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2012年4月11日 第26回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム及び新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第13回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成24年4月11日(水) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○出席者

【検討チーム】

新垣構成員、岡崎構成員、小川構成員、河崎構成員、佐久間構成員、
田尾構成員、高木構成員、中島構成員、長野構成員、西田構成員、
野澤構成員、野村構成員、広田構成員、福田構成員、堀江構成員
小杉構成員、山田構成員 (ピアスピーカー)
磯部構成員、久保野構成員、白石構成員、町野構成員 (法律等アドバイザー)

【作業チーム】

岩上構成員、上原構成員、久保野構成員、笹井構成員、
千葉構成員、良田構成員

○議題

(1) 保護者制度・入院制度の見直しに係る関係団体からのヒアリング
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長
 それでは、定刻となりましたので、只今より、第26回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」及び「保護者制度・入院制度の検討」に係る第13回作業チーム、合同の会を開催いたしたいと思います。
 構成員の皆様方並びにヒアリングに御協力いただきました団体の皆様方におかれましては、大変御多忙中のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日、進行役を務めさせていただきます、精神・障害保健課の福田でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
 本検討チーム及び作業チームにつきましては、公開でございます。検討チームでの審議内容、発言内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定でございますので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたしたいと思います。
 また、本日の構成員の出欠状況でございますが、鴻巣構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
 それでは、早速ですけれども、議事の方に入らせていただきたいと思います。
 本日の検討チーム及び作業チームは、保護者制度・入院制度につきまして、関係する8団体の皆様及び2人の有識者の方、合計10組の皆様からヒアリングを行うことといたしております。大変恐縮なのですけれども、それぞれの持ち時間が7分ということで、短いですけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。時間をなるべく守っていただきまして、円滑な会議運営の御協力をよろしくお願いいたしたいと思います。
 まず10組の皆様方からヒアリングを行いまして、そのヒアリングが終了いたしました後、構成員を含めまして質疑応答、意見交換という形で進めさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 これよりヒアリングを開始いたしたいと思いますけれども、順番はこちらの手前の方、国立精神医療施設長協議会様から御着席の順番という形で考えておりますので、あらかじめ御準備等、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、早速でございますけれども、国立精神医療施設長協議会様から、まずお願いいたしたいと思います。

○国立精神医療施設長協議会
 御紹介に与りました琉球病院の村上と申します。
 この間の議論、資料は見てから参りましたが、全体の流れについて理解をしていないので、ちょっと話がそれるところがあるのかもしれません。時間は守ります。
 資料はお手元にあるかと思いますけれども、最初の資料は国立精神医療施設長協議会とは何かというところの定義です。国立ナショナルセンターと独立行政私法人の精神科単科の病院14施設より構成されておりまして、全施設で医療観察法の入院医療施設を持っているということが特徴です。
 今回の保護者制度の現状、その問題点ということですけれども、基本的には措置入院のようなdangerous standardではなくて、need for treatment standardという治療の必要性ということを要件とした入院がどのように担保されるかと理解しております。
 パレンスパトリエという、これもここで議論は十分なされていると思いますが、どういうふうに訳すか。国が親という制度だという文言で訳されている場合でございます。私自身、そういう場合にやはり国が強制入院に関わるときに治療の必要性ということを担保して入院させるわけですから、その制度について国が責任を負うということになりますと、ある意味では予算的な配置が非常に重要な部分になってくるだろうと思っております。
 世界的に見ても保護者をどのように考えるか、いわゆる近親者、near relativeというような言葉がありますけれども、それとの違いということで、症例を最近私自身が救急で担当した方のことを触れています。これは錯乱状態で救急病院から転送されてきたのですけれども、同行していた友人と称する非常に傍若無人な人たちが入院を要求されまして、入院が必要であるということは私自身も判断しましたし、本人には同意がないということで、この友人が入院のことを強く主張されたのですけれども、深夜でしたが、何とか戸籍上の母親というか祖母を見つけて、電話で同意を取ってその場で医療保護入院としたという経緯がございます。
 ですから、近親者というのはさまざまな定義があるだろうと思います。そういう意味では近親者が必ずしも当事者の利益を保護するかということについては疑問がございます。その方々が費用負担をするとも思えません。不穏な方だったので、どうしてもその場では行動制限を強くしなければいけなかったのですけれども、やはり我々だけの判断ではその後、訴訟が起こるというリスクも十分あるだろうと思うと、保護者と近親者の違いというのはしっかりと設けなければならないと思いました。
 その次の作業チームの論点に合わせてというところで論点1〜4までございますので、それについての意見を述べさせていただきます。前提としましては、医療者も家族を含めた近親者や関係者の誰しもが治療の必要性を認めて、扶養義務者も医療費の支払いに協力的か、生活保護等を受給して公的な費用負担が明確であれば、ここでいろいろ出ておりますように精神保健指定医の医療必要性の判断だけで、後は定期的な外部評価があれば大きな問題はなく経過する。恐らく医療保護入院の大多数はこの経過でいくだろうと思います。
 しかし、この場合は争いがあった場合ということが想定されて制度はつくられると思いますので、争いがあるケースはどういうことかと言えば、1つは家族を含めた近親者や関係者のだれかが治療の必要性に疑問を持つ場合。医療者が判断に迷う場合。3番目には、扶養義務者がその任を果たせない場合。この場合に争いが出てくるだろうと思います。
 論点1、保護者に代わる誰かの同意を必要とするかに関しては、同意が必要だろうと思っています。100%医師だけの判断、medical modelだけの判断というのは、強制入院においては無理があるだろうと思っています。逆に言えば、医師だけの判断が不当入院だと思われる場合がございます。それを一身に医療者が担うということは荷が重すぎると思いました。
 指定医の判断を覆すということになりますと、やはり上級の指定医が必要だろうと思います。それを今ある審査会にするのか、いわゆる裁判のような二審制にするのかということについては、制度をしっかりと組み立てるべきであろうと思いました。
 同意の必要がなくても関与を必要とするかということですが、我々は同意が必要という立場ですので、関与に関してはすごくあいまいだろうと思っています。具体的な例としては、例えば児童相談所がよくあるのですけれども、ADHAとかPDD、被虐待児等で医療問題を持つ子どもたちが児相経由で我々のところに入ってきますけれども、結論として入院にバトンタッチすると児相はすぐ関心が薄れてきて非常に手抜きをしていくということが日常臨床の中で非常に困った事態として我々は経験しております。
 ですから、ただ関与するだけではやはり弱いと思っております。もし関与ということになれば、その関与者の定義、役割、責務を明確にできるのかということが疑問に感じるところです。その関与をしたという方の中で、この関与をした方が行動において妥当かどうかについての監査をする必要があるだろうと思いますので、これをどうするかということが問題になるだろうと思いました。
 同意または関与する場合の期間ですけれども、やはり入院期間を通じて必要だろうと思います。入院のときだけの判断では無責任になっていくだろうと思いますので、期間を通じて同意者として存在するということが必要だろうと思いました。
 誰が同意または関与を行うのかということに関しては、私自身は行政または裁判所が行う。実際、裁判所がなるということは難しいでしょうから、行政の任に当たっているものが行うべきだろうと思っております。指定医2名ということになれば措置入院とどう違うのかということもありますし、医者だけの判断というのは偏りがあるだろうと思いました。
 結論ですけれども、医療保護入院において、保護者を廃して本人の意思によらない新たな入院制度を導入するという総論には賛成です。これまで述べてきた問題を解決しなければ大きな混乱があるだろうと思います。
 大事なことは、予算、人材、機関の育成が大事で、それをしなくてすべて医療になければ臨床現場は無秩序になっていくだろう。簡単に言えば、そういうシステムをつくるということは、やはりしっかりとした枠組みと予算をつけないと、人がいないと実行できないだろうと思います。
 少し超過して申し訳ありません。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本相談支援専門員協会様、お願いいたします。

○日本相談支援専門員協会
 日本相談支援専門員協会の代表をしております門屋でございます。今日、追加で資料を配らせていただきました。それを読み上げて私どもの意見とさせていただきます。
 会の名前が入っていなくて申し訳ございません。「『保護者制度・入院制度の見直し』についての意見」ということで、最初に1〜3ページほど一般論が書いてありますのでここは時間の都合で省かせていただきまして、2ページ目の具体的意見というところから読ませていただこうと思います。
 保護者の責務規定の削除は行うべきと考えています。
 措置入院・医療保護入院は本人の非自発的入院であることから、本人の権利擁護が必要であるということ。
 保護者制度は、その権利擁護としての機能が考えられてきましたけれども、加害者・被害者関係を含む家族関係を複雑にし、本人と家族の利益が両立することの困難を招いています。
 保護者の責務規定が削除され、同意を入院の条件から外すことによって、家族としての本人擁護的役割は担える可能性があります。加えて本人擁護者としての精神保健福祉資格を持つ相談支援専門員、制度にはなっていないが地域移行支援事業によって全国的にも広がりの見られるピアサポーター(将来的には米国にあるようなピアスペシャリスト)が、本人擁護の立場から担当し医療機関と協議する役割を担っていきます。
 同意に代わる関与の制度は必要と考えています。関与の仕方については、入院継続ないし入院形態の移行などの協議への参加と本人の権利擁護者としての役割関与とが必要と考えています。
 関与者の一人として、本人の代弁的機能と権利擁護を担う者が必要と考えています。本人に寄り添い、本人利益を考える人材ですので、利害関係のない地域の人材が好ましく思います。それは一定の条件を備えた地域の相談支援専門員を考えています。この関与者は、本人の希望と了解が必要です。必ず本人に関与者の存在を周知することを義務化すべきと考えています。
 相談支援専門員には、精神保健福祉士資格を持つ者がいること、一定の経験年数と研修によって特定の相談支援専門員を養成し、その任に当たることは実現可能性が高い、条件整備が今は整っていると考えています。
 非自発的入院は、3か月までは毎月複数の指定医による診断と病院PSWによる面接、看護の意見などを基に、入院継続、入院形態の移行について協議する院内会議を義務化する必要があると考えています。その会議には、行政吏員、希望する家族、地域相談支援事業者、ないしはピアスペシャリストなどが参加するような形態を考えてはいかがかと思います。
 病状報告は現状でよいと思いますし、精神科医の書類業務をこれ以上増やすことはやめるべきだと考えております。加えて、書面報告は書き方次第という現実もあり、報告書評価は実態把握を困難にしている面もあると聞きます。
 病院の精神保健福祉士の診断及び入院形態の決定や治療方針、退院への社会復帰活動などへの有効な関わりを義務化することは重要と考えています。具体的には、入院者の社会生活背景、家族関係、入院に至る経過と状況などについてアセスメントし、独自の判断を行うとともに、その情報を診断、治療の参考としてもらう医師への情報提供を義務化し、診療報酬に位置づける必要があると考えています。少なくとも非自発的入院者は全員この関わりを業務として認めるようにしてほしいと思います。
 1年以上の入院者については、本人の申請なしに地域の相談支援専門員による関与を義務化し、地域移行支援サービスの対象として退院支援サービスを提供し、ケアマネジメント支援を実施する。関係者会議や本人同席のケア会議などを主催しつつ、支援を6か月間は継続してみるということを提案します。
 1年6か月を越えた段階では、別な医療機関の指定医の参加による診断と治療についての検討、転医、退院などの判断を行うなどへと進める必要があると考えています。
 2年を超える者については、審査会の関与が必要と考えています。
 保護者の同意なしに指定医と精神科病院管理者の責任において医療保護入院を決定し、その決定内容の妥当性についての判断を行う審査会などが必要です。
 検討・審査する会議の義務化。院内会議、自立支援協議会に設けられた地域精神保健福祉会議、審査会などと相談支援専門員が運営するケアマネジメント会議としての関係者会議とケア会議などを制度的に導入する必要があると考えています。
 本人の権利擁護については、希望する家族、本人が了解する家族は本人擁護者としての役割を担い、新たに本人の求めに応じて支援する人材としての相談支援専門員を位置づけると思います。
 措置入院については、3か月までは毎月保健所等の吏員を含む病院内検討会において審理することを義務づける。その後は審査会を中心に検討を続ける。市町村自立支援協議会に仮称「精神保健福祉検討会」を設け、3か月を超える医療保護入院者の事例検討などを医療機関の参加の下、相談支援専門員、保健所精神保健福祉吏員の協力が得られれば、弁護士や市町村職員などによる協議機関において事例検討を義務化するようにしてはいかがかと思います。「入院に際してのお知らせ」に精神保健福祉士で相談支援専門員の相談を知らせ、相談が可能であることを周知することも考えています。
 相談支援専門員は全国で4万人を超えています。相談支援専門医はソーシャルワーカー業務を行い、ケアマネジメントを行う任用資格です。我が国にはソーシャルワーカー専門職としての国家資格が精神保健福祉士・社会福祉士として存在しますが、相談支援専門員は一定の実務経験者に対し、研修修了者をもって自立支援法に基づく業務ができる専門職になっています。平成24年度からすべての福祉サービス利用者障害者に担当相談支援専門員が決まることになりますので、是非相談支援専門員の関与を希望するものです。
 長くなりましたが、以上です。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本作業療法士協会様、お願いいたします。

○日本作業療法士協会
 作業療法士協会の副会長をしています山根といいます。
 この意見に関してはそれぞれの職種がほぼ似通ったような意見をたくさん出されると思います。作業療法士は、精神科においては急性期にいかに作業を用いて病状を軽減するか、早期退院をどうするかということと、退院に向けての援助と同時に、どのように生活支援をするかということを職務にしていますので、そういう視点から保護義務の問題とか入院に関しての基本的な意見だけを述べようと思います。
 資料を御覧ください。保護義務の制度に関しましては、基本的にはいろんな課題がありますけれども、制度そのものを原則としてなくす方向にということに対しては、我々もその方がいいだろうと思います。ただ、なくすといっても家族の方々に多くの負担をかけてきたわけですから、障害福祉制度への組み入れということを検討する方向でなくすということを考えています。
 本人の利権擁護ということが非常に大事になりますので、これについては認知症と同様にしていいかどうかは問題がありますが、同様に後見人を立てるような利権擁護制度を利用することが必要だろうと思います。併せて本人が主体的に判断できない障害特性がある場合があります。それと家族の疲弊、負担への配慮ということから、公的サービスをきちんと充実させる、そのための専門的な関与、これはどういう職種をどう当てるかというのはまだ別の課題なのですが、そういうものが必要だろうと思います。
 それと家族の責任があるかどうかを判断するのではなく、家族機能を支援するような専門的な知識、技術を持った者の支援が必要ということも含めて保護義務についても検討を進めていった方がいいだろうと考えています。
 入院制度につきましては、保護義務者の最低役割が医療費の支払いとなっていますが、入院退院に関わる当事者の処遇方針は、家族の脆弱性に対応できるものにはなっていないと思われます。そのため、早期の入退院におけるインテーク時に家族やそれに代わる支援者の確保とか、初期のマネジメントができるきちんとした知識のある者を配置するということが必要だろうと思います。
 もう一つは、作業療法、リハビリテーションという立場から見ますと、合併症ですとかBPSD等で入院している患者さんの精神科医療は、一般病床とどうかみ合わせるかということが大きく影響すると思います。一方で、総合病院でのリハビリテーションとか精神障害への対応が減ってきているという事実がありますので、きちんとした入院制度を推進するためには、精神科のリエゾンチームによる医療ということも合わせて検討しないと、入院制度だけを考えても意味がないのではないかと思います。
 それと入院の短期化には、今の人員体制とか入院制度ではとても対応できませんので、そうしたことを含めて病床数をどうするのか、今の病棟の機能をどうするかということを考えないと、入院制度の是非を問うことはできないと思います。
 公的な費用で支えられるという形になりますと、病院も家族も含めて、余りいい言葉ではないですけれども、入院が長期化する。お金を払ってもらえるのならば置いておいてもいいではないかという、悪い言い方ですけれども、そういうふうなことが危惧されますので、仮に強制的に入院、保護的に入院しなければいけなくなったとしても、早く任意入院に切り替えることができるような方法を検討していくことが必要だろうと思います。
 併せて、第三者が入院審査に当たって対象者の利権擁護が保たれる仕組みということも入院制度については必要だろうと思います。
 もう一つ、リハビリテーションという立場からしますと、強制的な入院がなされた場合に不祥事が発生することを恐れるあまりにリハビリテーションに出さない。全部閉鎖の空間の中だけで退院させようとします。このことが退院してから大きな負担になったり、入院が長引いたりということがあります。これは大きな問題です。入院の形態に関わらずきちんとしたリハビリテーションを早くする、そうして本人の持てる力をきちんと引き出すということが必要だろうと思います。
 最後ですが、鑑定医の判断までには、行政と医療機関が協力して危機介入を行っていますが、その場合、北九州の例で見ますと、85%が医療を拒否されています。それに対処する精神保健相談員は非常に疲弊しております。この相談員の対象要件に対してもう少し特定の職種に限らずにそういうことができるような人を増やすということも含めて検討が必要と思います。
 あと残りはイメージ図ですが、イメージ図が大きく影響しますので、少しこういうことをしてみたらどうかということを提示しておりますので、これは改めてここで説明するまでもないので後で見ていただけたらと思います。
 時間も押しておりますので簡単に要件だけ述べさせていただきました。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、全国保健所長会様、お願いいたします。

○全国保健所長会
 資料3を用いて御説明をさせていただきます。
 保健所の立場からお話をさせていただきますけれども、基本的には新たな地域精神保健医療福祉体制の構築に向けた検討、入院中心から地域生活中心への考え方を全面的に支援いたしております。ただ、今回は保護者制度・入院制度の見直しに関するヒアリングということなのですけれども、全体的に一体的に取り組んでいただくという前提で支援をしたいと思っています。そのためには、人員も予算も長期的ビジョンを持って進めていくと言ったようなことが必要ではないかと思います。
 具体的には、医療の提供体制の整備を進め、地域福祉サービスの充実も含めて、この保護者制度・入院制度の見直しを検討する必要があるということですけれども、その全体的な調整を図るための機関として、現在、495を設置されておりますが、保健所を地域精神保健福祉の中心的な拠点として構築していくということが効率的、現実的かつ有効ではないかと考えています。
 ただ、御存じのとおり、保健所もいろいろな設置主体によって形態が違ってきております。その組織形態を踏まえた対策を講じていくということが望ましいのではないかと思います。これが基本的なスタンスということでございまして、今回の2つのテーマに関する総論的な意見に関して申し上げておきたいと思います。
 まず1点目の保護者の義務規定の削除に関しましては、資料を事前に見せていただいて、その議論を前提として保健所の関与といったようなものが退院調整等に役割が大きくなると記載されておりますが、そのことに関しましては現在、医療保護入院の開始・退院時に保健所長に届け出ることになっておりますので、例えば結核のDOTSのように、保健所が必要に応じて、関係機関と協働で支援していくというのは自然の流れで、むしろ推進していく必要があるのではないかと思っています。
 地域移行・地域定着支援、アウトリーチ支援に関しましては、保健所は市町村にはないさまざまな権限を有しております。現実的に権限を有しておりますので、専門的・広域的な立場から積極的な関与ができると思いますし、不可欠だと思います。
 医療保護入院制度の見直しに関しましては、今いろいろ議論されている幾つかの中からどれがいいと保健所長会としては議論を整理したわけではありませんけれども、むしろいろいろな議論が今よりはるかに改善するのではないかというスタンスでおります。ただそのためには、審査機能を充実させていくための財源・法的根拠が必要。そこに書いてございますとおり、人的体制、基本的位置づけの充実強化が必要なのではないかと思います。
 総論的な意見を踏まえて保護者の義務規定の削除に関することを幾つか書いてございますが、例えば医療のアクセスに関して、医療のアクセスがされやすいように、そういうようなネットワークの充実が不可欠あるいはアウトリーチの充実強化。これは例えば病院に今業務を委託しているところがありますけれども、モデル事業で委託をされておりますが、場合によっては入院患者を増やすことにもつながりかねないので、可能であればACTとか訪問看護ステーション、相談支援事業所など医療機関ではないところにアウトリーチ機能を事業委託するという選択肢も残していった方がいいのではないだろうかとも思っております。
 更には退院後の生活支援のための調整機能に関しましては、大変ですけれども、公的機関、特に保健所の機能強化を前提とした保健所の役割は重要なのではないかなと思います。そのためには、業務要領が示されておりますけれども、業務要領に記載している人材の確保、育成というのが現実的にはなされていないといったようなことを踏まえて、そのことをきっちりとやっていくということが必要だと思いますし、あと退院後の地域医療連携に関しましては、クリティカルパスも含めて、治療地域ケア計画作成などのシステムをきっちりと国なりが示して、それを医療あるいは保健福祉で遵守していく、そういうような仕組みを作成することが重要なのではないかと思います。
 4番目、保健所の関わりと同時に、市町村の担当部局の積極的な関与と人的な体制の充実・育成の機能強化が不可欠だと思いますので、これも合わせて検討をする必要があるのではないかと思います。
 先ほど申し上げました保護者の責務規定の削除に関して、設置主体が保健所、いろいろと異なっております。とりわけ都道府県型の保健所と市型、中核市型の保健所はかなり機能が異なっております。この辺のところを整理する、位置づけを明確にする、特に市型保健所の位置づけを明確にするといったようなことを踏まえた上で保護者の義務規定の責務規定の削除あるいは保健所の機能の強化といったものを進めていく必要があると思います。
 医療保護入院制度の見直しに関しましては、医療の必要性を優先的に判断するのであれば、基本的には精神保健指定医の所属する部署で判断するということはやむを得ないのではないかと思います。1人の精神保健指定医の判断で当面はやむを得ないのではないかと思いますが、ただ、入院継続の必要性などを判断するのに複数の精神保健指定医の診断が必要だとすると、こちらの方で2人目の精神保健指定医による診断で手続とするということはやむを得ないのではないかと思っています。
 イメージとしては、感染症診査協議会のようなもので診察判断するといったようなことも1つの案ではないか。いずれにせよ法的根拠と担当する部署の人的強化が必須である。後は、資料はお目通しをいただければと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、全国衛生部長会様、お願いいたします。

○全国衛生部長会
 全国衛生部長会の副会長をしております坂元でございます。
 特に資料は用意してございません。簡単に今回の保護入院の要点だけ。
 まず保護者の責務規定の削除をお願いするものでございます。全国衛生部長会の所管としましては、精神医療審議会等を持っておりますが、事実上、精神医療審議会では書類審査のみでほとんど患者さん御自身を見るとか、中身まで深く関与できるものではございません。それと保護入院という「保護」という言葉の意味の説明が行政側として一般市民の皆様方につかないということもありまして、この保護入院という形態を残すのであれば、指定医1名の同意ではなくて、複数の病院職員の同意でもってやるということが必要ではないか。
 その根拠としましては、やはり関与する人間を増やすということは、その保護の際にいろいろな問題があったときに、変な言い方で申し訳ないのですけれども、例えば行政側に対して告発できるチャンスが多くなる。その保護入院の問題に対して、そういう機会を増やすという意味で、指定医1名のほかに看護師、もしくは指定医以外の医師もしくは病院で働く保健福祉士の複数の職員の同意を必要とするという形にするべきではないかと考えているところでございます。
 保護入院に関しましては、皆様方御存じの保護者がいらっしゃらない方は行政の場合は市長同意という形で実質上は行政の人間が決めてしまっているということも起こるということを考えると、本当に保護者の同意というものが必要かどうかというところも考えていかなければならないということで、少なくとも複数の同意でもってするということを御提案申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、全国精神医療審査会連絡協議会様、お願いいたします。

○全国精神医療審査会連絡協議会
 全国精神医療審査会連絡協議会の専務理事を務めております、千葉県精神科医療センターの平田でございます。資料4を御覧ください。
 この協議会は1987年の精神保健法の制定とともにつくられた会であります。御承知のとおり、そのときの大改正では、任意入院制度、指定医制度と並んで精神医療審査会制度も3本柱になったわけでありますけれども、入院患者の人権擁護と適正な医療の確保ということが設立趣旨になっております。
 この連絡協議会はこれまで主たる作業といたしましては、全国の審査会の業務の実態をモニターするということが1つ、もう一つは審査会の実務の中で問題となった事例を毎年挙げていただいて、それを集積していく、事例を通じて問題点を解析していくという作業、この2つの作業を基軸にして、時々のトピックスを取り上げて問題提起をしたり分析をしたりしたということであります。
 今日用意した資料はその中の一部でありますけれども、措置入院制度の実態、特に長期の措置入院者の実態分析というものを通じて、入院制度ないし保護者制度に対する問題提起を行いたいと、ほかの方と切り口が少し違うかもしれませんけれども、その意味で資料を情報提供いたします。
 スライドがずらっと並んでおりますけれども、スライドの2枚目を御覧いただきますと、3か月以上措置入院が継続した場合の定期病状報告書が都道府県ごとに件数が非常に異なるということをお示しいたします。期間別に分けてあります。多い順に並べたものでありますけれども、人口であるとか在院患者密度とかそういうものと全く関係なしにばらつきがあるということがおわかりですね。
 スライドの3枚目を御覧いただくと、これは在院5年以上の長期在院、長期措置入院者の地域別分布でありますけれども、これも御覧のように、非常に都道府県にばらつきがあります。全体で5年以上は323人ですけれども、5年前に比べると4割ぐらいに減ったのでありますけれども、それでもまだこれだけの地域差がある。
 これはなぜかといいますと、措置入院が必要な病状の深刻な人あるいは行動病理の非常に重い人が特定の地域に固まっていると医学的には説明ができない現象なのです。これはなぜかというと、社会的なファクターでこういうことになっている。もう少し具体的に言うと、措置入院の継続が必要かどうかを判断する基準が地域によってばらばらである。これは精神医療審査会の機能というものとの関連もあるわけです。
 定期病状報告の審査基準が地域によって全く違うというファクターが絡んでこういうばらつきがあるわけです。その辺のことをもう少し詳しく調べるために、4枚目、5枚目といったスライドがずらっと並んでおりますけれども、これは後で眺めてください。
 スライドの11枚目と12枚目に今回の調査から得られた所見に基づいて幾つか提言をしてあります。1番目は実務的な問題ですけれども、2番目が先ほど言いましたように措置解除の基準が非常に不明確であってこのばらつきが出てくる。この現状を改善するために、まずは措置解除を促進する。一旦は医療保護入院に移行させる必要があるのではないか。これは異論もあるかもしれません。要するに、病状的に措置が必要であるというよりも、医療保護入院の成立要件が整わないために措置入院を漫然と続けているケースが事例検討の中からも時々見られるわけです。
 例えば保護者がおられるけれども、医療保護入院と切り替えると、たちどころに保護者が入院に同意しない方がおられて、すぐに退院になってしまってまた再発と再入院を繰り返す可能性がある。保護者の方の判断能力なり同意能力に問題がある方がおられます。そのために措置を解除できないという人がまれにおられる。
 かなり多いのは、いわゆる経済措置です。医療費を家族が負担できないということで病院等や御家族との間で暗黙の了解のうちにこういうことが続いてしまった。精神医療審査会は書面審査のみで審査しているわけでありますから、書面だけ見ますと措置入院が必要であるということが延々と書いてあるわけでありますけれども、実際に患者さんに面接して、果たして措置入院の継続が必要であるかどうかということを吟味している審査会はほとんど見当たらないというのが現状です。
 そういうことで費用負担は軽減するということと、保護者の選任制度を見直すべきだと。具体的に言いますと、保護者としての能力なり適格性に問題がある場合には、医療機関の側あるいは入院している患者さん御本人が異議申立て、保護者変更の申立て等ができるような制度に切り替えていくべきではないかというのが1つの提案です。これは個人的な提案とお考えください。連絡協議会全体の合意ではありません。
 措置解除あるいは措置入院の継続が必要であるかどうかの判定というのを、現在は1人の医師のみでやっておるわけでありますけれども、これは2人の精神保健指定医が関与すべきだと、審査会が直接に関与すべきであると考えております。こんなところが今日のテーマに沿った提言ということになると思います。
 最後にもう1枚、表が付けてあります。国際比較です。非自発入院制度の国際比較。これは国の科学研究等のデータを基にして手直しして再構成したものでありますけれども、各国には非自発入院制度があります。評価基準としては、危険性基準と治療必要性基準という2つに基づいて、police powerとparens patriaeという国際的な法理念に沿って、非自発入院制度というのが組み立てられていて運営されているわけでありますけれども、日本と他国との違いを見ますと、一番大きいのは人口100万人に対する非自発入院患者の数です。ほかの国に比べますとけたが1つ多いのです。非自発入院患者の比率もフィンランド等で一部高いところがありますけれども、日本がやはり高い。
 そういうことで、入院期間のチェックのポイントもほかの国に比べて長いという問題点があるということを御指摘して議論の素材を提供させていただきます。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして、全国精神障害者ネットワーク協議会様、よろしくお願いいたします。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 全国精神障害者ネットワーク協議会の方から、お手元の資料を御覧になってください。
 以下、当会7回にわたる精神障害者、精神病者、地域、1,000人を対象としましたアンケート式調査、郵送発送・回収を実施した結果を基に当会が提案するものであります。この提案はあくまでも医療保護入院の制度設計を変えることを前提に今回の定義とさせていただきます。
 (マル1)保護者同意による医療保護入院制度を再度検討し、名称等を変える。このことにつきまして、統計の下に資料が幾つか出してありますが、数多いものですから一部だけを出してあります。
 保護者の同意要件を廃止しても発病する要因は保護者にもあると下の図Aに入れてありますが、実はこの前に前年度に本人さんから私たちは統計を郵送発送・回収で取っていますので、そのときに発病に関わる対人関係の調査をしました。どこにあるかという調査をしましたら、家族関係、親族関係が80%以上に達していた。次年度やったのが下にある2009年度の関係調査なのです。この家族の発病率が下がった関係は父親、母親にあるという結果が出ました。
 その次に地域生活をしている図Bですが、生活者に保護者家族という意識が皆さんにありますかと本人たちに聞いていますと、実際はこの81.9%に当たる方が常に保護者家族を意識しながら生活しているという結果が出ました。
 続きまして次のページになりますが、発症・発病に気がついたとき、発病と思ったときに最初に相談するのは母親である。このような調査結果になりました。この間の統計調査の中で言えることは、保護者の入院の同意については、退院を踏まえ、関与を含め、判断する必要があると考えております。発症の原因でもあり、またそのときに相談する原因である。本来、私たち患者が親を恨むかということを考えてみますと、実は2ページに図Dという調査がありますが、入院時の処遇が親子関係を悪化する、入院制度の問題とも言えるということはこの次の調査で出ております。2011年に調査した調査の一部なのですが、再発時に一番つらいこと。母数を必ず見ておいてください。うちの母数は非常に高いですから1,000ですので、400とか500とかという母数ですので、しかも郵送発生・回収ですので、その数の母数ですので、それは考慮して考えてください。
 このときに一番つらいことというのは、入院することを皆さん挙げています。426名中の218名の方、入院なのです。では、その一番つらいところに入れられる私たちということで頭の中に入れておいていただきたいです。
 なぜつらいかというのは、うちの付けている資料、4ページの(マル2)以降に細かく書いております。その前に当会からの提案事項、現行の精神医療審査会の実施する医療保護入院の見直しについてお話ししたいと思います。
 下側にちょっとした図が描いてあります。この点、2−2、どのような期間で判定・審査するか、どのような期間を設定するかということについて下に書いてあります。
 当会からの提案は、このような統計を含めた中で、まず審査する期間において1か月間で大体は皆さん病状調査などもしているのですが、その中で1か月間皆さん沈静してしまう、いわゆる急性期状態が終わってしまうので、1か月目に本当に医療保護入院が必要であるかということをしていただきたいと思います。
 この中にどう読んでも欠けているのは、本人同意が結べているか、結べていないかという確認です。この中でいつも継続入院の話が出ているのですが、毎回において当会が提案するのは、1か月に1回ずつ、必ずその中で同意するか、しないか、治療の同意があるかないか、同意がありましたら、直ちに医療保護入院から任意入院に切り替えることをしていただく。ただ、3か月間に1回で今までどおり継続的な医療保護入院が必要である。最長期間は6か月としていただきたいというのは、本人たちは私たちがやっている調査の中で出てきた数字で、入院が長いと感じるのは6か月が平均的なものでした。ですので、6か月と置かせていただきました。
 こんな中でどこにそんな人手があるのかという話が出ていると思うのですが、その下の図を見ていただきたいのですが、つくりの方ですが、今まで現行の医療審査会がありますが、こちらの方も第三者的に置きまして、いつも審査している機関です。適正運用されているかというものに変えていく。
 そして地域の方に地域精神医療審査会というものを新設しまして、これは市町村が招集いたします。もしくは病院さんが招集しても結構だと思います。その構成員は、先ほども出ていましたけれども、専門家に限らず、なぜなら人権侵害の調査でもわかるのですが、地域の住民が一番不愉快なのです。すごく地域にいろんな偏見ができますので、閉ざされた精神医療を開くために、そういう意味では地域医療審査会という、構成員は定かではありませんが、必ず入れてほしい条件の中で家族と本人を入れる。この医療保護入院の中で歪んでしまった歴史があるのです。それを再度家族もしくは本人を入れることによって、地域精神保健福祉審議会の中でその歪みを補修することができる、修正することができる。言い方が悪いですけれども、これから行政も予算がないところですけれども、地域の方の行政にまた予算を付けろという意味ではないのですが、地域もしくは地域の病院さんの方でお願いするという形で招集するという形はできると思います。
 その中で注意点は3ページの図にありますが、やはり地域の中の委員構成につきましては、例えば精神保健福祉士さんとかいろんな方がいらっしゃいますけれども、そういう方も入れていいと思います。ただし、今の現行の区分認定の中で考えると、区分認定に使われている人たちの中に本人たちを混ぜることによってある一定の同じような会ができると思います。その中で審査されるということが大切だろうと。
 もう一点、この改正をするときに必ずしていただきたいことは、あくまでも人権に配慮した面でできることをしていただきたい。
 4ページの上をしっかり見ていただきたいのですが、医療審査会、本人たちに聞きました。2005年度、医療審査会で説明を受けている人は24%で、その後、2012年度、今年度、年末から1月に開始しましたのは32%、実際、機能していないのと同じです。ここが今どうであるかというよりかは、患者側からしてみたら、機能としていないものを新たなものとして論議していることが私たちにとってはとても不思議でなりません。
 もうそろそろ7分を過ぎましたので私の方の発言を終わらせていただきますが、(マル3)に書いてありますが、この中で任意入院であるのに、現在、2012年で特に出ているのが、任意入院であっても閉鎖処遇になっているのが61%であったり、しかも下のように権利侵害が具体的に行われている事実がまだこの年にも起きている。
 5ページ、ここは統計の比較調査ですが、医療保護入院と強制入院の人と任意入院の人の体験の比較調査です。今年度の分です。行動制限、隔離についての比較です。左側が強制入院に当たる人たち、いわゆる医療保護入院の人たち、右が任意入院の人たちです。ほとんどニーズは変わらないのですけれども、この中で仕方がないというあきらめがほとんど出てしまっているのが強制入院という人たちです。今でも嫌な思い出と段々と出ていますが、こうやって嫌な規制の思い出として心の中に入院中の思い出がこずんでいくという現象はずっと続いています。
 ここに出ています入院体制、入院制度の問題の中の入院について最後に述べさせていただきましたけれども、直ちに今の医療形態の改善をするのであれば、一般の病棟と入院の条件を整えて、本当の隔離が必要である人だけ以外は普通の開放処遇にするべきである、それがいろんな問題を生んでいると、私たちはつくづくそこの統計調査、約8年間続けていますが、それはその根本を変えていかない限りは何も変わっていかないと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、地域精神保健福祉機構・コンボ様、よろしくお願いいたします。

○地域精神保健福祉機構・コンボ
 引き続き資料6を御覧いただければと思います。
 真ん中の「記」より下を見ていきたいと思います。
 まず「1.保護者制度について」ですけれども、まずは保護者制度撤廃をということで、保護者制度については長年にわたって家族会等から撤廃を求める要望が行われてきました。平成11年の見直しでは保護義務者から保護者へと名称が変更されていますけれども、義務規定の一部が緩和されたとはいえ、実態は大きく変わっていません。今回の見直しに当たっては、保護者に課せられた各義務規定をすべて削除していただきたいと考えます。
 次、権利擁護について。家族に負担を負わせてきた保護者規定の削除に伴い、入院者の人権確保、財産管理、居住の場の確保等について制度的に保障するために、権利擁護に当たるものを置くべきだと考えます。
 更に、配偶者、二等親以外の親族による異議申立てを認めるなど、家族の権利も確保すべきではないかと考えます。
 治療へアクセスする権利の保障についてということで、治療へアクセスする権利の保障は入院という形態に限定する必要はなく、ACTに代表されるアウトリーチサービスやエマージェンシーチーム、クライシスハウスといった海外で成功しているシステムの導入など、入院以外の利用者が活用しやすい支援の手段を豊富化させるべきだと考えます。家族に負担を負わせるのではなく、公的な制度として整備すべきです。
 強制入院を極力減らしていくための仕組みを設けるということで、例えば医療保護入院に代わる強制入院の期間は3週間を限度として、任意入院の移行以外は更新を認めないといったような制限や、あるいは地域生活支援の体制を整えるためにも、強制入院者には「相談支援事業者」「地域定着支援事業者」などを関与させる仕組みを設けるなどして、強制入院を極力減らす仕組みを設ける必要があるのではないかと考えています。
 「2.医療保護入院について」。まず各論点、いろいろと示されておりますけれども、それを論ずる以前の問題として、医療保護入院に代わる制度の必要性は認めるとしても、強制入院制度である以上、できる限り限定的抑制的手段として用いられるべきではないかと思います。
 各論点については次のとおりということで、保護者に代わる誰かの同意を必要とするかどうか。入院治療が必要かどうかの判断と入院治療を受けるかどうかの判断というのは別だろうということで、指定医の判断のみでは不十分ではないか。入院治療を受けるかどうかの判断は、患者本人をとりまく生活環境や支援体制によっても左右される社会的な側面があるので、権利擁護の視点からの判断は医療的判断とは別に必要ではないかということで、その判断は保護者に代わる第三者に委ねるべきではないかということです。ただし、本人が明確に入院治療を拒否するという意思表示をしている場合は、第三者による同意をもってしても強制することはできないのではないかと考えます。
 論点2、同意は必要ないとしても関与を必要とするかどうか。関与ではなく同意とし、強制入院に対し抑制的な制度とすべきです。関与では判断の主体が指定医にあり、入院治療を受けるかどうかという患者側の主体性が発揮できないと考えます。
 論点3、同意または関与をする場合、入院時とするか、一定期間内でよいとするかということですけれども、やはり入院時の同意が必要と考えます。緊急に入院が必要な場合は、応急入院等の代替手段で対応すべきではないかと考えます。
 論点4、誰が同意または関与を行うのか。これは非常に難しい点だと思いますが、基本的な考え方としては、権利擁護の観点からの判断というのは、後見人などのように公的に位置づけられた存在が必要だろうと考えます。後見人以外には、権利擁護団体や院外の地域支援関係者等を公的に位置づけるなどしていく必要があるのではないかと考えます。
 同一病院内の指定医または管理者等による同意では、入院治療の必要性についての客観性を担保できるとしても、入院治療を受けるかどうかという本人の側に立った判断にはならないと考えます。これでは不十分ではないかと思っています。
 ということで、以上です。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、八尋光秀様、よろしくお願いいたします。

○八尋光秀氏
 弁護士の八尋です。
 私は2001年5月、いわゆるハンセン病訴訟の判決をいただきました。皆さんは御存じでしょうか。判決はこう述べています。
 患者隔離はたとえ数年であっても、人として当然持っているはずの人生のありとあらゆる発展可能性を大きく損ない、人権の制限は人としての生活全般にわたる。それは施設内にとどまらず、患者が地域社会に脅威をもたらす危険な存在であり、ことごとく隔離しなければならないという誤った社会認識、偏見差別を作出・助長・持続させると。
 この判決は、国の患者隔離政策は、患者が自ら望む地域で平穏に生活する権利を奪い、回復しがたい人生被害を与えてしまうもので、憲法に違反すると明言しました。国はこの後、「ハンセン病問題」と位置づけて、患者隔離政策による人生被害からの回復のために、この方々に謝罪と補償、再発防止のための検証会議、名誉回復と亡くなられた患者への追悼事業などを行っています。このうち再発防止策をつくるために開いた検証会議は、2005年3月、再発防止のための提言において、「ハンセン病問題」と同様に国の患者隔離政策による、いわゆる「精神病問題」が存在することを指摘し、国に改善を求めました。
 2006年12月、そのハンセン病国賠訴訟第1次原告13人の一人で、ハンセン病療養所菊池恵楓園自治会の役員をしておられる方から私は電話をいただきました。精神病院に入院させられた青年から退院したいとの電話があった。相談に乗ってもらえないか。この青年はちょうど3年前の2003年12月、28歳で母親の同意による医療保護入院をさせられました。その後、退院請求を何回か行ったが、いずれも「病識がない」として認められなかった。病名は「パラノイヤ」だということです。
 基本的人権を保障する国で、「病識がない」という理由で患者の強制隔離を許容する国が他にあるでしょうか。2007年1月からこの青年の相談を受け、2か月に一度くらいの割合で面会し、これまで5回に及ぶ審査請求を私自身がしました。いずれも「病識が乏しい」として入院相当であるという判断。今年の2月も処遇改善請求を行いました。審査会の結論は「処遇はおおむね相当」とのことでした。
 24時間かぎのかかる閉鎖病棟に入れ、月に一度の外出の機会も与えない。病棟は20年、30年を超えて入院を強られている高齢の方ばかり。病室は10人の部屋。カーテンの仕切りを設けず、便宜ポータブルトイレでの用足しを認めています。
 青年は医療保護入院を強いられてもう9年目です。37歳を迎えます。青年も私も無力です。審査会は5人中3人を精神科医が占めます。不服申立て制度はありません。組織も事務局も財政も、青年が地域に生活するための環境を整備することはできません。たった一度きりの彼の人生は、最も輝くべき28歳から37歳まで、24時間閉鎖病棟で「病識がない」として奪われ続けています。
 この強制入院によって得られる利益はどのようなものでしょうか。この強制入院によって強いられる人生被害という被害を補って余りあるものでしょうか。皆さん方の目にも人生被害の方がとてつもなく大きいと映ることだと思います。
 もう医療保護入院は廃止されてはいかがでしょうか。応急入院に加えて医療保護入院が必要だとは到底思えません。今、14万人を超える医療保護入院の患者さんたちには、地域生活への移行期に限り現在の療養と生活を保障する期限付きの経過措置を取られたらいかがでしょうか。そうすれば地域移行政策は更に具体化していくでしょう。精神医療審査会の現在の制度はあくまで「当面の間の次善の策」として講じられたものです。不服申立て制度を持つ、あるべき司法的審査機関へと発展させてはいかがでしょうか。
 「ハンセン病問題」が病気や医療の問題ではなく、患者隔離政策がもたらした人生被害からの回復がいまだに達成されていないという社会問題である。このことと同じ精神病問題が、深く広く強く私たちの社会に根を張っています。
 この問題を医療や福祉の問題としてではなく、法律と制度がもたらした患者への隔離被害に対する司法であり、政治であり、行政全般にわたる課題として解決されることを私は望みます。
 お手元の資料に3点改革の要旨を書いておりますので、後に目をお通しください。
 私からは以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 では、最後になります加藤真規子様、よろしくお願いいたします。

○加藤真規子
 こらーる・たいとうの加藤と申します。よろしくお願いします。
 私の資料は資料8です。配っていただいた小冊子ですけれども、黄色のしおりが付いているところがコラールのみんなと一緒に話し合いをして書きました入院や入所のときのいろいろな嫌だったな、つらかったなという経験です。こんなふうに職員の人たちに対応してもらったことはとてもありがたかったということをまとめました。後でお読みください。
 松田博幸さんの文章等を資料として載せておきました。とても短い文章ですけれども、今日の私の発表の参考になりましたので載せていただきました。
 私たちの方の意見です。私は大変楽天的なのか、障害者権利条約に批准するためには整合性を持たなくてはいけないと思っておりますので、保護者制度は廃止になると思っております。ですので、それに基づいてみんなで意見をまとめました。
 「アドボカシー制度の創設を待望して」ということです。これも多少加筆をしましたので、余りいいコピーではありませんが、自分で持ってまいりました。こちらを読み上げたいと思います。
 「アドボカシー制度の創設を待望して」。
 精神障害者や知的障害者になることにより、生活の質を著しく低下してしまった(されたといった方が適切だろう)。人々の自律(セルフコントロール)を目指して、安心・安全・自由な関係に基づくアドボカシー制度の創設を待望します。
 アドボケートは、医療機関や施設などにおいて強制入院や行動制限の要件、処遇基準をめぐって本人の権利が侵害されていないかどうか、あるいは地域生活のあらゆる場面において権利が侵害されていないかどうかを把握し、本人の人間としての権利を守り、本人の意思の実現を図ると考えます。
 では、1番、だれがアドボケートになれるのか。
 (マル1)本人に選ばれた人であること。
 (マル2)中立ではなく、本人の立場に立って援助・代弁を行う人であらねばならない。
 (マル3)本人が利用している病院や施設の関係者ではない。これには当事者であっても、本人と同じ病院や施設の利用者の場合はアドボケートにはなれない。
 (マル4)アドボケート養成講座を創設し、この養成講座を必ず受講すること。
 2、費用はどうするのか。
 (マル1)税金で賄う。費用については短い時間ではありましたが、よその国を少し調べてみました。少なくとも本人が払うという制度を持っているところは今のところありませんでした。
 (マル2)本人が生活保護受給中の場合には、生活保護制度から支給すること。
 3、どんな仕事をするのか。
 (マル1)本人の意思・意志の尊重と、本人の権利(安心・安全・自由)を守ること。本人の立場を守ること。
 (マル2)医療や福祉のパターナリズムに対抗する。
 (マル3)本人の意思を実現するためのサポーターであり、本人の意思を必要なときは代弁しなければならない。
 (マル4)本人を虐待・放置から保護しなければならない。
 4、アドボケートにはどんな特権が認められるのか。
 (マル1)本人が精神科病院に入院中・社会福祉施設に入所中の場合は、必要な場合はいつでも本人に面会できる。
 (マル2)本人の了解があればカルテ・相談録を見ることができる。
 (マル3)本人の代理者として、医師・看護職・社会福祉職・薬剤師等、職員と面談し、問題解決を図ることできる。職員は、本人かアドボケートからの依頼があれば面談し、問題解決に協力すること。
 (マル4)本人の代理者として、行政等関係機関の職員と面談することができる。行政等関係機関の職員は、面談しなければならないとする。
 (マル5)本人の代理者として不服申立てを行政に対して行うことができる。
 5、アドボケートが尊守しなければならないこと。
 (マル1)あくまでも本人の立場に立って援助・代弁を行うこと。
 (マル2)本人情報はもとより、関係機関・関係者に関する情報もこの仕事の遂行以外には使用してはならないこと。
 (マル3)記録を残すこと。しかし、記録の方法は、ビデオ・写真・録音・書くことなどアドボケートが選択してよいものとする。
 (マル4)アドボケートを監視し、相談に乗るシステムを創設した方がよいと考えますが、どんなシステムがよいかということはもう少し考えたいと思いました。
 例えばアドボケートの養成講座、みんながこれを受けなくてはならないということだと思いますが、例としてニューヨーク・ウェストチェスター・ロックランド・アドボカシー連合の場合を調べてみました。
 1、活動場所は入院施設・地域社会、両方です。
 では、どんなトレーニングを受けているのか。72時間の教室でのトレーニング。
 1、団体の歴史。2、精神医療以外の健康法、健康に関する法律。異文化の人たちと交わる能力。多様性のトレーニング。給付と権利。秘密保持と倫理。精神衛生法、日本で言えば精神保健福祉法のことです。措置入院、患者の権利。セルフヘルプの技術。グループのファシリテーション・トレーニング。希望とリカバリーについて。重複障害の人がたくさんいらっしゃるわけですから、重複障害について学ぶこと。女性の声。交渉の技術。コミュニケーション技術。実際にやってみる。地域社会における精神保健サービスがどんなものがあるのか。ピアアドボカシーについて、哲学と価値。システムアドボカシーについても学びます。司法制度。何らかの問題を持つ個人に対する保護とアドボカシー。精神病の専門者と話すこと。内面から自分のことを見つめること。そして、人と人とをつないでいくこと。スピリチュアルティ、価値の交換。統合失調症というものはこういうふうに言われてきましたということを学ぶこと。自分で意思決定ができなくなった場合の希望を書いた文書などを学ぶこと。プラス48時間の実習ということをされているようです。こういうものも参考にできたいいなと思いました。
 以上です。ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 皆さん、時間を順守していただきまして、本当にありがとうございました。
 これから残りの時間、意見交換もしくは質問という形で、ある意味で自由にやりとりをしていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。それでは、構成員の皆様方の方から御意見、または只今の御発表に対しての御質問がございましたらお願いしたいと思います。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員
 只今いろいろとヒアリングでお伺いしまして、精神医療審査会は大幅な改革が絶対に必要であるとまた改めて思いました。御本人の人権擁護は、今のところ精神医療審査会しかないように思います。できれば国の法律をきちんと設けまして、人権擁護をもっときちっと地域でするような機関があればもっといいのですけれども、現在のところは精神医療審査会をしっかりと。先ほどお話がありましたが、当事者と家族の代表も是非加えるべきと思います。
 私は家族の立場でこれまで主張してきたことを今日は少し訂正したいと思います。というのは、私の考えは病院外の地域支援関係者が指定医に同意をして医療保護入院になるという考えでしたけれども、指定医の権限が強すぎることを思ってのことでしたが、関与ということに少しレベルを下げたいと思います。同意とすると訴訟が起きた場合に地域支援関係者がどのようにして自分を守るかということが大変な問題でありまして、関与であればその辺は少しぼやかせるかと思いました。
 とりあえずそれだけです。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、今の御意見に関連してでございましょうか。手短にお願いします。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(徳山)
 私は熊本なのですけれども、八尋先生が扱っている事例も熊本なのです。八尋先生と一緒に彼に3回面会に行きました。3回目に私はスティブ・ジョブズ氏の本を買ってきてくれと言われて持っていったときに面会を拒否されました。帰ってくれと言われました。なんで面会ができないのですか、本を渡すだけなのですけれどもと言ったら、面会を拒否されました。
 1回目は八尋先生と行ったので入れました。2回目はちょっと会いたいというのでお菓子を持っていって入れました。3回目は拒否されました。そして、私は熊本の精神医療審議会の委員を6年間していたものですから、県庁に顔がきくものですから、医療審査会の実際退院になった例を教えてくれということを県庁に言いました。そうしたら、県庁の担当が退院になった例を挙げることはできないと拒否されました。そして、精神保健福祉センターに言ってくれと言われました。精神保健福祉センターに電話して、精神保健福祉センターはその担当者がいないと言われて、たらい回しにされて教えてくれませんでした。それが医療福祉審査会の実際の現状です。これが唯一患者救済の道であっていいはずがありません。アドボカシー制度をちゃんとつくるべきだと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 そのほか御意見はありますか。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員
 八尋先生に少しお伺いしたいと思ったのですが、先生の御提案の中に精神医療審査会を司法的審査会として設置するという御提案が書かれておるわけですけれども、これは現状の精神医療審査会の位置づけであれば、先生が御指摘されたようにかなり権限的になかなか難しいところがあるというところからの御提案かとは思っているのです。
 実はこれまでの検討チームの中でも議論があったのですが、現状の精神医療審査会はやはり医療的な観点のみで入院継続が必要であるとか、処遇も現状の処遇のままでいいという判断になるわけですが、地域の方へどういうふうに移行していくかという観点の精神医療審査会の発言力というのは全くないと思います。その辺もかなり今後の課題として精神医療審査会にそういう地域移行に対しての指摘であったり、あるいはそのためには行政が何をすべきなのかというところまでの権限を付与すべきとお考えでしょうか。

○福田精神・障害保健課長
 八尋さん、よろしくお願いいたします。

○八尋光秀
 私もそう思っております。精神医療審査会を司法的審査機関として設置するというのは、まず私たちの国で精神医療審査会をつくるときに確認した事項です。ところが、実際にすぐにはできないということで先延ばしをしながら、はじめは県の措置入院を預かるところの部署が精神医療審査会の事務局を担いました。
 その後さらに当面の次善の策として、審査会事務局を精神保健センターに置き、今に至っています。このように20年以上経ちながらとりあえずの策でやってきたのです。出発した原点においては、ICJあるいは国連から指摘をされて、きちんとした司法的な審査機関をつくらなければならないという勧告を受け、それでは、つくりますということではじめました。ですから、そこのところが未だにできていないと考えた方がいいと思います。
 もう一つが、おっしゃられるとおり、1年以上入院された方は地域生活に戻るのにも障害ができています。自分の部屋がなくなる、家族はもう嫌がっている。そういう状況の中で地域から嫌われる。本当に地域に戻すために必要な措置を何らかの形で精神医療審査会なりそういったところが命令し、手当てをする。ついでですけれども、私が精神医療審査会にいたころは、現実に行政のスタッフを呼んで、社会でこの人の生活保護をとりあえず付けられるようにやろうとか、どこか中間施設はないのですかとか、環境調整をしながらやってはいたのですけれども、それは全体としてはルール化されていない。
 御存知のとおり審査会にも地域格差があって、そういった意味で基本的な骨組みにおいて独立した司法的な機関であるということと、それプラスおっしゃられるとおり、地域移行を推進する権限も実現するための手足も兼ね備えさせる必要があるので、単純に裁判ではだめという意味で、司法的な機関が必要だと私自身は思っています。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 そのほか、御意見、御質問はございますか。
 では、お願いいたします。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 河崎構成員に質問があるのですが、その関連なのですが、この資料の中に、現行やっている精神保健福祉審議会が地域の方に出向いていくというような案もあったような気がするのですが、その場合、とても人数的に足りないということの考慮があった。実際に生活している病院まで行ってということまで話し合われた。また、一部の中に審査会が病院、地域へ出ていって実際に審査するという案も出ている。ほとんど人数が足りないということで、どうもその辺が進まなかったということなのですが、この点について解決案をとりあえず私たちなりに地域医療審査会という地域の方で開催したらどうかと市町村単位で出したのですけれども、このことについてどう思われますか。
 そちらの方で再度当事者家族を入れながら、例えば先ほど言いました区分認定の場合は、自分の主治医は自分の区分認定、お医者さんがその患者さんの区分認定をできないのです。それと同じように、審査はその本人ができないような仕組みさえ入れてしまえば長期化することも非常に避けられますし、もっと密接なもの。人数が足りないから地域医療審査会という形で、こちらの方は私たちの全国精神障害者ネットワーク協議会の3ページにたしかそういう地域精神医療審査会という案を御提案させていただいて、これについてはどう思われますか。

○福田精神・障害保健課長
 もしよろしければどうぞお答えいただいて。

○河崎構成員
 私の個人的な見解でよろしいですか。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 はい。

○河崎構成員
 多分ここに書かれておられる地域精神医療審査会で、病院内外で審議をするということで、特に委員構成の中で当事者または家族の方がそこにしっかり入ってという審査会のイメージを出されているということに関しては、これがどれだけそれぞれの地域の中で、どういう範囲を1つの地域として考えていくのかということは検討しなければいけないのかなと思いますし、精神科の病院にしても地域の偏在が結構ございますので、この地域というのを各市町村単位の考え方でいくのか、あるいはそれをどういうふうに考えていくのかというのは1点またいろいろと議論をしなければいけないところだと。
 ただ、少なくともこういう御提案の地域精神医療審査会というようなものが動き出すことによって、その地域への移行ということがうまく進んでいくということであれば、私は1つの考え方としてはあるのではないかなとは思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 一言だけ。次は広田構成員に発言いただきます。まずどうぞ。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 要はそれを出していただいたのは、私たちに回答が返ってこないのです。出しても何も答えが返ってこない。ですから、身近な窓口がすぐ近くの病院にあったり、何か出せば返ってくるということを、希望をかけて出していたと思います。勿論、地域の中で回るということです。地域の人が例示することによって、地域の情報が入るから、隔離された状況からある程度救われるということを目標として出させていただきました。どうも御意見ありがとうございます。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 では、広田構成員、お願いいたします。

○広田構成員
 今日は10団体というか、加藤真規子さんまで仲間が3人と、旧知の間柄の関係者にいっぱい来ていただいてありがとうございます。私の同窓会と先ほど話していたのです。
 私は八尋さん、弁護士さんが余り出てくるのは個人的に好きではないのです。特に今3万人で余っていますからどこへ進出しようかという時代で、いつも言っているのですけれど、「国及び地方自治体の委員会は専門家のハローワークね」と、それに今度は弁護士が入っているのかしらという発言をいないところでお話していましたから、いるところで言っておきます。
 精神医療審査会は本人不在です。本人を見ないで書面で見て、これは前に発言していますけれど、本人を見ないで病名を見たり、「パラノイヤ」と先ほど出てきましたけれど、医者が付けた診断名はかなり間違っています。私は駆け込み寺をやっていますけれど、統合失調症と付いている人が発達障害ではないかと思ったりします。
 そういうことも含めて2点お聞きしたいのは、医療側に、行政側も今日見えている、平田先生も見えている、いろんな人が見えているけれど、精神医療審査会に是非本人を出していただきたい。それを阻むものがあれば何なのかということと、何度も言っていますが、この国の強制入院の1つの、医療保護入院が14万人もいる。全国の精神科病院を泊まり歩いていますけれど、任意入院でいいのではないかという人がいっぱいいます。是非その辺をふだんの構成員並びに今日お集まりの関係者でわかる人がいたら教えていただきたい。本音で教えていただきたいということ。
 以上、2点です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。ただいまの広田構成員からの14万人にわたる医療保護入院がなぜか。そこの部分のところについてまず何か御意見がある方。
 では、衛生部長会さん、お願いします。

○全国衛生部長会
 医療審査会を所管している行政側としては、別に本人を入れるということに対しては何ら意義があるものではありませんが、法律的に仕組みとして入れない仕組みになっているという点であって、行政側は別に御本人が入っても何ら不都合はございません。

○福田精神・障害保健課長
 そのほか御意見はありますか。
 では、山梨さん、お願いします。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 済みません、私は2003年に精神病床の検討会の検討委員を1年間、毎月ここの厚労省に来ていましたけれども、その当時、精神医療審査会、当事者委員を是非入れてくださいという話をしたときに、なぜ入れてくれなかったという理由はこれでした。
 別に当事者がいなくてもちゃんと平等に審議できるという精神科の協会さんがしっかりした理由を言ってはねのけられました。当時、私が言って食い下がって、医療委員は3名までに変えた。それだけしかできなかったです。でも、未だにこの統計調査をしますけれども、なぜ当時2003年から当事者委員を入れた方がということに関して受け入れられないか。未だに入れられないか、その辺の理由をどこか答えられるところがありましたら、できたら事務局から御説明をお願いします。

○広田構成員
 済みません。山梨君のは、「なぜ当事者委員を入れないのか」という質問。私は精神医療審査会がなぜ患者本人を見ないで勝手に書面で本人のことを決めてしまうのかという話です。2つ質問が出ています。

○福田精神・障害保健課長
 ということでありますけれども、ここでそんなに簡単に答えが出るものではないと思うので、14万人の方の話と、実際に患者さん、当事者を見てというお話で、このところは検討チームや作業班の方でも議論しているところでありますけれども、そういった議論を補足するような意味での御意見が追加的にございましたら、お願いしたいと思います。

○全国衛生部長会
 患者さんを見ないでということは本当にもっともな意見だと思いますが、事情を言えば、数が多すぎて書面審査をする時間だけで手一杯というのが現状でございまして、もし患者さん御自身を見た上で判断されるというのであれば、この審査会そのものの在り方、回数、委員、根本的に見直さなければいけないと思います。行政側としては患者さんを見るということに対して反対するものではございません。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。今、医療側はとありましたけれども、作業療法士協会、お願いします。
○日本作業療法士協会
 14万人の入院ということなのですけれども、不謹慎な発言で医療関係者の方には怒られるかもしれませんが、生活保護など治療費が公費で安定して入るという事も多いからだと思います。

○河崎構成員
 措置入院は公費ですが、医療保護入院はそれぞれの方たちの経済的状況によって生活保護という場合もありますが、それを全部が公費という御認識は改めていただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 今、広田構成員からの問題提起、適宜それについても反応いただいて結構でございますけれども、それにこだわらずにそのほか御意見、御質問がございましたらお願いいたしたいと思います。
 それでは、加藤さん、お願いいたします。

○加藤真規子
 広田さんの質問を考えました。14万人も医療保護入院が多いということは、病気についての説明だとか治療の必要性を患者さんに伝える力が育っていないということだと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほか御意見はございますか。よろしくお願いします。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(徳山)
 八尋先生が例を出したケースなのですけれども、彼は私に毎月月曜日の8時に電話してくるのです。全くノーマルです。薬がないと眠れないから薬が必要だということははっきり言います。でも「病識がない」と書かれているのです。
 もう一つあるのは、こんな錯乱状態の人がいるでしょうか。私が初めて八尋先生と一緒に行ったときに、その病院で待ち合わせしたのですけれども、帰りがけに封筒に入れて私に渡したのです。新札で千円札が10枚入っていました。2回目に私が行ったときはお菓子を持っていきました。3回目、私がApple社のジョブズ氏の本が欲しいというので持っていったら、そのときは措置入院を書いた医者が会わせてくれませんでした。そのときにジョブズ氏の本が4,000円だったのですけれども、彼は五千円を包んで、封筒でこれは手紙だからと言って渡してくれました。はっきり言って、そんな人が医療保護入院は必要でしょうか。私は本当に疑問を感じます。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほか御意見ありますか。
 高木構成員、お願いします。

○高木構成員
 今日は皆さんの貴重な御意見、ありがとうございました。聞いていまして、2つ、とても印象に残ったことがあるのです。
 1つは、我々がここで保護者制度について削除していくということを議論してきたことが、これだけの今日の皆さんと意見がほぼ一致している。これはこれまでの精神医療改革の歴史の中でもなかったことではないかと思うのです。
 ただ、これに関連して、やはり議論の中でこの保護者制度を最終的になくすときに強制入院との関係でどうしても内包されてくる支払義務の件に突き当たったときに、そこの議論はこの中で突き詰められずにおるのです。
 私は別の民法で扶養義務とかというのがあるのだから、それはそれでいいではないかと、保護者制度などなくてもそういうものを使うことはできるはずだという意見ではありますけれども、その辺について御意見があればということが1つ目です。
 2つ目、すごく感動しましたのは、構成員の中で議論している病院の内側からの意見と、皆さんから意見をお聞きしたときの病院の外側からの意見がいかに違うかということであります。
 具体的には例えば前回のこの会議で出ましたのは、入院中のことは病院の中で任せられてしかるべきものもある、そのために指定医にせよ、ケースワーカーの同意にせよ、同じ病院の中でやっていくことで病院を変えていく、そういう方法があるはずだという中で議論は膠着状態になっているわけです。そういうふうになってしまうのはなぜかということですけれども、これは広田さんの先ほどの発言も深まるとは思うのですが、やはり強制入院が多いということが今大きな病院の入院治療そのものを支えているという面があるのではないかと思います。
 それはさておきまして、こういうことが議論になって変わらないのは、キーワードがあるのです。キーワードは何かというと、現実的混乱が起こる。資金と人材がない中で変えたら現実的に混乱する、だからいけないという議論なのですけれども、これを言っていたらいつまで経っても変わらないのです。病院の中は医者が権限を持っていますから、医者が命令すれば、それを実行すればすべてがうまくいく。そして地域では、今のままであれば入院に頼っていけばいいですから、入院という制度を使うことが保っていくことになる。そのために、先ほど人材、資金がないと言いましたけれども、病院が資金を使い、そして人材は育たないという悪循環が起こっています。私は議論を変えていくに当たっては、多少の混乱は避けられないと。今、既に地域は保健所機能も崩壊し、かつ、これまで強制入院をやってきた病院というのも往診入院というのがなくなり、医療中断が非常に多くなって、地域はもう既に混乱しています。この上、更に多少の混乱が加わったからといってどういうことはないのではないかという乱暴な意見を私は持っております。
 このままだと日本の人材の中で、医者はいいのです。精神医療に精神科医は要らないというのが私の意見ですから。しかし、コメディカルが育たない、そういう悪循環の状況になっていると思いますが、混乱を最小限に抑えるためにこそ、医療観察法や措置入院という制度があり、それを適切、効果的に運用することで混乱は最小限に抑えられるのではないかと思っておりますが、これについても、もしコメディカルの方から御意見があればお伺いしたいなと思っております。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。今、高木構成員から2点ほどございましたけれども、これに関しまして御意見がございましたらお願いしたいと思います。
 八尋さん、どうぞ。

○八尋光秀
 必要以上に混乱はするのですか。私、資料に書いていますけれども、一般的に制度を変えるときは経過措置を取りますね。皆さん方、いつになったら14万人を解消しようと思っているのですか。2年ですか、3年ですか。そうであれば、今、入院されている方について経過措置を取って、退院促進の政策を具体的にやっていく。しかし、医療保護入院制度としてはもうここでやめる。それでも経過措置によって今のままが2年間続きますから、何も混乱しないです。2年の中でやることをやって現場を変えるということです。法制度の改革によって、現場が混乱するといって先延ばしをすると、いつまでたっても法制度改革はできません。だって、いつかは必要な混乱はするのですから。その現場不安だと2年後だっておおいに混乱するのでしょう。私は無用な混乱は避けられるし、より現実的な改革手法だと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 加藤さん、よろしくお願いします。

○加藤真規子
 混乱するはずのことを何十万人、何百人の人たちを我慢させてきたわけです。それを守ってきたのがいろいろな日本の法律、医療制度なのですから、混乱するのも当たり前だと思います。今度は辛抱させた側が混乱するのは当たり前だと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほかの今日ヒアリングに参加された方々の方から、高木構成員の件についてコメントはございますか。
 ないようですので、中島構成員、お願いします。

○中島構成員
 今日のお話を聞いていて非常に気持ちがよかったのですけれども、1つは、医療保護的入院を残すかどうかという問題が判断として大きくあるのです。だけれども、私自身の個人的な意見としては、昔から措置入院と任意入院があればよいということをずっと申し上げておりました。ただ、いきなりというのは無理だろうから、その中間項を置くとしたらどういう置き方がいいかというのが私の主たる問題意識だったのです。
 1つ、少なくとも退院基準の明確化と平田先生おっしゃっていました措置入院の場合ですけれども、医療保護入院も同じですね。これが明確でないから全国でも激しい格差があるわけです。同じ精神障害であるならばこんな激しい格差がそのままにされているというのはどう考えてもおかしい。これをある程度の幅の中に納めていくためには、退院についてやはりちゃんと守らなければいけない基準というものを国として示していく必要がある、ここのところだけ譲れないのではないかなと今日お聞きいたしました。
 質問というより感想でございます。特に医療機関側の恣意的な入院が行われないように、あるいは退院延長が行われないようにという御意見はもっともだと思いました。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 村上さん、どうぞ。

○国立精神医療施設長協議会
 私が混乱という話を最初にさせていただきました。
 私は混乱も2種類あるのだろうと思います。医療観察法のことを我々はしておりますけれども、医療観察法を導入する際にはさまざまな装置をつくってスタートいたしました。それでも安定期に入るまでにはさまざまな混乱がございました。だから、新しい制度をつくるために移行期の中でこういうものが起こるというのは当たり前のことだろうと思います。
 ただ、私、混乱という話をしたときに、今度の保護者制度を廃止して、私自身はneed for treatmentで治療が必要だということで強制入院をせざるを得ない場合があるというのはあると思っているのですが、そのときの同意者がやはり必要だけれども、それを社会が担っていくのだと考えたときに、やはり社会が担っていく人に対する手当てをしっかりしないと混乱は起こると思います。ですから、これは皆さんの方ではなくて本省の方にお願いしたいのは、そういうことに対する予算的な措置というのはしっかりとしていただきたい。ただ医療側の判断だけで入院をさせるようなことはしていただきたくないと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 佐久間構成員、どうぞ。

○佐久間構成員
 一部質問も含めてなのですが、私は、村上先生がおっしゃるように、医療保護入院というのは本当に治療上必要な方へ必要なときに治療を受ける権利をきちっと保証できるという意味でも、御本人が判断できないときにどうしても必要だということで、非常にオプティミスティックかもしれないけれども、一番理想的に言えば、そういう判断ができないときに医療保護入院を行って、結果的に治療してよくなった後には、その患者さんがあのとき強制的に治療していただいてよかったと言ってくれて退院していくのが一番理想的だけれども、なかなかそういかないいろんな問題がきちっと法的に担保されることが必要だろうとは思うのです。
 そのときに、いろんな議論で医療保護入院を変える上では、今おっしゃった入院の同意という部分が、村上先生に御質問したいのが、例えばここで実際は海外では公務員の先生が多くて、公的なスタッフが先生と判断して入院を決めて、受け入れる病院の先生も公務員だったりという、先生も国立の先生で我々民間の病院が日本の場合90%のベッドを占めているという中では、精神保健指定医という肩書でかなり公的な役割と医者としての役割を両方担わなければいけないという中で、入院の同意という部分と、入院した後も我々普段は治療の選択であるとか、そういうことを御本人が決められない場合に、それを誰かに相談して判断するということも当然あると思うのです。それは全部主治医が1人で決めることはできないと思うし、私は入院自体も入院の治療にかけても、病院の中のスタッフが決めるべきではないと思うのです。これは入院の同意とその後の治療の同意、私は正直実際の医療保護入院という制度が変わったとしても、本来分けられないものだとは思っていたのですが、それは分けられると考えるのか、あるいはその場合、入院あるいは治療に同意する人と経済的な負担をする人とまた分けられるのか、この辺の整理をなかなか私の頭の中でできないのですが、その辺について何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 では、村上先生、お願いします。

○国立精神医療施設長協議会
 我々は医者ですので、公務員であろうが民間の先生であろうが医者ですので、医学的な立場で判断をするということは常に求められていることなのだろうと思います。
 そういう意味では、医学的な診断を我々はするわけです。多分医療保護入院の場合に家族に求められているということは本人の保護ということだったのだろうと思いますが、実際はその保護ということでさまざまな義務が課せられていて、保護という面ではない役割の方が多かったということなのだろうと思います。
 ですから、その保護という部分を社会の方で担うということであれば、先ほどから出ているように、アドボカシーがベストなのか、それとも行政の職員がベストなのか、それとも法律家がベストなのか。ここはやはり今後ここで決めていただきたいと思います。
 我々自身は、行政と私が考えたのは、今の本人に対して保護に関して責任を負わないといけないと思ったときに、やはりアドボカシーの方というのはばらつきが大きい。だから、関与はあって、権利、相談に乗ってさまざまなアドバイスをしてということはあっても、その方々が責任を負うということはまた難しいと思う。ですから、同意した方には責任が生じますので、そういう立場にある方がなるべきだろう。そういう意味で、私自身は差し当たって行政、例えば保健所の中にイギリスのようにソーシャルワーカーのようなものを置くとか、そういうことが必要になってくる。そういうものを置くとすれば、やはりそれに付いての予算的な措置が必要だろうと思いました。

○佐久間構成員
 そうすると、入院中の治療についても、すべてそういう同意した方と相談をして治療していくということが1つのイメージでしょうか。

○国立精神医療施設長協議会
 これは医療観察法の方を振り返ってお話しさせていただければ、医療観察法の場合には、入院だけは当然本人の同意ではありませんけれども、治療そのものに関しては本人の同意による治療ということが原則になっています。本人の同意によらない治療というものは、別の外部評価委員の入った倫理会議で必ず検討してからその妥当性を検証いたします。事前に審査する部分と事後的に報告して妥当だったかどうかをレビューしていただく、その2つがありますけれども、やはりそういう内部に外部委員も入ったレビューをしていく組織があれば随分透明性は担保できるのではないかと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 残り10分ぐらいなので手短にお願いしたいと思います。加藤さん、小川構成員、新垣構成員、長野構成員、この順でいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○加藤真規子
 私、随分昔に全家連に勤めていました。そのときに医療保護入院、昔の同意入院ですけれども、これはできてから急に増えたわけではないのです。私は今日のお話を聞いていても、アドボカシーを当事者さんがおやりになろうが、家族がやろうが、弁護士さんがおやりになろうが、費用はかかります。こういう大変な仕事を無料でやるなどということは無理です。
 医師がやるべき仕事とアドボカシーの人がやるべき仕事は別のものなのです。医療保護入院が増えていったときに一番感じたのは、どうしてお医者さんたちは、ではきちんと措置入院なら措置入院、私たちが責任を負いますよ。責任などというのは、基本的には自分で持つのです。その治療を受けていただきます、そのことについては必要だと思いますから、医師が責任を負いますということです。ですから、この人は治療の必要がある、うちの病院に入院していただきたいという判断をするのはお医者さん。しかし、その人の人間としての権利を守っていくアドボカシーは全く別の役割です。
 大事なことを言いたいと思います。とてもまじめにやれば大変な仕事です。この仕事を無料だなどというのはどこの国も考えていませんし、私も全く考えていません。それなりにきちんと報酬は支払わないといけないと思います。ただ、調べましたけれども、自立支援法だとか、地域福祉権利擁護事業と違いまして、これは本人負担などということをやっている国はどこもありませんでした。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 では、小川構成員、次に新垣構成員、お願いします。

○小川構成員
 ありがとうございます。村上先生と山梨さんに質問なのですけれども、私はできれば八尋先生のような応急入院を使いながら、場合によっては措置入院ということで、そういう形ですっきりいけば理想的だと思います。ただ、現状はそこまでできないという問題があるので、そこにどう近づけていくのかという努力をしていくことだと思っています。その1つの手段として村上先生への質問ですが、例えば長期入院をできる限り予防していく、そこには地域の皆さんが入院当初から関わっていく仕組みを設けるということだとか、治療抵抗性の問題だとか、生活環境の整備だとか、病院の医師や看護師やPSWの力量の問題なども中には混じっている、あるかもしれないということで言うと、例えば外部の精神科医だとかPSWや看護の皆さんがスーパーバイズのような形で、6か月以上を超える入院の方については、外部からアドバイスをしていくようなシステムが可能かどうか。例えば医師の中にはほかの医師から治療内容についてああだこうだ言われたくない、あるいは言えないというのが多分あるのだと思うのです。そういうものについてそういう制度というのは実現可能性があるのかどうかというのは村上先生に質問です。
 また、山梨さんの方の質問ですが、例えばアウトリーチで本人は全然病識もなくて薬も飲まないというときに、在宅を継続する、入院をさせないということでデポ剤を打つということについて、そういう制度についてどう考えるのか参考までにお聞かせ願えますか。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、村上先生の方から。

○国立精神医療施設長協議会
 手短に言えば可能だと思います。我々、医療観察法という枠組みですけれども、ピアレビューということで各お互いの組織が多職種で訪問し合って、例えば昨年であれば長期になっている入院の方に関してすべてレビューをしていくという手順を踏みました。そのことをきっかけとして、やはり違った視点が入って退院を促進していくということもございました。ですから、仲間内のレビュー、ピアレビューということは非常に有効だろうと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 山梨さん、お願いします。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 今、統計の資料を開けようにも時間がないのですが、デポ剤を打ってというのは、デポ剤がいい、悪いは別の問題として、現在、デポ剤の問題点として当会が一番問題としていたのは、デポ剤を飲みながら多剤化する問題、同効薬の多剤化、この問題を一番怖い問題と思っていまして、現在、それを調べてみました。この2か年、デポ剤が出まして約3年ぐらいですか、ある薬のデポ剤を中心的に調べてみましたら、同効薬を使われてデポ剤と服薬している例は非常に少ない。まれに見るケースでした。というのは、そのデポ薬を使っていくときの医師の問題になる。お医者さんの方がちゃんとデポ剤を使う場合、多剤を重ねるようなことをしたら、それはどんどん増えていって、例えばうちの統計からしますと、高血圧にしても、糖尿病にしても、20代、30代、糖尿病は一般の方の20倍の発病率。高血圧に対しては40倍、こういうふうな発病というのは治療薬を飲んでいる割合です。
 ですので、問題としてあるのは健康被害を考えて、同効薬の多剤化によってどんどん増えていくことを懸念したのですが、今のところ、お医者さんもしくは製薬会社さんの努力によってデポ薬を使っての多剤化の経過は認められていません。ただ、デポ薬がアウトリーチするときにすごく有効的なのかはわかりません。現在、もう一つの統計の中では、2週間に1回の薬は当事者から敬遠されています。2週間に1回の理由は、2週間に1回行って注射だけ打つというのは、やはり本人たちのニーズに余りないです。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(徳山)
 2時間、3時間待つ。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(山梨)
 そうです。2時間、3時間待って注射を打って帰ってくるというのは、やはり余り合わないです。例えば訪問という形でデポ剤を打つということがあるとしたら、アウトリーチの中で今みたいなのはある意味有効な部分もあると思います。その可能性はないとは言えません。絶対あるとは言えませんが、可能性としては本人ニーズからしたら、やはり来てもらって打ってもらう。2時間、3時間待って注射を打って、はい、おしまい、これはやはり無駄です。この辺がもう少し長期間のスパンで効く期間があればいいと思います。
 長くなりました。以上です。

○全国精神障害者ネットワーク協議会(徳山)
 補足ですけれども、非定型抗精神薬の重複処方がかなりあります。休薬と混在して処方されている例が物すごくあるのです。ところが、デポ剤の場合は少なかったです。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。残りがあれなので、一応、新垣構成員、長野構成員、今、町野構成員に手を挙げていただきましたので、このお三方ということで一応閉めたいと思っております。それぞれ手短にお願いしたいと思います。

○新垣構成員
 14万の医療保護入院がなぜなくならないのかということと、退院がなかなか地域によって差があるというのは、帰す方の施設、社会資源とかそういうものが整備されているところはそれなりの選択肢がいっぱいあっていいのでしょうけれども、それの話が全然出て来なくて、病院か地域かみたいな話なので、是非地域のそういう支援をどのようにつくっていくか、どういうものが必要なのか、どの数が必要なのかというところもまた検討していただきたいなと思っています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 長野構成員、お願いいたします。

○長野構成員
 ヒアリング、ありがとうございました。どうしても気になるので、保健所長会の提示いただいた資料のパワーポイントだと4枚目、ページでいくと2枚目の「保護者の債務規定の削除に関して」の3番のところなのですが、症状悪化の際に受診可能な民間の移送体制の強化ということを保健所長会の見解として出されているのかどうかというのがとても気になります。
 移送で御苦労されているのはよくわかるのですが、本当に移送がきちっと御本人サイドになるようにちゃんと実践をしてやった上でこれが出てくるのであればいいのですけれども、非常にリスキーな見解だと思いまして、強制的な入院をなくしてどう権利を守ろうかという中で、これが保健所長会の見解として出てくることは、私としては反対です。可能であればまた御検討いただけるとありがたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 コメントはございますか。

○全国保健所長会
 全体の意見を反映したものでは勿論ありません。というのは、なかなか時間の関係で495の保健所長さんのコンセンサスを得るのが難しかったということがあります。それを踏まえた上で申し上げますと、冒頭申し上げましたとおり、各論でいろいろとこうした方がいいのではないか、ああした方がいいのではないかということに関しての意見はできれば差し控えたいと思います。
 つまり、このことだけではなくて、公的移送制度は基本的には強制入院につながる話でもありますし、強制入院は例えば措置入院だとか医療保護入院だとかいろいろな議論がなされておりますけれども、どこまでの、いわゆる非自発的な入院がどういう形式で妥当なのかどうかといったようなことと併せて議論する必要があるのだろうと思います。
 更には、一般の医療と同じようにするとすれば、これは基本的に公的な機関が何らかの縛りをかけてかなり公的な基準をクリアーした形での移送制度というよりかは、むしろ一般の医療と同じような搬送制度の方も合わせて検討する必要があるのではないかということでここに書かせていただいています。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、町野構成員、お願いいたします。

○町野構成員
 もう時間オーバーのようなので本当に簡単になのですけれども、八尋先生に非常に話しやすいので例によって。医療保護入院をなくしてしまえというのは、恐らくかなりの人がそう考えていることなのです。ただ、どうして今これがなくせないのかというと、要するに強制入院でなければどこも言わば保護できる場所がないという状態なのだと。では、どうしてそうなのかというと、やはりいろんな資源が欠けていたり、やり方が欠けている。だから、今のことを理解した上で医療保護入院は維持しましょうと。しかしながら、もう待ったなしでこれは進めなければいけない。早期の退院と、強制入院のようなことをしないでできるだけ地域でやるという方向で皆さん議論しているということですから、かなり八尋先生のそれというのはドラスティックに感じられるかもしれませんけれども、恐らく多くの人は考え方として待ったなしであるという意味ではそうだろうと思うのです。
 同時に、少し医療の側についても、ある意味で広い裁量といいますか、それをやはり置いておくことが今の状態で必要なのではないだろうか。非常に要件をきつくして強制入院させたのは違法であるというようなことになってくると問題が起こりますから、勿論、これに安易にたどることはやめて、しかしながら、ある範囲でとにかくこれを安全弁としてしばらくの間置いておこう、そういう意識で皆さんいるだろうと思うのです。済みません。

○福田精神・障害保健課長
 八尋先生、何かありますか。

○八尋光秀
 ありがとうございます。
 先ほどから出ている治療同意の問題、判断能力判定の問題は、一般医療と横並びで整理されるべき問題。これは私たちの国で未だに法整備されていない法概念ですから、これは法的に整備しなければいけない。このこととは別に、病識がないということで強制入院させることについては、明確にこの会議でノーだということを言わないと意味がないと思います。
 ただ、おっしゃるとおり、混乱、不安、いろんなことがあると思いますけれども、それは一般的には経過措置という形で法改正のランニングをうまくやっていく。それについてはデザインの仕方がいろいろあるでしょうから、皆さん方で是非御議論いただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 時間がもう既に過ぎておりますので、いろいろな御意見もこの場でいただきましたし、大変に有意義な御意見をいただいたかと思います。本日おいでいただきました10組の皆様方には、本当にお忙しい中、誠にありがとうございました。
 最後に今後のスケジュールにつきまして、事務局からお願いします。

○本後課長補佐
 皆様ありがとうございました。
 次回につきましては、引き続き、検討チームと作業チームの合同で入院制度についてのヒアリングを行いたいと思っております。日程は4月27日、金曜日の18時から。厚生労働省の12階の専用第15、16会議室においての開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、検討チーム、作業チームの構成員の皆様には、ファイルに参考資料をつづって置いてございます。そちらに関しましては本日置いていかれる場合には、事務局で保管をさせていただきます。次回も同様に準備をいたします。もしお持ち帰りになられる場合には、恐縮でございますが、次回、必ずお持ちいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。本日も大変お忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。
 以上をもちまして、作業チーム、検討チームの合同の会を閉じさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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