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2012年6月25日 第2回 高気圧作業安全衛生規則改正検討会議事録

○日時

平成24年6月25日
18:30〜21:00


○場所

厚生労働省22階共用第14会議室
(千代田区霞ヶ関1−2−2)


○議題

(1)標準減圧表について
(2)その他

○議事

第2回高気圧作業安全衛生規則改正検討会
日時 平成24年6月25日(月)18:30〜
場所 中央合同庁舎5号館専用第14会議室

○濱本主任中央労働衛生専門官
 それでは、「第2回高気圧作業安全衛生規則改正検討会」を開催します。本日は大変お忙しい中、また遅い時間からの開催にもかかわらず、お集まりいただきましてありがとうございます。資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料ですが、第2回の議事次第に配付資料が書いてあります。この順番で確認させていただきます。
配付資料1は空気呼吸・酸素減圧表(案)、これは川崎委員から提出していただいたものでテーブルが出ています。
資料2は混合ガス呼吸・酸素減圧表(案)(川崎委員提出)。
資料3は新減圧表の計算手法と現状(圧気土木について)(川崎委員提出)。
資料4は日本潜水協会提出資料です。これは本日、日本潜水協会からご意見をいただくということで、それに関する資料をいただいています。
参考資料1は高圧則改正検討会開催要綱。
参考資料2は「高圧則改正検討会」参集者名簿です。
以上ですが、よろしいですか。
 次に本日の出席者についてですが、前回、所用のためご欠席でした日本海洋事業の毛利委員が本日からご出席です。よろしくお願いいたします。本日、資料をご提出いただいた川崎委員の随行者として、本減圧表案の作成等に携わっておられるオリエンタル白石の近藤課長にも陪席いただいています。
次にオブザーバーですが、前回はご出席ではありませんでしたが、人事院福祉局職員福祉課から土田様にご臨席いただいています。また、本日、海上保安庁救難部の岩男様は所用のためご欠席です。写真撮影等がありましたら以後の撮影はご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます。
 本日は、前回の検討会で説明したスケジュールでいくと、減圧表及びそれに関連する酸素減圧、混合ガス使用等の検討の第1回目ということです。前回の検討会で座長から川崎委員、芝山委員とご相談の上で作成いただきたいということで、お願いしていた減圧表のたたき台ですが、今回、高圧室内作業における減圧表の原案ということで、まず第1弾としてご提出いただいています。先ほどの資料1、資料2です。この減圧表案をたたき台として、高圧室内作業についてのご議論をいただき、その後、潜水作業における減圧表についても方針等について、ご検討いただくようにお願いしたいと思います。そういう流れで本日は進めさせていただきたいと思います。
一応、スケジュールでは減圧表に関する検討は次回も含め2回と考えていますので、よろしくお願いいたします。以降の議事進行につきましては眞野座長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○眞野座長
 こんばんは。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。いま濱本さんからお話がありましたように、これから第2回高気圧作業安全衛生規則改正検討会ということで、特に今日は減圧表をどういうふうに考えていったらいいか、その検討の第1回目ということになろうかと思います。いま事務局からもご説明がありましたように、前回、川崎委員、芝山委員に作成を依頼していた減圧表のたたき台、高気圧室内作業、圧気土木関係ですけれども、このご提出がありましたので、これを基に議論を交わし、その後、潜水業務に関わる減圧表についての考え方についても、ご議論いただくという進行で進めさせていただきたいと思います。踏み込んだ議論になろうかと思いますが、是非、円滑な進行にご協力をお願いしたいと思います。
 早速、本日の議事に入りたいと思います。川崎委員から、ご提出いただいた標準減圧表の案について、ご説明をお願いします。
○川崎委員
 前回の宿題であった標準減圧表の案ですが、眞野先生、芝山先生のご指導の下、配付資料の1、2ということでまとめて提出しています。それと資料3として、この減圧表の考え方等をまとめています。これについてご説明させていただきますが、本日は直接、眞野先生、芝山先生のご指導を仰いで、本減圧表の作成を担当した当社の近藤を同席させています。近藤のほうから説明させていただきたいと思います。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 オリエンタル白石の近藤と申します。本日はよろしくお願いいたします。早速、パワーポイントの画面でご説明したいと思います。
               (パワーポイント開始)
 早速、「新しい減圧表の計算手法と現状」と題し、ご報告したいと思います。本日の内容の構成は、1.ビュールマンZH-L16モデルの採用について。
2.減圧計算式。
この2項目に関して、ビュールマンモデルの採用についてと、そこで使われる減圧計算式について報告資料があります。これは厚生労働省の研究事業として、眞野座長が取りまとめた平成20年3月の報告書になりますが、これに非常に詳しく載っています。今回提出したのも基本的にはこれに載っている計算式ですので、1.、2.については簡単に紹介する程度で進めさせていただきます。
 3.圧気土木:減圧表計算に用いる諸条件、これは、計算式を用いて計算する時の入力条件になります。本日、ご議論いただく重要な要素となります。
 4.圧気土木:減圧表の評価検証(安全率の設定)ですが、これは計算式をそのまま用いるのではなく、今までの減圧表の実績がありますので、その実績を検証し、フィードバックした形で減圧計算式のほうに盛り込みました。その考え方等をご報告したいと思います。
 中身に移りたいと思います。ビュールマンモデルの採用理由についてです。?は、基本的にホールデン理論の微分方程式を使用していて、トレースバックが容易であるということ。大項目の4項目で実行しておりますが、非常にトレースバックができることが、この採用理由の大きな理由になっています。?は、ヘリウムおよび窒素の2気体を扱える。これは実はビュールマンモデルでなく他のモデルでも使える共通の要素ですが、今後、混合ガスを使っていきますし、このビュールマンモデルは非常に扱いやすいことで採用しています。?は、組織の半飽和時間がより細かく、かつ長いものを含んでおり、Deep Stopや減圧時間の設定において、より安全側の時間が計算されます。これも大きな採用理由の1つです。?は、広く一般に利用され、かつ多くの臨床例から検証されているモデルで、これはご存じの方も多数おられると思いますが、ダイビングプログラムとして利用されている経緯もあり、非常に採用例が多くございます。臨床例から検証されている点が多いことも、今回、採用に至った大きな理由の1つです。?は、特殊なプログラムを使う必要が無く、比較的計算が容易で扱い易い。組織数も多くなって計算が煩雑になっているのですが、一つひとつの計算は、いまある計算表ソフトのエクセルでも、計算できるので、非常に簡便です。この5点がビュールマンモデルを採用した大きな理由です。
 次に、今まで高圧則として載っていた別表1と、今回のビュールマンモデルとの考え方の対比を示したのが、この表です。計算理論は、先ほど申したとおりホールデン理論をそのままこちらのモデルでも使っています。上から2番目に半飽和時間組織の数と種類とありますが、これは大きく変わって組織数が別表1では6、今回の組織数では16と多くなります。なおかつ、最長の半飽和時間が635という時間を採用しています。
 減圧制御の方法ですが、以前の別表1は減圧比という考え方で、下に注1として記述がありますが、減圧比というのは体内窒素分圧/環境圧力の比です。今回の理論では、ビュールマンのa,b値という数字がありますが、このaとbという値を求めて次のステップに下げてもいいですよという分圧値を求め、それを採用して減圧制御をいたします。
 酸素減圧ですが、以前の別表1では考えていません。しかし今回のビュールマンモデルでは、0.12MPa以下から実施することが標準となっております。
 最終減圧停止ですが、以前の別表1では0.03MPa、水深で言うと3mになりますが、今回の新減圧表では0.06MPa、水深で言うと6mが最終の減圧停止になります。
 業務終了後ガス圧減少時間ですが、以前の別表1では、潜水業務が終わった後、30〜60分という時間を確保するというルールがありましたが、今回の理論では分圧計算を行った結果、体内ガス圧の値は非常に低下していますので、その必要がないことがわかっています。
 次に実際の減圧計算式のプロセスです。左側が2気体の場合、右側が1気体の場合と分かれていますが、実際の計算方法は1気体の場合も2気体の場合も一緒です。ただ、上から3番目のプロセスに、a,b値を使った次の停止圧計算 式Eと、M値を使った停止時間計算 式Bとあります。この式は後ほど簡単にご紹介します。ここの部分が異なる点です。ここで言っている2気体はヘリウムと窒素の2気体で考えています。他の不活性ガス、水素やアルゴン等は考慮していません。ヘリウムと窒素の2気体として考える場合、ちょうど体内に含まれている分圧値を加重平均し、そのときのa,b値を改めて求めます。そのa,b値を使い、M値に換算するがありますので、こちらの1気体と同様に停止時間の計算を行い、最後の式Cを使って停止時間が求められるProcessが採用できます。実際にプログラムを作って計算すると、その計算方法のほうが非常に簡便です。
 実際の計算式を簡単にご紹介します。初期分圧ですが、最初は大気圧にいますので窒素が79%、酸素が21%です。その大気圧の状態から水蒸気圧を引いた値を圧力で掛けて7.45msw、これが最初の体内分圧の初期値です。これが16組織全部、同一のスタートになります。
 次のプロセスの式は減圧過程の体内分圧の計算式です。式が長くてわかりにくいのですが、これは加圧しているときも一緒で、圧力の上下により呼吸するガス分圧が変わります。そのガス分圧を考慮した式であるとご理解下さい。これは16組織すべてにおいてそれぞれで計算を行い、かつ、2気体の場合は窒素、ヘリウム各々の計算を行います。その分圧値を評価するときには、この窒素の分圧値、ヘリウムの分圧値を合成、単純に加算し、その加算した値で評価します。
 2気体の場合は、ヘリウムと窒素の体内に今ある分圧値の加重平均を取り、A値あるいはB値それぞれの計算を行い、それから、次の停止圧に下げられるM値と呼んでいる分圧値を求めます。その加重平均を求める式がこの上の式です。A値を、窒素の体内分圧値、ヘリウムの体内分圧値それぞれで求め、それを足し合わせたもので除算して加重平均を出します。それぞれ2気体の場合は加重平均したA,B値を使い、M値を求めて計算を行います。
 続いてこの式ですが、次の停止時間の計算を行い、答えがtという時間を求める計算式です。これは先ほどの減圧過程における計算式と基本的には変わりません。ガス濃度を求める加減圧、このRを使っている部分だけが違うだけで、基本的にはそれをtイコールに換算した計算式です。次の分圧がわかっていて、その分圧に今の分圧が、一体どれだけの時間で到達するのかを求める式です。
 最後の式ですが、これは圧力が一定の場合の体内分圧計算式になります。これも先ほどの減圧、加圧するときの式から、その濃度変化を除いた基本的な構成の式は同じです。
 これらの式を用いて、作業気圧として実際に潜水もしくは圧気の中に入っている圧力から大気圧まで、順次、繰り返し、大気圧0まで算出し、減圧テーブルを出力します。
 3.圧気土木:減圧表計算に用いる諸条件の定義です。ここからが今日の検討会の本題になると思いますので詳しくご説明いたします。この表ですが、空気呼吸 酸素減圧の定義がいちばん左、真ん中は、空気呼吸酸素減圧を行い、1日の作業で2回作業を行う場合の定義になります。いちばん右の欄は、混合ガスを呼吸して酸素減圧を行うプロセスにおいての定義です。
 空気呼吸の酸素減圧ですが、現状では深度8mから40mまで定義しました。減圧表の深度区分は2m、減圧表の時間区分は30分刻みにしております。加圧速度は従来と同じ8m/min以下、減圧速度は変更して、ボトムというのは実際の作業気圧のことですが、作業気圧から12mまでは8m/min以下、12mから大気までは1.5m/min以下と定義しました。この理由ですが、酸素減圧は12m以下から行うと定義しています。酸素減圧は減圧症発症に対して有効なので、その有効な部分を十分に利用するため、12mまでは早く到達し、12mからはゆっくり減圧いたします。呼吸ガスの組成比率ですが、当然、空気なので79:21%です。
 酸素減圧のときの組成比率ですが、酸素毒性計算では、O2=100%、減圧計算では、N2:O2=20:80%としています。この意図は、酸素毒性量は後で式をご紹介しますが、酸素の過剰摂取は酸素中毒のリスクが生じます。その毒性量を計算する際には、100%で考えると安全側になります。ただし、実際の酸素呼吸マスクが密着していないと100%の酸素呼吸が行えません。多少の漏れを考え、窒素が20%ぐらい混ざっていることを想定すると安全側になります。そのため、減圧計算式のほうでは酸素80%を採用しています。
 減圧プロセスですが、12mの第一停止圧から酸素減圧を実施することにしています。酸素減圧では酸素を25min、空気を5min呼吸し、それを繰り返します。総作業時間を430min以下としていますが、これは後でご説明させてください。最浅減圧停止深度を全部6mと考えています。最大作業時間は圧力に応じて変動ということで、これも今日議論していただきたい項目です。以上が空気呼吸 酸素減圧の定義です。
 次に、2回作業を行う定義を簡単に説明します。適用範囲は、8mから最大は20m以下とし、それ以上の深度では2回作業は利用しないと定義しました。あとは全部空気と同じですが、2回目のプロセスとして、次の作業にかかるまで120minの作業間隔を設けることを定義しました。
 いちばん右の混合ガス呼吸 酸素減圧ですが、適用範囲は35mから70mで考えています。35mというのは、先ほど空気の酸素減圧のときに40mまで設けましたので、ちょうどラップするところを設けたほうがいいと考えて35mとしています。最大の70mはいろいろ議論のあるところだと思います。
 減圧表の深度区分は少し粗くして5mです。3番目、4番目の項目は同じですが、減圧速度のところは深度が深くなりますので変えています。ボトムから30mまでは8m/min以下、30mから大気圧までは1.5m/min以下としています。この理由ですが、以前に委員会を立ち上げて混合ガス呼吸の議論をした経緯があり、その決定に準じています。
 呼吸ガス組成比率ですが、今回用意した減圧表の計算では、ヘリウム、酸素の2種混合ガスでヘリウムを82%、酸素を18%としています。この理由として、酸素の最大分圧、これは酸素中毒を防ぐ理由から1.44ATA以下とし、最大深度を70mまで考えると酸素の濃度は18%となります。残りをヘリウムで置き換えた混合比で今回の減圧表は計算しました。
 ガス呼吸プロセスですが、ヘリオックスの呼吸は深度が30mから呼吸します。また作業が終わり、30mまで減圧したら、呼吸ガスをヘリオックスから普通の環境ガスに変えるプロセスとしております。30mから12mまでは通常の空気呼吸を行い12mから酸素減圧になります。以上が、今回計算した減圧表計算に用いる諸条件になります。
 これはご相談ですが、先ほど総作業時間を430分にするという条件を提示しました。これは労働基準法の第34条にある、作業時間が6時間を超えて8時間以内だったら45分の休憩をとらなければいけないという制約を考え、最大作業時間を考えなければいけないとして示しました。先ほどの430分の考え方ですが、最大連続作業で480分、6時間以上、8時間作業を考えると、いちばん下のグラフになります。8時間の間に休憩時間を45分取らなければいけないとなると、最後に5分間取ったのが良いとか悪いという議論がありますが、その480分にならない430分を、高気圧の中に入ってもいい連続した作業時間として考えればいいのか、それとも休憩時間は作業時間に含まないものとして考えると、目一杯の例えば475分まで高気圧の作業に入り、その後、45分の休憩を取れば、この34条に抵触しないのか。是非、専門家の方にご意見を伺って今日の議論にしていただけたらと考えています。
○眞野座長
 それは後で厚労省で考えてもらう、我々はいいですよね。5分の取扱いをどうするかということは、お任せしたらいいのではないですか。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 もう1つの制約条件ですが、先ほど申しました酸素曝露量です。現状では1日あたりの酸素曝露量を600CPTD、1週間あたりの連続作業として捉える酸素曝露量を2,500CPTDとしています。このCPTDの計算式は真ん中に示している単純な計算式で計算します。このUPTDのUはUnitの意味で、単位あたりの酸素曝露量です。それを全部合計したのがCPTD:累積的肺酸素毒性量単位となり、単純にこのUPTDの値を全部足し合わせた計算です。これが1日に600、1週間で2,500を超えない量として、今回の減圧表もその結果を表記しております。
 先ほどお話した、以前、混合ガス利用における圧気潜函工法の健康障害防止に関する調査研究というのが、平成5年から13年に建災防で行われています。それをそのまま今回も採用しています。ここまでが減圧計算における諸条件の定義です。
 続いて実際の計算を行い、その計算結果について、過去の減圧表を使った実績から安全性を評価する話をいたします。タイトルは既往減圧表の分析による新減圧表への応用、体内分圧経時変化に着目した安全率の決定方法です。体内分圧を次の停止圧に下げてもいいと決めた、M値という数字で除算した比率で分析しています。数値計算における安全性を検証し、M値に対する「安全率」という指標で新しい減圧表に応用することができます。
 過去実績(減圧表)調査対象ですが、高圧則で示している別表1、またBPというイギリスの減圧表もかなり採用されていますので、これも対象としました。NORD-tableですが、これはフランスのstandard-tableをベースに、いま実際に香港のトンネル工事で採用されており、減圧症の発症率が非常に低く成績がいいと聞いています。MASO3と書いているのは「マッソ」と読ませていただきますが、これは従来も混合ガス減圧表とご理解下さい。この4つの減圧表を評価して今回分析しました。
 調査項目ですが、各減圧表の体内分圧の履歴を作り、その計算を行っています。またその履歴と、それぞれの減圧表と深度区分で減圧症の発症率を調査していますので、その相関性を検証しました。またそれぞれの減圧表の総減圧時間も特徴がありますので、その比較をしています。混合ガスにおいては減圧症の発症時の探究ということで、分析して調べています。
 分析指標ですが、先ほど申しました体内分圧と、次のステップに下りてもいいと決めた分圧値、M値の比を調べています。これが1以下でしたら、基本的に理論上は安全と考えていただければと思います。
 次に実際に減圧表のタイムスケジュールの傾向をご覧ください。これは先ほど紹介した別表1、BP、NORD-table、MASO3の、それぞれ40mで90分作業のtableを抜粋して示しました。この特徴ですが、赤のNORD-table、グリーンのMASO3は酸素減圧を標準としています。別表1、BP、MASO3は3mのラインを最低の停止圧として採用しています。NORD-tableは12、9、6m、それぞれの停止時間をほぼ均等にしています。なおかつ、このNORD-tableは同じ圧力、作業時間で非常に効率がいいことが、このグラフから読み取れます。
 近年の減圧症の発症率調査ということで、減圧症の発症率の調査票です。右下に示す表は古いデータで1984〜2008年、BPの表も2003〜2007年のデータです。やはり最近の発症率のデータで考えたほうがいいため、近年5年間の発症率を上に示しています。この発症率を見ると、別表1は10〜20mで前回の調査よりもだいぶ下がっていますが、20〜30mでは1%でほぼ変わらないぐらいです。発症率をなるべく下げるためにBPを多く採用していて、酸素減圧を使ったBPは前回の調査で1.3%だった発症率が、0.1%と非常に下がっています。この発症率を使い、体内分圧の比率を指標として分析をしています。申し訳ありません。これは手持の資料ではありませんので、すべて前の画面を見てください。
 これは、A工事、B工事という2つの混合ガスを使った工事で減圧症が発症した事例です。減圧症が1名だけ出たケースなので、本当にこれで評価していいのかという議論はありますが、混合ガスを使ったまれな発症事例ということで、あえて分析しました。A工事は本理論をいちばん最初に採用した事例で、発症したという状況です。
 この理論で体内分圧を計算して、M値で割った値をグラフに示すと、1が安全率のラインだと申しましたが、それよりは下回っていますけれども、21mから水平なグラフになっています。その後の対策として、通常の90分作業を60分作業にし、しかし90分作業の減圧時間を選択しました。60分作業にしてから1人も発症は出ていませんが、同じような考えでこのPi/Mを計算すると、点線で示したところまで下がってきます。ここまでPi/Mを下げると発症はしないと推測できます。
 また赤いラインのB工事は、当初、最大気圧を64mで考えていましたが、実際は54mまでしか圧力は上がらなかったケースです。先ほど酸素の分圧値は1.44を閾値にしていると申しましたが、この場合、酸素分圧を2%上げることができ、Pi/M値を点線まで下げられます。この点線まで下げれば発症しなかった、Pi/M値を0.9ぐらいまで下げれば安全だったのか。はっきりとは言えませんが、このグラフから読み取れます。
 続いて、MASO3という減圧表で同じような計算をしました。線が入り乱れてわかりにくいですが、同じ色は同じ深度で作業時間が違います。実線から徐々に破線、点線と作業時間が短くなりますが、これだけ見てもわからないので整理します。その前にPi/Mの数値について説明します。数値が見えなくてわかりにくいと思いますが、横軸は16組織ある組織数を表します。いちばん左から?1、いちばん右が?16になります。縦軸は停止の深度を示し、それぞれの停止深度、それぞれの組織、深度で、このPi/Mの値をしめします。その中で同じ深度でいちばん大きな値を着色しています。そうすると着色している値が、ここで言うと?6、?7、?8、?9と、徐々にいちばん支配的な組織が横にずれていくのがご覧いただけます。このいちばん支配的になっている数字、いちばんリスクが大きな数字だけをピックアップして、グラフ化しています。
 先ほどのMASO3のグラフですが、たくさんある深度と時間の中から、工事で採用している90分作業だけを抽出したのがこのグラフです。実際、このMASO3の実績が55mまでで、発症率が0.06%です。0.1%を切っていますので非常に安全性が高いと言えますが、この青いラインまでは非常に安全性が高いといえます。ただ、60mの赤いラインはまだ実績がないので現状では評価できません。
 同じようにNORD-tableでも計算しました。フランスのstandard-tableがベースだと申しましたが、この減圧表の特徴は、同じように点線や実線があり、同じ色は作業気圧が同じで作業時間が違いますが、どれも同じような形になっておりほぼ、この減圧表はビュールマンのモデルを採用していることがうかがえます。これも発症率等を眞野座長に調べていただき、発症は出ていないと聞いています。Pi/Mの値で0.95をピークとして、12mから酸素減圧を行い、酸素減圧の効果を最大限に利用して一気に6mのところまで、この値を下げています。最後、大気圧では上昇しますが、酸素減圧を有効に利用しております。先ほどのMASO3のグラフと比較するとよくわかると思います。
 続いて、これは標準減圧表の別表1です。10〜20mのときに発症率は0.05%、計算したグラフは右斜め上に直線状に上がっていくグラフになり、最終の大気圧になっているところは1を超えていますが、発症率はそれほど高くなっていません。同じように20〜30mの発症率は0.93%ですが、グラフを見ると9mと6mのところで1を超えています。最後の大気圧では10〜20mとほとんど変わらないので、減圧症の発症率に影響を与えているのは、9mから6mの値ではないかと推察されます。同じように30〜40mの別表1の表ですが、これはちょっと分析しようがないぐらい1を超えている値が非常に乱立していて、先ほどNORD-tableで見たような整合性もありません。表1は、少なくともビュールマンモデルを採用していないのは明らかなのですが、1も超えていますので減圧症の発症率の影響要因と考えられます。
 次に、BPも同じような計算をしてみました。これは20〜30mですが、いま実際に使っているのは、25mまでは酸素を使わず、25m以上は酸素減圧を使用しています。ピンクのラインは酸素を使っていないとき、青や赤は酸素を使っているときです。当然、酸素を使うと下がります。これは混在しているグラフになっていますが、発症率は0.16%と低いレベルで、このグラフを観察すると、1よりも9mや6mのラインでは下がっています。ピークで言うと0.95よりも下回っている。最後の大気圧に出ているところは1を超えていますが、先ほどの別表1のグラフと同じように、この部分ではあまり発症率に影響はしていないかもしれません。
 30〜40mのプラックプールも同じように行いました。このグラフを見ると、先ほどのNORD-tableと非常によく似たグラフです。12mから6mまで急激にPi/Mを下げています。この下がる率もNORD-tableとほぼ同等で、発症率は0.12%と非常に優秀な成績です。
 今までのPi/Mの値を総称してまとめると、減圧表の安全率αを決定する際に、体内分圧がM値に対し、安全率に換算すると1.1という値になりますが、0.9の範囲内に収まるような数値にすれば、かなり安全性が高まるのではないか。また分圧値が突出する場合においても最大で0.95、安全率で言うと1.05以下に抑えれば、かなり有効なのではないかということが、この分析結果から言えると思います。また各停止深度ごとに安全率を定め、停止圧が21mから抑制していく。先ほどのグラフに戻ると、安全性で疑問がある、これなどは21mから0.9を超えて0.95に近づいていますから、ここら辺もそうですね、21mぐらいから0.95という値で、0.9はその前から超えていますけれども、そのような傾向を鑑み、21mから安全率を採用する、また体内分圧がM値に対して12mから6mの間に、その効果比率、Pi/Mの値ですけれども、0.15程度低下を目指していくことで、停止圧12mで長時間保圧するような安全率を定めていく。そうすることで非常に効率的で安全性の高い減圧表が作れるのではないかと考えました。
 ここからは計算によるトライアンドエラーを行い、最終的に決めた安全率がこの表になります。混合ガスの減圧表は、82:18%の比率とし、安全率は21mから採用しました。また12m、9mでは通常よりも高い安全率を定めています。混合ガスのほうではこういう安全率を定めて求めています。8〜40mの標準減圧表ですが、これはそれぞれ10〜20、22〜30、32〜40ということで、深度が上がると発症率が高くなっていくことを考慮し、混合ガスのときよりも高い安全率を採用しました。かつ、12m、9mもしくは6mも、それぞれ安全率を深度が上がるごとに高くして計算しています。
 安全率を考慮して最終的に計算したのが、今回、提示した資料1、資料2です。この減圧表の見方を説明いたします。お手元に配った減圧表は白黒ですから見えませんが、減圧表のいちばん左は帯底圧力で作業深度を表示しています。高圧下時間は30分刻みで表示し、真ん中のところにヘリウムと窒素の濃度、これは混合ガスも想定し同じ書式を使ったので、そのまま残っていますが、空気の呼吸ですので窒素は79%になります。減圧の停止時間をそれぞれ求めていますが、24m、21mは停止の深度です。上段の記載は、15mまでは空気呼吸、それからは酸素減圧を12mからするという表示です。減圧速度も12mから変わります。減圧の総減圧時間、作業時間も含めた総作業時間、累計のCPTD、あと実際に別表1と同レベルで比較し、時間が長い場合は+、短い場合は−として、それを別表1とBP表で比較し、それを8〜40mまで示しています。ここで着色しているのは、先ほど1日あたり取ってもいいCPTDは600と説明しましたが、600以上は、赤く示しています。600以上は許容量を超えますから、その作業時間は通常では使えないと考え、グレーで塗り潰しています。お配りしている資料がカラー刷りではありませんので、前の画面でご確認下さい。
 混合ガスのほうも同様です。しかし、混合ガスは作業のプロセスとして30mまで混合ガスを呼吸し、30mから12mまでは空気呼吸、12mから大気圧までは酸素減圧を行います。またCPTDと赤のライン、グレーのラインは同じ意味です。
 スプリットシフト方式(2回作業)の考え方を、最後に説明したいと思います。2回作業は先ほど申しました20msw以下の深度でのみ採用すること、次の作業時間の間隔を120min以上確保することが基本条件です。2回の合計作業時間が第34条基準を超えないこと、2回の合計累積酸素曝露量が600を超えないこと、2回目の減圧時間は、2回目の高圧時間を2倍した作業時間として減圧時間を選択することを基準としました。2回目が実質作業60分ならば、120分作業したとして120分作業の減圧時間を採用するということです。この理由ですが、20msw以下でこれを採用すると、先ほど計算した減圧表では20mswで300min作業が、いちばん過酷な状況になります。この分圧を計算したところ、120分後の体内窒素分圧は、新たにこの20msw、150min作業したのと同等レベルになることがわかりました。そうすると300minのうち、150min作業したのと同等レベルの分圧値が体内窒素として残っていると考え、次の作業では作業時間を2倍取ると考えれば余剰分圧をほぼ相殺いたします。
 以前の別表では別表3という別の表を用いて、新たに直線を引くなど作業員の手間がありましたが、このルールで決めてしまえば、1つの表で、ルールだけ明示しておけばいいので、管理上も作業するほうも簡便です。
 長くなりましたが、以上で報告を終わりたいと思います。
○眞野座長
 予定どおりの時間にまとめていただき、ありがとうございました。今日は、いろいろな話題提供があり、ご理解いただく上で大変だったと思いますが、これから考えますと、新しい減圧表というものは、酸素減圧をベースにして行うことで、非常に作業効率もよくなりますし、安全性に対しての高い安全率を維持できるのではないかということがありますので、有効な減圧表は酸素を基軸として考えたらいかがでしょうかと。これはすでに日本以外の欧米は酸素減圧がベースになっており、日本だけがというか、東南アジア地区が少し立ち遅れているのが現状であることも事実です。
 いちばん大事な減圧症に発症するときの体内ガス圧係数は、どこにポイントを置いて気をつけたらいいかが、主に12〜6mくらいまでの減圧管理をどのように体内ガス圧係数引き下げてやったらいいかと。それに対しても酸素は大変有効であることを指摘していただきました。
 これから先を考えるには、いろいろな条件があろうかと思いますが、安全率をどのように考えていったらいいかと。従来のテーブルはそれを再現するのはなかなか難しかったのですが、今度のテーブルは、どなたでもベーシックな理論式に基づけば、ご自身でつくることができるようになりますし、現行あるテーブルも、新しくできるテーブルの再現も可能になりますから、そういった意味できちっとテーブルそのものをチェックしながらより改善ができる利点がありますし、今後新しくテーブルが改訂されたときに、それは各企業、ご利用なさる所がご自身がいちばんより安全だ、ベターだと思われるように改良しながら改訂までできるのではないかということも踏まえて、考え方としては大変よろしいと思います。ですから、そういう考え方で新しくテーブルをつくっていきたいという提案なのですが、先生方の中で何かありましたらまずご質問を先に受けたいと思いますが、あるいはコメントでも結構ですが、何かありませんか。
○毛利委員
 3点いいですか。
○眞野座長
 はい、どうぞ。
○毛利委員
 1点は、減圧速度のお話をされましたが、このときの加圧速度はいったいいくつでやられているのですか、加圧速度の話は一度も出てこなかったので。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 加圧速度は8mで。
○毛利委員
 同じ12mまでの減圧で。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 はい。
○毛利委員
 そのあとに12mの減圧速度を1.5mと計算されているのですが、その理由は。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 明確な理由は、正直言ってありません。
○毛利委員
 ないはずです。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 いままで1m/minとか、もしくはそのまま8mとかいろいろ採用してきたのですが、作業をしている人たちの話を聞きましても、非常に操作もしやすいというのもありますし、あと、減圧していく、耳を押してくるとかいろいろあると思うのですが、そういうところを聞きましても、1.5mというところは、作業をしている人たちの感覚からすると非常にいいという話があり、その分圧のテーブルから、それを求めたということではありません。
○毛利委員
 ないはずです。
○眞野座長
 それを言い出したのは私なので補足をしますと、それほど大きな理由はないといえばないのですが、圧気土木ですから、コンピュータで全部減圧管理ができますから、どんなにゆっくりでもきちっとした管理ができるということと、一定のスピードで安全に問題の起きない、できるだけマイルドな減圧にすることによって、現行で考えられているテーブルは、いわゆる急性期の減圧症がベースなのですが、これから先を考えていくのは、それだけではなくて、いろいろな慢性の減圧症に対するどういう見方をしていったらいいか、この予防方法はないのです。どうやれば予防できるかはよくわからない。減圧時間が短いからなるのだろうと。ただ単に減圧時間だけの問題なのか。減圧するときのスピードとかも考えて、できるだけ体に負荷がかからない減圧方法でやってみたらどうだろうかと、試行錯誤で試みてます。飽和減圧と言って、飽和潜水の場合には、直線的にゆっくり下げますから、それに類似したゆっくりとした直線減圧を採用してみようということでスタートしています。
○毛利委員
 基本的には短時間潜水は階段減圧を飽和潜水は直線減圧を主体にして、減圧をしています。大気圧に近づけば近づくほど減圧速度は滑らかにするのが飽和潜水では原則です。ですから、空気の場合1.5m、混合ガスも1.5mです。ですから、空気のほうは3mであっても、逆に言うとなぜ混合ガスの場合と同じ最後の減圧速度にしているのか。混合ガスのほうがはるかに安全だと言うかもしれないけれども、ほかのいろいろな要素とあわせて、減圧症も起き得る可能性がある。そうすると、減圧症の発症は、少なくとも混合ガスの場合に起きたときに、治療は一般的には、空気で減圧したときの治療法を作っているわけです、テーブル6号、5号。混合ガスでのテーブルは6号を基本にするけれども、治療としては、逆にもっと減圧、スピードを滑らかにする形での減圧を考えている。ですから、1.5mと混合ガスと空気が同じというのは、少し何か矛盾があるのではないかという気がするのです。
○眞野座長
 矛盾があるのかないのかもわからない。
○毛利委員
 混合ガスを使用する際には、少なくとも12mから3mにして、最後のところは1mで下ろすとかいう安全則を考えると、それで計算したら。
○眞野座長
 それも1つの方法。
○毛利委員
 そうだろうと思うのです。ですから、直接に1.5m全部空気と混合ガスがイコールというのは、安全率の計算からすると、私は計算してないからわからないけれども、そこに少し矛盾が出てくる可能性があるのではないかという気がする。
○眞野座長
 なるかもしれませんね。
○毛利委員
 もう1点は、最終減圧ステージを6mにした理由が、いまの計算式上は出てこないと思うのです。
○眞野座長
 基本的に圧気土木だから問題ないのですが、海などでは3mは非常に問題があるのです。これから傾向としては、6mで最終減圧ストップにすることによって、誤差をできるだけ小さくしようと。私は、圧気土木や潜水に関しても、できるだけ両方共通で、同じ考え方で同じ管理ができる一本化を図ったほうがいいのだろうと前々から思っていますからね。
○毛利委員
 そこに1点無理があるかもしれないのは、水につかった場合と大気圧というか圧気の空気環境という場合との酸素中毒に対する被患率の違いとか、いろいろな減圧に対する障害等の発症率とかというのは、自ずから違ってくるのだろうと思うのです。ですから、それを同じにしてしまってというのは、矛盾が出てくる可能性があるのではないかと。
○眞野座長
 それも考えたことはあるのですが、そういったレベルの差を全部カバーするぐらいにゆとりのある管理をしているから、どちらともほとんど差は起きてこないだろうと思います。
○毛利委員
 どちらにしても、6mであろうが3mであろうが、階段減圧をする段階では大きな違いが出てこないのかもしれない。だけど、先生、新しい減圧テーブルで公表するのであれば、いま以前は3mでやっていたのがなぜ6mにしなくてはいけないかという、ある程度の理由づけは必要だろうと思うのです。ただ、この計算式の理論上で6mでというのがはっきりわかる理論づけがない以上は、いままで3mでやっていたものが6mに上げなくてはいけないかというところに、いろいろ問題も起きてくる可能性も。
○眞野座長
 30年ぐらい前ですが、私らはアガロースを使った気泡の形成実験をやったことがあり、減圧症になり得るレベルの単位当たりの気泡の数は8.6個ぐらいだった。このレベルに達するのは大体8mぐらいなのです。だから、8mくらいよりも上だと、減圧症になる可能性がないとは言えないと。当時は、10m以内だったら大丈夫だという考え方があったのですがね。それで気泡の数が全くできてこないのはどのぐらいかと言うと、2.5mぐらい。
○毛利委員
 そうです、2.7mぐらいです。
○眞野座長
 2.5mぐらいになれば、それがいちばん気泡を作る閾値レベルなのです。ですから、8mのレベルまで来ると、できてくる気泡の数そのものは減圧症発症するほどの数にはならない、というのが当時の数値の上でね。
○毛利委員
 ただ、減圧症の発症と気泡の数はイコールにならないです。確かに気泡の検知をして、減圧症の発症の有無を見ることとは一致しません。そこは考えないといけない。
 人間は物理ではないので、生物なのです。生物は、その人の体調とかいろいろなものが加わるものですから、そういう意味合いでの余裕というか安全率はもっと必要になってくるのではないでしょうか。
 逆に言うと、いま眞野先生は言いましたが、私の所で短時間潜水とか飽和潜水で減圧症を起こしたのは、8mと9mです。いろいろなことで作業というか、中で余分なことをやったものですから起こしたのですが、そのあとの治療はてこずった例もあります。混合ガスの場合には、そういう意味合いで減圧スピードは、少なくとも空気の減圧と混合ガスの減圧は、最終的な減圧スピードは変えてこなくてはいけないのだろう、というのが私の考え方です。
 さっきより繰返すようですが、6mに最終減圧点を求めるのは、先生が言われるみたいに、今後、潜水とかいろいろな工事のあれの上であるのですが、いままでの一般的な減圧表は3mの最終減圧にしていますから、新たに6mという新しいものを導入したときには、そこにどういうメリット・デメリットがあるかという、この中での議論が必要だろうと思うのです。
○眞野座長
 ほかの皆さん、いかがですか。鈴木先生、どうですか。
○自衛隊(鈴木)
 減圧表をどう作るかということで、大きく2つの考え方があると思うのです。1つは、こういった古典的といいますか、演繹的といいますか、生理的なガスの出入りを、物理的にどうかということで、仮定して計算しているわけです。そういった理論上で減圧テーブルを作っていこうとするのが、以前からされている減圧テーブルの作り方です。それとは別にもう1つの作り方としては、減圧症の発症する統計学的な処理によって減圧テーブルを作るという2つの流れがあるわけです。
 そういった大きな流れの中で、最近、USNAVYは、帰納的な方法として、統計学的な処理をして減圧テーブルを出してきました。そういった流れがあるわけですが、潜函作業の減圧表を作るという上で、統計学的な処理の方法で作っていくことに関してはどうお考えなのかお聞きしたいのですが。
○眞野座長
 やはりあくまでも減圧症は、経験的に患者が出るか出ないかが最終的な判断なのです。ですから、理論的に安全だからといって100%安全ということは言えないし、危ないと思っても、丸っきり減圧症が出ないケースも、それは発症率の確率がどのぐらいなのかが問題ですが、最終的には一応理論的な立場である程度のものを作ってみたら、あとは実際に臨床的応用でそれは発症しないと証明しないと具合が悪いと思います。何で証明するかと。いままでは急性期の減圧症だけで見ていたと。だけど、これでいいのかも1つ出てくると思うのです。
○毛利委員
 急性期の減圧症という立場からすると、無菌性骨壊死などは、私は人間の実験ではないので大変悪いのですが、動物の犬の実験では、減圧症の発症を起こして、それに酸素再圧をした場合には、減圧症を起こした犬の下肢、骨の躯幹部には、少なくとも無菌性骨壊死の発症は起きませんでした。
 ただ、減圧症の発症を起こした犬に再圧治療をしなかった場合には、最大で8週間で骨壊死に近い形のものが発症しました。ただ、人間の場合には、骨頭部にできます。ヒトの場合には動・静脈が入ってくるのは骨頭部から入ってくるので。違うのですか。
○柳下委員
 いや、両方、下からも。
○毛利委員
 犬の場合は動静脈は躯幹部から入ってくるのです。それでできるのが、骨の躯幹部に壊死という状態ができるので、人間の場合と少し違うと学会誌に出したときに論文上いろいろ言われたことがある。私達が犬を使った動物実験では、酸素再圧をしなかった場合には、基本的に無菌性骨壊死が起きるということから考えると、減圧症を発症した場合には、少なくとも再圧治療をしなくてはいけないのだと私は考える。
 それは眞野先生もたぶん同じだろうと思うのですが、要は眞野先生が言われた無菌性骨壊死とかいろいろな急性減圧症よりか、晩期の減圧症についても、急性期の減圧症の治療をしているかしてないかで、随分差が出てくるようには思えます。私が自分でやっていた場合には、少なくとも急性の減圧症を起こしたものについては、酸素再圧は行っています。
 たぶん海上自衛隊にしても、そういう政府の機関は皆同じように再圧はしていたと思います。現場サイドで起きたときに、即再圧できるかどうかはいろいろ問題点があるものですから、そこは強くは言えないのですが、自分の実験的な要因からすると、減圧症の発症をした場合には、必ず再圧をしていただきたいと、実はあったほうがいいのではないかという気もしますが、いまのテーブルとは少し離れるのであります。
○眞野座長
 でも、実際、圧気土木に関しては、ちょっと見ても、必ず即再圧治療をしていますよね。ですから、怪しいと思うものは、作業を終わって出てきてから、入る前と状況が違う、何か違和感がある場合は、連絡があれば必ずテーブル6を使ってきちっと入ってもらうのでいいのですが、問題は潜水ではすぐ入れるチェンバーを見つけられるかとかいろいろな問題があって、土木のほうはあまり心配してないのですが、ダイビングのほうは1つ問題かという気がしています。
○毛利委員
 もしこういう形の減圧症、テーブルができたら、少なくとも減圧症が、どういう状態で発症したかは、混合ガスのときにも毎回毎回お話しましたが、まとめて、先ほど鈴木先生が言われたみたいに、その上で統計的な処理をして、新しい実証の上での減圧表を新しくすることも必要だろうと思うのです。
○眞野座長
 そのとおりだと思います。
○毛利委員
 ただ、それが必ずしも報告して、必ず厚生労働省の部署は人が替わる度に意見がどんどん変わっていってしまうものですから、どこへ集めるかという場所がいまの役所の上では一概にないのですよね。ですから、例えば海上保安庁とかは自分の所のものですから、少なくともそれで減圧症を発症して、自分たちがこういうものをやったら危険だということでいろいろあるとは思うのですが、こういう業界、潜水業界とか圧気業界に合わせて、ではそれの提出する場所はどこだと言ったときに、潜水は厚生労働省のあれから外れるのですか。
○眞野座長
 いやいや、あれはもちろん厚労省の管轄区ですよ。
○毛利委員
 いろいろなことがあるので、そういうことも集めると、先ほど鈴木先生が言われた、実証的なものと理論的なものとの融合ができてくるのではないかという気もしないでもないのですが。
○自衛隊(鈴木)
 いや、そこはいちばん問題だと思います。というのは、USNAVYは、非常にきちっとデータ管理をして、それで組み立ててやっていますが、こういった一般の潜水の記録を集めてデータベースを作っても、一種の信頼性の部分で問題点があると思います。
 私が先ほどから言いたいのは、一応世界的にいろいろなテーブルがあって、それなりに潜水実績があり、それらの減圧症の発症率がいろいろあるわけです。それで、そういった減圧症の発症率を見て、このテーブルは大体どうかとか、潜水を担当する方が検討して、ではこれを使ってみようかとか、そのように実際、やられていると思うのです。
 そうしますと、いま我々が減圧テーブルを作って規則に載せて、潜水作業して、それを実際検証していくということができない状況の中で、そういったテーブル自体を規則の中に入れる必要があるのかというところですね。
○眞野座長
 そのとおりですね。
○毛利委員
 はい。基本的なところですと、考えていただいたほうがよろしいのかと。
○眞野座長
 それも前からやる。大体からして、ここはあまり厚労省の方はいないから言うわけではないのですが、国でテーブルを定めてこれを使いなさいとやっているのは、日本だけなのです。ヨーロッパでもアメリカでも、自分たちがテーブルを作って、皆さんはよりよいテーブルでもって、それで仕事を取ってくるのがベースですから、それは潜水会社なり、やっている方がご自身でより安全なテーブルを考えて作るのであって、全部こういうテーブルを使いなさいと言ってお膳立てしてあげるのは、私はやり過ぎかと前々から思っております。
 ただ、それは日本という国の行政のあり方が外国と違うのだから、そのようなことを言っても仕方がない。でも、そうやってある程度用意しなければ、守らなくて、みんなでたらめをやるではないかと。それは管理ができないというのが、これは日本の行政の姿勢であると。それと、いま減圧表そのものは、自分たちが勝手に作って自分らの安全をキープすれば、それでいいのだというのとは、相入れないのです。私は、全く鈴木先生の言うとおりだと思います。そのようなことを用意してやる必要はないのですが、でも、いまの日本の国のそういう政策から考えたらやむを得ないのだと私は思いますが、どうですかね。
○自衛隊(鈴木)
 ただ、逆に、非常に安全を考えてテーブルを作ってしまうと、減圧時間が非常に長くなって、実際使えるのかという大きな問題にぶち当たるわけです。実際、潜水会社が潜水作業する場合には、リスクと得られるものと両天びんで、もちろん安全は大事に考えますが、潜水効率を考えるわけですから、それは潜水会社のそれなりの責任を持って、このテーブルを使うということになります。ですから、高圧則には、一応規則上は縛りといいますか、例えば酸素については何メートルまでしか使ってはいけないとか、時間についてはこのぐらいとか、CPTDはどのぐらいとか、そういった記載が必要であって、それが基礎にあり、潜水会社が安全率を考えて、使用できるテーブルとして世界で採用している実績のあるテーブルを一応推奨するという形で載せたらどうかと思うのです。
○眞野座長
 いろいろ議論は分かれるところですが。
○毛利委員
 いまの鈴木先生の話とはまた違うけれども、私は基本的には空気減圧症は、ある程度の別表1をアレンジした形のものとしてあるけれども、混合ガスについては作る必要は、作業者にお任せしたほうが。たぶんこれは82:18でやっていますから、人によっては80:20でやることもありますし、もっと違うトライミックスを使うこともあるので、ここに混合ガスの減圧テーブルを厚労省のものとして出すのは、いままでの前にやった建災防の委員会で作る、作らないで相当もめた。結局、各事業主が自分たちの安全だと思うものを使って混合ガスの場合にはやりなさいと。その場合に深度が40mになっていますが、現実には40mではなくて30mからやろうと言ったのですが、結局、押しまくられてしまって40mになったいきさつがあります。
 ただ、鈴木先生が言うみたいに、本当にいまの厚生労働省が持っている空気の減圧表をどうするか。90mはどうしても論外ですから、逆に言うと、先ほど白石さんが話したみたいに、いまの減圧表を先生が言われたみたいに12mから酸素減圧をして、その減圧スピードを変えたらどうなるのかという実証実験はしてないはずですよね。1つの行き方としては、それもあるのだろうと思うのです。要は、10mから酸素減圧をしなさいと。どのような深度でも酸素減圧をして、スピードをよりゆっくりしてくれば、減圧症の発症はたぶん相当数減るはずなのです。
○眞野座長
 日本はそれもまた難しくて、薬事法で酸素は薬ですから、酸素減圧しなさいとは言えないのです。本人の意思でしか吸えないという問題がありますから。
○毛利委員
 ですから、それはそれとして同じ厚生労働の役所間の問題ですから。
○眞野座長
 いや、厚労省の中なのですよね。
○毛利委員
 だから、それはそれでまた1つの方法として、いろいろな方法はたぶん労働衛生課として考えいることがあるのではないかと思うのですが。
○眞野座長
 どうですか、これも話は混沌としてしまっています。新たに毛利先生からご発言がありましたように、例えば空気でもって40mぐらいまでのスタンダードテーブルだけ示して、あとは出さないという考え方でいきますか。
いままでは90mまで空気のテーブルを出していましたが、40mで止めてしまうと。
○毛利委員
 なぜかと言うと、先ほど白石さんが減圧計算式を1気体と2気体の場合に、AB値からM値に変換するという話をしていましたよね。そうすると、もともと空気の場合と混合ガスの場合に、式の計算式が違ってくるのだろうと思うのです。そうすると、基本的には1気体でのM値から計算していくのが、白石さんが示した計算式の上での基本だろうと思うのです。それを今度は2気体とで混合ガスにした場合には、そこに誤差が出てくる可能性があるので、今回の場合には1気体での計算式を優先しておいたほうがいいのではなかろうかと。
 先ほど私が言ったみたいに、空気のテーブルと混合ガスのテーブルで同じ減圧スピードということもあるものですから、混合ガスの場合のほうが、より安全率を考えたら減圧スピードは下げていかなくてはいけないはずなので、ゆっくりしているほうが、はるかに楽、安全率は高くなるはずなので、そういう意味合いから、1気体の場合のみでの理論をしたほうが私はいいのではないかという気がするのですがね。
 せっかく川崎委員の所とオリエンタルさんの所でいろいろ示していただいたのですが、混合ガスまで行ってしまうと、またいろいろ、例えばこれはいま82:18でやっていますが、80:20の場合もあるわけですよね。そうすると、減圧のスピード・減圧時間が変わってくるはずなのです。そういうことも、それだけに固定されてしまいますから、空気の場合は、空気というより組織そのものは1つですから、今度、混合ガスの場合には、ヘリウムと酸素という形のものであっても、ヘリウムと窒素と酸素といろいろ出てくると思うので、そういう意味合いからすると、2気体の場合は、今回の理論は減圧の話からは省いておいたほうがいいようには思うのですが。
○眞野座長
 鈴木先生、どうですか、いいですか。
○自衛隊(鈴木)
 基本的に酸素を使うことについては、許可制といいますか、何か委員会とか設けて、その委員会に上げて、それで承認を得るという形で、その承認を得た潜水会社が、酸素を使った潜水を行うという形のほうが安全と思いますし、そのテーブルを使うに当たっていろいろな問題点をそのときに指摘することが出来ます。
○眞野座長
 いま毛利先生のおっしゃったことは、鈴木先生の意見も踏まえて、もっと各潜水会社なり使用する人の自主性を尊重しようということだろうと思うのです。要するに、それぞれの安全と責任は、施行者が自分たちで考えなさいと。それを法律でこうしましょう、ああしましょうというのはあまり示さないで、出すのだったら、空気でやる減圧表を40mなら40mまで1本だけ示して、あとは各自でそれ以外のアプライは考えてくださいというのが、たぶん毛利さんの言うことではないのですか。
○毛利委員
 それと同時に、もう1つは、酸素を使うということになったときに、要はいろいろの所にDANJAPANで使っている酸素のあれのときも同じように、酸素を使える人があるわけではないですか。そういう酸素を使える人の教育をどうやってやるかが当然出てくるので、そういうもののまとめとして酸素利用ができるかできないかというところに出てくるのだろうと。現時点では、いまの再圧要員は、このようなことを言って悪いですが、ほとんど紙の上だけのものになっていますから、再圧要員を酸素を使用するための、名前を少し変えて、そういう教育のために設置することも可能だろうとは思うのですがね。それはそれとして、また意見は別にして。
 ただ、私は基本的に、1気体でのいろいろな理論式としては、40mぐらいまでの、50mでもいいですがね、一応40mぐらいのものを作っておいて、それを基本にして、あとは潜水会社なり、圧気のやる工事会社が責任の範囲内でそれ以上の深度については見ると。少なくとも30mを超えた作業については、大臣審査を行っているわけです。
○眞野座長
 それは圧気はね。
○毛利委員
 圧気はね。潜水もやっているのでしょう。
○眞野座長
 潜水はやってないです。
○毛利委員
 やってないの、これから潜水も。
○眞野座長
 ただね私は先生にアグリーをするのは、30mを超える潜水作業はほとんどない。圧気土木も出てはいますが、出来得る企業がある特定の所しかやってないのです。ですから、やれ得る業者は決まっていますから、そういう所は自分の責任でもって、1人殺したらおしまいですから一生懸命やると思うのです。ですから、いまおっしゃられる考え方で各自の対応される方々の責任で、より安全でいいものを売り込むことで仕事を取ればいいわけですから、私はそれは競争社会にとってもいいのかという気もするのです、そうしていいのかどうか分からないのですが。ただ、行政の立場があるでしょうから、どう考えるかですよね。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 先生方のいろいろなご意見は重要だとおもいますが、高圧則については労働安全衛生法の特別規則であり、これは強制法規であって、事業者に義務づけをさせるため、労働者の安全を確保するために必要なので、最低基準として示して、それを必ず守るようにさせるというものです。
 ですから、これは中小零細企業であれ大企業であれ、この最低限の示したところは必ず守るとするもので、より安全なものを使っていくとかについては工夫をしていただいていいのだと思うのですが、あくまでも最低限行っていただかなければならないことをスタンダードで示すということでいままでも別表を示してきたと思うのです。
 ですから、最低限を事業者に義務づけするものを表として載せ、さらに、より安全な対応として混合ガスを使う余地を考えるであるとか、何か工夫ができないかはあろうかと思うのです。1つそういうスタンダードとして空気のものは必要なのかと。従って我々も安全に配慮して使えるもので、かつ事業者がそれを理解して必ず守れるものを1つ作らないといけないのかとは思っています。
 先ほど酸素を使うことが、体のためによりいいのではないかというお話もあったのですが、例えば、酸素を使えない場合とか、そういったケースでも対応できるものが必要かではないかと思いますし、最低基準として、そのような場合でも対応できるものが必要と考えます。
 それとプラスして、こういう手法を使えばさらに安全に作業できると思えるものを推奨して1つガイドライン的に示すといった形はあり得るのかとは思っているのですが。
○眞野座長
 わかりました。提案ですが、このままでは結論が出ませんので、一応、厚労省が減圧表の工夫を含めて高圧則でミニマム、ここだけは固めてほしいというものを示していただいて、それについてだけ考えるとか。
○毛利委員
 そのほうがいい。
○眞野座長
 空気だけでいいというのであれば空気だけにするし、ヘリウムも一緒に考えてくださいというのであれば、それも入れると。それから、90ではなくて100までしろと言ったら、やってもいいし、70でもいいのですが、とにかく1つのガイドラインをきちっとしたものを、やはり執行できるのを作りたいというのですから、それができるようにこの委員会は努力をするという形でいきませんか。
 せっかく芝山委員や川崎委員の所でやってきていただいていますので、もう1回厚労省と芝山・川崎委員会と打合せをしていただいて、ミニマムはこれだけやってほしいというものの提言をしていただくと。その内容に関して委員会で検討すると同時に、中身を委員の皆様にお配りをし、先生方からそれに対するご意見も求めて、この次にそのたたき台をできるだけ早く上げる。そういうやり方で、例えばそれに対して来月中にでも1回か2回会議を、開くことは可能ですよね。例えば20日ぐらいに開くとか、あるいは月末に開くとかやって、ともかくこの件に関して基本方針を決めてしまいませんか。どうでしょう。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 今日、実はテーブルを先生方にお作りいただいて、これを実際に使うのが、例えば潜水業であったり、圧気土木にかかわる事業場になると思うのですが、潜水協会からご意見をいただいていますので、その辺の現場の話もお聞かせ願った上で、それも参考になるのかと思います。
○眞野座長
 わかりました。先に、ではご説明は鉄さんのほうでやっていただけますか、あるいは中川さん。
○鉄委員
 平成20年3月に眞野先生の発表があったときに、潜水協会としても、その会議に参加して、不都合なものについては意見をもうし上げました。潜水作業船の現況などを検討し、アンケートを潜水会社に出したものを、委員会でまとめたものです。
 減圧症については、より安全な方向であれば、酸素がいままでは使えなかったのですが、使えるという方向は望ましいです。その前に酸素の分圧、空気の分圧を変えて使用するナイトロックスに協会は積極的に取り組んできたわけです。その一連の中に眞野先生が発表をされて、先ほど言ったように実際に運用が可能かどうかという検討をしたのが協会が出した資料4です。
○日本潜水協会(中川)
 いま会長から前置きいただきました。資料は6枚ございますが、先ほど川崎さんから説明があったのと、たぶん同じ資料で、平成20年3月4日に眞野先生が中心となって発表会がありました。その中の3番目、1頁目の目次があります3番目に、潜水作業の減圧管理の現状及び問題点等について、当協会の工務部長が、いま会長がおっしゃったようなことの要旨をお話しました。
 時間も押していますので、簡単に説明します。2頁目は「はじめに」で、いままで我々の現場のことというよりも、むしろ眞野先生のほうのお考えが簡単に述べられています。
 それから3頁目に、このときに先生が中心となってお話になった8項目が出されています。資料説明は当協会の概要から、協会員の現状であります。私ども日本潜水協会は、主に港湾・空港工事等の、海洋における土木工事を行う潜水士を束ねる唯一の組織です。
 協会としては組織率が低いものですから、全体を代表して言うということにはなりませんが、主なる潜水会社及び今日来ておられます村山委員が入っておられます日本埋立浚渫協会いわゆるマリン土木会社、海洋土木工事会社も入っております。「協会員の現状」というのが真ん中にあります。ちょっと見にくいのですが、潜水士1人でやっておられる方が5%、2人から10人の方で約75%、20人以上というのは5%しかいないということです。潜水業が中小零細という、現状はこういうことですが、この潜水士の方々が、いちばん減圧表等(別表二)を使うグループではないかと思います。
 それで、4頁の右下のほうに「現行減圧表の問題点」として書かれています。このまま使いますと、アンケート調査なのですが、多くの方が減圧症にかかるということで、ただ、この別表をこのまま使うということではなくて、これの安全サイドに使用することによって、海洋土木業者に支持されているし、潜水会社もその対応をしている。となると、やはりこの表を何とか安全サイドに変えていただきたいという要望が出てまいりまして厚生労働大臣にお願いするということになったという経緯もあります。
 次に5頁ですが、これは皆様がいま議論された中身みたいなものですから、いずれにしましても真ん中のほうの右手にありますような、各国のこういう表について、今回もその中の一部の提案がされていると思います。ここでは、いちばん下の左側では、新しい減圧表案に対する意見と。これは、具体的には次の頁で、最後に説明します。
 右手のほうは物理的問題点ということで、潜水士が潜るときに、エアを送るための装備等が積まれた潜水士船です。ここに再圧タンクの図が載っていますが、次の頁の上側に潜水士船の形状等がありますが、先ほど言いました非常に小さな潜水会社が持っている潜水士船は、90%以上が5t未満ということです。最近はそうではなくて大きな船も入れていますが、ご提示の装置機器類をここに装備するというのはかなり難しいですよ。
 それから、骨子に対する意見は先生のまとめられた8項目に対して、1つずつ述べています。
 潜水深度の上限の設定というのについては、先ほど来、90mまでは無理だというのはみんなわかっていまして、30から40で足切りされることについて、現場的にも安全から考えると、賛成というか、要はお決めくださいということです。
 それから混合ガスについては、採用することには賛成しますが、この運用をどうするのかという疑問点が出されています。先ほど、法律として決めるべきかどうかという議論も、確かにあろうかと思います。
 3番目の新しい減圧表の作成根拠の開示、今日もありましたが、これは根拠をはっきりする分には賛成です。
 それから浅いほうに、減圧潜水の下限というのを、8mに限定する。この設定する必要があるのかどうか議論はあるのですが、10m以下に設定するということについては問題ありません。
 それから酸素減圧は、これは「標準化に反対」と書いていますが、酸素減圧も設けられることについて反対するという意味ではなくて、それをどうしても義務づける場合の、装備のことを心配しています。それから、先ほどありましたようにオペレーティングの問題、教育の問題もあります。ということで、これらを強制的にやれということに対しては反対であるという意味でした。
 6番目は深い場合のあるいは大量の潜水士が入る場合には、待機する場所となるダイビングベルあるいはエレベーター等のかなりの重装備についてです。要するに、こういう規模の工事があれば、それは必要だと思いますが、過大な設備投資になった場合、どのようにされるのでしょうか、問題が多いですよという意味で、反対という意味ではないと思います。
 それから、現場での空気による緊急再圧は禁止となっていますが、これらも一律にされることについては、勘弁してくださいという言い方です。
 それから、潜水士の管理のための手帳が必要だということについては、当然これは必要ですし、我々のほうも形は別として、こういう管理はやっています。以上で説明を終わります。
○眞野座長
 ありがとうございます。いまの42頁の骨子(案)に対するご意見ということで、8項目に対してそれぞれの賛成、反対ということが書いて、明白になっているのですが、いかがですか。潜水協会さんの考え方と、多少、圧気土木とはギャップがあるのかなという気も、しないでもないのですが。
○日本潜水協会(中川)
 多少ではなく、全然違うと思います。
○自衛隊(鈴木)
 少し補足させていただきますと、酸素を潜水のときに使うということになりますと、1つは水中で酸素を使うかという問題と、使わない場合には水上減圧、船上減圧になるわけです。つまり途中で減圧を中断して、船に上がってから、船のチェンバーで減圧するということになりますと、やはり潜水ステージが必要になるわけです。潜水ステージを揚降する装置も必要となります。。
 しかも、その後船上で減圧するわけですから、やはりバディで潜る複数の潜水員に対して1人用のチェンバーでは対応できません。
○眞野座長
 基本的に水中で、レジャーの方が心ない人はときどきやっているらしいですが、酸素ボンベから吸うというやり方は、これは絶対に禁止です。ですから酸素は必ず、もしも風下で水面あるいは船上から持ってきたものを使うか、あるいはベルでもって、基本的には水面に上がって、再圧室の中でもって、きちんと減圧をする。それが標準スタイルだろうと思います。
○自衛隊(鈴木)
 そうしますと、かなり大きな船が必要になります。潜水ステージを揚降して。
○眞野座長
 それで、私はいろいろ見たのですが、例えばイタリアの漁師さんとか、結構7tとか8tの小さいダイバーボートを横に置いてあるのです。ですから、やろうと思えば置けるのではないかと思うのですが、無理ですかね。
○鉄委員
 我が国の潜水士船のスタイルは、そうなっている船は数的に少ないですね。こういう決め事はものは施行されると均一ですから、船が小さいとか大きいというのは関係なく、全部適用される。そういう中で、ある水深帯からは必要になってくるのではないかな。
○眞野座長
 できないことには、話にならないですからね。
○鉄委員
 そうすると、ある期間を設けて、その中で順次変えていくか何か、そういう処置しかない。
○眞野座長
 私自身は、イメージとして描いていたのは、例えばすぐ来年4月からバッと動くとは思っていないのです。やはりできるところから少しずつやっていって、5年ぐらいの、ある一定の猶予期間で、ほぼ8割ぐらいが整備されれば、その後はまだ5年経っても整備できないことはいっぱいあると思うのです。徐々に変わっていくのではないのかな、あまり急いでやっても仕方ないのかなと思うのですが、それでも無理でしょうかということです。
○鉄委員
 それと先生、もう1つは、いまの私どもの作業をやっている水深帯というのは、たぶん20m以浅が非常に多くなっています。それから、いま言われたように40mまで、例えば決めていった場合、その場合のときにはどこかで必要であるよと。それから、潜水時間と深さの部分では、その規定はあるのではないですか。運用規定の中には。
○眞野座長
 あると思います。当然そうだと思います。
○毛利委員
 だから基本的に潜水の場合には、僕らはダイビング・ベルを使っているから、そういう意味合いで酸素減圧にしようが何しようが、当然混合ガス潜水をやっていたものですから、ダイビング・ベルは必要になってくる。ただ、こういう零細の所で、ダイビング・ベルを現実に使えるかどうか。
 少なくとも潜水船というのは、最低3人は乗っているので、そういう所にダイビング・ベルまで設置できるかという。当然、船上減圧を考えたら、2人用の大型チェンバーなんてまず入れられないだろう。
 ただ、いままで日本の漁師さん、漁業者が船上減圧でずいぶん死んでいましたよね。
○眞野座長
 そうですね。
○毛利委員
 そういう意味合いでは、船上減圧というのは、やはりできるだけ避けるべきだろうと思うのです。そうすると、ベルを使った方向での行き方が1つ出てくると思う。その場合に、そういう零細での港湾潜水士たちが、現実にベルを使っての作業が可能かどうかという。
 ごめんなさい。僕は現実に知らないので、そこは潜水業界がどうお考えになるかというのは、必要になってくると思うのです。ただ、先ほど眞野先生が言ったみたいに、決まった問題について即1年後にやりなさいということではないと思うので、そこはこれからの資料を潜水業界なり、いろいろ潜水をやっているところでデータを拾い上げて、どういう形がいいかというのは出てくると思います。
 こんなことを言って悪いのですが、圧力コンプレッサのときに散々、僕が決めたときにいろいろ言われたものですから。
○眞野座長
 そうですね。
○毛利委員
 それでも、ちゃんと潜水業界の話とか、いろいろ話は聞いた上で決めたのですが、割と3年の期間では難しいということで、後々文句を言われました。
○日本潜水協会(中川)
 3年や5年というのは、ものすごく短いです。経過として分析して、実施して、それをオーソライズする。
○毛利委員
 ただ、僕らの考えからすると、できるだけ早くということからすると、3年でもずいぶん待ったのではないかという気がしています。今回の場合にダイビング・ベルを使うとなると、いろいろな要因が入ってくるので、そうすると買い換えるので、そこはまた鉄委員のところで。
○眞野座長
 いつだったかイタリアのサノというダイバーが日本に来て、高知で潜ったことがあるのです。それで私は1回ついていったのです。そうしましたら、連中はラインを、いざ減圧しましたというときに、水中の酸素を吸うのですが、パラシュートを上げるのです。
 そうすると、パラシュートがダーッといって、海の上にポコッと上がるのを、ダイバーボートが追いかけていって、それにいわゆる呼吸器用のラインを付けて、ガードルの下に流して、ダイバーはその下でプカプカ5時間くらい水中ヨーヨーみたいに流れていって、減圧しているのです。
 だから、そこまでやれるかどうかはわからないのですが、いろいろ工夫というのはあるのだなと。何かやり得る工夫はないですか、と思うのですけれどね。
○自衛隊(鈴木)
 高圧規則の中でチェンバーを、再圧室を必ず設けるということになっていて、小さな潜水会社にとってみると、チェンバーをそろえるとなると、1人用のチェンバーしかそろえないということになるわけです。
 日本の2人以上の収容出来る二種装置というのは、1人当たりの容積が決まっており、JIS規格で1人当たり4立米なのです。非常に大きなものです。
 ですから、この報告書にありますように、再圧タンクがこれだけ大きくないといけないのです。
 それで実際に1人用のチェンバーで治療しているかというと、やはり使われていないという実態もあるわけです。ですから、現場で治療ができていないということが、眞野先生がおっしゃるような慢性の減圧症、骨壊死など、そういったものに非常に大きく関わってきていると思うのです。
○毛利委員
 第一種のチェンバーで、富山医大学の救急部はときどきやっているみたいです。
○自衛隊(鈴木)
 では、空気を使って第一種で再圧治療できるかというと、これは不可能に近いです。
○毛利委員
 でも、やはり工夫してやらざるを得ないので。
○自衛隊(鈴木)
 いや、ですからいまの問題点は、現場で酸素が使えないということであり、いちばん大きなデメリットなのです。
○毛利委員
 それは逆に言うと、圧気でも一緒なのです。現場で減圧症が起きたときに、再圧室があるけれども、現場で酸素が使えないのです。
 基本的に本人の意思があれば酸素を吸って、二種のあるチェンバーにあるところに搬送するという形での指導はされていると思うのです。
○自衛隊(鈴木)
 指導はされていますが、第二種装置保有施設は日本で非常に限られています。
○毛利委員
 それでも、やはり再圧の治療は、先ほどの動物実験の話で悪いのですが、しなければ無菌性骨壊死の発症率は高くなるということがあれば、やはりそういう酸素を吸いながらそういう治療施設まで搬送することが必要になってくる。
○自衛隊(鈴木)
 やはりこの規則は、日本あまねく潜水しているそれぞれの場所で、治療ができるということを目的にして、作らなければいけない規則です、日本で能登半島、あそこで実際に起きたらどうするかというと、3時間以上かかるわけです。そういう実態なので、改善しなければなりません。
○眞野座長
 予定時間が8時半で、既に5分過ぎていますが、あと10分くらい延長させていただいてよろしいですか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 ご議論はなかなか尽きないと思うのですが、今日お話いただいた内容、あるいは潜水協会さんからの要望事項などもいただきましたし、先生方から別表を作るか作らないかという話もありますので、それらの論点をもう少し整理させていただいて、また今日、川崎委員のほうで表も作っていただきましたので、これも是非、活かす方向というのもあろうかと思いますので、少し整理させていただいて、これは大事なところなので、減圧表に関してはまたそういったものを提示しながらご議論いただいて、それでどういう形の規制とか、あるいは座長が、段階的にとおっしゃいましたが、まずベースとして規制する部分と、指導をしていって、対策を普及し、将来的、中期的にまた規制に結びつけていくような手法もあると思いますので、その辺をもう少し整理させていただいて、もう一度議論をいただくという方向でいかがかと思います。
○眞野座長
 すみません。私の不手際で、なかなか話が整理できなくて申し訳ないのですが、基本的なコンセンサスとしまして、酸素というものをベースに考えるということはよろしいですね。
 それからもう1つは、いまある90mまでの空気による標準減圧表に代わる、何らかの空気によるテーブル。水深レベルは別としまして、それを検討するということもよろしいですね。
 そうしたら1つの案として、先ほど川崎委員からご提案がありましたような、40mまでの空気によるテーブル。それに代わるものか、別のものか、何か対案を出してもらうか。そして両方を比較してやるか。あるいは近藤委員に出していただいたものをベースとして、それをアプライするかどうかという検討を、この次やるかということですね。
○毛利委員
 基本的に圧気と潜水と変えるかどうかということですね。だからそこは、少なくとも近藤さんが話したのは、圧気工事でのことですから。
○眞野座長
 だから潜水になると、同じところでもちょっと時間が必要なのです。
○毛利委員
 圧気も出てくると思うので。
○眞野座長
 ですから、あるいは潜水用に直して長くしたものを圧気にも使うかどうかということなのですが、ただ、酸素を使うことでもって、かなり安全率が高くとっていますから、おそらく私は近藤さんがおやりになったテーブルで、結構いろいろな現場でも予備的に使っていまして、減圧症は出ていませんし、概ね大丈夫だろうと思うのですが、別々のテーブルにするか、一本化するかというのを、どちらでもってまとめるかですね。
 あるいは別に考えるよりも、もう一度近藤さんに申し訳ないけれど、同じ理屈で潜水のほうも考えてくれますか。
○川崎委員陪席者(オリエンタル白石近藤様)
 空気を呼吸した形で、先ほどの。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 1つよろしいでしょうか。先ほどお話があったように、いわゆる潜水の場合、酸素減圧を行いますと、ステージやベルが必要になってきます。そうすると、かなり大がかりな潜水であると、例えば深い深度の潜水であるとか、混合ガスを使わないといけないような深い深度であるということでは必要性があるかと思いますが、通常のスキューバなどで潜るような潜水の場合、先ほど眞野座長がおっしゃった、水中で酸素減圧というのはできないというか、あまりするべきではないというお話もされたのですが、そういう作業は多いのだと思うのです。スキューバで比較的浅い、先ほど鉄委員がおっしゃったように20mくらいの所の作業とか、その場合はやはり空気減圧を考える必要があるのかどうかということなのですが、結局そういう規則を作っても、実際に使えないと意味がないということもありますし、かといっていまの別表は、やはり見直す必要があろうかということは、ご意見をいろいろいただいていますので、90mは問題としても、ある程度そういう空気での減圧で使えるような部分があるのかどうかということも、少しご検討の中でいただければと思います。
○眞野座長
 私のイメージとしては、業務潜水であっても、原則は無減圧潜水です。無減圧の枠の中で上がってきて、かつ船の上で酸素を吸っていただくという、ダブルセーフティをかけなければいけないと。
 どうしても、やはり仕事の中身でもって、減圧をしなければならないような場合はありますから、この場合は圧が限られていますから、それはシステム潜水として、きちんとベルなり再圧室なりを、最初から用意してやってもらう。それは、いわゆる潜水業務の中で、ごくわずかになってくると思います。そういった仕事というのは。
 ですから、ある程度それはセパレートしてしまえば、ほとんどの80〜90%くらいの潜水作業というのは、一本化できるのではないかと思いますが、どうですか。
○鉄委員
 先ほど鈴木先生が話したように、高気圧の安全衛生規則の中で、42条には「事業者は」という文言と、「設置または利用」ということが書かれているわけです。そうすると、いまここで決めた中で、たぶん鈴木先生がおっしゃったのは、こういうもので決めているのですが、実務でどうですかという話だと思うのです。
 だからこの辺は、いまの酸素の問題で議論していますが、実際にそういうものが文言の中に入っていますので、それをどのように解釈するのか、それを遵守するのかということがあるのではないですか。
○眞野座長
 そうですね。それと海外の例なのですが、日本はそうではないのですが、海外の場合は40mくらいの潜水作業に入札する会社は、きちんと飽和潜水のシステムを持っていないところは入札できない。だから、いざというときに、リスキーな状態になったときに、きちんと取って代われるだけのシステムを持っていない会社は、入札できないのです。そこまでやってしまうかという問題はあります。
○毛利委員
 システムだけではなくて、人もです。
○眞野座長
 人もそうですが、でも、やはりそのくらい厳しいのです。
○鉄委員
 社内でバックアップできるものと、いまみたいに法令的なものと、先生方みたいな会社と個別に契約しているところがありますよね。
○眞野座長
 ありますね。
○鉄委員
 どのように、そういうものを活かしていくかという、活かし方があるのではないかと思います。
○毛利委員
 海外での飽和潜水は、受けた飽和潜水士が、教育機関のレベルがどのくらいかというのも全部問われるので、そうすると日本の人たちは、いまの段階では飽和潜水士として認められていないのです。
 私がサインしたのは何例かありますが、一応訓練を受けたということで、それでも認めるか認めないかは、また各国の規則によります。
 ただ、原則としてはいろいろな圧気工事でも、潜水作業でも、重作業というのは必ず出てくるのです。やはり作業量が大きければ、当然減圧症の発症は、どんなにいい減圧テーブルであっても、減圧症の発症というのは起きてくる可能性があるので、そういう場合に、やはりいちばん有用になるのは、酸素の使用だろうと思うのです。船上に上がってからの酸素、減圧するにしても酸素の使用だろうが、いろいろあると思うのです。
 そういう意味合いでは、やはり酸素を使うということは、ある面ではどうしても出てくる問題だろうと。潜水業界でそれをどうやって使うかというのは、現実にシステム潜水を行っていた私達には、やはり考えられるのは、酸素の使用というのは、非常に大きな意義を持っているということだと思います。
○眞野座長
 そうですね。
○毛利委員
 ある程度上限を決めるというのも、必要になってくる。その上限は、それぞれの考え方があって、本当に40mでいいのか、30mでなければ駄目なのかというのはあると思うのですが、いろいろなことからすると、たぶん海上保安庁の人が、うちはもっとあったほうがいいと言うのかもしれないし、そんな潜水で酸素減圧なんて考えられないよと言うかもしれないけれど、圧気工事の中では当然、酸素減圧というのは必要になってくると思います。
○眞野座長
 いま海保も警察も、全部酸素を用意しています。ですから、対応としたら早いですよ。実際、訓練もやっていますし、リブリザなども全部使って、対応をとっていますからね。時代はやはり動いてきていますから、少しそれに見合って対処できるように考えていかないと、いけないような気がします。
 では、時間も時間になりましたが、何か特にこれだけは言っておきたいとか、ご意見はありませんか。事務局側で何かありますか。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 特にはありませんが、今日はいろいろご議論いただいて、まだ十分ご議論も尽くせていないと思いますし、減圧表に関しては、また次回もやろうと思っていますので、どうしましょうか。先ほどのお話では次回、また減圧表についてのご議論をしていただいて、潜水にかかるテーブルや、今日の圧気系のテーブルを、それをもう少し修正すべきとの意見もありましたが、いま座長がおっしゃったように、これでいくかどうかという話を、もう少し議論を進めていくという話もあろうと思うので、それまでに1回やったほうがよろしいでしょうか。
○眞野座長
 基本的なところは潜水も圧気も一緒ですから、いわゆるちょっと外れた部分を、毛利先生、作ってくれませんか。
○毛利委員
 そんな時間ないです。
○眞野座長
 では、仕方ない。川崎委員さん、考えてください。もう時間がないのだから、2週間くらいで圧気は主に基本的にはいいとして、基本的なタイプはね。それ以外の、潜水でもって出てくる問題が、いくつかあると思うのです。
 組み入れないところはこういう問題がありますよというのを、洗い出しだけしてもらえば、鈴木さんや毛利さんはいろいろ言ってくれますよね。
○毛利委員
 言うのは言って、やるのやらないのは大変悪いですよね。今日初めて出てきて。
○眞野座長
 それは、そちらとしてはいつ頃になったらできるのですか。中旬過ぎくらいで。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 それによって日程を決めようと思っておりますが。
○眞野座長
 できたら2回くらいやりたいのですが。
○濱本主任中央労働衛生専門官
 いま先生方のご予定を伺っていまして、7月中だと全員集まれるのは7月30日。夕刻ですから、今日くらいの時間になります。
 あと、7名の方にお集まりいただけるのは、7月10日から12日の間。
○眞野座長
 7月10日から12日に、できたら1回できませんか。
○川崎委員
 減圧テーブルの話ですが、もう少し条件を整理していただけると。
○眞野座長
 だから空気はお作りになったのを、あれでもっていろいろご質問があったではないですか。いいの悪いのがどのくらい、それに対する補償ができるかということでしょう。
○毛利委員
 だから要は1.5mにするのか、空気の場合に8mから1.5mに急に下げるのか、途中で3mというのもあるはずなのです。減圧スピードは、空気の場合には。
 だから、混合ガスは1.5mに下がれば下がるほどいいから、そういうような空気と混合ガスは先ほど一緒だったではないですか、減圧スピードが。
 だから、それを少なくとも空気で酸素減圧していれば、1.5mなんてしなくて、もっと早いあれでも降りられるのではないかと思うのです。
○眞野座長
 できたら潜水も潜函も一緒のほうがいいかなと思います。そうすると6mも落ちちゃうと。
○毛利委員
 初めて見たわけではないのだけれど、そういう減圧スピードというのは、私は少なくとも空気だけということであれば、混合ガスの場合にはもう少しなめらかにしておいたほうがいいようには思うのですけれどね。
 減圧症が起きるのは、割と4、5mのときに起きることがあるものです。いろいろ混合ガスの場合には、どこで起きるかわからないし、工事の度合いによっても、工事量によっても、相当変わってくるものです。そういう意味合いで、より工事量が多ければより緩やかにして。
 混合ガスの再圧テーブルのほうが、空気でやるよりも長くかかるはずなのです。普通にやっていますけれど、基本的に。だから、そういうものを考慮する必要があります。
○眞野座長
 確かにヘリウムの場合は、低いところをゆっくり下げたほうがいいのは間違いないです。それは間違いないのですが、できたらエアとダイビングと同じテーブルで一本化してしまったほうが、いいのかなと思うのですけれどね。それも含めて、少し検討しましょう。それでいいのですか、10日で。30日に10日に出ましたことをきちんと精査してまとめている格好にしましょうか。
○椎葉労働衛生課長
 10日で一度ご議論いただいて、30日にはできれば潜水の減圧表もそろえた形でまとめる方向で、どうするかをしていただければと思います。
○眞野座長
 よろしいでしょうか。では、そういう方向で。
○椎葉労働衛生課長
 また追って場所等はこれから確保いたしますので、ご連絡させていただきます。
○眞野座長
 何か他にご意見の追加はありませんか。
○自衛隊(鈴木)
 治療について、やはりこの検討会で取り上げてほしいのですが。
○椎葉労働衛生課長
 治療はそもそもこの高圧則の参考資料1にある、検討会の開催要綱の中の、検討項目に入っていなくて、それをやるとものすごく時間がかかると思います。しかも我々だけでなく、厚労省の別の部局も呼んでこないといけないので、まずは検討項目則って高圧則をどうすべきかということを議論していただければと。
○自衛隊(鈴木)
 高圧則の中に、再圧室を治療のため用意するとありますが、それはそのままペンディングするわけですか。
○椎葉労働衛生課長
 いえ、逆にご意見をいただければ、それをたたき台に出して、これはすぐに高圧則には設けられないけれども、関係の他の部局に働きかけてこうするとか、そういう方向性は出せますので、先生方のご議論は、きちんと我々は受け止めてやりたいと思います。是非、今度たたき台を出す際には、いろいろとそれまでに我々も事務局として、先生方にお聞きしますので、快くご意見を出していただければまとめたいと思います。
○自衛隊(鈴木)
 では、治療についても方向性を出すということですか。
○椎葉労働衛生課長
 そういう意見があるということは、我々は受け止めたいと思います。ただ、我々だけではできないので、そこはご理解いただければと思います。
○自衛隊(鈴木)
 現場で酸素が使えるかどうかというのは、非常に大きな問題ですので、そこら辺を法令で。
○椎葉労働衛生課長
 そこも、なぜ使えないのか。例えばそういう資料までいただければ、きちんと対応を検討できますので。
○自衛隊(鈴木)
 どこをクリアすればいいかですね。
○椎葉労働衛生課長
 ええ。要するに業界の申合せなのか、それとも法令なのか、きちんとそういうことがわかれば、対応方針が決められますので。
○眞野座長
 酸素というのはエマージェンシーなら使えるのですよ。でも、普通のベンズですよ、では酸素だって、それはエマージェンシーではないですよね。そこが問題ないのではないですか。
○椎葉労働衛生課長
 治療の実施法を直すというわけですね、我々ではできない範囲だと思います。我々で出来る範囲の高圧則という中で議論をしていただくというのも、この会の趣旨なので。ただ、ご意見はそういう部局にお回しすることとしたいと思います。
○眞野座長
 でも、極く大事なのですね。
○自衛隊(鈴木)
 医薬品ですよね、酸素ですから。
○毛利委員
 ただ、混合ガスの報告書を建災防で書いたではないですか。あれには、混合ガスの治療には再圧テーブル6を使いなさいと書いてあります。一応あれは了解された報告書の中では、テーブル6を絶対的に使わなければいけない。テーブル5では駄目だという理由は、付けて書いてあります。
○眞野座長
 よろしいでしょうか。すみません、不手際で30分遅くなりました。どうも今日はありがとうございました。すみません、課長の最後の閉めのお話をいただかなかった。
○椎葉労働衛生課長
 我々としては真面目に受け止めたいと。よろしくお願いします。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部労働衛生課

主任中央労働衛生専門官: 濱本 和孝
業務第4係長: 吉岡 生博
(代表)03(5253)1111(内線5498)

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