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2012年5月30日 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第16回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成24年5月30日(水) 16:00〜18:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)


○出席者

磯部構成員、岩上構成員、上原構成員、河崎構成員、久保野構成員
鴻巣構成員、笹井構成員、白石構成員、千葉構成員、野村構成員
広田構成員、堀江構成員、町野構成員、良田構成員

○議題

1 入院制度について
2 その他

○議事

○福田精神・障害保健課長
 それでは、定刻になりましたので、只今から、第16回の保護者制度・入院制度に関する作業チームを開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御参集いただきありがとうございます。
本作業チームは公開でございます。作業チームでの審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、予め御了解くださいますようお願いいたします。
また、本日はすべての構成員の皆様方出席の御予定ということでございます。
それでは、ここからは町野座長に進行をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○町野座長
 医療保護入院についての検討がずっと続いているわけですけれども、医療保護入院における入院手続の在り方が終わり、そして保護者の同意を外した場合についてのいろいろな対応の問題、それが終わりまして、前回の作業チームからは医療保護入院に関する4つの残された論点を議論していただいております。
 つまり1番目に入院期間の限定に関する論点、2番目に入院時の審査に関する論点、3番目に退院時・退院後の支援に関する論点、4番目に入院手続の契機に関する論点です。
 そのうち最初の2つ、入院期間の限定に関する問題と、入院時の審査に関する問題、さらに3番目の退院時・退院後の支援に関する論点のうち、退院後の継続治療、アウトリーチに関する問題までは御議論いただきましたので、本日の作業チームは、引き続いて3番目の退院後の支援に関する論点のうちの病状が悪くなったときの短期宿泊支援の問題等から議論をしていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、この入院制度の議論とは別の検討会で、入院医療に関する人員体制の在り方について議論が進められていますけれども、入院制度の議論を整理する際には、その議論の内容も踏まえる必要があると思います。後ほど事務局から、その状況について説明をしていただきたいと思います。
 では、早速3番目、退院時・退院後の支援に関する論点のうち、その2番目の問題、事務局から説明が前回ありましたとおり、状態が変わりやすい、ちょっとした刺激で急激に悪化するなどの精神障害のある方たちの特徴としての対応として、アウトリーチや短期宿泊支援、またそれらをセットで提供できる体制の必要性についての検討でございます。
 前回説明をしていただいてはおりますけれども、短期宿泊支援については今の制度の下でどのようなことができて、どのようなことができてないのかということも補足してもらいながら、事務局から簡単に御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐
 それでは、資料のスライドの6ページをお開きください。
 論点(マル3)の【論点2】でございます。
 精神障害者の特徴を考えると、「常に訪問してくれる体制としてのアウトリーチや、急に症状が悪化した場合、1週間など期間限定の短期宿泊支援が必要ではないか。また、本人の状態を理解している人が対応できるようにするためには、これらのサービスをセットで提供できるような体制が必要ではないか」という論点でございます。
 現在できることということでしたので、恐縮ですが、参考資料の1の4ページをお開きください。
 「宿泊型自立訓練の地域移行・地域生活支援機能の強化」ということで、宿泊型自立訓練というのは、障害者自立支援法の中のサービスの類型の1つでありますけれども、平成24年4月、今年の4月から少し制度を規制緩和等行いまして、地域移行支援、地域定着支援の事業を、機能をより強化した形で運用をできるようにしております。
 具体的には、ここの左下の吹き出しを御覧いただければと思うのですけれども、「宿泊型自立訓練の規制を見直し」ということで、標準利用期間が3年の場合の報酬設定を見直すと。宿泊型自立訓練、一定の期間、2年ないし3年、そこに宿泊をしてその間にさまざまな自立訓練、生活訓練を行うという形のものですけれども、今までは利用期間が2年を過ぎますと一律に報酬が下がっていたという形になりますけれども、それを3年まで延ばしたということが1点です。
 これは宿泊型自立訓練のことなのですけれども、今回の短期宿泊支援との関連でいきますと、(マル2)のところですけれども、その宿泊型自立訓練の空床、空いている部屋を使って短期入所を行う。これが今まで宿泊型自立訓練では認められていなかったわけですけれども、これを認めるという規制の緩和を行っております。
 したがって(マル1)のように退院後、すぐには自宅に戻れない人が2年ないし3年の期間そこにとどまって訓練をするというだけではなくて、そこの事業所を使って地域で暮らしている人が少し調子が悪くなったときに、こういった短期入所、空床を使った短期入所が可能になっているということでございます。
 これは、従来でいきますと、その吹き出しの上ですけれども、精神障害者生活訓練施設というのが従来の枠組みでもありましたけれども、こういったものが障害者自立支援法の体系に移っていく、そういったことも念頭に置きながらこういった規制の緩和をいたしております。
 ただ、こういった事業所は全国でも200か所にも満たないぐらいですので、今後こういった短期入所のところを増やしていく、あるいは精神障害のある方の特徴、状態が変わりやすいですとか、急な状態の悪化があった場合に医療的な支援が必要になってくる、こういったところを福祉の事業所で担うのか、あるいは医療という面で担っていくのか、そういったところは1つ課題になってくるかと考えております。そういったところも含めて御議論いただければと思っております。

○町野座長
 ありがとうございました。
 今の御説明は、要するに精神保健福祉法の体系は既に障害者自立支援法の方で福祉の部分はそちらの方に組み入れられているから、まず考えるときはそちらの方でいくというのが現在の状態であってということです。それを前提にしながら、どのように現在なっているかということの説明だったと思います。
 それでは、御意見等のある方、御発言をお願いいたします。
 何もないですか。それでは、概ね議論も出尽くしたというわけには到底まいりませんので、よろしくお願いいたします。
 お願いします。

○広田構成員
 午前中に、生活困窮者の4階から委員を委嘱されて出ていましたから非常に頭が疲れているのですけれど、向こうでも、次回、社会的入院のお話をする人がいる。私の話はこういうことです。
 アウトリーチ、アウトリーチと、町野先生めったにいいことを言われたのですけれど、この間すごくいいことを他のところで言われたのです。「アウトリーチを嫌がるのは自立している患者さん」だと。
 アウトリーチを使っている間は、結果的に自立させてもらえないということです。いつも話していますけれど、訪問看護とか、福祉訪問サービスのニーズはどこにあるか、本人ではなくて家族が出している。それに対して本人が嫌だという意思表示はなかなかできない。また、意思表示をしてもお母さんの力関係の方が強くてそれが通らない。
 先ほどもある記者と食事をしていて、「本当に厚生労働省の会議を聞いていて、広田さんぐらいみんながわかりやすく国民に発言できる人がもっといるといいね」と言われました。
 どこへ行っても当事者不在の論議が多い。私は、ここを当事者不在とは言いませんけれど、当事者が何を求めているかということを国にも言えるチャンスもなかった。言えるようになっても力関係は弱いという中で、このアウトリーチが今後ずっと突出していくとすれば、それは、コンシューマーのための施策ではなくて、家族のための施策だというふうに私はとらえている。
 私の精神医療サバイバーとしての体験、うちの母親は最悪の家族でしたから。それから、危機介入の相談員として、皆さんおいでになればわかりますが、うちの一部屋駆け込み寺にしていて、下で話をされた人が上に泊まっていきます。そういう中で、29歳の青年が「やっとこれで安心して帰ってくる家が見つかった」と言って、月に一度うちに泊まってます。それから、家庭内暴力の被害者のお母さんが、御本人を家に置いて自分が外に出て、うちに月に一度お食事に来ていますけれど、皆さん安心できる場を求めてくるのです。本人も、家族も。
そのぐらい、家庭の中の団らんがない。子どもさんの多くのいろいろな問題はほとんどが夫婦の問題の後始末。離婚だったり、DVだったり。そしてそれは、生活困窮者の方では貧困の連鎖と盛んに騒いでいるのですけれど、私はアダルトチルドレンの連鎖だと思う。愛を受けずに育った人が、愛を与えられない親となることが多い。つまり、家庭の中に父性もなければ母性もない。そういう中で、やたらとアウトリーチだ、やれ相談支援だ、この場合ですと短期宿泊ですか。そういう言い方をするけれど、こういうところで力のない私が言って何も変わらないけれど、この日本国全体が家庭とは何ぞや、結婚とは何ぞや、夫婦の愛とは何ぞやという原点に返らないと。どんな施策を打っても原点はそこです。
それと、本後補佐がちょっと言ったけれど、短期宿泊だけではなくて、私は来月12、13日と休息入院をしてまいります。コンシューマーからすれば選べるようにしていただきたい。自分のかかりつけの医者の方にカルテもそろっているわけです。お薬も何が出ているかわかっているわけだから、そちらに行った方が私は早い。
やたら福祉のところに行って何か聞かれたりするより、情報が流れるより、私は休息入院を選びたいということで。それから、何でもかんでも本人を入院させる、宿泊させるのではなくて、いわゆる家族が家から出て行く形のレスパイト、家族のための一時休息。危機を回避するためどちらかが出る。
よく暴れている本人を押さえつけて連れて行こうとするけれど、家にしがみついている本人を置いて、「あとはよろしく」と言って御両親がどこかホテルでも行って仲良く帰ってくれば、案外本人も機嫌を直しているということもあります。何でもかんでも本人を何かするという着目ではなくて、家族の側が子どもとはなれて我々の関わり方がよかったのかな、お父さん、お母さんというふうな時間を取っていただくことで解決した家庭内暴力もたくさんいます。
以上。広田です。これをサクラに、どうぞ皆さん。

○町野座長
 いかがですか。
 それでは。

○良田構成員
 今、広田さんの方からアウトリーチの問題がありまして、それは家族のためのものだとおっしゃったのですけれども、私、それはちょっと違うような気がするのです。
 アウトリーチというのは、例えば、家族に対しても働きかけを行うものです。本人だけではなくて、家族に対しても。ですから、家族がもし非常に誤った対応をしていたのならば、家族に対してもやはりそれはきちんとした指示なり情報が与えられるだろうと思います。そうでなければアウトリーチの意味はなくて、つまり本人も家族にもしっかり必要なサービスはいいことばかりではなくて、本人にとって、家族にとって耳よいことばかりではなくて、双方のためになる情報はきちんと与えられるべきだと私は思っております。
 一時休息のことですけれども、これは非常に悩ましいところだと思います。私は、病状が悪化したとか、ちょっと具合が悪いとかというときに、すぐに入院だとか病院にというふうな考え方になってしまうのはちょっと危険だということは思うのですけれども、ただ、やはりうちにいますと家族の間で煮詰まってしまったりとか、いろいろな意味で疲れがたまってしまって具合が悪くなったりすることもあると思いますので、そういうときに、入院という形ではない、もう少し緩やかな入院のような、入院という言葉以外にほかに何かあるかわからないのですけれども、そういう休息する、レスパイトと言えばレスパイトですが、そういう制度ができればもう少し気軽に行けるだろうなということ。
その点では、私は自分の体験からしても、やはり本人は自分の主治医がいるところが安心というのはあるのです。ですから、全然知らないところに行って休息するというのは、なかなか休息できないところがありますので、やはり自分の知っている病院の一角にそういうところがあればいいのかなという気持ちもします。
 ただ、病院というのは、地域病院のように今、日本はなっていませんので、非常に一極集中のような形でなっていますので、そこが、みんなが利用するときに果たして利用しやすいのかどうか、そこのところも検討しなければいけないのではないかと思いました。
 とりあえず以上です。

○町野座長
 それでは野村構成員。

○野村構成員
 アウトリーチが確かに広田さんがおっしゃるように、例えば、困難事例への対応とか言いまして、周囲に迷惑をかけている当事者の方を何とか処理をするために行くというやり方が非常に多いのではないかと私は思っておりますので、アウトリーチというものが必ずしもすべていいとは思っておりません。
 もし、アウトリーチで理想的なものがあるとすれば、御本人に安心していただいて接近していって、御本人の考え、御本人の意見をきちんと御本人から話していただくようにして、そして御本人の意見、希望に沿って御本人を支援していくということができれば、アウトリーチも少しは役に立つのではないかと思います。
 そして、御本人が家から離れたいともしおっしゃったならば、1つの選択肢としては短期宿泊の利用も考えられると思います。
 それから、家族関係がもう破綻していて、極端な暴力がたびたび発生する。御本人ももう大変な思いをしていらっしゃるけれども、周りにいる家族ももう耐えられないという状況は本当によくあるのです。これをどうしたらいいかということになるのですが、やはり一番大事なのは御本人がだんだん幸せになっていくということですから、そこを基本にして、例えば一時的に御本人の意見がもしあれば、家族がそれぞれ違うところに暮らしたり、何かの対応をしていく。
 そうすると、そこにアウトリーチがもし全く要らないとなると、家族は相談に行きますけれども御本人が引きこもってしまって、もう立ち上がって相談に行く気力も精神力もなくなっている場合に、その状態が延々と続くわけです。これはもう両方にとって非常に消耗だしマイナスで、そこに誰かが介入しなければいけない。そのときにアウトリーチはあってもいいのではないかと、私は思っております。
 以上です。

○町野座長
 ありがとうございました。
 ほか、ございますでしょうか。
 では、白石構成員どうぞ。

○白石構成員
 短期の宿泊のことについて意見を申し上げたいと思います。
 私は、自分で非常勤で担当している病院で、退院促進の支援を受けて長年入院していた人が何人か退院していますけれども、退院した後、ほとんどの人がまた再入院をするということがありました。
 ただ、そのときは短い人は1週間で、どんなに長くても1か月で退院をしております。それは、やはり長く入院していた元の施設に入る安心感というのがその人たちにはあることも、それだけ短い期間で退院できることになる要因の1つだと思っております。
 私は、地域の施設で短期間滞在するということで危機を回避するということは、選択肢の1つとして有効ではないかと思っております。ただ、皆様の中にもカナダのバンクーバーとかでこのような施設を見学された方もいらっしゃると思うのですけれども、やはりその運用に当たっては留意すべき点もあるように思っております。
 やはり全く初めての方でいきなり来られて、お休みをして、医療的な関与・支援がない状況では、なかなかうまくいかない部分も出てくるのではないかと思います。ここで条件をつけるということは余りすべきではないと思いますけれども、やはり現実的には、御本人が利用に関してある程度安心して利用できる状況になっていると。つまり危機介入のような、そういう宿泊以外のときにもそこを利用していて、担当される福祉の職員の方も、その方についてよく知っていて、この方の今のような状態ならば、短期間滞在することで危機を回避できるという見通しを持っている。それが1点、必要ではないか。
 もう一つは、それでも万が一の場合に、医療的な関与を依頼できるような、これは精神科救急ということになるのかもしれませんけれども、そういう連携が取れるような、そういう配慮の下に短期間福祉型の施設に滞在するということは、選択肢の1つとして有効ではないかと思います。
 以上です。

○町野座長
 ありがとうございました。
 次、河崎構成員お願いします。

○河崎構成員
 今、白石構成員がおっしゃられたことは、私も非常に内容的にはそのとおりだと思っております。
 私たちの臨床の現場で体験することからすると、やはり地域へ移行した後、少しのストレスであったり、あるいは家族との関係等でやはり病状が悪化したり、あるいは不安定になるという方たちが安心を求めて入院をされてくるということは、これは非常に日常的に多く経験することです。
 よくこういう現象を回転ドア現象という形でかなり否定的に見る風潮があるのかとも思ったりもするのですが、実はそれは、その患者さんの1つの選択として、そういう形をすることにより1週間なり、あるいは2週間というような短期入院でまた地域へ戻っていかれるというケースは本当にたくさんあるのだろうと。それはそれで、今後も必要な医療的な関わりとしては存在し得るものだろうと思います。
 先ほど事務局の方から説明がございました、宿泊型自立訓練を中心にしたような、いわゆるショートステイの利用であるとか、あるいは一時的な福祉施設等での対応と。これも、患者さんにとってそういうところがなじみの場としてあるのであれば、極めて有効であると思います。
 ただ、その際に、やはり医療との連携、これをどういうふうにしっかりと担保しているかというところがなければ、福祉サイドのパワーだけで果たして支えることができるのか、そういう実際的な状況も起こり得るというふうに思います。
 ですので、これも白石先生が先ほどおっしゃったところと同じ意味なのですが、やはり医療と福祉の連携というものがこういう自立支援法の中のサービス体系の中にもうまく今後は組み入れていくというところが必要かと。それは、新しい障害者総合支援法の中でどれだけ具体化されていくかということは、かなり大きな課題であろうと思っております。
 以上です。

○町野座長
 ありがとうございました。
 では、広田構成員どうぞ。

○広田構成員
 岩上構成員に質問です。
 今の白石先生と河崎先生の御意見を伺って、そういうことをできる福祉のスタッフがいるかということです。私は、残念ながら横浜市内に1人ぐらいしか顔が思い浮かびません。医療と福祉が対等な関係で連携が取れるかなと。
 こういう論議になっているから、私、資料を出しています。ほとんどの福祉従事者が医者の診断名に依存して、福祉現場で困った患者の診断名を職員が本人の頭越しに聞きに行こうとしているところもあります。それが実態です。
 ここでも言ったかもしれませんが、今やもう統合失調症、うつ、双極性障害、てんかんといった一般的な精神疾患から人格障害、解離性障害、摂食障害と非常に幅が広がって、職員も病気なのというぐらい振り回されている。そういう状況の中で、果たして現実的にいくのか。
 岩上君と田尾さんぐらいはうまくいくのかなと思うけれど、顔が浮かぶのは横浜市内で1人です。多くの患者が迷惑を受けると思います。
 私の精神科医療の被害は医者の個人的なスキャンダルに私が巻き込まれた被害だった。医療ミス。その医者がつけた診断名とか、その医者が診立てたことが、福祉の現場へ私が知らない間に保健所を経由して流れていた。そしてそれに作業所の職員が依存した。そして病院に勤めていたPSWが精神保健福祉センターに転勤してきた。そして、「広田さんは妄想、広田さんはそう状態」ということで、私は結果的に厚生労働省と法務省の「重大な犯罪をおかした、精神障害者の処遇に関する合同検討会」の参考人を断らざるを得なかった。何代か前の松本義幸課長に。そのときの原因は精神保健福祉センターの職員たちです。足を引っ張った。その現状は今も変わっていない。固定観念に縛られたり、世論を読めていないKYだった。
 そして医療依存です。患者以上に福祉等が医療依存している。連携というのは対等な関係です。ノーと言える関係がなければ連携とは言えない。依存しながら、福祉の現場で精神科医療がどうコミットするのか。
 私、前にもお金の問題で言っています。いろいろな仕組みをつくるよりも、シンプルに精神科医療をきちんとして、安心してかかれるようになって、良田さんが、あれだけ入院を嫌がる、優しいお母さんがあれだけ嫌がっている精神科医療本体をきちんと底上げしないと、あちこちに人手が出ていったり、お金が出ていく。キムタクに精神科医の格好をして出てきてもらって、厚生労働省スポット。今、求められている精神科医とやったらどうですかと言っているのですけれど、そこの底上げをしないで、出先機関ばかりやったって。また、ここに御家族が1人だったら言いづらいのですけれど、立派なお父さん2人とお母さん1人ですから、私は家族が徹底的にピアサポートをやっていただきたい。家族がきちんとしていれば。
 御本人がピアサポートみなみ、うちに来ますけれども、もうおばあちゃんからお父さんから、お母さんから、妹から、何で私がこんなにこの家庭をコーディネーターしなければいけないのというぐらい家族関係がしっちゃかめっちゃかの中で、結果的に御本人が暴れさせられているということがほとんどです。
 急性期状態でいきなり暴れたという話よりも、大体暴れさせられている。だから、嫌いかもしれないけれど、高森さんが言うように、「家族が変われば本人が変わ」そういう講演も成り立つということです。是非御家族にピアサポートをやっていただきたい。岩上構成員、率直に伺って、こんな形で求められてやっていけるのということです。

○町野座長
 それでは、岩上構成員よろしくお願いいたします。

○岩上構成員
 御指名いただきましてありがとうございます。
 まず、基本的に私は広田さんが最初に提案された意見に賛同していて、医療の問題の以前に地域で支える力を底上げしなければいけないというのは、まず前提だと思います。
 その上で選択肢の問題になると思うので、休息入院が私にとってベストよと言う人は休息入院。ただ、それ以外がなかなか今、進展していない。休息入院しかないので、先ほど河崎構成員がおっしゃったように、入院と退院の繰り返しということで批判されてしまう。そうではなくて、必要な人の選択肢が大切。
 福祉的なところで一旦休息してという方もいらっしゃるので、そういうことも私は必要だと思っています。自立支援法は改正されましたけれども、事業者側としてはなかなか短期入所の施設を増やすというのは難しい。ですから、選択肢として増やせるための仕組みを考えていただきたい。
 それを、じゃああなたはできるのかという話になったときには、私はやらせていただきたいと思っているのですけれども。実際に私も生活訓練施設で勤めていたことがあるので、すぐ入院ではなくて、休息的なところで1週間いて、御飯をきちんと食べて、仲間と会ってピアサポートを受けて元気になるという方を支援してきました。これは私たちにもできることだと思うのです。
 ただ、現状がなかなかそれだけの人材がそろっていないということだと思うので、それはきちんとそろえていくことをしていかないと、箱物というのですか、サービスつくっても魂が入らないということはそのとおりだと思います。それができるかできないかと言われたら、やらせていただきたいとしか今は言えませんけれども、私としてはできると思っています。

○町野座長
 ありがとうございました。
 千葉構成員どうぞ。

○千葉構成員
 今、説明のあった宿泊型自立訓練のところは、病院協会等も是非ということで、かなりお願いをしてこのショートステイができるようにとか、看護職の配置加算をつけていただくとか、年数のことも含めて、いろいろお願いをしていた経緯がございます。
 というのは、実はそれが本筋ではなかったわけで、もともとの精神障害者生活訓練施設という、精神保健福祉法上のものがあって、それを新体系移行ということで、自立支援法の方に移行をある意味強引にさせられているという経緯があって、我々とすれば、本来的にそれは自立支援法ではなくて、精神保健福祉法上の施設としてより進化させるべきではなかったのかという考え方を持っているのです。それは、三障害一緒だから、全部そっち行きなさいというにはかなり強引なお話だったかに思うのです。
 ここでいろいろなものを少し変えていただいた。まだまだ不足だと思うのですが、私らは、新幹線のときの話と同じように、ウナギを要求したらドジョウが出てきたと言っているのですけれども、かなり十分に満たしてくれるようなものとしてはでき上がっていない。
 それはもともと知的障害であったり、身体障害であったりする、そういう障害がベースになってつくられてきたこういった障害福祉のさまざまなものの中に、新たに精神の障害が組み込まれていくときに、どうしても合わない形のものがたくさんあります。その辺のところで、もうちょっと医療と福祉を総合的に、どちらがではなくて、どちらも必要なときに必要な分だけ提供していける、また、それを利用する本人さんたちが自分たちで選択をしてサービスを受けることができるようなものにしていく。
 それも、できるだけ専門性の高いものを提供したいということになりますと、やはり精神障害者生活訓練施設を、我々は生活支援訓練センターと呼んではいますけれども、これを新たな総合支援法の中で位置づけをはっきりさせるのか、それとも、また精神保健福祉法の中にきちんと戻すのか、戻すという言い方はおかしいですが、つくるのかということをしていくべきだろうと思うのです。福祉だけでもなく、医療だけでもなくと。
 そこの中で、我々が提案をしていたのはそういったような訓練です。退院のための訓練、社会生活をできるようになるための訓練ということで、退院促進を主に目的とした施設、従来の施設はそうだったわけですけれども、そうではなくて、それも勿論するとして、地域の中で生活している方々が、一人暮らしをするにはややいろいろなトレーニングが必要だとかいったような、グループホームであったりそういったところからステップアップをする訓練を受けられるようにしたいということを言っていたのです。それについては、この中で少し変えていただいて3年にして、そういう人も対象にするということをしていただいています。
 あとショートステイも、そういうレスパイトであったり危機介入、ドロップインセンターみたいな呼び方もしていましたけれども、文言としてどうかと思いますが、そういったような機能を果たす。
 ただ、これは後で事務局の方から御説明をいただきたいのですが、今日入りたいからと言って今日使えるというショートステイではまだないのです。ある程度届出をして認可されないとショートステイさせられない、それはどうなのか。現状でもまだまだ十分にそういったものを果たしていない。
 それから、もっと家族支援とか、そういったようなこともできるセンター機能を果たしたかったということで、そこにいる、ここの文言で言えば地域支援者ですか、そういう方々がちゃんといて、家族の相談等もきちんとできるような、あるいは必要な支援をそこで入っていけるようなものにしたいということ。
 それから、まだまだ欲張っていた部分があるのですけれども、そういった地域の支援者、あるいはそういうグループホームなり、いろいろなそういう支える人たち、地域生活を支える施設、あるいはそういうような人たちの教育研修、人材の育成といったようなこと、これが一番、この先にどうしても必要になってくる。
 広田さんがおっしゃっていただいたように、本当に欠けていて、そこの部分の人たちが不足をしていく。それから、きちんとしたトレーニングを受けていないので、ばらばらなことをされているのが現状でもあるわけです。そういう方々のトレーニングセンターとして、そういう人たちのためのトレーニングをする。あるいは困難事例等を持ち寄っていただいて、ケースカンファをしながらサポートをするといったような、地域生活を支える基幹センターを必要としているということを、現在も構想として上げていて、それの実現のためにこれからいろいろな具体的な提案をしていきたいと思っているのですけれども、現状では、これで満足できるものでは全然ないということです。
 先ほどの5ページの方にも、短期入所のところがあって、いろいろと加算がついている、重症度加算みたいなのがついていますが、これは精神では全く取れないです。そこにありますように、超重症児、または準超重症児、これは身障の方の人たちを対象としてのところが主で、精神の障害としての症状がぶり返したとか、一時的に悪化したとかというようなところは、これの加算が取れるわけでは勿論ないわけです。といったようなことで、まだまだこの障害福祉サービスそのものとしても精神障害に合っていないということと、福祉サイドのサービスだけではいかない部分が精神障害にあるので、医療と福祉の総合的なサービスをきちんとつくり上げていかなければならない。それも、やったサービスを提供した分によって、あるいはそれを利用する人の数によって、収入あるいは運営費が左右されるような不安定なものでは、専門職をきっちり置くことができませんので、やはりそこのところは以前のような、ちゃんと委託事業等をきちんと立ち上げて、そこで堅実にそういう人たちを雇用しながら、そういう底支えのセンターをつくっていくということが必要なのだろうというふうには提案をしているところです。
 ちょっとこれらに関してのところを説明させていただきました。

○町野座長
 ありがとうございました。
 今の段階で、事務局の方で何かコメントございますでしょうか。いろいろと非常に大きな問題に移ってきました。

○本後課長補佐
 先ほど千葉構成員からお話のあったショートステイの利用なのですけれども、制度的に言いますと、障害者自立支援法の中では、短期入所を利用する場合には障害程度区分の認定を含めて、市町村から支給決定を受けておく必要があります。ですので、利用する際に、やはり入院と一番大きい手続の違いは、支給決定を受けなければその短期入所は基本的には利用できないというところが、一般の、広田構成員の言うような休息の入院とは少し制度としては違う。利用者としては、緊急に必要なときに使えるかというと、そこには少しハードルがある面は確かにあるということになっております。

○町野座長
 ありがとうございました。

○広田構成員
 家族に質問なのですけれどもいいですか。

○町野座長
 大分時間が押しておりますが、簡単に。

○広田構成員
 家族に質問です。御意見、先にどうぞ。

○堀江構成員
 私は自分の子どもが発症してから、勿論何度も自分のせいかなというようなことで非常に悩むことがあります。それは一つ置いておいて。それと、地域の中でのサービスというのが余りにも役に立たないというもよくわかる。これがありました。
 それから、こういう検討会等に出させていただいて、最初のうち、この1年以上ですか、どっちみち変わらないと、皆さん前提をそういうふうにお持ちになっていて、変わらないよ、今まで何も変わってこなかったのだからと、これが前提で、だから、お話を聞いていても、みんな実は心の中で変わった経験を持っていない。それがあっていろいろな御批判をされているので、これは議論がどうやっていってもぐるぐる悪循環だというふうに今まで思ってきました。
 やっと変わり始めたという感じを何となく感じていまして、それはやはり閣議決定であの3つの項目について、それぞれがこれだけ検討されてきて、何となく着地点が見え始めているということがすごく大きいのだろうと思うのですが、そのときに多分、こういうふうに腑分けしないといけないのではないかという気がし始めたのは、精神保健法の改正でやらなければならないのは、40人に1人と言うんですか、精神疾患で精神関係の医療機関にかかっている方たち、この方たちに対する対策というのは、福祉との連携だとか、そういう問題をひっくるめてどういうふうにしていくのかというのは整理をしなければならないだろうと思いますが、問題は、今、千葉さんなども言われているけれども、専門家の方たちはそこから先、全部また縦割りで、精神とほかの障害とは違うとか、知的障害の方の親の方は別の会議でやはり違うと、いかに自分たちは大変かということをおっしゃるわけで、そうやっていったら切りがないぐらいで、これを税金でやっていったならば、税金のことを余りとやかく言うあれではないかもしれないですが、無限にあっても、消費税全部100%にしたって無理ではないかというぐらいに、実は重要なことについて議論がされずにニーズだけがほとばしる、そういう状況に僕はなっていると思います。
 僕は自助努力という言葉は国家が言うべき言葉では絶対ないと思っていますから自助のことは言いませんが、地域が守る、互助とか共助ということは本気で考えなければいけない問題になってきている。公助というのはそういう意味でもう少し大きな枠組みをちゃんと押さえなさいということになるわけですけれども、互助・共助についてもうちょっと本気になって考えなければいけない時期に、これは来ていると思っています。
 例えば、世田谷などで市民が一生懸命になって、市民による心の健康のベースづくりみたいなことを始めるわけですけれども、そこでもやはり、行政の職員たちは新規参入に対して非常に警戒的になりまして、それは理想だよとか、夢だよとか、今がたがたやっています。私はいいことだと思うのですが、そういうふうにやりながらどの辺に着地するのかということを考えるべきで、言ってみれば、精神保健法の改正というのは、40人に1人今いる、300万人ぐらいですか、医療を本当に必要としているその人たちと福祉との関係や何かについて整理をするという意味で極めて重要だが、もう一つベースに国民そのもの、国民生活、地域生活そのものに対する互助・共助についての検討というのは、私はとても必要なことだと思っています。それと両方でなければだめ。
 だから、私などは誰かさんにいろいろと言われていますが、心の健康政策、いわば心の健康を守るための環境整備というのはどうしても必要になってきている。そのことが1つの基本法として成立していくのと両輪でもって進めていかないと、これは国民合意にならないと思っていますので、家族に対する御批判はまたどうぞお好きなように。

○広田構成員
 長くなったから後にします。

○町野座長
 ありがとうございます。

○千葉構成員
 今のに私のところが出てきてしまったので簡単に。
 確かに財源の話をしていくと、本当に幾らあったら足りるのだみたいな、消費税100%の話も出てまいりました。ほかの知的障害者協会等ともよく意見交換をするのですが、ベースとしては一緒です。2階建ての部分がおのおのの障害特性を生かしたものを乗せていくべきなのだろうと。全部を完全に縦割りにしていけという論ではないと思います。
 障害全体として必要なベースは一緒な部分だろうと思うので、それはそういう制度としていいのだと思うのですけれども、やはりその中でも少しずつ三障害違うものがあるわけで、そこの部分というのは2階建て部分としてちゃんと乗せていただかないとマッチしないということ。
 それから、ちょうどお金の話になってしまったのであれなのですが、旧法における精神障害者の生活訓練施設というのは、全国に300弱、270ほどあったものなのです。大体4,000万ちょっとぐらいの委託事業費ということでやっていたので、あらあらの計算になりますけれどもざっと100億ぐらい年間使われていたのではないかと思うのですが、これがこういう自立支援法の新法に移行することで、精神保健福祉法としての予算としてはなくなったと解釈をしているのですけれども、その分は以前も出していたのだから、そこの部分以上に寄こせという話をしているわけではなくて、そこの部分ぐらいは基本的にやはり確保していくべきだったのではないかと思っているということなのです。ちょっと補足です。

○町野座長
 済みません、では一言ずつ。
 まず、白石構成員、次、野村構成員、よろしくお願いします。

○白石構成員
 ベースということがとても大事で、短期の入所に関して、今ほかの障害の方でもレスパイト的な、例えば、お墓参りに1か月先に行く予定が決まっているのでショートステイを利用するとか、御家族が急に病気になったので一時保護を要するとか、そういうような形で利用されていることが多く、それに将来グループホームに在宅からではあるけれども、親御さんたちの高齢化を見越してグループホームの体験入所のようなことを考えるようになってきたという状況ではないかと思うのです。
 全体としてショートステイの利用はまだまだ多くない。そういうことを進める中で、少し状況の悪い方がショートステイを利用するということをやる中で、やはり精神の場合になかなかほかの障害の利用者の方と違うということが出てきたら、そのときに考えていくということが望ましいのではないかと思います。

○町野座長
 では。

○野村構成員
 当事者の方が抱えている問題を解決するために支援者が動くわけですけれども、人材育成ということが非常に重要な問題でありまして、いかに宿泊面とかいろいろそろえても、今の広田さんのお話を聞いていて本当に思いますけれども、当事者から信頼されないソーシャルワーク、ケースワークをやっても、当事者の方は本当に助からないと思うのです。同じことの繰り返しがずっと続いていく。それで、当事者に対してどのようにして信頼関係をつくっていくかということで、人材育成を考え直さなければいけないと私は思います。
 多くの支援者の方たちが当事者から見ると非常に信頼できないという状況は、私は現実にあると思います。家族会で相談事業をやっていて本当にそう感じます。それから、家族会で調査をやって、本当に信頼できる支援者に出会えたかという設問に関しては、出会えたという方は非常に少ないです。3年もして出会えたとか、信頼できる支援者にいまだに出会えていない。ですからこれは深刻な問題でして、簡単にできることではないと思います。
 では、どのような人材の育成の仕方をするかというと、やはり当事者への尊敬の念を当然持つべきである。これは非常に言われてはいるけれども、なかなか持てないでいるのではないか。それから、ケースワークの行い方があくまでも当事者中心である。福祉とか医療の都合でもっていろいろ当事者の方が振り回されない、そのようなことが必要だと思います。そして、短期宿泊を利用する場合だって、信頼できる支援者の方がきちんとした道筋をつけて、短期利用をしてみたらその方が本当に問題解決をされて前に一歩進めていけたということが必要であろう。
それから、傾聴といいますか、カウンセリングといいますか、御本人の気持ちをしっかり聞き取る技量を本当にPSWの方たちは持っているのだろうか、あるいは看護師さんたち、お医者様たちは持っているのだろうかということは、私は常に疑問に思っております。御本人が何を望んでいるのか、何を困っているのか、何を求めているのかをきっちりと浮かび上がらせて、御本人を主体にして支えていく在り方をもう一度研修し直さなければいけないのではないか。
そしてそういった聞き取る能力を基にして、家族関係の調整とかをやりまして、御本人が成長することをやはり支えていかなければいけない。家族と自分と、やはり他人として分けて、自分の問題は自分の問題、家族は家族の問題で家族のことは許すぐらいの気持ちにだんだんなっていくということが、私の知っている範囲では可能です。精神の障害の方もそういった心の中を整理して、家族関係を御自分できちんと洞察して、自分は自分、家族は家族として分けて考えていって、自分の自立を進めていくことは可能なのでありまして、そのような能力をすべてのPSW、あるいは看護師さんが持ってほしい。お医者様もです。ですから、それにはどうしたらいいか。
 そうすると、育成のための研修に必ず当事者の御意見を入れるということが私は絶対必要条件だと思います。支援者の研修の場に講師として、あるいはアドバイザーとして、あるいはスーパーバイザーとして、必ず当事者の方を入れて、当事者の方の御意見を伺いながら支援者を養成していって、技術を高めていくということはなくてはならないと私は思います。場合によっては、先ほど批判されましたが、家族もそこに加わる必要があるかもしれません。
 以上、意見として述べます。

○町野座長
 ありがとうございました。
 非常に問題が大きくなりまして、障害者の支援について基本的な枠組みの問題、特に精神障害者について、精神保健福祉法の体系と言いますか、その体制と新体制との関係、非常に大きな問題なのですが、そういうところで議論を簡単にまとめ過ぎるという御批判はあるかもしれませんけれども、一応次のようなところになるのかと思います。
 アウトリーチとか、そういう短期宿泊支援などは必要であろうということは言える。ただしこのときでも、御本人の意思を尊重しながら、中心としてこれを行っていくという配慮が絶対に必要である。
 その上で、具体的に宿泊だとかそういうことについて考えてみると、短期間の自発的入院で対応するというのが一番現実的、現在で考えられるところかもしれない。ただ、これをやったときについて、現在の法の任意入院のシステムの中でこれをやるのがいいのか。というのは、任意入院の場合は入院してから、ある場合に病状が悪化したようなときについては、ホールディングパワーを行使して別の方に、医療保護入院に結び付けるということができるような体制になっておりますし、内部で身体の拘束とか、自由の拘束ができるという体制に任意入院の場合でもなっています。このままでいいのかという話はあります。
 ただ、そういうことを考えると、別のものをつくった方がいいのか。これはやはり法律を変えなければいけないということになってくるのかと思います。
 他方では、そうかと言って、御紹介にありました短期入所を伴う場合の宿泊の問題、自立支援法の体系に乗せてやるということになると、これはまた現実問題としてなかなか手続が難しかったり、どれだけの整備がこれから必要になってくるかといういろいろな議論がある。
 同時に、これによって医療との関係がうまく連携が取れるかという疑問もあります。そういうことから考えると、ここらのことを考えながらやっていかなければいけないということで、恐らくこの2つの考え方、それぞれまだこれから議論する必要はあるのかなという感じはいたしますけれども、現在のところはこれまでにしていただきまして、ちょっと先の方に進めさせていただきたいと思います。

○河崎構成員
 座長、1点だけ。
 今の座長のまとめの中に、今日の議論の中にあった休息入院であったり、あるいは自ら少し休みたいというような入院を、いわゆる現状の任意入院とは違うような形で何か考えなければいけないかというような御提言があったとお聞きしますが、そのあたりの問題にまで、このワーキンググループの中である程度の方向性を出していかれるおつもりなのかどうか。
 というのは、もう次回で一応ワーキングとしては終了するわけで、それは、上の検討チームの方でどういう議論が出てくるかわかりませんし、そのあたりは座長のお考えとしてはいかがなものなのか、申し訳ございませんが、ちょっとそこのところは少しお聞きしておきたいなと思います。

○町野座長
 いずれにせよ、この会議体で決めるといいますか、方向性を出すということはかなり難しいのではないかと思います。
 しかし、やはり考える以上はかなり基本的なことを、今日のお話に出ましたとおり、人材育成の問題から始まってかなり基本を考えておかないといけない。ある場合には法の体系そのものも考えざるを得ないということはやはり念頭に置かなければいけないのではないかという趣旨で申し上げたことです。

○広田構成員
 アウトリーチのところをまた力説なさっていましたけれど、家族のためのアウトリーチというサービスがあればいいと思います。本人のためと呼んで、家族がしゃべりまくっているケースはいっぱいありますから。家族のためのアウトリーチ、それならすっきりする。親がすっきりしたところで本人もよくなるというケースがいっぱいある。

○町野座長
 ありがとうございました。
 今日出た話、皆さんがおっしゃったことで、とにかく御本人だけではなくて、家族とか地域が全体的にやらなければいけない問題だということでございます。

○広田構成員
 地域全体ではなくて、家族が変われば本人が変わる。家の中の話です。地域は、こころの構想会議などを持ち出すまでもなく、日本国全体がやさしくならなければいけない話です。それはもう大きな問題です。自助・共助・公助というのは。

○町野座長
 では、次に4番目のテーマ、つまり入院手続の契機に関する論点というところに入りたいと思います。
 最初の問題というのは34条移送の際の保護者の同意の必要性についての問題、2番目が移送の前の事前調査の問題でございます。それを明確化しなければいけない。それと当時に、この移送手続に関係して、地域支援関係者の関わりについての問題です。
 このテーマは、前回事務局から説明のあったとおりですが、事前調査を明確化したり、地域支援関係者が関わるということで、調査の窓口は広げながら、しかしできる限り移送に至ることなく地域で生活する方法をやはり考えなければいけない、そういうことが主眼でございます。
 前回説明をいただいておりますが、改めて簡単に説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐
 それでは、スライドの8ページ、9ページを御覧いただければと思います。
 34条移送の手続ということになりますけれども、3つ目の○の「具体的には」というところからですけれども、「(マル1)34条移送の際の保護者の同意を外すべきではないか」「(マル2)家族などから相談のあった精神障害者については事前調査を経ることを明確にし、『直ちに』とする要件は撤廃するべきではないか」、これは具体的には下の9ページを御覧いただければと思いますけれども、今の34条移送の手続、点線の中に「条件」と書いてございますけれども、「直ちに入院させなければ医療及び保護を図る上で著しく支障がある」、これが法律上の要件になってございます。
 ただ、通知の中で「家族等が説得の努力を尽くしても本人の理解が得られない場合に限り緊急避難的に行うものであるため、事前調査を十分に行うこと」、この事前調査というのは、今は法律には規定はございません。この通知で34条移送を行うときには事前調査を行うということが条件になっております。
 したがって、法令上は「直ちに入院させなければ」と書いてありながら、事前調査に数週間あるいは数か月かかるようなケースもございますので、法律上の規定と実際の運用が形式的にはどういう整理ができるのかというところが、やや不明確になっているところ。そういったところを、直ちにという要件を撤廃し事前調査を明確にする、緊急避難的に行うので事前調査をきっちりとするということを法令上も含めて明確にしてはどうかという意味を込めた論点でございます。
 上の(マル3)ですけれども、その際に地域支援関係者を加えた事前調査を十分に行う。地域支援関係者が本人の地域生活継続の可能性を検討するとともに、精神保健指定医が医療の必要性を判断するという中で、「医療を受けさせる必要があるが、移送手段を使わなければ医療につながらない」として両者の意見が一致した場合に移送を発動することにしてはどうかということ。医療保護入院の実際の入院と違いまして、この34条移送の場合はまだ御本人は自宅にいるという状態ですので、その状態の中で移送をしてまで入院をさせる必要があるのかどうかということに関しては、具体的には地域支援関係者がその自宅にいるという状態で、地域生活を継続できるかということをしっかりと検討していただいた上で、それでもやはり入院してもらう必要があると判断した場合に移送を発動するという手続にしてはどうかという趣旨でございます。
 それで、事前調査を保健所がより積極的に行うような仕組みを設けるべきではないかというのが4番目の論点でございます。
 前回、千葉構成員から下の9ページの問題点の(マル2)「移送のための資源が少ない」ということに関しまして、移送先が応急入院の指定病院に限定されているが、数が少なく病床が空いていない場合もある、調整が簡単ではないという、ここに関して御指摘をいただきました。
 応急入院の指定病院は、基本的にその日に一床ベッドを空けておかなければいけないというのが要件になってございますので、それとの関係で、こういったことは生じないのではないかという御指摘でありましたけれども、この問題点自体は、笹井構成員の前にこの作業チームの構成員になっていただいていた保健所長さんの御意見の中で出てきたことでありまして、具体的にその保健所長さんの県では、大きな県の中で4つしか応急指定病院がない。その状態の中で、一床確保してはいてもたまたまその日に先に入院が入ってしまったようなケースは、やはりどうしても応急指定病院の数が少ないという現状の中で確保が難しいというケースを、これは実際このまま作業チームの中で発言されている内容でもありましたので、そういったことを踏まえて御発言をされたのではないかと考えられます。
 実際に応急指定病院は、全国で今440余りでございます。県によっては、1か所とか、5か所以下といったところもございますので数が少ない、なかなか調整が難しいというのは、実際そういった点もあるのではないかと考えられます。
 説明については以上でございます。

○町野座長
 ありがとうございました。
 それでは、時間も限られておりますので、どうぞ。
 河崎構成員、どうぞ。

○河崎構成員
 この34条の移送を今後どう考えていくのかという論点だろうと思いますが、今までのこの作業チームの中で、いろいろな場面で地域支援関係者という方たちに役割を果たしていただこうということが出ていたと思いますけれども、まさしく、こういうような移送をどういうふうに判定していくのかというような部分に関してこそ、地域支援関係者がしっかりとそこで役割を果たしていくべきだと。特に、院外の地域支援関係者の方たちは、こういうところでしっかりと活躍をしていっていただきたいと思います。
 それにプラスして、保健所だろうと思います。保健所が、やはりこれまで以上に地域精神保健の中心的な役割を果たしていくということを進めていくのであれば、保健所の役割としても、この34条移送にしっかりとコミットをしていっていただく、中心的な役割を果たしていっていただくという意味で、今回のこの事務局からの提案に私は大賛成でございます。是非進めていっていただきたいと思います。

○町野座長
 笹井構成員、よろしくお願いします。

○笹井構成員
 保健所の話が出ましたので、少し状況をお話しいたします。
 実は、昨年全国の保健所の地域精神保健活動に関する実態について、調査がありまして、まずそこからお話をしたいと思います。現在、全国には約500保健所がございます。そのうち93%の保健所の管内に精神科の医療機関があります。ですからほとんど保健所はいずれかの精神科病院と関係があるということです。それから、約8割の保健所に専従の、これは保健師さんだったり、あるいはPSWの人であったり、そういう専従の精神保健福祉担当の職員が配置をされています。
 以前にもお話ししたように、治療中断とか、引きこもりとか、未治療とか、そういう状態で御家族なり近隣の人、あるいは場合によっては警察からいろいろな相談があるのですけれども、去年10月1か月間で、1保健所当たりそういう相談が平均で9.8件、都道府県の保健所、ですから割と地方の方の保健所で7.7、それから都市部、指定都市の保健所で20.5。1か月で約10件ぐらいそういう相談があるという実態でございます。
 それから、退院促進事業、精神障害者の地域移行の支援についてですが、約4分の3の保健所がそういう活動に関与しておりまして、1保健所当たり、対象者は5.3人、それから、実際退院して地域で生活することができた方は平均1.5人、こういう実績になっています。
 したがいまして、こういう実態から見ると、我々としても34条移送だけというよりも、こういう地域での精神保健福祉活動、それから精神障害者の退院促進の地域生活支援という課題については、保健所がやはりこれまで以上に積極的に関与していかなければならないというのが基本的な考え方です。
 具体的には、いろいろな経験をお聞きするのですけれども、いろいろな関係者、福祉の方も含めて、医療の関係の方、それから市町村等行政の関係者、いろいろな立場の方がやはり共通のビジョン、目標を持って、まず進めなければならない。そういうお互い協力し合える関係をつくる場、土俵と言いますか、それをどこかにつくることが重要だと思っています。
 そういう意味では、保健所が協議組織、ネットワークづくりのための働きかけを行って、それを実際つくっていくということが現実に今ほとんどやっていますし、そういうことを評価していくということが大事だと思います。
 具体には、それを本当にやるためには、保健所及び市町村における精神保健福祉活動の業務の指針というのが、もう以前よりつくられて、それをベースに我々仕事をしているのですけれども、今回議論している地域生活支援というところに焦点を当てて新たな指針をつくった上で、それを全国の都道府県、市町村にしっかりとそれをやっていくのだということを働きかけていく、これがその地域格差を減らしたり、都市部であろうと、地方の方であろうと、地域の状況に関わりなくここまではやるのだということをはっきりと示して、それを各自治体に実行してもらうという姿勢が本当に必要だと思います。
 それから、34条関係ですけれども、直ちにという要件がなくなると、今までは、緊急性が非常に高い方で、なかなか移送できない、だけれども、いろいろな詳しい事前調査が必要ということで、今、御説明あったように非常に矛盾していたのですけれども、そこは整理をしていただければ、退院後の生活が可能かどうかということと、指定医の医療の必要性の判断、これらをきちんと評価した上で、どうしても医療が必要な場合に家族が移送できないという場合には、この34条を活用するということも想定できるかと思います。
 長くなって恐縮ですけれども、やはり問題点としてはこの資料にある(マル2)、ここが少し解決できないと現実には動かないと思っています。
 最後ですけれども、我々、非常に家族から相談を受けて困るのは、病院の方は本人を連れてきてもらったらきちんと診察をして対応しますというスタンスが非常にまだまだ強くて、本人なり家族の方は、行けないからむしろ往診をしてほしいというような要望の方が強いのです。そうすると、医療サイドの考え方と本人・御家族の考え方が非常にうまくいかなくて、結局、医療にかかれないという状態が続いてしまって悪化するというのをよく経験をしています。
 したがって、これはアウトリーチとかいろいろな方法が始まっていますけれども、家族なり御本人の要望、求めがあれば、できるだけ医療機関から往診をしてもらって、それで指定医が判断して、家族と相談してどういう治療をしていくのか、判断していただきたい。そういうケースが非常に困っているということを申し上げたいと思います。
 長くなりましたが以上でございます。

○町野座長
 ありがとうございました。
 先ほど話が出ました地域支援者の関係について、岩上構成員、上原構成員、何か御意見はございますでしょうか。

○上原構成員
 上原です。
 地域支援関係者のところでは、「○具体的には」のところから下について具体的に話をしたいのですが、ここに出てきているキーワードとして、指定医と地域支援関係者と保健所、保護者、本人という5者の名前が出てきているのですが、指定医についてはもう具体的に決まっていますけれども、あと保護者、本人についてはある程度決まっている。ただ、保健所が出てきた場合に保健所の誰なのかということと、地域支援関係者は一体誰なのかということがまだはっきりしてないわけです。ここを明確にしていく必要があるだろうと思っています。
 中でも、我々福祉サイドから言わせていただけるというか、ヒアリングの場でも、幾つかの団体が言っていましたが、1つは、精神保健福祉士の資格を有する者がそれを担うのがいいのではないかということと、あとは、そういう人たちがいるところは相談支援事業所になりますので、そういうところに所属している精神保健福祉士である方がいいだろうと思っています。
 ただ、先ほど来、出ていますように、その者が資格を持っているから全てできるということではなくて、ある一定の条件を満たすというようなものをつけるということが必要であると考えていますが、それはどうするのかというのは、また次の議論になるかと思います。
 とりあえず、以上です。

○町野座長
 どうぞ。

○岩上構成員
 地域支援関係者として、私たち相談支援事業所等が関わるということについては、関わらせていただきたいとは思っています。
 そこでやらせていただく仕事というのは、あくまで御本人の権利擁護だと思うのです。精神科医は入院が必要かどうか、意見が言えると思うのです。医療の必要性については意見が言える。しかし地域関係者は医療が必要かどうかという判断までは、私はできないと思います。
 だとすると、現状で私どもがどういうサポートができるのか。御本人がどういうことを望まれているのか、そういうことの関わり、私たちの仕事というのは関わり、関係性をつくっていくというのが仕事なので、そういう意味で是非関わらせていただいて、意見は述べさせていただく。
 医師の意見と私どもの意見を踏まえて、これは同意するとか意見が一致するとかではなく、決定するのは都道府県だと思うのです。都道府県の仕事として、それを踏まえて決定していただくと。その方がより役割が明確になるので、私たちはあくまで御本人支援として入らせていただいて、たとえ移送になって入院になった後も、引き続き医療機関と関係を持ちながら地域生活に向けた支援ができる、そういう役割をとるということと、もう一つは、ここで足りないのはやはり御本人が、そういう移送とか使いたくないと言ったときの味方になる人が今、出てきていないのです。ですから、そういう役割を地域関係者に担わせていただくのがよろしいのではないかと思います。
 以上です。

○町野座長
 ありがとうございました。
 ほか御意見。
 では、広田構成員どうぞ。

○広田構成員
 この34条というのは、警備業者が患者を連れてって何十万円と、今も保健所がそれを宣伝しています。笹井構成員に申し上げにくいけれど、保健所はしっかりしてほしい。横浜市などは、5時15分になりますと、私が保健所にいても電話をかけると「本日の業務は終わっています」というテープですし、5時になると『蛍の光』です。私は「夜10時まで区役所を開けてほしい」と横浜市の委員会で発言していますが、「組合との関係でできない」と市議選時、候補者みんな言っていました。
 それと、本当に私は切ない気がします。これは本来精神科救急のソフトがきちんと整っていれば、患者が嫌がらないケースもある。他の病気と同じように救急車が来てくれれば、そうすれば患者も行きやすい。でも行き先がないから。横浜市は統合失調症含めて年間4,000人、救急車が搬送しています。10日間寝ていなかった患者を説得して病院へ連れていってくれた場合もある。私が病院を訪問したときに御本人とお母さんから聞いた話です。
 それから、やさしいヨシダママが言うように、「絶対に入院はいや」というトラウマを本人だけでなく家族も残している。家族関係を不幸にしている。きちんと精神科医療を安心してかかれるようにする。カナダカナダと言うけれど、カナダのバンクーバーポリスは、「泥棒に持っていかれた」、「そうかい」で終わりでした。だからカナダはカナダ、日本は日本だと私は思います。
 精神科救急を24時間安心して利用できる医療にして。もう11年間言っています、ここで、厚労省の場で。全国津々浦々、救急車で行けるようになれば、34条を発動しないでいいということです。笹井委員。そういうことですね。厚生労働省がどこを逆立ちするといったら精神科救急。そこを逆立ちしなければいけない。
岩上さんの、「やらせていただきたい」というのを聞いていると、うちに来る証券会社が、「国債買っていただきたい。県民債買っていただきたい、市民債買っていただきたい」、そこで東日本復興債、1口1万円を買おうとしたら、「口座を開設できない」と、「欠格条項」という話をしたぐらいです。本当に岩上君はセールスマンとして大変ですねということで、敬意を表したい。私、営業の仕事をやっていました。
 スウェーデンのエレクトロラックスという大企業に勤めていましたけれど、「製品がいいから押し売りをしないで下さい」と言われていました、支店長に。「くれぐれも言葉遣いに気をつけて下さい。」ここに来ていると製品が悪いけど、みんな押し売りみたいになっていて、あのときの支店長が聞いたら、「広田さん、おかしな業界ですね」って改めて言うと思うのです。
 それで、私は地域従事者が34条に出てくるのは、大反対です。法律に基づく仕事は、公的機関がやるべきです。これは時間をかけて。いわゆる市民の23条通報、そこに行く前より、さらに保健所がきっちり丁寧に、事前調査ができる。そこに協力のような形でいいと思います。それは何もPSWだけではなくて、私のような地域の世話好きの、近所の子どもたちが言う、「広田さん、広田さん、遊びに来たのに、いたの、何で閉めてたの」という人から、危機介入相談員もラーメン屋さんでも、そういうふうな人を含めれば、厚生労働省のこの資料としての地域支援関係者でいいのです。でも、上原構成員の言うようにPSWとするなら、従事者という言葉です、「福祉従事者」になります。上原構成員の話は。
 でも私は、いろいろな人の話を聞いて、それだけの調整能力が今の日本人にはない人が多い。もう何しろ、いろいろなところが関われば関わるほどややこしくなって、私一人が関わってみんな働きにいっているのに、いわゆる触法精神障害者の相談員も今は何とかなっているのが、地域支援者と名乗っている人たちが関われば関わるほど、ややこしくなっていますので。
 例えば、横浜市の区々の障害者支援担当という言い方をしていますが、そこが社会資源に紹介しています。仕事が来たわけです。「ください」、「ください」といったら。喜んで職員が電話をした。「寂しい」と言った、男性一人暮らし。職員が尋ねた。本人うれしかった、寂しいところ来てくれて。親に会いたくなった。親に電話した。出ない。親に会いたいから万引した。警察に「呼んでください。」親は出てこない。やがて他の犯罪で20日間留置所にいて、私は4回面会に行った。彼は南警察署の署員と、広田和子によって更生したのです。
 それは、病状とか、起こしたことに対することより、信頼関係が上回ったということです。多くの仲間が、全国的に、「広田和子さん、ソーシャルワーカーと言うけれど、社会を知らない」と言っていますが。私、今年神奈川で3つ、6月15、16には、新しい会の「日精連」大会が開催されます。7月に、「あみ」の大会です。10月は「精神障害者リハビリテーション学会」、内容を見せていただいたけれど、新しい時代の今起きている障害をとりあげない。いわゆる旧来依然としたことを大々的にやる。そういうようなところに、大学教授とかコミットしている。
 そういうのを見ると、「ああ、これはPSWが悪いのではない、PSWに教えている教授たちが古い」と。遅れていますから。
 それから、先ほど研修の話が出ましたけれど、私、タクシーの運転手さんとよく話をしています。刺場に並んでいるところで、「あなたたち口が軽いから、居酒屋タクシーになって客がなくなったのよ」と言ったら、「そのとおりですね」というやりかたがあったりします。
 たまには、ベテランタクシーの運転手を呼んでくるとか、町交番のお巡りさん。ここで問われているのは判断能力、危機回避能力だからです。これが今の日本人に全く欠落している。
 それと、「22歳で大学を出た人に何で社会がわかるか」という声を聞いていて、この国の行く末を考えたときに、シルバー人材がPSWになってみるとか。

○町野座長
 恐縮です。少し短くお願いします。

○広田構成員
 PSWになるところの年齢を上げて、社会を体験した人がやらない限り、関わったらよけいごちゃごちゃになってしまうということで、現状の中では、私は反対です。精神医療サバイバーとしても、地域の危機介入相談員としてもお巡りさんから依頼されて、警察官通報の御本人にお会いすることもある、大反対です。現状では無理だから。ややこしくするだけです。法に基づく入院は保健所が頑張るべきです。

○町野座長
 岩上構成員が言われた理由というのは、別に入れる方向でやるという話ではなくて。

○岩上構成員
 私も、広田さんの言うように保健所が頑張るのでいいと思います。私も保健所時代もありましたので、先ほどは生活訓練施設の話をしましたけれども、保健所時代もあったので、そのときにやはりきちんと関わっておくことで、それが強制的な入院になっても、その後の関係性というのは維持できるのです。ですから保健所の仕事だとすると、保健所のパワーがやはり落ちていますので、そこはきちんとした手だてを打たないと、じゃあ保健所頑張ってくれと言っても実際問題できないので、そこは考えなければいけないと思います。
 私が言っているのは、やらせてくださいということではなくて、そういう必要性として、権利擁護の視点で関わる者が必要ではないだろうかということで受け止めていただければありがたいなと思います。

○町野座長 
 では、順番で白石構成員からよろしくお願いします。

○白石構成員
 私も養成校でPSWを養成しているのですが、それは置いておいて、今、移送のことについてなので、それについて意見を述べさせていただきます。
 移送の制度そのものは、いわゆるセーフティーネットということで、最後によるべき手段として今後も存続するのがいいのではないかと考えます。ここに書いてありますように、保護者がいなくなれば保護者の同意という要件は外れるということで、その後、現在の移送の直ちにというようなことを省いて、地域精神保健福祉活動の一環として支援をして、その必要性から入院に至るという流れをきちんと整理ができるといいと思います。
 ほかの構成員の方が言われたことを繰り返すようになるかもしれませんけれども、まず、基点となるのは23条で私はいいと思います。反対の方もいらっしゃると思いますけれども、救急が、ソフト救急などが不十分だということとは別に、結局ソフト救急でも入院する場合には家族の人が連れてきたりとか、いろいろなバリエーションがあるので、何か一つに限るということではなく、今、現にやられているものについては排除するのではなくて、どうしようもなく他の手段がない場合に23条を利用するということがあっていいと思います。
 ただ、法律を見ると、今23条というのは余り使われていませんで、それは措置入院の入り口として使うということになっているからではないかと思います。ここを措置入院ではなく、文言を読むと精神障害と思われる人に気が付いた場合には、誰でも申請ができると書いてあるので、それを素直に読んで、その申請を受けた保健所が、その後、今は地域にも人はいますけれども、市町村に精神保健相談をしたり、保健師さんやPSWがいるところもあるので、そことの連携を取りながら対応していくということにするのが現実的ではないかと思います。
 現実にどこまでできるかというのはわかりませんが、とにかく、地域の精神保健福祉の活動の一環として、チームで関われる人、場合によっては医療機関も含めて、そういうチームを構成する。これは、先ほど笹井構成員がおっしゃっていたようなことで、チームを構成して、入院の要件はここにありますように、地域生活の継続の可能性ということだと思います。
 具体的には、地域生活に現に支障が生じている。応急入院の場合だと、あるいは今までの移送の場合だと、直ちに入院ということだったのですけれども、それに加えて、このままでは改善が認められない、悪化が予想されるという要件が加わってきて、ほかに方法がない、その3つがある場合に、広い意味での34条的な入院が考慮されるべきである。その後については、私は岩上構成員がおっしゃったように、地域生活の継続について一生懸命支える側の努力があり、それがうまくいかないようなときに、決めるという立場の人がいて、そこで入院が必要ではないかとなった場合に、指定医等の審査が入っていくというような仕組みにしていくといいのではないかと思います。
 以上です。

○町野座長
 では、千葉構成員。

○千葉構成員
 同じく34条の件になりますけれども、先ほど笹井構成員から、病院の往診がなくなってもっとそういうところが活用されれば、もっと活発にしていただければとか、あるいはソフト救急の部分でというお話もあったのですけれども、初診なのか、それまで関係性のある再診で診ている患者さんなのかということは、非常に大きい違いなのだと思うのです。全く今まで面識もない、依頼があったから往診で出かけますというようなことはなかなか病院としては難しい問題だろうと。
その後のところもありますけれども、その34条の移送についても、いろいろと調査をした結果、指定医が診察に行く。法律関係の構成員の方々にも御意見をお伺いしたいと思うのは、ここでの診察というのは、強制措置としての診察を受けさせるということになるわけですよね。ですから、その場合の手続論というのは、今の34条でも余りはっきりしていないように思うのですけれども、本来はどこかに、それは法的モデルになるのかどうなのか、裁判所なり何なりにそういったような令状でもないですけれども、診察を強制的にしていいというようなものでもなければ、踏み込んでいいのかどうかということと、そうでなければ、感染症の予防法のように、やはりある程度そういう公共の利益のためにといったような形になるのか、そのあたりがはっきりしないと、なかなか強制的にそこへ診察に行くということそのものの行為がどう支えられると言いますか、明確化させるのか、位置づけがちゃんとできるのかということにもなるのだと思います。そのあたりについて、ちょっと疑問だと今、思っております。

○町野座長
 では、お先にどうぞ。

○笹井構成員
 初診の患者というよりも、受診歴のある患者さんで中断したとか、そういう患者さんについては、もし要請があれば往診とか、そういうので対応していただければ非常にありがたいです。

○町野座長
 今の診察の件について、何か法律の人の意見を求められましたが、磯部構成員、何かありますか。済みません、急に出てきた話で。恐らくこれは、強制はできないという理解だろうと思います。措置入院のときは、若干強制と言いますか、受けなければいけないようなのがありますが、こちらではそれはないという話だと思います。
 同様に白石構成員から先ほど措置入院のときの通報と結び付けてはどうかという御意見がありましたけれども、かなり現行法の体系は違っておりまして、措置通報のときは、例えば、一般人がやるときに書面によってやらなければいけないし、それに虚偽の記載をすることでまた処罰されるという非常に厳しいものです。ちょっと難しいかなという感じはいたします。

○千葉構成員
 ですから、あくまでも本人が診察を受けることを拒絶した場合には、これは34条を発動させることができないというふうに考えればいいということになります。私ら実際にやっていると、23条、34条等は、非常に狭い範囲内での適用だと考えていて、往診でありますとか、ソフト救急であるとか、アウトリーチであるとか、そういったようなことの中で大体対応していって、そこで対応し切れないものに対して行っていく。その対応し切れないというのは、基本的に御本人の了解が得られない、もしくは拒絶にあうということだと思うのです。
 でありながら、なおかつ29条のように、自傷他害のおそれ、言い方はいいのかどうかあれですが、そういうものがなく、本人の不利益になるだろうという考え方の下で動くというものだと考えていますが、それでもやはり本人がノーと言えば、これはだめだと考えていいのだろうか。
 あるいはそこまでもう少し入るべき方法を考えてもらうべきなのか、その辺だと思うのです。

○町野座長
 今の点は法律家の意見を求められておりますけれども、難しいと言いますか、一つ事例としては、非常に小さいと言いますか、孤立した判決が1つありまして、それはこの応急入院の手続きができる前の事件なのですけれども、現在の応急入院ができても、恐らくこの考え方というのは議論の余地がある。具体的には強制的に病院に連れてったことについて違法としたものなのですが、傍論的に言っているのは、お医者様がきちんとまず、指定医でなくてもいいから診察しなさいと。それから、連れて行くときについて妥当な方法でなければいけない。例えば注射を打って連れていってはいけない。そういうあれなのです。
 逆に言うと、この判決ですと、指定医の診察がなくても,今のような範囲ならできる可能性がありますと言っているものがありますけれども、これはとにかく1つの裁判例にすぎませんから、十分に法律家たちの議論が重ねられているわけではないということです。だから、現在のところは非常に不安定な状態にあるということでございます。

○白石構成員
 23条についての現状を町野座長からお話されまして、現実に保健所等では、23条というのは明らかに措置の要件がないと受け付けていないということはあるかと思います。
 ですから、それを変えていくという趣旨の発言で、移送というのは、措置の移送もあるわけですけれども、措置入院にならなかった場合、診察などをしているので、今度は医療保護入院に変えて、医療保護入院が必要だという判断を下して入院をするというような、そういうケースが今どのぐらいあるか私は数を存じませんけれども、現実にはあるわけです。
 つまり、措置入院になるか、医療保護入院になるかはその診察の結果であって、そこまで行く間の調査とかは、そんなに違うものではないと思うのです。ですから、23条を、現在はそうだ、その手続き的なものも含めて措置入院のための手続きとして成り立っていることはそのとおりといたしましても、今後新しい制度として、もう少し2つの制度を共通して手続きを踏まえる部分が、そういうような構成をすることは可能ではないかと。あるいはそういう試み、検討をしてみてもいいのではないかと、そういう趣旨の発言です。

○町野座長
 わかりました。
 今のも、先ほどの任意入院についてもう一つ何か制度をつくるかと同じように、もっと基本的な問題なのです。現在の措置入院の考え方と医療保護入院の考え方。これを2つの路線でいいのかという、基本的なことに関わりますので、勿論重要な問題だということは認識しておりますけれども、この場で恐らく決めることはなかなかできないだろうと。
 先ほどから手を挙げておりますが、関連ですか。

○河崎構成員
 関連です。

○町野座長
 では、関連で。

○河崎構成員
 ですので、今の議論は、入院をどういうふうに成立させるのかというよりも、もっと広い意味で、強制医療介入をどういうふうにして成立させていくのかというようなところになってくるだろうと思うのです。
 例えば、今のこの34条移送の話もそうですし、国が推進されているアウトリーチ推進事業にしましても、未受診者であったり、受療中断者であったりというような概念としては出していますけれども、そこで強制医療介入的なことは全く議論されていない。その辺をやはり整理せずにこのあたりのところを法律の中でどういうふうに運用していくのかというような話になっていくと、かなり無理を生じるところが出てくるかと思います。
 ですから、そういう議論を別の場できっちりとやっていくのか、あるいはそこのところは、先ほど白石構成員がおっしゃったような現状の精神保健福祉法の法体系の中の運用として、23条等をこういうケースに適用できるような形に変えていくのか、そのあたりの議論は極めて重要ですし、しっかりやっていかなければいけないところではないかとは思います。

○町野座長
 恐らくこの場でのこれまでの議論というのは、強制的な入院というのは、ある範囲で維持しなければいけないと。そして、ある場合は医療へのアクセスということで、少し使いやすいようなものにする必要がある。他方では、これがいわば乱用と言いますか、自由に使われることによって入院が増えるというような事態は避けなければいけないというような前提で進んでおりますから、今のことを踏まえながら、強制入院の体系というのを考えなければいけないという話に、この場ではできませんけれども、なるだろうということでございます。
 どなたが先に。
では、よろしく。

○堀江構成員
 いわゆる強制医療介入の場合に、例えば、DVなどで、違う国で、地下鉄の中づりにDVだったらここにいらっしゃいという相談が出る。そうすると、それで悩んでいる人はやはり行きます。今、話になっているのは、引きこもりとか、初診とか、自傷他害とか、DVとか、大体その辺ですよね。その辺に対してやはりそういった社会的な気付きの支援の体制というのをどうつくるかということを考えないと、手続き論で引っ張っていくというのは大変危険なことなので、その辺は是非、もう少し詰めてください。

○町野座長
 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員
 詰める話ではないのですけれど、救急車で行くソフト救急、全国的なニーズは、圧倒的にクリニック、診療所の患者です。初診とか、病院ではなくて。外国の事例がいっぱい出てきます。私も12回海外へ行っていますけれど、圧倒的に違うのは、質が違うということです。スウェーデンとか7割も税金を納める、昔テニスの貴公子ビヨン・ボルグが海外へ出て行ったというそういう国は別にして、圧倒的にただただ公的資金をあてにしているのではなくて、自分たちが寄付を募っているわけです。その考え方、私が好きだからということと、お金がないから我が家の駆け込み寺は寄付にしていますけれど。そういう考え方を導入しながら、質の向上を図らないと。それといろいろな人が関わっても。保健所もそうです。やはり世帯分離です、最終的には。二十歳過ぎたら自立する。こうした考え方が家族にとっても大事です。
 私、母親が亡くなって本当にほっとした話をいっぱいしていますけれど、私が聞いた中で母親や父親が亡くなった後、後追い自殺した人はいない。家族との関係の中で自殺もし、他害行為をし。殺人の被害者も圧倒的に家族。その現実を真摯に受け止めたら、34条であれ、23条であれ、24条であれ、それが発動しないときに世帯分離という考え方、そこがチャンスなのですけれど、その時嫌がるのは本人より家族です。
 つまり、警察を呼んだり、救急隊を呼んだり、保健所に泣きながら相談をしたり、私のところに来たりする人が、「じゃあ、別れて別々に暮らしたら」と言ったとき、どっちが反対するかといったら、岡田さんの夫婦はわからないし、福田さんの夫婦もわからないけれど、圧倒的に相談を持ち掛けてきた家族です。ここのところも家族のピアサポートでやっていただきたい。自立してもらった方が親も幸せ、子も幸せ、そういう考え方に立ったり。それからグループホームもそうです。調査して軽い人から入所しているのが、日本のグループホーム。アメリカなどは重い人から取っているわけです。入院しているような人もアメリカは取っている。
プライドを持って、精神障害者が地域で自立して暮らすために私たちはやっているのだ、そういうものを持った実力と人間的な資質、そういうものがない限り、先ほどから何度も福祉の人が出ていくというけれど、福祉の関係者との関係で病状が悪化しているのも最近は多い。そこにまたそのスタッフたちが出てきたらより悪化するということも出てくる時代になってきています。問題を抱えているコンシューマーほど取る作業所であってほしいし、グループホームであってほしい。そういうものをやってから初めて、岩上構成員はやらせてくださいというのが、これは民間企業のエレクトロラックス流なのです。
 ということで、質を上げていただくということは、まずは大変なコンシューマーを取っていただくということです。そして、その人が本当に、誰々さんに会えたから、私、こんな生き方ができたわと、自分の力を信じられる生き方に変わっていったときに初めてコンシューマーが、「やってください」という時代が来るのです。
 以上です。

○町野座長
 では、良田構成員、どうぞ。

○良田構成員
 今、おっしゃった自立ということに関しては、私も大賛成です。
 家族としても、やはりどんどん自分も年を取っていくわけですし、いろいろな意味で不安もあるわけですし、それがまた本人に伝染するということもあるでしょうから、私も早いうちに自立をさせるということはすごくいいことだと思って大賛成です。
 それに関係しているのかしていないかわからないのですけれども、先ほど、岩上構成員が関わってみたいとおっしゃったのは、非常に驚きと同時に感激です。と言いますのは、この移送の制度ができたときのことを思い出すのですけれども、いろいろ中身には問題があったと思うのですけれども、例えば、精神保健福祉相談員会さんは反対をしました。それから保健所はすごくこぞって大反対だったわけです。
 ですから、どうにもならなかったんです。どこもやってくれなかったです。三重県かどこかそこらだと思いますけれども、PSW協会の人がこれも1つの社会的な資源だろう、やり方によっては変わるということで、かなり突出した数をやっていたというふうに記憶をしています。
 それが、こういうふうに地域の人が関わろうと変わってきたことに非常に驚き、私はうれしいと思っています。現実、家族としては入院をさせてほしいということよりも先に、誰かにやはり関わってほしいという気持ちがあるのです。誰もそっぽを向いてしまって、民間移送しか紹介してくれないというような事態から変わってほしいということを切実に思っております。
 以上です。

○堀江構成員
 家族のことに一言。

○町野座長
 はい、では家族のことについて。

○堀江構成員
 私は前にも言ったのですが、かつて日本で家族が悪いんだということで、家族を土下座させるという療法がはやって、それで、極めて大変なことが起こったのです。治りはしないのに、家族に土下座して謝らせるというそういう療法があったのです。
 有名な医者だったのですが、その医者が、今度はそれ以外の家族、健康な子どもたちと言われる人たちの家族とどこが違うかと調べたらば、実は大して全然違っていなかった。ただ、いわば精神疾患になってしまったがゆえに、大変な危機感を感じて親自身が病的状況になったということとして受け止められたわけです。それで、彼が家族会の場に来て、私はとんでもない間違いをしました、これは死に値すると頭を下げて謝ったということがありまして、恨まれることはとてもよくわかるのですけれども、そのことと、考え方の一般化することとは全然違うということをここで一言だけ言っておきます。

○町野座長
 ちょっと待ってください。その前に野村構成員、手を挙げました。

○野村構成員
 移送については、東京都に関してはほとんど実施されていないという状況がありまして、家族がどうしてもガードマンを雇って連れていくということ、あるいはだまして連れていったりすることがありますから、今後は家族がそういったことをしなくてもいいように、是非とも今回はまとめていただきたいと思います。
 それから、先ほどありました、もう移送が行われなくなって、御本人の権利のために御本人を強制的に入院させるのはやめようとなった場合に、家族が本当にそこに一緒に住んでいられない状況のときにどうするか。家族が避難するのかどうか。その辺のことも、やはり御本人の権利とともに家族の人権も考えていかなければいけないということを痛切に思います。
 それから、先ほど岩上構成員の方からお話があった権利擁護は本当に大事なことだと思いまして、もし精神保健福祉の方が権利擁護をしなければ、弁護士さんあたりをお願いしなければいけなくなって、そうすると本当に少ないでしょうから、やはり精神保健福祉の方が上手に、本人のニーズに合致する限りですけれども、やっていただける役割を持たれるといいのではないかと思いました。
 以上です。

○町野座長
 それでは、そろそろ時間があれですので。

○広田構成員
 私は家族を恨んでいるという話ではないのです。家族を恨んでいるのではないけれども、いわゆる精神医療の不孝な体験をした本人が家族を恨んでいるから、その本体の精神医療をきちんとするべきだと。それは家族にとっても本人にとっても不孝なのです。そういうことです。そこを間違えた医者が土下座と、聞いています私も。そういう問題じゃなく、それは普遍的な問題ですから。以上です。

○町野座長
 ありがとうございました。
 まだいろいろあると思いますけれども、かなり時間が厳しくなってまいりましたので、ここでまとめさせていただきたいと思います。
 基本的な考え方としては、医療保護入院がこれから、保護者が今まで無理を強いて措置に結び付けるということをしていたのに対して、そうしないようにしようと。そうなってくると、もしかしたらこの移送の制度というのは、かなり活用されるということになってくるのではないかと思われると。
 他方では、この移送の制度をどんどん使えるというと、今度は入院を無理やりまた増やすということになってもこれは具合が悪いということがある。その点で、やはり保健所と社会的な支援の体制、それを組みながらこれを進めていくということが必要である。
 以上のようなことで考えたときについて、指定医の診察を受けるために、事前の調査ということをやることになっておりますけれども、こちらの体制をきちんとはっきりさせて、同時に直ちにという要件を取って、本当に医療保護入院が必要と思われる場合には入院をしていただくという体制を取る。そのことを指定医が診察する。大体そういうあれになってくると思いますけれども、いずれにせよ、何回も強調されておりますとおり、社会的な、要するにこれだけの人が、しかも訓練を受けた人たちが必要だということになるだろうと思います。
 このようなことで、いろいろ駆け足になって非常に申し訳ございませんでしたけれども、当然今の議論の中でも、医療保護入院のときの保護者の同意というのが取れていることの並びで、こちらからも当然取れると。その上で、今のような体制をつくるという話になるだろうと思います。
 それでは、実は冒頭に事務局からお願いしたいと言った人員体制の検討会についての説明ですけれども、時間がかなりなくなりましたので5分ぐらいで、済みませんがよろしく御報告をお願いしたいと思います。

○本後課長補佐
 わかりました。
 前回議論、座長がまとめられたときに入院期間の関係でしたけれども、別の検討会で議論も行われてもおりますしという御発言もありましたので、簡単ではございますが検討会の議論を御紹介させていただきたいと思います。
 今、お手元参考資料の2ですけれども、これが5月16日に開かれたときの資料でございます。今の検討の中では、これは基本的には精神科医療、特に入院医療の人員体制について検討が進められておりまして、患者さんの状態像に分けてどのような体制が必要かということで議論を進めていただいております。
 2ページ目ですけれども、論点の1つ目、急性期、主に3か月未満ぐらいの患者さんに対する人員体制、それから、やや進みまして論点の2、3か月以上1年未満あたりの急性期後の方の人員体制。それから論点の3、今後長期入院の方を生み出さないようにするにはどうしたらいいのかというところ。それから、論点の4で、重度かつ慢性の方、症状もあるし、行動のさまざまな障害もあるような方については、長期入院を生み出さないという形にしたとしても、ある程度の期間入院した上で退院を目指していく必要があるのではないかということ。それから、論点5で、現在の長期入院の方をどうするか。こういったフェーズに分けて御議論をいただいております。
 具体的には、めくっていただきまして3ページ目ですけれども、「論点1急性期」のところでございます。精神症状が活発な患者に対して、適切に医療・看護ケアを提供し、隔離・拘束をできる限り短期間にすることが望まれる。このため、医師・看護師について、医療法上、一般病床の配置基準と同様の配置にするべきではないか。退院支援のため、精神保健福祉士、作業療法士等の退院支援のための人員についても、医療法上の配置基準を設けるべきではないかということでございます。
 論点2に関しましては、急性期後ということで、急性期のような看護中心の配置ではなくて、リハビリテーション、地域移行支援のための多職種での人員配置を考えるべきではないか、こういった論点でございます。
 ここは主に、いわゆる医療法施行規則の中で一般の病床と精神科病床で人員配置が異なっている、そこについて検討すべきという、これは閣議決定の内容も踏まえた検討でございます。5月16日はここまで検討いただいております。
 明日、5月31日に検討会が開催されますけれども、論点の3から御検討いただくことになっております。今後の長期入院ということで、1年以上の長期入院者、約20万いるが、今後、新たな長期入院を生じさせないよう、重度かつ慢性のような継続的に医療の必要性が高い患者を除き、一定の期間、例えば1年を経過した後は、入院外治療へ移行させるべきではないか。
 論点の4ですけれども、重度かつ慢性ということで、こういった患者さんについては、適切な体制で入院を継続し、ある程度の時間がかかっても退院を目指していくべきではないか。新たな長期入院者を増やすことがないよう、重度かつ慢性の患者像を明確にすべきではないか、こういった論点でございます。
 それから、1枚めくっていただきまして、現在の長期入院者ということで、現在の長期入院、1年以上の方についても、できる限り地域移行を目指した取組みを進めるべきではないか。その上で、現在の長期入院者について、より生活支援を重視した人員配置や療養環境を具体的にどのような基準でどう確保していくか。
 こういった論点3、4、5について、次回、明日の検討会で御検討いただくことになっております。
 簡単な紹介ですが、以上でございます。

○町野座長
 どうもありがとうございました。
 最後に、次回の進め方についてということでございます。あと5分ありますけれども、次回は6月14日になります。ここでは6月28日の検討チームに提出するための議論の整理について、事務局から資料を用意してもらいまして御検討していただくということになります。
 私の方から事務局にお願いしているのは、論点とそれに対する議論の整理、そして、異なる意見があったのなら、その内容を漏れなく記載した資料を用意するということでございます。そして十分な時間をかけて皆さんに事前説明ができるように、早急に資料を作成していただくということでございます。
 検討チームが6月28日に迫っておりますので、恐縮ですが、資料については座長預かりという格好でせずに、14日の作業チーム、そこで確定したいと考えております。つまり、14日の御議論の中では、事務局の資料を修正するということで、意見が一致したものは修正する。そして意見が一致しなかったものは構成員からの意見として記載するということにして残す。限られた時間内で資料をまとめることができますように、皆様方の御協力を是非お願いしたいと思います。
 では、最後に今後のスケジュールについて、事務局からお願いいたします。

○本後課長補佐
 ありがとうございました。
 次回の作業チームにつきましては、今、座長から御紹介のありましたとおり、6月14日の木曜日、17時30分から。場所は厚生労働省専用第21会議室、17階の国会側を予定しております。
 座長からも御指示がありましたとおり、次回の資料は早急に事務局でまとめまして、できれば来週の早々にも皆様に御覧をいただける形にしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○広田構成員
 委員から出したい資料は次回でいいのですね。

○町野座長
 どうなのですか。お願いします。

○本後課長補佐
 それは事務局におっしゃっていただければ、そのようにさせていただきます。

○町野座長
 ありがとうございました。
 それではよろしくお願いします。
 本日は、お忙しい中、いつもと若干時間も違いまして、長時間にわたってありがとうございました。非常に白熱した議論が行われました。
これをもちまして、第16回の保護者制度・入院制度に関する作業チームを閉会いたします。
 どうもありがとうございました。御苦労さまでした。


(了)

社会・援護局障害保健福祉部 精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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