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2012年7月13日 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第58回)議事録

○日時

平成24年7月13日(金)9:30~12:00


○場所

専用第14会議室


○出席者

田村部会長、武見部会長代理、清水委員、田宮委員、政安委員、中村委員、酒井委員、馬場委員

○議事

(以下、議事録)

○田村部会長 
 定刻になりましたので、ただいまから「第58回厚生労働省独立行政法人評価委員会調査研究部会」を開催させていただきたいと思います。
 それでは、本日の議事について事務局から説明をお願いしたいと思います。
 本日は、金倉委員、岩渕委員が御欠席でございまして、政安委員はまだお見えになっておりませんけれども、いずれお見えになられると思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐 
 本日につきましては、まず調査研究部会における平成23年度業務実績の評価について事務局の方より説明を行います。
 続きまして、国立健康・栄養研究所の個別評価。
 それから、役員の給与規程の変更につきまして御審議いただきたいと思っております。

○田村部会長 
 それでは、議題(1)でございますけれども、独立行政法人の実績評価に当たりまして、評価の流れや評価基準について事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐 
 個別評価の進め方について説明をさせていただきます。資料1-1-1をごらんいただきたいと思います。
 進め方につきましては、昨年と特に変更点等はありませんが、改めて説明させていただきますと、まず、理事長の方から法人全体の業務実績について説明をいただく。続きまして、各個別項目を大体4つ程度のパートに分けまして、法人から実績と、その自己評価について説明する。続きまして、パートごとに質疑応答という形をとりまして、委員の皆様におかれましては、SからDの評定と、その評定理由を記入用紙に御記入いただくという流れで進めてまいりたいと思っております。
 また、評価につきましては、平成21年12月16日の独立行政法人評価委員会の総会におきまして、元長妻大臣の方から、特に厳正な評価を行っていただきたいと要請があった事項。それから、総務省に設置されております政策評価・独立行政法人評価委員会、いわゆる政・独委ですけれども、そちらの方で作成しております「評価の視点」等を踏まえまして評価をいただく必要があります。
 青い資料集の126ページになりますけれども、今年5月21日に政・独委の方から示されております、2次評価について特に留意すべき事項というのがございます。幾つか、これまでの対応に追加しまして対応すべき事項というのがありますので、簡単ですが、説明させていただきたいと思います。
 まず、資料集126ページの下の方になりますけれども、「公益法人等に対する会費の支出について」。それから、次のページですが、保有資産の管理のところの1つ目、2つ目の「独法の職員宿舎の見直し」関係の2点になります。
 いずれも行革本部の決定ということで、決定自体が今年24年3月、4月に決定されておりまして、23年度の実績評価の中では手当てすることが難しいですので、総務省の政・独委の事務局の方にも確認いたしまして、「業務実績評価別添資料」に現状を記載させていただくとともに、総合評価書の方に次年度以降、基本方針に沿って着実に実行するということで対応を考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
 それから、金融資産に記載されている、たまり金の精査においては、財務担当委員にヒアリングの際に御確認いただきまして、法人の総合評価の際にコメントをいただいて、総合評価書の方に記載いただきたいと思っております。
 それから、内部統制につきましては、監事の監査結果を踏まえた評価を行っているかについて留意することとなっております。昨年の総会、部会の方で複数の委員の方から御指摘もありまして、「業務実績評価別添資料」の方に一部追加させていただいておりますけれども、資料の記載内容を確認いただいて評価をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 これらの要請に対しまして、法人の実績を「業務実績評価別添資料」という形で取りまとめておりまして、この別添資料に記載された事項を評価するチェックポイントを資料1-1-2という形でまとめておりますので、評価に当たって参考ということでごらんいただければと思います。
 法人の個別評価が終わりましたら、各委員の御評価を踏まえた評価書案を起草委員の皆様に作成いただくことになっております。それぞれの起草担当の法人は、資料1-1-3の資料で御確認いただければと思っております。
 それから、評価書案の作成につきましては、各法人の所管課室、それから起草委員とで調整いただきまして、案文の作成をお願いしたいと思っております。起草委員に作成いただきました評価書案につきましては、8月22日に予定しております総合評価の部会の方で各委員に御審議いただくという流れになりますので、御承知おきいただければと思います。
 続きまして、個別評価を御欠席された場合の取り扱いについてですけれども、起草担当以外の法人の評価を欠席される場合につきましては、評価不要ということになります。御自宅で資料を基に御評価いただける場合につきましては、評価結果に反映させていただきますので、欠席された部会の開催日から3日後ぐらいまでに、当政策評価官室まで評定記入用紙の方を御提出いただければと思います。
 それから、今年の調査研究部会の個別評価に当たりましては、起草担当委員が御欠席となる回は、今のところございません。
 続きまして、資料1-3、1-4について説明いたします。
 資料1-4は、調査研究部会で評価する3法人につきまして、あらかじめ自己評定の一覧というものを配付させていただいております。法人の大体の実績を踏まえた上で評価いただいた方がばらつきが少ないかなということで、配付させていただいておりますので、御参照いただければと思います。
 それから、1-4は、過去3年間における評価結果をグラフ化したものになっております。こちらも各法人の自己評価の状況、それから他の部会での評価結果なども参考に、あわせて御評価いただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 事務局の方からは、以上になります。

○田村部会長 
 ありがとうございました。
 ただいま御説明がございましたけれども、起草委員一覧は、資料1-1-3ではなくて、資料1-2でよろしいですね。

○政策評価官室長補佐 
 済みません。資料1-2です。

○田村部会長 
 それでは、今の御説明について、何か御質問等ございますでしょうか。

○清水委員 
 ちょっと確認です。監査の結果について、「業務実績評価書別添資料」は、どれですか。

○政策評価官室長補佐 
 資料2-3という冊子のような形でお配りしているものがあると思います。「平成23年度業務実績評価別添資料」で、括弧書きで、評価委員会が特に厳正に評価する事項及び政・独委の評価の視点への対応状況説明資料というものです。

○田村部会長 
 そのほか、何か御質問等、ございますか。

○田宮委員 
 この図ですけれども、色がわかりにくいので、どちらが自己評定でしょうか。一応、確認まで。素直に考えれば、左が評定かなと思いますけれどもね。

○政策評価官室長補佐 
 そうです。左側が評定、右が自己評定です。済みません、ちょっとわかりにくいですね。

○田村部会長 
 ありがとうございます。
 そのほか、何か御質問、ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、ただいま事務局から御説明ございました手順で各法人の実績の評価を行っていただくということで、よろしくお願いいたします。
 続きまして、国立健康・栄養研究所の個別評価に入らせていただきたいと思います。
 法人、所管課の方の入室をお願いいたします。

(法人、所管課入室)

○田村部会長 
 所管課の方が遅れておりますけれども、始めたいと思います。
 それでは、初めに、徳留理事長からごあいさつと、平成23年度における業務実績概要の御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 厚生科学課とうちの研究企画評価主幹はもうすぐ参ると思いますけれども、おはようございます。独立行政法人国立健康・栄養研究所の徳留でございます。評価委員の先生方におかれましては、これまで当研究所の調査研究業務に対しまして、的確な評価と御支援を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日の独法評価委員会調査研究部会におきましては、平成23年度の当研究所の業務実績について評価をお願いしたいと思います。平成23年度は、私どもの研究所の第3期中期目標・中期計画の初年度に当たります。また、本日は、当研究所におけます役員給与規程の改定につきましても御審議いただくことになります。何とぞよろしくお願いいたします。
 私どもの研究所では、生活習慣病の予防のための運動と食事の併用効果に関する研究、日本人の食生活の多様化と健康への影響に関する栄養疫学的研究、「健康食品」を対象とした食品成分の有効性と安全性に関する研究等、5つの重点研究を柱にいたしまして調査研究を行っております。また、健康増進法に基づきます国民健康・栄養調査、特別用途食品などの表示許可及び収去試験に関する業務などの法定業務、加えまして、日本人の食事摂取基準、健康づくりのための運動基準等、国の健康政策、公共施策を下支えするミッションを行っております。
 昨年3月11日に発生しました東日本大震災におきましては、速やかに大震災対策プロジェクトを立ち上げました。日本栄養士会と連携いたしまして、被災された方々及び健康・栄養の専門職に対するパンフレットをつくりました。すなわち、「災害時の健康・栄養について」というものでございます。
 そして、現地に当研究所の管理栄養士を派遣いたしまして、PCATとともにボランティア活動をやってまいりました。避難所におきましてニーズとサプライの調査を行いまして、あわせて厚労省と連携いたしまして、避難所における栄養摂取状況の参照量につきまして情報を発信したところでございます。あわせまして、被災者の健康・栄養調査、支援のための調査を実施しておりまして、現在も実施中でございます。
 今後とも私どもは、業務運営に係る効率化を図りまして、競争的資金の獲得や受託研究の増加による自己収入の拡大に努めます。管理部門の簡素化・効率化などの運営体制の確保、外部委託等によりコストの削減を図りたいと考えております。
 それでは、平成23年度の当研究所の業務の取組み状況につきまして、研究企画評価主幹の千村より御説明申し上げます。また、役員給与の規程の改定につきましては、吉田事務部長から御説明申し上げたいと思います。評価委員の先生方におかれましては、御評価のほど、よろしくお願いいたします。

○田村部会長 
 どうもありがとうございました。
 これからの進め方でございますが、国立健康・栄養研究所の個別評価につきましては、評価シートの個別項目を4つのグループに分けまして、グループごとに評価を行ってまいりたいと思います。
 まず、グループ1でございますが、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項を達成するための措置」でございまして、評価項目1から5に該当いたします。これにつきまして、まず評価を行いたいと思います。所要時間でございますけれども、法人からの御説明は15分、委員の評定と質疑10分の合計25分ということで進めてまいりたいと思います。
 それでは、法人の方からの御説明、よろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 遅くなりまして申し訳ございません。研究企画評価主幹の千村でございます。それでは、順次御説明を申し上げたいと思います。
 それでは、評価シートのページ、それから委員の先生方にお配りしてございます資料2-5「実施概要資料」がございます。ポンチ絵でございますが、この資料2-5を主に用いまして御説明申し上げたいと思います。あわせまして、資料2-1の方もごらんいただきたいと思っております。時間が15分ということでございますので、内容につきまして重要なところをかいつまんで御説明申し上げたいと思います。
 まず、国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する事項でございます。私どもの研究所におきましては、生活習慣病予防、日本人の食生活と健康への影響、「健康食品」を対象とした食品成分の安全性と有効性評価。これらを大きな3本柱に据えまして研究を推進してございます。
 資料2-5の3ページ目の上の運動・身体活動でございます。
 運動と食事の指導の併用効果に関する研究の一環といたしまして、肥満者235名を対象といたしました無作為割り付け介入研究を行っております。1年間の体重、歩数、食事内容の自己記録と、3か月に一度の面接指導によりまして、体重約5kg、腹囲約5cmの減少が見られたところでございまして、介入終了後2年間のリバウンドが少ない者は、体重測定を継続、自己効力感が強く、身体活動が維持されているということが、2年目、それから3年目の追跡で明らかになっております。
 また、大規模コホート研究を長野の佐久で実施しておりまして、食事は妥当性が確認された食事頻度調査、身体活動量は3次元活動量計で正確にベースラインを評価いたしまして、今後追跡を行っていく予定にしております。
 次に、3ページ下、「エクササイズガイド2006」で示された身体活動量の妥当性に関する大規模介入研究でございます。
 「エクササイズガイド2006」で示された身体活動量の妥当性に関します、1,000名大規模介入研究を実施いたしまして、活動量計を用いた1年間の介入によりまして、身体活動量は「エクササイズガイド2006」で定める23エクササイズの基準まで増加し、2年目以降も維持されることが明らかとなりました。更に、基準を達成するよう指導を受けた身体活動介入群は、非介入群と比較いたしまして、1年目から4年目後の腰痛有訴率が有意に半減することが示唆されたところでございます。
 次に、4ページ目をお開きいただきたいと思います。
 まず、上でございますが、「運動基準2006」「エクササイズガイド2006」の改定のための文献研究を1年間かけて実施いたしまして、今までになかった高齢者の基準値の提案や、歩数や時間などの簡易な表現方法での基準の提示。また、今より何分増しましょうのような個人差を考慮した基準など、新しく国民にわかりやすい基準を提示できると考えているところでございます。
 下の食事摂取基準におきます推定エネルギー必要量でございますが、基礎代謝量と身体活動レベルの積として算出いたします。そのため、身体活動レベルの推定は大変重要でございますが、いまだに推定法が十分に確立されていないところでございます。
 そこで、電車で通勤している東京都心部と、車通勤の地方の、デスクワーク従事者におきます身体活動レベルを二重標識水法によりまして検討いたしております。その結果、運動習慣のないデスクワーク従事者におきましても、都心部(電車通勤)、地方(車通勤)の方の身体活動のレベルが、それぞれ平均1.91と1.69と、非常に大きな差が見られております。
 次に、5ページの上をごらんいただきたいと思います。そこで、当研究所におきまして、これまでに二重標識水法を用いて得られたデータから、職種と通勤手段、運動習慣別に、身体活動レベルについて、まとめております。
 その結果、運動習慣より、むしろ職種によって身体活動レベルに大きな差が見られております。また、電車通勤のデスクワーク従事者におきましては、特に運動していなくても身体活動レベルの平均が低いということではなくて、普通ということになっております。このように、食事摂取基準におきます3つの身体活動レベルのいずれに該当するかを、職業や通勤手段、運動習慣からある程度推定できるだろうということが示唆されているところでございます。
 次に、5ページの下をごらんいただきたいと思います。個人の遺伝的背景に適したテーラーメイドヘルスケアの構築でございます。個人の遺伝的背景に適したテーラーメイドヘルスケアの構築を目指しまして、身体活動の遺伝要因を探るとともに、遺伝と環境の相互作用に関します遺伝疫学研究を実施いたしまして、その成果が複数の学術誌に掲載されたところでございます。
 次に、6ページをごらんいただきたいと思います。
 上は、生活習慣病発症におきます遺伝・環境リスクの相互作用を解明するための研究でございます。本年度におきましては、インピュテーション法を用いまして、2つのジェノタイピングアレイ間で共通していないマーカーのジェノタイプを補完することで、新規の?型糖尿病感受性遺伝子を同定することを試みております。
 まず、インピュテーションの精度について検討いたしましたところ、実際に直接タイピングした遺伝子形と、インピュテーションによる推定遺伝子形の一致率は、全体として良好であったということでございます。そこで、この方法を用いまして、2型糖尿病5,976人、非糖尿病2万829人の直接ジェノタイプしたSNPsと1,000ゲノムタイププロジェクトでゲノムタイプした東アジア人300人のパネルを用いて検討いたしております。
 その結果が下でございまして、既に検討して報告いたしましたSNPsは、直接ということで青いバツで記しているものでございます。これに加えまして、今回、1,000ゲノムプロジェクトに基づくSNPs、赤丸で示しているものでございますが、これを加えることで、新規に疾患感受性領域を同定できる可能性が示唆されたところでございます。
 次に、7ページ、上をごらんいただきたいと思います。高脂肪食負荷に伴います肥満、?型糖尿病の肝臓のインスリン抵抗性のメカニズムについて検討いたしております。高脂肪食などによりましてインスリン抵抗性が惹起されますと、持続する抗インスリン血症によりましてIRS-2の発現が低下いたします。高血糖が引き続き起こされることになります。このときIRS-1の発現は、高インスリン血症による変化をしないということでございますので、IRS-1を介する脂肪合成は、高インスリン血症になった分、増強され、脂肪肝を呈するということでございます。
 このことによりまして、2型糖尿病、メタボリックシンドロームを発症するとともに、高血糖、脂肪肝により、更なる高インスリン血症を呈し、悪循環を形成いたします。?型糖尿病あるいはメタボリックシンドロームの憎悪を引き起こすことが考えられております。
 次に、7ページ下でございます。運動によって骨格筋で脂質代謝が亢進するメカニズムについて調べております。運動につきましては、筋肉で糖や脂質の代謝を促進し、肥満あるいは糖尿病を防ぐ、安全で効果的な方法であるということでございまして、これまでPGC-1α-aというものが高強度で発現されるということでございましたが、低強度におきましてもPGC-1α-bというものが発現することがわかっております。こういった低強度の運動におきましても、骨格筋での脂質の量を増加させるメカニズムが明らかになったということでございます。
 次、8ページでございますが、食後高脂血症モデルマウスを発見いたしております。この食後高脂血症マウスにつきましては、食後高脂血症が動脈硬化の進展を早める危険因子であるということで、メタボリックシンドロームの危険因子の一つとしても注目されているところでございます。今回、新たにこのマウスが発見されましたので、今後、予防法の開発に大いに役立てていけるものと期待しております。
 この部分につきましては、これまで学術雑誌等々に論文の掲載が進められておりますので、私どもの評価といたしまして、Sとさせていただいたところでございます。
 引き続きまして、9ページ、上をごらんいただきたいと思います。次に、日本人の食生活の多様化と健康への影響、食生活の改善施策に関する栄養疫学的研究の部分でございます。
 「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の普及啓発のために、当研究所におきまして監修いたしました「ポケット食事摂取基準」を作成いたしておりますほか、地方自治体などが実施しております講習会等々への講師派遣を通じて普及を推進しているということでございます。また、東日本大震災への対応といたしまして、厚生労働省が発出いたしました、避難所における食事提供の評価、計画のための栄養参照量の策定に全面的に協力いたしますとともに、研究発表会等々を開催いたしまして、さまざまな普及啓発を行っているということでございます。
 9ページ、下でございますが、食事摂取基準の内容の向上ということで、2010年版の策定時までの関係資料をすべて収集、分類、解読いたしましてデータベースを構築いたしております。昨年11月に策定検討委員向けのデータベースとして公開いたしております。
 それから、厚生労働省、その他関係機関と連携いたしまして策定方針の検討を開始いたしまして、次期の策定に向けての体制整備を進めているところでございます。
 次に、10ページをごらんいただきたいと思います。国民健康・栄養調査の実施関係でございますが、技術研修セミナーを4か所開催いたしまして、国が実施いたしております国民健康・栄養調査の質の向上のために協力したところでございます。
 この部分につきましては、今年度も着実に実施してきたということで、A評価とさせていただきたいと考えております。
 次に、健康食品に関する部分でございます。11ページの上をごらんいただきたいと思います。健康食品からのビタミンCの大量経口摂取が運動の有用性を損なうという報告がなされているところでございます。これに関しまして、さまざまな検討をいたした結果として、結論としましては、ビタミンCの大量摂取時の安全性を危惧する結果が示されていないということでございます。
 次に、11ページ、下でございますが、微生物定量法の効率化ということで、水溶性ビタミンの公定法におきます微生物定量法のさまざまな長所がある一方で、時間を要するという短所もございますので、こういった点について解決すべく、さまざまな定量法の開発をしているところでございます。
 次に、12ページの上でございます。肥満などのインスリン抵抗性患者、あるいはモデル動物におきます研究におきまして、血中のレチノール輸送体でありますRBP4の遺伝子発現が脂肪組織特異的に亢進することが知られております。これにつきまして、大腸菌を用いたリコンビナントRBP4の合成・精製を試みております。今後は、この定量法を確立すべく研究を進めていきたいと考えているところでございます。
 12ページ、下でございます。健康食品の利用率が高い高齢者で、医薬品を服用している場合が多いということで、健康食品と医薬品の相互作用を評価するという研究を進めてきております。高血圧を自然発症するラットを用いまして、特定保健栄養食品の慣用成分でありますサーディンペプチドと、ACE阻害薬の関係を評価したところでございます。この研究におきましては、サーディンペプチドがACE阻害薬の降圧効果に影響しないことが明らかになったところでございます。
 次に、13ページ、上でございます。健康食品の中で有害事象を起こしやすいものということで、ダイエットハーブが関心を持たれておりますが、こういったものについて実験をしておりまして、潜在的な有害事象の発見につながる知見と考えているところでございます。
 13ページ、下でございますが、さまざまな情報の収集及び公開ということでございまして、健康食品に関する情報を提供してございます。
 それから、14ページ、上をごらんいただきたいと思います。掲載情報の内容も増えておりまして、アクセス数が年々増加して、サイトの閲覧目標、1日に8,000件を達成いたしております。さまざまなマスコミ等々でも取り上げられているところでございます。
 14ページの下をごらんいただきたいと思います。効果的な情報提供についてでございますが、まだまだ認知されていないところもございます。この点につきまして、さまざまなパンフレットをつくるとか普及啓発を行っているところでございます。
 次に、15ページ、上でございますが、健康食品問題に対します対応ということで、妊婦のサプリメント利用の実態調査を行ったということでございます。情報につきましてホームページにも公開して、普及啓発しているところでございます。
 健康食品に係る部分につきましては、当研究所は社会に対しても貢献させていただいているという認識をしておりまして、本年度はA評価にさせていただいております。
 次に、16ページ、上でございますが、研究所の研究能力の向上、それから食育推進のための調査研究についてでございます。若手研究者の研究能力の向上、あるいはその能力の発展的な展開を図るために、若手育成型の補助金あるいは助成事業等の外部研究資金の獲得を推進しているところでございます。結果、若手育成型の科学研究費補助金が10件、1,459万円でございます。それから、助成事業が4件、464万7,000円獲得してございます。
 それから、栄養教育ということでございますが、東日本大震災被災者への対応ということで、被災地のためのリーフレットの資料作成、あるいは普及啓発への協力ということで仕事をしております。特に、栄養状態の把握方法の質問項目を検討するということで、質問紙の妥当性の検討、それから仮説住宅におきます24年度思い出し法による食事調査、あるいは3次元加速度計による身体活動調査などを実施しまして、健康支援と今後の必要な手法開発にも努めているところでございます。
 次に、16ページ、下の食育関係でございますが、静岡で開催されました第6回食育推進全国大会におきまして、東日本大震災への対応として作成したリーフレット等々の配布をして、普及啓発をしているところでございます。
 次に、17ページ、上でございますが、高齢者、それから有疾患者への効果的な栄養ケアを行う研究につきまして、高齢者におきます自立度低下に関連する要因を明らかにするためのコホート研究等々を行っております。
 以上、これらのところで、東日本大震災の被災者支援等々に係る貢献度から考えまして、私どもはA評価とさせていただいております。
 最後に、論文、学会発表等についてでございますが、平成23年度計画を大幅に上回っております。インパクトファクター2.0以上は43報ございまして、23年度中の原著論文等のインパクトファクターは、当研究所で合計しますと345.154という数字になっております。研究所の業績としては、かなり誇ってよいものではなかろうかと思っております。
 したがいまして、評価としましては、私どもは学会発表等の促進の部分につきましては、S評価ということで自己評価をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

○田村部会長 
ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへ評定等の記入をお願いしたいと思います。質問等ございましたら、適宜御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○酒井委員 
 ありがとうございます。
 最初、意見なのですけれども、理事長の総括的なお話を伺ったとき、3分の1が3.11のことをおっしゃったわけです。いろいろな取組みがあるのですけれども、戦略的なことを考えたらば、この3.11で研究所がどう貢献したか、もっとアピールすべきではないかと思うのです。
 今、御説明を聞いていて、スライド16ページの上の段で5行ぐらい書いてあるのですけれども、これでは私たちもどういうことをやって、どう役立っていて、栄養研の存在自身がここでこそ役立つべきだと私たちは考えますので、できれば補足していただきたい。もしくは、私たちが評価するのに当たって、もう少しスライドを増やした形でお示しいただきたいと思っています。それが1つ意見です。
 あと、特に私、個人的には1-aの皆さんの重点研究、介入研究等に関心を持つのです。余り時間がありませんので、5ページの下のテーラーメイドヘルスケアのことについて、ほとんど説明がなかったので、ちょっと補足して、どういうことをされて、どういう結果なのかということをお聞かせいただけますかということと。
 6ページの上の図、何を言っているか、専門家以外はほとんど理解できない。しかも英語で書かれていますので、専門用語がわからない人間には何をおっしゃっているか全然理解できない。評価シートの方には、データ的には質の高いものが得られた。確かにそのとおりなのだろうと思うのですけれども、ここは学会発表ではなくて、国民の代表として皆さんのあれを聞いているわけです。今後、もう少し理解可能なものに置き換えて説明いただけると、皆さんの立派なあれがよくわかるのではないかと思いました。
 済みません、5ページの下の図をちょっと説明いただけますか。

○田村部会長 
 では、最初にございました3.11に関しての御意見と、5ページ目のテーラーメイド、6ページ目の図の内容について、我々にも少しわかりやすい形で、簡潔に御説明いただけますでしょうか。ということでよろしいでしょうか。

○酒井委員 
 はい。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 まず、3.11のことにつきまして、大変貴重なコメントをありがとうございました。私のごあいさつでも申し上げたのですが、カタストロフィックといいますか、日本全体が対処すべき大惨事であったわけでございます。そして、私どもは、独法の研究所として、まずこれにどう対応するかということを考えまして、いち早く、3月15日に震災対策本部ついでプロジェクトチームを立ち上げました。そして、先ほど申し上げたような種々のアクティビティを行いまして、被災者の方々への情報、それから専門職に対する情報等を発信しました。
 それから、避難所の栄養状態の調査を実施しまして、厚労省と連携しながら栄養参照量等々の情報を発信しまして、大震災被災者の健康栄養調査もやっております。現在もそれを継続しておるところでございます。先生おっしゃったとおり、それを一つのスライドにまとめた形で提示しなかったところは、反省すべきところかと思います。先ほど千村主幹から申し上げたとおり、随所に出てまいりますし、後ほど御説明いたす部分でも出てまいります。
 そういう意味で、プレゼンテーションがちょっとまずかったかもしれませんけれども、私どもの貢献を評価していただければありがたいと思います。

○田村部会長 
 2点目、3点目の御質問に簡潔に御説明をお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 2点目、5ページの下でございますが、細かいことを申し上げますと、また難しくなるのですが、この表にございますように、生活習慣病というのが最終的な目標というか、現象としてあります。それに関連するものとして、まず、生まれ持っている遺伝要因というものが1つあるだろうということの解明をいたしておりますことと、 それから、体力を向上させた結果として、体の中で例えば遺伝的な要因が変わってくる部分、ミトコンドリア遺伝子だけの違いということで、筋力の関係が出てくる。体力を向上させた結果として、出てくるもの。
 もう一つは、身体活動、運動、体を動かすことをたくさんしている、していないということが関わってくる部分がある。
 これら3つの要因が、いろいろな分野でいろいろな要素が関わり合って、最終的に生活習慣病の発症につながっている。簡単に申しますと、そんなようなことでございます。
 そうすると、個人個人の方に注目しますと、遺伝的要因のどんなものを持っておられるか、あるいはどのくらいの体力を持っておられるのか。それから、身体活動、運動をどんなふうにされているのか、どのくらいの強さの運動をされているのか。個人個人のさまざまな遺伝的、それから環境的、生活等々も含めて検索することによって、その方にふさわしい健康を保つためのヘルスケアを提供できるだろうということを目指して、今、研究しているところでございます。
 それから、6ページの上でございますが、これは疾患の発症と関連のある遺伝子を検索しているわけでございますが、これまでですと、たくさんの人の遺伝子を端から端まで洗いざらい全部調べた上で、そこから何か疾患の発症と関連があるかないかを見つけ出すという、非常に膨大な作業をしていたわけでございます。これについて、インピュテーション法と申しますのは、簡単に申しますと、大きなグループの中で、今まで間近で見ていたものを遠くから見渡して、どの辺に何かあるかないかということを、当たりをつけた上で検索するようなシステムでございます。
 上で御説明しましたのは、今までの細かく一つひとつ見てきたものと、それから大きく俯瞰して、当たりをつけてから見つける方法と、最終的な結果は大きく見ても割合うまくいくのだということがある程度わかってきております。こういったもので研究を進めますと、疾患と関連のある遺伝子の検索というのが、今までよりも加速的に早くなるだろうということで、基礎的な知見を積み上げております。この手法を使って具体的に、例えば糖尿病の発症と関連のある遺伝子は結構たくさん見つかっているのですけれども、すべて網羅的にわかっているわけではございませんので、そこの解明にこれから進んでいきたいと考えているところでございます。

○田村部会長 
 ほかに何か御質問ございますか。馬場委員からどうぞ。

○馬場委員 
 ただいまの酒井委員の御発言に関連するのですけれども、コホート研究とか疫学研究、基盤研究でかなりいい成果を上げられていることは、非常に敬意を表します。ただ、全体のプレゼンとして、前半の運動基準等々のコホート研究にこういう成果がありましたということですが、それは新たな基準づくりに向けての研究であるというか、研究の成果をどう活用するかというのを余りおっしゃっていないので、それは少し見えにくいところがあります。
 基盤研究であれば、医学界すべてでいろいろな研究があるわけですから、そのうちの一つで、インパクトファクターの高い学術価値の高いものが当然必要となると思うのです。それが後半の栄養的なところ、抗酸化物質がどうであるとか、そういう具体的なものについても、ビタミンC効果があったとか、なかったという結論は出ているのですけれども、その結果はどうされるのか。それぞれのいろいろなタイプの研究がありまして、それを本来のこの部門の目的からして、こういうふうに位置付けられますよという形で御説明いただいたら、皆さん理解しやすいのではないかと思います。コメントです。

○田村部会長 
 何か御発言ございますか。活用面についても御説明いただくと、皆さん、わかりやすいのではないかという御指摘だと思います。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 非常に貴重な御意見として、今後、このような場で御説明するときには、心して御説明したいと思います。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 補足です。馬場先生、大変貴重な御指摘をありがとうございました。先ほど主幹からインパクトファクターの説明があったのですけれども、それだけではなくて、先生がおっしゃったように、公共施策あるいは健康施策に資するような、例えば具体的には食事摂取基準の値に、この値が適用できるのかどうかに関わる研究を報告すること、インパクトファクターだけではなくて、サイテーションインデックスとか、多くの研究者が利用してくれるような学術論文あるいは学会発表等々を、もっとすべきではないかということを考えております。
 そういう意味で、国の厚労省の独法としての研究所というのは、先生御指摘のような役割があるのではないかと思います。先生のアドバイスに沿いまして、今後のプレゼンテーションで注意したいと考えております。

○馬場委員 
 言わなかったのですけれども、学術研究をしている領域の人は、インパクトファクターが死命を制すると言われています。特に、今回のようなミッションを考えたときに、沿革研究とか調査研究というのはIFが高くなるはずがないのです。目的できちっと公表する。だから、むしろインパクトファクターということを前面に出されて議論されるのは、本当に一般研究だけに限られた方が、やられる研究者にとっても追い風になるのではないかと、個人的には思います。

○田村部会長 
 今後、反映していただきたいと思います。清水委員、どうぞ。

○清水委員 
 馬場委員がおっしゃった成果ということの、もっと初歩的なことなのですけれども、研究内容を報告されるような形でのプレゼンは去年もいただいていて、内容がわかりにくいということは申し上げたのですけれども、研究内容がわからない者にとっては、計画と比べてどうかというのが判定材料になるのです。そこが、資料2-1ですと、年度計画に対して結果がずれた形で、どれがどれに対応しているか全然わからないのです。だから、ここは書き方としてきれいにそろえていただきたいということがあります。
 それと、S評価が5項目の中で2つありましたけれども、それの要因がよくわからないのです。例えば最初の1項目がSになっていますが、自己評定Sの下に根拠が書いてあります。研究内容がわからない者にとっては、これを読むと、年度計画のとおりじゃないかと思ってしまうのです。そこは、どこがSなのかということを、もっとわかるようにお願いしたいということです。
 もう一つ、S評価が5番目にありましたけれども、これについても論文数が多いとか、インパクトファクターのものが多いというのは、それは年度計画よりも上回っていることは認めますけれども、ほかでは随分下回っているものもあるわけですね。その辺の比重はどうなのかという御説明。
 それから、研究者1人当たりの論文引用度を2.5とする。これは評価できないと書いてあるのですけれども、これは問題ないのかどうか。これでS評価というのは、ちょっと首を傾げるのですけれども、そういうことをもうちょっと御配慮いただきたいと思います。
 以上です。

○田村部会長 
 どういたしましょうか。S評価について、なぜS評価なのかという辺りを簡単に御説明いただくということでよろしいでしょうか。

○清水委員 
 はい。

○田村部会長 
 よろしくお願いします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 まず、清水委員御指摘の1点目のS評価のところでございます。自己評定としまして、ここに書かせていただきましたように、?型糖尿病感受性遺伝子の同定、その他の解明が順調に進んでおるということで、確かに当初の計画と実績との比較の中で、全般的に計画をした部分については達成し、研究を進めてくることができたということで、それぞれS評価の中の要因について、私どもなりに評価しますと、計画を上回る成果を得てきたのではないか。
 これは、量的なものも、質的なものも含めまして評価したところでございまして、そこにつきましては、先生方からもいろいろ御議論があると思いますので、私どもとしましては、そんなことを考えてSにさせていただいたものでございます。
 それから、もう一つのS評価でございますが、16ページにつきまして、健康増進法に基づくさまざまな研究。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 10ページですか。申し訳ございません。
 これは、確かに委員御指摘のように、例えば研究者1人当たりのものが、今時点では、引用された場合に、その後の引用などがあれば結果に影響してきますので、ここについて今時点ではなかなか評価できません。逆に言いますと、今時点で評価しようとしてもできないところでございますので、このほかの部分について、当初の目標に掲げたものと比較いたしますと、ほぼ目標を上回る成果を上げることができたと認識しておりまして、そういった観点からS評価ということにさせていただいております。

○田村部会長 
 A評価ですと、計画に対して上回る成果ということでよろしいかと思うのですけれども、量・質とも大きく上回る成果がないとS評価はつけないと思いますので、その辺りのことを踏まえて引き続き御説明をよろしくお願いしたいと思います。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 今、主幹が説明したとおりでございますが、第2点につきまして、論文引用は発表年度後になるので現時点で評価できないというところの細かいことでございます。サイテーションインデックスは、トムソン・ロイターがその年に発表するものではなくて、しばらく経ってから当該年のサイテーションがどれぐらいなされたかということでございます。平成23年度に発表された論文につきましては、当該年では集計できませんので、そういう表現になっていると理解していただければありがたいです。

○清水委員 
 そういうことだとしますと、これは評価の項目に入れるのはおかしくなってしまいますね。こういうふうに考えられないですか。論文そのものじゃなくて、それに対する講演とか普及活動も評価の対象になっていますよね。そういったこともあわせて引用が増えるということだと考えれば、例えばその年に発表した論文の引用数ではなくて、過去に発表したものの引用数ということではできないのですか。そうじゃなかったら、これを挙げておく必然性はなくなると思うのです。そこは御検討いただかないといけない項目だと思います。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 検討させていただきます。

○田村部会長 
 よろしくお願いします。

○武見部会長代理 
 非常に限られた人数の中でこれだけの実績を上げられたことは、大変評価したいと思いますが、全体として非常にたくさんの仕事をなさったということを評価した上で、あえて幾つかコメントと質問をしたいと思います。
 まず、この資料で言うと2ページで、平成23年度計画a、b、cと3つあって、aが実際に人を対象として現場につながっている疫学的な研究。bとcは、ある意味では基礎研究的な要素があると思います。そういう意味で、1-aを見ると、運動と食事の併用効果に関する研究ということなのですけれども、食事のことが出てくるのが1-aの3ページの上のところで、あとはどちらかというと運動面での成果が非常に多いという感じで、両方を大事にしている研究所としては、ややアンバランスかなという点が気になりました。これについて、もし御説明があればお願いしたいと思っています。
 それから、私は研究所の業務の中で、食事摂取基準に関するものというのは非常に大きな意義があるものだと思っています。それに関して言えば、この資料の9ページに、食事摂取基準に関連して、どのようなことが23年度に行われたかが書かれています。さまざまな文献に関するデータベースの構築みたいなことは当然だと思うのですが、活用面に関しての調査研究というところ。
 9ページの上の辺りに入っていることが一部なのだと思うのですけれども、2010年版を策定された後、実際どう活用されて、そこからどんな課題が出てきているのかということも、次の策定に向けては非常に大事な資料だと思います。いわゆる先行研究として、栄養素の機能とか、どう確認されたかというエビデンスだけではなく、活用の状況、そこでの問題点なども重要だと思いますので、そこについてもう少し具体的にわかっていること、補足等がもしあれば、していただきたいと思います。
 3つ目ですけれども、10ページから11ページの3の項目のところで健康食品関連があるのですけれども、例えば10ページの平成23年度計画のaの?、抗酸化物質ということで、ビタミンCのことが書かれています。この10ページを見ると、抗酸化力の測定に加えて、消費者意識調査による実態把握とか、大量摂取が健康に及ぼす影響調査となっているのですが、先ほどの11ページの上の説明ではラットの実験なので、これをもって安全性を危惧する結果が示されなかったのはラットの話で、人に対してどうかという判断にはならないと思います。
 そういう意味では、例えば消費者意識調査とか、これはリスク評価ではないですけれども、国民にとってどうだったのかという辺りがもしあるのであれば、その辺を補足していただきたいし、この評価シートそのものも、ビタミンCの大量摂取時の安全性を危惧する結果は示されなかったと言い切っているのは、わかる人は、ラットを用いてというのを読めば、そのレベルでわかったことなのだなとわかりますけれども、出ようによってはちょっと危惧されるものがある。そうしたことも、一般の人々に対してということでは、表現等も考慮いただきたいと思いますし、もし追加があればお願いしたいと思います。

○田村部会長 
 3点ございましたけれども、武見委員の御質問に対しましてコメントございますか。1点目が運動の質問ですね。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 御指摘ありがとうございました。
 まず、1点目の御指摘でございますが、先ほど申し上げました御説明、それから資料をごらんいただきましても、武見委員、御指摘のとおりだと思っております。そこのところは、今後研究を進める上で、バランスの問題、あるいは重要性の問題、これからどう考えていくかということは、今の御意見を十分参考にさせていただいて研究に生かしていきたいと思っております。
 2点目の食事摂取基準の活用面の件でございますが、これも非常に重要な御指摘をいただいていると思っています。そこまできちんと、うちの研究所として対応しているかといえば、そこはなかなか追いついていない部分もございます。これにつきましても、今後、十分参考にさせていただいて、非常に重要なポイントだと思いますので、どう対応するか、考えたいと思います。
 3点目も同様でございまして、全体としては御説明申し上げておりますが、細かい点について、いろいろ不足している点等々ございますので、これも非常に重要な御指摘として受けとめさせていただきたいというのが、私の正直なコメントでございます。
 以上でございます。

○田村部会長 
 ありがとうございました。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 済みません、食事摂取基準のところ、第2点につきまして補足させていただきます。大変貴重な御指摘、ありがとうございました。
 おっしゃるとおりで、食事摂取基準は2005年版というものがあります。現在、2010年版がありまして、2015年版を策定企画中でございます。先生の御指摘のとおり、策定をして、そして、それを発表・公表しているのですが、いわゆる専門職において十分理解されていないところがあります。
 先ほど主幹が9ページの上のスライドでも御説明申し上げましたが、専門職に対する普及啓発ももっとやるべきであるし、今、先生の御指摘のありました、実際に指標、参照値はつくったのだけれども、それを活用していただかねば、単なる参考書あるいはバイブルになってしまいます。そういう意味では活用をもっと促進する必要がございます。その点に関しましては、厚労省の厚生労働科学研究費補助金を受け、そのなかで活用に関する研究をもっと促進するような取組みを行っております。
 それと、栄養改善学会との連携もございますが、食事摂取基準の構築と活用等に関する論文集をつくるとか、普及啓発と活用をもっと目指していく必要があると思います。そういう意味で、武見先生の御指摘のとおりでございます。大変ありがとうございました。
○武見部会長代理 先ほどコメントした2点目についてですけれども、実は私も食事の研究をやっているので、逆に人を対象としたものが1年ぐらいで結果が出てこないことは十分わかった上で申し上げた。毎年成果を示していかなければいけない大変さも十分わかっています。逆に言うと、ここで出てくるものというのは、必ずしも出たということではなくて、オンゴーイングでどういう形で何を検討しているかということも含めて、この評価のところには出していただくことが大事ではないかなと思いますので、その辺も御検討いただければと思います。

○田村部会長 
 ありがとうございました。

○政安委員 
 追加でお聞きしたいのですが、今、武見委員からお話が出ました日本人の食事摂取基準については、大変御苦労されていると存じておりますが、現場的に高齢者70歳以上が全部一くくりで出ているところが一番大きい問題と思っています。研究所としては、高齢者の調査を少しおやりになっているようですが、食事摂取状況調査等においても、どのような形で、どのような結果が得られたか。更には、国民栄養調査が、住民が大変非協力的でやりにくい中で、どのような検討をされているかというところを少しお聞かせいただけたらありがたいと思います。

○田村部会長 
 よろしくお願いします。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 貴重な御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりで、食事摂取基準のライフステージ別のデータの中で、もっと充実すべき点というか、データが少ない領域の一つが高齢者です。そういう意味で私どもの研究所では高齢者を対象にして、食事摂取基準に資するデータを入手すべく研究を行っております。
 もう一つは、まさしく政安先生がおっしゃったように、データがないという状況がございます。現在、次期健康づくり施策が策定されつつあるのですが、それに向けまして国調が3倍ほどに拡大されます。そうしますと、地区別・性別高齢者のデータが入手できることになりますので、国調のデータを使いまして食事摂取基準の参照値に資するようなデータが入手できるのではないかと思います。そういう意味では、先生の御指摘のとおりだと思います。ありがとうございます。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。グループ1につきましては、大幅に時間が超過しておりますので、簡潔にお願いします。

○中村委員 
 研究能力の向上ということに関して、質問があります。ここに書いてある「実績は若手を対象とした云々」とあり詳細が不明です。若手に対して、育成型補助金及び助成事業における外部資金獲得を推進したとは、具体的にどういうことを行っているのか、御説明いただけますか。外部資金取得を奨励するといった一般的なことなのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 御指摘のとおりでございまして、さまざまな外部資金がございますので、それぞれの立場で外部資金獲得の努力をするように。これは、各研究部におきまして、部長とか室長から若手の研究者に対して、それぞれ指導をし、研究資金の獲得に努めてもらっているところでございます。

○中村委員 
 ありがとうございました。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。それでは、グループ1については、この程度でお願いしたいと思います。記入の方はよろしいでしょうか。
 それでは、次にグループ2「研究成果の還元、社会的・行政ニーズ及び国際協力等に関する事項」、これは評価項目6から12に関わりますけれども、これについての評価を行いたいと思います。所要時間は、法人からの御説明15分、各委員の評定と質疑10分の合計25分ということで進めてまいりたいと思います。
 それでは、法人の方からの御説明、よろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 それでは、御説明申し上げます。お配りしております資料2-5の18ページの下をごらんいただきたいと思います。講演会等、開かれた研究所という内容でございます。
 こちらは、毎年積極的に普及啓発事業等を行ってございまして、ここにございますように、食事摂取基準の普及啓発を行っておりまして、研究所主催の講演会約100名、自治体・栄養士会が主催する講演会に11回、講師を派遣しているということでございます。
 それから、一般向け公開セミナーにつきましては、毎年1回実施しておりますが、23年度につきましては350名近い参加者がございました。
 それから、専門家を対象といたしました研修としまして、平成23年度で特に特徴的ということで申し上げますのは、「第5回アジア栄養ネットワークシンポジウム」を主催して実施いたしたということでございます。アジア諸国の母子栄養、それからフードセキュリティ改善に向けた取組みについて、関係者の専門家とともに議論を深めたところでございます。
 専門家向けセミナーといたしまして、地方自治体の栄養士等を中心にして、技術研修を延べ4回、231名の参加を見ております。オープンハウスは毎年1回でございますが、10月15日に行っておりまして、悪天候でございましたが、116名来場があったということでございます。来場者の評価は良好だったということでございます。
 それから、総合的な学習の時間の中で、当研究所への見学者につきましては、中学校2校10名、高等学校が3校56名を受け入れております。この部分につきましては、特に23年度につきましては、国際シンポジウムを主催させていただいたことも勘案させていただきまして、私どもとしましては、資金的に厳しい状況ではございましたが、S評価にさせていただければと思っております。
 次に、19ページ、下でございますが、研究の実施体制等の整備に関する事項でございます。平成23年度におきましても、研究員、技術補助員を、特に国のミッション等の部分について重点配置しているところでございます。運営費交付金、外部研究資金の執行状況は、定期的にモニタリングしております。後ほど出てまいりますが、交付金等につきましては減額が非常に厳しくなっておりますので、執行も非常に厳しい状況でございますが、むだがないか、モニタリングをしながら執行してきているところでございます。
 大学、企業・団体等へ研究者を71名派遣しているところでございます。
 民間企業等との共同研究が13件ございます。
 連携大学院につきましては、聖徳大学が平成23年度に新たに加わったということでございます。連携大学院等で受け入れた流動研究員、客員研究員、研究生は、109名。そのうち、若手が48名でございました。
 私どもとしましては、前年度を上回る努力を行ってきたと考えておりまして、A評価でお願いしたいと思っているところでございます。
 次に、健康増進法に基づく業務に関する事項、20ページ、上でございます。
 国民健康・栄養調査の集計業務につきましては、平成22年度国民健康・栄養調査の基本集計一式を平成23年8月25日、調査票の受理後7か月と1日で厚生労働省へ提出しております。これは、前年度に比べまして1日遅れてございますが、23年度につきましては震災等々の対応もございまして、職員の負担が非常に厳しい中で何とかやりくりをして、このような結果を出せたと考えているところでございます。
 また、平成23年の国民健康・栄養調査について、栄養調査結果入力専用ソフトでございます「食事しらべ」が全調査地区で使用され、各都道府県からの調査票、それから栄養調査データも、提出確認後に順次、集計作業中ということでございます。
 それから、20ページ、下でございますが、ホームページによる情報提供でございます。23年の国民健康・栄養調査の適正な実施に資する情報や、調査員のトレーニング教材を掲載するなどの各自治体に対する技術支援を行っているところでございます。
 次に、21ページの下をごらんいただきたいと思います。特別用途食品等の分析業務でございますが、健康増進法第26条、第27条に基づきまして、特別用途食品の許可試験並びに収去試験に関わる分析業務を行っているところでございます。23年度につきましては、特別用途食品の分析業務8検体を実施しております。収去試験は実施されておりませんことから、検査業務は行っておりません。
 一方、消費者庁におきます特別用途食品申請時のヒアリング、調査部会出席につきましては、このスライドにございますように、ヒアリング年12回、調査部会年9回に出席しているということでございます。
 次に、22ページをお開きいただきたいと思います。
 上の特別用途食品等の食品分析関連研究でございますが、政・独委勧告におきましては、特別用途食品の試験に加えまして、収去食品の試験においても民間登録試験機関を活用すべく、研究所は検査方法の標準化、検査精度の維持・管理により一層重点的に取り組むこととされております。そこで、23年度におきましては、5つの登録試験機関の分析精度管理体制を構築するとともに、管理試料を調整したところでございます。今後、本品を用いまして登録試験機関間の精度管理の確立に向けて、取り組みを進めていく予定でございます。
 これらの業務につきましては、今後の食品分析技術の向上等々に大きく資するものを構築したということで、私どもとしましては、23年度はS評価でいかがかと考えているところでございます。
 22ページ、下で、社会・行政ニーズへの対応についてでございますが、関係団体との意見交換会を6回、消費者庁あるいは厚生労働省等との意見交換会を4回行ってきております。前年度と同等のレベルで行っておりますので、今年度につきましてA評価でお願いしたいと考えているところでございます。
 次に、国際協力、産学連携等対外的な業務についてでございますが、23ページ、上をごらんいただきたいと思います。
 まず、1つ目といたしまして、WHOの指定研究協力センターにつきまして、正式申請後、WHOの西太平洋事務局の栄養担当官と協議し、具体的な活動計画を作成いたしております。更に、WHOのGEMS/Foodプログラムにおきまして、協力機関として国民健康・栄養調査の結果等、我が国の食事調査データを提供しているところでございます。
 先ほど申し上げました国際シンポジウムも、国際協力関係の事業として開催いたしているところでございます。
 更に、予算的には非常に厳しい状況でございますが、若手外国人研究者招聘事業を継続しております。23年度におきましては3か月間ということで、1名を受け入れております。これも今後とも続けていきたいと考えております。
 産学連携についてでございますが、大学あるいは民間企業等との連携によりまして、食品栄養成分等の健康効果について、システマティックレビューあるいはメタアナリシスによる総合評価を行っているということでございます。また、特定保健栄養食品等による生活習慣病等の予防効果を検証する臨床試験等の企画・立案、実施、統計的解析を行ってございます。こういった点について、さまざまな産学連携を進めてきているところでございます。
 知的財産権につきましては、費用対効果を勘案いたしまして、平成23年度は申請するものはございませんでした。
 国際への貢献度あるいは産学連携による研究開発等を評価いたしまして、23年度、私どもとしては、この点につきましてもS評価にさせていただければと思っているところでございます。
 次に、23ページ、下、NR制度についてでございます。NR制度につきましては、政・独委の方向性のことと、それから、省内事業仕分け等々によりまして、第三者機関への移管ということで結論が出されておりましたので、その移管先を一般社団法人日本臨床栄養協会へ決定いたしまして、平成27年7月までに移管を終えるということで合意したところでございます。
 また、資格取得者に対しまして不利益とならないようパブリックコメントを募集いたしまして、移管に係るプロセスに反映させ、また移管について、NR及びNR養成講座に対して、文書にて通知したところでございます。更に、23年度についても、NR試験の実施及びNRの認定も着々と行ってきたところでございます。
 これらの取組みは、目標達成に向けて大きく前進したと考えておりますので、23年度、S評価とさせていただいております。
 次に、24ページ、下、情報発信でございます。当研究所のホームページでございますが、閲覧対象者並びに研究所内の業務を考慮した見直しを行い、再構築をいたしております。高解像度のモニターに対応したデザインにしたり、あるいはコンテンツを全体的に見直しをしてカテゴライズして、情報を探しやすく、より見やすくいたしております。更に、画像を多く取り入れることで、ユーザーが直感的に情報を得やすいページ構成とさせていただいております。
 また、ソーシャルネットワーキングサイト、twitterとかfacebookを用いた最新の情報提供に努めているところでございます。
 こういった情報提供の関係につきましては、私どものホームページのデータベースは常に変わっている。つまり、常に最新の情報を入れて、最新情報にリニューアルしているところでございます。この情報リニューアルにつきましては、担当職員がきめ細かな作業を日々続けておりますということも申し上げさせていただきたいと考えております。
 こういったことも勘案いたしまして、私どもといたしましてはS評価ということにさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。

○田村部会長 
 ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへ評定等の記入をお願いいたします。
 質問等ございましたら、適宜御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中村委員 
 11番の項目なのですが、NR制度に関して、移管に向けて取り組まれ順調に推移している点は評価されることと思います。一方、この中で、受験者がだんだん漸減傾向にあることに対して、どのような見解をお持ちか、ご説明いただければと思います。

○国立健康・栄養研究所理事 
 それでは、私の方からお答えいたします。
 NR制度につきましては、先ほど説明がございましたとおり、27年7月までに移管を完了するということでございまして、今年の第9回の試験が最後の試験になります。認定は3年有効でございますので、今回の合格者の認定期間が切れるところで、すべて終了するようにしております。
 それで、受験者人数は確かに減少傾向にあるのでございますが、第8回941名、今回もそれより少なかったということで、移管というものがございますので、どうしても受験者が少なくなったと考えております。
 いずれにいたしましても、受験者、もしくはこれまで認定された方々に迷惑がかからないように、着実に移行準備をしたり、移行を進めたいと考えております。
 以上でございます。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。ほかに何か御質問、コメントございますか。

○清水委員 
 先ほども項目として出てきたのですけれども、ホームページ等の充実の話について、アクセス数が何件あったという項目がまた出てきました。ユーザー、見る側からのコメントといいますか、わかりやすさとか有用性といったものへの考慮というものが、余り言及されていないと思うのですけれども、その点についてはどのようにされているのでしょうか。

○田村部会長 
 いかがでしょうか。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 今の御指摘でございますが、今、データ等々、持ち合わせがございませんので、きちっと確認しているかどうかも含めて、できますれば戻りまして、そこはきちんと確認いたしたいと思っております。

○清水委員 
 1回目の項目にも出ていたのですけれども、アクセス数が増えているのはわかるのですが、それが健康被害の未然防止とか拡大防止に寄与することができたと書いてあるのです。それをどういうふうにやられているのかというのが、非常にあいまいなものですから、やられているのだったら、きちっと言ってください。

○田村部会長 
 では、これは資料等がおありになるでしょうから、後日、情報提供していただくということでよろしいですか。では、この件はよろしくお願いいたします。
 ほかに御質問はございますか。

○田宮委員 
 21ページの8の特別用途食品のところなのですけれども、私、こういうことは余り詳しくないのですが、年間に8検体なさったということですが、この流れを教えて下さい。ただ、きっと重要なことなのだろうと思うのですが、この8というのはすべての申請があったものなのか、どういう流れでここに来るのでしょうか。
 それから、8-bにあります、今後はこういうことは外注にして、精度評価とか、そういうところを研究所が・・・ということが書いてあります。22ページに書いてあることと、21の現状が今、どんな感じなのか、全体の特別用途食品の流れと、この研究所の位置付けみたいなところをもう少し説明していただけますでしょうか。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 それでは、私の方から説明させていただきます。
 まず、特別用途食品の流れでございますが、メーカーサイドがいろいろ製品を開発いたしまして、必要に応じて人も対象とした臨床試験というものがありまして、その成果を踏まえて申請されます。申請する場合、その成分がきちっとしたものかどうか、その申請どおり含まれているかどうかを事前に試験します。この試験につきましては、健康増進法に基づきまして、当研究所と登録試験機関で行うことになっております。登録試験機関というのが、8-bにございます5研究所、すなわち、当研究所と登録試験機関が試験を行うことになってございます。
 8-bでございますが、特別用途食品8検体のうち、特定保健用食品7検体ということでございますが、特定保健用食品が多いわけでございます。これは、メーカーの方で依頼した数でございます。なお、これにつきましては、登録試験機関の方も当然行っておりますので、トータルではないのでございますが、うちの研究所としては、これだけやったということでございます。その結果等を踏まえまして、消費者庁の方で適正と判断すれば承認するという仕組みになっているところでございます。
 なお、8-bでございますが、先ほどこれも説明ございましたが、政・独委勧告によりまして、今後、先ほどの登録試験機関等で行えるものにつきましては、登録試験機関の方にやっていただいて、当研究所としては、検査方法の標準化がまだ確立していないものについて一般化するということでございますが、そういったもの、あるいは、登録試験機関で行っている許可試験がちゃんと精度を保っているかどうかを確認するための精度管理に、一層重点的に取り組めという御指摘をいただいたところでございます。
 当方だけでは当然できませんので、消費者庁の方で予算確保をどうされるかということも含めまして、消費者庁と相談いたしておりまして、それをもって、更に精度管理等の充実に努めたいと考えております。
 以上でございます。

○田宮委員 
 そうすると、今の8検体は全体の量ではなくて、今回、この研究所に委託された量なのですね。もしおわかりになれば、全体ではどのぐらいあるのでしょうか。きっと、もっと多いのではないかなと。

○国立健康・栄養研究所理事 
 23年度は、消費者庁に申請がございましたのは全体で56件ということでございます。

○田宮委員 そうすると、当研究所が全体を把握されて、その精度が大丈夫かという管理の業務をもっと多く対象にされるということになるわけですね。

○国立健康・栄養研究所理事 
 許可試験については、一般的な検査については登録試験機関にやってもらって、それがちゃんとできているかを精度管理という形で重点的に研究所でやったらどうかというお考えでございますので、それも含めて消費者庁と相談していくことになります。

○田宮委員 
 今後。そうすると、今後の場合は、例えば56全部が対象になるわけですね。今年の場合は56で、今回は8だけでしたけれども、全部を把握して。

○武見部会長代理 
 実績として示すものが。

○国立健康・栄養研究所理事 
 精度管理というのは、いろいろな考え方がございまして、成分としては、特別用途食品としては500ぐらいございますので、それを含む食品を毎年やるのは難しゅうございます。例えば500を年次的・計画的にどの程度やるか。各年度の計画を立てて、この年はこの物質をやるということでございます。精度管理というのは、すべての物質をやるのはちょっと無理でございますので、計画的にやっていくと考えています。
 それも含めて、予算規模がどの程度になるか、予算がどの程度必要なのかを含めて、あるいはうちの能力でどの程度カバーできるのか、いろいろなところを総合的に勘案いたしまして、精度管理の件数というものが決まってくると考えております。

○田宮委員 
 商業主義にどんどん乗って、危ないものが出てこないか、とても大事な部分だと思いますので、頑張っていただければと思い発言いたしました。わかりました。

○国立健康・栄養研究所理事 
 ありがとうございました。

○武見部会長代理 
 今のことに関連してというか、私、今回のこの実績はとても大事だと思っています。それは、1つには、消費者庁で栄養表示の義務化というものが動く中で、用途食品ではないですけれども、一般的に食品分析というものの公平性とか妥当性が非常にこれから大事になってくるという中では、栄養研究所でこういうことをしっかりやってくださるということ、その土台をつくり始められたということは非常に評価したいと思います。
 それから、20ページの国民健康・栄養調査の方も、集計業務が迅速に行われている状況がわかりました。特に、自治体に対して「食事しらべ」などを配布したり、使いやすい図版ツールを配布するという実績をつくられたことは、先ほど理事長がおっしゃったように、今年度、3倍にしてというのは、各自治体がそれぞれでこの結果を使えるようにということも、その理由に入っていると思います。
 そういう意味では、自治体の支援ということは非常に重要で、その土台を23年度につくられて、できれば24年度の次の実績として、そこが本当にどう動いていったかというのを来年度期待したいと、今から思っている次第です。コメントです。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。ほかにございますか。

○酒井委員 
 ホームページがどんどん充実してきている、すばらしいことだと思うのですけれども、職員の方は何人くらい投入されていて、かつ予算的にはどんなことか、わかれば教えてください。

○田村部会長 
 いかがでしょうか。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 スタッフにつきましては、先生方のお手元にこのパンフレットがございますが、そのパンフレットの中に情報センターというものがございます。その中で、健康食品情報研究室と栄養情報技術研究室というものがありますが、センター長が1人、任期付き研究員の室長が1人、それから任期付き研究員がもう一人います。そういう意味で、数はそんなに多くありませんが、有能な技術補助員が五、六人おります。数は、細かいことにつきましては、研究報告書をご覧ください。

○国立健康・栄養研究所理事 
 22、こちらでございます。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 スタッフ数が集計されており、限られたスタッフでございますけれども、しっかりやってくれていると評価しております。
 
○田村部会長 
 ありがとうございます。ほかには。

○清水委員 
 済みません、1点確認なのですが、政・独委からの勧告の中で、健康増進法に基づく業務の中で、表示許可試験における手数料額については、引き下げを図ることというのがあったと思うのですが、これはどういう位置付け、現状どういう扱いになっているのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 私からお答えさせていただきます。
 この料金につきましては、健康増進法の政令で定めますので、消費者庁の方でどの程度の額が必要なのか。うちの方からの意見も当然聞いた上で額を定めて、それで政令で定めるということで、今そういった手続を進めている最中と聞いております。

○清水委員 
 去年もそういうお話だったのです。済みません、確認なのですが、表示許可試験というのは、健康・栄養研さんだけが独占的にやられている業務でしたか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 先ほど申しましたように、5つの登録試験機関が行えるというものでございます。

○清水委員 
 なおかつ、御研究所に対して、料金が高いのではないかという指摘だったと思うのですけれども、そういう理解でよろしいですか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 政・独委の勧告は、ものによって安いので引き上げろということもあるようでございます。要するに、安いものもあるので引き上げろというのもありますし、逆に高いので、引き下げたらどうか、いろいろあるようでございます。いずれにいたしましても、これは政令でございますので、研究所で決めるというよりは、最終的には政府全体として決める話でございまして、その前の段階として消費者庁の方で決めていただく。それが必要だと考えていまして、我が方だけではどうしようもないものでございます。

○清水委員 
 確認なのですけれども、今後は5民間機関がやるので、御研究所としては、これは、その制度の維持管理業務に集中されるとさっき言っておられたところの価格の話なのですか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 価格につきましては、政令で決める額というのは、当研究所だけに当てはまりまして、ほかの研究所については独自で料金を決めていただける。それで、今の御指摘でございますが、精度管理につきまして我々が考えておりますのは、国からの何らかの予算をいただくと。

○清水委員 
 5民間機関に今度、移管するのですね。それで、御研究所としては、その上の部分をやられると、さっき御説明があったじゃないですか。ですから、そういうことでは、料金体系を引き下げるとか引き上げるとかいっても、それはないと考えていいのですか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 それも含めて、消費者庁の判断というか、許可試験については、先ほど申しましたように、当研究所と登録試験機関ができるようになっておりまして、当研究所を落とすため法律改正をして、精度管理に特化させるのかどうかも含めて、我々は把握しておりません。仕組み上は、精度管理の方に特化しますと、事実上、当方の許可試験はなくなると、実態はそういうことでございますが、それを政令なり法律でどうするかというのは、我が方は把握しておりません。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。

○武見部会長代理 
 済みません、NRのことで23ページですけれども、第三者機関に移管ということで、スムーズに体制が整ったということは、とてもよかったと思います。そのときに、以前御指摘があったと思いますが、資格取得者に不利益がないようにということで、その移管先のところで、今後はスキルアップのための研修会とかは引き続き行っていくという意味での移管が整ったということですね。
 また、移管に伴って、資格取得者に費用負担のようなことは、今まで以上に何か起きたりということはないのですか。そういう面でも不利益がないということは、大丈夫なのでしょうかということを確認しておきたいと思います。

○田村部会長 
 いかがでしょうか。

○国立健康・栄養研究所理事 
 お答えいたします。当研究所でNRの養成を行う場合、ある意味では当方の職員、交付金で賄っている部分もございましたので、かなり安く研修ができたり、あるいは会費はいただかなかったというのはあるのでございますが、一般社団法人の方に移管しますと、そういった面での費用負担が出てまいります。すなわち、臨床栄養協会につきましては、今までも会費8,000円を毎年取っておりました。それについては、当方のNRが臨床栄養協会に移管した場合も、年会費8,000円というのは出てまいります。あと、入会金も多少ございます。
 あと、研修会につきましても、NRの方たちにつきまして、今までは先ほどの理由によりまして無料で開催できたのでございますが、これからはある程度の研修会の費用も発生してくるということで、NRの方たちにとって、前より負担がないということでは残念ながらない、ただ、それがなるべく少なくなるように、我々としても努力したところでございます。
 以上です。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。それでは、グループ2については以上ということで、評価委員の先生方におかれましては、評価シートの記入をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、グループ3「業務運営の改善及び効率化に関する事項」、これは評価項目13から18に該当いたしますけれども、これについての評価を進めてまいりたいと思います。所要時間は、法人からの御説明15分、委員の評定と質疑が10分、合計25分ということで進めてまいりたいと思います。
 それでは、法人から御説明、よろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 事務部長でございます。残りの2つのパートにつきましては、私の方から御説明いたします。
 資料26ページでございます。13.運営体制の改善に関する事項ですが、この運営体制につきましては、内部統制を強化する上で中期計画にも位置付けられておるところでございます。理事長、理事、各研究部長等の幹部で構成される運営会議におきまして、研究所の運営に関する重要事項につきまして意志決定及び情報共有を行いました。昨年度は、15回開催しております。
 それから、研究企画委員会は、連携体制の強化と戦略的研究等の企画立案を行いまして、昨年度は7回開催いたしました。利益相反、COI委員会は、審議対象を国が示す基準額100万円を、当研究所は10万円に引き下げ、運営しておりまして、外部委員も入れて1回開催いたしました。
 情報の共有化につきましては、所内イントラネットで業務の進捗状況の把握・管理、予算の執行の状況の把握、その他スケジュール管理など共有化の適正化に努めております。
 研究所のセミナーにつきましては、より自由な雰囲気の中で、研究に関する発表や議論などができるよう、所内セミナーを月1回。また、外部専門家を招いて外来セミナーを7回開催いたしました。これらのことを踏まえまして、本事項につきましてはA評価でお願いしたいということでございます。
 次に、27ページ、14.研究・業務組織の最適化に関する事項でございます。
 併任により対応しておりました一つの研究部長と3つの研究室長のポストにつきまして、公募により採用した研究員を配置しまして、業務推進体制の充実を図りました。
 現在、申請中でありますWHO-CCとして研究を推進するため、WHO-CC推進プロジェクトチームを編成し、WHO栄養・身体活動協力センターの対外組織である、栄養・身体活動国際協力ユニットと連携を図りました。また、東日本大震災の被災地における被災者の健康・栄養問題に対応するため、震災被災者健康・栄養調査プロジェクトチームを設置し、被災者の支援に努めてきたところであります。
 競争的研究資金や受託研究収入等を活用しまして、重点的に行うべき研究や法定業務を行う部署に対して、必要な人材を確保したところであります。
 また、民間企業や大学等から研究者を、協力研究員、研修生などとして受け入れる一方、それらの機関に対し、客員教授などとして研究者を派遣し、組織の活性化や人材の育成を図ったところでございます。
 また、内部・外部の評価委員会において、各研究部の運営状況や成果に関する評価を受け、良好に組織運営がなされているとの確認を受けていることなどから、本事項につきましてもA評価とさせていただいております。
 次に、15.職員の人事の適正化に関する事項ですが、資質の高い研究員を2名採用しました。当研究所は、常勤研究員31名のうち、女性研究員が13名となっていまして、全体の4割以上と、女性研究員の割合が高い研究所になっております。
 それから、先ほども申し上げましたが、東日本大震災後の被災者支援のためのプロジェクトチームを立ち上げ、災害時の栄養・食生活支援マニュアルを策定する等、被災者支援に努めました。また、研修会への事務職の参加も積極的に行い、5名を参加させております。
 柔軟な人員配置や事務職員の資質の向上等に積極的に取り組んでおりますので、本事項につきましてもA評価とさせていただけるかと思っております。
 次に、28ページ、上の段に当研究所の組織図を記載してございます。研究部門がここに掲げる6つの研究部、それから情報センターと国際産学連携センターの2つのセンター、それから事務部。
 職員の方は、理事長、理事、非常勤監事が2名、研究企画評価主幹。職員は、常勤研究員が30名、任期付きが15名、特別研究員7名、技術補助員47名、以下、流動研究員。このような状況になってございます。
 次に、16.事務等の効率化・合理化に関する事項でございますが、経費削減の取組みについて、既に経費は大幅に削減されていますが、非常に苦しい中で努力してまいりました。合理化の結果、退職金を除きますと、対前年度比で4,800万円の削減を図ったところでございます。
 また、管理部門の職員を1名削減いたしました。ここもかなり努力したということでございますので、A評価でいかがかなと思っております。
 次に、29ページ、評価の充実に関する事項でございますが、23年度は内部評価委員会を11月10日に、年度末の評価を3月12日に開催いたしました。
 外部評価委員会につきましては、3月12日に事前評価と事後評価を実施いたしました。
 これらの評価結果につきましては、職員に周知するとともに、ホームページで掲載しております。
 ここもA評価でお願いしたいということでございます。
 次に、30ページ、18.業務運営全体での効率化でございますが、数値目標といたしまして、一般管理費につきましては、毎年度2%以上、平成22年度を基準として5年間で10%の削減。それから、人件費につきましては、毎年度1%以上、5か年で5%以上。業務経費につきましても、毎年度1%以上、5か年で5%以上の削減を達成するという目標が設定されております。
 平成23年度の実績につきましては、一般管理費が6.8%の減。複写機の保守費用の見直し、事務消耗品等の一括購入。人件費につきましては、2.2%の減。若い職員等の積極的な配置、国と同等の給与水準の維持。業務経費につきましては、18.5%の減。研究機器のリース期間終了後の再リース等々の経費削減策を講じまして目標を達成しておりますので、A評価でお願いしたいということでございます。
 以上でございます。

○田村部会長 
 ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへ評定等の記入をお願いいたします。
 質問等ございましたら、適宜御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○清水委員 
 評価の充実に関する事項の中で、内部評価のフレームワーク、それから内部統制の評価というのも、今回、特に説明する事項として加えられているのですが、今日でなくて結構なのですが、監事さんの監査報告書の内部統制に関する活用について、前回も前年度の評価のときにも問題になって、そういう形で改善していこうという話になったと思うのですけれども、監事さんの監査報告書。いただいているのは、総括的な監査報告書しかないので、内部統制に関する事項は全く見られないのですが、一部、財務の評価のときで結構ですので、いただきたく思いますので、よろしくお願いします。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 それでは、23日の財務諸表のヒアリングの際に。

○田村部会長 
 よろしくお願いします。
 ほかに何か御質問、コメントでも。

○中村委員 
 18.の業務運営全体での効率化は、非常に努力されており、乾いた雑巾を絞っているような気がする程です。その中でちょっと気になったのは、経費節減策の学会参加人数の絞り込みによる旅費削減があることです。学会活動は、研究所にとって非常に大事な柱だと思うのですけれども、参加人数の絞り込みが研究を萎縮させるとか、そういったことになっていないか、危惧します。この点に関するお考え、あるいは実際の状況についてお聞かせいただけますか。

○田村部会長 
 いかがでしょうか。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 過去が過大に、必要ない人も参加していたということでは決してなくて、必要ある人に学会に参加していただいておったわけですが、それを更に精査して参加していただいたということでございます。

○中村委員 
 経費削減そのものはわかるのですが、研究の面での切り詰めとなると、如何かと思います。その辺、配慮していただきたいと思います。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 いわゆる交付金による学会の出張費的なものは、どうしても絞らざるを得ない部分がございます。それから、特に費用がかさむ外国出張等々につきましても、残念ですけれども、選択せざるを得ないところがございます。ですから、それはいたし方のないところでありますけれども、今、中村先生の御指摘のとおり、学会というのは私たちが情報発信する貴重な場でございます。そういう意味では、競争的資金とか受託研究とかを活用いたしまして、学会出張を心がけるように指導しているところであります。
 ついでに、酒井先生の御指摘の点ですけれども、私の間違った情報を提供いたしましたので、訂正させていただきます。情報センターは、センター長と室長が2人います。先ほど、1人と申し上げたと思います。現在はもう一人、任期付き研究員がおります。プラス、これは先ほど申し上げたのですけれども、研究補助員とか流動研究員という方々がかなり積極的にコミットしてくれていまして、先生の御指摘のありました情報センターの仕事をしっかりやってくれている状況です。
 それから、予算につきましては、後ほど説明申し上げるかもしれませんが、情報センターに交付金で支給しておりますのは1,800万円程度でございます。それでは足りませんので、先ほど来申し上げているとおり、競争的資金とか外部資金を獲得しまして、それに充当しているところでございます。
 以上です。

○田村部会長 
 よろしいでしょうか。

○馬場委員 
 細かいことですけれども、27ページの14番の真ん中にございます、必要な人材雇用の58名、外部資金とか受託研究等で採用される。これは、次の28ページの上の組織図にあります技術補助員に相当する人員と考えてよろしいのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 技術補助員と特別研究員です。

○馬場委員 
 結局は、常時これぐらいの方がおられて更新したということで、これだけの人数を新たに雇用したということではない。これに見合う分が退職されたりという認識でよろしいのですね。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 新たにということではございません。

○馬場委員 
 わかりました。だから、規模としては大きく変わっていない。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 はい。

○馬場委員 
 それから、例えば競争的資金と外部資金というのは、ある程度限られていると思うのですけれども、稼いでいるところにつけるという形でやっておられるのですか。立ち入った話ですけれどもね。

○国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 
 競争的資金の場合には、当然プロジェクトが限定されますので、そのプロジェクトに従事する職員を雇用する場合に活用するということで、限定してございます。

○馬場委員 
 だけれども、そうでない場合には、研究所としては、一応均等に各研究員を配置するという基本方針でやっておられる。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 先生の御指摘の点は、先ほど少し申し上げましたけれども、各研究部に配付しております交付金を利用していただくところと、競争的資金で研究補助員等を雇用する。プラス、わずかではございますけれども、理事長調整費的なものもございますので、それを利用した形で、こういう必要な人材を雇用しておりますが、この必要な人材の雇用は、先ほど主幹が申し上げたとおり、プロジェクトベースがメインの部分だと思います。

○馬場委員 
 もう一点、正規の研究員2名を公募で採用されたということで、大変いいと思います。これは、具体に例えば公募からの選考に当たっては、選考委員会とか、関連のものを立ち上げて、それがある中で決定されているということですか。

○国立健康・栄養研究所理事長 
 そうです。

○田村部会長 
 ありがとうございました。
 それでは、グループ3はよろしゅうございますか。委員の皆さんにおかれましては、評価シートへの記入をよろしくお願いいたします。
 次に、グループ4「財務内容の改善に関する事項」、評価項目の19から21について評価を行いたいと思います。所要時間は、法人からの御説明が15分、委員の評定と質疑10分の合計25分ということで進めてまいりたいと思います。
 まず、法人からの御説明、よろしくお願いいたします。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 31ページ、19.外部研究資金その他の自己収入の増加に関する事項でございます。
 平成23年度の実績としまして、外部資金が74,472千円、研究資金が176,007千円ということで、比率としまして42.31%という結果になりました。目標の50%以上は獲得できませんでした。
 外部資金が減少した原因といたしましては、企業等による研究の委託件数が減少したこと。22年度28件に対しまして、今年度は20件。
 それから、競争的研究費の1件当たりの間接経費の額が減少したこと。前年度、22年度が1,023千円のところが、23年度は712千円になったということがございまして、研究としては競争的資金の件数の維持等、努力はしてまいりましたが、なかなか厳しい状況にあるところでございます。
 自己評価といたしましては、こういう厳しい環境の中で42%を確保したということで、Aとさせていただきました。
 次に、20.経費の抑制に関する事項でございますが、コスト管理の徹底につきまして、各研究部/センターごとに予算執行状況を月別に集計・分析を行って、コスト意識を向上させております。
 施設設備の共同利用ですが、機器の共同メンテナンスを行っていますが、機器購入は予算削減で大型機器が買えない状況が続いておりまして、昨今はすべて修理で対応しております。その結果、平成21年度から23年度は大型機器の購入はございませんでした。少しずつでも修理して長く使うようにして、研究を継続しているところでございます。
 外部委託は、国民健康・栄養調査業務に伴うデータ入力作業ですが、コホート研究における検体検査等を外部委託しております。
 会計担当監事による定期的な月次監査、それから契約内容のチェックを行っていただいておりまして、これらの努力を引き続き行っておりますので、平成23年度につきましてもA評価とさせていただきました。
 次に、32ページ、その他の業務運営に関する重要事項として、情報セキュリティの確保がございます。セキュリティ用ハードウエアのアップデートを必ず月1回行って、監視体制の強化を継続しています。それから、セキュリティ講習会を年6回、感染症研究所と共同で開催しております。新人で当研究所に入った研究者、そのほかについては、必須としてセキュリティ講習会を実施しています。更に、感染症研究所と共同でセキュリティ監査を実施していまして、政府が示している情報セキュリティの基準に従って着実に実施してございまして、ここも自己評価ではAとさせていただいております。
 以上でございます。

○田村部会長 
 ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへ評定等の記入をよろしくお願いしたいと思います。
 御質問等ございましたら適宜御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○清水委員 
 経費の抑制に関する事項のところで、東日本大震災による研究の停止によって運営費交付金、債務残高が残っているという御説明があるのですけれども、業務経費に関しましてはどのぐらい残っているのですか。どのぐらいの影響額かということを教えてください。

○田村部会長 
 いかがでしょうか。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 業務経費の残は、13,133千円でございます。

○清水委員 
 そうなのですが、それの内訳としまして、研究が遅れた部分と効率化の部分が両方入っているという御説明なのですけれども、実際影響を受けたのはどのぐらいなのですかという質問です。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 済みません、今、手元に資料がございませんので、また先ほどと同じように、23日のヒアリングのときに対応させていただきます。

○田村部会長 
 では、後日、よろしくお願いします。
 ほかに何かございますか。

○酒井委員 
 外部資金のことなのでございますけれども、ここの記述が外部資金の比率として、外部資金幾ら、研究資金幾らと書いてあります。競争的研究資金や共同受託研究費などの外部研究資金。そうすると、そこで言っている外部研究資金ということと、この外部資金の比率の中に出てくる数字。つまり、7,400万円ちょっとというのはどういうことなのでしょうか。研究資金というのは、科研費を含めた研究資金のことを、競争的資金のことを言うのですね。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 競争的資金のうちの、例えば23年度ですと、1億6千1百万円という数字があります。そのうちの間接経費が23,052千円。この間接経費がいわゆる外部資金です。直接的な研究資金につきましては、個人に入ります。それは、研究所で使えるものではございませんので、それを外部資金とカウントしております。

○酒井委員 
 ですから、そこで言っている2,300万円と、上に書かれている7,400万円とか、研究資金1億7,000万円というのは、どういう関係になるのですか。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 7,400万円というのは、今の間接経費の2,350万円と共同受託研究による4,680万円。

○酒井委員 
 それを足したものが。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 それと、寄附研究の4,149千円で74,472千円です。

○酒井委員 
 ということは、皆さんたちがいろいろなさる研究資金全体が1億7,600万円で、今の定義の外部資金が42%になるという意味。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 はい。この分母の1億7,600万円というのは、運営費交付金の研究費とかが含まれています。

○酒井委員 
 もう一つ、寄附研究なのですけれども、これはどんな内容のものに寄附が今、なされているのでしょうか。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 済みません、ちょっと今、手元に資料がございませんので、後ほど。

○田村部会長 
 これは後からお出しいただくということで、よろしいですか。

○酒井委員 
 はい。

○田村部会長 
 ほかに。

○馬場委員 
 今、御議論があったところの表記の問題なのですけれども、省庁ではその形で処理するというのが鉄則になっているのですか。間接経費だけを外部から入ってきた資金として入れて事務処理する。一般に普通の大学でしたら、ともかく個人の研究費を含めて大学に入りますので、全資金として外部資金がこれだけである、あるいは国から、ここからこれだけ来る。それで支出がこうであるという処理をするのが多い。ちょっと奇異な感じがしたのですけれども、それが普通のやり方なのですか。これは質問です。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 この50%以上という目標を設定するときの考え方として、こういう整理がされたということで、会計的に言いますと、競争的資金、研究資金の直接経費というのは、私どもの会計には入りませんので、研究所としての収入になりません。

○馬場委員 
 直接経費で出るのは、貴研究所の成果として出すわけでしょう。研究所の活動として実施されているわけだから。事務処理の問題かもわからないですけれども、ちょっと理解しにくい。せっかく稼いでいるのに、努力が。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 カウントしていただければ非常にありがたいのですけれども、こういう整理がされている。

○馬場委員 
 それは、省庁のやり方なのですか。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 会計基準は、多分そういうことであると思います。

○厚生科学課長 
 研究費用を所管している方の厚生科学課でございますが、科研費自体は研究者個人に対して補助しています。組織に対して補助しているわけではありませんので、あくまでも個人のポケットに入るという大前提の整理になります。ただ、電気を使うとか水道代とか、どうしても切り分けられない研究所としての支出を伴うものが出てきます。そういうものも全部ひっくるめて間接経費という形で、その部分は研究所の方に入ってくるという整理になっています。

○馬場委員 
 ここの1億7,600万円という研究資金は、まさに共通の光熱水料とか、そういった資金ということですね。

○厚生科学課長 
 も入っています。

○馬場委員 
 具体のそれぞれやられる研究の必要な資金は入っていないのですね。

○厚生科学課長 
 いえ、研究するための試薬を買ったりする資金とか。

○馬場委員 
 個人の先生が、例えば厚生科研とか文部科研でやられる研究は除外されているわけですね。そうしないと話がおかしい。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 交付金でいただいている研究に要する資金というのは、ここに入っています。

○清水委員 
 運営費交付金を財源とする研究については、入っているのだと思うのです。そういう意味で、科研費などでおりてくる研究本体は入っていないということなので、そういう意味だと本当は平仄が合わないです。研究本体が入っている部分と、入っていない部分があるということで、おかしいと言えばおかしいです。ただ、目標設定を50%にされたときの考え方がそういうことですので、比較するのはこれしかないのかなと思いますけれども、考え方として、本当はおかしいと思います。

○田村部会長 
 ほかにはよろしいでしょうか。
 それでは、評価について一通り御検討いただきました。評定等の記入の方はよろしゅうございますか。評定等の記入が終わっていない委員の方がいらっしゃいましたら、本部会が終了した後に会場にお残りになって御記入いただいても結構ですし、また評価シート及び評定記入用紙をお持ち帰りになって御記入いただいても結構でございます。いずれにしても、本部会終了後にその旨、事務局の方にお声をかけていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、国立健康・栄養研究所の個別評価に関する審議は以上にさせていただきます。

○清水委員 
 いろいろ資料をお願いしましたので、1点だけお願いしたいのですが、さっきもちょっと申し上げました特別用途食品等の検査に係る御説明なのですけれども、許可試験とか収去試験について、取り扱いが今、流動的になっています。去年もいろいろ御質問させていただいたのですが、消費者庁等とすり合わせ中ですということで、なかなか明快な回答が得られなかったのです。今年もそういう状況ですので、財務諸表のときで結構なのですが、現状、どういう整理になっていて、どこが課題になっているのかということをもう一度整理していただきたいのです。済みません、よろしくお願いします。

○田村部会長 
 では、この件、よろしくお願いいたします。
 次に、役員給与規程の変更についてでございます。
 まず、事務局から御説明いただきまして、続いて法人の方から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐 
 法人の方から直接御説明をよろしくお願いします。

○田村部会長 
 では、法人の方から御説明いただきます。

○国立健康・栄養研究所事務部長 
 資料3-1でございます。国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律が今年2月に成立いたしました。その成立に際しまして、総務省より各府省に対して、独立行政法人についても同様の措置を講ずる旨の趣旨で要請がありました。それを受けるとともに、私ども法人は、従来から国家公務員の給与に準拠しておりましたので、当独立行政法人国立健康・栄養研究所の役員の給与規程を改正したところでございます。
 改正の内容でございますが、1点目は、24年4月1日から26年3月までの間は、俸給月額、地域手当、期末手当、勤勉手当について、9.77%を減じた額で支給する。
 2点目が、24年6月期の期末手当において、前年の1年度分の俸給月額と期末・勤勉手当で支給された額に0.37%を乗じた額を減じて6月に支給するという内容でございます。
 資料3-2でございますが、ただいま御説明した内容で当役員給与規程の附則に、平成24年4月1日から26年3月31日までの特例措置として規程を設けたものでございます。
 以上でございます。

○田村部会長 
 ありがとうございました。ただいまの内容につきまして、何か御質問等ございましたら、ちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。何か御意見ございますか。よろしいですか。
 それでは、本部会といたしましては、この変更について意見なしということで、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○田村部会長 
 ありがとうございました。それでは、法人、所管課は御退室をお願いいたします。どうも御苦労さまでした。

(法人、所管課退室)

○田村部会長 
 次に、最近の独立行政法人を取り巻く状況について、事務局から御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐 
 それでは、資料集の54ページをごらんいただきたいと思います。既に3月の部会におきまして、簡単に説明の方をさせていただいたと思いますけれども、以降、新たに確定した事項は、現時点ではございません。
 今後、新たな情報等、決定事項がありましたら、改めまして御報告を差し上げたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。

○田村部会長 
 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事は以上ということでございます。事務局から連絡事項等あれば、お願いしたいと思います。

○政策評価官室長補佐 
 本日、お配りしております資料につきましては、御希望がございましたら郵送させていただきますので、お申し付けいただければと思います。
 それから、評価シートと評定記入用紙についてですけれども、既に電子媒体の方でお送りさせていただいていると思います。その電子媒体で提出いただく場合につきましては、来週の連休明けぐらいをめどで提出いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次回の開催につきましては、7月18日水曜日の13時から。場所は、厚生労働省の専用第22会議室となっております。議題の方は、それぞれ法人の個別評価、それから役員の給与規程ということで考えております。
 事務局の方からは、以上になります。

○馬場委員 
 次回は1時からですか。

○政策評価官室長補佐 
 18日の13時、1時からです。

○馬場委員 
 これは9時半と書いてあります。前は、たしか1時でお受けした。どちらが正しいですか。資料1の7月18日の会議は9時半から12時と書いてあります。

○政策評価官室長補佐 
 申し訳ありません、13時からになります。

○田村部会長 
 13時ですね。事務局の方からは、以上でよろしいですか。
 それでは、本日は以上にさせていただきたいと思います。長時間にわたりまして、大変熱心な御審議をいただきまして誠にありがとうございました。
 これで閉会とさせていただきます。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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