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2012年9月7日 第63回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成24年9月7日(金)
10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

相澤好治、明石祐二、犬飼米男、大山忠一、小野真理子、小畑明、新谷信幸、瀬戸実、辻英人、角田透、土橋律、中村聡子、縄野徳弘、半沢美幸、三柴丈典、上島氏(三浦委員代理)

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
高崎真一 (計画課長)
田中正晴 (安全課長)
椎葉茂樹 (労働衛生課長)
半田有通 (化学物質対策課長)
田中誠二 (労働条件政策課長)
松井孝之 (化学物質評価室長)
木口昌子 (調査官)

○議題

(1)労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱について(諮問)
(2)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3)第12次労働災害防止計画の骨子案について(その1)

○議事

○分科会長 皆さん、おはようございます。朝早くからお集まりいただきましてありがとうございます。土橋委員がちょっと遅れておられますけれども、まもなくみえると思います。定刻になりましたので、ただいまから、第63回 労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。
 本日は、公益代表委員では日下部委員、浅井委員、労働者代表委員では古市委員、使用者代表委員では高橋委員、春山委員、三浦委員が欠席されております。三浦委員の代理といたしまして、浅沼組の上島さんが御参加でございますのでよろしくお願いいたします。
 それから、委員の交代がございましたので御案内申し上げます。全国ガス労働組合連合会の谷口委員から、辻委員に交代されております。ちょっと御挨拶をお願いいたします。
○辻委員 谷口の後任で、全国ガスの中央執行委員長を務めております辻と申します。どうぞよろしくお願いします。
○分科会長 よろしくお願いします。
 もう一人、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会の冨高委員から半沢委員に交代されております。よろしくお願いします。
○半沢委員 冨高の後任で電機連合の半沢でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に移らさせていただきます。本日の議題は、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱の諮問、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱の諮問、第12次労働災害防止計画の骨子案についての3件でございます。
 それでは、1つ目の議題について、事務局から御説明をお願いいたします。
○松井化学物質評価室長 それでは、議題でいきますと(1)(2)にあたる部分についてご説明をいたします。
 最初に、資料1の改正政令案の要綱と資料2の改正省令案の要綱を読み上げさせていただきまして、参考資料1の方で補足説明をさせていただきます。
 資料1をご覧ください。1枚めくりまして本文がございます。
    労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱
 第一 名称等の表示の対象となる物の追加
    譲渡又は提供時に名称等を表示しなければならない物として、インジウム化合物、エチルベンゼン並びにコバルト及びその無機化合物を追加するものとすること。
 第二 健康診断を行うべき有害な業務の追加
    有害な業務に従事する労働者及び有害な業務に従事させたことのある労働者で現に使用しているものに対して行う健康診断の対象業務として、インジウム化合物、エチルベンゼン並びにコバルト及びその無機化合物を製造し、又は取り扱う業務を追加するものとすること。
 第三 特定化学物質の追加
    特定化学物質の第二類物質に、インジウム化合物、エチルベンゼン並びにコバルト及びその無機化合物を追加するものとすること。
 第四 エチルベンゼン並びにコバルト及びその無機化合物に係る適用除外
    エチルベンゼン若しくはエチルベンゼンを含有する製剤その他の物又はコバルト及びその無機化合物若しくはコバルト及びその無機化合物を含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う業務等のうち、厚生労働省令で定める業務等については、作業主任者の選任をすべき業務、作業環境測定を行うべき業務及び健康診断を行うべき有害な業務の対象としないものとすること。
 第五 施行期日等
  一 施行期日
    この政令は、平成二十五年一月一日から施行するものすること。
  二 経過措置
    この政令施行に関し必要な経過措置を定めること。
続きまして、資料2をごらんください。資料2を1枚めくりまして、本文でございます。
    労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱(抄)
 第一 労働安全衛生規則の一部改正
  一 名称等の表示の対象となる物の追加
    インジウム化合物をその重量の〇・一パーセント以上含有する製剤等、エチルベンゼンをその重量の〇・一パーセント以上含有する製剤等及びコバルト又はその無機化合物をその重量の〇・一パーセント以上含有する製剤等を、譲渡又は提供時に名称等を表示しなければならない物とすること。
  二 新規化学物質の名称等に係る届出様式の備考の改正
    新規化学物質の製造又は輸入に係る届出等に関する省令の規定に基づき、同令の様式により届出又は申出を行った場合であって、当該届出書又は申出書の写しを添付するときには、新規化学物質の名称等に係る届出書等の記載事項の一部を省略することができるものとすること。
 第二 特定化学物質障害予防規則の一部改正
  一 管理第二類物質の追加
    インジウム化合物及びこれをその重量の一パーセントを超えて含有する製剤等(以下「インジウム化合物等」という。)並びにコバルト又はその無機化合物及びこれらをその重量の一パーセントを超えて含有する製剤等(以下「コバルト等」という。)を管理第二類物質に追加し、特定化学物質障害予防規則の規定を適用すること。
  二 「エチルベンゼン等」の追加等
    エチルベンゼン、エチルベンゼンをその重量の一パーセントを超えて含有する製剤等並びにエチルベンゼン及び有機溶剤をその重量の五パーセントを超えて含有する製剤等(エチルベンゼンをその重量の一パーセントを超えて含有するものを除く。)を「エチルベンゼン等」と規定し、第二類物質の一類型として特定化学物質障害予防規則の規定を適用すること。ただし、エチルベンゼンの含有量がその重量の一パーセント以下の製剤等については、作業主任者の選任、作業環境測定及び健康診断に係る規定を除き、適用を除外すること。
  三 エチルベンゼン等及びコバルト等に係る適用除外業務
   (一) エチルベンゼン等による屋内作業場等における塗装業務(以下「エチルベンゼン塗装業務」という。)以外の業務及びコバルト等を触媒として取り扱う業務については、作業主任者の選任をすべき業務、作業環境測定を行うべき業務及び健康診断を行うべき有害な業務の対象としないものとするとともに、特定化学物質障害予防規則の規定を適用しないこと。
   (二) エチルベンゼン塗装業務について、エチルベンゼン等(エチルベンゼンをその重量の一パーセントを超えて含有する製剤等を除く。)の消費量が許容消費量を超えない場合等には、作業主任者の選任をすべき業務、作業環境測定を行うべき業務及び健康診断を行うべき有害な業務の対象としないこと。
  四 エチルベンゼン等に係る作業主任者の選任等
    事業者は、エチルベンゼン塗装業務に係る作業については、必要な作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任し、労働者の指揮等のほか、タンクの内部における作業を行わせる場合には、当該作業の特徴に即した措置が講じられていることを確認させるものとすること。
  五 エチルベンゼン等に係る作業環境測定の実施等
    事業者は、エチルベンゼン及び有機溶剤をその重量の五パーセントを超えて含有する製剤等(六(二)において「エチルベンゼン有機溶剤混合物」という。)の製造、取扱いの作業を行う作業場に係る作業環境測定については、エチルベンゼンのほか、含有する特定の有機溶剤の濃度を測定するものとすること。
  六 健康診断の実施期間及び項目
   (一) 事業者は、インジウム化合物等の製造、取扱いの業務に常時従事し、又は従事した労働者に対し、業務の経歴の調査及び作業条件の簡易な調査のほか、業務ごとに次の表に掲げる項目について、雇入れの際等及びその後六月ごとに一回、定期に医師による健康診断を行うものとすること。
 業務
 インジウム化合物等の製造、取扱いの業務
 項目
 一 当該物によるせき等の自他覚症状及びその既往歴の有無の検査
 二 胸部エックス線直接撮影又は特殊なエックス線撮影による検査(雇入れ時等に限る。)
 三 血清インジウム及び血清シアル化糖鎖抗原KL−6の量の測定
 業務
 エチルベンゼン等(エチルベンゼンの含有量がその重量の一パーセント以下の製剤等を除く。(三)及び七において同じ。)の製造、取扱いの業務
 項目
 一 当該物による眼の痛み等の自他覚症状及びその既往歴の有無の検査
 二 尿中のマンデル酸の量の測定
 業務
 コバルト等の製造、取扱いの業務
 項目
 当該物によるせき等の自他覚症状及びその既往歴の有無の検査
   (二) 事業者は、(一)の項目のほか、エチルベンゼン有機溶剤混合物の製造、取扱いの業務に常時従事する労働者に対し、有機溶剤の特性等に即した健康診断を行うものとすること。
   (三) 事業者は、(一)の健康診断の結果、異常の疑いがある者等で、医師が必要と認めるものについては、作業条件の調査のほか、業務ごとに次の表に掲げる項目について医師による健康診断を行うものとすること。
 業務
 インジウム化合物等の製造、取扱いの業務
 項目
 医師が必要と認める場合は、胸部のエックス線撮影による検査(雇入れ時等を除く。)、血清SP-Dの検査等の血液化学検査、肺機能検査、喀痰の細胞診又は気管支鏡検査
 業務
 エチルベンゼン等の製造、取扱いの業務
 項目
 医師が必要と認める場合は、神経学的検査、肝機能検査又は腎機能検査
 業務
 コバルト等の製造、取扱いの業務
 項目
 一 尿中のコバルトの量の測定
 二 医師が必要と認める場合は、胸部エックスの線直接撮影等による検査、肺機能検査、心電図検査又は皮膚貼付試験
  七 作業環境測定の記録等の保存期間等
    事業者は、インジウム化合物等、エチルベンゼン等及びコバルト等に係る作業環境測定の記録、作業環境測定の結果の評価の記録(インジウム化合物等にあっては、作業環境測定の記録に限る。)及び健康診断の結果の記録については、三十年間保存するものとするとともに、事業を廃止する際には、これらの記録を所轄労働基準監督署長に提出するものとすること。
  八 インジウム化合物等及びコバルト等に係る措置
    事業者は、インジウム化合物等及びコバルト等の製造、取扱いの作業に労働者を従事させるときは、作業場の床等は、水洗等による掃除に適した構造のものとし、粉じんの飛散しない方法によって、毎日一回以上掃除するものとするとともに、インジウム化合物等については、作業環境測定の結果に応じて、労働者に厚生労働大臣の定める呼吸用保護具を使用させ、使用後の呼吸用保護具等は、付着物を除去した場合等を除き、作業場外に持ち出さないものとすること。
  九 エチルベンゼン等に係る措置
    事業者がエチルベンゼン塗装業務に労働者を従事させる場合には、有機溶剤中毒予防規則の規定を準用し、必要な読み替えを行うこと等とすること。
  十 エチレンオキシド等及び酸化プロピレン等に係る措置
   (一) エチレンオキシド等及び酸化プロピレン等を特定化学物質障害予防規則第三十八条の十四の燻蒸作業に係る措置の対象物質とすること。
   (二) 事業者は、特定化学物質障害予防規則第三十八条の十四の測定の結果、空気中のエチレンオキシド又は酸化プロピレンの濃度が、物ごとに次の表に掲げる値を超えるときは、労働者に送気マスク等を使用させる等必要な措置を講じた場合を除き、当該場所に労働者を立ち入らせないものとすること。
表の方でございます。
 物
 エチレンオキシド
 値
 二ミリグラム又は一立方センチメートル
 物
 酸化プロピレン
 値
 五ミリグラム又は二立方センチメートル
第三につきましては、今回の特定化学物質の追加によりまして、女性労働基準規則が改正されますけれども、こちらの方は雇用均等分科会の方で審議されるということでございます。
 第四 その他
    様式の改正等、所要の規定の整備を行うこと。
 第五 施行期日等
  一 施行期日
    この省令は、平成二十五年一月一日から施行すること。
  二 経過措置
    この省令の施行に関し必要な経過措置を定めること。
諮問の本文は以上のようなことでございますけれども、参考資料をご覧いただきまして、若干の補足説明をさせていただきます。
 参考資料1の「1 趣旨」のところをご覧ください。第1段落と第2段落でございますけれども、労働基準局におきましては、職場で使われる化学物質のうち発がん性等のある物質につきまして、平成18年度から順次、労働者が職場でどの程度の濃度にさらされているかという調査を行いまして、必要な場合は特定化学物質に追加をしてきているところでございまして、1つはこれに関する改正ということでございます。
 それから、「1 趣旨」のまた書きが第3段落にございます。少し小さな改正がつけ加わっておりますけれども、労働安全衛生法の57条の3に基づきまして、新規化学物質の製造・輸入に当たっては、事業者に一定の有害性の調査をお願いしまして届出を行うという規定がございますが、この手続の簡素化をはかりたいということで、これが省令改正の一部に入っております。
 まず、リスク評価の方の改正の補足説明でございますが、少し飛びまして参考資料1の10ページをご覧ください。昨年まで大体3年ほどをかけまして行いましたリスク評価の結果で、この3物質につきましては職場におけるリスクが高いということで、特定化学物質に追加すべきであろうという結論を得ております。
 表をご覧いただきまして、インジウム化合物というのは、主に液晶パネルの電極の原料として使われております。液晶パネルを使う段階では、特段有害性等はございませんけれども、これを製造、取り扱う事業場においては、その微細な粉じんが労働者の肺等に影響を与えるということで、「性状と有害性」の欄にございますように動物実験で発がん性が確認されておりまして、ヒトにおいては間質性肺炎等の重篤な肺の疾患をもたらしている例が報告されているところです。
 「リスク評価結果」のところをご覧いただくとわかるように、調査しました事業場等においては非常に高いばく露が見られました。「評価値」のところで「★4」というのが少し小さい字で付いておりますが、このページの一番下に注書きがございます。私どものリスク評価の基準とする空気中の濃度でございますけれども、日本産業衛生学会あるいはアメリカのACGIHが勧告している、職場で長期間その濃度にさらされた場合に重篤な健康疾患の恐れのある濃度をリスク評価の基準として考えているところで、それを評価値と呼んでおります。
 インジウム化合物につきましては、1960年代にACGIHがこの濃度を勧告しております。この濃度で見ましても、先ほどの作業場の濃度の調査結果は高い労働者がみられたわけでございますけれども、ACGIHの1960年代の勧告以降に、先ほどの表の中にありました動物による発がん性の試験が行われておりまして、ACGIHが出している濃度よりも低い濃度で、ラットで発がん性がみられたということで、ACGIHの数字は使いませんで、動物試験の結果から安全性のための係数を掛けた3×10-4という数値を使っております。これは少し規制のところに関連しますので、また後で御説明をいたします。
 ?のコバルト及びその無機化合物ですけれども、これは合金としまして、磁性材料ですとか、特殊鋼ですとか、超硬工具、このようなものに使われておりまして、コバルトの無機化合物として、触媒ですとか、青い色の顔料ですとか、リチウムイオン電池の電極ですとか、そういったものに使われております。これも動物実験で発がん性が確認されておりまして、ヒトには気管支ぜんそくなどを引き起こすという物質でございまして、事業場の調査の結果、やはりかなりの作業で高い濃度がみられました。
 ?のエチルベンゼンですけれども、「用途の例」のところにありますように、化学工業の原料ですとか有機溶剤として使われております。リスク評価の結果、これを塗料の溶剤として塗装の作業をしている作業にのみ、高いばく露がみられたという結果でございます。
 11ページをご覧ください。このリスク評価の結果に基づきまして、今回の改正でどのような姿勢を盛り込むかということでございますけれども、諮問の本文にあったとおりでございますが、この表で若干補足説明をいたします。
 この表の中の「政令」と「安衛則」の欄は、他の物質との共通点がかなり多いのですけれども、「特化則」のところをご覧いただきまして、インジウム化合物については管理第2類物質に指定をする。特定化学物質のうち製造にあたって許可が必要なものは、第1類物質になっております。第2類物質は、局所排気装置などの発散抑制措置を講じまして、管理をして事業場で使わないといけない物質ということになっております。
 この中で大きなグループが2つございまして、特定第2類物質と管理第2類物質というのがございますが、特定第2類物質は蒸気圧の高い液体などで、化学プラントで漏えいによる事故のようなものが懸念される物質が入っておりまして、インジウム化合物については固体の粉じんが問題になりますので、そうではない管理第2類物質に指定をするということでございます。先ほど御説明しましたように、動物実験で発がん性が確認されておりますので、作業の記録ですとか、健康診断の記録ですとか、30年間保存をしていただくと考えております。
 3つ目に「◆呼吸用保護具の着用」というのがあります。説明が若干長くなりますが、先ほど評価に当たって動物実験から導いた数値を使ったと申し上げましたけれども、特定化学物質では、通常ですと管理濃度を設定して管理をしてもらっています。先ほどの話で、ACGIHか日本産業衛生学会の数値をリスク評価にも使っていますし、管理濃度の設定にも使っております。ただ、この物質に関してACGIHが出している濃度は古くて、かつ、以降の動物実験を考えると適切でないものですから、設定すべき適切な数値がないということで、当面管理濃度は設定をしない。ただし、それで管理していただいて、かつ、極めて低い濃度に管理しないと健康障害の恐れがありますので、防塵マスクの中では、計算上、先ほどの動物実験から導きました3×10-4mg/m³という数値になるように考えまして、作業環境測定の結果と呼吸用保護具の防護の性能、防護係数、これはJIS規格の指定防護係数という安全側の数値を使うことを考えておりますけれども、この両方からの掛け算で、マスクの中では十分に労働者の健康が守られるという濃度には管理していただかないといけないということで、そのようなことで呼吸保護具の着用を義務づける。もちろん3×10-4未満になれば必要がないですけれども、通常はしていただくということでございます。
 それから、最後の◆のところで、微細な粉じんの発散が問題になりますので、掃除の規定ですとか付着物の除去という規定を設けております。
 次の?のコバルト及びその無機化合物につきましては、特化則の欄で、調査の結果、触媒として取り扱う業務につきましては、通常非常に少量で、かつ、時間も短いということで、何種類も触媒を調査しまして、やはり濃度が低いものですから、これについては事業者の自主的な管理にお願いをするということでございます。
 その他の規制でございますが、やはり管理第2類物質に指定をして、作業記録等の30年間の保存を規定して、微細な粉じんが問題になりますので作業場の清掃等の規定を設けることを考えております。
 次の?のエチルベンゼンですけれども、先ほど申し上げましたように、リスク評価の調査結果で塗装の業務だけが高いリスクがみられたということで、塗装の業務のみを規制するということなんですけれども、使用実態が有機溶剤として使われているものですから、有機溶剤中毒予防規則の規定をある程度準用しまして、新しいカテゴリー、このカテゴリーと申しますのは、先ほどの管理第2類物質などと横並びのカテゴリーを設けまして対応をする。基本的に特化物なんですけれども、発散抑制措置や呼吸保護具の使用の規定は、有機則のものを適用するということでございます。
 これは理由が2つございまして、特化則は対象となる物質がかなりバラエティーに富んでいるのに対して、有機則は有機溶剤のみを対象としております。こういった発散抑制措置などについては、有機溶剤の使用実態に合った規定が細かく設けられているので、有機溶剤として使用される物質にはそれを適用した方がいいだろうということでございます。
 例えば今回の調査の結果で特に高い濃度が見られましたのは造船所で、船体ブロックの内側を塗装しているところで非常に高い濃度が見られているわけですけれども、これはもうでき上がりつつある船の壁のような非常に広いところで塗装をすると、蒸気の発散が非常に広いところからありまして、局所排気装置では効果がないということがございまして、有機則では、そういった場合に全体喚起装置と呼吸用保護具で対応するという特例が設けられておりますが、特化側にはそのようなことが具体的に書いていないということがございます。ですので、やはり有機則の規定を適用した方がいいだろうということ。
 もう一つは、実態としてエチルベンゼンが入っている塗料には必ずキシレンが入っておりまして、既にキシレンが有機溶剤中毒予防規則の対象になっておりますので、現場においては同様の取り扱いで、発散抑制措置などをした方が円滑に進むであろうということでございます。
 2つ目に、「◆使用する呼吸用保護具の種類を限定」というのがありますが、先ほどの船体ブロックの中のようなところについては非常に高い濃度が見られましたので、有機則の現行の規定では、送気マスクまたは有機ガス用の防毒マスクとなっておりますが、調査結果で見られた濃度を勘案すると、半面形の防毒マスクでは十分でないので、この場合は掃気マスクまたは全面形の防毒マスクに限るということを考えております。
 3つ目の作業主任者ですが、使用実態が有機溶剤として使われておりますので、その作業主任者に必要な技能講習も、有機溶剤のための技能講習を行った人から選任していただくことを考えております。
 それから、やはり発がん性物質ですので、有機則の規定を準用するとはいっても、作業記録などは30年間保存していただかないといけないということでございます。
 一番右側の欄のエチレンオキシド及び酸化プロピレンです。これは既に特定化学物質になっている物質なんですけれども、特定化学物質のうち倉庫とかコンテナなどの非常に広いところの燻蒸に使われる物質につきましては局所排気装置が使えないので、別途の規定がございます。特定化学物質のうちそういった燻蒸に使われるものについては、その特別の規定の対象にする必要があります。エチレンオキシドと酸化プロピレンについては、そういった規制の対象にする必要があるということが確認されましたので、今回小さな改正でございますが、改正させていただくということでございます。
 ちょっと長くなりましたけれども、最後に、参考資料1の先ほどの趣旨のまた書きで様式の簡素化というのがございました。3ページの下の方に(3)のエというのがあります。これは先ほどの労働安全衛生法の方の新規化学物質の届出書類の簡素化なんですが、化審法の方で同様の新規化学物質の届出を違う観点からやっておられますので、化審法の方の届出の写しを添付することによって、重複している項目については、安衛法の届出書類自体には書かなくてもよいということにしたいと考えております。安衛則の様式を規定しているところに書いておかないといけないものですから、こういった改正を考えてございます。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。
○分科会長 ありがとうございました。
 詳しく説明していただきましたけれども、この内容について御質問、御意見があったらお願いいたします。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今、御説明をいただきました政令の一部改正、それと安衛則の一部改正については周知徹底をはかっていただきたいということを申し上げて、内容については賛成していきたいと思います。
 先ほど御紹介のあった中で、有害ばく露作業の報告のあった事業所の数、特にインジウム化合物についてのサンプリングでは、100%ばく露していたという実例もあるようですので、施行が来年の1月1日ということでありますけれども、これはもう既に有害性もわかっている話でありますので直ちに周知をしていただいて、ぜひ強力な指導をお願いしていただきたいということを申し上げて、賛成してまいりたいと思います。
 以上です。
○分科会長 よろしいですか。
○松井化学物質評価室長 1点だけ御参考に申し上げておきますと、インジウム・スズ酸化物につきましては、平成22年12月に局長通達で技術指針を出しまして、既に浸透に努めているところでございますけれども、今回の改正についても御指摘のように周知徹底に努めたいと考えております。
○分科会長 よろしいですか。犬飼委員、どうぞ。
○犬飼委員 ちょっと質問です。省令案の要綱4ページの(二)です。エチルベンゼン塗装業務で、許容消費量を超えない場合には作業主任者の選任や、作業環境測定も必要ないし、健康診断も必要ないとなるのですが、この許容消費量を超えないというのはどこで読み取れるのかということと、健康障害防止措置を講じなくてもよいということですから、「許容消費量を超えない場合等」の「等」というのをはっきりしておかないと、ここがちょっと曖昧になるのではないかという不安がありますので、「等」に対する考え方と、どこで読み取れるのかというところを教えていただきたいと思います。
○松井化学物質評価室長 これは法令の規定を正確に落としている関係がございまして、ちょっとわかりにくい記述になっているんですが、1行目の括弧に「(エチルベンゼンをその重量の一パーセントを超えて含有する製剤等を除く。)」と書いておりまして、まず1%を超えて含有する場合は対象になるというのがございます。特化則の規定というのは、重量の含有量で1%を超えて含有するものにかかっておりますので、まず従来の特化則並びですと必ず必要になるということがございます。
 今回は、有機溶剤として使われている使用実態を考えまして、エチルベンゼンが1%以内であってもほかの有機溶剤と足して5%を超えたら、制度上は有機則の規定というわけではないんですが、実質的に有機則の規定と同じ規定がかかるようにしないといけないだろうということで考えておりますので、この部分は、エチルベンゼンが1%以内でほかの有機溶剤と足して5%を超える場合に、有機則の方で、有機溶剤等の量が狭い室内に全部発散したときでも管理濃度のレベルだというところまでは、適用除外の部分がございますので、エチルベンゼンが1%以内のものについては、そこもかけておかないといけないのかなという規定でございますので、むしろ従前よりはきつくなっているという理解をしていただければありがたいなと思っております。
○分科会長 よろしいですか。
○犬飼委員 今のようなご説明を聞かなければわからないというのでは困るので、わかりやすい周知がされるようにお願いします。
○松井化学物質評価室長 はい
○分科会長 消費量という言葉がちょっと曖昧だと思います。よろしくお願いします。
 小野委員、どうぞ。
○小野委員 今のご質問ともかかわることになると思うんですけれども、要するに、特化則と有機則の両方を見ないといけない形になると思うんです。今までそういう物質はなかったので、皆さんに周知していただくときには、その両方を参照しなければいけないとかそういうことのないように、お作りいただくパンフレットを見れば、元をたどらなくても対応がとれるようにしていただきたいというのが1点です。
 すみません、もう一点続けてよろしいでしょうか。
○分科会長 どうぞ。
○小野委員 あと、ちょっと細かくなる可能性はあるんですけれども、エチルベンゼンとコバルトについては管理濃度設定ということになると思うんですが、ACGIHですとか産衛の許容濃度というものが、どのぐらい発がん物質ということを考慮して決めているのかということから、今回の管理濃度のように、新しいステップとして発がん物質というくくりで新たな動きをなさっていますので、準用するということに特に問題はないと思うんです。もちろんその辺は検討会なりで検討された結果とは思いますけれども、あまり発がん性を考慮していない基準値を、直接発がん物質というところに持ってくることについてのお考えというか、その辺をちょっと聞かせていただけるとありがたいです。
○松井化学物質評価室長 1点目については、条文のレベルでは両方をみないといけないものですから、きっちりと解説資料なりパンフレットを作りまして、新しいカテゴリーに入りますので、その周知徹底には十分努めていきたいと思います。
 それから、管理濃度の水準の話でございますけれども、産業衛生学会やACGIHで設定されているものについては、数字の直接の設定に当たっては発がん性が直接反映されていないものの方が多いのですけれども、現場で管理する場合に、今までそういった1つの水準の数字というのを使ってきているので、今のところはそれを踏襲している。ご指摘の点については、今後検討会などで検討させていただきたいと思っております。
○半田化学物質対策課長 対策課長ですが、補足させていただきます。
 管理濃度の設定に関しましては、環境改善室の方で事務局をつとめまして、管理濃度検討委員会というところで設定してございます。ただいま室長からも御説明しましたように、基本的にはACGIH、産衛学会等を参照しながらやっておるんでございますけれども、その対象となる健康障害がどういうものか、これも当然勘案いたしますので、大部分はACGIH、産衛学会の数値をもとに設定していたのは事実でございますが、今度は発がん性ということが明らかになってございますので、濃度設定に当たってはそういった観点から御検討いただくことになるということでございます。
○分科会長 よろしいですか。
○小野委員 ありがとうございました。
○分科会長 ほかにはいかがでしょうか。角田委員、どうぞ。
○角田委員 資料の2ですが、第一の「一 名称等の表示の対象となる物の追加」の1行目、2行目にかけては「エチルベンゼンをその重量の〇・一パーセント以上を含有する製剤」という書き方ですが、第二の方の二ですと、対象となるものが「一パーセントを超えて」という書き方となっています。これは何か意図があるのでしょうか。
○松井化学物質評価室長 特化則のいろいろな規制については、発がん性のような重篤な障害のおそれのあるものは、重量の1%を超える場合にかけております。これは事業者が十分把握仕切れないですとか、あるいは発がん性、健康障害といっても、どの程度の濃度まで含有していればリスクがあるのかということを、厳密にはなかなか正確に推しはかれない部分があるのですが、安全側をみまして1%の水準であれば、このレベルで対応していただければ健康障害を防止できるだろうと考えているんです。
 ただ、表示の方は、それと同じ水準ですと事業者の対応にあたって問題が生じる場合がございますので、さらに低く設定しております。ですので、特化則の規制の水準よりも一段低いレベルから表示をしていただいて、それを受け取った事業者が適切に対応できるようにという考え方をとっております。
○角田委員 ありがとうございます。
 もう一点、濃度ということが出てきたので、少し気になるので質問させてください。同じ資料2の9ページ、エチレンオキシドの燻蒸にかかわることがございますが、四角の欄の中の濃度の値の表示の仕方はこういうことでよろしいですね。
○松井化学物質評価室長 これも改正部分だけを抜き出しております。これは1立方メートルで、温度が25度でという備考が表の後ろの方についております。
○角田委員 1立方メートルの中ということですね。
○小野委員 はい。ですから、エチレンオキシドと酸化プロピレンの管理濃度が1ppmと2ppmですのでそれをそのまま入れて、その体積と重量の換算をしたのが2ミリグラム、5ミリグラムということでございます。
○角田委員 ありがとうございます。
○分科会長 他にはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱と労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について、当分科会として妥当と認めるということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○分科会長 ありがとうございます。それでは、当分科会として妥当と認めます。事務局においては手続をよろしくお願いいたします。
 それでは、次に議題の3に移りたいと思います。第12次労働災害防止計画の骨子案についてでございます。事務局から説明をお願いいたします。
○高崎計画課長 ご審議いただいております12次防の関係でございますけれども、その始まりにあたって、私は全体のスケジュール感を申し上げましたが、年内の取りまとめに向けて、まず論点について議論していただいて、次にそれを肉づけして骨子という形でまとめていって、最終的に計画案にしてそれをまとめていくという段取りでございます。前回、論点についての議論が終わりました。それを踏まえまして、今回からそれを肉づけしました骨子案という形のものを御提示させていただいて、それを議論していただく。ただ、非常に分量の多いものですから、もちろん必要があれば追加しますけれども、今日を入れまして3回ぐらいに分けて議論していただいて、今度はその結果を計画案という形で取りまとめていくということで考えてございます。
 今日は、その骨子案の第1回目の議論ということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。骨子案については、10月ぐらいをめどにまとめていきたいと考えてございます。
 それでは、資料について担当から説明をさせます。
○木口調査官 それでは、資料3に沿いまして骨子案の御説明をさせていただきます。
 今回は労働災害防止計画でございますが、新成長戦略の目標年度である平成32年度に向けて、平成25年から平成29年までの5年間に、国が取り組む中長期的な計画という位置づけにしております。
 「1.計画のねらい」でございますが、労働安全衛生施策の選択と集中を進めると共に、行政、労働災害防止団体、事業者団体、専門家等が連携し合い、協同して労働災害防止に取り組むことにより、より効果的に対策を推進し、誰もが安心して働ける職場環境を実現するとしております。
 社会的背景のところは飛ばしまして、「3.目標」でございます。目標といたしましては、新成長戦略の目標でございます「平成20年(2008年)と比較して、平成32年(2020年)までに休業4日以上の労働災害による死傷者の数と死亡者の数を3割減少させること」がございます。この計画は平成29年まででございますので、この途中段階ということで4行目の後半になりますけれども、「休業4日以上の労働災害による死傷者の数を22.5%減少させること」としております。
 それから、災害の重篤度に応じて対策を講ずるという考え方を踏まえまして、4行目の前段でございますけれども、死亡者につきましては平成29年までに30%を減少させるということで、少し厳し目の目標を設定しております。
 「4.重点施策」でございますが、論点のご議論をいただきましたときに、労働災害防止計画の5つの柱の案としてご提示したものをそのまま並べてございます。
 (1)労働災害・業務上疾病の発生状況の変化に合わせた対策の重点化
(2)行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協同による労働災害防止の取組み
(3)社会・企業・労働者の安全に対する意識変革の促進
(4)科学的根拠、国際動向を踏まえた施策推進
(5)発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化
という構成にしております。
 本日は、この重点施策のうちの(1)につきまして、骨子案のこの資料で言いますと13ページ目までになりますが、こちらについてご議論をいただきたいと考えておりますので、13ページ目までについて、かいつまんでご説明をいたします。
 2ページ目でございます。「5.重点施策ごとの具体的な取組」といたしまして、まず1点目の柱でございます。
 ここでの問題意識といたしましては、近年の労働災害の発生状況を見ますと、これまで大きな割合を占めていた製造業や建設業などの業種、あるいは古くからの職業性疾病に加えまして、第3次産業の労働災害対策やメンタルヘルス対策など、新たな課題がますます重要になってきているということで、重点対策の見直しが必要ということをうたってございます。
 「(災害多発業種への取組)」でございますけれども、これまで重点的に取り組んできた建設業、製造業はそれぞれ着実な減少が見られておりますが、昨年来はちょっと増加傾向がございまして留意が必要な状況にございます。
 一方で、これまで安全衛生行政の重点対象としてこなかった第三次産業、特に小売業、社会福祉施設、それから陸上貨物運送業はほぼ横ばいでございまして、全体に占める割合が増加しております。
 この第三次産業、陸上貨物運送業は、建設業、製造業に比べまして、命にかかわる度合いの小さい転倒災害などの割合が高いという特徴が見られます。
 陸上貨物運送業につきましては、荷役作業中の労働災害が約7割を占める。それから、荷役作業中の労働災害の約7割が、荷主先等の構内で発生しているという特徴がございます。ですから、災害発生場所を管理する荷主先等との連携による災害防止が必要であるということを問題意識として挙げております。
 建設業につきましては、重篤な労働災害の発生の割合が高い業種でございますけれども、さらに東日本大震災の復旧・復興工事の今後の本格化によりまして、人材不足によります現場管理の劣化等が懸念されるということを問題意識として挙げてございます。
 製造業につきましては、前回の論点のペーパーでは挙げておらなかったんですけれども、長い歴史がございまして、労働災害の防止活動が活発に行われておりますが、機械災害など重篤で障害が残る災害の発生率が高いということ、それから昨年来、労働災害が増加しているとの背景の中に、団塊の世代の引退あるいは経営環境の悪化などによる安全衛生体制の弱体化も懸念されておりますので、留意が必要という問題意識を挙げております。
 次に「(健康面を巡る課題)」でございます。
 健康面につきましては、精神障害を防止するためのメンタルヘルス対策、3ページ目にまいりますけれども、過重労働対策について引き続き重点的な取り組みが必要でございます。メンタル不調者を増やさないために、早期発見・早期治療に加えまして、いわゆる1次予防としてメンタルヘルス不調になりにくい職場環境の改善が必要であるとしております。過重労働関係につきましても、長時間労働の抑制が求められているという問題意識を持っております。
 次に化学物質対策でございますが、印刷業での胆管がんの集団発生などを契機にいたしまして、特に職業がんの防止対策の強化が急務となっております。
 あと、業務上疾病の大半を占める腰痛が労働災害件数を押し上げておりますとか、夏季を中心に頻発しております熱中症対策、福島第一原発事故の対応にあたる労働者の被ばく対策が喫緊の課題ということで挙げております。
 次に「(業種横断的な課題)」でございますけれども、リスクアセスメントについてはかなり導入が進んでおりますが、中小規模事業所は取り組みが遅れております。
 もう一点、高年齢労働者の問題でございまして、ここのところ高年齢労働者の数がかなり増えているということに加えまして、労働災害の発生率を見ましても若い世代に比べて発生率が高いということで、加齢による身体機能の低下や基礎疾患に起因する労働災害の発生防止を強化する必要があるという問題意識を持っております。
 このような問題意識に沿いまして、「講ずべき対策」として以下を掲げてございます。
 まず、「(ア)労働災害が減少していない災害多発業種対策」でございますけれども、第3次産業と陸上貨物運送業の労働災害につきまして、計画全体の目標と同様の削減目標を掲げてございます。
 具体的な対策につきましては、4ページ目でございます。まず第三次産業の対策でございますけれども、第三次産業は小売業、社会福祉施設、飲食店を重点的に取り組むということで、まずは「◆安全衛生管理体制の強化」ということでございます。労働災害防止対策を進める上での責任者を明確にするという観点から、まず第三次産業の実態を調べまして、それに即した効果的な安全衛生管理体制の構築を検討するとしております。
 特に第三次産業におきましては、パートやアルバイトなど、非正規労働者の割合が高いということもございますので、こういった実態を踏まえながら、正規・非正規の別を問わず、充実した安全衛生活動が現場で着実に取り組まれるように指導していくということをあげてございます。
 次に、「◆小売業に対する集中的取組」でございます。小売業は事業場数がかなり多いということもございますので、まずは大規模店舗、多店舗展開企業を重点とした労働災害防止意識の向上をはかるとしております。
 それから、災害の多くがバックヤードを中心として発生しているということでございますので、バックヤードの作業の実態に着目した危険箇所の見える化、リスクアセスメント、KY活動の実施。小売業の安全管理につきまして、国内外の好事例を集中して展開していくといったこと。経営や業務管理に安全管理を組み込んだモデルを作成して、普及をはかるということを考えております。
 小売業につきましては、滑りによる転倒災害や切れ・こすれ災害など行動災害が大半を占めるということもございますので、滑りにくい安全靴ですとか安全手袋といった保護具の開発による災害の防止というものを取り組んでまいりたいと思っております。
 次に5ページ目でございます。社会福祉施設につきましては、介護労働者の腰痛というのが大きな問題になっておりますので、職場における腰痛予防対策指針で定める腰痛の健康診断の普及、介護機器の導入による腰痛予防など、専門家の活用によりまして指導も行っていくということでございます。
介護事業者に対しましても、従業員に対して腰痛予防の教育ができますような教育を実施していくということにしております。
 飲食店につきましては、やはり転倒災害と切れ・こすれ災害が大半を占めておりますので、取り組みの好事例などを収集いたしまして、安全衛生対策マニュアルを作成して普及するということをしております。
 この三次産業全体に関しまして、対策はかなり類型化をして水平展開が可能なものと思われますので、労働安全衛生研究所の協力などを得まして、こういった対策の類型化をして三次産業に対する意識啓発、指導をさらに進めていくということにしております。
 次に、「○陸上貨物運送事業対策」でございます。陸運業におきましては、災害の7割が荷役作業中に発生しているということでございますので、「トラックの荷役作業における安全ガイドライン」というものをつくりまして、普及をはかっていきたいと思っております。
 それから、設備面の対策といたしまして、荷台からの墜落防止装置を装備したトラックとか、荷主先に備える移動式プラットホームなどの普及をはかるための支援措置を検討しております。
 次に、「◆トラック運転手に対する安全衛生教育の強化」ということでございまして、荷主との役割分担でトラック運転者が荷役作業もやるという場合には、それを前提としてトラック運転者の教育の中で、荷役作業中の墜落・転落防止対策や荷の運搬中の労働災害防止対策に関する教育もきっちりやっていくということを書いてございます。
 次に6ページ目でございます。「◆荷主による取組の強化」ということでございまして、荷主が管理する施設での労働災害防止対策も含めまして、業者側と荷主側の役割分担をモデル運送契約書の普及などによって明確にし、役割分担に基づく措置の実施を促進するとしています。
 次に「(イ)重篤度の高い労働災害が多発し、増加が懸念される業種対策」ということでございまして、目標といたしましては、これも全体の目標と同様の数字を挙げてございますけれども、建設業と、後段部分に製造業のことも書いてございます。この業種を対象として書いてございます。
 まず「○建設業対策」でございますけれども、建設工事発注者に対する要請として、施工時の安全衛生を確保するために必要な経費を積算し、また、それが関係請負人に渡りますように、国土交通省と連携して対応するということにしております。
 特に、アスベストを含む建材の解体工事におきましては、こういったアスベストの飛散措置が確実に講じられますように、関係省庁などとも連携して対応するとしております。
 「◆墜落・転落災害防止対策」でございますが、足場以外からの転落災害などもかなり大きな割合を占めておりますので、労働安全衛生総合研究所と協力をいたしまして、こういった場所からの墜落・転落防止のための手法の開発などをしてまいります。
 それから「?ハーネス型の安全帯の普及」としておりまして、墜落時に体への衝撃が比較的低いハーネス型の安全帯の普及をさせるということを書いてございます。
 次に7ページ目、「◆解体工事対策」です。今後、老朽化インフラや建造物の解体・改修工事の増加が見込まれるということで2点挙げておりますが、1点目はアスベストの飛散防止対策の徹底をはかるということでございます。もう一つは解体工事での安全対策ということで、解体工事特有の安全対策についてガイドラインを示すとしております。
 次が「◆震災復興工事・自然災害の復旧・復興工事対策」ということでございまして、東日本大震災の復旧・復興工事はもちろんなんですけれども、大雨、大雪、竜巻、台風など自然災害も頻発しておりますので、こういった自然災害で被災した地域での復旧・復興工事における労働災害防止の徹底をはかるとしております。
 それから、急激に復興工事の需要が増えて新規参入者が増えているということを踏まえまして、こういった方に対する安全衛生教育の確実な実施を促すということを掲げてございます。
 次に「○製造業対策」でございます。製造業対策としては、論点のときに機械の本質安全化といったことが書いてございましたけれども、「◆機械災害に対する重点的な指導」ということを、まず柱の1つとして挙げてございます。
 2つ目として、「◆労働災害防止団体と連携した取組み」ということで、特に小規模事業所における安全衛生管理の底上げをはかるという意味で、労働災害防止団体の活動を支援していくということを書いてございます。
 次に8ページ目でございます。健康確保・職業性疾病対策でございます。
 まず「○メンタルヘルス対策」ですけれども、この目標といたしまして、まず1次予防として労働者への教育研修・情報提供の徹底をはかるということにしております。
 それから、職場復帰の支援。3次予防の観点でございますが、労働者数50人以上の規模の事業場で支援に取り組んでいる事業場の割合を50%以上とするという目標にしております。
 実際に講ずる対策でございますが、まずは「◆メンタルヘルス不調予防のための職場改善の取組」ということを掲げてございます。これは1次予防でございます。
 それから「◆ストレスチェック制度の活用促進」をあげております。
 「◆取組方策が分からない事業場への支援」ということで、特に小規模事業場に対する支援の強化ということをあげてございます。
 それから、「◆職場復帰対策の促進」につきましても好事例を収集いたしまして、事業場の規模などに応じた職場復帰支援に係るモデルプログラムを作って普及していくということを書いてございます。
 9ページ目でございますが、「○過重労働対策」でございます。過重労働対策につきましては、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を平成32年までに半減させるという新成長戦略の目標に準じまして、この平成29年の到達目標ということで、37%を減少させるということを挙げてございます。
 実施することといたしましては、「◆健康管理の徹底による労働者の健康障害リスクの低減」「◆働き方・休み方の見直しの推進」ということを挙げてございます。
 次に、「○化学物質による健康障害防止対策」でございます。化学物質に関しましては、GHS分類において危険有害性を有する全ての化学物質について、危険有害性の表示と安全データシート(SDS)の交付を行っている化学物質製造者、川上で押さえるということでございますけれども、製造者の割合を80%以上とするという目標にしてございます。
 実施事項でございますけれども、まず「◆発がん性に着目した化学物質規制の加速」ということで「?化学物質の有害性情報の集約化」。この集約化された情報などに基づきまして、「?発がん性に重点を置いた有害性情報等に基づく科学物質の有害性評価と対応の加速」ということを挙げてございます。
 10ページ目でございますけれども、「?発がん性が疑われる段階での対策の強化」ということで、強い変異原性などが確認されました段階で、健康障害防止のための技術指針などを作成して周知、措置の徹底をはかるということを書いてございます。
 それから、「◆作業環境管理の徹底と改善」ということでございまして、作業環境中の濃度測定が未確立の化学物質につきましても、化学物質の性状や取扱量などから、環境中の濃度が推定できる方法などを活用して措置の普及を図るということと、発散抑制措置の性能要件化の普及、個人サンプラーなどを用いた濃度測定の導入についての検討を挙げてございます。
 「◆危険有害性応報の適切な伝達・提供」につきましては、目標にも掲げました危険性の表示とSDSの交付の促進に加えまして、化学物質の製造、輸入、使用から廃棄に至る一連の流通経路を通じて、情報が適切に伝達・提供できますように、省庁横断的な取り組みによる合理的な化学物質管理体制の構築ということを掲げてございます。
 次に「○腰痛予防対策」でございます。この目標も、全体の目標と同様のものを挙げてございます。
まずは「◆腰痛予防教育の強化」ということでございまして、特に腰痛が懸念される社会福祉施設、小売業、陸上貨物運送業を重点といたしまして、雇入れ時教育に腰痛予防対策を盛り込むことを促進するとしております。
 2つ目と3つ目は社会福祉施設のところで挙げたものの再掲でございますけれども、「◆介護労働者に配慮した介護手法の普及」、11ページ目でございますが、「◆介護事業者に対する腰痛予防教育手法に関する講習の実施」ということを挙げてございます。
 4つ目が、「◆重量物取扱い業務に対する規制の導入」ということでございますけれども、これも発生要因のリスクを除去するという観点で、どのようなことができるかということを今後検討してまいるということでございます。
 次に「○熱中症対策」でございます。目標は、全体の目標と同様のものを掲げてございます。
 1つ目は、「◆屋外作業に対する規制の導入」ということでございまして、熱中症の発生状況などを勘案いたしまして、夏季の一定時期の屋外作業に関しまして、環境の状況に応じた措置について検討するということでございます。
 それから、熱中症対策製品として現在もいろいろなものが市販されておりますが、こういったものの適切な製品の選択について、機能の評価を行って注意喚起を行うということを書いてございます。
 次に「○放射線障害防止対策」でございます。
 まず「◆原発事故対応の体制整備」ということで、事故時の被ばく管理を適切に実施するための準備状況の確認ということが1点でございます。
 もう一つは、「◆原発事故復旧作業と除染作業の労働災害防止」ということで、こういった作業における被ばくの防止対策を確実に実施するということを挙げてございます。
 次に12ページ目でございます。「○受動喫煙防止対策」です。受動喫煙につきましては、新成長戦略の中で平成32年度までに受動喫煙を受けている方を全廃するという目標でございますので、その中途段階ということで、平成29年までに職場で受動喫煙を受けている労働者の割合を15%以下にするということを目標に挙げてございます。
 実施することとしては、受動喫煙防止対策の普及促進、受動喫煙防止対策の強化ということでございます。
 次に「ウ 業種横断的な取組」ということでございます。
 まず、「(ア)リスクアセスメントの普及促進」で、中小規模事業場でリスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムの導入が遅れているという実態を踏まえまして、中小規模事業場で導入しやすい形のマニュアルの策定等によりまして、導入を促進するということにしております。これに際しましては、労働安全・衛生コンサルタントなどの専門家も活用するということにしております。
 2つ目といたしまして、建設業におきましては、元方事業者と関係請負人、それぞれの役割に応じたリスクアセスメントの実施が必要ということで、建設業労働災害防止協会との連携で指導するということが書いてございます。
 労働衛生分野のリスクアセスメントにつきましては、まだマニュアル等がなかなか整備されておりませんので、できますところからリスクアセスメントの実施を促進するとしております。
 13ページ目でございます。化学物質のリスクアセスメントにつきましては、専門的な知識がなくてもリスクアセスメントの実施が可能となるツールとして、「コントロール・バンディング」といったものが開発されておりますので、こういったものを中小規模事業場に周知していくということでございます。
 2点目の「(イ)高年齢労働者対策」でございます。高年齢労働者対策につきましては、論点のご議論のときに意識の啓発のところで書いてございましたが、これを前に持ってきたものでございます。
 項目としては、まず1つ目として職場における段差の解消とか手すりの設置といった、職場の残存リスクの低減の促進でございます。
 もう一つは、高年齢になりますと基礎疾患を持つ方が増えてくるということもございますので、こういった基礎疾患等に関連する労働災害の防止ということを掲げてございます。
 「(ウ)非正規労働者対策」でございます。非正規労働者対策につきましては、正規労働者と比べて労働災害の発生状況などにどういう違いがあるか、まだ私どもも実態が把握できていないという状況がございますので、まず雇入れ時教育ですとか健康診断の実施など安全衛生活動の実態把握を進めまして、それを踏まえまして必要な対策を検討するといった書き方にしております。
 もう一つ、雇用形態がいろいろと多様化・複雑化しておりまして、建設業における一人親方の問題、製造業においても業務請負がかなり進んでいるという状況がございまして、そういった中で、労働災害防止の責任の所在が曖昧になって労働災害が発生することがないように、多用な雇用1形態が混在するような労働現場での指導に際しましては、労働災害防止の責任の明確化をはかるということにしております。
 かなり駆け足の御説明でございますが、(1)は以上でございますので、以上、資料の説明とさせていただきます。
○分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、議論に入りたいと思いますが、まず総論として、1ページ目の「1.計画のねらい」、2はあれですけれども、「3.目標」、5つ挙げられております「4.重点施策」というところで議論をさせていただきたいと思いますが、2ページ目からの重点施策については、1ページ目の議論が終わってからご議論いただきたいと思いますので、1ページ目についてご意見等がありましたらお願いいたします。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 年末の取りまとめに向けて、今日は12次防の骨子案が示されたわけですけれども、ちょうど今日は、1月から開かれていました通常国会が実質的に終わる日ということです。12次防の骨子案にある職場におけるメンタルヘルス対策、受動喫煙防止対策とも関連いたしますけれども、労働安全衛生法の改正法案は、いまだ成立せずという状況になっているわけです。
 今後、12次防の内容について検討するに当たって、労働安全衛生法案の成立が重要なポイントになってくると思いますので、本日現在は未成立ということで、会期末処理は国会で行われるのではないかと思いますけれども、次の臨時国会での早期の成立に向けて、政府としても万全を尽くしていただきたいということを、まず、お願いを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございます。
 他にはいかがでしょうか。明石委員、どうぞ。
○明石委員 骨子案の1ページ目についてですけれども、この災防計画は平成25年〜29年の5年間ということですが、平成20年を比較して29年なので目標と計画にはずれがあるということになると思います。考えると、5年間で完結する計画であれば、やはり5年間の目標の方がいいのではないか、そのほうが整合性があるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○分科会長 いかがでしょうか。どうぞ。
○宮野安全衛生部長 お答えをいたします。
 まず最初に、新谷委員から労働安全衛生法の件でお話をいただきましたが、今、お話がありましたとおり、残念ながらこの通常国会で私どもが提出しておりました安全衛生法の改正法案は、ご案内のとおり衆議院の厚生労働委員会で趣旨説明まではさせていただきましたけれども、そこで国会がきょう閉会してしまう。恐らくきょうの委員会で、継続審議の手続はしていただけるだろうと思っておりますけれども、もちろん状況はどういうふうになるかわかりませんが、秋にも臨時国会があるというお話も聞いております。そういう中で、趣旨説明まで進んでおりまして、次のステップはご審議をいただけるというところまでは来ておりますので、何とかご審議いただいて成立をさせていただければと考えております。
 いずれにしても、この12次防の計画の内容そのものは、メンタルヘルスのところ、あるいは受動喫煙対策のところは、最終的にはその状況を踏まえて確定をするということになろうと考えております。
 それから、明石委員からのご指摘であります。ご指摘のとおりでありますが、ご案内のとおり政府全体としての中期的な大目標としてここにございますように、平成20年を発射台にして平成32年までの目標というものがさまざま提示をされております。この中でも、労働災害について、3に書いてございますような死傷者と死亡者の数を3割減少させるという目標を設定しているところであります。
 したがいまして、私どもとしては中期的な目標の中で、この5年間、これは25年度〜29年度までの目標でありますけれども、その目標を設定して取り組みをするというのがこの12次防になるわけです。その目標の発射台のところをどうするのかということでありますが、考え方としてはご指摘のとおり、例えば今回の計画期間前年の24年度を発射台にするという考え方もあろうかと思います。しかし、この案では、いずれにしてもさらに長期のスパンの目標である新成長戦略の目標の発射台であります20年を発射台にして、5年間の目標を立てているということにしております。このあたりについては、私どもとすると、今の長期的なスパンの中での発射台に合わせて取り組みをしていくことが妥当かと思っておりますけれども、またご議論いただければと考えております。
○分科会長 どうぞ。
○明石委員 基準をどこに置くかによって数字が大分変わってきます。平成20年に基準を置くと過去を問われる話になって、そこまで責任を負えないなというところがあります。そこはまた、ご再考いただければと思います。
○分科会長 それでは、この問題はかなり議論ありそうですので、目標についてはこれから継続審議ということにさせていただきたいと思います。
 重点施策等について、ほかにご指摘するところはありませんでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 重点施策は、今、5つ挙げられておりまして、論点が提起された前回にも申し上げましたが、東日本大震災からの復旧・復興並びに福島第一原発の事故の収束に向けた対応について、もう少し国としての姿勢がわかるようにするべきではないか。やはり未曾有の国難でありますし、失われた社会インフラを元に戻していくということからいっても、復興工事等々で非常に多くの労働者が従事することになると思います。また、福島第一原発の収束に向けて、現在でも毎日3,000人以上の方が廃炉に向けて作業に従事されております。
 その中で、残念ながら労働安全衛生法を遵守できないような事例も出てきておりまして、しかも、放射線障害の場合は、非常に晩発性ということですので、長期間にわたる安全衛生管理が必要になってまいります。そういった面からいっても、東日本大震災の復旧・復興並びに福島第一原発の収束に向けた安全衛生対策について、国としても非常に注力していくという姿勢を示す必要があるのではないかと思います。
 もちろん後ほど論議する各論において、建設業対策や、放射線障害防止対策の中でそれぞれに分かれて記述されておりますけれども、総論に当たる重点施策の中に、今、申し上げた点について大きな柱として掲げていくことが重要ではないかと労働側は考えておりますので、次回以降、ぜひ検討をお願いしたいと思っています。
 以上です。
○分科会長 次回からということでよろしいですか。
○宮野安全衛生部長 今のご指摘を踏まえて、また構成等々は検討させていただきたいと思います。
○分科会長 ありがとうございます。
 1ページ目についてはよろしいでしょうか。角田委員、どうぞ。
○角田委員 あまり細かなことは必要ないと思うんですけれども、労働安全衛生マネジメントシステムということが後で出てくると思うんですが、過去のいろいろな実績や計画、その反省、そういうことを踏まえて次の段階に移していくということが内容の中には必ずあるわけだと思うんですけれども、この業種別あるいは疾患別、あるいは実態別に、12次防というのは大変な労作の計画ということになると思うんですけれども、それまでに労働災害防止計画というのは過去に積み重ねられてきたものがあるわけで、そうしたものを受けてやっていらっしゃることを少し触れられるような姿勢があると、大変いいのではないかと思うんですけれどもいかがなものでしょうか。
○分科会長 お願いします。
○高崎計画課長 ご指摘はそのとおりだろうと思います。この審議会でも、まず12次防の議論に入る前に、途中段階ではありますけれども、第11次防、今現在進行中の災防計画の評価ということもさせていただいたところでございます。そのあたりを骨子案に入れるかどうかはともかく、最終的に作り上げていきます災防計画の中では、当然過去に立って現状に見据えて、今後はどうしていくのかという観点で作っていくことはそのとおりだろうと思いますので、そのあたりのご指摘を入れて、事務局の方でもいろいろ工夫していきたいと思っています。
○角田委員 ありがとうございます。
○分科会長 それでは、2ページ以降の膨大な資料について、重点施策ごとの具体的な取り組みということがございます。これは順を追っていかなくてどこでも結構ですので、13ページまでのところについてご議論いただければと思います。
 縄野委員、どうぞ。
○縄野委員 目標値についてお伺いをしたいのですが、1ページとも少し関連しますけれども、1ページの方は全体の目標が掲げられて、2ページ以降は各項目ごとに目標が掲げられておりますが、先ほどご議論がありましたように、全体の目標は平成29年までに、平成20年と比較をして死亡者数については30%減、死傷者数は22.5%減という目標が掲げられておりますが、ぜひこの目標の達成ができますようにご尽力をいただきたい。
 その上で、2ページ以降の各項目の目標値についてお伺いしたい。労働災害対策は、業種や災害の種類により、過去の災害の実績とその増減、これまでの対策の有効性、ノウハウの蓄積など、当然違いがあると考えるわけですが、今回の提起については、例えば3ページには第三次産業と陸上貨物運送事業、6ページには建設業について記載がされておりますけれども、いずれも目標値については全体の目標と同じ、死亡者数は30%減、死傷者数は22.5%減という目標値が設定されております。さらには、10ページの腰痛予防、そして11ページの熱中症の対策についても、死傷者数は22.5%減という同様の目標が設定をされているわけであります。このように、各重点対策の目標値が全体目標にそろえた形で一律の目標設定をしていることについて、その理由をお伺いしたいと思います。
 以上です。
○分科会長 いかがでしょうか。どうぞ。
○高崎計画課長 今日は骨子案の第1回目の提示ということで、私ども事務局といたしましては、分科会長のご指示に基づいて骨子案を取りまとめておりますけれども、言わばウェートづけということは、今回あえてしておりませんで、全体の目標を達成するためにはいろいろなやり方があると思うんですけれども、全てのパーツで達成すれば、その計は当然達成ということになります。ウェートづけをしましてずれが出てくると、全体との調整という形になりまして、そこでいろいろな議論なり手続も必要になってきますので、そこのウェートづけ、あるいはここはもっと強くやるべきではないかとか、そういうことはぜひこの場で御意見なりをいただいて、それを集約していただければと思っておりまして、私どもとして、今回全て一律にした方がいいという判断でご提示しているものではございません。
○縄野委員 例えば2ページの「(災害多発業種への取組)」ということで、先ほどご説明がございました。この中で、第3次産業や陸上貨物運送事業は建設業と比較をして生命にかかわる度合いが小さい。一方、建設業は重篤な労働災害の発生の割合が高い。こういう明らかな違いが出てきているわけで、こうした点を踏まえて、できれば目標値も違う形で設定をしていただいた方がよろしいのではないかと考えます。
○分科会長 ありがとうございます。
 そういうご提言がありましたけれども、業種ごとに、ある程度重みづけをした方がいいというご意見について何か御議論はございますか。よろしいですか。
 他の観点からいかがでしょうか。大山委員、どうぞ。
○大山委員 この骨子案に関しまして、主に中小企業に対する産業支援の政策的な視点から、2つほど意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 2ページにあります、重点施策の「(1)労働災害・業務上疾病発生状況に合わせた対策の重点化」についてでございますけれども、ここにもございますように、第三次産業あるいはメンタルヘルス対策に重点を置くということは、大変重要なことではないかと思います。これらの施策の効果を上げるために、事業者数としても大変多い中小企業への普及あるいは啓発というのが、非常に重要であると思っております。この策定に当たりましては、ぜひ人材あるいは資金に余裕のない中小企業が、安全衛生に関する知識やノウハウを学びやすい環境づくりを進めるための支援策を拡充していただきたいと思います。
 8ページに、メンタルに関しては支援するということが載っておりますけれども、その他の項目につきましても、ぜひ支援策を拡充していただきまして、周知徹底をお願いしたいと思っております。
 また、ちょっと先になりますが、12ページにありますような受動喫煙防止対策についてでございますけれども、昨年10月から実施されております支援事業におきましては、旅館あるいは飲食店を中心としてされているということで、大変結構なことだと思いますけれども、喫煙室の設置に必要な経費などもかかるわけでございまして、こういったものへの助成あるいは相談などが非常に重要であると思います。
 ただ、受動喫煙防止対策につきましては飲食店などに限った話ではございませんので、事業者が対策に取り組むに当たりましては、設備投資などの新たな負担が発生する可能性が十分にございます。その影響を緩和するためにも、ぜひ財政的支援などの施策を講じていただきたいと思います。
 私もいろいろな業界団体とか産業界との接触がございますけれども、中小の企業家の方は特に愛煙家が多いという感じを持っておりますので、そういう方たちの意識を変えていくということが、まず第一に重要かなと思います。ぜひそういった意味でも、いろいろな周知徹底を含めて支援策を御検討いただきたいと思います。
 以上でございます。
○分科会長 ありがとうございます。
 よろしいですか。どうぞ。
○高崎計画課長 中小企業に対する支援という考え方は、まさにそのとおりでございます。安全衛生の法体系そのものは、義務化されてしまいますと事業者責任でやっていただかなくてはならないということで、例えばそこについて金銭的な支援をしていくことは難しいわけでございますけれども、中にはステップ・バイ・ステップで進めていくものとか、義務でやっていくものとか、指針で進めていくものとかがいろいろありますので、そういうものにつきましては、もちろん人材的にも財政的にも大企業に比べますと余力のない、中小企業あるいは零細企業対策が大事だというのはそのとおりですし、むしろ私ども安全衛生行政のそういう支援というのは、まさに中小企業のためだけにやっていまして、言っては悪いですけれども、私どもは大企業を支援しても仕方ないわけでございまして、大企業は自分でやっていただくということが大前提だろうと思いますので、中小企業を中心に考えておりますけれども、支援については、さらに今後とも中小企業、零細を中心に行っていきたいと考えております。
 受動喫煙防止対策の関係については、部長が冒頭にお話しましたとおり、今、法案がかかっているということで、我々政府としましてはなかなかコメントしにくい立場にあります。法案についても国会でどういう議論がなされるかはわかりませんけれども、最終的にでき上がった法案について、その姿に応じて、今、委員がご指摘されたようなことも含めて支援できるような形で、一応予算の構えとしてはそういうことで準備して、今日が提出日ですけれども、概算要求も準備させていただいておりますので、また国会の法律の状況が決まりましたら御説明させていただく機会もあろうかと思います。
○分科会長 よろしいですか。
○大山委員 先ほども申し上げましたように、私はたばこを吸わない人なんですけれども、えてして吸う人は他の人のことをほとんど考えない人も多くて、自分のところに煙が来ないようにして他の方へ流れていく、我々はその被害を受けているという立場でございますから、意識改革というのは非常に重要だと日ごろ思っておりますので、ぜひそういった面にお力を入れていただきたいと思います。
○分科会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。中村委員、どうぞ。
○中村委員 13ページの高年齢労働者対策の中で、基礎疾患等に関連する労働災害防止の項目で、建設作業の「作業開始前の健康状態のチェックやその結果に基づく適切な作業配置を促進する」と書いてありますが、これはどういう立場の方がどのような内容の健康状態のチェックをするのか、それが実行可能で、効果的なものができるかどうかということをお伺いしたいと思います。
 その次に、基礎疾患等の健康障害リスクを持つ労働者については、日常的な作業管理の中で事業者が本人の申告に基づいて健康状態を把握し、労働災害につながるような状態で作業に従事することのないように注意を喚起するとあります。これは大事なことですが、その前に、労働者自身が自己管理を徹底するということが重要で効果的であると思います。
 ですから、ここのところは次のような、つまり、「基礎疾患を有する労働者については、日々の労働者自身による自己管理を徹底する」。ここで言う労働者自身による自己管理というのは、治療が必要な疾患を抱える者は治療をきちんと受ける。禁煙を含めた生活習慣の改善が必要な者については、それに努める。また、その日の体調が、作業を安全に遂行する上で問題がある場合にはきちんと申し出るといったことを指します。そして、事業者は十分な配慮をもって対応する。このような表現のほうがはっきりするのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、基礎疾患等に関連する労働災害防止については、必ずしも高齢労働者だけではありませんので、高年齢労働者対策の項目に盛り込むよりも、“社会・企業・労働者の安全に対する意識改革の促進”の項目に入れたほうが伝わりやすいと思います。
 それともう一点、受動喫煙防止対策について、現在、受動喫煙を受けている労働者の割合が65%とかなり高い割合ですので、効果的な対策を早期にとる必要があると思います。一方で職業がん発生のプロモーターとしての喫煙についても考慮しなければいけないと思います。例えばアスベストについては明らかになっていますし、その他にも喫煙と重なることによって発がん性が高まるものがある可能性があることが推測されます。そういった観点から禁煙の重要性についても積極的に盛り込んだほうが良いのではないでしょうか。
 もう一点は9ページですけれども、過重労働対策。目標として、週労働時間60時間以上の雇用者を37%減少する、この数字の根拠を教えていただきたいと思います。
 以上、お願いします。
○椎葉労働衛生課長 労働衛生課長でございます。幾つか御質問がございましたので、衛生課分につきまして、ご説明をさせていただきます。
 まず1点目でございますけれども、体調不良が重篤な労働災害につながりやすい建設作業などにつきまして、開始作業前の健康チェックなどはどういったイメージがあるかということでございますが、現在、熱中症対策におきましては、作業前にその日の体調、顔色を見たり、そういうチェックをして、その日作業につかせるかどうかということにつきまして指導をしておりまして、そういったものなどを含めて考えております。
 それから、自己管理のところでございますけれども、まさにこの13ページの「○基礎疾患等に関連する労働災害防止」の3つ目のポツのところには、「労働者自身の健康管理のみならず」と書いておりまして、先生ご指摘の労働者自身の日々の健康管理というのは大変大切なものでございますので、そういったものはご指摘を含めて盛り込みたいと考えております。こういった基礎疾患は高齢者だけではなくて、まさに労働者全体につながるものでございますが、THP(心とからだの健康づくり)で、労働者は健康の保持増進の努力義務もございますので、そういったものを含めて、高齢者、普通の労働者も含めまして、基礎疾患を持つ方が日々健康に増進するように、そして日々の自己管理に努めるように、その辺を含めて記載をさせていただきたいと思います。
 それから、受動喫煙のところでございますが、喫煙対策につきましてはまさに法律に沿った形になろうかと思いますけれども、有害な業務につきましては、職場では特化則なり有機則なりがございますけれども、その中で喫煙は禁止されております。まさに発がんのプロモーターとなるということで、そういったことも含めまして普及・啓発には取り組んでいきたいと考えております。
○田中労働条件政策課長 過重労働対策の部分の週労働時間60時間以上の雇用者の割合で目標値を設定している理由でございます。これは労働力調査でとっている、長時間労働の状況を把握するための統計数字でございます。きっちり一致するわけではございませんけれども、週60時間ということは、法定労働時間の週40時間を超える部分だけを見ますと一週当たり20時間、それを1か月に換算しますと約80時間強ということになります。この1か月80時間の時間外労働を長期間続けますと、業務上の脳・心臓疾患の可能性が高まる、関連性が強いというラインでございまして、こうしたラインを超えるような労働をしている方をできるだけ減らしていくという意味で、目標値として適当ではないかということで採用しているものでございます。
○分科会長 中村委員、よろしいですか。
 瀬戸委員、どうですか。
○瀬戸委員 ありがとうございます。
 2点ほど。1つは質問なんですけれども、2ページの一番下の「(健康面を巡る課題)」というところで、「労災認定件数が増加している精神障害」と記載してございます。この増加している数はきょうの資料の中にあるのか、もしなければどの程度増加しているのかというのをお聞かせ願いたいのが1点。
 それから、後ろの方になりますが、13ページの(イ)の1つ目の「○高年齢労働者の労働災害防止の取組」というところで、1つ目の黒ポツで「高齢化や定年の延長に伴い」と書いてあるんですけれども、再雇用の申し出があればすべて受け入れるという方向があるにしても、この記述の仕方は、あたかも定年延長が義務化されたようなことでとられるのではないかと思いますので、一考をお願いいたします。
 以上です。
○分科会長 ありがとうございます。事務局の方で。
○高崎計画課長 後ろの方の定年の延長の部分については、少し言葉足らずの部分があろうかと思いますので、法令に即して手直しをしたいと思います。
 後段については衛生課長の方から。
○椎葉労働衛生課長 本日の配付資料に第62回配付資料とございますが、それの27ページでございます。27ページに「疾病別労災新規認定件数の推移」という表がございますが、一番下の合計のところから2つ上に精神障害とございます。こちらに数字がございまして、18年〜22年までの認定された方の推移の実数が載っておりまして、一番右が23年度で、325名でございます。
○分科会長 よろしいですか。
 犬飼委員、どうぞ。
○犬飼委員 4ページの「○第三次産業対策」なんですが、先般の12次防策定に向けた論点のところでは表現ぶりが、安全管理者の選任や安全衛生委員会の設置義務を小売業や社会福祉施設にも広げることを検討するという明確な記述があって、高崎課長からも、ともかく体制をとっていただくのだということで、設置基準なり選任基準を広げようという趣旨で提案をしているというお話がありました。
 今回の文面を見ますと、4ページの「○第三次産業対策」の1つ目の◆の1つ目で、「責任者を明確にする観点」から、「実態に即した効果的な安全管理体制の構築を検討する」と、少し具体性に欠ける表現になっております。先般の表現の方が、ともかくそういう体制をとっていただくのだという明確な目標になっていましたので、これからまたどういう実態に即して検討していったらいいのか、少しトーンが下がったようなイメージがあります。このあたりについてご説明をお願いしますというのが1点です。
 2点目は、その下の「◆小売業に対する集中的取組」の?であります。この1行目の、「労働者の不安全行動に起因するとの意識が強くなりがちな転倒災害が最も多く発生している事故の型であることから」という表現です。修飾語が非常に多くて難しい文章で、ここの「不安全行動に起因するとの意識が強くなりがち」というところですが、普通リスクアセスメントをやっていれば、例えば転倒した場合にはすぐ、それは床の状況、例えばぬれなのか、あるいは履物なのか、手すりが不設置なのか、勾配はどうなのかというリスクハザードをまず求めていくと思うのです。
 これは、まさにリスクアセスメントさえやっていれば防げるものであって、まずこの思いこそ意識改革が求められるのではないか。不安全行動に起因するという意識が強くなってしまっているから、対策がとられにくいという意味はわかりますが、労働側の意識としては、リスクアセスメントが求められるのはバックヤードに限られないというスタンスに立って、不安全行動に起因するものではない、設備上の問題であるという点に着目して、対策をとるべきだというところの意識改革を広げるべきだと思いますので、ここはご検討願いたいと考えます。
○分科会長 いかがでしょうか。どうぞ。
○高崎計画課長 安全管理体制の関係については、トーンが落ちているのではないかというご指摘がありましたけれども、そういうことではなくて、そうはいっても従来の製造業なりで置かれていたものと全く同じ仕組みを、設置水準を下げるなり何なりしてそのまま第三次産業に持ってこれるということでもないでしょうし、あるいはそっちの方が効果的でない場合もあろうかと思いますので、そういう意味で実態に即して効果的な構築ということで、中身についてはもちろん我々で案をつくりましたけれども、この場でもご議論をいただかなくてはなりませんので、そういう意味で検討していくという考え方でございます。
 不安全行動についてのご意見は、まさにそのとおりだと思います。不安全行動と言ってしまったらそれで終わってしまうわけですので、不安全行動は不安全行動でしょうけれども、それをどれだけ減らすかというところについては、そういう設備費なりリスクの評価なりが必要だということはまさに御指摘のとおりだろうと思いますので、そういう形で整理をしたいと思います。
○分科会長 よろしいですか。
○犬飼委員 はい。
○分科会長 小野委員、どうぞ。
○小野委員 化学物質全体のことで1つ気になったことがあるんですけれども、3ページの2段落目で、化学物質による健康障害防止が重要だということで、そこから9ページに行きまして、化学物質による健康障害防止対策にいくと思うんです。化学物質は先ほどもお話がありましたけれども、化学物質は数が多くて、規制をかけるというのは余り得策ではなくて、規制をかけることによって逆にそこから逃げて、かえってどこのものを使うという可能性もあることから、リスクアセスメントが極めて重要な方策だと思います。リスクアセスメントについては、後段の方で随分述べられたりしているんですけれども、それがこの健康障害防止対策というところでは触れられていない。
 ここのところで10ページの2段落目に、後からも出てくるコントロールバンディングの話ですとか個人サンプラーの話とか、個別の話になるんですけれども、もっと全体のリスクアセスメントがあって、それから個別に入っていくという観点ではないでしょうか。ちょっとその辺に疑問を感じました。
 もう片方の側面として、やはりデータ集の方にもございますけれども、衛生関係のリスクアセスメントが進まないということには、知識を持った人がいないとか、多分知識があっても、そういうアセスメントの方になかなか割けないという事業所側の事情等もあるかと思うんですけれども、たとえSDSが手元にあっても、そこから措置にどうつなげていくかという流れに関しては、形を構築していくという施策なりが必要になってくるのではないかと思うんです。その点について御意見をお聞かせいただければと思います。
○分科会長 半田課長、お願いします
○半田化学物質対策課長 化学物質の対策でございますが、ご指摘のとおり、規制されている物質以外のものは安全だということではございませんので、規制されているから規制されていないものに逃げていく、それは大変困ったことでございます。
 私ども、たびたび申し上げてございますように、職場で使うものは何しろ6万物質ございますので、こういったものをどう適正に管理して使っていくかということの考え方は、まず基本的に重篤なものについては、もちろん私どもがきちんと規制をかけていくということでございます。そのためにも先ほど評価室長が御説明しましたように、私どもみずからリスク評価を計画的に実施しまして、必要なものについては規制を加えていくということをやっているわけでございますが、何しろ相手は何万という数でございますから、これだけでは万全を期し難い。
 そこで大事になってきますのが、事業場におけます自主管理ということでございますが、それを進めるために、おっしゃるとおりリスクアセスメントということが非常に重要なポイントになってございます。
 そのリスクアセスメントを進めるためには、今、使っている化学物質がどういう危険有害性を持っているのか、どういう性状を持っているのか、そういうことが伝わっていかねばならない。ということで、この情報伝達の部分はたびたび申し上げてございますように、昨年12月に労働安全衛生機則を改正していただきまして、それに基づく告示を3月に出してございますけれども、こういったことを強力に進めていく必要がある。まず、ここが一番重要な部分だろうと考えているわけでございます。ただ、何のためにやっているかということを考えますと、おっしゃるとおりリスクアセスメントの推進ということにかかわってくるわけでございますので、ちょっと書き方を工夫したいと思います。
 それから、SDS。こういったものを読み解くための人材は、こういった改正をやっていただく前に、今後の化学物質管理のあり方に関する検討会でご議論いただいておりますが、そこでも同じようなご指摘は多々いただいてございます。
 それからもう一つ、化学物質管理に関しましては、関係省庁で合同検討会を進めてございますが、やはりそこでも同じように、専門的な知識が必要になってくる化学物質管理にどう取り組んでいくのか、専門人材をどう育成していくのかという課題は常に言われてございます。私どもはそのあたりを認識してございますので、この専門人材は、今、衛生管理者、衛生工学管理者がございますけれども、これを普及していくとともに、平たく申し上げれば英米で活躍してございますインダストリアルハイジニスト、あるいはオキュペイショナルハイジニスト、こういったレベルの方々の養成も視野に入れながら、取り組んでいく必要があるだろうと考えてございます。
 ただ、これは学校の専門教育のところにも関わってくるところでございますので、直ちにこういうふうにできますということではございませんが、そういう問題意識は持ってございまして、取り組んでまいりたいと考えてございます。よろしくお願いいたします。
○分科会長 よろしいですか。
 そろそろ12時まであと10分なので、簡潔にお願いします。
○小畑委員 何点かお聞きしたいと思っています。
 まず5ページの陸上貨物運送事業対策の1個目の◆に、「荷台からの墜落防止装置を装備したトラック」とあるのですが、具体的なイメージを教えていただければと思います。要は、これがあれば安全性は確かに向上するのでしょうけれども、実際の作業効率は著しく落ちるのではないかと思います。そうすると、結果として普及しなくなってしまうということが懸念されますので、絵に描いた餅にならないようにしていただきたいという趣旨でございます。
 次が6ページの「◆荷主による取組の強化」の中で、「モデル運送契約書の普及」、それから「役割分担に基づく措置の実施を促進」という記載があるのですが、この「モデル運送契約書の普及」ということ自体は大変重要な視点だと思っています。ただ、普及ということが、例えばホームページでその契約書のひな形をダウンロードできるようにするとか、それだけで普及するとはおそらく考えてはおられないと思うので、実際に普及させるための具体的な仕掛けをどうお考えになっているのかを伺いたいと思っています。
 それから、9ページの「○過重労働対策」の、「◆働き方・休み方の見直しの推進」のところの2つ目で、恒常的な長時間労働の多い業種・職種に重点を置いて、労使の取り組みを効果的に促すことを通じ、時間外を減らすという趣旨のことが書いてあります。言葉は非常にきれいですが、実際に労働時間の長い、私の出身の運輸業の感覚からすれば、時間短縮に向けて、極端に言えばもう何十年も労使で取り組んできております。徐々に短くはなってきておりますが、それでも他産業に比べると長時間労働となっているという実態を考えたときに、大変申し訳ないんですけれども、あまりにも具体性に欠ける記述だと思います。これを取り上げていただいたことは非常にいいことなので、実効性を担保するための仕組み、仕掛け、インセンティブなどを追及すべきではないかと思っています。
 それと、8ページの「○メンタルヘルス対策」についての3つ目の◆のところで、「◆取組方策の分からない事業場への支援」のところなんですけれども、確かに指摘のとおり、平成19年度労働者健康状況調査によりますと、取り組み方がわからないという従業者が42.2%、取り組む予定はないというのが51.9%という数字が出ています。骨子案の中では、先ほども議論がありましたけれども、支援措置を充実する。特に中小規模事業所、事業場に対する支援の強化を図るとあるんですけれども、その支援措置の具体的な内容についてお伺いしたいと思っています。
以上です。
○分科会長 では、簡潔にお願いします。
○田中安全課長 それでは、まず陸上貨物の関係の方にお答えいたします。ご指摘の荷台からの墜落防止装置は具体的なものがあるのか、使いやすいものがあるのかという話でございます。確かに私どもは、数年前に一度研究したときに、実は理想に走って失敗した事例がございます。今回、私どもはそれ以降いろいろ見まして、例えばもうちょっと現実的に行いやすいものとして、あおり板に作業者のものをくっつけるより、運べるかどうかは別にしましても、より現実的に対応できるような、足場を確保できるようなものを考えておりますし、もう一つその後に書いてございますけれども、移動式プラットホームというのは既に荷降ろしの場に用意してもらって、それによって墜落防止措置を図るということで考えていきたいと思っているところでございまして、いずれにしても、さらにより現実的に、実務的に活用しやすいものを考える必要があろうかと思っているところでございます。
 もう一つ、モデル契約のところでございますが、これにつきましては、私どもはまさにトラックの荷台からの墜落防止ということを考えたときに、やはり荷主側と陸上貨物運送事業者の両方が、ある程度それぞれのデマケを明確にして、責任を持って対応する必要があるということから、今回モデル契約書というものを提案したところでございますが、これは既に国交省に要請した段階で、国交省の方でもそれを検討しているという状況がございますので、今後は国交省でつくる、我々もつくる際に協力していく中でモデル契約を作成しまして、その後、それを地方の陸運関係のセクションと協力しながら、パートナーシップ会議というのがございまして、中央でもございますし、地方でもございますが、そういうパートナーシップ会議という場を使いまして協力を要請するとともに、私どもの局、署のいろいろな事業者への指導等におきましても、そういう形でのモデル契約をつくり、それで適切な責任分担を果たせということを周知して、進めていきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。
○田中労働条件政策課長 先ほどの過重労働対策のところの御説明ですけれども、2つ目の「◆働き方・休み方の見直し」というのは、従来の労働時間等設定改善の部分、労働時間等設定改善法に基づいて推進している部分でございます。比較的ワーク・ライフ・バランスのためにやっていると捉えられがちですけれども、もちろん過重労働対策、また、それから来る健康障害の防止という視点も重要な要素として対応しておりまして、そういったことをもう一回確認しながらやっていく必要があると思っております。
 そうしますと、これまでは、一般的な労働時間等設定改善ということでやってきている部分は大きいんですけれども、やはり恒常的な長時間労働に重点化することで効果的にやっていこうということで、今、例に挙げられました運送業の自動車運転者、そのほかにも建設業や情報通信業などの一部職種には労働時間が非常に長いところもあります。そういったピンポイントで重点化した対策を政府もしっかりやるし、労使の取組も促していくことで、過重労働が深刻なところの対応を強化していこうという趣旨でございます。
○分科会長 どうぞ。
○椎葉労働衛生課長 メンタルヘルスの支援措置でございます。中身でございますが、メンタルヘルス対策支援センターというのを47都道府県に設置しているところでございますが、こちらの方で、例えば事業者から相談がありましたらこれに懇切丁寧に対応するとか、それから一番大事な管理監督者への教育でありますとか、実際に職場に行って、職場復帰支援プログラムの作成の支援をするという支援を、引き続きやっていきたいということでございます。
○分科会長 今日初めてのお二人よろしいですか。今日だけではなくて、まだ議論は続くと思いますので、ぜひとも今日という方で、先に手を挙げられた半沢委員。
○半沢委員 すみません、ありがとうございます。
 7ページの「◆機械災害に関する重点的指導」、それから先ほど少しお話がありましたが、化学物質による健康障害防止対策についてですが、この重点的指導は非常に大事だと思っておりまして、中でも譲渡時における機械の危険情報の提供の促進、化学物質におきましても、情報の提供の促進が非常に大事だと思っておりますが、本年4月1日から施行された規則においては、努力義務にとどまっています。
 ここで、さらにこの計画を強化していくということに当たっては、その実効性を確保するために義務化をして、より情報提供を促すであるとか、また、機械については包括的な安全基準についてガイドラインがあるわけですけれども、これを規則化をするであるといった、実効性をさらに高める方策もご検討いただけるとありがたいと思っております。
○分科会長 よろしいですか。簡単にお願いします。
○田中安全課長 機械の関係でございますけれども、基本的に現在の安衛法の体系では、機械の包括安全基準のベースとなるリスクアセスメントにつきましても、リスクアセスメントそのものが努力義務という枠の中で、今のところは、もちろん可能な限りの推進は進めますが、いわゆる努力義務という中で周知をし、また、いろいろな工夫をしながら、まずは本質安全化の推進というものを進めていきたいと考えているところでございます。
○分科会長 では、辻委員どうぞ。
○辻委員 13ページの「(イ)高年齢労働者対策」に関しまして、改正高年齢者雇用安定法が来年4月1日に施行されるということで、事業主は今後高齢者の安定的な雇用確保のために、必要な措置を講じなければいけないということでございますけれども、同時に、そういった方々に対する労働安全衛生対策にも取り組む必要があると思っております。
 そもそも今回の計画の大きな課題認識の1つに、3ページにありますとおり高齢者における労働災害の発生率の増加、あるいは他の年齢層に比べても高い比率ということがございます。今後この法改正も相まって、高齢者が活躍するフィールドも増え、労働災害の発生リスクというのも、今以上に高まってくると懸念がされるわけでございますので、そういった観点から、ぜひ今後の検討に当たっては強い意識を持って、具体的に、積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
○分科会長 ありがとうございます。
 では、明石委員どうぞ。簡単にお願いします。
○明石委員 いろいろとあるんですけれども、まず、先ほどの機械災害のところですが、機械災害は平成23年から平成19年を見ると、労働災害は17.4%減っています。それを重点化される理由がよくわからないのと、先般、論点のところでは、機械のことはあまり言えなかったんですが、私が認識しているのは、機械は受発注産業で、要はBtoBの関係なので、BtoCを利用するとちょっと本質的に違うところにいくのではないかと考えています。私も専門家ではありませんので、先読みして申しわけないのですが、次回は機械災害のことがたくさん書かれているので、そこらあたりのベースは、ぜひ業界団体と一度詰めていただければと思います。
 それから、メンタルヘルスのところの目標にはかなり違和感があります。というのは、今、入り口の議論をしているのに、職場復帰支援に取り組んでいる事業場を目標にするというのは、ちょっと先走り過ぎなのではないかと思います。
 それから8ページで、字面をどうこう言うつもりはないんですけれども、「メンタルヘルス対策の取り組みが進んでない事業場でも、職場復帰支援に取り組むことができるよう」というのは、ちょっと本末転倒のような気がします。
 受動喫煙防止のところの目標ですが、たしか先般、12年度の目標後を40%にしたと思っていますが、これは2年で4%の削減だったと思います。ここでは5年で25%、これはちょっと急ぎ過ぎなのではないかと考えます。
 最後は、熱中症対策のところで、先般、労働衛生課長から、「熱中症予防対策の徹底について」という続報をいただいていて、この中に概要が書かれていまして、いろいろなケースが書かれています。そこを考えると、いきなり義務づけではなくて、やはりいろいろなパターンがあるので、そのあたりを勘案して、まず注意喚起みたいなところから始めていくべきではないかと思っています。
○分科会長 簡単にお願いします。
○田中安全課長 まず、機械の関係でございます。確かに明石委員ご指摘の受注的なものは当然あるんでしょうが、インテグレーターが間に介在していたり、システム的な機械の製造もありましょうし、もっと言えば汎用性の機械もあろうかということで、いろいろなパターンがあると思っておるところでございますので、より現実的な対応をすべきだと、その辺は私どもも賛成でございますので、今後とも現実的に機械メーカー、機械業界と、どこができてどこができないのかというあたりを十分に吟味しながら、方向性を見出していきたいと思っているところでございます。
○椎葉労働衛生課長 メンタルヘルスの目標でございますが、一番大事なのが職場復帰支援でございまして、こちらができておれば、その前の1次予防とか2次予防も全部できるものでございまして、一番大事なものの目標を50%以上ということに据えたわけでございますが、これはまた御議論いただきたいと思います。
 たばこの目標でございますけれども、これもまさに新成長戦略といいますか、あれの途中のものでございますので、そういったことで設定したものでございます。
 熱中症対策でございますが、実際に毎年20名前後の方が亡くなっているということで、特に記録的猛暑であった22年におきましては47人が亡くなっておりますが、今年もこれまでに、それに次ぐ25人の方が亡くなっているという状況でございまして、特に屋外での業務、この暑い環境の厳しい年が多くなりますと、このまま行政指導でいいのか、今より対策を強化するのかについては、検討の必要もあると考えているところでございます。
 以上でございます。
○分科会長 どうぞ。
○高崎計画課長 機械のところについては、この表題がミスリードだと思うんです。我々は、今まで以上に機械災害について重点的に指導しようという考えは全くありませんで、行政資力を第3次産業とか陸上貨物の方にエネルギーを投入したいんです。ただ、機械とか製造業も建設業も重篤な災害も多くて無視はできませんので、ただ、そこは機械で言えば、実質的な活動はないですね。行政は側面支援に回ろうという趣旨ですので、それがわかるように書きたいと思います。
○分科会長 まだまだ御意見があると思いますけれども、時間が5分過ぎましたので、きょうのところはこれで終了させていただきまして、引き続き、また時間を取りまして続けたいと思いますのでよろしくお願いいたします。大変熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 私の方から1点提案させていただきたいと思うんですけれども、重点業種として取り上げておりました小売業と陸上貨物運送業につきましては、労働現場の実態を労使双方からヒアリングをさせていただければどうかと思います。いかがでしょうか。
 よろしいですか。ありがとうございます。それでは、事務局の方で段取りをお願いいたします。
 最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。
○高崎計画課長 本日は、ありがとうございました。会長の方から話がありましたとおり、やはり前半部分が大事ですので、次回もまた時間をとって議論を継続させていただいた上で、時間的余裕がありましたら後半部分に入っていきたいと思っております。日程については、また追って連絡させていただきます。
○分科会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の分科会はこれで終了いたしますが、議事録署名人につきましては、労働者代表委員としまして犬飼委員、よろしいですか。それから、使用者代表委員としまして大山委員、よろしくお願いいたします。
 それでは、少し時間を超過いたしましたけれども、本日はお忙しいところを御議論いただきまして、ありがとうございました。これで終了いたします。


(了)

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