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2012年4月18日 第52回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成24年4月18日(水)9:58〜12:01


○場所

厚生労働省専用第18〜20会議室


○議題

1.社会保障・税一体改革における医療保険制度改革について
2.審査支払機関の在り方について

○議事

○遠藤部会長 おはようございます。定刻にまだ少しありますけれども、委員の皆様すべて御出席ということでございますので、ただいまより、第52回「社会保障審議会医療保険部会」を開催したいと思います。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
専門委員の方が新たに任命されておりますけれども、後の関係課題の中で御紹介させていただきたいと思います。
本日の出席状況について御報告申し上げます。
本日は、岩本委員、岡崎委員、福田委員、山下委員、横尾委員、和田委員より御欠席の連絡をいただいております。
続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをしたいと思います。
山下委員の代理として、大井川参考人の御出席につき御了承いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに、「社会保障・税一体改革における医療保険制度改革について」を議題とさせていただきます。事務局より、社会保障・税一体改革の全体像と国民健康保険法の一部を改正する法律について御報告をいただきたいと思います。引き続いて、その後、短時間労働者への適用拡大についてを議題としたいと思います。それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。
○木下総務課長 おはようございます。総務課長でございます。
私の方からまず、社会保障・税の一体改革大綱ほかにつきまして御説明をします。その上で、国保の改革、それから短時間労働者の健康保険への適用拡大等について説明させていただきます。
資料いろいろございますので、ちょっとクリップを外していただきますと、資料1、資料2が法律の関係がございますが、その後に参考資料1というのがございます。これが昨年来、社会保障・税の一体改革、もともと5月に成案というのがありまして、その後に、12月に素案というのができまして、それで大綱という形になっています。2月の17日に大綱という形での閣議決定がとりまとめられております。
まず、全体像について御説明いたします。参考資料1をめくっていただいて、1ページが出てまいりますけれども、真ん中辺に(社会保障改革の必要性)、これはもう言わずもがなの部分でございますけれども、人口の変化、あるいは非正規労働者の増大ということで、社会保障を支えるさまざまな社会経済情勢には変化が生じておりまして、そういった意味で、セーフティネットの強化が新たな課題であるということが書かれてございます。
その下の方に、いわば社会保障を現役が支えるというたとえで、「騎馬戦」型の社会というのが現在でありますけれども、これが「肩車」型の社会が到来することが見込まれている、こういう変化があるということが書いてございます。
1ページの下の方に、給付は高齢者世代中心、負担は現役世代中心という今の社会保障制度を見直しして、世代間、世代内の公平が確保された制度へと改革していくことが必要であるということで結んでおります。
2ページ目に、同じような記述がずっとありまして、ちょうど中段から下の方に(社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成)ということで、今回の社会保障・税の一体改革はまさに消費税という安定財源確保と、更に社会保障制度全体について見直していくと、こういうことでございます。
3ページ目の3つ目の後に「今回の社会保障・税一体改革は」という記述がありますけれども、今申し上げたように、「社会保障の機能強化・機能維持のための安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指すものである」ということで、その2行ほど下に、2015年度段階での財政健全化目標の達成に向かうことで、こういったことが、第一歩が踏み出されることになるということでございます。
プライマリーバランスが、今の赤字幅を半減するというのが大体2015年ぐらいになりますので、そういった段階から、消費税の確保とともに財政健全化ということが達成すると、こんなことでございます。
その下、2020年までに、基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化するということが一つの目標になっているということでございます。
それで、ずっといきまして、5ページ目からが「社会保障改革」ということでございまして、基本的考え方が、課題、あるいは「目指すべき社会・社会保障制度」、その下に(社会保障の機能強化への取組)と3つのことが書いてございます。
その後に、6ページ目以降が具体的なそれぞれの施策ごとの方向性ということでございまして、6ページは子ども・子育ての関係、それから働き方の問題、そういったこと。7ページがその詳細の内容でございまして、子ども・子育てがございます。
それから、8ページ目をごらんいただきたいと思います。下の方には、2.「医療・介護等1」とございます。これは医療・介護の提供体制の点が書かれております。括弧にございますように、「医療・介護サービスの提供体制の効率化・重点化と機能強化」ということでございまして、9ページ目以降が具体的な中身が出ております。
9ページ目のところが、(1)「医療サービス提供体制の制度改革」ということで、まずは提供体制で、大きくは病院、病床機能の分化・強化、あるいは在宅医療、医師確保、チーム医療、そういったことが書かれておりまして、その下に☆印で、そういった実現に向けて、診療報酬、介護報酬改定等についての対応を行うということでございます。
それから、地域包括ケアが書かれておりまして、10ページ目が介護のところが書かれております。10ページ目の(3)「その他」で、診療報酬・介護報酬改定等、以下についても取組みを推進するということで、外来受診の適正化ですとかICTの活用等が書かれてございます。
それから、11ページ目が24年度の主な関連施策、診療報酬・介護報酬改定ということで、もう既に24年度診療報酬改定が実施されているということでございます。
そして、12ページに3.とございます。これが当部会での関係性の部分でございます。「医療・介護等2」でございます。
13ページに具体的な中身が出ております。まず(1)としては「市町村国保の低所得者保険料軽減の拡充など財政基盤の強化と財政運営の都道府県単位化」ということで、今国会に法案提出いたしまして、既に成立しているものでございます。これは後ほど御報告させていただきます。
それから(2)のところが、これも法案提出中でございますが、「短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大」ということでございます。
それから、(3)「長期高額医療の高額療養費の見直しと給付の重点化の検討」ということで、当部会におきましても、受診時定額負担等を通じまして高額療養費の見直しをするということで御議論いただきましたけれども、賛否両論いろいろございました。
結果として、受診時定額負担というのは見送られております。ただ、(3)の最初の○にございますように、「制度の持続可能性の観点から、高額療養費を保険者が共同で支え合う仕組みや給付の重点化を通じて、高額療養費の改善に必要な財源と方策を検討する必要がある」ということで、今後の検討課題になっております。
その際には、一番下の○にございますように、まずは年間での負担上限を設けることについて、所要の財源を確保した上で導入することを目指すと。「その際、年収300万円以下程度の所得が低い方に特に配慮する」という、当部会でも特に年収200〜300万円の層というのは非常に負担が重いということもございましたので、このところにターゲットを勿論絞りながら、年間負担の上限ということを念頭に置いて議論を進めるということでございます。
それから14ページ、(4)が「高齢者医療制度の見直し」ということでございます。これにつきましては、最初の○にございますように、「高齢者医療制度改革会議のとりまとめ等を踏まえ、見直しを行う」ということで、☆印にありますように、「具体的内容について、関係者の理解を得た上で、24年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出する」ということで、今現在、具体的な検討の場も含めた調整中ということでございます。
それから、その次の○に、「70歳以上75歳未満の方の患者負担について、世代間の負担の公平を図る観点から、見直しを検討する」とございます。これにつきましては、最終的には、☆印のように、24年度は予算措置を継続すると。2割から1割に軽減するということでありますが、25年度以降の取扱いは、平成25年度の予算編成過程で検討すると、こんな取扱いにしております。
それから、5番目が「国保組合の国庫補助の見直し」ということで、「24年通常国会の法案提出に向けて、関係者の意見を聞きながら検討する」、こんな形になっております。
それから、15ページでございますが、(9)「後発品のさらなる使用促進、医薬品の患者負担の見直し等」ということでございます。これにつきましては、後発医薬品推進のロードマップを作成し、診療報酬上の評価、患者への情報提供、処方せん様式の変更等についての総合的な使用促進を図るということで、先般の診療報酬改定の中で、処方せん様式の変更、あるいは情報提供等の見直しを図ってございます。それから、患者負担の見直しにつきましては、引き続き検討という形になってございます。
それから、その下に(10)「その他効率的で高機能な医療提供の推進」ということで、予防医療とかチーム医療等々につきましての医療の提供について推進を図るということ。
それから、(11)に「総合合算制度」ということでございます。これにつきましては、税・社会保障の負担が増加する中で、低所得者の負担軽減により所得再分配機能を強化するということでございます。そのため、制度単位でなく家計全体をトータルにとらえて、医療・介護・保育等に関する自己負担の合計額に上限を設定する「総合合算制度」を創設ということが挙げられております。
これにつきましては、☆印にございますように、まずは番号制度等々の情報基盤の導入が前提でありますので、27年度以降の導入に向けて検討するということになってございます。
それから、ちょっと飛びまして22ページでございます。一番下の方に(1)とございますが、「社会保障制度における低所得者対策の強化」、これは再掲ということで、市町村国保の保険料の負担軽減、それから、先ほど御説明した長期高齢者の高額療養費の見直し等について検討するとされております。
それから、また飛びまして、27ページでございます。税制の抜本改革の関係でございます。(3)「税制抜本改革の基本的方向性」でございます。(3)の(i)で「消費税の社会保障財源化」ということでございます。その中には、消費税は特に税収というのが非常に安定的であるということを踏まえて、特に高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいというのがまず最初のパラグラフに書いております。そして、一番下の方に、具体的なスケジュールが、消費税について、2014年4月に8%、15年10月に10%へと、段階的に地方分を合わせた税率の引き上げを行うということが書かれてございます。
28ページの2つ目のパラグラフに、「また」とありまして、特にその際には、「低所得者に対しては、消費税を充てることとなる社会保障の改革の中で、きめ細かな対策を講じるとともに、社会保障・税番号制度の導入をにらんで、給付付き税額控除の導入に向け検討を進める」ということでございます。
それから、その次の30ページでございます。8%、10%の引き上げということが一応大綱に盛り込まれておりますが、(3)に「今後の改革の検討」ということで、2050年以降、高齢化のピークを迎えることを考慮しますと、そういった進行状況とか財政の状況、経済の状況などを踏まえつつ、次の改革を実施することとし、今後5年を目途に、そのための所要の法制上の措置を講じるということで、引き続き、5年で、一旦、具体的な状況などを踏まえて見直していくということでございます。
それから、32ページ以下が具体的なそれぞれの税目ごとの対応の考え方でございます。32ページは消費税でございます。これは先ほど数値も含めて申し上げたわけでありますが、3つ目のパラグラフに消費税収を何に充てるかというのが書いてございます。全額社会保障4経費。これまでは、予算総則の中で、3経費で医療と介護、年金ということになっておりましたけれども、4経費という形で、制度として確立された年金、医療、介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充てることを明確にして目的税化するということで、会計上も使途を明確化すると書かれてございます。
ちょうど真ん中辺の段落で、所得の少ない家計ほど、特に逆進性があるということで、その下の方に、先ほど御説明した総合合算制度や給付付き税額控除等についての総合的な施策を導入ということが書いてあります。
下から見ますと3つ目のパラグラフ、「上記の再配分に関する」というところの4行目くらいに、それまでの給付付き税額控除等、総合合算というのを導入するまでの暫定的、臨時的措置として、「簡素な給付措置を実施する」と書かれてございます。これも現在検討中ということです。
それから、一番下の方には、「インボイス制度の導入は行わない」ということも書かれております。
それから、33ページでございます。地方との消費税負担、これもいろんなところで御承知のところかと思いますが、その辺のところが書かれていることと、それから(2)に「消費税率の引上げを踏まえ検討すべき事項」として、当部会とも関係してまいりますけれども、社会保険診療は、諸外国で非課税であるということで、「非課税の取扱いとする」と書かれております。「その際、医療機関等の行う高額の投資に係る消費税負担に関し、新たに一定の基準に該当するものに対し区分して手当てを行うことを検討する」ということでございます。高額の医療機器ですとか、あるいは施設の整備とか、そういったものについてどう対応するかということについての検討でございます。
それから、「これにより、医療機関等の仕入れに係る消費税については、診療報酬など医療保険制度において手当てすることとする」と書かれてございます。
そして、その後に、「厚生労働省において定期的に検証する場を設けることとする」ということで、これも中医協で分科会等を設置して、その検証をするということでございます。
「なお、医療に係る消費税の課税の在り方については、引き続き検討する」ということで、今後、細部について詰めていくということでございます。
それから、めくっていただきまして38ページでございます。「その他」とございます一番下でございます。社会保障・税番号制度の導入に伴い、税務分野において番号制度の適正な利用を確保するためには、申告書とか法定調書に「番号」を記載していただくといった手続が必要となるということで、39ページに、そのために、「マイナンバー法」と呼んでいるのですが、これを今国会に提出しておりますので、そういった基盤整備のための法律において所要の措置を講ずるということでございます。
それから、40ページは税率の引上げのスケジュールということでございます。
そして、46ページは具体的にいつどうするのかということが書かれてございます。
それがまずは社会保障・税の大綱でございます。
それから、参考資料2、横長のものでございますが、これはよく対話集会等で使っておりまして、全国47都道府県に、厚生労働大臣も含めて、副総理以下参画して、さまざまな場で国民の方々との対話の集会をやっておりますけれども、そういうときに使っている資料でございます。
この中では、1ページは全体でございますのですべて関係するわけでありますが、3ページ目が「医療・介護サービスの保障の強化」ということで、これまで何度かごらんいただいたような資料だと思います。
それから、その次の4ページ目がセーフティネット機能の強化ということで、短時間労働者の健保の拡大ですとか、あるいは産前産後の休業期間中の保険料の免除ですとか、それから高額療養費の見直し等が書かれてございます。
それから、その次の6ページのところにも、同じように、多様な働き方を支えるということで、短時間労働者、それから保険料の負担の免除の話が書かれております。
それから、ずっといきまして8ページが「社会保障制度の安定財源確保」ということで、税を社会保障の4経費に充てていくということが書かれておりまして、9ページ、では、具体的に8%、10%引き上げの際にどのような財源の充て方をするのかというところで、これも何度か新聞等でごらんいただいているかと思いますが、5%のうち、13兆5,000億でございますけれども、2.7兆円程度は充実ということで、我が方の医療・介護が1.6兆円程度ということで、残る10.8につきましては、年金の2分の1ですとか、あるいは後代の負担のつけ回しの軽減。これは自然増等入っておりますので、医療費の自然増などに充てていくということでございます。
それから10ページに、効率化と充実を両面で見たときの、充実のところの2.7兆円はではどんな計算になっているのというのが、ざくっとした形でありますが、充実が3.8兆円ということで、重点・効率化ということで1.2兆円で、引いて、おおむね2.7兆円、こんな計算になっております。これも、社会保障・税の一体改革成案の段階でも同じようなのが出ていたかと思います。
それから、参考資料3の方は、社会保障の費用推計のときに新しい人口推計が1月に出されたこと、あるいは経済見通し、これも今年の1月に新しいものが出されましたので、それを踏まえて見直したものでございます。ざくっと言いますと、人口の減少が、若干数量が早まっているということと、一方で、経済の方は、例えば4ページ目でございましょうか、名目経済成長率等が、消費税が引き上がった分だけ、前回の推計よりもちょっと上がっている。一方で賃金上昇が若干落ちている。こんなことでありまして、その結果、5ページのように、給付費が、2012年、15年、20年と推計ありますけれども、それが前回の推計よりも若干程度落ちているということでございます。109兆円が、2015年で119.8兆円、2025年で148兆円という形になってございます。
7ページが、具体的なそれぞれの給付の中身がどう推移するのかという新しい見通しでございます。医療のところだけごらんいただきますと、給付費の中の医療を見ていただきますと、2012年が35兆、2015年が39.5兆、2020年が46.9兆、あと54兆、このようになっておりまして、前回の推計よりも医療の方はちょっと伸びている状況でございます。それに対する保険料負担が次の8ページでございます。
そして、10ページに、全体としての保険料水準はそれでいくとどうなるのかというのが、医療のところをごらんいただきますと、国保、協会けんぽ、組合健保、後期高齢者というのが、現在の水準から大体どのようにシフトするのかということが出ております。ただ、これは経済とか賃金の伸びとかそういったものによって変わり得るもので、あくまでも一つの推計ということでございます。
それから参考資料4は、今回の法案、特に消費税関連法案を提出したときの閣議決定でいろいろな残された課題がございますということで、めくっていただきますと、表形式になっておりますけれども、以下の事項については、各法案提出後、与党と連携しつつ速やかに検討し対応していくということで、社会保障改革は全体ですけれども、あと総合合算、給付付き税額、それから暫定措置、これも今後検討ということになりますし、それから転嫁対策・価格表示というところも今後検討ということでございます。
それから、3ページ目に歳入庁の問題ということも、どの範囲で歳入庁、徴収の具体的な事務を移すのかということも含めた検討を現在しているところでございます。
おおむね以上でございます。こういったことを踏まえて、消費税と、あと年金関係、あるいは子ども・子育ての関係、あるいは、先ほど申し上げたマイナンバー法など11本、法案を、今、提出しているという状況でございます。
○濱谷国保課長 国保課長でございます。
続きまして、資料1「国民健康保険法の一部を改正する法律について」御報告を申し上げます。当部会の議論も踏まえまして、2月3日に国会に提出いたしまして、去る4月6日に公布されたものでございます。
 1枚おめくりいただきまして、当部会の昨年の12月6日の議論の整理でございます。市町村国保につきまして、年齢構成が高く医療費水準が高い、所得が低い、保険料負担が重いなどの構造問題を抱えているということ。それから、財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が依然として多数、4分の1ほどあると、こういった構造問題に対応するために、財政基盤の強化と財政運営の都道府県単位化を行うべきであるという御提言をいただいております。
 具体的中身につきましては、国保の基盤強化に関する国と地方の協議において引き続き協議を行った上で、税制抜本改革とともに制度見直しを行うと、こういったとりまとめをいただいております。
こういったことも踏まえまして、2ページでございますけれども、国保の基盤強化に関する国と地方の協議におきまして、事務レベルを数回、それから、最終的には、今年1月24日に政務レベルの協議を開催いたしまして、そこで合意を得て国会に提出し成立したという経過でございます。
 それから、3ページでございますけれども、この間、一方で平成24年度以降の子どものための手当等の取扱いについてという中で、実は子ども手当の創設に伴いまして扶養控除が廃止されましたけれども、それに伴いまして地方の増収分が5,050億円ほど生じましたけれども、その取扱いの中で、地方の自由度の拡大に合わせた一般財源化を推進すべきではないかといった議論がございまして、この中で国保の都道府県調整交付金の増額をし、対応すべきではないかといった議論が一方でございました。こういった議論と、今回の国保の基盤強化、あるいは都道府県単位化の推進を総合的に実施すべきということで、昨年12月20日の合意におきましては、都道府県調整交付金の増額、あるいは基盤強化策の恒久化、共同事業の拡大といったことを総合的に一体的に推進すべきと、措置すべきといったことが合意され、こういったことに基づきまして、今回、国保法の改正法案が提出に至ったということでございます。
 また、4ページでございますけれども、一体改革の大綱の中でもこういった点が盛り込まれておりまして、いずれも国保の基盤強化の内容や、先ほどの4大臣合意の内容につきまして、必要な法案提出という旨がこの大綱の中でも盛り込まれております。
 5ページでございます。今回の改正案の概要でございます。主な改正内容、3点ございます。1つが財政基盤強化策の恒久化ということで、これまで、財政基盤強化策、3つございます。保険者支援制度ということで、保険料の軽減の対象となる低所得者数に応じて、保険者に対して財政支援する制度、それから都道府県単位の共同事業が2つございまして、高額医療費共同事業ということで、レセプト一件当たり80万円超の高額医療費について、全市町村が拠出し、単年度の負担変動を緩和する事業、これには公費も入っております。また、保険財政共同安定化事業ということで、レセプト一件当たり30万円超の医療費については、都道府県内の全市町村の拠出により共同で負担しております。
 こういった3つの事業はいずれも暫定措置ということで、おおむね4年に1度ずつ更新してまいりましたけれども、市町村から恒久化すべきと強い要望もこれまでございまして、今回、そういった要望を踏まえまして恒久化するということでございます。
 それから、2つ目が財政運営の都道府県単位化の推進ということで、これは当部会でも御議論いただきましたけれども、(1)の2にあります、現在はレセプト一件当たり30万円超で行っております保険財政共同安定化事業につきまして、事業対象をすべての医療費に拡大するということで、共同事業については都道府県単位ですべて行うといった内容でございます。
 それから、3つ目は「都道府県調整交付金の割合の引上げ」ということで、こういった都道府県の財政調整機能の強化、あるいは共同事業の拡大を円滑に推進するために、都道府県の調整交付金の増額をしようということでございます。
 財政基盤強化策の恒久化、あるいは都道府県単位化の推進につきましては、準備期間等を考慮しまして、平成27年の4月1日から、それから、調整交付金の割合の引き上げにつきましては、現在でも、都道府県が広域化支援方針に定めますと、実質的にレセプト一件当たり30万円超の対象医療費を拡大することが可能でございますし、現に4県では既に拡大している県もございますけれども、前倒しで共同事業を拡大することに対応するといった観点から、この4月から引き上げるということでございます。
 具体的な内容につきましては、資料、7ページ以降から参考でつけております。7ページが基盤強化策の恒久化でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、保険者支援制度、あるいは共同事業につきまして、これまで暫定措置を刻んでまいりましたけれども、これを27年度から恒久化するということでございます。
 それから、8ページが「財政運営の都道府県単位化の推進」でございますけれども、現在は、レセプト一件当たり30万円超の医療費が共同事業の対象。これはすべての医療費の約4割にございますけれども、この共同事業の対象をすべての医療費に拡大するということでございます。
 それから、9ページでございますけれども、現在の共同事業の仕組みでございます。これは目的が2つございまして、1つが都道府県内の市町村国保の財政の安定化ということでございます。全市町村で支え合うことによりまして、特に小規模な市町村では、高額な医療費が出た場合に保険料への急激な変動という影響がございますけれども、毎年の医療費の変動による財政への影響の緩和を図るというのが1つでございます。
 それから、もう一つが保険料の平準化ということでございます。下にイメージ図がございますけれども、例えば3市がありまして、医療費が同じ人口であるとした場合に、A市が100、B市が150、C市が50といった場合に、共同事業で負担する場合に、全体300の医療費のうち150、半分については頭割り、被保険者の数に応じて負担していただくということ。残りの半分について医療費の実績割りで負担していただくということで、例えばイメージで言いますと、県内の医療費、最大3倍の格差がございますけれども、この格差を50まで縮小すると、こういった効果があるわけでございます。
 ただ、これを機械的に行いますと、医療費が低いC市の負担が急激に高くなるということがございますので、10ページでございますけれども、今回、都道府県調整交付金、2%引き上げますが、これは約1,500億円ほどの財源になりますけれども、この調整交付金を配る際に、先ほどのC市のような、急激に拠出金の負担が増える市町村に対しましては、重点的に都道府県の調整交付金を配分することによりまして、負担の急激な変動を緩和しようといった内容でございます。
 法改正の内容、以上でございますけれども、最後に11ページでございます。これは法改正とは別に、税制抜本改革とともに、財源を確保した上で実施する内容でございます。こういった税制抜本改革とともに実施する内容、2点ございます。基本的には低所得者に着目した保険料の軽減の拡充ということでございますけれども、1つが低所得者保険料の軽減対象の拡大ということでございます。
下にイメージ図がございますけれども、現在、応益分、定額負担分については、所得に応じて7割、5割、2割と3つの軽減制度がございますけれども、このうち5割軽減、2割軽減の対象世帯を拡大していこうということでございます。具体的な基準は、箱の真ん中ほどに書いてございますけれども、これによりまして、新たに約400万人程度が軽減対象になるということでございます。
 また、2つ目は保険者支援制度の拡充ということでございます。先ほど恒久化の対象にもなっておりましたけれども、現在、保険料の軽減の対象となる低所得者の数に応じまして財政支援を行っております。これによりまして、下のイメージ図にありますとおり、結果的には中堅所得層の応能保険料の水準の抑制を図ろうということでございますけれども、こういった財政支援について、対象者や補助率のかさ上げを行うことによりまして財政支援を拡充しようということでございます。
 合わせまして2,200億円程度を投入しまして、国保の基盤強化を行いたいということでございます。
 国保の関係は以上でございます。
○西辻保険課長 保険課長でございます。
続きまして、短時間労働者の適用拡大について御説明させていただきます。資料2でございます。
おめくりいただきまして1ページでございますが、これは先ほども出てまいりました大綱でございます。大綱の中で、医療、年金それぞれについて適用拡大について検討するということになっております。
これを受けて、資料の2ページ目でございますが、3月30日に消費税の関連法案と併せて年金の法案の中で既に閣議決定されて国会に提出されております(4)のところでございます。適用拡大を行うということで、施行は平成28年の4月からということを予定しております。
具体的な拡大の中身が3ページでございます。中ほどに≪具体案≫ということで、一番左側が現行、週30時間以上の方適用となっていますけれども、正確には、常用雇用の方の4分の3以上の労働時間の方が適用されておりますので、おおむね30時間以上だろうということでございます。それが平成28年の4月から週20時間以上勤務する方であって、月額の賃金が7万8,000円以上、勤務期間1年以上で、従業員501人以上の企業にお勤めの方、学生は適用除外という基準で拡大することにしております。現在の見込みですと、約45万人ほどの方々、従来、国保に入っていたり、健康保険の被扶養者であった方々が新たに適用されると見込んでおります。
更に、法律案では、附則におきまして、28年4月から3年以内に対象を拡大する旨を明記いたしております。
下に≪影響緩和措置≫と書いてございますが、短時間労働者の方は、相対的に勤務時間が短く報酬が低いと思われますが、その方々が新たに適用されることによって保険者の財政に非常に大きな影響が出るということで、賃金が低いこういった方々に係る後期高齢者支援金、介護納付金の負担について、被用者保険間で分かち合う特例措置を導入することを予定しているところでございます。
4ページが、今回の適用拡大による医療保険を中心とした財政影響でございます。
右側に表がございますが、協会けんぽが、▲100というのは、100億円、財政収支が改善するということでございます。協会けんぽは中小零細の事業所がたくさん加入しておりますので、今回、501人以上の企業を対象としたときに、新たに適用になる方というのはそれほど多くなくて、むしろ、現在、協会けんぽの被保険者の被扶養者であった方がほかの保険者に移っていくことで財政改善の効果があるということでございます。
健康保険組合につきましては、それぞれの健康保険組合により、加入者増の影響、減の影響、両方ございますが、健康保険組合全体で、ネットで400億円の財政悪化と見込んでおります。
それから、共済組合につきましては、約80億円の財政改善。
国保は、健保に短時間労働者が移りますので、100億円の改善。
国保を中心に公費が投入されておりますので、国保から加入者が抜けることによって公費が400億円減り、うち国費が300億減ると見込んでおるところでございます。
5ページですが、影響緩和の特例措置についてでございます。これは健康保険の話でございますけれども、今回の適用拡大によって大きく健康保険の保険者には2つの効果が出てくると考えられます。図を載せておりますが、上段のところ、適用拡大で財政が悪化する保険者。これは短時間労働者の方がたくさんその保険集団に入ってくる保険者で、週20時間から30時間の勤務ですので、報酬の額が低いのですが、報酬の低い方がたくさん入ってくるということは、支出は、報酬の高い方、低い方、それほど変わりませんので、保険財政として、収入よりも支出の方が多い方が入ってくるということになり、その支出を賄うために、集団としては保険料率を引き上げなければいけないということになります。週20時間から30時間勤務の方の勤務する業種ですけれども、大きな偏りがございまして、飲食サービスですとか流通、小売り、こういったところにかなり集中しておられます。
こういった業種の事業主さんがつくっておられる健保組合は、健康保険組合全体の中では現在でも相対的に賃金の水準が低いですから、更に平均賃金が低くなるということで、財政が大きく悪化するのではないかということでございます。
逆に、下段にあるとおり、適用拡大で、財政が改善する保険者もございます。これは週20時間から30時間の勤務のパートをほとんど使っていない業種でつくっている保険者、役所も多分これに該当すると思いますけれども、新しくパートで入ってこられる方がいなくて、もっぱら被扶養者が抜けていく。今まで保険料を負担していなくて、給付や拠出金だけ出ていた方々が抜けていくということで、薄くですけれども、保険集団としての財政が改善する。両方の効果が被用者保険にはあるということでございます。
6ページが、これは前回、報告した際にもお示しさせていただいたと思いますけれども、実際に短時間労働者の方が加入したときに保険者の収入と支出にどれぐらいの影響を与えるのかという資料でございます。中ほどに帯が2本ございますけれども、下段の方が保険料収入でございます。短時間労働者の方、報酬の水準はばらつきあると思いますけれども、例えば年収100万ちょっとの方だとすると、保険料収入が本人負担と事業主負担合わせて10万8,000円、これが保険者に入ってまいります。他方、その方がその保険者に加入することによる支出は、御本人の保険給付費13万5,000円に加えて、高齢者医療を支えるための前期の納付金、後期の支援金、更には介護の納付金、こういったものが乗ってくるということで、トータルの支出が約33万円。つまり約22万円ほどが保険者の新たな持ち出しということになりますので、この辺りを緩和する必要があるのではないかということでございます。
その仕組みが7ページでございます。下段のところに「具体的な調整措置」と書かせていただいております。報酬の非常に低い方が保険集団に入ってくることによって新たに負担しなければならないもののうち、加入者の頭割りで賦課されているもの、具体的には後期の支援金と介護の納付金でございますが、これを一人分として負担していただくのではなくて、一定の補正率を掛けて圧縮しましょうということでございます。例えば0.1という圧縮率を掛ければ、0.1人分、0.2にすれば0.2人分として、この拠出金なり納付金を負担していただきましょうと。その圧縮した分の財源をどこで持つのかというと、さっき申し上げましたとおり、適用拡大により薄く財政が改善する保険者が存在しますので、そうした保険者の負担により、当分の間、激変緩和的に負担を緩和するというのが今回の仕組みでございます。
具体的には、標準報酬月額9万8,000円以下の被保険者、あるいは加入者の方に乗っている後期の支援金及び介護の納付金について調整を行うということで考えております。9万8,000円といいますのは、今フルタイムで働くと、最賃の最も沖縄でも9万8,000円よりも高い報酬になることから、9万8,000円以下という方は、今回新たに適用される週20時間から30時間勤務の方、ないしは既に適用されている週30時間から40時間勤務の方、いずれにしても短時間の労働者の方ですので、この方について調整対象とするということでございます。今回新たに適用対象となる方だけを特例措置の対象とする考え方もありますが、技術的に勤務時間で把握することが難しいということと、30時間から40時間勤務の方でも20時間から30時間勤務の方より報酬の低い方もおられますので、ここは金額ということで線を引かざるを得ないということで整理したところでございます。
実際にどの程度の調整を行うのかという調整の規模でございますが、これは施行が4年後ということで、現時点では45万人程度が新たに適用になると考えておりますけれども、雇用環境の変化等によっては変動する可能性がありますので、その状況も見た上で、保険者への影響がどの程度あるのかということを踏まえて具体的な調整の率を決めてまいりたいと考えております。
8ページは、今申し上げた調整の内容をイメージ化したものでございますが、真ん中からちょっと左の辺りに網かけで、国保から健保に移る方、健保の被扶養者から被保険者になる方それぞれ示しておりますが、移った方の行き先が上の図にあるとおり特定の健保組合等の保険者に集中し、負担が増えることから、薄く広く、一定の期間調整をさせていただきたいということでございます。
この適用拡大の議論につきましては、以前も御説明申し上げましたとおり、社会保障審議会に特別部会をつくって御議論いただいてまいりましたが、結果的に、具体的な成案、これは与党の方で決まって、厚生労働省もそれを了解したという形でありますが、成案が決まる過程でこういう特例措置という、制度にかかわるものが入ってきたということでございます。本来であれば、法案提出前に御説明申し上げて御議論いただいた上で決定するということが理想ではあったのですけれども、こうして事後の報告になったことについて、お詫びを申し上げたいと思います。
説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
いろいろな動きがあったものですから、説明が非常に豊富になっておったわけでありますけれども、最初の大綱につきましては、もう閣議決定されているものということでありますし、国民健康保険の一部改正につきましても法案が成立しているものでありますから、事実上の説明といいましょうか、報告事項ということでありますが、本日は、先ほどお話ありました短時間労働者の社会保険適用に関する保険者の激変緩和のところの議論にできるだけ集中したいと思うのですけれども、まずは大綱、あるいは国民健康保険の一部改正についての報告について、何か御質問、御意見ございますか。でき上がっているものでありますのであれですが。
 それでは、齋藤委員、どうぞ。
○齋藤正寧委員 大筋はこのとおりでいいわけでありますけれども、これをきちんとやはり具体化してやっていかなければいけないと思います。特に国保の都道府県単位化、このことは、法案は提出されていると思いますけれども、具体的にどうやるのでしょうか。この辺りをやはり国の方でもう少し具体的に踏み込んだ形で具体化してほしいと思います。特に共同事業、一律すべて対象にするということになると、定率で調整交付金の2%分を充てるといった場合、実は格差が保険者間で非常に拡大すると、こういうことが具体的に、数字で計算すると出てきているわけですから、この辺りをどうするのか。ガイドラインを示すということでありますけれども、これはある意味で一般財源で出ていくわけですから、都道府県が知らんよと言えば、では具体的にどうするのと、こういう問題が多分出てきます。しかも、必ずしも都道府県サイドは、財政運営の責任を担うということについては明快な回答は示していない。ここをきちんとしないと、どうも先行きの国保の制度の改善、こういうものを担保できないのではないかという心配をしておりますので、今回がゴールでないということを踏まえながら、もっと中長期的にきちんとした形に整えていく必要があるということであります。財政基盤の強化とかいろんなことを強化すると。評価すべき点もたくさんありますけれども、一番のポイントは、都道府県単位化をどう具体的にするかと。この辺りについて、もう少し突っ込んだ形で是非検討願いたいということであります。
○遠藤部会長 ありがとうございます。齋藤正寧委員のおっしゃられたことに対して、国保課長、何かコメントございますか。
○濱谷国保課長 今回の法案で都道府県の調整交付金が増額されましたけれども、共同事業の拡大に当たりましては、都道府県の調整権限、調整機能が非常に重要であります。具体的にどのような形で調整交付金を配分するのか、これが共同事業の円滑な推進のためにも非常に重要でございますので、近々、また国保に関する国と地方の協議も事務レベルで再開しまして、その共同事業の円滑な推進に向けての具体的な議論を、ガイドラインの作成を含め再開し、引き続き議論を行ってまいりたいと考えております。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。ほかにございますか。
 では、樋口委員、どうぞ。
○樋口委員 議論していただく暇はないと思うのですけれども、私ども、今日また開かれる前は、税・社会保障一体改革を踏まえながら、医療報酬・介護報酬同時改定に向けて、言葉としては医療・介護サービス保障の強化と、それから介護と医療の連携というような言葉で意見は一致していたと思いますし、私も全く異論はございません。
ただ、御承知のとおり、ごらんになった方も、ちょうど1週間ぐらい前にNHKのニュース番組の特集で、今度の医療改定、医療報酬改定で入院日数が短くなった結果、東京都大田区でございましたけれども、ある高齢者が家に戻ろうとしても、家は肉屋さん、もう閉めてしまっていますけれども、4階建ての一番上。ですので、結局どこに行くところもなく、自宅へ自宅へと、病院はもう経営が成り立たないから戻さなくてはならない。そして、結果として、あちこち探した挙げ句、茨城県の病院を見つけて、そこへ送られていくというところで番組は終わっておりました。
 私などが危惧していたことがそういう形で出てきているわけでございまして、社会保障・税一体改革の今の動きと、それから、今ちょうど重なった医療・介護の報酬改定と、人々はつなげて見ています。そうすると、この行き場のなくなるような改革が、そこで消費税値上げに賛成してもいいのだろうかなんていう意識を広げることになりかねないと思っておりますので、むしろここは医療保険のセクションですから、ここで、こういう在宅へ在宅へということはいいし、自宅の効力というのもたくさんあると思うのですけれども、この自宅の中からこぼれてしまう高齢者が実は今本当に多くなっているということを踏まえて、是非地域の中で、例えば有償診療所の数を増やして、今度、保険点数もおつけくださっているようですけれども、あるいは、今これは本当に機能強化と数を増やしていただきたいと思うのですけれども、在宅療養支援診療所、在診の数を増やし、そして、本当に何が住み慣れた地域で過ごすだと言いたくなるのですけれども、見も知らぬ土地へこういう形で追いやられていく高齢者がいることを思いますと、是非スローガンどおりに進めていただきたいと、これはお願いでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。在宅医療への推進といっても、なかなか現実にはいろいろ課題があるということなのですか。これは実際に推進させるために診療報酬・介護報酬が非常に大きなインセンティブを持っているわけですが、ただいまの御発言について、中医協を所管しております医療課長がいらしておりますが、何かコメントございますか。
○鈴木医療課長 医療課長でございます。
 今回の改定は、介護報酬の改定と医療の診療報酬の改定が同時でございますので、まさにそういう在宅の受け皿、それから介護との連携というのが非常に重要な役割でございました。今、樋口委員が御指摘になったようなことが起こらないような受け皿づくりというのを我々も念頭に置いておりまして、例えば機能分化のための、入院でさまざまな手立てをしましたけれども、ただし、それにもきちっと経過期間を設けた上で、秩序立ったことができるようにしていますし、それから在宅についても、御指摘にあった在宅療養支援診療所、それからそれ以外の診療所でも在宅の手当てができるような形をしております。
 更に、今回は、特に退院されるときがやはり一番大事だということで、なるべく入院の初期から退院についての調整なり手助けをするということで、相当退院についても支援するということにしておりますので、そうした事例が起こらないように、そして防げるような形で今後努力していきたいと思っております。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 唐澤審議官、どうぞ。
○唐澤審議官 済みません、少し。今、樋口先生からお話のあった問題、大変重要な問題で、実は私ども、同じ問題意識で対応していただいております。中医協でも、在宅医療の強化と併せて、それだけではなくて、病院の退院時ですと、そこの患者さんを送ったり受け取ったりするところの評価を上げるとかきめ細かくするとかいうようなことを、中医協でも、介護の分科会の方でも御議論いただいて、今回はかなりそこに手厚く点数をつけていただいたと思っております。
 他方で1つ大きな問題がございますのは、これは私も東京都の方ともお話しさせていただいておりますけれども、大都市、特に東京の高齢者人口爆発にどう対応するかと。これは地方の県とは少し人口の構成が違っておりまして、非常に大きな問題でございますので、これはまた東京都ともよく御相談をしながら、2025年に向けてまた進めてまいりたいと考えております。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 それでは、菅家委員、どうもお待たせいたしました。
○菅家委員 一体改革について発言するつもりはありませんでしたが、国保課長の答弁に対して発言させていただきます。
 齋藤委員がおっしゃったのは、そもそも市町村国保の問題点について、先ほど説明ありましたように、共同事業であるとかさまざまな財政調整を広範囲に行って現状運営しており、どうしてそんなことをしなければいけないかという原理的な問題を考えてくださいよ、ということだと思います。したがって、都道府県単位化という方向性が打ち出されているわけですから、そういった本来のあるべき姿に向かってしっかりと引き続き議論してくださいよということを齋藤委員はおっしゃったわけであって、それについての答弁ではなかったと思いますので、もう一度きちんとお答えしていただきたいと思います。
○遠藤部会長 国保課長、よろしくお願いします。
○濱谷国保課長 今回の法改正で、当面の対応できる措置として共同事業の拡大、そのための円滑な推進の措置を講じたわけでございますけれども、国保の基盤強化の国と地方の協議については、国保の構造問題を根っこからそもそも議論しようということでございますので、引き続き、構造問題の対応については地方団体とよく協議しながら検討していきたいと考えております。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 それでは、齋藤委員、どうぞ。
○齋藤正寧委員 この国保の制度関連について、もう一つついでに、今日の議題には全然ないのですけれども、後期高齢者医療制度、これを廃止するということになって、新しい法案を出すと、こう伝えられておりましたけれども、最近の報道では、後期高齢者医療制度の廃止は断念すると、こんな報道も一部ありました。後期高齢者医療制度の改革会議の最終とりまとめの趣旨をやはりきちんと踏まえて実現していただきたいと思います。財政運営は都道府県、保険料徴収等は市町村、こういう役割分担のもとに行おうという方向性は出ているのですけれども、これがなかなか実はいろんな点で関係者の合意が得られていないのだろうと推測いたしております。
 こういうことで、将来的に国保は一体全体どうなるのかと不安を覚えます。既に国保は改革に向けて走り始めているわけでありますから、こういった問題もやはり整合性を持った形にしてもらわないといけないと思います。その辺をきちんと押さえてほしいと、併せて御要望を申し上げておきます。
○遠藤部会長 御意見、御要望として承りました。よろしくお願いいたします。
 それでは、小林委員、どうぞ。
○小林委員 参考資料3、「社会保障に係る費用の将来推計の改定について」、このうちの2ページ目に「社会保障各制度の保険料水準の見通し」が示されておりますが、中小規模が多い協会けんぽの加入企業の実際の賃金動向というのは、過去10年間で、一貫して毎年減少しております。こうした傾向を保険料率に反映させて協会けんぽが推計した結果では、現行から改善が図られなければ、2015年で既に11%を超える保険料負担になると見ております。
 本日の資料で、この1ページ目に、平均2.6%から2.4%と賃金上昇率の平均が若干見直されておりますが、中小規模の企業の賃金推移の現実を見ると、まだ実態からかなりかけ離れた数字ではないかと大変懸念をしております。今後の一体改革の議論の中でも、こうした中小企業の実情を十分踏まえた議論をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。平均ではなくて、やはりそれぞれの状況があるのだということを細かく考えるべきであるという御意見だと思いますけれども、ほかによろしゅうございますか。
 それでは、時間も限られておりますので、短時間労働者への社会保険適用についてということですが、これは保険課長からお話がありましたように、基本的なスキームについてはもう法案が出ているわけであります。したがいまして、それについては御質問というようなことで承ることはできると思いますけれども、実はもう一つ審議しなければいけない重要なところというのは、先ほどお話ありましたような、被保険者の移動が起きるものですから、保険者間で財政影響が違ってくるので、その辺の影響緩和策ということで具体的なものが示されているわけでありますが、これについてどのようにお考えになるかということで御意見をちょうだいしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
白川委員、どうぞ。
○白川委員 今、部会長がおっしゃったとおり、法案自体は国会に託されております。我々は反対でございますけれども、その中身については国会で御審議いただくということなので、特にそれ以上は申し上げませんが、この特例措置が何か突然提起されたこと、法案の中にも、「特例措置を講ずる」という一項が突然出てきたというのが、まず私どもは納得できないところでございます。
こういう特例措置を講ずるのであれば、通常であれば、こういう社会保障審議会のようなところで一定の議論を経た上で、合意に達するかどうかは別にして、その上で法案に書き込まれるというのが通常の手続であろうと私は信じております。その点については、先ほどの保険課長、申し訳ないという御発言もありましたけれども、以降、こういうことのなきように御配慮いただきたいということが1つ。
 それからもう一つ、中身に関しまして、これが難解な仕組みでよく理解できないところがございますので、質問させていただきたいと思います。
 この仕組みによれば、例えば4ページに適用拡大による財政影響が出ておりますが、健保組合で言いますと、加入者増の影響が700億円で、加入者減の影響が300億円ということでございますので、この加入者増の700億円負担増を激変緩和したいという中身ですけれども、それが、この特例措置を講ずることによってどの程度緩和されるのかというのがよくわからないので、そういう試算を行ったのかどうかということが1つ目の質問でございます。
 見方によりますと、この700億円負担増を、加入者減300億円がありますので、これで一部カバーするのだと読めないこともないのですが、ただ、ほかの、協会けんぽさん、共済組合さん、国保さん、この辺りは負担減になりますけれども、こちらから健保組合への財政調整ということにはどうもならない仕組みになっているやに私には見えるのです。
2つ目の質問は、違うページで恐縮でございますが、9万8,000円以下の方が、資料の7ページの下の「具体的な調整措置」の(※2)のところによれば、協会けんぽ約50万人、健保組合約3万人、共済組合はいらっしゃらないのかどうかわかりませんが、そうすると、今現在、53万人いらっしゃるということです。今回の適用拡大で7万8,000円以下の方が新たに増える数というのが4ページに出ております。
 4ページの左の下の<医療>のところによると、括弧の中ですけれども、健保組合に35万人、協会けんぽに10万人が加入するということになっております。ということは、両方合わせますと、今回の特例措置の対象になる方は、協会けんぽは60万人、健保組合は38万人になるという計算になるかと思います。
 特例措置で、1人分ではなくて、0.1〜0.2人分というカウントをすると書かれておりますが、被用者保険全体の、例えば後期高齢者支援金の総額というのは変わらないわけですから、それぞれのすべての保険者の負担を一律増やしてこの穴埋めをするという考えというふうに見えます。そうしますと、協会けんぽさんの負担がかなり減って、健保組合は全体としてその分を補うために負担が増える。共済組合さんも同じではないかと思いますが、そういう構図になるように私には見えるのですけれども、私の考えは間違っているかどうか。試算結果を見ればいいのかもしれませんが、どういうお考えなのかということを2つ目の質問としてお伺いしたい。
 以上、2つの質問でございます。
○遠藤部会長 了解いたしました。それでは、保険課長、よろしくお願いします。
○西辻保険課長 最初に、こういう形で、法案の提出後に御議論をいただく結果になったことについては、重ねてお詫びを申し上げたいと思います。
 それから、御質問を2点いただきました。最初が、試算をやったのかどうかということで、健保組合で負担増で700億、負担減で300億とあるのですけれども、どの程度特例措置によって影響が緩和されるのかということですが、これは先ほど御説明申し上げましたように、新しく適用拡大される方を含む9万8,000円以下の標準報酬の方も本来は1人ということで、後期高齢者の支援金、あるいは介護納付金を負担していただくわけですけれども、これをどれぐらいとして見るのか、例えば0.1で見るのか、0.2で見るのか、0.5で見るのか、これによって影響は違ってまいります。
 もう一つ、45万人が動くと我々、現時点では見ておりますが、これも実際の施行の段階までに変わる可能性がありますので、あくまでも現時点での推計ではありますけれども、仮に0.1、つまり、新しくパートで入ってこられる方等を含めて9万8,000円以下の標準報酬の方を1人ではなくて0.1と見た場合に、大体財政調整の規模が400億弱と考えております。
これによって、健保組合の負担というのは、現在がネットで400億ですが、420億とか430億ぐらい、約1割の範囲内で増えるということは考えられると思います。それから共済組合は、現在、80億のマイナスとなっていますけれども、これは逆に財政悪化、恐らく数十億の財政悪化になるだろうと考えております。協会けんぽは、先ほど資料の御指摘もいただきましたけれども、既に9万8,000円以下の方、短時間労働者で適用されていると思われる方が50万人おられますので、この方々が今回9万8,000円以下ということで調整されますので、現在、100億の財政改善効果を見込んでおりますけれども、更に約100億程度は財政改善されるのではないのかと見ております。それが現段階の試算でございますが、これは0.1にしたときの場合であって、0.1なのか違う数字なのかというところを現段階で決めているわけではないということでございます。
 それと2点目の御質問で、9万8,000円以下の人を調整するということで、トータルでは、既に9万8,000円以下の方と新たにパートで適用される方の両方がいるだろうということですけれども、基本的にはそういうことでございます。現在9万8,000円以下の方、この方々が28年4月の段階で9万8,000円以下であればそれは調整されますし、今回の45万人の方、この方々に加えて、実際この方々が連れてこられる被扶養者の方もおられますので、その方々も含めて調整対象になるということでございます。その結果は、先ほど申し上げたような数字として現段階で試算しているということでございます。
○遠藤部会長 白川委員、どうぞ。
○白川委員 済みません。1つ目の質問の御回答がなかったような気がするのですが、特定の業界を中心に700億円の負担増が生じるのですけれども、そういった負担増のところに対して、この特例措置でどれぐらい助成できるといいますか、負担を軽減できるのかということは御回答いただけますでしょうか。
○西辻保険課長 あくまでも現時点での推計ですけれども、調整規模全体が仮に0.1としたときに約400億弱だと思っています。この調整の中には、共済の方から持ってくる分もありますし、それから、持っていく先として健保組合ではなくて協会けんぽという分もあります。健保組合に関して見ますと、もともと負担増になる組合の負担増の集積が約700億程度だと思っていたものが、仮に0.1として調整にしますと、大体400億ぐらいになるだろうと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございました。白川委員、どうぞ。
○白川委員 私の質問に対する回答は理解いたしましたけれども、この特例措置の中身については、先ほどの保険課長のお話ですと、この特例措置を講ずると健保組合は、400億円の負担増が420億円ぐらいになると試算されているという御回答でございまして、なぜこういう、私どもとしては理解できないような特例措置を講ずるか、提案するかということについては非常に不満でございまして、強く抗議したい。これは法律が通ってから特例措置をどうするかということは、是非こういう医療保険部会のようなところで再度細かい数字も出していただいた上で議論させていただきたいとお願いをいたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。今の話で、今後、より詳細なことについて継続して議論をしたいという御要望であったわけですけれども、これに対して、何か事務局、お考えございますか。
 保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 既に3月30日に法案を国会に提出いたしております。今後、一体改革の他の法案と併せて恐らく審議されるだろうと思っておりますが、法案が成立しても、その施行までにはまだ大分時間がありますので、施行までの間に、ただいまの御指摘も踏まえて実際の率についてはまた御報告をして御議論を賜りたいと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。白川委員、そういう対応でよろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 お待たせしました。それでは、齋藤正憲委員、どうぞ。
○齋藤正憲委員 白川委員のご指摘と同じことになってしまいますし、西辻課長も謝っておられるので今更とも思うのですけれども、経団連としても一言申し上げます。白川委員が御発言になったように、適用拡大への施策の議論に乗じて、十分な審議を経ないまま、高齢者医療や介護保険の支援金、納付金の算定方法にかかわる見直しが決定されたということは、やはり問題ではないかと思っております。適用拡大に伴いまして、国保に投入されている税負担は減少していることを踏まえますと、低賃金の加入者増に伴う保険者の負担軽減については、税等での対応を是非お願いしたいなと思っております。
それともう一点だけ言わせていただくと、適用拡大に関する考え方ですけれども、2007年に法案をとりまとめた当時に比べますと、経済状況は一層厳しいということで、年金、医療等の社会保険料負担も増えております。短時間労働者を多く抱える企業、産業に非常に大きな負担を強いることになりまして、雇用の縮小にもつながるのではないかと懸念しております。また、2007年法案よりも標準報酬を引き下げた結果、国民年金加入者との間で給付と負担のバランスが崩れて、現行制度に新たな歪みや不公平をもたらすと思います。こうしたことから、政府与党の方針には我々としては賛同しかねます。今更ということでありますけれども、とりあえず意見として申し述べておきます。
○遠藤部会長 意見として承りました。
それでは、菅家委員、お願いします。
○菅家委員 今のお二方の御意見と真逆のことを申し上げたいと思います。白川委員が今回の適用拡大そのものに反対とおっしゃいましたが、その理由をおっしゃらなかったのでよくわからないのでありますけれども、そもそも週20時間以上の短時間労働者につきましては雇用労働者であるということは明白なわけであります。現に雇用保険の適用対象になっているわけでありまして、そもそも医療保険と年金の適用対象でなかったことが本来おかしいというのが我々の考えでございまして、したがって、年収要件であるとか、あるいは企業規模でもって今回極めて限定的に適用になっているということ自身についても、我々としては納得していないということでございます。
 その上で申し上げますけれども、本来所属すべきところに、今回、一歩ではありますけれども、短時間の労働者が対象となって所属するということであって、本来の姿に近づいているのだということをまず認識すべきだということでございます。
ただ、そうは申し上げましても、実際こういった短時間の労働者が多く在籍している業種、産業というものが偏って現実にはあるということでございまして、短時間労働者が加わることによって大きく保険財政に影響を及ぼすという、これも現実の問題としてあるわけでありますので、当分の間、激変緩和措置を講ずるということについては、十分理解できることだと考えているところでございます。
 更に申し上げますと、国保に対する国庫負担が軽減されることによって、公費がトータルで400億円、国費については300億円軽減されるという資料がございますけれども、これはそのまま国庫財政が助かるということではなくて、この300億円をきちんと今回大きく影響を受ける健保組合に投入することによって、財政的な負担軽減を図っていくという措置は当然必要だろうと思っておりますが、その点について事務局のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○遠藤部会長 浮く国庫負担について、財政調整の原資にしたらいかがかというような御意見だと思いますけれども、保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 今回、被用者保険者間で当分の間負担を緩和するための措置を行うということは、既に法律案に入っている話ですけれども、それ以外に、審議会に設けられた適用拡大を議論する特別部会の中でも、実際には国保から移ってこられる方が多くて、それによって公費が一定程度浮くではないかというご指摘がございました。今の推計でいきますと公費400億、うち国費が300億ということですけれども、これはやはり何らかの激変緩和に使うべきではないのかという御意見をいただいております。
 それと、与党の中の議論でもやはり同様の意見があったと認識しておりますので、これもまた施行まで時間がある中で、実際には28年度の予算での検討ということには多分なると思うのですけれども、どれぐらい本当に動くのかという状況も見ながら、その浮いた国費の活用ということについても併せて検討していきたいと考えております。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 鈴木委員、お待たせしました。
○鈴木委員 企業の論理から言うと、保険料みたいなものはできるだけ安ければいいということになるのかもしれませんが、けさの新聞を見ても、人口が25万人減ったということですが、これからはもっと減っていくわけです。そういった中で、労働力を確保するという意味では、女性とか高齢者もそうだと思いますが、そうした労働力の確保ということが必要になってくると思いますので、そういった方々が平等な医療を受けられる、あるいは将来そうした年金もきちんと受けられる、そういった仕組みを今のうちにつくっておくということは必要だと考えております。
日本医師会としましても、医療保険制度に対する基本理念としては、すべての国民が同じ医療を受けられる制度、すべての国民が支払い能力に応じて公平な負担をする制度、そして将来にわたって持続可能性のある制度というのを理念として掲げております。是非長期的な視点に立って、財政調整もしながらこういった課題を改善していって、短時間労働者への適用拡大を実現していくべきだと考えています。そのために御協力をいただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、大井川参考人、どうぞ。
○山下委員(大井川参考人) 先ほど保険課長からもお答えありましたので、あえてということになるのですけれども、適用拡大で浮いた公費の扱いについては今後更に検討していきたいということでしたが、事業者の保険料負担の重さ、あるいは保険者の厳しい財政状況から言えば、浮いた公費は保険者間の財政調整に投入するということについて、是非具体的に検討していただきたいと思います。現時点では保険者間のみでの調整ということになっていますが、与党内においても最後の最後までこの部分は争点であったと思います。こうした結論に至ったプロセスがよく見えてないということもありますが、改めてこの場をおかりして検討をお願いしたいというのが1点でございます。
 それから、後期高齢者医療制度の廃止については、白紙に戻ったという報道がございますが、高齢者医療の見直しに関する法案は、今通常国会で出すという閣議決定がされているわけですし、これが具体的に今後どのように議論していく予定なのか、この制度そのものの中身を改めて再検討していくのかどうか、もし可能であれば今後の見通しについてお聞かせいただければと思います。
○遠藤部会長 これは事務局への御質問ということでよろしいですね。
 では、事務局どうぞ。
○横幕高齢者医療課長 高齢者医療課長でございます。
 最後の点、高齢者医療制度の問題ですが、先ほど齋藤委員からも御発言の中にございました。一部報道ございますけれども、初めに総務課長から大綱に関する御説明にもありましたとおり、関係者の御理解を得た上で、改革会議の報告とりまとめ等を踏まえ法案を提出するという方針、これは今でもこの方針に立っておりますので、これを実現すべく、引き続き調整をしているところです。
 特に後期高齢者医療制度の廃止について、地方団体に強い御意見があります。昨年この場で御議論いただいた中でもそういう御意見がありましたので、そこを中心に、今、個別に調整させていただいているところです。まだ御理解を得られる段階に至っていませんけれども、更にそれを進めていくというのが今の時点の状況でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。大井川参考人、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 それでは、小林委員、どうぞ。
○小林委員 資料2のページ2の(4)短時間労働者の適用拡大の下に、(5)に厚生年金に並んで、健康保険等についても、産休期間中の保険料免除を行うという項目がありますが、これは昨年の12月の部会で突然、年金制度との横並びの理由で、産休期間中の医療保険の保険料負担を免除するとの提案が行われました。その際、私どもとしても強く反対意見を申し上げましたが、私どもの意見が全く顧慮されずに、この法案が提出されております。
 出産時に被保険者への給付が何もない年金制度と違い、医療保険制度では、出産に伴う被保険者の休業補償として、休業期間中に給与額の3分の2に当たる額を保障する出産手当金を支給しております。また、出産育児一時金42万円の支給のほかに、リスクの高い出産の場合には医療給付も行っております。むしろ年金制度にない各種の給付を医療保険では既に行っている中で、年金制度で産休期間中の保険料負担を免除するからと言って法案化されたことは非常に遺憾であり、改めて強く反対であることを申し上げます。
 それから、今回の議題と直接関係ありませんが、出産に絡んで一言申し上げたいと思います。以前、この医療保険部会でも申し上げた産科医療補償制度についてであります。産科医療補償制度については私的保険のシステムを使っておりますが、これは公的保険でお預かりした保険料を原資とした、いわば公的、公共的なシステムであります。このため、実施状況については医療保険部会で定期的に報告していただき、支払準備金の余剰の状況によっては、掛金の見直し、あるいは医療保険者への払い戻しを検討していただきたいと要望しておりました。
 補償の件数、金額の実績は当初の想定をかなり下回っており、支払準備金に余剰が出ていると聞いております。その余剰金によって給付対象を広げようという議論が、本制度の運営をしております公益財団法人日本医療機能評価機構の内部の運営委員会で行われております。さらに、本制度については5年以内に見直すということが決められておりますが、その見直しについても、この内部の運営委員会で議論が行われようとしています。
 健康保険法の施行令、施行規則にある掛金、補償の範囲等、制度の根幹にかかわる見直しについては、費用負担する側も含めてメンバーのバランスがとれた公的な場で議論する必要があるのではないかと考えております。この問題については今後どのように進めていかれるのか、保険局としての考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 では、最初の方は御意見だったと思いますけれども、後の方は御質問ということですから、保険局のお考えをおっしゃってください。
○西辻保険課長 産科医療補償についての御指摘でございますが、平成21年からスタートしていまして、通常の妊娠・分娩によって脳性麻痺になった方に補償を行うということで、その財源を、保険給付であるところの出産・育児一時金に金額を3万円乗せるということでスタートいたしました。
 今の御指摘は、幾つかあったのですけれども、一番大きなところは、当初、対象として予想された方よりも、実際の実績、補償対象となる方の人数が少ない。ということは掛金が多過ぎるのではないかということで、それを非常に厳しい保険財政の中で放置することはできないという御指摘だったのではないかと思います。
 いずれにしても、小林委員から御指摘があったように、5年後にまた見直すということで、これは26年からの実施に向けて見直すということだと思いますので、それに向けて、この産科医療補償を所管しております医政局と相談いたしまして、どういう検討の枠組みが考えられるのかということについてちょっと検討させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 小林委員、いかがでしょうか。
○小林委員 了解しました。
○遠藤部会長 白川委員、どうぞ。
○白川委員 今の産科補償制度について、私からも一言申し上げたいと思います。
 たしか1年半ほど前のこの医療保険部会で私も同様の質問をさせていただいて、当時、医政局から産科補償制度に絡む財政がどういう状況になっているかという資料を御提出いただきました。それから1年半たっておりますので、直近の財政状況に関する資料を是非ともこの場に出していただきたいというお願いをしておきたいと思います。
 そのときの議論のまとめは、5年後の見直しの途中だったものですから、この問題については引き続き医療保険部会で議論しましょうということだったと記憶しておりますので、そういう資料を出していただいて、是非この場で議論するように事務局の方で御配慮いただくようにお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、岩村部会長代理、どうぞ。
○岩村部会長代理 済みません。1点はちょっと事務局に質問なのですが、今日お示しいただいたこの高齢者支援金等の特例的な調整のイメージのところ、例えば7ページから8ページのところについてです。確認の質問ですけれども、特例措置の対象となる低所得者の人数というのを例えば1人ではなくて0.1に調整するというのは、ちょっと8ページの図を見ると、やや、ひょっとするとミスリーディングなのかもしれないと思ったのですが、負担が増える保険者についてだけ0.1にするということではないのですね。つまり、例えば協会けんぽで新たに短時間労働者で加入する人についてもこれは同じように0.1で計算するという趣旨であるという理解で間違いないでしょうか。
○遠藤部会長 保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 部会長代理がおっしゃったとおりでございます。
○岩村部会長代理 この8ページの図だと、負担が増える被保険者だけについて何か0.1と計算するようにちょっと読めてしまうので、そうだとすると非常に問題が多いものですから、ちょっと誤解がないようにということをお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 保険課長、どうぞ。
○西辻保険課長 申し訳ございません。ちょっと資料のつくり方が丁寧でなかったかもしれないですけれども、薄く、本当にごくわずかだけ、20時間から30時間のパートの方が新しく加入される保険者だと、恐らく抜けていく被扶養者で大体影響を打ち消すだろうと考えて、こういうあっさりしたつくり方にしたのですけれども、確かにこの図だけ見ると、今、部会長代理から御指摘のあったような誤解を生じかねないということで、そこはちょっと注意をしたいと思います。
○岩村部会長代理 ここからは追加の意見2点ですが、簡単に申し上げますが、先ほど白川委員も御指摘になったように、本来であれば、短時間労働者が加わることによる下での新しい高齢者支援金等の負担のルールというのをこの部会で議論すべきなのだろうと思いますので、それが本筋かなというのが私の意見であります。
 それからもう一点は、今回の特例措置の提案に関しては、審議会の在り方としては、私自身は非常に問題があると思っていまして、それは次の理由によります。法律自体は、これは厚生労働省の所管の法律として閣議決定されて提出されていくものなので、法案をつくるに当たって、従来の審議会の役割というのは、厚生労働省が審議会の場において関係当事者の意見を聞いて、少なくとも意見書なり何なりで、一致を見なくても、こういう意見があったということをとりまとめた上で法案化するという意味が審議会にはあるのだろうと思っております。
 そこから先、具体的にどういう法律になるかというのは、そこは政治プロセスの問題が入るのでやむを得ないことだろうとは思いますが、やはり厚生労働省の所管の法律としてまとめるのであれば、審議会の意見というものはきちっと聞いた上で、どういう法案の原案をまとめるのか、その上で政治過程の中でどのように決まっていくかというのが非常に重要なステップではないかと私は思いますので、今後、今回のようなことがないよう、是非厚生労働省におかれては最大限の努力をしていただきたいと思います。これは私の意見であります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。特別部会、岩村部会長代理も私も委員であったものですから、私もそういう気持ちを持っているわけでありますので、よろしくお願いいたします。
 さて、白川委員がおっしゃったこと、事務局にお願いしたことは2つあったと思いますので、私なりに申し上げますと、とりあえず、将来的な検討というよりも、まず、今現状の財政状況について所管をしているのが医政局であるならば、そこからデータを出して、ここで明らかにしてほしいということを御要望されたのかなということが1つと、もう一つは、見直しをするというのであるならば、この医療保険部会でやるべきであるということをおっしゃったと私は理解しましたけれども、その理解でよろしゅうございますね。
 先ほどの話ですと、医政局がという話だったのですが、私、実は産科医療補償制度ができ上がったときは委員でなかったのでわかりませんけれども、保険者が絡んでいるわけですから保険局でやるのがしかるべき話ではないかなと思うのですけれども、どういうことなのでしょうか。
○西辻保険課長 産科医療補償の制度を実施しておりますのは日本医療機能評価機構というところですけれども、財源は事実上、出産・育児一時金から出ているものですから、見直しに当たり、少なくとも医療保険給付の内容についてそこで議論されるというのはちょっといかがなものかと思っております。それで、白川委員から御指摘があったように、以前議論したときには医療保険部会でということだったようですけれども、そうなりますと、医療保険部会に産科医療補償の専門の方に場合によっては専門委員として入っていただいて、議論をするということになりますので、議論を行う場合の頻度の問題とか、これが1回や2回の議論で終わるかどうかということを考えたときに、より柔軟性のあるところで、保険者の代表の方にも入っていただいて、産科医療補償の専門家の方にも入っていただいてという場を設けるやり方もあるのではないかということで、いずれにしても、そこは医療保険部会でやるのかどこでやるのかということも含めて医政局とも相談したいということで、先ほどお答えを申し上げたつもりでございます。
○遠藤部会長 了解しました。白川委員、今のような御回答でよろしゅうございますか。
○白川委員 結構でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。では、検討のほどよろしくお願いします。
 それでは、大分予定していた時間を超えてしまいましたので、もう一つ議題がございまして、これは新しい議題でありますけれども、「審査支払機関の在り方について」を議題としたいと思います。本議題につきましては、国会の方でも御議論があったということですけれども、当部会においてもその議論を進めたいと思います。そのため、本議題につきましては、厚生労働大臣から専門委員が任命され、本日御出席いただいておりますので、御紹介させていただきたいと思います。
 社会保険診療報酬支払基金理事の河内山哲朗委員でございます。よろしくお願いします。「審査支払機関の在り方について」を当部会で議論する際には、河内山委員にも御参加をいただくということになりますので、御承知おきいただければと思います。よろしくお願いします。
それでは、事務局から資料が出されておりますので、御説明のほどよろしくお願いします。
○西辻保険課長 それでは、資料の説明をさせていただきます。資料3、「審査支払機関の在り方について」でございます。
 おめくりいただきまして1ページでございますが、今回この議題をこの部会で取り上げていただくに至った契機が、昨年の12月8日に出されました衆議院の決算行政監視委員会における決議でございます。衆議院の決算行政監視委員会におきまして幾つかの項目について政府に対して決議が行われ、決議を受けた政府としての対応状況の結果を半年以内に報告するということを求められております。
1ページの四角で囲っております二の「医療費レセプト審査事務」というところが該当部分でございます。下線を引いてあるところが具体的な指摘事項でございますが、1つは、審査支払機関は、大きく分けて、社会保険診療報酬支払基金と、各県に国民健康保険団体連合会があり、従来、競争環境の整備ということでやってきていたのですけれども、統合に向けた検討を速やかに進めるべきであるという御指摘が1つ。
 それから、仮に統合した場合の長期的なコストの削減効果、これを明確にして示すべきであるということが2つ目。
さらに、また書きのところですけれども、電子レセプトを更に活用する、あるいはレセプト審査に係る民間参入、これは支払基金や国保連ではなくて、保険者が直接に自分のところでやる、その過程で民間の事業者に委託をするということですが、こういったことの環境整備についても検討する。
この3つについて御指摘をいただいたものでございます。
 2ページが、決算行政監視委員会の決議までの流れです。11月16日に決算行政監視委員会でこの問題についての厚生労働省からの聴取、それから質疑が行われて、その結果を受ける形で、12月8日に決議をいただいたということでございます。
11月16日の委員会における主な意見、議事録から抜粋して、2ページの下の方に書いてございますけれども、同じような審査業務をやっているのであれば、まとめれば効率的なのではないのかという御意見。競争原理を働かせると厚労省は言っているけれども、なかなかそのような構造になってないのではないかという御意見。それから、保険者は、統合よりも、もっとこういうことをやってくれという希望が多いということを我々説明申し上げたのですけれども、それは保険者の代表だけではなくて、全医療保険者、これは市町村国保や健康保険組合等約3,500弱ございますけれども、全保険者に意見を聞くべきではないのかといった御意見。更には、民間がもっと参入しやすいような環境をつくるべきといった御意見など、いろいろな御指摘をいただいたところでございます。
 3ページでございますが、この議題、今日初めて御議論いただくということで、日本の医療保険制度のもとにおける診療報酬の請求や支払いの位置づけ等について御説明させていただきたいと思って資料を用意しております。
 3ページ、診療報酬の請求・支払の位置づけですが、わが国の医療保険の特徴は、皆保険ということに加えて、現物給付が原則であるということと、もう一つ、フリーアクセスを認めているということでございます。現物給付ということは、窓口で3割、75歳以上の方については1割の負担を支払っていただければ、それで医療が受けられるということ。フリーアクセスというのは、いずれの保険者の保険証を持ってきても、窓口に来られた方には、医療機関としてはきちんと診療を行うということでございます。
 このフリーアクセスと現物給付を支えているのが審査・支払だと我々考えております。と申しますのは、医療機関の窓口では3割しか費用をいただきませんので、残りの7割が速やかに保険者から支払われなければ、なかなか現物給付の医療保険制度がうまく回っていかないだろうということと、仮に保険医療機関と保険者の間で直接に診療報酬の請求・支払を行うということになれば、全国の医療機関と保険者の間でやりとりをしなければいけない。これはお互いにとって非常に煩雑ですし、適正かつ迅速な審査・支払いはなかなか難しいだろうということで、審査支払機関という仕組みが必要になってくると考えております。
 4ページが、請求が医療機関、あるいは調剤薬局からあった場合に行う審査についてでございます。審査の趣旨は、実際に行われた診療行為がルールにのっとってやられているのか、ルールといいますのは診療報酬点数表なり療養担当規則といったものでございますが、こういった保険診療のルールに適合しているのかどうかということを審査しているということでございます。と申しますのは、支払う診療報酬は、国民の皆様からいただいた保険料、あるいは公費ですので、この支払いがルールにのっとって適切に行われているということを担保しなければいけないということで、審査が行われているということでございます。
 この審査については、中ほどに図があり右側に保険制度と書いていますが、保険制度を合理的に運営するという観点からは、可能な限り、ルールを標準化して画一的に行うということが、恐らく要請としてあると思うのですが、他方、実際には、医療機関を受診される患者さんは、同じ病気でも個別性があり、ルールの範囲内で適切な医療は何なのかということについて、診療される医師等に一定の裁量を認めているというのが日本の医療保険制度でございます。したがって、審査に当たってはすべてを機械的に判断するということはなかなか難しくて、やはり医学的な妥当性の判断というものが入ってくる。ここが審査の肝なのだろうと思っております。
 5ページでございます。もう一つ、現在の審査支払機関が担っている重要な機能といたしまして、紛争処理の役割というものがあろうかと思っております。先ほど申し上げましたように、現物給付、フリーアクセスの下では、適正な支払い、それから迅速な支払い、これを実現しなければいけないわけですけれども、実際には保険者と医療機関の間では、請求について見解の相違ということも十分生じ得るわけで、これをすべて訴訟の手続によって解決していたのではなかなか迅速かつ適正な支払いというのはできない。したがって、現在、審査支払機関、支払基金は勿論ですけれども、保険者でつくっている国保連においても、3者構成の審査委員会をつくっております。つまり、保険者の代表、診療担当の代表、公益の代表、いずれも専門的な医療についての資格を持っているという方々において審査委員会でジャッジを行っていただくことによって紛争を処理する仕組みが設けられているということでございます。
 6ページ以降が、現在、被用者保険の保険者が審査・支払いを委託している社会保険診療報酬支払基金と、それから国保の保険者が委託している国民健康保険団体連合会についての比較でございます。
支払基金の方は、特別民間法人ということで、健康保険法等に基づく審査・支払いを行うということを目的として設置されているところでございます。
 国保連の方は、右側ですけれども、市町村国保の保険者である市町村が自分たちで共同でつくった法人ということで、47の都道府県にあるということでございます。目的といたしましては、審査・支払いに限らず、市町村保険者が国保事業の目的を達成するために必要な事業ということで、もっと広範に事業が予定されているということでございます。
 7ページと8ページに両機関の概要が書いてございます。7ページが国民健康保険団体連合会です。47都道府県にそれぞれあるということで、主な業務としましては、診療報酬の審査支払というのが勿論あるのですけれども、左側の(2)ですが、先ほど国保の改正法の説明でも出てまいりましたけれども、国保については都道府県単位化ということでいろいろな事業をやっておりますが、その事業の実施主体がこの国民健康保険団体連合会であるということ。(3)と(4)は、それ以外にもいろんな共同事業、あるいは市町村保険者の事務処理を行っている。つまり、国保の保険者、非常に規模の大きい市から小さな町村、いろいろございますので、それぞれの保険者が事業をちゃんと実施できるように国保連が共同で事業を行ったり、あるいは市町村の事務をかわって実施したりということが行われているということでございます。
 支払基金については8ページでございます。支払基金は審査支払を目的としておりますけれども、実際にはそれ以外の業務も実施しております。8ページの左下にB型肝炎の方に対する給付金等の支給事業、これは国との間で和解されたB型肝炎の患者さんについて、給付金ですとか検査費用を支給するというものでございます。こういった事業は実際にはレセプトと連動しますので、現在、支払基金に担っていただいているということでございます。
 右側の高齢者医療制度関係、あるいは介護保険の関係でございますけれども、高齢者医療、前期、後期の納付金や支援金、これを各保険者から徴収し交付するといった業務、介護保険の納付金、交付金の業務、こういった業務を、現在、支払基金にお願いをしているということでございます。
 9ページ以降は、現在2つある審査支払機関についてどのような取組みをそれぞれの機関、あるいは私どもでやっているのかという資料でございます。1つが、まず審査の判断基準の統一化のための取組みでございます。国保連は47の県にそれぞれございますし、支払基金も、組織としては全国一本でございますが、47の県に支部を置いて審査を行っており、それぞれの支部間、あるいは国保連間で審査の基準に差異があるのではないのかという指摘がございます。医療保険の診療報酬請求ルール、これは全国同じルールですので、審査の判断基準を統一化していくという取組みがここのページに書いてある内容でございます。
具体的には、各地方レベル、47都道府県のレベルにおける、国保連合会、基金の支部等での審査事例等の情報の共有、それから統一性の確保に向けた取組み等を行っていただく。更には、地方の協議会で議論したもののうちに、やはり統一的な判断基準というものを全国ベースで示す必要があるといったものについて、国、支払基金の本部、それから国民健康保険団体連合会で構成しております国保中央会等が集まって議論して判断基準を提供していく。こういったことについて、現在、順次着手を進めているということでございます。
10ページでございますが、民間参入でございます。民間参入といいますのは、支払基金や国保連に委託せずに、保険者が、直接民間事業者に委託すること等によりレセプトの審査・支払いを行うということでございます。上の四角の一番上の○に書いてございますけれども、健康保険法でも国民健康保険法でも同じですが、医療保険各法の条文では、保険者は、ルールに照らして自分で審査の上支払う、つまり、審査・支払は保険者の事務と法律上位置づけられております。ただし、この審査・支払いの事務を基金ないしは国保連に委託することができるというのが法律の規定でございます。
 したがって、支払基金や国保連に委託しなくても、直接自分のところで、これは主に被用者保険の保険者の話になるかと思いますけれども、審査できるわけでございます。ただ、先ほども説明申し上げましたように、フリーアクセスで現物給付という枠組みの中では、やはり医療機関が診療したものについての対価であるところの報酬が適正かつ速やかに支払われるということ、それから未然に紛争を防止する機能が必要ということを考えると、幾つかの要件をクリアした上で直接審査をお願いしているところでございます。
 下の左側の上に「直接審査の条件」ということで何項目かございますけれども、1つは、まず直接審査を行う場合に、この保険者は直接審査を行いますということを対象となる保険医療機関等に了解してもらわなければいけない。と申しますのも、オンラインの請求のシステムですと、被保険者の記号番号によって、被用者保険でしたら支払基金の方に、それから国保でしたらその県の国保連の方に自動的に請求がいってしまいますので、自分のところはそうではないのだということを、これはあらかじめ了解してもらわなければいけないということです。
 それから公正な審査体制の確保、あるいは個人情報の保護の徹底。重要なのが紛争処理ルールの明確化ということで、保険者と保険医療機関等の間で意見の相違があったときに、何らかの形で紛争処理のルールを決めておきましょうということでございます。その紛争処理のルールにつきましては、その下に「紛争処理ルールの整備」と書いてございますけれども、現在、直接審査を希望されているのは健康保険組合でございますけれども、健康保険組合でつくる健康保険組合連合会と支払基金との間で適正な審査に関する意見を受ける、つまり、意見の相違があったときには支払基金の意見を受けるということを紛争処理ルールとして取り決めることによって、紛争処理ルールを明確化したと扱っておるところでございます。
 具体的には、その下に書いていますけれども、調剤レセプトの審査につきましては、平成19年の1月から実際に直接審査を行っている保険者がございます。現在、健康保険組合で約20弱の保険者が実施しているという状況でございます。
 それから、医科、歯科の方について、やはり同じような紛争処理のルールを通達で示したのが去る2月ですので、こちらの方はまだ具体的な実例というものは出てきていないということでございます。
 11ページは競争環境の促進ということで、従来、国民健康保険の保険者は、委託する場合は国保連に、健康保険の保険者は支払基金に委託できるということになっていましたが、平成19年の規制改革の閣議決定によりまして、相互乗り入れできるようにしようということになりました。それを受ける形で、具体的に下の矢印のところにありますように、まず、平成19年に法律改正を行いまして、委託先の変更、国保連から支払基金、あるいはその逆の乗り入れを可能にする改正を行いました。
 ただ、実際には、乗り入れるに当たっては、保険者が乗り入れるという意思表示をするだけではなくて、いろんな手続を整備しなければいけないということで、その手続を一昨年の12月に通知ということでお示ししたところでございます。併せて、委託先の変更を保険者が判断するに当たって必要な情報を審査支払機関の方から開示するということもここでお願いしているというところでございます。
 以上が審査支払機関の現状等でございますけれども、今回、決算行政監視委員会からの御指摘をいただいてこの部会で御議論いただくに当たって、幾つか論点という形で並べさせていただいたのが12ページと13ページでございます。
きっかけが、統合を検討しろという指摘でしたので、統合の検討という御指摘に対してどういう切り口で議論すればいいのかということでここは論点を設定しておりますけれども、1つ目が、これは決算行政監視委員会でも意見が出されたように、同じような機能を担っているということであれば、システムも別々でなくて一本化すればいいではないかと、それから人も同じ人がやればいいではないかというのは素直な発想だと思います。そういったことでコストの削減が期待できるのではないかというのが1つ。それから、統合によって審査の質の向上。これは、つまり、審査基準がばらばらというところが揃っていくような効果が期待できるのではないかということであります。
 論点の2つ目は、審査支払機関の役割ですが、先ほど申し上げたように、フリーアクセスと現物給付が基本である以上は、迅速かつ適切な審査と支払いができる、あるいは紛争処理の機能を持っている、このような機能が必要だと思うのですけれども、そういったことを前提に考えたときに、どういう組織の在り方が適切なのかということでございます。
 それから3は、判断基準に差異が生じないようにする、あるいは紛争処理の役割を置くとしても、それはどういった組織形態でやるのがいいのか、競争の形でやった方がいいのか、それとも一つの組織でやった方がいいのか。一つの組織でやる場合に、今の支払基金のように、一本の組織という形なのか、国保連のように、47都道府県にそれがあってもいいのかということです。
 論点3は具体的な検討課題ということで、統合により、審査支払機関の審査機能、支払基金の審査機能と国保連の審査機能を仮に抜き出して統合した場合に、抜かれることによってどのようなクリアしなければいけない課題があるのかという切り口で幾つか並べております。まず国保連に関して、4ですが、先ほど国保連の説明のところでも申し上げましたけれども、国保連は審査・支払だけをやっているわけではなくて、共同でつくって、国保事業に必要な事業をいろいろやってもらっていますので、レセの審査・支払いだけを抜き出すということがそれ以外の事業に影響を与えるのではないかと。これをどう考えるのかということです。
 5は、そもそも国保連は、保険者が直接自分たちで団体をつくって審査・支払をやっているわけですが、これは直接審査にかなり近い形なのだろうということで、しかも、その中では、紛争処理のための三者構成も採っております。法律が予定しているものに最も近い形で審査・支払やっているとも言えるのですけれども、この形を崩して審査支払機能を統合するということをどう考えるのかということでございます。
 13ページの6ですが、国保連には、都道府県単位化に向けたいろんな共同事業、あるいは共同の事務処理を担っていただいているわけですけれども、そもそも今後の都道府県単位化の推進や、現在、地域保険と被用者保険に大きく分かれている制度体系をどうするのかという議論を抜きに、審査・支払の機能だけ取り出して統合するということについてどう考えるのかという論点でございます。
 7は支払基金に関する論点でございます。支払基金の業務量のかなりの部分は、公的医療保険、あるいは公費負担医療等の審査・支払ですけれども、それ以外の後期高齢者、あるいは前期高齢者の支援金や納付金、介護納付金の徴収等の事務、それから、B型肝炎の給付金等の支給事務を併せて実施しておりますので、仮に支払基金から審査・支払いの機能を取り出してどこかに統合するということをやれば、こういったほかの業務というものも、統合機関でやるということを考えなければいけないだろうという論点でございます。
 それから、8は、仮に統合した場合、審査・支払機関は重要なインフラではあるのですけれども、常にコストの削減や効率化を進めていかなければいけないということは当然だと思っておりますので、そういったコスト削減や効率化、あるいは保険者によるガバナンスが効くような組織とするためにはどういった組織が適当かという論点でございます。
 論点の4は、現在、統合の議論とは別に、支払基金、国保連それぞれ効率化や適正化に向けた取組み、あるいは国保連で言うと市町村のコスト削減につながるような役割、こういったものを期待され実施している途中だということでございますので、統合の議論の中でこうしたものをどう考えていくのかという論点でございます。
 論点の5は、統合とは逆に、競争環境の整備についてでございます。平成20年以前では、競争環境の整備ということで、いろんな施策をやってまいりました。現在、支払基金と国保連それぞれの間で相互乗り入れができる仕組みになったのですけれども、まだ実例がありません。この実例がないということは決算行政監視委員会でも指摘されているとおり、実際には競争環境は起きない構造になっているのではないのかということで、更に競争を促すためにはどういったことが必要なのかという論点でございます。
 さらに、民間参入、いわゆる保険者の直接審査でございますが、これを更に進めるためにはどういったことが必要なのかといったこと。こうしたことが論点の切り口としてあるのではないかと考えております。
 それから、本日は用意しておりませんけれども、決算行政監視委員会から指摘された統合した場合のコスト削減効果、中期的な試算を出すようということでしたので、これについては現在作業をしております。
 また、3,500の保険者一つひとつに統合についての意見を聞くべきだという御指摘も決算行政監視委員会からいただきましたので、これも、現在、アンケート調査を実施しているところでございます。これはまた次回の部会でも、もし間に合うようでしたら御説明させていただきたいと考えております。
 事務局で用意した資料は以上でございますが、済みません、もう一つ、横尾委員から、委員提出資料ということで、この審査支払機関の在り方に関連して御意見をいただいております。
1ら4までございますが、1のところが直接審査支払に関することで、目指す方向、目的は同じなので、統合すべきだと。しかしながら、国保連はほかの仕事もいろいろやっているので、実施可能な体制づくりが重要、また、統合による財政的なメリットを示すべき。今の試算しているものが多分これに合致すると思いますけれども、そういう御指摘をいただいております。
 あと、2は、マイナンバーができれば効率的な仕事ができて、かなりコストの削減ができるのではないのかといった御指摘。
3は、不当・不正な診療報酬の請求が行われた場合の取扱い。
それから4は、これは審査支払機関の話かと思いますが、天下り人事を極力控えてということが書かれているということでございます。
 済みません。ちょっと長くなってしまって。資料の説明は以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。司会の不手際で、もう予定していた時間になってしまったわけですけれども、この件につきましては何回か御議論いただこうと思っております。とはいえ、もうちょっと時間をいただいて、もし今の御発言について御質問、御意見等があれば、今日中に聞いておきたいということがあれば一通り承りたいと思いますけれども、ございますか。
 それでは鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 統合の議論ということになるのかなと思うのですけれども、まず、それを考える前に、統合しためのた場合のメリット、デメリット、逆に、統合しない場合のメリット、デメリット、いろいろあると思うのです。だから、統合ありきではなくて、メリット、デメリットとか、もう少しいろんな資料を出していただいて議論した方がいいのではないかと思います。
○遠藤部会長 まさにそのことを議論するというふうに考えておりますし、今、コスト計算、コストがどれほど削減できるかということについての推計を行っているということでありますので、そういうスタンスで議論していきたいと思います。また、事務局としてもできるだけそういう準備をお願いしたいと思います。ほかにございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、多少膨大な資料でございますので、参考資料もありますので、次回までにまたよくお読みになっていただいてということで、本格的な議論は次回以降ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、本日は非常に活発な御発言をいただきまして、どうもありがとうございました。
 河内山専門委員におかれましては、本当にありがとうございました。次回以降も、この議論がなされるところでは是非御参加いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、予定の時間になりましたから本日はこれまでとさせていただきますが、次回の日程につきまして、何か事務局から連絡事項ございますか。
○木下総務課長 次回につきましては、また各委員に御相談いたしまして日程をお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 それでは、次回はまた御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日は、御多忙の中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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