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2012年8月29日 第3回厚生科学審議会感染症分科会感染症部会麻しんに関する小委員会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成24年8月29日(水)
10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17F)


○出席者

遠藤委員 岡部委員長 小森委員 竹田委員 多屋委員
中野委員 増田委員 南委員 三崎参考人 知念参考人
平岡参考人

○議題

(1)麻しんに関する特定感染症予防指針の見直しについて
(2)その他

○議事

○結核感染症課長補佐(難波江) ただいまより、第3回厚生科学審議会感染症分科会感染症部会麻しんに関する小委員会を開催いたします。本日の出席状況です。皆川委員より欠席とのご連絡をいただいております。また本日、参考人として3名の方にご出席いただいておりますので、ご紹介させていただきます。国立感染症研究所FETPの三崎貴子先生です。文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課学校保健対策専門官の知念専門官です。川崎市健康福祉局健康安全室の平岡感染症担当課長です。ここからは委員長に進行をお願いいたします。
○岡部委員長 それでは、3回目になる麻しんに関する小委員会を開催しますので、よろしくお願いします。今日ですべて結論ということではないと思いますけれども、特定指針のためにいろいろ参考となるような意見をいただいて、最終的にはまとめるようにしたいと思います。また、12時までの会議ですので、ご協力よろしくお願いします。最初に、資料の確認を事務局からお願いします。
○結核感染症課長補佐(難波江) 1枚目が議事次第、2枚目が配付資料の一覧、3枚目が小委員会委員名簿、資料1が「麻しんに関する特定感染症予防指針の改正(小委素案)」、資料2-1が「これまでの麻しん風しんの予防接種の実施状況について」、資料2-2が「平成23年度都道府県における麻しん対策および予防接種の状況」、資料2-3が「全国市区町村における麻しん対策の実施状況」、資料3が「麻しん・風しんワクチン定期予防接種の年度別・期別未接種者数」、資料4が「麻しん抗体保有率について」、資料5が「麻しんの任意接種者数の推計」、資料6が「文部科学省における麻しんに関する取り組み」、資料7が「麻しん予防接種3期・4期について」です。
○岡部委員長 今日は3人の参考人に来ていただいております。暑い中、ありがとうございました。もし議事の中で意見がありましたら、どうぞ参考人の先生方もご意見をおっしゃってください。それでは早速、議事に入ります。これまでに2回、あるいはその前のいろいろな委員会でも、意見をいただいており、それをまとめたような形で資料1、「麻しんに関する特定感染症予防指針改正の(小委素案)」を事務局から提出していただいていますので、これについての説明と議論、意見というように持っていきたいと思います。
○結核感染症課長補佐(梅木) まず、網掛け部分と白い部分に分かれております。網掛け部分については、今後議論する部分としております。その他の部分で、さらに下線を引いている所が、前回までの議論を踏まえた改正案の部分です。前文及び第1の目標については網掛けとなっており、今後の議論の予定です。
 3頁の第2の「原因の究明」の三は、「麻しんの届出基準」です。表記のとおり「法第12条に基づき、診断後7日以内に行うこととされているが、迅速な行政対応を行う必要性に鑑み、可能な限り24時間以内に届出を行うことを求めるものとする。また、風しん等の類似の症状を呈する疾病と正確に見分けるためには、病原体を確認することが不可欠であることから、原則として臨床診断例として届け出ると同時に、血清IgM抗体検査の実施と、遺伝子検査等のための検体の提出を求めるものとする。臨床症状とこれらの検査結果を総合的に勘案し、麻しんではないと判断された場合は、届出を取り下げることを求めることとする」としております。
 4頁の四、「日本医師会との協力について」は、「国は、日本医師会を通じて、医師に対し、麻しんを臨床で診断した場合には、三『麻しんの届出基準』に即した対応を行うよう依頼するものとする」としております。
 五が「麻しん発生時の迅速な対応」についてです。「都道府県等は、麻しんの患者が1例発生した場合に法第15条に規定する感染経路の把握等の調査を迅速に実施するよう努めることとし、普段から医療機関等の関係機関とのネットワーク構築に努めるものとする。また、国は、国立感染症研究所において、当該調査の実務上の手順等を示した手引きの作成や職員の派遣要請に応えられる人材の養成を行うものとする」。第3の「発生の予防及びまん延の防止」については、本日の議論の中心になるかと存じます。
 12頁の第5の「研究開発の推進」の三、「情報管理における研究開発の推進」については、ソフトウェアがすでに開発され、自治体に提供されておりますので削除しております。
 13頁の第6の「国際的な連携」の二、「国際機関で定める目標の設定」は、今後のWHOの動向を注視し、変更することとしております。三の「世界保健機関等への協力」については、日本が麻しんの輸出国から輸入国になった現状を踏まえ、新たに設けたものです。「世界保健機関等と協力し、麻しんの高まん延国の麻しん対策を推進することは、国際保健水準の向上に貢献するのみならず、海外で感染し、国内で発症する患者の発生を予防することにも寄与する。そのため、国は世界保健機関等と連携しながら、国際的な麻しん対策の取組に積極的に関与する必要がある」としております。
 第7が「評価及び推進体制と普及啓発の充実」です。14頁の二、「麻しん対策推進会議及び排除認定委員会の設置」として排除認定委員会を新たに設けております。「国は、平成19年度より、感染症の専門家、医療関係者、保護者、地方公共団体の担当者、ワクチン製造業者及び学校関係者からなる『麻しん対策推進会議』を設定している。麻しん対策推進会議は、毎年度、本指針に定める施策の実施状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表し、必要に応じて当該施策の見直しについて提言を行うこととする。また、国は麻しんが排除・維持されているかを判定する排除認定委員会も設置することとする」としております。三の「都道府県におけるアドバイザー制度と麻しん対策の会議の設置」については、新たにアドバイザー制度について追記しております。1の下線部分ですが、「また、必要に応じ、医師会等の関係団体と連携して、麻しんの診断等に関する助言を行うアドバイザー制度の設置を検討する」としております。
 四の「関係機関との連携」は15頁です。下線部分は、法律の改正があったために名称を変更しております。五の「普及啓発」については、新たに設けたものです。「麻しん対策に関する普及啓発については、麻しんに関する正しい知識に加え、医療機関受診の際の検査協力の必要性等を周知することが重要である。厚生労働省は、文部科学省や報道機関等の関係機関との連携を強化し、国民に対し、麻しんに関する適切な情報提供を行うよう努めるものとする」としております。
○岡部委員長 この網掛けの部分は、まだ議論が尽くされていないというか、この委員会で引き続き検討するということでよろしいですね。今日、事務局からご提案いただいたのは、下線部が中心になっています。そこが今までの議論の中で、このように改正したほうがいいのではないかということがまとめられたものです。まず、これについてご議論していただいて、引き続きその他というように持っていきたいと思います。これは一つひとつというわけにもいかないでしょうけれども、気の付いた所からで結構ですから、もし委員の先生方からご意見があれば、よろしくお願いします。
○多屋委員 3頁の第2の「原因の究明」の三、「麻しんの届出基準」で少し気になったところがあり、ご議論をお願いしたいと思います。三の6行目の「原則として」という部分です。前回の議論でもありましたように、臨床診断例として全数届け出るということは、今もうすでに行われていることです。この「原則として」というのは、後ろの血清IgM抗体検査の実施とウイルス遺伝子検査等のための検査診断のほうを実施するというように、「原則として」の位置を少し後ろにずらしたほうがいいのではないかと思ったのが1つです。また、右の旧版のほうでは、麻しんの患者数が一定数以下になった場合はこうするというように記載されております。折角ですから今回の改正に当たっては、一定数以下になったと判断したために、このようにしたということが分かるような文言が入ると、よりよいのではないかと感じました。
○岡部委員長 先ほどバラバラにと言いましたけれども、折角最初から意見が出たので、一つひとつ順番にやっていきたいと思います。それでは、いまの「麻しんの届出基準」に関して、ほかにご意見がありましたらお願いします。三については、私のほうからも質問をしていいですか。三の「麻しんの届出基準」の最後には、「検査結果を総合的に勘案し、麻しんではないと判断された場合には、届出を取り下げることを求めることとする」というのは、誰が求めることができるかというのが明記されていないと、これがまた混乱の基になってしまったりするのではないかと思うのです。後のほうでアドバイザーグループのことが出ているので、たぶんそういうところで出来るとは思いますが、そういった意味を入れていただけるといいと思います。ここについてほかにご意見がなければ、事務局から今のいくつかの質問に対する回答というか、コメントをよろしくお願いします。
○結核感染症課長補佐(難波江) まず1点目、多屋委員からのご指摘の「原則として」ということについては、もしご存じであれば教えていただきたいのですが、いま全例臨床診断例で届け出られているという現状であるのか、検査結果を待っている症例があるのか。そういう観点において「原則として」というのは、まずは臨床診断例で届けていただきたいということです。現状認識として、検査結果を待って届けられている先生方もいらっしゃるという立場で、こういう記載にさせていただきました。
 それから、一定数以上の所はご指摘を踏まえて、次回の修正案の中に記載させていただければと思います。
 誰が求めるかということについては、実際には国が求めるという形になると思います。 そこは4頁の「日本医師会との協力」の中で、国は医師に対して日本医師会を通じて依頼するものとするとなっておりますので、国が求めるという形になりますから、よろしくお願いします。
○岡部委員長 そうすると、一応は臨床診断として届けてもらうけれども、それに対して検査を加えて、最終的な判断を決めるという形になると。そうなると、場合によっては取り下げていただくという意味ですね。多屋委員、いかがですか。
○多屋委員 臨床診断例として届けずに、検査診断を待ってという例があるというのは、私も聞いております。それはそうですけれども、ここに「原則として」とあると、臨床診断として届けてくださいというのがメインのように読めてしまいますので、先ほど意見を申し上げたのです。むしろ全例臨床診断として届け出た後に原則として検査診断を行うという意味合いを、ここに入れたほうがいいのではないかと思いました。
 それから、岡部先生のご意見の、届出を取り下げるということについてですが、取り下げた症例数というのは今後、非常に大事になってきます。取り下げられたらその数が全くわからないというのではなくて、疑われて取り下げられたというのも、きちんと数字として残っていくような仕組みが必要ではないかなと感じました。
○岡部委員長 貴重な意見をありがとうございます。WHOも、届け出られたけれども、それを否定しているということが重要であるというようにしています。ですから、どこかでこの数をちゃんと把握しておくというシステムを作っておいたほうがいいと思うので、よろしくお願いします。
○竹田委員 はしかということが分からなくて、検査をして結果を見て届け出られる例が多数あると思いますので、臨床診断で届けなければならないという感じだと、ちょっと混乱するのではないかと思ったのです。いまの届出の基準のまま、臨床診断を届け出る場合も、原則として臨床検体を提出するという記載のほうが混乱しないのではないかと思いました。
○岡部委員長 そこはどうですか。
○結核感染症課長補佐(難波江) その点については、委員会のほうでご検討いただければと思います。
○岡部委員長 結局、届出の根本にもかかわってくると思うのです。我が国ではラッシュ・アンド・フィーバー(発疹・発熱)で届け出を求めているのではなくて、ちょっとトリッキーな言い方だけれども、はしかの可能性があるものについて検査をするというのが、もともと前提になっていると思うのです。それをラッシュ・アンド・フィーバーで、はしかかもしれないし、何かかもしれない、何々かもしれないというのを全部届けると、今度は自治体のほうがそれに対する検査ということで、非常に膨大な検査をやらなくてはいけない。実際は研究上重要なところもあるので、それぞれの所でやれるところもあるのですけれども、私も衛生研究所に入っているので、全自治体と全衛生研究所でそれをやるというのも、なかなか難しいところです。基本的には臨床診断でその可能性があるということについて、検査をしていただくということではないかと思うのです。竹田委員、いまのような考えでよろしいですか。
○竹田委員 はい。
○岡部委員長 今の届出のほうは、ほかによろしいでしょうか。では、今のいくつかの意見をこの中に込めるように、また後で修正していただきたいと思います。
 それでは四の「日本医師会との協力」についてです。これは協力を求めるというところで問題はないと思うのですが、この四と五について、何かご意見がありましたらどうぞ。小森先生、四はよろしいですか。
○小森委員 はい。
○岡部委員長 では五の「麻しん発生時の迅速な対応」についてお願いします。旧のほうにも「実務上の手順等を示した手引きの作成や職員の派遣要請に応えられる人材の養成を行う必要がある」と書いてあるのです。感染研を辞めた私が言うのも何ですけれども、今度のほうは国が感染研においてこれこれの人材の養成を行うものとするとなっている。多屋先生、竹田先生、これについて感染研のほうはどうですか。
○多屋委員 現在、感染症情報センターでは医療機関のガイドライン、医師の届出ガイドライン、積極的疫学調査のガイドライン、学校におけるガイドラインといったものを作っています。実務上の手順等を示した手引きというのが、そういうものに当たるのかなと思います。これは今後も改定していかないといけないので、それは続けてやっていくことになると思います。あと、もし集団発生があった場合には、FETPの先生などの派遣も含めた、職員派遣のことが記載されているというように読んでおりました。
○岡部委員長 実際にいままで、いろいろなガイドラインなどが書かれているわけです。それをさらに充実していくのと、パンデミックなどの委員会でも同じようなことが出ていますが、実際に対応するときの人材がなかなか足りないので、こういう人材を国のほうは是非養成するような策を取っていただきたいということです。これは文章としてはありますが、できるだけ実施できるように、感染研がこういうことに応えられるように、感染研と国は是非努力をお願いしたいと思います。五について、ほかに意見はありますか。
 いいですか。それでは少し網掛けが続きますので、12頁まで飛びます。これは今まであったものが削除された部分です。情報提供のいろいろなソフトウェアです。これは実際に開発されているとは思うのですが、その実情も含めて。この削除の部分に関しては、担当は多屋先生だと思いますので、よろしくお願いします。
○多屋委員 このソフトウェアを開発されるのに尽力されたのは、感染症情報センターの大日先生で、大日先生が中心になって作られたものです。実際にいくつかの市町村に送られていると思います。ですから今回の改定でここの部分が削除されてしまうと、どうなったのかなと読めてしまうのです。こういったものは既に開発されていますが、これを使わなければならないということではなくて、市区町村が独自に開発されている良いソフトもあると聞いておりますので、どんなものであってもいいので、こういったものを利用しながら、今後はどうしても電子化された情報の管理が必要になってくると思います。そのため、下線部の削除ではなくて、これを引用した形で、どんなものであっても何らかの電子化ソフトを活用していくという文言が入るとよいのではないかと感じました。
○岡部委員長 成果としては出来上がっているのです。それで一部の自治体では、すでにこれを取り入れている所もあるのです。しかし、それを使うべきであるということになっているわけではなく、自治体にとってもっと使いやすいものもあると。どちらを使ってもいいから、電子化してちゃんと情報管理をしてくださいという意味合いのことを込めてくれということでよろしいですか。
○多屋委員 はい。
○岡部委員長 そこは事務局、いかがですか。
○結核感染症課長補佐(難波江) ご指摘のこの項目が、「情報管理における研究開発の推進」となっています。むしろご指摘の点は、予防接種台帳の電子化の話とか、予防接種部会でも指摘されている情報の活用になるかと思います。13頁の下の第7の一、「基本的考え方」の中の「予防接種の実施状況についての情報収集を行い」とか、その辺りで接種状況の情報収集などをしっかりやっていくという形で、こういう所を書き込むほうが、いまの状況ではフィットするのではないかと思いました。
○岡部委員長 出来上がったというだけではなくて、それを利用してもらうことと、研究開発も同時に進める必要があるという形で、本項より後のほうに加えるということですね。では、それでよろしくお願いします。この「情報管理における研究開発の推進について」について、ほかにありますか。「情報管理」と言うよりも、情報の整備・普及だと思うのです。「情報管理」と言うと、「管理する」という感じが強いので、もうちょっと文章としていい単語がないかなと思います。
○結核感染症課長補佐(難波江) ここは工夫いたします。
○岡部委員長 それでは、今のところでよろしければ、WHOとの協力というのが1つここで出てきています。この辺のご意見はいかがでしょうか。
○中野委員 「世界保健機関等への協力」で、わざわざ「高まん延国」という言葉を使う必要があるのかどうかを、質問させていただきたいと思います。高まん延国という定義がWHOによってきちんとなされているかどうかも、少し気になりますし、国内でも1例出たらすぐに対応が必要な疾患であり、流行が始まったらとても流行する疾患ですから、必ずしもここで「高まん延国」という言葉を使わなくても「流行国」ではいかがかなと思うのです。
○結核感染症課長補佐(難波江) そのように修正させていただきます。
○岡部委員長 ときどきWHOの会議に出られている竹田先生もいかがですか。
○竹田委員 高まん延国がどういうものかという定義はないと思います。
○岡部委員長 これは非常にいいことです。いままでは自分たちのことを一生懸命やってきたけれども、世界のポリオ根絶に貢献したのと同じように、はしかについても貢献していこうという姿勢の現れだと思うのです。この間のWHOの会議には、難波江補佐も竹田委員も私も出席しているのです。そのときに、日本がかなり良い線を行っているということについては強い評価があって、「だからみんなもやろうよ」というようにもなってきているのです。今後はさらに積極的にこれを推進していく必要があると思いますので、非常に重要な一項目だと思います。よろしくお願いします。
 それでは14頁の二、先ほどからも話題になった「麻しん対策推進会議及び排除認定委員会の設置」についてです。国がいままで設置している麻しん対策推進会議というのは、定期的に開かれるようになっているのですけれども、それとともに排除認定委員会も設置すると。これは国が設置するのですよね。自治体においてはその下のほうになる、アドバイザー制度といったものがある。これはこの委員会であったと思いますが、福井県から来て教えていただいたことがあります。それについては各自治体で、いちばんやりやすいもので同様のものを作っていただいたらどうかということでしたが、いかがでしょうか。
○竹田委員 排除認定委員会を設置するようにWHOも言っているので、設置が必要かとは思うのです。では我が国で排除の基準を作るかどうかというところが、はっきりしていないと思うのです。排除の認定をWHOの基準で見るのか、日本独自の基準を考えるのかというのは、検討が必要だと思っています。
○岡部委員長 そこも含めてWHOも、最終的なところまではいっていないのです。曖昧ではないかと思うのです。それを見ながらだけれども、日本としても1つのクライテリアを決めておいて、それについて一致するかどうかは検討しておかなくてはいけないということですね。委員会そのものの設置については問題ないと言うよりも、むしろやるべきであるということですね。
○竹田委員 知りたかったらWHOの基準に照らすという意味なのか、我が国独自の判断基準を作るのかということは、ある程度明確になっていたほうがいいかなと思います。というのは、私はよくそのことを聞かれることが多く、返答に困ってしまうのです。こういう文ができたときに、またきっと質問がたくさん来て、返答に困るなと思いましたので言わせていただきました。
○岡部委員長 そこは事務局、何かありますか。
○結核感染症課長補佐(難波江) そこも含めて、この認定委員会でご検討いただければと考えております。
○岡部委員長 そういうことが排除認定委員会での重要なテーマになるということです。ポリオの場合がしばしば例になると思います。ポリオも必ずしもクライテリアが全部WHOと一致しているわけではないけれども、実際日本は先になくなってしまっているので、それがかなり強烈に言えたわけです。はしかの場合は周りの状況と照らし合わせた形で、クライテリアをつくっていかなくてはいけないと思うのです。ただ、例えば検査法1つとっても、国によって当然違いはあります。あまり外れたものでなければ、「日本はこうやる」という方向でも構わないと思います。ただそれが出てくると、今度はWHOに対して「日本はこういうようにやる」ということをきちんと説明していかないといけないと思いますので、具体的にはこれを認定委員会のほうで設置すべきであるということになると思います。よろしいでしょうか。
 そうすると自治体のほう、都道府県ではアドバイザー制度ということになります。これは「都道府県」と書いてありますけれども、都道府県単位になるのですか。自治体単位ですか。私は川崎に動いてしまったのですが、例えば川崎市は政令指定都市なので、ここは都道府県の中に入るのかどうか。平岡参考人、市に入るとこういうのは問題になりますよね。その辺はいかがですか。つまり、自治体の単位でやるか、都道府県という大きい括りでやるかというのは決めておいたほうがいいと思うのです。
 もう1点は、「必要に応じて医師会等の関係団体と連携して」というのは、本当にそうだと思うのですが、これには小森先生のご協力をいただかなくてはいけません。中野先生、学会などがここに入ってくる必要はいかがですか。
○中野委員 私は、学会はあったほうが望ましいと思うのですが、どこの範囲まで含めるかというのは議論が必要かと思います。
○岡部委員長 例えば自治体というか、各地域にもその地域の分科会があるので、そういう先生方の協力をいただければできると思うので、私も学会はあったほうがいいと思うのです。特にこの場合、臨床診断とラボ診断がどうしても問題になってくるので、そちらの専門家にも入っていただくという意味では、学会の協力が必要ではないかと思いました。これは私の意見を中野先生にも言っていただいたようなものです。ほかにご意見がありましたら、どうぞお願いします。むしろ自治体という立場もありますので、遠藤先生、何かご意見がありましたらお願いします。
○遠藤委員 地域のネットワークも今後構築していくという項目がありまして、実際は都道府県でも麻しん対策会議をすることになっておりますが、やはり地域でも更にきめ細かく連携したほうが、現場の視点に立った対応ができると思います。どんな学会を含めるかは議論がありますが、地域の感染症の専門家あるいは医師会、小児科学会等、感染症学会等も含めて、地域の実情にも応じられるようなネットワークを利用しながらという保健所管内にとっては、それがまず現実的な対応の仕方かなと考えております。
○岡部委員長 そのほかにご意見はありますか。
○平岡参考人 いまの届出基準ですと、届出をいただいて、それを国に報告する責務を担っている自治体としては、その段階でどれだけ取り下げにご協力いただけるか、これを麻しんとして届出した方がいいかと、すごく悩むときが数多くあります。その際にアドバイザー制度ということでご相談できる機会があれば、大変助かると考えています。届出を受けてそれを国に報告するいちばん末端の組織として、こういうことがご相談できる体制を取っていただければ助かると思います。
○岡部委員長 動きやすくなるということですね。ほかによろしいでしょうか。
 それではもう1つが、14頁から15頁にかかってくる「関係機関との連携」です。これは「普及啓発」も含めてですが、関係機関では特に学校保健法というのがあります。これは法律が変わったので入れ方が変わっただけです。文科省のほうから何かありますか。言葉だけのことですから、ここはいいですね。
 では、最後の15頁にかかる五「普及啓発」です。これは厚生労働省だけではなくて文部科学省、報道機関等の関係機関の連携の強化というものがあって、いままでもコミュニケーションが必要だということもあったのですけれども、改めて文科省ということで知念参考人、増田委員、それから報道機関もありますから、南委員のそれぞれにご意見をいただければと思います。それでは文科省の知念参考人からお願いします。
○知念参考人 麻しん対策については現在、基本的には追加接種の周知と接種の勧奨という形で協力させていただきました。今後のワクチンのあり方等にもかかわってくるかと思うのですが、そういうところも含めて情報提供をいただきつつ、連携していきたいと思っておりますので、この記載については特段意見はないと言いますか、これで問題ないと思っております。
○岡部委員長 この委員会とは関係ないのですが、なでしこのポスターをあまり巷で見かけないのです。あれはどうなっていますか。あれはかなり回っているという話も聞いているのです。
○知念参考人 普及啓発のため、昨年のワールドカップ優勝を受けて、なでしこジャパンのポスターを作って、対象学年の中1と高3の児童生徒全員に配ることにはなっております。ただ、確かに見かけないという声も聞きます。
○岡部委員長 あれをもうちょっと見やすく、分かりやすくどこかに引っ張り出せるように宣伝しておかないと。折角の火が消えないうちにもうちょっと見ていただくと、あれはアトラクティブだと思うので、よろしくお願いします。学校側はいかがでしょうか。
○増田委員 先ほどのなでしこジャパンの啓発のパンフレット等については、学校には配られておりますし、カラー刷りではないのですが、個別の勧奨をするためにまた増刷りして、子どもたちにも再度配るということを繰り返しています。
 普及啓発についてですが、学校関係で申し上げますと、麻しんそのものを含めた感染症の学習については、各学校の年間指導計画の中に特に入れていないのです。保健体育や総合学習で、健康等に関する学習は当然あります。薬物濫用防止とか、性教育とか、生活習慣病といったことは保健学習という位置づけで、義務教育の9年間を見通して小中連携を図りながら、年間指導計画に位置づけているのです。ところがインフルエンザ等を含めた感染症等については、保健指導ということで時期時期に応じて、あるいはインフルエンザは例年、大体2学期の後半から流行してきていますので、その前段に保健指導という形で、特別活動の朝あるいは放課後等のホームルーム等を使って、指導的なことが多くなってしまいます。
 そういった意味で正しい理解を子どもがしていき、その学習を基にして保護者にも子どもから伝えて、予防接種を主体的にしていくという考え方、あるいは麻しんの排除に向けて、一人ひとりの取組みをしっかりしていくということを考えたときに、やはり今後は保健学習に位置づけて、重要な項目の1つということで、感染症をかなり重視して扱うような指導をしていけるといいと思っております。当然、学校によっては重視して保健学習に位置づけて、年間指導計画に入ってやってくれている所もあるのですが、そこら辺の啓発が校長としても弱い部分があり、なかなか定着していないところがあるかなと。今回、こういったことを含めますと、そこら辺の啓発も学校の中でしていくと、だいぶ変わるのではないかと考えているところです。
○岡部委員長 知念参考人、今のことについてほかに何かありますか。
○知念参考人 感染症全般については、小学生のうちから手洗い・うがいを含めて、学習指導要領の中に具体的に位置づけられてはいるのですが、その教材と言いますか、何をもって感染症を教えるかということについては、特に指定はありません。麻しんを教材にして教えている学校もあれば、麻しん以外の教材で教えている学校もあるというのが現状だと思っております。文科省としては、中学生を対象にした副読本の中で、麻しんワクチンについて1項目設けており、そこで取り上げております。
○岡部委員長 指導要項にも、予防接種の重要性というのが今度から入っていると思うので、副読本なども大いに利用していただければ、そこの部分があると思うのです。
○中野委員 先ほどの知念参考人、増田委員のご発言とも関係するかもしれないのですが、15頁の五の「普及啓発」の文言についてです。下から2行目の「国民に対し、麻しんに関する適切な情報提供を行うよう努めるものとする」という所を、「麻しんとその予防に関する」として、予防を強調してはいかがかと思います。これは麻しんに関する特定感染症予防指針ですけれども、対策としてはサーベイランスもワクチンも予防をいちばんに目指しているわけなので、しっかり「予防」という言葉を入れてはいかがかと思うのです。
○岡部委員長 これはいいいですね。是非お願いします。それでは報道という立場から南委員、よろしくお願いします。
○南委員 何度か同じようなことを申し上げているのですが、報道ということで申し上げれば、一般に報道機関、メディアというのは、何か起こったことやニュースが基になって動くので、ニュースが中心になります。大流行なり予防接種の問題なりが起こりませんと、なかなか大きな扱いができないわけです。今後、もちろんもうちょっと地道な感染症予防のキャンペーンなどがあってもいいと思いますけれども、メディアだけにそういったことを期待していただいては、なかなか難しいということがまず根底にあります。やはりこれはメディアの役割ということだけではなくて、学校教育、家庭教育、社会教育全体で国民に対するヘルスサイエンスに基づいた健康教育と言うのでしょうか。そういう一環で、麻しんだけではなく、感染症の予防教育というものをもう少し考えないといけないのではないかというのが私の意見です。これは特定感染症予防指針の話ですから、もちろんそれをここに刻めないことはわかっていますけれども、そういうことだと思います。
○岡部委員長 材料も報道に対して流さなくてはいけないので、そこについては国も感染研も自治体も、いろいろな情報を提供しておくことも必要だろうと思います。そこが連携だと思いますので、是非よろしくお願いします。いままでの部分が今回、修正・改正していく所ですけれども、ここでの議論として、ほかに何か追加のご意見はありますか。
○竹田委員 3頁の三の「麻しんの届出基準」で確認したかったことと、誤解のない文章にしたかったので申し上げます。「IgM抗体検査の実施と、遺伝子検査等のための検体の提出」と書いてありますけれども、IgM検査はいま、公的機関では実施しておりません。ですから先にこちらが入ってくると、まるでIgM検査の実施の検体も提出するような文章に読めてしまうので、その違いがわかるような文章によろしくお願いします。
○岡部委員長 これは文言の上で工夫できますか。竹田委員がおっしゃったのは、IgMは民間ラボでやることが多い、あるいはそこの医療機関のラボでやるので、衛生研が関与するような検査ではないということで、よろしくお願いします。それでは網掛けの部分は、また次の会以降ということにします。今日はいろいろなご意見をいただいて、まとめて委員会案として最終的に提出するというようにしていきたいと思います。それでは議論を進めていきたいと思います。議題としては「その他」になっておりますけれども、その他はいろいろな情報の共有という意味でも重要なところだと思いますので、少し時間をかけて、それぞれの資料の説明をいただきたいと思います。最初は資料2に入っていくと思います。「これまでの麻しん・風しんの予防接種の実施状況について」です。これは多屋委員から提供いただいているので、多屋委員、お願いします。
○多屋委員 「これまでの麻しん風しんの予防接種の実施状況について」という表と途中に日本地図がある、この資料でよろしいでしょうか。お手元の資料を、頁数も多いので簡単に説明させていただきたいと思います。めくっていただきまして左側が麻しん、右側が風しんの含有ワクチンの接種率で都道府県別に記載しております。それぞれの期で95%以上を目標としておりますので、それが達成されていますとオレンジ色が掛かっていることになります。
 ご覧いただきますように、1期、1歳のお子さんでは、95%以上を2011年度も引き続いて達成しております。2期・3期・4期と年齢が上がるに連れて若干接種率が下がってきておりますが、これはあとでも述べますが、接種率は年々上がってきているところです。
 頁をめくりまして次が、第1期・2期の接種率が高い都道府県の順番に記載したものです。同じく色が付いているところは、95%以上の目標が達成されている所です。
 6頁が3期・4期、これは中学1年生、高校3年生相当年齢の方の接種率です。こちらは残念ながら目標まであともう一息というところですが、2011年度、両方ともいずれも初めて全国平均80%を超えた所は大きい、最近の対策の成果かと考えています。ただ、1期・2期・3期・4期ともにそうなのですが、都道府県によって接種率の差が20ポイントぐらい出てしまっているところが現状かと思います。
 8頁、これは2010年度と2011年度の3月末の結果を比較したものです。1期は、引き続き95%以上達成されていますが、接種率が若干、0点1、2ポイントの差ですが、少し下がってきているので、これが95%を下回らないように、引き続き1歳になったらすぐの接種は勧奨をしていかないといけないと感じました。
 第2期は、本当にあと一息で目標の95%以上で、これが達成されると、麻しん排除に至るための目標である1歳以上の年齢コホートで、95%以上の抗体獲得に結びついていくと思います。
 3期・4期も、これまで接種率が伸び悩んでいた県で、自治体の努力、あるいは医師会の先生方の努力によって接種率が上がってきているのは、対策の成果かと思います。ただ、これに満足することなく、現在も60%、70%という接種率が続いている所においては、この年齢層ではどうしても引き続き何回か繰り返した個別の接種勧奨が必要で、それには学校関係者の先生方のご指導が重要なのではないかと感じています。
 9頁は、政令指定都市の19市の結果です。政令市は人口が多く、そのあとにある中核市や特令市などと比較しますと、接種率が若干低い傾向にあります。それでも1期は、96.8%と非常に高い接種率が維持されています。2期が92.9%、3期は、特に京都市が高いです。最初はそれほど高い接種率ではなかったのですが、途中から市を挙げた対策の成果で、たしか国の麻しん対策推進会議にも来られていたと思うのですが、97.4%と非常に高い接種率を維持されています。
 4期については、高校3年生相当年齢というところから、医療機関に行っての接種がなかなか難しい年齢ではありますが、接種率が高い市もございますところから、何とか引き続きお願いしたいところです。60%台となりますと、半分弱の人が2回目を受けずにこのあと大人になっていくわけなので、将来のことも考えて是非個別勧奨が必要かと思います。
 そのあとは、中核市別、特例市別、特別区別に1期・2期・3期・4期の接種率が集計されており、それぞれここに記載しているとおりです。95%以上達成されていると、色が掛かっています。
 25頁には、2011年度のみの措置ではありましたが、高校2年生相当年齢の方に対して、学校から海外に修学旅行や研修旅行等に行く場合には、定期の予防接種として受けられるようになったという制度がございました。これを活用して受けている子どもたちも全国では10万人を超える人数となっており、この制度があったお陰で、ワクチンを定期接種として受けて海外に行くことができた子どもさんたちが、これぐらいいらっしゃったのかと。予想よりは多い接種率だったと感じました。ただ、海外に修学旅行に行く学校が多い、少ないによって、県の接種率に差がありますので、これはそういう見方をしていかないといけないと感じました。
 26頁からが、日本地図にまとめたものです。ここからはいちばん接種率が高かった所と低かった所は記載していますが、今日、遠藤先生もお越しですが、福島県では東日本大震災という大きな災害を経験されました。特にその次の頁にある3期・4期、比較的大きな年齢の子どもたち、中学生や高校生よりも、1歳や小学校に上がる前の幼児、小さいお子さんの方は、まだ県外に避難をされているとか、接種を受けるのが難しい環境のままお過ごしの方がいらっしゃるのではないかと思いました。こういう子どもたちにも是非引き続き接種を受けていただけるように、国としても何らかの措置を取っていただけると嬉しいと感じたところです。
 28、29頁に行きますと、中学1年生、高校3年生の接種率を日本地図にしたものなのですが、これはあとのほうでも述べますが、大都市圏を含む都道府県で特に高校3年生相当年齢の接種率がまだまだあと一息という所がございます。
 30、31頁、麻しんと風しんのワクチンの接種状況調査については、国を挙げて行われており、都道府県、市区町村が毎年3回この接種率調査に協力をされています。ほかのワクチンではなかなか見られない迅速な結果の提供が、接種率の向上につながっているように感じています。
 上半期、9月末ですと、ほとんどの所がまだ75%に満たない接種率なのですが、できたら2期・3期・4期は、4〜6月での積極的な勧奨を進めているということから、受けてくれる人がここでもう少し多くなってくると、最後駆け込みで接種ということにならなくてもいいのかとは感じます。赤い色の所が95%以上達成で、最終的には2期はほとんど90%以上となってきております。
 3期・4期については、最後の3カ月での伸びがいちばん大きいのかと。真ん中の日本地図は、学校にとってはちょうど10、11、12月ですので、いろいろな学校行事等もあって、接種の勧奨が行われても、接種を受ける人は1、2、3月のほうが多いのだということがわかりました。高校3年生相当年齢は、1月以降は学校にほとんど来ないと思っていましたので、ここは少し意外で、国の麻しん対策推進会議で結果が公表されるのが、あと3カ月の年明けすぐと3月ですので、そういう結果の公表というのも、あっ、もうすぐ終わりだと思ってもらえるきっかけにつながっているのかと思いました。
 最後の33頁からは、3期・4期の経過措置がすでに4年目に入り、4つの日本地図が載っています。1期・2期は2012年度までの時限措置ではなく、これからもずっと続いていくことなのですが、1期については引き続き95%以上が維持されるように、福島県だけ色が少し変わってしまっていますが、受けにくい環境にあった子どもたちが是非今後受けていただける制度をつくってほしいと感じます。
 3期・4期についても、赤い系統の色の県がだんだん増えてきているのがわかります。これは理由がわかりませんが、日本海側、北陸、東北地方に接種率の高い県が多くて、西日本のほうが90%以上の接種率となる県が若干少ないという傾向は、4年間ずっと通して見られているところです。
 最後の第4期については、平成23年度について75%未満というのは、4人に1人以上が受けていないことになるわけですが、東京、神奈川、大阪といった大都市圏を含む都道府県でこのような現状です。これは、またあとで川崎市の先生からも現状をお話いただけるのかと思います。資料2-1については、こういったところです。
○岡部委員長 続いて資料2-2もお願いして、そのあとでご意見があれば伺いたいと思います。
○多屋委員 資料2-2は、厚生労働省が全国の都道府県に対して、一昨年から調査をされている都道府県における麻しん対策の状況と予防接種の状況調査のまとめをしたものです。Q1は、麻しんに関する特定感染症予防指針にもありましたように、都道府県レベルの麻しん対策会議を設けて、麻しんの予防に努めることが法律にも規定されております。この会議を何回されたかという回数をグラフ化したものです。日本地図にしたものです。
 麻しんの患者さんが減ってきたことを受けて、会議の回数自体は平成22年度より平成23年度のほうが少なくなっているとは思いますが、この2年間一度も開催されていない県もあって、そういった所ではどういったところで麻しん対策について議論されているのかという疑問もありますが、このような状況であることがわかります。
 3頁は、麻しん対策には実施要領の整備とか、麻しん対策に予算が付いているかとか、麻しん対策に関して研修会が実施されているか。あるいは、1人出たらすぐ対応が行われているかという疑問があると思います。それを平成22年度と平成23年度について、比較できる部分については比較してみました。
 Q1-2-1、1-2-2、1-2-3に平成22年度がないのは、平成22年度はもう少しざっくりとした質問で質問されていたために、具体的に何が行われているのかが分からなかったということから、平成23年度は具体的にこういうことがなされていますかという質問項目にされました。
 その結果ですが、実施要領の整備は、約半数で、東日本が多いと見えます。それから、予算化されているかどうかについては、予算化されていなくても非常に熱心に取り組んでいただいている都道府県もあると、この日本地図を見て感じます。
 研修会の開催については、おそらく集団発生があったりすると開催されていることが多いと思いますが、教育や国民への情報提供が必要ということも先ほどからの議論にもありました。今後は、患者さんが少なくなったからそれでおしまいにならないような対策が必要と感じました。
 Q1-2-4は、本当にこの数年間の大きな変化を感じます。1人出たらすぐ対応ということを5、6年前にお話しますと、そんなことはできるわけがないと言われたのが当たり前の時代でした。しかし、いまは1人出たらすぐに対応を取る病気なのだ、それだけ重症で感染力が強い病気なのだというのが理解されてきて、全都道府県が2年続いて対応を取られているということは、成果の1つと感じます。
 次をめくりまして6、7枚目のスライドです。予算措置がされていないと、予防接種には数千円から1万円程度の費用がかかるのですが、定期接種以外の年齢層に予算化されていますかという質問については、東京都だけが「はい」だったのですが、このような状況でした。
 麻しんの予防接種率の上昇には、全体に対する啓発も必要ですが、受けていない人に粘り強く何度か個別に接種を受けていただけるよう勧奨していくことの重要性が、これまでもずっと議論されてきています。
 それがQ2-1とQ2-2と思うのですが、市区町村においては1期・2期・3期・4期の接種率を速やかに把握して、それを接種率向上に結びつけていただいている所が増えてきている。非常に多いと感じます。一方、Q2-2にあるように、学校においての接種率は、学校における麻しん対策ガイドラインで「是非、都道府県の麻しん対策会議のほうに接種率を報告してください」と記載があるのですが、これがまだそれほど全国で行われていないのではないかというのが、この日本地図から感じられました。市区町村にとっては、任意接種で受けた方の割合は把握が非常に難しいと思います。でも、一方、学校での接種率を調査されると、ご本人が受けているのか受けていないのかを回答していただくこともできるので、学校での接種率を把握することで、わかりにくい部分の把握につなげられるのではないかと感じています。
 Q3は、ほとんどすべてに近い都道府県で実施されているポイントで、これは麻しん排除に向けてはとても重要なところです。麻しんは臨床診断のみに終わるのではなく、またIgM検査のみに終わるのではなく、地方衛生研究所で麻しんウイルス、ウイルス遺伝子、いわゆる麻しんウイルスの直接検出を行う検査診断を全例に対して実施していくのがますます重要になってきていますが、まず検体の搬送体制は全都道府県で構築されていました。
 10頁に行きまして、迅速なRT-PCR法による診断もすべての都道府県で実施可能という回答になっており、これはこの5年間の成果だと思います。
 最後のQ3-3が1件だけ、京都府だけなのですが、いいえでした。平成22年度は、「集団発生が起こっていなくても、散発例に対しても検査診断を実施されていますか?」については、全都道府県は「はい」という回答だったのですが、平成23年度は、散発例に対して「いいえ」の回答をいただいているのは、どうしてかと思いました。
 Q4-1については、上と下に平成22年度と平成23年度になっているのですが、このあとで発表する三崎先生の市区町村での実施状況の結果とリンクしていきますので、詳しくはそちらで聞いていただいたほうがいいと思うのですが、受けていない人には「今度あなたが受ける対象だよ」ということを個別通知していただけることで、接種率向上につながるのもこれまでの結果からわかってきています。個別通知が実施されていない県はだんだん少なくなっていますが、現状はこのような状況です。
 14はここも非常に大事なところですが、予防接種台帳は未接種者を把握するための重要なシステムであり、ツールだと感じています。これがありますかという質問については、まだ「いいえ」という都道府県もございますので、これは麻しんに限らずですが、整備されていくといいと感じました。
 接種を受けやすい環境づくりについては、接種の費用負担ですが、ほとんどの都道府県で全額公費負担をしていただいています。「一部自己負担です」と書いていただいている都道府県についても、ここにあるように「指定医療機関以外で接種した方だけです」であり、全都道府県、全市区町村で接種費用を全額負担して、接種者の費用負担なしとしていただいています。財政が厳しい折、受けやすい環境づくりにはありがたいことと思います。
 18、19については、中学校1年生や高校3年生ですが、以前行われていた集団接種とは明らかに異なるということを是非ご理解いただきたいのですが、学校という場所で「集団の場」を用いたあくまでも個別接種です。一人ひとりの問診票をきちんと読んで、先生の診察があって、準備がしっかり整えられた上での「集団の場」を用いた接種が行われているかどうか、その市区町村の数を回答いただいている質問になります。数十の市区町村で「集団の場」を用いた接種を行っておられる所もあり、そういった所での接種率と見比べていく、今後はそういったことも必要かと思います。例えば、平成23年度のQ7-1に挙がっている県では、接種率も高くなっているのかを見ていきたいと思っています。
 Q9-1、Q9-2、そして最後の頁ですが、東日本大震災という大きな震災がございました東北地方では、これに対して平成22年度は、多くの所で定期接種の実施に「困難であった」という回答をいただきましたが、平成23年度、その都道府県は減っています。ただ、平成23年度も継続して実施の状態に困難が生じているという市区町村が、特に福島県では多く、先ほどお話した第1期・2期の接種率が、以前高かったのが少し低くなってきている所は、こういった影響が出ているのか。こういった子どもたちが接種を受けやすい環境づくりを是非お願いできればと思います。
 最後の頁は、今どういうところに混乱を来していますかという質問に対する回答ですが、平成22年度は「接種会場が被災されてしまった」とか、「ワクチンの供給が難しかった」「保管が難しかった」というところにメインの回答をいただいていたのですが、平成23年度は全く傾向が変わってしまって、実施主体以外の所で接種した場合の事務的な対応が非常に難しいと、「県外接種の対応困難」「対象者へ通知する、それを把握することに支障がまだ残っている」「予防接種に関する事務手続き困難」といったところが目立つようになってきているのが、この調査の結果かと思います。
○岡部委員長 ただ膨大なデータのご説明をいただいたのですが、大変な努力があちこちであったと思うのですが、小さい子どもたちについては接種率95%以上というのが維持ができていて、3期・4期もとにかく80%を超えてきたという意味では、大変向上していると思うのです。しかし、特殊な事情といいますか、未だに大変いろいろなことを解決しなくてはいけない東北地方では、はしかまで構っていられないという言い方はあれですが、十分にできかねる状況があるのも理解できたと思います。遠藤委員、全体でご意見がありましたらお願いします。
○遠藤委員 多屋委員から全体的なお話がありましたので、福島県は第1期・2期が47位という立場から、その理由を考えさせていただいた5点について述べさせていただきたいと思います。1つは、住民の居住地外に避難しているという状況ですし、その数については、現在、県内については約10万人、県外には約6万人、全体で約16万人の方が県内外に避難している。そのうち子どもさんは約3万人避難している。特にお母さんと子どもさんが一緒に県外に避難しているパターンも多いように聞いております。
 今日の新聞にたまたま、学校基本調査の福島県の園児・児童・生徒数が5月1日現在について発表されましたので、24万3,977人中、前年度同期に比べて9,642人減少したと。前年度は1万7,160人より縮まったものも、実際にはこの園児・児童・生徒以外の乳幼児の方は含まれていませんが、その実態が把握されてない所で、特に1期に関しては低い、2期もそれに伴うものと考えております。
 2つ目は、行政当局、多屋委員からもありましたように、医療機関の被災という点が考えられます。
 3つ目は、これは平成22年度に特化してだと思いますが、医薬品の確保困難というところです。
 4つ目については、厚生労働省からすでに平成23年3月16日に、震災に伴う予防接種の取扱いは、申出があれば被災元の方が避難先でも予防接種が受けられるという通知が出ております。4月22日の事務連絡としても、麻しんがその当時、東京都と神奈川県で4月11日から17日に発生したということで、業務担当あるいはボランティアの方に、4月22日に予防接種の推進を事務連絡として厚労省から発信していただきましたが、現場の市町村、県としては、業務として震災あるいは原発の復旧・復興に向けてというところで、優先順位が少し下がったのかということです。
 5つ目は、震災と東京電力福島第一原子力発電事故に伴い、県の麻しん対策会議が平成23年度は開催されずに、その詳細な、予防接種率の低い実態把握、評価分析、その対応のきめ細かなことが、平成23年度4月から春、特に春にかけての対応がなされなかったのは、多屋委員のデータにあるとおりです。
 今後とも国立感染症研究所の皆様方のご助言もいただいて、福島県では対応しているところですが、今後とも福島県としては直ちに麻しん対策推進会が開催されるように、私どもからもお願いしている状況で、福島県の予防接種率が特に低いという低下の考え方、今後の対応について述べさせていただきました。
○岡部委員長 大変な事情があるので、いろいろ困難も多いと思うのですが、一日も早く全体に復興されることをお祈り申し上げます。他にご意見はありますか。95%達成したからこれでおしまいではないので、これは維持をしていかなくてはいけないため、これからその説明などをご理解いただくのは大変な部分があるとは思いますが、是非維持をしていくということでよろしくお願いします。
 少し議事を進めて、あとでまた総合的にご意見をいただければと思います。いまのは全体ですが、今度は全国市町村における麻しん対策の実施状況ということもまとめていただいているので、三崎参考人、よろしくお願いします。
○三崎参考人 よろしくお願いします。お手元の資料2-3をご覧ください。全国市区町村における麻しん対策の実施状況に関して、2008年度から2011年度の4年間についてアンケート調査を行いました。お手元の資料に示しておりますように、研究事業の一環として実施しました。麻疹含有ワクチンの接種率と、市区町村で行っている麻しん対策の状況を今後は比較し、2012年度の麻しん排除の達成・維持に向けて、より有効な対策を検討することを目的としております。
 次の頁をお願いします。対象と方法ですが、2008年度から2011年度までの4年間における全国市区町村1,742カ所における麻しん対策の実施状況について、ハガキによるアンケート調査を行いました。接種勧奨や「集団の場」を用いた接種の有無、麻しん確定症例発生時の対応などについて、調査をしております。厚生労働省から、国の審議会で基礎資料として使われる予定であることを連絡いただいております。
 下がアンケートの質問項目になりますが、全部で1から17までの質問を行いました。1、2については、接種台帳が電子化されているか、すなわち、速やかな接種状況の把握ができているかという質問になります。質問項目3から6までは、接種勧奨の状況がいかなるものかという質問の内容です。7、8については、学童期以降、小・中・高校におけるワクチン接種の状況の把握。9は、全額公費負担になっているかどうか、接種費用についての設問です。10、11については、中学・高校、第3期・4期について「集団の場」を用いた接種を行っているかどうかです。12は別の質問になりますが、接種率の特に低い地域がその市区町村内にあるかどうかという設問です。13については、例えば、近隣の市区町村において麻しん患者が発生した場合に、その速やかな把握ができるかどうかです。14から17については、都道府県が主に主体となって実施している、麻しん患者が発生した時点での対応、検体搬送、検査の状況などについての質問になります。
 引き続いて、この質問項目に照らして結果を報告したいと思います。スライド5の表をご覧ください。回収率ですが、全市区町村での回収率は、お示しのように77%と非常に高いものでした。指定都市から市区町村に至るまでに区分けをして回収率をお示ししておりますが、指定都市から特別区までは85%以上で非常に高かったのですが、市町村になりますと回収率は少し低くなっております。
 下のグラフは、都道府県別の回収率に書き直したものです。非常に高い93.3%の富山県から26.3%ととても低かった島根県は67ポイントの差がありますが、こちらについては今後また調査をして、なぜ低かったのかを調べたいと考えております。
 次の頁、スライド6をお願いします。アンケートの回収率については、先ほどのアンケートの質問事項と照らし合わせて見ていただければいいかと思いますが、1から12までについては非常に高くて、おおむね90%以上の回答率を得ております。14から17については、先ほどお話しましたように都道府県の対応になりますので、こちらは少し低い回答率のものもありました。
 下のグラフになります。質問の1から15までに対しては、「有」「無」で回答していただく質問項目になっておりますが、「有」と回答した割合をお示ししています。1、4、6についての質問は、この4年間において年々増えていっております。1は台帳が電子化しているか、質問4は未接種者に対して勧奨を行っているか、質問6は就学時、小学校に入るときの接種勧奨を行っているかです。これは徐々に上がってきております。
 質問項目9の公費負担に関しても、ほとんど100%に近い「有」と回答した市区町村がありました。10と11については少し低いのですが、これは「集団の場」を用いた接種を行ったことがあるか、あるいは行っているかです。10が中学校、11が高校になります。
 戻って7、8は、学童期以降の接種率を速やかに把握しているかですが、これは少し低い回答でした。
 12は特に接種率の低い地域を市区町村内に抱えているかですが、2%程度ではありますが、そういう市区町村がありました。13については、近隣の市区町村で麻しん患者が発生した場合に、その速やかな把握ができるかです。6割強の所で把握をしているようです。
 結果になりますが、いまお示しした内容をまとめたものです。スライド8になります。8月1日現在で1,342カ所、回収率77%ですが、そちらの市区町村から回収をいただきました。ワクチン接種状況の把握の有無、接種方法、接種勧奨方法に関する質問への回答率は、おおむね95%以上で非常によかったです。予防接種台帳を電子化している市区町村は80%以上、速やかな接種率の把握や接種対象者への個別通知などをしているは、おおむね90%以上の市区町村で実施されておりました。
 未接種者への個別接種勧奨は、4年間で84.8%から88.7%に増えています。就学時健診での接種勧奨も73.5%から76.4%と徐々に増えていますが、小学校以降の学校における接種率の速やかな把握や「集団の場」を用いた接種を実施している市区町村は、50%に満たなかったです。「集団の場」を用いた接種は、第3期が24.1%から25.3%、第4期については9.6%から10.6%でした。
 「当該自治体内にワクチン接種率が特に低い地域がある」と回答されたのは、2%程度でした。麻しん症例発症時の検査体制などは、都道府県が中心となって実施しているために、市区町村からの回答率は低かったです。ここでは結果をお示ししてないのですが、約15%の市区町村ではワクチン接種を県内全域など広域の医療機関に委託して実施しておりました。
 下が結語ならびに考察になります。今回のアンケートは市区町村を対象に実施していて、回収率は非常に高かったです。これは実は、厚生労働省から都道府県への調査協力依頼と調査に関するQ&Aが送付されたあとに回収率が急増しております。都道府県間で回収率に少し差の認められるところがありました。迅速な対応や検査診断の実施体制に関わる質問については回答率は低かったのですが、それ以外についてはおおむね良好な90%以上の回答率を得られております。
 先ほどお示しした年々増加しているという台帳の電子化、未接種者への個別勧奨、就学時健診での接種勧奨などは、徐々に増えておりました。麻しんワクチンの接種費用に対する全額公費負担は、99%以上の市区町村で実施されておりました。
 乳幼児期の麻疹含有ワクチンの接種率や接種状況の把握は非常に良好だったのですが、残念ながら学校での接種状況の把握に関する質問項目は、いずれの年も少し低かったので、もしかしたら学校と市区町村との連携を強化する必要があるかもしれません。
 ワクチン接種率が特に低い地域を持つ自治体が約2%程度存在しておりましたので、今後はこれらの地域で接種率が低い理由を調査検討し、その地域の事情に合わせた支援内容を検討する必要があるかと考えられました。今後は、麻疹含有ワクチンの接種率と今回の調査で得られた対策に関する実施状況の検討について、接種率と併せて実施する予定にしております。
○岡部委員長 これも大変きめ細かいことをやっていただいて、いい所では予防接種台帳の電子化割合とか、個別接種勧奨を進めている所が増えてきたり、就学時健診でも促している所が増えつつあるというところで、いろいろな成果が出ていると思います。一方、学校卒業以降がなかなか把握しにくいといった問題点も出てきています。
 時間の関係もありますので、とりあえず今のところと定期接種の問題、それから任意接種も含めて、先に資料3、4まで一応ご説明いただいてから、ご意見をいただきたいと思います。資料3、4は、また多屋委員ですが、よろしくお願いします。
○多屋委員 資料3については、先ほどお話した接種率から、前回お示しした様に未接種者の数を推計したものです。2008年度から2011年度までの4年間で、麻しん含有ワクチンを1期・2期・3期・4期の時期に受けなかった方が全国で225万3,402人、風しん含有ワクチンは224万7,786人が、この定期接種の期間に受けられなかったということが、今回の調査でわかりました。
 今年度はこれが少なくなってくることが望まれるのですが、2008年から2011年度は、未接種者の数としては減っているということは、このグラフから見られるのですが、やはり中1、高3相当年齢の方の未接種者が、蓄積しているということがわかります。
 それと関連して資料4は、以前からもお話をしている抗体保有率の結果です。抗体保有率の調査は、感染症流行予測調査事業という、世界にもあまり例のない調査です。国民の抗体保有率を毎年調査しているという、素晴らしい事業だと思うのですが、1頁目は調査に協力していただいている都道府県の名前が書いてあって、大体全国の半分の都道府県が、この調査事業に協力をしていただいています。
 ただ、1つ説明しなければいけないのは、都道府県と政令指定都市があると思うのですが、政令指定都市が残念ながら入っていませんので、政令指定都市にお住まいの方が、この中に対象として入っていないというところが、1つ理解していただかないといけないところです。
 第2期が5〜6歳、第3期が12〜13歳、第4期が17〜18歳という年齢です。ちょうどグラフの1:128以上の抗体保有率、カラーでご覧いただける先生は緑のバツ印になっている所ですが、ちょうど2回目を受けるところ、2回目を受けずに待っているところで、抗体保有率が低いというのがわかります。
 一方、PA抗体は非常に感度も高くて、これで陰性だと、全く麻しんに対する抗体を持たないということになるのですが、いちばん上の赤い1:16以上のPA抗体価を持っている人の割合は非常に高くなっていて、2歳以上で95%以上を達成していないのは、唯一4歳のみというところまで来ています。
 以前はこれに加えて、小学校から中学校、高校世代の子供たちのところに、たくさんの抗体陰性者が蓄積していました。3期・4期の効果で抗体保有率は上がってきているのですが、3,4期を受けなければ感受性者として残ってしまうというのが、問題点と思います。
 1歳刻みにして、抗体陰性(麻しんPA抗体価1:16未満)ですから全く抗体がないという人を示します。本来ならばPA抗体は、1:128以上はほしいです。1:16、32、64くらいの2桁のPA抗体価ですと、流行すると軽くかかってしまう、発症してしまいます。中和抗体をお持ちでない方がこの中にいらっしゃいますので、本当は1:128以上ほしいところですが、全く持っていないという抗体陰性の人を、ざっくり推計してみますと下のグラフに示すとおりです。これは2011年度の結果なので、ピンク色のグラフは2011年度以降に定期接種として、まだ1期・2期・3期・4期の機会が残っている人です。ですから昨年、そして今年度、受けてくださりさえすれば、ここがぐっと減ってくるという期待が持てるところです。
 ドットになっている所は、この年齢の半分は既に定期接種が終わってしまっている人です。2期・3期・4期は学年で接種されているので、半分は既に機会が終わっている年齢です。
 グリーンの斜線は、既に2期・3期・4期の機会が終わってしまって、あとは自分自身でワクチンを受けるしか方法がないわけですが、9〜10歳よりも14〜16歳、それから19〜21歳のところで、麻しんPA抗体が陰性という人が多く、年齢が上のほうが多いというのがわかります。すなわち2期よりも3期、3期よりも4期のほうが、接種率が低いことが、この結果からわかります。
 一方、グリーンで色を塗っている所は、定期接種として1回だけ接種機会があった人です。1回のみの接種では抗体がつかない人が5%未満いる。接種から10年くらい経ってくると、抗体が減衰してくる人がいるというのは、いままでも言われていたとおりで、このグラフに記載している人は、推計ですが全く麻しんの抗体を持っていないので、かかってもいないし、ワクチンも受けていないか、ワクチンを1回だけ受けたのだけれど、プライマリー・ワクチンフェイラーで免疫がつかなかった方が多く含まれていると思います。
 一方、40歳以上の人は、定期の予防接種としては機会がなかったのですが、麻しんにかからずに済んでいる人が、まだ若干いらっしゃるということが、このグラフからわかってきます。ざっくりの推計なので、これからもう少し詳しく出していかないといけないと思うのですが、60歳未満で227万人くらいの方が抗体陰性、全く免疫がない状態でお過ごしになっていらっしゃるということがわかります。
 あとのグラフはこれまでも示したとおりなので、今回詳しい説明は省略しますが、PA抗体価1:16以上の割合は年々増えてきています。できれば1:128以上の抗体を持っていてほしいのですが、それを持っていない人はちょうど2期を受けていない、3期を受けていない、4期を受けていない、それを待っている人のところに蓄積しているというのが、このグラフからわかります。
 なぜ2回接種を求めているかというのが4頁目ですが、1回だけですと水色の人は、抗体がつかなかった人。たぶんプライマリー・ワクチンフェイラーと、あと下がってきた人も含まれると思いますが、5%未満はどうしてもいらっしゃるということと、黄色く色を付けている所は抗体価が十分ではないので、おそらく周りに患者さんがいると、軽く発症してしまうだろうという人ですが、やはり接種して10年くらい経ってくると、その割合が少し多くなっています。10年くらい経つと全員が抗体がなくなってしまうわけではないのですが、1割から2割の人は、1回だけの接種ですと免疫状況が、不十分になってしまう人がこれくらい出てくるということがわかります。
 最後の頁は、2回接種を受けた方の抗体保有率です。抗体陰性者はほとんどいなくなっています。若干抗体が足りないという人は接種後20年、30年経ってくると出てくるのですが、1歳から4歳で抗体陰性者がいるのは、0歳で受けた方も回数に含められいるからと考えています。これらの人も2回接種に含まれてきいます。米国等では0歳での接種は回数としてカウントしないのは、こういうところも影響しているかと思います。
 あと、ワクチンを受けなくても、いまくらいの日本の麻しんの流行状況ですと、20代、30代になっても1:16未満、いわゆる抗体陰性の人がいますので、麻しんにかからずに済んでいる方がこれくらい、まだいらっしゃるということを示しています。以上です。
○岡部委員長 ありがとうございました。これも資料の説明なので、淡々といってしまいますが、もう1つ、資料5の任意接種についての割合を、これは事務局のほうから説明をお願いします。
○結核感染症課長補佐(梅木) では、資料5に移りまして、「麻しんの任意接種者数の推計」というものになります。これは、任意接種者数自体を把握はしていませんが、ワクチンメーカーから提供いただいた麻しん含有ワクチンの出荷量から、1年間の定期接種者数を引くと、おおむね任意接種者数に近いものになるのではないかということで、出した数字になります。
 平成20、21、22、23年度、各々のワクチン出荷量から、1期から4期までの定期接種者数の合計を引いたものが、いちばん右の数字になっていまして、平成20年度は36万283人相当、平成21年度は28万1,589人相当、平成22年度は33万5,748人相当、平成23年度は14万3,242人相当の任意接種者数の概算になります。ただし、この数字にはワクチンの廃棄等が含まれていますし、接種した年齢自体もわかりません。あくまで目安ということになります。
 また、平成23年度は先ほど多屋委員からのご説明のとおり、高校2年生も定期接種として接種が行われたということもありまして、任意接種が減少しているのではないかと推察されます。以上です。
○岡部委員長 ありがとうございました。たくさんの資料を出していただいて、それぞれの担当の方、ありがとうございました。ここで少しご質問、あるいはご意見があればいただきたいと思うのですが、定期接種の状況、抗体保有率、自治体の取組みといったようなところでの成果、それから不足分が明らかになってきていると思うのですが、何かご意見がありましたら、どうぞお願いします。
○中野委員 資料2-3の結果の所で少し教えていただきたいのですが、予防接種台帳の電子化、スライドの8番になりますね。予防接種台帳の電子化と、未接種者への個別接種勧奨、岡部委員長からこれはとても大事なことで、80%を超えてきたのは私も素晴らしいこと、いいことであるとは思うのですが、おそらく人口の多い自治体というのは、電子化や個別接種勧奨が遅れていた傾向があったと思うのです。これは、自治体の数としては8割という理解でよろしいのでしょうか。人口ベースにすると、どれくらいをカバーできているというデータはありますか。
○三崎参考人 そこまで、まだ調査・解析をしていませんので、とりあえずこの回収率と回答率等についてだけ、中間報告として今回出させていただきました。人口ベースに変えて、今後調査をする予定にしています。
○中野委員 ありがとうございます。
○岡部委員長 他にはいかがでしょうか。
○知念参考人 教えていただきたいのですが、多屋先生の資料2-2のQ7について、「集団の場を用いた接種」という質問項目がありますが、この集団の場の内容といいますか、学校なのか、もしくは医療機関等で集団接種を行っている場合もあると聞くのですが、その内訳がもしわかれば教えてください。
○多屋委員 申し訳ありません。どこでというところまでは、今回は調査がなされていません。別の調査でわかったことですが、中学生、3期のほうは学校がたしか多かったと思うのですが、第4期は学校よりも、むしろ保健所ですとか、保健センターですとか、学校以外の所が多かったように思います。まだこれは、調査が行われていないというのが実態です。
○知念参考人 ありがとうございます。
○岡部委員長 ありがとうございました。それでは、これの資料は次の議論の参考資料にもなってくるので、少し議論を進めていきたいと思います。次は参考人として来ていただいた方々から、いくつかご紹介をいただくのですが、文科省のほうから取組みということで、まず知念参考人からお願いします。
○知念参考人 文科省の取組みについて、ご説明させていただきます。資料6をご覧ください。もともと麻しんは学校保健安全法において、出席停止を求める疾病として指定されていましたので、従来そのような観点から取組みをしてきたところですが、平成20年からの3期・4期の追加接種を受けまして、主にはその追加ワクチンの周知と、接種の勧奨という観点で取組みを強化しているところです。
 まず取組みの1つ目としては、ガイドライン、リーフレット等による麻しん対策の周知です。平成20年に感染研にて学校における麻しん対策ガイドラインを策定しています。こちらは、麻しん発生の予防や対応、麻しん対策協議会への協力、麻しんに関する基礎知識等についてまとめたものです。
 続いて麻しん予防接種勧奨リーフレットの作成・配布ということで、中学校1年生向け、高校3年生向けのものを、それぞれ作っています。1枚資料をおめくりいただいた所に載せていますが、先ほど委員長からもご指摘がありました、なでしこジャパンに協力を依頼しまして、中学校1年生と高校3年生用への接種勧奨のため、全員に配っています。
 続いて麻しん対策に関する研修です。都道府県の教育委員会や養護の先生方を対象にした全国的な大会の中で、麻しんに関する取組みや対策について説明することで、接種の推奨について協力依頼を求めているところです。
 また、ワクチン接種の促進に関する通知や事務連絡ということで、就学時の健康診断や大学等の入学手続の機会等を活用した第2・3・4期予防接種の未接種者に対する積極的な勧奨依頼や、また、地域部局等との連携、夏期休暇中の接種の勧奨、都道府県の麻しん対策会議等への協力依頼なども行っています。
 ただ、先ほどの多屋委員のご説明では、夏休みに接種を受けている方があまり多くないということでしたので、そちらについてはまた検討が必要だと考えています。
 また、麻しん、風しんの第3期・第4期予防接種の促進について等、予防接種の接種推奨について通知や事務連絡等で周知しているところです。
 また、その他については、就学時の健康診断における予防接種歴の確認と、接種指導の徹底についての依頼ということで、就学前、翌年度以降に入学される子どもに対しての就学時健康診断の際には、もともと予防接種の状況の確認と、接種指導を行っていたところですが、平成23年の事務連絡において、口頭で確認するのみならず、母子手帳や予防接種の証明書等の提示、またはそれらの該当部分の写しの提出を保護者に求めるなどによって、より正確な情報の把握に努めることを求めています。就学時の健康診断ですので、第2期の予防接種の勧奨ということを徹底して依頼しています。
 また、意識の啓発ということで、先ほどのなでしこジャパンのリーフレットですが、こちらのキャッチコピーについて全国公募を行いました。全国から3,900件ほどの応募があり、またこれを契機に、学校において麻しん対策の授業を行ったというご報告もいただいております。文科省の取組みとしては、主に以上のようなものになります。
○岡部委員長 ありがとうございます。これも非常に大きい取組みになっていただいていると思うのですが、何かご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○多屋委員 数日前に大学の先生からご質問があったのですが、3期・4期の接種が今年度で終わった場合に、来年度からは予防接種を受けたかどうかの調査をしなくてもよくなるのでしょうか、というご質問でした。
 大学入学時ですと、第4期の接種を受けているか、小さいときに受けているかの、その2回接種なのですが、今後は中1で受けているか、小学校入学前1年間で受けているかというところも調査をしていただきたいので、接種が2012年度までであったとしても、予防接種歴の調査は引き続きお願いしたいです、というお話をしたところです。
 ですので、例えば3期・4期が終わったとしても、学校で予防接種率を把握して、受けていない人におすすめしていただくというのは、継続して実施していただけるものでしょうか。
○知念参考人 麻しんに限らないのですが、学校においては年に1度、健康診断を行うこととなっており、その中で定期予防接種の接種状況についても確認を求めています。小中高、大学までがその対象であり、今後も毎年健康診断は行います。
○多屋委員 是非よろしくお願いします。
○岡部委員長 3期・4期の議論にはこれから入るのですが、それにしても大学入学前にいろいろなところでチェックをして勧めるということで動いてきているので、いずれにせよ、それは任意接種としてやることになるのですが、そういう機会はできるだけ失わないように、文科省ですと大学は外れるのかもしれませんが、そういったこともこの委員会としては求めていきたいというか、お願いしていきたいと思いますので、その点もご了承をよろしくお願いします。
 それでは、いまのは文科省における取組みで、継続を是非お願いしたいところですが、少し議論をいただきたいので、次のところに時間を取っておきたいのです。はしかの予防接種の3期・4期は一応経過措置で、今年度いっぱいということになっています。それで、今年度いっぱいはどのみちというか、先ほどご発表があった駆け込みも含めて、是非年度内に対象者はMR接種を受けてくださいというのは、これから大きい声で言っていかなければいけないところです。これから3期・4期をどうしようかというのは、この委員会でも、あるいはその前の麻しん対策会議のほうでも、できたら3期・4期、まだ未接種の人の人口200何万というのをどうしようかという議論があったのですが、そうすると実際にそういうことについて、どういう状況にあるか。これは川崎市のほうで中心になって、自治体(政令指定都市)という単位で実情を調べていただいているので、そのご発表のため、今日は平岡参考人に来ていただいています。それでは平岡参考人、よろしくお願いします。
○平岡参考人 川崎市の感染症担当課長、平岡です。それでは資料7で、川崎市のこれまでの麻しん予防接種3期・4期についてご説明します。まず1頁、川崎市の接種勧奨のスケジュールですが、4月下旬に対象者宛に個別通知を送付するということで、それから市政だよりに掲載する等の広報を行っています。
 その後、PTAの連絡協議会にお願いして、保護者向けのチラシを配布しています。学校を通じてだと、お子さんを通じて、そのままなくなってしまうこともあるということから、保護者の方へのチラシの配布を考えてみました。さらに未接種者への再勧奨を2月下旬に行っています。具体的な実施法については、2頁に記載しています。
 まず1回目の個別通知は封書で、4月上旬に、住民登録をもとに、対象者宛に宛名を印刷して、接種に必要な予診票等を封入して、4月下旬に発送しています。川崎市においての、平成24年度の送付数は、第3期が1万1,895人、第4期が1万1,929人の方にお送りしています。封入物の詳細は、吹き出しの中にありますように、予診票の他、説明書、同意書、接種後の注意、医療機関名簿、制度についてのお知らせを同封しています。
 2回目の再勧奨は葉書でお送りしていまして、川崎市は残念ながら予防接種台帳を整備していませんので、接種済の予診票をもとに、11月の時点で未接種者を抽出して、これは手作業で全て台帳から抽出したのですが、それをもとに葉書を、2月中旬に発送しています。
 3頁をご覧いただきますと、接種勧奨に使った帳票類を載せています。本日お持ちした現物がありますが、このような封書と再勧奨の葉書を使って、勧奨しています。
 次に4頁です。今回、3期・4期の最終年度に当たりまして、この制度を振り返って若干の所感を述べさせていただきたいと思います。まず良かった点としては、麻しんや風しんに関する注意喚起が行えたこと、麻しんの患者が減少したこと、風しんについても同時に接種の勧奨を行えたことなどが挙げられていると思います。
 一方、悪かった点としては、対象年齢前に接種を受けた方も相当数いたと推測しますが、私どもが行政として把握する手段はなかったです。2番目として、麻しんの抗体保有率と行政が把握できる接種率に乖離があり、適切な施策が行えなかったことなどが考えられます。また、全国的に接種率が目標より低い状況にありましたことから、経過措置を設けるかどうか、政令市の方々に意見を伺いました。
 次は5頁です。これは私ども川崎市の中に、厚生科学審議会の予防接種部会の委員を務めていただいている坂元医務官がいらっしゃる関係で、私どもが代表という形をとって、政令市にアンケート調査を行いました。その結果、経過措置を行ったほうがよいという意見は1市のみで、川崎市を含め、19市は不要との意見でした。
 また、その不要という意見の中には、この囲みの中に書いてありますが、第1期・第2期と同等の1年間という十分な接種機会が確保されていますし、期間内に何回か接種の勧奨も実施している。それから2番目としては、麻しん風しん予防接種の第1期・第2期や、任意で麻しん風しん予防接種をした方と、他の予防接種の公平性が保たれない。ある程度、1期・2期でも接種漏れがあった場合にも特段の措置をとっていませんので、そういう他の予防接種の公平感が保たれないという意見。
 3点目として、任意で接種を受けている方が把握できないため、経過措置の対象となる方の把握が困難であること。4点目が、経過措置を複数設けることで、市民に混乱が生じることや、予防接種の制度そのものの信頼を損なうことにより、予防接種全体の接種率の低下を招く危険性があるなどの意見が寄せられています。特に他の予防接種に与える影響や、不公平感を心配する声が多くありました。また、経過措置を延長しても、期待できる効果は低いと私どもは考えています。
 続きまして、皆様方はご存じかと思いますが、今回の麻しん風しん予防接種の時限措置と同様に、制度改正に際し、経過措置を行った事例として、風しんの予防接種があります。参考までに、このときの状況についてご説明します。
 6頁をご覧ください。定期の風しんの予防接種が、昭和52年に中学生女子を対象として開始されましたが、平成6年に対象者が生後12月から90月未満に変更になりました。この対象年齢を引き下げたことにより、経過措置が実施され、具体的には昭和54年4月2日から昭和62年10月1日までに生まれた方であって、12歳以上16歳未満の方が風しんの予防接種を定期の予防接種として受けることができるようになりました。
 次の頁に、川崎市の実施状況を記載しました。7頁になります。川崎市では日本脳炎の第3期の通知と一緒に、14歳の方へ個別通知を送付して、また、中学3年生を対象にチラシも配布しました。そのときの接種率は表のとおりです。年代によって異なりますが、15%から32%と低く、同年代、同時に通知した日本脳炎の第3期に比べても、低い接種率でした。
 8頁をご覧ください。その後、経過措置の接種率が全国的にも低く、未接種者が多く存在していたことから、平成13年に接種機会を逃した方に対して、さらなる経過措置を実施することになりました。すなわち対象者及び実施期間に変更はありませんでしたが、年齢要件を撤廃して、16歳を過ぎた方にも再度接種機会が与えられることになったのです。
 さらなる接種機会の延長ということについては、川崎市の広報の対応について、9頁にありますように、一度個別通知を差し上げている関係から、今回の経過措置については個別通知を行わず、市政だより、ポスターの掲示、チラシの配布を行いました。
 その経過措置の結果、接種率ですが、10頁をご覧いただきますと、平成13年の後半、平成14年、平成15年と経過措置を実施したのですが、大幅な接種率の向上には結びついていません。
 以上のようなこと、3期・4期、風しんの定期接種の延長についてお述べしてきたのですが、まとめとしては、予防接種を実施する主体である市町村としては、接種率を向上させる、すなわち未接種者を減らすには、実施期間を延長することが最善の方策ではないと考えます。任意接種で受けた方がどのくらいいらっしゃるのか。また、年代別の抗体価はどうなのか。さらに、年齢が高い方への予防接種の関心が薄れている等がありますので、接種率が低い原因を考察して、適切な対応を行うことが必要と考えています。以上です。
○岡部委員長 どうもありがとうございました。自治体の実情ということも含めて、お伝えいただいたのですが、まずその前に3期・4期が、この間は経過措置として、これをちょうど設置していた頃、私も記憶があるのですが、実際には1期・2期だけでいかざるを得ないのではないかという議論があった中で、やはり3期・4期を追加接種することによって、これを5年間やると、結局1歳児から大学に入る前までの人たちが多くカバーできて、結局大学や高校での集団発生がなくなるだろうと、それが大きい目的で行っていたわけです。今回の5年間、今年度が最終で、もう一踏ん張りあるのですが、この評価をどう考えるかというのを、まず意見をいただきたいと思います。
 それで最終的に、3期・4期のこれからということを、ご意見をいただこうと思うのですが、まず評価について、どちらからかコメントがありましたら、よろしくお願いします。
○中野委員 5年間実施してきました3期・4期の評価は、やはり非常に評価できると私は思います。それは、この委員会の最初の会議からもずっと検討してまいりました、2008年以降の麻しん患者数は明らかに減少してきていますよね。ですから、これは明らかに評価できると思います。
 ただ、今後注意しなければいけないのは、麻しんというのは特に感染性の強い疾患ですし、感受性者が集積すれば、何年かに一度は絶対流行すると思うのです。ですから、現在までの5年間のことは評価できるけれど、今後、そのサーベイランスとワクチンというのを、どのような形で継続していくかということは、いまの時点でも強調しておかなければならないと思います。
○岡部委員長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 第3期や第4期について、なかなか接種率が上がらないだろうと言われていたのが、8割を超えてきたというのは、すごく大きな成果だと思います。ちょうど小中高校生に蓄積していた感受性者の蓄積は、麻しんだけに留まらず、風しんについても大きな成果を上げていて、実は今日の趣旨とは違いますが、風しんが去年から流行してきて、今年は大きな流行になっているのですが、これだけ大人で流行しても、小中高校生で集団発生がほとんど起こっていないというのは、まさにこの3期・4期が麻しん風しん混合ワクチンを原則として行ってきた成果だと思うのです。
 いま川崎市の平岡先生が発表してくださった、まさにこの風しんの経過措置の接種率がとにかく低くて、中学生は当時は保護者同伴要件があったのです。1994年の予防接種法改正で、保護者と一緒に、病院に行って受けなければならないとなり接種率が激減してしまって、学校で集団で受けていたときに比べると、すごく接種率が低くなった世代が、いままさに風しんを発症されているのです。
 女子中学生のみへの接種だったときの男子中学生が、いま多くかかっています。女性は20代が、いちばんいま風しんにかかっている。だから、接種率が低く終わってしまうと、将来またこの年齢層で同じことが起こってしまうのではないかというのが、今年の風しんの流行を見ていて感じます。接種率が低いというのがわかって、そのまま終わらせることなく、感受性者として残っている人の対策は、引き続き何らかの形で残していただきたいというのが、いまの風しんの流行を見ていて思います。
○岡部委員長 MRのRのほうの接種率も、1期・2期の方、これまで90%くらいいっているのですよね。ということは、ここから数年間経っていった場合に、これからの中学生、高校生、大学生はかなりの高さと、少なくとも血清抗体も9割以上維持されていると考えればいいのですよね。
○多屋委員 はい、いまは麻しんとともに、風しんも抗体保有率が上がってきています。
○岡部委員長 評価としては本当にこの5年間、立ち上がりはともかくとして、次第に上がってきたのは、ここから数年後に効いてくるだろうというくらい、成果はあったと思います。それでは、これで5年間の経過措置が終了するのですが、この3期・4期を、ポケットのようなものが出来ていることを承知の上で、これからどうしようかということについて、いま多屋先生からは、やはり何らかの形でというご意見もありましたが、他にご意見がありましたらどうぞ。
○中野委員 多屋委員からの感受性者を何とかというのは、もちろん賛成なのですが、この後、では3期・4期をどうしていくかということに関しては、川崎市の調査を拝見しますと、なかなか経過措置で同じことを長く続けるというのは、定期接種という枠組みから、私は難しいような気がするのです。これは定期接種ももちろんですし、世界で進んできた、これまでの天然痘の根絶、ポリオ根絶計画、全て同じことを長年継続してきただけでは、最後の詰めはできていないわけですよね。
 ですから3期・4期としては、これでひとまず終わるにしても、その後のことです。例えばワクチンというのは定期だけではなくて、任意も大事なわけで、あとは最初の指針の、まだブルーの文字の所もありましたが、接種の必要回数という言葉もございましたが、例えばいま環境感染学会が医療従事者には接種の必要回数を2回とは言ってくださっていますが、何歳から何歳までが何回接種したほうがいいのかなど、そういった指針が全くないので、定期としてダラダラ続けるよりは、この成果はここまであったと。だけど、この後どうしていこうかというのを、この委員会で、あと何回あるのかわかりませんが、議論していくのがいいのではないかと思います。
○岡部委員長 ありがとうございます。他にご意見がありましたらどうぞ。
○小森委員 様々な問題があると思いますが、先ほど多屋委員がご説明になった資料4の2頁目、抗体保有状況等については、小学校の5年生、6年生、あるいは高校1年生、2年生辺りに、まだまだ抗体保有の低い方が結構いらっしゃるということは事実ですよね。
 先ほどの南委員のお話の中で、報道は何かが起こらないと報道しない。そういうことを考えて、しかもエリミネーションが直前にあるという、この時期に様々な財政的、あるいは現場の、いま川崎の平岡参考人がおっしゃったように、ご苦労なさって、あるいは徒労感と言いますか、思いを感じていらっしゃるということは、大変重く受け止めたいと思いますが、国民の方々に間違ったメッセージにならないのかなということを大変恐れています。私は学問的には抗体価、明らかなギャップがあるということを、やはりある程度フラットになるということは確かめた上で、定期接種化の廃止ということを目指すべきではないかと思います。
 また、エリミネーション等についても前回の委員会で、やはり国民の方々にエリミネーションが直前であるということで、いま私たちが大きな目標に向かって、1億2,000万人の国民が一丸となって向かっているということを、是非やっていただきたいということが、今日の資料1の指針にも書かれたと思っていますが、ここで誤ったメッセージを出してしまうのではないかということを大変恐れていまして、やはりこの議論は十分していただきたいと思います。
○岡部委員長 ありがとうございます。そろそろ時間になるのですが、次回以降はある程度議論ができるにしても、この3期・4期は多少方向性を決めておかなければいけないと思うのですがいかがでしょうか。3期・4期がいままで成果を上げているということも事実で、しかしそれは全てこれで解決したのではないという、いまの小森先生のご意見、あるいは中野先生のご意見などを踏まえて、欠点も承知しておいて、課題として残されていることを承知しておきながら、ただ、先ほど自治体の意見で実に9割以上、実施が困難であるというところは、これはいかにいいことをやっても、なかなか旗を振っているだけでは動かないし、予算の問題もあるでしょうし、人の問題もあるので、実施としては困難であることが考えられます。また9割以上の方が受けている一方、受けていない方に再度メッセージを出しながらも、やはり受けていないというのは、これを全部やるのには、やはり国民的な合意と言うか、多くの人の了解をいただきながらやっていかなければいけないことになります。はしかのエリミネーションは結構いい線を言っているけれど、これで万歳、よかったではなくて、いろいろな方向で議論をしていかなければいけないと思います。
 それから、この次に何をやるかということを引き続き検討しながら、3期・4期の定期接種として行ってきた意味合いについては、一応切り替えようではないかという結論ではないかと思うのですが、そういった形でよろしいでしょうか。もし何か異論がありましたら、あるいは付け加えるコメントがありましたらどうぞ。
○竹田委員 これまでの活動のまとめ等をやると思うのですが、小森先生の「間違ったメッセージが伝わると怖い」というのは私も大変賛成です。3期・4期は2回目の接種機会を与えるという理由だったと思うのですが、多くの方が一部、やはり誤解している方がいると思います。というのは、4回チャンスがあったのが2回に減ってしまったという、そういう意味で間違ったメッセージが伝わらないように、まとめをなるべく多くの方に周知して、この3期・4期の目的はこういうことであって、それは完了したという正しい情報を、広く伝えたいと思っています。.
○岡部委員長 ありがとうございます。そのメッセージを伝えるために、3期・4期が終わるに当たって、やはり総括をしておかなければいけないと思うのです。それを厚労省のほうに、これはお願いですが、適切な評価という形でのメッセージを、広く皆さんにお伝えする広報ですね。この3期・4期の成果とともに、課題の部分をきちんと説明して、今後あり得る問題などを、是非広げていただきたい。広げてというのは、きちんと話していただきたい。これでよかったで全部終わるわけではないということも含めてですね。
 それから多屋先生にもお願いですが、感染研ではそういうメッセージを伝える場を、私は残してあると思うのですが、是非そういうところを使って、意義というものをお伝えいただければと思います。これは南委員が来ていらっしゃいますが、後ろの方に座っている方々にはメディアの方も多くお出でになると思いますが、いま言ったようなことを汲み上げて、正しい意味での、誤ったメッセージにならないということを、一度今年度が終わるまでに、やはりはしかのエリミネーションというものをどのようにやるか、是非一度どこかでとらえていただきたいと思います。、不明な点は担当の結核感染症課でも、感染研でも、あるいはこの委員会でも受け止めますので、是非その点のコミュニケーションをよろしくお願いしたいと思います。
 それでは時間もまいりましたが、時間で切るというわけではなくて、ある程度の結論も進んだと思いますので、一応今日の議論はこれで終了したいと思います。ただ、この会議はこれで終了ではないので、先ほどの前文の文であるとか、網掛けの文であるとか、まだまだ議論しなくてはいけないことがあるので、そのときにも今年度から先ということを含めて、ご意見をいただければと思います。
 それでは、委員会としてはこれで終了しますので、事務局から事務的なことも含めてよろしくお願いします。
○結核感染症課長補佐(難波江) ありがとうございました。それでは、本日いただきましたご意見を踏まえて、今日の資料1の網掛けの部分、こちらを案として、次回までに委員長とご相談させていただきながら作成して、次回にご提示できればと思います。次回の日程については、改めてご連絡させていただきます。
○岡部委員長 それでは、どうもありがとうございました。


(了)

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