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2012年9月10日 新型インフルエンザ等対策有識者会議 医療・公衆衛生に関する分科会(第1回)議事録

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成24年9月10日(月)18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(22階)


○議題

(1)今後の検討の進め方について
(2)平成24年度プレパンデミックワクチン備蓄株の選定について
(3)備蓄株の一部製剤化について
(4)その他

○議事

○佐々木室長 定刻より少し前ですが、ご出席予定の委員の先生方全員お揃いですので、ただいまより第1回医療・公衆衛生に関する分科会を開催いたします。
 開催にあたりまして、本日は小宮山厚生労働大臣に出席していただいておりますので、一言ご挨拶お願いいたします。
○小宮山厚生労働大臣 本日はお忙しいところ、新型インフルエンザ等対策有識者会議医療・公衆衛生に関する分科会にご出席をいただきましてありがとうございます。
 最近の高病原性鳥インフルエンザの発生動向については、皆様はもう十分ご承知のとおり、東南アジアなどを中心に家禽類から人に感染をして死亡する事例が報告されています。ウイルスが人から人へ効率よく感染する能力を獲得して、病原性の高い新型インフルエンザが発生することが懸念されています。このため、厚生労働省としては、WHOや諸外国、国立感染症研究所の専門家等を通じて情報収集を行いながら、発生動向を注視しているところです。
 また、新型インフルエンザ対策については、国民の皆さんの生命、健康の保持、また、国民生活、国民経済に及ぼす影響を最小限にとどめるために、今年の5月に新型インフルエンザ等対策特別措置法が公布されました。新型インフルエンザによる社会や経済の破綻を防ぐためには、流行のピーク時の患者の数をなるべく少なくして、医療体制の負荷を軽減し、医療提供体制の維持・確保を図ることが必要だと考えています。
 この度の新型インフルエンザ等対策特別措置法では、住民に対する予防接種の枠組みや損害補償など、医療関係者の協力を得るための仕組みを盛り込んでいます。来年春の法律の施行に向けて、政省令や政府行動計画等を策定するため、この分科会では1つは予防接種の実施方法や優先接種対象者の考え方、また、発生時の医療提供体制の維持・確保、そして、医療等の実施の要請・指示の対象となる医療関係者やその補償基準など、医療・公衆衛生に関する事項について検討していただきたいと考えています。
 言うまでもなく、新型インフルエンザ対策は平時から十分に準備をしていくことが、まず重要だと思います。発生時に対策にあたる現場の医療関係者や国、地方公共団体による円滑で実効性のある対応で、国民の皆様の生命が守られるようにしていく必要があります。
 このため、科学的知見に裏付けられた実践的な法律の運用を定めるため、委員の皆様にはそれぞれの専門的な見地から活発なご議論をいただいて、ご審議いただくことをお願いをいたしまして、冒頭の私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○佐々木室長 小宮山厚生労働大臣におかれましては、公務の都合上、退席されます。
○小宮山厚生労働大臣 すみません、ご挨拶だけで。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐々木室長 申し遅れましたが、私は新型インフルエンザ対策推進室長の佐々木でございます。よろしくお願いいたします。
 次に、委員の皆様の出席状況についてご報告いたします。本日は13名の委員及び、井戸委員の代理として兵庫県疾病対策課、田所課長にご出席いただいています。また、河岡委員、田代委員、朝野委員、丸井委員の4名の委員からご欠席されるとの連絡をいただいております。
 それでは、以降の議事進行は岡部分科会長にお願いいたします。
○岡部分科会長 どうもこんにちは。暑い中お集まりいただいてありがとうございました。私は、現在川崎市の衛生研究所におります岡部と申します。ご指名をいただいたので、この会議の進行役となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日は第1回の医療・公衆衛生に関する分科会、非常にインフルエンザ対策、新型インフルエンザ対策としては幅広い、なおかつ実際的なところに関与するところなので大変だと思うのですが、いろいろなご意見をいただきながら、全体にまとめていくようにしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 早速、議事を進めていきたいと思いますので、本日の資料確認を事務局からお願いします。
○佐々木室長 資料ですが、議事次第、配付資料一覧、これは1枚ものですが、これ以外に資料1「今後の検討の進め方について(案)」、資料2として「平成24年度プレパンデミックワクチン備蓄株(案)」、資料2の別添1として田代委員からのご意見、資料2別添2として河岡委員からのご意見、資料3として「備蓄プレパンデミックワクチンの一部製剤化について(案)」です。参考資料1として「新型インフルエンザ等対策有識者会議の開催について」、参考資料2は、この委員会の名簿です。参考資料3は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」、参考資料4は附帯決議です。参考資料5が平成23年9月20日の行動計画、参考資料6が平成21年2月17日のガイドラインです。参考資料7が平成24年1月31日のガイドラインの見直しに係る意見書、参考資料8がその概要です。資料の不足等ありましたら事務局にお申し付けください。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 また、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
○岡部分科会長 それでは、議事に入りますが、私は前回の親会議のときは、たまたま欠席しているのですが、委員のメンバーの方は皆ご存知同士ということでよろしいですか。
○佐々木室長 分科会に初めて参加される方もいらっしゃるかもしれませんが、大半は有識者会議でご出席はいただいておりました。
○岡部分科会長 それでは、議事を進めながらそれぞれ顔見知りになるということで、よろしくお願いいたします。
 これより議事に入りますが、議題の次第がありますので、議事にしたがって進めたいと思います。最初に議事の(1)、まずこの会議はどういうふうに進めていくかということで、今後の全体の予定、あるいは検討のしかたについて事務局からご説明お願いします。
○佐々木室長 ではご説明をいたします。まず、この会議の位置付けですが、参考資料の1、平成24年8月3日の閣僚会議決定です。本日の分科会は、こちらの「新型インフルエンザ等対策有識者会議の開催について」の中で規定をされていまして、新型インフルエンザ等対策有識者会議というのが1に書いてありますが、その中で、その頁の裏の3に「分科会」というのがあります。この(1)のところに2つの分科会が書いてあり、「検討事項」として「医療等の提供体制の確保に係る事項等医療・公衆衛生に関する事項」というものが、この分科会で議論するべき内容となっています。
 この有識者会議そのものは、内閣総理大臣の指名によりメンバー構成、会議の長が決まっていて、岡部分科会長も総理の指名ということです。
 資料1に戻っていただいて、この医療・公衆衛生分科会で議論していただくべき項目ですが、1頁目の下の段の「医療・公衆衛生に関する分科会」と書いてありまして、これが8月7日に開催された第1回新型インフルエンザ等対策有識者会議で出た資料ですが、ここにあるとおり、「予防接種・特定接種」「医療提供体制の確保」「その他」ということがこの分科会の業務になっています。
 次の頁は新型インフルエンザ対策のこれまでの経緯をまとめた図です。平成21年2月に行動計画を改定、それからガイドライン策定となっています。このガイドラインに関しては参考資料の6ということで付けさせていただいています。そのあと、平成21年4月に新型インフルエンザA/H1N1が発生して、その対応をしたわけですが、その結果を踏まえた新型インフルエンザ対策の総括会議報告書が平成22年6月に出ています。その中で、A/H1N1についても通常の季節性インフルエンザ対策に移行するということがあり、平成23年7月に予防接種法の改正で、病原性の高くない新型インフルエンザが発生した場合の臨時の予防接種等の規定が整備されています。そのあと、平成23年9月に、参考資料の5として付けている行動計画、これが閣僚会議で改定され、その後、時系列で言うと、厚生労働省の内部の健康局長の専門家会議の中でガイドライン見直し意見書が出ています。これは参考資料7と8です。そのあと、そういった行動計画等の法的な裏付けが必要であるというところから、平成23年、24年に新型インフルエンザ等対策特別措置法が5月に成立しています。そういった経緯を踏まえてこの赤い部分、下の段に新型インフルエンザ等対策有識者会議が設置されています。
 このミッションといいますか、当面お願いしたい事項としては、この新型インフルエンザ等対策特別措置法が公布から1年以内に施行されることになっていますので、その政省令の制定と、それから、現在あります行動計画を改定するということです。ガイドラインに関しても改定版を出すということを実施していくことになっていて、そのための中間的なご意見、中間取りまとめをこの分科会、そして有識者会議としていただくという手はずになっています。そうしたことをやっていただくにあたり、いままで様々な意見書等出ていますので、その概要を、まず説明させていただきます。
 まず、参考資料7と8の「新型インフルエンザ対策ガイドラインの見直しに係る意見書」です。これは、全体の頁数で言えばかなり90頁を超えるようなものですので、概要が参考資料8にあります。これをさらにダイジェストといいますかポイントを絞って作ったものが、資料1の右下に4、5と書いてある頁からで、これをまずご説明させていただきたいと思います。
 まず「新型インフルエンザ対策ガイドラインの見直しに係る意見書」ですが、これは、厚生労働省の健康局長の諮問機関として置いている新型インフルエンザ専門家会議で議論いただいたものです。前提として、「はじめに」と書いていますが、この時点では新型インフルエンザ等対策特別措置法はまだ公布されていませんので、そういったものがない段階ですが、現行法の制度、それから、平成23年9月に出ている行動計画を前提として、このガイドラインを見直した場合にどのようなことになるかを取りまとめたものです。
 5頁、概要の(2)ですが、病原性・感染力については「病原性に応じた対応の考え方を提示(p.2)」と付いていますが、これは見直しの意見書の頁数です。以下同じですが、病原性に応じた対応の考え方については、過去の経験を踏まえ、スペインインフルエンザ並みのものを高い、アジアインフルエンザ並みのものを中等度、季節性インフルエンザ並みの場合を低いという定義付けをしています。感染力に応じた対応の考え方としては、下にチェックして3つ提示していますが、感染力にかかわらず感染拡大防止対策は必要となるということや、様々な要因で変化するなど、感染力を数値化して対策を区分するのは難しいというようなことを踏まえて、個々の対策の実施の判断においては、必要な場合に感染力を考慮するということになっています。
 6、7頁の上段の概要の(3)「水際対策に関するガイドラインについて」は、病原性の程度に応じた水際対策の標準的パターンを提示しています。これは、進入の遅延効果が見込めないというものや、病原性が低い場合には停留を実施しないというようなことも含めるなど、より柔軟な対応を実施できるようにしてはどうかという内容です。停留・健康監視の対象者の範囲についても、患者と同一旅程の同行者とすることを原則とするなどの範囲を明示しています。それから、縮小・中止時期を具体化ということで、合理性が認められなくなった場合に、措置を縮小または中止する判断の経緯等を例示しています。
 下の段の「サーベイランスに関するガイドラインについて」です。これは平時からのサーベイランス体制の確立ですが、通常の季節性インフルエンザ及び新型インフルエンザに対応するため、平時から実施するサーベイランスについて、目的、実施方法、実施時期等を明示することにしていまして、患者発生サーベイランス等、具体的に位置付けをしています。それから、発生時に追加・強化するサーベイランスの実施方法等を明示ということで、新型インフルエンザ発生時に追加する、例えば、新型インフルエンザ患者の全数把握の実施目的、方法、実施時期等の各々の追加するものについての中味を提示しています。
 概要(5)の「医療体制に関するガイドラインについて」ですが、帰国者・接触者外来の実施条件や運用を明示するということをしています。帰国者・接触者外来を実施する目安として、病原性が高い又は不明な場合等を明示していまして、国や都道府県、医療機関の役割を各々明示しています。それから、都道府県等の判断によって地域の実情に応じた弾力的な運用の目安を明示しています。帰国者・接触者外来、入院勧告等について、地域感染期、その地域で実際の患者さんが発生している段階でなくても、都道府県等の判断によって広く一般の医療機関での対応もできるということで、その判断基準を明示するということにしています。すべての疑似症患者へのPCR検査による確定診断を中止する時期、それから、優先順位についても都道府県等が判断できるということや、その判断の目安を提示しています。
 (6)です。医療提供体制に関するガイドラインのうち、一般の医療機関における新型インフルエンザ患者の診療体制の確保ということで、地域発生早期以前の一般の医療機関の対応、それから、地域感染期以降の一般の医療機関の対応を明示しています。電話再診患者へのファクシミリ処方について、電話再診時にファクシミリで処方せんを発行するための具体的な運用ということで、例として、慢性疾患等を有する患者さんの定期的受診の場合や、インフルエンザ様症状のため最近受診歴がある場合の取扱いなどを明示することになっています。
 10、11頁、概要の(7)(8)は、抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドラインです。備蓄のあり方として、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄・放出のルールについて明示をしています。備蓄の数量や、この時点での議論でどういった抗ウイルス薬を備蓄しておくかということも提示していますが、今後も引き続き検討するということも位置付けられています。ワクチンのガイドラインということで、パンデミックワクチンの接種順位等に関する考え方として、医療従事者への先行接種を実施するということと、社会機能維持者については、病原性が高くて接種を行わなければ維持ができないという場合に実施してはどうかということです。優先順位については、専門家の意見を踏まえて、政府の対策本部が決定してはどうかというようなことを書いていて、これらについては議論の際には詳細な内容もお示ししたいと思っています。
 概要(8)、ワクチンの確保については、パンデミックワクチンですが、6ヶ月以内に製造することを目指し、細胞培養法等の新しいワクチン製造法を開発するということになっています。早期の供給を図るために、10ml等のマルチバイアルを主として供給するということも書かれています。ワクチンの供給体制としては、国が都道府県ごとの配分を決定し、卸売販売業者と協力して、各供給先への納入を調整することになっています。また、プレパンデミックワクチンの接種体制については、都道府県を実施主体として臨時接種として実施する場合を例示していて、様々な例を提示しています。
 概要の最後、(9)はパンデミックワクチンの接種体制です。病原性が高い場合については、市町村を実施主体として臨時接種として実施する場合を例示しています。病原性が低い場合については、新臨時接種としての実施ということが書かれています。「その他」として、ワクチンの接種回数については原則として2回、ワクチン接種の前後に血液検査を行って有効性を評価・確認する、それから、副反応等の情報収集と国民等への情報提供について書かれています。以上のように専門家会議から既に意見書をいただいておりますので、ご紹介をしております。
 法律に関連して、この分科会でご議論いただきたい事項についてまとめたものが14、15頁からです。まず、法律の中で特定接種というもの、これは医療提供、国民生活、国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者を厚生労働大臣に登録して、臨時に予防接種を行うというものです。この登録の方法、接種体制についてご議論いただく必要があります。同じ頁の下の住民に対する予防接種ということで、新型インフルエンザ等緊急事態において、国民生活、国民経済の安定が損なわれることがないようにするため予防接種を行うということが規定されていますが、これに関して優先接種対象者という考え方、それから、接種体制をご議論いただく必要があります。
 15頁、事項(2)は医療等の確保ということで、臨時の医療施設等ということですが、これは病院その他の医療機関や医薬品等製造販売業である指定医療機関や指定公共機関については、医療等の業務を実施するということがあります。都道府県知事は、病院等の医療機関が不足した場合に臨時の医療施設を提供することと規定されていますので、臨時の医療施設の具体的内容を含めて、発生時の医療体制をご議論いただきたいと思っています。
 16、17頁は医療等の実施の要請等と、損失補償等、損害補償です。これに関しては、厚生労働大臣や都道府県知事が必要があると認めるときに、医師等の医療関係者に医療等の業務を要請・指示することができることになっていますが、それによって負傷、疾病にかかる等の状態になった場合については、損失補償等を行うことになっています。この要請・指示の対象となる医療関係者、その業務、その補償基準等に関してご議論をいただく必要があります。その法律を成立させるにあたって、国会で附帯決議が出ていまして、それが17頁に書いてありますが、この附帯決議でもいくつか、この分科会でご議論いただくべき事項が出ています。被害想定に関して、最新の科学的知見を踏まえて過大なものとすることのないようにするということですので、これは各国の被害想定等を踏まえてご議論いただきたいと思っています。
 また、流行期の処方薬の取扱い、社会的弱者への支援等についても、内容を併せて議論していただきたいと思っています。プレパンデミックワクチン備蓄株、ワクチンの研究等についても、本日ご議論いただくワクチン株の選定や臨床研究等について検討、ご議論を行っていただきたいと思っています。抗インフルエンザウイルス薬については、もともとご議論いただくことになっていますのでお願いしたいと思っています。
 以上、検討いただくにあたっての背景をご説明させていただきましたが、18、19、20頁についてご説明をさせていただきます。ここの部分は、今回ご議論いただくにあたり、分科会長ともご相談させていただいて、今後の進め方についてまとめたものです。
 進め方について(案)の1.です。本分科会では、新型インフルエンザ専門家会議において、既に検討・整理され、ガイドライン見直し意見書として取りまとめられた意見を尊重した上で、医療・公衆衛生の関連事項、特別措置法で新たに法整備された事項、国会での附帯決議の内容等について検討することとしてはどうかということです。2.検討のしかたについては、分科会での検討にあたり、分科会長に分科会の構成員の中から医療・公衆衛生に関する各分野の有識者を指名していただいて、指名された有識者は専門的立場から検討を行うということです。3.として、有識者による検討を踏まえて、事務局にて論点整理した内容を基に分科会において検討し、取りまとめた意見を有識者会議へ報告するという形で分科会を進めていただいてはどうかということです。
 最後、20頁は分科会での検討事項についてです。先ほどいちばん最初の頁に分科会としてご議論いただく事項を提示しましたが、いくつか併せて議論をさせていただいたほうがいいような項目等がありますので、その柱立てを少し整理しています。「予防接種体制について」から「その他」の事項までですが、以下の項目について論点整理を行い、本日の第1回を含めて計5回程度、分科会を開催させていただき、12月上旬をめどに中間取りまとめを行っていただきたいということで「予定」と書かせていただいています。以上、非常に駆け足でしたが、資料1の説明でございます。
○岡部分科会長 ありがとうございました。以上がいままでのガイドラインができた経緯、これからの取扱い方に関するご説明をいただいたのですが、先ほど事務局からご説明がありましたように、最後のスライド番号の19番目、20番目に今後の進め方と検討事項(案)として出ています。事前に事務局とも相談させてもらったのですが、ここにありますように、既に多くの方が新型インフルエンザ対策専門家会議のメンバーの中にお出でになると思うのです。私もその委員長をやっていて、ここでまた引っ繰り返して最初から検討し直しというのも大変なことです。
 むしろ検討したことについては尊重してもらうということ。そのときに、考え方として、積み残しであったり、議論がもっと必要であるということも出てきているので、それについては議論を付け加える。さらに特措法が出てきたわけですが、それによって常時この法が持ち出されるわけではないけれども、これがあることによって必要な対策はやりやすくなってきたり、逆にやりにくくなったりあるいはいくつかの制限をつけて慎重に取り扱わなければならないというようなことがあるので、それを見合わせてどうかということを中心にして、特にこちらの委員会は公衆衛生学的なことで、もう一方の分科会のほうで社会経済性のことについて検討するということになっていると思います。
 このような形でいくと、今後この委員会で全部の議論を取り扱ってというのは大変なので、それぞれの専門の方に、コンサルテーションのような形で入っていただいて、論点整理の検討を行った結果をここに持ってくるという形にしたい、というようなことを相談してまいりました。担当をここでじゃんけんで決めるわけにはいきませんので、もしよろしければいままでの経験、その他を踏まえて案として提案させていただきますので、それについてのご意見、ご質問などをいただきたいと思います。
 1つは、20頁のスライドにいくつかの検討事項があるわけですが、予防接種体制については庵原委員、小森委員、坂元委員。インフルエンザワクチンについては庵原委員、河岡委員、田代委員。医療体制については川名委員、小森委員、永井委員。医療関係者に対する要請・指示、補償の問題については小森委員、坂元委員。抗インフルエンザウイルス薬については佐々木委員、朝野委員。サーベイランスについては大石委員、押谷委員、私岡部。社会的若者の支援については坂元委員、佐々木委員。その他被害想定については押谷委員、私岡部の担当で、基本的な意見を少し練ってこの会議に持ってくるという形にしたいと考えております。
 先ほどスキップした水際体制ですが、いままでの検討委員会でもいろいろ議論があって、また水際体制を議論し始めると、どういうわけか、なかなか先に進まないというようなものもありましたし、検疫法にもかかることなので、厚生労働省のほうでまとめていただいた案をこちらに出してくるという形にしてはいかがという提案です。いま、事務局からご説明いただいたいままでの流れ、進め方、最後のほうで申し上げました分科会の今後の検討の進め方とグループ分けにすることについて、ご意見、ご質問のある方はどうぞお願いいたします。
○押谷委員 厚生労働省の担当の方もみんな変わってしまったので、インスティテューショナル・メモリーがどのくらいあるのかわからないのですが、ガイドラインの意見書を出したときの我々のスタンスは、いま岡部先生もおっしゃいましたが、たくさんの積み残しがあると。非常に短い時間でディスカッションをしなければいけなかったという経緯もあって、非常に多くの積み残しをしてきたのです。いま、事務局から説明があったように、こういうふうに専門家会議でコンセンサスが得られているかのように説明されるのは問題があると。センシティブというか、結論の出ていない部分がかなりあって、最後に開かれたのが昨年の12月ぐらいだったかと思います。そのときに、事務局から我々に説明されたのは、今後継続して議論をしていくと。なので、この時点では、この段階のものを出すのですという説明をされたと私は記憶しているのですが、その後一度も議論されていないのです。
 例えば、被害想定とか、そういうことに関しても。実は今朝ドイツから帰ってきたのですが、先週の後半にドイツでインフルエンザの国際会議があって、そこで議論されたことは、どういうふうに被害想定というか、シビアリティを評価していくのかという議論です。2009年以前からヨーロッパもアメリカもこれをずっと継続してやっているのです。特に2009年以降、これをどういうふうにして考えていったらいいかということをいろいろな人たちが参加して真剣に議論してきているのです。そういう議論を日本は一切していない。いきなりこういうふうに出てきても、被害想定をどうするのだと、12月までにまとめろというのには、かなり無理がある。我々が説明されてきたこととも違うし、2回か3回あってどうしましょうという話では、私はないと思っています。
○岡部分科会長 事務局から最初に答えていただけますか。いま、押谷委員が言ったことは、確かにこれまでの委員会で議論されていて、私はコンセンサスは一応取れていると思うのです。ただ、コンセンサスは、すべての人がコンセンサスに賛成しているのではなくて、マジョリティーとしてのものであって、委員会としては結論を出さざるを得ないからそれを委員会のコンセンサスとしたという経緯があります。矛盾するようなこと、積み残しについては、技術的にはやはり検討すべきであろうということがありました。行動計画として出したものについては、国がステップを踏んでオーソライズしたものなので、出来上がったものであるけれども、そのときの議論でも、内閣官房のほうで新しい法律に基づいたものについて検討するのだから、そのときに別の議論をする。別の議論というのですか、加えて議論するということは言っていると思います。いつもいつも、このようなときには時間的な問題があって、継続を数年かけてやっていることができないので、ある一定期間にやらなければいけないというのは、ある程度やむを得ないと言えばやむを得ないのです。もし科学的な変化が出てきたならばそれを取り入れる。これは附帯決議の中にも入っていることだと思うのです。それを踏まえての議論が必要ではないかと思います。事務局も何か。
○佐々木室長 いま、ご指摘ありましたが、参考資料7にガイドラインの意見書の全体を付けさせていただいております。この中にも議論をまとめたところもあるのですが、1つの例示ですが、72頁、73頁などのように、今後の検討課題ということで議論が必要な事項については、その時点で提示をさせていただいているということです。先ほど、最初にこの分科会でご議論いただきたいこと、役割をお話させていただきましたが、まずは特別措置法という法律が通っておりまして、公布の日から1年を超えない範囲内において施行するということになっております。ですので、地方自治体も、政省令でありますとか、行動計画、ガイドラインを早く示してほしいという声も聞いておりますので、こういうものは早く出していくことも必要だと思っております。見直し意見書の中でいただいた検討事項には、当然今後とも分科会の中で議論していくべき事項も多々含まれていると理解しております。一通り年内の議論の中では、いろいろな先生方に検討のご協力もいただきながら、事務局としては資料を出させていただいてご議論をしていただきたいと思っております。
○岡部分科会長 意見ありますか。
○押谷委員 12月までにまとめるというのは、何をまとめるのか。本当にきちんとした議論ができるのかということが私は非常に不安です。
○佐々木室長 従来、見直しに係る意見書をまとめていただいたのは専門家会議という会議で、かつ作業班といいますか、いろいろな先生方に参加いただいてやってきております。ですので、検討回数をいま5回と申しましたが、少なくともそのぐらいはやっていただかないといけないと考えております。例えば、検討の中でさらに専門的な先生にご参加いただいて、そういったご議論をしていただけるように事務局としては考えております。
○岡部分科会長 たぶんドイツも完成していないと思うのです。私もWHOのパンデミックインフルエンザの会議に出ていますが、そこでもシビアリティをどう考えるかという議論をして、最終結論には至っていないような状況です。ですから、この委員会の中でも、これで1回何かできたならば、それで完成として完璧なものだとみなさずに、この会議も前回のところを見直したりしているわけで、定期的にやるかどうかは別としても、あるできたものを常に科学的に見直していくという姿勢は、是非事務局のほうで崩さないようにお願いしたい、として会議をスタートしたいと思います。そのほかに何かご意見、ご質問がありましたらどうぞ。
○永井委員 私の質問は19頁目のスライドで、2のところの「指命された有識者は専門的立場から検討を行う」の箇所です。先ほどの押谷委員の話と同じなのですが、コンサルテーションと岡部先生はおっしゃいましたが、個別のコンサルテーションの内容がいろいろな議事録を含めて、すなわち、どういう内容で、どういう話合いをして、どういった結論が出て、という点が、こういう分科会にあがってきて、再確認をしないと、またいろいろな話が分科会で改めて出てくるようになると思うのです。また、私は専門家会議に出ていませんので、1番目の項にある「意見を尊重した上」というところが非常に奇異な感じがしたのです。いろいろな局面で状況が変わるわけで、押谷委員がおっしゃったように、特措法ができたところも含めて、もう少し、先のコンサルテーションにおける議事録を含めて、その辺りは柔軟に対応できれば良いと思います。
○佐々木室長 永井委員は、「尊重した上で」というのは、必ずこれに従うというニュアンスかというご指摘かと思います。事務局としては、専門家会議のメンバーでかなりの時間もかけていただいて、議論をしていただいたものが既にありますので、そういったものを1つのたたき台として、まず議論して、それに付け加えていくような形で議論させていただくほうがよろしいのではないかということです。いまお話が出たような過去の経緯ですとか、必要な資料については、こういった分科会の議論の中で出て来ましたら、事務局としてきちんと整理して提示させていただきたいと思っています。
○永井委員 最初の質問の専門的立場から検討を行う個別のコンサルテーションのところはどうなのですか。
○佐々木室長 先ほど分科会長から委員のご指名がありましたが、事務局としてもいろいろな情報を収集して集めるわけですが、現場の状況であるとか、専門的な学術的な立場の最新の知見は必ずしも事務局ですべてカバーしきれない場合がありますので、そういった意味でご助言といいますか、バックアップをやっていただきたいということの位置付けかと理解します。
○岡部分科会長 前回の専門家会議の委員長としては、一度出来上がったものを潰すことをしてほしくないという思いでの尊重してほしいということです。ただし、先ほど押谷委員との議論にもあったように、積み残している議論であるとか、不足していることは、むしろいままでの委員会に出ていた方とか、あるいは新たな意見を持っている方に意見を言っていただく。失礼な言い方になるかもしれませんが、事務局だけが資料を集めてその結果をここで議論すると、事務局案ということで通りがちであったり、あるいはここでもう1回すったもんだしてしまうこともしばしばあるので、それについて専門的な見地、あるいは経験からコンサルテーション、アドバイスをしていただきたい。必ずしもイエスにするのではなくて、当然ノーも出てくるでしょうし、疑問も出てくるでしょうし、もっと資料をということが出てくるかもしれません。そういった役割をお願いしたいという意味です。
○櫻井委員 進め方についてですが、私は医療関係の専門ではないので、公の会議でどういうふうに意思決定をしていくのかという手順というところで申し上げます。従来の内容については必ずしも精査できていないのですが、19頁のいまのご説明とか「既に検討・整理されて取りまとめられた意見を尊重した上で」というのは、私も表現としては強引なニュアンスを感じるということで、参考にするのは当然のことだと思うのですが。コンサルテーションの委員を決める決めないの話とか、期限設定の話とか、全部決まっていて、この会議が開かれているという印象を強く持つところです。全体像がわからないままに進行されているということを率直に言って感じるので、余裕を持って、説得性を持って進めないと私としてはついていかれないということです。
 お聞きしたいのは、たぶん法的に言うと、新型インフルエンザの特別措置法ができているわけで、しかしながらガイドラインとか行動計画は法律ができる前のものでありますので、議論するときには、法律前の状況と、新法ができてからどういう観点が加わって、対策が質的に変わるところがあるのかないのか、新しい事項を検討しなければいけない部分があるのかないのかというところが、前提の情報として提供された上で、既に旧体制の下で検討されてきたガイドラインの中で、活かせるものは活かすし、そうでないものは落とすしと。あるいは改善すべきものがあるだろうというふうに話を進めないといけないので、それを全部飛ばしていきなり本番をやりますという議論に聞こえます。資料等をご準備いただくとか、何かしらワンクッションを置いていただかないと、議論が極めて形式的にしかできないと思っております。
○岡部分科会長 貴重なご意見をありがとうございました。いまのは、議論している経過に合う部分、合わない部分を明確にしていただいて、そこが議論のポイントになるところだろうと思うので是非よろしくお願いします。そのほかにご意見ありましたらどうぞ。
○櫻井委員 いまの点で、19頁は案ですよね。「尊重した上で」というのは「参考にした上で」とか「踏まえ」とか、少し修文されたほうがよろしいのではないかと思います。
○岡部分科会長 「踏まえた上に」とか。私も思い込みがあったもので、修正をよろしくお願いいたします。ほかにいかがですか。
○押谷委員 いまの櫻井委員の話と関係するのですが、今回の特措法ができて大きく変わったところがいくつかあって、1つは緊急事態宣言ということがあって、いままでなかった話なので、これをどういうふうに、どういう条件で宣言するのかとか、どうやって解除するのかとか、そういうことも必要だと思います。行動制限はかなり重い話なので、どういうときに外出の自粛とか、どういう条件が整ったときにやるのかとか、そういうことの整理は20頁の中に入っていませんが、整理が必要な部分ではないかと私は思います。
○佐々木室長 親会議の有識者会議の中で議論をいただく予定にしております。この分科会だけではなく、全体の委員の先生でご議論いただくことにしております。
○押谷委員 親会議でも発言しましたが、いま私が言ったような話はかなり専門的な、疫学的な見地からどう判断するかという話なので、それを親会議に提示して議論するのはいいと思いますが、提示する前段階は専門家が議論すべきものではないかと私は思うのですけれども。誰がその案を提示するのですか。
○杉本参事官 法制を作ったその立場から全体構造を申し上げると、特措法は、それまでに存在する行動計画、平成23年9月に改定した版、1月に厚生労働省の専門家会議、当時の岡部座長を中心にしてまとめられたものを法制的により実効化するという観点から特措法を作っています。ですから、いま押谷委員がおっしゃいましたとおり、例えば緊急事態宣言という枠組みはありませんでした。行動計画の中にあったり、ガイドラインの中にあったりしますが、個々のいろいろな措置があります。従前は任意のご協力でお願いしていたものを、強制的な措置まで引き上げていると。こういう法的な枠組みに引き上げた。そういう意味では、これまでの専門家の議論を十分踏まえた上で法制化をした。そういう意味で、たぶん厚生労働省の事務局から「尊重して」とあったかと思うのですが、これまでの議論と法制、特措法との関係があります。
 いま、押谷委員がおっしゃいました緊急事態宣言は新しい枠組みといいますか、考え方そのものはあったかと思いますが、そういったことを法制化したので、それについて今度親会議と申しますか、有識者会議、全体会合で、医療・公衆衛生的な知見と社会法制的な知見の交差点に位置するものという考え方から、親会議、全体会合でご議論いただく。ご議論いただく内容は、スケジュール感が1つあります。来年の施行に向けて、緊急事態宣言を基礎づけている2つの政令を作らなければいけないと。病原性に関する政令と社会混乱に関する政令と2つあります。1つ目について押谷委員はおっしゃったのかと思うのですが、こういったものについて、政令で書くというのと、行動計画あるいはガイドラインで書き込まれていく非常に具体的なものと、少しレベルの違いがあるのかなと思っております。当面、来年の春の施行を目指して、法制的なレベルからご議論いただく。当然、全体会議そのもの、2つの分科会そのものはそれ以後も継続していただくべきものと思っておりますので、スケジュール感も含めて、公衆衛生学的知見と法制的な知見の違いもあり、交差するところが、特措法でいろいろ政令事項としてご議論いただくところかなと。全体構造としてはそういうふうに思っております。
○岡部分科会長 政令事項に関しては、ここでも議論するけれども親会議でも議論するという理解でいいですか。
○杉本参事官 はい。政令事項はいくつかあります。緊急事態に関する政令委任事項が2つあります。先ほど申し上げた病原性、社会混乱に関する要件については、両方が交差するという意味で親会議です。押谷委員がおっしゃいました、人ごみをできるだけ抑制するという意味で、法律第45条に外出の自粛要請ですとか、施設の制限を載せています。これも同様に医療・公衆衛生学的な観点と、社会をどううまくコントロールしていくかという2つの観点が混じり合うものですから、親会議、全体会合だと思っています。政令ではありませんが、特定接種の対象については、社会がどんなふうに、誰によって動かされているのかということですので社会機能分科会です。そのほか、医療・公衆衛生的な部門が多いのですが、そういった事柄については、例えば特定接種の登録の手続については厚生労働省大臣が定めることになっていますので、こちらのほうでご議論いただくと。そういう感じで振り分けをしています。
○岡部分科会長 ありがとうございました。そのほかの委員から何かご意見ありますか。
○川名委員 今回特措法ができて、私は医療体制のグループに振り分けていただいたわけですので、特措法の中で医療体制を考えていくことになるのだろうと思うのです。私は医師ですので、法律のことについてはあまり明るくないのですが、特措法についてはいろいろなところで結構反対意見といいますか、例えば日弁連が反対しているとか、ペンクラブが反対しているとか、そういったような話を聞くのです。そうではなくて、このままやっていいのだという、日弁連の意見に対して論駁するようなものがあれば、それを聞かせていただけると、安心して、特措法に従っていろいろなプランを立てていけるのではないかと思うのですが、そのところを教えていただきたいと思います。
○岡部分科会長 官房からお願いします。
○杉本参事官 川名先生がおっしゃいましたとおり、日弁連の会長声明ですとかいくつかありました。慎重審議を求めるという声もいくつかありました。私どもはそういったところと話合いもしています。特にどうだろうという声が挙がったのは、例えば人ごみを制約するという第45条の関係で、施設の使用制限をするというものがあります。これについては、当初、罰則までかけるのかという誤解がありました。もちろん罰則はかけていないのですが、例えば集会の権利に対する不当な抑制になるのではないか。このようなご議論もありました。
 私どもは、もちろん基本的な人権の尊重については、当然条文にも最大限配慮しなければならないということで書いています。また、運用上もいろいろと強制的なというのでしょうか、指示ですとか、あるいは必要な物資については収用といったことも書いておりますが、災害対策基本法も同じですが、できる限り強制的な措置を使わない。自主的な理解を得て進めていくほうが、人間の行動として、あるいは社会全体の動きとして効率的だということを私どもも存じておりますので、そのつもりで作っております。最後の構えとして強制的なところまで書いているということです。
 いちばん言われた先ほどの集会制限に関しても、後ほど条文をご覧いただくとよろしいかと思うのですが、第45条で緊急事態宣言をやっている数ヶ月、数年とか、ずっとそういう制限が加わるのかということで誤解があったようですが、これについては必要な効果のある時期において、潜伏期間及び治癒までの期間という、条文上そういう言葉を置いています。例えば解釈として、新型インフルエンザでしたら、インフルエンザウイルスだという前提からすると、それぞれ1週間程度内外であろうと言われていると思っております。運用として、解釈としては、1、2週間しかそういうことはやらないと考えて作ったものです。ですから、それによって得られるメリットとデメリットとをしっかり見比べて条文を作り、さらに運用について行動計画なり、またガイドラインなりといったところでさらにしっかりとお詰めいただくことが大事かと思っています。
○岡部分科会長 日弁連、その他はどういう議論があったか私はあまり知らないのですが、学会レベルではそういったことについて、シンポジウムを組んだりして議論の場を設定しようとする動きがありますね。
○杉本参事官 医療関係団体や厚生労働省の専門家会議のメンバーの皆様とも、2回にわたって特措法に向けて意見交換をさせていただいたわけですが、いろいろな関係する学会がおありになると、そこへのアプローチという意味では、確かに私どもも弱かったと思っています。いま、岡部分科会長がおっしゃいましたとおり、関係するいろいろな、医学会と十分コミュニケーションを図ろうということで、学会に寄稿させていただいたり、あるいはそういった会合に出させていただいて、シンポジウムをさせていただいている。いま、そんなことを考えて進めております。
○岡部分科会長 ほかの委員の方から何かありますか。
○古木委員 先ほど、各項目について先生から分科会のメンバーについて発表があったわけですが、名簿の一覧があったら、次のときにでもいま発表した内容を出していただいたらと思います。もう1つは、12月上旬までに中間取りまとめを行う予定の計画発表があったわけですが、上旬に中間のまとめをやられて、我々はこういう会のときに、年内にまとめたものを発表というような進行方向ということで捉えてよろしいのですか。
○佐々木室長 まず1点目の分科会長からご指名がありました分担については、形にして各委員にお配りをさせていただきたいと思います。もう1点目のスケジュールですが、年内に中間まとめをいただければと思っております。先ほど来、いろいろと十分な議論ができるのかというようなさまざまなご指摘も出ておりますので、例えば政省令事項は期限が決まっておりますので、ある程度その中でご議論いただくべき事項と、若干中長期といいますか、もう少し議論がするようなものとを振り分けながら、またご議論していただければと思っております。ご意見をいただきながら分科会長とご相談して、資料として出させていただければと思っております。
○櫻井委員 私がさっき言ったことにきちんと答えていただいていないところがあると思うのですが。行動計画とかカイドラインについて、法律との関係は、従前から既にあったものについて実行化したものであるということで、抽象的にはご説明いただいたのですが、しかし法律は世の中にとってどういう意味があるのかということにかかわりますが、法律があろうとなかろうと実務は動いていく現実もあります。法律は新法ができて、新法の下で見直すということがあくまで建前でありまして、法治国家ですので、そうだとすると、個別のブレイクダウンしたところについて、法律があろうとなかろうと、あるいは法律が変わろうと、そのまま使える部分があるというのが事実だと思うのですが、法的な観点からすると、そこが気になると。つまり、ガイドラインの意見書が項目ごとにここがどこにかかわってという、新法から見た場合、既に作られているガイドライン意見書がどこまで射程があり、新法ができてもっときついことができるかもしれませんよという可能性もむしろ広がっているわけだと思いますので、そこがわかる資料をお作りになれるのですか。その点をお答えいただいていないと思うのですが。
○佐々木室長 大変申し訳ございません。今日、委員の先生方からいただいたご意見を踏まえて資料を作成していきたいと思います。当然、櫻井委員からご指摘いただいた資料についても、事務局のほうで、完全にご期待に沿えるかどうかわかりませんが、努力したいと思います。
○岡部分科会長 そのつもりでやっていただけるということで了承。
○坂元委員 1つお願いですが、今回の特措法、つまり新型インフルエンザに関して、実際に患者さんを治療するのは医療機関ですが、大半の実務は地方自治体ということになっております。しかし特措法は都道府県知事に権限が集中されております。ところが、感染症予防法には大都市特例があります。つまりこのように都道府県知事に権限が集中したということはいままであまり前例のないことだと思います。非常に重要なのは、各都道府県といってもさまざまであるということで、つまり都道府県の中の市町村との連絡体制がいかにしっかりできているかに成否がかかっていると思います。それを単に各都道府県任せにするわけではなくて、例えば行動計画、政令の中に都道府県ごとにそういう連絡会議を置くこととかの義務づけ、そういうことをしっかりやっていただかないと、現実になかなかうまく動かないのかなと思い、その辺をお願いしたいと思います。
○岡部分科会長 ありがとうございました。今の点、ノートをとっておいてください。そろそろ次の議題に移りたいと思います。よろしいですか。いまのいろいろなご意見は、事務局のほうで、できるだけ反映させるようにということで、よろしくお願いします。
 2番目の議題になっているのが「プレパンデミックワクチンの備蓄株の選定について」です。事務局の説明の前に私からお尋ねしたいのですが、本来は感染症分科会で議論すべきことであるけれど、そこは専門家ばかりではないから、専門家がいる新型インフルエンザ専門家会議の中のインフルエンザワクチングループで提案をしてもらって、最終的に感染症分科会で承認したという形であったと記憶しているのです。この会議で決めるという形となると、やり方の変更ですか。厚生労働省の感染症分科会との関係はどうなるのですか。
○佐々木室長 プレパンデミックワクチンでどの株を備蓄していくかについては、全体として新型インフルエンザ対策の一部分ということですので、そういうわけで従来はこの専門家会議とか感染症のほうでやっておりましたけれども、今年度はこういった有識者会議、分科会という枠組みができておりますので、分科会でご議論をしていただくという形で提案をさせていただいております。
○岡部分科会長 そうすると、ここで決定したことを向こうに対して伝えるという形ですね。実質上は同じメンバーがこの中にも入っていて、その中で意見を尊重されるということになっていると思うのですけれども。
○佐々木室長 本日の議題2と議題3については、この分科会でご議論いただいて、その結果をもって決定事項という取扱いを考えています。
○岡部分科会長 もし継続されるのであれば、今後もプレパンデミックワクチンについては、株の選定等々はこの分科会で継続してやっていくということになりますね。
○佐々木室長 そのような形になると思っています。
○岡部分科会長 議長からの質問ですみませんでした。それでは、「プレパンデミックワクチンの備蓄株の選定」について事務局からご説明をお願いします。
○佐々木室長 では資料2「平成24年度プレパンデミックワクチン備蓄株(案)」を基にご説明いたします。表紙にいろいろありますが、後ろ側のパワーポイントのスライド資料「平成24年度プレパンデミックワクチンの備蓄株(案)」がわかりやすいのでご覧ください。
 まず備蓄状況ですが、プレパンデミックワクチンは、感染症対策の1つということで用意しております。これに関しては、ベトナム株・インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株という形で進めておりました。平成21年度については、新型インフルエンザ発生のため、この分を新型インフルエンザワクチンを作るために回したので、この年は作っておりませんが、それ以降順次ベトナム株・インドネシア株、アンフィ株を作っております。3つ目の○に書いてあるように、平成21年3月に備蓄したチンハイ株は、有効期限3年ですので、平成24年3月に有効期限を迎えております。
 2、3頁は、プレパンデミックワクチンを準備するにあたっての議論で、Cladeは株の系統ですが、ここに書いてあるとおり、Clade1、Clade2.1、Clade2.2、Clade2.3がいま世界で流行しています。近年はエジプトで症例、死亡例が非常に多くなっているという状況です。また、4、5頁には、エジプトで流行している、エジプトからの報告事例が全体的にも割合が多いという状況です。
 今回、どの株を用意するのかということに関して、従来であれば、ローテーションで申しますとチンハイ株を準備するという年になっているのですが、いまエジプトで流行している株に対して、やはりトリ-人感染の事例が増えてきておりますので、それに合ったワクチンを用意すべきではないかというようなことを検討しました。
 5頁です。検討の1つ目として、従来ローテーションで用意しているチンハイ株のワクチンで免疫することで、系統としては同じ系統に属するものなのですが、エジプトで流行しているClade2.2系統株に対応できるのかどうか。これは感染研に検討をお願いしました。
 検討事項2として、そもそもエジプトで流行している株は、ワクチンとして製造・備蓄するものに適しているのかどうか。もしそれに切り替えるとした場合に、準備できるかどうか。これはワクチンメーカーに検討を依頼しております。
 6、7頁です。1つ目は、チンハイ株は例年用意している株で、エジプトで流行している系統に対応できるかということですが、これについて感染研で検討を行っていただきました。厚生科学研究で臨床研究をした際の抗体が上がった方の血清を活用しまして、交叉免疫性について検討したわけですが、この表にClade2.2と書いてありますが、これが従来用意しておりますチンハイ株です。2.2.1と2.2.1.1というのがありますが、これがエジプトで流行している株です。2行目、3行目のエジプト株については、交叉免疫性は81%ないし73%で、交叉免疫性を示しています。2.2.1.1のほうは10%で、交叉免疫性が低いという結論になっております。ですので、対応できる部分とできない部分があるという結果でした。
 検討事項2は、エジプトで流行している株は、そもそもワクチンとして製造・備蓄することができるのかどうかということです。これに関しては、下の表の見方ですけれども、右から2列目にたん白質含有量というのがあり、チンハイ株を100とした場合の比率ですが、チンハイ株と比べて量産できるのかという、増殖の度合いを比較したもので、エジプト株のうち2番目のA/Egypt/N03072/2010と書いてあるものは103%で、チンハイ株と同等の増殖性が示されています。もしワクチンを製造するとした場合でも、適するものはあるということまでわかっています。
 そこで、どういう対応をするかというご相談ですが、スライドの8頁目にありますが、案の1はチンハイ株を例年どおりやらせていただき、案の2はエジプト株に切り替えるという案です。チンハイ株については、資料の6頁にあるとおり、エジプトで流行している2.2.1は交叉免疫性があるということ、ただし、近年Clade2.2というチンハイ株については報告が最近ないという問題があります。しかしメーカーは製造を既に経験をしており、すぐに製造を開始できるというメリットがあります。
 案の2のエジプト株に切り替えるとした場合、エジプトで流行している株に近いワクチンが備蓄できるということがメリットですが、ヒトでの臨床試験を実施しておりませんし、ヒトに対する免疫原性、実際に抗体が上がるかどうかを含めて、まだ検証できていないという段階です。それから、新規備蓄となりますので、製造前に1ヶ月半ほど、きちんとしたものができるかという品質試験等が必要ですので、例年用意しております1,000万人分の製造が時間的な関係上、間に合わない可能性があります。このような案について、先ほど分科会長からご指名がありましたワクチンの担当である田代委員と河岡委員がご欠席ですので、別添資料1と2で、両委員から意見書をいただいております。
 まず、別添1の田代委員の意見書ですが、いろいろとご意見をいただいております。冒頭にどういう使用目的かによるとありますが、1頁の6行目、2)に、現在のプレパンデミックワクチンの準備の仕方としては、新型ウイルスが出現後に初めて第1回目を接種するのであれば、新型ウイルスとして可能性の高い流行株を選定する、という形で従来やってきております。この場合には、結論的には2枚目表の8行目ですが、先ほどご説明したとおり、チンハイ株は製造経験があることと、エジプト株の交叉免疫性を持っているということで、今年度の備蓄用プレパンデミックワクチンについては、現在と同様にチンハイ株を選択することが妥当というようなご意見をいただいております。全体をご紹介すると量が多いので、ポイントは以上の点です。
 別添資料2が河岡委員からのご意見です。これについては、感染研で実施した検討において、チンハイ株ワクチンで免疫することで、エジプトで流行している系統に対応できるというデータが出ています。先ほど交叉免疫性が十分取れていないとお話した2.2.1.1という系統は、フェレットで空気感染するアミノ酸変異を持っていないので、人への感染としては、若干まだ余裕があると理解していますが、その点で平成24年度の備蓄株をチンハイ株と選択することに異存はない。ただし、エジプト株についても、臨床研究をすることが重要であるので、そういう面からも検討することは必要というご意見をいただいております。
 そのようなご意見も踏まえまして、資料2の1頁の4.「今年度の備蓄株(案)」については、案の1として、チンハイ株ワクチンを選択をすると。ただし、臨床研究用にエジプト株も一部製造・製剤化することを検討する。案の2として、エジプト株ワクチンを選択する。ただし、ご説明したとおり、新規ワクチン株であるので、製造に先立ち試験等を行う必要がありますので、1,000万人分にするために、チンハイ株を先行して製造し、そのあとエジプト株に切り替えて、合計1,000万人分とする。このような両案を事務局でまとめさせていただきました。これについて、本日この分科会で決定をいただければと思います。
○岡部分科会長 ありがとうございました。臨床面からの検討は庵原委員が前にされていると思うので、一緒にコメントもお願いします。
○庵原委員 現在の流行状況からすると、エジプトで鳥から人へ感染している率が高いということと、エジプトでいま流行っているのがClade2.2.1であるということが1つあります。もう1つは感染研で田代先生のグループがやられた研究で、Clade2.2のチンハイ株でワクチンを接種した人たちの血清が、Clade2.2.1であるエジプトの株も8割前後抑えることが可能であるというデータがあります。3つ目が、新しいエジプトの株を使って作るとすると、今度はそれの安全性などワクチン株として日本のワクチンのレギュレーションに対する検討がまだ一切されておらず、その検討が必要であるという点からすると、日本のレギュレーションを通過しているチンハイ株で十分対応できるのではないかというのが私の考えです。大体田代先生や河岡先生と同じ考えです。問題は、エジプト株を余分に作って備蓄しておくかどうかということなのですが、今後の広がりを考えて、ゆとりがあれば作っておくぐらいでいいのかなというのが私の意見です。以上です。
○岡部分科会長 限られた範囲の中では、チンハイ株で作っておいたほうがより安全度が高いと。
○庵原委員 要するに、株の安全性が承認されているということです。
○岡部部会長 仮にチンハイ株でクロスがないとした場合に、エジプト、あるいはX株で作らなければいけないのですが、そういうときに、今度レギュレーションが邪魔をしてなかなか作れないというのは、どうやってクリアされるのですか。
○佐々木室長 プレパンデミックワクチンの備蓄を始めたとき、最初はどの株も実は臨床面の確認というのはできておりませんでした。そのあと、厚生科学研究等で研究をしていただいて、実際使えるものであるという結果が出てきています。ですので、例えばエジプト株をどうしても準備しておく必要がある。臨床面の確認はできないということであっても、作っておくという考え方もあると思うのですが、今回の場合は、交叉性が出ていることもありまして、案の1を含めて提案をさせていただきました。
○岡部分科会長 ありがとうございました。3人のインフルエンザウイルスワクチンの専門家からほぼ一致した意見をいただいているのですが、ご質問、ご意見がありましたらどうぞ。ここのところは3人の方の意見を尊重するといいますか、説得力ある意見だと思いますので、この委員会としては、今回の製造株はチンハイ株であるということで、特にご異論がなければそれでまとめておきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○岡部部会長 では決定ということで、よろしくお願いします。
 もう1つの議題は、いままでの委員会でも議論があって、もしアウトブレークが起きたときに、プレパンデミックワクチンを引っ張り出すわけですが、そのときに備蓄してあるものをそれから製剤化するのでは時間がかかって間に合わないだろう。しかし、一方では、全部製剤化してしまうと、有効期限が今度は短くなるので、長い間取っておけない。確かに前の委員会では、一部を製剤化するということで話を留めてあったと思うのですが、ある程度具体化して検討しなければいけないということで今回進んできたわけです。それについて事務局から意見を提案してください。
○佐々木室長 では、資料3をお願いいたします。「備蓄プレパンデミックワクチンの一部製剤化について(案)」です。背景は、いま分科会長からもお話がありましたが、プレパンデミックワクチンは原液で保存していますが、一部はすぐに使えるように製剤化を進めることが平成23年9月の行動計画の中にも記載されております。それを受けまして、厚生労働省としては、平成24年度から一部製剤化をすることを考えています。今回はどの株を製剤化するかということと、どのぐらい製剤化するかについてご議論いただきたいということです。
 2.の製剤化すべきワクチン株については、平成24年度備蓄分は、先ほどチンハイ株は決定いただきましたので、チンハイ株を含めますと、4系統のプレパンデミックワクチンが備蓄をされるということになっています。このプレパンデミックワクチンの使い方としては、世界でも複数の系統が流行をしているということで、どれが原因となって新型インフルエンザが発生するかはわかっていないという前提があります。
 次頁の下段に「H5N1プレパンデミックワクチン接種後の抗体価について」とありますが、接種したワクチン株が左の縦に、ベトナム株、インドネシア株、アンフィ株、チンハイ株と並んでいます。それが2回接種後の抗体変化率、抗体保有率ということで、当然といえば当然とは思われますが、例えばインドネシア株であればインドネシア株が、アンフィ株であればアンフィ株が、接種したワクチン株の抗体価が最も高く上昇するということです。各々どの株のワクチンを接種すべきかというのは、やはり効果を見ながら選んでいく必要がある、いちばん効くものを選ぶ必要があるということです。
 製剤化すべき量については、先ほどご紹介しましたガイドラインの見直し意見書の中には、医療従事者等にプレパンデミックワクチンを、発生後速やかに接種するために、10mlなど大きな単位のバイアルでワクチンを供給することが基本とされております。これは集団的に接種をすると書かれています。
 それから、メーカーごとに標準的な製剤化単位が異なりまして、製剤化単位の最も大きいメーカーの単位として、10mlバイアル6万本ということが、1つの製剤化の単位になっております。原液で備蓄した場合には、有効期限は3年ですが、製剤化した場合の有効期限は1年となりますので、あまり大量に一部製剤化してしまうと、備蓄量が大きく減っていくことになります。
 ですので、こういったワクチン株と製剤にすべき量についての検討事項を考えた場合の事務局としての案ですが、平成24年度の製剤化にあたっては、発生時に最も効果が期待できるワクチンを速やかに医療従事者等に接種するために、備蓄している全株、つまり4系統を一部製剤化するということでいかがかということです。また、1株あたりの製剤量は10mlバイアルで6万本。これは製剤化単位が最も大きいメーカーの単位に合わせるということですが、これを1人あたり2回接種の場合は約54万人分に相当しますが、4株で1株あたり54万人分で、今回の製剤化を進めてはどうかということです。事務局からは以上です。
○岡部分科会長 ありがとうございました。この件について、ご質問、ご意見がありましたらどうぞお願いします。
 これは平成24年度の製造株で6万本を10ccバイアルで備蓄するということですね。
○佐々木室長 これは過去に作っていま備蓄しているものもありますので、それがベトナム株、インドネシア株、アンフィ株とあります。それが各々6万本ずつです。
○岡部分科会長 もう1ついいですか。製剤化した場合は、1バイアル期限が1年であるというのは、いままでの経験的なところもあるのですが、例えばこれが2年の保存が有効かどうかという研究はあるのですか。ほかのところで、製剤化した場合には効果としての減衰があるというレポートがあると思うのですが、これについてはどうですか。
○佐々木室長 本日ご議論いただくにあたって、メーカー等に話をしたところでは、期限1年ということになっております。
○岡部分科会長 それは薬事法上そうなっているのであって、もったいないなという意見がきっと出てくると思うのです。そうなったときに研究として2年持つか、3年持つかというのは、実際に行われる可能性はあるのでしょうか。庵原先生、その辺、何か検討したことはありますか。
○庵原委員 メーカーのほうは、大体1年経ったところとか、あるいは2年経ったところで、それぞれ蛋白量がどう変化しているとか、有効成分が化学的にどう変化したかというようなデータは必要に応じてチェックしているのです。ですから、こういう委員会ないしはどこかでもいいのですが、小分けしてやりますので、そのときに1年経ったときにはどのくらい有効性が残っているかとか、2年経ったときにどのくらい残っているかという検討をしておくのも、追加の研究としては必要だろうと思います。ただ、それを1年経ったものや2年経ったものを人に使えるかというと、今度は薬事法が絡んできますので、まずは成分が変化がないということを担保しておいてから、それをどうするかというのは、次の議論だと思います。
○岡部分科会長 そうすると、おそらくストックが溜まってくると、ストックスペースの問題も出てくるのではないかと思うのです。しかしできれば研究としてはそういったようなことはやっておいたほうが、将来的には役に立つのではないかなと思います。これは1つの意見ですが。
○庵原委員 少なくとも動物実験レベルでの有効性や安全性の確認はできるかと思います。
○岡部分科会長 わりに小規模でできるような気もするので、実際にできるかどうかは、研究担当の人と話合っていただければと思います。
 話を戻して、提案として10mlバイアルで各6万本を作ったらどうかと。そうすると、約54万人分が対象になる。1Cladeあたり6万人分ですよね。それで4掛け。ここも確認しておきたいのですが、プライオリティとしては、いままで決まっていた医療従事者にまず接種をするという量でいいわけですね。
○佐々木室長 今回どの範囲の方に先行して接種するかという議論は、別途並行してやりますので、実際に製剤化単位を考慮して、先ほどご指摘もありましたとおり、蛋白量などいろいろな検討が必要な点もありますし、まずは54万人分、6万本を製剤化に着手させていただきたいと思っております。
○岡部分科会長 現時点では、ファースト・プライオリティは、いままで決められているものである。今後の議論では、それは議論次第ではあるかもしれませんが、そういったような考え方でよろしいですか。
○坂元委員 1つ質問なのですが、プレパンデミックワクチンを医療従事者、社会機能維持者ということで、接種主体というのは自治体になるのか、それが1点と、実際に原液から製剤化するのにどれぐらい時間がかかるのかということです。なぜかというと、大量に自治体に送られてきても、実際に多くの人にやるとなると場所の確保やお医者さんの確保等、いろいろな実務作業をしなければいけないので、その辺のところをお教えいただければと思います。
○佐々木室長 まず供給に関してですが、新しく株を作ってワクチンの生産をしていくのに、最初に出荷するのは3ヶ月ということです。これはもともとできたものを出荷していくということですので、それほどかからないと思いますが、1ヶ月か2ヶ月ぐらいのスパンで出てくると思います。
 もう1つのプレパンデミックワクチンの接種体制ですが、それについてこちらの分科会でどういう形でやっていくかということも含めてご議論いただくことになっております。やはり自治体のご協力、例えば現在の予防接種のやり方などありますので、現状の自治体、都道府県のご協力というところが当然必要になってくると思っています。委員の方々のご意見を伺いながら、原案を作ってまたご相談させていただきたいと思っています。
○押谷委員 私自身は、プレパンデミックワクチンを備蓄することに反対なわけではないのですけれども、H5N1以外のパンデミックが起きたときにも、こういう製造ラインを確保していく必要があると思うのです。ただ、バルクで3年に1回捨てなければいけない。製剤化すると毎年捨てなければいけないということで、それのコストというのはどのぐらいかかっているのですか。
○岡部分科会長 それは事務局のほうからお答え願います。
○佐々木室長 毎年1,000万人分を備蓄するのに60億円ほどかかっております。破棄する費用というのは、細かくはあれですが、調べないとわからないので、またご報告させていただきたいと思います。一応用意するのには60億かかっています。
○押谷委員 製剤化するとまたそれにプラスアルファーかかるわけですよね、かなりの額が。
○佐々木室長 製剤化するのには、5億円かかります。
○岡部分科会長 この方式がずっと未来永劫ではなくて、新しい方法であったり、それこそほかの株が出てきたときにどうするか。これはほかの研究ベースでやっていることだと思いますけれども、現時点でやることがこれであるということですね。
 それでは、いま事務局から提案をされて、これはあらかじめ専門家の意見を聞いていると思うのですが、一部の製剤化ということは、この委員会としてはご承認いただくということでよろしいでしょうか。
                  (承認)
○岡部分科会長 はい、それでは。
○古木委員 1つ質問があるのは、私はよくわからないのですが、先ほど1株で54万人という数字が発表になったわけですが、この場合いちばん最初に接種するいわゆる医療従事者等とありますが、くくりの中の人数は何人ぐらいいるのですか。
○岡部分科会長 これは、前のパンデミックガイドライン、あるいは行動計画のときに出したと思うのですが。
○古木委員 何万人になっているのですか、医療関係は。
○岡部分科会長 記憶だとほぼこの数字だったと思うのですが、正林さん、記憶はありますか。
○古木委員 54万人ぐらい医療従事者がおられるということですか。
○正林課長 医療従事者が何人かということですか。ちょっといま手元に数字がないので。
○古木委員 さっきの1株54万人という数字が妥当な数字なのかよくわからないものですから。
○岡部分科会長 妥当な数字に合わせて製造をするのではなくて、製造した数字がたまたまそちらに近いというような形なのでしょう。医療従事者から算定をした数字ではないのですよね、これは。
○正林課長 違います。
○古木委員 ちょっとその辺の兼合いがよくわからないものですから、果たしてどのぐらいの数になるのか、それがよく理解できないものですから。
○佐々木室長 正直申し上げて、数がいくらになるのかというのは、これからの議論の部分もあります。1,000万人分用意している部分の理屈は、医療従事者や社会機能維持者の数、ワクチンメーカーの生産能力など、様々を考慮して1,000万と毎年決めてやっています。実際にどの順番で打っていくのかということなどについては、これからまた議論していただくことになります。最初はとりあえず54万人分製剤化しますが、製剤化しているものがあると、原液からまた製剤化する間に、それを第一段階で打てますので、そういう意味では出来上がったらどんどん打っていくことになります。それをどこまで打つかという議論は今後しますが、最初のスタートのときに、いきなり製剤化で1ヶ月2ヶ月浪費することなく、すぐに接種に入れるということで、今回準備を始めさせていただきたいということです。
○古木委員 はい、わかりました。
○岡部分科会長 そのほかにご意見はよろしいでしょうか。
○庵原委員 資料2の4.の案1のところなのですが、一応案1が認められて、チンハイ株ワクチンを選定することにはなったのですが、注のところで、臨床研究用にエジプト株を一部製剤化することを検討と書かれてあるのですが、この議論はどう進めていけばいいでしょうか。資料2の4の「今年度の備蓄株(案)」というのがあって、一応案1が認められたのですが、そのところに注がついているのですが、注まで認めたという解釈ですか。それとも注はまだ認めていないという解釈ですか。そこの見解はいかがですか。
○岡部分科会長 提案事項としてはどうだったのですか。
○庵原委員 確認なのですが。
○佐々木室長 すみません。事務局としては案の1か案の2かということでご提案をさせていただきまして、チンハイ株を選定するという中に、併せてエジプト株を一部製剤化するということも、チンハイ株を選択するということで、一体と考えておりました。確認させていただいたほうがよかったのかもしれませんが、案の1でご議論いただいて、ご承認いただいたのかなと事務局としては思っておりました。
○岡部分科会長 では改めて確認したいと思いますが、主としてはチンハイ株だけれども、臨床研究は継続する必要があるので、河岡先生も確か書いていたと思いますが、量的にはわかりませんが、あくまで研究用としてのエジプト株の製造、製剤化の検討を行うということで了承いただいてよろしいですか。
                 (異議なし)
○岡部分科会長 それでは今日の主な議題として用意されたのは以上です。その他として何か議論しておくべきことはありますでしょうか。
 それでは今後のスケジュール等含めて、事務局から最後に締めてください。
○佐々木室長 次回の分科会の日程ですが、10月9日(火)18時から20時ということで予定をしています。本日は長時間にわたりご議論ありがとうございました。
○岡部分科会長 それでは、どうもありがとうございました。


(了)

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