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2012年7月10日 第3回 高気圧作業安全衛生規則改正検討会議事録

○日時

平成24年7月10日(火)
18:30〜


○場所

中央合同庁舎5号館専用第13会議室


○議題

1 標準減圧表について(その2)
2 その他

○議事

○濱本主任中央労働衛生専門官
 本日は大変お忙しい中、また前回に引き続きまして遅い時間からですが、お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまより「第3回高気圧作業安全衛生規則改正検討会」を開催いたします。
 お手元の資料を確認させていただきたいと思います。資料の1枚目の次第の中の「配付資料」に合わせてご確認いただきたいと思います。資料1「標準減圧表等の改正に当たっての論点について(案)」という形で、事務局でまとめたものがあります。資料2「空気呼吸・空気減圧表の検討案」は、本日、川崎委員からご提出いただいた資料です。これはテーブルも付いております。資料3は、日本潜水協会からのご要望ということで、鉄委員からのご提出資料が付いております。資料4は、それに関連した参考資料として英文の資料を付けております。参考資料1「高気圧作業安全衛生規則改正検討会開催要綱」、参考資料2として参集者の名簿を付けております。不足、落丁等はありませんか。よろしいですか。
 次に本日の出席者ですが、芝山委員におかれましては、所用のためご欠席のご連絡を受けております。ほかの先生方はご出席をいただいております。本日、鉄委員の随行者として、日本潜水協会の会員である日本サルヴェージの橋本様にご臨席をいただいております。川崎委員の随行者として、前回に引き続き近藤課長にもご出席をいただいております。オブザーバーにつきましては、前回お集まりいただいた方々に、本日もお集まりいただきましたが、今回、国土交通省の後藤様、日本埋立浚渫協会の斎藤様は所用のためご欠席です。人事院職員福祉局職員福祉課から、吉澤様にご出席をいただいております。
 この検討会は、写真撮影等は冒頭のみとさせていただいておりますので、以降につきましてはご遠慮いただきますようお願い申し上げます。以降の議事進行につきましては、眞野座長にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○眞野座長
 これから第3回の「高気圧作業安全衛生規則改正検討会」を始めさせていただきます。今日は、前回の検討会でご説明したスケジュールでは、減圧表及びそれに関連する酸素減圧、混合ガスの使用等の検討というのが、第2回目となっております。まず、潜水業務における減圧について、第2回では少し時間が不足していたため、鉄委員より日本潜水協会からの意見として、再度資料3、4をご提出いただきましたので、これについてご説明願いますでしょうか。
○鉄委員
 日本潜水協会の今回の改正に当たっての説明を、橋本からご説明いたします。
○橋本様(日本サルヴェージ)
 それでは鉄会長に代わりまして、「高圧則改正に対する日本潜水協会からの要望」ということで説明させていただきます。この要望については、冒頭にあるように、潜水協会として潜水業務関連についてのみの要望を提示するということです。第1回目の検討会で示された議論のポイントは4つありまして、現在の減圧表の改正について、混合ガスの利用について、酸素減圧の取扱いについて、閉鎖循環呼吸回路方式などの新技術機器についてということで、このポイントについて潜水協会からの要望を述べさせていただきます。
 「現在の減圧表の改正について」です。アの別表2は潜水用の減圧表ですが、これにつきましては、眞野先生が以前から言っておられる水深40mまでの表記とし、減圧表そのものについては、世界的に信頼性のある「空気潜水減圧表」の採用を要望したいと思います。イの潜水時の減圧については、空気呼吸のみ、あるいは水中酸素呼吸減圧、水上酸素呼吸減圧の3つの方法を提示してほしいということです。ウの減圧速度、いわゆる浮上速度につきましては、実用的範囲内で毎分9m以下を要望したいと思います。
 「混合ガスの利用について」は、空気以外の混合ガス(Nitrox、Heliox、Trimix)。これは混合ガスを呼吸ガスとして使用する場合においては、その使用方法等について所管機関に届けるものとし、減圧表等の運用については事業者の責任において実施する、という方向でお願いしたいと思います。
 3番目の「酸素減圧の取扱いについて」は、減圧においては、空気呼吸のみの減圧もしくは水中酸素減圧及び水上酸素減圧、この3つの方法のどれかを選択可能にしてほしい。もちろん、水中酸素減圧につきましては、いわゆる装置式で通信装置を備えたものに限るとか、こういう制限を設けても結構です。
 最後のポイントは、「閉鎖循環呼吸回路方式などの新技術機器」については、閉鎖循環呼吸回路方式呼吸器、いわゆるリブリーザを使用する場合におきましては、その使用方法等について所管機関に届けるものとし、減圧表の運用については事業者の責任において実施する。また、飽和潜水についても、実施する場合においては所管機関に届けるものとし、飽和潜水の運用については事業者の責任において実施する。こういう方向で検討してもらいたいと思います。以上で説明を終わります。
○眞野座長
 ただいま話題提供をしていただきましたが、これにつきまして皆様方から何かご意見、ご質問、コメント等はございませんか。もしご質問等がなければ、減圧表改正等の論点の議論に移りたいと思いますが、よろしいですか。
 前回の検討会で、事務局で論点を取りまとめるように依頼しておりましたので、その説明を事務局から行っていただきたいと思います。事務局から、資料1についてよろしくお願いします。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 お手元の資料1及び資料1の別紙を付けておりますのでご覧いただきたいと思います。前回の検討会の中で、1回目と2回目、先生方からいただいたご意見を事務局のほうから論点としてまとめるようにというご指示がありましたので、1回目と2回目に先生方のご意見、潜水協会からのご要望等を、論点の案という形でまとめさせていただきました。ご説明を資料1に沿ってさせていただきたいと思います。
 1「高圧作業安全衛生規則における標準減圧表等の改正」については、今回の検討会の趣旨ですし、要綱にも触れておりますが、減圧表等の改正について論点をまとめさせていただきました。
 1点目及び2点目は、前回、前々回も申し上げているとおり、高気圧作業安全衛生規則、これは労働安全衛生法の特別規則ですので、罰則を定めた強制規定により、高圧作業を行うすべての事業者に実施を義務付けているもので、最低基準として履行確保を図っているものです。すべてそういった作業を行う事業者に、実効の担保が必要であるということです。
 規則においては、前回の検討会の際にもお話がありましたが、基準として標準減圧表を示す必要があるのかというご意見がありました。もし、標準減圧表を示さないのであれば、高気圧業務を行うすべての事業者が、理解し法履行を担保するための減圧時間等の基準をどのように示したらよいのかということが、改めて必要になってくるかと存じます。潜水協会からのご要望の中でも、こういった標準減圧表は示してほしいというお話があったかと存じますが、すべての事業者が理解しやすいという意味では、こういった表の形式による基準が必要ではないかというのもあります。また、法履行の確保を図るためには、これは強制法規ですので、労働基準監督官等がこういった基準、規則に則った作業が行われているかどうかということで、履行確保のための指導を行うということになります。その上においても、明確になる基準、指針が必要であると思います。
 3点目は、これも1回目、2回目の先生方のご検討の中でありました酸素の使用ということです。酸素減圧は空気減圧に比べて、その減圧を行う際の作業者の方々の減圧症予防に有効であるというお話が先生方からありましたが、酸素自体は薬事法上、医薬品の規制を受けているということがあります。仮に高圧則の改正によりまして、酸素使用を事業者に義務付けるとして、拒否する労働者にも酸素を吸入させようとするためには、高圧則上はそのように書いても、これはあくまで労働安全衛生法上の話ですので、薬事法やその他関連法規も当然遵守していただくことが前提となりますので、そういったことを担保できないと、当検討会の検討内容から乖離することになるのではないかということです。
 前回、課長から申し上げたように、私どもの法令だけでは担保できないようなお話も、今回ご要望事項等として挙げていただいて、関係部署にも要望等としてお伝えすることは可能ですが、労働安全衛生法の世界の中だけにおいて、すべてを解決するのは難しいのではないかということです。
 また、4点目は潜水作業において、現在規制をしている水中での酸素減圧を行うことは可能かということです。酸素減圧が減圧症予防に有効であっても、現在、規制している酸素中毒の可能性を残したまま規制緩和することは、行政としては難しいということです。ですから、ステージを設ける、あるいはベルで浮上し船上減圧を行うこと等によりまして、万が一酸素中毒時に対応ができることをもって緩和が可能ではないかということで、これも先生方に論点としてご議論をいただきたいと思います。先ほど水中減圧の話も潜水協会からありましたが、これを緩和すると前提として、どのような担保が必要かということでご議論をいただきたいと思います。
 5点目は、混合ガスの呼吸についてですが、いま潜水協会からご要望もありましたが、ヘリオックス、ナイトロックス、トライミックス等、こういったものを法令上許すのであれば、例えば、ヘリオックスは空気中の窒素をヘリウム等の希ガスで置換して、窒素の分圧を小さくすることで身体に溶け込む窒素分を少なくするという効果があるということで、窒素酔いを予防するものであり、用途によりまして、混合比は無限大に存在するのかという話もありましたが、こういった無限大にある混合比のガスの使用の場合、減圧時間についてどのような規制をすることが可能なのか。例えば、そういったガスが混合比によって減圧時間を求める計算式のような形での規制等が可能かどうかということです。
 6点目は、現行どおり空気呼吸・空気減圧を行うことも可とすると、これも潜水協会からご要望もありましたが、現行の高圧則別表第1、別表第2及び別表第3の減圧表の問題点は何か。そもそも変更する必要があるのかということです。これもこれまでの検討会の中でも、最低深度といいましょうか、上限値といいますか、そういったところをもっと縛る必要があるのではないかというご議論もありました。空気減圧、空気呼吸による現行の別表を、同じように空気呼吸・空気減圧で最新の知見で見直すこととした場合、どういった問題点があって、そもそもどういうふうな形ですればいいか。これにつきましては、資料2として、このあとご説明をいただくことになりますが、川崎委員から空気呼吸・空気減圧のテーブルという形で、叩き台の案が出されておりますので、併せ、そのご議論をいただければと思います。
 7点目は、第2回提出の減圧表案については、川崎委員からご提出をいただきました高圧室内作業の酸素減圧を行うテーブルですが、1日1回のみの作業を行う前提でした。現行、高圧則では、2回を超えない場合は別表2で定める時間内、2回を超える場合は別表3を使い求めた時間以内としております。1日において、複数回高圧室内作業を行うことは禁止すべきかと書きましたが、複数回作業の有る場合、体内において窒素分の閾値と公式等で規制できないのかどうか、ということも含めてご議論をいただければということです。複数回を禁止できないのであれば、どのような規制。例えば、その場合の減圧時間を特別に求める公式等が明示できるのかどうかということです。
 8点目は、潜水業務におきまして、潜水業務の回毎に別表2と別表3を用いて、潜水時間を求める必要があるが、より安全でかつ簡易な表はできないかということです。これも上の2つの論点と併せて、この3つにつきましては、現行の別表の問題点にかかわるところかと存じます。
 この頁のいちばん最後の○ですが、現行の高圧則では潜水業務は政令で定められておりますが、「潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務」という形で定義されており、この作業におきまして、純酸素の使用を禁止しております。これは先ほど水中で酸素減圧をすることは可能かというところにも関連しますが、慢性窒素中毒の対策において酸素減圧が重要となるため、酸素中毒の防止等の措置を講じた場合には、使用を認めることが必要ではないかということです。これも水中減圧、船上減圧等の問題があろうかと思いますが、それと併せてご議論をいただければと思います。
 なお、爆発の危険性の防止規制は、現状どおりが前提です。
 次のページの1番目ですが、最低基準としては、空気呼吸・空気減圧の表を示すとしても、一定条件の下、より安全な混合ガス呼吸または酸素減圧を行う場合等については、これも規則上認めることが必要ではないかということです。ただし、混合ガス呼吸・酸素減圧を行っているからと、無減圧で作業を行わせるような事業者を出してはならないということです。現行の高圧則の中では、こういった混合ガスの呼吸、あるいは酸素減圧という概念は入っておりませんので、これを可能とすることにつきましては、改正規則で一定の基準(公式や安全率)等を示して、これを下限とすることで規制し、混合ガス呼吸や酸素減圧を行う場合には、この基準を上回る減圧表を事業者が計算等によって作成し使用することで、法令の目的を確保させることが必要ではないかということです。
 あくまでも高気圧則の中では、すべての事業者が理解し、実行可能である使用空気減圧をもととした別表による基準を定めることとしても、酸素減圧ができるような環境、いわゆる薬事法等をクリアして、酸素減圧ができるような環境であれば、より安全な作業ができるという中で、そういったものを当然認めていく必要があるのではないか。そうなりますと、さらにそういった条件下における使用について認めるために、それぞれ混合ガスの場合、混合比が変わるとすべて表を示すのは不可能かという中では、公式等による基準というのが必要ではないか。先ほど書いてある論点とダブっているところもありますが、そういったことが必要ではないかという論点です。
 次のところは、用語の問題です。「気閘室」「潜函工法」といった用語につきましては、現在あまり使われていないものもありますので、その辺は実際にお使いになっている業界の方々等も含めてご議論をいただきまして、分かりやすくすることを考えるための問題でもあるのですが、ご意見をいただければと思っています。
 次の論点は具体的な話ですが、平成22年9月1日付け、海上保安庁の警備救難部救難課の専門官名の事務連絡ということで、「閉鎖式回路自給気潜水器及び混合気体を使用しての潜水業務の取扱いについて」ということで、いわゆるリブリーザや混合ガス呼吸について、潜水業務に該当するか否かの照会が実はなされております。これにつきまして、私どものほうから事務連絡で、潜水業務に該当する旨の解釈回答をしております。しかしながら、これについては、十分な周知がなされていない部分もあるのではないかということで、こういった場合も潜水業務であることを明確にしておく必要があるのではないか。これは先ほど潜水協会からもお話がありましたが、こういった点があります。
 これまでのところが、規則についてご議論をいただく中での論点として挙げさせていただいたわけですが、こういう論点の中で、これも前回、前々回のときもお話がありましたが、すべての事業者の方が義務を履行できるような形での規則改正をしていく中で、酸素減圧、酸素使用の問題、その他問題があるとすると、義務付けを行うのは最低基準ということで、規則改正をしていかざるを得ないと私どもは思っております。しかしながら、先生方からそういった酸素減圧、あるいは混合ガスの使用等につきまして、これは現行の技術の中では、より安全な形での作業になるのではないかというご意見があり、規則上そういったことをもちろん許すことが必要となりますが、これを行いなさいという形で、いきなり義務付けすることは難しいということですと、2に書いたとおり、ガイドライン等での対応を挙げさせていただいております。法令で義務付ける最低基準を超え実施することが望ましい措置については、ガイドライン等で示し、指導することが必要ではないか。特に酸素減圧、あるいは混合ガス呼吸を使用する場合の取扱いについては、ガイドライン等に示す必要があるのではないか。現行の高圧則の中では、こういった酸素減圧、あるいは混合ガス使用ということを前提に置いていないところがありますが、現行の技術の中では、こういったものも使用していけるような形で、行政としても何か打ち出す必要があるのではないかということでしたら、ガイドライン等で設定する方法も1つあるのではないかということです。
 「その他」については、再圧室の規格あるいは使用方法、治療等に関しては、関係部局との調整等が必要な場合もあるので、この場において関連する部分については問題点を具体的に挙げていただいて、これは私どもの規則の改正、あるいはガイドラインの中だけでは解決できない部分ももちろんありますが、そういったものにつきましては、関係部署等へお伝えしたいと考えているところです。まとまりがないというか、同じことを何度か繰り返しているところもありますが、私どもがこの場でご検討をいただきたいという論点について、改めて1、2回のご議論を踏まえてまとめさせていただいたものです。
 論点を項目別にしてありますが、少しわかりにくいので、一応、簡単に別紙で表の形でまとめさせていただきました。「現行」が、いまの高圧則の取扱いです。「今後の方向性」という中で「圧気」と「潜水」に分けまして、先ほどの論点等を踏まえて整理をしたものです。これもご参考にしていただきまして、こういった論点でご議論をいただきたいと考えております。私どもの説明は以上です。
○眞野座長
 USNのDiving Manualについての補足説明は、いましなくてもいいですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 これに関しては、潜水協会から参考としていただいた資料ですが、橋本様のほうからよろしいですか。
○眞野座長
 会議に入る前に、皆さんにはわかっていただいたほうがよろしいかと思いますので。
○橋本様
 先ほど説明をし忘れていましたので、「USN Diving Manual Revision6-2008」について、お手元に配ってある資料から抜粋して説明させていただきます。これは2009年に行われた国際潜水高圧医学会(UHMS)のときに米海軍から発表された資料そのものです。これについては、米海軍が2008年に第6版として「Diving Manual」を改訂しているのですが、その論点について発表した資料です。主な変更点としては、下にあるように、水中酸素減圧を併記した新しい空気潜水減圧表。空気潜水と、マーク16というのは閉式潜水器ですが、これはあまり関係ないのですが、潜水でのシームレスでの繰り返し潜水を行えること。水上空気減圧の削除。飛行後の潜水制限の改定。再圧タンク使用の新しいルール。繰り返す酸素ばく露の新しいルールと。こういうものについての主な変更点があります。
 新しい空気減圧表についてのみ話しますと、これを何で今回改定したのか。これは結局1957年にオリジナルができています。どんな減圧理論を今回使用したのか。新しい空気潜水減圧表というのはどんなものなのか。ほかの減圧表と比較してどうなのか。新しい空気潜水減圧表はどのようにテストしたのか。こういうことについて述べてあります。
 改定した理由は、安全性から見まして、長年に及ぶ政府機関とか、業界からかなり批判があったと。米海軍でも、結局、減圧表を使うときは、安全サイドを採用した場当たり的な減圧表の利用が通常であったと。潜水業界におきましても、米海軍の減圧表を使う場合には、減圧表そのままではなくて、いろいろ改変して使っている。新しい減圧表では、減圧時間が長くなってきている。潜水深度と滞底時間が増加するほど、減圧の密度が高くなる、ということが長年の経験からわかってきているわけです。
 機能面につきましては、いままでの減圧表というのは、例外的な場合を除いて、水中酸素減圧というのは170フィートで40分が一応限界です。水上酸素減圧潜水では、繰り返し潜水グループが表記されていなかった。水中酸素減圧が記載されていなかった。飛行に備えての減圧のモード変更ができない。こういう機能面の欠陥といいますか、遅れがあったということです。
 以前のスタンダードの減圧表がどんなものだったかを示したのが、この表です。縦軸に総減圧時間、横軸に滞底時間。これを見ると、パーセントというのは、減圧症が起こる確率を表したグラフ線です。これがいままでのスタンダードな空気減圧表です。これを見ると、最初浅い所で短いときはいいのですが、滞底時間が長くなるほど、だんだん20%に近づいてくるという状況で、滞底時間が長くなるほど、以前の減圧表では減圧時間が短かかったということが言えるわけです。
 TWA800は、1996年にJohn F.Kennedy空港でTWA800が落ちて、水深が36m〜39mで、このときに230名の方が亡くなられたのです。そこで水中酸素減圧を使っていたときに、いままでの減圧表でやると、減圧症が14.7%になっていたと。Jumpというのは、いわゆる安全側にとったということです。安全側にとればとるほど、減圧症の発症率が少なくなってきたということです。そういうことがわかっています。
 米海軍の新しい空気潜水減圧表の基本となった減圧理論というのは、Thalmann大佐が1983年に、もともとは閉式潜水器を減圧表ということで考え出したものです。この減圧表のいちばん大きな違いは、いわゆる不活性ガスの取込みというのは指数関数ですが、排出は直線的という仮定の下に計算された減圧表です。その減圧表の理論を「VVal-18」と呼んでいるのですが、これとUSN57が古いものですが、これと比較したのがこのグラフです。縦軸に総減圧時間、横軸に滞底時間。これは45m潜水のときです。これが昔のもの。これが新しい減圧表ということで、この直線が減圧症の発症確率で、2%にだんだん近くなっていく。オリジナルは20%近くになるということを示しております。
 しかしながら、VValそのものを使うと、非常にコンサーバティブになるので、もう少し実用性を高めたものということで、VVal-18Mと呼んでいるのですが、これが実際に使われた理論です。そのオリジナル減圧表とVVal-18M、VValそのものがどんな違いがあるか。減圧症の発症確率から見た場合、どう違いがあるかというのを示したのがこのグラフです。横軸に総減圧時間。この場合、潜水深度が36mです。ここが滞底時間30分、40分、50分の場合です。これを見るとわかるように、オリジナルの減圧表は結構減圧症の発症確率が、滞底時間が長くなると、非常に高くなって10%近くなってくる。一方、改変したのは5%のレベルまで落ちてくる。
 米海軍の場合、減圧症発症確率の許容値はどれくらいかというと5%なのです。5%まで下げるのに、こういうモディファイをしたということです。これをモディファイしないと、減圧症の発症確率は3%ですが、こうなると減圧総時間がものすごく長くなるので、実用的にはほど遠いということで、VVal-18Mを理論の基礎理論として使っております。
 これは何を示しているかというと、減圧症リスクの発症確率を、空気だけの場合、酸素減圧した場合を120フィート、36mの潜水において計算した値で、これが滞底時間で25分〜60分です。これが総減圧時間。これが減圧症リスク確率。これが空気だけです。酸素を減圧した場合というのは、滞底時間が50mの場合、減圧時間9分になるにもかかわらず、減圧症リスクが5%を超えている。一方、酸素減圧をやると、総減圧時間は短かくなるのですが、減圧症リスクの確率は下がってきているということがわかるわけです。
 そのために米海軍は、水中酸素減圧をやるための装置を考案して、これがORCA?と呼ばれるものです。これが水中酸素減圧時にダイバーへの酸素供給を完成するための装置です。
 次の図は、それをどう水面で配置するかを表したものです。ダイバー3人が一遍に潜るとき、1人はスタンバイダイバーですが、こういう配置で水中酸素減圧を行うことを示しております。
 新しい空気潜水減圧表については、減圧には3つのモードがある。水中空気減圧、水中酸素減圧、水上酸素減圧、こういう3つのモードを使えるようになっています。これはあまり関係ないのですが、新しい空気潜水減圧表は、いままでは3mでしたが、最終の減圧深度は6mになっているのです。その根拠として、運用面からの運用ということで、結局、深水3mの最終減圧点にすると、波浪の影響でなかなか維持できないということです。それがいちばん大きな原因になっています。どうせ酸素減圧をやるのならば、3mだろうが、6mだろうが、あまり変わらないということで、6mで最終減圧点を設けたほうがいいということになっています。
 必要に応じてどうしても酸素減圧ができない、空気減圧しかできない場合には、最終減圧点を3mにして、再計算しても構わないということです。
 新しい空気減圧表で、どの減圧法を使うかという選択のやり方は、米海軍の場合、水中減圧時間が15分以上の場合、Yesだったら、これを水中酸素減圧にいくのですが、それが90分以上かかるか。Yesの場合には、最終的には水上酸素減圧でやると。水中減圧時間が15分以上でない場合は、水中空気減圧でやると。ここでは90分以上にならない場合には、水中酸素減圧でも水上酸素減圧でもどちらでもいいと。こういうマトリックスで減圧の選択を行うことになっています。
 空気だけで減圧する場合、その減圧時間がほかの減圧表と比べてどうかというのを示したのが、このグラフです。この場合は36m潜った場合です。これが総減圧時間。これが滞底時間です。黒のラインがもともとの米海軍の減圧表に基づく線です。カナダ国防軍(DCIEM)がグリーンです。ロイヤルネイビーが青。新しい米海軍のものは、Bottom Timeが30分ぐらいとあまり変わらないのですが、急に40分当たりから新しい減圧表においては、総減圧時間がかなり伸びているということが言えます。
 しかしながら、水中酸素減圧を行った場合を示したのが、カナダの国防軍の水中酸素減圧時間と新しい米海軍の水中酸素減圧時間を比較したものです。この青のラインが恒等線です。こうやって見ると、水中酸素減圧をやると、カナダのものであれ、新しい米海軍のものであれ、ほとんど減圧時間は変わらないことを示しています。
 次は水上酸素減圧の比較です。ほかの減圧と比べた場合です。同じように、これは水上の減圧時間、横軸が滞底時間、同じように水深36mの潜水の場合です。これがオリジナルの線で、青がロイヤルネイビー、英国海軍、緑がカナダ国防軍の場合。新しい米海軍の減圧表ということで、オリジナルを除いて、新しい減圧表については、カナダ、あるいは英国の海軍の減圧時間とほとんど変わらないことを示しております。
 これをどうやって評価したかということですが、評価の仕方には2通りあって、1つは実験潜水で、もう1つは実海面潜水試験です。実はこれは実験潜水試験は行っておりません。その理由としては、その減圧表がより安全な方向に行っているとわかっているのです。それを10回目試験というものを、実際のオペレーションにおいて使っております。
 これは水上減圧評価試験ということで、2003年に行ったものです。これが潜水深度、これが滞底時間、これが減圧症の発症ですが、減圧症は出ていないということです。
 次は、空気減圧、水中酸素減圧、水上減圧の評価試験を2007年に行われたときも、空気であれ、水中酸素減圧であれ、水上酸素減圧であれ、減圧症は1件も発生していないということを示しております。
 しかしながら、潜水深度から無減圧潜水時間の比較を、古いものと新しいもので見てみますと、水深35と40ぐらいで、70分〜80分ぐらいで、かなり短かくなっているのです。無減圧潜水時間が、この辺りで極端に短かくなっているということが言えます。
 利点は、ここにありますように、安全性の向上、57mまでの水上酸素減圧ができる。水上酸素減圧後の繰り返し潜水ができる。水中酸素減圧の……という利点があります。しかしながら、当然欠点もありまして、空気のみの減圧では、減圧時間がかなり伸びると。設備の負担が大きくなる。水中酸素減圧では、酸素中毒のリスクがある。装置類の酸素のための洗浄が不可欠ということ。無減圧潜水時間が短くなるところがある。繰り返し潜水までにかなりの時間を要するグループがあるという欠点があります。
 まとめとしては、潜水時間が短かい場合を除き、酸素減圧は推奨している。酸素減圧については、水中酸素減圧もしくは水上酸素減圧で、水中での減圧時間が長くなることなく安全性が向上する、ということでまとめてあります。
 これを考案したThalmannの写真ですが、この方は59歳で2004年に亡くなっておられます。この米海軍の新しい減圧表の作成につきましては、著名の方がいろいろ協力されております。以上で説明を終わります。
○眞野座長
 ありがとうございました。大変端的にご説明いただきまして、よくご理解いただけたと思います。いまお二人の方のご説明で概ね皆さんおわかりだろうと思いますが、ともかく高圧則の改正というのは、私が関係しただけで、昭和47年、昭和51年、昭和60年、また今度と、何か永遠とやってきていまして、解決したところもあるのですが、そうでないものもあって。そのためにいま話題提供された大変多くの項目で、いろいろやはり検討しなければいけない点があろうとなって、それを一気に今回ここでもって解決をしたいというのがこの委員会の目的といいますか希望なのです。現在、先ほど来、濱本さんがご説明いただきました順番に従って、1項目ずつ皆様のご意見、コメントをいただいて修正する点があったら直していきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、資料1に沿って、まず上から順番に行きます。1番目が、罰則を定めた強制規定によってこういう最低基準があるのだと。ですから、それの実効の担保が必要だと。これは当然そうだろうと思いますが、よろしいですね。2番目としては、標準減圧表を示す必要があるかと。どうでしょうかこれは。やはり、減圧時間等の基準というものはどこかで示しておかなければいけないような気がしますが、ご意見ございますか。その方向でよろしいですか。  
                  (了承)
○眞野座長
 では3番目として、酸素は薬事法上医薬品の規制を受けるわけですが、拒否する労働者にも酸素を吸わせることは非常に不可能であって、私自身は個人的に圧気作業をやるときに、希望者を募ったときに、すでにそこで酸素吸入に同意するかしないかのご意見をいただいて、しないという人はそこでもって不適当という形で外してしまえばいいのではないかと。そういうやり方がいいのか悪いのかなのですが、でも、採用して本人がやりませんというのを無理強いさせるわけにはいきませんから、やはり何らかの形でそこにバリヤーを1つ入れたら解決するのではないかと思うのですが、ご意見ございませんでしょうか。  
○毛利委員
 圧気でも潜水でも酸素を使用することは、有効な手段だろうと思います。ただ、先ほど来言われているように酸素中毒がありますので、酸素中毒に罹患した人に酸素を吸わせるのは基本的に不可能だろうと思うのです。そうしますと、酸素を使用で、職業選択の自由までいってしまう可能性があるとすると、やはり空気減圧は最終的には残さざるを得ないのではないかと。ただ、その場合に、基本的には酸素減圧を主体とするという項目で、空気で減圧する場合も。圧気の場合には酸素減圧はわりと簡単にできると思ういます。特に潜水の場合に、水中での酸素減圧を考慮したときに、非常に良い方法かどうかということが起きてくると思います。そこはちょっとやはり考慮せざるを得ないのではないか。私は、圧気については酸素減圧を主体にするのでいいですが、潜水の場合には空気減圧も酸素減圧、水上酸素減圧ですが、両面併記かそういう形で残すべきではないかという気がしますが。
○眞野座長
 おっしゃることはよくわかりますし、当然、空気減圧表というのは、……というのは常に起きるかわかりませんから、常に用意してあるのです。ですから、酸素を使った減圧表と空気だけによる減圧の両方あるわけですが、通常利用として行う場合には、利用できる方が、原則的に酸素を使って過去に中毒症状等々のいわゆる罹患がない方をメインとして選択することが、職業選択を奪うことになるかどうかなのです、要は。やはり、適性、不適性はあるわけですから、ほかの健康診断の項目で不適正というので撥ねられる方もおりますし、それと同じような扱いでこの酸素の問題を扱っていいのかどうかなのです。だから、村山委員ありますか、どうでしょうか。
○村山委員
 私は、いろいろな皆様のご意見を伺って、選択可能としたらどうなのかと。そのときに、前提条件というか、いま言われたようなそういったものを付加するとか、そういう形でできないのかと思います。  
○眞野座長
 わかりました。鈴木委員どうですか。
○自衛隊(鈴木)
 酸素を拒否する潜水員ということで、ちょっと今そこをどうかと思っているところは、酸素による中毒ですね。これについて潜水員がどの程度知っているかが大きな問題だと思います。拒否できるかどうかは、それ自体もわからないと思うのです。ですから、こういったものを使うに当たっては、潜水員の酸素中毒に対する知識ですね、医学的なそういったバックグラウンドを持たせていることがやはり最低条件かなと。潜水員もそうですが、事業者もそういったところを十分理解している上で使うことがやはり大事かと思います。
○眞野座長
 難しいのは、前に酸素毒性で中毒を起こしているから今度使って必ず起こすかというとそうではないのです。それから、一度もなったことがない方でも、たまたまそのときのコンディションで酸素中毒を起こす場合があるわけです。ですから、どんな方でも起こす確率はあるわけですが、できるだけ確率の低い人を選びたい気持があるのですが、その辺が難しいのです。
○自衛隊
 酸素中毒を起こすいろいろな条件がありますので、炭酸ガス蓄積とか、あと水温とか、あとは水の中か空気かですね、いろいろな条件がありますので。あるいはダイバー自体の体調にもよっていろいろ違いますから、そういったことをまとめて評価できる人が必ずいて、それで使う使わないを判断すると。これは、非常に酸素を使う場合では大事なことだと思いますが。
○眞野座長
 この辺ちょっと非常に難しいのですが、濱本さんうまくまとめてやって。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 まずは、規則上はやはり最低基準ですからすべての条件下において、使えることが前提になります。いまのお話の中で、酸素を使う話になりますと、必ずしも利用者が正しく酸素中毒についての知識があるといった前提が必要になってくると思いますので、村山委員がおっしゃったように、酸素を使える条件が整えば酸素を使うという選択の話になってくるかと思います。そうなりますと、規則の上では、最低基準としてすべての事業者が行えるという意味では、空気使用、空気減圧というテーブルを最低基準として設けておいて。ただ、先生方のご意見の中で、この論点も書かせていただきましたが、酸素を使用することによって、減圧症に対しより安全といいましょうか、作業が行えるという部分もありますので、酸素中毒やあるいは爆発といいましょうか、そういったところに当然配慮するという前提の中で酸素は使えるような形とする。
 ですから、その部分はおそらくガイドラインといいますか、これをやりなさいとはなかなか言えないので、そういう前提がある以上ガイドラインや何かで示しながら、規則の上では最低基準は空気減圧のものを可能な範囲で載せておいて、その選択として、混合ガスあるいはその酸素減圧の話もありますので、一定基準のもとで、混合ガスや酸素減圧を使う、使える。そのときにはどういう要件が必要かというのは、きちんと明記しながらガイドラインに書いていくのかと、こういうことではどうでしょう。 
○眞野座長
 そうするとあれですか、使う前に酸素減圧表を使うと中毒症状を起こすリスクはありますよというのを事前に見せて、それでダイバーの皆さんに、自分はリスクがあるから遠慮して入りませんとかという選択をさせればいいわけですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 いや、それはあくまで選択というのは事業者が行うものかと思います。
○眞野座長
 ご本人の選択だっていいわけでしょ。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 事業者が選択をする場合は、やはり労働者の方々の状況を見てということもありますし、酸素を使うには一定の薬事法上のことがありますので、そういったことをクリアしてということが前提になると思うのです。そういうことがクリアされれば、事業者として空気を使うのか酸素を使うのかは、まさに選択できる条件になると思います。そのときに、酸素を使うほうがこういう利点があるから推奨していくという話については、やはり我々はいままで高圧則の中ではそういったことは全く謳ってなかったので、ひとつそういう部分については、ガイドラインというレベルでまず設けて、そういうことも使用できるような形を確保するのがいかがかということで、書かせていただいたところです。
○眞野座長
 理屈はそのとおりなのですが、事業者としたら、やはり酸素を使ったほうが安全率が高いし、トータル作業時間が短くなりますからそちらを使いたがりますし、入りたがる人もそちらに入りたがると思うのです。ですから、やはり動き出したらほとんど、空気でもいいですよ酸素減圧でもいいですよと言っても、酸素減圧主導型でこれから動いていってしまうと思います。ですから、その選択をいちいちして、では空気がいいですという人がいるからこの人たちは空気用の減圧表、この人たちは酸素の減圧表と分けて作業させられるかというと、厳しいですよね。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 はい。多分分けて作業をするのは現実的ではないのかもしれませんが、規則でいわゆる義務付けする範疇においては、最低の基準はクリアした上でやはり誰でもができることを担保するという意味では、空気呼吸、空気減圧のものを示す必要があろうかというのが考えです。おっしゃったように、酸素減圧のほうが減圧時間が短くなるとかメリットがあるのであればそちらへ行く可能性がありますが、逆に今度、酸素減圧をも推奨する中でも、酸素減圧を行う上でのいろいろな酸素中毒防止の観点とかあろうかと思いますが、そういうことも当然前提として付記しながらこういう方法も使えると、使えるけれどこういうことに留意しながら使いなさいということを、ガイドラインとして示していくのではどうかということでご提案しています。
○眞野座長
 いかがでしょうか、いまの専門官のご意見ですが、実務的にお使いになる方どうですか。
○自衛隊
 前回第2回目の検討会のときには、潜水協会のほうから、ハード面で難しいといったところで資料提供がありましたが、実は潜水協会のほうでは、平成18年から19年にかけてそれぞれの施設にアンケート調査を詳細に行っているわけなのです。そのときに、ソフトの面で、つまり運用面ではどうかというところで非常に問題があるという結果が出ています。現場のダイバーにとってみると見様見真似で潜水を習得してきたと、系統立てた教育は受けていない状況で、現場サイドとしては、やはり専門的な医学的な面の教育が非常に必要であるという要求があるわけなのです。そういった状況を踏まえて、やはりどうしたらいいかというところで考えていかなければいけないと思うのです。運用面で本当にできるかどうかというところですね。
○眞野座長
 それはそうですね。
○自衛隊
 ですから、やはりこういった教育をどうして知識付与をしていくか、あるいは、資格認定が必要なのかどうかも含めて考えていかなければいけないかと思います。
○村山委員
 いま運用面という話をされましたが、潜水協会のほうでそのような話をされているのであれば、潜水協会であくまで運用レベルでの取りまとめというのですか、そういうことをしていただいたほうが理にかなっているのではないかと私は思うのですが、どうなのでしょうか。要するに、ガイドラインをあくまで運用側での話として、潜水協会で担当していただく。それは当然、厚労省で実際最終的には審査する、そういう形のほうがよろしいのではないかと私は思います。
○眞野座長
 中川さんどうですか、いまのご意見。
○日本潜水協会(中川)
 いまの話ですが、先ほどの厚生労働省のご説明がありました、こういうものを導入する場合の要件として整理するガイドラインと、あるいは行政指導に代わるようなそういったものが作られることが必要であろうというご発言と、いまの村山委員の発言と、やはり何らかの形で潜水協会がその取りまとめについてはやるように考えていきたいと思います。会長もおられますから、予めの打合せでもそういう受皿になることについては問題ないと思いますが、できましたら、ガイドラインは、行政指導に基づくようなある程度のいろいろな骨子が作られたものを受け継いで、協会が運用できるようなものを律する。鈴木さんがおっしゃったように、私どものほうのダイバーの多くは、最近かなり若手ダイバーでは勉強する方もおられますが、残念ながら、まだ大部分がやはりいまから教育してもなかなかという方もおられますが、協会としてはそういう方も含めて、運用についてこういったものが必要だという認識は十分もっております。よろしくお願いします。
○眞野座長
 ありがとうございます。どなたかほかにご意見ございますか。
○毛利委員
 要は、ここでいう酸素中毒というのは、肺酸素中毒を言っているのですよね。そういうことなのでしょう。先生、急性期の、中枢神経系の酸素中毒も併せて言っているのですが。急性期の酸素中毒の場合には、圧気ではたぶん対応はできると思うのです。潜水の場合に水中減圧しているときにはたぶん対応できない、1人でやっているような場合は。そういうときにどうするかという問題が出てくる。肺の酸素中毒であれば、先生の専門としているところなのでしょうけども、肺活量だけでいいのかという問題も出てくると思うのです。要は、肺活量は当然年齢によってどんどん減ってきますから、そういう面で何パーセント、4%とか10%という話の中で、併記的に肺活量の、呼吸機能、肺機能の検査をするという条件を組み込むかどうかというのも必要になってくる。ただ、急性期の酸素中毒というのは、先ほど鈴木先生も言われたように、いつどうやって発症するかというのはわかりません。
○眞野座長
 私がいま問題にしているのは、急性期の酸素中毒であって、慢性はあまり心配していなかったんですが。
○毛利委員
 では、私はどちらかというと、圧気の場合には繰り返し入るわけではないですか、同じ、事業主体が変わるだけで。ですから、そういう面ではやはり肺酸素中毒の影響のほうが大きく出てくる。まず、中枢神経系の酸素中毒でほとんど死ぬことはないと思うのです。
○眞野座長
 わかる、海の中だとわからない。
○毛利委員
 海はわからないけど、圧気の場合には。
○眞野座長
 やめればね。
○毛利委員
 やめれば。
○眞野座長
 そういうこと。
○毛利委員
 ですから、マスクを外せばそれで済むことですから。潜水の場合に、要は水中での酸素を使用するかしないかというのは大きな問題点にはなると思うのですが、圧気の場合には、酸素使用ということは基本的にはできると思う。
○眞野座長
 まあこの問題に関しましては、基本的なコンセンサスとしては、酸素を減圧中に使用することに関しては一応ご理解いただいて、その運用の仕方に関しては、潜水協会の考え方もあるでしょうし、それぞれの施設での違いがあるでしょうから、それぞれの取り扱われる組織で安全性は検討していただいて、問題のない範囲で利用を考えていただくという形でいかがですか。あまり無理してこうだと決めないほうが私はいいように思うのですが。
○毛利委員
 ただ先生、40mだけは決めておいてください。
○眞野座長
 そうですね。
○毛利委員
 それは基本だろうと思うので。
○眞野座長
 有り得ないからね。
○毛利委員
 はい。
○眞野座長
 いいですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 いま、毛利先生がおっしゃったように、次の論点の下のほうにありますが、もし空気使用、空気減圧も残しておくとしても、いまの別表1、別表2、別表3は複数回のときですが、こういったものにもやはり問題があるのではないかと。いま毛利先生がおっしゃったように、90mまで本当に残すのかという話もありますし、それぞれの減圧時間に関しても最新の知見の中ではやはり洗い直す必要があるかと思います。それを前提に、今日、川崎委員から空気呼吸、空気減圧の関係の叩き台のテーブルもお示しいただいていますので、この後またそれをご説明いただきながら先ほどの点もご議論いただければと思います。
○眞野座長
 今しますか、あとでいいですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 では、先にやっていただいて。
○眞野座長
 先にやっていただきますか。
○川崎委員
 では簡単に。
○眞野座長
 では簡単に説明してください。
○川崎委員
 40mまでの空気減圧の減圧表については、先回のご指示がありましたのでまとめてきています。近藤から簡単に説明させていただきます。
○近藤課長(オリエンタル白石)
 資料2をご覧ください。前回の委員会で提示された論点として、空気呼吸、空気減圧表の検討について、40mswまでの検討結果を持参しました。また、毛利委員からご指摘があったと思いますが、減圧速度について、大気圧に向けて速度を緩やかにすることによってどのような影響があるのかということがありましたので、そらの検討をしてきました。
 本日用意したのは、減圧表が3案あります。空気減圧表1、空気減圧表2、空気減圧表3です。まず、それぞれの空気減圧表の違いをご説明します。
 空気減圧表1は、まず「安全率の設定」です。前回お話しました21mswから安全率を設けていますが、それを9mswまで1.1、最後の6mswのところに関しては0.95という値を選択しています。これは前回の説明とも被ってしまいますが、前回説明したPi/Mの値が1.1を超える値でも、減圧症の発症率が変わっていなかったという実績を踏まえて、1.1だと安全率に換算すると0.9なのですが、それより0.5だけ安全側に取りまして、6mswのところは0.95を採用しました。
 「減圧速度の変更」ですが、基本的には8msw/minが従来の基本の決まりですが、減圧表自体は3msw刻みで刻んでいますが、管理する上でも、実際に減圧の操作をする上でも、3の倍数でそれが定められていると非常に管理がしやすく、操作をするほうも、例えば1分当たりで3mswを減圧していくとなると、ゲージを見ながら操作をする上で非常に簡便になるということで、今回は取りあえず計算は減圧速度6mswとしております。
 減圧表はその後ろにずっと続いていまして、それぞれの減圧表の上に、「減圧表1」「減圧表2」という記載がありますので、そちらをご覧いただきたいと思います。
 まず、減圧表1の特徴です。こちらは、前回提示した「空気呼吸酸素減圧表」と比較して、浅い深度および高圧下の短時間領域で減圧時間が短くなる結果も出ています。これは停止圧6mswの安全率が、前回のときは1.05だったのが今回は0.95を採用していますので、どうしても酸素減圧の効果がないところでは、計算上減圧時間が短くなってくるという結果が出ています。
 また、別表1、従来の減圧表と比較してですが、本理論による計算結果は、高圧下の短時間作業で危険側、長時間作業で安全側になると出ていますが、別表1の本来の減圧症の発症率というのは、減圧表のめいっぱいの作業時間を使っているときの発症率がほとんどですので、単純に減圧時間が短いからこれが危険になっているとか、そういうことはありません。空気減圧表1に関しての特徴は以上です。
 空気減圧表2です。こちらは安全率の設定は減圧表1と同等です。ただ、毛利委員からご指摘がありましたように、減圧速度を大気圧に向けたときに、6msw/minから1.5msw/minに変えて計算しました。そうしたところ、減圧表の特徴ですが、減圧表1と比較して、若干減圧時間が短縮される傾向が出ています。ただ、安全率自体は変更していませんので、そのときの体内窒素分圧は基本的には減圧表1と変わらないと考えております。ただ、その短縮幅というのも、最大でも20分を超えない領域ですので、それ以上に作業ができる範囲とか、そういったところまでの大きな影響は出ていません。
 こちらの空気減圧表の2案を計算した結果から、見て取れたところのご提案です。前回お示しした空気呼吸酸素減圧表と、混合ガスを使った酸素減圧表と比較しまして、若干整合性が取れないというか、空気を使うことによって何で減圧時間が短くなるのだというところの結果評価があります。あくまでも今回お示ししているのは計算結果をそのまま出していますので、そういったところの不整合が出ているところに関しては、計算とは関係のない調整などの処理が必要になってくるということを、ここに提示しています。
 最後に3つ目の減圧表です。これは6mswの安全率を0.95ではなく1.0としました。これは基本的に安全率1.0というのは、この理論における基本的な原則をそのまま守ったという形です。安全率を1.0にしますと、この減圧表では6mswで停止時間が非常に長くなりまして、いままで別表1で使っていた作業範囲が使えなくなるという形で結果が出ています。こちらの結果をご確認いただきながら、標準の空気減圧表というものをどのように形づくっていけばいいのかご指導いただければと思います。
○眞野座長
 3つの表が出てきました。係数の取り方で時間に誤差を生じますが、どれを選択するかは、ユーザーのお考えで決めていただければいいのかと思います。これに関して追加、コメント、ご質問はございますか。
○村山委員
 空気呼吸の空気減圧表の作成については、理論主導できていると思っているのですが、この実際に作成された根拠、エビデンスというのは、どの理論を使われているのかをはっきりしていただいて、それがきちんと評価されているのか。その辺をこの中で最終的に御墨付きというか、そういう形をしていただかないと先に進めないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○眞野座長
 これは、何を使っていますか。ビールマン。
○近藤課長
 ビールマンです。
○川崎委員
 これについては前回も説明させていただいたと思うのですが、内容についてはご異議のある先生方もおられると。
○眞野座長
 ほかにございますか。
○毛利委員
 先生、圧気の場合は潜水の場合での最終減圧点というのは、先ほど潜水協会の鉄先生のところが言ったみたいに、潜水の場合には3mでいろいろな影響が出てくる。もし圧気の場合は、6m、3mでの減圧でしたらどうなるのですか。
○眞野座長
 圧気は3mで止まれるでしょうと。潜水はなかなか止まれないから、安定を図れないから。
○毛利委員
 それだったら、いままでどおりに3m間隔で、最終ステージは3mで減圧したらどうなるのだろうか。ある面では、6mから急速に落とした場合に減圧症の発症は高くなるのではないかと思うのですが、そういう意味合いでの計算はどうなのでしょうか。
○近藤課長
 今回計算しました空気減圧では、いま毛利委員がおっしゃるとおり、6mで停止することのメリットが見える状況ではありませんでした。ただ、酸素減圧については、先ほど潜水協会からの説明がありましたとおり、少しでも高い所で酸素の呼吸をすることによって、窒素分圧の低下が非常に大きくなりますので、そこで停止時間を取ることによって効率が非常に上がるという結果は出ています。
○毛利委員
 それはわかるのですが、要は基本的に濱本さんが言ったように、空気減圧を主体にするのだったら圧気では3mではないか。酸素減圧を付加するという前提であっても、3mの所で停止してもいいのではないかという気がするのです。
○眞野座長
 毛利先生がおっしゃるのは、低い所はできるだけ直線的に、ゆっくり上げていきたいのだということですよね。
○毛利委員
 そうです。
○眞野座長
 だから、6からトンと落とさないで、3で止める。本当は直線的にゆっくりと下げたいというのが、先生の考え方なのだと思うのです。それを6mまでトンと落としてしまうよりも、確かに体内の窒素の洗い出しは早いかもしれないけれども、体に対してはゆっくり下げていったほうが、マイルドではないでしょうかというご質問ではないかと思うのです。
○近藤課長
 今回計算した減圧表は、まだご議論の末にどうなるかわからなかったのですが、例えば潜水と圧気と、ある程度共通させた形で減圧表を作れないかという目標もありました。そうしますと、3mで止めるというのは、潜水のほうでは非常に難しいという話がありましたので、今回提示した計算は、あくまでも6mで停止した形で出しました。ただ、先生がおっしゃるとおり、3mで止めてどうなるかという計算ももちろんできますので、それはトライしてみたいと思います。
○毛利委員
 ビールマンの理論というのは、飽和潜水のビールマンの理論を使うと、300mから4日で降ろすことができるのです。普通の飽和潜水ですと、12日間かかるのですが、ビールマンの減圧表であると4日で300mから0mまで、すごく早く落とすことができます。
 そういうことからすると、ビールマンのいまの理論からすれば、減圧時間は少し短くなるのだろうと思うのです。ただ、やはりそれでもその意味合いは、短時間潜水というのは主体が階段減圧ですよね。飽和潜水というのは、直線減圧を主体にした減圧テーブルだと思うのです。そうすると、いろいろな事故など、いろいろなことを考えたときには、いま3m刻みで圧気のほうはしているのであれば、階段減圧で落としたほうが、3mの所で最終停止点をもって落としたほうがベターだと。ただ、潜水の場合は先ほど言いましたように、波の影響とか、いろいろな影響が出るので、3mを保持することが非常に難しいということであれば、6mから減圧したほうが、危険度も考えたらいいのだろうと。表層で停留していれば、危険度は多くなりますから。そう考えられるのではないか。意見としてのことです。
○眞野座長
 2通りあるのですが、圧気も潜水も同じテーブルでやってしまったほうがいいという考え方もありますし、何とも言えないのです。
○自衛隊
 減圧速度にしても、昔のUS Navyは毎分18mだったのです。それが速すぎるということで、その半分の9mになったのです。それでもダイバーにとってみれば、1分間に9m浮上するというのは、結構技術が要るのです。そういうことを考えますと、より遅い減圧速度となると、かなり難しくなってきて、現場で本当に海面状況を勘案しながらそういった減圧ができるのかというと、まず無理ではないかと思うのです。ましてや1分間に1.5mはできないのではないかと思います。
○毛利委員
 そういう意味合いからすれば、圧気と潜水の減圧テーブルは変えざるを得ないのではないかなという気がするのです。ただ、眞野先生は、基本的に1つの減圧テーブルで表記したほうがいいという考えで、それも確かにあると思うのですが、それを潜水に応用したときに危険度が増すか、最終的な減圧スピードがあるものですから。眞野先生が言われているみたいに潜水で6mから降ろすというのは私は賛成ですが、圧気の場合にはもう一度3mで停留して、ゼロにしたほうが良いと思います。
○眞野座長
 3mストップを入れた場合と入れない場合で、トータル的な時間はどのぐらい違いますか。結構違うでしょ。
○近藤課長
 ちゃんと計算していないのではっきりしたことは言えませんが、トータルの減圧時間でしたら、そんなには変わらないと思います。空気呼吸、空気減圧でしたら、そんなに変わらないと思います。ただ、酸素減圧は一応計算しましたが、やはり変わります。
○眞野座長
 酸素を使った場合は変わるでしょ。
○近藤課長
 変わります。
○眞野座長
 空気が変わらないのはわかるのです。どうしますか、どちらがよろしいですか。実際に運用する側ではどうですか。
○海上保安庁(岩男)
 我々はどちらかというと現場の潜水士、まさにダイビングでレスキューをやる潜水士を預っていますので、実際には先ほどあったように、圧気作業と同じような速度で浮上の管制をどこまでできるかというと、正直言って、水中で深度計を見ながら、毎秒数センチだとか、数十センチだという感性というのは、物理的に極めて難しい話なのです。しかも、3mの停止というのも、先ほど来話があるように、現場の海洋がしけているような状況で3mというのは、ややもすると海面に浮上するような状況にもなりかねないようなものなのです。ですから、減圧のやり易さというところでは、3mと6mのどちらのほうが停止時間を取りやすいかといったら、6mのほうが取りやすいというのは、現場的には言えるかなとは思います。
 それと、水中で酸素減圧というところですが、システム的に導入するのに、役所的な話なのですが、実運用させる上では、かなりハードな状況になろうかと思います。
 だから、現状に即して安全サイドにいくような、ファジーな言い方になって非常に心苦しいのですが、その辺のところは是非とも考慮していただきたいというのがございます。
○海上保安庁(佐々木)
 現行でも酸素については、EANの80を無限潜水基本で、必ず6m1分ぐらいは吸わせるようにはさせてはいるのですが。
○海上保安庁(岩男)
 だから、100%の純酸素を吸うというのが、かなり。
○眞野座長
 それはチェンバーが入るしかないのですから。
○海上保安庁(岩男)
 チャンバーを現場に実際に導入できるかといったら、いまの現状では不可能に近いですよね。ナイトロックスでの予防減圧というのが読めるような状況になり得るのであれば、実効性はある程度は担保できるかなという気がするのですけれども。
○眞野座長
 いかがでしょうか、大体話がまとまってきたような感じがいたしますが。よろしいですか。一応、減圧はできるだけ酸素減圧を利用していただくのですが、海でやる場合にはいろいろ問題がありますから、水深6mを最終減圧停止圧にしたらどうでしょう。圧気土木に関してはレベルを決める必要はありませんから、0.3まで落としたらどうかと。これに対して、0.3まで落としたらいいのか、0.6で一気に出たほうがいいのか、どちらがいいのかというのは、作業時間の効率をもう少しご検討いただいて、概ね毛利委員の言うように、0.3まで引っ張ったほうがいいような気もするのですが、ペンディングにさせていただいて、考え方としては酸素減圧を使うということでやっていただくと。
 実務的には、それぞれ利用される事業団体でいちばんベストと思われる方法を使って、6mから使っても結構ですし、3mでおやりになっても結構で、それは事業体で考えていただくと。とにかく酸素減圧を中心に考えていきましょうということで、まとめさせていただきたいと思います。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 酸素減圧の場合、ガイドラインで示す部分については先生がおっしゃったように、ある程度はこちらで基準を定めながらも選択していただくという方法でいいのですが、規則で定める側は、義務付けになるものですから、しっかりとした基準となる減圧表を載せる必要があると思います。
 ですから、それはご議論いただいた中で、もちろん主に潜水の場合と圧気の場合ということで、その特異性である程度変わるということがあれば、分かれるでしょうし、兼ねられて、何か特殊な要件だけ別に示せばいいのであれば、そういう方法があるかもしれませんが、いずれにしても、基本的にこの別表1、別表2に変わるようなものについては、これでいくというものをこの場でご議論いただいて。もちろん村山委員がおっしゃったようにエビデンスも必要ですが、先生方の知見の中でおまとめいただくものと思います。
 さらに先生がおっしゃったように、酸素減圧を使う、混合ガスを使うという場合については、ガイドラインに落とし込む中でそれにつなぐ規則上で、基本的な最低限のところをどう定めるかというのが、これは表で示すというより式のようなもので示せるのかどうかもご議論いただきたいのです。その上で、事業者が安全な方法を選択できるようなということは可能かと思うのですが、そこは分けていただければありがたいと思います。
○眞野座長
 前回の会議で、いままでやっていたような90mまでの空気のテーブルは廃棄しましょうと。これは原則として廃棄しますが、それに変わるテーブルというのをどのくらいまで用意したらいいのだと。
 この前の話の中では、水深40mぐらいまでの枠の中では、空気によるテーブルは用意しないと具合が悪いと。それと併せて、空気で酸素を使う酸素減圧の2つぐらいを用意していただいて、例えば30mを超える圧力に関しては、40mなら空気でもいいのでしょうが、できるだけヘリウムを使うような、混合ガスを利用するテーブルを推奨するという考え方ではいかがでしょうか。何かご意見はございませんか。
○毛利委員
 基本的には賛成します。混合ガスの委員会が建災防であったときに、報告書は40mという形で最終的に書いていますが、検討委員会の中では30mで散々議論しました。そういう意味合いでは、やっと10数年経って、30mという言葉が出てきたのだろうと思います。
 ただ、潜水でやっている人たちに、即そこで30mで使えということではないので、圧気工事とか、そういうものでは十分30mの所から混合ガスを使用することによって、趣旨のいろいろなメリットが出てくると思います。ただ、潜水で深度30mから混合ガスを使ってやるというのは、またシステム潜水に近い形になりますので、非常に大変です。ですから、潜水をやっているところに、30mを超えたら混合ガスを使いなさいというのは、自分たちがやった経験からすると、非常に困難だろうと思います。
○眞野座長
 だいぶ前ですが、カリブ海でノアがやった飽和実験は、12mをヘリオックスでやったのです。ですから、ヘリウムを30m以上と決めてしまうのもいかがなものかなという気がするのです。いずれにしましても、空気でもいいし、ナイトロックスでもトライミックスでも何でもいいのですが、その辺の枠というのは、ご利用になりたい方が、自分たちでいちばんいいと思われる考え方で決めていただくということで、あまり細かく条件を決めない。そして、できたら私は、30mを超えたらヘリウムをある程度使えるようにしたほうが、体に対してマイルドでいいように思うのですが、それはお使いになる方の自由意思で。コストの問題もありますし、決めてしまうのはよくないのではないかと思います。ともかく、ある一定の水深までは混合ガスを使っていくと。どこまでという規定はやめたほうがいいのではないか。ナイトロックスあるいは空気は40mを超えては、基本的にはあまり推奨できないのだということぐらいで止めておいたらいかがでしょうか。何かご不満はありますか。
○椎葉労働衛生課長
 最低基準を決めていただくという。
○事務局
 あくまでも高圧則なので、最低基準を決めていただくということで、眞野先生もおっしゃったとおり、各企業が努力してよりマイルドな減圧表を使っていくというところは、目指すべきところかなと思うのですが、この検討会では最低基準を示していただきたいと思います。
 いまのお話をまとめますと、圧気工法については直線減圧で、3mの所から緩やかにできるということなのですが、潜水では段階減圧で。
○毛利委員
 違います、どちらも階段減圧です。すべて階段減圧です。
○事務局
 3mから直線減圧ですか。
○毛利委員
 違います。3mストップを入れるか入れないかです。短時間潜水は基本的に階段減圧で全部落としますので、潜水の場合には3mの所で停留すると、海上の影響が非常に強く出るので、それだったら6mから水面に上げたほうがベターだろうと。圧気の場合には、6mからストンと落とすのではなくて、もう1点最終減圧点を3mに求めて、それから大気圧にしたほうがいいのではないかというのが私の意見です。
○事務局
 そこまでは一緒ということですか。
○眞野座長
 一応いいと。あといいか悪いかは、本省側でお考えいただくことです。
○椎葉労働衛生課長
 一通り資料1の論点を全部見ていただいて、議論していただければと思います。
○眞野座長
 いま○の4までいったのですが、「潜水作業において、現在規制している水中での酸素減圧を行うことが可能か」ということで、いまご討議いただいた内容です。万が一の酸素中毒が発症した場合の対応ができることをもって、緩和が可能であろうということで、これは十分に考えてと。要は、生きるか死ぬかの急性の酸素中毒を出さないようにするという観点で、ここを考えていただいたらいいのではないかと私は思うのですが、それでよろしいですか。慢性も入れますか。
○自衛隊
 いや、ここで議論するのは急性なのですが、急性の酸素中毒が全く起きないというのは無理だと思うのです。やはりリスクがあるということを覚悟の上で潜水に臨まなくてはいけないということで、そのリスクに対してどう担保するかというところを、規則の中に盛り込んでいただくと。安全についての教育、実務経験、届出制にするとか、いろいろな縛りというか、規則上は安全について検討することができると思います。
○眞野座長
 酸素をこれから一般的に使うようになりますと、かなり真面目に教育したほうがいいような気がいたしますね。
○自衛隊
 教育は絶対に必要だと思います。
○海上保安庁(岩男)
 オブザーバーの立場から発言します。ここでいう酸素減圧というのは100%酸素減圧という意味ですよね。
○眞野座長
 もちろんそうです。
○海上保安庁(岩男)
 いわゆる純酸素減圧ということですね。
○眞野座長
 そうです。我々は酸素減圧といったら、純酸素しか考えていませんから。
○海上保安庁(岩男)
 なるほど、わかりました。
○眞野座長
 その次です。混合ガスのみを法令上許すのであれば、例えばヘリオックスだと、窒素をヘリウム等の希ガスで置換をする、あるいは窒素の分圧を小さくすることで、身体に溶け込む窒素分を少なくするという規制で、最大無限大にある混合比のガス使用の場合の減圧時間等について規制することはどうかということですが、これはどうしたらいいですか。計算式を出しておけばいいのではないですかね。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 これをご提案させていただいたのは、空気使用、空気減圧のテーブルは、これを義務付けるという話であれば、これが基準になりますので結構なのです。もし混合ガスを認めるという話になったときに、当然基準が必要になってきますけれども、それぞれの混合比が変わってくると、その減圧時間も変わってくれば、一定の基準はどうやって定めたらいいのかということで論点を書かせていただきました。ですから、空気使用、空気減圧であれば、そのテーブルを示してしまうという方法でいいと思います。
○眞野座長
 それだけでやらないと、これは無理ですよ。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 もう1つはガイドラインの中では、混合ガスも認めていく方向で打ち出すとして、そのときにおいても、規則上、最低限こういう形でこういうテーブルを作ってくれという基準というのでしょうか、計算式のようなものが出せるのかどうか、理論式のようなものですね。
○眞野座長
 そこまではできないですね、無理ですね。
○自衛隊
 等価深度減圧表を使うといい場合もあるかも知れません。
○眞野座長
 必要な人は自分たちで考えてもらうしかない。
○自衛隊
 いずれにしても混合ガス潜水については、US Navyもダイビングマニュアルに載っていますし、エビデンスに基づいた検討をやっておりますので、US Navyのダイビングマニュアル以上のエビデンスをもった検討ができたものがあれば、また別なのでしょうけれども、それを上回るものがないということであれば、それに従っていいのではないでしょうか。
○眞野座長
 いいですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 1つは、そのUS Navyのダイビングマニュアルがあるということですので、それを1つの基準にするというのも方法としてはあるのでしょうか。
○眞野座長
 厚生労働省はいいのですか、よその国のテーブルですが。
○椎葉労働衛生課長
 高圧則に入れるわけではなく、ガイドラインとしてこういうのがあるので使うということならば検討の余地はあるのではないかと思います。要するに俊別していただきたいのは、規則で最低基準について決めることと、ガイドラインで望ましい方向は別ですので、それはこちらとしても受け止めたいと思います。
○毛利委員
 混合ガスの項目は窒素だけの話ですが、ヘリウムにしても、水素にしても、窒素にしても、不活性ガスそのものなのです。ですから、ヘリオックスを使って窒素成分を減らす。基本的に窒素というのは空気中の窒素ですから、呼吸している間にどんどん体の中から出てきますが、ゼロには基本的にほとんどなりません。ですけれども、少なくともいまの短時間潜水では、ヘリオックスを使えばヘリウムが不活性ガスなので、それによる気胞の発生、気胞の発生があるかどうかはまた別ですが。これは窒素分だけではないということを考えてください。
○川崎委員
 混合ガスについては、ダイビングと圧気を分けるということで考えてよろしいのですか。圧気の中では混合ガスの使用については、それなりの現場の検証等はある程度は進んでいると思っているのです。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 それもこれからガイドラインに書き込む話ですので、現状の話も伺った上で、安全な方法の選択として合理的であれば、分けたほうがよければ分ける書き方をさせていただくことになると思います。それはここで、いまの現状も合わせてご意見をいただければと思います。
○眞野座長
 よろしいですか。
○毛利委員
 海上保安庁は40m以上とか、何メートル以上で混合ガス潜水をするという規制をしているのですか。
○海上保安庁(岩男)
 現状では空気潜水のみです。ナイトロックスを使っているのは、あくまでも予防的に6mでの減圧停止というのは、それも予防減圧という範疇で一部特救隊ではやっていますが、実際の潜水士では一切やっていません。ただ、今後導入を検討するに当たって、実際に特救隊にはリブリーザを今年度予算上配備することになりましたので、今度はそのリブリーザを使う場合にいまは空気、要は別表2しか我々は根拠がない。その後も人事院規則で縛られているから、リブリーザを導入したにもかかわらず。
○眞野座長
 ヘリウムは使っていないのですか。
○海上保安庁(岩男)
 ヘリウムは使っていません。
○眞野座長
 使えないということはないですよね。
○海上保安庁(岩男)
 結局コストパフォーマンスの話になりますから、ヘリウムを導入するだけで、うちの予算はそちらに全部。現場をヘリオックスに全部変えたら立ち行かないです。
○毛利委員
 大変ですものね。
○海上保安庁(岩男)
 ええ。逆に、オールの潜水部隊にリブリーザを導入するだけの予算も確保できないから、そうなったときに、特救隊にはリブリーザを導入したけれども、それ用の減圧表がないものだから、リブリーザは導入したけれども、空気潜水の別表2に基づいてリブリーザを運用しているから、非常に非効率的というか、もったいないです。
○眞野座長
 もったいないですね。
○事務局
 先ほど減圧表を混合ガス等で規制することは難しいということでしたが、先ほどお話がありましたように、取締りの法律を根拠にしていますので、極端な話、示せないとなったら無減圧で出てくるようなことをさせるような事業主も出てきますので、何か1つ式などを根拠をもって示せたらいいなと思うのですが、そういうのは難しいのでしょうか。それがあれば、あくまでもそのとおりやらなければいけないのではなくて、これが最低のラインだという公式があれば、海上保安庁の方も独自に作られて、それが人事院規則で準用されるのですが、それ以上の対策がなされているということで落ち着くのかなと思っているのですが。
○眞野座長
 本当は、我々がそれを厚生労働省に聞きたいところなのです。
○毛利委員
 現実には混合ガスの場合には、短時間潜水であれ、飽和潜水であれ、ある程度その国の減圧テーブルと自分たちでアレンジした形で、ジャムステック(JAMSTEC)にいったときは使っていました。ですから、少なくともすべてそれでやらなければいけないという減圧表というのはないと思います。やっている最中に不合理が出れば、それなりに訂正した形でやっていくのだろうと思います。
○自衛隊
 混合ガス潜水は、潜水器というのは非常にさまざまにありまして、一概にこういう式が当てはまるから使えるというものではないです。どういうガスを使うか、どのようにガスをコントロールするかで、かなり潜水機能は違いますので、そういったところを勘案して、例えばカナダのDCIEMであれば、それなりにいろいろテストを重ねて、それで減圧テーブルを出してきています。そういった専門的なところになってしまうところがあり、そこまで組み込めるかというと、やはり無理ですので、最低限の減圧テーブルを示すことはできないのではないかと思います。潜水器によってかなり違うと思います。
○毛利委員
 別表というか高圧則は空気ですから、空気の減圧を提示すれば、あとはまた混合ガスを使うときは、それなりに考慮してくださいということで。確かに建災防のときに散々議論して、混合ガスの減圧テーブルを提示するという話もあったのですが、たぶんできないだろうということでやめましたので、いまもそれは同じだろうと思うのです。
○眞野座長
 いまも実際には使っているのです。塩田ダムでは60mまで3種混合ガスを使って、飽和潜水をやっています。実務的には全然問題なく動いていますが、法律違反になってしまうのですかね。国交省か何かの発注なのですが。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 混合ガスのときはどうだという規定がないのですよね。だけれども、いま示しているのは、あくまでも空気のですから。規定がないからやっていいかというと、そういったところがあるので、ちゃんと規定を設けていこうという考えの中で、最低限のラインが引けるのかどうかなのです。
○眞野座長
 空気は安全で、ヘリウムは危険ということは全然ないのです。全く同じなのです。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 逆だと思うのです。安全側に使うために、混合ガスを使っていると思っているのです。ですから、最低限空気の減圧表があればいいのかもしれないのですが、逆にそういう混合ガスを使うときのメリット、あるいは深い所に潜るときであるとか、そういったときにも安全を配慮するといった観点で考えたときに、規制と合わせて考えると、何か線引きが、最低限のですね。ですから、そこから工夫していただくのはいいのですが、少なくともこれは担保してくれということが何か基準として考えられないかどうか。それは表でなくてもいいのですが、あるのかどうかということなのですが。
○自衛隊
 そういった特殊な潜水は、届出は必ずしなければいけないと思います。その上で、許可制にするかどうかは検討項目かなと思います。
○眞野座長
 届出というのは、どこに届け出るのですか。厚生労働省ですか。
○自衛隊
 はい。
○眞野座長
 厚生労働省で、大臣審査のようなものを設けてチェックするということですか。
○自衛隊
 それが、事故が起きたときの評価ですね。全数が上がってこないと、届けられたものがいいのか悪いのかという判断も、データベースとして蓄積しておかないとできないものですから。最低限、こういった特殊な潜水は記録に残すと。
○眞野座長
 どこかが把握する必要がありますけれどもね、厚生労働省が受けてくれるかどうかですね。
○椎葉労働衛生課長
 今日はいろいろとご意見を全部言っていただければまとめますので、とりあえず時間までに全部終わらせていただければ。
○眞野座長
 次にいきます。「現行どおり空気呼吸・空気減圧を行うことも可とすると、現行の高圧則別表第1、別表第2及び別表第3の減圧表の問題点は何か。そもそも変更をする必要があるのか」ということで、先ほど川崎委員から話が出ましたが、酸素使用が不可の場合のエマージェンシーをどうするかということですかね。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 それはすでに川崎委員から出していただいていますし、先生方も現行の別表1、別表2を見ると、例えば90mまで許すということは現実的ではないのではないかとか、いろいろご意見もありますので、見直す必要はあると理解させていただいています。問題は見直す必要があって、どういう減圧表を使うのかというのは、いま叩き台を出していただいていますので、それを基に別表に載せていくものをご議論いただければと思います。
 それから別表3に関しては、その次のところとも関連するのですが、複数回、2回を超えるですから、3回以上行うことが現実的なのかどうか。
○眞野座長
 結局これは特に圧気関係者のニードとして、特に0.2Mpa前後までは何回か入っているわけでしょ。何本も並んでいて、Aに入って出てきて、Bに入って、Cに入ってということをしたいという理由ですよね。それはノーと言われると困りますか。
○川崎委員
 困ります。
○眞野座長
 2回まで。
○近藤課長
 前回提示したのですが、20m以下で業務間を120分取った形であるルールを提案しましたが、ルールの下に、2回までの作業は圧気に関してはどうでしょうかという形で提案させていただいたのですが、最終的に潜水のほうともいろいろ絡みがあるでしょうから、そこら辺は合わせていただいて、この場で。
○眞野座長
 要するに、繰り返し潜水はやらせてほしいということですか。
○近藤課長
 はい。
○眞野座長
 どうですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 別表3は残しますか。
○川崎委員
 別表3はわかりづらいし、やめたほうがいいと思います。実は潜水の場合は、繰り返し潜水グループを用いて、やるところがあるので、わかりやすいほうがいいと思うのです。そのほうが安全性も高まります。そういったものを検討されたらよろしいのではないかと思います。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 ここではそういうことも考えていまして、いまは現行の別表1、別表2、別表3がありますが、繰り返し作業があるとして、そうすると別表3は使いにくいという話がありましたから、それに変わるようなことで、そういったことが担保できるものが作れるかどうかということも入ってくるかと思います。
○眞野座長
 潜水と同じように、2回ぐらいまではテーブルは使わなくても修正ができるのではないですか。
○近藤課長
 前回提案させていただきました2回目の作業については、2回目に入った作業の倍の時間を取れば、そこで上がる窒素の分圧が相殺されて、20mで、あのときは300分という時間で計算をしたのですが、そこでリスクがいちばん高いだろうというところで計算した結果、倍の時間を取ればそれと同じ効果を示せますので、それをルールとして別表3は使わないで、2回目の作業は実際に入った作業の倍の時間の減圧時間で使用すれば安全ではないかと提案させてもらったのですが。
○眞野座長
 何か計算して出ていましたが、あれで見ると2回まではできて、3回はできないですね、1日8時間ではね。
○川崎委員
 3回は必要ない。
○近藤課長
 そうですね、3回までするとリスクが。
○眞野座長
 2回までなら可能だから、私はよろしいのではないかと思いますが、どうでしょうか。圧気土木でも1日2回ぐらいの繰り返しができるようなテーブルを考えていいか。
○毛利委員
 テーブルそのものは同じですよ。2回入れたときにガス圧減少時間でもないですが、それをどう考慮するかだけなので、減圧表そのものは一緒だろうと思うのです。ですから、別表1、別表2、別表3というのをなくして、新しい減圧テーブルを作ったら、それについて1日2回の潜水なり圧気なりができるかどうかということだと思います。そのために、2回やるときに、また別の別表を作るというのは合理性に欠けるのではないかと思います。
○眞野座長
 この前に示したような形で、潜水と同じような形で、繰り返し圧気ができるというのが、1日の作業時間の制限ができるわけですから、それを提示していただければいいのではないですか。それで、この次に最終的にまとめるまでに、こういうやり方でというのを示していただいて、そこで皆さんがゴーサインを出してくれれば可能ということで、よろしいですか。
○近藤課長
 圧気のほうに関しては、私はそれで皆さんのご意見をいただいて、OKならいいかと思います。
○眞野座長
 これに関して、ほかにコメントはありますか。
○自衛隊
 圧気についてはあまり詳しくはないのですが、深度について20mを限度として繰り返しということですが、これは、いま仕事をされている範囲内ということで、そういう深度を出されていると思うのですが、より深い2回目の圧力をかけるということについては、可能性は残さないでよろしいのですか。
○近藤課長
 そこは線引きしないといけないと思いますので、20mなら20mと決めて。
○毛利委員
 現実に圧気の場合には、人が入って掘るのは18mぐらいまでで、あとは機械でやって、メインテナンスでヒトが入っていますので、人が入るのは18mぐらいまでがと思います。
○眞野座長
 20mを見ておけば十分と。
○毛利委員
 十分ではないかということで、川崎委員のところは20mと。
○自衛隊
 より深い所での工事が要求された場合には、より深い繰り返し潜水が要求されませんか。
○毛利委員
 要求された場合には、たぶん混合ガスを使ってやる以外にないと思っています。
○自衛隊
 その場合でも深度を20mということで線引きしても、規則に入れてしまっていいのでしょうか。
○眞野座長
 20mで引いてしまっていいですかということですね。
○川崎委員
 それは検討させてください。
○毛利委員
 でも、20mで引かないと、作業時間が増えていってしまいます。そうすると、逆にそこで規制されてしまうので、それ以上できないのではないか。一応、安全衛生法でいわれる1日の作業時間を8時間と規制してしまうと、なかなか深い所には行けない。
○眞野座長
 そのようなことを言っていて、22mであと5分残すということはありますよ。
○毛利委員
 それはあるけれども。
○眞野座長
 いいのですか。あなた方がいいと言うならいいですけれども。
○椎葉労働衛生課長
 臨時とか、そういうのは止むを得ないかと。恒常的にですと駄目ですが。
○眞野座長
 考え方として、それでいいでしょうということで。
○海上保安庁(岩男)
 いま言っているのは圧気の話ですよね。
○眞野座長
 潜水は問題ないのですよ。次は「潜水業務においては、潜水業務の回毎に別表第2と別表第3を用い、潜水時間を求める必要があるが、より安全で、かつ、簡易な表は出来ないか」ということです。どうでしょうか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 これは先ほどと同じといいますか、先ほど毛利先生がおっしゃったように、一本でいくなら、それで考え方を示すのは簡単だと思いますし、村山委員がおっしゃったように、いまの別表3というのは非常に見にくいということです。そういったものを使わなくて、先ほどの話では複数回潜るというか、複数回作業を行うということはあるとして、それについて別表3に変わるような形のことが示せれば。
○眞野座長
 別表3を使わないでやる、この前に示していただいたものを今度出していただいて、さっきとセットで話し合いましょう。
 次が、現行の高圧則では潜水業務において純酸素の使用ですが、どうでしょうか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 これも先ほどのお話とダブッています。基本的に純酸素を潜水業務、特にこれは水中ですから、水中の減圧で純酸素を禁止していますが、それを許可をする必要があるかどうか、必要があればそのための要件として設けることが必要かどうかということです。先ほど来酸素中毒の話も出ていますし、水中で酸素減圧をすることについて、先ほどの急性の酸素中毒を考えたときに、果たしてその安全性を担保できることが可能かどうかということです。これはいまご意見が出ていましたが、基本的には許すかどうかなのです。いまは禁止をしていますからできないのですが、例えばドライ環境では問題がないのかもしれないのですが。
○眞野座長
 現在でも、ドライ環境で酸素を吸うのであれば水中であってもいいのですよ。チェンバーの中で吸うとか、それは現実としてやっていますよ。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 全く水中の中でなったときに、急性中毒で、例えば中枢系の中毒を起こしたケースで、すぐに対応ができるかどうかという観点も含めて許可するのか。あるいは許可するのであれば、要件としてどのようなことを。
○眞野座長
 我々が病院で高圧化を使うのは18mから使っているわけですが、実務作業では、水中でチェンバーに入って使うのは12mなのです。それだけの落差がありますから、運動していなくて、安静状態、ドライ環境で、酸素を吸うのであるなら、12mではほとんど出ないです。全く出ないとは言えませんが、ほとんど出ないですから、ドライの環境を維持さえしてあれば、使用することは全然問題ないと思います。これはいままでもやっていることだから、構わないかなと思いますが、どうでしょうか。
○毛利委員
 これはウエットの中で酸素を吸うことを考慮しているのだと思うのです。
○眞野座長
 それは本来は駄目なのです。
○毛利委員
 だから、ウエットでの考慮で、ドライの環境での酸素吸入ではないのだと思います。
○眞野座長
 基本的にウエットは認められないですよ。対応が取れないから危ないです。おぼれの原因になります。ドライなら何とかなりますが、どうですか。
○鉄委員
 私どもとしてはやりたいと思うのですが、いまのこの議論になりますと純酸素というのが1つあって、それは絶対という中で使用できないという考え方があったのですが、いまのような形で、例えばどのような条件を付けて、それがクリアできるかどうか。鈴木先生がおっしゃったように、酸素というものに対して、潜水業者の中で一部理解している人たちもいますが、酸素中毒とはどういうものなのか、酸素を吸うことによってどうなるのかという知識が、まだ十分ではないのではないかと思うのです。教育と理解の辺りは、その条件の中に必要になってくるのではないかと思います。
○自衛隊
 知識をもった経験のある人が、ステージの潜水、ウエットで、必ずバディーでお互い確認し合える状態で、船上との口話が確実に取れている通話状態、そういった安全面のいろいろな基準を満たす潜水については、認めていいのではないかと私は思うのです。実際に安全性を担保して潜水することはできます。それで酸素中毒の症状が出た場合には、酸素から空気にすぐに切り替えるわけですが、そういったことがすぐにできるというエマージェンシーの対応もできることも条件になると思うのです。
○毛利委員
 鉄委員のところで、次回にそういうことについて考えられて、発表されたらいかがでしょうか。
○鉄委員
 いま言われたように、どのような条件の中で、それがいくかどうか。あと経過措置というのが必要なのではないかと思います。教育部分もそうですし、言われたように、中毒症状というのをまだ十分に理解していませんので。
○柳下委員
 高圧則、いわゆる規則として、法的な意味として、「ガイドラインに準拠して酸素使用を許可する」という文言を入れたときに、そういうことはできないのですかね。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 おそらく「ガイドラインに準拠して」という書き方は直接はできないと思うのですが、いまは純酸素の使用は禁止となっていますが、それは規則の中で、「ただしこういう場合は除く」と書き、その措置を具体的に解釈として示すという方法もあると思いますし、そこはまたこちらで検討しないといけないのですが、安全な措置を講じることを書いて、その措置自体を解釈というか、ガイドラインに委ねるところかもしれません。そこはまた法令上のことになると思うのですが、少なくとも、こういう要件が整えばある程度安全が確保できるのではないかということを、専門的な知見でご意見をいただければ、あとはそれをどう規則に書き込んでいくのか、担保していくのかは、我々のほうで考えたいと思っております。
 検討会の時間も過ぎてまいりましたので、あとのところは大体繰り返し書いているようなところですので、いままでもご議論をいただいていると思います。特に、次の○が、混合ガスなど、表が示せない場合に計算式などでできるのかという話で、先ほどご議論いただきまして、そういう方法はなかなか難しいのではないかというお話でしたが、基準として必要となるものですので、もし何か、そういう基本となるようなものがあれば、またこの検討会で先生方の知見の中で何かありましたら、お教えいただければありがたいかなと思っています。
 次の○はもう用語の問題ですので、お使いになる上で、こういうほうが一般的な表現だから、これは規則自体をこの用語で換えられるのかどうかは別としましても、少なくともガイドラインは皆様が日ごろ使われているような文言で書くべきかと思っていますので、ご意見をいただければということです。これは後日でも結構ですので、ご意見をいただければと思います。
 次の○は、これはリブリーザあるいは混合ガス呼吸については潜水業務に当たるということを示していますので、これはまた示し方の問題かなと思います。先生方、いまのところでよろしいでしょうか。
○眞野座長
 いいのではないでしょうか。ただ、リブリーザのところですが、混合気体というのはいままではこの委員会はほとんど空気を主体として考えてきています。今回、混合ガスという空気以外のガスが混ざった場合、要するに幅を広げてしまっていて、これ全部をこれからの対象にするということでいいわけですね。だから、ヘリウムも入るでしょうし、そのうち水素とか、いろいろなものが入ってくる可能性がありますよ。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 規則の上で、別表で示すのは空気なのですが、そういった混合ガスを使用することについては認めざるを得ないのではないか、実態として使われている部分もありますので。いままで書いていることの関連なのですが、その場合の線引き等が必要と思います。
○眞野座長
 すごく幅が広がりますから、本当は入れていただきたいのです。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 ただ、単に入れるだけだと、そこは全然規制が掛からない形になるというわけではなくて、より安全な作業を行うために入れるわけですから、何かそういった線引きが必要であるというところですので、それはまた次回以降にご議論いただければと思っています。
○眞野座長
 いまのところ、リブリーザの件ですが、よろしいですね。ガイドラインの制定についてはどうですか。ある程度示さなければまずいですよ、少し考えたほうがいいですね。すぐにここで結論は出ませんから、ペンディングにさせておいていただいて、こういう方向でさせていただくということで。
 あと「その他」ですが、特に大きな問題はないですね。何かいままで出てきた項目の中で、もう少しここに問題がないかとか、追加するところ、あるいはコメントはありますでしょうか。
○毛利委員
 「その他」ですが、再圧室の規格というところで、いまの圧気工事などでは再圧室を必ず設置しなければいけないと法令で決まっています。そうすると、現時点で再圧室で、規格はあっても実際の減圧症の治療はしません。基本的にいまの段階では、減圧症というのは初期の段階で確定診断ができないので、専門医の二種のあるチャンバー、再圧室は二種のチャンバーですが、そういう所で治療してくださいという方式になっているわけです。
 そうすると、再圧室をこういう圧気工事、確かにあとで酸素を吸わなければいけないので、必要にはなってくるのですが、現実に空気再圧はいまの段階ではしていないわけです。日本の場合は規則上はしているけれども、現実には酸素再圧だとすると、再圧室で酸素再圧を可能にするのか、しないのかという問題が出てくると思うのです。
○眞野座長
 学会としては、酸素による再圧は基本的には認めなくて、必ず空気で圧をかけて、呼吸ガスだけは酸素にしてほしいと。全部がそうはなっていないのですが、それがいわゆるスタンダードで、いまは700カ所ぐらいが再圧室を持っている病院なのですが、そこにはそういう形でどんどん徹底していっていただいていて、ワンマンチャンバーしかないけれども、室内の加圧は空気でやって、呼吸ガスだけは酸素で吸う形に、切替えは進んでいるのです。
 ですから、病院と連絡を取っていただければ、必ず空気再圧で酸素が吸えるようなテーブルなり何なりが使える体制は出来上がりつつありますから、現場で何か問題が起きた場合には、そうやって病院とすぐにタイアップしていただいて。
○事務局
 座長、高圧則の第42条で、「再圧室を設置し、または利用できるような措置を講じなければならない」となっていますので、必ずしも設置しなければならないということではなく、近くに利用できる施設があれば問題ないということになっています。
 あと、あまり使われなかったのですが、別紙を付けているのですが、先ほど座長がおっしゃったように、再圧室については、加圧に純酸素を使用することを禁止しているだけですので、加圧を空気にして、呼吸を酸素にすることについては、禁止はしていませんので、おっしゃっていることは、いまのままでも問題はないのかなと思いますので、議論は必要ないと思います。
○眞野座長
 そうだと思いますね。
○事務局
 むしろ、少し話が出ている、混合呼吸によるところが規制できないところが、今回問題かなというのがあります。皆さん理論的な方ですから、きっちりといいものを作っていこうという方々ばかりなのですが、世の中には悪い人もたくさんいまして、極端な話ですが、混合ガスの表を1つ示せば、少しずらせば独自に開発したと申し立て、無減圧で使うような業者も出てこないとも限らないわけです。そういったものを規制するための高圧則ですから、罰則のある法律ですので、そこはあらゆる混合比、ガスなどで規制ができるようなやり方がないと難しいのかなと。それが難しいから、いままで誰も着手してこられなかったところがあるのだとは思うのですが、それをやらないと、もしかしたらこのままいかざるを得ないところが出てくるのかなというのを思います。
○毛利委員
 ただ、圧気工事は30mを超えると、大臣審査で減圧テーブルをチェックしているのではないですか。
○事務局
 おっしゃるとおり、第88条第3項の届出のお話で、そこは大臣審査で確保されている現実があります。
○毛利委員
 そうすると、混合ガスのいまお話になったテーブルは、個々の大臣審査のときに使用する深度は、基本的には多くは30mを超えたときでの使用だろうと思うのです。そうすると、いまの現実の大臣審査の中で審査は可能なのではないでしょうか。
○事務局
 法第88条第3項については、建設業に属する仕事のうち重大な労災事故が生ずるおそれがある特に大規模というような条件がありますので、潜水は建設業ではないということになります。
○毛利委員
 でも、現実で、潜水で、30mを超えるような混合ガス使用しての作業は。
○眞野座長
 潜水は野放図ですよ。
○毛利委員
 潜水で混合ガスの決まったようなテーブルを作って、それで現実に作業をしなさいという形をすることが、少なくとも混合ガスを使用するということは、減圧に純酸素を使うわけですよね、空気で減圧するわけではないので。そうすると水中減圧とか、システム潜水で30mの潜水をするなら、いざ知らず、ボンベで30mの混合ガス潜水というのは、基本的には考えないのではないかと思うのです。鉄委員、どうですか。
○鉄委員
 コスト的にも空気がいちばん安いので。
○眞野座長
 特に、テウチとか漁師は70m、80mを空気でどんどん行ってしまいますものね。
○毛利委員
 潜水で少なくとも混合ガスを使って、そういう作業をすることは現実にほとんどないのではないかと思うのです。実験上でやる潜水というのであれば、混合ガスを使って、生体の反応はどうかを見ることはあるとは思いますが、実務の中での混合ガスを使っての潜水というのは、あまり聞いたことがないのですが。
○自衛隊
 40mを超すと、窒素酔いがかなり深刻になって、あるダイバーにとってみたら、かなり潜水障害の引き金になるものですので、40mを超したら海上自衛隊では混合ガス潜水、ナイトロックス、半閉式潜水器を使って、40m、50mまで潜ります。ですから、そういった深い所まで潜る業務をもっているところでは、そういったことを考えざるを得ないということがありますので、一概に「なし」ということは無理かなと思います。
○毛利委員
 海上自衛隊は労働基準法適応徐外です。
 ただ、一応尊重しなければいけない立場です。
○毛利委員
 私も20数年間、苦労して労働基準法と闘っていましたから。だけれども、潜水で混合ガスのテーブルを作って明示するというのは、先生のところはできるかもしれない。
○自衛隊
 いや、ですから明示するというよりも、完全になしということは盛らないほうがいいかなと思います。
○毛利委員
 盛らないというのは。
○自衛隊
 40m以上の混合ガス潜水はなしということは。
○毛利委員
 それを言っているわけではないのです。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 いまの混合ガスのところは、我々としても規制という観点からいうと、某かの線引きはできないのかというのはあります。ただ、それが現実的にあるのかないのかという毛利委員のお話もありますので、それは次回にまたご議論していただくということで、とりあえず今日までのところを、この論点でご意見をいただいたところを次回までにまとめたいと思います。
 あと今日川崎委員からご提示がありました、空気減圧の減圧表ですが、先ほど毛利委員からご意見がありましたとおり、圧気の場合は3mという形でという話でしたので、それは次回までに間に合えば3mのところで出していただければありがたいと思います。
○眞野座長
 圧気の場合は出すのはいいのですが、ほとんどの話は煮詰まっていますから、あとは今日のこの話で、潜水のほうをきちんと整理して、次回は潜水のほうをきちんと固めないと具合が悪いと思います。
○自衛隊
 再圧室について、一応救急再圧ということで、前の規則にもそういう部屋を設けるということになっていますが、実際にできているかということが非常に問題です。これは潜水協会で、実際に現場では治療できていない、搬送にも問題があるというところが出されていますので、そういったところの問題点を出すということで、次回提示させていただくということでよろしいですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 「その他」にも書きましたように、ここですぐにできるかどうかは別としましても、この場で問題点を挙げていただいて、それは私どもでもまたどうしていくかは考えていきたいと思います。
○眞野座長
 この次は予定は30日で1段落しようと思っているのですが、その前にやっておかなければいけないこと、討議しておいたほうがいいという点はありますか。今日出た内容の整理でよろしいですか。ほかに追加することはございますか。厚生労働省からは何かございますか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 申し訳ありませんが前回の予定でおり、非常にタイトなスケジュールですが、7月30日(月)に次回を開催させていただきたいと思います。我々としましては、今日いただいたご意見は30日までに整理しておきます。混合ガスの話も論点に書かせていただきましたので、先生方で何か知見があれば、是非お示しいただければありがたいと思います。
○眞野座長
 追加の発言はありますか。
○海上保安庁(岩男)
 我々の場合はリブリーザを実際に活用することがあるので、そこの安全性を担保できるような読みができるのが望ましいというのはあります。
○眞野座長
 ほかにはよろしいでしょうか。それでは次回は7月30日(月)の18時30分ということです。これで第3回高気圧作業安全衛生規則改正検討会を終わります。遅くまでありがとうございました。


(了)

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