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2012年6月19日 第7回 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議

年金局企業年金国民年金基金課

○日時

平成24年6月19日
16:00〜


○場所

厚生労働省 専用第22会議室


○出席者

委員

翁 百合 (日本総合研究所理事)
小野 正昭 (みずほ年金研究所研究理事)
鹿毛 雄二 (前・企業年金連合会常務理事)
蟹江 宣雄 (トヨタ自動車企業年金基金常務理事・運用執行理事)
近藤 憲二 (住友化学株式会社経理室(財務)部長)
永山 善二 (東京乗用旅客自動車厚生年金基金常務理事・運用執行理事)
花井 圭子 (日本労働組合総連合会総合政策局長)
濱口 大輔 (企業年金連合会常務理事・運用執行理事)
森戸 英幸 (慶応義塾大学大学院法務研究科教授)
山口 修 (横浜国立大学経営学部教授・付属図書館長)
山本 御稔 (監査法人トーマツパートナー)

○議題

これまでの議論の整理

○議事

○山口座長
 それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまより、第7回「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」を開催いたします。
 本日は、辻副大臣、冒頭ご臨席いただきました後、一度ご退席と伺っておりまして、また終盤にお戻りになるということで聞いております。それから、藤田政務官はご都合で御欠席ということでございます。
 それでは、最初に、辻副大臣より一言ご挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○辻厚生労働副大臣
 皆様、本日も御多用の中、また、足元の悪い中をご参加いただきまして、心より厚く御礼を申し上げます。第7回有識者会議に当たりまして一言ご挨拶を申し上げる次第でございます。
 4月13日であったと思いますけれども、この有識者会議を立ち上げさせていただきまして以来2か月が経過したところでございます。この間、関係者の方々からのヒアリングなども含めまして、様々な論点についてご審議をいただきまして、本日で7回目を迎えることとなったところでございます。今日までの皆様方のご協力に対しまして心より厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 この有識者会議につきましては、開催当初に申し上げましたとおり、6月末を目途に一定の報告をおまとめいただきたいと、このように考えているところでございまして、そろそろ取りまとめに向けた議論に入っていただく段階かと考えているところでございます。内容的には、財政論、制度論、論点も多岐にわたっているところでございますけれども、本日も精力的にご議論をいただきますようにお願いを申し上げましてご挨拶とさせていただきます。
 なお、大変恐縮でございますけれども、現在、参議院の厚生労働委員会が開会中でございまして、障害者総合支援法などについて審議して、4時半過ぎに採決があるということで、私も採決のメンバーに入っておるものでございますので、これにて退出をいたしまして、それから、5時半からは一体改革の民主党の議論をするということでご注目いただいていることでございますけれども、そういったものもございます。後でまた復活して戻ってきたいと思いますけれども、前回のように、終わりごろに帰ってこないように、もっと早く帰って来るように頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○山口座長
 どうもありがとうございました。

(辻厚生労働副大臣退室)

○山口座長
 続きまして、本日の委員の皆様方の出欠状況でございますが、臼杵委員、玉木委員がご欠席でございます。
 また、山本委員は遅れてご出席と聞いております。翁委員は途中でご退席されると伺っております。
 それでは、カメラの方々、大変恐縮でございますが、ここでご退室をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○山口座長
 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。
 本日は、前回に引き続きまして「財政運営の在り方」及び「厚生年金基金制度等の在り方」についてご審議いただきたいと思いますが、本有識者会議としても、そろそろ取りまとめに向けた形での議論を行っていく必要があると考えております。
 このため、本日は、これまでの議論を整理した資料を用意していただいておりますのでそれを基にご議論をいただければと思います。
 それでは、まず、事務局から資料説明をお願いいたします。

○渡辺課長
 それでは、資料確認をさせていただきます。本日は、資料1から資料4までご用意させていただいております。
 資料1は、後ほどご説明をさせていただきます「これまでの主な意見の整理案」でございます。
資料2は、これまで出した資料が大半でございますが、関連資料ということです。
 また、本日は2名の委員から資料を出していただいておりまして、資料3が小野委員からの意見書です。
資料4は、本日ご欠席でございますが、臼杵委員からの意見書です。
 それでは、お手元の資料1をごらん下さい。先ほど座長からもお話がございましたように、本日は取りまとめに向けての議論ということで、議論に資するためにこれまで出されました主な意見の整理(案)を事務局で用意いたしました。
 まず、このペーパーの性格でございますが、本有識者会議におけるこれまでの議論の中で、「財政運営の在り方と」と「厚生年金基金制度の在り方」つきまして、各委員からいただきました主な意見と現時点での意見集約のイメージということで、要約的な形で整理をさせていただいております。
 第1回にたたき台として出させていただきました「ご議論いただきたい論点」に沿って整理をしておりますが、今回これをまとめるに当たりまして議事録を見てまいりますと、論点によっては必ずしもご意見が十分に出されていないものもありますので、そのような点につきましては「主な意見」の整理のみとし、「さらにご議論いただきたい点」ということで整理をしております。
 そういう意味では、全体まだ未定稿でございます。本日は、意見集約のイメージが適切かどうかという点について議論いただくとともに、「さらにご議論いただきたい点」というところについてのご意見を出していただければと思っております。
 それでは、以下、簡単にご説明を申し上げます。
 まず、1ページ目からは2つ目の大きな論点でございました「財政運営の在り方」についてです。
 1点目の論点の「予定利率の見直し」です。「ご議論いただきたい論点」では、予定利率を引き下げやすくする観点からどのような方策が考えられるかということを提示しています。厚生年金基金の予定利率については事実関係についてやや混乱がございましたので、まず事実関係の確認を、前々回に図を用いてご説明させていただきました。代行部分は厚年本体の運用実績を基に計算しておりますので予定利率という概念は使っていないのですが、基本プラスアルファ部分と加算部分は予定利率を使っています。これをまず議論の前提として明確にする必要があるというご意見が複数の委員からございました。また、諸外国の例などを見ても、総合型のような複数事業主の制度では、予定利率を下げるのはハードルが高いのではないかというご意見もありましたが、一方で、加算部分の高い予定利率ということは、財政の健全化という観点から下げる必要があるのではないかというような意見もございまして、この予定利率のところを、もう少し私どもとして意見集約に向けて、皆様のご意見をいただきたいと思っております。
 確かに代行部分では予定利率という概念はないわけですが、基本プラスアルファ部分につきましては、前々回の資料を出しましたとおり87%、加算部分につきましては60%の基金が5.5%ということでございまして、予定利率が非常に高いということは実績との乖離ということで不足を生じやすいという財政状況になりますので、健全化の観点からは引き下げる必要があります。ただ、一方で引き下げによる積立不足は掛金引上げで対応するということで、ここがなかなか厳しいということも背景にあろうかと思います。現在、掛金引上げの開始を1年猶予するような、そういう措置もとっているところですが、そういうことも含めて、どのような方策が考えられるか、もう少しご議論いただければと思っております。
 次に2ページでございますが、2つ目の論点「積立不足への対応」ということにつきましては、最初に提示しましたご議論いただきたい論点では、現行の財政検証の仕組み、指定基金制度について、あるいは掛金引上げの期間や引上げ方法、さらに給付水準引き下げの基準等についてご議論いただきたいということで提示をさせていただきました。
 これまでの主な意見では、特に(給付水準の在り方)のところにつきまして、いろいろご意見をいただいたところでございます。給付水準の引下げの基準については、理由要件と手続要件という2つの事前手続があるわけでございますが、この手続要件につきましては、一時金支給等のバランスを考える必要があるのではないか、特に受給者の場合は「3分の2以上の同意、かつ、一時金希望者への支給」という両方の要件がかかっているのですが、ここの見直しをしてはどうかというご意見もございました。また、理由要件のうち「経営状況の著しい悪化」ということで、設立事業所の過半数が赤字というのが目安となっているわけでございますが、総合型のような中小企業ではこういったところをクリアするのが難しいということで、そういう実態を考えてほしいというようなご意見もありました。こうした理由要件、手続要件を緩和してはどうかというご意見がある一方で、賃金の一部でもあるため、減額要件の緩和等には反対というようなご意見等々もございました。
 「給付水準の在り方」のところにつきましては、太線で囲ったところに整理のイメージを書いております。代行部分につきましては、公的年金でございますので引き下げはできませんが、上乗せの部分、加算部分につきましては一定の要件を満たせば引き下げができます。この基準の在り方について、総合型基金の母体となっております中小企業の経営実態等を踏まえると、現行の「理由要件」や「手続要件」、さらには「一時金支払い」などの要件について、見直しを考えるべきではないかというようなご意見がありました。
 一方で、次の3ページ目でございますが、加算部分の給付は退職金の一部であるということや、そもそも総合型基金の場合、加算部分の給付は非常に低いこともございまして、そこを引き下げても財政効果が低いことから、あえてここの基準を変えることなく維持すべきではないかというような両方のご意見があったと整理できるのではないかと考えておりますが、ここについて、こういう集約のイメージでよろしいかどうか、また、ご議論いただければと思います。
 そのほか、給付水準の引き下げ以外に掛金の引上げ期間、引上げ方法や財政健全化への早期対応という観点から、現行の指定基金制度等についても見直しの必要等があるかどうか、ご意見をさらにいただければ集約の際に助かります。
 それから、その次の「3.解散基準等」のところでございます。いわゆる代行割れの場合の特例解散につきましては、次の大きな論点3のところで出てまいりますので、こちらの解散基準は専ら通常解散の場合の理由要件、手続要件をイメージしてございますが、これも先ほどの給付水準の引き下げの基準と連動しているところもございます。これにつきましては、こういう解散手続について、特に総合型の基金については事業主も多いということで、もう少し柔軟に考えてもいいのではないかというご意見もありましたし、今、申し上げましたような給付水準引き下げ要件とのバランスを考える必要があるのではないか。あるいは、これまで発動されたことはございませんけれども、厚生労働省の解散命令の発動基準を明確化していく必要があるのではないかというご意見もありました。この解散基準のところにつきましては、これまでこういったご意見もいただいておりますが、集約に向けて、もう少しご意見をいただければ幸いでございます。
 以上が大きな論点2でございます。
 続きまして、4ページからは、論点3.「厚生年金基金制度等の在り方」ということで、まず1点目の「代行制度の意義・役割」というところでございます。
 ここにつきましては、議事録等を振り返ってみますと、本有識者会議の中でも、かなり時間を割いて、かついろいろなご意見をいただいたところではないかと思っております。【これまでの主な意見】、大きく2つの視点に分けて整理をさせていただいております。
 まず1つ目は、そもそもこの代行部分は公的年金の一部でございますので、その意味では、厚生年金本体の財政への影響という視点からいただいたご意見です。代行制度については、基金の側だけでなく、厚生年金本体の財政に与えるリスクということを考える必要があるのではないか。そういう意味では、3つ目の「○」ですが、代行割れ基金もかつて財政状況がよかった時代もあり、中長期にわたり持続できるかどうか、今、良い状況にあるという基金も将来にわたってどうか、ということは十分な検証が必要ではないかというご意見です。代行部分は国から公的年金の資金を預かっているわけですが、それを市場で運用することになりますと、リスクもあるわけですので、公的年金を外に貸し出すリスクと、中小企業の企業年金普及という、この比較考量すべきではないかというご意見もありました。公的年金のリスクという関係でいえば、先ほども申し上げました解散命令の発動や基金間での支払保証を活用してはどうかというご意見もございました。
 また、公的年金財政の一部となっていて、本体の保険料引上げや積立金の減少につながるリスクということを考えれば、一定期間を置いてということでありますが、代行制度そのものを廃止すべきではないかというご意見もございました。あるいは制度の持続可能性などについて、データに基づいた検証が必要ではないかなど、厚生年金本体の財政との関係という観点から、この代行制度について様々なご意見がありました。
 一方、次の5ページ目でございますが、現在、代行を持つ厚生年金基金の約8割は中小企業でございますので、中小企業の企業年金を支えていることもあるわけでございまして、そのような観点から幾つかご意見もございました。
 先ほども申しましたように、総合型の今の上乗せ部分は給付が非常に薄いということがありまして、仮に代行部分を代行返上などによってなくしてしまうと、上乗せだけの確定給付企業年金として継続することは非常に厳しく、そうなりますと、中小企業の企業年金が全体としては減少することになって問題ではないかというご意見がありました。また、厚生年金基金を廃止すると企業年金から非正規の労働者を締め出すことになるのではないかというようなご意見もございました。
 それから、今、企業年金連合会が中途脱退者等の年金給付を行っているわけですが、仮に代行部分を国にすべて返上ということになると、企業年金連合会にもかかわってくるのですが、上乗せ部分は積立不足の状況にあるのでどうするのかなど、制度面でも難しい課題もあるので、廃止は難しいのではないかというご意見もありました。
 また、廃止後の中小企業の企業年金の展望を描くことができない中で、一律に制度廃止というのは厳しいのではないかというご意見もございました。
 それから、いわゆる代行割れの問題につきましても、運用は単年度で見るべきではなく、長期の期間で見るべきであるとか、強制終了ということになりますと、代行部分がなくなると資産運用の効率性が失われてしまうということで、なかなか制度存続が難しいのではないかというご意見もありました。
 こういった様々なご意見がございまして、ここはこういう2つの視点という整理の仕方がよいのかどうかも含めてでございますが、次の6ページで、今のようなご意見を少し要約的に整理いたしますと、まず代行制度につきましては、公的年金の一部を基金という国以外の者が管理・運用するということで、これは何度か副大臣も申し上げておりますが、国際的に見ても非常にユニークな制度ではございます。イギリスの適用除外などとは異なりまして、基金に移った後も公的年金としての性格を持つということが特徴的でございますが、そういう意味では代行制度が公的年金である厚生年金の財政に与える影響というような観点から、前ページでは種々ご意見を並べておりますが、3つぐらいに整理できるのではないかということで、まず代行制度が中長期にわたり継続できかどうか。これまでの代行制度に係る改正の検証、今後、厚年本体の財政に与えるリスク等も含めて判断すべきというようなご意見。
 代行制度が公的年金財政の一部となっている以上、将来的にはこの基金制度によりまして、公的年金の財政リスクが残るということで、そういったリスクを残す制度については、これ以上残すべきではなく、一定の期間を置いて廃止すべきというご意見もございました。
 それから、厚年本体にリスクを負わせずに維持する場合には、先ほどもご意見ございましたが、解散命令をより柔軟に発動するとか、あるいは支払保証のような別のリスクヘッジの仕組みをつくることも考えられるのではないかということで、4ページのご意見を3つぐらいに整理をさせていただいています。
 一方、前ページの5ページにありました代行制度が中小企業の企業年金の維持・普及に果たしてきた役割という観点からは、これも5ページでごらんいただきましたけれども、代行部分がなくなると、資産運用の効率性などの観点からDBやDCとして存続することは難しい。こういう問題に対する展望を打ち出さずに一律に制度を廃止してしまうことは問題があるというご意見もございました。
また、財政状況のよい基金もあり、資産運用も長期的に見る必要がある。こういう点を考慮せずに一律に廃止ということになると中小企業の企業年金を減らすことになりまして、現在の加入者や受給者の受給権保護の観点から問題があるのではないかというご意見。
さらに、先ほど申し上げました企業年金連合会などの問題も多く難しいのではないかというご意見。
 これらも、こういうまとめ方でいいかどうかも含めて、後ほどまたご議論いただければと思います。
 続きまして、7ページでございますが、これは大きな論点の2つ目「深刻化する代行割れ問題への対応」と「総合型厚生年金基金の在り方」、この2つのところについて、まとめて意見を整理しておりますが、まず、これまでの主な意見として、大きく3つぐらい小見出しをつけさせていただいておりますが、まず代行割れ問題への対応につきましては、これは前回指定基金からのヒアリングもしていただきましたけれども、ご意見の中では、連鎖倒産による社会的なコストの拡大を防ぐ観点から、先送りせずに早急に対応すべきではないかという意見など、全体としては、問題を先延ばしにせずに早急に対応すべきというようなご意見が多かったように感じております。
 それから、2つ目が特例解散。
かつて平成17年から3年間の時限措置で行った制度で、昨年からまた5年間の時限措置として復活させておりますが、いわゆる「代行割れ」でも分割納付して解散できるという制度でございますが、この場合に1つの事業所が倒産した場合の連帯債務の問題が、これもヒアリングの中でもたびたび出てきておりました。これもこの有識者会議の中でいろいろご意見をいただきましたが、総じて申しますと、事業所の納付義務が確定した時点で、連帯債務という形ではなくて、国と事業所とも個別の関係にして整理をすればいいのではないか。あるいはこういう連帯債務を残すということは、中小企業の連鎖倒産につながる。ひいては地域経済、産業への影響もあるといご意見など、総じて言いますと今の連帯債務については、何らかの形で見直しが必要ではないかというようなご意見が多かったように思っております。
 それから、(最低責任準備金の在り方)のところですが、ここはややテクニカルな議論もございましたけれども、大きく分けますと、厚生年金本体の運用実績の確定時期と計算への適用時期にずれがあるという、通称「期ズレ」と言っておりますが、こういう問題を是正することが必要ではないかというご意見。
 それから、同じく最低責任準備金を計算する際に、マイナスします代行給付費に一定の係数を掛けております。「0.875」問題ということで、この中でも随分出てまいりましたが、基金の実態に合わせて見直す必要があるのではないかというご意見がございました。
以上のようなご意見を集約し、まず「代行割れの問題」については、特例解散制度もあるわけですが、産業構造の変化等に伴いまして、母体企業の負担能力が著しく低下している基金ではなかなか解散したくてもできない状況にあるということでございます。
 もちろん代行部分の積立不足は母体企業が責任を持って負担というのがまず基本ではございますが、一方で、中小企業の連鎖倒産による地域経済や雇用への影響、さらには、現行制度では基金を構成する企業がすべて倒産してしまうと、結果的には厚生年金本体の財政に影響するということも考えますと、問題を先延ばしせず早急な制度的な対応が必要ではないか。
 その際には、もちろん厚生年金の被保険者に納得が得られる仕組みが前提ではございますが、最低責任準備金の計算方法の見直し、分割納付に際しての連帯債務についての見直し、こういったことが考えられるのではないかということでございます。
 また、4つ目の「○」は、これは前回ヒアリングのときにも聞いていただいたかと思いますが、母体企業の財務諸表に解散の際に、それまでオフ・バランスとなっていた企業年金の債務がオンバランスになるので、母体企業の資金繰りに大きな支障がないように、これは金融庁の所管ではございますが、こういったところも検討の必要があるのではないかということです。こういうまとめ方でよろしいかどうかも後ほどご議論いただければと思います。
 最後でございますが、「中小企業の企業年金の在り方」です。企業年金制度は厚生年金基金制度のほかにも、10年前にできました、いわゆるDB/DCという制度があるわけですが、これにつきましては、これまでの意見としては、DCについては10年たつわけでございますが、なかなか平均利回りも低い状況が続いておりまして、今のままでは老後の所得保障として必ずしも十分とはいえないのではないかというご意見もございました。
 それから、中小企業の労働者、非正規の労働者の老後を支えるという観点からは、企業年金という枠に必ずしもとらわれずに、自助努力をサポートするような新しい枠組みといった、もう少し広い視点の議論も必要ではないか。
 現在のDBやDCをより使いやすいものにしていくという観点から、もう少し検討すべきではないかというご意見もありましたし、それから、中小企業ということになりますと、どうしても規模が小さいということで運用のスケールメリットがなかなか生かせないということで、そういう意味では共同運用のような、そういうことも選択肢の1つになるのではないかというようなご意見もございました。
これにつきましても、いろいろご意見はいただいておりますが、中小企業における企業年金の普及という観点から、今のDBやDCの在り方もそうですし、あるいはもう少しその枠を超えて企業年金の再編といいますか、そういう視点から、先ほど言いました企業年金という枠にとらわれずに、自助努力をサポートしていく仕組みとか、そういう観点からもう少しご意見をいただいて集約させていただければと思っております。
 以上、ちょっと長くなりましたが、事務局からの説明でございます。

○山口座長
ありがとうございました。それでは、順番に議論していきたいと思います。今、事務局からご説明いただきましたけれども、個別の論点によりましては、必ずしも各委員のご意見がまだ十分にいただけていないところもございますので、この点を中心にご議論いただければと思います。
 それでは、まず論点2.「財政運営の在り方」、この資料のページで言いますと、資料1の1〜3ページのあたりですけれども、これについてご議論いただきたいと思います。その際、この中にあります、〔さらにご議論いただきたい点〕といったようなところを中心にご意見いただくとともに、併せて太枠で書いてあります、まとめ方などにつきましてもご意見いただければと思っております。
できれば順番にいきたいのですが、「予定利率の見直し」というあたりからご意見いただきたいのですが、いかがでございましょうか。小野委員。

○小野委員
 予定利率につきましては、予定利率というのは年金財政の話になりますが、年金財政というと年金数理人という話になってくると思うのです。発端がAIJ問題だったということもありまして、この会議には何分にもそういう方々、失礼ですけれども、ちょっと少ないということで、私としては個人的には負担感を感じています。
 予定利率に関しては幾つかご意見申し上げましたけれども、アメリカの例でカルパースや多数事業主制度、こういったところが実態よりも大分高い予定利率を適用しているという事実があるということだったかと思います。それと比べると、厚生年金基金の予定利率問題は代行部分があるから、そういう意味では相対的にはハードルはアメリカよりも低いといったらおかしな言い方かもしれないですけれども、そういうことになっているのかもしれません。
 今日の資料3の裏側の2番目のところで、代行部分に関して予定利率が、今までの常識と比べると若干変わってくるということを、少し数字でお出ししたほうがいいかと思いまして作ってきました。2ページの2.のところでございますが、ここでは特別掛金を(予定利率5.5%)とした場合と(予定利率1.0%)とした場合で、積立金が必要なリターンを計算していますが、結果的には予定利率5.5%のほうが積立金の運用利回りのターゲットとしては足元が低くなるということです。これは何にも増して、最低責任準備金が予定利率の変動によらないところが大きなポイントでありまして、そういう意味では予定利率は事業主の債務とすると、その債務にかける金利の負担の多寡を示すものだということになります。予定利率高ければ高いほど収入も増えるし、結果として資産運用のターゲットが低くなるということです。この点は一応補足させていただきます。正直言いまして、予定利率を引き下げるのは私も異論はないのですけれども、それを実際に適用するかどうかという話になりますと、なかなか難しい面があると思います。
 今日、1つ追加としてご指摘申し上げたいのですが、他のリサーチ機関がお出しになっている資料の中で勉強させていただいたのですが、アメリカの単独事業主制度、これは2006年の年金保護法で、社債イールドカーブを使って割引きなさいというような話になっていましたが、これが2回ほど、合計4年、2008年からということですが、延び延びになっていました。最近また、緩和措置が検討されているということのようです。その緩和措置というのは、利回りの基準は同じなのですが、平均をとる期間が何と過去25年ということです。25年の期間をとって、プラスマイナスで10%の範囲に入らなければ、現在の金利水準は異常に低い金利なので、その幅の範囲に入るように予定利率を設定しても構いませんという法律が上院を通っているということです。単独事業主に関しても、2006年の年金保護法の理念はよかったのですが、なかなか適用に四苦八苦しているという状況があるということです。情報の提供だけですけれども、以上でございます。

○山口座長
 済みません、小野委員、私はよくわからなかったので教えていただきたいのですが、今の資料の説明で、予定利率が高ければ収入が増えるというようなご説明がありましたけれども、一般的に予定利率が低いほうが積立不足が大きくなって、特別掛金が大きくなるのが普通だと思うのですけれども、今のお話は、その逆のように聞こえたのですけれども、それはなぜですか。

○小野委員
それはひとえに最低責任準備金ですね。ここでは1万と置いていますけれども、これは予定利率の設定にかかわらず、転がしで計算しておりますので、この予定利率が変動しても、この金額が変わらないというところが一番大きいですね。

○山口座長
 その場合、この予定利率は何の予定利率を言われているのですか。

○小野委員
 特別掛金を算出するための予定利率。

○山口座長
 不足金のところでは予定利率使ってないわけですね。

○小野委員
 不足金は、ここでいうと、1万に対して積立金が6,000しかないので、不足金が4,000ですね。これを償却していかなければいけないというところで、ここは10年償却で考えているのですけれども、そのときの年金現価率を算出する際の利率として5.5%を使うか1.0%を使うか、そこにだけきくという話です。

○山口座長
 償却のときの利率という意味ですね、予定利率というよりも。

○小野委員
はい。

○山口座長
 わかりました。ほかに何かご意見ございますでしょうか。どうぞ、蟹江委員。

○蟹江委員
 今、大変運用環境が難しいという中で、低迷に伴う不足金を抱えているわけで、予定利率の引き下げによって生じる後発債務を一時期に処理することは中小企業の事業所を多く抱える総合型厚年基金にとってはハードルが非常に高いということでございまして、一方で、確かに予定利率を引き下げますと、将来的に積立不足が発生しにくい財政体質を実現できるという状況があるわけですね。そういう意味では事業主として存続を前提とするための予定利率の引き下げであるわけですから、それを円滑にするために予定利率の引き下げによりまして生じた後発債務を、例えば分離をして長期にわたって処理する仕組みなど新しく考えてはいかがかと思うわけで、まずはそういう存続に向けての努力をする事業主をサポートするという仕組みを考えていただいたらどうかと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。ほかにご意見ございますか。永山委員。

○永山委員
 今、予定利率のほうで、順番に入っているわけですけれども、済みません、その前に1つだけ、今回の資料のことで伺ってよろしいでしょうか。8ページですが、「代行割れ問題への対応」というご説明がありまして、この中の上から3つ目の「○」で表現がありますが、「具体的には、厚生年金の被保険者に納得が得られる仕組みであるということを基本としつつ、代行部分の債務である最低責任準備金の計算方法の見直しや、分割納付に際して」とこうあるのですが、ここで「代行部分の債務である最低責任準備金の計算方法の見直しや」ということがここだけに出てまいりますと、この見直しというのは代行割れ問題の対応のためにだけ、今回お話されたというふうにとられてしまうのですが、私の認識はそうではなくて、まず厚生年金基金制度の今の風景といいますか、制度の在り方が、要するに代行割れしているとか、していないとかという問題ではなくて、基金制度、国と基金がつながっているへその緒である、今、お話がありました最低責任準備金が一番大きなところで、へその緒でつながっているわけですが、最低責任準備金を17年4月から転がして中立化されて、国は責任を持って必要なものを基金のほうに原価負担金でくれるわけですが、そのときに最低責任準備金はどのように算出するのかということは、一番手前のところ、要するにこの論議に入る手前のところできちんと確認をしませんと、「0.875」は解散基金のためにやるのではなくて、全基金、今ある基金すべてに対して制度を見直していただきたいというのがまずございます。
 それから、先ほどの原価負担金についても、これも最低責任準備金にかかわってくるわけですけれども、過去期間代行給付原価の2分の1を下回ったら、下回った額の5年間かけて、要するに5分の1ずつを負担しますという形になっているのですけれども、5分の1ではなくて、少なくとも半分以下になったら、半分以下になった額そのものをいただければよろしいのではないかとか、そういったことをこの前申し上げていたと思いますので、何でここにこの分だけが入ってきているのかなとなりますと、理解の仕方が違ってしまうのではないかと思いまして、冒頭確認させていただきたい。ですから、この欄にはこれは入らないのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。

○山口座長
 永山委員、これはそのときに議論してはだめですか。今、予定利率の話をしていますけれども。

○永山委員
 結構です。

○山口座長
 もう一度、そのときに議論できればと思いますので、今は承っておきます。
 ほかにご意見ございますでしょうか。

○永山委員
 予定利率のことでよろしいでしょうか。

○山口座長
 どうぞ。

○永山委員
 予定利率のことにつきましては、1ページのたたき台にありますように、少なくとも現状、各基金の収益率を実際見たときに、加算部分の5.5%、プラスアルファ5.5となっている基金が、ここ何年かとったときに5.5はクリアできてないという事実は間違いなくあります。クリアできてない中で、制度のほうを直さなくて、5.5%の給付設計になっていますということになりますと、入ってこないものをオーバーして給付をしていくということが許されるのかどうかという問題が1つございます。当然デフレの世の中でもありますので、高い水準のままで給付をしていかなければいけないとなりますと、どこかでひずみが将来出てきますので、制度はもたないということに当然なります。これは常識ですね。
 そうしますと、そこで予定利率を下げましょうかとなったときに、いろいろ書いてある条件が資料にもございますけれども、企業側も赤字でなければいけないとか、かなり掛金を上げざるを得ないとか、壁に全部ついて、アウトになりつつあるときに、初めて予定利率を下げていいみたいな条件、要件がありますが、そういうことではなくて、財政運営、マーケットが変わっているということもありますので、労使が話し合って、自分の過去の収益率に勘案して、将来どのような予定利率でいけるのかということを自己責任に基づいて労使が話し合って、例えば引き下げる。それに基づいた当然今の状況であれば掛金の引上げということになるわけですけれども、そこにつながっていかずに、これは財政運営ですから、当面の引き下げということで、上げることも当然またあってもよろしいわけなので、弾力的な運営ということで、例えば給付減額もそこで認めて、これは受給者までいくとまた大変なことですので、とりあえずは加入員の減額を対象にして、労使加入の2分の1の賛成で予定利率引き下げということが、給付減額まで含めてですけれども、できるようにできないのかなと考えております。
 以上でございます。

○山口座長
 ほかにご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、また、ございましたら予定利率について戻っていただくということにしまして、先に進めさせていただきたいと思います。2ページにございます「積立不足への対応」、3ページの「解散基準等」といったようなあたりにつきまして、さらにご議論いただきたい点とか、太枠で囲ってあります集約のイメージという部分につきましてご意見いただければと思います。

○小野委員
 最初に質問だけなのですが、解散命令の件です。厚生年金基金の解散というのは代議員会の議決ないしは基金の継続不能、解散命令、この3つがあるということなのですが、解散命令は、基金の命令違反や健全化計画の履行の義務違反、報告の義務違反、こういったことを理由としてお出しになるというような規定になっているわけです。例えば健全化計画の履行違反という話になりますと、それは、結局は代行割れになっているというケースが想定されるわけですが、先ほどのご説明では、これは基本的には通常解散に属するということで、特例解散は除くという感じになっています。実際問題として、こういったケースで、代行割れのまま履行違反が場合に、命令を出すに出せないという状況になってしまうかもしれないですが、そのあたりはこんな理解でよろしいか、お伺いしたいと思います。

○渡辺課長
 そもそも解散命令を出したことがないという現実もあるのですが、確かにご指摘のように、今の厚生年金保険法の法律上の建前としましては、通常は代行割れ解散というのはないという前提の下に様々な解散規定がつくられています。解散命令というのも、恐らくそういう意味でいいますと、財政状況に着目するというよりは、むしろ行政の指導・監督の流れというか、そういう中で、伝家の宝刀という形での解散命令が最後にあるというのが、今の位置づけてあろうかと思います。
 そういう意味では、ご指摘のあった、代行割れ基金に対して解散命令を出すとか、あるいは財政状況の悪化を未然に防ぐための解散命令は、今の法律上は想定されていないのではないかと思います。そういうことに必ずしもとらわれなくてもいいと思うのですが、もう少し広い意味で、これをどう考えるかというあたりもご議論いただければと思います。

○山口座長
 ほかにご意見、ご質問でも結構ですが、ありましたら、お願いします。森戸委員。

○森戸委員
 まず、給付減額の要件の話で、両論ありというような感じで書いてありますけれども、私、割と緩和派みたいな意見を言ったのですけれども、少し補足ですが、給付減額、厚生年金基金の話ですが、加算部分の話なので、その意味ではDBでも同じ状況、同じ問題点ではあるのですね。つまり、ここで決めたことはDBのほうの話にもはねうるので、そういう観点からすると、これは厚生年金基金の話ですという前提で議論をしているので、余り簡単に結論出せるものではないと思います。だから両論書いてあるのだと思います。
 加算部分の話だけれども、DBとの違いがあるとすれば、代行があるという話で、代行割れとかしているのに加算が厚いのはおかしいと、給付減額をしたほうがいいのではないか、そういう流れだと思うのですけれども、もちろん代行割れの程度にもよるのですが、これは後の話にもかかわりますが、そういうところはどうやって制度を終わらせていくかというか、そういう状況を破綻処理と言ったら怒られるかもしれませんけれども、非常事態の話なのではないかと思うのですね。そういう非常事態の中でのスキームの中で加算部分をどうしていくのということを考えていく話で、一般的にDB制度に大きく影響するような形で、この給付減額の要件の話を余り議論するのはどうなのかという感じは個人的にはします。もし考えるとすればという意見はいろいろ言いましたけれども、むしろほかのDBの話としてもっと本格的に議論すべき話ではないかというのが印象としてはあります。
 それから、解散命令、今、小野委員がおっしゃった話、私が言ったから結構載せてもらったところもあるのでその補足にもなるのですけれども、私の趣旨としては、書いていただいたとおりですが、代行があるということにかんがみて、DBと違う観点が必要なのではないか。それは公的年金財政を毀損するようなおそれがある場合には、公益的見地から解散命令を発動するというようなことも、これは立法論なのだと思いますけれども、現行法上は、そういうことも考えるべきではないか。
 後で出てくる話につながりますけれども、それが厚生年金基金制度を今後存続していくとすれば、その辺をセットで考える上での1つの要件でもあるのかと思います。公的年金財政を毀損するおそれ云々というのは、臼杵委員のペーパーなどにもあったのですけれども、こう言っては何ですけれども、基金が幾つか代行割れでこけたところで、公的年金財政の金額、公的年金のお金に比べれば多くはないのは確かなのですけれども、恐らくそういう問題ではなくて、制度全体の枠組みとして、国から預けているのに、それが毀損したままで終わってしまうのはまずいだろうという、そういう公平の観点だと思いますので、そういう点も考える必要がある。解散命令云々というのはそういう趣旨で申し上げたところでございます。
 とりあえず、以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。翁委員。

○翁委員
今の森戸委員のご意見と関連しますけれども、私は現行の指定基金制度をうまく組み合わせて解散命令ということについて考えていく必要があるのではないかと思っております。ある程度悪くなってきたときに段階的に健全化を促していくと。ですけれども、ある明確な、非常に難しいですけれども、基準を設けて、それ以上になった場合には、公的年金財政に悪影響があるという判断の下で解散を判断して促していくというような枠組みをつくっていくことが必要なのではないかと思っております。

○山口座長
ありがとうございました。ほかに、永山委員。

○永山委員
 指定基金制度と解散の関連ですが、伺うのですけれども、指定基金が、今、80ちょっとございますが、3年間で適用を下回ったから指定基金になったということなのですけれども、改善計画を5年間で提出させられると思うのですけれども、掛金の引上げとかいろいろセットで実際にやっていく中で、伺いたいのは、翌年度もくしは翌々年度とか、改善計画が出されてからの積立水準は、当初の0.9以下だったものが、上のほうに上がっていっているのかどうか。要するに改善を実際にされているのかどうかというのが私はわからないものですから、そういう実態はどうなっているのかというのを次回でも把握されていれば教えていただければと思います。万が一、それが3年、5年の計画を立てて、積立水準が逆に下がってしまっているという状況になってきたときには、今回論議されている公的な保険料の一部でございますので、国民の側の利益を考えるということになれば、毀損はしてはいけないということがありますので、その辺のところでの判断基準とか、1つの何かの基準として考え得るものかもしれないとは思っております。
 これは、私も厚生年金基金の中で、将来こういうところにかかわるかもしれない可能性はございますので、それはしっかり、どうしようもなくなっていくのではなくて、ある程度のところで歯どめがきくような仕組みは考えていただいたほうがよろしいのではないかと思っております。
 以上でございます。

○山口座長
 ありがとうございました。濱口委員。

○濱口委員
 給付減額基準の在り方のロで、総合型基金の加算部分の給付を引き下げても財政効果は低いという点について、運用のリスクという観点からはどうなのかを考えてみました。例えば総合型の加算部分の予定利率は6割が5.5%で、これを一般のDBのケースのように2.5%程度まで下げるとすると、給付減額だけで対応するのは大変なことで、一方、掛金増だけでも大変で、恐らくその組み合わせでやらざるを得ない。その結果予定利率を3%下げられたとすると、その加算部分が仮に2割だと、ポートフォリオ全体では0.6%必要利回りを下げられるという計算になる。例えば株式の期待リターンを6%とすると、それは株式の配分比率に直して10%の差に相当する。10%株式比率を下げられれば、かなりリスクが下がる訳でこの差は大きい。
 そういう意味では、給付減額要件を緩和することで、ポートフォリオのリスクを下げる選択肢が出てくることは、将来の基金の運営にとっては大きなことなので、余り大したことではないと言わず、真剣に給付減額の条件の緩和を考えるべきと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。蟹江委員。

○蟹江委員
 先回、たしか解散基準の理由要件について、これまでベールに包まれていたというか、行政指導の中でポケットに入っていたと思うのですけれども、それがオープンにされたことについては一定の評価をしたいと思うのですね。しかし、それを見ますと、極めてハードルが高いのではないかと思うわけでございます。特に先般も日本交通さんのほうからもありましたけれども、融資を、今、実際受けている中小企業から見ますと、とても受け入れられないというようなことがあるわけですね。そういうのはもう少し中小企業の実態とか、融資を受けているという実態を見ながら考えていかなくてはいけないだろうと思うわけです。解散基準の中に人数の成熟度というのももちろんあります。人数については、加入者と受給者のバランスなのでございますけれども、そのトレンドは急激な変化がなければ大体見えるだろうと思うのですけれども、しかし経営の実態は、これだけ今、経済サイクルが短くなっていく中で、果たして3年から5年というふうなスパンで本当に見ることが望ましいのだろうかと思うわけです。
 それと先般の尾西毛織さんのお話もありましたけれども、あれだけ加入員の数が減ってきていると。たしかそのときに言っておられましたが、加入員と受給者のバランスのことを、昔は胴上げ型、数年前までは騎馬戦型、今、多くの場合、肩車型だと。ただし、我が基金はウエイトリフティング型であるというふうにおっしゃっておられました。一人で5〜6倍の体重を支えているということなのですけれども、そうしますと、どうしてそこになるまで行政として手助けできなかったのかということを疑問に思うわけですが、この基準について本当にうまくワークしているのかどうかということを疑問に思うわけでございます。
 それから、解散についてなのですけれども、強制解散、もちろんこれは法律にありますので反対するわけではありませんが、仮にやるのであれば発動基準を厳格にすべきではなかろうか。その場合には積立水準やトレンドなどから総合的に判断をしてみたり、ないしは事業主の意思を最終確認した上で発動すべきであろうと。ただ、その場合、一番困りますのは、多分不足金の処理ではなかろうかと思うわけですね。特例解散でもいろんな問題がありましたけれども、その不足金の処理、果たしてうまくいけるのだろうかと思います。そういう意味ではほかの解散制度との整合性といいますか、平等性、納得性の下にうまく考えていただきたいと思うわけでございます。

○山口座長
 ありがとうございました。小野委員。

○小野委員
 これは指定基金の基準になるのか、解散命令の発動の基準になるのか、よくわかりませんが、年金数理人の仲間で話をしていますと、現状で代行割れしている状態の資産の中から加算部分の給付が行われているわけですね。その状態というのは留意しないといけないのではないかということで、例えばの話ですが、実際にフィージブルかどうかはチェックしてみる必要はあるとは思いますが、収入として免除保険料と給付現価負担金を除く資金収入、それと支出として代行給付を除く資金の支出、これの大小関係を比べて、支出のほうが大きいということになると、問題だろうと思うのです。少なくとも代行部分に上乗せする部分の資金収支がプラスでないと問題が深刻化していくこともあるのではないかということを思っていまして、まずはそのあたりを1つの基準として、そこから代行割れの状態をどのような計画で解消していくかということを議論していくという道筋になるのではないのかと議論しておりました。一応紹介をさせていただきます。

○山口座長
 今のお話は、資産配分をどういうふうにするということですか。加算部分と代行部分の資産をどのように配分して、それで0以上、マイナスにならないようにするというときに、財産はどういうふうに配分するのですか。

○小野委員
 今、申し上げた基準は、要するに代行割れですから、仮に支出のほうが大きいということになりますと、解散すれば国に返納するお金ですので、これを少しずつ食っていってしまっているという状態になると思うのです。ですから、そういう状態になってしまったらまずいので、それを防ぐことが第一の基準なのではないのかということです。基本とか加算に資産を分けるという発想ではないと思います。

○山口座長
 もともと、加算部分において収支均衡するように設計しているのではないのですか。そしたら、今、言われたような部分については、再計算時に常にイコール0となるように計算しており、収支相等しているのではないのですか。おっしゃる意味が今一つよくわからないのですけれども。

○小野委員
 再計算時には設計しているとは思うのですが、その後の状況変化ということを考えてみると、1つ検証のポイントにしてもよいのではないのかということです。現在の財政運営基準を否定するものではなくて、これに新たなチェックポイントとして加えるということであってもいい、そういう気持ちです。

○山口座長
 ほかにご意見ございますでしょうか。永山委員。

○永山委員
 今、小野委員さんが言われたこと、もう一度確認させてください。その基金、加算型でありますと。資産を見ましたら、代行割れしていますという中で、加算給付をするのはいかがなものかというお話ですか。

○小野委員
 加算給付は別にしても構わないと思うのですね。構わないのですが、代行割れの状態の積立水準を運用以外の要素で毀損していくような、そういうような資金計画であったとすれば、それは問題だろうと。そこのところは本当に最低限の基準としてチェックしておくというのは必要ではないのかという趣旨です。

○永山委員
 ありがとうございます。

○山口座長
 そのほか、予定利率の問題も含めて、全体として論点2、「財政運営の在り方」についてご意見ございましたら、お願いしたいのですけれども、鹿毛委員。

○鹿毛委員
 財政運営の問題ですけれども、一番オーソドックスといいましょうか、年金の財政運営をどうするかという原点に戻りますと、一般的には不足が出たときに何らかの形で埋めていき年金財政の健全化を維持していって、制度の永続性を維持するというのが言うまでもなく一番オーソドックスな考え方だと思うのですが、特に中小企業の総合型という、すべてではありませんけれども、一部については、そういったオーソドックスな財政運営議論というのでしょうか、考え方が必ずしも十分当てはまらないということがここへ来てかなりはっきりしてきたのではないか。これまでは何とか頑張って制度全体を維持していこうという形のこういったいろんな基準があって、とにかく一生懸命維持してはいるわけですけれども、一部かもしれませんが、一部の産業、一部の厚生年金基金については、もうそういう格好ではもう無理ではないか。
 それは恐らく前回にもご報告ありましたような、積立比率と積立比率別の基金数のあの表を見ていったときに、70%あるいはそれを切る60%とか、この辺に来ているようなところですね。こういうところというのは、今からそれを例えば掛金の引上げであったりという形で頑張ってやっていくこと自体がその議論に合わなくなってきている。これは言うまでもなく、先ほどお話もありましたけれども、もともと9,000人で始めた基金が300人になっているとか、1つひとつの個別の基金見た場合に、だれがどう見ても、ちょっとこれは無理だなという基金の数も出てきていると思うのですね。
 そういうところに関しては財政運営の問題ではなくて、むしろ基金として存続は、これは不可能で、これ以上やっては、それこそ倒産相次ぐというような、そういう事態になると。そもそも年金制度自身も、言ってしまえば維持できないような状態になっている。この問題はいわば解散のほうで処理していくと。解散基準というのも一般論としての解散基準ではなくて、成り立たなくなった基金の対応をどうするかという形で解散基準というのはできていくということだろうと思うのですね。
 一方で、1番、2番、予定利率、積立不足の対応、給付水準というのは、とにかく頑張れば何とか維持できるだろうと。これは早い話が積立比率が90%ぐらいのところであれば、だれが見てもそうでしょうねと。80ぐらいになってくると、だんだんクエスチョンマークが出てくると。この辺は何らかの専門家の方に判断していただければいいと思うのですが、要は再建できる可能性のあるレベル、グループということに関しては、もともと中小企業の企業年金制度というのは事業主にも非常に負担が重いものですから、この制度を何とか維持するという方向での弾力化というのでしょうか、こういうもので、できることなら、ここにいろんな要望があったような形で、これを一定入れて制度を維持する方向でやっていくというようなことを、一般論ですけれども、そういう形で、予定利率、積立不足、給付水準の問題は基本的にはできるものを維持するという方向で、できるだけ弾力的な支援的な見直しをしていただいてはどうか。いかんともしがたいというところに関しては、解散のところで対応していく、そういう性格なものではないかという気がいたしました。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。よろしければ、論点3に移ってまいりたいと思います。論点3は「厚生年金基金制度等の在り方」についてであります。1番が「代行制度の意義・役割」、2番が「深刻化する代行割れ問題への対応」、3番目が「総合型厚生年金基金の在り方」、4番が「中小企業の企業年金の在り方」ということで、この1番から3番のあたりまでは連続した話でもあるかと思いますので、これらは一括してご意見いただければと思います。
 先ほど永山委員からも、8ページの「○」の3つ目でしたね。これについては、ここに書くというよりも、もっと全体の話として書かれるべきではないかといったご意見が出ておりました。これにつきまして、ご意見いただければと思います、この全体につきまして。
 翁委員。

○翁委員
 支払保証制度のことについて意見を申し上げたいのですが、ここでも指摘されているように、厚生年金本体に与えるリスクを考えますと、今後の積立不足に対応するために基金が支払保証制度を活用することは有効だと思うのですが、現在も企業年金連合会に支払保証制度というのはあるはずでございまして、余り今回はお伺いする時間がなかったのですけれども、何が現行の支払保証制度で問題になっていて、何がネックであったかとか、今後どういうふうにしていくべきかという議論が必要だったのではないかと思っております。
 私が1つ思っておりますのは、支払保証制度というのは基金にとっての保険料というコストを非常に大きくするものでもあるように思いますので、その場合に支払保証制度を本格的に運営していこうと思ったら、運営者が基金の状況が悪くなったときに、段階的にそれを健全化させるような仕組みがビルトインされてないとコストが大きくなるばかりだと思います。そういったことをきちんと整備しないと支払保証制度というのは機能しないのではないかということが1つ。
 あと、支払保証制度というのは、3階部分の支払保証制度を、今、念頭に置いているわけですけれども、今まで議論してきた指定基金制度というものと本当は有機的に公的な制度とリンクしていいはずだと思うのですね。そのあたりのところをもう少し議論する必要があると思っています。

○山口座長
 ありがとうございました。これは事務局のほうでは、連合会の支払保証制度の資料なども用意していただくことはできますでしょうか。

○渡辺課長
 それは可能でございます。簡単に今の概要だけ申し上げますと、連合会の支払保証というのは法律上の制度ではありません。任意事業という形で連合会が実施しているものでございます。今、翁委員からお話ございましたように、3階部分の支払保証ということで、連合会では当然支払保証の適用に当たってはきちんとした合議体をとって判定をしていますし、また、支払保証を行うに当たっての積立水準の検証事業というようなこともたしかやっているはずでございます。翁委員のおっしゃるのは、もうちょっとそれを制度的なビルトインしたものにという、代行割れのところも含めてということでしょうか。

○翁委員
 結果的に、今、代行割れが出ているということは支払保証制度がうまく機能してなかったということを意味すると思うので、そこはもう少し検証して、もしつくるとしても、保険料は基金にとってのコストになりますから、それはきちんとしたものをつくらないと、かえってコストが大きなものになってしまうということを考えて、きちんとした制度設計をするべきことだと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。論点3につきまして、ご意見ありましたら、蟹江委員。

○蟹江委員
 この資料の6ページと8ページについて申し上げてよろしいでしょうか。6ページで、代行制度の在り方として、1ページにわたって書いてございますが、後段部分「また、代行制度が中小企業の……」という中のニ、ホ、ヘの書き方なのですけれども、これを私見ていまして、もう少しポジティブにとらえてもいいのではないか。何となくこれ見ていますと、厚生年金基金制度廃止ありきであって、それへの反論ばかりではなかろうかと思うのですね。厚年基金制度は40年以上も生きてきた制度でございまして、それは持続可能性のために、過去から今まで、行政とか様々な関係者の方々の努力のあったおかげだと思うのですね。ですから今時点では厚年基金制度の新設の意義は多少薄れているというか、少ないのかもしれませんが、存続の意義はまだまだ残っていると思いますので、もう少しポジティブに書いていただきたいと思います。
 それから、8ページの代行割れ問題等について、これもよろしいでしょうか。

○山口座長
はい。

○蟹江委員
 そもそも今回の有識者会議ですけれども、AIJの問題から端を発したということで、そういうこともありまして、ともすれば運用のほうにスポットライトが当たっていて、例えば代行割れという場合でも即運用の失敗ととられがちではないかと思うのですね。そういう意味で、今回の会議でも、財政問題について大事なところがまだ議論し尽くされていないのではないかと思うわけです。例えば、給付現価負担金というものがありまして、私は、これに関心を持っているのですけれども、代行給付を行うために基金に拠出される免除保険料率というのは、予定利率4.1%で、年金数理に基づきまして計算されていると。ただし、経過的な取扱いとして予定利率3.2%で計算された免除保険料率に基づきまして大小比較をして、大きいほうを採用する扱いになっておりますので、大多数の厚年基金では予定利率3.2%で年金数理に基づいて計算された免除保険料率が適用されているわけですね。

(山本委員入室)

 代行部分の収入というのは、予定利率の3.2%に見積もった掛金イコール免除保険料なのですけれども、それに対しまして、実際の運用というのは過去10年間の平均で1.8%、これは厚年基金本体の利回りということですけれども、ということなので、免除保険料を基準に考えますと、運用益が1.4%足りない。3.2−1.8=1.4、そういった状況になると思うのですね。そういう意味では、最低責任準備金というのは、1.8%で運用されていてよいですよと言っているわけでございまして、当然差額の−1.4%の部分は最低責任準備金、つまり積立金が少なくなっていくのが当たり前なのではないかと思うわけですね。
 それを補完するために給付現価負担金という仕組みがございまして、最低責任準備金、これは厚年本体と同等の運用利回りで運用した場合の積立金ですが、最低責任準備金が足りなくなったら補充するといった仕組みにしているわけですね。足りなくなったら国が補てんするということでございまして、これはすごく悪いことをしているように受け取られがちのようですけれども、それはそもそも国が負うべき長寿化や経済環境の変化を後追いで調整する仕組みであるだけなのであろうということです。これがどうも財政の健全化努力というのを放棄していると見えてしまうのではないかと思われるわけです。
 過去分の代行給付現価に対して、未積立、積立不足が生じる仕組みを構築して、足りなくなったら特別掛金、すなわち給付現価負担金で穴埋めしますと言っているにすぎないのではないかと思うわけです。しかし、穴埋めのルールは、先ほど永山委員がおっしゃいましたように、債務の2分の1を下回ったら2分の1まで戻すと。しかも5年間分割でということでございますけれども、それがなぜ2分の1なのか。なぜ4分の3とか8割ではなくて2分の1かという合理的な説明が足りないのではないかと思うわけです。(100%もらえないために、事前積立ベースの債務評価である過去期間代行給付現価と最低責任準備金の差から生じる利息分が欠乏しており、事後的にしか調整されないため、そもそものメカニズム的に負担を先送りすることになっており、結果として厚生年金基金財政を不安定化させているのではないでしょうか。)
 また、これはフローベースの話ですけれども、別の観点からストックベースで申し上げますと、死亡率の改善等の見込みの変更に関しましては、将来分から免除保険料率の変更によって変更されますけれども、過去分相当分は最低責任準備金でありまして反映されない。これが反映されるのは給付現価負担金として支給されるときでございまして、タイムラグが発生することにより厚生年金基金財政が不安定になっていることを指摘したいと思うのですね。
 さきに厚生労働省が用意されました「厚生年金基金制度等の在り方」の関係資料の5ページ目に、「制度の改革と代行制度を取り巻く状況の変化」というページがございますけれども、そこでは、「昨今の経済金融環境の激変や母体企業の経営難により代行割れ問題が深刻化しており、公的年金の一部を基金が運用することのリスクが高まっている状況にある」としているわけですね。ですからあたかも代行割れ問題というのは、金融環境や母体経営の2つの原因に限定をしている。
 ところが制度の仕組み自体も実は重要な原因ではないだろうかと思うわけですね。ですから自分としては、要は財政中立化というものがございますので、その徹底のために代行部分の債務評価、免除保険料率、給付原価負担金といった国の負担の仕組みを変えてはいかがだろうかと思います。
 ほかに「0.875」問題というのもありまして、これは小野委員がおっしゃっておられましたけれども、適正な代行部分の債務評価とか、負担方法への移行、例えば8号から7号へということにつきましても、それが行いやすくなるように、行政や連合会が手助けすべきではなかろうか。
 たまたま私、友人といいますか、年金仲間の人に聞いてみましたら、「0.875」問題にしましても、これをうまくといいますか、計算し直しますと、8分の1から4分の1までの影響があるとその基金の年金数理人が言っていたそうなので、そういう意味ではルールそのものにつきましても、そろそろ見直しをしていただきたいと。要は代行割れ問題というのは、もちろん運用失敗等もあるかもしれませんけれども、もともと制度において内在していた仕組みそのものによることもあるのではなかろうかと思うわけでございます。

○山口座長
 確認のために、代行部分には予定利率がないということですね。

○蟹江委員
 はい。

○山口座長
 今、おっしゃった最初の質問は、免除保険料の計算に使っている利率と本体利回りの差が不足している要素だとご説明になりましたけれども、代行部分の予定利率がないわけですね。その不足の要素というのはどのように考えたらいいのでしょうか。

○蟹江委員
 片一方すなわち事前積立ベースの債務、過去期間代行給付現価が債務評価で増えていると。その増え方が代行部分の債務としている最低責任準備金の増え方に応じていないといいますか、バランスがとれてないと。ですからもともと厚年基金本体の利回りでやれば財政は健全であるとされているわけですけれども、実はそれは違っていて、事前積立ベースの債務のほうはどんどんと別の形で積みあがっていくと思えるわけです。

○山口座長
 何か事務局から説明ありますか。

○渡辺課長
 現状の仕組みだけ簡単に申し上げます。
 
 (辻厚生労働副大臣入室)

 今、お話のありました給付原価負担金の制度は、以前もご説明をいたしましたが、平成11年に最低責任準備金の計算方法が、いわゆる過去法と申しまして、予定利率を使った形ではなくて、厚生年金本体の運用利回りで回していくと形になったこととを踏まえたものです。基金にとっては最低責任準備金が積立のターゲットになったのですが、最低責任準備金自体は将来の給付とは無関係にコロガシ方式で計算されるようになりました。しかし、実際には、将来の給付を計算すると、最低責任準備金より大きくなる場合が多いわけです。将来分については免除保険料に反映されるのですが、過去分につきましては、過去期間の代行給付原価というのが残ってしまう。目標とするターゲットを変えたことによるターゲットとターゲットの差額を調整しましょうというのが今の給付原価負担金の制度でございます。先ほど永山委員、蟹江委員から、何で2分の1、5分の1というような、非常に複雑な制度になっているのだというご指摘もございました。
 確かに今の2分の1、5分の1という数字に何か特別な理由があるわけではないのですが、これは16年に導入をしましたときに、今、申しました差額を全て埋めるとなりますと、厚生年金本体から基金の側にかなりの資金が流れ、その額がかなり巨額になるということもありまして調整をしたという、どちらかというと、財政上の理由からくる今のルールでございます。

○蟹江委員
 ご回答ありがとうございました。今の給付現価負担金が平成11年にできたということで、多分その当時は埋めるべき金額はゼロだと思うのですね。それが、今、渡辺課長さんによりますと相当増えているということでございまして、実際に半分の2分の1の5分の1ずつ補てんするということで、先回の資料ではございましたけれども、例えば昨年度はたしか11か13の基金で6億円という話がございましたけれども、ぜひ2分の1を埋めるものだけではなくて、給付現価負担金のそもそも埋めるべき金額の推移、トレンド、それはどういった理由で増えてきたのかということにつきまして、資料でできればご説明いただければと思うのです。



○渡辺課長
 代行給付原価、本来積み立てるべき額というのは出せると思います。その主な原因は、本体の死亡率の改善と本体の予定利率の見直しということかと思います。

○蟹江委員
 それは暦年で、11年から23年まで、もしも出るのであればお願いをしたい。

○山口座長
 よろしくお願いします。それでは、ほかに、花井委員、お願いします。

○花井委員
 運用の細かい話はよくわかりませんが、蟹江委員がおっしゃった国の負担というのはどういう意味なのか質問です。
 また、事務局に伺いたいのですが、8ページのところの「代行割れ問題への対応」の3つ目の「○」について、最低責任準備金の計算方法の見直しや、「連帯債務」について、現行制度の下では国と云々とあるのですが、これを見直した場合、代行割れの部分については返さなくてもよく、厚生年金の中でみてしまうということかという質問です。
 また、私はずっと代行制度は廃止すべきだということを主張してきているのですが、一気に来年から廃止という話ではなく、何年かかけてということを前提に廃止すべきであるということです。先ほど翁委員から支払保証制度の話が出ましたが、

(翁委員退室)

 なぜ、任意の制度でしかなかったのかというのが大変不思議です。それも3階部分に対する保証で、代行部分についての支払保証制度が全くなかったわけです。6ページのハに、「厚生年金基金などの企業年金の中で支払保証制度を作って」とありますが、こういうことを検討できないものか。倒産して全く返せなくなるという事態が想定されるわけですが、その場合、厚生年金で埋めることは絶対あってはならないと思っております。そうした場合、企業年金、企業年金基金をやっている人たちの連帯、助け合いによる保証制度をつくることは可能なのか、不可能なのかについて、事務局からお話しいただければと思います。
 以上です。

○山口座長
 事務局。

○渡辺課長
 まず、後段のほうは、余り事務局から可能とか申し上げることでもないかと思うのですが、むしろ皆様でご議論いただければと思います。
 それから、前段の部分は、先ほど永山委員からもありましたが、ここの書き方がややあいまいだったので誤解を生むかと思うのですが、最低責任準備金の計算方法の見直しといったときに、多分大きく2つあると思います。先ほど来ご指摘いただいております、例えば代行給付費の0.875の問題は、厚生年金本体との一定の財政中立の枠組みの中で整理をされているものですので、そういう枠組みの中で、今の実態に合わせて見直しができるものです。もう一つ、今の特例解散の際に、本来は平成11年10月から厚生年金本体の実績で計算をするのですが、解散する厚生年金基金が設立されたときから厚生年金本体の実績で回していって、低い額をとれますよという、そういう特例を設けています。後者のほうはまさに特例でございますので、低いほうをとれば、解散する基金にとっては解散しやすくなりますが、逆に言いますと、そこの部分は、解散した基金を引き取る厚生年金本体でその分を少し負担するということになります。今の現行ルールの中での実態に合わせた計算方式の見直しと、今の特例解散のときで使っている特例ルールがあるわけです。ここで意図しておりましたのは、特例解散のときの特例額のイメージで書いておりました。確かに永山委員、ご指摘のように、ここに「0.875」を入れると混乱するかもしれませんので、そこのまた書き方はいろいろアドバイスをいただければと思っております。

○花井委員
 そうしますと、先ほどの支払保証制度については、基金関係の方にどんなお考えがあるのか、伺いたいと思います。回答は後日でも構いません。

○山口座長
 どうでしょうか、近藤委員、どうぞ。

○近藤委員
 経団連として2点、意見を集約しておりますので述べさせていただければと思います。
 1点目は、企業年金制度内の支払保証制度の議論でございますが、モラルハザードの問題がございますし、不必要な所得移転が発生する仕組みであり、本来、年金において貫かれるべき自己責任の原則を著しく阻害するものと基本的に考えております。特にDBの年金につきましては、基金とは異なりまして、厚年本体とは関係がないということで労使合意に基づく自助努力の仕組みとして徹底した運営がなされておりまして、相互連帯の考え方にはなじまないと考えております。
 それから、もう一つ、代行割れ問題に関する対応でございますが、企業年金につきましては、労使合意に基づく自己責任の原則の下で運用すべきであって、本来、代行部分の給付減額も排除することなく議論されるべきであって、当該基金の母体企業の労使が最大限対応するのが筋だと考えております。しかしながら、厚生年金本体の財政や地域経済、雇用に与える影響等に関する懸念にかんがみまして、対象となる基金を極力限定した上で、これ以上問題を先延ばしせず解散を促さざるを得ないような状況にあると考えております。当該基金が最終的に負担しきれない部分につきましては、中小企業対策として税金を投入するといった対応も例外中の例外、1回限りの措置としてやむを得ないと考えるというようなところで意見を集約しております。

○山口座長
 ありがとうございました。先ほど花井委員からございました支払保証制度につきまして、もし、委員の皆さんでご意見があれば、この機会に。

○永山委員
 連合会さんが中心になって厚生年金基金の支払保証制度はやられていると思うので、そちらのほうがよろしいと思うのですが。

○山口座長
 濱口委員。

○濱口委員
 直接の担当ではないので、ざっくりした話しになりますが、支払保証というのは非常に運営が難しい制度で、制度を維持していくコストも高い。今のような加算部分だけ、それもその一部を補填するだけの小規模な制度でも、相当難しい点がいろいろ出て来る。それを代行部分まで含めて、しかも代行割れした部分を全部補填するといった制度にするのは、直感的には恐らく無理だと思います。参加者の合意、保険料を出す中小企業の合意を得るのは、負担の大きさを含め非常に難しいのではないかと思います。

○山口座長
 花井委員。

○花井委員
 ありがとうございました。ご回答に対して、2つ意見を述べさせていただきます。1つは、代行割れをどう考えていくのか。保証すると相当な保険料が必要だということですが、現にその莫大な金額が出ていることをどう考えるのかという点で、この制度に対する疑問があるということと、先ほど経団連の方が、たった1回限りの特例中の特例として税金から拠出するというふうにおっしゃいましたが、税金を使うことも、年金で穴埋めしていくことも結局モラルハザードにつながるのではないかと思います。私は税金を使うことについては反対だという意見を述べさせていただきます。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは、森戸委員、お願いします。

○森戸委員
 私の意見もあるのですけれども、今、出ていた議論に少し関係することをちょっとだけまず申し上げると、支払保証云々は、この案に出てきているのでちょっと議論になっているのですけれども、もちろん現在の連合会の支払保証制度の在り方とか、そういうことはもちろん議論としてはいいのでしょうけれども、今回の問題の処理として支払保証という、出てき方は、普通は支払保証も保険ですから、要するに将来どうなるかわからないから、みんなで負担してお金出してやろうというのを、今、こういう状態のときに支払保証制度を始めるみたいなのは議論としてはおかしいので、これは別の話かなというのが1点です。
 それから、花井委員のおっしゃったことをいえば、副大臣いらっしゃるので何ですけれども、公的なお金は注ぎ込まずにやるというふうに民主党のあれにも書いてありましたが、これは理屈としては、別に特例解散を認めている以上、最終的に各企業の負担の上限をつけようがつけまいが、最終的に連帯で、今の形にしようがしまいが、最終的に事業所が全部倒れてしまったらお金はないんですよ。したがって、そこは公的年金がどっちみちかぶることになるのです。だから、それは絶対に公的なお金を使わずにというのは、今、苦しい中小企業が全部復活して商売かまともに復活しない限りは、掛金を全部埋められるようにならない限りは、税金なのか、公的年金のお金だと思いますけれども、それを使わざるを得ないのだと思います。それはお金がないからです、簡単にいえば。
 それは前提として、そういう企業にいた方の公的年金部分は減らさないという前提であればということなので、そういう基金に関係していた人の公的年金を半分になってもいいというのだったら、それは近藤委員がちょっとおっしゃったことにつながるのですけれども、それだったら、公的年金のお金使わずに済みますけれども、それはある程度公的年金のほうでかぶってもしようがないのではないかと私は思っています。そこの企業にいた人の公的年金が半分になってしまうというのはそれはおかしいだろうと私は思っています。
済みません、ここから本題なのですけれども、今後の代行制度の在り方なり中小企業労働者の企業年金という話ですが、ここまで何回もこの委員の皆さんがおっしゃっているように、中小企業を含めた多くの労働者の老後を支える制度として厚生年金基金制度がこれまで果たしてきた役割は否定できないのはそのとおりだと思いますが、これからの時代においても、厚生年金基金が国民の老後所得保障制度の中心としてあり続けられるのか、政策としてそういう位置づけでやっていくべきなのかは、私は残念ながら、そうは言えないのではないかと思います。違う枠組みを考えないといけないのではないかと思います。
 ただ、全部廃止することはもちろんないと思っていまして、財政的に健全でかつ労使の意思としても、今後厚年基金でやりたいというところには別にそれはやってもらっていいのではないかと思います。前、申し上げたように、解散命令の要件を強化するとか、そういうことがセットで必要だと思うのですが、別に無理に全部やめる必要もないのかと個人的には思います。
 今後の方向という話で、少し話は広がってしまうのですが、繰り返しになりますけれども、公的年金の上乗せで3階部分が企業年金という発想でなく、公的年金以外の部分は老後に向けての自助努力であって、その中に企業年金という形での職域ベースのサポートがあると、そういう枠組みを基本で考えるべきだと思います。3階部分は被用者、特に大企業正社員だけのものというような発想から脱却して、自営業の人、非正規の人含め、すべての国民の公的年金以外での老後所得保障システムの在り方を考えていくべきだと思います。
 ペーパーにもありますが、DBとかDC をもっと導入しやすくするというのはもちろん考えるべきことで、これは別なところで研究などもしたのですが、例えば税制優遇レベルを段階的に設定して、税制優遇がそんなにないかわりに規制が緩い制度みたいなものを考えてもいいのではないかと思います。適年は廃止になってしまいましたけれども、とりあえず年金資産が別にとりわけてあるというだけでも、ないよりましかという発想もあってもいいかと思います。中退共とか賃確法の退職手当保全措置とか、そういうものとの関係も意識すべきだと思います。
 これは臼杵ペーパーにもあったのですけれども、全国民共通の退職所得アカウントみたいなもの、JIRAみたいな、日本版IRAみたいなものを検討すべきではないかと思います。低所得者層には給付付税額控除のような形で国からマッチングとか自助を促すとか、そういう手法があってもいいと思います。ドイツのリースター、イギリスの最近の改革とか、そういうものも参考になると思います。
最後、もう一点だけ、済みません。あと考えるべき点として、老後所得保障である以上、私的年金も給付は終身給付でなければいけないという考え方をとるかどうかも議論しないといけないと思います。するならば、終身給付の制度や商品が世に出やすいような政策誘導、何で海外では終身給付で何とかやっていけるのだろうとか、そういうことも含めて検討が必要ですし、そこは捨てて、終身は公的年金だけでよいと割り切るのだったら、また、違うアプローチもあるのかなと思います。
 以上です。

○山口座長
ありがとうございました。既に最後の「中小企業の企業年金の在り方」というところまで触れていただいておりますので、ここの部分のご意見も含めていただきたいと思います。鹿毛委員はどちらのご意見。

○鹿毛委員
 むしろ全体の話です。

○山口座長
ではお願いします。

○鹿毛委員
そろそろ整理するという方向で2〜3点申し上げたいと思います。1つは、今、森戸先生の御意見の前半部分に賛成です。要は代行割れの部分が出た場合、最終的にどうするかといえば、厚生年金基金制度の中の代行部分というのは、国との約束、公的年金としての約束ですから、国の代理人としての基金が仮に破産するとか払えなくなることがあるとしても、国の公的年金としての債務は消えないと思います。ですから不足分は好むと好まざるとにかかわらず公的年金全体の中で処理するしかない、それについてモラルハザード云々という話はもちろんあるのですけれども、国としての債務ということからいけば、それはやむを得ない。
 勿論、その場合国が基金、事業主に対して持つ債権は残ります。ただ、その債権を取り立てに行く前に母体企業が倒産したり、取り立てたら倒産するという事態が起きる場合どうするかという別の議論はあります。厚生労働省は年金と労働行政の両方を所管されているので、両にらみで一体それをどこまでやるか。これは中小企業の雇用問題といった全く別の時限の議論として出てくる話ではないかと思います。
 第二に、代行割れの問題です。代行割れが現在6,300億、これがだんだん増えた場合どうするのか。これは問題提起としては極めて重要な問題ですが、この代行割れがあるから基金制度を時間をかけて廃止すべきという考え方は、私は目的と手段が必ずしも合ってないのではないかと思います。と申しますのは、私はそうしろと言っているわけではありませんけれども、厚生年金基金制度を廃止すべきだというご意見はあるのですけれども、加入者受給者・待機者を含めて1000万人の関係者がいる以上、一気ではなくて例えば10年とか15年、時間をかけてという御意見のようですが一方で時間を10年かけたらその間に損失は増える可能性があるわけですね。6,300億がもっと増えるかもしれない。
 問題は制度を時間かけて廃止する事は、6,300億対策としては必ずしも有効な制度ではなくて、どうやって出血をとめるか、6,300億の拡大をとめるかということのほうが重要な問題ではないかと思います。その場合も健全な基金、そうでない基金、きちんとやっている基金、そうでない基金について、まとめて議論をすることで話がかえって混乱すると思います。だから、危機に近いところ、積立比率が非常に低いところから優先的に対応を考える必要があると思います。
 1点だけ脱線するのですけれども、積立比率が低くなった、70%になった、80%になった。だから乾坤一擲リスクとるのだという話が前回のAIJのときなどもあったのですけれども、これを防ぐ事が損失拡大防止のポイントだと思います。私も長い間、運用の仕事をやっておりますが、追い込まれたときに乾坤一擲リスクとるというのは最悪の選択です。つまり、倒産するかどうかという状況で、さらにリスクとって、恐らく五分五分以上の確率が失敗して、さらにマイナスが増えるわけです。要するにそれ以上の損失を増やす余裕は全くないという状況であれば、積立比率が一定以下のところでは、どんなに不満でもリスクはとれないということが大前提だと思います。100%以上とまで言わなくても、ある程度積立比率の余裕のあるところで、初めてリスクはとれるわけです。積立比率が一定以下のところではリスクはとってはいけないのだろうと。例えば指定基金とか、どこで線を引くかという点についてはいろんな議論があると思いますがこうした原則的考え方は大事だと思います。
 第三に、今回のこの委員会の議論は当初から一貫して、代行割れの問題が大きいから基金制度を廃止すべきだというご意見と、それに対して基金の多くは、そういう問題はないわけですし、きちんとやっていて健全だという反論がなされています。要するに一部基金に問題があるからといって、基金全体の制度問題としてみんなおかしいといった議論は納得できないという反論です。ある意味で、6,300億の問題というのはマクロの問題、それに対して基金側の反論は基本的にはミクロの議論で、1つひとつの基金はきちんとやっている。あるいは最低責任準備金の計算方式の問題についての問題提起です。いわばミクロの問題とマクロの問題という形ですれ違いになっていると思います。ですからこれは両論併記といっても、実は同じ土俵の上での両論併記ではない。このすれ違いの議論をもう少し、同じ土俵に持ってくると、両論併記にしても、今後の議論がしやすくなるのではないか思います。その意味で、前回申し上げましたけれども、1つは「0.875」とか「期ズレ」とか、いろいろ技術的な問題提起もあるわけですから、仮にそういうものも全部織り込んだ場合、6,300億円が、幾らぐらいまで実際に減るのかという問題です。あるいは時期によってこの数字が変化するから、ある程度長期的に見ていって、将来のことまで考えてどうなのかというふうに考えると、もう少し同じ土俵に乗るのではないかと思います。
それから、総合型の基金に関しても、構造的問題がなくはないわけで、そういう問題を踏まえて、社会からいろいろな形の問題提起がされておりますので、それに対する積極的な回答も必要だと思います。これは全総基か、連合会の役割かと思いますが、マクロの問題提起に対するマクロの回答というのでしょうか、これが出てくるともう少し基金サイドの意見にも説得力が出てくるのではないか、議論がもう少しかみ合ってくるのではないかという感じはいたしました。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。議論の進め方として、最後の「中小企業の企業年金の在り方」、先ほど森戸委員からご意見をちょうだいいたしました。この部分はまだ全然議論できてないので、まず先にこれをやった上で、全体の3についての話に戻りたいと思いますので、先に「中小企業の企業年金の在り方」についてのご意見を承りたいと思います。小野委員。

○小野委員
 中小企業の年金なのですが、OECDの資料によりますと、日本の場合、今後の将来の公的年金の水準は先進国の中ではかなり下位の水準、ほとんど最低の水準になると見込まれておりますので、いや応なく3階部分の重要性は認識をせざるを得なくなると私は思っています。それを政策議論として必要と認識し始めたときにはもはや遅いのだと思います。これから積み立てようといっても、それは遅いということになると思います。
 そうした場合に、中小企業を含めた企業年金の制度の在り方を検討する場合に2つ選択肢がございまして、1つは企業年金を義務化するという話です。これは政策的には非常にハードルが高いだろうと思います。もう一つは、企業年金の任意制は残しつつ考えるということですが、このこと自体が非常に難しいということを再三申し上げているわけです。これはきれい事ではなくて、コマーシャルベースにのらないと年金は普及しません。皆さんも例えば生命保険に進んで入るというよりも、何か勧誘が来たから入るという話ですね。ですから、企業年金を推進する事業体、企業とか金融機関、そういったところがコマーシャルベースにのせないとワークする仕組みはあり得ないと思います。
 その中で、森戸先生おっしゃったように、3階部分は基本的に個人の自助努力という中で職域を組み込んでいくというのは大いに賛成ですし、個人でやるよりも職域のほうが、例えば手数料に関する価格交渉力とか、そういう意味では非常に強いわけで、いろいろ考えると職域のほうが効率的にできるというところはあると思うのです。
 そういった観点から、中小企業は年金を促進すべきだということがあるとすれば、もし代行を廃止するということであれば、具体的な施策を立てていただきたいと私は思います。以上です。


○山口座長
 ありがとうございました。ほかに「中小企業の企業年金の在り方」について、ご意見、山本委員。

○山本委員
 基本的に中小企業ということで、例えば現場でいろいろ聞くと、決して宣伝するわけではないのですけれども、中退共があるから便利ではないかという声はよく聞きます。掛金を納めておけばいいし、掛金立てで会計もできるし、給付のところも全部大丈夫ということでありますので、受け皿としてはそれはそれであるのだろうと思っています。例えば中退共であれば、中小企業という基準を満たさなくなったときに出て行かなければいけないであるとか、そういった問題はあろうと。
 DB/DCなのですけれども、中小企業の受け皿としてなっているかというと、今は運営管理機関であるとか、DBの受託機関であるとか、商売ベースで、今、小野委員おっしゃったとおりだと思うのですが、商売ベースでやっていますので、100名に満たないと受けられないとか、それは当然のことだと思いますので、そこは商売ベースにのるためには資産残高が増えていかなければいけないと思いますので、DCであれば拠出限度額をもっと増やす、あるいは個人が拠出できる枠をもっと増やすとか、DBであれば、枠はないので、制度設計をもう少し簡易にするとか、そういった手だてをつけて、受託機関が商売になるような、そういう普及の仕方をしないといけないのだろうなと思っています。
 もうちょっと言うと、中小企業の経営者さんが自ら退職給付制度を持っていくのかというところ、大企業であれば、それは余力もあるのでしょうが、中小企業としてないということであれば、それは個人としての年金がIRAみたいな形で個人の選択肢がもっと増えてしかるべきだと考えます。
 以上です。

○山口座長
ありがとうございました。よろしいでしょうか、中小企業の年金については。そしたら、論点3の全体について、永山委員。

○永山委員
 先ほどからのご議論の中で2つほどございます。まず、近藤委員さんがおっしゃったことにつきましては、まず給付、代行部分まで減額するのだということにつきましては、法律的にも、今、できないのかなと思っておりますので、例えば国の厚生年金の適用事業所が倒産して、負の欠損になった場合にも、そこにいる被保険者は給付は確保されておりまろので、基金がということにはできないのかと思っております。
 それから、これも区分けをして出て行きたい、要するに終了させたいという意思を持った厚生年金基金にあって、公的資金というようなことありましたけれども、この前もおいでになった2つの基金さんは、決してそういうことをおっしゃらなかったと思いますし、私どもも仲間含めて一切そういう話は承っておらなくて、おやめになるについては、要するに連帯責任とか、自分の事業所のほかの債務を将来リスクとして負わされるから解散できないということですから、そこさえしっかりしていれば、自分の負担分はちゃんと何年かけてもお支払いしますというようなモラルハザードになってないと思っておりますので、そこはそれで確認させていただきたいと思います。
 先ほどのところに戻らせていただきますが、8ページのところですが、花井委員さんもちょっとおっしゃいましたけれども、例えば代行させているとリスクがあるというようなお話のように今日も聞こえてしまうのですけれども、代行していることは別にリスクでも何でも私はないと思っていまして、基金の運用しているリスクは何かといいますと、市場で勝ったり負けたりするという、収益率がとれないというリスクはありますけれども、財政運営に限っていえば、17年の4月から中立化がされましたので、この中立化ということが、国が、例えばGPIFが過去マイナスのときもあったわけですけれども、それがマイナスであっても、私ども基金がマイナス以上のマイナスであれは、マイナス以上というか、それ以下のマイナスになっていなければ勝ったことになりますので、財政運営上は問題ないと、これが中立化の大きな意味だと思いますので、マイナスになったから代行はだめですよということにはならないということですね。ですからここを何度も申し上げたいと思っています。
 6,000億、8,000億というようなお話も出ますけれども、ではあれは、今、現状どうなっているかといいますと、厚生年金基金の場合は5年ごとに財政再計算ありますので、再計算が来ればその時点で将来の掛金率はもう一度計算し直しますので、掛金の引上げとかで不足金を解消していくわけですね。何百の基金があそこに入っていますから、トータルではあのように6,000億とか8,000億とかありますけれども、増減を繰り返ししている。それから、市場の状況によってはプラスになったときもある、少なくなったときもあるということで、これは生き物であるということで、特にそこが、今、6,000億だから、1兆円だからリスクなのですという、そういう意味でのリスクにはなってないと考えております。
 もう一つありますのは、8ページに戻っていただきますが、最低責任準備金の在り方ということで、先ほど申し上げたところの四角の上に小さい括弧書きがございますが、冒頭から申し上げているのは、厚生年金基金制度を維持する基金にとっても、おやめになる基金さんにとっても、この最低責任準備金の計算をちゃんとしていただきたいということが、まず一番最初にあるわけですね。今の現行制度の中で、一番上に「期ズレ」問題がありますけれども、期ズレをちゃんと直していただきたいということと、2番目にある最低責任準備金を計算する「0.875」というものは、それは違っているのではないでしょうか、見直していただけませんかということを申し上げている。実際に試算をしますと、私どもでも、この0.875が9とか、9幾つというふうに上がっていくということがありますと、先ほど課長さんおっしゃったように、差引分が大きくなりますから、国に返すべき最低責任準備金は小さくなると。そうしますと、冒頭申し上げた、今、代行割れしているという基準の金額が小さくなりますので、代行割れもその分小さくなってくるという仕組みになってまいります。
 それから、ここにもう一つは、先ほどの給付原価負担金も、本来、持たなければいけない資産の、これは国を代行しますから、国は当然私ども基金のほうに預けていただくわけですけれども、本来、100預けるものが、今、50以下になったら、その以下になった分の5分の1をとりあえず差し上げますと、交付しますよとなったのが給付原価負担金なのですが、これを5分の1ではなくて、半分以下になった分の全額を入れていただけないかというふうに申し上げているわけです。そうしますと、これも試算ですけれども、給付原価負担金をいただきますと、積立水準が間違いなく上がります。大小がありますけれども、下がることはなくて、ベクトルは上がるほうに動きますので、そうしますと、先ほど3つのことを早急にしていただきますと、基金の風景が変わるということを先ほどから申し上げているわけです。代行割れで大変だとか、運用させると何かまずいのではないか、そういうことではないのだということをぜひご理解をいただきたいと申し上げたいと思います。
 そこで、解散をするとか、しないとかという問題が出てきて、解散をされる場合には、この前、お話がありましたように、解散しやすい、もしくは本体が倒産しないような仕組みもぜひお願いできないかということがあったと思います。8ページの一番下に解散のことがありますけれども、さらにこの下に、このページの上から2段目に、特例解散の、例えば10年とか、特例解散を仮にやった場合に分割納付しますが、そのときに、毎年、毎年の付利される利率があるわけですけれども、これが、今、転がし利率で毎年変わってしまうということがありますので、そうしますと長期的に長期計画が会社は立たないということがありますから、これを例えば低利の利率、一定の利率で先々負債がわかるようなこともお願いしたいということがあったと思いますので、ぜひこれは一番下のほうの枠の中に入れていただければよろしいのではないかと思っております。
以上でございます。

○山口座長
 ありがとうございました。予定の時間が来ておりますけれども、花井委員。

○花井委員
 ありがとうございます。中小企業労働者の3階部分の企業年金が大切だというのは、老後の生活を支えるものだというのはそのとおりだと思いますし、もっと充実してしかるべきだと思います。中退共もいい制度で、確かに中小という概念が変わったときに脱退しなければいけないなどの要件が幾つかありますが、中退共なども活用すべきだと思います。そういう意味では、先に中小企業労働者の企業年金の在り方をもう少し検討すべきだったのかなとも思います。その上で、私がどうしてもわからないのは、企業年金をいろんな形でつくることはいいのですけれども、なぜ公的年金を代行しなければならないのか。6,300億がリスクではないのだとおっしゃいますが、基金に入ってない人からすれば、それはすごく不安定なリスクになると思うのですね。
 先ほどおっしゃっていた、直ちにというのは当然直ちに解散させ、制度を廃止するということはあり得ない。十何年とか20年とか十分な時間をかけての話だと思います。1,000万人が企業年金制度のある企業に勤めているとすれば、その何倍もの人が企業年金制度がないままに厚生年金の保険料を払っているということも一方にあるわけですので、ぜひその辺も考えていただきたい。そういう意味で、私はリスクといった場合、入ってない人にとってのリスクもあるのだということをぜひお考えいただければと思います。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございます。小野委員。

○小野委員
 資料をつくってきましたので、その説明から入りたいと思うのですが、資料3の「1.代行割れ問題」のところです。時間がないので手短にいきますけれども、私は厚生年金基金の資産運用がDBと比べて少しリスクをとった運用になっている背景には構造的なものがあるのではないかと考えています。そこに四角で囲った「期ズレ」の問題とか「0.875」の問題、あるいは非継続基準に関する回復計画の話、こういったものがリスクの高い運用に向かわせてしまったのかなとことが1つ指摘できる。そういう意味で、構造的な問題というのは、100%基金の自己責任というには少しかわいそうだという気がしています。
 その中で期ズレの問題という形で書いてありますが、要するに1年9か月の期ズレというのを簡単に考えてはいけないということです。左側のグラフでありますとおり、期ズレしたのとしてないのでは18%ぐらい差が開く時期もあるということです。ですから、これは完全に運用ではヘッジできないという話です。
 それから、右側は資産運用した結果、不足金が見かけ上は期ズレしてないものに対してかなり大きく出てしまうことになります。こういったものは期ズレを解消すれば、それなりのリスクというか、不足になるということです。
 それから、「0.875」の問題について裏面に行きまして、これはグラフを示しましたが、横軸が成熟度です。受給者と待期者を分子にして加入員を分母にして割った数字です。だから100%のときには両者がイコールということですね。それに対して最低責任準備金に対して0.875を使っていることによって基金が財政負担をどのぐらい負っているかということです。ここで見ますとおり、成熟度が上がっていくにつれて基金に対する負担は重くなってくるということです。ここでは区別はしておりませんが、下のほうに行けば行くほど指定基金が多くなっています。
 という状況ですので、基本的に0.875というのは制度開始以来見直されておりませんでしたので、それ自体が信憑性のあるものとは思えないし、ある種、これだけの不足が出るというのは基金側からしたら、サラ金でいうグレーゾーン金利みたいなものです。ですから、見直すことが、合理性がつく改正ということであります。
 私は再三申し上げますとおり、全部の基金を救うということは多分できないだろうと思っています。先ほど森戸先生がおっしゃいましたが、金がないので、どっちみち公的なり、厚生年金の負担なり、結果としてはどうしても負担が発生します。そういったところで、一定の出口戦略を念頭に置きながら、合理性のつく範囲内で見直しをしたらいかがでしょうかということを申し上げております。
前回、尾西毛織さんが代行割れ16億円とおっしゃっていました。これは従業員1人当たり500万です。500万を返すということが果たして現実的でしょうかという話です。例えば減額責任準備金をしたらどのぐらい減りますかと伺ったら、16億のうち4億は減ります、とおっしゃいました。ですから私が申し上げているのは、500万が350万とか400万とか、そのぐらいの金額になるような、その程度の現実的な解決策ということであって、そこから先、そこを超えるものについては、年金局だけではなくて他省庁も絡む話になってくるので、そこから先はここでは議論できない、ある種の政治決断です。ということで、私は実際に行動に移すための出口戦略を現実的な面で考えているということは申し上げたいと思います。
 以上です。

○山口座長
 ほかに論点3について、全体についてご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようでしたら本日はこれで終了したいと思います。次回はこれまでの議論を踏まえまして、報告の取りまとめに向けての議論を行います。
 事務局から次回の日程についてお願いいたします。

○渡辺課長
 次回は来週の金曜日でございますが、6月29日(金曜日)の18時(午後6時)から、ちょっと遅い時間で恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

○山口座長
 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議は終了いたします。ご多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課>
代表: 03-5253-1111(内線3320)

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