ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会) > 第176回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録




2012年6月18日 第176回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成24年6月18日


○場所

職業安定局第1・2会議室


○出席者

大橋委員、柴田委員 (公益代表)
石黒委員、新谷委員 (労働者代表)
小林委員、高橋委員、高山代理 (使用者代表)

事務局

生田派遣・有期労働対策部長、田畑需給調整事業課長、三上派遣・請負労働企画官
鈴木主任中央需給調整事業指導官、佐藤需給調整課長補佐

○議題

労働者派遣法改正法の施行等について(公開)

○議事

○大橋部会長 ただいまから、第176回労働力需給制度部会を開催いたします。
 今回は、所用により、公益委員の橋本委員、労働者代表の宮本委員、使用者代表の秋山委員が欠席です。なお、使用者代表の秋山委員の代理として、日本商工会議所産業政策第二部高山副部長が出席されています。また、石黒委員は遅れて出席されます。よろしくお願いいたします。
 それでは議事に入ります。本日は、公開で、前回の議論の続きをご議論いただきますが、まずは今回新しく配布されている資料の説明を事務局から行った後に、前回の議論の積み残しも踏まえ、ご議論いただきたいと思います。
 また、本日も前回と同様に、論点ごとに議論いただく方法で進めていきたいと思います。それでは事務局から説明をお願いします。
○佐藤補佐 それでは資料の確認をお願いいたします。資料1「待遇に関する事項等の説明方法」、資料2「日雇派遣について」。これは前回最後のほうに説明をした資料です。参考資料として、労働者派遣法改正法の政省令・告示等に関する主な検討事項(案)ということで、コピーをそれぞれ用意しております。資料の欠落等がございましたら、適宜事務局までお申し付けください。
 資料1「待遇に関する事項等の説明方法」について説明します。1頁です。この場でも議論がありましたが、前回の部会で、派遣元事業主が派遣労働者として雇用しようとする労働者に対して説明するべき事項について、どういった説明方法が考えられるかということでいろいろご意見がありました。その際の議論を踏まえ、以下のとおりとしてはどうかと整理をしました。?当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込み。これについては、「書面の交付、FAX又は電子メール」の方法による。?として、待遇に関する事項で賃金の額の見込みを除く事項、労働時間、労働場所、そういったこと、それから事業運営に関する事項及び労働者派遣に関する制度の概要。これについては、「書面の交付、FAX、電子メール等」で、口頭によることも可能としてはどうかという形で事務局として整理をしております。
 次に2頁以降は似たような資料を付けておりますが、それぞれの調査で所得分布等がどうなっているのかです。2頁で家計調査。これは前回の資料でも出しましたが、「家計調査の調査対象となる勤労者世帯の所得分布」です。前回の資料に若干修正を加えておりますのが、右上のほうにカバー率というものを付け加えております。平成23年4月家計調査における勤労者世帯の所得分布で、カバー率は年収600万円以上で52.4%、550万円以上で59.8%、500万円以上で67.2%、450万円以上で75.0%、400万円以上で82.3%、350万円以上で88.6%、300万円以上で93.4%になっております。下のグラフでいちばん多いのは800〜900万円の352で、それまでのグラフは50万円刻みでグラフを作っておりますが、800万円以降は100万円単位になっております。1,000〜1,250万円についても若干でこぼこが出ている部分がありますが、ここからは250万円単位になっています。
 3頁で、「民間給与実態統計調査」という国税庁の調査における給与所得者の所得分布です。こちらについては、いちばん多いのは300〜400万円の822万6,000人という数字。200〜300万円が次に多い数です。先ほどと同じような形で、1,000〜1,500万円のところが若干でこぼこになっておりますが、ここはそれまで100万円単位だったのが500万円単位になっているとのことです。こちらについても右上にカバー率を付けています。こちらは統計上100万円単位しかないので、100万円単位でカバー率を添付しておりますが、600万円超で17.7%、500万円超27.1%、400万円超で41.4%、300万円超で59.5%という状況になっております。
 次に、4頁から続きますが、こちらは「賃金構造基本統計調査」という厚生労働省で取っている調査をもとに労働者の所得分布を出しているものです。全体の平均年収は470.9万円、男性が526.8万円、女性が355.9万円になっております。そのうち正社員の平均年収は502.3万円、非正社員の平均年収は273.8万円です。なお、この平均年収は、賃金構造基本統計調査で出ております「きまって支給する現金給与額」、これは残業代も入れた月給ですが、これを12倍した上で、プラスアルファとして年間賞与その他特別給与額(ボーナス)をプラスして算出しているものです。4頁の下のグラフは賃金構造基本統計調査の「労働者全体」の所得分布です。調査上は月収ベースの所定内給与額で、残業代が入っていない給与についてしか調査からは出てこないのですが、労働者全体で月給の分布がどうなっているのかという図です。いちばん多いのは20〜30万円になっております。
 5頁は労働者全体ではなく、正社員と非正社員、それぞれがどういう分布になっているかを示した図です。上のグラフが「うち正社員」で、正社員については月収ベースで20〜30万円がいちばん多い状況です。「うち非正社員」は下のグラフで、いちばん多いのは10〜20万円という状況です。
 次に6頁です。先ほど、賃金構造基本統計調査の所得分布は、所定内給与額の月収ベースしかないと申し上げましたが、それまでの2つの統計との比較をしやすくするために年収ベースに置き直して考えております。この年収ベースの置き直しの考え方は、表のいちばん下に※を付けておりますが、労働者全体のきまって支給する現金給与額、所定内給与額、年間賞与その他特別給与額の関係が同じである等の仮定を置いた上で推計を行っているものです。「労働者全体」でいちばん多いのは、300〜400万円、その次が400〜500万円になっております。カバー率で説明すると、年収600万円以上で21.3%、年収500万円以上で33.0%、400万円以上で52.0%、300万円以上で77.2%となっています。
 7頁です。労働者全体ではなく、正社員の年収換算の所得分布です。「うち正社員」についていちばん多いのは400〜500万円です。カバー率は600万円以上で24.1%、500万円以上で37.1%、400万円以上で61.3%、300万円以上で83.0%となっています。次に8頁は非正社員の所得分布を年収ベースに置き直したものです。「うち非正社員」の場合でいちばん多いのは200〜300万円です。カバー率は600万円以上で2.5%、500万以上で5.0%、400万円以上で10.5%、300万円以上で28.6%です。
 資料9頁です。前回の部会で部会長からご指摘のあった事項について、事務局として整理した資料です。日雇労働者の収入がどういう状態になっているかです。調査が古いですが、平成19年に行った「日雇い派遣労働者の実態に関する調査」の調査結果によると、短期の派遣労働者、1カ月未満の雇用契約で働く方の平均月収は13.3万円でした。13.3万円が平均月収ですので、単純に12倍すると大体160万円弱、159.6万円になります。下のほうに参考という形で付けましたが、「日雇派遣」による就業が主たる稼得手段である労働者を想定した場合のイメージで、仮に日雇派遣の収入要件を600万円、500万円、400万円、300万円に設定した場合にどうなるか。収入要件を600万円という形で考えた場合に、日雇派遣の収入を除くと、どのくらいの収入が実質的に残るかです。600万円から機械的に159.6万円、上の数字の12倍の数字ですが、これを引いて考えると大体440万円です。収入要件を500万円で考えると340.4万円、400万円で考えると240.4万円、300万円で考えると140.4万円となります。これと標準生計費との関係でどのように考えていくか。
 次に10、11頁は、日雇派遣の原則禁止に関して、平成20年当時にこの部会でご議論いただいた際の状況をまとめたものです。10頁の上の囲いに書いてありますが、平成20年9月の労働政策審議会建議、あるいは平成21年12月の労働政策審議会答申のいずれにおいても、日雇派遣の原則禁止に関して労使からの意見は付されていない状況です。点線の中については、それぞれ当時の審議会の建議・答申の抜粋ですので説明は割愛させていただきます。
 11頁です。こういう形で建議を取りまとめていただきましたが、その建議の取りまとめに当たり部会で議論いただいた際には、日雇派遣に関していくつか指摘事項があります。指摘事項例を、上4つ、下3つに分けております。上4つの指摘事項として申し上げると、派遣元事業主において必要な雇用管理がなされず労働者保護が果たされない、派遣元事業主が派遣労働者を雇用しているという自覚があるかどうか疑問で雇用者責任を放棄している、責任の所在が不明確になる、使用者性が曖昧になり結果的に労働災害等の問題が発生する、そもそも雇用管理がなされない日雇派遣という形態は社会的に問題がある等々、指摘があります。
 下3つとして、日雇派遣労働者の中には今のままの働き方を希望する方も多く、原則禁止にした場合、学生や主婦等にとって不便になり、それまで従事してきた仕事を失うおそれが出てくる、あるいは雇用者責任が果たせないような事業所やコンプライアンスの認識が不十分な事業所に対しては個別の指導を強化していけば十分であり、原則禁止にする必要まではないのではないか、引っ越し等のように繁閑の差が大きい業務や一時的・突発的に生じる業務についても労働者の安全を確保した上で例外を認めるべきである等、こういった議論もあります。
 なお、注2に書いてありますが、平成21年当時にも同じようにご議論していただきましたが、平成21年当時の議論は、いま申し上げたような指摘事項を前提とした上で、主に日雇派遣の期間、これは30日以内から2カ月以内にしていますが、この辺についての議論が中心であって、日雇派遣の規制の必要性自体にまで遡った議論は行われていない状況でしたので、併せてご報告申し上げます。
 12頁は、「会計基準の取扱いについての変遷」です。平成20年9月(建議)当時の会計基準はどうだったか、現在の会計基準はどうかについてまとめた資料です。「連結財務諸表に関する会計基準(日本基準)」の平成20年9月(建議)当時は、子会社の範囲は支配力基準により判定となっております。これは今でも同じです。「米国基準」は、アメリカのSECに登録している企業については米国基準での財務諸表の開示が許容されている。子会社の範囲をどう考えるかというと、これは持株基準により判定する。これが建議当時の考え方でした。これについては今も同じです。いちばん下の「国際会計基準(IFRS)」については、子会社の範囲は支配力基準により判定するとされております。ただ建議当時は日本では使用されていなかったという状況です。右側の現在の状況ですが、平成22年3月期より、国際的な事業・財務活動を行う企業の連結財務諸表についてはIFRSの使用が許容されている。※で書いてありますが、ただし外国に資本金20億円以上の子会社を有している等の要件を満たす場合のみ使用ができるということです。子会社の範囲は同じように支配力基準で判定するとされておりますが、注2に書いてあるように、日本基準の場合には重要性の乏しい子会社等については連結対象外となりますが、国際会計基準の場合にはそういった例外はないという現状です。事務局からの説明は以上です。
○大橋部会長 「待遇に関する事項等の説明方法」について、前回の議論を踏まえて事務局に資料1の1頁のとおりに整理していただきました。まず、それにつきまして、ご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○石黒委員 遅れてすみません。「説明方法」のところで、基本的には書面の交付、FAX又は電子メール等となりました。その中身なのですが、逆に賃金の額の見込みを除くところはやりなさいということなのですが、賃金の額の見込み以外のところで、この事業計画とか何とかというものについては膨大な量になりますし、「電子メール等」の中に入っていいと思いますが、例えば派遣期間の見込み、社会保険額や労働保険額の見込みといったものについては特に重要な事項なので、そちらを書面、FAX、電子メール、きちんとした書面で確認する、労働者に伝えることも含めて少し確認をさせていただければというように省令等には記載していただきたいと思います。
○大橋部会長 どうですか。
○田畑課長 前回、いろいろご議論がある中で、「賃金の額の見込み」が非常に大事ということで、この部分については書面で限定してもいいのではないかということで今回こういったご提案をさせていただいています。
 賃金の額以外のその他の部分については、「等」ということで、整理してご提案させていただきました。賃金がいちばん重要だということで、その他の部分については口頭も可とするやり方でいかがかと事務局としては考えています。
○石黒委員 どちらかというと、私たちは、きちんと書面のほうにしてくれという話の中で、やはり事業計画とか事業運営とか、そういったものについては書類で出すといっても大変だというところの議論から来ている。前回、もう少しそうしたところにこだわってお話すればよかったのですが、基本としては、賃金、派遣期間、それから社会保険、労働保険といったものも含めて、上の?のところに「見込み」をきちんと出すようにという形に指導していただきたいと重ねて要望したいと思います。
○大橋部会長 ただ、派遣期間ということになりますと、もともと日雇派遣ですから1カ月以内ということなので。
○田畑課長 日雇いではなくて全ての派遣での待遇の説明です。繰返しになりますが、前回に「等」というものをどこまで認めるかということでさまざまなご意見があった中で、賃金について書面にしようということで一定の合意もあったというように私どもは受け止めておりまして、こういった形で整理をさせていただいたということです。
○高橋委員 前回、この件に関しては結構やり取りがありましたが、やはり、派遣の実態に合わせてどうなのかということで議論をしたほうがいいと思います。前回の会合が終わったあと、派遣元の主な企業の皆さんに「雇入れの実態がどうなのでしょうか」というお尋ねをして、教えていただきました。その方々がおっしゃるには、いまの一般的なパターンは、派遣元のインターネットのホームページをご覧になられて、そこのお仕事情報みたいな形で書かれている職種ごとの賃金、時給とかを見て問い合わせをされる。それで次の段階では、もう、「では、こういうお仕事で」という形で、雇用契約書締結という形になっていく流れなのだそうです。
 雇用契約書の段階では当然、賃金も明確になっていますし、社会保険の適用もはっきりわかります、それが実態だということが多いのだということです。あるいは賃金の額の見込みのようなものが書かれている求人広告をご覧になられて、電話でお問い合わせをいただき、それに対して、ご希望に応じて具体的な職を提示していくこともありますが、次の段階では、もう雇用契約書だという、それが実態だというようにお伺いしました。
 雇用契約書の段階では、明確に賃金の額等ははっきりとわかりますので、私は今回事務局が提示されたように?と?に分けるのではなく、むしろ、現実にはインターネットによる情報の提供も含めるほうが望ましいのではないかと思います。?、?という形で分けるのでなく、「書面の交付、FAX、電子メール等」という形で、賃金の額の見込みも含めて「等」で整理をさせていただくような対応が現実に即した対応ではないかと考えます。
○田畑課長 いま、高橋委員からご指摘があったように、インターネット等で確認をされてこられる場合も少なくないのだろうと思います。ただ、すべての会社がインターネットを整備しているわけでもありません。また、どういった画面を見て来ているかということも人それぞれ違うところもあるかと思います。また、見ている、見ていないという問題も多分あるだろうと思います。
 繰返しになりますけれども、待遇に関する事項等の説明の後に、当然、雇い入れの時にはきっちりした書面によっていろいろなご説明がなされますが、この待遇に関する事項等の説明で書面、FAX、電子メールに限るのか、「等」を付けるのかということを、前回、かなり時間をかけてご議論いただきました。
 その中で、やはり「賃金の額の見込み」については、その後のいろいろなトラブルにもつながりかねないということで、ここは「等」という曖昧なことではなくて、「書面の交付、FAX又は電子メール」に限るべきではないかというのが、そのときの議論の方向性だったと私どもは受け止めています。また、前回の会議でも「そのようなことではないでしょうか」ということでお話もさせていただいたと思います。そういった前回の議論を踏まえて、賃金の額の見込みについてはきっちりと「書面の交付、FAX又は電子メール」、それ以外については「等」というやり方も認めるという方法でやってはどうかということで提案をさせていただいているところです。
○新谷委員 事務局の説明は、前回の論議を踏まえた内容になっていると私は理解しています。ただ、石黒委員が申し上げていますように、待遇に関する事項について、前回我々もちょっと申し上げましたが、実態を踏まえてと高橋委員もおっしゃいましたが、しかし、前回、実態の中で、例えば派遣の見込み期間について特定派遣事業会社においても1年未満の契約があったという違反事例をご報告いただいたわけです。
 そういった実態も踏まえると、この「待遇に関する事項等」について、例えば派遣見込み期間であるとか、社会保険・労働保険の加入状況等々についても待遇事項の中に含めて入れるべきではないかと意見として申し上げておきたいと思います。
○高橋委員 これはあくまでも雇入れ前の説明なので、要するに賃金の額もインターネットのホームページなどでも幅があるのです。実際、その金額になるかどうかわからなくても、その次はもう実際の雇用契約ではっきりと確定します。派遣元の皆さんに、「雇入れ前の賃金額の見込みと実際の契約で何かトラブルがあるのですか」と聞いたら、「トラブルは聞いたことはありません」とおっしゃられました。これはあくまで私の推測ですが、この前ご指摘になられた点は、もしかしたら派遣労働者というより、一般的な労働条件によるトラブルに基づいてご発言になっている部分もあるのではないか。派遣の労働者の実態に限ってそういうトラブルが非常に頻発しているのかどうかの把握がどの程度されているのか。もし、厚生労働省のほうで雇入れに関するトラブル、派遣労働者に限ってという意味ですが、わかっている事象等があれば教えていただきたいと思います。
○田畑課長 いま、手元にどれぐらいのトラブルがあるかという具体的な数字まで持ち合わせておりませんが、雇入れの前の待遇に関する事項等の説明ということが設けられたということは、具体的にどれぐらいの数字があるかということを前提にいまお話できないのですが、そういった可能性は少なくとも相当あるということで規定が入っているのではないかと考えています。いずれにしても、派遣という働き方の中で雇入れ時のみならず、雇入れの前に雇用しようとする労働者に対して、その一段階手前で、こういった事項等について説明をすべしということで法律に盛り込まれた趣旨も踏まえて、やはりトラブルがないような形でいろいろなご説明をしていただくことが重要ではないかと考えております。
 なお、石黒委員から「こういったことも」ということで、書面で行われたほうが望ましいことはそうだろうと思っています。できる限りトラブルがないようにしていただきたいということは、私どももいろいろな場面でお願いはしていこうかと思いますけれども、こういった省令の規制・義務づけということでいけば、前回のご議論を踏まえて、今回のご提案のような形にしてはどうかというのが事務局の考え方です。
○大橋部会長 事務局案が、一応前回の議論を踏まえた形で提案されております。もちろん、これが未来永劫、永久にフィックスされて続くというわけではありません。とりあえず、この形でやらさせていただいて、何かまた問題が出てきたら、その際に議論していただくという形になると思います。とりあえず、もう2回議論していますけれども、それを踏まえた形でこのように出てきています。その点を考慮していただいて、いかがでしょうか。
○高橋委員 なぜ、このように?と?に分けたのか、私は未だに理解しません。もし、どうしても分けて対応しなければいけないとするなら、?については、インターネットによるホームページ上での提示ということも含めていただきたい。インターネットに接続する環境がなくて、書面の交付を労働者が求める場合には書面の交付をするという形で付け加えていただくということが必要なのではないでしょうか。それが現実の実態を反映しているのではないでしょうか。
○大橋部会長 要するに、ご提案は「書面の交付、FAX又は電子メール」とあるところに「インターネット」と入れるということですか。
○高橋委員 はい。
○高山代理(秋山委員代理) 実際問題、問い合わせフォームみたいな形をネット上に取ったときは、電子メールで、ネットのここのページで見てくださいというのが自動的に返るような仕組みになるのではないかと思います。いままでやっているのと同じことで。だから、両方読めるのかなという気もしないでもないですけれども。
 実際、いまインターネットでやっているのが大多数だということであれば、おそらく問い合わせフォームがあって、そこに問い合わせがあったときには、自動的に「このホームページを見てください」という返信が返るようになると思います。それでいいということでいいですか。
○大橋部会長 ただ、明示の仕方にもかなり弾力性があるわけで、賃金については確定した形で取り交わしますよね。だけど、見込み額についてはその際にバンドを持たせて明示するという形もあり得ると思います。そういうことを考えておられるのですか。
○田畑課長 幅を持って見込み額をお示ししているケースであれば、幅を持った額をお示ししていただければ、事項等の説明としては法律の趣旨を満たしているものと一般的には考えられると思います。
 それから、高山代理委員のご発言ですが、たぶん「電子メール」で示している中身の話なのだと思います。要するに、こういった額であるということをきっちり、紛れのない形で労働者の方にお示しいただきたいと。インターネットの場合は「見てくれ」という形になるかもしれませんし、インターネットの活用といった場合に、要はその場でというか、少なくともきっちり確定した形でできるかということになろうかと思います。そういったことから考えると、「書面の交付、FAX又は電子メール」というやり方でやっていただくのが適切ではないかと私どもは考えているところです。
○大橋部会長 つまり、いまのお話ですと、電子メールを送って、詳細についてはインターネットを見てくれという形でもいいということですか。
○田畑課長 コピーして、カット&ペーストしていただいて、貼り付けていただければいい話なので、そういう形でやっていただくのがいちばん紛れのない方法ではないかと考えます。そういったように、私どもはやっていただければいいのかなと考えています。
○高橋委員 最初に電子メールで送れということがありきはないと思います。派遣会社のインターネットにアクセスをして、そこで仕事情報を見て、そこに書いてある職種ごとの勤務地や時給のバンドなどを見て、その上でお問い合わせいただくというパターンが多いわけですから、電子メールでそれを読むというのではなくて、ここにネットによる開示も含めていただくという扱いにしていただいたらどうでしょうかというご提案を申し上げています。
○田畑課長 繰返しになりますけれども、どういう時点のどういう画面を見たかというところが、待偶に関する事項の説明をしたときに紛れがあるような形だと、これはまずいことになるのではないかと私どもは考えています。そういったこともあって、「書面の交付、FAX又は電子メール」に限ろうというのが前回の議論の趣旨というか、そういった議論がなされていたというように私どもは受け止めています。「賃金の額の見込み」については「書面の交付、FAX又は電子メール」と。当然、それ以外のことについては「等」ということで、適宜のやり方でやっていただければいいのかなと考えております。
○大橋部会長 いまのお話と大体合っているのではないですか。
○高橋委員 いや、合っていないと思うのですが。
○大橋部会長 要するに、「インターネットを見ろ」と言っただけですと、どこにどういうように書いてあるかがわからない場合もあるわけです。そういう点では、ここを見なさいと、あるいはカット&ペーストで貼り付けて電子メールで送るということでよろしいのではないでしょうか。
○柴田委員 高橋委員がおっしゃったことと、契約の間の中間的なところを事務局がおっしゃっていて、例えば大きな派遣会社のホームページを見て、何とか職はいくらからいくらで、だいたい契約期間はこんな期間のところが多いという、いわゆる求人のいろいろなメニューがある。例えば、私がそこで事務職みたいなもので、こういうスキルも持っているから、このレンジだけど一体いくらぐらいで、どのようなところに働きに行けるのかしらといって問い合わせをしましたと。問い合わせをしたらいろいろな職種があるけれども、私にはA職とB職が該当して、そのAやBが大体いくらからいくらのレンジでこうなりますという、多少限定したものが返ってくるという、それがメールなどで来る。
 要するに、派遣の会社によってちょっと違うのですが、すごく大がかりにいろいろな職種を扱っているような所に問い合わせをしたときに、「私ができることはこれこれなのですが、何か派遣はありませんか」といったときに、「あなたの部分はこれですよ」というものを多少限定してメールで来てという話があって、そこにはもう少し限定した情報が来る。それは確定ではないけれども、新たに仕事があった場合に初めて雇用契約を結ぶ。中間的なところの前の部分を高橋委員がおっしゃっているような気がします、そうではないですか。
○高橋委員 でも、実際は電話でお問い合わせいただいて、電話で大体お答えしてしまう。その次の段階はもう具体的にご希望を踏まえて職務提示をして、契約書を締結していくというのがどうも流れのようですので、やはり、そのような実態を踏まえたものであるほうが私は望ましいと思います。
○柴田委員 それもよくわかりますけれども、普通の会社だと、その前にスキルが本当に本人の自己申告に合っているかどうかを見た上で派遣先を探してマッチングするので、電話だけでマッチングはそうはしてくれないと思うのです。派遣会社によったり取扱い職種によって多少違ってくると思います。
 ただ、高橋委員がおっしゃったようなものは求人票に近い問題がある。要するに、登録しようとか、この会社を選ぼうといったときには、A社もB社もC社もまずいろいろな所に声をかけて、良さそうな所と自分の所をきちんとケアしてくれる所を選ぶという意味では、その手続きをしっかりしてくれるような派遣元でないとなかなか派遣社員も見つからなくなるので、きちんとやっていったほうが派遣元もいいのかなという気もしないでもないです。やはり、間のプロセスはどうも最近はちゃんとあるような気もいたします。その辺、必ずしも全部調査しているわけではありませんが、事務局がおっしゃったのは、私の言った中間的なことをおっしゃっているのではないかと思います。
○田畑課長 近接している場合やほとんど同時の場合もあるでしょうが、いま柴田委員がおっしゃったように間があいている場合もありますし、インターネットがある会社・ない会社、インターネットも、こういう申し上げ方は労働者の方にもしかするとちょっと失礼かもしれませんが、どういう画面をどういう形できっちり見ているかということが、必ずしも電話だけ口頭だけで十分確認し切れないケースももしかしたらあるかもしれません。そういった場合も勘案して、こういった賃金の額の見込みについては書面にしようというのが前回のご議論の1つの方向性だったと私どもは受け止めていますので、今回こういうようにご提案したということをご理解いただければと考えます。
○小林委員 いろいろな派遣元で派遣労働者の方に「こういう仕事がある」と紹介するのでは求人票に近いですが、ホームページに、こういう条件があるというものを載せているケースもあります。そういうときに、金額はいくらからいくらの範囲と書いてあって、これは私にぴったりで「私、これをやりたいのですが」と言ったときにも、やはり何か書面を出すのですか。
○柴田委員 それは本人がそういうように思っても、それだけの実力があるかどうかは派遣元が確認しますよね。「私はこれができます」と言った途端、「はい、あなたできますね」と言って、「じゃ、あなたはいくら」といって派遣先に紹介するようだったら、派遣元としてのあれはないのじゃないですか。
○小林委員 違います、事前の説明です。まだ契約前の段階のときに。
○柴田委員 でも、「あなたはこれが出来ますよね」というのは、自己申告ですよね。もし、それをそのまま鵜呑みにして派遣先に出すようだと、ちょっとまずいような気が私はします。もしそうだったら、派遣元としての職務を果はたしていないような気がします。
○大橋部会長 これはあくまでも見込み額ですから。
○小林委員 いや、見込み額は出ているわけです。
○大橋部会長 できたらという条件ですよね、当然。
○小林委員 それをもって申し込むというか、私もこういうものというのがあるとき、その問い合わせのたびにまた書面ですか。
○大橋部会長 いや、書面というよりか電子メールでいいわけですから。
○小林委員 「書面の交付、FAX又は電子メール」という。
○大橋部会長 つまり、派遣元が一応、職種別の賃金テーブルのようなものを、広いバンドでいいわけですから、そういうものをお持ちだと思うのです。ある程度のバンドを付けてこういう職種でいくらというものを添付して送ればそれで済むことではないですか。そういうことを事務局は考えておられるのではないですか、そういうことですよね。
○新谷委員 何でもめるのかよくわかりません。もともと、どうすれば紛争を防止できるかという視点で考えたとき、ないよりあったほうがいいと当然思うわけです。要するに、口頭で言うとかの、いつの時点で見たかわからないけれどもホームページに書いてあったということで紛争が起こるよりも、きちんと紙や電子メールで送っていれば紛争のときのエビデンスになるわけです。ですから、なぜ出せないのだろう、なぜそのようなことでこだわっているのかが全然わからない。事務局でまとめてもらっているようなまとめ方で私は全然問題ないと思います。
○大橋部会長 何か、すごい契約までしているという。
○高橋委員 あくまでも見込みなのです。あくまでも見込みであって、そうなるかどうかわからないのに、これは見込み額で、トラブルになるとかならないとかいう議論ではないのです。それがちょっと違和感があります。
○大橋部会長 だから、それでいいのではないですか。あくまでも見込み額で、本人が条件をクリアするかどうかはまた別の問題ですから。とりあえず、こういう状態ではこういう給料がもらえそうですという一覧表のようなものを添付して送ってもらえば、それで済むことではないかと思います。
○生田部長 ちょっと議論が混乱しているようなので私なりの考えを説明いたします。まず、法律の規定が「当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における賃金の額の見込み」というのがまず書いてあるわけです。その労働者を派遣労働者として雇用した場合の賃金の見込みなので、一般的にインターネット上でいろいろな求人が出て、その求人ごとにいろいろなレンジが書いてあるでしょうけけれども、全部の求人を「勝手に見てください」というのでは、駄目に決まっているわけです。
 ハローワークの職業紹介のときもそうですが、こういう求人があります、こういう求人についてはこういう賃金の幅でしたということで、確定的な賃金は実際に紹介先と相談しないと決まらないわけです。その前段階として、こういう求人にマッチングするということで投げかけをするケースがあることを前提に、こういう規定があるのだと思っています。そういうケースについては、やはりその労働者に合ったような派遣の機会についての賃金の額の見込みについて、ある程度明確にしたほうがいいのではないかという趣旨から、こういう法律の条項ができていると思われますので、それ以外は意味がないので。少なくとも、賃金の額については相当重要な要素であるということで、わざわざ法律上も明記されているところもございますので、これぐらいはきちんと書面、FAX、電子メールで明示したほうがいいのではないかと思われます。
 仮に、電子メールの中できちんと賃金の額の見込みが読み取れる形でインターネットに接続できるような人がいるとすれば、どういうやり方をすればいいのか実質的なことは全然わかりませんが、要するに、「どれでもいいから見てくれ」では駄目で、こういう求人だったらいいですよということで具体的におっしゃったときの賃金の幅なのではないか。この規定は少なくともそういう意味ではないかと思われます。もちろん複数ある場合があると思いますが、見てもらえばいいというのでは駄目で、そういう意味ではないと思います。
○高山代理 先ほど私が申し上げたのは、柴田先生もおっしゃっていましたけれども、私はこのレンジのこんな仕事ができるというものを入れて、調べるとバーッと出てくる。それが電子メールで返ってくる仕組みになっていると、それで同じことですよねということを。
○生田部長 電子メールできちんといくつかの求人の賃金の額の見込みというのが返ってくるのだとすれば同じことが言えます。それは書面と同じなので、証明力もあるし。もちろん、それを企業として明示だと言えるかどうかという問題は別途あると思います。検索して勝手に出てきただけでは、それがこの明示と同じだと考えられるかどうかはなかなか判断が難しい。ちょっと、いまこの場で回答するのは非常に難しいですが、検討してみたいと思います。
○大橋部会長 何か、実務的な細かい話になってきました。大体、これでカバーされているのではないでしょうか。
○小林委員 派遣元の事業者といってもいろいろな種類の企業があり、いろいろな規模の企業があるわけです。その人たちに、法律で定めて政令、いろいろな仕組みを説明するには、わかりやすくしないとたぶん混乱を起こすだけです。いま、ここの中でも「いろいろなパターンがある」というようなものでは、「これがルール違反になってしまうのか、うちは心配だ」と思っている所はいいですけれども、「これで大丈夫だ」と思っている所が駄目だという話で訴えられるという話になる。そうならないような、わかりやすい仕組みをとる必要があるのかと思います。
 そのとき、派遣労働者の方にとってわかりやすい仕組みということもあるし、派遣元、契約する主体の事業者にとってもやはりわかりやすい仕組みにしてもらわないと混乱を起こす一方になってしまう。その辺は十分留意していただきたい。
 それから、行政としても指導していくという意味で、行政官の方にとってもわかりやすい仕組みでなければいけないはずです。そのときに温度差があって、Aの監督官がこうだと言うけれども、Bの監督官はいいというようなやり方があってはいけないので、その辺はわかりやすい仕組みにしていただきたいというお願いです。
○大橋部会長 いま、小林委員がおっしゃられたことは、一応ここで書かれたことを前提として、具体的にさらにわかりやすい方法には例えばどのようなものがあるか、次回までに、一応事務局のほうで簡単なビジョンを出していただけたらと思います。たぶん、使用者側は非常に厳密な形で、見込み額ではなくて将来の賃金まで決めそうな雰囲気の資料だというように思われると困りますので。そういう点では、見込み額であり、どういう形で情報提供するかということの具体例のようなものを出していただきたいと思います。
○田畑課長 わかりました。
○大橋部会長 とりあえず、文面としてはこれで。ほかに何かありますか。
○柴田委員 たぶん、「当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における」というようにあっさり書き過ぎているからわからないのではないでしょうか。当該労働者の希望、何日間働きたいとかの要望や本人の能力、資格を勘案した上で、派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の見込みという、たぶん能力評価や条件とか、例えば資格をこれだけ持っていますとか、何とかがありますというものがあって初めて金額が確定してくる。あまりきつい事を書く必要はないと思うのですが、「本人の希望や能力を勘案した上で」のような言葉が入って初めて。そうしなかったら、「ホームページを見れば同じだ」という形になると思います。その表現が入って、その場合には賃金の見込みとか、表示することは別に同じ手段なので内容は?も?もくっ付けてもどうしてもかまわないなという気もします。そこら辺がちょっと誤解があるのではないか。
 派遣会社は、自分の商品である派遣社員の能力をきちんとランク付けをするからこそ、ちゃんとした派遣、マッチングができると思うので、そこができていないと意味がないと思います。その辺をご検討いただければ。そうすれば、みんな誤解がないのかなと思いました。
○三上企画官 ちょっとご説明させていただきます。先ほど生田が申し上げましたとおり、ここの表現につきましては法律の文言でして、これはそのままでございます。要するに、先ほど柴田委員がおっしゃられたような、それぞれ労働者の抽象的な能力属性を説明するというよりは、むしろそれを飛び越えて、直接個々人の条件という意味を、「当該労働者の賃金の額の見込み」、「その他、当該労働者の待遇」と表し、法律上明確にしていると考えられます。そういった意味では、労働者本人の個人的属性を強く勘案した上で、個人に対する賃金額その他を提示するというのが法律の趣旨だと考えています。個別の方に対して個別の内容をお答えするということが必要な点が本来の法律の趣旨かと考えています。
○生田部長 柴田委員が言われるのはそのとおりです。ご本人に、こういう派遣の機会についてはこういう賃金の幅だというとき、ご本人の能力などを勘案しながら派遣元としては決めるしかありません。ですから、こういう判断をするときはこういうようにしてやるのだという、途中の判断の仕方としておっしゃるとおりですので、その辺りもわかるように、具体的にどういうようにやるのかについて、次回、整理してお出ししたいと思います。それを電子メールでどこまで読めるかだとか、そういう問題も含めて、次回、整理をしてお出ししたいと思います。
○大橋部会長 これを一緒にするというのは、前回までの議論からするとまた元に戻ってしまうので、ここは一応こういうように分けて。いまおっしゃったように、賃金の額の見込みというのはかなり個人、スペシィフィックというか、そういう側面がありますので、これはちょっと別に。
○柴田委員 それほど大きなことではないから、別にでもかまいません。ただ、小林委員がおっしゃったように、見た人が誤解しないように説明がされればいいなと思ったのです。「ホームページにあればいい」と思われるような書き方になっていなければいいと思っただけなので、書き方自体はどちらでもかまわないと思います。
○大橋部会長 よろしくお願いします。20分で終わるはずが30分も超してしまいましたので、この件についてはこれまでとさせていただきます。
 次に、「日雇派遣の原則禁止」について、主に収入要件の水準の問題だと思いますが、これまでのご議論も踏まえ、ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。いかがですか。
○高橋委員 簡単な質問をさせてください。今日出された資料の4頁の上部に、具体的な金額があります。この算定の根拠になっている数字ですが、もう少し具体的に、総額で出すのではなくて、きまって支給する現金給与額がそれぞれいくらで、年間賞与がいくらで計算しているのかどうか。例えば正社員の男性だったら、きまって支給する現金給与額が何万円で、それを12倍して年間賞与何万円を足したとか、そういう内訳をそれぞれ教えていただくとともに、男性・女性をそれぞれ計算した後に、平均年収というのを一体どうやって計算しているのか、計算の仕方を教えていただきたいのです。
○佐藤補佐 まず労働者全体の数字の470万円については、資料の6頁の下に※で推計方法を記載しております。賃金構造基本統計調査が6月1カ月間の給与でデータを取っておりますので、まずきまって支給する現金給与額が、労働者全体の場合32.38万円です。これに12をかけて年額の換算に置き直します。32.38×12+年間賞与その他特別給与額(82.37万円)を足し合わせると、労働者全体の平均年収が470.9万円となります。正社員・非正社員、男性・女性というようにそれぞれあるのですけれども、いまは手元に数字がないので、次回でもよろしければ、改めて整理してお出ししたいと思います。
○田畑課長 7頁と8頁に、きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額の数字が掲げてありますので、ご参考にしていただければと思います。
○佐藤補佐 補足して説明申し上げます。いまのは労働者全体について申し上げた数字です。そのうち、正社員については7頁にあります。下に※があり、労働者全体のきまって支給する現金給与額です。これは1カ月間で34.15万円ですので、同じようにこれに12倍して、プラス年間賞与その他特別給与額で92.48万円を合計しますと、正社員の合計の年収ということで、平均年収は約500万円という数字が出ます。同じように非正社員については8頁にありますように、21.25万円が労働者全体にきまって支給する現金給与額ですので、これを12倍した上で、プラス年間賞与その他特別給与額18.76万円を足すと、4頁の非正社員の平均年収273.8万円という数字が出てきます。それぞれ男女別がありますので、それらは次回にご説明申し上げます。
○大橋部会長 賃金構造基本統計調査は、個々の労働者の給与所得しか出ないのです。ですから家計の収入というと、やはり家計調査になります。前回、高橋委員がおっしゃった国勢調査では、世帯の収入は出ていないのです。
○高橋委員 いや、私が言ったのは、国税庁の統計を出してくださいというお願いしたのです。それは今回の資料の3頁です。
○大橋部会長 これのことですか。
○高橋委員 はい。
○大橋部会長 これも個人ですよ。家計の所得ではないです。家計調査は家計の所得で、これは民間給与ですから、個々の給与所得者の所得です。ですから賃構と同じような性格のものです。
○高橋委員 いまの計算式をお伺いして、例えば正社員の平均34万1,500円ですが、賃金構造基本統計調査を見ても、34万円を超える月額給与に、月平均のレベルで該当するのは、男女計で40〜59歳層の人しかいないのです。ですから20〜39歳層までは、平均の賃金が34万円という金額に到達するようなものではないですね。そういう数字を用いて議論していいのかどうかという論点があるのではないかと思います。産業別に34万円を年齢体系で見ても、一度も上回らない業種というのもあります。そういう金額をベースに今回の年収制限を考えること自体に、ちょっと問題があるのではないかと感じました。
 それから、これはものすごく細かい話になりますけれども、賃金構造基本統計調査で年間賞与などを調べていますね。それはあくまでも1年前の金額を記入しているものですので、平成23年度調査でわかるものは平成22年度の値ですから、技術的にもこの計算式には限界があるのかもしれないと感じます。
○大橋部会長 それを言い出しますと。
○高橋委員 要は、きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額という形で、何をもって「平均」と言うかによりますけれども、実在的な観点からの計算方法とは、必ずしも言えないのではないかという感じがします。例えば、今回の全体の470.9万円というものでも、正社員の502万円でもいいのですが、給与と賞与の割合を見ると、470万9,000円のうち、20%超が賞与になっているのです。ところが国税庁の民間給与の実態で平成22年度調査を見ると、賞与の割合は17%ぐらいなのです。そこから見てもどうなのか。ほかの調査ともよくよく勘案して、賃金構造基本統計調査だけで決めていくのは、限界があるのではないかという気がしました。
○大橋部会長 原則禁止の例外を規定するということですので、この所得分布は、ある程度金額を決めておいて、その上で大体その金額の持つ意味がどれぐらいかという形で使えたらと思います。この議論については最初の時点で、標準生計費という概念が出てきております。それをベースに議論をするというのが基本的なスタンスだと思います。したがって、所得分布についてはこのデータを使って、いろいろな金額が想定されたときに、それがどれぐらいの意味を持つかをチェックするという形で使えたらと思うのですが、いかがでしょうか。
○高橋委員 私は標準生計費を用いること自体に、すごく疑問を持っています。求職者支援制度を布衍して考えるという考え方はおかしくて、職業能力開発をしている間に生活の支援をどうするかというときに使ったものを、なぜ派遣のときに使うのかというのが、そもそも全く理解できないのです。標準生計費を第1回のときにお出しいただきましたけれども、百歩譲って標準生計費で考えるとしても、それ自体は交際費とか小遣いなどを含んだ概念ですから、基本的には掛ける1倍というのが適当です。そうすると、大体280万円程度になります。その金額そのものがどうなのか。あとは先生がおっしゃるように、収入統計で見て280万円という標準生計費の水準が、我が国の収入統計においてどうなのかというようにチェックをして見ていくことに関しては、私も仮に標準生計費を基本と考えるという点に立てば、そういう議論の進め方はあるだろうと考えております。
○大橋部会長 ですから標準生計費をベースに考える。ほかにあまり考え様がないのです。もう1つの問題は、日雇労働者の場合は非常に処遇が不安定になりますから、いつ仕事がなくなるかわからない。そのときのセーフティーネットとして、家計がどれぐらい持ち堪えられるかという視点から、家族収入を決めようとしています。例えば270万円という標準生計費が出ていて、いま決めようとしているのは家族全体の収入の制限なのです。したがって最低2人で働いていて、1人が日雇いで職を失った場合に、最低270万円はほしいだろうという発想なのです。
○高橋委員 それは理解しています。ですから280万円を主たる賃金で稼得していればよろしいのではないかということですよね。
○大橋部会長 いま決めようとしているのは、2人あるいは複数家族の収入制限なのです。それにどれぐらいオンさせるかが問題になっているという認識です。
○高橋委員 副業をされている方も、家計全体を考えるのですか。
○大橋部会長 そうです。
○高橋委員 そうなのですか。それは初めて聞きました。
○大橋部会長 ここに書いてありますよ。参考資料の3頁、「日雇派遣の原則禁止の例外として認められる場合」として、「高齢者、昼間学生、副業として従事する者、主たる生計者でない者」とあり、「主たる生計者でない者かどうかについては、世帯全体の収入に占める本人(労働者)の収入の割合が50%未満かどうかによって判断すること」と。ここから2倍というのが出てきているのです。
○高橋委員 どの点ですか。
○大橋部会長 参考資料をお持ちですか。
○高橋委員 これが国会の議論ですか。
○大橋部会長 はい。
○新谷委員 細かな話になっているのですけれども、原則というか、大きな枠を押さえたいのです。今回付けられている資料1の10頁と11頁に、平成20年の論議の状況とか、平成21年の建議の内容とか、指摘事項などがあって、日雇派遣というのはかなり社会的な問題となっていたわけです。喉元過ぎれば、もう忘れてしまうのかもしれませんけれども、このときに起こった問題というのは、かなり大きな問題があったのです。11頁で指摘されているように、間接雇用になるし、使用者性が曖昧になるので、雇用責任がどうかという論議もされているわけです。
 これに対してどうするかというので、平成20年の建議で労働者保護に問題のない業務であるとか、日雇労働者の雇用の安定を図るためということで、日雇派遣については禁止しようという大きな枠組みを決めたわけです。それが30日であったり2カ月であったりしたわけです。いま論議をしているのは、禁止の例外をどう外すかです。ですから原則禁止なのです。禁止の中で、では問題のない所は一体どこなのかと。今日の資料にもありましたように、もともと国会の中でも平成20年の各法でもなかった禁止の例外が付いてきてしまって、我々としては例外事項が設けられるというのは、本当は大反対なのです。
 では年収の要件になったらどうするのかと言えば、もともと標準生計費の2倍という話も、いま出ていますけれども、それが3倍であってはなぜいけないのか、あるいは労働基準法の14条には1,075万円という数字もありますし、職業紹介では700万円という数字もあるわけですから、やはり禁止の例外をするのであれば、交渉力格差を埋めるような収入所得がある人ということであれば、その部分で設けるべきであるというところからやってもらわないと。ちまちました、ボーナスが何倍というような論議ではないと私は思います。
○田畑課長 最初に標準生計費の2倍ということで、私どもがご提案したときの説明を、念のため繰り返し述べさせていただきます。日雇派遣については、あまりにも短期の雇用形態で、派遣元・派遣先で必要な雇用管理責任が果たされていないということで、法違反の温床となったり、労働災害の発生も指摘されていることなどから、日雇派遣を原則禁止することになりました。そういった法規制の趣旨に鑑み、生活のためにやむを得ず仕事を選ぶことができないでいる方以外の方に限り、日雇派遣という形態での就労を認めるような水準に収入要件を設定することが適当ではないかと。例えば、標準生計費の2倍程度であれば、そのような心配はないのではないかと考えられ、そのために標準生計費の2倍としてご提案したことをご説明させていただいたものです。
○大橋部会長 特に新谷さんのご指摘は、所得分布を見るときにどれぐらい例外なのかということで、これを見るときに考慮したいと思います。
○田畑課長 もう1点、念のために申し上げますと、参考資料の3頁、「検討事項と規定案」の2つ目のマルに、「日雇派遣の原則禁止の例外として認められる場合」として、4つの類型を定めております。「ただし、「副業として従事する者」については生業の収入が一定額以上である場合、「主たる生計者でない者」については世帯全体の収入が一定額以上である場合に限定すること」ということで、「副業として従事する者」と「主たる生計者でない者」の双方に収入制限を付すということでご議論いただいているということを、改めて申し述べさせていただきます。
○高橋委員 決して収入制限を課すなと言っているわけではありません。ただ、先生が先ほどおっしゃったように、副業として従事する者についても家計所得全体を考えるというのは、少し違うような気がする。いまご説明があったように、副業として従事する者については、生業の収入が一定額以上である場合という形ですよね。
○大橋部会長 はい。
○高橋委員 その世帯全体ということではないですよね。
○大橋部会長 私が言っているのは、「主たる生計者でない者」というのがあり、主たる生計者でない者かどうかについては、「世帯全体の収入に占める本人の収入の割合が50%未満であるかどうかによって判断すること」という。
○高橋委員 そういう議論は国会ではなかったはずですが。
○大橋部会長 いや、それを具体化してあるのではないですか。
○高橋委員 事務局に確認したいと思います。そういうことが国会で議論されたのですか。
○田畑課長 「主たる生計者でない者」の判断基準については、国会で特段の議論はありませんでしたが、主たる生計者かどうかを判断するときに収入がどれぐらいかといった場合、半分を超えていなければ、主たる生計者でない者ということで見ていきましょうということで、こういう形にしています。いずれにしても求職者支援制度の職業訓練受講給付金の要件をご議論いただくときに、複数人世帯における標準生計費を踏まえて、つかみの水準で検討していただいたというこれまでの経緯も踏まえて、今回も同様の考え方に基づき検討していくことが適当ではないかということで、当初ご提案させていただいています。その後のいろいろな議論の中で、家計収入の状況やその他諸々、いま提出しているような資料も提出をということで出していますので、そういったことをご参考に、また議論を深めていただければと考えます。
○高橋委員 改めて私のほうから、もう1回お話申し上げたいと思います。生業の収入あるいは世帯全体の収入について、標準生計費分を稼得していればよろしいではないかと申し上げているのです。例えば、副業として従事する方について、標準生計費分の収入を主業で稼いでいるということであれば、そういう方だったら日雇派遣されてもよろしいのではないかと申し上げたのです。
○大橋部会長 基本はそういうことだと思うのです。結局、国会で議論されたのは、収入制限などで、これが実は結構、この審議会の重荷になっているのですよ。こういう形での議論で国会でやり取りがありましたので。そうすると、家計の収入が全体としていくらということになりますと、日雇労働者の所得も含めて270万円では駄目なのです。なぜかというと、日雇労働者は雇用が不安定ですから、それがなくなったときには。
○高橋委員 ですから日雇派遣の収入は入れないで、主たる生業で標準生計費を稼得していればよろしいのではないかと申し上げたのです。
○田畑課長 2倍ということでご説明していただいた私どもの考え方としては、生活のためにやむを得ず仕事を選ぶことができないでいる方以外の方に限り、就労を認めるような水準に収入要件を設定することが適当ではないかと。日雇派遣についてはさまざまな問題があって、これを原則禁止にするといった趣旨に鑑み、例えば標準生計費の2倍程度であれば、そのような心配はないのではないかと考えて、私どもとしてはご提案させていただいているということを、ご理解いただければと思います。
○新谷委員 2頁の資料にカバー率が出ています。先ほど私が申し上げたように、禁止の例外であるべきなのに、270万円という論議だと、カバー率はどれぐらいになるかというと、ほとんどカバーしてしまって、禁止の例外にならないのではないかと思うのです。要するに、カバー率をもうちょっと見るべきだと思うのです。これでいくと、600万円で半分ですよね。少なくとも禁止の例外であるのだったら、ほとんどの世帯をカバーするような数字が例外の水準で出てくるというのは、本末転倒ではないかと思います。
○大橋部会長 そういう議論もあり得ますね。
○高橋委員 前回も申し上げましたように、2頁の家計調査の対象世帯の所得分布というのは、日本の所得分布と明らかに異なります。というのは、統計の世界では当たり前のことで、夙に知られていることですけれども、家計調査というのはものすごく記入者負担が高く、なかなかご協力いただけないのです。ですから、日本の勤労世帯全体の平均的なところを抽出していただいている調査ではないのです。これをもって我が国の所得分布と言うには厳しすぎる。例えば、3頁は私がお願いして今回出していただいた国税庁の資料です。これは民間給与所得者の所得分布ですけれども、こういう形で見ると、最頻値は300万円から400万円の世帯です。先ほどの標準生計費280万円というのを、若干キリのいいところで300万円としますと、59.5%という数字ですよね。この数字は見方によっては分かれるかもしれませんけれども、このぐらいの数字で設定するということも考えられるのではないかと思うわけです。
○石黒委員 あまりよく理解できないのです。ずっと新谷委員も申し上げたし、事務局も言っているように、基本的には日雇派遣の原則禁止の例外規定を作ろうという議論をしているのに、実際に家計調査以外のところで、ほかにデータがこういう形の給与からくるものでなければこれしかないので、これで見ていくしかないというところを考えれば、家計調査の1人世帯のところで食えるかといったら、そういう問題ではないのです。それは2倍なり。労側としては、それなりの所得分布のところを考えれば、3倍ぐらいのところで当たり前かなと思っています。
 先ほどおっしゃっていた民間の給与水準でいくと、これは別に世帯収入ではありませんし、すべて入っています。そういったところも含めてこのカバー率でやるというのは、少し理解できないですね。どういうことを意味しているのかよくわからないですね。パートも非正規も全部入っているところの、これで世帯だという考え方をされて、このカバー率が50%あれば十分ではないかとおっしゃる意味がよくわからないのです。もともと本来の原則禁止の例外にしていいというところが、パートも全部含めたところで1人いくらという年収のカバー率が50%を超えればいいというロジックが全然わからない。理解できないです。
○柴田委員 少し方向転換をさせてください。まず今日いただいた資料1の9頁に、「日雇労働者の収入の状況」という表があります。私もこれを見たとき、高橋さんと同じように驚いてしまったのです。日雇派遣の収入要件として、世帯収入の要件を600万円にした場合と、500万円にした場合と、400万円にした場合になっています。その世帯収入というのは日雇労働者が働いて、かつ主たる生計者が働いて、合計した金額が600万円と書いてあるのです。日雇労働なのに平均月収13万円で、毎月コンスタントに同じように仕事があるというのは、にわかに信じ難い気もしますが、その人たちが1年間きちんと働くと、159万円になります。その159万円を差し引くと、主たる生計者の年収になりますと。ということは、主たる生計者の労働者の賃金としては、600万円の場合は440万円だから、旦那さんか妻が主たる生計者で、その人に440万円の収入があれば、その人は日雇労働者になれますというロジックだと私は理解しているのです。ひょっとして違うかもしれませんけれども。
 7頁に正社員の賃金構造基本統計調査があって、400万円以上の賃金労働者正社員は、カバー率400万円以上ですから、61.3%の主たる労働者の配偶者は、日雇労働者の収入要件を満たす人になるのです。実際には2頁の勤労者世帯の所得分布のカバー率50何パーセントよりも高くなる、いっぱい働ける人が増えると理解できるのです。
 ただし、ここで事務局に質問です。これが私の理解ですけれども、これとは別に、最初の参考資料の日雇派遣の原則禁止の例外として認められる場合のポツの最後、「収入要件の確認は、本人・配偶者等の所得証明書、源泉徴収票の写しで行うこと」となっています。これはこの前お伺いしたら、すごく難しいからできないかもしれないと伺ったのです。もしこれをやるとしたら、最初に申し上げた9頁の参考の表の中で、600万円の世帯収入があると想定される人は、440万円以上の給料の源泉徴収票がないといけないのです。
 しかし、例えば私が日雇いで働きたいと思ったときに、旦那は440万円以上の世帯収入がありますという源泉徴収票を持って行かなければいけない。この参考資料の扱いがどうなるかはわからないのですが、そうなってくると、これは結構厄介です。旦那さんの給料を妻が知らない人も多いし、見せると喧嘩になってしまうこともある。これを派遣元に見せなければいけないから、旦那に「見せて」と言ったときに拒否されたりします。ここは本人の所得証明書を出してもらうのが、結構つらいかなというのがあって、これが本当に現実的にできるかという事実上のことが不安なのです。最初のほうは理解が合っているかということと、この要件はたぶんこのままでは有名無実になってしまうというか、その2点です。
○田畑課長 日雇労働者の収入状況の表を出した私どもの考え方は、日雇労働者は大体どれぐらいの収入があって、日雇いという働き方ができないときに必要な生計費をある程度上回る額の収入しか得られないということであれば、日雇労働にやむを得ず従事しなければいけない層の人だと。ある程度の収入がある方でないと、日雇労働にやむを得ず従事する方が生じざるを得ないということで、参考のために付けた数字です。
 私どもは、最終的に日雇労働者の収入制限をどういう額に設定していただくかということについては、世帯であれば世帯の合算額でどれぐらいあるか、副業であれば副業でどれぐらい、生業でどれぐらいの額があるか、こういった証明書類があればいちばんはっきりするかと思いますが、何らかの形で証していただいて、それで確認をして働いていただくと。ですから旦那さんが440万円ないといけないという表ではなくて、これはあくまでも日雇いという仕事に就かざるを得ない状況の方かどうかという、1つの参考として見ていただこうという形で作った表です。部会長の前回のいろいろな議論のご発言なども踏まえて、事務局でこういうことかなという形で、整理をして出させていただきました。
 そういった意味で、仮に収入要件をこう置いた場合に、日雇いで従事しなければいけない方々というのがどういう感じになるか。例えば300万円だと140万円ぐらいですから、日雇いの収入が欠けると、標準生計費をかなり割り込む数字になります。逆に600万円ですと440万円という数字になりますから、標準生計費については2倍とまではいかないけれども、1倍をある程度超えた額ということになります。そういったことの1つの参考にしていただきたいということです。これで具体的にその収入要件を運用しようということではないというのは、ご理解いただきたいと思います。
○新谷委員 わかったことですが、いまの説明の中でも日雇労働、日雇労働という話が出てきたのですけれども、これは日雇派遣の話をしているわけで、日雇労働そのものは禁止されていないわけです。直接雇用の日雇いであれば全然問題ないわけで、なぜ間接雇用でなければいけないのかというところが、全然わからないのです。それは全然禁止されていないわけですから、直接雇用でいいのではないですかと。いまの説明の中では「日雇派遣」という言葉と「日雇労働」がチャンポンになっていたので、そこは区別されたほうがいいと思います。
○田畑課長 日雇派遣ということでご説明申し上げたつもりです。それから、もう1点補足いたします。収入要件の確認である、先ほどの参考資料の3頁の真ん中の2つ目のマルの4つ目のポツに、収入要件の確認のことを書いております。どうしてもそういった書類が揃わないとか、見つからないとか、いま手元にないというケースもあろうかと思います。そういった場合は本人の申告で、きっちりと本人の状況を確認していただいた上で、可とする運用にすることが適当かと考えております。その点、補足させていただきます。
○小林委員 いまの柴田委員と私の意見は同じです。所得の状況、所得証明書、源泉徴収票の写しを税務署に出すのだったらわかります。写しというか、そのもの自体を確定申告などに出すのは理解できますが、派遣元の会社に、例えばうちの家内が提出するとなると家庭内でも問題になるのではないか。家内が「働きたい」と言ったときに、主たる生計者の私としても所得証明をどこに持って行くのだというイメージを持つ。主たる生計者の同様のイメージとをもつ人が多いのではないかと思うのです。ましてや派遣元の会社も、実際に雇用契約を結ぶ派遣社員になられる方の家族の収入状況のデータをお預かりして管理するのも、個人情報として非常に嫌ではないのでしょうか。
○大橋部会長 これはデータを預からないといけないのですか。
○田畑課長 客観的に確認できる書類で確認することが望ましいとは考えます。そういったことで可能な範囲で協力を求めていただきたいと考えておりますけれども、最終的には労働者本人の誓約書なり、確認書なりで確認していただくことで対応いただくことになるかと思います。また、要件に該当する旨の確認をいただければいいので、必ずしも書類を保存しておく必要はないかと思いますが、きちんと確認を取ったということについては、例えば派遣元管理台帳に記載しておくとか、どういったことで確認したかということがわかるようにしていただくことが必要と、私どもは考えております。
○小林委員 私が派遣会社の経営者でそういう業務をやるのであれば、社員から誓約書をいただいて、いくらになるかはわからないけれども、あなたはこうだよね、所得の状況はどうだよねという制限、その誓約をいただくというのだったらあれですが、「ちょっとデータを見せてくれ」というのも、なかなか言いづらい側面があると思うのです。その辺は逆に言って、ご本人の誓約をいただくという形のほうがしっかりするのかなというのが私の印象です。
○大橋部会長 それでいいですよね。
○田畑課長 最終的にはそういった形でご確認いただくケースもあろうかと思います。
○小林委員 先ほどいろいろな収入要件というお話がありました。いろいろな数字が出てきて、正直言って私もわかりません。家計のデータも、個人の所得もデータも捉え方によって違う。ただ見ていて、単純にいままでのように、基金事業のときの標準生計費×2倍というのが果たしていいかどうかというのはやはり疑問があります。事務局のご提案がそういうご提案でしたが、これがそのままでいいのかというのは、ちょっと違うイメージを持っています。例えば、今日お配りいただいた資料の3頁を見ると、例外とする線が400万円という数字が切れ目になるのかという感覚もします。先ほど高橋委員は350万円、300万円ぐらいの数字を言っていましたけれども、標準生計費を超えていれば、それを例外とするという意見もあれば、新谷委員からは3倍がいいのではないかという話もありました。どこかで線を引くのは確かだとは思うのですけれども、難しい問題だと思います。
○大橋部会長 標準生計費が270万円という数字が出ていますね。基本はおっしゃったように、理屈からして日雇派遣の人の所得を除いて、270万円ぐらいだったらいいかなと思うのです。ただ、この場合に今ここで決めようとしているのが、家計全体の収入なのです。ですから300万円に日雇派遣で働く方の給与を足して、それを大体の上限収入制限にし、その収入がなくなった場合に270万円ぐらい、300万円ぐらいが確保できるという発想なのです。そういう点で最悪の場合に標準生計費を確保するという発想については、あまり変わっていないのです。
 もう1つは、それに例外を決めるということも加味して、収入制限の金額をいくらにするかという発想でいいのです。最初に600万円という数字も出てきましたけれども、これは高いかなという気はします。2倍というのは、50%未満の人は主たる生計者ではないということです。ということは、ギリギリ50%となりますと、無くなったときに270万円になるとする、あるいは300万円となるとすれば、大体その2倍の数値が出てくるというのがその発想です。
○高山代理 今の話ですと、9頁の平均月収が159.6万円と出ていますので、2倍というのは。ただ、主たる生計者が270万円であればいいのではないかなと。
○大橋部会長 しかし、これは全体の収入を決めようとしているのですよね。
○高山委員 主たる生計者で270万円あれば、それに主たる生計者でない者の日雇派遣なら日雇派遣の収入が159万円オンされるという場合は、非常にわかりやすいのではないかと思うのです。
○大橋部会長 私もわかりやすいと思います。270万円というのはキリが悪いから、300万円として、プラス例外分をどれぐらい考慮するかという問題だと思うのです。そのために分布を見て決める作業が必要になってきます。もう1つは、この議論の枠組みが全体収入を決めるという枠組みになっていますので、150万円、160万円ぐらい足すと、300万円+160万円=460万円で、あとは例外部分ぐらいを考慮すれば、家計全体で500万円ぐらいの数値かなと。それが要するに2倍という数字になってくるのです。
○新谷委員 かなり具体的な水準の話になってきていると思うのです。やはり制度の安定性を考えたときに、あるいは、もともと平成20年と21年のときに、なぜこれを禁止にしたかという原点に立ち返るべきだと思うのです。先ほどカバー率の話もありましたけれども、もともと間接雇用で短期の契約が繰り返されて問題が生じて、これにどうやって規制をかけるかということで論議をしてきたわけです。ですから、その原点に立ち返ったときに。
 かつ、これから二大政党が政権交替で入れ替わるか入れ替わらないかという論議がされようとしているときに、仮に政権交代があったとしても、この制度の安定性というのを考えておくべきだと思うのです。そういった意味でいくと、きちんとした基準に従ってその何倍とするという根拠があって、それをベースにこれを確認しておかないと。先ほど「エイ、ヤー」とか、つかみという話が出ていましたけれども、そんなものではなくて、やはり標準生計費を基準で取るのであれば、必ずその2倍という一定の公式というか定式がないと、私は制度の安定性が図れないのではないかという気がしますので、そこの確認をするべきではないかと思います。
○大橋部会長 2倍という最初の案が出ていましたね。私もいろいろなことを計算して、そんなに変な数字ではないなというイメージです。考えなければいけないのは、単に標準生計費だけではなくて例外を決めるという話と、もう1つは平成20年当時の議論の中に、「必要な雇用管理がなされず、労働者保護が果たされない」とか、こういうポジションの問題も、バーゲニングの問題もありますから、そういうものを多少加味して大体2倍というのがいい線かなと思ったのです。ですから高橋委員のおっしゃる270万円でいいではないかという議論と、そんなに離れていないのです。
○高橋委員 新谷委員がおっしゃった点にコメントしたいと思います。平成20年と21年の議論がありましたけれども、今回の日雇派遣の原則禁止の例外というのは、この国会で決まった話ですよね。この国会の中でどういう議論が行われたのかということを、我々としては確認しておく必要が絶対にあると思うのです。ただ平成20年、21年の議論も大事ですけれども、この国会でどうだったのかということも大事ですよね。
 もう皆さんも周知のことですが、今回の国会での禁止の例外についての修正提案の先生のコメントは、昼間、平日は会社勤めをされながら、あいている時間帯を日雇派遣で働かれる方々、それから主たる生計者でない方に関しては、日雇派遣を認めても労働者保護に欠ける恐れは比較的少ないのではないかということで、このような形で追加をさせていただいているというご答弁をなさっている。国会のやり取りを私が確認させていただく中では、所得制限をものすごく高くしなければならないという議論はなかったと、私は理解しています。
 他方、国会答弁の中で副大臣が一定の制限、この金額等と、実際にどれぐらいの収入があるのか等と、しっかりとそれを要件として設ける方向で検討してもらいたいと思っておりますというご答弁をしていらっしゃいますから、実際にどれぐらいの収入があるかというのが非常にキーワードだと思っています。だから最初のころから私は、収入統計にはある程度。世帯統計はなかなか難しいですから。実際にどれぐらいの収入があるかという国会答弁を踏まえて、実際の収入と見比べながら考えていくべきだろうと思っているのです。ですから最初に何倍ありきということではなくて、標準生計費と、実際にどれぐらいの収入があるかということを勘案しながら、一定の収入制限を設けていくのが基本的考え方だろうと思います。
○大橋部会長 家計調査は世帯の所得ですけれども、ほかのものは個人の所得ですから、非正規社員の所得を足したり、いろいろな作業をしないといけないのです。それでこういう資料を基に、その辺をつらつらと考えていただいて、おおよその分布を描いていただければと思います。
○新谷委員 確かに高橋委員のおっしゃるように、立法府の意思というのは重く受けとめる必要があると思うのです。ここで収入の要件について国会で論議をされたということを踏まえつつも、では、具体的な収入について論議した所があるかというとないわけです。もともと禁止の例外規定はなかったというのが我々の建議の中身ですので、そこはやはり抑制的に水準を設定すべきではないかと、私は思っているのです。
 では、そのときに何を使うのか。たまたま事務局のほうが標準生計費というものを持ってきて、それを2倍と言われています。では、なぜ2倍なのかというところがあります。1倍でいいではないかという論議と、それだったら3倍でもいいではないかと。ですから、やはりここはどこかで線を引かないといけない。はっきり言って根拠がないわけですから、これは決め事で、禁止の例外をどこで線を引くかという大原則に立ち返ったときに、やはりカバー率9割もかかるような所は、禁止の例外ではないだろうということから考えれば、少なくとも半分ぐらいがその線引きのところになるのではないかというのが、いま私が論議を聞いていて思うところです。それを下回ることはあってはならないと思っております。
○柴田委員 標準生計費には、ライフステージにおける大きな出費とかローンとか、そういうものも入っているのでしたか。
○大橋部会長 ローンの分類は貯蓄だと思います。
○柴田委員 いま気が付いたのです。どちらがどうなのかはよく分かりませんけれども、新谷委員がおっしゃったように、極端に言うと道楽で働くような人は日雇派遣でもいいというか、生活にあまりかかわりがないということであればということです。こういった標準生計費は、構成員の人数によっても相当違っていますけれども、とりあえず老後のための備えとか住宅ローン、家を買ったり子どもの教育費というものがすごくかかってくるので、蓄えたり借りたりいろいろなことをやっていて、返済したりするわけです。そういったときに、生計費というのがすごく狭義のものだけなのか、そういうものも全部含めて入れているのかで、相当違っています。
 例えば標準生計費がかつかつの状態の生計費だとしたら、「それだけあるからいいじゃないか」と言うには、あまりにも日雇派遣を許容しすぎているかなという感じがします。ある程度一定以上の余裕のある所では、日雇派遣もOKだけれども、そうでない場合にはいわゆる配偶者のほうのあれは。ただ、副業としてというところが同じ条件とも言えないのですが、こうなってくると2倍がいいのか3倍がいいのかわかりませんが、単にそのまま裸の数字だったらOKではないかというのは、ちょっと乱暴な気がしてきました。
○大橋部会長 ですから先ほどから、日雇いの収入がなくなったら標準生計費が維持できるかとか、そういう基準を。
○柴田委員 標準生計費の維持だけでは駄目ではないかというのが、私の意見です。
○大橋部会長 そうです。ですから、そこは日雇労働者のバーゲニングパワーを少し強化したほうがいいのではないかとか、その水準だったら原則禁止の例外になるのだろうかとか、そういったものを少し加味していかなければいけないけれども、そういった数値というのはすごく客観的に算出しにくいですよね。どれぐらいだったらバーゲニングパワーが高まるとか。そこのところで標準生計費が最低限確保されていれば、それはバーゲニングパワーになり得るというスタンスです。
○高橋委員 柴田委員のご指摘は、最初の回で事務局からご提出いただいた資料3の21頁に、標準生計費についての記述があります。標準生計費については注2に、食料費、住居関係費、被服・履物費、雑費1で保険、医療、交通、通信、教育等、及び雑費2でその他の消費支出で構成となっています。この雑費2で私が再三再四繰り返し申し上げているのは、ここには小遣いや交際費なども含まれている概念であるということです。
○柴田委員 年間の教育費はあるのですけれども、入学のためとか、そういったライフステージごとに必要な、毎年毎年必要になるものがどのぐらい加味されているかというのがよく分からなかったのです。入っているのですかね。
○佐藤補佐 ここの標準生計費は、人事院が人事院勧告の資料として使っているものです。標準生計費を算定する際に、家計調査を使っているのですけれども、それは単月分なのです。ですから平成23年4月の支出項目として、具体的にどういう支出があったかということなので、年間でどういう支出があったかというデータとは違うというのが現状です。
○柴田委員 実際にはもうちょっと高いのかなという感じが、感覚的には思ったものですから。
○大橋部会長 これは2人家族と3人家族と4人家族の加重平均です。したがって子どもの教育費がどれぐらい入っているかというと。
○柴田委員 これは2人、3人、4人と別々に出ていますよね。
○大橋部会長 そうですね。しかし、それを加重平均したのが270万円です。
○新谷委員 議事録に残りますので申し上げておきたいのです。私どもが年収要件を高めに設定すると言っているのは、柴田委員の発言の中で道楽仕事で日雇いを認めるのではないかというご発言があったのですけれども、私どもはそういうことは全然思っていません。金持だから日雇いを認めるということではなくて、それは部会長がおっしゃったように、バーゲニングパワーをどういうように見るかということなのです。交渉力格差がある中で、追い込まれて日雇いでしか働けないような人、そこから抜け出せないような人をこの中に入れてしまっては駄目ではないかということがある。そうならないためには、やはり生活に必要な収入所得を賄える人を対象とすべきではないか、というところからスタートしていますので、そういう立脚点であるということを、まずご理解いただきたいと思います。
○高橋委員 例えば副業などを考える際に、企業規模によって年収は大きく変わります。また、大都市圏か地方かによっても、実際に稼得する収入は相当異なり得ます。あまりに高い水準設定は、結果としてどのような企業でどんな仕事をされているのか、どこにお住まいなのかによって職業選択の機会の狭まり方が、相当違ってしまうということは、十分に考慮していく必要があるのではないかと思います。世帯収入は無理だとしても、所得の分布を見るにしても、日本全体というのももちろん大事ではありますけれども、例えば47都道府県でどうなのか、あるいは企業規模ですね。大企業、中小企業ということも見ていきながら判断していくことも必要ではないでしょうか。
○田畑課長 事業者が収入要件を確認するという制度でもあります。それから標準生計費は、全国平均の数字ですし、その他のいろいろな資料についても全国平均の数字を出しているかと思いますが、運用などの実務を考えると、細かく収入を分けるというのは、運用が相当厳しいのではないかということを、一言申し上げさせていただきます。
○高橋委員 収入を分けるという意味ではないですよ。最低賃金のように、各都道府県別に収入要件を設けるという趣旨で私は申し上げたわけではないのです。
○田畑課長 私どもとしてはそういうことを踏まえて。
○高橋委員 実際の収入の実態がどうなのかを見る必要がありますねと言っているだけです。
○田畑課長 そういったことで全国平均で全体の数字を資料としてお出ししております。そういったことを勘案して、私どもとしては全国一律の数字でやらせていただきたいと考えております。
○大橋部会長 やはりいろいろな分布を見ていくしかないですね。一応原則禁止ですから、原則禁止で、しかも日雇紹介のような形ではできるのです。そういう点では、全面的に日雇労働を禁止しているわけではないのです。もう一つは、2倍というのは根拠がないのではないかと言われますけれども、これからそのたびごとにこの議論をして詰めなければいけないというのも、大変つらいものがありますので、キリのいいところで約2倍にして、キリのいいところでの数値という感じで決めておけば。もちろん今日いろいろと議論させていただいたような形で、そのときの意味としてはあるということで、このようなことではないかと思うのです。
○高橋委員 どうして2倍になるのですか。理解が付いていかないのです。
○大橋部会長 要するに、日雇労働の所得がなくなったときに、標準生計費は確保したいと。その標準生計費というのが270万円だと。今ここで決めようとしているのは、家計全体の収入制限を決めようとしている。日雇労働の平均の所得は160万円だとしますと、300万円+160万円=460万円に、さらに意味としては多少余裕のあった方と、もう1つは日雇労働者のバーゲニングパワーを強化するという意味、少しプレミアムを乗せれば、大体2倍になるのではないかという意味です。
○高橋委員 その意味がよくわからないですね。270万円に160万円を足して440万円になるのに、なぜ600万円になるのですか。
○大橋部会長 600万円ではないですよ。私がいま提案したいのは500万円ぐらいではないかということです。
○高橋委員 では2倍ではないですね。
○大橋部会長 2倍ではないですけれども、それに今のバーゲニングパワーと、例外という意味も含めて、大体その辺でいいのではないかということです。
○新谷委員 先ほども申し上げたのですけれども、「大体」とか「つかみ」というのは、本当に制度の安定性を危うくすると思っています。2倍がいいのか、3倍がいいのか、1倍がいいのかというのは決めの問題です。やはり決めたら、2倍だったら2倍だと。もちろん標準生計費というのはデフレの状況によって変わります。それがインフレになるかは知りませんから、ときどきの見直しが必要になるのでしょうけれども、つかみでこれぐらいと言うのではなくて、標準生計費の何倍と言うのであれば、何倍という根拠を持っておかないと、制度の安定性を損なう可能性があります。私は先ほどから言っているように、3倍でもいいと思うのですが、部会長がおっしゃるように2倍というのであれば、やはり2倍をきちんとした数字として確保すべきではないかと私は思います。
○大橋部会長 270万円の2倍。
○小林委員 毎年、標準生計費が変動するたびに、2倍の数字を定めていく形になるのですか。
○新谷委員 それはやり方の問題だと思うのですよ。毎年やるのか、制度の改正のときにやるのか、それは今後の運用の仕方だと思います。
○小林委員 そういう意味でいくのであれば、事務局の案では2倍で切り上げて600万円としているわけですね。いま部会長が言われているように、数字は概ね500万円ぐらいというのもあるのかもしれない。
○新谷委員 逆ですよ。制度の安定性からいくと、いま270万円という数字が出ていて、2倍で540万円でしょ。それがなぜ40万円も下がってしまうのかというのが、逆に言うと出るわけです。制度の安定性から言うのだったら、2倍だったら2倍で出すべきでないかと言っているわけです。
○大橋部会長 しかし2倍というのをきちんと理論づけることが非常に難しいから、多少つかみと言うのは変ですけれども、ある程度のバランスを取って決めないといけないということだと思います。
○新谷委員 それだと3倍でなぜいけないのですか。
○大橋部会長 2倍については、私も何回も説明しています。標準生計費から起こして、大体2倍の線にくるのではないかという議論をしていると思います。
○新谷委員 それだと高橋委員がおっしゃるように、1倍だとなぜいけないのかというのが全然わかりません。やはり2倍でやるのだったら、2倍できちんと最初から決めるべきだと思います。
○大橋部会長 できたら決めたいのです。その辺の合意が得られればいいのですけれども。
○高山委員 標準生計額が、主たる生計者に収入としてあればよろしいのではないですか。標準生計費というのは、世帯全体の平均がいま270万円ではないですか。それが主たる生計者が1人である所で、主たる生計者でない方が大体159万円短期派遣で稼ぐのであれば、これがいちばん分かりやすいのではないかと思います。
○大橋部会長 ただ議論の枠組が、スタートからそういう形になっていなかったのです。私もおっしゃるとおりだとは思います。しかし一応家計の収入という形でここまできていますから、また最初に戻ってやるのは。
○高橋委員 これは先生にも是非ご理解いただきたいのです。副業と主たる生計者でない者は別ですよね。副業の方というのは、主業と比べてどうかという対応です。主たる生計者というのは、その世帯の収入の中でどうかという概念です。ここではあまり明示的にされていませんけれども、副業たる収入制限と主たる生計者でない場合の世帯の収入制限というのが、基本的にはあり得て、それは別々のものに設定することもあり得るわけですよね。
○大橋部会長 あり得るのですけれども。
○高橋委員 それを同じにするというのがインプリシットに入っているだけであって、副業は世帯全体を見るという話ではないので、そこだけは是非ご理解いただきたいと思います。
○大橋部会長 副業の場合にはその人の所得全体で、なおかつ、その中で副業が占める割合がどれぐらいかということです。それがなくなったときにどういう。
○高橋委員 そうではないのではないですか。主たる業務による収入がいくらか、それが主業であり得るかどうかということではないですか。
○大橋部会長 私がいま言ったことと同じことだと思います。
○高橋委員 いや、主たる業務としていくらと設定するかということではないでしょうか。
○大橋部会長 それもあり得ると先ほどから言っています。ただ、ここでの議論のスタートがそういう形になっていないのです。
○高橋委員 スタートがそのような形になっているという意味がよくわからないのです。
○大橋部会長 要するに、もうすでに何回も見た資料に、そこのところは書いてあります。「運用」と書いてありますけれど。参考資料の3頁に書いてあります。これが一応認められたとして、こういう展開になるということです。
○高橋委員 これは事務局のご提案ということではないですか。
○田畑課長 世帯収入に占める本人の収入の割合を、主たる生計者なのかそうでない者かということについて、その人がどれぐらいの収入を持っているかということでご判断するといった運用にさせていただきたいということを、3つ目のポツは記載したものです。
○小林委員 これは「何々すること」と書いてありますけれども、「何々して判断することにしてはどうか」ということですよね。これはみんな検討項目として、事務局が「何々すること」と書いてあります。1番のポツであれば「一定額以上である場合に限定することとしてはどうか」、次も「学生証等で行うこととしてはどうか」という今回の審議会に懸けられていることなので、これはまだ決まっていないことなのです。それを前提に先ほどの、割合が50%未満であるかどうかによって判断することとしてはどうかということだと私は思います。
○田畑課長 主たる生計者でないかどうかという判断基準については、こういった考え方しかないのかなと、事務方では思っています。いずれにしても副業として従事する者については、生業の収入が一定額以上、主たる生計者でない者については世帯収入の収入が一定額以上と限定してはどうかと。私どもは制度の運用とか、労働者や派遣をやられる派遣元・派遣先への周知等、いろいろなことを考えますと、何本も基準をつくると、運用で相当な混乱が生じますので、全体として1本の数字で決めるべきではないかと考えております。そういう数字をどうするかについて、主たる生計者でない方を中心に、いままでご議論いただいていると思いますけれども、そういった考え方の下で出た1本の数字を決めて運用したほうが、制度の円滑な施行にとってはより望ましいのではないかと、事務方としては考えております。
○大橋部会長 時間がきましたので、ぼちぼち閉めたいと思いますが、もう1つ「グループ企業内派遣の8割規制」というのがあります。これは次回に議論していただきたいと思います。とりあえず原則禁止の例外については、だいぶ煮詰ってきていると思いますので、今日の議論を踏まえて事務局のほうで調整していただいて、次回には成案を得たいと思います。よろしくご協力をお願いいたします。
○小林委員 一言だけ。いままで連結子会社とか、いろいろな議論をしていたのですけれども、国際会計基準があったり、米国基準があったり、従来からの日本基準があったりということは承知しているところです。これについても一言でいえば、原則的にわかりやすい仕組みが必要なのかと。これは派遣元事業者にとってもわかりやすい、グループ企業にとってもわかりやすい。行政の立場でも、国際会計基準かどうかというのは、皆さんはわかっているのですか。そういう意味で指導できるのかということも含めて、わかりやすい仕組みが1つあるのかなと私は感じているところです。
 もう1つは期間の話です。中小企業でもグループ会社や親企業などがあります。1カ月以内に報告というようになっていました。これは到底無理ではないか。普通の会計の報告なども3カ月以内とか、ほかの届け出も3カ月というのが結構多いと思うのです。その辺でいままでの1カ月についても、期間を延ばしていただくことでご検討いただければというお願いです。
○田畑課長 前回申し上げたことと重なりますけれども、平成20年9月にまとめていただいた建議で、グループ企業の範囲、親会社及び連結子会社とされていることから、こういった建議を尊重する形で整理するということを、前回ご提案させていただきました。連結会計基準の取扱いの変遷の資料は、先ほど佐藤のほうからご説明いたしました。どういった連結決算をとっているかというのは、連結決算の書類を有価証券報告書とか、いろいろな提出書類で確認することができます。そういった観点から、その会社がとっている連結決算の状況をベースに判断するということは、実務的にそんなに大きな混乱は生じないのではないかと考えております。逆に各会社がとっている連結の範囲と異なるような基準となりますと、運用の観点からなかなか難しい問題が生じるのではないかと考えております。こういった連結決算をとっている会社においては、そういった連結決算を基に判断するというやり方というのは、我々としてもこういったやり方が適当ではないかと考えております。そういったことで我々としては運用できるのではないかと考えております。
○佐藤補佐 期間の話です。事業報告の提出期限が1カ月ということでご提案申し上げたのですけれども、実務的になかなか難しいとか、決算との関係で検討すべきということであれば、少し検討しなければいけないと思います。そこについては一旦少し整理をした上で、次回にお話ししたいと思っております。
○田畑課長 連結決算の場合、3カ月以内にいろいろな書類を提出ということですので、そういったことを考慮しながら定めさせていただくことになろうかと考えております。
○大橋部会長 会計基準自身は、企業が選択するのですよね。
○田畑課長 はい、そのとおりです。
○大橋部会長 ですから企業が選択した基準でやりますので、そこに違いがあったとしても選択の結果ですから、そういう点では自由主義の哲学に則っているかなとは思います。この辺も次回までに調整していただきたいと思います。
 だいぶ混乱させてしまいまして、時間が超過してしまいました。次回は6月22日に予定されております。詳細については後日、事務局から連絡があると思います。次回22日までには是非、ご了承いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。以上をもちまして第176回労働力需給制度部会を終了いたします。本日の署名委員は、使用者代表は小林委員に、労働者代表は石黒委員にお願いします。どうも皆さん、ありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会) > 第176回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

ページの先頭へ戻る