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2012年7月20日 平成24年度 第1回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ 議事概要

医薬食品局

○日時

平成24年7月20日(金) 16時15分~18時15分


○場所

人事院 共用第4会議室(地下1階)


○出席者

構成員(敬称略・五十音順)

伊藤 美千穂 (京都大学大学院薬学研究科准教授)
梅垣 敬三 (国立健康・栄養研究所情報センター長)
海老塚 豊 (国立医薬品食品衛生研究所客員研究員)
大塚 英昭 (安田女子大学薬学部教授)
小関 良宏 (東京農工大学工学部生命工学科教授)
合田 幸広 (国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)

監視指導・麻薬対策課

中井川課長、佐藤室長、蛭田補佐、磯専門官、黒岩技官

食品安全部新開発食品保健対策室

岡崎専門官

○議題

○ 新規成分本質(原材料)の審議について
○ 専ら医薬品リストへの収載の可否について

○議事

 (1)新規成分本質(原材料)の審議結果
    昭和46年6月1日付け薬発第476号厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」の別添1「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(以下、「判断基準」という。(注))に基づき審議した。(「(3)専ら医薬品リストへの収載の可否について」も同様。)

○ヘリクリサム・イタリカム(全草)
   「判断基準」に該当する項目がなく、海外で食経験があることから、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。

○ヤエヤマアオキ(種子・葉)
   「判断基準」に該当する項目がなく、国内外で食経験があることから、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。

○バオバブ(果実)
   アフリカでは伝統療法での使用実態があるが、EUでは食品扱いなので、「判断基準」の一つである専ら医薬品としての使用実態がある物には該当しない。また、他の「判断基準」にも該当する項目がないので、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。

○クロマメノキ(果実)
   「判断基準」に該当する項目がなく、国内外で食経験があることから、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。

○コリン安定化オルトケイ酸
   「判断基準」に該当する項目がなく、欧米での食経験があることから、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論にあった。

○デカルピス・ハミルトニー(根茎)
   海外では民間薬としての使用実態があるが食経験もあり、また、米国でも食品扱いなので、「判断基準」の一つである専ら医薬品としての使用実態のある物には該当しない。また、他の「判断基準」に該当する項目がないので、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。

○レモンマートル(葉)
   海外では民間薬としての使用実態があるが国内外で食経験があることから、「判断基準」の一つである専ら医薬品としての使用実態のある物には該当しない。また、他の「判断基準」に該当する項目がないので、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。

○5-アミノレブリン酸リン酸塩
   塩違いの5-アミノレブリン酸塩酸塩は、欧米では医薬品としての使用実態があるが、その使用方法は、がん細胞に集積しやすい性質からがん部位の診断として、また、光増感剤として活性酸素によるがん細胞の攻撃を補助する目的のものであり、本品自体が直接的な薬効を持つものではない。同様の作用があると推定される5-アミノレブリン酸リン酸塩が医薬品としての使用実態があったとしても、処方せん医薬品に相当する作用があるとは言えず、医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質に該当する、という結論になった。使用部位を「光合成細菌(ロドバクター・セファロイデス)の生成したもの」とする。

○EGF(大腸菌を宿主として遺伝子組換えにより製造されたもの)
   Human Epidermal Growth Factor Enhances Healing of Diabetic Foot Ulcers (Diabetes Care 26:1856–1861, 2003)によると、EGFは糖尿病性足部潰瘍の治療に効果があり、他の医薬品と同様の作用(血管新生促進作用、組織修復作用等により、直接的に皮膚潰瘍の治癒を促進する)を持つと考えられる。このような作用をもつ医薬品は医師の処方のもとで使用されるべきであり、EGFも処方せん医薬品に相当する成分であると考えられる。
したがって、「判断基準」の一つである処方せん医薬品に相当する成分を含む物に該当するため、専ら医薬品として使用される成分本質に該当する、という結論になった。

(3)専ら医薬品リストへの収載可否の審議結果
○ムタプロデナフィル
   ムタプロデナフィルは、服用後、胃内で加水分解されメチソシルデナフィルが生じると考えられる。
メチソシルデナフィルはシルデナフィルと基本骨格が一致しており、シルデナフィルと同等の薬理作用を持つ成分として、専ら医薬品として使用される成分本質に指定されている。
したがって、ムタプロデナフィルもシルデナフィルと同等の薬理作用を持つと判断でき、「判断基準」の一つである処方せん医薬品に相当する成分を含む物に該当するため、専ら医薬品として使用される成分本質に該当する、という結論になった。


(注)
(1)専ら医薬品としての使用実態のある物
解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素等専ら医薬品として使用される物

(2)(1)以外の動植物由来物(抽出物を含む。)、化学的合成品等であって、次のいずれかに該当する物。ただし、一般に食品として飲食に供されている物を除く。
 ・毒性の強いアルカロイド、毒性タンパク等、その他毒劇薬指定成分(別紙参照)に相当する成分を含む物(ただし、食品衛生法で規制される食品等に起因して中毒を起こす植物性自然毒、動物性自然毒等を除く)
 ・麻薬、向精神薬及び覚せい剤様作用がある物(当該成分及びその構造類似物(当該成分と同様の作用が合理的に予測される物に限る)並びにこれらの原料植物)
 ・指定医薬品又は処方せん医薬品に相当する成分を含む物であって、保健衛生上の観点から医薬品として規制する必要性がある物


<照会先>

厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課

TEL: 03(5253)1111 (内線2766)

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