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2012年6月22日 第91回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

○議事

24/6/22 第91回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

1 日時及び場所 平成24年6月22日(金)
10時00分から12時00分
如水会館(スターホール(2階))

2 出席委員:池田、伊藤、大西、大森、勝田、木村、久保田(酒向参考人)、高智、木間、小林、齋藤(訓)、佐藤、高杉、武久(清水参考人)、田中(滋)、田中(雅)、藤原、村上、村川、山際、山田(敬称略)

○宇都宮老人保健課長 それでは、定刻よりちょっと早いですが、全員おそろいのようでございますので、第91回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況でございますが、大島委員、齊藤秀樹委員、志賀委員、福田委員から御欠席の連絡をいただいております。また、久保田委員に代わり酒向参考人、武久委員に代わり清水参考人が出席されております。
 以上より、本日は21名の委員に御出席いただいておりますので、「社会保障審議会介護給付費分科会」として成立することを御報告いたします。
 では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。
○大森分科会長 おはようございます。足元の悪い中を御参集いただきまして、ありがとうございます。
 早速まず今日は議題にございますように、2つございます。「その他」は認知症についての施策の方向性について、省内のプロジェクトチームが一応とりまとめましたので、その御報告を受けて御意見を伺うことになっています。
 では、資料の確認からいたしましょう。
○宇都宮老人保健課長 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 座席表、議事次第に続きまして、資料1−1「介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」。
 資料1−2「平成24年度介護事業実態調査(案)」ということで、具体的な調査票でございます。
 資料2−1としまして、A3判の大きな紙でございますが、「『今後の認知症施策の方向性について』の概要」という1枚紙。
 資料2−2として「今後の認知症施策の方向性について」。
 そして、名簿でございます。
 不足等ございましたら、事務局にお申しつけください。
○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 この介護従事者処遇状況等調査につきましては「介護事業経営調査委員会」がございまして、その委員会の委員長を田中先生にお願いしてございますので、まず委員長から説明していただいた後、補足的な説明を事務局からいたします。
 それでは、お願いいたします。
○田中(滋)委員 かしこまりました。
 今年度から名前が変わって「介護事業経営調査委員会」になりました。この委員会で去る5月29日に第1回目の会議が開催されましたので、その結果を報告いたします。
 資料は1−1、1−2です。
 これに基づいて、今年度に実施される介護従事者処遇状況等調査の調査票などについて検討を行いました。
 メンバーは御存じのとおり、本分科会の池田委員、村川委員並びに私、更に介護人材及び介護経営の最も優れた専門家である千葉委員、藤井委員、堀田委員であります。
 中身です。今回の報酬改定によって、介護職員処遇改善交付金について処遇改善加算として報酬本体に取り込まれました。これが実際に介護職員の賃金水準にどう影響したか、今からいえば「するか」ですけれども、調査時点でいうと影響したか、従来の賃金水準が維持されているかなどの点を調べることになります。
 調査対象となるサービス及び抽出率については、前回調査と同じです。
 また、調査項目についても基本的に前回調査と同じです。
 その他、細かい項目につきましては資料1−1をごらんください。
 この原案を基に、委員会では調査票に関し、今、申し上げたメンバーの委員から次のような意見が出ました。
 例えば資料1−2の調査票の1ページの「問1.給与等の状況について」の(1)について、給与を引き下げた事業所もないわけではないので、選択項目として「給与等を引き下げた」の選択肢を加えるべきではないかという意見がありました。その結果、現在のような形になっています。
 5ページの問6、収支の状況です。社会福祉法人は新たな会計基準への移行期であるので、調査の正確性を担保できるよう、記入要領等に注記する必要があるのではないかという意見がありましたので、それもそのとおりにしようと意見がまとまりました。
 また、今回調査票は一本化されております。サービスの種別ごとの票ではなく、一本化された票になっています。記入不要のページが発生するため、最後の、13ページ以降の従事者票の記入忘れを防ぐための工夫が必要ではないかと御指摘いただいたので、それも資料1のとおり修正してあります。
 また「介護事業経営調査委員会」では、当日「その他」の議題として、本委員会の責務として新たに加えられた介護事業経営分析等調査について、今後どのような調査・分析を行ったらよいかについて、各委員から自由に発言をいただきました。
 そこで出た主な意見としましては、事業所単位ではなく、法人単位での調査を行い、法人としての経営分析ができた方がいいのではないか、あるいは定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの新しいサービスを普及させるためのビジネスモデルを提示するような調査を行ってはどうか、また社会福祉法人と民間法人では経営の発想が違うため、調査手法を別建てで考える必要があるのではないか等々の意見をいただきました。今後、こうした意見を参考に、調査内容、調査時期等について更に事務局において検討を進めていただくことになっています。
 報告は以上であります。もし事務局からもう少し細かいテクニカルな事柄についてでも、何か補足事項があればお願いいたします。
○宇都宮老人保健課長 それでは、事務局から何点か補足させていただきたいと思います。
 まず、資料1−1をごらんいただけますでしょうか。
 2番のところに「調査時期及公表時期」というものがございますが、今回の調査につきましては本年10月に調査をさせていただいて、来年3月に御報告というようなスケジュールで考えさせていただきたいと思います。
 2ページの方でございます。今、田中委員長の方からもお話がございました「4.調査票の統一化」ということで、従来はサービス事業ごとに違う調査票をつくっていたのですけれども、今回共通事項が多いということで調査票を統一化させていただいたことがございます。
 「5.調査項目の変更等」ということでございますけれども、三角が調査項目の変更、二重丸が新たな項目追加ということです。給与等の状況で三角がございましたけれども、先ほどの田中委員長の御説明のように、下がったことを入れたというような一部そういう修正のあるところがあるということでございます。
 下の方に二重丸の項目がございますけれども、介護職員処遇改善加算の状況ということで、これは今回交付金から加算に変わったということで、加算の届出状況を把握するための項目を追加したということでございます。
 それ以外の抽出率等につきましては、従前と同様でございます。
 続いて、資料1−2でございます。先ほども御説明いただきましたが、それに加えまして6ページでございますけれども、1〜5ページが先ほど申しました共通事項としてすべてのサービス事業に共通の質問でございます。
 6ページからそれぞれのサービス事業ごとに違うということで、6ページは一番上に黒に白抜きの字で書いてございますが、「調査対象サービスが介護福祉施設サービスの方のみ」、つまり特養の場合はこの調査票を使っていただく。次の7ページは老健施設の場合使っていただくというような構成になっているということでございます。それぞれ一番下に「引き続き従事者票(P.13〜)にお進みください」ということで、先ほども御説明がございました個別の方々の給与の状況についてお答えいただくというような仕組みになっているところでございます。
 もう一つ、その他としまして介護事業経営分析についてもフリートーキング的にいただいたということでございますが、これにつきましては、今年度分析調査を行うということではなくて、今年度はどういう調査を行うかについて御検討いただいて、その上で来年度以降そういった調査について行うかどうかも含めまして検討していただくということでございます。
 以上でございます。
○大森分科会長 御苦労様でした。
 何かお気づきの点等はございますでしょうか。
 どうぞ。
○勝田委員 この調査について、介護従事者の介護報酬改定がどのように処遇改善に反映されているかの検証ということですが、2点あります。
 介護職員の処遇改善交付金は介護報酬の2%相当とされていましたが、今度の加算は従来の2%を超えるものになるのかどうか。同じであったら給与には変化がないと思われます。今回の介護報酬による処遇改善として想定されている調査項目がどれに当たるのか。従来のものを継続するだけでは2%がなくなるわけですから、加算はそれを超えるものでないと増えないと思います。それがわかるような調査項目はどれに当たるのでしょうか。
 もう一つは、従来どおりということを御説明されたのですが、ここに出されている抽出率ですが、今回介護保険の中で施設から在宅へという大きな流れの中で、特に調査の抽出率が施設では4分の1になっていますが、在宅系が20分の1と随分少ないように思われます。その根拠は何なのか、前回と同じだと言われればそれまでですが、数字も事業所数が多いからという理由もあるかもしれません。それはどうなのかをわかりやすく御説明いただきたい。
 また、21年度、22年度の処遇調査の集計結果、何%回収率があったのか、調査で今まで回収率が随分少なかったように思うのですが、今回回収率を高めるための工夫はどうなのか。
 あと、余談かもしれませんが、この調査票は、アンケート用紙の字がものすごく細かい。実際にこれを書かれる方は管理者が多いかと思うのです。そんなに若い方ではないと思うのですが、もう少し字を大きくしないと、これを見ただけでもううんざりしてしまって、回収率が低くなるのではないかという懸念をします。
 この3点について御回答があればお願いします。
○大森分科会長 一番最後の点は同感ですね。
 では、田中先生から。
○田中(滋)委員 先に私が答えて、後でまた事務局から補足していただきます。
 字の大きさについては私も同感で、苦心して見ています。きっと今後は工夫があるでしょう。
 加算は本音で言えば、要は交付金が加算に入ってきたので、事業所としての報酬は、トータルの収入は増えていないはずですので、それについては問1で確かめることになります。収入は一定だったにもかかわらず増やしたのか、実質0.8%マイナスだから下げたのか、それとも頑張って維持しているのかをここで見ることになります。
 抽出率の違いですが、訪問事業所ですと、在宅の事業所は事業所数が多いので、トータルで考えている。施設の方が確かに数が少ないので、相対的に抽出率を高目にしてヒットするようにしています
 回収率は、私はちょっと記憶がないので、事務局に答えていただきます。お願いします。
○宇都宮老人保健課長 回収率のお話でございますが、平成21年が83%、22年が77%ということで、いずれも8割くらいの回収率をいただいておりますところですので、今回どういう工夫をしたかというお話がございましたけれども、その意味では以前のものでも8割くらいの回収率があったので、できるだけそれを余りいじらないような形で今回は調査票の設計をさせていただいたところでございます。
 以上でございます。
○勝田委員 この調査票の中で、例えば在宅の訪問介護をなさる方たちは非常勤が多いわけですが、実態として、例えば60分が45分になったために、時間給ですから少なくなったとか、そういうことはどこでわかるのでしょうか。
○田中(滋)委員 そもそも看護職は対象ではないので調査しません。
○勝田委員 ヘルパーさんの場合です。
○田中(滋)委員 介護職の方ですね。時給の方については時給の分布で調査することになります。月給の方と時給の方はそれぞれ答えるようになっているはずです。
○勝田委員 わかるようになっているのですね。
○田中(滋)委員 はい。
○宇都宮老人保健課長 今の御質問ですけれども、資料1−2の14ページのところに、賃金の支払いが月給の者、日給の者、時給の者とそれぞれ分けて記入できるようにしてございますので、こちらの方で把握できます。
○大森分科会長 伊藤さん。
○伊藤委員 処遇改善調査を引き続きやっていただけるということで、ありがとうございます。
 2点ほど質問があるのですけれども、1つは今、抽出率の話がありましたが、職種別の抽出率を前回と比較したいなと思ったのですけれども、前回調査では職種別の抽出率がこの分科会の資料で見当たらなかったように思いまして、これが前回とは変わらないのかどうかということを1つ教えていただきたいと思います。
 もう一つは、職員数の状況等の把握ということで、各サービスごとにあるのですけれども、例えば介護福祉施設サービスというところでは6ページの問9です。この職員の把握の仕方が、非常勤のところなどは常勤換算という形で今回とるということですが、前回のものを見ますと、常勤で、しかも採用者数と離職者数をそれぞれとるというようになっていたのですが、今回それを変えたところの理由をお聞きしたいと思います。
○宇都宮老人保健課長 まず1点目でございますけれども、職種別の抽出率については前回と変わってございません。
 2点目の6ページのところでございますが、ここについては委員会でも大変議論になりました。基本的に派遣職員を含むのか含まないのかというところで非常に御議論になりまして、離職率などの計算になりますと、派遣職員の扱い等々も入ってくるということで、実際離職率等につきましては別の調査できちんとするので、今回についてはこちらの調査でそこまでやる必要はないのではないかというようなことで、このような形にさせていただいたということでございます。
○伊藤委員 そうしますと、前と変えて調査をするということになると、今回は目的は何になるのでしょうか。労働力の需給関係がどうなっているかというのを把握するというような形になるのでしょうか。恐らく実人員で見るという場合は、労働力というか、労働者の定着率というか、定着状況がこれで把握できるのだろうなと思っていたのですけれども、何か趣旨が変わるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○宇都宮老人保健課長 その辺につきましては、実際に定着状況と比較すべきではないかというような御意見もあると思うのですけれども、今回は派遣職員も含んだ職員についての特に給与面の処遇がどのように担保されているかをまず第一に調査すべきではないかということで、このようになったと私は理解してございます。
○伊藤委員 では、今回給料を中心に調査をするという考え方に変えるというようなことなのかという説明に聞こえましたけれども、今までの調査との継続性ということでいえば、やはり採用者数と離職者数を実人員で見るのは引き続きやっていただきたいと思います。他の調査が何のことかまだ伺っておりませんけれども、確実にその点については把握できるような状況にしていただきたいと思います。
○田中(滋)委員 前回そもそも処遇改善、給料、時間給がどうなったかの分布を見たり、それ以外の処遇改善がどう行われたかということが主であって、離職や入職が主目的の統計ではなかったので、今回もその意味では変わっているとは思いません。ほかの統計は私たちの委員である堀田さんなどがメンバーで行ってきた、何というのでしたか。
○宇都宮老人保健課長 介護労働実態調査です。
○田中(滋)委員 そちらでとらえられているので、おっしゃった統計についてはそちらにゆだねるという結論でございます。特に派遣の方が多い場合、定義が難しくて、派遣の場ではずっと雇用されているけれども、ある事業所にとっては違う人が来たときに離職とみなすか、そうでないかというのは、統計のとり方が多分混乱する恐れもあったので、今回はそこまでは踏み込めないところになっています。
○大森分科会長 問1で「給与等を引き下げた」という選択肢を入れたというのは、論理的にそういうことはあるのですけれども。
○田中(滋)委員 あくまで論理的です。ここに出ないことを望んでいますが、やはり引き上げたという選択肢がある以上、反対側も。
○大森分科会長 もし仮に引き下げたというところはよほどのところですね。論理的に入ることはいいのですけれども、この調査で引き下げたという選択肢があるのは、少し、え、と思う人がいるのではないかと、ふと思ったのです。選択し得る選択肢を全部用意しているということだそうですけれども、この段に及んで引き下げた人がいるということは、それ自身どういうことか調査しないとわからないような話を含みますね。これは論理的に入れたのですね。
○田中(滋)委員 委員から意見が出まして、みんななるほどと同意しました。トータルでは、産業全体としては例えば3番が多くて、一部2番だったとしても、特定の事業所で経営が悪くて引き下げることは理論的にはあり得るわけです。業界全体としてまあまあプラスでも、経営が悪いときに選択肢がないのはおかしいだろうと、それだけの理由です。勿論ここに出ないことを期待しております。
○大森分科会長 ほかに。
 木間さん、どうぞ。
○木間委員 調査項目についてお願いがあります。社会保障と税の一体改革の項目の1つは非正規労働者に対する社会保障の充実です。厚生年金の加入状況について調査をしていただきたいと思います。
 以上です。
○大森分科会長 これは。
○宇都宮老人保健課長 そういう御要望を今、いただきましたけれども、先ほど申しましたように、今回はあくまで処遇改善加算についての調査、それについての把握が目的ということで、趣旨がそもそも異なるのではないかと思われます。また、そもそも厚生年金の未適用事業所については年金局の方でまた別途調べているというようなこともございますので、こちらの調査項目に入れるのは必ずしも適切ではないのではないかなと思います。
○大森分科会長 別途明らかにできるという御回答だと思います。どうでしょうか。
○木間委員 もし入れるとすれば問4であろうかと思ったのですが、田中先生が先ほど委員からいろいろ意見が出たとおっしゃいました。もし調査をなさることが来年度以降あるのでしたら、その中で御検討いただきたいと思います。
○伊藤委員 今の関連で、社会保険の加入状況についての調査をということで、その点について、是非私どもとしてもやっていただければと思っておりまして、ほかに調査があるというのだったらそれでもいいかもしれませんけれども、この点については今まで余り見たことがないので、是非やっていただきたいと思います。
○大森分科会長 では、もう一度事務局から今の点を。
○宇都宮老人保健課長 それでは、関係局の方に今のような御意見があったということをお伝えさせていただきたいと思います。
○大森分科会長 やはり調べた方がいいと思います。しかし、今回は調査委員会の方で相当慎重に検討した項目で、私としてはこれをお認めして実施に入っていただければと思っていますし、御意見のところでできるだけほかで可能なことはそちらの方でいただくという形でよろしゅうございましょうか。
 どうぞ。
○田中(雅)委員 訪問介護事業所とは、比較的小さな規模の事業所も多いと思うのです。なおかつその事業所においては生活援助を主体として提供する事業所と、身体介護の事業所ではそれぞれ収入の差があると思うのですが、そういった事業所のサービスの提供の仕方によって収入などの処遇改善について効果があったかどうかは、今のこの調査票だけでわかるのでしょうか。
○大森分科会長 それは多分無理。今、事務局は聞いておられましたか。ちょっと無理ではないかと私は思う。
○宇都宮老人保健課長 資料1−2の14ページをごらんいただきたいのですけれども、項目がずらっと並んでいますが、左から2番目の「担当サービス」の「訪問介護の場合、訪問介護における担当サービスに○をつけてください」というところで、「身体介護」「生活援助」「身体介護及び生活援助」というような形で把握できると思います。
○大森分科会長 こういう形ですね。
 どうぞ。
○田中(雅)委員 これは従業者調査ですから、その人がどのサービスに主に従事しているかが見えるわけですけれども、基本的に何を言いたいかというと、パスワードとかいろいろ事業者番号がついてきますので、その事業所がどういったサービスを提供しているかということは別の調査でもわかると思うので、そこの調査と今回の調査と比べて提供するサービス別の処遇改善効果は、おおむねわかるのかどうかということなのです。
 要するにいろいろ問題にはなっていますけれども、ある程度高収入を得る事業所はどちらかというと身体介護。今、在宅を見ていますと、家族にとって負担なのは、やはり身体的な介護に従事することに対して困難と思っている方が多い。そういった中で訪問介護事業所は生活援助よりも身体介護にどんどん向いているというのが実態だと思います。その辺りを知りたかったので、従業者が主にどういったことに就いているかということだけでわかるのかどうかなのですが、先生はわからないとおっしゃいました。
○大森分科会長 村上さん。
○村上委員 今回小規模多機能居宅介護が対象になっていないのですけれども、これはどうしてなのかなと思います。といいますのは、私のところも小規模多機能をやっていますけれども、平均介護度によっては賃金が大変厳しいところもたくさんあるのではないかなと思ったりするものですから、ここの部分については是非この調査の中に入れていただけたらと思っています。
 それから、先ほど看護については対象になっていないということなのですが、資料の中では看護も相談員も全部名称が出ております。そういうことでいいますと、訪問看護だとか、通所リハビリだとか、こういうようなものが今回調査対象になっていないということなのですけれども、どういうことなのかお聞きしたいと思います。
○宇都宮老人保健課長 サービス事業所の選定につきましては、第1回調査のときに従業している職員数の多い方からサービス事業を選んでいった関係で、この7事業となってございます。この7事業の関係で大体8割くらいの職員をカバーしてございますので、継続性ということからも今回もそのまま行かせていただきたいと考えてございます。
 それから、看護等につきましては以前の処遇改善交付金、今回の処遇改善加算の対象となってございませんので、そういうことから訪問看護事業所やリハビリについてはとっていないということでございますけれども、施設等において看護師さん、リハ職などがいらっしゃる場合もございますので、そちらにつきましては、介護職以外についてもこういった影響はあるのかないのかを調べる意味で項目として入っているということでございます。
○村上委員 小規模多機能に関しては平成18年の制度創設から、今回も地域包括ケアシステムを担う重要な位置づけで進んでいくということでございますので、そういうことを考えますと、これからもこの数は多くなってくるでしょうし、動向についてはこういう調査を通じて知らしめていくというか、みんなに知っていただくことが必要なのかなと思っております。そういうことで小規模多機能は今回の調査の中に是非入れていただけたらなと改めて要望したいと思っております。
○大森分科会長 これはどうしようかな。
○宇都宮老人保健課長 小規模多機能は確かに重要なのでございますけれども、現時点ではまだ事業所数がほかの今回の対象事業所と比べて非常に少ないということがございます。今回の調査の目的はあくまで処遇改善加算の影響ということでございますので、必ずしもそういった小規模多機能とか、すべてのサービスについてとらなければならないということではないのではないかなと。小規模多機能についての重要性という調査であれば、それはまた別途考えることではないのかなと思います。
○村上委員 別途考えるということであれば、是非それはそれでやっていただけたらなと思っております。小規模多機能は18年から要介護4、5も入れるという多機能として出発しているはずなのですが、今回ずっと見てみますと、例えば小規模特養とか高齢者住宅だとか、こういうものができたことによって、重度の人たちがそちらの方に行って、低い人たちが小規模多機能に集まっているという傾向もあると思うのです。ですから、そういうことでその辺の調査をしながら小規模多機能の在り方についても考えていくということでは大変大事な資料になると思うので、是非そんなことで別途でもいいですから調べていただけたらと思います。
○大森分科会長 ありがとうございました。
 それでは、この件は以上にさせていただきまして、今後の進め方について事務局から。
○宇都宮老人保健課長 先ほど申しましたが、10月に調査を実施させていただきまして、今年度末には調査結果をとりまとめて、まず「介護事業経営調査委員会」の方で御議論いただいた上でこちらの分科会に御報告させていただきたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。
○大森分科会長 では、調査委員会の方に御苦労をかけますけれども、引き続きよろしくお願いします。
 それでは、次の「その他」に入ります。「その他」でまず御報告をいただいた上で御意見を伺います。
 では、御報告をお願いします。
○勝又認知症対策室長 それでは、認知症施策の今後の方向性についてということで御報告させていただきます。
 6月18日に厚生労働省内の認知症施策検討プロジェクトチームがとりまとめを行いました。資料は2つございますけれども、「『今後の認知症施策の方向性について』の概要」というA3のものでございますが、それらを見ていただきながら御説明をさせていただきたいと思います。
 このプロジェクトチームでございますけれども、認知症の人々が医療、介護の支援を受けながら、できる限り入院をしないで地域の中で生活を続けられるように、どのような支援が必要なのかを関係部局が横断的に検討を進めることによりまして、厚生労働省としてより実効ある施策を講じることを目的といたしまして、藤田厚生労働大臣政務官を主査といたしまして、昨年12月から議論をしてまいりました。今後、認知症施策につきましてはこの方向性を基にいたしまして、関係者の方々の御意見等をいただきながら、具体的な施策を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、概要について御説明申し上げたいと思います。
 今回、今後目指すべき基本目標ということで、「『ケアの流れ』を変える」ということを掲げております。ケアの流れを変えるということは、具体的には認知症の人はどうしても精神科病院であるとか施設を利用せざるを得ないという考え方がこれまで非常に強かったのですけれども、その考え方を変えて、認知症になっても本人の意思が尊重されて、できる限り住みなれた地域で、よい環境で暮らし続ける社会を実現できることを基本に大きく掲げております。そのためにケアの流れを変えるということでございます。
 新たな視点に立脚した施策の導入につきましては、後ほど具体的に御説明いたしますけれども、標準的な認知症ケアパス、これは状態に応じた適切なサービス提供の流れというように位置づけておりまして、この認知症ケアパスを構築することによって、これを機会に変えていきたいということでございまして、今後目指すべき基本目標としてあえてケアの流れを変えるという形で掲げさせていただいております。
 具体的には7つの視点で取組みを進めてまいりたいと考えております。
 まず1点目でございますが、先ほどから御説明しておりますように、標準的な認知症ケアパスの作成とその普及ということでございます。
 認知症の人、あるいはその家族の方がこれはひょっとすると認知症ではないかという状況になったときに、自宅で暮らし続けるためには、いつどこでどのような医療と介護のサービスを受ければよいのか、そういうことをちゃんと理解ができるような標準的なケアパスの作成と普及が必要であるということでございます。
 2点目は左の方ですけれども、早期診断・早期対応です。早期の診断に基づいて適切なケアに結びつけることが不十分でありました。これまでどちらかというと重症になってから、あるいは危機が発生してからの対応になってしまっていたということがありました。今回ここで幾つかの施策を講じて対応していくことが必要であると考えております。
 具体的にはまず認知症初期集中支援チームの設置でございます。地域包括支援センターなどに設置をしていきたいと考えておりまして、このチームの役割といたしましては、例えば看護職とか、あるいは作業療法士などの専門家が認知症の人や家族に関わって、アセスメントや家族支援を包括的・集中的に行う、そして自立生活のサポートを行うという役割を担っていくものでございます。来年度から事業をモデル的に進めてまいりたいと考えております。
 もう一つ、早期診断・早期対応で重要なものは、何といってもかかりつけ医の認知症対応力の向上であります。認知症の方の日常的な医療をかかりつけ医の方が担っていただけるように、その対応力の向上を図っていく必要があると考えております。
 しかし、それだけでは不十分でありますので、かかりつけ医だけにその責任を任せるのではなくて、身近型の認知症疾患医療センターを整備いたしまして、かかりつけ医と連携して、そのバックアップを担う医療機関として整備する。そして、早期の適切な診断、介護との連携を確保していきたいと考えております。この身近型疾患医療センターは、今、認知症疾患医療センターの基幹型が全国で7か所、地域型が164か所ございますけれども、これに加えまして300か所程度整備できるようにしていくのはどうかと考えているところでございます。
 3点目は、地域での生活を支える医療サービスの構築です。
 まず認知症の薬物治療に関するガイドラインの策定をするということで、これは1年以内にガイドラインを作成して、かかりつけ医認知症対応向上研修等で普及を図っていきたいと考えております。
 また、一般病院での対応ですけれども、認知症の人の手術だとか処置がきちんとできるようにするということで、一般病院の医師や看護師の方の研修の拡大を行いまして、認知症ケアについて理解をして適切な対応をしていただくというものでございます。現在、精神科病院に認知症の方が入院されている数は5万2,000人程度で、その入院が長期化しているという現実があります。そういう意味で精神科病院に入院が必要な場合、それはどういった状態であるのかということをしっかりと調査研究して、状態像を明確にしていくことが大切であろうと思っております。
 また、精神科病院からの円滑な退院・在宅復帰の支援が必要となってまいりますので、退院に向けて診療計画、退院支援・地域連携クリティカルパスをしっかりとつくって、退院後に必要な介護サービス等が円滑に提供できる仕組みづくりを推進していくものです。
 それから、一般病院とか介護施設に認知症の人々が入院・入所していて、行動・心理症状で対応困難な状況になりますと、もう面倒が見切れないからといって精神科病院に入院とか、うちの施設はお断りですということが起こってしまっていることもありますので、そこにちゃんと身近型の認知症疾患医療センターなどからアウトリーチで専門家がアドバイスとか医療を提供していく体制をつくっていく必要があるのではないかと考えております。
 4点目は、地域で生活を支える介護サービスの構築です。認知症にふさわしい介護サービスの整備ということで、グループホームとか定期巡回、随時対応サービスなど、地域密着型のサービスの拡充が必要です。
 それから、行動・心理症状が原因で在宅の生活がどうしても困難になった場合、介護保険施設等の地域の介護サービスがその担い手になることを推進していかなければならないと考えております。
 また、今までの知識とか経験やノウハウを持っているグループホームが、認知症ケアの拠点となって相談を受け付けられるようなグループホーム等の活用の推進を図ることも1つだと考えております。
 次に、その下に書いてあります絵なのですけれども、「気づき〜診断まで」、日常在宅ケア、そして万が一急性の増悪期となったときのケアとか、またそこからの日常在宅ケアに戻っていくという流れを今まで説明したものの中で横に並べてかいているものでございます。急性増悪期で決して悪化しないように、即対応していく、認知症の初期集中支援チームが最初の段階でしっかり対応して、そこでサポートやプランをつくっていくというところが大きなポイントになるのではないかと思っております。
 その下の方に行きまして、5点目です。地域での日常生活、家族の支援の強化をしていくということでございます。
 認知症サポーターキャラバン、これは現在330万人養成されておりまして、地域の中でいろいろな効果を上げておりますので、引き続き継続してまいりたいと思います。
 それから、23年度から介護と医療の連携を強化することと、認知症施策の推進をしていく役割を担う人が必要だということで、特に全国の市町村本庁等に認知症地域支援推進員を設置していくということで、現在125か所で認知症地域支援推進員を設置をいたしまして、認知症施策の中心核となって動いていただいているところでございますので、これらを拡充していくことが必要なのではないかと考えております。
 また、家族に対する支援ですが、認知症の人へのアセスメントとかサービスは、家族への支援の視点を含めたサービス提供が行われないと、なかなか家族がうまくいかないという現実がありますので、そこをしっかりと行っていくということであります。
 また、特に独居の認知症の人の権利擁護を担う市民後見人の育成とか、その活動支援にも取り組んでまいりたいと考えております。
 6点目は、若年性認知症の人の問題です。現在、3.8万人と推計されていますけれども、若年性認知症の人の特性に配慮して、支援のためのハンドブックを作成、配布する。そして、本人や関係者などが交流できる居場所づくりの設置等を推進していくということです。
 21年度から予算事業として実施しておりますけれども、まだまだ対応は不十分でありまして、今回若年性認知症の方の特性に配慮しながら、1個大きく項目として起こしておりまして、支援のためのハンドブックについては本年度末をもって作成をしてまいりたいと考えております。
 最後に、どうしてもこれだけのことを進めていくためには人材が一番重要になってきます。認知症の人への医療と介護を含む一体的な生活の支援として、認知症ライフサポートのモデルを作成して、このライフサポートのモデルを踏まえまして、医療・介護サービスを担う人材を育成していくことが必要であると考えております。従来は医療は医療で疾患に着目していろいろなことを行い、介護の分野は介護でその人の人生や生活に着目して進めていって、どちらかというとばらばらな対応が行われていたというような感がありましたけれども、それらを一体的に進めていかなければならないということが一番大切なことであります。そのときにそれぞれの人材をばらばらに育成していくということではなかなか縦割りは抜け切れないということで、そこで共通の基盤をつくって、それに基づく研修を同じ場所で受講していただくというようなことを進めていくのはどうかと考えております。
 こういう7つの視点で、これからの取組みを進めてまいりたいと考えておりますので、御意見をよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○大森分科会長 御苦労様でした。
 しばらくの間、いろいろ御意見をちょうだいします。
○村上委員 今回のものは大変よくできているなと思っているのですけれども、御提言のあった今後の認知症施策の方向性だとか、あるいは認知症ケアパスの構想は地域包括ケアを基盤にして、今後ますます増大する認知症問題にどう対応していくかという指標であると思っております。認知症ケアは本来特養ホームを初め、専門の機関をもって当たるべき国民的課題と思っておりまして、在宅にあって家族や地域の支え合いをかなめとする、地域包括ケアだけではそのままでいくのかなということを考えた上で今回提案していきたいと思います。
 まず概念図の特別養護老人ホームの記載がないことについてです。認知症ケアは専門的知識やスタッフ、集積されたエビデンス等に基づく高い専門性を必要とすることから、地域において認知症の方の生活を支えていくためには、専門的社会資源との有機的な連携が必須と思っております。その点において特養ホームやそれに併設するショートステイやデイサービスなどは、これまで認知症と向き合ってきた専門的人材、ノウハウ、ハード等を培っておりまして、ケアの流れを構築する際にこれらの地域資源を組み込まず、逆の流れとする意味が、論理的にも、あるいはさまざまなハードがあるわけですけれども、そういうものをどう使っていくかという意味での経済的にも、極めて不自然であると考えております。
 このたびの認知症施策については、社会・援護局の進めてきた新たな地域保健医療体制の構築に向けた検討チームの報告書が基盤にあると思いますけれども、その報告書の中では精神病床入院患者が退院可能な状態となった場合の適切な生活療養の場として、65%以上が特養ホームと言われているのです。ちなみに老健が47、単身ゼロ、家族との同居3ということなのですけれども、精神科病院から特養ホームへの入所が安易に進められていくということについては、これだけではいけないとは思いますけれども、認知症ケアにおける地域の支えをつくり上げる際に、特養ホームの果たしてきた実績だとか機能を無視をしてというか、ほごにしてまで今後の認知症施策の方向性についてまとめられている理由をお聞かせいただきたいと思います。
 ちなみにグループホームだとか、あるいは高齢者住宅、在宅、こういうところで認知症の困難ケースが出てきたときには、今、恐らく特養が一番多く受け入れているだろうと思っております。そういうことをかんがみますと、今回の概念図の中に特養ホームをきちんと明記していただきたいということが1つ目でございます。
 もう一つは、モデル事業をなさるということですけれども、モデル事業をするときにどういう体系でやるのかわかりませんけれども、是非モデル事業をするときに特養を入れた形でしてほしいとここでお願いをしておきたいと思っております。
 もう一つ、認知症のケアパスの構築についてなのですけれども、認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを構築する際に、精神科病院だとか、あるいは特養ホーム等の施設へのニーズを、「不適切な『ケアの流れ』を変え」としております。グループホームや小規模多機能、24時間定期巡回・随時対応サービスの整備、あるいはグループホームによる相談援助を第一にしているとは書いておりますけれども、地域密着型サービスを位置づけることも大変いいとは思いますが、実際のマンパワーだとか、あるいは認知症ケアのノウハウ、事業所の機能などから、特養ホーム等の介護保険施設についても在宅での対応が困難となった場合の入所という避難的位置づけではなくて、地域の暮らしを支える一時利用だとか、あるいは相談援助機能として積極的に表明すべきだと思っております。
 24時間定期巡回・随時対応については、現在のところ12%にとどまる中で、地域包括ケアが国民の理解を得て地域に浸透しているという段階にはとても及んでいないと思います。その地域包括ケアをもってケアとしてそれにそぐわないものは不適切であるとするような表現は極めて不自然だと思っております。したがって、施設利用を意識した不適切なケアを変えるという表現については改めるべきではないかなと思っております。
 私はこれはよくできているなと思っております。機能ごとだとか、専門性の定着だとか、あるいはサービスごとの役割だとか、これは大変よくできているなと思いますけれども、この流れの中で認知症の人がどこにいるんだろうと改めて見たときに、例えば先ほどのように、突然夜中にグループホームの管理者から家族に、今、とても見られないから迎えに来いということがあって、私たちの相談員が行って、特養に連れてきて何もなかったのですけれども、こういうようなときに一体この体系の中でどういうふうに動くのですかということなのです。それぞれのところでは確かにすばらしいと思うのですけれども、この中で具体的に認知症の人だとか、あるいは家族の動きをしっかり把握をした上でどう動かしていくのかということについては私はよく見えないなと思っておりますので、そういうことも含めてこのことについてお願いをしたいと思っております。
○大森分科会長 どうぞ、勝田さん。
○勝田委員 まず今後の認知症施策の方向性について、厚生労働省の中で横断的なプロジェクトチームでこのように出していただいたことについてはとても期待していますし、歓迎いたします。特に社会・援護局の参加が、若年認知症の人たちの今後の就労支援とか居場所づくりの実際的な整備ができるということで、私たちはとても期待をしていますし、私たちは30年間、認知症の人が住みなれた地域で安心して暮らせる、その条件づくりをお願いしたいとずっと言い続けてきましたので、今回のこの方向性については歓迎するものです。
 そして、認知症の人が患者ではなくて、1人の人なのだという位置づけや、従来の認知症施策で不十分な点をきちんと列挙してあること、当事者組織としてもその中にどのように今後加わっていくかということで、私はこの資料が来たときに全国の支部の代表あてにすぐメールして意見を求めました。たくさん来ました。やはり期待する、歓迎するということがたくさんあります。ただ、幾つかの検討すべき点はとても多い。この報告を絵に描いたもちにしないために、では私たちはどうするのかということも今後私たちの当事者組織としてしっかり検討していきたいと思います。
 例えばあくまで認知症の人や介護家族はサービスを受ける一方なのだというとらえ方はこれでいいのかどうなのか。客体としてだけしか見られていないのではないか。この概念図の中で、認知症の本人や介護家族も1つの社会資源だと。お互いに集まって、30年間積み上げてきた中でのそういう実績でお互いに支え合っている。この概念図では、例えば認知症初期集中支援チームの設置ということですが、地域包括センターがまず相談を受けるとしていますが、残念ながらこれも同じく厚労省で調べられた調査結果ですが、地域包括支援センターの周知率は27%しかありません。私たちは全国の支部で電話相談を行っています。年間1万件を超える相談がありますが、その多くは初期の方たちです。その方たちに地域包括支援センターを知っているかというと、ほとんどの方が知りません。この図には当事者組織が全く入っていない。私たちは当事者組織や本人や介護家族も含んだ方向性を是非この中にも入れていただきたい。
 幾つか懸念すべき点はこの概念図の中にありますが、例えば地域での介護家族までに目を届けていただいた、その支援をこの中で位置づけたことはとてもありがたいです。では具体的にどうするのか。
 早期診断チーム機能ということで、早期から対応するということと、実は昨年来ずっと介護給付費分科会で検討してきた中で、私たちは認知症は初期が大切なのだ、重度化させないための初期こそ適切なケアをと言ってきましたが、介護保険では要支援1、2などは地域支援事業に任すのだ、その方向性が打ち出されています。この整合性はどうなるのでしょうか。
 一方では、介護保険サービスは軽度を外すような方向で、地域支援事業は民間団体や地域のボランティアにゆだねられる部分ですが、本当にそれでいいのかどうかということと、この集中支援チームの位置づけに整合性があるのかどうなのか。
 委員の中にはお医者さんもたくさんいらっしゃいますが、かかりつけ医や認知症のサポート医にとても期待をしています。ただ、現実的にはどうなのかというと、残念ながらこれからだと思いますし、認知症疾患センターはほとんど精神科の病院に併設されています。そういう場合に私たちの仲間がやむを得ず精神科の病院に入院した場合に経験することは、一日も早く退院させないと悪化するだけだという現実があります。今後お医者さんたちの協力と、認知症の生活指導もするという専門医をどうやって育てるのか、これでは見えてこない。私たちは期待する一方で、絵にかいたもちにならないようにしっかりとそのこともやっていただきたいと思います。
 今後の地域包括ケア、認知症ケアはグループホームをその拠点にするとありますが、今のグループホームにその力があるとは正直思えません。地域密着型は私たちにとってはとても使いやすいサービスですが、事業所指定の権限は保険者にあります。市町村格差がとても大きいです。サービスの公平性をこの中で今後どうやっていくのか。
 特に私たちが懸念するのは、やはり認知症の方々が使いやすいサービスとしてグループホームなどもありますが、低所得者へのサービスの場合には、例えば残念ながらグループホームや地域密着型には食費とか居住費の補足給付がありません。そういう場合にこの中の手早いケアの在り方と、これをどうやっていくのか。
 それと今もおっしゃいましたが、地域の生活を支えるこの人材をどうやって確保するのか。この絵の中に身近型認知症疾患医療センターとか、認知症地域支援推進員この方たちの待遇はどうなのか。本当にきちんと常勤として設置されているのか。また集中的なチームを地域包括支援センターにゆだねるということで、実は昨日も地域包括支援センターの皆さんとお話をさせていただく機会がありましたが、これを見せましたら、とんでもない、とても無理だ、とても私たちはその役を担えないとおっしゃいました。
 そういうことなどを含めまして、あと2点だけですが、若年の認知症施策への強化としては、特にケアマネさんたちの関わり方なのですが、介護サービスを使うまでに、在宅でいるときに専門的なケアマネさんの力がどうしても必要です。私たちは要望書も出していますが、ケアプランを立てないまでも相談活動で支えてくださる、それにもきちんとした報酬をつけるような形にしていただきたい。
 言いたいことはたくさんあります。でも、こういうふうな方向性がこんなに早い時期に出たことをとても歓迎しますし、私たちも役割としてしっかりこの中に関わっていきたいと思っています。これを絵にかいたもちにしないために、具体的に見えるような形での従事者の確保や、特にお医者さんたちの専門性や生活を見据えたことをどうやってつくり上げていくのか、是非お示しいただけたらと期待感を込めて意見を言いました。ありがとうございました。
○大森分科会長 ありがとうございました。
 では、そちらに行きましょう。
○高智委員 非常に短期間に認知症対策室を中心に、またプロジェクトでおまとめいただきました。先ほど「『ケアの流れ』を変える」のところについての御意見がございましたが、私は全体的にこういう方向でよろしいと思います。ケアの流れを変えるというのは、言葉を変えれば認知症の人たちに対する文化を変えると読みかえました。
 最後の1行のところですが、「基本目標とする」というところはもう少しアクセントをつけて、「基本目標とするとともに優先対応する」というように臨んでいただきたい。今まで未対応の事項が非常に多いわけですが、是非そのような方向を目指していただければありがたいです。
 それから、項目でいいますと、2番、3番、4番は非常に大事だと思います。特に今もお話がございましたかかりつけ医の認知症対応能力の向上ですが、認知症の確定診断は非常に難しいので、かかりつけ医の的確な診断や、地域医師会の先生方、地域の中小病院の先生方にも是非御支援いただければと思っております。
 それから、今もお話がございましたが、認知症の方々が精神病院に入ってしまうと、なかなか出にくい状況です。療養環境そのものも一般病床、各病床と比べても劣悪な場合も含めて、本当にものが言えない、意思表現が適切にできない認知症の方にとってはいたたまれないと思っております。その限りでは「『ケアの流れ』を変える」の中に、「認知症になっても本人の意思が尊重され」と書いてございますが、具体的にどうするというところまで踏み込んだ議論が今後なされるべきだと思っております。
 あと2つ目でございますが、先ほど室長から調査研究事業を通じてできるだけ実態を明らかにするというお話がございましたが、審議を通じて、ここで提出された資料が平成15年度の統計だったということがございました。これだけ高齢化が進むことは前からわかっていたわけですので、時宜にかなった統計のとり方で、その活用を考えることが非常に重要であると思っております。
 また、北欧諸国の状況を模倣する、あるいは部分的に活用する状況もあると思いますが、是非日本文化としてすばらしい認知症施策の方向を目指していただきたい。その中で、若年層の認知症の方の問題も提起していただいておりますが、ここも重要な課題として考えていただければありがたいと思います。
 
○大森分科会長 大西さん、どうぞ。
○大西委員 今回、認知症の方につきまして、厚生労働省の方で関係する部局横断的にプロジェクトチームを組んでこのような方向性を出していただいたことは、本当に敬意を表したいと思っております。
 高齢者福祉全般で私どもも言っておるのですけれども、とにかく一番いい方向としては、できるだけ住みなれた地域で安心をして暮らすことのできるような地域社会をつくっていくというのが基本目標でございまして、今回の認知症でも住みなれた地域でよい環境で暮らし続けることができる社会という方向性を見出したというのは非常にいいことだと思っております。ただ、住みなれた地域の状況は全国千差万別でございます。それを1つのモデルとしてお示しいただくのはいいのですけれども、それが余りに全国画一的にやられますと非常にいろいろなところで不都合が出てこようかと思っております。
 2つお願いしたいのですけれども、1点目は市町村がこのモデルの流れの中に出てきていないのです。直接地域包括支援センターみたいな形になって、その辺はどういう形で地域のケアをやっていくのかは、第一義的に介護保険の保険者であります、あるいは高齢者福祉もかなり施策をやっております市町村にある程度任せるような形で、その中で市町村がそれぞれの地域においてどういうやり方をやったら一番いいのかという形が自由にできるように、そのための権限とか、あるいは財源もきちんとやっていただきたいなと思っております。
 例えば我が高松市でいいますと、高松市は42万人の中核市でございますけれども、直営の地域包括支援センターを大きなくくりの地域ごとに8か所置いておりますけれども、中心となって高齢者福祉を地域でやっているのは全市の44か所に置いております、基本的に小学校区を単位にした地域コミュニティ協議会なのです。地域コミュニティ協議会のところで民生委員さんも中に入って、日常的な高齢者の世話をやっております。特に認知症高齢者の方々については、何かあったときにはまずその地域の民生委員が世話をするということが第一義的になりますので、できるとすればそういうコミュニティ協議会辺りをもう少し充実するような方向で認知症ケアをやっていけたらなと思っております。
 といいますのは、今、防災対策等が特に市民の関心が強いのですけれども、いざ災害が起こったときに、すぐ援護に駆けつけなければならない人ということで要援護者台帳をつくらせていただいております。その要援護者台帳で援護者1人につき2人支援者をあらかじめ決めておいて、何かあったときにはそれをやりますよと。それは地域コミュニティ協議会単位でやっておりますので、高齢者、認知症の方々をやるにしても、地域包括支援センターのアドバイス等を受けながらコミュニティ協議会でワークするような仕組みができたらなと思っています。是非この中に市町村をきちんと位置づけていただいて、市町村の状況に応じて認知症対策が講じられるような流れを考えていただけたらと思っています。
 2点目は、そうする場合にやはり一番課題となりますのが人材の確保です。高松市は中核市でございますけれども、それでも例えばソーシャルワーカーでありますとか、保健師、看護師はもとよりでございますけれども、そういう専門的な職種の人材がなかなか確保できない状況にございますので、専門職の人材の育成、確保につきまして是非とも力を入れていただきたいということと、それに併せまして基本的な財源みたいなものをきちんと措置していないと、本当に地域の実情に合ったいろいろなきめ細やかな措置が難しいということでございますので、その辺についての配慮も是非お願いしたいと思っております。
○大森分科会長 ありがとうございました。
 今度はこちら側に行きましょうか。どうぞ。
○山田委員 本当に1枚の紙といいますか、ペーパーでありますが、よくできていると思います。老人保健施設の立場でお話しさせていただきますと、基本目標の「できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の構築はまさに我々老人保健施設の運営の理念であります。そういう意味で幾つかの意見を述べさせていただきますが、やはり1つは在宅で生活されている認知症高齢者の方のバックアップ拠点としての位置づけを是非より強固に検討していただきたい。今回の介護報酬改定でも私たちのところに緊急入所あるいは緊急ショートステイについては報酬上の評価をいただきました。まさにこういうものをより進めていただく。だれでもが安心して在宅で暮らし続けることができる施策の展開を早急にやっていただきたいと思います。
 また、見方をちょっと変えて絵を見せていただきますと、一番最初入口に「気づき〜診断まで」というものがございますが、ポイントは地域の方々がこの絵に乗っていただくことが非常に肝要だろうと思います。いかに最初のアクセスをしやすくするか。勿論気づけば医療機関を受診されますが、本人、家族の人が気づかなくても、周りの地域の人々あるいは関係するサービスの事業者、スタッフが気づくことが結構あります。ただ、なかなかそれが入口のところにつながっていかないという現状を見ますと、やはり医療機関は勿論ですが、いわゆる老健施設等の専門職種がいる介護保険施設に相談拠点をつくるというのもアクセスしやすくなる1つの方法ではないかと思っています。国民の皆さんにどこに相談したらいいのかがわからない状況が現在あると思いますので、なるだけ相談拠点を多く広げていくというのも1つの方法だろうと思います。
 老人保健施設の立場でいいますと、老人保健施設には二十数年間認知症ケアの経験を積んできた実績もございますし、認知症サポート医あるいは認知症実践者研修、リーダー研修を受けたスタッフも増えてきております。そういう意味ではOT(作業療法士)を含め、一通りの専門職を有していますので、地域の相談拠点あるいはバックアップ拠点になり得ると私は思っています。そういう意味では我々もまだまだ足りないところがいっぱいございますので、我々も頑張っていきますので、是非そういうことも含めた総合的な施策の展開を望みます。
 最後に御説明がありましたように、この問題は医療と介護の垣根をいかに取り外して総合的に事業を展開していくかということが非常に大事だと思いますので、是非これからのこの事業の発展を期待したいと思いますし、我々も頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
○大森分科会長 ありがとうございました。
 村川さん、どうぞ。
○村川委員 今後の認知症施策の方向性について、認知症ケアの全体の流れを描いたものとして私は評価できる文書ではないかと思っております。ただ、示されております1〜7までの個別の段階といいますか、領域、レベルについては幾つか論点がありますし、議論を深め、検討の余地、内容の充実、修正も含めて検討を図っていただきたい部分もあるように思います。
 まず1つは、7つの段階づけの中の1、2に見られますような趣旨、早期の診断・早期対応の重要性、英国モデルかどうかは別としても、認知症の専門医あるいは認知に関わる作業療法士等を含めた初期の集中支援チームづくりなど、これは非常に画期的な位置づけであろうと思います。そういう点では私は医師ではありませんが、御専門の先生方も大勢いらっしゃるわけでありますが、いわゆるMCIというのですか、Mild Cognitive Impairmentという認知症と診断される前の段階、初期の症候なども含めた、先ほど山田先生からもありましたが、そこの医療と介護の両面の質的向上といいますか、新しい枠組みづくりが大事ではないか。そういう意味では確かに身近型疾患医療センターの位置づけもありますが、基本的に基幹型なり地域型の認知症疾患医療センターをしっかりと二次医療圏に位置づけていく仕組みづくりなり、またできれば市町村単位の具体的な初期集中支援チームをいかにつくっていくかは重要な課題ではないか。文章の中でも5つの重点課題等も示されておりますので、是非ともこれを具体化していただくことは大事であると思っております。
 次に3、4の辺りですが、医療と関連を持ちながら具体的なケア・サービスの成り立ちという点では現状と問題点を踏まえつつ、我が国の認知症ケアの到達点を踏まえていく必要があるのではないか。局長さんも御出席でありますが、来年は老人福祉法が制定されて50年という、ある視点から見た場合には重要な転換点であります。
 先ほど村上委員からも懸念が示されましたが、特別養護老人ホームについていえば、1981年当時であったかと思いますが、三重県四日市市の社会福祉法人青山里会、川村耕造先生などの取組みを皮切りに、特養での認知症ケアを本格的に進めるということが三十数年進んできた現場の実態、そこで受けとめていただいている意味合いはやはり押さえるべきでありますし、また介護保険制度とともに成長、発展してきたグループホームケア、勿論この内容については吟味の必要もあると思います。
 そういう意味での支援の在り方といいますか、処遇体系についてはもっと議論を深めるべきであります。先ほどの医療との接点におきまして、大西市長さんからもございました市町村の役割、私は市町村保健センター、認知症対策室の室長さんもよく御存じですが、保健師を初め、地方自治体がその地域全体を見わたしたところで展開される成り立ちということが追求されるべきでありまして、地域包括支援センターの機能強化もしていかなければなりませんが、これは御承知のように介護予防、高齢者の総合相談、さらに高齢者虐待にも取り組むなど、非常に多様な課題がある中で、3人くらいの体制では対応不可能なのでありまして、率直にいえば認知症ケア等も含めて、1か所当たり3倍増くらいの体制を、当面は各市町村レベルで基幹的な地域包括支援センターといいますか、認知症への対応強化を図るのか、あるいは市町村保健センター等を軸とするのか、そうしたことも視野に入れて検討がなされるべきではないかと思います。
 最後になりますが、介護保険12年を振り返ってみて、欠落点という言葉は使いたくありませんが、率直に言って不十分であったのは家族支援の周辺だと思います。家族の会の代表の方も御出席でありますけれども、家族の会に集まってお互い支援をなさっているグループは評価されますし、私も近くの東京都支部のテレホン相談の実績などを拝見しますと、大変学ぶべき点も多いのではないか。
 そういう意味では、イギリスなどのモデルを見ましても、ケアラー(Carer)といいますか、地域・在宅での介護システム、地域包括ケアといった場合には家族の役割、過剰な負担等させてはいけないが、しかし御家族も非常に重要な位置と役割を担っておられるわけでありますから、そうしたことへの支援、改善すべきところの対応ということを改めて、これはある意味では介護保険が新しい段階に移行すべき内容を持ったところに、今、来ているのではないか。そういう意味でも今回このペーパーの投げかけている課題・ヴィジョンは大きいわけであり、特養なりグループホームなりで現場の努力もあるわけですから、基本目標に示されたワーディングなどにおいて「不適切」として否定的に描くことは修正をした方がよいのかな、むしろ現場が活性化をするようなメッセージが私は必要と思っております。
 以上です。
○大森分科会長 佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 今回の部局横断の取組みということで、私も同様に評価するものでございます。部局横断の中で、ちょうど第5次の医療計画に引き続く新たな見直しが含まれている、当然今回の医療計画も含まれていると思いますし、今回の医療計画の中では4疾病2精神疾患が加わったということがあります。これは今後都道府県がより軽度から重度までさまざまな対応を含めた計画をつくって5年間進めていくというものになっていくと思いますので、今回の報告と併せて考えますと、さまざまな支援が地域の方たちに出てくるだろうということが期待されるわけです。
 一方で、医療計画の中では、例えば先ほど勝又室長の方から御説明がございましたかかりつけ医の説明等、もう少し具体的な踏み込みがあって、例えばかかりつけ医、かかりつけ歯科医、薬局含めた役割がそれぞれストラクチャーというか、プロセス、アウトカムの中でどういう役割を果たすべきかというような部分も記載されておりますし、25年には都道府県がこの医療計画をつくって、それぞれの地域でより具体的な対応をしていくということになっていくわけです。ですから、せっかくの部局横断のこれらの報告が都道府県の計画の中にもより生かされて、それが地域に生かされるという方策が必要だと考えますので、それらの取組みを、せっかくの部局横断で始めたものですから、最終的なアウトカムの部分でもそういう評価につながるような御尽力をお願いしたいと思います。
○大森分科会長 伊藤さん。
○伊藤委員 このような局横断の取組みをされたということに敬意を表したいと思います。やはりこれをどうやって実効性を確保していくかが重要だと思っておりまして、そう見ると4点ほどコメントをさせていただきたいと思います。
 まず1つは、身近型認知症疾患医療センターについて、発想はいいなと思ったのですが、今ある認知症疾患医療センターと併せて二次医療圏より少し多いくらいという形で、これで身近というにはちょっと足りないのではないかなと思いますが、まずはとにかくこうやってなるべく身近でということが必要なのだと思います。その意味で本文の方で見ますと、15ページの真ん中辺ですけれども、身近型を含めて専門医療機関を具体的に医療計画に記載すると書いてあるのですけれども、今、ちょうど医療計画の策定を各県でやっていると思いますが、策定指針も3月に出ていて、そこの中に入っているならいいのですけれども、進めている中でこういうものが漏れ落ちていくというか、ちゃんと周知されていくようにしていただく必要があると思っております。
 もう一つは、精神科病院に入院が必要な状態像の明確化ということで、かなり今まで議論になっている点についてこういうような形で書かれたということは非常に大切なことだと思っております。これも本文の方を見ますと、「調査、研究を行う」の後に「コンセンサスの形成に努める」となっておりまして、どうやって実行を確保していくのかなと思っていたのですが、コンセンサスの形成というところにならざるを得ないのか、何とか精神科病院に何でもかんでも認知症の方を入院させることにはならないような形の在り方が広まるようにする必要はあると思うのですけれども、入院が逆に正当化されることにならないように、コンセンサスの形成以上のガイドラインというわけにはいかないのでしょうが、何か担保できるものがないものかと考えました。
 あと5番目の人材のところですが、認知症サポーターキャラバンの活用という点と、あともう一つ、連合として在宅介護を勧めるという考え方なわけですけれども、私どもが組合員にこの点を説明するときに組合員の反応として、家族介護なんか無理だよというような反応が正直まだあるのも事実です。それはやはり在宅介護が家族介護というようにストレートに理解されてしまうようなところがあって、在宅介護サービスというものがさまざまあって、その中で認知症の初期から対応していくことが可能なのだというような認識が、まだ直面していない状態ではかなりあるような気がしております。私どもの周知の仕方ができていない面もあるとは思うのですけれども、ちょっと欲張り過ぎかもしれませんが、やはりまだ認知症の家族を抱えるといいますか、家族の方が認知症になる前の段階からの認識を広めるような活動が必要なのではないかなと。
 あとサポーターキャラバンももう330万人くらいいると思います。これもすそ野を広げるという活動だと思うのですけれども、これはこれでせっかくいる人を活用する道筋を、市町村の中では積極的にされているところもあるとは聞いておりますけれども、示していく必要もあるのではないかと思います。
 以上です。
○大森分科会長 今の連合の皆さん方が在宅介護は家族介護だと思っているなどという話は、もう介護保険としては10年以上経っているのですよ。そんなことを言うのは、連合はそれ自身問題ですよ。努力をしているけれども、もっとほかも努力せよということはわかりますけれども、ちょっと今の発言は簡単にはそうですかなどということは言えないのではないかと私は思っています。取り消せとは言いませんけれども、連合は連合としてちゃんと努力してもらいたいと思っています。私の希望です。
 池田さん、どうぞ。
○池田委員 先ほど高智委員から指摘がありましたが、認知症の方の居場所調査が2002年に行われている。それから10年以上経っているにもかかわらず、新しいデータが出ていません。そこで、私は認定支援システムの結果だとか、施設居住系サービスの認知症の分布の研究だとか、そういうものをいろいろ使って分析してみたのです。その結果驚くべきことがわかったのです。それは何かというと、日常生活自立度3以上の方たちは、今、大体132万人くらいいらっしゃいます。では、一体在宅はどれだけいるかというと、35%です。実はこれは2002年と全く同じ数字です。
 つまり、2002年から2011年の推移を見ていると、認知症自立度3以上の方の在宅率は35%で変わらず、特養の25%も変わらず、あと老健と療養病床は減ったのですけれども、その分一般病院あるいは精神病院に移っていて、一体この10年間何をやったんだろうという感じを非常に強く受けました。そういう中でこれが出てきたことは私は高く評価したいと思います。高く評価した上で、しかし幾つか問題点を感じるので、3点ほど言わせていただきます。
 1つは、精神病院の持ってきた役割に関して、かなり厳しく書いてありますし、それはそれで私は当然だと思います。ところが、先ほど勝田委員の方からも言われましたけれども、認知症疾患医療センターはほとんど精神病院です。これが強調されているというのは私は理解できない。ただ、これはどうも診療報酬のつけ方に理由があるみたいで、中医協の方に文句をつけなければいけないのかもしれないのですけれども、そこのところをよく考えないと、結局認知症疾患医療センターに行って、精神病院への窓口になってしまってはかなわないわけです。その前に主治医、かかりつけ医のところで認知症の認識と認知症ケアへの引き継ぎをちゃんとやっていただく。これは一番大きい課題ではないかというのが1点目でございます。認定において、認知症日常生活自立度の判断は余り信用されておらず、訪問調査員の判断を優先させている保険者が多いのはよく知られたことです。ここをしっかりすることが重要です。診療報酬もそちらに配分していただきたい。
 2点目は、認知症に介護という言葉はちょっとなじまないのです。だから認知症ケアという言葉をみんな使われる。なぜかというと身体介護型ではない、むしろ見守り型であるし、人間の関係障害であるとか、生活障害に対する支援が中心になりますので、ちょっと違うのです。ちょっと違うので、そういったものに対するサービスはちゃんとできているのかというと、余りできていない。むしろ寄り添いだとか、優しさだとか、そういう情緒的な言葉はよく聞くのですけれども、それはそれでいいのだろうかという意識もあるのです。
 そうすると適切なサービスとは一体何なのかということをもっと具体的に考えなければいけない。例えば精神病院からはどんどん出していきたいという気持ちはわかるのですけれども、逆にいえば、老健は中間施設ですから出さなければいけないわけだし、特養も終(つい)の棲家であるということではないわけです。例えば実際認知症の方、身体介護もそうなのでしょうけれども、アセスメントステイという言葉を私は最近使っているのですけれども、1か月程度入所していただくと、その方の生活のリズムその他をかなりつかめるのです。ケアマネジャーが1時間でそれをつかめるわけがない。それは無理ですよ。そういうことをケアマネジャーに要求するのは酷です。でも、施設はそういうことができるわけで、むしろ施設は終(つい)の棲家ではなくてアセスメントステイの場所であるというところでもってきちんと活用していただく。地域に戻っていただく、そういうシステムをつくってほしい。
 関連して、認知症は時間軸で考えなければいけないということです。認知症はだんだん進行するのです。進行したときに、家族はパニックになる。その進行を事前にきちんと家族が理解できるようになれば、そういうパニックは起きない。つまり、認知症初期集中支援チームが重要です。これはイギリスのメモリークリニック、メモリーサービスというべきでしょうけれども、そういうものに当たるのですが、例えば実は敦賀温泉病院などはそれができているわけであって、そういうものをモデルにしてもっと広げていただきたい。
 最後の3つ目なのですけれども、先ほども言ったように、実は認知症は10年の空白があったと私は思うのです。本当に進んでこなかった。勿論介護保険によってマイナーからメジャーになった、それはすばらしいことなのですけれども、実質的なケアの中身がついてこなかった。グループホームや小規模多機能などの現場で努力されている人達に私は敬意を表します。しかしまだまだ十分とは言えません。この報告を受けて、私は今年が認知症ケア元年になることを望んでいます。
 大変、重要なのは、空白の10年の中でたった1つ大きく前進を示したものがあります。認知症サポーターキャラバンです。今、350万人。1年で100万人増えるなんて、はっきり言ってこれは恐るべきことです。これは何でこんなに増えたかということを我々は考える必要があると思うのです。
 先ほど連合の委員が認知症サポーターの活用とおっしゃいましたけれども、私はちょっとそれは違うと思う。認知症サポーターというのは地域の厚みです。地域の住民が身近な生活を通じて認知症と向き合えたり、助言したりするわけで、それをお上の手先に使ってはいけないのです。あくまでもそれはその地域互助のシステムであって、いわば行政組織であれ、ほかの組織であれ、そこに口を差し挟んで自分の支配下で動かそうという発想をするとこのキャラバンは壊れます。私はここのところはそういうふうに受け取っていただきたい。
 以上、3点この方向の中で押さえていただければありがたいということを申し上げました。
○大森分科会長 ありがとうございます。
 そちらに行きましょう。そこに並んでいますので、3人一緒に行きましょうか。では、田中さんから。
○田中(雅)委員 7つの視点からの取組みの中で2つ申し上げたいと思います。
 まず早期発見・早期診断の仕組みについて何か申し上げるわけではありませんが、実際のことを申し上げますと、多くの家族、あるいは本人もですが、この早期の段階において、すなわち図でいいますならば、気づきの段階において気づきたくない、診断されたくない、認めたくないという心理的な状況に陥っていることについて、その実情を御理解いただきたいと思います。
 そういう意味において、いろいろ申し上げる時間もないことで言いますが、先ほど池田先生、連合の方からもお話がありましたけれども、サポーターの活用については、ある意味では、私に言わせればまだ330万しかいらっしゃらないと思います。むしろ全国民が認知症に関して理解する、そういった形で進めることの方が大事だと思う。なぜならば今の状況は認知症であることを認めたくない、あるいは周りの人たちが認めたくないという大きなプレッシャーがあるので、その状況を改善することが大切ではないかと思います。
 それから、7番目ですが、すなわち介護従事者の養成に関することです。資料2−2の、ページで申し上げますと26ページになるかと思っております。そこには新たに初めて医療と介護の一体的な研修を提案されております。これについては今後本当に高く期待するものでありますが、もう一点、介護従事者への研修の実施であります。これにつきましてはこれまでやっております認知症介護実践者研修や、あるいはリーダー研修、指導者研修を見直すことについて触れられておりますけれども、もう一点考えていただきたいのは、現在の認知症介護実践者研修等に関しては在宅、訪問介護に従事している人たちが受講するチャンスがほとんど得られないというのが実態なのです。これは御承知だと思いますけれども、特に実践者研修に関してはグループホームや小規模多機能型居宅介護等、認知症に関わるところのサービス開設者、管理者を優先させて受講させざるを得ないという状況を見ますとやむを得ないのかと思っておりますが、この辺りについてももっともっと在宅系サービスで働く介護職員の方々が受講できるようなシステムに是非していただきたいと思っております。
 そうでなければ、今後在宅へシフトするといってもそれは医療の部分で従事者はいるとしても、実際の生活支援の部分での専門的な支援者がいなければ定着しないわけですし、どこかで受講したいけど、放棄しなければいけない、あきらめざるを得ない実態が生まれると思っています。そういう意味で全国民的な運動につなげるということと、もう一方では本当の生活支援に当たる人たちの質の向上ということで、特に認知症ケアに関する従来ある訪問介護の研修に上乗せしても結構ですから、そういう形で進めていただきたいと思っております。
○大森分科会長 藤原さん、どうぞ。
○藤原委員 今、町村の現場で一番悩んでいるのが認知症の問題です。普通の身障高齢者等については相当いろいろな手法で対応できておりまして、非常に進化しておりますが、認知症は本当に大変悩み多き問題でありまして、特に初期の段階で周辺の皆さんがあの人は認知症ではないかというようなことがわかってきても、家族がなかなか認めないということがあります。本人は当然認めないです。ですから、対応が遅れてしまうというようなことがあります。そしてまた症状が悪化しますともう家族ではどうにもならなくて、公共施設もなかなか受け入れられないということで、結果的には病院か別の施設ということになるわけです。ですから、今回の認知症のケアパスみたいな、こういう時系列的な基本目標ができてくると非常に判断しやすくなりますので、有効に活用できるようなものを是非つくっていただきたいと思います。特に若年性の認知症は本当に手がつけられないほどみんな苦しんでおります。ですから、この支援のためのハンドブック等については非常に細かくつくっていただければと思います。
 それから、何といっても人材育成です。最低限の知識を持った人を多くつくり出しておかなければ、向こう3軒両隣くらいである程度支える期間を長くしておかなければ、地域としてもなかなか大変だと思います。ですから、そういう教育、人づくりを是非やっていただきたいと思います。相当の面で支えられる環境をつくるのが非常に大事でありますので、是非そんな方向で御指導をお願いしたいと思います。
 以上です。
○大森分科会長 ありがとうございます。
 村上さん、短目にお願いします。
○村上委員 先ほどの池田先生の話なのですが、確かに特養には認知症の重度の方々が今、多いと思います。私は特養はついの住みかであると同時に、循環型のサービスもしっかりやるべきだなと思っているのです。そういうことで認知症に関しても、認知症要介護度5で寝たきりで胃ろうで認知症、この方が今はもう歩けるようになって、早く家に帰してあげたいと思っています。ですけれども、在宅サービスが余りにも貧弱。今回の地域包括ケアシステムが在宅サービスの目玉であったとしても、大変使いにくい。そういう人たちをどう支えていくんだという問題なのです。私は尊厳ある生活、あるいは住みなれた地域でその人らしく生活する、これはもう本当に寝たきりの人でもどんな人でもこのようにしてほしいと思うのですが、現実こうしている人たちが、では地域や家でどうしているかというと、孤独であったり、あるいは拘束されたり、あるいは虐待だとか、放置だとか、自由の制限だとか、こういうものがいっぱいあるのだと思うのです。では、こういう方々に対して理念はいいのですけれども、理念の実現をどうしていくんだということを今回のこの中でどういうふうにやっていくのかなと思うのです。
 一方で、前にも発表しましたけれども、原因疾患別で認知症をきちんと診断をし、必要な薬を出してあげて、それで安定した生活をするということに関しては、これはこれでものすごく大事だと思います。例えば14種類薬を飲んでいてどろんとしている人が、全くなくなったら元気になるのです。こういうことについて私たちは、現場にいるとわかるのです。現場ではついこの間も元気な人がどうもおかしい、何か薬を飲んでいるかいというと、やはり薬を飲んでいました。その薬はどういう薬と聞いたら、こういう薬だと。これは特養の中ではかなり現場の人たちはわかるようになりました。ですから、そういうことによってお年寄りの本来の姿に戻してくという、これによって現実自分の家に戻れる状態になったら、是非戻ってもらいたいと思うのです。
 問題は先ほど言いましたように、ではどこに戻るかというと家族なのです。家族がどうなっているかというと、今の人口動態からいうと、騎馬戦型から肩車型と言われるくらい、どんどん変わっていくわけで、この中で家族だけに介護負担を押しつけるわけにはいかないです。そうすると認知症の人が尊厳ある生活と住みなれた地域だけではなくて、本当にその人らしく生活するにはどこがいいかということについてはやはり選択肢があっていいだろうと思うのです。ですから、これを何が何でも地域なのだと、あるいは家なのだというだけでいいかどうかということについては、尊厳ある生活という概念をもう一回しっかりと考え直す必要があるのではないかと思います。この言葉が間違っているわけではありませんが、そういうふうに思いますので、是非この中で検討していただきたいと思います。
 以上です。
○大森分科会長 ありがとうございました。
 では、木村さん。
○木村委員 A3シートの下から2段目のフローの「気づき」のところと、日常診療BPSDの影響のところの2点で、実践例をこの後のこのプロジェクトを進めるうえで参考にしてほしいので紹介したいと思います。
 まず1番目は、青森県介護保険事業支援計画の中に位置づけられて、このようなことをやっています。先ほど来、各委員からお話がありますけれども、認知症かもしれないという本人、家族の気づきは結局何かのツールがなければだめだろうということでありまして、県が「脳の健康チェックリスト」本人用・家族用を開発しまして、それを活用しています。どこで活用しているかといいますと、薬局で活用しています。薬局に立ち寄ったときに、チェックをするのです。御本人は当然認めたくないことが多いですから、家族用も開発しました。御家族が何かおかしいなというときに家族用をチェックして、本人の住所地の地域包括支援センターにその情報が行くようにしています。その後のフローはサポート医の先生方ほか、先ほど来出ている疾患センターの方に情報が行って、サポートする形になっています。
 もともと振り返りますと、地域包括支援センターの行う介護予防事業の二次予防事業の対象候補者把握事業で65歳以上の人たちに「基本チェックリスト」をきちんとやってもらうということになっていて、その中で3項目認知症のことはありますけれども、それではわからないということで、「脳の健康チェックリスト」を活用して、その情報を住所地の地域包括支援センターに持っていく。そのことで本人、家族に納得してもらいながら、早く対応してもらうということをやっています。ですから、これがすべていいということではなくて、このような実践例を集めて全国に紹介していただければいいなと思っています。
 2つ目に、今、村上委員がおっしゃいましたけれども、薬の影響はものすごく大きいと思います。今回出ました認知症の薬物治療に関するガイドラインは非常に期待しますし、それを多くの関係職種の人たちと共有していかなければいけないと思っています。もう一つ、実践例を話します。
 高杉委員がおいでなのですけれども、あえて広島県尾道市のことを話します。尾道市医師会が開発したDBCシートがあります。DBCシートはどういうものかといいますと、このフローの中に「認知症行動・心理症状悪化時」とありますが、悪化したときというよりも日常こういうBPSDの症状の変化を利用者さんに関わっている職種が全員見ていこうという話になります。例えばAさんという利用者さんがいたら、その人に関わる医療介護スタッフがAさんに会ったときに、どのような症状、行動をしているかなどをそのシートに全部チェックしていくのです。カンファレンス時にこのシートを全員持ち寄って、同じような症状行動がないかなどを見ていくという形です。
 また、そのシートの中には服薬中のすべての薬剤を書くようになっていて、例えば、せん妄症状がかなり出ているとしたら、その薬剤の中で影響があるのかないのかチェックすることになっています。少し興奮ぎみになっていたら、シートの中のチェックボックスに要鎮静とありまして、鎮静させなければいけないとすれば、この要鎮静にチェックをしていく。このシート活用で大事なのは、スタッフが全員、Aさんに会ったときにどういう行動をしているかということを共有しているということです。そういうことで結果的に薬剤の影響を見ていこうとしているわけですけれども、認知症のいわゆる日常診療の中でいろいろな変化があることをそれぞれが共有してやっていくことの具体的なものをつくらないと進まないと思います。フローだけで、はい、やりますといってもだめだと思いますので、今、言った早期発見の仕組みとか、カンファレンスをうまく活用して、いろいろな職種の人、まさに多職種でここのところの薬の影響ほか、いろいろな変化をウオッチしてケアをしていくとか、そういうことまで踏み込んだ形で今後進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○大森分科会長 ほかに。
 こちらのお2人様。高杉さん。
○高杉委員 日本医師会の高杉です。
 今回、省を横断的にまとめられたことは非常に評価しますけれども、この中身を読んでみると、果たしてどうなのかなと。ということは、我々はもう長年やってきたその中で悪かったこと、よかったこと、それがどうもよく見えない。これはよかったから進めましょうということも見えないし、何か同じことがずっと書かれている。これはたしかやっているよなということがいっぱいあるのです。
 焦りもわかるのですけれども、私はもう一つ、先ほど高松市長さんがおっしゃった言葉がまさに一番大切なのだろうと思います。これは地域づくり、地域のまちづくり、それが人づくりにもなるし、いいまちに住んでいるなとお年寄りの実感にもなるだろうし、その中で今、ドクターへの注文がいっぱい出ました。認知症になられた方を早く見つけることも大切ですし、早く介入していくことも大切でしょうけれども、地域の中で生活するときにおよそ限界もあるのです。限界のときには施設に入れるのは当たり前だし、それを縦横に使い分けられる方法、在宅しかないなどということになると、お年寄りの尊厳などは全くない。では、施設しかない、それもどうなのかなと。認知症は治す病気ではないです。ケアする状態なのですから、その人その人に応じた状態で地域でどのようにケアできるかの実力だろうと。
 今、尾道の話がありました。私は広島県出身ですからいろいろなことをやりましたけれども、モデル事業でもいろいろなチャレンジがあるのです。その集積がこのプロジェクトチームの答えに出ているのかなと思いながら読ませていただきました。皆さん、注文することはどんどん注文していいのですけれども、地域のまちづくりという視点が人づくりにつながるのだろうし、施設はやはり緊急のときに応援していくことが大切なのだろうと思います。
○大森分科会長 清水さん、どうぞ。
○清水参考人(武久委員代理) 日本慢性期医療協会の清水でございます。
 この概要案につきまして非常に敬意を表したいと思いますが、先ほどもちょっと出ましたが、「不適切な『ケアの流れ』」というのは、今まで現場を担っておりました私どもにとりましては非常にショッキングな表現でございます。是非この「不適切」という表現だけは何とか御勘弁いただければと思います。
 それから、医師の問題が大きく出ておりますけれども、現在の医学教育の中で認知症に対しての教育は、私は医学部を卒業しましてもう40年ほどになりますのでよくわかりませんが、息子たちに聞いてみましても、余り認知症に対する教育がなされていないような気がいたします。ですので、このプロジェクトは一朝一夕にできるものではないと思いますし、医師の養成にも時間がかかりますが、このプロジェクトが完成する暁にはそういう医学教育をきちんとといいますか、認知症に対する医学教育を正確に受けた医師がたくさん出てくることが必要ではないのかなと思います。今回厚労省だけの横断的なプロジェクトですので、文科省は入っていないと思いますが、是非その点をお調べいただいて、今後そういう教育面でのことをお願いしたいと思います。
 若い先生方は、例えば循環器の病気とか、脳神経外科の病気とか、そういうようなものによく興味を示して、なかなか認知症には興味を示さない。だから教育をしっかりすることが必要ではないのかなと思います。
 それから、医療と介護を同時に提供できる唯一の施設が介護療養型医療施設かと思います。介護療養型には認知症の方がたくさん入っておられますし、認知症の方が入院される場合に一番皆さん困られるのは、合併症のある認知症の方ではないのかなと思います。ですので、認知症以外の病気をお持ちの方々のことにつきましても是非ご検討いただきたい。介護療養型はそれを十分担えると私たちは考えております。
 最後に、認知症地域支援推進員、いろいろあちこちでこういう推進員なりいろいろな資格を持った方々が養成されると聞いておりますけれども、そのベースになる資格がやはり重要ではないのかなと思います。全く医学知識のない方がなられると医療を避けてしまうというようなことも出てまいりますので、できれば基礎的な資格について限定をした上で、その上の資格をというふうにしていただければと思います。
 以上です。
○大森分科会長 1枚紙の方の「不適切な『ケアの流れ』」の「不適切な」という表現は、4ページのところではそういう表現はないのです。だから「事後的な対応を主眼とした」ではないですか。「不適切」というと、今まで頑張った人たちがいるので、その人たちのことを言っているなと誤解を受けるから、「不適切な」と言う必要は全然ないのです。本文はそういうふうに言っていないのです。だから、本文のように言うと「不適切」かもしれないけれども、この表現はやはり聞いている人、読む人はそう受け取りますから、本来の意味の形容詞に変えていただいた方が私もいいなと思っているのです。サマリーにしたらこうなったのです。「事後的な対応を主眼とした」という、そのケアの流れを変えていきたいとおっしゃるのはもっともな表現で、そこはそういうふうにお考えくださればいいのではないでしょうか。
 ほかにございますか。
○高杉委員 ちょっと追加させていただきます。
 認知症に詳しくない医者が多いと言われましたけれども、各県それぞれ認知症サポート医は研修を次々と進めております。したがって、5年前、10年前とは随分違ってきている。ただ、一気にはなかなか進みません。各県で研修会もしていますし、認知症を診られるドクターを増やしていくというのは我々の悲願でありますので、それはとかく批判が出るのですけれども、それでは地区医師会に聞いてください、この先生が診られますよ、あるいは勉強されていますよというような情報は市町村でつかめるような仕組みにしていきたい。今後も頑張ります。
○大森分科会長 頼りにしているから、一生懸命必死になってラブコールしていると受け取っていただければいいかなと。
 齋藤さん。
○齋藤(訓)委員 時間もないので手短にさせていただきます。
 1つは、7つの項目の中の最後に、先ほど大西委員がおっしゃった医療介護サービスを担う人材の育成に加えて、もう一つ、人材の確保という観点を是非入れていただきたいと思います。先ほど村上委員からもご指摘があったように、地域全体で見ていくということであれば、保健師の数あるいは地域で働く看護師の数が現状のままではなかなか厳しいというのがありますので、是非人材の確保という観点を入れていただきたいと思います。
 もう一つは、認知症初期集中支援チームの設置により、早期診断につなげることや、今後の生活の相談等々、幅広い支援ができるのではないかと思っております。私ども日本看護協会でも認知症を専門的に学ぶナース、老人看護を専門的に学んできたナースが現在200人を超えて全国に配属されておりますけれども、その多くが病院に就職しているというのが実態です。こういった支援チームの設置の際には是非病院から専門的な看護師を派遣して、少ない人材を地域住民のために有効活用するという観点が非常に大事だと思いますし、そうした仕組みができるよう、少し後押しをしていきたいと思っております。
 また、一般病院等の医師や看護師が認知症の知識を深める必要があるのは、ここに書かれてあるとおりで、今、急性期の医療現場で働くナース、ドクターも認知症への対応に非常に苦慮していることは聞いております。私どももそのことは問題視しており、今年度から認知症のケアに関する病院看護師向けの研修会の枠を設け、衛星配信でレベルアップを図ることに取り組んでおりますので、引き続き私どもも努力をしていきたいと思っております。
○大森分科会長 山際さん、どうぞ。
○山際委員 この中身ですが、非常によくまとまった中身であると思っておりまして、歓迎をしたいと思っております。特に目標として「本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができる社会」とうたっていますが、民間の介護事業者としてもこのことが実現できるように是非役割を発揮していきたいと思っています。
 1点だけあるのですが、認知症の初期集中支援チームは非常に大きな役割を果たすだろうと思いますが、現状包括支援センターの力量にばらつきがあるだろうと思っていまして、支援チームが実効性のあるものとするための施策の具体化を是非進めていっていただければと考えております。
 以上です。
○大森分科会長 時間が来ましたのでこれでお開きにしますけれども、一言私からも言いたいことがありまして、これは藤田政務官の下で5局、局長及び主要課長が集まってやっとできたというか、今日皆さん方は相当お褒めでございますので、私もそうだと思っています。こういうものは難しいだろうと想像されますけれども、よくおまとめになった。全体とすると、私どもとしては10年空白だったのではないかと必死の思いで、ここの分科会でも場合によったら部会をつくれと盛んに叫んでやっとここまで行き着いた。池田さんが先ほどお話しのように、これをもって元年としたいと。今までの蓄積を踏まえた上で、これだけの方向性を5つの局長が集まったところでまとめたわけですから、この方向性を具体化することに責任を負っている。これをどうやって「介護保険給付費分科会」の具体的な私どもの作業、さまざまなサービスの水準とか、いろいろ運用の基準とか、報酬にどうやって反映できるかということでございますので、この方向性全体を生かすような形で今後もこの議論を続けていきたい、そんな思いであります。私からも、よくおやりになったと一言言ってみたいなということでございます。
 以上で本日は終わりでございますけれども、今後のことについて一言どうぞ。
○宇都宮老人保健課長 次回の日程は、また決まり次第御連絡いたします。


(了)

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