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2012年7月23日 第9回雇用政策研究会(議事録)

職業安定局雇用政策課

○日時

平成24年7月23日(月)
11:00−12:30


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

委員

阿部委員、伊藤委員、加藤委員、駒村委員、佐藤委員、清家委員、鶴委員、
橋本委員、樋口委員、山川委員、JILPT中野研究員

事務局

太田厚生労働審議官、森山職業安定局長、黒羽職業安定局次長、酒光労働政策担当参事官、土屋職業能力開発局総務課長、大西職業安定局総務課長、藤澤雇用政策課長、
久知良若年者雇用対策室長、宮本地域雇用対策室長、弓雇用政策課企画官、藤井雇用政策課労働市場分析官、武田雇用政策課長補佐  他

○議事

○樋口座長 駒村委員は遅れていらっしゃるということで、本日出席予定の先生方はお集まりですので、第9回雇用政策研究会を開催します。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。今回は、これまでいただいていたご意見を踏まえまして作成した報告書(案)について、ご議論いただければと考えています。事務局から説明をお願いします。
○武田雇用政策課長補佐 資料1をご覧ください。こちらは報告書の骨子案です。産業構造の転換、人口減少社会の現状を1章で書いています。その下に、「4つの対応の要」がありまして、「日本のもともとの強みを活かした産業の活性化」「増大するアジア市場の需要の取り込み」「高齢者需要を取り込む産業の育成」「労働力の質・量をともに改善」です。このことについて、2章に書いています。
 その下ですが、「雇用政策の重要な鍵」となる施策の方向性、「日本の成長を担う産業の育成と一体となった雇用政策」、「新たな地域雇用創出」、さらに「若者の就労支援」です。こちらを3章で書いていまして、4章に「2030年の日本の姿」ということで、労働力需給推計活用によるシミュレーションを行っているということです。
 資料3が報告書の本文案です。副題は「つくる」「そだてる」「つなぐ」「まもる」雇用政策の推進ということで、樋口座長とご相談させていただいて、このような形にしていますが、変更した理由については、あとで本文の中でご説明申し上げます。
 1頁です。「はじめに」序章です。日本の産業史的なことを書かせていただいた上で、人材こそが日本の国力、経済成長の源であったということで、企業が人材育成等を支援してきたことを書かせていただいております。ただ、「しかし」ということで、1990年代以降、人材育成費の縮減や非正規雇用労働者の増加ということで、雇用の不安定化、企業による人材育成の低迷等が生じた。これにより、消費意欲等の減退等に伴いまして、日本は、いまこうした低迷のスパイラルから抜けられずにいるという問題意識を書かせていただいています。
 2頁です。日本が着実な経済成長を実現するためには、この低迷のスパイラルの問題を克服していかなくてはいけないということで、成長を担う人材、産業の育成と人材確保、それから女性、高齢者に加えて、若者の雇用支援、さらには産業政策と一体となった地域の雇用創出推進が重要であるということを、「はじめに」に書いています。
 3頁は第1章で、「日本を取り巻く経済、社会と雇用の変化と課題」です。現状を書いています。(1)日本経済の情勢の変化ということで、20年に及ぶ日本経済の低迷、デフレの進行、4頁にいきまして、円高が進行していることです。
 5頁にいきまして、(リーマン・ショック後の「まもる」雇用対策の効果)ということで、雇調金、雇用創出金事業、緊急人材育成事業等により、諸外国と比較すると、失業率の大幅な上昇は見られなく、雇用維持、一時的な雇用の場の確保等が適切に機能したと評価しています。ただ、一方で経済状況の変化に応じて平常時に戻すべきである、企業の成長分野展開に資する教育訓練を促す視点も重要であるという提言を、6月の政策提言仕分けにおいていただいております。
 6頁は(雇用構造の変化)です。電気機械器具製造業で、雇用者数の減少が目立っている、また非正規雇用労働者が趨勢的に増加する傾向がある、また女性の雇用者が増えているのに対しては、男性の雇用者が減っているという状況を書いています。
 (2)世界規模の経済変化ということで、経済のグローバル化、アジアをはじめとする新興国の台頭、新興国市場の拡大ということで、この真ん中ぐらいに、各国のGDPの合計のうち、新興国のGDPに占める割合が2011年は36.2%であったものが、2016年には41.1%にまで伸びるということで、新興国の中間層、富裕層が急激に拡大していることに対応する必要があるということです。
 8頁は、アジアの労働者の質が向上していることを指摘しています。(3)が日本国内の状況で、少子高齢化の経済に与える影響ということで、労働力人口の減少を通じて、経済成長の抑制が生じる可能性がある、また労働者は消費者としての一面もありますので、国内市場の縮小要因となる懸念があることを指摘させていただいています。
 9頁の下は新卒者の状況です。大学等への進学率は20年前は31.5%でしたが、2011年は54.4%まで増えているということで、経済情勢の先行きが見えない中で、内定率が近年厳しくなっており、卒業後、就職も進学もしない者が10万人を超える事態となっていることを指摘しております。
 10頁は、(産業・職業間の賃金格差)ということです。製造業、建設業の大幅な減少に対して、医療・福祉等は増加傾向にあります。一方で生涯の賃金カーブを見ると、福祉関連等は比較的低位に留まっている状況です。また、(地域の雇用情勢)ということで、景気がいいときには好調だった地域が、リーマン・ショック以降、有効求人倍率の急激な低下が生じました。一方、今また改善基調の中で、また再び格差が拡大するという状況になっていることを指摘しています。また、震災の影響についても、11頁で述べています。
 12頁は2章です。「日本の成長を支える経済・雇用政策の基本的な課題と対応」ということで、12頁の真ん中ぐらいに、(日本の経済・雇用対策の4つの要)ということで定義しています。1つは先ほども申し上げましたとおり、日本のもともとの強みを活かした産業の活性化です。2つ目が、増大するアジア市場の取込み、3つ目が増大する高齢者の潜在需要の掘り起こし、4つ目が全員参加型社会の実現と質の向上で、この4本柱を軸に進めていってはどうかということです。
 それぞれ1つずつ、13頁以降に見ておりますが、成長の軸はやはり製造業であるということで、製造業1,000万人の日本を維持していこうということ。13頁の下ですが、雇用面の適切な政策を推進することにより、今後とも製造業が日本の成長の軸となる。製造業1,000万人程度が維持されるよう努める。また、政府は製造業の国内生産・国内雇用維持へのこだわり、そのための努力を積極的に評価し、支援する。また、日本の製造業の技術・競争力は、国内の厳しい競争、切磋琢磨を通じて、維持・向上してきたので、この基盤というのが海外の競争力の維持・向上にもつながっていくということを認識する必要がある、ということです。
 (2)が環境、省エネルギー分野ということで、国際環境基準が強化される中で、日本の環境、エネルギー分野の強みは、より一層有利に働く可能性がある。(3)は、コンテンツ産業、観光です。日本の感性を活かした産業の育成が重要であるということです。4点目は、高齢者需要を取り込む産業の育成ということで、ライフ・イノベーション等を通じて、日本の強みである「ものづくり」分野の長所も活かした医療機器製造業の市場拡大を図ることが重要である。また、高齢者のニーズに対応した消費財を生み出すことも重要である、ということを書いております。
 15頁は(日本の成長を担う産業と一体となった雇用政策)ということで、成長産業への移行、内部労働市場を活用しつつ、このように大きな転換期にもありますので、外部労働市場を含む人材のマッチング機能、人材育成機能等を充実する必要があるということを書いています。
 また、地域の雇用創出ということで、先ほど申し上げたような課題があることから、地域に密着する、16頁にいきまして、日本の成長を担う産業と整理したものを考慮しながら、既存の産業集積といった地域の特徴を前提に一定の雇用規模を生み出すことができるなど、地域の課題を克服できる産業を軸に、新たな地域ごとの産業構造を形成するといった検討が必要であり、こういった検討に基づいて、産業政策と一体となった雇用政策を実施していく必要があるだろうということを書いています。
 16頁は全員参加ということで、「望ましい働き方ビジョン」であるとか、女性の働く「なでしこ」対策といった検討が行われてきましたので、女性、高齢者はこういった結論に基づきながら、施策を推進する必要がある。
 17頁にいきまして、若者については雇用戦略も出されましたが、「手間ひまかける支援」の充実をはじめとした支援を充実させる必要がある。こういったことを総論として書いています。
 18頁からは各論です。第3章「日本の国の成長を支える雇用政策の推進」です。1「日本の成長を担う産業と一体となった雇用政策の推進」ということで、○に書いていますが、「良質」な雇用を生み出すための企業支援、「高度な人材」「中核人材」「グローバル人材」等の育成、さらには、労働力の適材適所配置、また、成長する海外市場を取り込むために、国内雇用を維持しつつ海外事業展開を図る企業に対する雇用・人材面の支援といったものを行うことにより、人材が日本の成長を支える社会の実現を図ることが重要であるということです。
 18頁のいちばん下のほうですが、前回お示しした骨子において、「雇用をまもる」雇用対策から、「つくる」「そだてる」「つなぐ」雇用政策という形で提示させていただいていましたが、樋口座長から、雇用調整助成金ですとか、緊急時の対策としての「まもる」対策は引き続き重要ではないかというご指摘がありましたので、ここではリーマン・ショック後の緊急雇用対策として効果を発揮してきた守る雇用対策は引き続き重要ですが、今後は「つくる」「そだてる」「つなぐ」政策に、軸足を移行していくということです。また、こうした政策の推進は個々の労働者の質を向上させ、安定的な雇用に就くことを支援することから、自身の雇用を個々人が「まもる」ことができるということで、最終的に政府は、「つくる」「そだてる」「つなぐ」、さらに「まもる」雇用政策を推進していくことが重要だということで、副題をこういった形に変更し、提示させていただいております。
 19頁からが、雇用創出です。まず、「雇用をつくる人材」、雇用を生み出していく人材の支援が重要ではないかということで、ここでもヒアリングを行いましたが、未知の世界、非常に厳しい環境に、「面白そうだ」「やってみたい」という気持で、積極的に飛び込んでいく、また「最後までやり抜く」「タフさ」、しっかり自分の頭で考え、課題を解決しようとするといった人材を育成していくことが重要であるということで、こういった方々が活躍できるチャレンジ精神を応援し、失敗しても再び立ち上がることができる風土、社会環境を醸成することが重要であるということで、○で書いたような「雇用をつくる人材」、企業の潜在的な成長力を顕在化させて、新事業を展開を支えるとか、雇用管理改善で雇用の質を高める方々、さらに開業・起業する、またグローバルで活躍する、こういった方々の共通項として、こういった資質が求められていますので、そういった方々を支援するということです。
 20頁は(雇用創出企業の支援)です。これまで創出された雇用の約半分は、全体のわずか7%の成長力の高い企業「ガゼル企業」によって創出されたことに注目して、雇用を実際に生み出す企業の支援を行うべきではないか。現在、雇用促進税制が創設されていますが、今後こういった税制導入の効果を検証しつつ、さらなる延長や、健康、環境といった成長産業の拡充といったことを検討すべきではないかということです。
 21頁は、(開業・起業、ベンチャー支援)です。これも質の高い雇用を生み出すための支援が重要なことを指摘しています。また、下にいくと「働く場の質の向上」ということで、ワーク・ライフ・バランス等が企業の経営状況を向上させるという研究もありますので、コストであると捉えがちだった雇用管理の取組みが、企業の成長の基盤ともなり得るという認識を普及する必要があるということです。
 22頁は(サービス産業の高付加価値化)ということで、高付加価値化と従業員の待遇改善の両輪を推し進めていくことが重要だと。また、高齢者向けのきめ細やかなサービスの提供による高付加価値化といったものが、デフレ脱却のためにも必要になることを指摘しています。また、中小企業が成長の基盤になるわけですが、中小企業に雇用労働問題についてのコンプライアンスの徹底を求めること等も含めた、雇用管理の改善が重要であるということです。
 23頁ですが、中でも介護分野は今後の需要の増大が確実となっているわけですが、いろいろな課題が見られるという中で、雇用管理改善を図っていくことが求められるということです。また、女性の雇用管理改善、さらには高齢者の改善ということで、24頁にいきまして、介護との両立が重要になってきますので、その推進。さらには、高齢者が働ける環境を整備するということで、長期療養型の治療を受けながらの就労支援問題、健康寿命を伸ばすための医療、健康対策といったものも、高齢者雇用とともに重要であるということです。
 また、24頁以降が人材育成で、25頁の上から2段落目に、国内付加価値寄与度の高い業務、職種。具体的にはイノベーティブな職種、ソリューション、アフターサービスといった「BtoB」の仕事、さらには日本の高い技術と市場の需要を接続させるため、技術と市場をつなぐ人材が重要になってくるということで、25頁の下にあるように、成長を担う産業・職業に人材が移転する際の支援策を充実させることが重要であるということで、26頁にあるように、こういう付加価値貢献度の高い人材育成支援が重要であるということです。また、留学ですとか、世界を意識させる取組みも重要であろうということで、こういったことを成長分野等人材育成事業の拡充により考えられるのではないかということです。また、26頁の下から2パラ目にあるように、先ほど申し上げたような雇用をつくる人材、派生的な雇用創出効果を有するということで、これへの支援も重要であるということです。
 26頁は(人材育成方針の明確化に伴う効果)です。明確化させることにより、企業の人材育成が一層効果的であるということですので、そういう支援を行っていくということです。
 27頁は(人材育成から人材形成へ)ということで、いまや雇用労働者の平均年齢は42歳であるということですので、40代、50代もブラッシュアップしていく必要がありますし、60代以降も基幹労働者として働けるように支援を行っていくということです。
 28頁は(学び直しの支援)ということで、この場でもいろいろご議論がありました。意図的であったかどうかにかかわらず、習得してきたような知識、経験等を学術的に汎用性のあるものに置き換え、体系化をすることが、今後キャリアを積み上げていく中で重要だという視点、また産業構造の変化等で企業自身が的確な将来予測を行えないという中で、従業員がこういう学びの力をもつということで、そういった将来予測への備えを充実させていく必要があるということです。
 29頁が「長期雇用慣行の再評価と長期的課題」です。引き続き、企業自体が成長分野に事業展開を図るに当たっては、内部労働市場を活用することが重要であるということですが、経済状況の急激な変化、事業展開に応じた人材調達といった面から、企業の中心でイノベーションを担うような人材や企業の競争力を担う専門的な人材については、外部労働市場の整理等により対応することも重要であるということです。
 29頁からは(人材マッチング機能の強化)ということで、31頁に、これまでハローワーク等において取り組んでいるジョブサポーター等の増員、福祉人材コーナー等の設置、産業雇用安定センター等の支援を書いています。さらにそれに加えて、支援機能のさらなる強化ということで、32頁で、成長分野人材育成事業とか、雇用促進税制など、さまざまな費用助成をこれまで進めてきましたが、さらに成長分野の雇用創出を推進するために、相談、情報提供など、ソフト面の支援が重要であろうということで、ハローワークでこういった機能を強化する必要があるということです。また、併せてハローワークに加えて、民間の人材ビジネス、教育訓練機関の活用との連携を図ることも重要であるということで、紹介予定派遣の積極的活用等も考えられるということです。
 33頁の「グローバル人材の育成」です。日本のあらゆる分野で新たな市場の需要獲得を目指して海外事業展開、これが国内雇用の維持のためにも重要ではないかということで、ここでもいろいろ資料が出てきましたが、企業の海外展開は、国内産業の空洞化を招くという考え方が主流だったが、実際には海外事業展開が一定程度成果を挙げている企業は事業展開していない企業と比べて、国内雇用について増加または維持の傾向が強い。これは国内事業と海外事業というのは代替というより、むしろ補完関係にあるということで、国内雇用の維持を前提としつつ、海外展開支援を図るべきではないかということを書いています。ただ、34頁の上から4行目にあるとおり、コスト競争等の観点から、国内のマザー工場的な機能も含め、すべて海外展開するような場合には、日本の製造業の強みである技術力の厚み、プロセスイノベーションの推進のいずれも失い、世界的な競争力を失うことになりかねないので、こういったことを強調していくべきだろうということです。
 こうしたことを踏まえまして、(「グローバル人材」の育成)ということで、35頁の3つ目のパラグラフの「このため」のところですが、アジアの新たな需要の取込みを目的として、グローバル人材を必要とする中小企業が国内雇用の維持・増加を前提としつつ、グローバル人材の育成を図る場合には支援をしていくことです。
 36頁は、(海外利益の国内雇用への還元促進)ということで、2009年から海外子会社配当益金不算入制度によりまして、本邦への配当還元が進むようになってきたところですが、こういった配当益金が雇用の創出の源となるよう、今後に向けて検討すべき課題であるということを書いています。
 37頁以降の2「新たな地域雇用創出の推進」ですが、リーマン・ショックによる急激な変化が日本の産業構造の変化とも相俟って、個々の地域の雇用に痛みをもたらしたということで、ここで検討対象としたということです。
 38頁以降ですが、(これまでの雇用対策の取り組みの評価)ということで、パッケージ事業、39頁でリーマン・ショック後は基金事業ということで、失業者の雇用の確保に一定の成果を上げてきているということを述べています。
 40頁以降は「緊急時の対応」が重要であることを指摘した上で、構造的な問題への解決策も重要でして、リーマン・ショック後の各地域で迫られている産業構造の転換、それに対応した雇用対策の必要性ということで、リーマン・ショック後に顕在化した地域の課題に応える政策を作っていく必要があるということです。
 41頁ですが、これまでのような一部の産業への依存から脱却することが必要でして、また、そもそも立脚する産業が薄いために、雇用情勢が常に厳しい、こういった地域で対策を講じる必要があるということで、一部の産業や企業に依存しないような産業構造を、これまで現有する地域の持っているインフラ、集積している産業を適切に把握した上で、継続的な成長が見込まれる産業構造をつくっていく必要があるということを、41頁の下のほうで述べています。
 42頁の下のほうですが、今後の考え方として、これまで自治体の補助金政策ですとか工業団地の整備、ハード面の支援が中心でしたが、インフラ、地域の特徴を活かした、もう少し人材面、労働力の確保などのソフト面の支援策を充実させていく必要があるということを述べています。
 44頁です。「具体的な対策の方向性」ということで、まずは地域の特徴をしっかりと把握する必要があるということで、そのための支援です。自治体がこういったことを行うことを、国として支援する必要があるだろうと。
 45頁です。キーパーソン、地域に雇用をつくる人材の確保が重要ですので、こういった支援を行う必要があるということです。
 46頁です。引き続き製造業というのが重要な位置にあるわけですが、将来のリスク軽減のためにも、製造業の中でも複数の分野に立脚した地域づくりとか、できる限り景気変動を受けづらい地域の産業構造を構築することが重要ではないかということで、中でも環境・エネルギー、医療・介護といった部分は、景気変動を受けにくい部分ということで、注目すべきだろうということです。
 47頁は(地域の雇用創出に関する国の役割)です。これまで自治体の課題として、ハード面の支援だけではなくて、ソフト面の支援が重要になるということですが、まだまだノウハウ、人材不足が自治体の課題としてあるということです。そのため、こういった課題を克服した自治体、克服できない自治体があるので、自治体相互間のネットワークの形成、ノウハウ、課題解決に向けた好事例、失敗事例等の提供など、ソリューションの提供が、国に新たに求められる役割ではないかということです。
 49頁以降の3「若者の雇用支援」で、3パラ目に書いてあるように、若者の雇用戦略がとりまとめられましたが、これと軌を一にして雇用政策を推進するために議論を行ったということです。
 50頁に(新卒一括採用の特徴)ということで、卒業後に失業状態を経ることなく、社会人へ円滑に移行できるということは、新卒一括採用の大きなメリットであるということで整理をしていますが、一方で「しかし」以下ですが、雇用環境が厳しいために新卒時に就職できなかった特定の世代で、正社員としての就職が困難な状況が続くという問題が懸念されたということです。
 51頁です。経済界、労働組合、多くが新卒一括採用という慣行を評価しているという一方で、就職先が決まらないまま卒業した者や就職後に早期に離職した者の、正規労働者としての就職が困難だといったことがありますので、正社員雇用転換、正社員としての就職の支援を、積極的に行っていくべきであるということです。
 52頁が「人材育成機能としての企業のあり方」ということで、第2パラグラフ目に出ています。各企業が、好不況かかわらず、一定の若者の採用確保とともに、正規労働者への門戸を開けていただいて、長期的な人材育成に努めるよう求められるということです。
 53頁は(「手間ひまかけた」就職支援の推進)ということで、一人ひとりの条件、ニーズを踏まえた手間ひまをかけた就職支援を行うことが、個人を孤立させないためにも重要で、関係機関が連携して行う必要があるということを述べています。
 54頁です。こういったことを行わないと、非正規労働者ということで、人的資本形成の観点で、正規労働者となった方との間では大きな差が生じるということで、就職活動を行うことが難しい学生が就職活動のスタート地点に立ったり、一人ひとりの状況やニーズに応じた対応が図られるよう、手間ひまかけた支援を行っていく必要があるということで、これを行うことにより、2012年3月の卒業生に関しては、粗い試算で4%ポイントの内定率の引上げ効果があったということもありますので、そういった支援が重要であるということです。特に、ジョブサポーター等の大学への全校担当制、常駐派遣等も重要ではないかということです。
 54頁から55頁にかけてが(中小企業とのマッチング支援)ということで、若者の採用、育成に積極的で、一定の基準を満たしたような中小企業については、若者向けにプラスのシグナルを発することが可能となるように支援を行っていくということです。
 また、(既卒三年採用の標準化)ということで、既卒者であることが負のシグナルとならないように、既卒者採用による好事例等の整理、こうした者に対するジョブサポーターによるきめ細かな支援というのが重要であるということですし、既卒後の期間を有意義に過ごせるような機会の提供、既卒後の就職活動時にこうした経験を企業側に提示できるような仕組みが重要であるということです。
 56頁は(キャリア教育)ということで、キャリア教育の目的は、職業意識醸成や職業種類の紹介といったことのみだけではなくて、社会的・職業的な自立に向けた能力・態度の育成を目指すべきであるということで、こういったことを皆様方に十分理解していただくようにする必要があるということです。
 また、インターンシップということで、受入側企業のメリットを十分に説明することも重要であるということですし、若者が働き続けられる環境の整備ということで、総合労働相談コーナー等、トラブルが生じた場合の解決策を示す必要があるということです。
 57〜58頁以降は、フリーター等の支援ということで、個々の状況に応じて、フリーターとかニートの若者が着実に進歩、向上していけるような能力開発機会の保障が重要であるということです。また、若者に関する機関としては、さまざまなものがありますが、それぞれが役割分担を明確化して、相互連携しながら、効果を検証しつつ、施策を推進する重要性を指摘しています。
 60頁は(2030年・日本の姿)ということで、労働力需給推計を活用したシミュレーションです。62頁に(まとめ)を書いていまして、成長が達成されない場合で、労働市場参加が進まない、すなわち現在の性・年齢階級別の労働力率が変化しない場合には、2030年の就業者数5,453万人と、2010年の就業者数と比較して、845万人減ということです。また、製造業においても、2030年の834万人、直近の2010年は1,060万人、医療・福祉は2030年に855万人、2010年は656万人ということで、成長が達成されず、労働市場参加が進まない場合には、雇用成長も伸び悩むということです。一方で、そういった供給面の対策をしっかりと講じて、成長も達成される場合には、2030年の就業者数が6,085万人、2010年の就業者数と比べて213万人減に留まるということです。これは、これまで述べてきたような、「つくる」「そだてる」「つなぐ」雇用政策を推進することにより、成長分野を中心とした人材育成により、産業の高付加価値化が図られ、適切な経済成長を維持するための、質・量両面の労働力が供給されるためであるということで、製造業の就業者数は2030年に987万人と、おおむね1,000万人を維持できる。また、医療・福祉分野の就業者数が972万人と、かなり製造業に匹敵するようなことになるということです。
 この辺は、事前に先生たちに提示させていいただいたものに少し書き加えておりますが、これは第3章で述べた対策と、こういった労働力需給推計が一貫性、コンシステントな関係であることをお示しするために書き加えたものです。
 次に63頁です。こういった全員参加型社会を進めることが重要であるということで、働き手が男性から女性に大きくシフトする職も出てくることから、従来の男女の役割や職業適性に関する固定的な見方を、着実に払拭していく必要があるということ、高齢者においても、長い職業人生で養った技能、キャリアを土台に、さらなるキャリアの積上げを可能にすることが重要であるということです。
 なお、こういった施策を着実に推進するためには、政策評価をしっかりと行っていく必要があるということを最後に書かせていただいて、結びとしています。
 資料4ですが、若干第4章のところで触れましたが、労働力需給推計についてです。モデルとしては、資料4の最後の頁にフローチャートを載せています。過去の実績に基づいて、右側の労働力供給ブロック、進学率、保育所幼稚園の在所児童比率といったものが、性、年齢別の労働力率の変化に与える影響を推計して、関数を作っています。
 また、左側の労働力需要ブロックですが、こちらも過去の関係を基に産業別の生産額が産業別の労働力需要に与える影響を、式を作って求めています。
 また、真ん中の下ぐらいが、労働力需給調整ブロックということですが、右側の供給である労働力人口と、左側の労働力需要のギャップに基づいて、有効求人倍率、完全失業率を過去の関係を基に経済モデルを構築いたしまして、説明変数に将来の予測値を入れることにより、全体の推計を行っているということです。
 資料4の2頁ですが、そういったものにどういった変数として入れていったかという前提条件の説明です。成長率については、内閣府の「経済財政中長期試算」を基にしています。3つのパターンを作っていまして、成長戦略シナリオ、慎重シナリオ、ゼロ成長シナリオということで、成長戦略シナリオは実質成長率約2%、慎重シナリオは実質成長率約1%ということです。また、最終需要の構成項目については、日本経済研究センターの第38回中期経済予測の平均変化率を使用したということですが、新成長戦略及び日本再生戦略(案)の成長分野の追加需要を加算しているということで、(4)のとおり、例えば医療・介護ですと、2007年比、2020年には37兆円に増加すると。グリーン成長ですと、2011年比50兆円増加すると。こういったものをそれぞれ関係する産業分野に加算しまして、推計しているということです。
 また、3頁の労働力供給ブロックですが、こちらはここに掲げられているようないろいろな変数を入れたということで、いちばん下に書いていますが、市場参加が進むケース、一定程度進むケース。労働力率が固定したケースということで、3つのパターンを想定しています。それぞれ進学率等が伸びる、フリーター・ニート対策がうまくいく、それからM字カーブ対策ということで、保育所在所児童比率が上昇する。高齢者対策ということで、少なくとも65歳まで働ける場を確保する企業割合が100%となる等、いちばんいいケースはすべてが進んだと。一定程度進むには、それぞれが一定程度進む。いちばん最後のケースは全く考慮しないという3パターンで推計を行っています。
 その結果が、資料2の後ろから3頁目、「報告書(案)シミュレーション(1)」です。2010年の就業者数は全体で6,298万入が実績ですが、2020年は、いちばんうまくいかないケースでは361万人減少です。うまくいくケースではマイナス9万人で、350万人の就業増が政策によって見込まれるということです。また、2030年については、何もしないケースですと、845万人減が見込まれますが、適切な政策が進すむと213万人減に留まるということで、政策効果は630万人ということです。
 次の頁は、それを男女別に見たものです。男性の壮年、中年層は、労働力率が100%に近い状況ですので、若者、高齢者雇用対策で、高齢層の労働力率が上昇するということですが、全体の人口が減ってきますので、左側にあるとおり、いいケースでも2020年に89万人減、2030年は210万人減ということです。
 一方で女性は右側のグラフにあるとおり、M字カーブがおおむね解消されるということですので、いいケースですと2020年に79万人増、2030年は3万人増ということで、女性の就業者は人口減下でも増加するという推計です。
 最後に産業別の推計です。上から3列目の製造業は、現状1,060万人ですが、悪いケースですと2020年に952万人、2030年に834万人にまで減少しますが、いいケースですと2020年に1,042万人、2030年に987万人ということで、1,000万人がおおむね維持されるということです。また、真ん中から少し下ぐらいの医療・福祉分野ですが、2010年は656万人ですが、いいケースですと2020年は860万人、2030年には972万人まで増加するということで、これらへの人材育成、確保が課題になるということです。私からは以上です。
○樋口座長 ただいまの報告について、自由討議に入ります。ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。
○清家委員 内容的にはこれでよろしいかと思うのですが、言葉遣いで気になるというか、前から気になっているのですが、これは役所の報告書なので、そういう用語でしようがないのかもしれないのですが、例えば51頁のいちばん上のパラグラフで、「企業で一貫した人材育成を受ける現在の採用システムのあり方が、一定程度の合理的なメリットを有している」と書いてありますよね。その前の50頁にも、「従業員の配置転換等を実施することが可能なため、一定の合理性を持つ雇用慣行として広く定着した」と書いてあるのですが、あらゆる因果関係は大体一定の関係なので、決定係数が1の場合は別ですが、そのほかは大体一定程度の合理的な因果関係があるということですから、「一定の」とか、「一定程度」というのは、こういう定量的な言葉を使う場合には、何パーセントとか、ではどのぐらいなのだという議論になってくるので、こういう限定は要らないのではないかと私は思います。「合理性を持つ」あるいは「合理的なメリットを有している」で十分なのではないかと思います。限定を付けたければ、その前のところの理由で、合理性があるといっているわけですから、例えば「一定の」の代わりに、「その意味で」とか、あるいは「一定程度の」という言葉の代わりに、「その意味で合理的なメリットを有している」とか、そういう定性的な限定句に変えたほうがよろしいかと思います。ただ、これはここだけではなくて、役所の文書には「一定の」という、言い訳めいたものが出てくるのですが、あまり使わないほうがいいのではないかと思います。これは趣味の問題かもしれませんが、内容的には全く異存はありません。
○樋口座長 ただいまの意見についていかがでしょうか。いろいろなところで気になる言葉というのがあるということだと思いますが、いまのところでは「一定」という言葉の代わりに、「その意味で」と置き換えたほうがいいのではないかというような、もし言葉を使うのだったらというご提示ですが。
○清家委員 5頁は「一定の」とか「一定程度」はやめたらどうですかと。あるいは限定を付けたかったら、「その意味で」とか、定性的な限定のほうがよろしいのではないかということです。
○樋口座長 いかがですか。それでは事務局と相談させていただいてということにしたいと思います。
○阿部委員 内容的なことではないのですが、37頁の「地域雇用情勢の動向」のところで、下の(地域雇用情勢の推移)のところに、愛知県が1.87倍、2位の群馬県が1.67倍、そのあとも0.60倍とか出てくるのですが、この数字が何なのかというのはちゃんと書いていないので、たぶん「都道府県別の有効求人倍率である」というのを書いたほうがいいのではないかということです。
○樋口座長 それは是非入れることにしたいと思います。ほかにどうでしょうか。もしこれで基本的にはよろしいということであれば、これで報告書をとりまとめていきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○樋口座長 なお、修正しなければならない点、あるいは修正したほうがいい点がこのあとも出てくるかと思いますが、その場合には私にご一任いただけますでしょうか。
(異議なし)
○樋口座長 ありがとうございます。それではそのようにしたいと思います。今年の4月から、9回にわたって雇用政策研究会を開催してきました。皆様お忙しい中ご参加いただきまして、ありがとうございました。最後に森山職業安定局長からご挨拶をお願いいたします。
○森山職業安定局長 一言御礼のご挨拶をさせていただきます。いま座長からありましたように、4月以来精力的にご議論を賜りました、この研究会、先ほどもご議論いただきましたように、2030年までの労働力の需給推計に基づきましてご議論いただきますとともに、大きな3つの課題ですが、今後の日本の成長を担う産業の育成と一体となったような雇用率の推進、また地域雇用の推進、また若年者対策についてご議論いただいたところです。9回にわたりまして精力的にご議論賜りまして、厚く御礼を申し上げたいと思っています。
 今日とりまとめいただきまして、この中にも先ほど補佐から説明させていただきましたように、例えば雇用をつくる人材の創出、そのためには積極性、タフネスさを要求していくとか、あるいはまた人材形成への転換、あるいは雇用創出に向けたキーパーソンの確保、育成の視線、新たな具体的な方向性もお示しいただいたわけです。これにつきましては、今日もご議論いただきましたが、これまでのご議論も踏まえまして、引き続き樋口座長とご相談させていただいた上で、近日中に公表させていただきたいと思っております。誠に簡単でございますが、4カ月間の短い期間で精力的にご議論賜りましたことを御礼申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○樋口座長 以上で第9回雇用政策研究会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

職業安定局雇用政策課
(TEL)03(5253)1111(内線 5732)

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