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2012年6月27日 第178回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成24年6月27日


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

大橋委員、柴田委員、橋本委員 (公益代表)
石黒委員、新谷委員、宮本委員 (労働者代表)
秋山委員、小林委員、高橋委員 (使用者代表)

事務局

生田派遣・有期労働対策部長、田畑需給調整事業課長、三上派遣・請負労働企画官
鈴木主任中央需給調整事業指導官、佐藤需給調整課長補佐

○議題

1.労働者派遣法改正法の施行等について(公開)
2.一般労働者派遣事業の許可について
3.有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について

○議事

○大橋部会長 皆さんお集まりのようですので、第178回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は、最初に公開で、「労働者派遣法改正法の政省令案の要綱(案)について」ご審議いただき、その後、一般労働者派遣事業の許可の諮問、有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可の諮問に係る審議を行います。許可の審査については、資産の状況等の個別の事業主に関する事項を扱うことから、これについては「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開とさせていただきます。傍聴されている方は、許可の審査が始まる前にご退席いただくことになりますので、あらかじめご了承くださいますようお願いします。
 それでは、議事に入ります。最初の議題は「労働者派遣法改正法の政省令案の要綱(案)について」です。22日までの4回の議論を踏まえ、政省令案の要綱(案)を事務局で作成し、皆様にお配りしております。事務局から政省令案要綱(案)及び関係資料についてご説明いただき、その後議論に入ります。よろしくお願いします。
○佐藤補佐 お手元の資料の確認をお願いします。資料1として政省令・告示案の諮問の資料、資料2、参考資料をご用意しております。また、机上配付資料として、これまでの4回分の提出資料をまとめてお配りしております。資料に不備等がありましたら、適宜事務局までお申し付けください。
 それでは、資料1についてご説明します。資料1は、ただいま部会長からお話がありましたが、本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問という形でなされております。下記の事項について、貴会の意見を求めるということで、1〜6まであります。順にご説明します。
 3頁です。「別紙1」ですが、これは改正労働者派遣法の施行期日を定める政令案要綱です。改正労働者派遣法は4月6日に公布をされており、6カ月以内の政令で定める日から施行するとされているので、政令で施行期日を決める必要がありますが、この施行期日については平成24年10月1日とするということです。
 5頁です。「別紙2」ですが、これは労働者派遣法の政令の改正案要綱です。第一「題名の改正」ということで、このたび法律名の変更があったので、それに合わせて政令の題名についても変更するものです。第二「日雇労働者についての労働者派遣の禁止の例外」ということで、これを政令で定めることになっております。
 一「日雇労働者についての労働者派遣の禁止の例外となる業務」ということで、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第35条の3第1項の政令で定める業務は、現行の労働者派遣法施行令第4条各号に掲げる業務のうち、第1号、第2号、第5号から第13号まで、第16号(建築物又は博覧会場における来訪者の受付又は案内の業務に限る。)、第17号から第20号まで、第23号及び第25号に掲げる業務とする」ということで、いわゆる17.5業務を規定しております。
 6頁です。(二)日雇労働者についての労働者派遣の禁止の例外となる場合、次のとおりとするということで、(一)日雇労働者が60歳以上の者である場合、いわゆる高齢者です。(二)日雇労働者が学校教育法第1条、第124条又は第134条第1項の学校の学生又は生徒(定時制の課程に在学する者その他の厚生労働省令で定める者を除く)である場合、いわゆる昼間学生の規定です。(三)日雇労働者の収入の額が厚生労働省令で定める額以上である場合、いわゆる副業の関係です。(四)日雇労働者が主として生計を一にする配偶者(婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同等の事情にある者を含む)、その他の親族の収入により生計を維持する者(世帯の収入が厚生労働省令で定める額以上である者に限る)である場合、いわゆる主たる生計者ではない場合です。
 第三「その他」ですが、施行期日は10月1日とする。また、所要の規定の整備を行うということです。
 7頁です。「別紙3」ですが、これは派遣法の省令の改正案要綱です。こちらも第一「題名の改正」ということで、これも法律名の変更に伴う題名の改正を行うものです。第二は「派遣元事業主の関係派遣先に対する労働者派遣の制限」、いわゆるグループ企業への8割規制の関係です。一「関係派遣先の範囲」ということで、労働者派遣法第23条の2の厚生労働省令で定める者は、次のとおりとすること。(一)派遣元事業主が連結財務諸表規則第2条第4号に規定する連結子会社である場合にあっては、当該派遣元事業主の親会社及び当該親会社の連結子会社。(二)派遣元事業主が連結子会社でない場合にあっては、当該派遣元事業主の親会社等(派遣元事業主の議決権の過半数を所有している者、あるいは当該派遣元事業主の資本金の過半数を出資している者又は当該派遣元事業主の事業の方針の決定に関してこれらの者と同等以上の支配力を有すると認められる者をいう)及び当該派遣元事業主の親会社等の子会社等(派遣元事業主の親会社等が議決権の過半数を所有している者、あるいは資本金の過半数を出資している者、あるいは支配力がこれらの者と同等以上と認められる者をいう)ということを記載しています。
 二「関係派遣先への派遣割合」ですが、派遣割合の計算方法を省令で規定することになっております。法第23条の2の厚生労働省令で定めるところにより算定した割合は、一の事業年度における派遣元事業主が雇用する派遣労働者(60歳以上の定年退職者を除く)の関係派遣先に係る派遣就業に係る総労働時間を、その事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者の全ての派遣就業に係る総労働時間で除して得た割合(小数点以下1位未満の端数があるときは、これを切り捨てる)とするということです。
 9頁です。三「関係派遣先への派遣割合の厚生労働大臣への報告」です。派遣割合の実績報告時期の関係ですが、法第23条第3項の規定による報告は、毎事業年度経過後3月が経過する日までに行うということです。
 第三の部分ですが、「労働者派遣事業の業務の内容に係る情報提供義務」、いわゆるマージン率等の情報提供の関係の規定です。一「情報提供の方法」ですが、この情報提供については、事業所への書類の備付け、インターネットの利用、その他の適切な方法により行うこと。二は、「労働者派遣に関する料金の額の平均額と派遣労働者の賃金の額の平均額との差額の労働者派遣に関する料金の額の平均額に占める割合」、いわゆるマージン率の計算方法の関係です。これについては、前事業年度に係る労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合とする。この割合については、小数点以下1位未満の端数があるときは、これを四捨五入するとしています。ただし、当該事業所が労働者派遣事業を行う他の事業所と一体的な経営を行っている場合には、その範囲内において同様の方法により算定することを妨げないとすることとしております。
 10頁です。三「情報提供すべき事項」ですが、すでに法律で書いてある情報提供すべき事項に加えて、省令で定めるべき事項として次のとおりとするということで、(一)〜(三)とあります。(一)労働者派遣に関する料金の額の平均額、(二)派遣労働者の賃金の額の平均額、(三)その他労働者派遣の業務に関し参考となると認められる事項ということで、会社で必要だと思われる事項を情報提供していただくということです。
 第四「無期雇用への転換推進措置」の関係の規定です。無期雇用への転換推進措置の対象者について省令で定めることとなっております。一として、派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である期間を定めて雇用する派遣労働者。二として、派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者、いわゆる登録型派遣の場合の登録状態にある労働者を指しています。
 第五「待遇に関する事項等の説明」ということで、雇入れ前の待遇等の説明方法です。一は説明の方法です。11頁ですが、説明の方法は、書面の交付、ファックス又は電子メールの送信、その他の適切な方法により行うものとすること。ただし、次の二の(一)のうち、労働者の賃金の額の見込みに関する事項の説明は、書面の交付等の方法により行うということで、労働者の賃金の額の見込みに関する事項についてはその他の適切な方法を入れないという形にしております。(二)説明すべき事項ですが、労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項、事業運営に関する事項、労働者派遣に関する制度の概要です。
 第六「労働者派遣に関する料金の額の明示」です。これは雇い入れたあとの話です。一「労働者派遣に関する料金の額の明示の方法」ですが、書面の交付等の方法により行うことにしております。ただし、派遣元事業主が労働者派遣をしようとする場合に派遣料金額を明示しなければいけないとされていますが、その額が同条第一号の規定により明示した額は雇入れ時に明示した派遣料金額と同じである場合には、実際の派遣時に改めて明示する必要はないということを書いております。二「明示すべき労働者派遣に関する料金の額」ですが、(一)(二)のいずれかとすること。(一)当該労働者に係る労働者派遣に関する料金の額、(二)当該労働者に係る労働者派遣を行う事業所における労働者派遣に関する料金の額の平均額です。※ですが、第三の二のただし書に該当する場合、これは先ほどご説明した他の事業所と一体的な経営を行っている場合の話で、その場合で計算したときは、当該方法により算定した場合の平均額でよいということです。
 第七「日雇労働者についての労働者派遣の禁止の例外となる場合」です。一「禁止の例外となる場合から除かれる学生」ということで、昼間学生に含まれない学生のことを書いております。昼間学生に含まれない学生は次のとおりとする。
 12〜13頁ですが、(一)学校教育法第4条第1項に規定する定時制の課程に在学する者。(二)卒業を予定している者であって、雇用保険法第5条第1項に規定する適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業所に雇用されることとなっている者。(三)休学中の者。(四)は(一)〜(三)に準ずる者、例えば雇用関係を維持しつつ会社の命令により大学院に行っているような社会人の大学院生等が該当するということです。
 二は「日雇労働者等の収入の額」ということで、日雇労働者についての労働者派遣の禁止の例外となる日雇労働者の生業の収入の額又は世帯の収入の額は500万円とすること。
 第八「離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることの禁止」です。一「受入禁止の例外となる者」ですが、これは60歳以上の定年退職者とする。二「派遣先から派遣元事業主への通知の方法」ですが、派遣先でこの労働者が離職後1年以内に該当するとわかった場合に通知をしなければいけないとされていますが、その方法については書面の交付等により行う。
 14頁です。第九「その他」ですが、この省令についての施行期日は10月1日とする。その他所要の規定の整備ということで、法律名の変更に伴う規定の整備等々を行う。
 15頁です。「別紙4」ですが、これは派遣元指針の一部改正案の要綱です。第一「有期雇用派遣労働者等の期間を定めないで雇用される労働者への転換の推進」です。派遣元事業主は、派遣法30条の規定による措置を講ずるにあたっては、無期雇用への転換の措置の対象となる派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者に対して労働契約の締結及び更新、賃金の支払等の機会を利用し、又は電子メールを活用すること等により、期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進するための措置を受けるかどうか等について、派遣労働者等の希望を把握するよう努めるものとする。
 第二「派遣先労働者との均衡に配慮した取扱い」です。一は、派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の賃金の決定にあたっては、法律の均衡待遇の趣旨を踏まえて派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又はその派遣労働者の職務内容、能力、経験等を勘案するように努めることとする。
 16頁です。また、派遣元事業主は、派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定するよう努めるものとする。
 二は、派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮した結果のみをもって、派遣労働者の賃金を従前より引き下げるような取扱いは、法律の均衡待遇の趣旨を踏まえた対応とは言えない。
 第三「その他」ですが、その他規定の整備を行った上で、平成24年10月1日から適用するということです。
 17頁です。「別紙5」として、派遣先指針の一部改正案の要綱です。これについては、第一「均衡を考慮した待遇の確保に向けた協力」ということで、派遣先は派遣法第40条第3項の規定に基づき、派遣元事業主の求めに応じて、派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事している労働者の賃金水準、教育訓練等の実状を把握するために必要な情報を派遣元事業主に提供するとともに、派遣元事業主が派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定できるよう、派遣元事業主からの求めに応じ派遣労働者の職務の評価等に協力するよう努めるものとする。「その他」として、所要の規定の整備を行うこととし、10月1日から適用するということです。
 19頁です。「別紙6」として、日雇いの指針の一部改正案の要綱です。第一「労働契約の締結に際して講ずべき措置」です。派遣元事業主は、労働者を日雇いの派遣労働者として雇い入れようとするときは、その日雇いの派遣労働者が従事する業務が派遣法第35条の3第1項の政令で定める業務、いわゆる17.5業務に該当するかどうか、あるいは日雇労働者は同項の政令で定める場合、60歳以上であるか等々に適合しているかどうかを確認するものとする。
 第二「安全衛生に係る措置」です。一「派遣元事業主が講ずべき事項」。(一)派遣元事業主は、日雇派遣労働者に対して安衛法上の雇入れ時の安全衛生教育を行う際には、日雇派遣労働者が従事する具体的な業務内容について、派遣先から確実に聴取をした上で、その業務内容に即した安全衛生教育を行う。(二)派遣元事業主は、日雇派遣労働者が安衛法第59条3項に規定する危険有害業務に従事する場合には、派遣先が危険有害業務就業時の安全衛生教育を確実に行ったかどうかを確認する。
 二「派遣先が講ずべき事項」です。(一)派遣先は、派遣元事業主が日雇派遣労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育を適切に行えるように、その日雇派遣労働者が従事する具体的な業務内容を派遣元事業主に積極的に提供する。(二)派遣先は、派遣元事業主がその日雇労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育を確実に行ったかどうかを確認する。また、「その他」ですが、所要の規定の整備を行い、平成24年10月1日から適用するということです。資料1は以上です。
 資料2をご覧ください。資料2は、前回の部会で高橋委員からグループ企業の考え方について整理をするようにというお話がありましたので、事務局で整理をして、今回お出ししております。グループ企業で、関係派遣先の考え方ですが、いちばん上の○に書いてあるように、平成20年9月に取りまとめられた労政審の建議でグループ企業の範囲が親会社、連結子会社とされていることから、公労使三者で構成された審議会の建議を最大限に尊重した上で、今回、関係派遣先の範囲を整理しました。
 真ん中の○ですが、今回、労働者派遣法の改正によってグループ企業内派遣の8割規制が盛り込まれた趣旨は、本来期待されている労働市場における需給調整機能が十分に果たされず、経済的な結びつきが強い「グループ企業」内で派遣会社を第二人事部的に活用しているケースがみられたためです。こういった点に鑑みれば、グループ企業の範囲を定めていく上で会計基準の考え方を使用することについては、一定の合理性はあるのではないかと考えております。以上です。
○大橋部会長 それでは、ただいまの説明に関してご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○秋山委員 資料1の13頁の第七条の二の「日雇労働者等の収入の額」ですが、再三申し上げているように、この収入要件の500万の算定根拠の説明に納得していません。また、働く人の選択の幅を大きく制限しかねない水準だと思っております。例えば収入要件を設ける場合、民間の給与実態統計調査や標準生計費の平均以上の収入の者は原則禁止の例外として、働く人自身の判断で就業形態を選択すればよいと考えております。
 日雇派遣の原則禁止の目的ですが、これはそもそも交渉力がなくて、短期の雇用により不利益を被る労働者の保護が目的ですので、一定の収入のある労働者の短期で臨時的に働きたいというニーズまで制限する必要はないと考えています。
○新谷委員 いまの13頁の収入の額の点ですが、使用者側委員から意見が出ましたので、我々も改めてこれの考え方を申し上げておきたいと思います。そもそも政府提出法案になかった内容が、国会の中で修正をされて日雇派遣の禁止の例外が出てきたわけですから、これはあくまでも日雇派遣は原則禁止の趣旨を徹底し、その例外規定として考えるべきだということです。生活が苦しくて日雇派遣労働で働かざるを得ないといった、まさしく交渉力格差が残ったままの労働者については、日雇派遣労働に誘導するべきではありません。収入要件により日雇派遣の禁止の例外の対象となる者については、一定の収入を持って交渉力格差を埋められるだけの労働者とすべきであるというのが私どもの考え方です。
 今回収入要件として500万円以上という要件が示されたわけですが、これについては前回の資料の中で、標準生計費の加重平均の2倍を基準とするという考え方が示されております。私どもとしては、制度の安定性に鑑みても、この標準生計費の加重平均の2倍を基準として置くべきではないかと考えております。省令の中では数字が500万円としか出ていないので、のちに、なぜ500万円になったのかということがわかるようにしておく必要があると思っております。
 労働行政の中で年収の要件が出てくるところは、労働基準法第14条の高度専門職で1,075万円という数字が出てきますし、有料職業紹介の手数料の要件で700万円という数字が出てきます。それぞれの審議の中でその算出根拠がきちんと定められています。この500万円に関しては、各市町村の所得分布など年収等々のわかりやすさというところが事務局から説明がありましたが、我々としては、標準生計費の加重平均の2倍が根拠になっていることを改めて確認しておきたいと思います。
○田畑課長 前回の資料にも付けていますが、我々の今回の日雇いの収入制限の考え方については、177回資料の30頁の3つの○で、読上げは省略しますが、こういった考え方に基づいて2〜4人世帯の平均的な標準生計費、加重平均の2倍を基準に考えることを基本とするが、各市町村の所得分布、世帯単位・個人単位もサポートしつつ賃金構造基本統計調査における正社員労働者の平均年収の水準のわかりやすさ等も加味し、500万以上と設定してはどうかということでご提案をし、今回要綱としてまとめたものです。
○新谷委員 質問です。今日配られた資料2に関連して、連結の考え方はここに示された考え方で私どもは理解しております。また、平成20年の建議にもある連結決算を導入している場合における親会社、連結子会社はわかりますし、前回や前々回の資料では連結決算を導入していない企業グループにおける親会社と子会社、あるいは子会社1社で支配をするという考え方も示されていますが、親会社となる会社自身が、更に上位の会社の100%子会社であった場合、その親会社はその親会社という定義に入ってくるのかどうかを確認したいと思います。
○田畑課長 今回の規制対象は、建議でも明記されているように、あくまでも親会社及び連結子会社ということですので、そこでご判断させていただくことになると考えております。
○新谷委員 これが省令で出てきたときに、親会社、子会社、派遣元事業主である孫会社という3世代の企業グループを作っておけば、2世代上の親会社に対しては、この規制の適用の除外になるということなのでしょうか。つまり、今回の規制の潜脱をするためには、子会社の下にもう1個子会社を作って2世代上の親会社に派遣をすれば、規制を逃れられることになるのでしょうか。
○田畑課長 連結決算を導入している会社の場合には、当然会計処理に則してご判断させていただくことになります。会計処理の結果、連結子会社という位置づけになるのであれば、連結子会社ということで規制の対象になると考えております。一方、連結決算を導入していない会社の場合は、建議で親会社及び連結子会社という形でまとめられてということも鑑みて、親子関係ということで判断したいと考えております。
○新谷委員 今回なぜ規制をかけたかは、資料2で書いてありますように、本来期待される労働市場における需給調整機能が果たされることが本来の派遣事業会社の制度目的であり、職業安定法の例外として設ける意味だと思っております。ですから、同じグループ企業内で派遣会社を第二人事部的に作って、労働条件を下げて派遣労働者を派遣するといったことで法の潜脱が起こらないように、是非指導していただきたいと思っております。
 その上でもう1点、今日配っていただいた資料1の15頁、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示案要綱の第二で記載のように、「賃金水準の均衡を考慮する」ということですが、この点についてもこれまでの審議会でも申し上げているように、賃金の捉え方についてはさまざまな賃金があるという認識の中で、例えば通勤手当や食堂利用の補助、福利厚生部分も含めて賃金でありますし、労災補償や安全衛生等のさまざまな施策についても広く含めて捉えていくべきだと思っております。今日の資料は、指針の告示案ということになっていますが、今後具体的には取扱要領の改訂にもかかわってくると思いますので、この審議会での審議の内容を踏まえたご対応を是非お願いしたいと思っております。
 同様に、安全衛生の取扱いについても、今日の資料において、告示の内容が示されていますが、特に日雇派遣のところは使用者責任が非常に曖昧ですし、業務に不慣れな労働者が多いということもありますので、国会でも論議されているように、一層の安全衛生の確保のために監督行政の活用も踏まえた対応を是非していただくように要望を申し上げておきたいと思います。
○高橋委員 何点かあるのですが、まず今日の資料2で、前回の会合で私が求めたことについて資料を作成していただいた努力には敬意を表しますが、内容的にはこれまで私が繰り返し指摘してきた問題点等に対する考え方を示すものは1行もなくて、非常に残念な資料と言わざるを得ないと思っております。このような資料の整理だったら、とても職業安定分科会に報告できないと考えます。
 その上で、グループ企業派遣の関係で少し技術的な質問をします。算式に基づいて算定をする際に、範囲の確定の日時をいつにするのか、つまり事業年度の当初なのか末なのかとか、いろいろあると思うのです。例えば、最近では経済環境の変化もありますが、途中でM&Aで連結子会社等も変動することも日常茶飯事です。そうしたときに、どうやって8割を算定するのかということも含めて、技術的ではありますが、確認したいと思います。
○佐藤補佐 高橋委員からご質問のあった件ですが、基本的には決算書類に基づいて前年度末、あるいは当該年度末時点におけるグループ企業の範囲をその年度のグループ企業だとした上で、当該年度におけるグループ企業への派遣割合の計算を可能にするといった運用上の取扱いは検討していきたいと考えております。
○高橋委員 仮定の質問ですが、仮に期中に、年度中に新しく連結子会社が加わったときに、8割の算定は年度を通じて新しい会社に対する派遣労働者の労働時間も分子としてカウントするのかどうか。少し技術的ではありますが、それをどのようにするのかも含めて対応を決めていただきたいと思いますが、あまり実態にそぐわないような、M&A前の部分までも含めてカウントするといった対応は、明らかにおかしいと思いますから、よくよくその辺りを検討していただきたいと思います。
 それに関連して、8割規制について、何回か確認はしているのですが、8割という数字を超えた場合の行政の対応について改めて確認をしたいと思います。
○田畑課長 法律上の仕組みを申し上げれば、まずは指導・助言を行い、その後もなお違反状態が続くときは指示ということで、指導等を進めていくことになろうかと考えておりますが、実際には、8割を超えないように対象となる企業がどういった取組みをしているか、どのように努力をしていただいているかも個別に確認して、指導方針を決めていくことになるものと考えております。
○高橋委員 これは意見ですが、あくまでこの8割規制で、8割を超えたら直ちにとか、デジタルな対応は適当ではないと私は思っております。規制の趣旨は、あくまでも第二人事部的な活用をしないようにという趣旨ですから、私も繰り返し申し上げておりますが、財務上の方針と人事上の方針は全く1対1対応にはなっていないので、8割を超えたから直ちにどうだという対応はいかがなものかと思いますので、労働行政としても個別の企業グループの実態をよく踏まえて、必要な対応を図っていくという方針をすべての労働局で徹底していっていただきたいと思います。
 さらに、2点ほど細かい点を確認したいと思います。離職後1年以内の受入れ禁止にかかわることで、仮に受入れ後にその労働者が離職後1年以内であることが判明した場合、当然派遣先としては派遣元に通知をする形になりますが、そのときの労働者の扱いなどはどのような形になるのかについて伺いたいと思います。
○田畑課長 離職後1年以内であることが判明した場合には、当然それを是正していただく、法違反にならないようにしていただくことが基本になると思いますが、直ちに派遣契約を解除という画一的な措置を講じるだけではなくて、個別の実態に即して必要な指導を行うことになるものと考えております。
○高橋委員 もう1点、マージン率の情報公開ですが、マージン率の情報公開は一体いつから求められるのでしょうか。
○田畑課長 改正法施行後に事業年度が終了した場合に実績を公表ということですので、例えば事業年度の終了が平成25年3月であれば、その後に実績を公表していただくことになります。
○高橋委員 今年の10月1日を超えて初めて迎える事業年度末ということでしょうか。
○田畑課長 ご指摘のとおりです。
○高橋委員 それに関連して、公表のタイミングですが、何か特段の定めがあるのでしょうか、ないのでしょうか。その辺りを確認したいと思います。
○田畑課長 公表のタイミングについて特段の定めを設ける予定はありませんが、可能な限り速やかに対応していただくことが望ましいと考えております。
○小林委員 収入要件についてですが、前回の議論でも日雇派遣の原則禁止の例外であるという位置づけは承知しておりますが、副業として従事する場合と、主たる生計者でない場合、収入要件を一本化したというところがあります。これはわかりやすいと言えばわかりやすいのですが、本当に一本化していいのかどうなのか若干疑問も感じられますし、具体的な水準について平均的な標準生計費の2倍を基準に考えていくことが本当にいいのかどうか、それも含めて疑義を持っております。一般的に考えると、500万円という数字を本当に設定していいのかどうなのか、先ほど秋山委員から発言がありましたが、高すぎるのではないかという感覚を持っておりますし、一本化がいいのかどうかはさらに慎重に考える必要があるのではないかと考えております。
○宮本委員 先ほど労働側からもお話がありましたが、安全衛生に関する件で、派遣労働者の労災事故が3,000件ということで、少し高目になりつつあります。特に心配しているのは危険有害業務で、危険有害業務に携わる場合に雇入れ時の健康診断が必要になるということですが、危険有害作業に当たる派遣労働者に対して適切に健康診断が行われているかどうかの確認も含めて、ここでは確認することということになるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
○田畑課長 法令の義務がどういう状況かということが、いま手元にありませんが、法令の義務として課せられているものであれば、当然そういったものが果たされているかどうかを確認することになると考えております。安全衛生の問題についてはしっかりと徹底をして、派遣元・派遣先の事業所に法令遵守で取り組んでいただくように指導してまいりたいと考えております。
○高橋委員 先ほどから、使側委員お2人からもご意見がされておりますが、今回の日雇派遣の例外の年収要件の設定の仕方については、標準生計費の2倍を基本とするという考え方の根拠が不明確であると。なぜ2倍なのかについては、合理的な説明があるとは我々は理解していませんし、こうした考え方を需給部会として安定分科会に報告していくのは、私は反対です。収入統計などを見ても、実態を踏まえた水準とは言い難いと思いますし、これほどの新しい規制を導入する以上は、諸外国でも一般的なように、規制の影響度分析をしっかりして、もし500万円というのを導入したときに、現在働いている方々にどのような影響が生じ得るのかについての調査や、実際に働いている方々のご意見、あるいはそれを活用されている派遣元や派遣先等についてしっかりした調査をした上で設定をするならまだわかりますが、何となく、べき論的な形で議論が進行しているような気がしてなりません。そういう意味では、お2人の委員と同じように、今回の日雇派遣の例外の収入要件の水準の設定そのものについては疑義があると言わざるを得ません。
 さらに、毎回申し上げていることですが、グループ派遣規制についても、これまで労働規制は企業の規模に着目して規制の内容等を変えるというのはよく見られるのですが、今回のように財務上の方針に従って労働規制の内容を変えることを導入することについては、極めて慎重に行なうべきだと思っておりますので、今回示されている資料1については、これでよしという意見を表明するわけにはいかないと考えております。
○石黒委員 いまのグループ派遣のところですが、もともとのグループ企業内の派遣についての禁止の意義もご理解いただいていて、いわゆる第二人事部的にやっている事実が実際にあったと。私たちもいろいろな形で、派遣のあり方の中で本来の派遣と違う形のことがなされていることについて規制しようという趣旨だと思いますので、先ほどの親会社・子会社・孫会社とか、いろいろなパターンがあって、逆のパターンもありますので、実態を踏まえて連結というのもやり方の1つの正しいパターンだと思っていますので、そういった経済的な結び付きの問題、支配関係の問題も含めて、連結子会社というのはそれはそれでいくのでしょうけれども、逆に親会社で新たに子会社を作ってみたいな話になったときに、本当に規制できるのかという懸念をしておりますので、本来の趣旨に基づいたものを禁止するという趣旨に基づいてこれからの指導をしていただきたいということを要望したいと思います。
○新谷委員 日雇派遣の原則禁止の例外に関する年収要件についてだいぶ論議をしましたが、今回の規制がかかるのは日雇いの派遣であって、日雇労働そのものに規制がかかったわけではありません。ですから、そういう短期的な労働がもしニーズとしてあるのであれば、それは派遣ではなくて、直接雇用の労働で補うべきではないでしょうか。そのために、平成20年の建議の際には労政審において職業紹介の充実等必要な措置を講ずるということが出されており、職業安定行政当局としても職業紹介の必要な措置について十分対応を図るべきだと思っておりますので、改めて要望を申し上げておきたいと思います。
○大橋部会長 よろしいでしょうか。改正派遣法の精神、方向性については労使ともに認めていただいているのですが、実際具体的に施行するところで程度を決めないといけないということで、それぞれのお立場の違いもあっていろいろなご意見をいただきました。ただ、10月1日の施行に向けてそこを決めていかなければいけないので、もちろん私もそれぞれの労使の方のご意見の趣旨はよく理解しているつもりです。そういうことも含めて、これまで出された意見を踏まえて、事務局に職業安定分科会長宛の報告文案を作成してもらいたいと思います。その作成のために一旦休憩としますので、しばらくお待ちください。
(休憩)
○大橋部会長 席上にはもう配付されているということですね。わかりました。では、お目通しいただきます。
○新谷委員 いま、報告文案をいただきました。概ね妥当と認めるという内容でいただきました。私どもとしては、過去4回にわたって、法改正後の政省令案、告示案について審議を重ねてきたわけです。そもそも労働者派遣法の国会での論議については、政府提出法案が修正されたことから、それ自体は、労政審で審議を尽したものが国会で修正されたことは残念でした。ただ、立法府での意思は重く受け止めなければいけないことから、立法の趣旨を忠実に、適正に施行されるために政省令案について、真摯な論議を重ねてきたわけです。私どもとしては、この内容を受けまして、概ね妥当であるということについて、異論はありません。このとおりの報告文案で了承していきたいと思います。
○大橋部会長 報告文案のとおりでよろしいですか。
                 (異議なし)
○高橋委員 今回、報告文案の下4行で、本当は、使用者代表委員の主な意見をもっとたくさん出させていただいたと思っております。主な意見を付記させていただいていることについてはありがたいと思いますが、残念ながら、この意見に表わされているように、こうした意見は基本的に今回の審議にはほとんど結果として反映されていないことについては非常に残念であると思います。繰り返しになりますが、やはり今回の収入要件を決めるに当たって、標準生計費を用いた点。500万円という合理的でない数字が用いられた点は非常に不満に思っており、前回も申し上げましたが、収入要件の考え方のペーパーについては、グループ派遣のペーパーと合わせて、安定分科会への提出は見送るべきであると重ねて申し上げたいと思います。
○新谷委員 いま、高橋委員から資料2の扱いでご意見がありましたが、私どもとしては、これまでの平成20年の論議をペーパーにまとめていただいているということですので、資料2について、違和感はありません。いま、答申文案に使用者側意見についてのコメントをされたわけですが、私どもとしては真摯に論議を重ねてきた内容について、使用者側が意見をつけるのはご自由にやられるわけですが、私どもとしては意見がついたことは残念であると申し上げておきます。
○大橋部会長 繰り返しになるといけませんので、この辺で閉めさせていただきます。概ね妥当ということでよろしくお願いいたします。
                 (異議なし)
○大橋部会長 ありがとうございました。それでは、概ね妥当とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 次に「一般労働者派遣事業の許可の諮問」に移ります。冒頭に申し上げたように、傍聴されている方についてはここでご退席いただきますようお願いいたします。
(傍聴者退席)
                
○大橋部会長 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。事務局から連絡事項はありますか。
○佐藤補佐 次回の部会については7月30日の10時からを予定しています。場所については追ってご連絡申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○大橋部会長 次回の部会は7月30日月曜日の10時から、場所は事務局から追って連絡がいきますので、委員の皆さんはよろしくお願いいたします。それでは、以上をもちまして、第178回労働力需給制度部会を終了いたします。本日の署名委員は使用者代表小林委員、労働者代表新谷委員にお願いいたします。本日は、12時までしかここを借りていないということなので早めに終わりましたのでよかったです。どうもありがとうございました。


(了)

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