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2012年9月4日 第9回肝炎治療戦略会議

健康局疾病対策課肝炎対策推進室

○日時

平成24年9月4日(火) 17:00〜19:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○議事

○大石肝炎医療専門官 定刻前ではございますが、委員の皆様、全員、おそろいですので、ただいまから「第9回肝炎治療戦略会議」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日は、現時点で9名の委員全員にお集まりいただいております。
 会議の開催に当たりまして、外山健康局長から御挨拶を申し上げます。
○外山健康局長 本日は、お忙しいところ、第9回肝炎治療戦略会議に御参集いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 現在、厚生労働省では、インターフェロン治療、核酸アナログ製剤治療に対する医療費助成を始めまして、肝炎ウイルス検査の無料化、肝疾患診療連携拠点病院の整備、普及啓発、研究の推進などの肝炎総合対策に取り組んでいるところでございます。その中で、肝炎治療戦略会議は、肝炎治療に関する最新の知見を広く普及させるために、有識者による専門的な検討を行うことを目的として、平成20年度より開催されているところでございます。これまで8回にわたり、最新の治療の有効性や安全性、肝炎研究の方向性等につきまして御議論いただいてきましたけれども、今回の肝炎治療戦略会議の開催の経緯について御説明させていただきたいと思います。
 8月3日に省内で開催されました平成24年度の薬害肝炎全国原告団・弁護団と大臣の定期協議の場におきまして、原告団・弁護団から、発癌抑制目的のインターフェロンの少量長期投与につきまして、医療費助成の対象にしてほしいとの要請がございました。大臣からは、発癌抑制目的のインターフェロン少量長期投与につきましては、前回の議論から3年近くが経過していることから、これまでの知見を整理して、エビデンスを明らかにするために専門家の会議でしっかりと検討していただくこと。そして、9月8日までに専門家会議を開催できるようにすることを回答されたことから、今回開催することとなったものでございます。
 本日は、発癌抑制目的のインターフェロン少量長期投与のこれまでの報告に加えまして、B型肝炎、C型肝炎の治療法の変遷と現状や今後の展望につきまして、委員の先生方から御発表いただき、ぜひとも先生方の忌憚のない御意見を頂戴したいと考えております。
 以上、簡単でありますが、会議開催に当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大石肝炎医療専門官 カメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。退室をお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第と配付資料一覧、座席表がございます。
 1ページ目から資料1として、「B型肝炎に対するこれまでの治療法の変遷と現状、今後の展望について」、熊田委員御発表スライド。
 37ページから資料2、「C型肝炎に対するこれまでの治療法の変遷と現状、今後の展望について」、泉委員御発表スライド。
 63ページから資料3、「発癌抑制目的のインターフェロン少量長期投与のこれまでの報告について」、八橋委員御発表スライド。
 89ページから参考資料1として、日本肝臓学会C型肝炎治療ガイドライン。
 153ページから参考資料2として、肝炎研究10カ年戦略。
 163ページから参考資料3として、肝炎治療戦略会議開催要領。
 165ページから参考資料4として、肝炎治療戦略会議名簿となっております。
 配付資料は以上でございますが、不足等はございませんでしょうか。何かございましたら事務局へお申し出いただきたいと存じます。
 では、ここからの議事の進行は、林座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○林座長 林でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日の議事は、先ほどもお話がございましたように、「B型肝炎に対するこれまでの治療法の変遷と現状、今後の展望について」、まず熊田先生にレビューをいただきます。その後に、「C型肝炎に対するこれまでの治療法の変遷と現状、今後の展望について」、泉委員に御発表いただきます。それから、「発癌抑制目的のインターフェロン少量長期投与のこれまでの報告について」ということで、八橋委員に御報告をいただきまして、先生方のそれぞれの御意見をお伺いさせていただきたいと思っております。
 それでは、まず本日の会議の進め方につきまして、事務局より御説明をお願いしたいと思います。
○北澤肝炎対策推進室長 今の林座長の説明と重複するところがありますけれども、御説明申し上げます。
 本日の会議では、まず、熊田委員より、B型肝炎治療の現状につきまして、次に泉委員より、C型肝炎治療の現状について御発表いただきます。それぞれの発表の後に若干の意見交換の時間を設けておりますので、御発表の内容に関して御意見のある委員は御発言をお願いいたします。
 最後に、八橋委員より、発癌抑制目的のインターフェロン少量長期投与のこれまでの報告について御発表いただきます。御発表後、少量長期投与の現在のエビデンスや有効性について御意見をいただきたいと存じます。
 本日の少量長期投与について御意見をいただいた内容につきましては、事務局で整理いたしまして、次回の戦略会議で戦略会議報告書案として御報告させていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いします。
○林座長 それでは、まず熊田委員のほうからB型肝炎につきまして御発表をお願いしたいと思います。その後に意見交換等を行わさせていただきます。
 では、どうぞよろしくお願いいたします。
○熊田座長代理 それでは、「B型肝炎のこれまでの治療法の変遷と現状、それから今後の展望について」、お話をさせていただきます。
 B型肝炎の場合は、C型肝炎のように肝炎が治癒するとウイルスが駆除されるというのは、なかなか難しいということがあります。そのために、第1目的が発癌抑制であり、それから少数例ですが、HBs抗原の陰性化ということになります。
 まず、B型肝炎の発癌抑制をするためにどうするかということに関してですが、HBV-DNAというのが非常に大きな指標になることが既に知られております。これは、82例の無治療の肝硬変の人を15年間追ったときの発癌率であります。この赤に見られますように、HBV-DNAが非常に高い値が持続しますと、肝硬変からの発癌が非常に高率に起こる。しかし、DNAの陰性化がずっと続いていると、発癌が少ないというデータであります。
 さらに、その後、台湾でも3,653例という膨大な数のデータで、同じようにHBV-DNAが高いと発癌し、低いと発癌率が低いという13年間のデータがあります。
 それで、現在の我が国におけるB型肝炎治療の目標、発癌抑制を目的とした治療としては、e抗原の陰性化が持続し、ALTの正常化の持続に加え、HBV-DNA が4Log以下、できれば陰性化の持続ということが大きな目的となっております。
 これに対して核酸アナログは、HBV-DNAを投与しますと下がるわけですが、一番最初に使用可能になりましたLamivudineに関しては、既に基本にあるように非常に早期に耐性ウイルスが出まして効果がなくなる。特に、外国種のGenotypeAでは、高率に、しかも短期間に出てくる。日本型のC、Bでも、長く見ていますと半分以上に耐性ウイルスが出現するということで、第1選択とはならないわけであります。
 一方、Entecavirに関しては、2004年から使用可能になりましたので、Entecavirを1年以上投与した608例の8年間のデータですが、トータルで見ますと1年で8割、5年で90%以上の人のHBV-DNAが陰性化しますし、e抗原陽性でも陰性でも時を経て陰性化していますので、発癌が抑制されるということであります。
 一方、既に2000年にLamivudineが日本で承認されていますので、Lamivudineの耐性ウイルスに関しては、日本ではいち早くLamivudineとAdefovirの併用療法が行われました。海外ではLamivudineからAdefovirの切りかえだったのですが、日本は最初から併用ということでしたので、比較的いいデータが出ております。
 実際に見てみますと、1年で57、2年で69、5年で88%がHBV-DNAが陰性化しているということで、我が国においては現在、EntecavirとLamivudineとAdefovirの使用によって、大部分の症例はHBV-DNAが陰性化する、あるいはALTが正常化し、e抗原の陰性化が得られているということであります。
 これは、私たちの虎の門病院で全核酸アナログを使いました2,028例で、核酸アナログの耐性株で困っている症例は39例であります。Entecavirを始めた786例から2例、それからLamivudineとAdefovirになってから19例といったように、全体の1%から2%の人が現在、治療に難渋している状態であります。
 これに対して、現在、Tenofovirという4番目の核酸アナログの治験が行われております。当院では、これは治験とは全く別なのですが、Tenofovirが11例使われておりまして、一例をお見せしますと、Lamivudineを使って一旦下がるのですが、Adefovirを使って一旦下がるのですが、またウイルスが上がるのに対して、EntecavirとTenofovirを併用すると、赤の線ですが、その後DNAが落ち着いている。Tenofovirの全体のデータを見てみますと、6カ月で63%、1年で75%の人が、多剤耐性例に対してもHBV-DNAの陰性化が続いているということであります。
 一方、インターフェロンに関しては、昨年9月26日にペグインターフェロンα-2a、ペガシスが承認になりました。この治験のデータは、皆さん御存じのとおりでありますが、5群比較でありまして、ペガシスの180μの1年、90μの1年、180μの半年、24週、それから90μの24、スミフェロンの6メガ、週3回の24週というコントロールスタディーが行われまして、その結果、ペガシスの48週投与。いずれも48週投与がいいのですが、特に180μと高容量のペガシスが19.5%と、e抗原の陰性化、HBV-DNAの4Log以下、ALT正常という、いわゆる無症候と言われるものが約2割に見られたということであります。
 一方、Entecavirによる発癌抑制の効果はどうかを見たものであります。これは、自然経過例610例と、Entecavirを投与した441例の長期にわたる発癌抑制の結果であります。ごらんのように、慢性肝炎からでも、自然経過では10年で5%の発癌が起こっておりますが、Entecavir投与群は7年で1%ということで、Entecavirを長期に投与すれば発癌抑制も得られるということであります。
 一方、肝硬変に関しては、自然経過では5年で20%、10年で29%の発癌が見られますが、Entecavir投与群では3年以降に明らかに発癌抑制が見られております。
 このように、今ある日本の核酸アナログを長期投与することにより、大部分の症例は発癌抑制、慢性肝炎であれば、かなり強烈に発癌抑制ができるのですけれども、一方でC型肝炎のように肝炎が治癒するということはなかなか得られないわけであります。しかし、最近になりまして、HBs抗原が陰性化する症例も少しずつふえてまいりました。
 これは、世界で一番最初にHBs抗原の陰性化例をマスでとらえたデータでありますが、1979年から2000年までの385例のB型肝炎のうち、231例がHBs抗原が陰性化した。全体で言うと4.6%、年率で言うと1.15%というデータがあります。このときのデータを見てみますと、HBs抗原が消失すると肝硬変からの発癌は完全には抑えられていないのですが、慢性肝炎のうちにHBs抗原が陰性化すると、極めて発癌は少ないというデータになります。
 では、欧米ではどうかということですが、現在、日本での治験のHBs抗原消失率に関しては、ペグインターフェロンα-2a、ペガシスの治験で、ペグインターフェロン180μ、24週投与から1例、2.4%、HBs抗原が消失した。それから、48週投与から1例ずつHBs抗原が消失したというデータが出ております。
 海外では、さらに5年までのデータが出ておりまして、1年では5%ですが、5年では12%。特に、日本に多いGenotypeCの症例でも16%の人のHBs抗原が消失しているということで、その後HBs抗原が長期にわたってはどのぐらい陰性化するかという日本の治験のデータも、今後見ていかないといけないのではないかと思われます。
 これは、当院でインターフェロン単独療法で、通常のインターフェロンを使った615例のデータでありますが、インターフェロンを行って、その後のHBs抗原の陰性化率は、20年で約45%にHBs抗原が消失しているというデータであります。
 ただ、これをGenotypeごとに見ますと、欧米から輸入されたGenotypeAが最も早く、最も高率にHBs抗原の消失が得られる。これは、感染期間が短いことが一番大きな原因だと思いますが、日本古来のGenotypeCとBに関しては、母子感染あるいは乳幼児時期の感染ですから、感染持続期間が長いということもありまして、HBs抗原が消えるのが遅いというデータであります。
 それで、全インターフェロン615例でHBs抗原が消えてしまう、いわゆる臨床的治癒と言われている、通常の生活をすれば何の問題もないところまで持っていける人は、インターフェロンが30歳以上のときに投与されていて、GenotypeはAの人で男性の人が多いというデータであります。
 一方、核酸アナログのほうはどうか。核酸アナログは、インターフェロンより時期が随分遅いので、HBs抗原消失量はまだ少ないのですが、Lamivudineが一番最初に使われています。Lamivudineで見てみますと、38例が当院では既にHBs抗原が消失しております。全体で言うと、約800例のうち38、4.8%がHBs抗原が消失している。
 それに寄与する因子を見てみますと、GenotypeA、感染の持続期間が短いタイプのほうから先に消えてくる。もう一つ注目すべきことは、過去にインターフェロンをやっている人が3.4倍、HBs抗原が消えるという結果が出ております。
 実際にLamivudine投与例、インターフェロンを過去にやっているか、やっていないかで見ますと、10年の段階で約倍、インターフェロンを過去にやっている人のほうがHBs抗原の消失が得られるということであります。
 このように、核酸アナログを単にやるというのではなくて、先にインターフェロンを行って、その後核酸アナログをやるといった、何らかの工夫を今後して、日本のB型肝炎もC型肝炎と同じように、いわゆるウイルスが血液中から消えることを目的とした治療を検討しなければならないのではないかと思います。
 B型肝炎は、臨床的治癒、いわゆるHBs抗原の陰性化を目指して、さらなる工夫が必要と思われます。
 以上です。
○林座長 どうもありがとうございました。
 それでは、熊田先生の御発表に、御質問でも御意見でも結構でございますので、B型肝炎の治療について御発言いただけますでしょうか。どうぞ。
○脇田委員 遺伝子型の違いと垂直感染、それから成人になってからの感染とかがあると思いますけれども、同じ遺伝子型であれば垂直感染のほうの感染期が長くて、治癒もしにくいという理解でよろしいですか。
○熊田座長代理 はい。もう少し詳しいデータを最近投稿中ですけれども、家族歴がある母子感染が一番遅いですね。ですから、感染期間的に言うと、母子感染の症例が最もs抗原の消失が遅くて、それからGenotypeAで外部から入ってきた成人からの感染が一番早いと考えていいと思います。
○林座長 ほかいかがでしょうか。どうぞ。
○八橋委員 長崎医療センターの八橋です。HBs抗原が消えた症例では、過去にインターフェロン治療歴があったところが非常に興味深いと思っています。その理由として、インターフェロンという抗ウイルス療法をしたことが関係しているのか、もしくは、インターフェロンを投与するに至った症例の背景因子が、最終的にHBs抗原を消失しやすい集団へと結びついたのか、二通り考えられるかと思います。その点について、熊田先生はどのようにお考えでしょうか。
○熊田座長代理 s抗原の消失した症例というのは、もう一つ多変量解析をしてみると、開始時のALTが高い時期に治療を開始した症例が多いのですね。過去のインターフェロンの症例を高い時期と低い時期に分けて、さらにサブ解析をしてみますと、高いときにインターフェロンを開始した症例がHBs抗原の消失率が高いという結果ですので、ホスト側の何らかの免疫賦活的な現象が起こったときに治療を開始し、さらにインターフェロンによる免疫賦活が起こった後に核酸アナログの抗ウイルス療法を行っている症例が多いのではないか。今、コントロールスタディーが進行中であります。
○林座長 今のことに関係して、昔、若い方にインターフェロン治療をする確率が高かったと思うので、そのインターフェロン治療歴を持っている群の治療開始年齢が非常に若いときにやったというのは、余り関係ございませんか。
○熊田座長代理 年齢は、むしろ30歳以上の人のほうが最終的にs抗原を消失していますし、B型がなかなか難しいのは、自然経過でもHBs抗原が高齢になってくると消えますので、その辺がわからないのですが、当院で5,600例、B型を全部フォローしましたので、その時期のコア関連抗原とかHBV-DNAを同時一括測定でs抗原定量も調べてみると、年齢に関して、若いときにやったというデータは出なかったです。
○林座長 そうですか。
 それから、Genotype別のものは非常に興味深く拝見したのですが、GenotypeAは当然だと思うのですが、GenotypeCでも15年を超えるとs抗原の消失が非常に高いですね。我々のところで10年ぐらいまでは見ていましたけれども、もっとフォローするとs抗原も消えてくるという。それは期間の問題ですか。
○熊田座長代理 難しいのですけれども、今やっている5,000例の人たちの最終のs抗原を見ますと、6割、7割消えるのですね。ところが、経過がいい人が長く生きていますので、経過が悪い人は途中で亡くなったりしていますので、長く見ていれば基本的には消える。多変量解析をすると、GenotypeAとかトランスアミネーゼが高いときに治療したというのが残りますから。Bというのは、基本的にはs抗原の消失が早いのか、それとも発癌になるのが早いのかの勝負で、それを早くs抗原を消失させれば、少なくともCと同じくらいとは言いませんけれども、発癌は抑制されるだろうと考えています。
○林座長 どうぞ、岡上委員。
○岡上委員 意外だったのは、s抗原の消失率は男性のほうが女性より有意に高率という結果です。一般的に、インターフェロンに関しては女性のほうがよく効くと言われていたのが、背景因子を解析すると、何か裏づけるものはあるのですか。
○熊田座長代理 多分、男性の治療例のほうが多いのですね。トランスアミナーゼが高いという人が多いということと。もう一つは、女性での出産によるセロコンバージョンというのは、意外とナチュラルで起こっているものですから、インターフェロンを女性に使う率が低いということも考えられます。ただ、多変量解析をやって、男性が残っていますので、交絡因子として男性とトランスアミナーゼというのが関係するのかもしれない。
○岡上委員 s抗原消失時の年齢に男女間に有意差はございますか。
○熊田座長代理 ありません。
○林座長 ほか、よろしゅうございますでしょうか。B型肝炎の治療も、従来のようにDNAを抑えているだけではなくて、s抗原の陰性化を目指した治療が国際的に最近議論されております。熊田先生が非常に長期フォローされておりますので、長期的なフォローデータをきょう拝見できたのではないかと思っております。
 よろしゅうございますでしょうか。また、後ほどございましたらお聞きしたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、C型肝炎につきまして泉委員のほうから御発表をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○泉委員 それでは、C型肝炎について発表させていただきたいと思います。
 非常に治療が進歩してきたということでありますが、一番大きな発見は、2009年にペグインターフェロンRibavirinがよく効く患者さんと効かない患者さんの遺伝子の違いがわかったという発見でございます。日本で発見された999というSNPをはかってみますと、TTというのはよく治るタイプの患者さんであります。C型肝炎の患者さんでは、私どもの病院では73%がよく治るタイプの遺伝子を持った患者さんであります。ところが、インターフェロンが効きにくい患者さんが4分の1を占めているということでありまして、こういった問題がわかってきたわけであります。
 世界で見ていくと、アジアではよく治るタイプの遺伝子を持った方が非常に多いというのが特徴であります。
 この遺伝子の影響を治療の効果と見てみますと、C型肝炎ウイルスが2型でよく治るタイプですと、この遺伝子のタイプがメジャータイプでよく治る患者さんも、効きにくい患者さんも、余り大きな差は出てまいりません。ところが、C型肝炎が1型で治りにくいウイルスのタイプですと大きな影響が出てきて、TT型のよく治る患者さんは54%がペグインターフェロンRibavirinで治癒しております。
 ところが、治療中にウイルスが消えない患者さんは7%と、非常に少ないわけでありますが、治りにくい遺伝子を持っている患者さんは、治った方は16%に過ぎません。大きな問題は、治療中にウイルスが全く消えない方が半分以上、54%いらっしゃるということがわかっていて、IL28Bの遺伝子、体の遺伝子が治療効果に非常に大きく関係するということが示されたわけであります。
 現在、インターフェロンというのがC型肝炎の治療薬で主体で使われているわけでありますが、このインターフェロンというのは、抗ウイルス蛋白を誘導したり、免疫を誘導するということでウイルスを排除するという作用機序になっております。今後出てくるウイルスを抑えるC型肝炎の直接阻害剤というものがあります。これの作用機序としましては、C型肝炎がウイルスがふえるときに必要な酵素と言われるタンパク質、プロテアーゼとかポリメラーゼが代表であります。それから、粒子形成に非常に大事なNS5Aという蛋白があるわけでありますが、これを直接抑える薬剤の開発が非常に進んでおります。
 分子標的で、こういった酵素あるいは粒子形成を直接阻害する薬剤が次々に開発されておりまして、これを両者一緒に使って、よりC型肝炎ウイルスを高率に排除していこうという試みが盛んになされてきているわけであります。治療効果が高まってきているわけでありますが、最初に出てきたのがテラプレビルという抗ウイルス、プロテアーゼの阻害剤であります。
 日本では、1型高ウイルス量で治りにくい患者さんが7割を占めているわけでありますが、従来のインターフェロンの単独の24週間では9%の方しか直っていない。Ribavirinを併用して半年間でも18%だったのが、ペグインターフェロンとRibavirinの併用療法をいたしますと43%が治るということで、治癒率が非常に上がってきたわけであります。
 さらに、昨年11月に承認になりましたテラプレビルとの3剤併用療法をやりますと73%と、治癒する患者さんが非常にふえたという大きな進歩が昨年あったわけであります。
 我が国で行われました臨床開発治験で、テラプレビルは1日3回、8時間ごとに食後にきちんと内服していただきますが、これを12週間、ペグインターフェロンとRibavirin、3剤併用療法を行います。その後12週間、ペグインターフェロン、Ribavirinの2剤を行って、都合24週間治療を行いますと、73%の患者さんがウイルスが消えて治ったということで、従来のRibavirinとペグインターフェロンの併用の2剤よりも非常に強い効果が上がったというデータが示されております。
 さらに、インターフェロン治療を1回お受けになった患者さんで見ていくと、ペグインターフェロン、Ribavirinで一旦ウイルスが消えた再燃例の88%は、テラプレビルを併用することによってウイルスが消えております。ところが、ペグインターフェロン、Ribavirinのみで一度もウイルスが消えたことがない患者さんは、テラプレビルと3剤併用しても34.4%だったということで、基本的にはペグインターフェロン、Ribavirinの治療効果に、テラプレビルも大きく左右されるというデータが日本の開発治験データから示されているわけであります。
 テラプレビルの治療効果につきましても、体の遺伝子のIL28Bが非常に大きく影響するということのデータが示されております。TTタイプでよく治る遺伝子を持っている患者さんは、テラプレビルで治療効果が非常に高くて、よく治るわけでありますが、TTでない患者さんを見ていくと、全体で50%であります。
 特に、ペグインターフェロン、Ribavirin治療をお受けになった患者さんで見ていくと、治療中にウイルスが全然消えない患者さんでは、治癒率が32%。68%はテラプレビルをもってしても治らなかったということですので、テラプレビルの治療効果というのは、IL2Bの体の遺伝子にインターフェロンがよく効くかどうかということに、非常に大きな影響があるということがわかるわけであります。
 テラプレビルにいろいろな副作用があることで、貧血が起きたり、皮膚の湿疹が出るということが注目されたわけでありますが、発売されてみますと、腎機能障害と尿酸が非常に上昇することが非常に大きくクローズアップされまして、厚労省からも何回か注意喚起がなされているわけであります。
 例えば、この患者さんはたった4日間、テラプレビルの治療をされたのですが、BUNが一気に50、クレアチニンが4まで上昇している。たった4日間で腎臓の機能が5分の1まで低下してしまうという副作用がありまして、これも非常に注意喚起がなされておりまして、今、専門医が非常に慎重に対策をとっているということがございます。
 もう一つ大きな問題としましては、薬剤耐性ウイルスが出るということが1つクローズアップされてきております。これは、テラプレビル単独治療を行った患者さん2例のウイルス量の変化を示しております。
 内服開始直後にウイルスがすとんと下がるわけでありますが、治療を続けていてもだんだんウイルスがふえるということが、この2例の患者さんでわかるわけであります。そして、次第に耐性変異を起こしたウイルスがあらわれてくるということでありまして、このようにインターフェロンがない状況下で治療すると、耐性変異が非常に出やすいというわけであります。すなわち、インターフェロンの治療が効きにくい患者さんをテラプレビルで治療すると、耐性変異が出るのではないかという危惧が抱かれているわけでございます。
 実際に、耐性変異がどのぐらいの率で起きたかということが、虎の門病院でちゃんと論文化されております。ペグインターフェロン、Ribavirinでウイルスが全然消えなかった患者さん15人で治療をお受けになって、4人は治っておりますが、11人は治らなかったというわけであります。そして、治らなかった11人の患者さんの中で、9人に耐性変異が出ているということでありまして、155番とか156番という注意すべき耐性変異が出ているということが証明されております。
 これがどうして問題かといいますと、テラプレビル第1世代の耐性変異は、36番、54番、155、156といったところになるわけであります。現在、開発治験中であります第2世代と言われる、副作用が少なくて、1日1回ないし2回でいいプロテアーゼ阻害剤、MK7009とかTMC435、BI201335、ABT450といった耐性変異の場所が示されておりますが、これは155番とか156番で、テラプレビルと同じ箇所のところに耐性変異のプロファイルがあるというわけであります。
 したがいまして、テラプレビルでこういった耐性変異が起きた場合に、次の第2世代のプロテアーゼの効果が乏しい可能性がある。これについては、世界的にデータはまだないわけでありますが、こういった耐性変異の問題が今後注目すべき点ではないかと考えております。
 この表は、今後、続々出てくる新たなC型肝炎の治療薬であります。プロテアーゼ阻害剤が非常にたくさん出ております。それから、別のところの酵素のポリメラーゼを阻害する薬剤として、核酸型のものと非核酸型のものがあります。それから、日本で非常に注目されているのは、NS5Aの阻害薬が開発されておりまして、黄色で示したのは我が国で開発が予定されているもの、あるいは実際にやられているものであります。
 そういたしますと、プロテアーゼ阻害剤で第2世代以降のものがたくさんありますし、それからポリメラーゼ阻害剤で核酸型としてGS-7977、世界で非常に注目されている薬剤がございます。それから、非核酸型としては、ABT-333、BI207127といったもの。それから、NS5Aの阻害剤、これが日本で極めて期待が高いわけでありますが、1日1回の内服でほとんど副作用がないDaclatasvirというものがございます。こういったものが現在、臨床試験が行われておるわけでございます。
 ヨーロッパ肝臓学会、アメリカ肝臓学会で発表されたものをまとめてみますと、第1世代のテラプレビルは、日本では73%のウイルス排除率が1型での成績でございます。一方、第2世代になりますと、ほぼ1日1回の内服。MK-7009は1日2回の内服になりますが、副作用が少ないものであります。第2世代になりますと、TMC435が81から86%。MK-7009、80%。BI201335、83%というデータが示されておりまして、10%ぐらいの上積み効果があるというデータが示されております。
 さらに、作用部位が違うのですが、ポリメラーゼ阻害剤GS-7977は1日1回の内服で、ペグインターフェロン、Ribavirinを併用すると90%治るという、非常に画期的な新薬として注目されているものであります。
 それから、ペグインターフェロン、Ribavirin治療を一旦お受けになった患者さんで、再治療の場合にどうかという成績が示されております。
 全治療再燃例、ペグインターフェロン、Ribavirinでウイルスが一旦消えるところまで行った患者さんというのは、テラプレビルでも第2世代でも、それほど大きな治療効果の差がございません。
 ところが、ペグインターフェロン、Ribavirinときにウイルス量が100分の1以下になったけれども、消えなかった部分反応というのは、テラプレビルでは59%がウイルスは治癒しておりますが、第2世代では75から77%で、約20%ぐらいの治癒効果が高いというデータであります。
 さらに、前治療無反応、ペグインターフェロン、Ribavirinをやってもウイルスが全然減らなかった患者さんで見ていくと、テラプレビルでは32%の治癒率に対して、第2世代では51から55%であるということで、我が国でどういったデータになるかということが非常に期待されるわけでありますが、第2世代のほうが治癒率が国際的には高いことが証明されております。
 さらに、今後、日本で非常に期待されるのは、インターフェロンがなくて治療できる可能性が出てきたわけであります。飲み薬の経口薬、それにRibavirinが入るか入らないかということで、いろいろな開発治験が行われておりまして、代表的なものがNS5A阻害剤、Daclatasvirというものと、プロテアーゼ阻害剤、Asunaprevirであります。この経口薬2剤を飲んだときのデータが日本から報告されております。
 これも虎の門病院の鈴木先生がヨーロッパ肝臓学会で発表されたものでありまして、ペグインターフェロン、Ribavirinでウイルスが全く消えなかった患者さんが21人、この経口薬の2剤、24週間の内服で治療をお受けになっていらっしゃいます。
 それから、貧血とか鬱症状でインターフェロンができなかった患者さんが22人、24週間、治療をお受けになったわけですが、最終的にウイルスが消えて治った方が、インターフェロンで全く反応しなかった方が91%。そして、初めて治療をお受けになって、インターフェロンができない患者さんが64%の治癒率でありますので、2種類の経口剤によって非常に高いウイルス排除が期待できるわけであります。非常に明るい将来が見えてきたわけであります。
 ただ、ここでも薬剤耐性ウイルスが問題になるわけでございます。治らなかった患者さんで見てみますと、全員にγ93番の変異があったということが報告されております。このうち4例の患者さんは、治療前からNS5Aの阻害剤の耐性変異であります93番が変異であったことが報告されております。これも虎の門病院の鈴木先生が論文されたものであります。NS5A、Daclatasvirの耐性変異です。治療しないにもかかわらず、治療前から既に8.2%の方が93番に変異があったというわけであります。
 世界的なデータベースで見ても、93番の変異の方が8.3%いらっしゃるというわけでありますので、こういったNS5Aが効きにくい患者さんが既に8%いらっしゃるということが問題になると思います。
 それから、プロテアーゼ阻害剤についても、治療前から既に54番とか36番あるいは80番といったところに変異があったという鈴木先生の論文でありますが、これも世界じゅうのデータベースから見ていきますと、プロテアーゼの治療をしたことがないにもかかわらず、耐性変異がある患者さんが数%いらっしゃることがわかってきておりますので、こういった薬剤の組み合わせでどれが耐性になっているかを調べることも、今後大きな課題になるのではないかと考えております。
 それから、このDaclatasvirとAsunaprevir、2剤の経口の薬剤で治らなかった患者さんの特徴が1つ示されております。治った患者さんはブルーでありまして、ブレークスルー、耐性変異が出た患者さんが緑で、再燃してしまった患者さんが赤であります。血中濃度を書いておりますが、こちらがAsunaprevirで、Daclatasvirであります。結局治らなくて耐性変異が出た患者さんは、薬剤の血中濃度が低かったというデータが報告されております。
 したがいまして、今後、薬剤代謝ということも1つ重要な研究テーマであろうと思っています。インターフェロンという後押しがないと、薬剤耐性変異というのが今後問題になるだろうと思いますので、治療をきちんと決めていく、適用を決めるときに薬剤耐性ということは、考えなきゃいけない問題の一つになろうと思っております。
 さらに、もしNS5Aの阻害剤が効かないとわかっても、ポリメラーゼの阻害剤という有益なものがあるわけであります。これは、プロテアーゼ阻害剤のBI201335とポリメラーゼのBI207127の併用療法を行って治癒率を見たものであります。そうしますと、インターフェロンなしでも50%から60%の患者さんがウイルスを排除できて治っているわけでありますので、新たな経口薬同士、インターフェロンなしの治療が次々と開発されているという現状がございます。
 もう一社、別のものでありますが、ABT-450というプロテアーゼにリトナビルを入れております。それと、ポリメラーゼの阻害剤にリバビリンの4剤併用療法、4つの薬を飲むだけなのですけれども、12週間治療していきまして95から93%という高い治癒率が示されております。そして、インターフェロンで全然効かなかった患者さんでも、47%の患者さんが治ったというデータでございまして、こういった新たな治療薬、飲み薬だけで治療できるというのが、現在、次々と開発治験が行われているわけであります。
 一方、我が国におきましても、2型の2割ぐらいの患者さんがペグインターフェロン、リバビリンでも治らないわけでございますが、これに対しても新たな期待の持てる薬剤が、核酸型のポリメラーゼ阻害剤、PSI-7977という薬剤です。これを1日1回飲んで、リバビリンと併用して12週間の内服を10例、インターフェロンなしであります。それから、4週間のペグインターフェロンとリバビリン、あるいは8週、12週で2型と3型の患者さんが治療をお受けになったわけであります。
 驚いたことに、ウイルスが消えて全員が治ったわけであります。すなわち、このPSI-7977とリバビリンの2剤を12週間飲むだけで、2型、3型は全員治った。インターフェロンはもう要らなくなるかもしれないという、非常に期待のできるデータが示されております。
 もう一つ考えなきゃいけない問題が生じてきております。DaclatasvirとAsunaprevirというのは、今後、日本で非常に期待できる経口剤で、治る確率が非常に高いわけでございますが、これをプロテアーゼ阻害剤、TelaprevirとかTMC435に置きかえて、Daclatasvirと併用した場合に、Daclatasvirは血中濃度が上がってしまうという問題がございます。実際に海外では、通常60?なのが20?に減らして治験を行っているという現状でありまして、最近出た総説でも、今後、Drug-Drug interactionが非常に大きな問題になるということで、専門医はこれを十分に考えておかなきゃいけないという論文が出ております。
 そこで、今後、新薬が続々と出てくるので、いつ、どの薬剤で治療するかということで、個人個人がどのぐらい発癌率が高いかを予測することが大事だろう。私は厚労省の班会議で3年間、データマイニングの研究をやらせていただきましたので、個人個人がどのぐらい発癌率があるかを簡単に見られるものをつくりました。
 全体で6.2%が5年間で発癌していたのですが、発癌しやすい患者さんは60歳以上が8.6%と多くて、血小板が15万以下に下がっていれば、さらに13%。そして、アルブミンが下がっていれば20.9%になるということで、発癌リスクが非常に高い患者さんがわかります。そして、5年ぐらいで6%から7%の患者さん、あるいは5年ぐらいで発癌リスクはそれほど高くない患者さんが見分けられるものであります。これはパンフレットにして、肝炎情報センターのホームページに掲載させていただいております。
 この2枚のパンフレットを並べておいていただいて、実際の診察室で使っていただくことをやっていただいております。例えば60歳の男性、1型、高ウイルス量で、血小板14.7、アルブミン3.6で、AST46、γGTP34といった患者さんが来られたら、机の上のパンフレットをあみだくじみたいにたどっていただくわけです。まず、あなたは60歳以上で血小板が低くて、アルブミンも下がっていますね。そうすると、5年以内に20.9%、癌になる確率がありますよというお話ができるわけであります。
 ところが、この患者さんが今、治療をお受けになると、50歳以上で血小板も高くて、γGTPも低くて、男性なので、72%が現在のペグインターフェロン、Ribavirinで治りますということになりますので、こういった5年以内の発癌リスクを個人個人の患者さんで判別できる。そして、治療効果が予測できるということなので、こういったものを活用していただいて、いつ治療するのかという参考にしていただければありがたいと思っております。
 新薬が続々開発されて、インターフェロンなしで治療できる可能性が出てくるわけでありますが、どの時点で、どの薬で治療するのかということを、今後、専門医がきちんと決めていくことは大事な役割じゃないかと思っております。
 以上です。
○林座長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見、ございましたら、どうぞ。
○八橋委員 長崎医療センターの八橋です。参考になるデータ、ありがとうございました。
 今、テラプレビルを用いて、日本の中でも、多くの方が治療を受けられています。そこで、テラプレビルで治療がうまくいかなかった場合、次、どのような治療をするべきなのかということに関してお聞きしたく思います。より新しいお薬を使うようになるかと想像していますが、そのあたりの世界の動きというか、テラプレビル無効、再燃例に対する治療戦略について、何か御存じだったら教えていただければと思います。
○泉委員 これは、個人個人、専門家で意見が相当違うところではないかと思います。実際にテラプレビルで治らなくて耐性が出てしまった人でも、次のプロテアーゼで治るかどうか、世界で一つもデータがないので、全く答えるエビデンスがないのです。ただ、作用機序が異なる薬剤が次々出てくるので、たとえ1剤で耐性が出ても、それが救済される可能性は十分あるだろうと思っています。ただ、これは今後、臨床のデータをいろいろ見ていかないと、正確なエビデンスは出てこないのかなと思っております。
○八橋委員 ペグインターフェロンとRibavirin併用治療の場合は、薬剤耐性変異のことは、ほとんど問題にならなかったわけですが、今後DAAsを用いての治療が主流になってきた場合、薬剤耐性変異の有無と、その検出方法の感度、特異度の問題も含めて、非常に複雑な様相になると予想していますが、いかがですか。
○泉委員 おっしゃるとおり、開発治験の場合には、完遂できる患者さんが割合としては多いわけですが、実臨床になるとなかなか完遂できない。そうすると、耐性変異がどれぐらい起きるのか、それをどういう感度のいい方法で調べるのか。そして、耐性変異が出た場合に、さらに新しい薬剤でそれに打ちかてるのか、あるいは別の薬を持ってきたほうがいいか。この辺は非常に大きな問題なので、今後、専門医できちんと調べていくことが非常に大事なテーマになるのではないかと思っております。
○林座長 どうぞ。
○熊田座長代理 耐性は、先生も御存じのように、とめると1年以内に全部ダイレクトで消えるというのは、世界でも出ていますし、うちでも出ているわけです。それから、耐性が出ているのは、ほとんど前治療、ノンレスポンダーですね。今回の治験を見てもそうですね。耐性の97%は、初回治療とか再燃からは出ていないのです。ですから、前治療無効例に関しては、テラプレビルをどうするかと考えなきゃいけないと思いますし、既に耐性に対して、NS5Aと5Bの薬剤を療法投与しますと、NCGの耐性が消えてしまいますので、次のことはもう準備済みと私は考えております。
○林座長 ほかによろしゅうございましょうか。これは実際、なかなか論理的にいかないところがございます。すべての薬が自由に使えると、割と論理的に対応がとれるのですが、実際それぞれの国で、いつの時期にどの薬剤が使えるかというのは、かなり厳しい状況にあるので、なかなか論理的にいかないと思って、かなり厳しい状況になるかもわからないと心配しています。
 特に、インターフェロンフリーで治効率が上がってくるので、一見、どなたでも治療できるように思うのですが、先ほど泉先生のお話にございましたように、耐性を持ったいろいろな問題がございます。実は、なかなか難しい問題をかなり含んでいるので、インターフェロンフリーの治療になっても、専門家に治療していただかないと大きな問題が起こってくるということが予測されますので、まだかなり難しい問題をいろいろ抱えているのではないかなという気はしております。
 ほか、よろしゅうございましょうか。今年の秋以降、さらに欧米、日本からもデータが出てまいりますので、どのように治療が変遷していくかということも、大体予測できる時代になってきたのではないかなという気がしております。
 あと、11月にアメリカの肝臓学会がございますが、そこのデータを見ると、さらに実際、どういうふうに世界的に変遷していくかというのが大体明らかになるような気もしているのですが、泉先生の御意見はいかがですか。
○泉委員 そのとおり、毎回、春のヨーロッパ、秋のアメリカでどんどん新しいデータが出てきて、びっくりするぐらい効果のある新しい薬剤が出てくるので、恐らく11月には画期的なデータが出てくるだろう。特に、インターフェロンなしで治療できるような薬剤の、非常に画期的なデータが出てくる可能性があると思っております。ですから、今後、治る患者さんがふえるだろう。ただ、それに伴って、いろいろな専門家が果たすべき役割もしっかりあるのではないかなと思っております。
○林座長 著効率だけ見ると、問題が解決したような気になるのですが、副作用とか変異の問題、まだまだ解決しなければならない問題がかなりございます。かなり専門的な知識がないと、なかなか対応がとれないという難しい点もございますので、今後検討を進めていかなければならないような気がしております。
 よろしゅうございましょうか。またございましたら、最後に御意見をお聞かせいただければと思います。
 続きまして、インターフェロンの少量長期につきまして、八橋委員のほうからよろしくお願いします。
○八橋委員 よろしくお願いします。発癌抑止目的のインターフェロン少量長期について、これまでの報告をまとめて発表したいと思います。7つの英文論文を私のほうで選ばせていただきました。前回、この会議が行われたのは3年前で、それから3年経過したということです。7つの論文のうち、3番目までの論文が前回の会議までの発表論文、4番目以降の論文が、それ以降に報告された論文ということになります。
 まず、虎の門病院の荒瀬先生が2007年に報告されています。これが初めての報告ではないかと思うのですが、60歳以上のC型慢性肝炎または肝硬変120例に対して、天然型インターフェロン300万単位、週3回を平均2.4年施行して、年齢と性をマッチさせた240例の非投与群と比較した。その結果、10年発癌率は、インターフェロン治療群は17.3、非インターフェロン治療群32.8ということで、有意な差があったということと、またインターフェロンを投与することでの発癌の相対リスク度は0.3ということで、30%まで下げるという御報告であります。
 もう一つは、2007年に新小倉病院の野村先生からの報告ですけれども、60歳以上のゲノタイプ1型44例を対象に、同様に天然型インターフェロン300万単位、週3回、3年間投与を行っています。年齢、性別、肝組織像をマッチさせた44例の非投与群と比較した結果、発癌率が有意にインターフェロン投与群で下がっていたということです。日本からは、ともにこういう形で、コントロールスタディーとしてインターフェロンの発癌抑止効果が確認され報告されていたということであります。
 一方、2008年にアメリカでの大規模な試験結果が報告されました。ペグインターフェロンとリバビリン無効例に対して、ペグインターフェロン90μ、3.5年投与した試験です。掲載雑誌は、ニューイングランドジャーナルで、結論としては、肝硬変、慢性肝炎ともにコントロール群との比較では、治療群では肝病変の進展を抑止しなかった、インターフェロンの発癌抑止効果を否定するような報告でした。
図に示しますように、肝硬変症例では、コントロール群と治療群との間には発癌率の差がない。むしろ、下の慢性肝炎症例で見ますと、治療群のほうで発癌率がやや高い。有意差はないのですが、そういう報告でした。この論文が出された後は、インターフェロンによる維持療法に関して世界的には否定的な見解が広がったと思います。
 一方、同じスタディーなのですが、前回の報告では4年までの経過観察であったのに対して、今回は8年まで経過観察すると、結果が若干異なっていたということであります。結論を言いますと、ペグインターフェロン3.5年で、慢性肝炎症例では肝癌の発生頻度は抑制しなかったが、肝硬変症例では、コントロール群に比較して治療群で低い発癌リスクを示したということです。全例での解析では有意差はなかったけれど、サブ解析を行いますと、肝硬変症例では8年間の観察で有意差が見られたという報告であります。
 慢性肝炎症例と肝硬変症例、全部合わせての解析では有意差がなかったわけでが、肝硬変症例だけを見てみると、治療群では207例中、発癌したのは14例、6.8%。コントロール群では、220例中34例、15.5%ということで有意差が見られたということです。発がん率が半分程度に低下、0.45ほど下げるという報告でした。
 これは、累積発癌率ですけれども、例えば肝硬変症例観察7年目で、治療群では7.8%、コントロール群では24.2%でした。4年目では差がなかったものが8年間長期観察することで、発癌率の差が見られたという報告であります。それで、3.5年のペグインターフェロンによる少量長期治療が、ある集団では発癌抑止効果があるのではないかという見解になったかと思います。
 一方、2011年に、ペグインターフェロンによる少量長期治療例での生存に関しては、むしろネガティブな報告もなされています。HALT-Cは、慢性肝炎症例と肝硬変症例と2群に分かれているのですけれども、慢性肝炎症例でペグインターフェロンを投与した群で死亡率が高かったと報告しています。ただし、その死因は肝疾患以外の原因が多かったということで、このあたり、治療との因果関係に関して明確なコメントはありませんでした。具体的に言いますと、このHALT-Cはアメリカなのですが、7年目の死亡率が肝硬変症例で27%、慢性肝炎症例で11%ということで、やや高い死亡率が報告されています。
 これが全体集計なのですが、コントロール群と治療群の比較では、治療群のほうが統計的には死亡率が高かったということであります。ただ、死亡の原因を見てみますと、有意差が見られたのは肝疾患以外の死亡についてであり、肝疾患関連死亡のところでは、慢性肝炎症例でも肝硬変症例でも差がないということで、その解釈というか、理解が難しいと考えています。
 その内訳ですが、慢性肝炎で治療した例では、肝疾患以外のがんが多いとか、いろいろなイベントが起きているということです。結論的には慢性肝炎治療群ではコントロール群に比較して死亡率が高い。その理由は、肝疾患以外の死因が関与していたということです。治療との関連、直接的な因果関係に関して明確なコメントはなかったと理解しています。
 それと、ヨーロッパからもほぼ同様な大規模なコントロール試験結果が報告されています。ペグインターフェロンα2bの投与群が311例、非投与群が315例ということで、5年間の経過を見ています。結論として、ヨーロッパでのこの前向き比較試験では、投与群と非投与群の間では発癌発生率に差はなかったとのことです。ただ、サブ解析をおこないますと、門脈圧亢進症を呈する患者では、腹水貯留とか静脈瘤破裂の頻度が抑えられたと報告されています。
 これは、この8月に日本から報告された論文であります。そこに委員でおられます泉先生がまとめられました。21施設のペグインターフェロンの少量長期の発癌抑止効果についての報告です。ペグインターフェロンα2aの少量長期投与法は、治療開始24週目でALT、AFP値が正常化した例では、肝癌発生率を低下させたと報告しています。
 日本のデータですので、少し詳しく御説明しますと、国内21施設での多施設共同研究で、Retrospective Studyであります。ペグインターフェロンα2a、90μを週1回もしくは2回投与を行って、1年以上投与した594例を解析した。一方、治療を行わなかった99例をコントロール群にして、これは発癌抑止の観点で投与群とコントロール群の比較を行ったということであります。
 対象患者の平均年齢は61歳で、発癌した例と発癌していない例の単変量解析では、背景因子についてどのような差があったのか明記されています。
 これが結論の一つになるのですが、肝癌発生に関するリスク因子の検討では、治療を開始して24週目のALT値が40以下の群では、41以上の群に比較して有意に肝癌発生率が低下していたということであります。
 もう一つ注目したい点は、治療開始24週目のAFP値が10ng/ml未満の群では、10ng以上の群に比較して肝癌発生率が低下していた。最近、AFP値が肝癌発生リスクに関係することと、インターフェロンを投与することで、必ずしもウイルスが陰性化しなくてもAFP値が低下することが言われています。治療開始時の値でなく、治療24週目の値に注目した点、ある程度インターフェロンに反応性を示した者で、発癌抑止効果があったということを、初めて明確にされたのではないかと理解しています。
 さらに肝癌発生に関する因子ということで7因子が抽出されています。年齢、高齢になるほど発癌リスクが高い。男性のほうの発癌リスクが3倍高い。肝の線維化進展度と血小板の数、ビリルビンの値、24週目のALT値、24週目のAFP値などが独立した因子であったということであります。
 実際、投与していないコントロール群と比べてどうなのか、背景因子をそろえた59例と59例でマッチコントロールスタディーが行われています。それによると、ペグインターフェロンを投与した群では、投与していない群に比べて有意に発癌率が低い値を示したということです。多変量解析を行っても、ペグインターフェロンを行ったこと、と年齢が、肝発癌に関与していたという結論です。
 7つの論文レビューの結論です。このような形で、海外の論文と日本の論文をまとめてみました。海外からは、ヨーロッパとアメリカ、2つとも大規模な1,000例と600例近くの症例での検討です。無作為試験ということで、スタディーとしては非常に完成度が高いと言われています。ただ、2つのスタディーともに、無治療群に比較して治療群で有意に肝癌発生を抑止したという結論には至っていませんでした。
 HALT-Cでは短期観察では差が見られなかったのですが、サブ解析ということで、肝硬変症例で8年まで長期観察を行うと、インターフェロン投与群で発癌率の低下が確認されたということです。ただ、死亡率ということに関しては、むしろ治療例で高かったということですが、その理由は肝疾患以外の因子が関与していたということであります。
 ヨーロッパでのEPIC試験では、門脈圧亢進症患者で腹水貯留、静脈瘤破裂の発生抑制が見られましたけれども、肝癌の発生抑止については結論が得られていません。
 日本からは3つの後ろ向きスタディーが報告されました。単独施設では2研究、多施設共同研究では1研究です。いずれも前向きのものではないということで、マッチコントロールスタディーではありますが、日本からのレポートで3つとも共通しているのは、少量のインターフェロン、これは天然型インターフェロン300万単位週3回、およそ3年投与、ペグインターフェロン90μ週1回ないし2回の1年以上投与では、無治療群に比較して有意に発癌発生が低下していたという報告であります。
 海外と日本では、スタディーデザインが異なり、得られた結論も違うのですが、これは患者さんの背景因子とか発癌リスクとか、海外と日本でバックグラウンドが違うということが関与しているのではないかと考えられます。
 以上です。
○林座長 どうもありがとうございます。
 御質問、御意見がございましたら、どうぞ。金子先生。
○金子委員 泉先生の論文も含めてなのですけれども、海外と国内の論文の比較をいただきましたけれども、一番大きな違いが、国内はある意味肝癌の発癌率を見ている論文がほとんどで、海外のものはそのサバイバルを見ているということだと思います。泉先生の御報告などで、サバイバルで見た場合は何か違いが出ているのでしょうか。
○八橋委員 泉先生に答えていただくのが良いかと思います。
○泉委員 これは後ろ向き解析で、長くペグインターフェロンを投与して発癌まで経過を見た患者さんを後ろ向きに集めた。ですから、逆に前向きに登録して亡くなるまで見たという報告ではないので、生存率を延ばしたかどうかという解析ができないのが後ろ向き解析の欠点なわけです。ですから、本来は前向きでやるべきなのですが、前向き検討はなかなか難しいので、後ろ向きに見た施設で集めたらこういう結果だったということです。ですから、生存率が改善したかどうかというデータは、後ろ向きではできないです。
○金子委員 そうすると、気になるのがHALT-Cスタディーの75ページ、5.HALT-C 2011。HALT-Cスタディーで長期観察をすると、肝硬変群の肝癌発癌率は、サブ解析ですけれども、低下した。そこで、この図Bを見ると、肝癌発癌率を低下させたのに、肝硬変に限って見ても肝疾患関連死亡は低下させていない。これをどう考えるのか、ちょっとよくわからないのですけれどもね。
○八橋委員 このあたりの詳細が、フォローの状態などと、どのような集団で、それぞれの発生率を出しているのか、HALT-Cでの細かなところがわからないのです。ただ、死亡例が増えると、母集団を減らしてゆきますので、発癌率にも影響を及ぼしているのではないかと思います。欧米での死亡率は少し高いような気がします。HALT-Cは、エントリー時の年齢は50歳なのです。
○林座長 欧米の肝硬変の死亡率は、日本より高いような気がします。だから、日本ですとC型の肝癌の死亡率が物すごく高くなるのですが、欧米だと肝硬変で、肝癌以外で亡くなられる方がかなりいるので、それが少し寄与しているのかわかりません。確かに論文を読むだけだと、そこのところの解析ができないので、理由がもう一つ不明確かもわかりません。
○金子委員 このHALT-Cで肝臓以外の死亡が3割ぐらいでしたか、あるというのは確かに問題だと思うのですけれども、肝臓死関連死亡であっても、肝硬変で肝癌発生率を下げたところが7年を見ても差がついていない。これはちょっと不思議だなという。
○八橋委員 詳細はわからないです。
○林座長 どうぞ、岡上委員。
○岡上委員 今の質問にも少し関係しますが、HALT-Cは最初は肝硬変に限定して検討し、発癌抑制を主に検討しました。泉先生の論文を拝見すると、F0、F1、F2のような発癌リスクの低い患者が圧倒的に多く、欧米での成績と比較検討するには無理があります。すなわちインターフェロンによる発癌抑制を主目的にするのか、長期の生命予後改善を目的にするのか、焦点を絞るべきと思います。そうでないと議論がごっちゃになってしまう。
 少量長期投与による発癌抑制や生命予後の改善の有無に関しては、エビデンスに乏しいといわざるを得ません。
○林座長 特に慢性肝炎だと経過がかなり長いので、今の日本のフォロー期間だけだとなかなか難しくなるかもわかりません。
○岡上委員 先ほどの泉先生の発表にもあったように、この数年のうちにドラマチックに治療が改善するわけですから、F1、F2のように発癌リスクが低く予後良好な患者さんに現時点でんど発癌抑制を目的に何年にもわたってインターフェロンすることのデメリットのほうがむしろ大きい可能性があるわけで、その辺を慎重に考えないと大きな問題を残すのではないかという感じがしますね。
○林座長 どうぞ。
○金子委員 続けてあれですけれども、デメリットという点にちょっと視点をずらすと、このHALT-Cが明らかにしている大きな問題は、7年見て、15%、20%でしたか、少量長期していることによるデメリットがあり得るというディスカッションが延々と書いてあるのです。
 このHALT-Cの材料を使って、実はインターフェロンを少量長期すると、そのほかのサブ解析などは、例えばリンパ球のテロメアが短くなるとか、いろいろなことが述べられている。いわゆる肝硬変で肝癌が減って、日本の場合は肝癌の発生率が低下するのと死亡率が割と一致すると思うのですけれども、それじゃない集団に投与していた場合のデメリットがこれだけ明確に出ている場合に、メリットが上回らない集団に投与するというのは相当慎重でなければならないだろうと私は解釈したのです。
○林座長 その点は重要ですね。少量にすると、目に見える副作用は減るのですけれども、それが長期投与するときにどうなるかという検討は、余り世界的にやられていないというのは、そのとおりだと思っております。どうぞ。
○泉委員 私が集めた患者さんは、結果的に長い間、ペグインターフェロンの投与ができた患者さんにおいて発癌率が低下したということです。ですから、途中で副作用でインターフェロンができなかった患者さんは、この中に含まれていないので、そこは前向き検討と後向き検討の大きな違いだろうと思います。ですから、今、金子先生がおっしゃったように、副作用でできなかった患者さんは、私の研究に入っていません。
○林座長 坪内委員、どうぞ。
○坪内委員 今、御議論があったように、日本のデータはHALT-Cに比べれば症例数も少ないですし、かなりバイアスのかかった集団での成績で、現時点ではHALT-Cの多数の、しかも長期のデータがエビデンスレベルとしては高いものです。そのデータがいいデータではないので、今の先生方の御議論と私も同じような印象を受けます。
○林座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 私も、このHALT-Cの次のデータがいつ出てくるかについては知らないのですが、どなたか御存じの方はおられますか。この後のデータが次、出るかわからないですね。
○泉委員 長期フォローの数がだんだん少なくなるので、出るのかどうか。
○林座長 日本で、これ以外でn数が多いデータが今後出てくる予定は、熊田先生、ございますか。
○熊田座長代理 うちが1,700例のデータを投稿中ですけれども、前向きでやることは、日本ではなかなか難しいというのが1つと。それから、いい人は長く続きますし、途中で副作用がある人はそこでやめているわけですね。だから、いろいろな制癌剤もそうですが、効く人には確かに効く。ですけれども、マスでやると、前向きにやると本当はなかなか出ないのだと思います。
 ただ、きょうの議論で少量長期をどうするかということなのですが、多分内服2剤がここ二、三年で出てくることを考えると、3年後に見直すときには状況はまるっきり変わってしまっているだろうと思います。だから、この時点でもエビデンスが今のところ、坪内先生がおっしゃるとおりで、海外のあれだけのマスのデータではっきり出ないものを、日本で本当に認めていいかという話になると、今回、結論をつけない限りは、3年後は無理だろうと思います。
 ただ、よく効く人がいることは、私たちもやっていますから間違いないのだけれども、その人が遺伝子的な問題、いろいろな問題をやっても、なかなか表舞台に出てこないというのが一番の問題かもしれません。
○林座長 特に、3年たちますと状況がかなり変わってくるというのは、そのとおりだと思います。肝硬変のウイルスが排除できる時代に恐らくなっていると思います。
 それ以外に何か御意見、ございますでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 それでは、全体を通じましてB型、C型、インターフェロン少量長期につきまして、最後に先生方、御意見等、ございますでしょうか。本日の先生方の御意見を踏まえて、次回に事務局のほうから原案をおつくりいただきますけれども、何かそれ以外に先生方、これだけは言っておきたいということがございましたら、お聞かせいただいたほうが事務局のほうも案をつくりやすいと思います。いかがでございましょうか。
 それでは、最後に事務局のほうから何か連絡事項等、御発言、ございますでしょうか。
○北澤肝炎対策推進室長 御意見、ありがとうございます。本日、御意見をいただいた内容につきましては、座長と御相談させていただきまして事務局でまとめさせていただきまして、次回の肝炎治療戦略会議で御報告させていただきたいと存じます。
○林座長 それでは、これでこの会を終わらせていただきたいと思います。
 それでは、本日の御出席、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局疾病対策課肝炎対策推進室
大石
(電話): 03−5253−1111(内線2944)

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