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2012年9月14日 第87回労働政策審議会職業安定分科会議事録

職業安定局総務課

○日時

平成24年9月14日(金)17:00〜19:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省省議室9F


○議題

(1)出先機関改革に係るアクション・プラン(ハローワーク)の進捗状況について (2)その他

○議事

○大橋分科会長 それではただいまから第87回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。
 議事に先立ちまして、職業安定分科会及び当分科会の下に置かれている部会に属する委員の交替がありましたので、ご報告いたします。
 当分科会の労働者代表委員として、黒木委員に代わりまして、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会書記次長の中島委員が就任されております。また、分科会におかれる部会に属する臨時委員等については、労働政策審議会令第7条第2項の規定により、分科会長が指名することになっています。雇用対策基本問題部会及び雇用保険部会に属する臨時委員については、配付している名簿のとおり、事前に指名をさせていただいております。
 次に、事務局である職業安定局の幹部に異動があり、岡崎職業安定局長、宮川派遣・有期労働対策部長、小川高齢・障害者雇用対策部長が就任されました。それでは、岡崎局長より一言ご挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡崎局長 職業安定局長になりました岡崎でございます。厚生労働省で9月10日付で大規模な人事異動がありました。私は3年間、大臣官房におりましたけれども、その前は高齢・障害者雇用対策部長で、まだ当時から委員の先生方も多くいらっしゃいますが、また職業安定局に戻ってきました。当時はリーマンショック後で、いろいろ対策を打たなければという時期でございましたが、またその後、震災等もある中で、いろいろ雇用対策もかまえ講じてきました。また今後も、いろいろな課題を抱えていると思っていますので、是非先生方のいろいろなご議論を踏まえながら、雇用対策を充実していきたいと思っておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 いまご紹介がありましたが、宮川、小川両部長、次長は変わっておりませんが、両部長も就任しております。それぞれ、1年、2年前にはこちらにいたメンバーですので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○大橋分科会長 本日の委員の欠席状況は、公益代表の清家委員、樋口委員、宮本太郎委員、宮本みち子委員、労働者代表は澤田委員、林委員、使用者代表は河本委員、久保委員、坂倉委員、田沼委員が欠席となっています。なお、樋口委員おかれてはご都合がつけば途中から出席される予定となっています。
 それでは議事に入ります。本日の議題は、出先機関改革に係るアクション・プラン(ハローワーク)の進捗状況について及びその他です。最初の議題は、出先機関改革に係るアクション・プラン(ハローワーク)の進捗状況についてです。まずはこの議題のうち、資料?1について事務局からご説明をお願いいたします。
○公共職業安定所運営企画室長 公共職業安定所運営企画室長でございます。資料?1に基づいて、アクション・プランの23年度の一体的実施事業の実施状況についてご説明いたします。
 まず資料?1-1は、平成23年度の一体的実施事業の実施状況を事務局としてまとめたものです。1頁目の最初は、一体的実施事業の内容を書いています。閣議決定されたアクション・プランに基づき、自治体からの提案を受け、平成23年度中に事業を開始したのは24自治体で、5道県19市区ということになっています。これについて若干分類したものが、その下の部分です。
 まず業務別にみると、国のほうは、職業紹介業務を行うということですが、自治体側は提案により、様々な事業を組み合わせたものになっています。自治体側の主な業務として、①〜⑥まで並べていますが、いちばん多いのが福祉関係の業務で、12自治体となっています。これはいずれも都道府県ではなくて市区町村になっています。その下に「なお」と書いていますが、自治体側の業務については、民間に委託している自治体が5つあり、特に道県の一体的実施では、業務委託をしている例が多くなっています。
 その下が、主な支援対象者別の分類です。こちらも①〜⑥まで分類していますが、生活保護受給者等を対象とした事業が12自治体と、やはりこれがいちばん多くなっています。この生活保護受給者等対象事業については、併せて基礎自治体が行っている福祉サービスの対象である障害者、あるいは子育て中の方も併せて支援対象にしているというものもあります。
 2頁です。上から2つ目が実施場所の分類です。これについても、自治体側の提案により様々ではありますが、圧倒的に自治体の庁舎の中で行うという例が多く、これが16自治体になっています。これらの状況を踏まえると、真ん中の辺りですが、現在、福祉サービスを提供している自治体、特に福祉事務所の庁舎でハローワークの職業紹介を組み合わせて行うことによって、ワンストップでサービスを提供する形をとり、これによって就労可能な福祉サービス利用者を少しでも就職に結び付けたいという自治体側のニーズが高いと言えると考えています。その次ですが、一体的実施の枠組みの下で、すべての自治体と労働局の間で協定が締結され、事業計画が策定されています。運営協議会も設置されていますが、運営協議会に労使が参加しているという形をとっているところは24のうちの7自治体というのが実態です。
 大きな2番、事業目標の達成状況です。それぞれ一体的実施事業ごとに、あらかじめ事業目標を立てて、それを平成23年度の実績と比べて比較をしています。そこにあるとおり、目標設定した21自治体のうち、「達成」が10、「一部達成」が10、「未達成」が1という状況です。ここで「一部達成」というものについては、目標は複数立てていますので、職業相談件数の目標と就職件数の目標という形で立てている場合に、片方だけ達成した場合が「一部達成」、すべて達成した場合が「達成」という区分です。これの内数ですが、その下に生活保護受給者を対象とした一体的実施事業について抜き出しています。これについては10自治体のうち「達成」が6、「一部達成」が4という状況です。このうち、「一部達成」に区分されているところについても、職業相談件数の目標は「未達成」でしたが、就職件数あるいは就職率の目標は「達成」しているというケースも、この中にはあります。総じて、概ね平成23年度は順調な進捗状況と言えるのではないかと考えています。
 大きな3番です。先ほど申し上げたように、それぞれの一体的実施事業については、運営協議会が設置されていて、ここで事業の実施状況の評価が行われています。最初のところにあるとおり、目標は概ね達成されている例が多いので、運営協議会の評価としても肯定的な評価が与えられている例が多い傾向があります。その下に箱で囲って、代表的な評価を掲げています。例えば、市の窓口と国の職業相談の窓口が近くなって、情報交換がしやすくなったという評価、あるいは1つ飛んで、区の就労支援員、ケースワーカーとハローワークの就職支援ナビゲーターが情報を共有して、的確な支援ができたという、職員間の連携が図られたという評価、最後のところで、自治体だけで雇用対策を十分に行うことは難しいということで、ハローワークとの連携が不可欠だという認識のもと、こういう事業で国と連携して広く区民に対するサービスを提供することが重要という評価も得られています。
 特に生活保護受給者対象事業がいちばん多いパターンですので、その下にそれについての評価を抜き出しています。例えば2つ目の、多くは自動車を保有しておられない生活保護受給者に対して、従来であれば福祉事務所から、そこのハローワークに行きなさいと指示をして、その間、交通機関を使って行くというようなことがあったわけですが、今回、一体的実施施設がすぐ隣にあるということで、誘導が非常に積極的にやりやすくなったという評価があります。その次ですが、生活保護受給者がハローワーク窓口に来る際に、市の就労支援員やケースワーカーが同行してくるということが、これも場所的な近接性もあり、やりやすくなったという評価が得られています。
 次の頁です。一方、課題もいくつか指摘されていて、1つは周知・広報です。平成23年度については、すべての自治体が年度の途中から、6月から、10月から、1月からなどという形で始まっていることもあり、周知・広報の不足で認知度が低かったという評価、意見がありました。先ほど目標が達成できなかったところがあるということでしたが、これの要因を分析したときに、やはり求職者への施設の浸透が進まなかったことなどを挙げている例があります。
 2つ目の課題としては、職員体制の充実が必要という指摘もありました。これはハローワーク本所の職員が定期的に巡回して応援しているというような実態が多く、一体的実施施設そのものは、職員を配置している場合もありますが、多くは相談員の配置ということです。ハローワーク本所の機能が分散するという面もありますので、その辺りの体制面の課題が指摘されています。
 (2)で、すべてではありませんが、1県・8市区の首長からコメントを寄せていただいています。特に国と自治体が一体的に事業を実施することができて、その点について高く評価できる、ハローワークの機能が生かされた形で事業が展開できて、これも高く評価できるというご意見をいただいています。ハローワークの機能としては、ハローワークの全国ネットワークにより、例えばほかの自治体に所在する企業に職業紹介で就職が実現したというような例が挙げられています。ハローワークの、事業主との繋がりの中で求人開拓等によって、住民の就職が実現したという評価もいただいています。
 (3)です。いろんな事例が出てきていますので少し拾い上げたのがこちらです。就職が実現した事例で、先ほどの、市長、区長からのコメントとも共通しますが、国と自治体の職員間の連携の強化によって就職が結び付いた事例や、ハローワークが事業主に働きかけることによって就職が実現した事例、あるいは全国ネットワークを生かして自治体の外に就職するという事例が挙げられています。
 5頁です。これは国と自治体の、支援する側の連携の事例です。1つ目は、生活保護受給者等を対象とした取組の中で、福祉事務所とハローワークが支援対象者の情報、個人情報等を含む情報を、ご本人の了解の下で実務的に共有することを通じて、一貫した効果的なアプローチが可能になるという事例が多く見られています。その下の2つ目は青森県の事例です。国のハローワーク、県が主体となっているジョブカフェ、NPOに委託している地域若者サポートステーションという若者支援の3つの機関が従来からあったわけですが、一体的実施事業の実施をきっかけにして、チーム支援を始めることになったという事例です。ここのチーム支援も、先ほどの生活保護と手法は共通ですが、若者の方の様々な個人情報を含む情報を、本人の了解の上で、この3つの機関で共有しながら一貫した支援をやっていくという事例です。その下は、札幌市と北海道労働局の事例ですが、一体的実施を始めたことをきっかけにして、相互の研修を始めたことや、さらに人事交流を始めるという事例です。
 大きな4番です。いままでのようなことを踏まえると、国が行う職業紹介と自治体が行う業務をワンストップで提供することのニーズは高いと言えますし、かつ、一定の実績が上がっていると考えています。その中でも特に、生活保護受給者に対する取組については、基礎自治体のほうから、非常に重要性を強く認識されていて、ハローワークと一体となって就労支援を行いたいというニーズが非常に強いという状況です。こうした中で、生活保護受給者を対象とした一体的実施については、福祉サービスを提供している基礎自治体と連携して、全国ネットワークを持っているハローワークが職業紹介を行うということで、多くの支援対象者の就職が実現していて、成果が上がっていると考えています。
 その次に具体的な要因を挙げています。1〜3の中で出てきたような事例と共通しますが、利用者にとっては、ワンストップで同じ場所でサービスが提供されることによる利便性の向上が要因としてあります。そのほか、国と自治体の職員間の連携の強化、ハローワークの全国ネットワークの機能が活用されるという要因、また福祉サービス利用者について支援対象者の同意を得た情報共有というアプローチ、この辺りが効果的になっている要因ではないかということです。特に生活保護受給者を対象とした一体的実施の成果が上がっている要因としては、生活保護受給者になる前の申請の段階から、早いタイミングでハローワークの就労支援に繋げていくことができているということ。自治体の生活保護窓口に隣接してハローワークの窓口があるというケースが多いので、ご本人の就労意欲を損なうことなくスムーズにマッチングに繋げていけるというような要因があると思います。このように、ハローワークが自治体、特に基礎自治体と連携することによって、地域住民のニーズを満たして、利便性を向上することが可能になっていると言えるのではないかと考えています。
 最後に、今後の方向性です。平成23年度は初年度ですし、年度途中から始まったということですが、それでも好事例も出てきているので、こういう好事例も積極的に発信して、自治体を始めとする方々の一体的実施に対する関心を高めていくことが必要ではないかということ。ハローワークの実施体制も考慮しながらですが、事業の実施を希望する自治体には可能な限り対応していくということ。既にスタートした一体的実施事業の実績は、更に工夫して高めていくことが必要であるということです。
 2つ目は、アクション・プランにおいて、この一体的実施は3年程度行うということになっていることから、既に事業を開始した自治体からは、3年程度経過するとこの事業がなくなってしまうのではないかという不安の声、続けていきたいという声もいただいています。こうした中で、特にニーズも高く、成果も上がっている生活保護受給者を対象とした事業などについては、既存事業の「福祉から就労」支援事業というのがありますので、これとの関係も整理しながら、今後恒久的な事業として位置付けていく必要があるのではないかと考えています。3つ目として、職員体制の充実についての指摘もありましたので、これは、それぞれの地域のニーズに応じて、国と自治体がそれぞれ適切な人員配置をしていくことが必要ではないかということです。国・自治体とも、双方の職業・相談員の研修を行っていますが、こういうレベルアップのための研修をさらに実施していくことが必要ではないかということです。
 これまでこの職業安定分科会でもご意見をいただいていましたが、この一体的実施事業に労使等の関係者の方々のご意見を反映させていくことについて、自治体のご意向も踏まえつつ、運営協議会の労使の参加を更に進めていくことが必要ではないかと考えています。また、運営協議会以外の場としても、各労働局に地方労働審議会がありまして、労使の方々にメンバーになっていただいていますので、ここの審議会などの場でも、この事業についてのご意見を聞いて事業内容に反映させていくことが必要であると考えています。
 最後ですが、これはそもそも地域の住民のニーズに対応した雇用対策を展開していくためには、一体的実施事業に取り組むだけではなく、雇用対策全般について国と自治体が十分に連携していくことが必要であるということですので、この一体的実施事業を1つのきっかけとして、地域の雇用対策全般において、更に国と自治体の取組を強化していくことが望ましいということです。資料?1-1は、平成23年度の実施事業状況のまとめでして、あと若干、関連する資料がありますので併せてご説明いたします。
 横置きの資料?1-2です。いまの資料?1-1でまとめて書いていましたが、それぞれのバックデータ的なものです。最初の1、2頁は、そもそもの一体的実施の枠組み、アクション・プランの該当箇所とスキーム図が描いてあります。3頁から、先ほど本文中に出ていた事項についてのバックデータです。3頁は、24自治体がどこかということと、運営協議会で労使参加しているところがどこかというのが下線の部分です。4〜6頁が、最初のところで一体的実施事業の分類、業務別、対象者別などをしましたが、それぞれ、どこの自治体がどこに該当しているかを表の形で示したものです。7頁以降が、事業目標の達成状況です。これも先ほどまとめた形で資料?1-1には記載していましたが、8頁以降、個別・具体的に24自治体それぞれの事業概要と、あらかじめ立てた事業目標と実際の達成状況という形で一覧表にしたものです。
 14頁です。これも本文で運営協議会での評価の中で、代表的なものをご紹介しましたが、実際、個別に出てきたものと、どこの自治体から出てきているかという資料が14頁からです。14頁は一般的な評価、15頁は生活保護受給者を対象とした事業をやっているところからの評価です。16頁は各所の課題、周知・広報の不足などと言われていたことの実際の声です。17頁が知事や、市長、区長から寄せられている声です。
 就職事例も若干、本文で概要を説明しましたが、実際の個々の例として18頁以降に掲げています。18頁は、ハローワーク側の個別求人開拓を実施して就職を実現した事例です。19頁は、個別求人開拓ではないのですが、事業所への積極的な働きかけ、求人の条件の緩和などの形を通じて就職に繋がった事例です。20頁は、国の助成金を使うことによって就職が実現した事例です。21頁が、自治体のエリアの外の企業に就職した事例です。22頁は、国と地方の施策を組み合わせながら就職が実現した事例で、例えば所沢市で言えば、保育園の申込みと就職支援を組み合わせています。志木市で言えば住宅手当との関係、総社市で言えば障害者手帳の取得などの福祉的支援との組合せの事例です。23頁に、これは数字ですが、自治体のエリアの外にどれくらい就職が決まっているかということで、平成23年度は途中から始っていることもあり、サンプルがそれほど多くないということはありますが、一応の参考として付けています。表の自治体の名前のすぐ隣に「市区町村外」という欄がありますが、ここを縦に見ていただくと、市区町村外にどれだけ就職が決まっているかという数字で、大体真ん中辺りの、埼玉県内の市町村や東京都内の区、あるいは愛知の大府市や岡山の井原市辺りでかなりエリア外で就職が決まっているケースが多くなっています。
 資料?1-3もご参考の資料ですが、一体的実施の取組事例で、平成23年度に事業を開始したものです。一体的実施事業ごとのホームページ携載PR用の資料で、最初の北海道から始まって、次に青森県です。事業の概要と目標と実績、3頁の青森では青森県知事からのコメントもいただくというような形です。あとは就職成功例で、青森は4頁です。こういうフォーマットで、それぞれ1つずつPR資料を作っていますので、これは平成23年度開始分の23ヶ所についてが、この資料?1-3ですので、後ほどご参照いただければと思います。
 最後に資料?1-4の1枚紙です。先ほどの資料?1-1のまとめは平成23年度スタート分ということで、24自治体に限られていましたが、これは平成24年9月4日現在のアクション・プランに基づく提案の状況です。2番の(1)ですが、都道府県では29、市区町村では58という形で、数として相当増えています。四角囲みで囲ったところが既にスタートしたところで、65あります。提案が出てきているところは87自治体にまで達している状況です。資料?1関係は以上でございます。
○大橋分科会長 ただいまの説明について、ご意見、ご質問があればお願いいたします。
○吉岡委員 いまの説明の中で、大変厳しい雇用情勢の中で、国と地方自治体が連携したこういう事業によって、着実に求職者が雇用に結び付いているということは、私どもも評価をしていきたいと思っているのですが、1つ資料の見方で具体的に教えてほしいところがあります。
 資料?1-2の18頁の「一体的実施事業での就職事例①」の中で、「個別求人開拓を実施して就職を実現した事例」とあります。この個別求人開拓というのは、ここの表記にあるように、事業所の訪問ということで理解をしていいのかどうか。そして、そのときに市とハローワークの連携というのは、具体的に井原市を見ると、市の方はお一人しかいらっしゃらなくて、ハローワークのほうから数名いらっしゃるということですから、そこは具体的にどのようにされたのかということで、事例的なところでご説明をいただければと思っております。
○公共職業安定所運営企画室長 個別求人開拓の事例ということですので、これはあらかじめ取ってあった求人と結び付けるというのではなくて、求職者が来られて、その方に合った求人はないだろうかということで、改めて事業所訪問をやるという形で結び付けた事例です。
 井原市の例で言いますと、市の商工セクションなり、市として企業の情報をいろいろ持っておられることもあるので、そういう情報をハローワークにいただければ、ハローワーク側が求人としていただきに行くというような連携でやっている事例です。そういうケースはほかにもいくつか出てきているところです。
○大橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。
○住野委員 吉岡委員と関連するのですが、資料?1-2の19頁の瀬戸内市の事例で、「支援内容・ポイント・経過」のところに、市と国のかかわり方が若干書いてあるのですが、札幌市の場合、「支援内容・ポイント・経過」の「情報を提供しながら一緒に応募先の絞り込みを実施」という表現があるのですが、誰と誰が一緒なのかわかりにくいので、そして何が一体的に実施されているのか表現的にわかりにくいので、もしわかればお教えいただきたいと思います。
 また、20頁以降を見てみますと、各事例が載っているわけですが、これも国と地方自治体の関わり方が、非常にわかりづらい記述が多いので、今後こうした事例を紹介する際には、できれば、国と地方自治体の関わりをきちんと明記した上で示していただければありがたいというご意見をさせていただきたいと思います。
○公共職業安定所運営企画室長 19頁の札幌市の事例で言えば、これは確かに主体がはっきり書いていないので、不明確だったかと思います。求職者とハローワークの職員が一緒にということになります。
 次の頁以降の、それ以外の記述も、国がやっている部分と自治体がやっている部分がはっきりしない部分もあるかと思いますので、今後この種類の資料をどんどん更新していきますので、その点は十分気を付けたいと思います。
○大橋分科会長 その他、いかがでしょうか。
○新谷委員 いま、一体的実施事業の内容についてご報告をいただいたわけですが、2010年12月のアクション・プランに基づき一体的実施事業がどのように展開されるのかというのは、労働側としても非常に関心をもって見守ってきました。
 この分科会でも、私ども労働側の委員としては、利用者目線での利便性の向上ということから、国と地方自治体の連携によって、就労支援や生活支援について、一体的運営をすること、かつ、地域の労使も参画することによって、地域密着型の活動を展開することを主張してきています。
 いまご説明いただいた資料を拝見していますと、地方自治体の中でも、市区町村や都道府県との、それぞれの一体的実施についてご説明いただいたわけですが、資料?1-1等を拝見していましても、住民サービスを提供するのは基礎自治体ということですので、やはりこの基礎自治体との一体的実施がかなり成果を上げているのではないかと見ています。資料?1-1の中でも、そういった総括がされているようですが、我々としても、生活保護や住宅相談を含めたワンストップのサービスを提供できるという意味では、今回の基礎自治体との一体的実施については評価をしております。
 もちろん都道府県との一体的実施についても、例えば若者向けのジョブカフェ、マザー向けの取組等々、成果を上げているところはありますが、どうも都道府県単位というよりも、基礎自治体との連携のほうが効果を上げているのではないかと見ておりますので、今後そういった視点からも、この一体的実施事業について、成果を見守っていきたいと思っております。
 ただ、この一体的実施で成果を上げているということですが、これはこの労働政策審議会でも2回にわたり意見書をとりまとめておりますように、決してそれは地方移管するということではありませんので、ハローワークの持っている、全国ネットワークの職業紹介機能が損なわれることのないように展開をしていただきたいということと、雇用保険の財政責任・運営責任が分離して、濫給するということのないようにしていただきたいと思っていますので、こういった問題が生じないように、我々としても注意深く見守っていきたいと思っています。
○大橋分科会長 その他にいかがでしょうか。
○中島委員 いまの新谷委員の意見に関連して述べたいと思います。労使参画についてですが、一体的実施の運営協議会については、そのメンバーにハローワークの利用者側である労使の代表者に、もっと参画していただき、意見を聴く機会を設けて、事業内容に反映させるべきでありまして、その旨を国としては地方自治体に対して、強くご指導いただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
○大橋分科会長 その他によろしいでしょうか。
○高橋委員 資料?1-1の6頁の「今後の方向性」のところで、1つご質問を申し上げます。これらを見ると、いずれも語尾が「必要である」「求められる」「望ましい」といった記述になっています。これは、現時点の評価、分析を踏まえた問題提起的なものであるのか、この方向性に基づいた具体的な対応を取っていくということを意味しているものなのか、この辺りを教えていただきたいと思います。また、とりわけ厚生労働省としては、平成23年度の現状分析を踏まえて、どのような具体的対応を取ろうとしているのかについて、教えていただければと思います。
○公共職業安定所運営企画室長 資料?1の6頁の「今後の方向性」は、「必要である」「求められる」といった書き方にしておりますが、それぞれこういう認識であるということですが、これに基づいて、厚生労働省として具体的にさらに前に進めていこうという趣旨で書いております。
 例えば1つ目で言いますと、「好事例を発信して、一体的実施に対する関心を高め」「事業の実施を希望する自治体には可能な限り対応する」「既に開始している一体的実施事業の実績を更に上げていく」ということについては、それぞれ、既に開始している自治体については、実績を上げるような働き掛けを具体的にやっていきたいという形で、実際にこれに基づくアクションを起こしていきたいということで、それ以下のところも、基本的に同様に考えております。
○大橋分科会長 その他よろしいでしょうか。
○岩村委員 コメントだけ少ししておきたいと思います。第1は、今日資料?1以下でご紹介いただいたように、一体的実施事業については、かなり実施自治体も増えていて、成果は上がっているというご報告がありましたが、たぶん一体的実施事業というものがうまくいっているということと、ハローワークの地方移管というのは全く別の次元の話だろうと、私は思っております。前にも申し上げましたが、職業紹介を自治体の枠の中で行うというのはナンセンスで、こういう事業をやること自体は、私は必要だし、適切なことだと思いますが、それと地方移管の話というのは、全然論理の違う話だろうと思っております。ですから、これがうまくいっているというところから、ハローワークの事業の地方移管という話には結び付くものではないということは、申し上げておきたいと思います。
 2点目は、ヨーロッパに比べると低いですが、これだけ失業率が高くなって、長期失業の人なども増えている中では、職業紹介がより個別的な面談などといったものを経て行うことが必要になっているというのは、ヨーロッパなどでもそうでありますし、日本ではハローワークでそういう形で進めてきて、特に、今回の一体的実施事業の中身を拝見させていただきますと、個別的に求職者の方と、特に就職困難者の方とは面談をしつつ、求職、求人というものをマッチングしていくということになっているかと思います。
 そうしますと、当然のことながら、ハローワークのほうもそれに対応するマンパワーが必要であり、自治体のほうもマンパワーが必要である。要するに、これをきちんとやろうとすれば、最終的にはマンパワーの問題なのだということを認識する必要があるのではないかと思っています。以上です。
○大橋分科会長 その他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようですので、次に、資料?2の説明をお願いいたします。
○公共職業安定所運営企画室長 資料?2です。同じアクション・プランに基づく取組のもう1つで、ハローワーク特区です。1頁に、これまでの経過が書いてあります。これまでの職業安定分科会で、その都度最新の状況をお伝えしてきたところですが、いちばん下ですが、去年の平成23年12月26日の地域主権戦略会議で了承されました、「出先機関の原則廃止に向けた今後の取組方針」の中で、「試行的に、東西1か所ずつハローワークが移管されているのと実質的に同じ状況を作り、移管可能性の検証を行う」という、ハローワーク特区を行うこととされたということが出発点です。
 いちばん上で、今年の5月7日に地域主権戦略会議の下のハローワークチームで、「東西1か所ずつ」ということで、埼玉県、佐賀県ということとなり、そこから提案があり、その枠組みを合意しました。そのあと、前回の7月5日の職業安定分科会で諮問して、妥当であるという答申をいただきましたが、厚生労働省令を定めるということで、8月21日にハローワーク特区の枠組みを規定する省令を公布しました。8月30日に埼玉県知事と厚生労働大臣、佐賀県知事と厚生労働大臣の間で、それぞれ協定を締結しました。これは、平成24年10月スタートということになっていますので、現在詳細の準備を進めているところです。
 実際の協定を3頁以降に付けています。3頁が埼玉の「ハローワーク浦和における特区に関する協定書」です。特区の枠組そのものを、もう一度協定に書いてある部分が多いのですが、具体的な内容については、第2条で、特区でどういう事業をするか、どういう事業について埼玉県知事が指示できるかということが書いてあります。第一号の「ハローワーク浦和の行う支援と埼玉県が行う支援を一体的に実施すること等による若者、女性、中高年及び障害者の就職支援並びに事業者向け支援の強化」がまず1つです。もう1つは、第二号の「生活・住宅総合相談窓口の設置等による求職者に対する支援の強化」です。あとは、その他条項です。基本的に、最初の2つについて、埼玉県が特区として事業展開したいということですので、これの細目を準備しているところです。基本的には、埼玉県側が行う支援と、ハローワーク浦和で行う支援を組み合わせながら、事業を展開するということになると考えています。
 同様に、佐賀県の協定ですが、5頁になります。これも基本的に協定の構造は同じですが、具体的に何かをやるかというのは、第2条の一、二、三です。
 第一号は、「ジョブカフェとヤングハローワークの一体的運営等による若年者就労支援の強化」です。第二号が、「障害者に対するチーム支援や一体的な事業所訪問等による障害者就労支援の強化」です。第三号が、ハローワーク佐賀管内の市、佐賀市、多久市、神崎市、小城市と4つ市があるのですが、これらの県、市、国が連携して、福祉から就労への支援を強化するということです。あとは、その他条項です。
 これも佐賀県側の意向として、一、二、三の部分を特区の事業展開としてやりたいということから、こういう形で盛り込んだところです。これについて、それぞれ、ハローワーク、労働局、本省と、佐賀県あるいは埼玉県側で、細かい事業内容をいま詰めているということで、10月に準備ができたものからスタートするという状況です。説明は以上です。
○大橋分科会長 ただいまのご説明について、ご意見があればお願いいたします。
○新谷委員 ハローワーク特区ですが、これはアクション・プランが出たあとに、地域主権戦略会議の中で出てきた話で、非常に唐突感は否めないと私は思っています。埼玉と佐賀についても、私どもは非常に関心をもって見守っていまして、それぞれの地方連合会と連携を取りながら、実態の把握もしているところです。
 確かに、ここに協定書が出てきているのですが、それぞれの協定書に特徴があると思って、佐賀の協定書に書かれているジョブカフェとヤングハローワークの一体運営というのは、確かにロケーションが非常に近くて、いいという感じで見ておりまして、現場を見ればよくわかると思っています。
 その上で確認させていただきたいのは、6頁にある「利用者の意見聴取」です。先ほど中島委員も、一体的実施事業の中での運営協議会の労使の意見聴取をということを申し上げましたが、それぞれの特区の協定書の中で、佐賀のほうには「意見聴取」というのが協定内容として書かれているのですが、埼玉のほうはどこにそれが出ているのかと思って見ても、見当たらないのですが、労使の意見聴取は埼玉においては、どのように担保されているのかを確認させてほしいと思います。
○公共職業安定所運営企画室長 協定書を見ていただきますと、確かに佐賀のほうが記載されている事項が少し多い部分がありまして、そこの利用者の意見の聴取は、確かに佐賀のほうには書いてあって、埼玉のほうには書いてありません。
 協定の作り方として、埼玉のほうは、これは知事のご意向でもあるのですが、最も骨となる部分だけに絞って協定で定めて、それ以外は別途定めるというスタイルをとるというご意向でしたので、そうしております。したがいまして、この協定だけを見ると、利用者の意見聴取は出てこないのですが、別途、埼玉労働局長と埼玉県知事の間で取り決めるということで、実質的には利用者の意見聴取は担保されるということになっています。
 実際に、それぞれの地方労働審議会がありますが、埼玉労働局で言えば、埼玉の地方労働審議会で、すでに1度ハローワーク特区を議題として、労使の方、埼玉県を呼んで、意見を聴いていただいたということです。
 佐賀についても、先日佐賀の地方労働審議会で同様に、佐賀県を呼んで、労使の方の意見を聴いていただいたということですので、こういう形で利用者の方の意見を聴きながら、反映させることを続けていきたいと思っています。
○新谷委員 是非その方向で進めていただきたいと思います。
 その上で、もう1点確認させてください。今日のハローワーク特区は2つの県の報告があったわけですが、私ども連合の地方組織であります連合広島から問合せがきていまして、広島市長が新たな提案をされているようです。このハローワーク特区とは違う枠組みで、厚生労働大臣と広島市長との協定を締結するということを発表されたようです。
 それは政令指定都市市長会の構成員という立場とは別にということをおっしゃっているようですが、今日いただいている資料?1-3の34頁に、名古屋市の一体的実施事業の中身が書かれていて、こちら名古屋市も政令指定都市の1つだと思いますが、広島市よりも大きいと思います。こちらは名古屋市長と愛知労働局長との協定ということになっているのですが、広島市のほうは厚生労働大臣と協定するということを提案されているようですが、これはどのようになっていて、今後どのようにされるのかという状況を教えていただきたいと思います。
○公共職業安定所運営企画室長 広島市長の提案ですが、広島市長が9月5日に厚生労働大臣宛ての提案を行ったということは事実です。その提案の中身は、広島市と国が共同して、住民のための雇用対策を推進することを目的として、広島市長と厚生労働大臣が、広島市雇用対策協定を締結するということです。それから、生活困窮者の就労支援を広島市内のすべての区で実現することなどを内容とする提案です。これはハローワークの地方移管を内容とする提案ではありません。
 これについては、提案が出たという段階ですので、広島市と広島労働局の間で、提案の内容について具体的に確認する作業をしておりまして、厚生労働省としての対応は、それも踏まえながらどうするかを検討していきたいと考えております。
 広島市では、そもそも今年の7月から市内の2つの区で、生活困窮者の就労支援という内容の一体的実施をスタートしたというところで、先週出た提案の中には、これをすべての区に拡大したいというような内容も入っておりますので、提案の一部に、一体的実施も含むというような内容になっております。
 ただ、一方で、これは埼玉、佐賀のように、知事から労働局長への指示を行うという提案ではありませんので、これはハローワーク特区とは全く異なるものです。いまの状況は以上です。
○新谷委員 最初に報告いただいた一体的実施事業は、閣議決定されたアクション・プランに基づく実施ということですし、いまほどのハローワーク特区については、地域主権戦略会議での確認の下に、この東西2カ所ということで展開されていると思います。
 いまお聞きしますと、いずれにも該当しないような提案が広島市長から出てきて、しかも、それは厚生労働大臣との協定を求めているということですので、第3カテゴリーが出てきたのかという感じがしております。今後、しっかりと対応していただきたいと思っていますので、申し上げておきたいと思います。
○大橋分科会長 その他、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、この件については終了させていただきます。
(異議なし)
○大橋分科会長 次に、「雇用調整助成金に係る雇用保険法施行規則の改正の報告」に関して、事務局からご説明をお願いいたします。
○雇用開発課長 雇用開発課長の北條です。参考資料1「雇用調整助成金に係る雇用保険法施行規則の改正の報告」について、ご説明いたします。雇用調整助成金については、平成20年秋のリーマン・ショック以来、助成内容の拡充を図ってきましたが、その後の雇用情勢の改善に対応して見直しが必要だということから、前回7月5日の本分科会において、その見直し方針についてご了解をいただいたという経緯がございます。前回の分科会においては省例改正作業が間に合わなかったために見直しの方針をお示しして了解をいただき、それに基づいて、必要な雇用保険法施行規則改正を進めさせていただくという、やや変則的な諮り方となってしまいましたが、8月に施行規則の改正が終わりましたので、今回改めて報告させていただく次第です。
 参考資料1の1頁に見直しの全体像をお示ししています。今回施行規則の改正によって対応した事項は、左側の列の中段の「支給限度日数の見直し」です。また、左側の列の上段の「生産量要件の見直し」及び下段の事業所内訓練の場合の「教育訓練費の引下げ」については、支給要領の改正によって対応した事項です。
 これをもう少し具体的にお示ししたものが3頁です。施行規則の改正によって対応した支給限度日数の見直しは②です。現行の要件は、3年間で300日分の支給を上限とするという内容でしたが、これを急に、本則であるところの1年間で100日、かつ、3年間で150日という水準に戻してしまいますと、現在雇調金を利用している事業所が、10月から突然使えなくなってしまうという場合もあり得ますので、段階的に見直す必要があります。つまり、今月10月からは、まず1年間で100日、かつ、3年間で300日としまして、来年の10月から、1年間で100日、かつ、3年間で150日という2段階で考えていきたいということです。
 また、資料の①③については、支給要領による改正事項でしたが、これについても参考までに報告させていただきます。①の生産量要件については、現在のところ最近3か月の生産量または売上高が、その直前の3か月または前年同期と比較して5%以上減少しているという内容になっていますが、これを今年の10月から、前年同期と比較して10%以上減少しているという、以前の水準に戻すこととしています。
 ③教育訓練費の額については、教育訓練を実施した場合の1人1日当たりの加算額として、現行では雇用調整助成金の場合に2,000円、中小企業緊急雇用安定助成金の場合に3,000円となっていますが、これを今年の10月から、それぞれ1,000円、1,500円という、以前の水準に戻すこととしております。なお、被災3県においては、雇用情勢に厳しさが残るということから、この資料のいちばん下に記載しているとおり、実施時期を半年ずつずらすこととしています。
 さらに、残る見直しについては、来年度の4月から実施となりまして、今年度末に向けて、作業を今後進めていきたいと考えていますが、その際の雇用保険法施行規則の改正については、改めて本分科会にお諮りしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○大橋分科会長 本件について、ご質問、ご意見がありましたら、ご発言ください。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○大橋分科会長 次に、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律関係」に関して、事務局からご説明をお願いいたします。
○高齢者雇用対策課長 高齢者雇用対策課長の中山です。参考資料2についてご説明いたします。高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正については、本年1月6日の労働政策審議会における建議に基づき、改正法案を国会に提出し、衆議院において一部修正の上、8月29日に可決成立し、9月5日に公布されたところです。
 改正の背景等はご案内と存じますが、1つ目は、少子高齢化が急速に進展する中で、若者、女性、高齢者、障害者などの就労促進を図り、働くことができる人全てが社会を支える、全員参加型社会の実現が求められていること。2つ目として、平成25年度から厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられるため、無年金、無収入となる者が生じないよう、雇用と年金を確実に接続させ、65歳までの希望者全員の雇用を確保する必要があること。こうしたことから、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止することとしたものです。
 衆議院の審議の過程で修正が入っておりますが、資料の5頁をご覧ください。修正の趣旨は、高年齢者雇用確保措置の指針の根拠規定をこの措置を規定する法第九条に移しまして、対象者基準の廃止後の継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取扱いについて労使双方にわかりやすく示すため、事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する独立した指針を定められるようにするものです。本日はこの改正内容を、来年4月1日から施行するに当たりまして、必要な政省令、告示の整備について、ご説明をいたします。資料の1頁目をご覧ください。
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正し、施行するに当たりまして、当分科会に検討をお願いする事項をまとめたものです。政令事項、省令事項、告示事項があります。
 まず政令事項です。この度の改正により、法令の原始附則の第五条が削除されたことに伴い、前回改正時にこの附則に基づいて定められていた政令の規定を削除する、形式的な整備です。次に省令事項で、3点あります。1つ目が、特殊関係事業主、2つ目が再就職援助措置の対象となる高年齢者等の範囲、3つ目が高年齢者雇用状況報告書(様式)の関係です。1点目の特殊関係事業主については、継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲として、子会社、関連会社等定めるものです。2点目、3点目については、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止されることに伴い、所要の整備を行うものです。告示事項です。1つ目が、高年齢者等職業安定対策基本方針、2つ目が高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針です。
 基本方針については、法第六条に基づいて、高年齢者等の職業の安定に関する施策の基本となるべき方針として策定しているものですが、現在の基本方針の対象期間が平成24年度末までとなっていることなどから、この度の法改正の内容も踏まえ、見直すこととしております。2点目の高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針は、先ほどご説明しました衆議院での修正により、新たに策定することとなったものです。
 今後のスケジュールですが、これらの検討事項について、まず雇用対策基本問題部会で具体的内容をご議論いただき、その上で要綱案等について、この職業安定分科会でご議論いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○大橋分科会長 ただいまのご説明について、ご意見があればお願いいたします。
○新谷委員 いまご説明いただきました改正高齢法ですが、国会が不正常になる直前に、何とか滑り込みで法案が成立したことについては高く評価をしたいと思います。特に、2013年問題が目前に迫っておりますので、その直前に何とか成立ができたということは、非常によかったと思います。
 改正高齢法は、当面のスケジュールということで、いまご説明いただきましたが、施行が来年4月1日ということですし、行政指導法ですので、法律の具体的な運用がどうなるか。特に政省令、指針、通達が、どのようになるのかということが非常に重要な内容となってくると思います。これは使用者側委員も同じだと思いますが、この政省令、指針、通達を1日も早く流すことによって、企業の準備期間が十分に取れるように、検討を急いでいただければありがたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。
○大橋分科会長 その他いかがでしょうか。よろしいですか。
(異議なし)
○大橋分科会長 次に、「平成24年度雇用政策研究会報告書骨子・概要」に関して、事務局からご説明をお願いいたします。
○雇用政策課長 雇用政策課長の本多です。雇用政策研究会報告書の概要を私からご説明させていただきます。参考資料3をご覧ください。1頁の研究会報告書 骨子に沿ってご説明いたします。
 本研究会では産業構造の転換、人口減少社会の到来という、日本の成長を支える経済、雇用の2つの主要課題に対し、今後実施すべき雇用対策についてご議論いただきました。今年の4月から9回にわたり検討いただき、8月に報告書を取りまとめたところです。
 研究会の中で、今年の1月に国立社会保障人口問題研究所から新たに公表された日本の将来推計人口を踏まえて、労働力需給の推計を行いました。1頁の下のほうに書いてありますグラフが見にくいので、同じグラフが8頁にありますので、そちらをご覧ください。
 ここで、経済成長と労働参加が適切に進まない場合、2030年の就業者数が2010年に比べて845万人の減少になります。一方、経済成長と労働参加が適切に進む場合には、適切に進まない場合に比べ、就業者数が約630万人増加となり、2010年に比べて213万人の減少に留まるという推計が得られたところです。
 1頁にお戻りください。こうした成長を実現するために、4つの対応の要として、需要面では、日本のもともとの強みを活かした産業の活性化、増大するアジア市場の需要の取り込み、海外事業展開する企業への支援、高齢者需要を取り込む産業育成などを行うとともに、供給面では全員参加型社会の実現や、労働力の質・量の改善が重要であると考えております。
 それを踏まえて具体的な施策の方向については、大きく3つあります。1つ目として、緊急雇用対策として効果を発揮してきた「まもる」雇用政策から、今後は雇用を「つくる」「そだてる」「つなぐ」という政策に、軸足を移行すること。具体的に雇用創出の推進として、「雇用をつくる」人材を確保する。また、人材育成支援を充実する、新産業展開・職種転換等の人材育成支援、また人材育成から人材形成への転換ということで、若い時期だけの育成ではなく、40代、50代になっても教育訓練が必要であるということを指して、人材形成への転換といったことを図っていくことを掲げています。また、グローバル人材の育成、海外市場への取組支援といった、日本の成長を担う産業と一体となった雇用政策を推進していくことを挙げております。
 2つ目として、新たな地域雇用創出の推進として、個々の地域の雇用に生じた“傷み”に対応するために、「日本の成長を担う産業」を踏まえ、地域の特徴等を活かした新たな地域雇用創出を推進することを挙げています。
 3点目として、日本の将来を担う若者たちが自身の夢や目的に向かって邁進していく、あるいは充実した人生のキャリアを拓くことができるような社会をつくることが必要、そのための就労支援をしていくべきである。以上、3点の施策の方向性について、報告をいただいております。
 今後はこの方向性を踏まえて、各種の対策、来年度の予算も含めて進めていきたいと考えております。以上です。
○大橋分科会長 ただいまのご説明につきまして、ご意見があればお願いいたします。雇用を「つくる」人材という新しい観点が出ていますが、いかがでしょうか。ご意見がないようですので、この件については終了させていただきます。
 ほかに全体を通してございませんか。
○総務課長 本日の資料とは別綴じになっていますが、「平成25年度概算要求の概要」という資料をお手元にお配りさせていただいています。そちらをご覧ください。職業安定局関係の平成25年度概算要求は9月7日に要求していまして、まだ要求段階ですので、数字等はこれから変わってくるわけですが、ざっくりご覧いただければと思いまして、お配りさせていただきました。
 表紙をおめくりいただきますと、平成25年度関係予算(案)の概要ということで、一般会計が2,200億円余となっています。内訳はそこにありますが、「年金・医療等に係る経費等」というのが、いわゆる義務的経費と呼ばれるものです。その下の「概算要求枠」というのが、いわゆる裁量的経費と呼ばれるもので、この裁量的経費について、原則10%削減した上で、その下に「重点要求額」とありますが、政府で策定している日本再生戦略がありまして、それに関連した重点事項について、削減した分に応じて要求していいということになっております。概算要求枠は10%弱削減した上で、重点要求額として、64億円ほど要求しています。これは、1つは生活保護の見直しと関連しまして、生活保護受給者等の就労支援ということで、重点要求しているものと、地域における雇用創出を支援しようということで、大きくこの2つの内容で重点要求を行っております。
 その次にありますのが、「東日本大震災復興特別会計」ということで、雇用対策にかかわるものとして、551億円ほど要求しています。
 3つ目の枠組みが、「労働保険特別会計雇用勘定」ということで、これは「失業等給付費」を含んでいますので、2兆6,565億円余ということで、大きくなっています。失業等給付費については、おおむね前年同額で計上していますが、先ほど話に出ましたような雇用調整助成金等の大幅削減等を行っておりますので、全体としては1,444億円ほどの減という形になっております。
 以下、ポイントということでお付けしていますが、柱立てのみご説明させていただきます。1つ目が、「『全員参加型社会』の実現」ということで、760億円ほど計上しているということです。内訳は、「若者雇用戦略」の推進ということで、大卒対策等を計上しているところです。以下、障害者あるいは高齢者の関係等の経費を計上しているということです。
 2つ目の大きな柱が、「成長分野などでの雇用創出、人材の育成の推進」ということで、1,262億円の計上です。内訳は、先ほど少し申し上げました都道府県による産業政策と一体となった雇用創造の支援の抜本的強化ということで、「地域雇用創造総合プログラム」の創設と銘打ちまして、これに56億円ほどとしています。これは先ほど申し上げた重点要求枠として要求しているということです。
 3つ目の柱は「重層的なセーフティネットの構築」ということで、1つは生活保護の見直しが予定されていますが、これと関連して、生活保護受給者等の生活困窮者に対する就労支援の抜本強化ということで、これも先ほどの重点要求枠を活用して、要求しています。以下は、求職者支援制度の経費等になります。
 4つ目が、「『望ましい働き方ビジョン』の実現に向けて」ということで、非正規雇用労働者の雇用の安定・処遇の改善ということで柱立てをして、232億円を計上しています。(1)にありますように、有期・短時間・派遣労働者等安定雇用実現プロジェクトということで、非正規労働者のキャリアアップのための総合的な支援策を計上しているということです。
 5つ目の柱が、「国際問題への対応」です。6つ目が、「震災復興のための雇用対策」ということで、これは復興の雇用特別会計ということになるわけですが、被災地を中心として、緊急雇用創出のための基金がございますが、その基金の積み増し延長ということで、500億円を計上しています。
 以上、今回あくまでも要求段階ということでして、今後予算編成作業の中で、内容あるいは額も変わってくるものです。また、固まりました段階でご報告申し上げたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○大橋分科会長 それでは、本日の第87回労働政策審議会職業安定分科会はこれで終了いたします。本日の会議に関する議事録については、労働政策審議会運営規程第六条により、会長のほか2名の委員に署名をいただくことになっています。つきましては、労働者代表の吉岡委員、使用者代表の上野委員にお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)

職業安定局総務課

職員厚生係: 03(5253)1111

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