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2012年4月27日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年4月27日(金)15時~


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

出席委員(15名)五十音順

加 藤 総 夫、 佐 藤 田鶴子、 佐 藤 雄一郎、 清 水 秀 行、

鈴 木 邦 彦、 宗 林 さおり、 手 島 玲 子、 野 田 光 彦、

林   邦 彦、 檜 山 行 雄、 古 川   漸、◎松 井   陽、

○松 木 則 夫、 本 橋 伸 高、 山 田 清 文

 (注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順

木 村   剛、 千 葉   勉、 成 冨 博 章、 西 澤   理、

増 井   徹、 村 田 美 穂

行政機関出席者

平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

赤 川 治 郎 (審査管理課長)

俵 木 登美子 (安全対策課長)

内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

森 和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

佐 藤 岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議題

1 医薬品レキップCR錠2mg及び同CR錠8mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について
2 医薬品テネリア錠20mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について
3 希少疾病用医薬品の指定の解除について
詳細は資料へ

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催させていただきます。
本日は、お忙しい中御参集いただきありがとうございます。
最初に、当部会の委員について、交代がありましたので、私の方から御紹介申し上げたいと思います。
永井委員の後任として、京都大学医学部附属病院循環器内科教授の木村剛先生に、本部会の委員をお願いしております。なお、木村先生は本日、欠席との御連絡をいただいております。
 次に、部会長代理の選出ですが、規程により部会長から御指名いただくこととなっております。松井先生、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 私の方からは、松木則夫先生にお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、松木先生よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 それでは、部会長代理については、松木先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。松木先生、部会長代理席に御移動をお願いいたします。
本日の委員の出席についてですが、木村委員、千葉委員、成冨委員、西沢委員、増井委員、村田委員より御欠席との御連絡をいただいております。当部会委員数21名のうち、まだ鈴木委員がお見えになっていないのですが、現在14名の委員の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
それでは、松井部会長、以後の進行をお願いいたします。
○松井部会長 本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しております。議事次第に記載されている資料1~8をあらかじめお送りしております。このほか、資料9「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料10「専門委員リスト」、資料11「競合品目・競合企業リスト」を配付しております。
 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、御報告させていただきます。各品目の競合品目選定理由については、次のとおりです。資料11の1ページです。レキップCR錠ですが、本品目はパーキンソン病を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 2ページです。テネリア錠ですが、本品目は2型糖尿病を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 3ページです。MPR-1020ですが、本品目は腎性シスチン症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤は無いことから、競合品目は無しとしております。
 4ページです。エプロジセート二ナトリウムですが、本品目は「AAアミロイドーシス」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤は無いことから、競合品目は無しとしております。以上です。
○松井部会長 今の事務局からの御説明に、何か御意見・御質問はありませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、ただ今の説明について、委員の皆様の御了解を得たものといたします。委員からの申出状況について、御報告いただけますか。
○事務局 各委員からの申出状況についてです。議題1、レキップについては退室委員無し、議決に参加しない委員は松木委員、本橋委員、山田委員です。議題2、テネリアについては退室委員無し、議決に参加しない委員は野田委員、林委員、山田委員です。議題3、MPR-1020については退室委員無し、議決に参加しない委員は無しです。議題4、エプロジセート二ナトリウムについては退室委員無し、議決に参加しない委員は無しです。以上です。
○松井部会長 本日は、審議事項は4議題、報告事項が4議題です。早速始めたいと思います。議題1について、医薬品医療機器総合機構から概要を御説明ください。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品レキップCR錠2mg及び同CR錠8mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」医薬品医療機器総合機構より説明させていただきます。
 審査報告書3ページを御覧ください。本剤の有効成分であるロピニロール塩酸塩は、非麦角系のドパミンアゴニストであり、本邦では、本薬の速放錠であるレキップ錠が、2006年にパーキンソン病を効能・効果として承認されております。なお、資料中、あるいは以降、レキップ錠速放錠を「IR錠」と称させていただきます。
 ドパミンアゴニストは、低用量から投与を開始し、治療用量域まで漸増する必要がありますが、IR錠の承認用法・用量では、少量ずつの漸増により治療用量域への到達に日数を要すること、また、1日の服用回数が3回ということで、良好なアドヒアランスが得られにくい場合もあることから、1日の投与回数を減らし、さらに治療用量域への到達日数を短くすることを目的として、本薬の徐放性製剤の開発が行われました。2011年7月時点で、本剤は欧米主要国を含む45か国以上で承認されております。
本邦では、グラクソ・スミスクライン株式会社により開発され、2011年7月に、国内外の臨床試験成績を基に、パーキンソン病を効能・効果として申請がなされました。
本品目の審査に関して、専門委員として、資料10に記載されている委員が指名されました。
 本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。
有効性について、まず、審査報告書18ページ、(2)の項です。こちらはL-dopaを服用していない早期のパーキンソン病患者を対象とした非盲検試験が実施されており、パーキンソン病患者の運動能力障害の程度を評価する指標であるUPDRS PartIII合計点のベースラインからの変化量が有効性の評価項目とされました。成績は、次の19ページの表6のとおりで、投与16週目の変化量の平均値で-12.2点でした。本試験は、対照群が設定されていない非盲検の試験であり、有効性の評価には限界がありましたが、海外では早期のパーキンソン病患者を対象とした二重盲検比較試験が実施されており、同じ有効性の評価項目であるUPDRS PartIIIの変化量は、本試験と同程度であったということ、また、既承認のIR錠の臨床試験において、L-dopaの非併用の患者でも、有効成分であるロピニロールの有効性が示されていることなども総合的に考慮し、日本人のL-dopa、非併用パーキンソン病患者においても、本剤の有効性は期待できると判断いたしました。
 続いて、審査報告書19ページ下の(3)です。本試験では、既承認薬であるIR錠を対象とした二重盲検並行群間比較試験として実施され、本剤とIR錠がそれぞれ次のページの表8に示すような漸増方法に従って投与されました。表8を御覧いただくと分かると思いますが、本剤の方がIR錠よりも開始用量が高く、漸増幅も若干高く設定されています。先ほどL-dopa非併用患者を対象とした試験では、漸増の間隔は投与量によらず1週間以上とされていましたが、この試験では表8でいうとレベル5以上の用量に漸増する場合は、投与間隔は2週間以上と設定されていました。主要評価項目は、先ほどの試験と同様、UPDRS PartIIIとされ、24週時までの変化量で本剤群とIR錠の比較が行われ、その成績が21ページの表9のとおりとなっています。この試験において、本剤のIR錠に対する非劣性が認められ、本剤とIR錠で同程度の有効性が示されたことから、L-dopaを併用している進行期のパーキンソン病患者においても、本剤はIR錠と同様の有効性が期待できると判断しました。
 次に、安全性について説明します。審査報告書、22ページ、表10です。L-dopa併用患者を対象とした国内臨床試験で、いずれかの群で5%以上に認められた有害事象を示しております。上から、悪心、傾眠、起立性低血圧などといったドパミンアゴニストに特徴的な有害事象が見られており、こういった有害事象の発現状況は既承認のIR錠と同程度でした。また、L-dopa非併用のパーキンソン病患者を対象とした国内臨床試験で認められた有害事象も、IR錠と大きく異なる傾向は無かったことから、添付文書(案)に記載されている注意喚起に従い、適正に使用されれば、承認の可否に影響するような安全性に関する重大な懸念は認められないと判断しました。
 続いて、本剤の臨床的位置付けについて説明させていただきます。審査報告書の28ページ、(1)の「本剤の臨床的位置付けについて」の項です。本剤の有効性及び安全性は、先ほど申し上げたようにL-dopa非併用及び併用患者で、IR錠と同様であるということが示されたことから、本剤はIR錠と同様にL-dopaの併用の有無にかかわらず、パーキンソン病患者に使用可能な薬剤であり、IR錠と比べ、1日の服用回数の軽減及び治療用量域への到達時間の短縮が可能になると考えます。ただし、薬剤の1回の投与量がIR錠よりも多いため、過量投与されるリスクが大きくなるといった徐放化により想定される懸念も踏まえ、医療従事者及び患者に本剤の適正使用については情報提供資材なども用いて、十分な注意喚起を行う必要があると考えます。また、本薬の主な消失経路が肝代謝であることを踏まえてIR錠と比較して開始用量や漸増幅が大きい本剤ですと、相対的に肝障害のある患者では、曝露量増加のリスクがIR錠よりも高くなる可能性があることも踏まえ、特に投与経験が無い重度の肝機能障害を有する患者では、安全性に注意する必要がある投与開始時あるいは漸増中などは、本剤ではなくて、より低用量から細かい用量の調節ができるIR錠の使用も考慮するよう注意喚起する必要があると判断し、添付文書の慎重投与(5)の項に、そういった注意喚起を記載することが適切と判断しました。
 本剤の「用法・用量」については、審査報告書の35ページ、「用法・用量について」の項を御覧ください。本邦におけるIR錠の用法・用量は、1日量として0.75mgから開始し、3mgまで0.75mgずつ、それ以降は1.5mgずつ増量することとされていますが、それに対して本剤の開始用量と漸増幅はいずれも2mgとIR錠より多めに設定されています。
 少し戻りまして、審査報告書の30ページ下段になります。こちらの「悪心について」の項で御説明しているように、2mgから開始した本剤群では、投与開始時の悪心の発現率は、IR錠を0.75mg投与した時より高かった結果が示されていますが、同じ用量レベル、ここで言いますと、有効性が期待できる最低維持用量に到達するまでの期間で比較した場合の悪心の発現頻度や程度は、IR錠と本剤でほぼ同様であり、このリスクは許容可能なリスクと考えられました。また、漸増期間を通じて、安全性上、特段の問題は認められていないことから、開始用量を2mgとし、患者の状態を応じて慎重に観察しながら、2mgずつ増量していく用法・用量は可能と判断しました。また、本剤は服用回数の低減を目的として、IR錠を既に飲んでいる患者さんから切り替えて使用されることも想定されますが、本剤に切り替える場合は、先ほどもお示しした審査報告書20ページの表8に記載されていますようなIR錠に対応する本剤に切り替えるという切替え方法に基づいて、用量コントロールを行った時、実際に試験の中では有効性及び安全性に特に大きな問題も認められなかったことから、この切替え方法を添付文書及び情報提供資材にて情報提供することが適切と考えます。
 最後に、「製造販売後調査」については、報告書の40ページを御覧ください。製造販売後調査として、突発的睡眠、傾眠、あるいは精神症状並びに消化器症状といった、本剤に特徴的な有害事象の発現状況、また、着目すべき集団としては高齢者、肝機能障害・腎機能障害患者及びIR錠から本剤に切り替えた症例における安全性、また、長期投与時の安全性と有効性についても情報収集することを目的に、500例を対象とした使用成績調査を実施する予定です。
 以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議いただくことが適切であると判断しました。
製剤は劇薬に該当し、生物由来製品又は特定生物由来製品には該当しないと判断しております。再審査期間は4年が適当であると判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。
また、事前に本橋委員より、審査報告書の40ページに記載しております悪性症候群が発現した症例の詳細に関して、因果関係についての判断、あるいは悪性症候群の原因などについて、御指摘・御質問をいただいております。
 まず、悪性症候群が認められた症例の詳細を申し上げますと、本剤とL-dopa製剤の併用投与中に悪性症候群が発現しており、担当医師の判断としては、抗パーキンソン病薬及び治療薬の用量が高かったことを理由に、試験薬との因果関係があると判断しておりました。一方、申請者は悪性症候群の最大の要因としては、ドパミンアゴニストの突然の中止や減量であることであり、抗パーキンソン病薬や治療薬の用量が高いことは原因ではないと判断しており、本事象は本剤の投与後に発現しているものの、突然の中止や減量といったイベントは起こっていないことから、悪性症候群のそういった条件には合致せず、本剤の関連性は低いという判断で、申請者と担当医師の判断が一部食い違っております。
 この点について、御指摘いただきましたようにアドヒアランスや脱水といった、治療薬の中止以外の要因が悪性症候群の発現に関与した可能性についても確認しましたが、本症例ではアドヒアランスが特に不良といった報告は無く、また、悪性症候群の要因となるような感染症も認められませんでした。本事象の発現時期が夏場ということもあって、気温は高かったと推察されますが、この症例で脱水が認められたという報告もありませんでした。
 したがって、以上の状況を踏まえると、本事象が発現した原因までは特定に至りませんでしたが、投与中に悪性症候群が認められたということで、関連は否定できないということも踏まえ、添付文書においては、本剤の急激な中止や減量のみならず、投与継続中にも悪性症候群が現れることがある旨を記載して注意喚起すると共に、製造販売後調査においても、悪性症候群が疑われる症例が集積された場合には詳細な情報を収集することを予定しております。
 以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方から御質疑をお願いいたします。最初に本橋委員、今の御説明でいかがでしょうか。
○本橋委員 一つ気になるのは、非常に起こりにくいことが起こったということで、悪性症候群という診断自体は問題が無かったのかどうかというところに尽きるのではないかと思うのです。診断が正しいのであれば、それはある程度説明ができないと、今後非常に心配ではないかという気がするのです。従来起こりそうもないことが起こったということですと、少し慎重にしておいた方がいいのかと思い、御質問をした次第です。
○松井部会長 悪性症候群という診断自体に問題は無かったのかどうか。
○機構 まず、悪性症候群と診断された際の症状ですが、高熱と筋肉の硬直及びCPK高値が認められていまして、悪性症候群としての典型的な症状であったということで、診断自体には特に疑いは、医師も申請者とも認められていないと判断しております。今回、合計で300例ぐらいの症例に投与されて1例認められたということで、確かに悪性症候群の頻度としてあまり起こるものではありませんが、認められたということを踏まえて、元々レキップ錠ではロピニロール投与中に認められたという注意喚起はされていなかったのですが、今回それを改めて、本剤投与中にも認められることがあるという注意喚起もして、こちらは情報提供を徹底させていただきたいと思います。
○松井部会長 いかがですか。
○本橋委員 分かりましたが、ほかのドパミンアゴニストでは同じような事象が起こることは報告されているのかどうかだけ、一つ確認したいと思います。
○機構 類薬でありますミラペックスというプラミペキソールの徐放剤の承認時の臨床試験を確認しましたが、国内では確か発現はしておりませんでしたが、承認の際に実施された海外の臨床試験では1例は認められていたと記憶しております。
○松井部会長 よろしいですか。注意を喚起するということですね。ほかの委員の先生方から御質疑はいかがですか。
○加藤委員 今の悪性症候群のことも少し関連して伺いたいと思っていたのですが、L-dopa製剤の非併用例と併用例ということで、早期パーキンソン進行とパーキンソン二つに分けて、それで臨床成績を出していらっしゃるのですが、CRなどで維持していった患者さんで、パーキンソンの症状が進行して、そこにさらに今度L-dopaをかぶせるというような使い方が想定されているのかどうかをお伺いしたいと思います。その場合に、併用群の方に悪性症候群が出たという話で、併用していない群では出なかったということがあると、レキップ錠を先に投与しているような患者さんを早期パーキンソン症の場合には想定していると思うのですが、それは後でL-dopaを加えた時に、そこで起こり得る有害応答などについての何かコメントがあるのでしょうか。あるいは、そのような使い方は推奨しないというようにして、市場に出すのかということを少しお伺いしたいと思います。
○機構 最近のパーキンソン病治療では、最初に開始する治療としてL-dopa製剤を選択するのか、ドパミンアゴニストを選択するのかというのは、両方が推奨されていて、患者さんの背景に応じて使い分けるといったことが推奨されていると思います。ですので、御指摘のあったように、まず本剤レキップから開始して、場合によって、その後L-dopaが追加されるという治療も想定されます。
 実際に、単独でドパミンアゴニストを服用している場合と、さらにL-dopaと併用している時と、どちらで悪性症候群が出やすいかといったところについては、詳細な情報も持ち合わせておりませんし、特にどちらでより注意すべきということも、今のところは示唆されていないと思います。少なくともドパミン製剤、あるいはドパミンアゴニストで治療中の場合は、悪性症候群には十分に注意する必要があると考えております。
○加藤委員 悪性症候群の問題を除いたとしても、レキップCRで治療を始めてみた場合に、病態が進行したということです。そこで、L-dopaを新たに加えるという時に、どのような加え方をしたらいいのかということに関しての情報は提供されないのでしょうか。
○機構 恐らくL-dopaを最初に投与し始める場合とドパミンアゴニストに追加して投与し始める場合で、特別に注意をすることは余り想定はされませんが、追加が必要になるということは何らかコントロール不能な部分が出てくるということで、それが実際にどこにあるのかということで、極端な話、ドパミンの量が余り多すぎると、今度血中濃度が高くて、ジスキネジーといった有害事象が出てくると思われますので、そういったところに注意しつつ、適切な治療薬を選択していくことになると思われます。
○松井部会長 手元の資料には、そのようなL-dopaを後から加えるものは無いという御答弁でしたね。
○機構 実際に試験成績でそういった検討は行われておりません。
○加藤委員 意見としては、ずっと慢性的に受容体を活性化させるという状態が続いている時には、様々な放出系に関してもフィードバックや代謝系にもいろいろ変化をもたらし得ると思いますので、そこに新たにアゴニストというか、内因性アゴニストのL-dopaという形で加えるという場合には、ここで予想できないことが起こるということも全く想定できないとは限らないと思いますので、それについての情報をちゃんと集めて、統計的な何か判断のできる資料を揃えるということが方針として大事ではないかと私は思います。
○機構 製造販売後調査などでそういった症例が認められた場合、情報収集させていただきたいと思います。
○松井部会長 重要な視点だと思いますので、よろしくお願いいたします。ほかにはいかがですか。
○清水委員 添付文書の書き方で一つ提案というか、意見なのですが、今回のこの薬剤については、IR錠からCR錠への切替えというのがとても重要なファクターになってきて、添付文書の中にも切替えの指標は臨床成績のところに載っているのです。臨床成績のところにそれが載っているということが、できれば1ページ目のどこかで分かるようにしてほしいと思います。例えば、用法・用量に関する注意事項に(4)を作って、「切替えに関する対応については、臨床成績の項を参照」というような項目を入れておいた方が分かりやすいのではないかと感じたのですが、いかがでしょうか。
○機構 御指摘ありがとうございます。その点について、今2ページ目になってしまうのですが、重要な基本的注意の最後の項目に、速放錠からの切替えについての注意と切替えに際しては臨床成績の項の用量を参考にする旨が記載されていて、結局、先行して承認されたミラペックスと同じような体裁になっております。確かに添付文書だけでは少し分かりにくいかと思うのですが、そちらは情報提供資材と合わせて、上手く分かりやすく情報提供していただくように、申請者にも進言したいと思います。
○松木部会長代理 私も添付文書の書き方なのですが、副作用の悪心・嘔吐に関して、前回か前々回のアポモルヒネの時は末梢性のドパミンアンタゴニストのドンペリドンなどを、悪心・嘔吐などの時には使うということが書いてあったのですが、今回は全くそういうことに触れていなくて、そのような副作用が出た時には「減量または投与を中止する」と分かりやすいのですが、それはメーカーによって書きぶりが違うということで、それでもう終わってしまうのですか。
○機構 恐らくアポモルヒネの際は、特に消化器症状については、海外でも制吐剤の併用が必須とされているぐらいということもあって、注意を要するものだったので、若干差別化が図られていると思うのですが、経口のドパミンアゴニストに関しては、特にそういった処置についてドンペリドンの投与が必要といったところまでは、添付文書にいずれも記載まではされていないと思われます。ドパミンアゴニストの投与による消化器についての対応としてドンペリドンを使用するということは、パーキンソン症治療のガイドラインにも記載されており、恐らく幅広く周知されているものということもあって、あえて添付文書に記載するほどでもないという判断もあるかと思われます。
○松井部会長 ほかにはいかがですか。一応、必要な指摘は出たように思いますが、本議題について、議決に入ってよろしいでしょうか。なお、松木委員、本橋委員、山田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきたいと思います。
本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 議題2について、御報告をお願いします。
○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品テネリア錠20mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」機構より説明いたします。
本剤は、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物を有効成分として含有するDPP-4阻害薬であり、食事摂取により消化管から血中に分泌されるGLP-1の不活化酵素であるDPP-4を阻害することにより、GLP-1の血中濃度を維持し、血糖降下作用を示す薬剤です。国内では、本剤と同じ作用機序の四つの薬剤が既に承認されています。2012年2月現在、海外において、本剤は承認されておらず、韓国において開発中です。
 本品目の専門協議では、資料10に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。
以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。
 有効性については、審査報告書54ページを御覧ください。表20に示しましたように、単独療法による第III相二重盲検検証的試験において、主要評価項目とされたベースラインから投与12週時までのHbA1c変化量について、本剤20mg群のプラセボ群に対する優越性が検証されました。
 また、本剤とスルホニルウレア系薬剤との併用療法及び本剤とチアゾリジン系薬剤との併用療法についても、56ページの表23、59ページの表27に示しましたように、第III相試験がそれぞれ実施され、いずれも主要評価項目とされたベースラインから、投与12週時までのHbA1c変化量について、プラセボ群に対する優越性が検証されました。
 安全性については、66~80ページに記載した「(3)安全性について」の項を御覧ください。低血糖症、胃腸障害、肝機能障害等について個別に評価した結果、大きな問題はみられていないことから、本剤の安全性は許容可能と判断しています。
 製造販売後調査については、93ページ、「(6)製造販売後調査の計画について」の項を御覧ください。調査予定症例数□□例、観察期間□年間の特定使用成績調査が計画され、低血糖症、胃腸障害、肝機能障害、心血管系イベント等の安全性にかかる情報、腎機能障害患者、肝機能障害患者及び高齢者における安全性にかかる情報等が収集される予定です。
 以上のとおり、機構での審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断しました。
本剤の再審査期間は8年とすることが適切であり、原体及び製剤は、いずれも毒薬・劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。
なお、檜山委員より、事前に御質問をいただいております。「審査報告書93ページに原薬の加速試験で新たな類縁物質が認められたため、リテスト期間を短縮した旨の記載があるが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」という御質問です。この点に関し、回答させていただきます。
認められた類縁物質は、□□□□□□□□□□□□□□□□では認められていた類縁物質です。本類縁物質については、原薬の純度試験において検出可能であり、規格値が設定され管理されること、加速試験で認められた増加の程度は、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□で問題無いと判断しました。
なお、この事象は□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□認められ、□□□□□□□□□□□□□□□□□□認められていません。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。檜山委員には事前にこの内容を回答させていただき、御了承をいただいております。
御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○松井部会長 最初に檜山委員、よろしいですか。
○檜山委員 はい、結構です。
○松井部会長 ほかに御質疑をお願いいたします。
○野田委員 最近、類薬で腸閉塞や急性膵炎、横紋筋融解症などについて、添付文書の「慎重投与」や「重要な基本的注意」の記載の改訂が行われましたが、それについての対応といいますか、そういった点はいかがでしょうか。
○機構 機構より回答申し上げます。腸閉塞については、現在、本剤についても注意喚起を検討しているところです。注意喚起の内容としては、本薬のものとするのか、類薬にするのかというところで検討中であり、この点は対応させていただきたいと思っております。そのほか横紋筋融解症等に関しては、今回、本剤では認められておりませんので、今後の状況を見ながら、注意喚起の必要性を検討していくことになるかと思います。
○清水委員 少し余分な心配かもしれないのですが、この薬剤は「臨床的な位置付け」の箇所に書かれているように、1日1回で済むことと、腎障害、肝機能障害のある患者さんで用量の変更の必要が無いということと、スルホニルウレア、チアゾリジンとの併用が可能になっているということで、臨床上、利便性が高いという位置付けの評価がなされていますが、そうは言ってもこの申請書に書かれている臨床試験の中では、高度の肝・腎の機能障害のデータというのは希薄な状況だと思います。特に20mgから40mgに増量の必要のある患者さんについて、慎重に使っていただくことが重要かと思うのですが、その辺の情報提供等については、何か御指導なさっているところはありますでしょうか。
○機構 機構より回答させていただきます。1.8の添付文書(案)の後ろからになりますが、添付文書(案)の1ページ、慎重投与の項を御覧ください。
○松井部会長 1ページですか。
○機構 最初に20ページほどテキストが付いていて、その後ろです。「使用上の注意」の1、慎重投与の(1)に、先生から御指摘いただきました高度の肝機能障害のある患者に関しては慎重投与ということで、注意喚起をさせていただいております。また、製造販売後調査においても、今回□□例という、□□□□□□な製造販売後調査を計画していただいておりますので、その中で事象が集まってくると思います。そこで集まってきた情報等を医療現場に適切にフィードバックできるように、指導させていただきます。
○松井部会長 今、御質問の中に、高度の肝と腎機能障害ということがあったと思うのですが、それは書いていないということですか。
○機構 すみません。腎機能障害のある患者について回答させていただきます。腎機能障害については臨床薬理試験になるのですが、審査報告書の37ページから提示しております。海外での試験にはなりますが、高度の腎機能障害者、それから末期の腎不全患者において、PK等を検討した試験が実施されております。その中で、曝露量等の増加の程度を確認しており、このデータ等を踏まえた結果、腎機能障害のある患者に関して慎重投与とするほどの必要性は無いとの判断をしております。しかしながら、先生の御指摘のとおり、投与経験が少ないことに変わりはありませんので、その点は先ほどの肝機能障害のある患者と同様に、製造販売後調査の中で、きちんと情報収集をしていただくことにさせていただいております。
○松井部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入ります。なお、野田委員、林委員、山田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきたいと思います。
本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。御異議が無いようですので、承認を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 議題3に移ります。よろしくお願いします。
○事務局 審議事項議題3、資料3「MPR-1020を希少疾病用医薬品として指定することの可否について」事務局より説明いたします。
資料3の2ページ、PMDAが作成しております評価報告書を基に説明させていただきます。申請者名は、マイラン製薬株式会社となっております。希少疾病用医薬品の指定要件の対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について順に説明いたします。
 まず、「対象患者数」ですが、1ページの下の方に書いてある「小児慢性特定性疾患研究事業」において、2004~2007年のシスチン症の患者登録数が4~10名と報告されております。本邦における患者数は10人以下と推察されますので、指定要件の5万人未満は満たすと考えております。
 次に、「医療上の必要性について」ですが、腎性シスチン症については、リソソーム内に蓄積したシスチンにより、脱水症、あるいはアシドーシス、その他、特に問題になるのが腎機能の低下になりますが、こういった症状が出てくるというものです。本邦においては、腎性シスチン症を適応とする医薬品は無く、細胞内シスチンの蓄積を低下させる治療方法も無いという状況です。一方、システアミンという本薬になりますが、こちらについてはリソソーム内でシスチンと反応して、システイン-システアミン混合二硫化物を形成して、リソソーム外への排出を促し、細胞内シスチン濃度を低下させることが報告されております。このため、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。
 最後に「開発の可能性」ですが、本剤については米国で1994年、欧州で1997年に承認をされております。国内では昨年の□□より、健康成人を対象にした薬物動態試験が実施されております。また、腎性シスチン症患者を対象とした臨床試験も計画されております。このため、本剤の開発の可能性はあると考えております。これらのことから、希少疾病用医薬品の指定基準を満たすと考えております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 いかがでしょうか。大変に希な病気だと思います。今、御説明のあった作用機序については、希少疾病用医薬品指定申請書の添付資料の133ページのうちの38ページに図示されてあります。
○佐藤(田)委員 基本的なことで恐縮ですが、2ページでこのような様々な症状があって、初めてこれが分かってくるわけですね。何もしなければ、10歳までで腎死すると言われていますが、もしこれが分かって投与を開始すれば、見込みで結構なのですが、救命率はどの程度に進むというのでしょうか。推測ですが、教えてください。
○事務局 事務局よりお答えします。臨床試験等で救命率というところまで求めるのは、なかなか難しいようで、実際海外で承認されているデータについても、例えばクレアチニンが低下するとか、腎機能がある程度正常に維持されていくといったことをもって承認されているようです。患者数も少ない領域ですので、直接比較して明確に示したような情報は無いようです。そのような状況ですので、もし、その辺りの情報があれば、後日先生に御報告させていただきます。推測でも、お答えしづらいところになるかとは思います。
○松井部会長 佐藤委員、よろしいですか。実は私も今日ここへ来る前に腎臓科の専門家に聞こうと思ったのですが、上手く行き合えず申し訳ありません。もしよろしければ、後日になりますが、聞いてみます。私もこの患者さんに行き合ったことがありません。ほかに御質問・御意見はありますか。議決に入ってもよろしいでしょうか。それでは、議決に入ります。
本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。いかがですか。
御異議が無いようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題4に移ります。
○事務局 審議事項議題4、資料4「エプロジセート二ナトリウムを希少疾病用医薬品として指定することの可否について」事務局より説明いたします。
先ほどのように機構による評価報告書を基に説明いたします。申請者はC.T.ディベロップメントスイス社となっております。対象患者数ですが、AAアミロイドーシスの患者数が平成11年の報告では1,800人ということで推計されております。その後、この疾患は慢性の炎症性疾患、主にリウマチなどになりますが、それに続発する疾患とされており、リウマチ等の治療の進歩によって減少傾向を示すことが報告されておりますので、1,800名を超えることはないのではないかと推計をしており、5万人未満と考えて差し支えないものと考えております。
 医療上の必要性についてですが、AAアミロイドーシスはアミロイドが臓器に沈着することによって、腎不全などといった症状が起きるものです。本邦において、AAアミロイドーシスを適応症として承認されている医薬品はありません。本薬については、アミロイドの沈着にかかわる硫酸化グリコサミノグリカンのAA蛋白への結合を阻害するもので、実際に薬理試験等ではアミロイド沈着が抑制されることが出ているようです。
 最後に開発の可能性ですが、2011年から第III相の国際共同治験が開始されており、日本からも参加することになっております。したがって、開発の可能性はあるものと考えております。これらのことから、希少疾病用医薬品の指定基準に該当するものと考えております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。それでは、御意見、御質問をお願いします。よろしいでしょうか。ございませんか。
御質疑が無いようですので、議決に入ろうと思いますが、よろしいですか。特にございませんか。それでは、議決に入ります。
本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。
御異議が無いようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、報告事項について、説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題1、資料5「医薬品ケイツーシロップ0.2%の製造販売承認事項一部変更承認について」事務局より報告いたします。
 資料5です。本剤は、ビタミンK2であるメナテトレノンを有効成分とするシロップ剤であり、新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療の効能・効果で既に承認されております。
本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成23年11月7日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、サンノーバ株式会社から、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防の効能・効果及び当該効能・効果に係る用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題2、資料6「医薬品インデラル錠10mg及び同錠20mgの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 資料を御覧ください。本剤は、交感神経β受容体遮断薬であるプロプラノロール塩酸塩を有効成分とする素錠であり、1966年以降、「本態性高血圧症(軽症~中等症)」、「狭心症」、「期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防」、「褐色細胞腫手術時」の効能・効果で承認されております。
 本剤について、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成23年11月7日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般アストラゼネカ株式会社から、期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防の効能・効果における小児の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しました。
 報告事項議題3、資料7-1~7-3「医療用医薬品の再審査結果について」まとめて報告します。資料は7-1~7-3で、これらはいずれも医薬品再審査確認等結果通知書です。
 資料7-1は、一般的名称はタクロリムス水和物、販売名はプログラフ注射液2mg、同注射液5mg、同カプセル0.5mg、同カプセル1mg、同カプセル5mg、同顆粒0.2mg、同顆粒1mgのもの。
 資料7-2は、一般的名称はタルチレリン水和物、販売名はセレジスト錠5mg及び同OD錠5mgのもの。
 資料7-3は、一般的名称はエストラジオール、販売名はル・エストロジェル0.06%のものです。
これらの品目について、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要は無いカテゴリー1と判定したものです。
○事務局 報告事項議題4、資料8「希少疾病用医薬品の指定の解除について」説明いたします。
 資料を御覧ください。届出者は第一三共株式会社、医薬品の名称はSUN11031です。本剤は、平成21年2月、「神経性食欲不振症(制限型)及び特定不能の摂食障害(摂食量が少なく低体重で、無茶喰い又は排出行動が無い場合)」を「予定される効能又は効果」として、希少疾病用医薬品に指定されました。その後、本剤の本効能・効果に関する有効性を検証する目的で、第III相二重盲検比較試験が実施されましたが、有効性の主要評価項目である「投与終了時の経口摂取エネルギー(画像)」において、本剤群での増加はプラセボ群での増加に及ばず、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されませんでした。そのため、今般、届出者は、本剤の本効能・効果に関する開発の中止を正式に決定し、別添の希少疾病用医薬品試験研究中止届書が提出されました。よって、本剤の本効能・効果に係る希少疾病用医薬品の指定を取り消すこととしました。報告は以上です。
○松井部会長 ただ今の報告について、御質問・御意見はありませんか。
○清水委員 細かいところなのですが、資料6のインデラル錠の添付文書の記載になりますが、1ページです。「効能・効果に関連する使用上の注意」の最初に、「小児等に」と「小児等」という言葉が出てきて、「使用上の注意」の1.の慎重投与の(9)に、また「小児等」が出てくるのですが、用法・用量には成人と小児という括りで添付文書が書かれているので、この「等」を付けたことの意味を確認したいと思うのです。もしかすると、これは申請者が出してきた当初の用法・用量ですと、小児のところが「新生児・乳児・幼児及び小児」という括りで用法・用量を提出してきたもので、「小児等」という言葉が添付文書の中に使われたのかとも推察したのですが、そこのところはいかがでしょうか。
○機構 医薬品医療機器総合機構よりお答えします。審査報告書の7ページの【用法・用量】の所に、今回の用法・用量が追加になっているのですが、先ほど先生から御意見がありましたとおり、元々、申請時の用法・用量は、「新生児・乳児・幼児及び小児」となっていたのですが、用法・用量に通常使用している語が「小児」ということでしたので、こちらを「小児」とさせていただきました。また、ほかの項では、「小児等への注意」のように、「小児等」で新生児も含む小児もありましたので、その他の項は「小児等」という記載になっております。なので、意味的には両方とも同じなのですが、これまでの記載と合わせた整理ということで、このような変更となっております。
○清水委員 あえてここに付けているということですね。
○機構 そうです。
○加藤委員 セレジストのことについて少し伺いたいのですが、よろしいでしょうか。これは瑣末なことかもしれないのですが、添付文書ですが、経口脊髄小脳変性症治療剤という言い方をしているのですが、確かに効能・効果は脊髄小脳変性症における運動失調の改善なのですが、「経口脊髄小脳変性症治療剤」というその「治療剤」が、どのようなレベルで治療剤と神経難病の場合に、「治療剤」というのが付いているのは少し違和感があると思いました。これは2回前ぐらいの部会だったと思うのですが、リルゾールがやはり筋萎縮性側索硬化症治療剤という肩書きになっていたと思うのです。そうすると、例えば一般の方が御覧になった時に、筋萎縮性側索硬化症の治療剤があるのだと、ある意味で誤解を招くような名前なのかと思いました。その時、肩書きの部分はどのような規定で決まっているのかと疑問に思いましたので、教えていただきたいのです。効能・効果を見れば、しっかりと記載があり、その中で運動失調の改善であるとか、あるいはリルゾールの場合は、ほんの少しですが数か月、延命するということが効果として出ているというのは読めば分かるわけですが、何という名前で呼んだらいいか分からないのですが、この肩書きはどのようにして決めるのでしょうか。神経難病の場合に治療剤というのは、少し違和感があるという感じがするということなのですが、いかがでしょうか。
○松井部会長 先生がおっしゃるのは、特異的な効果ではないからという意味でしょうか。
○加藤委員 治癒はしないわけですので、その部分の一部の症候を抑えるだけという場合にも、「治療剤」という名前を謳っても良いのかということです。
○機構 医薬品医療機器総合機構よりお答えいたします。この治療剤という記載の部分ですが、ここの記載に関しては、必ずしも効能・効果をそのまま反映する必要まではなく、薬剤の使われ方であるかとか、作用機序であるとか、そういったものに基づいて、いろいろな書きぶりがなされているのが現状です。御指摘のとおり、このセレジストに関しては、治療というよりも、むしろ一時的な運動失調の改善等、そのような位置付けの薬剤ですので、厳密に言うと治療というものではないのですが、広い意味で脊髄小脳変性症の治療という中で使われる薬剤ということで、このような書きぶりになっております。これは承認時にこのような形になっておりますので、現時点でこれを変更するのはなかなか難しいかと思うのです。ただ、最近の品目では、そういった誤解の無いように、我々の方でも指導しておりますので、今後そういったところに関しては注意を払って進めていきたいと考えております。
○松井部会長 神経難病に限らず、対症療法しかできない疾患は多いように思います。ほかにいかがでしょうか。ただ今の御報告について、委員の先生方には御確認をいただいたものといたします。事務局から、ほかに何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会です。既に御案内のように、6月1日(金)午後3時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○松井部会長 本日はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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