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2012年7月23日 第17回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成24年7月23日(月)15:30~16:23


○場所

厚生労働省12階 専用第12会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員、西沢委員

○議題

日本年金機構の平成23年度の業務実績に関する評価について

○議事

○本田部会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「社会保障審議会日本年金機構評価部会」を開催させていただきます。本日も大変お忙しい中、委員の皆さん御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 委員の方の出席状況でございますが、今日は全員御出席ということでございます。大山委員がちょっと遅れるということでございますが、始めさせていただきたいと思います。
 それでは、議事次第に沿って進めてまいりますが、本日の議題は、「日本年金機構の平成23年度の業務実績に関する評価について」でございます。
それでは、まず、本日付で小宮山厚生労働大臣より、「日本年金機構の平成23年度の業務実績の評価結果」につきまして、社会保障審議会の大森会長あて諮問がなされておりますので、これについての審議を行いたいと思います。
前回の部会におきまして、事務局のたたき台につきまして、各委員からそれぞれご意見をいただきましたが、そこを踏まえた変更点等を中心に資料の説明をいただきたいと思います。それでは、事務方から、よろしくお願いいたします。

○事業企画課長
 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。資料1でございますけれども、厚生労働大臣 小宮山洋子からの諮問書でございます。
 その中身でございますけれども、1ページおめくりいただきますと、「日本年金機構の平成23年度の業務実績の評価結果」、諮問の段階でございますので、(案)とさせていただいてございます。これについて、本日、本審議会評価部会から御意見をちょうだいしたいということでございます。
 1ページから4ページまでが、いわゆる総論部分、総括的評価の部分でございます。それから、(別添)ということで、その次のページから最後まで、最後が40ページまででございますけれども、「日本年金機構平成23年度個別評価シート」でございます。ともに前回、本部会で事務方たたき台を御説明させていただき、各委員から御意見をちょうだいをしたものを踏まえて、前回の資料から修正をいたしまして、正式に本日の諮問とさせていただいてございます。資料1に沿いまして御説明を順次させていただこうと思いますが、委員の先生方には〈机上配付資料〉ということで、前回の事務方たたき台案からの修正点を表にして置かさせていただいてございますので、それも併せて御参照いただければと存じます。
 それでは、まず、個別評価シートでございますけれども、目次のところでございますけれども、大項目として「1 年金記録問題への対応に関する事項」、「2 提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」、「3 業務運営の効率化に関する事項」、「4 業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」、最後に「5 予算、収支計画及び資金計画」というつくりになってございます。これは前回御説明したとおりでございます。
 まず、1ページ目から6ページまでが、「年金記録問題への対応に関する事項」でございますが、これにつきましては、前回の資料から修正をしてございません。
(大山部会長代理入室)
 斎藤委員から、特に「ねんきんネット」はすばらしいことなので、もう少し評価が高くてもいいのではないかというありがたいご意見も賜りましたけれども、IDの発行件数が78万件という現状で、「A」の上の「S」というのは、23年度計画を大幅に上回っているという、そういう基準になってございますので、「A」の中では勿論上のほうだと思っておりますけれども、「S」に変えるというところまでではないのかなということで原案どおりに今回もさせていただいてございます。
 次に7ページからが、「提供するサービスその他業務の質の向上に関する事項」でございます。これが24ページまで続くわけでございますけれども、修正点が2点ございます。まず、14ページをごらんいただきたいと思います。「3.給付事務に関する事項」につきまして、前回、岩瀬委員から、正確な支給に関する部分について御意見をちょうだいしたところでございます。全体としての評価としては迅速な決定、あるいは目標にしてございますけれども、左側の「迅速な決定」、「年金受給にできる限り結びつけていくための取組」、15ページにまいりまして、「現況確認の徹底」、不正受給を防止するための措置と、こういったところは例年にない取組もしているということで、全体としての評価は「A」ということで変えてございませんけれども、御意見も承りましたので、14ページの2つ目の「○」のところで、「正確な支給については、マニュアルを適宜改訂するとともに、周知徹底についな指示を行っているが、依然として年金給付関係の事務処理誤りが発生しており」、その後でございますけれども、「事務処理誤り全体の約4割を占めている現状にある。このような事実を重く受け止め、その要因分析を徹底するとともに、再発防止に資するマニュアルの改訂の一層の充実や職員への周知徹底、事務処理誤りの多い事例についてのチェックシートを活用した審査誤りや入力誤りの防止に向けた取組の推進など、支給誤り防止に向けた取組を一層徹底・強化する必要がある」というコメントをつけ加えさせていただいてございます。
 更に、順番戻って恐縮でございますけれども、総括的評価の2ページ、縦書きのほうの3つ目の「○」のところ、給付事務に関するコメントとして、総括的評価の中で、審査の迅速性について、サービススタンダードについてのコメントだけを総論のほうに書いておったわけでございますけれども、3行、「また」以降でございますけれども、「年金給付関係の事務処理誤りが依然として発生している状況を踏まえ、要因分析を十分行い、即効かつ有効性のある対策を可能な限り講じる必要がある」ということを総論部分でもコメントをつけ加えてございます。
 続きまして、24ページでございます。24ページに「6 電子申請の推進に関する事項」という項目がございます。ここについても、斎藤委員から前回厳しい御意見も賜ったわけでございます。ただ、もともと評価は「B」でございますので、評価についてはこのまま「B」で、そのままにさせていただいた上で、コメントの部分で、機構としても3つ目の「○」でございますけれども、若干遅かったかなというのはありますけれども、事業主が届出手続に利用する電子媒体の拡大、具体的にはCDやDVDでございますけれども、あるいは事業主に送付する納付告知書にお知らせを同封するなどの利用勧奨を新たに始めているというようなポイントも記述をさせていただいたところでございます。
 次、25ページからが「業務運営の効率化に関する事項」ということでございます。各委員には金曜日に日本年金機構から発表されました年金記録に係る紙台帳とコンピュータ記録の突合わせ業務を受託する事業者の一部作業拠点において、所定の手続に反して処理が行われたということについてのプレス発表資料をお送りさせていただいたところでございます。具体的には契約に反して、一部拠点の一部の時期に、本来、複数でチェックすべきところを同一の人間がチェックしたというような事例が一部あったということでございます。
 この点については、受託事業者から納品されたものについては、機構で納品検査を行って品質をチェックしてございますけれども、この手順に反する処理が行われたことによる品質への影響、ひいては紙とコンピュータの突合わせ作業全体に関しての影響はなかったということのようでございますので、紙とコンピュータの突合わせ事業に関する評価ということではございませんけれども、27ページをごらんいただきたいと思いますが、「外部委託の推進に関する事項」という中で、27ページの左側の機構の年度計画の部分でございますが、○3のところに、委託業者とサービス品質に関する合意を締結するとともに、的確にモニタリングを実施し、委託業者の業務内容を適正に管理・監視するという目標もございますので、この外部委託全体はもともと評価「B」ということでございますけれども、一番右側の2つ目の「○」に書いてございますように、なお、委託業者において、契約違反等による不適切な業務実施が行われないよう、的確なモニタリングの実施や委託業者の管理・監視の一層の取組が必要である」というコメントをつけ加えさせていただいたところでございます。
 以上が修正点でございまして、残りの2項目、大項目として「4 の業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」あるいは「5 予算、収支計画及び資金計画」に関しては、前回と修正はございません。
 私からは以上でございます。

○本田部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見なり御質問等がございましたら、お願いいたします。

○西沢委員
 27ページ目の外部委託のところについて、紙台帳とコンピュータの突合わせ作業で、もしもしホットライン、KDDIエボルバ、アデコ、TMJといった業者に委託して、本来2人で二重にチェックすべきところを1人でやっていたというのは、手順違反というか、かなり悪質だと思うのですね。もともと「B」評価ということかもしれませんけれども、それをもっと評価を下げて業者に抗議を示してもいいと思いますし、いただいた7月20日のペーパーの中で、今後、委託契約を継続するか、しないかといったような文言もありましたけれども、私からしてみると、すぐに委託契約を解除して、ほかに業者に頼んでいるのであれば、ほかの方に肩代わってもいいと思いますし、なぜ、そういう対処に、私から見ると甘い対処にとどまっているのかも教えていただきたいですし、かなり悪質だと私は思いますので、もっと厳しい対処されてよかったのではないかと思います。
 以上です。

○日本年金機構記録問題対策部長
 今の件について御説明させていただきます。記録問題対策部長でございます。
 金曜日に発表しましたプレスリリースですけれども、どういう案件だったかと申しますと、本来2人で同じ案件を審査しなければいけないところを1人のスタッフがやっているというものでした。件数を上げるためというような場合もあれば、件数的には少ないのですけれど自分の部下の人が退職してしまったので、その部分を処理しましたという事例でした。
 我々としてどういう対処方針をとったかと申しますと、作業の品質という意味では、誤審率などは悪くなってなかったので問題はないと思っていますが、手順をきちんと守っていただくというのは委託業務の基本ですので、守られてない案件については全件、守られてない可能性のあるものも含めてやり直してもらうと、こういう対応をとっております。
 それから、もう一点は、全部で5拠点発覚しておるのですけれども、そのうち3拠点に関しては継続的に複数の作業員がやっていたということから、そこの拠点に関しては、今の契約に関してはちゃんとやっていただく必要があると思っていますけれども、来年1月以降の契約の対象からは外しまして打ち切りにすると、こういう形でのペナルティーというもの考えております。
 そういうことで、お客様には御迷惑はおかけしておりませんけれども、受託事業者に対しては厳しく措置を講じたところでございます。

○本田部会長
 西沢委員、よろしいですか。

○西沢委員
 いいと思いますけれども、確かに品質に問題がないとしても、年金記録、税金でやっているわけで、結果オーライであっても、税金を使って、食い物にしているというと言葉が悪いかもしれませんけれども、かなり悪いことだと思うのですね。ですから結果として、そういう処置をとられたというのは理解しましたが、本当はもっと厳しい処置があってもいいかもしれませんし、そうした機構内でどういった議論があったかは存じませんけれども、それだけ厳しい視線が注がれてしかるべきことだということは認識したほうがいいのかなと思います。

○本田部会長
 委託事業者の問題については、納付督励、市場化テストのときにも問題が生じ、その改善等を講じたところであります。それに伴い随分改善していただいたと思うのですけれども、今回内部通報というか、通知があったのは最近なのですね。

○日本年金機構記録問題対策部長
 6月です。

○本田部会長
 通知があって、事務局のほうも、これはつけ加えたと思うのですけれども、いずれにしても目標自体に委託業務のチェック体制についてはちゃんとやろうということを言っておりますので、そこは進めてくれているのかなと感じまして、今回のこういうせっかく通知いただいたことを契機に、更に一生懸命体制を整えていただきたいと思います。それでよろしいですか。木間委員。

○木間委員
 済みません、今、部会長がきちんとまとめてくださいましたのに、同じことを申し上げます。機構のお考えはわかりました。ただ、私は消費者契約という分野で仕事をしてきましたので、消費者契約としてみると、これは契約違反です。消費者契約は消費者と事業者の契約ですから、この契約と異なりますが、契約違反の場合にはお金返してもらうということが1つですね。6月に内部通報があったということですから、既に支払われてしまったということで、それは仕方がないのかもしれませんが、消費者契約であれば、消費者被害・損害を回復すべく国民生活センターでは取り組みます。
 これは国民の税金でありますので、今、西沢委員がおっしゃいましたように、本当に悪質なことだと思います。突合わせ業務に限らず、ほかの項目に関しましても、評価の基準となっている数値目標は客観的な尺度でありますが、業務の質はどうなっているのか、数値ではわからない点が少なくありませんので、このことはかなり気になっておりました。評価は客観的な尺度で行われるべきであっても、数値目標の達成、それ自体は目的ではないわけですね。ですから突合わせ業務のみならず、ほかの業務に関しましても、業務の質に目配りをしながら数値目標の達成を目指していただきたいと思います。

○日本年金機構記録問題対策部長
 もう少し補足させていただきますと、今回、作業手順に違反したことは、国民の税金でやらせていただいていますし、決して許されることではないということで、再審査は追加費用を払わずに彼らの負担でやっていただくと、こういうことになっておりますし、それについての検査は我々でしっかりとやらせていただきたいと思っております。
 こうした事態を防げなかったことは本当に申し訳なく、作業工程までちゃんとチェックできてなかったということについては我々の反省点なのですけれども、言いわけをさせていただきますと、これは請負業務ですので、作業工程まで細かく関与するということは、擬装請負とかとも言われてしまうのでなかなか十分にできていなかった部分もございます。ただ、そういう言いわけをしても、大切な税金でやっている事業ですので、今回こういった事案も発覚しましたので、今後はモニタリングとか、我々のほうでコンピュータ上の事跡はちゃんと確認できますし、それから、抜き打ち検査というようなものを含めて、こうしたことが二度と起こらないようにチェックをしていきたいと、このように考えております。

○本田部会長
 それでは、ほかに何か。岩瀬委員。

○岩瀬委員
 お尋ねしたいこととお願いしたいことがありまして、今回、資料を機構にお願いしていただいているのですけれども、私がいただいた資料はほかの委員の先生のところにも届けられているのかどうかというのを確認したいのですけれども、請求した委員だけが持っていても余り意味がなくて、委員の先生全員に届けていただきたいなと。もし届けてないのであれば。というのが1つ。
 資料請求しましたけれども、ちょっと足りないというか、今回の評価に関しては、これで私はよろしいかと思いますけれども、もう少し次回に向けて勉強もしたいので、追加の資料を求めたいと思っています。そういうのを、私が求めたやつですけれども、全員に共有化していただければなと。どういう資料を求めたいかというのは言ってよろしいですか。

○本田部会長
 今の質問にお答えありますか。皆さんに渡っているかという話ですね。

○岩瀬委員
 はい。

○事業企画課長
 岩瀬先生から幾つか資料をお求めございましたけれども、岩瀬先生だけお送りした分が多分多いのだと思います。今後の話ですけれども、この部会の場でお求めのあった資料、どこまでなのかというのはあるかと思いますけれども、基本的には各先生方にもお送りするようにしたいと思っております。

○本田部会長
 今回岩瀬委員にお渡しした資料は我々には来てないということですか。

○事業企画課長
 何度かやりとりをして、機構のほうから研修関係の資料をお送りしてございますけれども、先生方には、申し訳ございません、お送りをしなかったということでございます。

○本田部会長
 できるだけ認識を共有するという意味もありますから、そういう資料があったら是非ほかの委員の方にも、今後はお願いしたい。よろしくお願いします。

○岩瀬委員
 何度かやりとりしたのは、資料をいただいて、ちょっと理解できなかったので聞いたりしているわけです。出していただいたペーパーは全員の先生にも配っていただきたい。

○事業企画課長
 はい。

○岩瀬委員
 ついでに、そのペーパーをお届けしていただくに当たって、追加で資料が欲しいのですけれども、研修に関していえば、講師の一覧表みたいなものをもらいましたけれども、各講師が担当した研修の講習時間ですね。講師別の時間と交通費の支給の有・無、支給した場合は幾らしたのかというのを、その一覧表につけ加えたものをお届けいただけませんでしょうか。
 さらに、研修の参加者の名簿、氏名と部署と年齢、その部署の在籍年数などが記入されたもの。それと講習者に対する案内文、どういう案内を出しているのか。研修カリキュラムと企画書みたいなものがあれば、それも併せて出してほしいと思います。
 ついでに、予算に関しても、40ページのまとめていただいたこのものだけだとなかなか理解しにくいので、予算書、予算計画実行書みたいなものですね。それと収支計画書、大部になるかもしれませんが、これを理解するという意味で出していただけないか。これは次回の評価に向けて勉強したいということです。

○日本年金機構副理事長
 今、御指摘いただいた事項はいろいろございますので、整理をしたいと思います。研修の関係でいくと、例えばいろんなコースございますので、全部そうやってやると資料としてもかなり膨大なものになると思いますので、そこら辺はどういう格好でできるのか、また、そこは御相談をし、これは来年に向けてというお話だと思いますので、どういう格好でお示しできるか、部会長と御相談させていただきたいと思っております。

○本田部会長
 ほかに何か。斎藤委員。

○斎藤委員
 電子申請のところなのですが、最初、これを拝見したときは、こういうような対応もしているから「B」ですという、「B」に対する正当性の説明で、いいかなと思っていたのですが、読み直して再び考えてみますと、これもやっています、あれもやっています、すごくやっていますというようなアピールで、電子申請に対する取組が素晴らしいようなコメントに読めてしまうのかなと気になりました。電子申請は決して誇れる成績であったとは思いませんので、余りにも高評価であるように受け取られるようであるなら、お考えいただけたらと思います。
 蛇足になりますけれども、神奈川県で社保をやっていらっしゃる先生に伺いましたら、「神奈川県は毎年社会保険労務士に対して電子申請のセミナーをやっている。それにもかかわらず社労士で電子申請をしているのは2%である。僕も使わない、面倒くさいから。それと、最後に送信という確定をするときに、今まで自分が入力したものをチェックする画面がなくて恐ろしく使えない。」と伺いました。せっかく「ねんきんネット」であれだけすばらしい業績を上げていらっしゃるので、こちらのほうも取組をもっと高めていただきたいと思います。この追加というか、追加分があることによって、どういうふうにとられるのか、私だけの解釈ですと自信がないので、ほかの先生の御意見も伺いたいと思います。

○事業企画課長
 評価に関していえば、「B」と書いていますので、先生おっしゃられるように、高い評価でないというのは明らかだと思っておりますので、何とか御理解いただければと。

○本田部会長
 「B」の評価でしたね。「A」ではなかったですね。「B」の評価ですね。ということで。

○日本年金機構審議役
 機構でございますけれども、1点、今、御指摘いただきましたe-Gov(イーガブ)の使い勝手の件でございますけれども、確かにこれまで中心となっていただいたのは社会保険労務士さんの使用が中心だったかと思います。厚生労働省のほうで、社会保険労務士さんと厚生労働省と私ども、それから、雇用保険の担当者と定期的に会合をいたしておりまして、これからの電子申請の推進に当たってどう取り組むべきかということで具体的な課題をいただいております。e-Gov(イーガブ)のシステムについての使い勝手についてもいろいろ社労士さんのほうからも御意見をいただいておりまして、なかなかすぐにさくさく全部直しているというわけにはいかない状況でもありますけれども、私どものほうもe-Gov(イーガブ)の担当者、総務省になりますけれども、今日の御意見も踏まえてもう一度お伝えして、より使い勝手のいいような形になるように、またそこはしていきたいと思いますし、一方、私どものほうでできるプログラムの改善についてはかねてから言われていました例えば添付文書を郵送するのではなくて画像化して一緒に送れるようにとか、こういったことは着々と、着々と言っていいかどうかわかりませんけれども、進めてきてはおりますし、そこは一応加速するつもりでございますので、引き続き努力してまいりたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。

○岩瀬委員
e-Gov(イーガブ)についてお聞きしたいのですけれども、機構のほうで改善できるのですか、使いやすくするための。

○日本年金機構審議役
 e-Gov(イーガブ)のシステム自身は政府全体で持っているe-Gov(イーガブ)のシステムと、厚生労働省のほうで、あるいは年金機構のほうで使う部分と両方ございます。それで、今、御紹介がありましたような、例えば送信する前にもう一度申込み方法を確認すると、こういったようなところはどうもe-Gov(イーガブ)全体のほうのことのようですので、そこはそちらでやっていただかなければいけないのですけれども、ちょっと御紹介しましたような添付文書の種類ですとか、規模ですとか、そういったことはこちらでできるところもございますので、そこはそこでやっていきたいということでございます。物事の中身によってe-Gov(イーガブ)のシステム全体にかかわるものと私どもでできるもの、両用あるということでございます。

○岩瀬委員
 済みません、入り口は政府のe-Gov(イーガブ)から入っていかないといけないのではないですか。入り口が物すごく、e-Gov(イーガブ)は使いにくい。入ってから厚労省の改良したやり方で楽になるのかもしれませんが、そもそも入り口で入れないという人が結構多いのではないかと思うのですけれども、その点、どうですか。

○日本年金機構審議役
 確かに政府全体の電子政府を進めるに当たっての基本方針の電子認証基盤をどうやって普及させていくかというのは大きなテーマになっていると承知していますので、今、おっしゃった、みんな認証すぐできる状況に現在のところないという話はおっしゃるとおりかと思います。いろんな形で、今後マイナンバーもできれば、そういった面での入りやすさというのも変わっていくのだろうと思いますので、そういった全体の状況を見ながら、また考えていきたいと思います。こちらとしてはやれることはやっていきたいと考えています。

○本田部会長
 西沢委員。

○西沢委員
 今、斎藤委員の言われた社労士さんの御意見で、確認画面がなくて怖くてボタンが押せないというのは、日本年金機構さんが手当てすればすぐ改善できることなのですか。

○日本年金機構審議役
 e-Gov(イーガブ)全体の仕組みのようでございますので、私どものほうではなかなか動かしにくいところのようでございます。

○日本年金機構副理事長
 ここの電子申請というのは、私ども2つチャネルを持っておりまして、1つはe-Gov(イーガブ)という政府全体のチャネル、もう一つはここにもいろいろ書いていますけれども、やっとDVDでもできるようになりましたけれども、いわゆる電子媒体申請という形で、これは特に厚年、健保関係の主要な届出についてはe-Gov(イーガブ)というチャネルでなくてもお出しいただくという形でございますので、こちらのほうは機構独自の取組でございます。両方相まって事業主さんの負担の軽減とか、私どもの事務の合理化にもつなげていけたらと思っておりますので、両方努力していきたいと思っております。

○本田部会長
 何かありますか。斎藤委員。

○斎藤委員
 ここで話すことではないのかもしれませんけれども、将来に向けてe-Gov(イーガブ)経由ではない電子申請というのを御検討いただけたらと思いますが。

○日本年金機構副理事長
 政府全体でe-Gov(イーガブ)全体をどうしていくかというのはいつも議論に、大山先生はよくそこは御存じだと思うのですけれども、それはそれで、またできるだけ使いやすくしていくというのは1つあると思います。ただ、私どもとして、1つは電子媒体申請、物を出していただくということですけれども、そこら辺をどういうふうにしていくかというのは、これからICT化進んでいきますから、その中での1つの取組ということで、今、こうしますとか、ああしますということは言えませんけれども、そういったことも含めて考えていく必要はあると思っております。

○石井委員
 済みません、業務多忙でなかなかメールの確認をしておりませんでしたので、先ほどちょっとお話がありましたプレス発表に関して3つほど教えていただきたいのですが、最初に、これは内部告発だったということだと思いますが、まさにプレスの発表の中にも書いてありますが、再発防止策の対策構築が一番重要なことだと思いますが、それに関して、当機構において実施する措置というのが2つ書いてございますけれども、申請案件毎に作成する連絡表の作成者署名部分等の抜き打ちの確認と紙台帳検索システムの利用履歴の定期的な検査をこれからはされると。なかなか業務の受委託の中で委託者側が受託サイドの業務について行き過ぎたかかわりを持つことは余りよろしくないというようなことの御説明がありましたが、しかしながら、今後は当機構において、今、私が読み上げた作業はしていただけるということだと思うので、当然これは再発防止策でありますから、再発をしない、再発ができないようなしばりを入れたという対策だという理解をしておりますが、少なくとも来年度のこの評価部会においては、1年間の結果報告というのでしょうか、結果、こういうふうになったという報告をお願い致します。
 このプレス発表を見ると、数万件に及ぶそういった手順違反があったということなので、1年たったところでほぼゼロになるのかどうかというようなことは御報告をいただいたほうがいいのだろうと思います。
 それから、もう一つ、この資料を拝見すると、再審査件数の非常に小さかった受託事業者ではなくて、結果としては大変多かった3件について、来年1月以降の委託契約の対象としないというふうにしていただいたようでありますので、ということは、逆に言うと、今年12月までは対象となるのかと思うのですが、であるとすると、多分再発防止の視点は、事業者によってかなり温度は違うのだろうなということになるかと思いますが、いずれにしても、この3つの拠点について委託契約の対象としないということにしていただいたということは、この3つの拠点における受託事業者であるTMJともしもしホットラインとKDDIエボルバはすべての受託事業を請け負うことができないと考えてよろしいのかどうかを教えていただきたいのです。
 拠点は、私も不勉強で申し訳ないですが、幾つもあると思います。この拠点についてのこの業者の仕事だけをなしにするのか、先ほど木間委員からも、税金を使ってやっている。多分旧社会保険庁のこの問題は非常に根が深くていろんなことをしてきたという経過を考えると、そのあたり、つまり今問題とされた業者に関しては、今後すべての拠点において業務を一時的に外すというふうに常識的に考えてよろしいのかどうかというのを1つ教えていただきたいのと、時どきでありますけれども、出席させていただいた評価部会の中で実は外に出す。この業務をアウトソースするということが、できる限り積極的にアウトソーシングをするのだというふうに全体の流れがおつくりいただいているように思えますが、私は前にも、業務の質はきちんと検証していただいているのでしょうか、という話をさせていただいていまして、多分その際には、物を買ったときは物の納品確認をしますけれども、サービスを頼んで、そのサービスがきちんと納品されたかどうかという検証作業は当然していただかなければいけなくて、それは大変手間のかかることなのだけれども、していかないと情報のきちんとした整理や担保はできないというようなことを申し上げたのですが、結果論としては余り大きな問題が出なかったということなのだけれども、これ自身がもし発見されずに5年、10年と積み上げていかれた場合にはやはり大変な問題が出たのかどうかというあたりは少しコメントをいただければと思うのです。
 業務の中身によっては、結果オーケーだというのもあるかもしれませんので、いや、そうではなくて、大変重要だということなのか。多分一人が作業して、その間違いが時どき起きて、何十年にわたって累積をして結果、信頼されていたはずの年金情報が積み上げになってないというような流れが本質だとすると、絶対に守らなければいけないのは複数チェックということになりまして、そのあたりについて、どの程度のレベルの問題なのかというのを、できれば教えていただければと思っています。

○本田部会長
 ただいまの2点について。

○日本年金機構記録問題対策部長
 ちょっと長くなるかもしれませんけれども、いただいた御質問についてお答えと関連するお話しをさせていただきたいと思います。
まず再発防止策ですけれども、ここに挙がっている2つについては、早速8月から実施いたします。それから、報告せよという話でございますので、整理をして報告させていただきたいとこのように考えております。なお、紙台帳検索システムの利用履歴の検査は、今までも定期的ではありませんが随時にやっておりました。過去、去年の秋に行った段階ではわかりませんでした。今回、通報をいただき、直近のデータで改めて分析して初めてわかったという経緯でございます。今後は定期的に月単位で実施していくと、このように考えてございます。
 それから、2番目に、今回の事案がどのくらいの誤審とかそういうのに当たるのか。あるいはサービスの検証と品質の検証はどのようにやってきたかということなのですけれども、年金機構においては、この事業について、先ほど申し上げましたように、工程に関与するのはなかなか簡単ではないということもありまして、納品されたものについてのチェックを行っております。納品されたもののチェックは、毎日納品されたものの抜き取り検査のほかに、月に1日か2日、我々のほうで特定日、抜き打ちで日にちを決めまして、その日納品されたものについて詳細な確認を行っております。そういうことで、納品されたものが、果たして我々の求めるレベルに合っているか、要は誤審がないかどうかというのを見ております。
 今回発生した5拠点について、こうした手順の違反処理が行われた期間、2ページにございますけれども、去年の7月、8月、9月、夏が多いのですけれども、行われた前の期間と行われた後の期間について誤審率を確認したところ、いずれの期間も誤審率はむしろ下がっておりました。なぜ、ベリファイと呼ばれるダブルチェックをしないのに下がっているかということですが、今回の事案についてヒアリング調査等を行ってみますと、比較的習熟度が高い、自分一人で判断できるという作業員がやっていたようです。そういう結果があって、恐らく誤審率への影響が見られなかったのではないかと思っております。
 そういう意味で、結果だけを見ると、今回こういう手順違反が行われたことによって、我々に納品されたものの品質が悪かったというふうなエビデンスはないのですけれども、ただ、当然2人でやれば確率的には審査の誤りが発見される可能性は高まりますので、我々としてはすべて疑いのあるケースについてはもう一度やり直すということをさせようと思っております。
 それから、最後に、今、全体でそれぞれの拠点がございますけれども、全部で今、26拠点でこの業務を行っております。26拠点を5事業者が運営しておりまして、今回、挙がっておりますKDDIエボルバ、アデコ社、TMJ社、もしもしホットライン社、いずれも複数の拠点を運営しております。今回、手順違反が発覚したこともあって、すべての拠点について疑わしい履歴がないかどうかを我々として調べ、そういう履歴があるものについては、実際ヒアリング調査や筆跡調査を行いました。その結果がこの5拠点でした。複数の拠点を持っている会社について調べてみましたけれども、ここに挙がっている拠点以外の拠点では、こうした今回の手順違反のような事例は今のところ確認できなかったということで、今後の取扱いにつきましては、行われた拠点に関しては、来年1月以後閉鎖させていただきますけれども、事業者全体について、直ちに閉鎖するということは考えておりません。
 ただ、事業者の処分につきましては、今回こうした事実が発覚しておりますので、今後の調達上の扱いについては別途検討するということにしております。
 以上でございます。

○本田部会長
 よろしいですか。

○石井委員
 20の拠点を受託している事業者の法人数は何社でしょう。

○日本年金機構記録問題対策部長
 5社です。

○石井委員
 5社。

○日本年金機構記録問題対策部長
 はい。

○石井委員
 プレス発表で出てきた会社が4社。

○日本年金機構記録問題対策部長
 4社。残り1社については、1拠点だけ運営しております。

○石井委員
 受託事業者との当該受託契約を締結するに際して、大変詳細で綿密な契約をされていると思うのですが、今回のこのような状況の発覚によって、契約内容、契約条項の見直しというようなものはされましたか。

○日本年金機構記録問題対策部長
 来年1月以降の契約をする際には、過去の契約時にこうした事案があった場合の契約解除とか、ペナルティーを科すというようなことについて考える必要があると、このように考えております。

○石井委員
 是非ともその方向でよろしくお願いします。

○本田部会長
 あと、御意見ございますか。
 それでは、日本年金機構の平成23年度の業務実績に関する評価につきましては、さまざまな御意見いただきましたが、おおむねよろしいというような方向でいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○本田部会長
 それでは、当部会といたしましては、厚生労働省案をおおむね妥当と認めまして、その旨を私のほうから大森会長に御報告いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○本田部会長
 それでは、大森会長への報告文を事務局から配付をお願いいたしたいと思います。
(報告文配付)

○本田部会長
 それでは、事務方から、報告文案を読み上げていただきたいと思います。

○事業企画課長
 それでは、読み上げさせていただきます。
平成24年7月23日、社会保障審議会会長 大森彌殿。
日本年金機構評価部会部会長、本田勝彦。
日本年金機構の平成23年度の業務実績の評価結果について。
 平成24年7月23日付け厚生労働省発年0723第1号をもって社会保障審議会に諮問のあった標記については、本部会は、審議の結果、下記のとおり結論を得たので報告する。
記、「日本年金機構の平成23年度の業務実績の評価結果」について、厚生労働省案は、おおむね妥当と認める。
以上でございます。

○本田部会長
 それでは、今、読み上げていただきました報告文案によりまして、大森会長へ報告するということにさせていただいてよろしいですか。
(「はい」と声あり)

○本田部会長
 ありがとうございます。それではそのように報告させていただきたいと思います。
 なお、これを受けまして、大森会長より小宮山厚生労働大臣のほうへ答申がなされるということになりますので、その旨も御了承いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題はすべて終了いたしました。
 今日もいろいろと御意見を頂戴しました。特に委託先の問題、委託業務の問題については、3名の委員の方から今後とも更にしっかりと取り組むべきとの御指摘がございましたので、今後の運営の中でよろしくお願いいたします。
 また、電子申請につきましても、評価はそういうことでございますけれども、斎藤委員のほうからありましたように、更に御努力のほうをお願いいたしたいと思います。

○大山部会長代理
 済みません、先ほど話そうかなと思ったのですが、評価が終わったので、電子申請のことについてコメントします。御指摘のようにいろいろな課題があることについては承知していますが、e-Gov(イーガブ)との関係については、私も確認しなければならないことが幾つかあるので、それについてはまた改めて事務局側からも報告いただくと同時に、こちらでも確認をさせていただきます。対処策については、別途、意見を述べさせていただきたいと思います。

○本田部会長
 それでは、今年度も平成24年度計画の達成に向けました機構の取組状況等につきまして、中間的に委員お互いに確認するということで、機構とともに進捗管理を行っていきたいと思います。本年の秋頃を目途に、次回の部会におきまして、機構から平成24年度の計画の取組状況につきまして聴取させていただきたいと考えております。そちらの点もよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議はこれをもちまして終了させていただきます。委員の皆様方、長時間にわたりありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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