ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第15回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録




2012年6月21日 第15回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成24年6月21日(木)15:00~17:00


○場所

全国都市会館 第2会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、木間委員、長沼委員、西沢委員

○議題

日本年金機構の平成23事業年度業務実績報告書(案)について

○議事

〇本田部会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、社会保障審議会日本年金機構評価部会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。
 はじめに委員の出席状況について、事務方からお願いいたします。

〇事業企画課長
 本日は、石井委員、斎藤委員から、あらかじめ御欠席ということで承っております。

〇本田部会長
 それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。
 本日の主な議題は、「日本年金機構の平成23年度の業務実績報告書(案)」でございます。
 それでは、まず本日の部会の進行について、事務方より御説明をお願いしたいと思います。

〇事業企画課長
 日本年金機構の評価については、日本年金機構から23年度の業務実績報告書を出していただいて、それをもとに評価をつけていくという形になるわけでございますが、その実績報告書を今月末までに機構より厚生労働省に提出されることになってございます。次回7月12日に、その実績報告書をもとに厚労省の事務方としての評価のたたき台をお示しして御議論いただきたいと思ってございます。
 本日は、それに先だち、まだ案という段階ですけれども、23年度の業務実績報告について、機構から説明を聴取し、適宜、御質問なり御意見をいただいて、次回以降の評価につなげていければと思ってございます。
 以上でございます。

〇本田部会長
 それでは、「日本年金機構の平成23年度の業務実績報告書(案)」について、日本年金機構より御説明をお願いいたしたいと思います。
 また、その説明に当たっては、これまで委員の方々からの御指摘等も踏まえた御説明をお願いいたしたいと思います。
 一通り御説明いただきました後、大変分厚いものになっていますので、質疑応答については、3回ぐらいに分けていたしたいと思います。
 それでは、日本年金機構よりよろしくお願いいたします。

〇日本年金機構理事長
 それでは、お手元の資料1業務実績報告書(案)でございます。今お話のように、具体的な評語は入っておりませんが、案の内容について御説明をさせていただきたいと存じます。
 後ほど、担当からそれぞれの項目についてポイントを絞って御説明をさせていただきますが、私から、<はじめに>の1~5ページ目までのページに沿って全体の概略を御報告させていただきたいと存じます。
 23年度は、22年度に機構が発足いたしまして2年目になります。この第3段落目にございますように、22年は基盤整備の年とし、23年度は、具体的に、サービスの向上に努めよう、更には、組織風土の改革を進めようという位置づけをし、更に、基幹業務の取り組み強化及び年金記録問題への万全の対応、こういうような柱立てをさせていただきました。
 次の2ページ目の冒頭の第1段落は、基幹業務の取り組みの内容をごく大雑把に書いてございます。特に厚年保険の適用業務の促進及び厚年保険料の徴収については、前年度を超えるか、あるいは、前年度並みの実績を上げさせていただいたと思っております。
 第2段落目の頭に「他方」と書いてございますが、問題の国民年金保険料の納付については、年度のトータルはまだ数値が固まっておりませんけれども、現段階では、残念ながらマイナスという見通しになっております。
 その下、年金給付、年金相談、更に、お客様へのサービスの向上については、かなりきめ細かく取り組んでまいったつもりでございます。サービス向上の攻めという位置づけをさせていただきまして、サービス関連では相応の実績が上げられたのではないか思っております。
 下から2つ目の段落は年金記録問題への対応です。これもおおむね順調に運んできたのではないかと思います。さまざまな各種便の処理が済みましたし、紙コンの突合もおおむね順調に進んだと思っておりまして、これからは、「ねんきんネット」のサービスをいかに充実していくか、これが大きな課題だと思っております。
 一番下の段落の組織ガバナンスの確立は、「組織風土改革元年」と位置づけて、これと対応する大きな課題でございます。いろいろなねらいがございますけれども、ただ、残念ながら、次の3ページ目の一番上の段落ですが、横領事案が発生したり、コンプライアンス上幾つかの問題が発生いたしております。この点については、大変申し訳ないことだと思っておりまして、今後とも引き続いてガバナンスの強化に努めたいと思っております。
 3ページ目の第2段落以降は、震災の対応でございます。震災対応は幾つかの項目がございますけれども、3ページ目の真ん中にございますように、被災状況に配慮した特例措置、具体的に保険料の免除とか、厚年の納期限の延長、更には、一番下にございますように、厚生年金保険料の標準報酬月額の柔軟対応と申しますか、「機動的改定」という表現がありますけれども、こういう点について、きめ細かくポスターあるいはチラシを配布したり、特に市町村との連携に配慮いたしまして、それなりの気配りをしてまいったつもりでございます。更に、4ページ目の一番上ですが、年金手帳の再交付等もございまして、ここについてもきめ細かい相談対応を行ってきたつもりでございます。特に真ん中、被災者の方々への利便性を図ることが非常に大きな課題でございましたけれども、ここについては、被災者専用ダイヤル、あるいは、出張相談もかなり頻度を上げて行ってまいりました。専用ダイヤルの応答率がここにございますように、さまざまなニーズにお応えしたと思っております。
 最後5ページ目に、年金事務所への業務支援対応で、私どもは全国の事務所から、22年4月から10月まで半年間、1日平均30名(延べ5,500人)、約300人ぐらいの方々が東北の事務所に支援に伺いました。関西とか九州とかからも伺いまして、東北の方々からすると、窓口に見えて、大阪弁とか鹿児島弁とかが聞き取れて、機構が組織一体となって被災地支援に取り組んでいるという御実感はいただいたというようなことを聞いております。
 以上、ごく簡単でございますが、全体総括をさせていただきました。
 あとは、担当から次ページ以降、ポイントを絞って御説明をさせていただきたいと存じます。

〇日本年金機構経営企画グループ長
 それでは、後ろの方から失礼させていただきますが、6ページ以降の実績報告書本体について、ポイントを絞って御説明をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、若干のお断りをさせていただきたいと思います。先ほどの年金局からの御説明にもございますように、最終的には6月末に正式な実績報告書をとりまとめて、厚生労働大臣に提出をしたいと考えてございますが、当評価部会より、評価の準備に資するという観点から、案の段階でよいので提出を求められておりますので、数字的なものが一部確定できていないものがございますが、そのことにつきまして、御容赦をいただきたいのが1点です。
 それから、この実績報告書の中に自己評価という欄がございますが、この実績報告書自体が私どもの最高意思決定機関である理事会での議論をまだ経ておりませんので、評価のABCといったようなものについては本日は控えさせていただいてございます。その点について、まず御了解をいただきたいと思っております。
 また、大変限られた時間でございますので、かなりポイントを絞った説明をさせていただきますので、省略をさせていただく部分があろうかと思いますが、その点は抜けがございましたら、御質疑等の中で御確認を賜れば幸いかと思っております。
 それでは、まず6ページ以下、1番目の大きな柱でございます。年金記録問題の関係ですが、取組を計画的に進めて、おおむね処理期限どおり達成ということでございます。具体的には、11ページ以下に、記録問題の工程表の概要をつけてございますが、ここに一見していただいてわかりますように、さまざまな項目について、何をいつまでにやるのかといったことを年度当初にこういった計画を定めまして、これについて、ほぼ目標どおりに順調に達成できたという認識でございます。
 また、9ページの再裁定の迅速な処理が、記録問題が発生して以来の大きな課題でございましたが、1つ目の〇、2つ目の〇にございますように、事務所で受け付けてから本部に送付するまでの期間、あるいは、本部で受け付けた後、再裁定の審査をする期間、いずれもその処理の目標を定めておりますが、その目標を上回る処理スピードで対応ができたというような状況でございます。
 また、少し飛んでいただきまして18ページでございます。記録問題対応の一つの大きな重要な柱として取り組んでまいりました紙台帳検索システムによるコンピュータ記録と紙台帳の突合わせの関係ですが、18ページの下の〇ですが、より受託事業者に業務処理のインセンティブが働くような委託費の支払方式の変更などを行いまして、その処理状況は、計画を上回るような順調な処理の状況となっております。
 また、19ページの2つ目の〇で、より効率的な事業の実施を図るといった観点から、従来、29拠点で実施しておりましたけれども、高コストな拠点については、一部見直すといったような効率化の努力なども重ねているといった状況でございます。
 それから、20ページで、お客様サービス向上という観点から私ども大変力を入れております「ねんきんネット」は、当初、保険料納付記録の確認からスタートいたしまして、昨年10月から、年金額の試算を可能にする機能を追加し、お客様にとってより利用価値の高いサービス提供に取り組んでおります。
 実際、「ねんきんネット」については24ページをごらんいただきたいと思いますが、これはサンケイリビング社が主催をしている「助かりました大賞」におきまして、実際に、これが役に立ちましたといったような読者からの評価の上、賞などもいただくなど、ユーザーからの評価も言っていただけたのかなと思っております。
 続きまして、少し飛びまして32ページにまいりたいと思います。ここからが、私どものいわゆる基幹業務と呼んでおります国民年金・厚生年金の適用徴収対策等です。国民年金の適用対策については、32ページの3つ目の〇にございますように、いわゆる3号被保険者記録不整合問題がございましたので、これに的確に対応していく必要があるということで、所要のシステム開発とか、また、実際に3号不整合期間を有する方への種別変更の届出勧奨等のアプローチを地道に実施をしてきたことが一つのポイントでございます。
 続きまして35ページは厚生年金等の適用対策の関係です。1つ目の〇にございますように、厚生年金の適用対策については、各事務所ごとに何をどれぐらいやるかという計画をあらかじめ年度当初に定めて、それを機構全体として積み上げた行動目標を掲げております。これについては、具体的には42ページをご覧いただきたいと思います。重点的加入指導とか、立入検査また事業所調査について、数値目標を掲げて対応してきたわけですが、達成率をご覧いただいてわかりますとおり、いずれも当初の目標を上回る対応ができたと考えております。特に、22年度については、立入検査が、目標に至らないということで、厚生労働省からも厳しい評価をいただいたわけでございますが、こちらについては23年度は年度当初から計画的に取り組み、140%という実施率になっております。また、こういうアプローチをしたというだけでなく、実際に適用にどれくらい結びついたのかという成果が最終的には問われるわけですが、この点については、43ページの表の下から3つ目「適用対策を講じた結果、適用した事業所数」という欄をご覧いただきたいと思います。まず、18年度に適用対策で1万の事業所を適用に結びつけたという実績を上げてございますが、それ以降、がくんと数字が落ちております。要するに、19年度にはいわゆる記録問題が発生いたしまして、そこに相当人手が取られる中で、適用対策になかなか手が回らないという状況にありました。何とかこの状況を立て直そうということで機構発足以来頑張ってきたわけでございます。機構発足の初年度が21年度ですが、この2,567件というラインから22年度4,808件、更に、23年度には6,685件で、着実にこの数を伸ばしておりまして、まだ十分なラインではないかもしれませんけれども、一定の成果も計画的には結びつけられていると考えております。
 それから、35ページに戻っていただければと思います。適用対策のもう一つの課題は、そもそも未適用事業所をきちんととらえられているのかという点をかねてより指摘をいただいていたわけですが、この点については、23年度に雇用保険の適用事業所との全件突合という作業を実施いたしました。その結果、未適用事業所として把握すべき事業所が、従前把握をされている内容に加えて、更にあぶり出されております。その数値については、集計作業中で、本日ちょっと間に合っておりませんけれども、次年度以降は、ここでの把握事業所が対策のベースになってくるということで、従前よりはかなり大きな数字になってくると認識をしております。
 続きまして、44ページでございます。国民年金の納付率の関係です。まず、国年の納付率対策の関係については、44ページの左側の計画の欄をご覧いただきたいのですが、大きくは5点の数値目標がございます。ア、イが過年度納付率と呼ばれているものですが、国年の保険料は現年度から2年間納付できることになっていますので、それ以降、2年間の上積みの努力を重ねているわけです。21年度の納付率を4~5ポイント上げる、22年度の納付率を2~3ポイント上げるといったことがございます。まず、この2つについては、47ページの上から3つ目の〇で、まだ最終の締めの段階ではございませんが、既に現時点でいずれも5.2ポイントあるいは2.7ポイントの伸びを確保しているということで、この2つについては、数字的な目標としては達成したというような状況でございます。
 44ページにお戻りいただきまして、次にウの現年度(23年度)の納付率については、21年度と同程度の水準を確保するということで、60%ラインを確保するのが目標であったわけですが、こちらについては、47ページの3つ目の〇の最後の4行ぐらいのところに、まだ最終の数字はございませんが、24年3月末現在の数値で言いますと、対前年同期で0.7ポイント下回るという状況です。これには幾つか要因があるわけですが、3号不整合記録に係る種別変更の影響をかなり受けていると分析をしておりまして、要は、3号から1号に切り替わることによって、納付すべき対象のいわゆる分母が増えるわけです。そこですぐに納付に結びつけば問題ないわけですが、そこには納付勧奨等を丁寧に対応しながらやっていく必要がございますので、すぐに勧奨納付に結びついていないというところから、率直に申しまして、少し苦戦をしているといった状況でございます。
 44ページのあと2つの目標が、エの口座振替実施率を前年度と同等以上、それから、オのコンビニやクレジット等の納付件数を前年度と同等以上にするという目標です。この2つについては、46ページの2つ目の〇で、口座振替実施率については、若干下回るということで、目標には到達が少し足りていないということでございます。他方、コンビニ、クレジット納付等の件数については、その次の〇に、前年度実績を上回るということで目標達成をしたという状況になっております。
 以上、数字的なことだけ申し上げましたが、では、具体的にどういう取組をやってきたのかというところが45ページ辺りからですが、国年の納付率対策の中心になってまいりますのが、いわゆる納付の勧奨と免除の勧奨という部分になりますが、今申し上げた部分については、市場化テストによる業者委託で担われておりますので、この委託業務の成果をいかに上げるか、また、そのために必要な連携強化を図っていくかということが課題となっております。そういったことで、特に業者の進捗管理の徹底とか、連携強化に努力をしてまいったということでございます。
 また、45ページの2つ目の〇で、今年10月には契約期間満了になるということで、新たな業者選定をする必要が出てまいります。やや安値入札の傾向がございますので、実績効果がより上げられるような業者選定に資するような実施要項の見直しにも取り組んでいるのが現状でございます。
 それから、46ページで、機構自身が対応するいわゆる強制徴収への対応についても、所要の取組をやってまいっております。なお、国税庁委任の話はこれまでも当部会でも話題になってございますが、23年度中に、国税庁委任に至った案件としては存在していないのですが、なお書きにございますように、この仕組みによるアナウンス効果が結構出ておりまして、国税庁委任の対象となり得るという先方への「通告」をした結果、そのうちの4人に1人は保険料を納めていただけたというようなことで、この仕組みの効果は一定現れていると受けとめております。
 それから、先ほど国年の納付率について、3号不整合の影響を申し上げましたが、そのほか、構造的な要因として、49ページの一番下の〇ですが、優良納付者の減少とか、第1号被保険者が占める非正規労働者割合の増加なども、納付率の低下に影響を及ぼしているといった分析をしております。
 続きまして62ページです。今度は厚生年金保険等の収納対策です。厚生年金保険等に関しては、年度計画上の数値目標としては、口座振替実施率を前年同等以上にすることのみが計画的には明記をされてございます。この点については、2つ目の〇に書いておりますように、口座振替実施率を向上させることができております。それから、収納率については、年度計画上の目標としては設定しておらないのですが、機構内部の行動計画を各事務所単位でつくっておりますが、その中では、前年度以上の収納率を確保していこうという目標を掲げております。ここについては、62ページにございますように、結果としては、若干下回る水準になってございますが、東日本大震災による影響を受けている部分がございまして、その地域を除いた収納率で見ますと、前年度と同等の水準といった状況になっております。また、滞納事業所への対応については、差押えもかなり積極的に実施いたしまして、22年度の13,700件に対して、23年度は18,000件弱という実施をしております。また、国税委任案件については、23年度に初めてとなる案件ですが、国税庁に滞納処分の委任をしてございます。
 なお、こういった厚生年金の徴収対策は、経済状況に大きく左右される側面がございます。参考までに紹介させていただきますと、71ページです。改めて言う必要もないかとは思いますが、23年度は、東日本大震災の影響を受けて、軒並み経済指標が悪化しているという状況でございまして、その中で収納率を前年度並みに維持できたというところは、それなりの対応ができたと自己評価をしております。
 (注)最終集計の結果、厚生年金保険等の収納率は前年度を上回っています。
 それから、72ページ。年金給付について迅速な審査決定により、できるだけ早くお客様に年金をお届けするため、「サービススタンダード」を設定しておりますが、その取組の関係でございます。「サービススタンダード」については、72ページの左側の計画にも書いてございますように、単年度の目標としては、前年度の実績を上回る達成率を上げることであります。中期計画の最終年度には90%という目標を掲げておりますので、これにできるだけ近づけていこうというわけでございます。この点については、77ページにグラフを示しております。見ていただいたとおり、年金と一口に言ってもいろいろな年金の種別等がございますので、この「サービススタンダード」の測る具体的な数値としては、8つの指標があるわけでございますが、このグラフを見ていただいてわかるとおり、21年度、機構発足の初年度以降、すべての項目について右肩上がりということで、前年度実績を上回る改善が図られたという状況でございます。また、77ページの右下の箱にございます障害厚生年金の関係は、22年度には7.7%という相当低位な水準に落ち込みまして、大変御迷惑をおかけしたわけですが、こちらについても、達成率のベースでは、まだまだ胸を張れる数字ではございませんけれども、45.2%と、かなり達成率は改善できたと考えております。当然ながら、最終年度90%に向けて、まだまだ努力をしていく必要はあるわけですが、特に障害厚生年金については、本部で審査をする時間と、事務所で受け付けてからいろいろな書類確認等をして本部に送るまでの期間、大きくはこの2つに分かれるわけですが、本部での審査の期間はおおむね順調に進んでございまして、事務所からの送付に少し時間がかかっているという現状分析をしてございますので、75ページに書いてございますように、地方組織の担当者のスキル向上といった地道な取組をすることによってトータルで障害厚生年金の「サービススタンダード」も改善を図っていきたいと考えてございます。
 それから、続きまして78ページでございますが、いわゆる年金相談の関係です。年金相談についてはさまざまな取組をやってございますけれども、とにかく待ち時間をできるだけ30分以内にすることを当初から「お客様へのお約束10か条」で掲げて、これを最重点課題の1つとして、ここで一つひとつは御説明をいたしませんけれども、さまざまな工夫を、いろいろな切り口での待ち時間対策を実施してまいりました。その結果については85ページをご覧いただきたいと思います。上段の表が22年度の実績、下段が23年度の実績で、それぞれ1時間以上の待ち時間の事務所がどれくらいあるか、30分以上1時間未満の待ち時間の事務所がどれぐらいあるかというのを整理をしたものでございますが、22年度それぞれ4か所・43か所が、1か所・27か所に減っております。実は21年度から22年度にかけては、相談件数自体も減ったという事情もあったわけですが、22年度から23年度にかけては、相談件数の欄をご覧いただくとわかると思いますが、むしろ、23年度の方が相談件数としては増えております。そういった状況の中で、待ち時間については改善をできたということであります。
 それから、相談の関係ではもう一つ、コールセンターで電話で相談を受けることに関して、この応答率を向上させる、前年度を上回る応答率を確保するのが年度の目標になっております。こちらについては、86ページをご覧いただきたいと思います。結論としては、22年度のトータル応答率57.1%に対して23年度は60.1%で、前年度から改善するという状況になっております。特に23年度の下の方にいろいろな矢印が書いてございまして、6月「改定通知書」とか、1月「源泉徴収票」とか書いておりますが、お客様にこういった書類をお送りすると、そこでコールが集中するということで、月の中でもある日に特定をしてコールが集中して応答率の低下を招くといった傾向が見られます。こうしたコールの集中をいかに分散化をするかということで、特に1~2月辺りの数字を22年度と23年度で比較をしていただくと一目瞭然ですけれども、例えば、書類を今までは3日ぐらいの間隔でお送りをしていたものを、1週間ぐらいの間隔で分散発送をするとか、あるいは、電話のガイダンスで、コールの集中しない時期の御案内をするとか、そういった取組によりまして、電話のかかりぐあいが分散化されまして、その効果が現れたものと分析をしております。
 それから、87ページ以降が情報提供の関係ですが、1つは88ページの2つ目の〇で、公的年金制度をしっかりと理解を深めていただくことが、いろいろな意味において重要であることから、地域との連携に根ざした啓発活動に力を入れるという方針を23年度中に確立をいたしまして、24年4月から具体的な展開を図っているといった点。それから、ホームページによる情報発信には力を入れてございまして、89ページにございますような、全面的な見直し、そのほか、細かいレベルでもいろいろな形での発信改善に取り組んでまいっております。
 それから、99ページ以下がお客様の声を反映させる取組の関係です。これについては、1つは、お客様に御案内する文書をできるだけわかりやすくしようということで、これは機構発足当初から取り組んでいることでございますが、一般の方からのモニターによる会議とか、機構内部の審査チームとか、そういったさまざまな取組で引き続き努力をしております。また、100ページの「お客様の声の収集」で、いろいろなルートでのお客様の声の収集の仕組みをつくり、それをきちんと集約しながら、対応すべきものについて改善・検討を加えて、ここに具体例を幾つか掲げておりますが、具体的な改善に結びつけていくといったことを地道にやっております。
 それから、103ページで、そうしたサービス改善の努力をある程度定量的にも効果測定をし、また、その結果を踏まえた改善をしっかり取り組んでいくというような観点から、いわゆるCS調査とか、外部調査機関による覆面調査といったことも実施しております。詳細な説明は省略させていただきますが、109ページ以下に、それらの調査の結果の概要についておつけをしてございますので、また、後ほど御参考いただければと思います。
 それから、120ページの電子申請の推進の関係ですが、昨年の12月から、届出に利用できる媒体を拡大し、CD、DVDによる届出を可能にする措置を講じております。ただ、電子申請の利用率については、行動計画に定める目標値を下回るような状況となっております。
 122ページ以下が業務の効率化の関係です。1つ目の〇に書いてございますように、今、私ども機構では、業務改善工程表、システム再構築工程表をつくりまして、何をいつまでに実施することをきちんと項目立てをして、進捗管理をしながら対応しているということでございます。ちなみに、23年度には、26項目については改善措置済みといった状況になっております。
 特に、その中でも受付進捗管理システムは、社会保険業務は非常に膨大な届出書を扱っておりますので、この受付の進捗管理をシステム化するのは非常に効率化にもつながるということで、23年10月からモデル実施をやっておりまして、その検証結果も踏まえて、今年度10月には全国的に展開を図りたいと考えております。
 また、事務処理誤り対策についても、ここに掲げてございますようなシステム改善にも取り組んでおります。
 それから、125ページの運営経費の抑制の関係でございます。これについては、端的に数字だけ申し上げますが、一般管理費については、いわゆる効率化による執行減が17.3億、予算に対して9.8%の効率化減を図ることができております。
 また、業務経費についても、124.1億円、予算額5.9%効率化減が実現できたという状況でございます。
 それから、132ページの調達の関係でございます。ここについては、いわゆる競争契約の割合を80%台に持っていくという目標です。結果の数字だけ申し上げますと、132ページの2つ目の〇ですが、64.1%という数字になっております。ただ、「しかしながら、」ということでいろいろ書いてございますが、ここに掲げていますような、例えば事務所の賃貸借とか、性質上どうしても随意契約にならざるを得ないという契約がかなり占めているといったこととか、東日本大震災対応で、緊急に契約をしないといけないといったような案件などもございまして、そういったものを一応考慮させていただくと、実績で80.3%ぐらいの水準になっていることと、随意契約のものも、競争契約で入札にかけたけれども、結果的に不落随契になりましたといったものも相当数含まれていることをご斟酌いただければ幸いだと思っております。
 それから、調達の計画は10%削減するものについては、133ページにございますように、17.1%で、数字的には目標は達成したという状況でございます。
 最後、135ページ以下が業務運営の公正性・透明性確保に関することで、内部統制システムの関係については、冒頭、理事長からも申し上げましたとおり、いくら仕組み、組織をつくっても、人の意識が変わっていかなければうまく機能しないという問題意識から、風通しのよい組織づくりということで、組織風土改革の取組を継続的に進めておりますというのが1つのポイントでございます。
 それから、136~137ページに、特にコンプライアンス研修やいろいろな形での研修の取組を一生懸命やってまいりましたが、138~139ページにかけてお示ししておりますとおり、いくつかのコンプライアンス事案も発生をしているという状況でございまして、統計数字的なものは138ページに数字を掲げております。特にということで、139ページですが、姫路事務所での横領事案の発生とか、現金紛失事件といったようなことが起こっておりまして、こういったことに課題認識を持っておりますし、個別の事案に関しては、再発防止策等の所要の対策を講じているという状況でございます。
 それから、140ページは事務処理誤りの関係でございます。3つ目の〇で、公表件数2,347件となっております。事務処理誤りは、発生時点と発覚時点というものにどうしてもタイムラグがあるので、年度で増えたとか減ったとかそこら辺の比較がなかなかできないのですが、2,347件という絶対数としてはまだまだ多く存在しているということで、引き続きいろいろな原因分析などもしながら、これを何とか減らしていかないといけないと認識しております。特にお客様に大きな御迷惑をおかけしたものとして、そのすぐ下にございます24年2月の年金定期支払で、源泉徴収をより多く取り過ぎて、年金を少なくお支払いをしたというような事案が発生しております。これについては、一義的な要因は、委託業者の処理漏れにあるわけですが、管理者の立場として漏れがなかったか、ということで検証なども行っておりまして、後ほど、この検証内容について御報告をしたいと思っております。
 それから、監査については、今申し上げましたような問題もございましたので、それに対応した特別監査などの実施をしてございます。
 それから、145ページの情報公開の関係では、以前、評価部会にも御報告しましたアニュアルレポートの発行とか、定期的な記録問題、あるいは事務処理誤りの公表などの取組を粛々と進めております。
 それから、人材育成の関係、150ページですが、有期雇用職員からの正規登用を進めるという取組をいたしましたほか、人材育成の研修の関係は152ページ辺りでございますが、一定研修体系の確立をいたしましたので、それに基づいてさまざまなカリキュラムを組んで、152~153ページのとおり、実施しております。これについては、研修後の効果測定、フォローアップが重要だという御指摘もいただいてございまして、時間の関係で詳しい説明は省略させていただきますが、158ページに、研修後の効果測定として、どのような取組を実施しているかといったことをおまとめをさせていただいております。
 それから、最後、個人情報保護の関係でございますが、161ページの1つ目にございますように、個人情報の漏えい件数が結果としては増加をしているという状況でございます。これについては、職員の故意によって漏らされたという件数は0ですけれども、誤送付とか誤送信といった単純ミスによるものが大半を占めていることと、22年度から23年度にかけては、委託業者からの漏えいがかなり増えていることが、こういった数値に影響しているという状況でございます。
 以上、駆け足の説明で恐縮でございますが、説明を終わらせていただきます。

〇本田部会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明内容について、まず、1~31ページの<はじめに>と「年金記録問題への対応に関する事項」について、とりあえず御質問なり御意見等がございましたらお願いいたしたいと存じます。

〇岩瀬委員
 特に疑問点はなく、不遜な言い方ですが、よくやっているなという印象です。、非常にわかりやすく書いていただきまして、そういう印象を持ちました。

〇本田部会長
 特に記録問題については、かなりしっかりと取り組んでおられたなという感じが実績として出ているような感じがしますね。
 特に23年度は、3月11日震災が起こりまして、大変一生懸命取り組んでいただいたみたいですけれども、そこら辺について、何か皆さんからございませんか。
 それでは、もし、ここまでなければ、次に進んでよろしいですか。
 それでは、続いて、資料1の32~121ページまでの「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」、まさに、機構の仕事全体、中心のことについてのところでございます。そこら辺について御質問・御意見等がありましたら、お願いいたします。

〇大山部会長代理
 それでは、35ページの「23年度計画に対する取組状況」の〇の2つ目で、一番下のところで、「未適用事業所を効率的に把握するため、法務省から法人登記情報の提供が受けられるよう法務省と協議を行いました。」と書いてあります。24年から実施予定ですが、ここをもう少し詳しく説明をいただけますか。
 それによって、法務省からもらえるものと、しばしば聞いている法人登記の情報と事業所との関係は必ずしも一致しないので、そこの扱いについてどういうふうにしているのかということも含めて教えていただけるとありがたいと思います。

〇日本年金機構厚生年金保険部長
 説明させていただきます。
 御質問をちょうだいしましたところでございますが、まだ最終的な具体的なスキームについては精査しておるところでございますが、基本的には、御指摘のように、法人情報は法人単位でございまして、当方は事業所単位になってございます。したがいまして、いただきました法人情報と事業所をそのまま突合するというわけにもいきませんので、結局、そのいただいた法人情報を活用いたしまして、当方の事業所情報とやっていくということで考えておるわけでございますが、そちらの詳細については、今、検討中でございます。

〇大山部会長代理
 協議を行ったというのは、法人登記情報は提供してもらえるという結論になったということですか。

〇日本年金機構厚生年金保険部長
 さようでございます。

〇岩瀬委員
 この業務実績報告書の構成は、目標を書いて、それを実施した状況を書いている。目標に入れてないものは書かない、基本的には、実施状況は中に書かないということなのでしょうか。
 というのは、目標に書いてなくても、こんな成果があったとか、そういう分析がもしできているのだったら書いてもらった方がいいのかなと。34ページで、「納付書をお送りしました」とか、「ハローワークと連携して、自主的な届出を促しました」その結果、どれだけ資格取得につながったのかというのがもしあれば、書いていただいた方がわかりやすいのではないか。それが1点。
 もう一つ、サービスの改善の関係で、各種調査をしているということですが、その調査の結果を業務にどう生かしているのか、生かせるのかというようなこともちょっと教えてください。
 覆面調査に関しては、これはどういうところに頼んだのかというのを明らかにした方が、透明性という点で調査結果への信頼性は確保できるのではないか。そういうのはできたら書いてもらいたいという気がします。
 もう一つ、読んでいてわからなかった表現があるのです。これも調査の関係で、窓口相談員の回答を想定したシナリオを設定したと。調査項目を改善したということの趣旨の中で書かれているのですけれども、窓口相談員の回答を想定したシナリオをつくって、想定した回答をもらったというのでは、調査としては余り役に立たないのではないかと思ったのですが、この書かれた意味を、僕の読み間違えであれば教えてもらいたい。
 もう一つ、事務処理誤り2,347件が判明したということですけれども、これは旧社保庁時代と機構と分けたら、機構になってから何件ぐらい発生しているのか。発生の分類はあるのですけれども、その要因分析というか、なぜこういうことが起こったのかというのがわかれば書いてもらいたい。
 そんなところですけれども、わかる範囲で教えていただけますか。

〇日本年金機構副理事長
 まず、総論的なところですけれども、基本的には、これはいわゆる中期目標、中期計画があって、それを受けて年度計画をつくっていて、23年度の年度計画の達成状況というか、それを評価するというのが基本であろうと考えます。そういう意味では年度計画に書いたものについて実績報告をするというのが基本であろうと思っております。ただ、そのようなものは全く書かないというと、そこは書けるものは書くというのはあろうかと思っております。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
  調査関係でありますけれども、当然ながら、CS調査なり、覆面調査をやりまして、結果に基づいてどういう改善をしていこうかという取組をやっています。調査結果は全部ホームページで公表していますけれども、委員の先生方には、6月上旬に、それをお送りして、その中に、24年度はこれから取り組みますので、今日の議論とは直接関係しないと思いますけれども、私どもとしては24年度こんなことを取り組んでいきたいという資料も併せてお送りしておるところでございます。
 ちなみに、何点か申し上げますと、例えば相談関係ですと、CSなんかを見ますと、待ち時間の短縮要望が多くございまして、私も自由記載欄の東京分800件を全部読んだのですけれども、15分待ちぐらいにしてくれという要望とかありまして、まだ一段と頑張らなければいかんと思っております。それから、例えばプライバシーの保護についても、これもパーテーションで区切ったり、ボックスにしたりとか、できるところはしているのですけれども、スペースが取れなくて十分できないところもありまして、今年度も引き続きやっていくつもりです。それから、多いのは、事務所の電話がつながりにくいとか、それから、もともと事務所の電話での対応は、プロのリサーチ会社に言わせてもそうですけれども、非常に対応が難しく、お客様満足度を上げるのは難しいという領域ですけれども、これもなるべくロールプレイングなどを入れたりして、応答のスキルを上げる、そんなことをやっていきたいと考えています。あと、サービス関係ですと、これも都市部ですと、駐車場の確保が結構要望が多くて、これも予算の範囲内でできるだけやりたいということです。
 今年、CSで新たに請求関係の設問を入れましたが、問題意識としては、年金の請求に来ていただきますが、なるべく1回の回数で済むようにしたい、将来的には、諸外国でやっているようにICTを活用し、できたら来訪しなくてもできるようにしたいと思っていまして、その関係の調査もやりました。その結果、請求書の記載例みたいなものをもう少し拡充する必要があるのではないかとか、あるいは、今日も文書モニター会議に諮っていますけれども、請求書のターンアラウンドをわかりやすくできないかとか、添付書類でも、例えば、こういうケースについてはこういうものが要りますとか、あるいは、謄本ではなくて、住民票を出していれば抄本でもいいですとか、そういったものもきめ細かく改善をしていこうということであります。ここら辺は最終的にはマイナンバーが実施されたときに、お客様の利便をどれだけ図って、添付書類の省略とか何ができるかというのは、長期的な課題だという認識を持っています。
「ねんきんネット」関係でもいろいろ御要望をいただいておりますので、これは委員に6月に配布した資料の中には書いてありますけれども、そういったものの改善をやっていきたい。ということで、CSにしても、覆面調査にしても、調査結果に基づいて、こういう取組をしようという内部意思決定をして、今24年度として取組をやっているというところであります。
 それから、覆面調査の業者でありますが、これはお送りしたもの、すなわちホームページに公表している資料の中に明記しており、要するに、公表しているということです。会社は、インテージリサーチという会社であります。この業者選定のプロセスとしては、総合評価落札方式で、外部委員も入れた評価のボードの中で、サービス提供レベルと価格を見てこの会社に決定したということであります。
 それから、覆面調査で、「回答を想定したシナリオを設定する等調査の改善を行った」というところですが、これは、去年やってみて、ミステリーショッパー、覆面調査員の評価が結構ばらついているのではないか、実際質問したときにどういう答えが返ってくれば満足できるかというある程度のラインをつくらないと評価にならないのではないかということがありまして、具体的に質問も設定し、こういうレベルの答えまでくればいいのではないかというのもつくって、ミステリーショッパーの研修をしたと、こういう意味であります。

〇日本年金機構審議役
 それでは、事務処理誤りの件でございますけれども、御質問にありましたように、2,347件ですけれども、このうち、社会保険庁時代に起きたものがそのうちの約4分の1、586件という内訳でございます。
 あと、もう一つありました原因別のということですが、これから全体をまとめて公表いたしますけれども、その際には、プロセスのどの段階で起きたのか。例えば受付のときの処理管理誤りで起きたのか、その後の確認・決定あるいは入力段階といった、どこの段階で起きたのかという区別と、それから、その際にどういう原因で起きたのかという、両方のマトリックスで公表しております。事務処理区分で言えば、一番大きいのは、やはり確認や決定の誤りが4割程度、それから、処理が遅れた、未処理とか、処理遅延が15%などとなっています。それから、そういったミスがどうして起きたかという原因ということで言えば、確認不足が全体の67%を占めるという、全体としてはそういうふうな状況でございます。したがいまして、こういう確認を支援できるようなシステム開発とかそういったことで、事務処理誤りの防止に努めていこうというのが全体的な方針となっているかと思います。
 以上でございます。

〇岩瀬委員
 追加でお聞きしたいのです。
 まず、薄井さんにお聞きしたいのです。書けるものは書いているということは、適用事業所に関して、機構で納付書を送りました、その結果については、分析してないので書けないという意味でしょうか。目標にはないけれども、目標にはないものでも結果等、要因分析できたものは実績報告の中に書いたという趣旨だったと思うのですけれども、適用事務に関する事項に関しては、その要因分析がこの中に書かれてなかったと思うのですけれども、それは書けないから書かないということですか。

〇日本年金機構副理事長
 一つひとつの項目で、私、今おっしゃっているところが十分にお答えできないかもわかりませんけれども、全体で、機構でいろいろな行動計画に基づく業務とかいろいろやっていますから、機構の中で業務分析ができるもの、それは中で分析するものもあります。それらの中で、こちらの報告書の中に書き込むものもあろうかと思います。
 一方で、報告書というのはすべてのことを全部盛り込むというボリュームのものというか、そういうものでもないと思いますので、そこはどれくらいの密度で報告をさせていただくということであろうと思っております。

〇岩瀬委員
 別に詳細に書かなくても、その結果、これを読んだ人が、それですぐ把握できるというペーパーにしていただいた方がより親切で、機構が掲げている信頼回復とか、透明性とか公正性をよりスピーディに伝えられるのではないかという問題意識で聞いているわけですね。ですから、ほかに公表しているから、もう既に公表している、ここには盛り込んでないだけだというような言い方ではなくて、さっきのミステリーショッパーにしても、こういうところに盛り込んでもらった方がより親切なのではないかと僕は思うのですけれども、それは違いますかね。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 覆面調査を委託した会社名も書いた方がいいということですか。

〇岩瀬委員
 そういうことです。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 それは、書くことにします。

〇岩瀬委員
 意見です。

〇岩瀬委員
 全体的に、要因分析をなるべく入れていただきたい。前回、費用対効果を一つの指標にした方がいいのではないかというのも、そういう問題意識があって聞いているわけです。。

〇日本年金機構副理事長
 基本的なお考え自体、わかりやすくやっていくことはよくわかります。実績報告のレベルでどうするか。それから、後でありますけれども、アニュアルレポートをつくる際にそこら辺をどうするか。あるいは、ホームページ等でいろいろな情報を出していく。諸々の組み合わせの中でできるだけわかりやすくというのは心がけていきたいと思っています。

〇長沼委員
 何点かお伺いします。最初に、【資料1】の49ページの<自己評価>のところです。「平成23年度の現年度納付率は第3号不整合記録に係る種別変更による影響などから58.0%(平成24年3月末現在)と、前年同期を下回る結果となりました」と記されています。平成24年3月末現在とは、平成24年2月分までの納付率であり、対前年同期で、おおむね0.7%、下がっているということです。先ほども少しお話がありましたが、不整合期間を有する方の関係で、第3号と思われていた方が第1号になった。だから、納付してない形になりましたということで、どの程度納付率が減になっているのか。平成23年度は国民年金の保険料が月額15,020円となり、初めて保険料が下がった年度ということで、私もスタートしたときに、ぜひ、この23年度は納付率を上げるように努力していただきたいとお話をさせていただきました。3号の不整合期間を有する関係がなければ、納付率は上がっていたのかどうか。最終的にデータがそろうまではわからないとは認識していますが、最終的な納付率と3号不整合の影響について、何らかの記述ができないのかどうか、まず1点目としてお伺いいたします。
 それから、2点目です。【資料1】の53ページと46ページにまたがります。先ほど46ページで、「国税庁委任の対象となる可能性を説明した結果、対象者の約26%が保険料納付となっている」とのことです。一方、「国税庁への滞納処分等の権限委任要件」というのが、53ページに記載されていて、「滞納月数が24月以上で、滞納者または連帯納付義務者の直近の所得金額が1,000万以上に該当するもの」ということです。では、国税庁に滞納処分等の権限を委任する件数は何件ぐらいあったのか、または、何人ぐらいいたのか、お伺いいたします。そして、そのうちの4分の1は納めたが、納付されなかった4分の3は、現状ではどうなっているのか、お伺いします。
 次に、3点目です。【資料1】の67ページです。今までは日本全国での保険料決定額、収納額、不納欠損額しか、記載されておりませんでした。しかしながら、今回は、9つのブロックごとに表記していただきまして、たいへんありがとうございます。今後はできれば、別紙でも構わないので、年金事務所ごとの資料もいただければと思っています。さて、これをみると、例えば中部ブロックでは、不納欠損額が平成22年度は約22億円だったのが、平成23年度になると約53億円で、不納欠損額が倍増している。この原因は何だったのか。例えば中部ブロックには、特定のこういう業種・事業所があって、23年度に一気に不納欠損で落とし込んだということなのか。逆に、近畿ブロックは、平成22年度に不納欠損額が約120億円あったのが、平成23年度は、逆に、約70億円と、約50億円も不納欠損額が少なくなっている。ということは、平成22年度に不納欠損で落とし込んだものがだいぶあったから、ということなのか。それで、結果として23年度は不納欠損額が少なくなったということで、と理解していいのか。確かに、日本全国全体でみると、不納欠損額については、対前年度比約6.7%の減ということですが、しかしながら、個別のブロック単位ごとに子細にみると、かなりの差異がある。その原因が何なのかを、もう少し書き込んでいただけるとありがたいと思います。いずれにしても、ブロックごとの年度間における不納欠損額の増減の事由について、教えていただきたい。
 次に、4点目です。【資料1】の33ページとか82ページに、「市町村との連携強化」の取り組みが記されています。例えば、端末装置の設置ひとつを取ってみても、平成22年度と23年度を比べると16の市区町村でしか増えてなく、トータルで298市区町村にとどまっているという状況です。私も市町村の立場で、申し上げますと、国民年金の事務は、法定受託事務です。そして、国民年金事務費等交付金については、地方財政法上、地方公共団体が負担する義務を負わない経費として、例示されており、国がその全額を負担すべき国庫委託金のひとつです。しかしながら、平成22年度のすべての市町村で要した人件費がおよそ356億円かかっているにもかかわらず、実際に厚生労働省から市町村に交付されているのは、そのわずか半分の180億円と聞いています。志木市の事例をみても、人件費だけでもおよそ3,600万円かかっていますが、国から交付されるのはおよそ1,100万円どまりになっています。交付割合は、3分の1程度です。そうすると、法定受託事務をやっているだけでも、本来、全額国が交付してしかるべきものが、市町村では相当持ち出しになっていることが多い。となると、端末装置を設置すると、またさらに、持ち出しが増えてしまうのではないかということで、担当の職員から上の方に、こういう連携協力業務をもっと広げてやっていきましょうと提案するのは、難しいのではないか。これは、厚生労働省に話さないといけない問題ではありますが、その辺を改善していかないと、市町村と日本年金機構が協力を広げていこうといっても、難しい課題があると、認識しています。以前にも申し上げましたが、年金相談ひとつ取ってみても、市役所に市民の方が来訪相談に見えて1件やると、単価が165円です。これでもよくなったのです。以前は111円でしたから。そういう状況だと、市町村との連携協力業務を広げていこうと言っても、なかなか現状では難しい。国民年金事務費等交付金の問題は、基本的には厚生労働省の関係であり、日本年金機構評価部会でお答えいただくのはなかなか難しいかとは認識していますが、「市町村との連携強化」の取り組みでは、そういう問題点があると私は考えています。これは厚生労働省に改善方の要望を、日本年金機構から伝えることが可能であれば、ぜひ、お願いしたいと思います。
 最後に、5点目です。【資料1】の100ページ、サービス改善の箇所です。お客様の声を収集して、具体的な改善実施済みの事例として挙がっているものです。ここに記載されているのは、戸籍謄本の原本は返却してほしいという御意見があったので、それを返却することにしたということですが、これが本当に必要なのかどうなのか。戸籍謄本を提出していただいたら、年金事務所では、それを受理したままでもいいのではないか。市町村でも、申請書に添付してもらう書類もある。これを返却するとなると、それなりにコストもかかる。添付書類の返却の判断基準をどの辺に置いているのか、なかなか一律の判断基準はないのかもしれませんが、その辺を教えていただければと思います。
 以上です。

〇本田部会長
 それでは、よろしくお願いします。

〇日本年金機構国民年金部長
 まず、御質問の1点目と2点目について、私からお答えさせていただきます。
 まず、47ページの現年度納付率の件ですが、第3号不整合記録問題の対応として、昨年11月に直近の2年間の不整合記録、いわゆる本来1号であるべき記録に関しまして、第3号で記録されていたという分ですが、その方たちについて、まず、種別変更の勧奨をいたしまして、種別変更いたしました。結果、第1号被保険者となりましたので、本来の納付対象月数がその分増えたことがございますので、これが納付率に一部影響しているものと思われます。
 また、納付率が与える影響ですが、対象月数がどれぐらい増えたか。それから、実際、それに対してどれくらいの納付があったかということについては、現在分析しておりまして、7月に公表するまでに、その分析結果については御報告したいと思います。
 それから、2点目の強制徴収関係ですが、46ページの対象者の26%ですが、済みません、本日数字を持ち合わせておりません。
 以上でございます。

〇日本年金機構厚生年金保険部長
 3点目の不納欠損について御説明させていただきます。
 御指摘いただきました中部地区また近畿地区ですが、不納欠損の性質については、言うまでもございませんが、民間で言うところの貸し倒れでございます。したがいまして、これは国庫に入るべきお金でございますので、不納欠損を落とすときには、財産調査をしっかりやったかどうかということを、金額が大きいものについては、本部の協議にかけてやっておったり、厳密にやっておるところでございます。額の増減の要因は、悉皆的にヒアリングしたわけではございませんが、やはりこういった形で数字が動いておりますので、ブロックにヒアリングしましたところ、年金記録問題で手が回らなかった。最近、若干余裕が出てきましたので、塩漬けになっているようなものについて、再度、精密に財産調査をした結果、これは不納欠損の対象であろうということで、固まって若干落ちておるケースも見られるところでございます。
 以上でございます。

〇日本年金機構審議役
 最後にお話のありました請求書の添付書類の件ですけれども、書類自身は法令で定められているもの等もございまして、なかなかすべてをというわけにはまいりませんけれども、例えば年金機構においては、従来、実務上、戸籍謄本をお願いしたものについて、例えば住民票と戸籍抄本で確認が可能であれば、そういう形で負担を少なくさせていただくと、こういうふうな実務上の見直しを、お客様の声やさまざまな指摘を受けてやっているところでございます。今後も、いろいろな事項はあると思いますので、必要に応じて厚生労働省とも相談しながら、負担の軽減に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 ちょっと補足しますと、一般論で申し上げれば、お客様の声については、いろいろなものをいただいておりまして、まず検討の対象とすべきかどうかということで案件を絞り込みます。ただ、その中でコストベネフィットを考えて、最終的にやった方がいいかどうかというのを選んでいくということであります。ただ、どんな改善をするにしても、大なり小なり何らかのコストはかかることにはなります。

〇大山部会長代理
 今の件ですが、ここに書いてある証明書、戸籍の話ですが、受け取らなければいけないと、もしなっているのであれば受け取らなければいけないのに、返すことができるという、その辺の判断が動くのはなぜですか。どうしてその根拠が変えられるのかというそこが最初の疑問で、個人的には、私のところも必要なことがあって、戸籍謄本を出したのです。返ってきませんでた。このことを知っていたらその旨を言ったと思います。なぜ聞くかというと、何通要るかというのは、本人は最初にはわからないからです。いろいろ動いている間に、また取ってこいという話になって、えらい大変なことになります。このようなことはほとんどの人が経験すると思います。何が聞きたいかというと、何でそういう基準が変えられるのか。どうしてどこにもアナウンスされずにできているのかがわからないからです。
 別の話で恐縮ですが、前に一回指摘させていただいたのは、社会保険庁時代、レセプトの請求をDVDに置き換えて、紙を捨てたという話を聞いたときに、どうしてDVDに置き換えることができるのかということです。民間であれば、自らのルールを変更できるのはわかります、文書の管理規程があるのではないかと思います。今のお話を聞くと、日本年金機構さんはどっちなのかと思ったので、あえて聞かせていただきました。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 一般的に添付書類は省令で書いており、これの変更は省令改正あるいは省令の解釈を年金局と協議して出すのが一般的です。
 コピーの話と、もう一つ、審議役が申し上げた謄本に代えて住民票と抄本でいいという話があり、こちらは記憶が間違っていたらあれですが、省令上読み得る範囲での話で、そこを年金局とも協議して変更したということです。ですから、基本的に添付書類は省令で規定されているので、変更する場合は、局と協議してやるのが一般的になります。
 局の方で何か追加があったらお願いします。

〇事業管理課長
 基本的には、省令で添付書類が必要なものはリストアップされていますので、そこは変わってないということだと思いますので、一回提出をいただいた後の機構での事務処理の話だという整理になっているのだと理解をしております。

〇大山部会長代理
 そういう言い方ができるのはよくわかるのですけれども、どっちなのかははっきりすべきで、そうでないと信用を失いますよ。今の話は、僕は非常に不安に思いますね。その解釈が変わるのだったら、人によって変わるということでしょう。それはやはりうれしくないのですね。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 勿論、添付書類を変更する場合には、本部から全事務所に対して、こういうふうな取扱いに変えますというのは当然出しています。

〇大山部会長代理
 そうですが、では、今後、取ることはないということですね。一回オーケーにしたのに、何でそれがだめになるのか、そこの解釈が明文化されずに変わることはないということですね。
 今回、取らずに、コピーでいいよとなったのでしょう。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 はい。

〇大山部会長代理
 だったら、元に戻ることはないのですね。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 また変えますということは想定していません。

〇大山部会長代理
 判断を勝手に変えられるのはおかしいではないですか。それが不信感を招くと言いたいのです。元に戻さなければいけない理由を明確にすべきです。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 仮に、将来、元に戻すならという仮定の話ですか。

〇大山部会長代理
 いや、今回変えて、こういうのをやりましたというのは結構です。しかし、それを元に戻さなければいけない、すなわち原本は返しませんと再変更するときには、それなりの理由をはっきり言わなければならないはずです。それを省令で書き替えました、あるいは、解釈を変えましたぐらいでは困ると思います。被害を受けるのは周りです。
 ここでは信頼感の話を申し上げたいので、文書管理の話ですから、そこははっきりしておくべきだと思うので、どういう理由でこうなったのかを聞こうと思っていたのです。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 ちょっと担当が違いますけれども、経緯は、総務省の行政評価局からのあっせんで、こういうふうに改善すべきだというのが発端だと聞いています。
 ただ、いずれにしましても、おっしゃるように、窓口の人間によって対応が違うのは当然いけませんので、事務所周知等は当然やっていくべきだと思います。

〇本田部会長
 さっきの4点目については、厚労省から何か回答はありますか。

〇事業管理課長
 交付金については、本当に昔から必要な財源の確保ということで、自治体にもいろいろと御迷惑をおかけしながら取り組んできているわけですが、厳しい財政情勢の中で、被保険者の数と単価に応じて交付金を設定させていただいているという中で、1号被保険者そのものが減少しているという状況の下、どういうふうに交付金を確保していくのかということだと思います。
 委員からもお話がございましたけれども、過去には、そういう協力連携の方で、窓口装置を使った相談、そういう非常に手のかかる相談をいただいた場合に、その分の単価を設定させていただくような取組を工夫しながら、全体として交付金をできるだけ確保するということをやってきていますので、引き続き努力をしていきたいと思います。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 添付書類の件で補足させて頂きたいのですが、2つ話が混乱していると思いますが、謄本に代えて住民票と抄本でもいいとすべきというのが総務省のあっせんの話です。

〇長沼委員
 最初の納付率の関係です。現段階で、例えば少なくとも納付対象月数がこのぐらいの月数が増えたというのを把握されているのでしょうか。そのうちの納付に結びついているのがどの程度だかわからないので、3号不整合期間を有する事案が、全体の0.7%減のどの程度を占めているかがわからない、ということなのでしょうか。とりあえず、現段階で、3号不整合期間を有する方が1号に種別変更されて、納付対象月数がこれだけ増えたという時事関係の数字は、ここで述べていただけるデータはあるのでしょうか。
 それから、平成24年10月からいわゆる10年さかのぼって納められる後納制度が始まります。これについては、納付のカウントにどの部分が影響するのかしないのか、もちろん、これは24年度の納付率の関係になりますが、その点もあわせてお伺いします。
 次に、2点目の国税庁への滞納処分の委任の関係です。46ページで、国税庁への委任に至った案件はなかったわけですが、案件はなかったが、委任の対象となる可能性を説明したら4分の1は納めてくれた、ということです。しかしながら、4分の3は納めてくれなかったということです。国税庁への滞納処分等の権限委任の対象となる案件は、53ページに記載されているように、「滞納月数が24月以上で、滞納者または連帯納付義務者の直近の所得金額が1,000万円以上」ということではないのですか。先ほどの御説明では、これは1,000万ではなくて500万ということなのでしょうか。実際に、所得が1,000万円あるいは500万円ありながら、納めてない人が4分の3いたという理解は、それはそれでよろしいのでしょうか。
 次に、3点目で、いわゆる不納欠損額の関係です。例えば、中部ブロックでは、こういう業種でとりわけ不納欠損額が、平成23年度多くなったとか、あるいは、近畿ブロックの場合であれば、本来、20年度とか21年度に不納欠損処理しておかなければいけないのが、やってなくて、22年度に一気に不納欠損にしたから、これだけ大きい金額になったとか、その辺の大きい・少ないの事案の背景をもう少し調べられていて、御報告いただけるのであれば、教えていただきたいと思います。
 次に、4点目の市町村との連携強化の関係です。これも以前から申し上げているのですが、例えば第1号被保険者が1万人の自治体であっても、出入りの激しい自治体と、そうではない、あまり被保険者の異動がない自治体では、それに関する補正係数が適切に機能していないと記憶している。ですから、国民年金事務費等交付金における人件費の算定方法や、第1号被保険者の異動の多い都市部の自治体とそうでないところでの補正係数の見直しも含めて、今後ぜひ、厚生労働省で御検討をお願いしたいと思います。これは意見です。
 最後に、100ページの戸籍謄本の原本返却の関係です。そうしますと、今、総務省からお話があったのは、謄本のところを抄本でもいいという勧告であったという理解でよろしいのですか。例えば、いわゆる戸籍謄本あるいは戸籍抄本を添付しなくても、住基コードを記載していれば、それは謄本または抄本が添付されているという取扱いで対応しますというのは理解できるのですが、一回謄本を添付と言っておきながら、それを返すのが、サービスの向上なのか。先ほどの説明ではちょっと理解できないです。一回提出してくださいと言って、提出され、受理したら、それは内部で、適切に文書の保存年数の期間、しっかりと保管をしておくのではないでしょうか。提出していただいたものを、コピーをとったから返しますというのであれば、ただ単に窓口で提示してもらえばいいという話だと思うのです。その辺、重ねてで恐縮ですが、お伺いいたします。

〇日本年金機構国民年金部長
 まず3号不整合関係ですが、3号不整合の処理は、平成21年10月以降の3号の不整合の方を抽出しまして、勧奨し、1号被保険者にしたということでございますが、その期間が、最大ですと24か月、または、1か月の方もいらっしゃいます。それを1件1件今洗い出して、それに対して納付状況がどうかということを分析してございますので、その分析結果がまとまりましたら、御報告させていただくことになります。
 それと、後納制度の納付率への影響でございますが、後納制度は、時効が消滅したものということになりますので、平成14~22年まで現年度の納付率には影響しない部分でございますので、後納制度で納めていただいたからといって、納付率に影響はないということでございます。
 それから、3点目でございます。たびたびで申し訳ございませんが、この26%の元の数字ですね。今日、私はちょっと持ち合わせておりません。それから、先ほど御説明した500万円以上というのは、強制徴収の対象を500万以上としているということでございます。それから、国税委任は1,000万以上で24か月でございますので、この対象につきまして国税委任のお話をしたらば、自主的に納めていただいたということでございまして、26%の元の数字については、また、別途、回答をさせていただくということで、申し訳ございません。

〇日本年金機構厚生年金保険部長
 不納欠損について御説明させていただきます。まず、業種別にわかるかということでございますが、こちらに関しては、現行のシステムは、不納欠損に限らず、すべての債権管理について業種別になっておりませんので、残念ながら拾えないという御回答になります。
 それから、近畿ですが、21年にやっておくべきことを23年に一気に落としたのかという話でございますが、これは定性的な説明になってしまうのですが、記録問題が一段落して、そういった不納欠損になるのではないかという案件の財産調査をやった結果落ちたということでございまして、本来、落とすべきだったのかどうなのかというのは、個々の処分票を見ないとわからない話でございますし、また、完全につぶれておったのか、運輸業みたいに細々営業で、発生する額にとても追いつかないような額を細々払っておったようなところを、そこで引導を渡すというか、そういう形で決着をつけたのかは、個々の処分票を見ないとわかりませんので、ちょっとそこも定性的な御説明しかできないということで御容赦をちょうだいしたいと思います。
 以上でございます。

〇日本年金機構審議役
 最後に、添付書類の件ですけれども、私は、お客様向けのサービスとして謄本をということでお願いしていましたものを抄本でという別の話を紹介申し上げましたので、ちょっと混乱をさせた点については、申し訳ございません。本件は、総務省のあっせんを受け、また、お客様の声を受けて、従来、実務上謄本をお願いしていたものについて、本来の住民票と戸籍抄本を組み合わせれば身分関係の確認はできるということで、マニュアル上、抄本でいいということに統一したという別の例を御紹介申し上げました。
 他方、資料に書いてございます謄本の原本返却の取扱いについては、恐縮ですけれども、一度経緯と中身を確認して、別途、御報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇木間委員
 2点申し上げます。
 1つは個人情報の漏えいの問題です。個人情報漏えいの件数の大半は誤送付とありますが、誤送付であっても、個人情報は漏えいしてしまったわけですから、その業務委託先が少し緊張感に欠けるのではないかと思います。再発防止に取り組みますとありますが、厳しく対処していただきたいと思います。
 2つ目は「知っておきたい年金のはなし」についてです。大変御苦心なさったことがうかがえます。この内容が難しいとかやさしいとかではなくて、例えば高校生にとっては半世紀も先の生活について、どのようにすれば興味を持つのかということが、これから内容を充実させていく上で課題になると思います。
 「知っておきたい年金のはなし」に掲載されているエッセイの中に、お二人が年金に関する教育について触れていました。1人は30代の女性ですが、自分だったら中学生にこう教えるということが書かれていました。それから、女子高校生は、これは頼もしいのですが、「これからの社会を担っていかなければいけない世代だからこそ、今、年金制度を理解する必要がある」と書いています。
 別表27や28のパンフレットは、多くの方の意見を聞きつくり直しているうちに大変わかりやすいものができてきました。「知っておきたい年金のはなし」についても、高校生や教師や大学生などの意見を聞いていくうちに、教育現場の副教材として使えるようなものができるのではないかと期待しております。

〇日本年金機構副理事長
 個人情報の保護は、漏えいというかそういうことがあってはいけないということだと思っております。非常に多いのが、これは、職員が送る場合も、事業者が送る場合も両方ありますけれども、別の事業所の情報をAとBと間違えて入れてしまうとかそういうふうなものも含めてございます。これは、機構職員が担当したケースでもあるし、委託先でも起こります。基本的には、委託先事業者については、個人情報をきちんと守ってもらう。それを厳しく指導していくことだと思っています。それから、職員の関係で言うと、ダブルチェックをきちんとやるとか、あるいは、できるだけファクスは使わないとか、それから、封筒で送る際も窓開き封筒で送る。そうすると、表と中が違うことはないですから、そういうことも含めて再発防止に取り組んでまいりたいと考えております。

〇日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 ありがとうございます。委員の皆さんにお送りしました「年金のはなし」ですが、これは年金事務所で実際に今使ってもらっています。もともと大学1~2年生ぐらいを念頭に置いたせいもあって、高校だとちょっと難しいという話もあり、高校生用には、もうちょっと簡単なところから入っていくパワーポイントみたいな別資料を作って、こちらも年金事務所へ提供しています。実際、地方でのいろいろ工夫してもらっており、また、現場の評価も聞いて、直していきたいと思っています。
 それから、私ども本部も幾つかの大学でお願いして、私どもの職員が行って、実際に説明を今やろうとしています。あるいは、全然難しいと言われるかもしれませんし、簡単過ぎると言われるかもしれません。それは、行った大学にもよるかもしれませんが、実際行きまして、その評判も聞いて、少しでも改善はしていきたいと思っています。ただ、これまた、一定の中に情報量をあんまり盛り込むと、確かに、かえってわからなくなるとか、相手の年齢なり何なりで変えていかなければいけないとか、そういう工夫もやっていかなければいけないかなと思っていますが、また、お知恵がありましたら、お教えいただければと思います。

〇本田部会長
 それでは、まだ御質問があるかとは思いますが、最後の122~164ページまでの「業務運営の効率化に関する事項」から予算・収支計画及び資金計画までも含めて何か御質問あるいは御意見があったらお願いいたします。
 西沢委員。

〇西沢委員
 ページ戻ってもよろしいですか。

〇本田部会長
 いいです。

〇西沢委員
 総論として、冒頭の御説明で、平成23年度に、日本年金機構の皆さんが前向きに取り組まれているのは非常によくわかったのですけれども、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 1つは35ページで、厚生年金の適用拡大のために法人登記の情報を使えるのは非常にいいことだと思うのですが、私の考えだと、国税の源泉徴収義務者の情報とか、市町村の特別徴収義務者の情報が、それは必ず給与を払っているということなので、厚生年金の適用拡大に最も有効な情報だと思うのですけれども、その利用を検討されたのか。検討されて、国税や市町村に頼んだけれども、だめであったのかといったことを教えていただきたいのが1点です。
 次に2点目で、63ページで、先ほど来、滞納処分の話がありましたけれども、厚生年金で1件国税委任が出たという話であって、この概要を教えていただきたいと思います。どういった経緯で委任に至って、どのような滞納規模であって、どのような結果が得られたのか。そして、今後、国税委任をどのような形で使っていこうとされるのか。日本年金機構が発足したときの目玉の1つは国税との連携だと思いますから、今回、事例が発生したということで、これをどう評価し、今後、どう活かしていくつもりかといったことを教えていただきたい。
 63ページで、長沼委員の不納欠損の話を伺っていて思ったのですけれども、ここの文章の中に、徴収努力を行ってもなお、徴収の見込みがないと判断された保険料等については、適正に不納欠損を行うとありますが、どれほど徴収努力を行ったのかというのは重要だと思うのですね。きちんと時効管理をされて、時効の中断を何度も図っていられるのか。それとも、放っておいて、2年たったから不納欠損にしてしまったかというのは、民間企業であれば、不納欠損しますと損失になりますので、かなり重大な出来事ですから、それを各事務所、各ブロックで行っているのを本部としてどうチェックしているのかといったことも、本当はかなりの分量をもって書き込んでいただいてもいいぐらいのことだと思います。今すぐお答えいただけるものばかりではないと思いますので、お答えいただけたらお答えいただきたいと思います。

〇日本年金機構厚生年金保険部長
 お答えさせていただきます。
 まず、国税が有する課税情報、今、端的におっしゃった源泉の話でございますが、基本的には、国税の持っておる課税情報を当方には開示してもらえないことになっております。これは、従来、社保庁時代からもそういうところは余りなかったのですが、今現在、うちが公務員というか役所ではなくなってしまいましたので、更にハードルが上がっているのかなというのが感触でございますが、今後、また、何らかの方策で御協力いただけないかということについては検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に国税委任でございますが、こちらについては、国民年金同様うちもスキームを持っておりまして、1億円以上、24か月となっておるのですが、これは現在リストアップしておりまして、潜在的に国税委任の条件に合致するであろうというのが24年3月末で140件程度ございました。これは同じように、納付に応じていただけない場合は国税委任にしますよと言ったところ、大体40%程度が納付または納付をしましょうという約束をしてくれたということでございます。更に、継続的に、納付に向けて協議中が30%ぐらいで、それを除いた残りの部分が国税委任の対象になっておるわけでございます。
 国税委任と言いましても、その要件を満たしておるから、はい、国税さん受けてくださいと言っても、なかなか国税では受けてもらえませんで、財産調査とか何とかそういった周辺の外堀をきれいに埋めないと受託していただけないのが偽らざる現状となっております。今回、1件ございましたのは、そういった財産調査、周辺の調査をしっかりやりまして、そういったことを受けて、国税でも受託するというレベルに達しましたので、受けていただいたということになっておるわけでございます。
 現在、うちで何をやっているかといいますと、そういった残っておる納付に応じた、あるいは納付交渉中以外のその対象となっているものについて、国税と個別案件一件一件で、これを委託したいけれども、どういったところを詰めれば受けてくれるのかというところでやっておるということで御理解いただければと思います。
 最後の不納欠損ですが、2年の時効が来たから流れてしまうのは、いやしくもあってはならないことでございます。これは、従来から、時効中断は絶対やらなければいけないということで、23年度に各年金事務所に通知を出しまして、悉皆的な時効中断措置をやりなさいということで言っております。その悉皆的な時効中断措置については、各ブロックにチェックさせておりますし、金額が大きいものについては、本部に上がってきておりまして、端的に言いますと、一件一件調査票を繰っていって、接触がない場合はどういうことか、なぜ接触してないかということをぎりぎり詰めておるところでございます。こういった形で時効で流れてしまって不納欠損は、前提としてはあってはならないこととした上で、更に、それでもだめなものについては、適正という意味でございますが、これは安直な外づらをなでるような財産調査ではなく、銀行預金だけ見ましたとか、そういうのではなく、本人の現在の生活状況、あるいは本人の関連者、奥さん名義ではないかとか、そういったところまでぎりぎりやった上で、最後に、最終的にやむなく不納欠損に落とすのであるということで、適正にということでやっておるところでございます。
 以上でございます。

〇本田部会長
 それでは最後に、先ほどの業務報告の中にもありましたけれども、所得税の過徴収の調査報告書について、日本年金機構から御説明をお願いいたしたいと思います。

〇日本年金機構経営企画部長
 それでは、資料2-1、資料2-2でございますが、2月の年金の定期支払におきまして、お客様から所得税を取り過ぎてしまった事件でございます。システム処理誤りが起こったわけですが、それがどういうようなことであったのかを、調査委員会を設置して検証を行い、その報告書がまとまりましたので、御報告をしたいということでございます。なお、本日付でホームページにも掲載させていただきました。
 資料2-1をめくっていただきまして3ページ目に図がございますので、これをもとに概要を御理解いただきたいということで御説明したいと思います。
 まず、年金受給者の方々3,500万人ぐらいいらっしゃいますが、雑所得として所得税がかかるわけです。基本的には、源泉徴収という形で所得税をいただくというシステムになっております。その対象になる方は、老齢基礎年金・老齢厚生年金を支給されている方が典型的でございますが、額にいたしまして158万円以上の方が対象であるということで、そういう方々を抽出して、そういう方々に扶養の状況を確認する。この扶養の状況により課税対象額が変わってまいりますので、それを御連絡いただきたいということで、ターンアラウンドというやり方で、記入したものを御送付して、そこにお客様から記入していただいて返していただく、こういうやり方で送る。3,500万人の中の5分の1になりますが、700万人の方にお送りするということでございます。残念ながら、提出いただけなかった方については、簡単に言いますと、課税対象額の10%を源泉徴収させていただくというルールになっております。提出いただいた方については、その下になりますけれども、これは毎年の話ですので、前年と一緒であるかどうかということでございまして。前年と中身が変わっておりますといった場合には、これは、別途、その中身の変更について、パンチ委託という形でその中身を入力いたします。前年と変わらない場合は、機械的に、その下にございますけれども、ODRという形で機械で読み取りまして、その読み取ったものは自動的にシステムに読み込まれます。ただ、読み取れなかったもの、汚れていたとかいうことで一部読み取れなかったものは、仕方がありませんので、もう一回人によって入力をすると、こういう形になっております。
 実は、今回問題になりましたのは、変更がなかったのでございますが、ODR処理にかける通常のルートとは別に、ややイレギュラーではあったのですけれども、ODR処理について、業務の処理の山が来てしまうということで、いわば気をきかせまして、この部分は前もって入力しておこうではないかということで、委託業者にこの入力をさせたと。させたものは磁気テープができ上がりまして、その磁気テープを改めてシステムに入力するという段階になるわけでございます。右側の四角で囲った磁気テープでございますが、そのでき上がった磁気テープが、本来処理するべき時期よりも先にでき上がってしまった。したがって、本来の処理日までちょっと取っておいて、それを本来の処理日が来たら、黒い色のところの磁気テープをシステムに入れようではないかと、こういうふうに約束をしてやっていたのですけれども、実際、その処理する時期になってしまったら、この黒いところの磁気テープをシステムに入れ忘れてしまったと、こういう中身でございます。その結果、影響されたお客様としては約7万人、それから、取り過ぎてしまった所得税が約17億円という、かなり大規模なことで御迷惑をかけてしまったということでございます。
 なお、勿論、その後判明してから、3月15日からの随時の年金支払のときに、お客様にその取り過ぎてしまった所得税額についてお支払いをするという形で処理はさせていただきました。その後、調査委員会は2月22日に設置いたしまして、以後の検証を行ってきたということでございます。
 調査報告書を簡単に御報告・御紹介申し上げたいと思います。
お開きいただきまして、1ページ目に目次がございます。「はじめに」がございますが、1番目で、調査委員会の設置の問題、2番目で、今申し上げた扶養親族等申告書に基づく事務処理がどのように行われるかということをおさらいしております。3番目が本体に入ってまいりますけれども、システム処理誤りがどのようにして起こされてしまったのかということ、4番目で、そのシステム処理誤りが起きたことについての原因分析の評価、それから、更に、システム処理誤りが発生した後のいわばリカバリー対策が適切であったかの評価、それから、5番目で総括をさせていただきまして、6番目で再発防止策、7番目で今後の課題という形で整理をさせていただいております。
 中心となっておりますのが、システム処理誤りがどうして起きたのかということでございますが、それについては、余りくだくだ申し上げませんが、13ページからシステム処理誤りの経緯を記載させていただいておりますけれども、14ページで、この考え方としては、今回のシステム処理誤りに当たって、ルールがどうであったのかという問題、それから、ルールを守ったのか、守らなかったのか、実際の行動が適切だったのかという意味は、下に書いてありますが、〇△×あるいは-とありますが、これはシステム処理誤りが生じてしまったこととの関係で〇△×という評価をさせていただきました。めくっていただきますと、15ページから具体的に書かせていただいておりますが、今回のシステム処理誤りに関係した担当者が、ここに書いてありますところの担当者Gから媒体担当者Lまでありますが、こういう人たちがいわば登場人物でございまして、こういう登場人物が平成23年7月から翌年の1月までこの事件に関係あるところの要素を分析いたしまして、それぞれだれが何をやったのかということを詳細にできる限り把握をさせていただいた。ここで色をつけさせていただいているところが、今回のシステム処理誤りから見た場合に影響があったところであろうというところでございます。
 それから、文言の修正漏れが若干ありまして、この中で御紹介させていただいて恐縮でございますが、15ページの平成23年11月のウという項目がございますが、ここの「月間稼働計画書の作成」の「月間」の「刊」が違っておりまして、恐縮でございます。ちょっとお直しいただければと存じます。それから、ちょっと飛びますけれども、28ページの折り込まれている図の中の真ん中辺りの「処理実行~事後審査」のヨと書いてあるところがございますが、その右側の吹き出しで、「12/27分受付分のみを点検」と書くところが、プリンタのぐあいが悪くて「検」が打ち出されてないところでございまして、恐縮でございますが、ちょっと補っていただければと思います。
 いずれにいたしましても、こういう形で事細かに状況を把握いたしまして、結論としては、再度、先ほど総括ということでございましたが、49ページ、今回のシステム処理誤りについては、直接は、先ほど磁気テープを入力し忘れてしまった、この役目は委託業者でございまして、その委託業者が入力漏れを起こしてしまったといういわば単純なミスでございますけれども、したがって、そこの責任であることは間違いないということでございますが、他方、先ほど、事件の経過を事細かに検証させていただきました結果、処理誤りが防止できたのではないか。こういうふうに改善すれば、処理誤りが防止できたのではないか、あるいは検知できたのではないかという意味で、十全の対応がとれていたかということを振り返って考えてみますと、ここに幾つか書いてありますけれども、簡単に申し上げれば、システム処理誤りを防止するための仕組みが不十分であったことは否めない。したがいまして、管理をしていた機構としても、委託業務の管理責任という意味では十分ではなかったのではないかと、そのように一言で言えば総括させていただいたという中身でございます。
 以上、簡単でございますが、このような形で検証をさせていただいたということでございます。

〇本田部会長
 ありがとうございました。
 今の報告について、何か御質問はございますか。

〇大山部会長代理
 済みません。前にも聞いていた記憶があるのですが、ちょっと再確認で1点だけ。
 3ページ目の図で、ODR処理が590万になっていて、今回の話は、その上の扶養親族等申告書受理約695万人。この間に、右へ出ていく実線のちょっと太めのものがあって、この太めのものが未処理のMTにそのまま行っているのではないかと思っているのですが、まず、それで合っていますか。

〇日本年金機構経営企画部長
 695万人の方々から御提出いただきまして、その中で変更がある方が約100万人ぐらいいらっしゃる、残りの590万人ぐらいが変更なしと、そういうふうに理解しています。

〇大山部会長代理
 それはいいのですが、その右側に行く太い、その間の695万から590万に下りるときの間にある右へ折れる太めの実線がありますね。そこには二重の吹き出しで、処理が漏れた云々と書いてある。

〇日本年金機構経営企画部長
 ここは、実は処理が漏れた7万人がこの線そのものでございます。

〇大山部会長代理
 そういうことですね。これはいいのですが、この7万人はODR処理で読み取れなかった人たちですか。

〇日本年金機構経営企画部長
 先ほど簡単に御説明申し上げたのですが、本来は、ODR処理に全部機械的にかけて、リジェクト分だけをいわば人力で入力するという形だったのですが、実は、このODR処理に当たりまして、一定の処理想定量がございまして、その処理想定量が一時期にお客様からはがきが返ってきたものですから超えるのではないかということを考えまして、ODRにかける前に、一定部分を委託によって処理しようという判断をしたというのがこの7万人分でございます。

〇大山部会長代理
 その処理能力の想定を超えたというのは何となく原発の話に聞こえているのですが、それは、ODR処理ができないということですか。ODRは装置ですね。

〇日本年金機構経営企画部長
 そうでございます。日々ODRにかけていくのでございますが、実は、ODRをやっている担当部と、それから、申告書を回す部がちょっと違っているのでございますが、その間の事実上の取り決めとして、一定量を超えるようなことにはしないでほしいと、なるべく平均して事務処理ができるようにというような事実上の取り決めのようなものがございまして。ちょうどこのときにはそれが超えそうだということで、いわば気を回して先に処理して、この担当のODRをやっているところの負担を少なくしようではないかというように考えたと、そういうことだと思っています。

〇大山部会長代理
 でも、590万と7万で、1割増えるならわかるけれども、ほんのわずかですね。それをあえて気をきかせてやったのが裏目に出たということですか。

〇日本年金機構経営企画部長
 率直に申し上げれば、そういうことでございます。

〇大山部会長代理
 民間だったら、これぐらいの残業なんかは普通だし、やると思うのですが、1%増えるのは嫌だという取り決めが、なぜ別のルーチンをつくってしまったのかという方が問題のような気がします。

〇日本年金機構経営企画部長
 そこは、まさにおっしゃるとおり、実は、そういうことをやってはいけないとかいいとかいうルール自体もなかったのでございます。そこは問題だという認識は持っておりまして、そこは、基本的にはコミュニケーションがとれていなかったところがありますので、そこは今回も、今後気をつけなければいけないということで反省させていただいています。

〇本田部会長
 それでは、時間もあれでございますので、機構の業務報告書(案)について、今日は委員の方々から御意見等も出ましたので、そこらも踏まえながら、今後、日本年金機構において、報告書の検討をよろしくお願いいたしたいと思います。
 本日の議題はすべて一応終了しました。次回の日程等について、事務局からお願いします。

〇事業企画課長
 業務実績報告書(案)については、今日の委員の皆様方からの御意見を踏まえて、機構で修正をし、更に、機構としての最終的な意思決定をしていただいて、月末までに私どもに提出されることになりますので、その際には、自己評価も記入したものが提出されますので、私どもに提出された段階で、委員の先生方には皆様にお送りさせていただきたいと思っております。次回は、それを踏まえて、厚生労働省の事務方としての評価(案)をお示しをした上で、御議論いただくことを予定しております。
 日程については、7月12日(木)を予定させていただいてございます。後日、正式な御案内を差し上げますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

〇本田部会長
 それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。委員の皆様には、長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第15回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

ページの先頭へ戻る