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2012年8月22日 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第61回)議事録

○日時

平成24年8月22日(水)12:57~14:18


○場所

専用第14会議室


○出席者

田村部会長、武見部会長代理、田宮委員、清水委員、岩渕委員、政安委員、中村委員、酒井委員、金倉委員

○議事

(以下、議事録)

○田村部会長
 定刻より若干早いようですが、皆さんお集まりですので、ただいまから第61回独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させていただきます。
 委員の皆さまにおかれましてはお忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は馬場委員が欠席です。
 それでは、本日の議事等について事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 本日の議事につきましてご説明いたします。平成23年度の財務諸表に関する意見及び業務実績に関する総合評価につきましては、法人ごとにご審議いただきたいと思います。
 まず、財務諸表に関する意見につきましてご審議をいただきます。各法人の財務諸表に関する意見につきましては、財務担当委員からご発言をいただきまして、それを踏まえてご審議いただくことになっています。
 続きまして、平成23年度の業務実績につきまして、前回までの個別評価の結果に基づきまして、起草委員で起草いただいた総合評価案につきまして、法人ごとにご審議をいただく流れになっています。
 なお、これまで皆さまにご記入いただきました評定記入用紙、それから評価シート及び各委員の評定結果の一覧表をお手元に置かせていただいています。
 のちほど、本日の審議を踏まえました評定を確定していただく時間を設けさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本日は以上のような流れでご審議をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 なお、部会の途中で法人とそれから所管課の入れ替えを行いたいと思います。
 最後に、本日の参考資料としてお配りしております「独立行政法人の自然災害等に関係するリスクへの対応に関するアンケート」についてですが、資料集の127頁をご覧ください。今年の5月に総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から「平成23年度の業務実績評価の具体的取組について」が示されています。具体的には127頁の一番下に記載があります。そちらの9番ですが、「自然災害等に関係するリスクへの対応」について、政・独委からアンケート調査がなされています。今後、政・独委で2次評価の結果と併せまして、各省の取組を取りまとめて公表する予定になっておりますので、ご参考までに厚生労働省分をまとめてお配りしておりますので、のちほどご覧いただければと思います。以上です。

○田村部会長
ありがとうございました。それでは審議に入らせていただきたいと思います。
 まずは総合評価書、財務諸表に関する意見の取りまとめにつきましては、委員の皆さまにはお忙しい中、ご尽力をいただき、誠にありがとうございました。
 始めに医薬基盤研究所について審議をさせていただきますけれども、まずは財務諸表に関する意見についてです。財務諸表につきましては、独立行政法人通則法38条に基づきまして、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で厚生労働大臣が承認することとされています。
 それでは、財務諸表につきまして、担当の委員の清水委員、岩渕委員から意見書(案)の内容も含め、簡潔に説明をお願いしたいと思います。まず、清水委員からお願いします。

○清水委員
 7月23日に財務ヒアリングをさせていただいて、財務諸表の概要を把握させていただきました。その結果、特に修正をお願いする事項はありません。ここに示されている意見書のとおり、承認をすることが適当だと考えます。
 財務諸表に関する意見は以上ですが、ヒアリングのときにお聞きましたポイントで、特に特記すべき事項を1点のみ申し上げたいと思います。これまで問題となってきました繰越欠損金の問題ですが、今年になって初めてと言っていいと思うんですけども、その解消の見通しになるものが示されたことでは、進歩があったかと思います。ただし、平成41年に2つの勘定の繰越欠損金の合計が16億円にまで縮小するということ、やはりすべての全額の解消は難しいことですが、この計画に対して、是非、達成をお願いしたいと思いますし、できればもっと縮小をする方向で努力をお願いしたいと思います。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。続きまして岩渕委員からお願いします。

○岩渕委員
 専門的な意見は清水委員から報告していただきましたが、私は、やや個人的な意見を含めて、その全般的なことを申し上げておきたいと思います。
 流用枠の拡大とか繰越手続きの簡素化など、弾力的な運用は高く評価できると思っております。ただ、逆に放漫経営を防止するためには、月次監査などのきちっとした歯止めをかけていって欲しいと思います。
 それから、人事構成なのですが、やっぱり賃金職員が大量にいることが、一体どういうメリット、デメリットがあるのかを、もう1回きちんと考えてみる必要があるのではないかと思います。それと、高く評価されている、そのテニュア制度の導入についてですが、特に若手が不利にならないように、往々にしてどうしても中高年のほうが重視される傾向にありますので、その辺りのことを少し気をつけていただきたいと思います。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは、ただいまご報告いただきました医薬基盤研究所の財務諸表につきましてご意見等がありましたら頂戴いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、平成23年度の財務諸表に対する意見としましては、資料1-1の案のとおりで修正意見はないようですので、これを取りまとめまして厚生労働大臣に提出したいと思います。そういうことでよろしゅうございますでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 では、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは次に医薬基盤研究所の総合評価につきまして審議をさせていただきます。審議につきましては、まず事務局より、総合評価書(案)について概要の説明を行い、その上で起草委員から今回の総合的評価についてコメントをいただき、その後審議をいただければと考えています。
 では、事務局より総合評価書(案)の概要説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは医薬基盤研究所の平成23年度業務実績について説明させていただきます。まず、評価の視点ですが、当該研究所の目的は基盤的技術研究、生物資源研究、研究開発振興の3事業を行うことにより、製薬企業や大学等における創薬研究を支援し、画期的な医薬品等の研究開発を促進することであり、業績評価に当たっては、「当該研究所が提供するそれらの事業が中長期的に医薬品等の研究開発に役立つものとなっているか」の観点から評価を行っています。
 次に、平成23年度業務実績全般の評価についてですが、当該研究所は「次世代ワクチン対策」、「医薬品等毒性等評価系の構築」、「難病対策等」に研究分野を重点化して研究を推進しており、世界に先がけて「ヒトiPS細胞由来肝臓細胞」の製品化に成功したこと、世界最大規模のトキシコゲノミクスデータベースとインフォマティクス技術を活用して、バイオマーカーを同定することに成功したこと。またウラルカンゾウの画期的な水耕栽培システムが内閣府の産学官連携功労者表彰において、厚生労働大臣賞を受賞したことなどから、全体としては適切に業務を実施したと評価できるとしています。
 次に具体的な評価内容ですが、まず「(1)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について」の全体的事項について説明をさせていただきます。1.戦略的事業展開につきましては、社会的ニーズ及び厚生労働省の政策課題を踏まえた戦略的事業展開がなされていること、研究所の一般公開等により、研究成果の一般の人々への普及を図っていることなどから、高く評価できるとしています。
 2.適切な事業運営に向けた取組につきましては、パワーハラスメントを防止するための規程を定めると共に、研修を実施していることなどから評価できるとしています。
 続きまして、個別的事項ですが、基盤的技術研究では、次世代ワクチンの研究開発の分野、医薬品等の毒性等評価系構築に向けた基盤的研究の分野、難病治療等に関する基盤的分野のいずれにおいても着実な成果が得られており、高く評価できるとしています。
 生物資源研究の分野では、生物資源の収集、供給等が着実に実施されると共に、これらの業務に不可欠な研究開発等が適切に実施されていることなどから高く評価できるとしています。
 薬用植物については、先に述べたカンゾウの水耕栽培システムなどが高く評価できるとしています。今後、主な漢方生薬原料について、国内で簡易かつ安定的に栽培できるよう、更なる活動を期待することと記載されています。
 霊長類については、医科学研究用霊長類リソースの開発、供給等で中期計画を上回る成果をあげたことなどから評価できるとしています。
 基礎研究推進事業については、プログラムディレクターとプログラムオフィサーを活用して、指導・助言等を適切に実施しており、希少疾病用薬品等開発振興事業については、助成金交付だけでなくプログラムオフィサーを活用した適切な指導・助言、治験情報ウェブサイトの運用開始など、側面から支援することにより成果をあげており、実用化研究支援事業等については、プログラムオフィサーを活用して指導・助言等を行い、収益の最大化を目指した活動を進めていることなどから、いずれも評価できるとしています。
 続きまして、「(2)機動的かつ効率的な業務運営に関する措置について」は、理事長のトップマネジメントによる迅速な方針決定の下に適切な業務運営が行われていることなどから評価できるとしています。
 更に「(3)財務内容の改善等について」は、一般管理費、事業費のいずれも数値目標を上回って達成しており評価できるとしています。自己収入に関しては適切な目標を設定して、受け入れ拡大に努めるよう期待すると記載されています。
 「(4)その他の業務運営に関する措置について」は、人事について透明性が確保されていることなどからいずれも評価できるとしています。
 それから、「(5)評価委員会が厳正に評価する事項及び政・独委の評価の視点等への対応について」説明します。まず、財務状況につきましては、承継勘定で256億円、研究振興勘定で65億円の繰越欠損金が発生しています。解消計画によれば平成41年度には16億円まで縮小することになっており、この計画が確実に達成できるよう期待するとされています。
 それから、保有資産の管理・運用等につきましては、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針に沿った措置が適切に行われていると認められます。また、宿舎につきましては、着実に見直しが実施されるように注視していくとの記載があります。さらに、「いわゆるたまり金の精査」につきましても、該当がない旨、確認をしており、今後も注視していくとの記載があります。
 3.組織体制・人件費管理については、総人件費が数値目標を上回って達成しており評価できるとしています。また、福利厚生費につきましては、法定福利費以外には支出を行っていないことなどから特に問題はないものと認められます。
 それから、4.事業費の冗費の点検及び契約につきましては、様々な努力をしていると認められ、また公益法人等への会費等の支出は行われていないと認められます。
 6.内部統制につきましては、特に問題ない旨の監事意見が提出されています。
 それから、7.事務事業の見直し等については、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団と共同で実施している細胞分譲事業を平成25年度から当該研究所が行うこととなっており、事業の円滑な移管が行われるための準備を引き続き推進していくことを期待すると記載されています。
 以上のように、全体としては中期目標・中期計画を上回る成果をあげていると評価されています。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。
 続きまして、起草委員からコメントをお願いします。起草委員を代表しまして金倉委員からコメントをお願いします。

○金倉委員
 総合的評価書案については、修正の必要がないと思います。それから、いま事務局からご説明いただいた内容で結構かと思います。医薬基盤研究所の3事業の中で、つまり基盤的技術研究、それから生物資源研究、それから研究開発振興の中でも、特に基盤的技術研究ではインフルエンザの次世代ワクチンの研究開発、それからアジュバントの開発、先ほども言われてましたが産官学連携による世界に先がけたヒトiPS細胞由来の肝臓細胞を製品化して、高品質の特殊トキシコゲノムミクスのデータベースの公開をした等の顕著な成果をあげていると思います。
 また、生物資源研究の分野でも産学官連携によりカンゾウの画期的な水耕栽培システムは厚生労働大臣賞を受賞されています。予測を上回るほどの複数の大きな成果をあげられていることは大きく評価できると思います。
 今後はこれらの研究成果を、本来の橋渡し役として画期的な医薬品等の研究開発の支援に大いに貢献していただけるものと期待しています。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。ただいまご報告をいただきました総合的評価書(案)につきまして、ご意見等ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。何か、ご意見等、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 それでは修正意見等がないようですので、平成23年度の業務実績の評価結果として、法人及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会にお伝えするとともに、これを公表したいと思います。
 なお、この後、誤字脱字、あるいは事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応につきましては、私にご一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは、そのような形で取扱いをさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に法人の理事長よりコメントをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○医薬基盤研究所理事長
 非常にお忙しいところ、当研究所についてご議論をいただきまして、本当にありがとうございます。この研究所は第二期の2年目の評価をいただいたところなのですが、私自身もこの評価に関しまして高く評価していただいたことを、非常にうれしく思いますし、そのように自分自身でも認識しています。
 いろいろな修正点、アドバイスもいただきましたので、3年目以降、それらを分析しまして、またより一層発展できるように努力していきたいと思っています。
 この独法評価委員会の委員の皆さまにおかれましては、今後ともご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。どうも、ありがとうございました。

○田村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、現在までの意見、報告等を踏まえまして個別評定を修正したい方はここで修正・確定の時間を設けさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 なお、修正にあたりまして、事務局より留意事項等があるとのことですので、よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 前回までにご記入いただいております評定記入用紙及び評価シートは机上に配付させていただいておりますので、よろしくお願いします。
 本日の財務諸表等に関する報告によって、個別評価の修正が必要になった場合につきましては、赤鉛筆で修正をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。また、修正のある頁には付箋を貼っていただければと思います。
 それから、机上配付させていただいております個別項目に関する評価結果の集計表につきましては、現時点でいただいている評点を「S=5点、A=4点、B=3点、C=2点、D=1点」ということで点数化しています。委員の名前は空欄となっておりまして、委員のそれぞれの皆さまにはご自分の名前のみわかっているという状況です。
 それから最後になりますが、作業にあたりまして個別評価に係る資料をご覧になりたい場合には、事務局で用意がありますのでお申し付けいただければと思います。よろしくお願いします。

○田村部会長
 では、適宜、修正等をお願いしますが、修正にあたっての質問事項等がありましたらお願いします。何か、質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、5分ほどお時間を取らせていただきますので、評価シートの確認や修正をお願いいたします。
(評価シートの修正・確定)

○田村部会長
 よろしいですか。それでは、これをもちまして医薬基盤研究所の平成23年度、業務実績評価及び財務諸表に関する意見を取りまとめさせていただきたいと思います。
 各評価書には評価結果の別紙として、評価シートの集約版が添付されていますが、本日、評価の確認・修正を行っていただいたことによりまして、当部会全体としてのSないしDの評定及び評定理由が変更になった場合、また、各委員のコメントが修正、追加等された場合は、これらを反映した評価シート集約版を添付することといたします。評価シートの集約版につきましてはSないしはDの評定が変更になるなどの際には、委員会全体としての評定理由も合わせて変更する必要が生じてくることも考えられますが、その文書につきましては私に一任させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。場合によっては個別に各委員にご意見を伺うこともあると思いますので、その際にはどうかよろしくお願いします。
(各委員了承)

○田村部会長
 それではここで、法人の入れ替えを行い、5分後に再開したいと思います。
(法人席入れ替え)

○田村部会長
 皆さんお揃いでございますので、国立健康・栄養研究所の審議を行いたいと思います。まず、財務諸表に関する意見についてです。財務諸表につきましては、独立業政法人通則法38条に基づきまして、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で厚生労働大臣が承認することとされております。それでは、財務諸表につきまして担当の委員であります清水委員、岩渕委員から意見書(案)の内容も含め、簡潔にご説明をお願いしたいと思います。清水委員からお願いします。

○清水委員
 7月23日に財務に関するヒアリングをさせていただき、財務諸表を確認させていただきました。その結果、特に修正を要するところはないというふうに思われましたので、こちらにお示ししておりますとおり、このまま承認することが適切だというふうに考えております。
 ヒアリングの際にいろいろ気づきました点につきましては、総合評価書のほうに反映されていますので、特にここで言及すべき点はございませんが、1点だけ総合評価書に書かれてない事項でコメントしておきたいと思います。実は自己収入に関して目標を達成されてないという件がございました。この調査専門部会でも外部資金の獲得割合と研究に係る獲得割合というところでの計算式が、適切ではないのではないかというご意見があったかと思います。実はその点について3法人に横並びでヒアリングさせていただきましたところ、やはり法人がそれぞればらばらであるということが判明しました。この点は確かに各法人が独自にそういった指標を設けるということは適切であるとも言えるのですが、同じ調査専門部会で数値が違ってしまうということも、計算式によってだいぶ数値が違うわけですので、国民側にとっても不便ではないかと感じているところです。この点につきましては事務局のほうにも是非調整をお願いして、この目標期間は難しいかもしれませんが、次期以降是非統一を図っていただきたいと感じたところです。以上です。

○田村部会長
 続きまして岩渕委員からお願いします。

○岩渕委員
 専門的な評価は清水委員がおっしゃったとおりであります。私はもう少し国民的な視点から一般的な、個人的な意見を含めて一言申し上げたいと思っております。
 フレックスタイム、女性の登用は当然研究環境の整備という点で高く評価できると思います。それで任期制が15人で常勤30人という比率については、まあこの程度かなと。一般の大学でも問題は任期制と定年制との間の溝というのが、かなりそういう意味で言うとマイナスに作用するケースもありうるということなので、そのあたりのところ、特に技術補助員とか客員研究員、協力研究員、研修生と実に種々な職種を抱えていらっしゃる本研究所の場合は、一体感を維持するのがなかなか難しいのではないかなというふうな忖度をしておりますので、そこのところの工夫を1つしっかりしていただきたいと。
 それから資料の中で、合併後の経理の外部事務委託について、事実上反対というようなことをおっしゃってました。この件は今後の課題というふうに理解しておりますが、どうなのかなと若干疑問が残りました。以上です。

○田村部会長
 ただいまご報告いただきましたほかに、国立健康・栄養研究所の財務諸表につきまして、何かご質問等がございましたら頂戴したいと思いますがいかがでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、平成23年度の財務諸表につきましてのご報告は以上ということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では次に、国立健康・栄養研究所の総合評価について審議をさせていただきたいと思います。まず、事務局より総合評価書(案)の概要説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、国立健康・栄養研究所の平成23年度の業務実績につきまして、説明をさせていただきます。まず「(1)評価の視点」について説明をいたします。
 当該研究所の目的は、国民の健康の保持及び増進に関する調査及び研究並びに国民の栄養その他国民の食生活に関する調査及び研究等を行うことにより、公衆衛生の向上及び増進を図ることであり、当該研究所の業績評価に当たっては法人の設立目的に基づき、同研究所の業績が国民の健康の保持・増進に役立つものとなっているかという観点から、評価を行っております。
 次に「(2)平成23年度業務実績全般の評価」について、説明をさせていただきます。第3期中期計画に移行し、国の生活習慣病対策等の施策としてより効果的な反映が見込まれる研究に重点化して、これらの重点課題に係る目標を達成するため、各研究部・センターが相互に連携しながら調査研究を着実に進め、その成果は多くの実績を上げたことから評価できるとしております。
 続いて具体的な評価内容について説明をします。まず、「(1)業務運営の効率化に関する措置」について説明します。業務運営の効率化については、運営会議等を適宜開催して情報の共有化に努め、また、予算執行管理システムの運用等による効率的な業務運営に努める等、適切に運営されていることは評価できるとしております。研究・業務組織の最適化については、新組織の改組、ニーズに応じたプロジェクトチームの設置など、社会的要請に応える機動的な組織編成を実施したことは評価できるとしております。また、職員の人事の適正化については、行政ミッションや法定業務等に重点的に研究員等を配置し、管理部門の業務効率化を促進して職員を1名削減した点は評価できるとしております。以上のように業務運営の効率化に関する措置につきましては、年度計画に沿った実績を上げていると評価しております。
 続きまして「(2)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置」について説明します。1.研究に関する事項につきまして、国の生活習慣病対策等の施策としてより効果的な反映が見込まれる研究として、「生活習慣病の予防のための運動と食事の併用効化に関する研究」、「日本人の食生活の多様化と健康への影響、及び食生活の改善施策に関する栄養疫学的研究」、「『健康食品』を対象とした食品成分の有効性評価及び健康影響評価に関する調査研究」を実施し、いずれの課題においても年度計画に沿った実績を上げており、評価できるとしております。
 研究所の研究能力の向上及び食育推進のための調査研究におきましては、若手研究者の研究能力向上において、課題設定等による戦略性を持った取組が期待されます。また、食育推進のための調査研究については、東日本大震災被災者への対応として現地の栄養士が被災者のために使用するリーフレットを作成するなど、被災者の健康支援に寄与した点は評価できるとしております。法律に基づく業務、社会的・行政ニーズ、国際協力等に関する事項につきましては、健康増進法に基づきまして、「国民健康栄養調査の集計業務」では、効率的かつ適切に業務を実施され、「特別用途食品等の分析業務」では分析の精度管理体制の構築に向けた取組等、民間登録試験期間を含めた精度向上に努めたことは評価できるとしております。
 社会的・行政ニーズへの対応としては、社会的・行政ニーズの把握と研究業務への反映に努めてきていることから評価できるとしております。国際協力、産学官連携等対外的業務につきましては、国際シンポジウムの開催など国際協力を推進しており、また、産学官連携による共同研究等を通じて社会還元に努めたことは評価できるとしております。
 栄養情報担当者(NR)制度につきましては、第三者機関への移管先を決定し、円滑に取り組まれていることは評価できるとしております。情報発信の推進に関する事項につきまして、ホームページのリニューアルやソーシャルネットワーキングサービスの活用等、より国民への身近なサービスを通じて、国民の健康の維持・増進に寄与している点は評価できるとしております。以上のように年度計画に沿った実績を上げていると評価しております。
 続きまして「(3)財務内容の改善等」について説明します。1.外部資金その他の自己収入の増加に関する事項につきましては、研究資金の半分以上を外部から獲得するという目標に対して十分とは言えないため、今後の外部研究資金その他自己収入の積極的な拡大を期待するとされております。2.経費の抑制に関する事項につきまして、中期目標期間の数値目標に対して一般管理費、業務経費、人件費いずれも目標が達成されている点は評価できるとしております。以上のように年度計画に沿った成果を上げていると評価しております。
 続いて「(4)その他業務運営に関する措置」につきましては、セキュリティ対策実施手順書の見直しを行うなど、年度計画に沿った適切な対応が講じられております。
 続きまして「(5)評価委員会が厳正に評価する事項及び政・独委の評価の視点等への対応」につきまして説明をいたします。まず、1.財務状況につきまして当期総利益400万円は人件費に係る運営費交付金の収益化によるものとなっております。2.保有資産の管理・運用等につきましては、プールや運動フロアーを研究の一環として設備使用料を取り、民間解放しておりますが、平成23年度は節電等の要請により抑制されております。また、職員宿舎はありません。さらに、運営費交付金債務と欠損金等との相殺に着目した洗い出し状況につきましては、不適切な事例は認められておりません。また、3.組織体制、人件費管理につきましては、人件費は中期目標、中期計画による削減率を達成していることから評価できるとしております。また、福利厚生費の状況につきましては、健康診断費用のみの使用であることは評価できるとしております。4.冗費の点検及び5.契約につきましては、経費節減の努力、契約に係る適正な運営努力が認められ、また、公益法人等への会費等の支出は行われていないと認められます。
 さらに6.内部統制につきましては、特に問題がない旨監事による評価を受けております。
 最後に7.事務事業の見直し等につきましては、NR制度について一般社団法人日本臨床栄養協会へ平成27年7月までの移管を決定したことは評価できるとしております。以上のように全体としては、年度計画に沿った実績を上げていると評価されております。以上です。

○田村部会長
 それでは、起草委員からコメントを頂戴したいと思います。起草委員を代表して武見部会長代理からよろしくお願いします。

○武見部会長代理
 全般としてはいまご報告ありましたように、第3期中期計画の初年度ということで、いろいろ組織編成なども変えられた初年度の中で、着実な実績を上げられたという全体の評価になっております。一方でいろいろ要望されるものも高くなっている、期待も高まっているという中での厳しいところも、評価としてはあるかなと感じております。いまご報告があったものは基本的に、この評価結果(案)という資料2-2について報告いたしましたが、その中でいくつか今後に対する更なる改善や期待を整理した部分がありますので、その点を中心にコメントしていきたいと思います。
 委員の先生方のいろいろなご意見を踏まえて一応4点出させていただきました。1つはいま報告がありましたように、日本人の食生活の多様化と健康への影響に、食生活の改善施策に関する栄養疫学研究ということで、特に日本人の食事摂取基準、これが栄養学の日本の中での活動の根幹のようなものですが、それに関連した研究が積極的に進められ、また、普及啓発等についていろいろ検討されているということの評価はあると思います。それについては、さらに今後、次期へ向けて活用状況などがどうなっていくのかとか、そうしたさらなる要望もいくつか出てきましたので、次の改定も目前に来ていますのでそれに対する活動を一層充実していただきたいということが出てきているかと思います。
 2点目として、研究成果の公表について、インパクトファクターの高い現状論文の採択数やあるいは招待講演なども含めた学会発表数が、年度計画を大きく上回っていることは高く評価できますが、一方でこの委員会でも意見が出ましたが、非常に国民の生活に直結した研究内容ということで、その研究成果がどのような社会的意義があるのかという視点での評価ということをどうしていくのかということが今後の課題です。これは研究所がしていないということではなくて、むしろそういうことをどう評価していくのかということも含めて、研究所からも検討していただきたいし、私たち評価委員会としてもそこは本当に考えていかなければ、単に数の問題ではないというふうな意見もいくつか出たと思います。これは本当にそのへんが大きな課題として今回出てきたかなと思います。おそらく今度の3期の中でこうしたことの評価の視点などがクリアになってくれば、次への発展に繋がるかなというふうに考えております。
 3点目としては、財務の報告にもありましたが、業務運営に関してさまざまな努力によって、改善が効率化してきているという状況は数値的にも出てきているわけですが、一方で学会参加人数の絞り込みであるとか、海外出張の見直しとか、場合によっては研究活動そのものへの影響が懸念されるようなことのない形で、こうした効率化を図ると、非常に難しいことを言っているのは自分でもわかっているつもりですが、私たちもそういうことをきちっと見ていくという視点は必要かなと思っております。
 4点目は財務のほうからの指摘があった、外部研究資金の確保等についていろいろ社会経済状況の難しい中では、これについてはおそらく全ての組織が同じだと思いますが、更なる努力をお願いしたいということを一応4点課題を示させていただきました。すぐにというものはそうないわけですが、今後に向けての課題ということでご検討いただければと思います。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは、ただいまご報告いただきました総合評価書(案)につきましてご意見等ありましたら頂戴したいと思いますがいかがでしょうか。よろしゅうございますか。それでは修正意見はないようですので、平成23年度の業務実績の評価結果として法人及び政・独委にお伝えするとともに、これを公表させていただきたいと思います。なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要となった場合の対応につきましては、私のほうにご一任いただくということでよろしゅうございますでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長 それではそのような取り扱いをさせていただきたいと思います。
 最後に法人の理事長よりコメントを頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

○国立健康・栄養研究所理事長
 国立健康・栄養研究所理事長の徳留でございます。評価委員の先生方におかれましては、当研究所の財務諸表に関する審議、平成23年度の業務実績に関わる総合評価をお取りまとめいただきまして誠にありがとうございました。概ね年度目標、計画に沿った実績を上げたという評価と受け留めております。しかし、一層改善を有する点があるというご指摘もいただきました。
 現在第3期中期目標、中期計画の2年目です。今いただきました評価、ご指摘を踏まえ運営、組織の面ではガバナンスを発揮して公共施策に貢献する業務を推進して、運営面では透明性、自立性、最適化を目ざしていきたいと思います。そして自発的、自立的な研究活動を行いつつ、当研究所の設立目的に沿いまして調査研究業務を今後とも遂行したいと考えております。評価委員の先生方におかれましては、今後ともご指導、ご鞭撻のほどをお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。

○田村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、現在までの意見、報告等を踏まえまして個別評定を修正したい方はここで5分ほど修正・確定の時間を設けさせていただきますのでよろしくお願いします。
(評価シート修正・確定)

○田村部会長
 よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして国立健康・栄養研究所の平成23年度業務実績評価及び財務諸表に関する意見を取りまとめさせていただきたいと思います。なお、先ほどと同様に評価シートの集約版について、修正の必要があった場合の対応につきましては、私のほうにご一任いただければと思います。それでは、ここで法人の入れ替えを行いますので5分後に再開をさせていただきます。どうもありがとうございました。
(法人・所管課入れ替え)

○田村部会長
 それでは、労働安全衛生総合研究所について審議を行いたいと思います。
 まず、財務諸表に関する意見についてです。財務諸表については、独立行政法人通則法38条に基づいて、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認することになっています。
 それでは、財務諸表について、担当の委員の清水委員、岩渕委員から意見書(案)の内容も含め、簡潔にご説明をいただきたいと思います。
 まず、清水委員からお願いします。

○清水委員
 8月6日に財務に関するヒアリングをさせていただきました。その結果、財務諸表については、特に修正をお願いする事項はありませんので、資料3-1に示しているように、このまま承認をすることが適切だと考えています。
 財務ヒアリングの際に、1点議論になったのが、受託研究収入に係る収益化の方法についてです。これについては、実態に応じた形での収益計上が必要なわけですが、複数年に渡る受託研究収入について、従来、ある大きな研究収入については完成した時点で一気に収益を計上するやり方でやられていたということですが、実態をよく見たところ、やはり各年での進捗状況に応じての収益計上が適切ということで、この年度に過年度の部分も含めて、1億円程度のかなり大きな金額の収益が計上されています。
 これは実態に応じた会計処理ですので問題ないのですが、やはり、説明をしておかないと、見る側にとって不親切だと、ミスリーディングであろうということで、この旨をご説明いただけるようにお願いしたところ、財務諸表に反映していただいていると伺っています。以上の点を付け加えさせていただきます。

○田村部会長
 ありがとうございました。続いて岩渕委員からお願いします。

○岩渕委員
 専門的な評価については清水委員のおっしゃったとおりです。私からは、国民的な視点からの要望を申し上げておきたいと思います。
 この評価書とは関係なく、そこに書いていることではありませんが、共同研究の比率が15~58%というのは、いかにも乖離が大きすぎて、目標値の設定がずさんだったのか、あるいは逆に何でもかんでも共同研究に走っているのではないかという疑問を少し感じさせるものがあろうかと思います。その関連でいくと、6カ国、12機関との共同研究ですが、もちろん人材の育成やWHOとの関連などで、多くのメリットはあるのですが、ただ、その6カ国、12機関がすべて機能しているかどうかという点については、きちんと評価する必要があるのではないかということです。個別の意見でも、3重点地域、22優先課題についてのフォローアップを毎年明らかにしてもらえると参考になるという意見もありましたが。そういう意味で言えば、もちろん何も否定的な意見ではないつもりですが、何でも共同研究であればいいということではないのではないかということも含めて、もう一度評価する必要があるのではないかということを申し上げておきます。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは、ただいまご報告いただいたほかに、労働安全衛生総合研究所の財務諸表について、ご質問等あればいただきたいと思いますが、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは平成23年度の財務諸表についての報告は以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、総合評価の審議をさせていただきたいと思います。まず、事務局より総合評価書(案)の概要説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、独立行政法人労働安全衛生総合研究所における第2期中期目標の初年度である平成23年度の業務実績について説明をさせていただきます。
 まず、「(1)評価の視点」について説明をさせていただきます。当該研究所の業務実績の評価に当たっては、統合による効果を最大限に発揮し、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上が図られているか、さらには、業務運営の効率化、財務内容の改善及び、その他業務運営の改善について十分に取り組まれているかという観点から評価を行っています。
 続いて、「(2)平成23年度業務実績全般の評価」について述べさせていただきます。まず、機動的かつ効率的な業務運営体制の確立については、内部統制の確立及び研究所内における情報伝達の円滑化を図っているほか、清瀬・登戸の2つの地区を有することに関しても、両地区に業務担当者を適切に配置し、TV会議を活用するなどの取組が推進されており評価できるとしています。また、労働現場のニーズ把握のための種々の取組によってニーズを把握し、研究業務へ反映するとともに、プロジェクト研究等に重点的に研究資源を投入し、高い研究成果を挙げていることに加え、特に平成23年度は、平成23年3月に発生した東日本大震災にも的確に対応しており評価できるとしています。
 研究の評価については、内部評価及び外部評価を実施しており、研究成果を行政へ還元しているほか、成果の学会発表及び論文発表数については、第2期中期目標の初年度としては十分な水準であり評価できるとしています。また、特にインターネット等による研究成果情報の発信については、目標を大幅に超える実績を挙げていることなどから高く評価できるとしています。
 労働災害の原因の調査等については、厚生労働省からの依頼などに基づく災害調査等を適切に実施しており、評価できるとしています。また、国内外の労働安全衛生機関等との協力については、その促進に努めているほか、シンポジウムの開催、国際学術誌の発行等による労働安全衛生分野の研究の振興、若手研究者の育成など、積極的な取組を行っており、評価できるとしています。
 これらから、労働現場のニーズ、実態の把握に努め、それを適切に業務に反映し、行政ミッション型研究所として高い水準の実績と成果を挙げているものと評価できるとしています。
 続いて、具体的な評価内容に移ります。まず、「(1)国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項について」は、講演会の開催や労働現場の訪問等により、調査研究に係るニーズの把握に努め、それに基づくプロジェクト研究等を実施し、研究成果を上げていることは評価できるとし、特に、東日本大震災対応のため、年度計画を変更し、石綿に係るばく露防止対策などの研究を開始したことは評価できるとしています。
 また、研究課題について、内部評価、外部評価を適切に実施し結果を公表しているほか、得られた科学的知見については、法令、基準等の制定・改正に活用され、行政へ還元されていることは評価できるとしています。
 さらに、学会発表や論文発表は目標を上回る回数を実施し、延べ18名の研究員が優秀論文賞などを受賞していることは評価できるとしているほか、特にインターネット等を通じた研究成果の情報発信では、目標を大きく上回るアクセスがあるなど、その実績について高く評価できるとしています。
 また、知的財産の活用促進については、特許権の取得・活用のため、研究員の相談体制の整備や、特許審査会による審査の上申請するなど、積極的に取り組むとともに、既保有特許を費用対効果の観点から見直すなどの取組も評価できるとしています。なお、新規出願件数の増加に向けた積極的な取組に期待したいとの記載があります。
 労働災害の原因の調査等については、刑事訴訟法等に基づく鑑定などについても適切に実施し、その報告は労働基準監督署等において高い割合で活用されており評価できるとしています。
 また、労働安全衛生分野の振興の観点から、シンポジウムの開催や学術誌の発行等により貢献しており、特に国際学術誌「Industrial Health」は年6回発行し、インパクトファクターも高い水準を維持しており評価できるとしています。
 連携大学院協定に基づく大学等への客員教授等の派遣による教育支援や、若手研究者を受け入れ、研究指導を行うなど労働安全衛生分野における若手研究者等の育成に積極的に貢献しているほか、海外12大学・研究機関との間で研究協力協定を締結し、これに基づく研究員の派遣・受入れや大学・企業等との共同研究についても目標を大きく上回る水準で実施しており評価できるとしています。
 続いて、「(2)業務運営の効率化に関する事項について」は、内部統制の確立及び研究所内における情報伝達の円滑化を図る観点から、意志決定及び進捗管理を行う場を設けるなど体制が整備され、調査研究業務の一体的推進が図られているほか、清瀬・登戸の2つの地区を有することに関しても、業務担当者の適切な配置やTV会議の活用等により、業務の効率的な取組が推進されていることは評価できるとしています。
 また、人件費の節減目標に対して大幅に上回る実績を達成しているほか、随意契約の見直し、省エネルギー対策の推進等により経費節減を進めてきており、さらなる効率化に努め、実績を挙げていると評価できるとしています。
 次に、「(3)財務内容の改善に関する事項について」ですが、競争的研究資金、受託研究等の獲得など、自己収入の確保に向けて組織的に取り組んでいることは評価できるとしています。ただし、今後とも外部研究資金の獲得額の向上に向けて、より一層積極的に取り組まれることを期待すると記載があります。
 また、予算、収支計画及び資金計画については、一般競争入札を徹底するなどにより経費の節減が図られており、その結果、平成23年度決算では、予算額に対する決算額が人件費で90.5%、一般管理費で73.4%、業務経費で87.4%にまで抑制されており評価できるとしています。
 続いて、「(4)その他業務運営の改善に関する事項について」です。資質の高い人材の登用に努めているほか、研究員の人事評価については、適正な業績評価基準に基づき、研究業績等から所属部長、研究領域長、役員等により評価するシステムが整備されており、適正に業務評価を実施し、その結果を表彰、人事管理にも反映しており、評価できるとしています。
 また、情報の管理、研究倫理の審査等についても、研究倫理審査委員会をはじめとした各種委員会活動等を通じて適切に実施されているとともに、ホームページ上での「国民の皆様の声の募集」などの試みも進められており評価できるとしています。
 続いて、「(5)評価委員会が厳正に評価する事項及び政・独委の評価の視点等への対応について」は、財務状況として、当期総利益3,800万円は、主として受託研究による利益によって発生したものであることや、ラスパイレス指数(年齢勘案)については、研究職員(93.0)、事務・技術職員(98.9)について適切な給与水準に改善されていると記載されています。
 また、事業費における冗費については、一般競争入札による調達の徹底などにより、経費節減を実施しており、契約についても一般競争入札が進んでいるが、今後とも企画競争、公募も含め、真に競争性のある調達を行う努力を継続していく必要があると指摘されています。
 さらに、内部統制においては、研究業務の評価の実施、研究倫理及び利益相反の管理のための厳格な審査が実施されていること、また、部門間のコミュニケーションを図るための取組について評価するとしています。
 事務事業の見直しについては、外部資金の獲得が21%にとどまっており、導入の拡大を図るよう努めることと記載されています。
 また、研究施設・設備の有償貸与等による自己収入の拡大に対する努力の結果、前年度の3倍の収入が得られており、今後も施設・設備の有効活用を推進されたいと記載されています。以上です。

○田村部会長
 ありがとうございました。続きまして、起草委員を代表して私から報告をさせていただきたいと思います。
 労働安全衛生総合研究所は、産業安全研究所と産業医学総合研究所が統合されて平成18年4月に発足しました。平成23年度第2期中期目標期間の初年度に当たる評価については、統合による効果が最大限に発揮されて、国民に提供するサービスその他の業務の質の向上は図られているかどうか。業務運営の効率化が一層なされているかどうか。あるいは、財務内容の改善及びその他業務運営の改善がなされているかどうか。そういった点について十分に取り組まれているかどうかという観点から、達成度の評価を行いました。
 評価の結果は、ただいまご説明いただいたとおりでして、業務運営については、いろいろな視点から一層の効率化が図られていると評価できるのではないかと思っています。また、調査研究業務については、労働現場のニーズ、実態の把握に努め、それが適切に業務に反映されたのではないかと思っていますし、行政の要請や東日本大震災のような緊急事態に対しても的確に対応できたのではないかと思っています。
 また、調査研究及び労働災害の原因調査等を適切に実施し、それが高い評価を受けておられることは評価できるのではないかと思っていますし、それらの成果については、国内外への発信や普及に努めておられる点、また、国内外の労働安全衛生機関との連携や共同研究を推進されているということで、先ほどのご説明にあるように、行政ミッション型の研究所として高い水準の実績と成果を上げておられることで、評価できると思っていますし、さらなる向上を期待しています。以上でございます。
 ただいまご報告をいたしました総合評価書(案)についてご意見等ありましたらいただきたいと思います。

○清水委員
 2点確認と修正のお願いです。7頁の6.「内部統制について」のいちばん最後の文章が「努めること。」で終わっています。こういう場所はあまりほかには見当たりませんので、例えば「努めることが望まれる。」程度でよいのではないかということと、前半の「内部統制に係る地道な努力が実を上げており」というのが少し浮いた感じがするのと、その直前にもコミュニケーションのことは書いてあるのでここはいらないのではないかと思います。それが1点です。
 確認です。7の「受託研究収入については、6,300万となっている」というくだりがありますが、先ほど私がご説明した、過年度のものも合わせて1億というのは、当初いただいた損益計算書には載っていたのですが、これとの整合性はどういうことになっているのでしょうか。追加説明をいただけると助かるのですが。

○田村部会長
 研究所のほうで、受託研究収入の数値のほうはいかがでしょうか。

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長
 この6,300万円は、あくまでも当該年度、平成23年度の外部からの一般の受託と、多くはNEDOの研究資金、これの総額が6,300万円ということです。

○清水委員
 損益計算書ベースですか。

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長
 平成23年度当該年度分です。

○清水委員
 1億というのは、過年度のものも合わせてということですか。損益計算には、あくまで1億が載っていたと思うのですが、これは当年度ベースの話ですね。そこが整合がとれていれば特に修正をお願いするところではないのですが、少し私の説明と違っているように思ったので確認だけです。

○田村部会長
 もし、いますぐに確認できなければ後ほどでも結構なのですが。

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長
 少し確認をさせていただければと思います。

○田村部会長
 いずれにしても、数値が間違っていないことが大事かと思います。

○労働安全衛生総合研究所研究企画調整部長
 いま言った数字の意味はそういったことですので、清水委員のご指摘の部分の再確認をいたしましてご報告します。

○田村部会長
 この件については、課題とさせていただくということでよろしいでしょうか。

○清水委員
 はい。

○田村部会長
 いまの清水委員からのご指摘のもう一つの点は、7頁の6の内部統制の件の表現について2カ所修正をしてはどうかというご提案です。特に問題がなければ、そういうふうに対応させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 もう1点の7の事務事業の見直し等の中での受託研究収入の金額については、確認させていただいて、正しい数値を入れるということで対応させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 そのほか、何かご意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、いまいただいた内部統制についての表現の修正、それから事務事業の見直し等の受託研究収入については、金額を確認して正しい数値を入れるということで、それを修正した上で、平成23年度の業務実績の評価結果として法人及び政・独委にお伝えするとともに、これを公表させていただきたいと思います。
 なお、この後、誤字脱字、事実誤認などによる修正が必要になった場合の対応については、私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは、そういうことで対応させていただきます。
 最後に、法人の理事長よりコメントをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○労働安全衛生総合研究所理事長
 本日はお暑い中、どうもありがとうございました。若干の宿題をいただいてしまいまして、事実確認など、至急調べてお答えしたいと思います。
 それを除きますと、大筋では私ども研究所の業務を適正なものと認めていただいたと考えています。どうもありがとうございました。
 岩渕先生からご指摘のあった共同研究の比率についても、これは高ければいいと考えているわけではありませんので、先生のご指摘を踏まえて、また検討させていただきたいと思います。それに限らず、今後とも何かとご指導いただくことがあるかと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。本日は、どうもありがとうございました。

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは現在までの意見、報告等を踏まえまして、個別評定を修正したい方は、ここで5分ほど評価シートの修正・確定の時間を設けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(評価シート修正・確定)

○田村部会長
 よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして労働安全衛生総合研究所の平成23年度業務実績評価及び財務諸表に関する意見を取りまとめさせていただきます。
 なお、先ほどと同様に評価シートの集約版について修正の必要があった場合の対応については、私にご一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○田村部会長
 ありがとうございました。それでは本日の議事は以上になります。本日ご審議いただいた総合評価と財務諸表についての意見については、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づいて、当部会の決定が評価委員会の決定となります。
 また、法令に基づいて政・独委への通知及び公表の手続きが行われることになります。
 事務局より連絡事項などがありましたら、よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、今後の予定等について連絡させていただきます。まず、本日ご審議いただいた各法人の総合評価書については、事務的に手続きを進めさせていただいて、後日、委員の皆様には確定版を送らせていただきたいと思います。
 既に開催案内でご連絡をさせていただいていますが、総会が8月31日金曜日、午前9時30分から、こちらの専用第14会議室で予定をしています。正委員におかれましては、出席方、よろしくお願いいたします。
 次回の調査研究部会は、いまのところ年度末の開催を予定しています。日程や議題については改めてご連絡を差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○田村部会長
 本日は以上とさせていただきます。長時間にわたりご審議いただきまして誠にありがとうございました


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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