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2012年4月18日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年4月18日(火)14:00〜


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○出席者

出席委員(11名):五十音順

 石郷岡   純、 桐 井 義 則、○鈴 木   勉、 関 野 祐 子、

 妹 尾 栄 一、 曽 良 一 郎、 鍋 島 俊 隆、 成 瀬 暢 也、

  花 尻 瑠 理、◎望 月 正 隆、 和 田   清

(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名):五十音順

藤 岡 淳 子

行政機関出席者

 木 倉 敬 之 (医薬食品局長)

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 中井川    誠   (監視指導・麻薬対策課長)

 佐 藤 大 作 (監視指導室長・麻薬対策企画官)

○議事

○監視指導・麻薬対策課長 ただ今から、薬事・食品衛生審議会指定薬物部会を開催いたします。
本日は、大変お忙しい中、委員の先生方には御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は藤岡委員が御欠席、関野委員、成瀬委員、妹尾委員が遅れるという御連絡をいただいております。
現在のところ、当部会の委員数12名のうち、8名の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。開会に当たり、医薬食品局長の木倉から一言、御挨拶を申し上げます。
○医薬食品局長 本日は大変お忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。この指定薬物の問題は、平成19年に薬事法改正がありました後で、先生方に大変お世話になりながら、今まで逐次、規制物質の指定を進めてきていただいているわけでございます。ただ、一方で報道等にもありますように、若者の間で違法ドラッグの乱用の問題が、繰り返し指摘されているという状況もあります。「脱法」とか「合法」という言い方をされる場合もありますが、我々は「違法ドラッグ」ときちんと言おうと心がけております。
 自治体や警察も含めて、しっかりした指導・取締りをやっていただいているわけでございますが、その中で検査をしてみますと、覚せい剤・大麻の成分に類似したもの、あるいは麻薬そのものが検出された事例もあるわけでございます。こういうものが広がっていくということは、麻薬・覚せい剤の乱用のきっかけになることでもありますし、健康被害そのものについても、大変大きな問題を生じるわけでございますので、厳しく対応していかなければいけないと思っております。
 これまでも毎年、繰り返し追加の指定をお願いしてきておりますが、一方では規制逃れと言いますか、新たな物質が生み出され、それが流通していくという状況が見られているわけでございます。これにつきましては私どもも、国会でも繰り返し御審議いただいておりますので、なるべく迅速な指定を進めたいという答弁をさせていただいております。今日もそのようなお願いをするわけでございますが、さらに、厚生科学審議会の方でも御議論いただき、今も準備をしているわけです。構造が類似した物質に包括的な規制を行っていく方法についても、具体的に導入の検討を指摘していく必要があると思っているところでございます。
 厚生科学審議会で、全体的な薬事法の改正の方向について指摘をいただいて、準備を進めているところでございます。その中で、指定薬物についても取締り体制の強化をきちんとやっていきたいと思っております。また、新年度の予算事業といたしましても、違法ドラッグの危険性、健康被害というものをきちんと認識してもらうということで、そのような情報を一元的に集約し、国民の皆様にも分かりやすく提供していくホームページという形での工夫もしてまいりたいと思っております。
 先ほども申し上げましたように、警察庁ともども、自治体の皆様にも先月以来、現場に繰り返し指導監視に入っていただき、検査等も繰り返しやっていただいて、厳しく対応していただきたいということをお願いしたところでございます。本日も新たな9物質についての買上調査の結果、そのようなものの乱用・流通が認められたものについて御議論いただくわけでございますが、この可否についてと共に今後のあり方、規制の方策につきましても御意見を賜れれば、ありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○監視指導・麻薬対策課長 続いて事務局を紹介させていただきます。審議官の平山です。監視指導・麻薬対策課監視指導室長の佐藤です。事務局の担当補佐の渕岡です。指定薬物担当官の込山、稲田、玉木です。私は、監視指導・麻薬対策課長の中井川です。よろしくお願い申し上げます。
 最初に、本部会の公開・非公開の取扱いについて、御確認のためにもう一度申し上げます。総会における議論の結果、会議を公開することにより、委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断されることから、本部会は非公開とされております。なお、ここが新しいところですが、今回の議題のうち、包括指定・迅速指定という議題があります。そこについては社会的関心の高さを踏まえて、仮にマスコミ等から求めがあった場合には、議論の概要について発言者名を伏せた形で、事務局からブリーフィングを行う可能性があります。よろしくお願いいたします。
また、会議の議事録の公開については、発言者の氏名を公にすることで、発言者等に対して外部からの圧力や干渉、危害が及ぶおそれが生じることから、発言者指名を除いた議事録を公開することとされておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと存じます。
それでは、部会長の望月先生に、以後の議事をよろしくお願い申し上げます。
○望月部会長 それでは最初に、事務局より資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料は資料1〜5まで、参考資料が1〜5まで、参考文献が1〜14まであります。また、「平成24年度第1回指定検討物質検出情報一覧」という表と、「前回部会以降の違法ドラッグをめぐる動向」という表題の資料を配付しております。
資料1が「指定検討物質一覧」、資料2が「各物質の中枢神経系の作用等について」、資料3が「指定薬物に関する規制強化について」、資料4が「指定薬物の包括的指定の検討について」、資料5が「指定薬物の迅速な指定に関する検討について」です。参考資料1が「薬事法抜粋(指定薬物関係部分)」、参考資料2が「指定薬物の規制」、参考資料3が構造式、指定時期等が一覧となっている「指定薬物一覧」、参考資料4が「医療等の用途(案)」、参考資料5が「薬事法等制度改正についてのとりまとめ(抜粋)」です。参考文献については、事前配付した参考文献1〜6、8〜13に加えて、本日参考文献7、14を配付しております。
○望月部会長 それでは議事に移ります。本日の議題は、「指定薬物の指定」と「包括指定・迅速指定」についてです。
まず、審議物質について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 今回御審議いただきたい物質は、国及び都道府県の試買調査により、製品の分析を行った結果検出されたもので、国内での流通実態が認められている物質です。それが資料1でまとめているもので、本日、御審議いただく物質の名称、別名、さらに構造式を1〜9まで、それぞれ記載しております。これらの物質について、指定薬物としての指定をし、規制対象とする必要があるかどうかにつき、御審議いただきたいと思っております。
 資料2が、各物質について行われた国内外の各種動物実験や基礎研究のうち、中枢神経系への影響を中心として取りまとめたものです。なお、こちらは本部会の審議事項ではありませんが、参考資料4の「医療等の用途(案)」で、本部会における審議の結果と併せて、該当物質の正規用途としてパブリック・コメントを行いたいと考えておりますので、参考までに配付しております。本日、御審議をお願いする9つの物質については、主として資料2に基づき説明させていただきます。審議品目が多いので、前回同様、少しまとめて説明いたします。はじめに、資料2-1〜2-7までの7つの物質、その後に残りの2つの物質について御説明いたします。
 まず資料2-1、通称AM1220です。このAMシリーズというのは、□□□□が参考文献となっております。この文献では、側鎖などを変えた物質のバリエーションが多く示されております。このバリエーションの中では、これまでAM694とAM2201が指定薬物に指定されています。構造類似物質としてはJWH-018、JWH-200の構造式を載せております。インドール環とナフタレンが基本骨格の似通った構造となっており、インドール環の窒素に結合した側鎖部分が異なる構造となっております。中枢神経系への作用等ですが、CB1受容体への親和性に関する報告として、文献1に示した□□□□に、AM1220の情報が記載されております。AMシリーズについては文献1に示されているように、多数の構造があるということで、今後もこれらの物質が検討の俎上に上がってくることがあるかと思われますが、本物質のCB1受容体へのKi値というのは、3.88nMで、大麻の主要成分であるΔ9-THCのKi値、41nMと比較して約11倍の親和性を持つと計算されております。
 続いて資料2-2、通称AM2233です。先ほど説明したAM1220のナフタレンの所が異なる構造となっており、類似物質としてAM694、JWH-200を挙げております。中枢神経系への作用等ですが、CB1受容体への親和性に関する報告で計算されているKi値は2.8nMということで、Δ9-THCと比較して、約15倍の親和性を有するものであると計算されております。
 続いて資料2-3、通称CB-13です。ナフタレンがカルボニル基をはさんで結合して、一方のナフタレンの方に側鎖が付いているという構造です。類似物質としてJWH-018、AM2201を挙げております。中枢神経系への作用等ですが、CB1受容体への親和性については、CP-55,940の結合を50%阻害する本物質の濃度IC50というのを求めて、その値について、カンナビノイドレセプター作動薬と比較しております。CP-55,940とWIN55,212-2の中間の値となっており、CB1受容体の親和性は相当程度あると推定されるかと思います。
 続いて資料2-4、通称JWH-022です。JWHシリーズは、これまでも指定薬物として指定されているものがありますが、これもそのシリーズの一つです。構造については側鎖は違いますが、JWH-018やJWH-073が非常に類似しています。中枢神経系への作用等については、CB1受容体への親和性に関する報告で、Ki値からΔ9-THCと比較いたしますと、ほぼ同等の親和性を有するということで計算されております。また、マウスの自発運動量抑制作用についての報告では、Δ9-THCとED50を比較した場合、自発運動抑制、抗侵害受容、直腸体温低下について同等の値を示しています。
 続いて資料2-5、Cannabipiperidiethanoneです。これはインドール骨格に位置が結合している構造ですが、JWH-250とAM2233と類似した構造を持っております。中枢神経系への作用は、CB1受容体への親和性に関する報告で、CP-55,940の受容体への結合に対する阻害濃度、IC50を計算しますと、指定薬物のJWH-250のおよそ半分の親和性を有すると計算されております。なお、参考としてJWH-250のCB1受容体への親和性に関する報告では、本物質はKi値からTHCの約4倍の親和性を持っていると計算されております。このため、本物質はTHCよりも強い親和性を持っていることが推定されるかと思われます。
 続いて資料2-6、APICAです。インドロール骨格にアダマンチルが結合しています。類似物質としてはJWH-251、JWH-018という、いずれも指定薬物が挙げられております。中枢神経系への作用ですが、APICAの薬理活性に関する試験で、WIN55212-2のCB1受容体への結合を阻害する本物質の濃度、IC50を測定しております。その結果、JWH-018と同程度の親和性を有することが示されております。参考として、ラットのカンナビノイド受容体に対するJWH-018の結合能については、Ki値で9±5nMということで、Δ9-THCの3〜10倍の値を示しています。
 続いて資料2-7、APINACAです。APICAと類似の構造をしていますが、違いはAPICAのインドール骨格の所がインダゾールになっている、Nが一つ多いところです。類似物質としてはJWH-251、JWH-018を同様に挙げております。中枢神経系への作用については、APICAの薬理活性に関する試験で同時に挙げられておりますように、WIN55212-2のCB1受容体の結合を阻害する本物質への濃度を測定しております。その結果、JWH-018の1/5程度の親和性を有することが示されております。なお、参考としてラットを用いてカンナビノイド受容体に対する結合能に関する試験を実施した結果では、JWH-018の結合能はKi値で9±5nMということで、THCの約3〜10倍の値を示しています。資料2-1〜2-7の説明は以上です。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○望月部会長 ただ今事務局から説明のあった7物質について、委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。
○□□委員 あくまでも参考情報です。□□□□□□□□□□□□□□□では、違法ドラッグ製品についての試買調査を行っています。平成23年度4月〜平成24年2月28日までに、いわゆる合法ハーブや脱法ハーブという形で販売されていた製品、合計538製品を分析しております。その中で今、御説明のあった1〜7番までの化合物がどのぐらい検出されているかと言いますと、AM1220は93製品、AM2233は92製品、CB-13は14製品、JWH-022は34製品、Cannabipiperidiethanoneは6製品、APICAは72製品、APINACAは79製品といずれも数多く検出されております。また、この中でCannabipiperidiethanoneとJWH-022以外の化合物については、前回指定された指定薬物、9化合物が告知された9月20日以降にすべて検出されております。
○望月部会長 すごい数が出てくるものですね。
○□□委員 特にAM2233、AM1220、APICA、APINACAに関しては、前回の指定薬物、9化合物が規制された後から流通している製品のほとんどすべてと言っていいほどに、いずれかの化合物が入っているような状況になっています。
○望月部会長 もう作って待っているという感じですね。
○□□委員 情報がバインディングのアフィニティのことだけなので、類似性がそこだけだったのですが、実際に市場にすべての薬物が回って、指定薬物と同じような使用の仕方をされているのでしたら、やはりこれも指定にしたらいいのではないかと私は思います。
○望月部会長 インドールというか、窒素の入っている鎖構造は無いので、資料2-3だけ、構造が違っていますね。この辺りは先生方、何か御意見はありますか。
○□□委員 CB-13は窒素を含まない珍しい化合物ですが、こちらについてもロシアや欧州では、もう既に流通が認められております。EUではアーリー・ワーニング・システムというのがあって、その旨報告がされています。
○望月部会長 これも含んで、みんな同じような規制の対象にした方がいいということですが、よろしいでしょうか。
 皆さん異議無しということですので、いずれも薬事法第2条第14項に規定する指定薬物として、指定することが適当であると決議してもよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは残りの2物質について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 続いて資料2-8、Methoxetamineです。構造としては、麻薬のケタミン、フェンシクリジンと類似した構造となっております。中枢神経系への作用ですが、海外における健康被害事例の報告にまとめております。興奮状態、頻脈、血圧上昇、散瞳など、ケタミンと類似した症状が見られたという報告です。また、英国においては平成24年3月に規制されています。こちらは暫定的な規制ではありますが、販売や製造、輸出入が禁止されるものになっております。
 続いて資料2-9、3,4-ジメチルメトカチノンです。麻薬であるメトカチノンや指定薬物である4-メチルメトカチノンに類似しているものです。なお、前回はこれに類似した物質として、4-フルオロメトカチノンについて御議論いただいています。中枢神経系への作用ですが、生物活性の予測について調べたものがあります。麻薬、覚せい剤、指定薬物等の構造類似化合物と構造の類似性から、本物質の活性を予測しています。予測をしたところ、麻薬などと同程度の活性があることが示されています。
 また、構造の類似している4-メチルメトカチノンについて、海外で死亡事例が相次いでいることから、指定薬物として規定されているわけですが、本物質はそれと構造が類似しているので、同様に規制すべきではないかということで提案させていただいたものです。なお、指定薬物としてほかに構造が類似しているものは、前回御議論いただいた4-フルオロメトカチノン、3-フルオロメトカチノンなどがあります。
 ここに挙げた死亡事例について、簡単に説明します。スウェーデン、デンマークで4-メチルメトカチノンの使用の疑い事例による死亡があります。米国ではヘロインとの併用での死亡事例、英国では数が多く出ており、うち48例について4-メチルメトカチノンがポジティブ反応でした。資料2-8、2-9の説明は以上です。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○望月部会長 ただ今事務局から説明のあった2物質について、委員の先生方から御意見を伺いたいと思います。
○□□委員 先ほどと同様に、私どもで試買した、若しくは分析依頼を受けた製品について説明したいと思います。Methoxetamine及び3,4-ジメチルメトカチノンについては、含有しているほとんどの製品が、液体若しくは粉末として販売されていたものです。平成23年度、Methoxetamineは10製品、3,4-ジメチルメトカチノンは14製品が検出されております。中でも憂慮されるのは、いわゆる静脈注射を目的として売られていた粉末の製品からも検出されたということで、その流通が懸念されております。
○□□委員 依存症だけが問題の方の外来、薬物依存症外来をやっています。不確かな情報ではありますが、いわゆるハーブ系も含めて、昨年の後半から患者が激増しています。これにはマスメディアの影響も随分あると思うのです。かつての覚せい剤と違って、幻覚・妄想状態で来る方はほとんどいません。来た時には全く問題無いのです。ただし使った時には急性中毒的に、精神的におかしくなったという体験をお持ちの方が結構多いのです。
 その中でもハーブ系の方は、これもなかなか難しくて、指定薬物という制度が導入される前及び直後は、自覚的にナチュラルな大麻に近かったのです。それがどんどん、どんどん変わってきた。そのような薬物が規制されると、どんどん、どんどん別のものが出るわけです。それに従って大麻らしさが無くなってきているという話をかなりの方が言います。丸1日ないし2日間、体が動かないとか、頭が動かないとか、ほとんど効果が無いという体験を持っている方が多いようです。
 一方、脱法にはハーブ系とパウダー系とリキッド系がある中で、リキッドは危ない、あれだけはやめておけという意見が、結構彼ら自身からも出ています。現にメフェドロンを使った方は、自覚症状をきちんとは話せないのですが、けっこう急性の幻覚・妄想的な状態を体験しているようです。数字にも何もできない話ですが、そういう情報があります。
○望月部会長 恐ろしいものですね。ほかにどなたか御意見はありますか。
○□□委員 私はフェンシクリジンを1978年からずっと研究しています。フェンシクリジンと比べればMethoxetamineはハーフライフが短く、薬効も長く続かないのですが、ケタミンよりすごく強い。症状としては、ケタミン、フェンシクリジンとよく似ている薬理作用がありますから、やはり危険ではないか。ケタミンも日本では麻薬指定されていますし、ケタミンとフェンシクリジンの中間ぐらいの強さがあるので、やはり指定した方がいいのではないかと思います。
○望月部会長 この構造から見たら、構造類似のものではないですね。まさにそのものという構造をしています。両方ともそうですし、外国でのいろいろな報告を見ても、これは直ちに指定しないとまずいような気がします。
○□□委員 今度、6月4日からWHOのECDDミーティングがあります。そこではケタミンがまだ麻薬に指定されていないのですが、再びその議論があるということです。デキストロメトルファンも、同じようにNMDA受容体に作用する薬物ですが、これが初めて議論を行うことになっております。そういうことで、NMDA受容体に作用する薬物についても、規制がかなり強められる状況になっていると思いますので、これは指定した方がよろしいと思います。
○望月部会長 ほかによろしいでしょうか。それでは、もう発言は出尽くしたと思いますので、審議をまとめたいと思います。ただ今御審議いただいた2物質は、いずれも薬事法第2条第14項に規定する指定薬物として指定することが適当であるか、決議してよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、事務局より本件にかかる今後の手続き、スケジュール等について、説明をお願いいたします。
○事務局 本日の議論の結果については、6月に開催予定の薬事分科会で報告させていただく予定です。本日の結果を受けて、パブリック・コメント、WTO通報等の必要な手続きを行い、指定薬物を指定するための省令改正の手続きを進める予定です。
また、いわゆる正規用途については、参考資料4に記載してありますように、化学用途・医療用途として使用されているという実態は、今までのところ聞いていないという状況です。いずれにしてもパブリック・コメントの結果を受けて、可能な限り適正使用に支障をきたさないよう対処する所存です。
○望月部会長 指定薬物の指定に関する審議は以上です。続いて、包括指定・迅速指定に関する審議事項について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 関係する資料は資料3〜4です。まず、資料3「指定薬物に関する規制強化について」を御覧ください。化学構造が麻薬や覚せい剤に類似した化学物質が、乱用を目的として使用されている状況があります。指定薬物制度というのがありますが、薬事法の規制を逃れるために、人が摂取する形態ではないような形で、偽装されて販売されているという状況があります。そのようなものに含まれる化学物質を指定薬物として指定しますと、化学構造の一部を変えて、新たな物質が市場に流通することが起きるので、「いたちごっこ」の状態が続いています。
 当日配付した資料「前回部会(平成23年8月)以降の違法ドラッグをめぐる動向」を御覧ください。現在の販売実態と健康被害と記載してあります。違法ドラッグの販売業者数について都道府県から報告をいただいた件数をここに記載しております。平成24年3月末現在、389と把握されているところです。また、違法ドラッグ使用による健康被害ですが、こちらは新聞報道等を集計したものです。昨年は114例あり、2012年になってからは34例ということで、いまだにこういった健康被害の報道があるということです。
 次からの3枚は、参考資料5を抜書きしたものです。「薬事法等制度改正についてのとりまとめ」ということで、指定薬物の関係があります。まず、医薬品等の監視の強化についてです。基本的な考え方の下線部の所ですが、指定薬物による健康被害の発生を防止するため、販売者に対する監視と取締りの強化に加え、より効果的な規制方法や効果的な情報提供等の方策について検討すべきであるということ。次のページに移りまして、個人輸入の対応の強化については、赤字で記載されている所ですが、偽造医薬品等による健康被害が起きないように、体制作りを進めていくと。さらに、全部赤字で書いてありますが、指定薬物の取締り強化に関して、麻薬取締官が司法警察員として職務を行う範囲に、こういった指定薬物を扱えるようにする規定を追加すること、予防的視点から迅速かつ円滑な取締りが可能となるよう、必要な規定を新設すべきであるということ、そして効果的な周知・啓発方法を新たに国内に流通する指定薬物の包括的な規制方法について検討すべきであるということで取りまとめられています。
 違法ドラッグに関する厚生労働省の現状の取組みについては、ただ今説明した制度改正による違法ドラッグの規制強化対策の検討、昨年度末に出させていただいた警察との連携等による違法ドラッグの取締り強化、そして今回御検討いただきたいと思っているより効果的な規制方法等に関する検討と、違法ドラッグに係る情報提供や啓発活動の推進といったものを進めていきたいと考えております。
 資料3に戻ります。今回、御議論いただきたいのは包括指定強化に関する部分として、指定薬物の包括指定に関すること、指定薬物を迅速に指定する迅速指定に関すること、指定頻度の増加による規制強化について、御意見をいただければと思っております。
 スケジュールに関しては、案を書いております。包括指定に関しては現在、厚生労働科学研究で包括指定ができる範囲を検討しております。これが9月ぐらいまでにまとめられるということで、その後、具体的な包括指定(案)について、11月開催予定の本部会で御議論・御審議いただければと考えております。迅速指定に関しては本日、御議論いただいて、次回に具体的な案を御提示させていただければと考えております。
 続いて資料4です。まず、包括指定について御説明いたします。指定薬物制度については御承知のところかと思いますが、指定要件は1ページの1.2.に書いておりますように、中枢神経系の興奮、若しくは抑制又は幻覚作用を有する蓋然性があること、人の身体に使用された場合に、保健衛生上の危害が発生するおそれがある物を指定することにしております。そして当部会の意見を聞いて、厚生労働大臣が省令において指定するという形になっております。
 この指定薬物の包括指定に関係して、諸外国はどのような規制をしているかを御説明いたします。米国の事例と英国の事例があります。米国においては、規制薬物の類似物、アナログについてスケジュールI、乱用の危険性が高いものとして規制されているものですが、類似物についてはそういったものに規定されているものと同様に取扱うようにされております。範囲の広い規制ですが、アナログの定義やアナログの範囲について、裁判上の争いがあって、学術的論争で違法性が判断されかねないのではないかということで、危惧されていると聞いております。英国では、規制薬物の誘導体についても同様に取扱うということで規定されております。こちらの方式は事例で示しております。トリプタミンのアルキル置換体が規制されている場合、アルキル置換体は規制されるという状況ですが、ほかの置換体は規制されないようになっています。
 日本で指定薬物の包括指定制度を検討するにあたり、法的な面から検討を加えた内容について説明いたします。まず薬物指定の要件です。指定薬物は中枢神経系への作用があるもので、高度の蓋然性を有するものであることが必要です。しかし麻薬指定のように厳密ではなくて、通常の人が疑いを差し挟まない程度の真実性の確信を持ち得るものであれば足ります。この範囲の包括指定は可能であると考えられます。
 3ページの(2)は「包括指定検討のための要件・制約」についてです。こちらに四つの要件があります。この中で法的に制約がかかると思われるのは、アの「科学的類推の合理性」についてと、ウの「包括範囲の明確性(規制対象が一義的に規定されうること)」についてになるかと思います。最初の「科学的類推に係る合理性」についてですが、包括指定をする時に、包括指定された物質群に含まれる物質は、指定薬物の要件、中枢神経系の興奮等の作用の蓋然性が高いとか、保健衛生上の危害が発生するおそれがあるといった条件に当てはまる必要があります。このため、実際に包括指定を検討するには、物質群ごとに指定薬物への該当性をケースごとに考えていく必要があります。
 4ページの包括範囲の明確性については、犯罪行為はそれを犯罪とする合理的な根拠がなければならないという原則があります。したがって、ある物質が規制対象になるかどうかを一義的に判断しうることが望ましいということで、包括指定される物質群は、その外延がどこまでの範囲が包括指定されているのかというところが明確である必要があります。先ほど触れた諸外国の例や麻薬指定などで用いられた例なども参考にして、科学的に外延が明確に説明できるようなものにする必要があります。
 次に(3)です。このような包括指定の要件・制約に基づきますと、実際に包括指定をするに当たっては、化学構造が類似しているだけで作用を類推することは不十分で、中枢神経系への影響を持っていることが、科学的に妥当と言えるほど確かであると言えなければなりません。そのために構造類似性のほか、構造活性相関による特異的受容体の結合能の指定とか、多様なデータ活用をして、中枢神経系への影響を予測して、包括指定の範囲を科学的に検証することが必要であると考えます。この点に関しては、科学的類推手法を用いた包括的評価に関する検討について、今、厚生労働科学研究で研究しているところで、検討を進める予定です。
 「包括指定の検討に係る方向性」についてですが、前回の部会で示した基本的な考え方を踏まえて、ただ今御紹介した厚生労働科学研究で、構造類似性や化学的性質等の科学的知見に基づき、指定薬物に該当する物質群に関する検討を進めることとしております。この検討結果を参考として、指定薬物の包括的指定の提案を本部会に行うこととしたいと考えております。本日は、包括指定の要件の科学的な検証のために必要な事項は何かという点についても、御意見をいただければと考えております。
○監視指導・麻薬対策課長 補足して御説明いたします。いわゆる違法ドラッグ問題に
ついては、最近社会的関心が高いということで、制度改正部会等で具体的な御提言をい
ただいたところです。ポイントの一つは、やはり現行の取締りを強化していこうということです。私どもは麻薬取締官による司法警察権の付与、いわゆる逮捕権を付与すると
いう形での制度改正を考えつつ、当面の対応としては、先ほど通知を御披露申し上げましたが、警察と共同して取締りを行っていくというのが一つの流れです。
 2点目は「合法」という言葉に代表されるように、指定薬物に指定されなければ合法であるということで、合法イコール健康への影響は無いというような事業者からするとある意味意図的ではありますが、誤った情報が提供されているという状況があります。ここについては、私どもが情報の収集チャネルをはっきりと適正な形で体系的に収集した上で、国民の皆様に正確な情報を流す。なおかつ、啓発活動を活発にする。これは平成24年度の予算事業で対応していくという流れがあります。
 もう一つは、やはり指定薬物たるものの流通前の先取的な指定とか、迅速な指定を行うことにより、封じ込めていこうということです。それが三つ目の流れです。そのようなことで今回、皆様にお諮りしているところです。
それから、参考資料に付けておりますが、今まで皆様に御審議いただいて指定した指定薬物のうち、いまだに流通の実態があるものがあるわけです。そのようなもので麻薬の要件に該当するものについては、麻薬として指定して所持規制を行っていきたいと考えているところです。
 また、本件は前回の宿題として、法律上の整理ということがあります。私どもは関係省庁と事務的に意見交換を行っているところです。結論から申しますと、やはり具体的な物、包括指定であればその包括の範囲はどういうものかという具体的なものを見て、関係省庁と議論をすることになろうかと思います。その意見交換の中で一般論として整理できたもの私どもとして整理しているものがいくつかあります。包括指定の可否については、指定時の科学的知見に照らして、指定薬物の要件に適合する科学的類推が強ければ、包括指定は可能ではないかというのが第1点です。
 第2点目は、包括指定をする場合に対象となるものの外延が明確であることです。要するに規制対象となる物であるかどうか、あらかじめ予見可能性がなければいけないだろうと。すなわち、これが対象となる物質群に該当するか否かが明確に判別できることが必要です。ただ、その場合に対象となる個々の物質が事前に特定されて認識されている必要は、必ずしもない。まさに、それが外延の外延たる所以です。あと、包括化の手法としては、例えば先ほどのKi値のように、一定の実験の値以上である以下であるという仕方があるのか、無いのかという議論もしてきたわけです。それはやはり実験の条件設定等でブレることがあり、必ずしも範囲は安定しないだろうということで、そのようなものはできないのではないかという認識を持っています。
○望月部会長 本日の審議では、前回の部会以降に整理された法制上の留意事項を踏まえた包括指定の方向性と進め方に関する事項ということで、包括指定を検討する具体的な物質群をこの場で決めるものではないということですが、事務局より説明のありました包括指定について、委員の先生方、いかがでしょうか。
○□□委員 今、課長さんから説明いただきましたが、少し教えていただきたいのです。明確性の確保ということの説明で「外延」という言葉が出てきたわけですが、この外延という言葉がいきますと、例えばアメリカのアナログ規制、それから英国のデリバティブ規制、これはどう解釈されることになるのでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 そこは正直言って、アメリカの事例、イギリスの事例などを用いながら、関係省庁とも議論はさせていただいたわけですが、そのような意味では非常に有力な参考事例になるということでは、おおむね意見は一致しているかと思います。
○望月部会長 ただ、アナログとかデリバティブという言葉の定義自体も、私は人によって違うと思うのです。科学者が考えても、多少違います。
○監視指導・麻薬対策課長 そのような意味で、そこは一般論ではいろいろ議論はできるのですが、誘導体がどこまでの誘導体なのかというのを具体的に物で見た上で、最終的に外延がはっきりするかの判断になろうかということで、一般論では今申し上げたとおりということです。
○望月部会長 やはり物というのをここで規定して、アナログとかデリバティブはあるけれども、この物については規制するという、個々の物で規制しているのですか。
○監視指導・麻薬対策課長 個々の物というか、そこはやはり包括ではあるのですが、それが誘導体といった時にどこまでなのかというのが分かるかどうかということになりますので、それは個々の物を見ないこというのが最終的な結論になります。
○望月部会長 分かりました。
○□□委員 これもこの場で決めるとか、討論するという話ではないと思うのですが、前から気になっていることがあります。資料4の「指定薬物制度の概要」という中で、「1.中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用」です。こういう文章で必ず「精神毒性」という言葉が出てくるのですが、この精神毒性とは何であるのかという問題が少し前から気になっているものですから、何らかの規定を付けておかないと全く言葉の定義の問題になってくるので、これもまたこの場とは違うかも分かりませんが、どこかで検討していただいた方がいいかと思います。
○望月部会長 いかがでしょうか。今の厚労科研では、そのようなことも含めて検討が進んでいると理解してよろしいですか。
○事務局 この精神毒性というところの定義まで踏み込んだ形での検討はなされていないところと聞いています。
○監視指導・麻薬対策課長 少し補足で申し上げます。先ほどのアメリカ、イギリスの事例ですが、今回御紹介した事例は過去のものです。最近、アメリカ、イギリスでもいろいろな動きがあるようですので、最近の状況、それから、具体的な物質群、どのような物質群で包括がなされているのかということについては、次回、資料としてお出しして、皆様で御議論していただければと思っているところです。
○□□委員 例えば包括指定で指定された場合にでも、一応今のようにパブリック・コメント等の手続きはきちんととっていくのですね。包括指定ではこのような審議会での検討は省略されるわけですが、それ以外は同じプロセスを踏むのでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 いや、手続き的には包括指定をしてしまえば、もうすぐそれが規制対象になるという制度です。
○□□委員 それは見つかった段階で、すぐ発表されるということですね。
○監視指導・麻薬対策課長 見つかったというか、具体的に日本での流通実態が無くても、一応、規制対象としますので、おっしゃるとおり仮に見つかって、それが具体的に販売等の声が出た瞬間に、それは規制対象として規制するということです。
○□□委員 その時には、もう既に罰則は強化されているということですか。
○監視指導・麻薬対策課長 当該罰則には適用になるということです。
○望月部会長 物質がそのまま、それ自身が無くても、その構造を規制してしまえば、規制対象になるということですね。ですから、そういうことができるような、QSARその他で、きちんとしたデータがほしいということだと思うのですね。
○□□委員 現行のプロセスですが、薬物が見つかってから構造が決まって、□□□□にあるとか、バインディングに既に文献があるなどということから規制していますが、包括指定となる、既に□□□□、文献に現れているものは規制対象となる。
○監視指導・麻薬対策課長 個別の物質になりますと、それは包括というよりも、むしろ後ほど御審議いただきますが、あらかじめ個々の物質を流通実態が無い前に指定をする方法はないだろうかということで、先生がおっしゃるように例えば外国で被害事例がある文献等で危険性が紹介されているというものがあった時に、それは今までは日本で流通実態を踏まえた上での規制になっていますが、日本に仮に流通実態が無くても、諸外国情報を基に規制をすることはあり得ないだろうかというのは、後ほどお諮りする予定です。
○□□委員 包括指定の中に、今から下心を持って、売ろうとしている薬物が包括指定の中に入っているか入っていないかということは、どういう確認になっていくと理解すればよろしいでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 そこが正に外延の明確性の話で、罪刑法定主義の観点からすると、そういう邪なといいますか、思惑を持った人がこの物質が対象になっている、なっていないということが判断できなければ、やはりそれは包括指定という形での罰則の対象にはし得ないということです。先ほど少し説明がありましたように、麻薬などで実際今、類似物についての包括的な書き方をしているような事例もありますので、そのようなものも参考になるのかと思っております。
○望月部会長 少なくとも分かるような形で指定するわけですね。
○□□委員 これから包括の規模ですとか、どういう形でやるかという話合いがなされていくかと思いますし、今この場で細かいことをお話するつもりはないのですが、例えば□□□□□□□□□の場合ですと、英国において□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□包括指定がなされています。日本においても、前回の指定薬物で指定された化合物ぐらいまではこの□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、今現在、流通している化合物は、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□包括の範囲を考える際は、そこのところも少し留意しなくてはいけないかと思います。
○□□委員 今後の議論に一つひとつ具体的なものを詰められると思いますが、最終的にまた包括とは何なのだろうという定義のところで、結局規制された側とこちら側とで言い争うような形になっても問題なので、かなり明確な物質がきちんと規定されるような指定の仕方は残しておく必要があるのではないかと考えております。
○監視指導・麻薬対策課長 包括指定も、ある意味では一つの方法論ですので、当然、個別指定もやります。その個別指定のやり方の中で、例えばより迅速に指定するという形のやり方もあろうと思いますので、今回お諮りするのは、すべてを包括指定にしようということではなくて、あくまでも指定のバリエーションといいますか、速度と指定の仕方、バリエーションを増やすことで、先ほど言ったいたちごっこへの対応をしていきたいというのが私どもの意図です。
○望月部会長 物質を決めるのは楽なのですが、その物質は本当に包括指定の中に入れるべきかどうかというのは、先ほどの資料4の3ページの右側の○の付いている所ですが、「指定薬物については、中枢神経系の作用に関し高度の蓋然性を有する」ということを入れて、これが「通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ち得るもので足りることが指定要件」と、この通常人が疑いを挟まないというところが、非常に難しい定義ですね。通常人というのは誰だ。ここにいる人が全部、通常人であるという定義が、私は一番いいと思うのです。そうしないと、疑いを差し挟む人がいっぱい出てくるので、通常人はそういう意味にとって、この委員会で考えたことは通常人が差し挟まない程度に確信を持ったものであるというところまで持っていく必要があるのではないかと思うのです。そうしなければ、このままですと、通常人がいっぱい出てきます。私は通常人であるけれども、これはおかしいとか、そういうことではできないので、そういう意味で私はとりたいのですが、いかがでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 補足して説明させていただきますと、論点としては今、部会長がおっしゃったように2点ほどあります。一つは先ほどから御質問いただいている、いわゆる法制的な面からこれが該当するという、ある意味では明確性、それが先ほどから申し上げている外延性になるのです。もう一つは、まだ健康被害の実態が、ある意味では包括指定の場合は外国でも健康被害事例などは無いかもしれない。要するにそういう実態などは無いままに、ある意味では推定によって、ある意味では先ほど精神毒性という言葉が出ていましたが、健康被害の可能性を推定すると。おそらく二つの点で、この包括指定の意義といいますか、課題があろうかと理解しているところです。
○望月部会長 包括指定に関して、ほかにいかがでしょうか。
○□□委員 この場でお話することではないのかもしれませんが、分析をする立場の人間は、包括の規制の仕方、規制範囲などにもよるかと思うのですが、今後、科学的な分析データなどが無い状態で、グループとして規制された化合物のいずれかに相当する可能性があるか同定作業をしていかなくてはならない状態になるかと思います。地方衛生研究所や税関など、分析してすぐにデータを出さなくてはいけないという方々にとって、規制化合物の構造が明確に決まっていれば、予めそのデータとか標準品をたよりに、自分が分析したのが確定まで至らなくても、これは規制化合物だ、これは規制化合物で無いという判断ができるのですが、それがなかなかできない状態になってしまいますと、現場がかなり混乱することが予想されます。規制の仕方にもよるかと思うのですが、その辺は留意しながら考えていただければと思います。
○望月部会長 分析化学でいろいろ、マススペクトルを使うとか、予想される構造を分析で調べるということだと出てくると思うのですが、結構大変なことだと私も思います。
○□□委員 前回も言っておりますが、包括規制というのは、個人的には何らかの形で考えざるを得ないと思っております。その一方で、研究等を含めて、あるいは医薬品の開発にもかかわるのでしょうけれども、使える自由という言い方も変ですが、その道も残す必要があると思うのです。ですから、これは私の前からの持論なのですが、ある側鎖を少しいじくって変えたもの、これが包括に引っかかっても、実はこれは簡単に言えば、そんなに危険ではありませんというデータを示すことによって使えるようになるとか、何かそういう道を残すことも同時に考えていただきたいと思います。あと、これは国としてどうなのでしょうか。包括規制になっていくと、どんどん試薬すら手に入らない現状が出てくる可能性があるわけです。そうなってくると、ある意味での標準品を常に国のどこかがストックしておいて、研究者が使いたい時にはそれなりの手続きを踏むことによって、そこから供給されるとか、そういう体制作りも少し検討していただいた方がいいのかと思っております。
○望月部会長 ただ今の件について、いかがですか。
○監視指導・麻薬対策課長 まず、最初のお話ですが、イメージとしては多分この物質を包括指定するという形になった時に、従来の手続きどおりであればパブリック・コメントをかけると。その中で、研究者の方々から、要するに包括指定の中でも、この物質については御指摘のような健康被害の影響が無いのではないかというようなものがあれば、やはりそれは除外していくようなことも考えなければいけないと考えております。それが今のパブリック・コメントの手続きで可能かどうかというのは、まだ私どもも白紙の状態ですので、そこで包括指定をする場合、特に必要な手続きが必要かどうか、今の御指摘を踏まえて私どもは検討していかなければいけないと思っております。
 後者の方については、国の方ですべての供給ができるかというのは、なかなか難しいところがあろうかと思いますが、御指摘について何かできるかどうかについては、検討したいと思っております。あとは、先ほど出ました標準品の話についても、必要な体制整備については検討していきたいと考えております。
○望月部会長 今のお話で、包括指定で医薬の製造に用いるものを外すということもあるかと思うのですが、外さないで例外的にその使用を認めることもあり得ると思うのですが、それはあるのですね。
○監視指導・麻薬対策課長 そこは現在の省令の対象をどのようにやっていくのか、手続きの簡素化も含めて、そのような事態があれば検討しなければいけませんので、その辺は現段階で俯瞰はありませんが、いろいろな選択肢については検討していきたいと思っております。
○□□委員 国民をドラッグから守るという意味で、こういう規制を強めることも重要です。ただ、先ほどの□□委員の発言で少し懸念していることがあります。どんどん合成技術も上がっていますし、情報もあるので、本当に想像できないようなものが逆にボンと出てきてしまう。今いたちごっこをしているからこそ、まだこの程度で済んでいたのに、逆にとんでもないものが出てしまったら、どうしようかという懸念を先ほどの□□委員の発言から感じたのです。包括指定を否定するものではないのですが、懸念を申し上げたいと思いました。
○望月部会長 今あるものから広げて包括指定するのですが、全然考えの違う一つのグループがパッと出た時にどうするかということですね。
○□□委員 はい。
○望月部会長 それはそのものを個別には当然規制して、それから新たな包括ができると私は理解しています。
○□□委員 逆にこの辺を少しルーズにしているからこそ、この辺で収まっていてくれているという考え方もあるかと思ったのです。議論を変な方向にしてしまうようで申し訳ありません。
○望月部会長 それも大事なことだと思います。ほかには何か御意見はありますか。
○□□委員 大学でもし学生に教えるとしたら、どう教えればいいのだろうと悩んで今の議論を聞いていたのですが、要するに先ほどの話の基本骨格を基本にして、この範囲を包括というように、非常にサイエンティフィックなベースでお話ができるような種類の話なのか、より社会医学的な観点から伝えていくべき事例の話なのかということが、聞いていて私自身も混乱しているのです。それは今回の包括規制という制度の中ではどっちにウエイトがある、つまり、より社会防衛的な発想を強く持った制度として理解した方がいいのか、もう少し純粋に包括するという規制をする上のテクニカルな意味での制度なのかということが非常に混乱して議論がされているような気がしたもので、そこを整理して誰か教えていただけないかと思うのですが。
○監視指導・麻薬対策課長 非常に難しい御質問で、実は要するに今回、包括指定を事務局として提案させていただくのは、まさに社会防衛的な観点からの動機付けという形でお願いするわけです。ただ、実際にやるに当たっては、当然、行政処分に直罰を含めた、いわゆる規制法規ですので、そこには当然、科学的合理性の範囲内でないと、そういうのは法制上ですね。要するに、社会防衛的という社会的要制だけで罰則をかけるというのは、おそらく薬事法体系、科学的合理性が根拠になった法体系ですので、それはやはりできないだろうということで、私どもは科学的合理性について、この部会ではお諮りするというような立場です。
○□□委員 動機はそうだけれども、実際には科学的な根拠を持ってやらなければいけない制度だということですね。
○監視指導・麻薬対策課長 はい、そういうことです。
○□□委員 分かりました。
○望月部会長 化学構造というのがやはり主体になるわけですね。作用だけでということはできないですね。化学構造を主体として、そういう作用が予想されるものを規制すると。ほかにはいかがでしょうか。本日はいろいろな委員の意見を出していただいて、それを今後の参考にするということで、決めることではありません。□□委員、お願いします。
○□□委員 薬物依存の臨床に携わっている者として私が思いますのは、これまではいろいろな問題薬物があるうちの一つとして脱法ドラッグがあるというように見ていたのですが、ほかの違法薬物を使っていた患者さんが脱法ドラッグに流れ込んでいるという傾向が見えてきていることと、治療する側としてはどういう薬物かということが、尿検査等で分かった場合は対処法が分かるのですが、脱法ドラッグというだけで、いろいろな作用、いろいろな症状が出るがために、本当にそれがドラッグによる症状なのか、元々また別にある症状なのかも分からず、本当にいつどういう症状が出るかも予想がつかないということが起きてきています。いくつもあるドラッグの一つというところから、もしかしたら脱法ドラッグというところが主流になっていくのではないかという危惧さえ持っているということで、違法ドラッグを使っていた人たちはやはり犯罪性ということが抑止力になっている面も多々あったとは思うのですが、そこが外されるということで、今まで近寄らなかった人たちも入ってくるということで、爆発的に広がるかもしれないという危惧があります。
 本日も、病院を出ようとしたところで脱法ドラッグを使って大暴れしているというケースの連絡が入って、警察が対処したけれども、尿検査で何も引っかからない。そこで、とりあえず落ち着いたから引き上げてしまうということです。家族はどうしようということでの連絡が入っていました。警察の対処は法に則って限られてくるでしょうし、ドラッグが入ることで急激に大暴れするようなことが起こるというケースがいろいろあります。
 また別のケースでは、使うことによっていきなり動けなくなってしまって、救急搬送されて、結局そこでも物質が分からないまま入院して家に帰されたけれども、今後どうすればいいかと、家族が途方に暮れていると。こちらもつかみどころが無くて、対処しようのないという点と違法薬物を使っていた者、あるいは今まで違法だから近寄らなかった人たちが脱法ドラッグに流れ込んでいて、この2点が私どもが診療に当たっていても非常に困惑しているところで、いよいよ猶予していられないという実感を持っています。そういう感想です。
○望月部会長 何かコメントはありますか。
○監視指導・麻薬対策課長 実は、まず違法ドラッグに流れ込んでいるというお話ですが、一つの対応としては完全に規制する場合は私どもの最終的には、やはり所持規制、所持の禁止、使用の禁止までもっていくためには、可能なものはどんどん麻薬にしていくことで、いつまでも違法ドラッグのままにはしておかないと申しますか、その辺の迅速な麻薬指定は一つの課題であると認識しているというのが1点です。
 2点目は非常に悩ましいところで、実は私どもが今回皆様方にお諮りする時、先ほどの資料ですが、1ページに「違法ドラッグの使用による健康被害」と仰々しく書いてあるのですが、実際これについても、私どもは具体的にこれがいわゆる違法ドラッグによる健康被害かどうかを確認する術がありません。そういうことで、逃げという形ではないのですが、「新聞報道等による」と書いてあったのは、新聞報道でそういう報道がなされた事例ということでしか、今の段階では把握できないというのが実態です。この新聞報道も、最初はセンセーショナルに「違法ドラッグによる健康被害」という形で出るのですが、後々警察等、若しくは医療機関等から情報を取ってみると、やはり今、先生が御指摘のように、因果関係については不明であるという形で終わってしまうケースも、この中には相当数含まれているというのが現状です。その辺の医療機関、警察等との情報収集・交換をどのようにやっていくのかというのは、今回、情報の収集・提供も一つの私どもの政策課題だと考えておりますので、その中でまた皆様方に御相談したいと思っております。
○望月部会長 先生が言われるように、何も出てこないということは、もう既に新たな範疇のドラッグができているのかもしれないですね。ほかにはどなたかありますか。
○□□委員 今の□□先生の御発言とかなり同じような考えを持っていまして、例えばこういう場でこれまで討論してきたものは、基本的には依存性薬物という流れの中で、あるいはそれを一つの概念として据えながら考えてきていると思うのですが、実は今、患者さんの中で脱法を使っている方々は、いろいろなものを使っているからどれを使うとどうなるのだという因果関係を本人自身が分かっていないのです。説明できないのです。
 ただ、□□先生に言われて、そうだ、そうだと思ったのは、動けなくなるという患者さんが多いのです。これは、それこそ精神毒性でもなければ依存性でもないわけで、むしろ世間でいう「毒」という概念の方がぴったりくる症状を呈する方が結構いるという事実は、これは臨床的にあるのだと思います。そうなってくると、そのような物質については今後どういう持っていき方というか、指定していくのでしょうか。そういうことも少し考えていく必要が現実問題としてはあるかと思っています。
○望月部会長 そういうのも頭に入れるということで、事務局の方で押さえていただきたいと思います。とりあえずこの問題については良いかと思いますが、包括指定の今後の検討について、事務局から何か説明がありますでしょうか。
○事務局 包括指定については、ただ今いただいた御議論、御意見を参考にしながら、厚生労働科学研究において引き続き、構造類似性であるとか、化学的性質、知見に基づいて、知見を整理して、今後、指定薬物に該当する物質群に関する検討を進めるということにしたいと考えております。
○望月部会長 続いて、迅速指定について、事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 資料5「指定薬物の迅速な指定に関する検討について」です。指定薬物が指定されると、その物質の流通は急速に無くなっていくということで、ここに参考に図を示しております。この指定薬物は、当初は硝酸系が多かったのですが、最近はそれが見られなくなってきて、合成カンナビノイド系の指定が多くなってくるという状況になっております。こういうことで、指定をすることが市場の流通を防止する、乱用を防止するということに非常に有効であると考えられますが、このためにできるだけ迅速に薬物を指定していくことが有効になってくるというように考えられます。この資料では、違法ドラッグ対策として、指定薬物の指定を迅速に行うための方策について提案させていただきたいと思っています。
 2の指定手続きについてですが、この部会はおおむね年2回開催させていただいていて、対象となる物質について、それが指定薬物に該当するかどうかということで、諮問をさせていただき、答申をいただいて、その後、事務手続きに入るわけです。パブリック・コメントであるとか、省令を施行した後の周知期間などをおくと、おおむね議論が終わってから2か月程度かかって、その後に規制がかかってくるという状況になっております。こういった状況ですので、なるべくその辺のサイクルも早くしたいというところがあります。
 2ページの「(2)指定のための要件」ですが、こちらに五つ、1.〜5.まで挙げております。現在勘案しているのはこの五つになるわけですが、このうち1.〜3.が指定薬物になるかどうかというところの判断に使われるもの。4.と5.が実際に取締りをするに当たって考慮しなければならないことということで、これらを勘案しているわけです。このうちの1.と3.については、試買調査であるとか、いろいろな調査によって実態把握をした上で考えている。2.についてはデータを集めるということですが、いろいろな情報を集めて評価をするわけですが、データが無い場合にはこれは改めて試験をしなければならないということで、この試験をしなければならない部分が、やはり指定検討のための一つの律速になっています。
 4.と5.については、取締りに当たって、先ほども話が出ておりましたが、標準品であるとか分析法を確立しておかないといけないということで、こちらのところも近年検出される薬物については試薬の販売業者がいなかったりするということで、こういったものを準備したりするところにも費用の負担であるとか、時間がかかるという状況です。
 こういった状況を踏まえて、試買調査などで明らかに新しい物質が発見された時には、国立医薬品食品衛生研究所などで物質の同定が行われて、指定のための検討が開始されているところです。指定物質になると、その物質が見られなくなるということで、新たな物質が登場すると、ここもどんどん新たな物質が登場していくのが見込まれるところで、迅速に指定をしていくことになると、指定されると物が無くなるということですので、実際の分析の事例は減少していくという一方で、分析が困難となるという状況が増えていくことが想定されています。こういった場合でも、分析法であるとか、標準品が無いようなところで指定をすることについて、御意見をいただければと考えております。また、こういった場合は、当然のことながら地方衛生研究所での分析支援体制の強化であるとか、標準品の供給体制の整備などということも強化を図る必要があると考えておりますので、そういったところの検討も進めたいと思っております。
 2番目の律速になっているとした中枢神経系への影響を推測するためのデータについてです。4ページですが、科学的に指定薬物の該当性を判断する時に必要なものですので、こういったデータは重要なものですが、乱用薬物が新しければ新しいほど、そのデータの収集が難しいということで、独自にデータを収集しなければなりません。先ほど触れましたとおり、新たに試験をするには時間的にも費用的にも負担が大きいということで、乱用物質の構造類似性の比較であるとか、類推手法を用いるなどして中枢神経系への作用を有する蓋然性が高いことを確認するための新しい手法を検討することが必要だと考えています。これまでの事例では、対象となる指定薬物と構造活性相関データと当該薬物の海外における死亡事例といったものから指定したという事例がありますので、今後もこういった方法がとり得るということになろうかと思います。
 4ページの一番下で、「海外で乱用が報告される物質の予防的指定」です。最近、国内で発見される新たな物質については、海外から導入されるものが多くなっているということで、その場合には海外で規制されているようなものも、この中には含まれています。こういったものには、中枢神経系への影響のデータがある程度入手可能なものも含まれていると想定されるので、こういったものについて国内での流通がまだ無い段階で、国内での流通を未然に防止するために、海外で流通が見られているものについて事前に指定しておくという方法も有効であろうと考えられます。こういった方法もとり得るかということに関して、御意見をいただければということを考えております。
 6ページの指定頻度に関する検討ですが、現在、当部会に関しては年二回開催して御審議いただいていますが、開催頻度を上げることで指定の頻度を上げて、新しい物質が販売される期間を短くして、対策を強化したいと考えております。
 提案をまとめさせていただくと、今申し上げました部会の開催頻度を上げて、指定の頻度を増やすということ。それから、指定要件の弾力的な運用による指定の検討を具体的には海外で先行している流通実態のある新規乱用の指定をさせていただければと考えておりますので、これについて御意見をいただければと思っております。
 参考として書いているのは、薬事法の規定では緊急を要する場合に、特例として指定薬物を指定するという方法がありますので、これまで前例がありませんが、こういったやり方もあり得るかということで書かせていただいているものです。資料については以上です。
○望月部会長 ただ今事務局から説明がありました迅速指定について、委員の先生方から御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○□□委員 海外で行われている類似の制度があったら、どのように運用されているのか教えていただければと思います。
○事務局 申し訳ございません。海外制度の知見はただ今、持ち合わせておりませんので、それは調べまして、次回以降、御説明させていただければと思っています。
○望月部会長 この部会、指定薬物部会の開催頻度を増やすというような、この提案に対してはいかがでしょうか。年二回を大体、年四回ぐらいというお考えですか。年三回ぐらいですか。
○監視指導・麻薬対策課長 そこは、回数は予断をもってという感じではないのですが、二回以上であとはそれこそ、その間で随時一、二回という感じで、特に定例的に年何回、四半期に一度とか、そういう決め方をするつもりはありません。
○望月部会長 分かりました。ほかはいかがでしょうか。
○□□委員 ここでの発言が適切かどうか少し分かりませんが、中枢神経の影響を類推するためのもう少し方法論的なところも開発が少し必要なのではないかと思います。つまり、構造が分からないものをもう少し測定、推定できるというような実験系を少し考えないといけないのではないかと思っています。つまり、現行の行動薬理実験ですと、実験のためにある程度大量の化合物を合成する必要があります。ですから構造を決定する必要がまずあります。
 ですから構造が確定しない段階で、例えばこのリキッド、この粉末に中枢神経作用の蓋然性があることを比較的低用量で調べられるという実験系をきちんと持っていた方がいいのではないかと考えました。そうしないと、どんどん新しいものが出てきた時に、何が中枢に作用しているのかということが想像できないのではないかと思います。中枢神経系の基礎研究をしている人間としては、そのようなところをきちんと実験系で押さえないと、やはり科学的根拠を提出することはどんどん難しくなっていくのではないかと思います。
○監視指導室長 今の御指摘については2点あると思うのですが、一つは海外で既に流通実態があるような乱用薬物の規制を日本で早く行っていくということについて言えば、先ほど来、海外での規制制度について、本日の時点で明確な紹介ができるような資料は提出させていただいていないわけですが、イギリス等においても日本と類似するような、いわゆる違法薬物になる1個前の段階の暫定的な指定という形で、流通規制をやっているようなものがあって、そのリストに指定をしていくような形でやっているわけです。そこにおいては、海外において一定のエビデンスをもって、中枢神経作用等についてのエビデンスを基に指定を行っているということです。この迅速指定について言えば、そのような海外に流通実態があって、海外の規制当局等でもエビデンスがあるようなものについては、この部会でもより迅速に指定ができるだろうということです。そういう趣旨で、この迅速指定については申し上げている部分です。
 ただ、一方で化学構造が分からないものという部分については、これは先ほどの包括指定に戻る話になってくるかと思いますが、できるだけ計算上の構造活性相関などというものを使って、科学的知見を補っていこうという発想ではあるわけです。先生が御指摘のように、実際の分析上の問題などの部分になってくると、実際の化合物が無いとなかなか困難であろうというところで、こういった部分はまた厚生科学研究で包括指定を検討する中で、少し検討課題として検討していただこうと考えているところです。
○監視指導・麻薬対策課長 補足して、同じことになるかもしれませんが、ここでお諮りしていますのは迅速な指定ということで、今、申し上げたとおりなのですが、そこは指定の時の科学的なエビデンスの部分と、あとは実際に物が出た時の分析のところと二つの論点があろうかと思います。指定については、科学的エビデンスは、要するに日本に流通の実態が無くても、外国などで一定のエビデンスがあるもの、流通実態があるものについて、その文献を基に指定していこうという発想、単純に言いますとそういう発想になるわけです。それが実際に日本に出た時どうしようかというのは、正に体制整備をどうしていくかという問題だと理解していますので、後者については私どもも政策課題として検討させていただきたいということです。
○□□委員 委員の先生方や事務局の御負担が増えるかと思いますが、集まってするかどうかはともかくとして、部会そのものを数多く開いて、迅速に指定していくことに対して、私は個人的には賛成です。非常に物質の入れ替わりが激しいので、最初の出始めたところ、若しくはその前にどんどん指定していくことによって出鼻をくじくというのは非常に大切なことだと考えております。
○望月部会長 その時も分析法と標準品というのが非常に効いてくると思うのですが、これはみんな国立衛研にお願いするということで、ここには試薬メーカーへの働きかけということが書いてありますが、これは可能かどうか非常に難しいので、むしろ国立衛研の有機化学部、あるいは生薬部ですか、その辺りのメンバーというか、スタッフを何かの形で増やした方がいいのではないかと思うのです。試薬メーカーが作ってくれてもなかなか作らないですからね。その辺りは合成のプロがいるところにお願いして、それをすぐ分析に回すということですね。分析法については、国内の衛研、地方衛研も全部できるような体制を作らないといけないと思います。ある程度の末端と言ったらおかしいのですが、費用をかけずにこれだけで上手くやろうというのは少し見えているけれども、それは無理だと思います。ほかにはどなたか御意見はありますか。
○□□委員 もう一つ気になる点は、海外のデータといいますが、今どんどん入ってくるのは中国からが多いので、中国はどのような形でこういう問題に取りかかっているかということも、情報として知りたいです。公開されたデータがあれば、ある程度の迅速指定に役立つデータが出てくるかもしれないと思いました。
○望月部会長 情報はありますか。
○監視指導・麻薬対策課長 今の段階では情報というものは把握していないので、どこまでできるか分かりませんが、どの程度の情報がとれるかは事務的に努力してまいりたいと思います。
○□□委員 中国に薬物依存研究所という素晴らしい研究所がありまして、日本では想像できないような本当に小さな2階建ての研究所の時から、現在の6階建ての素晴らしい研究所まで、私は10回ほど訪れておりますが、それこそ人員も多く、かなりの精度で研究を行っております。ですから、今の状況では日本はかなわないと思います。何とかしないと、日本の研究所もかなりしっかりした研究所にしていかないと、大変な状況になるのではないかと思っております。
○望月部会長 中国国内の規制については、その研究所が中心になって動いている。
○□□委員 そうですね。国立の薬物依存研究所になっておりますので、かなりの人員を揃えて研究を行っております。
○望月部会長 有効に規制ができている。
○□□委員 そう思います。その辺の詳細については分かりませんが、研究所の方の内容はそんな感じです。
○望月部会長 その辺りの情報をまた事務局の方でつかんでいただきたいと思います。
○□□委員 この部会の回数を増やすことには、基本的には賛成です。それはやむを得ないことだろうし、必要があれば、いつでもどんどんやっていただければと思います。また、少々くだらない情報ですが、未確認情報ばかりで恐縮です。おそらくこの時期にこういう会議が開かれるだろうということで、卸売りといいましょうか、大本の方では第6世代の準備を既に終了しているという情報が入っておりまして、結局そういうことなのだろうと思うのです。だから、どんどん会議を開いた方がいいかと思います。
○□□委員 この件に関して、いつも日程調整が非常に難しいものですから、インターネットでの会議というのは無理なのでしょうか。それをすれば、本当に頻回にやってもやれると思うのですが、結局、人を集めるのでどんどん延びまして、そういう方策は事務局では法律上、無理なのですか。
○監視指導・麻薬対策課長 法律上というより、持ち回り等のやり方が可能かどうか。薬事審本体の慣例とか進め方等の話との整合性もありますので、そこは少し宿題としていただきたいと思います。
○□□委員 ですから、インターネットであらかじめ迅速審議して、年に二回の時に追認するとか、そのような方策をとってどんどん規制していけば、随分早くなると思います。
○望月部会長 今、薬の審議では、薬事分科会では報告だけで、その前に部会で決めて、どんどん進めていますね。大きい問題があった時には分科会まで上げますし、分科会で報告事項に対して問題があれば、そこで否定して止めることもできるので、そのような形にもっていけば、この部会で済んだ段階ですぐ動き出すことも可能になるのではないですか。
○監視指導・麻薬対策課長 そうですね。部会の開催のやり方やいろいろな方法があろうかと思いますので、ほかの部会との兼ね合いなどもありますので、ほかの部会のやり方との関係とか、その辺をもう少し勉強させていただいた上で、どんなやり方が可能かはまた次回にお諮りしたいと思います。
○□□委員 それから、メーリングリストみたいなものでやれば、オンタイムで討論できますから、今日いただいたような資料をいただければ、十分インターネットでもディスカッションできると思うのですが。
○望月部会長 全員が賛成ということだったら、恐らく可能ではないかと思うのです。お一人でも反対、それは違うのではないかという時には集まることが必要だと思うのです。その方向も検討していただきたいと思います。□□委員どうぞ。
○□□委員 それについては、やはりセキュリティの問題が非常に怖いかと思いますので、旧式かもしれませんが、もし使うとしたら情報はインターネットを使わずに郵送によって流すという方法にしなければ、今はかなり怖いこともあるかと思います。
○望月部会長 ほかには、どなたか御意見がありますでしょうか。迅速指定に関しては、皆さんいずれも反対の方はいらっしゃらないという理解でよろしいでしょうか。その方式については、これから事務局に考えていただいて、開催頻度を増やすということは、ここで御承認いただいたと思うのですが、その線に沿って進めていただきたいと思います。これに関して、ほかはよろしいですか。
 包括指定の検討と並行して、指定の迅速化を図るため、国内では流通の実態は無いですが、外国での流通実態がある薬物に関する指定も行うという方向で検討を進めるということ。これについても御了解いただいたということにしたいと思いますが、よろしいですか。では、今後はそのようにさせていただきたいと思います。
 本日の議題は以上ですが、事務局から連絡事項等ありましたらお願いいたします。
○事務局 次回の指定薬物部会は、8月ごろに開催させていただければと考えております。日程については、別途、事務局より調整させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。また、本日の部会の資料は回収させていただきますので、そのまま机の上に置いていただければと思います。以上です。
○望月部会長 横綴じの資料は、持ち帰って読んでいただきたいと思います。
○監視指導・麻薬対策課長 ただ、資料は全体として非公開の扱いですので、そこだけ御留意いただきたいと思います。
○□□委員 教育に使うのは、よろしいですか。5月に大学で薬物依存の教育を頼まれているので、よろしいですか。
○監視指導・麻薬対策課長 はい。
○望月部会長 ほかには御質問等ありますか。
○監視指導・麻薬対策課長 本日、こちらに置いてお帰りいただきたいのは、一番最後の「□□□□□□□」と「□□□□□□□□□□□□□□」のこの2枚、あと「□□□□□□」です。
○望月部会長 この2枚だけは机の上に置いていただいて、ほかはもし御覧になりたいということだったらどうぞ。それでは、本日は御審議いただきまして、ありがとうございます。以上をもちまして、平成24年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 監視指導・麻薬対策課 課長補佐 渕岡(内線2779)

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