルエンザ等発生時の医療体制」、資料としてある「要請・指示、補償」、「抗インフルエンザウイルス薬」「水際対策」となっています。いちばん最初、国内の発生早期までの医療提供ということで事務局から説明をお願いします。
○佐々木室長 資料1、参考資料でいえば参考資料4と参考資料5を用いて説明させていただきます。資料1の1頁目です。新型インフルエンザ等対策特別措置法における医療提供体制ですが、第47条に医療等の確保、第48条に臨時の医療施設等が規定されております。真ん中の四角の中に各々の条文に関係するところの概略を書いています。医療等の確保は指定公共機関等である病院その他の医療機関は、業務計画を事前に立てておき、それに定めるところにより、必要な措置を講じなければならないということです。
 臨時の医療施設は、都道府県知事が病院等その他の医療機関が不足して、医療の提供に支障が生じると認める場合に臨時の医療施設を作り、医療を提供するということです。従来の政府行動計画、ガイドラインにも関連する部分もありましたが、特措法ができたためにご議論いただく必要があるということです。
 1枚めくっていただき裏面です。地域の医療体制の考え方です。まずは現在の行動計画、ガイドライン等でどのような規定がなされているかを中心にご説明します。この図ですが、国における発生段階が未発生期から再燃期と書いておりますが、都道府県によっては、あるところでは患者さんが発生しているところもありますし、あるところではまだ発生していないということもありますので、発生段階はさまざまであるというのを示した図です。各々の段階に応じて医療体制が計画、ガイドラインに規定されています。
 4頁、5頁です。行動計画においては未発生期に都道府県等が原則として2次医療圏を単位として、保健所を中心として関係機関と関係者からなる対策会議を設置し、医療体制の整備を推進することになっています。国内感染期に備えた医療の確保として、すべての医療機関に対して、診療継続計画の作成を要請し、それを支援する。地域の実情に応じ、感染症指定医療機関等のほか、公的医療機関等で入院患者を優先的に受け入れる。入院患者が増加した場合に備えて、使用可能な病床数を事前に把握しておく。患者さんが医療機関の収容能力を超えた場合は公共施設等で医療を提供する等が規定されております。
 ガイドラインですが、計画とほぼ同趣旨ですが、重症患者の医療を確保する観点で、軽症の方については自宅での療養をしていただくということ。医療機関は一時的に超過収容はやむを得ないけれども、基本的にできるだけ病診、病病連携の中で対応する。自宅の療養体制も確保するということも書いてあります。
 6頁、7頁です。海外発生期から国内発生早期の医療提供体制に関してであります。行動計画では、帰国者・接触者外来で、帰国者や国内患者の濃厚接触者の診断を行うことになっております。新型インフルエンザと診断された者は原則として、感染症指定医療機関で入院をしていただくことになっています。
 8頁です。ガイドラインの見直し意見書では、例えば、帰国者・接触者外来を設置する医療機関等のリストを作っておくとか、外来の設置箇所については、概ね人口10万人に1カ所程度確保する。入口等を分けるような対策や事前に訓練をしておく。入院医療の提供については、感染症指定医療機関、結核病床を有する医療機関などで行うということなどを提言いただいております。
 矢印の右側ですが、本日、ご議論いただきたいポイントの1つはガイドラインの見直しに当たりまして、専門家会議でまとめていただいております見直し意見書を踏まえて、ガイドラインの見直しをしていくということでいかがかというのが1点です。
 ただし、人口10万人に1カ所という点については、下の9頁の参考を見ていただきますと、2009年の新型インフルエンザ発生時の発熱外来設置状況ですが、人口10万人に1カ所設置した場合の箇所数がいちばん右の列で、実際に2009年に設置した箇所数では、例えば青森県、秋田県、茨城県のように人口10万人に1カ所より多いところもありますし、また例えば北海道、岩手県のように、人口10万人に1カ所より少ないところもありましたので、ガイドラインの人口10万人に1カ所程度の部分については、地域の実情を勘案できるような形での見直しを追加してはどうかということも合わせてご議論いただければと思います。
 次に10頁です。最初の入院は感染症指定医療機関でお願いするわけですが、現在の整備状況がこの表のとおりです。また、11頁は前回の例で、発熱外来と書いてありますが、帰国者・接触者外来の参考例です。12頁には横浜市の例ですが、聖マリアンナ医科大学の病院と連携してプレハブの外来を設ける用意しているということです。
 13頁からは、国内感染期の医療提供体制です。行動計画においては、国内にも多数の患者がおりますので、一般の医療機関において診察をしていただくということを想定しております。入院治療については重症患者が中心になりますが、病床の不足が予想される場合には、臨時の医療施設が必要な場合が出てまいります。
 15頁ですが、ガイドラインの見直し意見書に関しては、14頁の行動計画の図と同じですが、通常のインフルエンザ診療を行うすべての医療機関で、診療を行う体制を確保する。診療体制について住民への周知を図っていく。地域の中核病院の診療に他の医療機関の医師が協力する。公的医療機関等で入院患者を優先的に受け入れる。自宅療養ができる方は退院をしていただくとか、待機可能な入院、手術を控えるということもご提言いただいております。そこで論点ですが、ガイドラインの見直しに当たり、国内感染期以降の医療体制として、見直し意見書の内容でよろしいかというのをご議論いただければと思います。次の頁からは参考資料が続きます。16頁はインフルエンザの重症度と必要な医療の関係ということで、重症ほど高度な医療機器とか濃厚な治療が必要という図です。
 17頁からは医療機関連携の例です。17頁は沖縄県中部地区の連携体制です。一般の診療所から救急告示病院、中部病院ということで、重症な方を拠点病院である中部病院で診ていくという図です。18頁は仙台市の例で、2009年当時も同様の体制がありましたが、確認したところ、現状も変わっていないということです。19頁は佐賀県の例です。小児科、産科、透析、循環器・呼吸器疾患等、各々の診療科別に役割分担を決めています。A、B、C、Dと書いてありますが、実際には医療機関名が入ったものが既に出来上がっています。
 また、20頁は日本医師会で出されております、対策の実践ガイドからお借りしたものです。新型インフルエンザのまん延期、右側ですが、この時期は待機可能な診療を延期したり、慢性疾患には、長期処方するなどで業務を減らす等々により、新型インフルエンザ関連の診療枠を作り、出勤可能な職員が減ることにも対応するということで、診療継続するとなっています。
 21頁は平成20年度に厚生労働科学研究補助金で、医療機関の診療継続計画を作るための手引きを作成しております。参考資料4として全体版をつけております。
 22頁は現在の全国の病床数をまとめたものです。「計」のところで四角で囲っておりますが、病床数としては91万3,653ということですが、病床利用率の全国平均が82.3ありますので、現在、既存の病床で使っていないところは単純計算で16万床ある。政府行動計画の被害想定によりますと、新型インフルエンザにより39.9万人の入院患者が生じるということです。単純計算で、そのうちの16万床は空いている病床が使えるのではないかというデータです。
 23頁は医師、看護師等のデータです。日本の病床数は世界的に見ても相当多いのですが、医師数が少ない傾向があります。いちばん下の図のように総数としては伸びてきておりますが、新型インフルエンザ等の患者が多く発生した場合に、どう対応するかについてご議論していただくための資料です。
 24頁はあくまでも議論のための参考資料です。例えば、医師不足した場合に医師の確保の手段としては、病院勤務医や診療所勤務医による当番ということで、先ほど申し上げたように中核的な医療機関を支援するとか急を要しない検査、手術については延期することによる応援を考えられないか。研究職に就いている臨床系医師についても研究業務を一時的に中止していただいて応援に回っていただく。健診業務も中止して回っていただくパターンもあり得るのではないか。看護師については、一時的に離職しておられる方の応援を想定するのと、養成機関について休講ということもあり得ますので、応援も考えられるのではないか。健診については医師と同様です。
 25頁は全体的な説明の図です。まずは、日頃からの地域医療の連携の中でカバーをして、対応していただくわけですが、それでは対応できない場合に、入院患者については超過入院とか病床・病室でない場所への入院ということで、医療法の範囲内で臨時応急の対応をしていただく。さらに、それを超えるような入院患者の対応が必要になった場合に特別措置法で、公共施設等を用いて医療を提供していくということです。
 次に大きく医療機関の対応能力を超えた場合の想定でありますが、26頁からの臨時の医療施設等についてですが、論点が2つあります。臨時の医療施設等の対象者としてはどのような患者を想定すべきであるか。もうひとつは、どのような施設を想定すべきかです。27頁の下段は医療を提供する場合のいろいろな設備に関して記載したものですが、例えば接触感染対策等ですと、ある程度間隔を空けてベッドを置くスペースとかマスク、消毒剤、水道施設等が必要なのではないか。抗インフルエンザウイルス薬の投与については、施設の状況にかかわらず、提供できるのではないか。心電図モニター等は電源が必要、酸素についても基本的に配管が必要なので、設備があるところでなければ難しいというところです。
 28頁です。論点1として、臨時の医療施設の対象者についてですが、臨時の医療施設に関しては、先ほどご説明したとおり、医療従事者が医療機関から他の施設へ出て対応するのもかなり厳しい面もありますし、高度な設備が急に用意できることも難しいのではないかというところで、例としては外来診療と酸素投与までは不要であるが、経口での水分摂取困難あるいは脱水傾向などで補液療法の対象となる患者などで、右の図で言いますと入院治療で軽度の方以下が対象ではないかということがご議論いただきたい論点です。
 もう1つはどのような施設を想定すべきかです。参考資料5をご覧ください。29頁の1つ目の例です。既存の医療施設において、病室でない部屋などを活用する場合、参考資料5の1頁、かなり準備ができている例を出しておりますが、聖路加国際病院に関していうと、例えば講堂には酸素、吸引がパイピングされており、ある程度のレベルの医療が提供できるような準備ができております。なかなかこういう施設ばかりではないと思いますが、スタッフもある程度院内におりますので、やりやすいのではないかなというのが1です。
 2は参考資料5で言えば2頁です。既存の医療施設、写真が外国の例ですが、左側の建物が医療施設です。庭のところに臨時の入院病棟のテントを作っております。これも設備面では厳しい面もありますが、医療機関が最寄りにありますので、人材や医療機器を用いて対応することも可能という例です。
 3は、体育館、公民館等を用いる例です。なかなかいい例がないので古い写真ですが、3頁目のような体育館を用いてベッドを並べてという例です。この場合は、設備があまり期待できないということです。電気等もないので濃厚な医療はかなり難しいのではないか。医療従事者も医療機関から離れてしまうとなかなか確保も難しいということですが、アクセスの点では公民館を使うということであれば、比較的便利なところにあるケースもあるのではないかということです。
 4の例は参考資料5の4頁です。停留の写真なので、必ずしも臨時の医療施設の例ではありませんが、ホテル等を活用するパターンです。この場合は、ベッド、トイレ、電気、水道等の設備はきちんと確保されているということですが、医療機器、人的な面では対応が難しいし、どこの施設を使うかによってはアクセスも違ってくるということです。このような様々な例を参考としつつ、地域の実情を踏まえながら準備をしていただくことが考えられるのではないかということで、先生方のご意見を賜りたいと思っております。私の説明は以上です。
○岡部分科会長 どうもありがとうございました。従来の新型インフルエンザ対策専門家会議のほうで案として出されているガイドラインについて特措法が出たことに関連して、そのガイドラインの所で見直すべき点があるかどうか、そういうことが今日の話の主な部分になると思います。特に事務局のほうからは意見を聞きたいという論点がいくつか示されているので、最初にそこの議論をして、その他に、質問あるいは意見があれば伺っていきたいと思います。
 いちばん最初が国内発生早期の医療体制ということで、資料1のスライド8という所ですね。そこに「医療体制について」ということがまとめてあり、ガイドラインの見直しにあたって、特に数をどうするかという論点についての意見を求める、ということが事務局から出されています。まずこの辺について議論をいただきたいと思います。
○田代委員 全体の議論の進め方に対しての質問です。この有識者会議は、私の認識では、特措法に基づいて政令を作り、それを3月までにまとめるということだったと思いますが、ガイドラインもしくは行動計画の見直し、これときちっと話を分けてディスカッションすべきではないかと思います。
○杉本参事官 もしかしたら全体に関わることですので。内閣官房の参事官の杉本でございます。先ほどの件につきましては、有識者会議全体の冒頭で申し上げたとおり、来年5月10日が法律の施行期限です。危機管理法制ということで、国会でも迅速なご審議をしていただきましたから、できる限り早く、春くらいに、5月より前に施行できるようにご検討をお願いしたいと思っております。1つおっしゃった、政令に関しては5月10日が限度なものですから、そこから逆算をして、パブリックコメントといったことを考えると、来年の1月か2月ぐらいには有識者会議としての考え方を示していただきたいと思います。
 一方、行動計画についてはここでご議論いただきつつ、私ども内閣官房のほうで全体的な原案を作成して、細かい技術的な話なのですが、内閣総理大臣が行動計画の案を作ったならば学識経験者に意見を聞くことになっております。これは法律の施行後でなければ手続きができなくて、ただ、施行を待っていて、初めてそこから議論するのでは遅いので、いまご議論をしていただいています。ですから、春に法律の施行をして、内閣総理大臣が行動計画の原案を作って、ここまでの議論を踏まえた形でまた皆様に原案を示すわけですが、それについて学識経験者の法律上の意見をいただくことになります。
 さらに、ガイドラインについては行動計画を受けた形になりましょうが、これはある事項について、行動計画に振り分けるのか、それともガイドラインに振り分けるべきなのかという議論も一方であろうかと思いまして、ここでは全体として、ガイドライン、行動計画についてご議論をいただき、その上で事項には振り分けていただくという形で、法律の施行、行動計画の作成、閣議決定、それから、ガイドラインの策定という形で順番に進んでいこうかと思います。
○田代委員 これはタイムスケジュールが限られているのですが、私の認識では、まず政令ができて、それに基づいてガイドライン、行動計画ができていくということなので、これをごっちゃにしてやっていくと、どこまでが政令でどこからがガイドラインなのかが非常に理解しにくいので、分けてディスカッションしたほうがクリアではないかと思います。
○佐々木室長 その参考ということで、前回の分科会でご指摘がありましたので、今回、参考資料3を用意いたしました。政令・告示に関する部分と、それから、行動計画の項目立ては合わせていませんが、ガイドラインの項目、法律、国会でいただいた附帯決議の位置づけということで分けたものです。いまご議論いただいているのは医療体制ですので、政令事項も含まれていますし、行動計画、ガイドラインにもあるので、多少わかりにくいのですが、先ほど杉本参事官の説明にもあったとおり、それをどこにどう位置づけていくかも含めて、ご意見をいただきたいと思います。
○田代委員 この表を見ても、医療体制の中の何を政令に書くのか、何をガイドラインに書くのか、この辺の区別がはっきりわからないので、何をディスカッションしていいのか、皆さん困っているのではないかと思います。
○佐々木室長 そこは論点としていくつか示していますが、これは政令事項かどうかということは、ご質問いただければお答えできると思います。いまご議論をいただこうと思っている47条、48条は政令事項です。本日ご議論いただいた内容を踏まえて、政令で位置づけておくべきものについては事務局のほうで整理して、またお示しすることになると思います。まずは全体の概念といいますか、方向性、考え方を中心にご議論をいただきたいと考えております。今日いただいたご意見につきましてはここは政令で、ここは計画で、ここはガイドラインではないかということも含めて、事務局のほうで整理してまた中間とりまとめで、ご相談したいと思います。
○岡部分科会長 ガイドライン改正案を作ったときの議論では、特措法はまだなかったわけですね。そのときには、一般的に新型インフルエンザ等と言われるような、いままでにないインフルエンザが来たときの対応策、その中の所で非常に重症な形での異常事態に対してどうするかが特措法にかかってくる。そうすると、このガイドラインの中で、この異常事態に対応できる部分、できない部分、そこが政令や何かで決まってくるという考え方でいいですか。
○杉本参事官 政令事項につきましては、有識者会議あるいは各分科会がありますが、これについては、私ども内閣官房でやっているのは、直接的には全体の親会議、それから、社会機能分科会で、そちらのほうでは、この部分は政令事項です、この部分は告示事項ですということで、その余の部分については行動計画ないしガイドラインマターだということでやってございます。先ほど申し上げたとおり、これは行動計画に振り分けるものなのか、ガイドラインに振り分けるものなのか、基本的には今の振分けが正しいと思いますが、特措法ができた中で、もう1回考えて振り分けてみるというのはあるだろう。資料の論点ごとにこういう振分けをしているつもりです。今回の事務局資料を見ていても、大体そんなふうに整理をしているのかという感じがしておりますが。
○岡部分科会長 もう1つはガイドラインのほうを、手本ではないけれど、国のほうがある程度示しておかないと自治体が困るでしょう。既に自治体のほうでは、これどうしようどうしようという声がずい分起きているのではないかと思いますが、どなたか自治体で。坂元委員、ご意見がありましたら。
○坂元委員 いままでの説明の中で、これは多分、いままでの行動計画から書かれたので、「都道府県等」となっていますが、特措法では「等」はなくて、都道府県ということなので、いま説明のあった文書の中で随所に、都道府県等、都道府県等と見られますが、現在の特措法の中では「等」はないと解釈できるのかということから考えますと、この法が1年を超えない範囲で施行されるというときに、行動計画はこのように「等」となっている。しかし、特措法は都道府県に限られて、都道府県に権限が集中していると。そうすると、特措法が出るときに行動計画が出ないと、行動計画の中には等、等、等となっていて、法律事項を反映していないので、その辺のタイミングも絡んでくると思うので、自治体としては、特措法の施行された後に行動計画がきた場合、いままでの特措法が生きるのか、特措法が施行された段階でこの行動計画をなしにするのか、それが最大の関心事なのですね。そこら辺を教えてください。
○杉本参事官 まず現行の行動計画ですね、これは特措法に従った手続きで、施行後に改正というか、法律的には「作成」をしていただく、実態的には「改正」をしていただくことになります。順番としては、政府行動計画ができ上がりまして、それを踏まえて都道府県の行動計画、それを踏まえて管内の市町村の行動計画を作成していただくことになっております。当然、施行された瞬間において都道府県行動計画、市町村行動計画が完全にでき上がっているとは思っていません。これは国民保護法も同じですが、やはり一定期間の検討する時間、もちろん、有識者会議の議論の様子は地方公共団体に適宜お伝えするようにしていますが、どうしても法の施行と行動計画の作成にはタイムラグはできてくる。ですから、施行された瞬間において、あるいは施行された後、行動計画がまだ改定されていない段階で新型インフル等が発生したならば、とりあえずその段階における行動計画は取り急ぎ手順を踏んで法律上の行動計画とせざるを得ないだろうと考えています。そこは運用の工夫かと思っております。
 それから、特措法の48条関連で、坂元先生が資料を引かれながら、「都道府県等」という概念がないとおっしゃいましたけれども、おっしゃるとおり、新型インフルエンザ等対策の現場的な権限については、基本的に都道府県知事に一元化することがよろしいかということで、地方公共団体とも協議をしてそのようにしております。ただ、48条の第2項にありますが、緊急事態宣言の発せられた区域を管轄する特定都道府県知事が必要あると認めるときは、政令で定めるところにより、臨時の医療施設を設置する事務の一部を特定市町村長に行わせることができるという委任規定、市町村に対する事務を下ろす規定も一部あります。こういった環境で、本日の資料の8頁の所には「等」がついているのかと理解しています。○坂元委員 例えば、資料4の「都道府県等は原則として2次医療圏」という、この「等」は、法律ではそう読めますか?私は読めないと思います。おっしゃることはよくわかるのですが、現実に、こういうものはいつ起きるかわからない、法律と行動計画の内容が食い違っている場合、地方自治体は、それはあり得ないということではなくて、そこがいちばんの懸念ですね。どう読んでいけばいいのか。いまおっしゃる、我々地方自治体としてはあくまでも法律が優先で、行動計画は法律ではないので、法を優先するという立前になりますので、いま言った、一部事務が市町村にという所は、確かに特措法の中で読める部分はあると思いますが、それ以外の部分には読めない部分もあるので、そこら辺の整合性はちゃんとするべきだと思います。
○岡部分科会長 大変重要な部分ではないかと思いますが、その辺は今後も斟酌というか考慮することができるものですか。
○杉本参事官 大変難しい過渡期の問題ですが、過渡期に発生が待ってくれるわけではありませんので、ご趣旨を十分に踏まえて、実際になったらどうするのだということについてはひき続き検討していきたいと思います。
○岡部分科会長 一応、法律事項としてのものが最優先になっていくことが自治体の考えでよろしいですね。佐々木委員、保健所の立場として何かご意見はありますか。
 それぞれについて、法律の問題なのか、あるいは行動計画なのか、少し明確にしながら話を進めていったほうがいいと思います。何かありましたら。
○正林課長 結論が出ればそれでいいのですけど。いままでの経緯からしますと、2009年2月に行動計画ガイドラインが策定されて、その直後にA/H1N1によるパンデミックが起き、総括会議を開いて反省した上で、それに基づいて行動計画を改定し、それから、新型インフルエンザ専門会議でご議論いただいて、ガイドラインに対する意見書をいただいたところで作業が一旦止まってしまって、それで法律の制定があって、いまどういう事態になっているかというと、先ほどの坂元委員のように、例えば都道府県という言葉、医療体制についても「等」がつくのかつかないのかで、行動計画と法律の間に若干の齟齬が見えたりとか。いま自治体では、国のほうで一刻も早く、政省令、行動計画、ガイドラインをすべて定めて、自治体としての行動計画、ガイドラインの策定に入りたいという状況です。仮に、政省令を策定する作業と、行動計画、ガイドラインを別々に。例えば、まず政省令を作ってから、その後に行動計画、ガイドラインを策定し始めるというと、また1年2年のタイムラグが発生してしまう恐れもありますので、もし可能であれば、この場では1つの論点についていろいろご議論いただいて、政省令、それから行動計画、ガイドラインについて、できるだけ同じぐらいのタイミングで策定する方向で進めていただきたいと思います。
○田代委員 時間的なことを考えれば、まさにそうだと思いますが、先ほど官房のほうから話がありましたように、ここの分科会においても、どれを政令にするのか、どこをガイドラインに、もしくは行動計画にするのか、その辺を一つひとつ明確にしてからご議論してください。
○岡部分科会長 論点になっている部分に注文事項があるので、そこが政令事項なのか、ガイドラインとして反映させておけばいいのか、そこは今後入れておいたほうがいいと思うので、それぞれやっていくということでよろしいですか。
○佐々木室長 可能な範囲で、できるだけわかりやすく対応させていただきたいと思います。
○岡部分科会長 それでは、論点のほうに入りたいと思います。いちばん最初、先ほど申し上げかけたスライド5については、どちらかといえばガイドラインの話ではないかと思いますが、これについてご意見はいかがですか。発生早期までの医療体制ということなのですけれども。特に事務局では、「概ね」という言葉を入れるか入れないか、議論があったようです。ここに至った大きな理由は、あまりきっちりやると、地域によっては現実性がなくなるという意味でよろしいですか。これも特に地域の先生方に関係ある所ですが、何かございますか。
○川名委員 防衛医大の川名です。前回もお話したのですが、ちょっと確認しておきたいのです。議論の前提としまして、特措法の対象疾患としては新感染症と新型インフルエンザ等感染症と2つあることを伺ったのですが、本日はあくまでも新型インフルエンザ等感染症に限定してディスカッションしてよろしいですか。
○佐々木室長 はい。本日は新型インフルエンザ等感染症のガイドライン見直し意見書を提示させていただいておりますので、まずはその点をご議論いただきたいと思います。また、その他の部分も含めて、全体的なご意見をいただきたいと思います。
○川名委員 本日のディスカッションとは離れてしまうかもしれませんが、法の施行が5月10日という期限があるわけです。そうすると、新感染症についてはまた別の所でディスカッションとか、議論が進められていると考えてよろしいのですか。
○佐々木室長 それは、こちらの「医療・公衆衛生分科会」というよりは、有識者会議全体の中で議論していくものではないかと思います。
○岡部分科会長 今日の話の中で、特に特措法に関連して、ガイドラインが変わってくる所は臨時の医療施設ではないかと理解しているのですが、それでよろしいですか。私の理解でいいですか。そうだとすると、いまのいくつかの論点として、2つぐらいあります。それはガイドラインに関わることであると思います。
○小森委員 最初の論点の話をしてよろしいですか。
○岡部分科会長 どうぞ。
○小森委員 日本医師会の担当といいますより、石川県の医療を6年間担当した者としてお話をします。まさに、地域の特性は極めて重要であって、特措法の参議院の附帯決議についてもそういうことを申し上げてまいりました。概ね人口10万人に1箇所ということについても特段科学的な根拠があってのことではありませんので。ただ、わざわざこれが重要な論点であるとはあまり思いませんが、事務局が言ってこられたので敢えて申し上げます。地域の実情を勘案することは重要な要素ですので、私としては賛成であることを申し上げます。
○岡部分科会長 ありがとうございます。いまのところで、論点の最初のほうは了承できるということでよろしいかと思いますが、少し話を進めながら、後で全体の問題も提起していただきたいと思います。
 次が、スライド15頁の所で、国内(地域)感染期以降です。この医療体制ができたとき、これについてはガイドラインの提案事項とほぼ変わっていないと思いますが、これも非常事態が起きたときではなくて、どちらかというと新しい疾患ができて、最初の対応というような考え方になろうかと思いますが、いかがですか。
○朝野委員 大阪大学の朝野です。先ほどの「10万に1」という所ですけれども、これは、帰国者外来というふうに名前を付けたことで、以前の発熱外来に比べれば今回はずい分患者さんが絞れると思いますが、接触者外来というのは国内発生期も含むのですか、それとも、国外だけですか。
○佐々木室長 国内発生早期までという考えです。
○朝野委員 結局、神戸、大阪で起こったことは何かというと、国内発生早期に発熱して。だから、これは帰国者外来ではなくなって、接触者外来でもなくなりますね。誰がどこで起こっているかわからなくなる。そうすると、発熱外来になってしまうわけですから発熱外来というのは、日頃の先生方。つまり、医療で非常にたくさんの人を診ていると。そうすると、10万に1で、国内発生早期に接触者外来、いわゆる発熱外来にあたってしまうわけですが、発熱外来をやるのは無理な話だと思います。
○佐々木室長 国内発生早期までというのはあくまでも目安でして、例えば、地域で接触者が追えなくなった場合、早期に一般の体制に移っていただくことも可能な方向で、ガイドラインや行動計画も見直すことでご議論いただきたいと考えております。例えば14頁ですが行動計画に、国内発生感染期は一般の医療機関において診療を行うと記載されています。そこはより厳密な記載が必要だということであれば、ご意見を踏まえて、修正案を考えたいと思います。
○朝野委員 それに付け加えてですけれども。先ほど川名先生もおっしゃいましたが、新型インフルエンザとしても、高病原性か低病原性かによって、全医療機関といっても、本当に全医療機関が参加できるのかどうかという問題があって。いまのお話は一概に毒性を抜きにして進められたようなので、病原性についての議論を入れていくとかなり細かく分かれていく話になってきて、まして先ほどのSARSなどを入れてくると、たぶん一般の開業医や一般医療機関は診てはいけない病気になってしまうので。こういうふうに、非常に重層したことを1つの流れとして出されていますが、もっと細かく見ていくと、かなり無理があると思います。いかがですか。
○田代委員 いまの朝野先生の意見とまったく同じです。特措法というのは、新型インフルエンザの場合に病原性が強くて、社会機能、社会危機の問題を対象にしている、それに限られたものだと理解しています。ですから、3年前のpandemicみたいなものは、最初わからないときは特措法の対象にはなるかもしれませんが、すぐに解除されるわけですね。ですから、ガイドラインというのは一応両方を入れているわけです。それをごっちゃにして議論するのは非常に混乱するのではないかと私は思います。ですから、特措法に限定したその話だけをすべきだと思います。
○岡部分科会長 ということは、特措法においてどういうことになるかという、ガイドラインの話になる。しかし、そのベースになるガイドラインがまだでき上がっていないのですね。
○田代委員 それを両方作るというのならば、まず特措法に焦点を絞ったディスカッションをすべきだと思います。
○杉本参事官 特措法の対象ですが、田代先生がおっしゃったとおり、季節性と同じ程度のものであることがわかったものについては、対策本部は消えていくというつくりにしております。ただ、その病原性如何というものが変化しやすいという特性も踏まえると、なかなかカッチリ割り切れるわけではなかろうということで、基本的に、新型インフルエンザ、川名先生のおっしゃるように、新感染症も同じですが、それが起こったとき、非常に感染力が強いという恐れがある場合には、特措法によって、社会全体的な対策として回していこうと、対策本部を設置しよう、というつくりになっています。病原性が非常に高い恐れがあって、社会全体が甚大な損害、影響を受ける恐れがあるといったとき、第2段階目ということで有識者会議第1回目でもご説明しましたが、緊急事態宣言というものに変わっていくと、こういうつくりをしています。そういう全体構造の中で、行動計画、ガイドラインということでお考えいただければいいのではないかと思います。
○岡部分科会長 これまでの新型インフルエンザ対策専門家会議で出しているガイドラインを全部崩して、最初からガイドラインの検討をやるというのは、金澤先生のときの総括委員会を含めて全部ひっくり返ってしまうことになるので。むしろ私の考えは、現在提案されたガイドラインについての検討をした上で、特措法に適用しない、つまり、非常事態のときにどうするかがもう1つ、その中に出てくることではないかと思っていたのです。いま2つの意見がありますが、これについてご意見をいただければと思います。
○永井委員 全日病の永井です。15頁目のスライドの「一般の医療機関における診療」ですが、わりとすらすらと書いてあるのですが、現実的に、例えば医療の病診連携、病病連携にしましても、○の3番目のところでは、「外来診療においては、軽症者は、できる限り地域の中核病院以外の医療機関で診療する。地域の中核病院の診療に他の医療機関の医師が協力する等、病診連携をはじめ医療機関の連携を図る」と書いてあります。しかし、皆さん方もご存じのように、現実的に救急を含めて、ほとんどこの辺りの現場での病診、病病連携が機能していないところで、感染症だけ病診連携、病病連携がうまくいくとはとても思えないのですが、この辺りはいかがですか。
○岡部分科会長 それはしかし、こういうものがあって、今後自治体ないし、あるいは医師会の先生方、それから地域の医療というところでの議論がスタートするのではないでしょうか。
○永井委員 これから具体的に落としこむということですね。
○岡部分科会長 事務局、いかがですか。
○佐々木室長 いまご指摘いただいた15頁のところは「見直し意見書」ということで、専門家会議で1回ご議論いただいたものですが、地域の実情とか専門的な見地から、さらに見直すべき、追加すべきというのは、是非ご意見賜りたいと思っております。
○岡部分科会長 さらに地域における各論に入っていくということでよろしいですか。
○坂元委員 細かいことを申し上げるようで申し訳ないのですが、15に「ガイドラインの見直しは本書の意見の内容でよいか」とはっきり書いてあるので、例えばここのいちばん上の「都道府県等」で、次は「都道府県及び市町村」は特措法からは、そうは読めないので、できるだけ表現は、特措法は施行はされていませんが公布はされているので、特措法に書かれている表現どおりに書いていただきたい。というのは、自治体にとっても混乱は起きないということで、これは「都道府県等」の「等」は要らないと思いますし、「都道府県及び市町村」の「及び市町村」は、特措法からはそうは読めないと思いますので、その辺、今後の表現はできるだけ特措法の内容に合わせていただきたいというお願いです。
○岡部分科会長 ということは、いまのこのガイドラインを、すべて特措法に置き換えて読むことができるという考えになりますか。
○坂元委員 特措法では「都道府県等」の「等」はありません。それから、「都道府県及び市町村は」ではなくて、「都道府県は」なのです。市町村はその権限が与えられていないということなので、随所に「等」はと書かれているのですが、たぶんこれは途中経過のものだとは思うのですが、すでに特措法が公布されている以上、特措法に書かれていることは、特措法どおりに表現をしていただかないと、自治体の担当者が読むと、「特措法ではこう書いてあるけれども、ひょっとすると行動計画では等とあって、市町村が何かやらなければいけないのかな」というような混乱が起きるので、法律どおりの表現をしていただきたいというお願いです。
○岡部分科会長 そこはかなり基本的なところに入るので。どうぞ、事務局。
○杉本参事官 いまほどのお話でございますけれども、市町村が行う基本的な事柄については、第8条に「市町村行動計画」ということで、おおむね市町村がなすべきことを定めています。結構幅広く定めてあるわけなのですが、要は、地域の実情というのは非常に大事なキーワードだということは特措法の立法過程においても、そのように思っておりまして、都道府県の法律上の権限として都道府県の知事にある、あるいは都道府県にある責務はあるというところなのですが、地域の実情に応じつつ、その法律の規定に反しない範囲で、都道府県と市町村が協議をして、相互の行動計画を調整する。それによって、当該県におけるそれぞれの仕事、役目を決めていく。これはこれで、あり得ることだとは思っております。 一応そのようには作っていまして、そういう意味で、本日の資料も「等」とか、幅広めに書いてあるのかなという気はしております。
○佐々木室長 追加と言いますか、ほとんど同じお答えになるかもしれないのですが、見直し意見書を引用しているところは、基本的に意見書の書きぶりをそのまま引用させていただいておりまして、本日ご議論いただいた中で、このように修正すべきではないかとご意見いただいたことについては、中間取りまとめ等の段階では、ご意見を踏まえて修正案をご提案させていただくということになると思います。このままではいかんというところがあれば、是非ご意見をいただきたいと思います。
○岡部分科会長 見直し意見書は専門家会議で提案したものなので、委員会のメンバーはここにもたくさんおられるのですが、一応その委員会で出した提案を基にして、新たなガイドラインへの提案がもう1回くるわけです。そのときに、例えば先ほどの「都道府県等」の「等」の問題、あるいは文言のところについては、きちんと最終的に修正したものを出すということでいいですか。
○佐々木室長 はい。
○岡部分科会長 そうであれば、基本的な考え方は、ガイドラインとしてこれでいいかどうかという意見を、事務局側からこの委員会に投げ掛けているのではないかと思うのです。
○佐々木室長 内閣官房の説明にもありましたとおり、場合によっては「等」が必要なケースもあると思います。それは当然ご説明しながら残させていただくと思います。きちんと整理をして、ご提示をしたいと思っています。
○庵原委員 国内発生早期と国内感染期の切り分けですが、これは地域の実情に応じてでよろしいと解釈していいわけですね。ということは、どこどこが10万に1であり、その地域が感染期に入ったというと、感染期の対応をするという解釈でよければ、そう問題になるような事項ではないと私は思います。
 それともう1つですが、この特措法の対象疾患です。最初の意見を聞いていますと、感染力が強くて、ある程度広がったときに社会機能のほうが問題なので、特措法が該当するのだということでした。もう1つは、重たいので特措法が該当するのだと理解されているようで、一般的に、いま主に討論しているのは、感染力が強くて広がったというのを重点的にディスカッションしているという解釈でいいのではないかと、私は思います。
○岡部分科会長 前半の部分は新型インフルエンザ対策専門家会議で前にやっていたので、お答えしておきたいと思うのですが、専門家会議で提案したのは、地域によって実情が異なるので、それを地域によって解釈すべきであると。それができるので、説明図の中では斜めの線が引いてあるので、そこはそのとおりだと思います。
 それから、特措法についてですが、私の考え方が間違っていたら言っていただきたいのですが、単に広がるような病気では特措法の対象ではなくて、そこが非常に重症である、つまり病原性が高くて、通常のものを超える入院が多い、あるいは死亡者が出る、それが対象になると考えています。官房からどうぞ。
○杉本参事官 お答え申し上げます。特措法の対象の書き方が複雑になって、いろいろな誤解を生じさせているのかなと思っています。
 特措法の第2条第1号に、用語の定義を付しています。そちらに「新型インフルエンザ等」という、この特措法の対象となる疾病を書いています。
○佐々木室長 第1回の参考資料3に法律を付けております。
○岡部分科会長 庵原先生、それでいいですか。
○庵原委員 要するに、「国民生活及び国民経済に及ぼす影響ということを考えれば、感染力が強い」というところがキーになっているということですよね。医療機関に関しては、重症があればといっても、その感染力が強くなければ、少々重症でも問題はないわけです。
 だから、感染力が強くて重症だというのは問題でしょうけれども、その辺、いままでのインフルエンザの経験からすると、そのようなことはいままでなかったわけで、あまりそこまで考えなくてもいいのではないですかというのが、意見です。
○田代委員 いままでそういうことは記録にないわけですが、だから心配しているわけです。世界中がH5をなぜこんなに心配しているかというのは、まさにそこです。
○岡部分科会長 また議論が交錯してしまったのですが、もうすでにいままでの議論を尽くして、全く軽いものについては、従来どおりのルールの中でできるのだけれども、そこから超えたものについてはきちんとした対応策を取っておかなくてはいけない。しかし、いま田代先生が「いままでないこと」とおっしゃっていましたが、極めて重症であり、なおかつ感染が広がるようなものが出たときには、いままでのものでは対応しきれないだろうというのが、いままでずっとディスカッションをして、総括会議でも、それに対しての対応のことを法的にも決めるべきではないか、となってきて議論が進んで、一応ガイドラインは出したけれども、さらにそれを上回った場合についての特措法が必要である、に至ったと思います。
 確認ですが、ただしこの特措法は通常の場合の程度のpandemicですぐに持ち出されるようなものではなくて、いちばん最初の段階ではわからないからそれが持ち出されるかもしれないけれども、できるだけ早く病状ないし広がり方を確認した上で、特措法に移行するのかどうか、あるいは非常試合状態を解消するのかどうかを決めようというのが、いままでの流れだったと思うのです。ですから、無駄だとかいうことについては、もうこれは議論にはなかなかできないし、被害の想定も随分いろいろな議論がありましたが、一応あるものを出さないと、ある線としてものが作れてこない、自治体などでは動きが取れないから、ある一定の仮想ラインは作っておこうということで進んできたのだと思います。
○大石分科会長代理 情報センターの大石です。そのような趣旨からも、このガイドラインの最初に、特措法の適用になる医学的な病態、社会的な状態といったものを規定しておく必要があるのではないかと思うのですが。
○杉本参事官 お答えが尻切蜻蛉になりまして、恐縮でございます。大石先生のお話ともつながっていることだと思いますので、お答え申し上げます。第2条第1号に、「新型インフルエンザ等」の定義がしてあります。読みますと、「感染症法第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症」、こちらで感染症をさらに読みますと、その特性として皆さんが免疫を持っていないが故唯に、「全国的かつ急速なまん延により、国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあると認められるもの」が。これが、新型インフルエンザと再興型インフルエンザに、共通した定義です。これを1つご記憶いただきまして、さらに特措法ではプラスして新感染症、これは感染症法の第6条第9項に規定しているものですが、その感染症法の定義を申し上げますと、未知のものであって、「症状が重篤」というのが入っております。もう一度特措法に戻りますと、そういう重篤な未知の感染症であって、括弧で限定を付しておりますが、「全国的かつ急速なまん延の恐れのあるものに限る」と、感染力について先ほど読み上げました新型インフルエンザ等感染症に共通する感染力の表現を付しています。
 こういう複雑な作り方になっていますが、その趣旨、目的とするところは、感染力の非常に強いもの、かつ緊急事態宣言というものを付けていますことからおわかりになりますとおり、病原性の強いものを主な想定として、それに対応して、医療あるいは社会の国民生活、国民経済の安定といったものを確保するというものです。
 ですから、新感染症にせよ、新型インフルエンザ等感染症にせよ、それが社会的な大きな影響を及ぼすと見られるものである限り、取りあえずこの法律が動き始める。
 ただ、それが季節性と同じ程度の軽いものだというときには、特措法が動いてこない、そういう仕組みにしてございます。
○川名委員 すでに岡部先生とか田代先生が述べられたことと重複するかもしれませんが、今回は特措法ができたあとの新型インフルエンザ対策の議論の場ということで、私はディスカッションの軸を明確にしていただきたいと思うのは、結局新型インフルエンザ対策を中心に考えるのか、特措法を中心に考えるのかということです。
 具体的に言いますと、例えば新型インフルエンザ対策の側から見ていくのであれば、比較的重症度の軽いものから始まって、だんだん重症のものになって、最終的には特措法を動員しなくてはいけないような最重症のもの、あるいは爆発的に拡大するようなもの、そういうものまでを全部1つのspectrumの中で検討していくような議論が必要なのか、あるいは特措法側から見るとすると、特措法を適用しなければいけないような、重症かつ感染力の強いインフルエンザが出たときに絞って、その対策をどうしていくのかと考えるべきなのか、そこをはっきりしていただいたほうがディスカッションしやすいのではないかと思います。そこをはっきりしておかないと、いかにも新型インフルエンザが出てくると、例えば2009年のような比較的軽症のものであっても、すぐに特措法が発動されるのだとか、そういう形で理解されている方もたくさんいらっしゃると思いますので、その辺の整理が必要ではないかという気がいたします。
○杉本参事官 私の先ほどの説明がよろしくなかったと思うのですが、結論を申し上げますと、新型インフルエンザ等感染症、法律特措法が対象にしている半分ですが、病原性が季節性と変わらない、それ以下であるというものを除いてすべて入るというように作っております。ですから、まだ出始めたばかりでわからないといったときには、まず厚生労働大臣によって、感染症法に基づいて、「新型インフルエンザが発生した」という宣言がなされます。それと同時に内閣総理大臣に報告がなされまして、同時に政府対策本部が特措法に基づいて設置されることになります。
 このときに何をするかですが、病原性が非常に高くて、社会全体が混乱する恐れがある場合には、別に緊急事態宣言という枠組みを作っておりますが、それに至る前で、まだ病原性がわからない、高いかどうかよくわからないという不確かな段階は、まだ対策本部ができて、政府全体の総合調整がなされているわけですが、現場でやるべき行為というのは、検疫法あるいは感染症法を除いては、特措法の中身としては強制的な措置は働きません。働かないように仕組みをしております。ですから、任意のいろいろな措置というのはあるのですが、特措法に定めている強制的な措置は働きません。
 例えば感染症法で入院措置というのがありますが、これはこれで緊急事態宣言が働く前から、当然働くものと私どもは理解をしております。ただ、緊急事態宣言にならないと、特措法で規定している強制的な権限というのは働かないように、この法律は仕組んでいます。
○岡部分科会長 そうすると、私が質問として言いましたが、特措法側から見たインフルエンザ対策をディスカッションすると考えてよろしいのでしょうか。つまり、これが適用されるような、重症かつ大きなまん延を来すようなインフルエンザを対象とした、そこを前提にディスカッションするということでよろしいのでしょうか。
○杉本参事官 行動計画につきましては、特措法から見ましても、病原性がわからない段階から動くようになっています。病原性が季節性インフルエンザと同程度以下であるということがはっきりした段階で、対策本部がなくなります。つまり、特措法が適用がなくなっていくということに法律上は仕組んでいますので、有識者会議で私どもがご議論をお願いしている範囲というのは、新型インフルエンザ等対策、つまりこれまで現行の行動計画、あるいは現行のガイドラインでもご議論されておられる、いろいろなバリエーションがある新型インフルエンザ、プラス新感染症ということがありますが、そういう側面で、実態的な側面からご議論をいただきたいということです。もちろん、現行の行動計画には緊急事態宣言というスキームが含まれていませんので、そういったものは新たに入ってこようかと思っておりますが、実態としては現行の行動計画を基礎にしつつ、それをどう改正していくかというご議論をお願いしたいと思っております。
○岡部分科会長 それと確認ですが、たしか、外国の情報が入ってきてまん延する可能性がある新型インフルエンザ等が出てきたというときには、国内では政府対策何とか会議というのができるけれども、もし国内に入るあるいは入る前後で、これは「毒性」といっていないで「病原性」といっているわけですが、病原性がわかってきた時点で特措法から外れる可能性はあるわけですね。そういった考えでよろしいでしょうか。
○杉本参事官 左様でございます。正確に条文を再度読み上げますと、「政府対策本部の設置」というのが第15条にございます。読み上げますと、「内閣総理大臣は、前条の報告があったときは、当該報告に係る新型インフルエンザ等にかかった場合の病状の程度が、感染症法第6条第6項第1号に掲げるインフルエンザにかかった場合の病状の程度に比しておおむね同程度以下であると認められる場合を除き」と書いております。まさに岡部先生がおっしゃったとおりです。
○岡部分科会長 少し話を進めたいと思うのですが、先ほど田代先生が質問された3番目ですが、済んでいないと思いますので、お願いします。
○田代委員 いまの15頁のところですが、見直し意見書にこう書かれているということなのですが、これは政令には書かないのですか。例えば1ポツで、「都道府県は通常インフルエンザの診療を行うすべての医療機関において新型インフルエンザの診療を行う体制を確保する」と。これは政令によって法的な重みが付くのでしょうか。
○佐々木室長 ここの部分は、すべてガイドラインレベルのものと考えております。
○田代委員 そうすると、法的な根拠はないということですか。
○杉本参事官 法的な根拠というのは、法律あるいは政令に直接書き込まなければ全くないとは思ってございませんで、例えば法令に根っこがある、例えば医療ですと医療の安定供給というものが第47条に「医療等の確保」という標題でありますが、これは指定公共機関である医療機関ということですが、そのほかにも、当然医療の安定的な確保というのは重要なものでして、例えば登録事業者の責務として果たされることもあるだろうといったことから、全体として考える。
 その結果、行動計画というもの、これは法定計画ですので、その中にいろいろなことが書き込まれる。それによって、もちろん行動計画のみにしかないことは、強制的な手段というのは当然行使されないわけですが、それも法的な基盤を持っているものと理解してよろしいのではないかと思っております。
○朝野委員 まさに田代先生がお聞きになったところが、私たちもいちばん気になっているところで、最初からの説明で、あまり病原性を立てずに、こういうように医療の維持をやりましょうということでご説明をいただいて、そこにさらりと「通常インフルエンザ診療を行うすべての医療機関において、新型インフルエンザの診療を行う体制を確保する」と書いてあります。これがもし特措法に当たるような、非常に強毒型の感染力の強いものであっても、ここにさらりと書いてあることが強制力を持ってしまうということに、少し問題があるのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。
○岡部分科会長 それは入らないと思うのですが、参事官お答えできますか。
○杉本参事官 私がお答えしたことに関連してのものですのでお答えします。私が申し上げたのは、「行動計画に書くということは、法的基盤がないわけではありません」ということを申し上げました。ある事項が行動計画に書いてあれば、あるいはガイドラインに書いてあれば、すべて強制力を持つということを申し上げたわけではございません。
 強制力というものは、あくまでも法律に書いてあって、初めて発生するものですので、ご心配には及ばないかと思っております。
○朝野委員 そうであるならば、ガイドラインにしても行動計画にしても、そのような「特措法に当たるような感染症がきた場合」というように、書き分けていく必要があるのではないか。一概に、通常のインフルエンザ診療を行う、いわゆるご開業の先生方すべてがこの医療に参加しなければならない、参加するべきであるという書き方をされて、いろいろな毒力がきた場合に、それをこの文言で絞りきれないところがありますので、例えば強毒性の場合にはこういう医療体制、季節性と変わらなければこれでいいと思うのですが、そういう書き分けが、ガイドラインや行動計画にも必要であるというのが、2009年の反省だったと思うのですが。
○佐々木室長 14頁のところを、「一般の医療機関において新型インフルエンザ患者の診療を行う」とだけご説明しましたが、「原則として」が付いておりまして、これは感染症の病原性や地域の医療体制等さまざまな要因を当然考慮していくということだと思います。しかし、国内感染期でありますので、まん延している状況ですので、やはり多くの医療機関で対応していただかないと、患者の入院、外来を含め対応が難しいので、やはり一般の医療機関にも広くご参加いただく必要があるということだと思います。現状の行動計画もそういう趣旨で、できていると理解しています。
○小森委員 一般の医療機関というのは私自身もそうですし、それを代表する立場でもあるのかもしれませんが、まん延期、国内感染期ということになりますと、いかなる強毒性であったとしても、すべての医療機関が携わらざるを得ない。強毒性であるから感染症指定医療機関に任せられるか。先ほども図に書いてありますように、感染症指定医療機関数は、ベッド数を含めて、極めて少ないのです。
 したがって、そういうことであっても、医師、医療機関は携わらなくて海外に逃げていいのか。逃げてはいけないわけですので、そのようなことを含めて、私は対策総括会議、専門家会議に、それぞれ川名委員、田代委員、岡部委員がご出席でいらっしゃいますし、また専門家会議には、庵原委員、坂元委員もご参加ですので、私は当然そこでは一定の、そういった議論、議事録も十分読ませていただきましたが、そういったことも踏まえた上で、この見直しの意見書が出ていると。
 したがって、もちろん極めて強毒性のものに対して、全く別の体制を取らざるを得ないということについて、あるいは別途議論しなければいけないのかもしれませんが、いま私どもがやる作業は、対策総括会議と専門家会議において、ここまで議論を詰められたことを、新型インフルエンザ特別措置法に応じて、技術的に、とにかく変えないといけないことを早急に詰めて、政省令に落とし込んで、坂元委員からありますように、地方の行政、私どもの会員も大変心配をしておりますので、このことについてしっかりと議論を進めて、体制を作っていただきたい。
 その上で田代委員がご指摘のように、さらに強毒性、まさに新型インフルエンザ特別措置法の緊急事態宣言等が行えることについて、やはり別途議論しないといけないということであれば、別途の議論をしていただかないと、その議論をいまこれに重ねてしまいますと先に進まないので、私はいま申し上げたような委員の先生方、総括会議と専門家会議にそれぞれご出席でございますので、基本的にはそれをたたき台にした上で、とりあえず議論を先に進めるという必要が、この会議に求められているのではないかと思っております。
○岡部分科会長 ただ、この会議で誤解が生じてしまうと、いろいろなところでさらに誤解が出てくると思います。基本的に、いまここで議論をしているのは、ある新型インフルエンザが出てきたときに、いまのステージのところは国内でまん延してきて、すべての医療機関が診なければいけないときの状態をいっているので、先生のご心配されているのは相当病原性が強くて、SARSみたいなものが入ってきた当初のときに、すべての医療機関がこれで診るのかというご心配ではないかと思うのですが、そういう意味での記載ではないと思うのです。
 ただし、2009年のときを含めいろいろなときがありましたが、一定以上の被害の大きいある病気が流行したといって、これは小森先生がおっしゃっていただいたように、すべての医療機関が参加しないと、これは国民の生命の確保がもうできないのだと。ただし、ある一定の病原性を超えてきたような場合には、通常の医療体制ではできないので、ここから先のあとに出てくる、臨時の医療施設等につながっていくのではないかと思うのです。
○坂元委員 いま小森先生から出たのですが、14番で、「入院治療は重症患者を対象とし、それ以外の患者に対しては在宅での療養を要請するよう、関係機関に周知する」というのは、主語は自治体かなと思うのですが、難しいのは、自治体に対して、「重症患者とは何だ」ということとか、これはある程度医師の判断で、例えば重症でなくても在宅には帰せないという患者がかなりいらっしゃると思うので、この辺はもう少しフレキシブルな表現にしておいたほうが、自治体としては困らないのかなと思います。「重症とは何だ」と聞かれると、ちょっと答えられないというところがあると思います。
 それから、「入院患者数と病床利用の状況を確認し」というのは、ご存じのように、医療法で毎月行政機関には病院報告というのが来て、病床の利用率はわかるようにはなっているのですが、これはほかへの使用目的が禁止されているところもあって、この辺が自由に使えるということの意味なのか、その辺をもう少しフレキシブルな運用ができるのかという点を考慮していただければと思います。
○佐々木室長 いま2つのご質問がありました。重症患者かどうかというのは、主治医の先生しか判断できないと思いますので、自治体から各医療機関に考え方を周知していただき、実際の判断は主治医が行うと理解しています。
 もう1つの病床利用率の状況調査等ですが、いま現場で目的外使用の問題があるということであれば、実態を確認させていただきたいと思っています。
○井戸委員代理(田所) 7頁の感染早期のところになるのですが、先ほど坂元先生から、「一般医療機関で診るのは難しい」と言われましたが、振分けというか、帰国者、接触者外来するのに、帰国者、接触者相談センターというところですると。これは2009年のときに自治体が担ったのですが、専門職が行って、保健師が電話相談でこれを振り分けるにしても、なかなか感染者、患者をこちらに振り分けられたかどうか。
 今回、7頁のほうでは、一般医療機関からも新型インフルエンザが出ると。そのために一般医療機関においても、「院内感染対策を行った上で対応」と書いていただいていると、2009年のことを踏まえているとは理解しているのですが、帰国者・接触者相談センター、そのときに起きたインフルエンザの状況によるとは思うのですが、どこまでここに振分け機能を期待されているのか、その辺りを確認させていただきたいと思います。
○岡部分科会長 専門家会議等で議論したときには、これは場合によっては短時間かもしれなくて、まだ国内に入ってきて間もないときか、あるいは入ってくる手前で、よく状況がわからないときの相談センターであり、接触つまりリンクが追えなくなった時点では、これはもう意味をなさないだろうという議論があったように思います。ですから、時間的にはすごく短い可能性があって、それを明記しておかないと、2009年の反省としては、これがずるずると長くいってしまって、自治体は主力をむしろこちらに割かれてしまったという状況だったと思うのです。そういうような考え方ではなかったかと思います。もし異論があればおっしゃってください。そういう説明で書き込めるようにしておいていただければと思うのですが。
 いろいろ論点があるので、少し先にも進めていきたいと思うのですが、いまの見直しのところは文言の整理であったり、実際に書くときの特措法との整合性というか、矛盾のないようにしておくこと、それからいくつかの提案事項があったと思うので、そでは今度のガイドライン案として出すときに、書くようにお願いします。
○田代委員 そうすると、この一般の医療機関における診療ということに関しては、政令では何を規定するのですか。政令では規定しないのですか。
○西川課長補佐 ご指摘の点につきましては政令事項になっておりませんので、これは政令では規定しないことになります。
 政令で規定されるというところは、都道府県から市町村に事務を委任するところのみとなっております。
○岡部分科会長 もし意見があったら、あとでもどうぞおっしゃって下さい。
○田代委員 法律のことはわかりませんが私の理解では、特措法では医療従事者に対して、指示ないし要請をすることが法律で決められていると思うのですが、具体的にその内容はどうなのかというのはどこかで決めておく必要があるのではないでしょうか。
○佐々木室長 それは次の議題でご議論いただく予定です。
○岡部分科会長 いまのは議論としてあるということで了解してください。
 それでは、いまの15頁のところは先ほどのようなまとめにさせていただいて、次が27頁目のところなりますので、この辺はまさしく臨時の医療施設、これは従来の形の2009年の辺りのpandemicではなかった、あるいは作ろうと思ってもその根拠がなかったということが議論された部分だと思うのですが、特にスライド27の最初のところの「医療施設等のあり方」は、先ほど事務局からご説明のあった部分で、いくつかの例も出ていますが、これについてのご意見をいただければと思います。
○永井委員 先ほど「臨時の医療施設等」というのは、私ども病院団体としましては、病院の本当の意味でのBCPというのでしょうか、災害等いろいろなことが起きたときに、病院の施設をどう活用するかというのがまず第一で、本当は臨時の医療施設等の活用までいかないで何とか病院の最大限の活用で対応したいというのが、私は医療関係者の本心だろうと思っているのですが。
 そういう意味で、先ほども少し出ていましたが、BCPをきちんと各病院で作っておくというのが大前提で、そこの辺りをきちんとした形でガイドライン等に出していただければ良いと思います。BCPのことを考えると、本当にどこまで出来るのか、病院でも手いっぱいのところで、マンパワーがどこまで割けるのだとか、いろいろな問題が出てくるわけで、その辺りのところが解決できれば、臨時の医療施設等が必要かどうか、現実的に必要なのか?という気がするのですが、その辺りはいかがですか。
○岡部分科会長 これは前提には、先生がおっしゃるようにまずBCPを作っておいてもらって。作っておかなければいけないわけですが、それについてできるかできないかということ。それから特殊な形、先ほど医療が崩壊しそうだと言いましたが、そうなったときには通常の医療体制ではできないので、医療側に対する補償の問題、救済の問題を含めて、これで特措法が出てくるというような解釈ではないかと思うのですが。
○佐々木室長 25頁をご覧ください。基本的には医療機関の連携で対応していただき、定員超過してもまずは病院の中で対応していただくことを想定しております。
 さらにそれを超えた場合が、特措法の対応と考えておりまして、臨時の医療施設を作る場合でも、どういう方を診るか、どういう施設でやるかということをご議論いただければと思っています。
○永井委員 ですから、この24頁に大学、研究、健診等の医師の確保とあるわけですが、こういうものというのは、基本的には何らかの法的な縛りが出てくるのですか。
○佐々木室長 これもあくまでも、議論のたたき台として、事務局で作らせていただきました。病院内の業務を調整する、健診等の業務を中止するということで、医師、看護師等の医療従事者がある程度確保できるのではないかということも含めて実現性やほかにこういう方法があるということなどについてご議論いただければと思います。
 なお、次の議論に関係してきますが、必要であれば法的には要請・指示という形でになると思いますし、それ以外にも協力をいただけるというような例も考えられると思います。あくまでもたたき台として作らせていただいたので、絶対にこの方を使うという意味でもございません。
○岡部分科会長 もう少しこの辺は議論があったほうがいいですね。
○川名委員 私は病院で内科医をやっていますので、臨床の立場から発言させていただきますと、2009年の新型インフルエンザの経験からいっても、どんなに患者の数が増えても、普段動かしているシステムの中で仕事をするのが、最も仕事がしやすいわけですし、よりベターな医療サービスが提供できるだろうと思います。
 ですので、そういう意味からいうと、ものすごい患者の数が増えたとしても、例えば17頁に沖縄の例ですとか、こういったものが出ていますけれども、いかにして既存のシステムをうまく動かしていくかというところを、まん延期のディスカッションのメインにするべきではないかという気がいたします。
 例えば体育館だとかホテルのような所を使う、あるいはテントを立てることも、もちろん最悪の事態として想定しておいてもいいのだろうと思いますが、いかにもそれが議論の中心みたいな印象を見る人に与えてしまうと、実際と乖離していくのではないかなという気がいたします。
○坂元委員 地方自治体は年に1回、監査という形で各病院を見て歩くということと、地方自治体は各病院の図面等を持っているということなので、臨時というのはあくまでも最悪の場合の想定だと思いますので、医療監視の項目の中に、そのように患者が多くなったときに、この病院はオーバーベッドとか、どういう場所に収容できるかというのを、医療監視の中の1つの重点項目として、日ごろ病院と意見交換をしておくとか、そういう情報交換しておくということを入れておけば、地方自治体自身も、この病院だと許可病床に対してどれぐらい余分に患者を収容できるかという、概算がある程度できてくるので、むしろそちらのほうが重要ではないかと思いますので、通常の医療監視(立ち入り検査)の中に、そういうことも含めた項目を入れて、地方自治体に病院を見るように指示を出されたほうがいいように思います。
○佐々木委員 いまの坂元委員の言われたことは、一般的にうちの管内で調べますと、普通の病床の1.2倍ぐらい、災害時にそれぐらい入院できることがわかっています。その中に酸素までできるのが半分ぐらいあるということです。だから、1回医療監視で調査されてもいいし、年に1回とか、2年に1回調査されるだけで、かなりいろいろなことがわかるだろうと思います。
 それから、体育館とか、医療機関と違う臨時の医療施設を作る場合は、個人的には、かなり病原性が高くて、治療法が非常に確立していなくて、隔離を目的としたようなとき、あるいはものすごい軽症の場合でも、在宅に帰せないとか、そのどちらかだろうと思います。中途半端に決めないほうがいいかなと思います。既存の医療機関をやり繰りするほうがいいと思います。
 例えばうちの場合だと、病院の診療できる所のベッドを空けて、そこに呼吸器の専門家を集めて、そこに入院していた患者はそういう患者を診られる民間病院に移すとか、そういうシステムを地域で作っていけば、できるのではないかなと思いますので、やはり病院をベースにしたほうがいいかなという気がいたします。昔は結核病棟とか伝染病病棟がありましたのでそういう所を使えたのですが、いまはほとんどないので、それに代わる、10何%ぐらいのベッド稼働率で、空いているという所を、地域で工夫すればできるのではないかと思います。
○小森委員 監視と言われると、私どもはカチンと引っかかるのですが、監視という方法でなくても、新型インフルエンザに対する政省令が、行動計画、ガイドラインという中で、このことについては、永井委員がおっしゃったようにBCPを各病院でしっかりと作るということですが、当然有床診療所、無床診療所、特に有床診療所はベッドを持っておりますので、このことについても行動計画をしっかり作ると。
 そういう意味で、先ほど研究機関であるとか、機関についてもそれに準じて事業継続計画等についてはしっかりと書いていただくことと同時に、決して監視という方法を取っていただきたくはございませんが、別途の意味の行政の方法ですので、それとは別に、しっかりとそれぞれのものをすると。あくまでもテントであるというのは、ほとんど実際には用をなさないというか、ごく特殊な例なので、そこがいま議論の中心にならざるを得ない、むしろいまは使えるものをしっかりと使う、皆さんおっしゃっているようなものをしっかりと作っておくということがいいと思います。
○井戸委員代理(田所) いまのお話を聞かせていただくと、28頁に図はあるのですが、臨時のところは主に外来治療で、一定を超える軽症の入院もというところを考えると、先ほど佐々木先生が言われたように、隔離ということで、外来の導線隔離も1つの方法としてあり得るのかなと理解したのですが、その整理でもいいのでしょうか。
○岡部分科会長 よろしいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。ご異論があればどうぞ。2009年のpandemicが起きる前にいろいろと議論をしたときも、既存の医療機関でできないものが発生したときにどうするか。それがいちばん困ったところなのですが、実際に2009年に発生したものはそれほどでもなかったと。
 しかし、先ほどの繰り返しになりますが、総括委員会その他でも、万々が一のときには既存の医療システムを超えてやらなければいけないので、その場合のときの体制は作っておいてもらわなくてはいけない。
 もし、これが例えばガイドラインであるとか、特措法で、既存の医療で間に合わないときにどうする、という結論が出てくると思います。いまの病床数あるいはここに医師不足も出ているわけです。あのときも、例えば人工呼吸器はある程度のものがあるし、エクモも日本は世界でいちばん持っているぐらいのところですが、それを動かせる医者がない、担当できる看護師がいないというのが、いちばん問題になっているかと思うのです。
 そうすると、こういうものが特措法、あるいはガイドラインができたことによって、そういうものを教育したり、人的リソースを増やしたりしていくということが、これからやっていくことではないかと思うのですが、そういうことは可能になっていくのでしょうか。これは事務局にお尋ねしたいところなのです。
○佐々木室長 主には内科、小児科の先生が中心になってくると思うのですが、それ以外の診療科のドクターに対しても、新型インフルエンザ等に関する研修も準備しているところですし、先ほど申し上げたような診療継続計画の中で、地域で連携して、やり繰りする等も考えていただく必要があると思っています。
 それ以外にも、たたき台でお示ししましたが、健診、研究も重要な分野ではありますが、状況によっては縮小していただくことも考えております。それ以外にも、この分科会でこういうやり方があるのではないかということをご提案いただければ、事務局としては情報収集させていただこうと思っています。
○岡部分科会長 是非よろしくお願いします。ガイドラインができておしまいではなくて、それをもって今の日本の医療のレベルアップをしていくことを図っていただくと、本当の意味があるのではないかと思います。
○永井委員 診療継続のところで、21頁です。今日は押谷委員が欠席ですので何とも言えないのですが、この押谷委員の作成された「新型インフルエンザまん延期の診療継続計画作り」はかなりよくできていて、アクション1からアクション10まであるわけです。平成20年度ですから、2009年のインフル流行の前ですね。ですから、実際に医療現場として今後BCP作成にこれを活用したいときに、2009年を経験したあと、もしくは特措法公布の後で、どういう見直し等ができているのかというのが少しわからないのですが、その辺りはいかがですか。
○佐々木室長 今回は、すでに公表されているものを用意させていただきましたが、医療機関によっては、計画を独自に、立てられているところもあると聞いております。そういった情報を今後集めたり、また先生方のアドバイスもいただきながら、参考になるような情報はどんどん提供していく必要があると考えています。
○岡部分科会長 押谷委員の、その後どうなったかということも、できれば参考意見として伺っておきたいと思います。よろしくお願いします。
 そのほか、医療の確保についてはよろしいでしょうか。考え方としては先ほど申し上げたようなところで、これは提案ではあるけれども、これが中間報告のたたき台になってくる可能性はあるので、もしご意見があれば。
○川名委員 先ほどの坂元委員から「医療監視みたいなものを使ったらどうか」という話がありましたが、実はうちの病院は明後日に医療監視を受けることになっていまして、非常にいま準備で忙しいのですが、行政から指摘されたことというのは病院にとっては非常に大きな外圧というか、黒船的なパワーを持っている部分がありますので、例えばそういう医療監視のときに、pandemicのようなものがきたときにどういう対策を取っているのかということを聞いていただくのは、受け止める側は大変ですが、かなりそれぞれの施設でBCPを作っていく上では1つ力になるのではないのかなと思いました。
○小森委員 医療監視というのは本来の仕事はそういうことではありませんので、先生も勤務医のお立場でおっしゃられますが、つまり経営者、トップリーダーはどのように動くかという観点で、それが効果的である。確かに効果的かもしれませんが、あくまでもそれは自律的に行動するということですから、「医療監視」という言葉は軽々に使っていただきたくないというのが、私どもの立場でございます。おそらく永井委員も一緒だと思います。
 そういうことについて、永井委員ご自身とはまだ調整をしておりませんが、日本医師会としては、4病院団体協議会とBCP作りについて事務局と相談をしながら、できるだけ早急に実質的なものを作っていきたい。そのたたき台の1つとして、事務局から出していただいたものもございますが、その後の変遷もございますし、私どもも皆様方にご協力をいただいて、診療のガイドライン等につきましても、ハンドブック等につきましても、計画の一部を少し作った経験もありますので、それも改訂版を作りながら、自律的な立場でやっていきたいと思いますので、是非川名委員ご心配にならないように、しっかり各大学病院も行動計画をお作りになると思いますので、医療監視という立場での書き込まれることがないように、是非お願いをしたいと思います。
○岡部分科会長 気持としてはそうであると。
○小森委員 よく理解できます。
○岡部分科会長 川名委員も、それをポジに使おうということですから。
○佐々木委員 いま保険評価を行っていますのは、医療法第35条の1項に基づく医療監視ではなくて、立入検査です。正確には監視ではありません。
 我々保健所側からすると、地域の先生方、開業医の先生、病院の先生に、こういうことがあるのだと、新型インフルエンザの体制作りをお願いするという立場が、いちばん合意ができて、うちの管内ですと、かなり保健所長が思っていたこと以上の体制を作っていただいていますので、むしろ保健所、医師会が協力して作り上げていくという形のほうがいいと思います。
○岡部分科会長 ほかにはいかがでしょうか。さらにもっと意見があれば、あとで私あるいは事務局にお伝えいただければと思うのですが、次は資料2にいきます。お願いします。
○佐々木室長 資料2と参考資料6を用いまして、ご説明させていただきます。まず、資料2の1頁ですが、特措法31条1項に新型インフルエンザ等の患者等に対する医療の要請があります。同条第2項には、予防接種の提供の要請があります。同条3項には要請をしましても、ご協力をいただけないというような場合等に指示と規定しております。ただし、この指示に従わなかった場合であっても罰則規定は置いていません。医療の提供と予防接種に関しては、損失補償が定められております。損害補償については医療の提供に関して定められております。
 次頁には論点を4つお示ししています。要請・指示をどういう範囲で行うか。それから、政令事項ですが、医療関係者の範囲をどう考えるか。損失補償についてどう考えるか、損害補償についてどう考えるか。この4点のご議論をお願いします。
 まず、概念は4頁です。新型インフルエンザ等特別措置法は類似の法律としまして、災害救助法、国民保護法があります。災害のために、「医療の途を失った」例えば、病院がつぶれるとか、震災等によって医療が提供できなくなったときに、救護班などによりまして、提供するのが災害救助法です。また、国民保護法もさまざまな武力攻撃等によりまして、同様な状態に陥った場合に対応するということです。この両法とも基本的には日常診療とは異なる場での医療提供を念頭に置いております。
 新型インフルエンザ等の特別措置法で想定される医療としては、災害救助法や国民保護法と同様に、日常診療とは異なる場での提供が1つ大きなものになります。それ以外にも日常診療の延長線上で新型インフルエンザを治療するという場合もありえますが、主には特別な状態を念頭に置いております。
 そういった前提で、論点の1として議論いただきたいポイントは、四角囲いの中です。要請・指示に関しては、どういう場合に必要になってくるのかですが、都道府県知事による通常の協力依頼のみでは医療の確保ができないような場合に要請を行うこととしてはどうか。これは例えば、医療機関が診療を停止して、近隣に患者さんを診るところがなくなった場合に、医師等の派遣を行うような場合などが考えられます。そのような範囲でどうかが論点の1です。
 6頁は医療関係者の範囲です。医療関係者の範囲に関しては災害救助法、国民保護法でも定められておりまして、参考のところにありますように医師から12職種書いております。今回の特別措置法についても同様の規定としてはどうかというのが論点2です。
 論点3は医療に従事した場合の日当、旅費等の損失補償ですが、これも災害救助法等と同じような水準でいかがかというのが論点3です。
 8頁の損害補償ですが医療に従事した場合に、新型インフルエンザ等により疾病にかかったり、死亡された場合についての補償についても他法、災害救助法や国民保護法同様の水準としてはどうか。それから、緊急事態宣言がなされるようなものが補償の対象として考えられますが、いかがかということです。以上が医療の提供に関する論点4つです。
 もう1つ、予防接種の実施についてが10頁にあります。論点としては要請・指示の範囲です。職種は医療の要請・指示と同じ範囲でいかがかということ要請の時期に関しては、医療と同様に通常の協力依頼のみでは対応が困難になる状況が発生した場合としたらどうかとなっております。
 あと、参考資料等は関係する条文の抜粋です。以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。この辺についてもご意見をいただければと思います。
○小森委員 要請・指示、補償等については、重要な問題です。意見を述べさせていただきます。日本医師会としては要請・指示については極めて謙抑的に執行をしていただきたい。基本的には医療者の自律行動によってこれを行うという観点から、要請・指示についてはいま事務局ご指摘の範囲で適切ではないかと思っております。そうしますと、実費弁償、損失補償等の問題がありますが、国民全体が肉体的にも精神的にもさまざまな被害を受けているという状況の中にあって、医療関係者のみが損失補償等について強く要求をするのは、やはり筋違いと思っております。また、現実にそのような事態が起こったときには、後追いであっても、国民の同意のもとでそれなりの要請に該当した対応ということは、東日本大震災においても行われたことです。従前から極めて手厚い補償を医療関係者の代表としては求めるものではないことを理念として申し上げておきたい。そういう観点からも、あくまで自律的な行動において、それはまたこの特別措置法では、強く規制をするのはかえって2009年の場合でも問題が大きい。これは政府与野党に対してもご説明したところです。
 医療関係者の問題ですが、これは法の成立の過程また体制の状況において、12職種が規定をされたものです。しかし、現実にはこのような範囲を政令で定める必要があるのかどうか。歴史的にもいかがかという感じがしますが、規定する必要はない。つまり、医療は日進月歩で常にさまざまな観点から進歩をしております。この中のどれかが要らないのか。あるいは、これに書いてないのは医療関係者職種ではないのか。こう言いますと、それぞれの専門性の中でチーム医療として実際に行われております。あえてお聞きしたい点は、医療関係者の範例は政令で定める必要はどうしてもあるのでしょうか。
○岡部分科会長 これは事務局からお願いします。
○佐々木室長 実際に要請・指示を行う場合、対象となる方を特定してお願いをすることを想定しています。そういう意味においては実際に医療を提供する職種であり、災害救助法等での前例もあることから、同じ範囲の方をまずは今回政令で位置づけてはどうかということで提案させていただいております。新しい職種も必要なのではないかということにつきましては、今後議論をいただきながら、政令改正が必要であれば、対応していくことになるのだと思います。取りあえずは現行の類似の法律を参考にさせていただければと思っております。
○坂元委員 私も小森先生の意見に賛成です。例えば、病院を1つ例にとっても、まず患者さんと接触する事務の方、受付の方、それからこの中に入っていない例えば患者さんが在宅に行くときに、その相談を受けるケースワーカー等々、病院はこれ以外の多くの職種で成り立っています。これだけの職種に限定してしまうと、現実に病院が成り立っていかないのではないか。もし、言うならば病院で働く職員が全部リスクを負うわけなので、あまり限定に関してどこまで意味があるか。これは災害というのであれば、災害現場に行くのはやはりこういう職種が行くだろうとは想定されますが、これは患者さんが来られる1つの病院という組織が多くの職種から成り立っていると考えると、あまり現実的ではないかという気がします。
○井戸委員代理(田所) 小森先生とは切り口が違うだけかもしれませんが、もともと補償をするためには、この要請・指示が必要ではあるということから始まったのかと整理させていただきます。致死率は2%の病原性の患者を重点的に接するリスクの高い医療関係者に対して補償をするのはコンセンサスを得られるのではないか。医療関係者に補償をするということでこの法律に入った。そのために要請・指示というような法律的に整理が必要となっているのではないかと思います。そのような定義でいいのかどうか。あまり要請・指示について、いろいろな医療関係者が関わってくる中で、例えば地域における診療を停止するというような事例に限るというのが、もともとの2%の患者さん、致死率2%の患者さんの診療を行うというものに、少し限定し過ぎなような印象をどうしても受けてしまう。
 もう1つ、論点2にある医療関係者も坂元先生等が言われた、まさに医療機能というのはいろいろな職種によって成り立っているのがあります。2009年のワクチン接種のときに、非常に医療関係者だけの言葉で言ったので、医療機関によって解釈が違って、ある医療機関はやはり事務の人も含めてというのもありました。ある医療機関は数少ないワクチンの中で本当に診療する医者だけに限ってというところで、共通認識はなかなか得にくいところがあったと感じています。そういう意味で、医療関係者はどのような範囲なのか、医療機能を維持するために、この12職種に限るべきとは考えないのですが、やはり、このときの医療関係者についてというコンセンサスを事前に作っておかないと、あとでこういう人たちもできると思ってたのにという層はやはり非常に生まれやすいのではないかと思います。いかがでしょうか。
○佐々木室長 医療関係者の範囲に事務職が含まれないのかというお話もありましたが、特別措置法に基づく要請というのは、医療機関に対して行われるものではなく、医療を実際に行う医療関係者個人に対して発せられるものと考えております。専門性が高い医師等は、代替えがきかないという観点もありますので、こういう形に整理をさせていただいています。
○岡部分科会長 すみません。私から質問ですが、これは特措法が発令されたときに、特殊なところで、来てくださいあるいは行ってくださいというときに対する補償であり、救済であると思うのです。それは確かに特殊技能を持った人に対しての支払いで、これがないから、医者なり看護師を呼べないのではないかというのは2009年の1つの反省点で、これは総括会議にも出てたと思うのです。ただ、いまちょっと思ったのはあるところで臨時に医療機関などを臨時に開設しようとしても、実際にはそこは医者と看護師だけでできるわけではなくて、おっしゃったようなサポーターが周りにいっぱいいないと、例えば事務をするにしても受付をするにしても、あるいは保健所が一般事務職を出していかなくてはいけないかもしれません。そういう事情はちょっと考えてもいいのかなとも思ったのですが、これは特殊な場合ですね。
○佐々木室長 論点(1)のところでご説明させていただきましたが、基本的には日常診療とは異なる場が中心と考えております。実際にこの特措法で提供されるというのは医療そのものです。医療関係職種は専門性の観点からも代替がきかないという観点もありますので、整理させていただいています。
○永井委員 先ほど小森委員、坂元委員がおっしゃったように、病院団体としては、いまの医療、基本的に入院医療というのは医師、看護師だけで患者を診ているわけではありません。看護師以外にもヘルパー等々がいるわけで、その辺りの職種が入らないと、本当に看護師だけですべて患者さんの世話をする、入院治療をするのかというと、なかなかやっていけないと思うのです。医療の専門職種の行動だけに限定せざるを得ないのですか。日常の診療とは異なる場での医療提供という形になると、日常診療に専門的に従事しない職種は入れないことになるわけですか。
○佐々木室長 すみません。私の説明が不十分かもしれません。この法律で想定しておりますのは、医療を実際に提供していただく方を個別に指定して、要請・指示をするとなっております。そのため、医療を直接提供する職種を挙げさせていただいているということです。
○佐々木委員 公務員はいいと思うのです。民間のところで、例えば私立の診療所でお願いをして新型インフルエンザも診ていって、お願いをしたときに、この法律だと何かあっても補償も何もできない。外に出てなくて、通常医療の場で診るから。そうではないのですか。
○岡部分科会長 ちょっとすみません。私の考えですが、通常医療の場で診ているときは、特措法は動いていないから、通常の医療の延長であって、これは対象にならないのではないでしょうか。
○佐々木委員 非常にまん延期で、特措法が動いているような状態で、地域の医療が足りないようなときにお願いするわけですよね。
○岡部分科会長 特措法が動いてくるのであれば、適用になると思います。
○佐々木委員 そうですか。そこの診療所でやっても。
○岡部分科会長 これはそこの診療所ではないでしょう。そこの診療所が対象になることがあるかもしれないが、基本的には通常の医療を超えたところで、臨時の医療をやった場合の補償、救済だと思います。私の考えが間違っていたら、おっしゃってください。
○佐々木室長 主として考えておりますのは、分科会長がお話していただいているように、通常ではない場合であります。ただし、例えばいろいろなケースがあると思うのですが、通常の診療であって、保険診療でやっている場合というのは、対象になるのかということは非常に議論があることと思います。100%、全くそういうケースはないというわけではないのですが、主としては通常ではないことを念頭に置いています。
○坂元委員 医療を例えば保険診療でできるとなると、病院における心理カウンセリングも医療で、保険診療ができる医療関係者です。それから、理学療法士も医療を行えるということで、そうなると、どの医療職がいちばん危険でどうこうという議論になってしまう。そういう意味で言えば、この災害救助法と感染症を想定したものとが本当に同じでいいのかは、かなり疑問があるのではないか。災害救助法はほかから感染することはたぶん想定して作られていないのではないかと思います。そういうことから考えると、もしこういうものに限局する。例えば、仮に医療職を限局しても、先ほど岡部分科会長がおっしゃいましたように、臨時施設を作ったときにいろいろな方が関与するということで、やはりこの新型インフルエンザの治療もしくはそういうものに関与する方など、ほかに入れておかないと、現実に自分はこういう対象ではないから行かないよと言われたら、それまでになってしまうと思います。だから、もしこれを生かすとするならば、別項目でそういうものに対してヘルプする人も別項目で書き入れる必要があるのではないかと思います。
○佐々木室長 提案させていただいている職種は、災害救助法と国民保護法に定められている職種でして、国民保護法はいろいろな武力攻撃なども想定しておりますが、バイオテロのようなものも想定たしております。そういう意味では、新型インフルエンザ等感染症に対する医療を提供する職種の例示として引用することが考えられるのではないかと思い提案をしております。
○小森委員 事務局に内閣法制局ともご相談をいただきたいのですが、災害救助法と国民保護法とは確かにこれは一連の法律の仕立てになっています。ただし、いま坂元委員がご指摘になられたような観点から、私は可能であればその法令については12職種を指定したうえで、プラス新型インフルエンザ等疾患に対する円滑な診療に必要とされるものとか、そういうものを1つ加えていただければありがたい。それがどうしても不可能であれば、議事録として残していただいて、行動計画等において、そういうことをしっかり反映をさせていただくのであればよろしいかと思います。
 それから、先ほど佐々木委員がご指摘になったことですが、私どもも基本的には先ほど申し上げましたように、神戸の例においてもあまり過度の規制がこれにかかるのは、かえって医療の現場の柔軟な一対一の患者さんに対する対応が、問題が大きくなるという観点から、できるだけ謙抑的にこれは発動していただきたい。後追いで、実際に国民の方々から見て、それは要請に該当すると判断される場合には、要請は後追いで出していただいて損害補償の対応にしていただければいいのであって、最初から損害補償ありきで、したがって要請指示を先に出していただきたいという立場は、国民を守る医療者としては決して口にしてはいけないので、このような書きぶりで私どもはいいと思っております。
○岡部分科会長 いま小森先生にまとめていただいたことをこの委員会としての1つの逆に提案ということで、事務局で議論検討していただいて、次の中間報告としてこれを具体的にどうするのかを出していただければと思います。私もできるだけこういうものは出さないで、通常の医療内でできるのが本筋と思うのですが、万が一超えてしまったときにはどのくらいかの額であるかは別としても、何らかのバックアップは必要だと思います。また、そのときに医師だけでできるわけではない。できればそのへんも考慮していただければと思います。こちらの中としてはよろしいでしょうか。
○佐々木室長 さまざまなご指摘をいただきましたので、いただいたご意見を踏まえて、ちょっと整理させていただきまして、またご提示させていただきたいと思っております。
○岡部分科会長 ありがとうございます。それでは、だいぶ時間も過ぎてきましたので、一応救済補償については終わりにしまして、もう1つの問題点は。
○佐々木室長 すみません。先生方も長時間のご議論でお疲れだと思いますので、議題の3は次回に回わさせていただいて、事務局としては議題4に飛んではでいかがかと思っております。いかがでしょうか。
○岡部分科会長 大変ありがたい提案です。この委員会はこれでおしまいではなくて、今日すべての結論を出しているわけではありません。できれば積み残しをしたくないところだったのですが、たくさん議論をいただいたということと、私の不手際もあり、そこを勘弁をしていただいて、よろしければ、あと5分ぐらいありますが、話し始めると5分では終わらないと思います。抗インフルエンザと水際だけどうでしょうか。
○佐々木室長 水際だけやらせていただきます。恐縮です。
○岡部分科会長 事務局がやるということだったですね。それでは、この水際は5分前後ぐらいでまとめていただきたいと思います。
○佐々木室長 恐縮です。では、水際でやらせていただきたいと思います。資料4と参考資料9です。まず、1頁下の段に特別措置法で水際対策に関連しますのは、29条の停留を行うための施設の使用と、30条の運航の制限です。この左側にあります検疫法による措置がさまざまあります。例えばホテルの同行者の停留という規定もあります。これは事前にホテル等と調整をしたうえで、確保しておくというようなことをしているのですが、例えば検疫対象者が非常に増えまして、ホテル等が不足してしまい、停留が困難となった場合に、宿泊施設等の管理者の同意を得ないで、その施設を使用することができるというのが29条です。
 29条はそういった停留を行うための施設の使用ですが、そういうことをしても停留を行うことが著しく困難で、病源体が国内に侵入することが防止できないような場合、これは特別措置法の30条で運航の制限として飛行機、船舶の運航を行う事業者に、そもそも来航しないようにと要請するものです。
 3頁は関係省庁対策会議で策定した対処要領の水際対策の関係部分を抜粋したものです。全体は参考資料9にございますので、後ほどご覧いただければと思います。
 本日ご議論いただきたいのは、4頁以降です。4頁から8頁はガイドラインの見直し意見書の水際対策関係部分です。これはすでに専門家会議で、議論していただいておりますので、基本的にはそのままガイドラインの見直しに活用してよろしいでしょうかというのが今回の提案です。5頁にありますとおり、病原性の程度に応じて水際対策の標準的なパターンを例示させていただいております。致死率が極めて高い場合のパターン1から、病原性が季節性インフルエンザ並と判明した場合のパターン5ということで、病原性に応じて対応し、段階的に緩和していくという例示しております。こういったような形で見直しをするということでいかがと思っております。
 7頁は停留・健康監視対象者の範囲についてです。それから、8頁は水際対策の縮小・中止時期についてで、その判断をする契機や対策の変更の具体例等を示しております。以上です。
○坂元委員 これは直されると思うのですが、7頁のいちばん下の「都道府県並びに保健所を設置する市及び特別区が設置する帰国者・接触者相談センター」という、これは法律では都道府県が設置者でそれ以外の自治体は入っていないと思うのですが、いかがでしょうか。
○佐々木室長 この帰国者・接触者相談センターというのは、法律事項というよりは、行動計画とか、ガイドラインの中での話です。ここは地域の実情などを踏まえる必要はありますますが、保健所設置主体が関与するのではないかと思っております。
○坂元委員 法律では都道府県が設置するとなっているのですが、法律はそう書いてあるけれども、行動計画やガイドラインではそれ以外の自治体もやるという解釈でよろしいのですか。
○佐々木室長 すみません。もう1回仔細に法律を読ませていただきますが、事務局の理解ではこの部分に関しては法律事項とは理解しておりません。もし、誤りがあるといけませんので、念のため確認をいたしますが、ご指摘に関して該当する条文が思いつかないという状態です。少なくとも法律事項ではないと思います。
○岡部分科会長 特措法が発揮されていない時点ではということですね。それとは別ですか。
○杉本参事官 申し上げますと、先ほど議論の中ほどでも確か市町村がやるべき事項ということでご紹介申し上げた特措法の8条ですが、こちらに市町村の行動計画の中身としてこういうものはあるべきでしようとは定めています。いまおっしゃいました帰国者外来というのは、法律上のものとしては全く個別的には出てまいりません。先ほども申し上げたとおり、都道府県の行動計画と、それから管内における市町村の行動計画といったものが連動しながら進んでいく。それはもう地域の特性を踏まえながら、それぞれどう全体として住民のために仕組んでいくかをお考えになる。そういう余裕は十分設けておるつもりですので、そういう意味で「等」というのは特段おかしくないのかと思います。立案した人間としてはそのように思っております。
○坂元委員 先ほどから「等」にこだわるのは、実は自治体というのは法律事項に沿って、人員要求をするというのがあります。そこが非常に曖昧になっていると、つまり解釈によってはいわゆる人員を付けてもらえない等々があって、やはりそこはっきり書いていただかないと、ここは都道府県の仕事ではないのか?都道府県が設置することになっていると、そういう意味では協力するとか、そういうように書かれていてもなかなか財政当局等から人員や予算を付けていただけないことがあります。やはり、その辺はしっかり誰が読んでも、どこの責務かがわかるようにしていただきたいというお願いです。
○岡部分科会長 今日、全部解答が出なくとも、いまのことはかなり自治体の動きに関連してくるので、中間報告をまとめるまでには自治体の先生方とも相談しながら、結論を出していただければと思います。また、そのときの解釈もきちんと付けていただいて、これこれはこういう意味ですという方向にしていただければと思います。そのほかはいかがでしょうか。これも非常に限定的であって、総括会議のときもある一定の効果が見られるときがあっても、時期を過ぎてしまえば、入ってしまえばいつまでもこの水際をやっても意味がないだろうというのは、言い過ぎかもしれませんが、実効性としては少なくなってきます。逆に入り込んできたら、水際対策は速やかに縮少していかなければならない。これは総括会議で言われていたことを明確化してきたので、そういう意味ではウェルカムだと思いますし、誤解のないようにやっていただければと思います。最初の段階は出動せざるを得ないかもしれません。先ほど申し上げましたように、今日ですべて結論を出すわけではないので、もし持ち帰りになって異論、あるいはご意見がありましたら、事務局に届けていただいて、それもうまく委員間でシェアできるようにしていただければと思います。一応、時間も来ましたので、今日はいろいろなご意見をいただいてますし、特に、特措法とガイドラインの関係、それからどこで政省令に入れ込むのかというのは、今後の議論の中でも、随時説明をしていただいて、この公衆衛生関連の会議もあと何回かありますので、そこでまとめていくようにしていただければと思います。あとで、中間報告という形でもう1回議論が行われますので、いまの議論を踏まえて、よりいいものに作っていただければと思います。全体的に何かご意見がありますでしょうか。もしなければ、よろしければ事務局にお返しいたします。
○佐々木室長 ありがとうございました。次回は分科会長とご相談のうえ、会議に関係者の方をお呼びして、ご説明をお伺いすることも考えております。日程についてはまたご連絡をさせていただきます。本日は長時間にわたりありがとうございました。


(了)

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