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2012年3月27日 第10回地域保健対策検討会議事録

健康局総務課地域保健室

○日時

平成24年3月27日(月)10:00〜12:00


○場所

東京都港区南青山4−17−58
ホテルフロラシオン青山 はごろも(1F)


○出席者

構成員

大井田 隆 (日本大学医学部教授)
大場 エミ (横浜市南福祉保健センター長)
岡   紳爾 (山口県健康福祉部審議監)
岡部  信彦 (国立感染症研究所感染症情報センター長)
小澤 邦壽 (群馬県衛生環境研究所長)
曽根 智史 (国立保健医療科学院国際協力研究部長)
羽佐田  武 (静岡県駿東郡小山町住民福祉部健康課長)
秦 榮子 (愛媛県食生活改善推進連絡協議会会長)
林 謙治 (国立保健医療科学院長)
廣田 洋子 (北海道空知総合振興局技監(北海道岩見沢保健所長))
山本   都 (国立医薬品食品衛生研究所安全情報部研究員)
吉田 和仁 (愛知県尾張旭市健康福祉部健康課長)

事務局

外山 千也 (健康局長)
木村 博承 (大臣官房参事官)
堀江 裕 (生活衛生課長)
滝本 浩司 (監視安全課長)
政田 敏裕 (総務課地域保健室長)
尾田 進 (総務課保健指導室長)
岡田 就将 (総務課地域保健室室長補佐)

○議題

1 開会
2 議事
(1) 地域保健対策検討会報告書について
(2) その他

○議事

○木村大臣官房参事官 それでは、定刻より少し早いわけでございますけれども、御参加の方、すべておそろいになられましたので、ただいまから「第10回地域保健対策検討会」を開催させていただきたいと思います。
 本日は、構成員の皆様方には、年度末の大変御多忙の折、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、本日の構成員の出欠状況でございますけれども、尾形構成員、中構成員、名越構成員、松崎構成員の4名の方から御欠席との御報告を受けております。また、大場構成員の代理といたしまして、全国保健師長会副会長で、埼玉県熊谷保健所副所長の加藤静子様が本日は御出席になっておられます。
 それでは、林座長、議事進行のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○林座長 それでは、進行を務めさせていただきます。
 議事に入る前に、事務局より資料の確認をお願いします。
○木村大臣官房参事官 お手元に「議事次第」「地域保健対策検討会名簿」「座席表」をホチキスでとめているものが1つあろうかと思います。
 そのほかに資料1としまして、「報告書とりまとめに向けた主な御意見」。
 資料2−1としまして、「地域保健対策検討会報告書(案)」。
 資料2−2としまして、「今後の地域保健対策のあり方」。
 そして、参考資料といたしまして、参考資料1「地域保健法に基づく保健所の業務について」。
 参考資料2「生活衛生分野における衛生管理責任者の明確化について」を、それぞれお手元にお配りしております。
 御確認の上、万一、ございませんようでしたら、事務局の方にお申し付けいただければと思います。ございますでしょうか。
 なお、今までの本検討会の資料等につきましては、参考資料として、ハードファイルの方にすべてつづってございますので、適宜御参考にされていただければと思います。
 資料の確認については、以上でございます。
○林座長 ありがとうございます。
 本日は、いよいよこの検討会の報告書とりまとめの議論という段取りになるわけでございます。御協力をよろしくお願いいたします。
 ただいま事務局から説明がございましたように、前回の検討会ではたたき台について議論をしてきたわけでございますが、その場での議論、及びその後の事務局に提出された意見を踏まえて、資料2−1、報告書(案)が本日提出されたわけでございます。
 本日は、まず事務局の方から、資料1のとりまとめに向けた主な意見と、資料2−1、2−2の報告書(案)等について説明していただいてから、また皆さんの御意見を伺おうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 では、事務局からお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 承知いたしました。
 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。これは、前回の検討会におきまして、私ども事務局の方で報告書たたき台の修正バージョンを出させていただいております。それに対して御議論があったものについての御意見を白丸で、そしてその後、検討会が終わりましてから書面等で私ども事務局に寄せられた意見を黒丸で、それぞれ記してございます。本日は、これらの御意見をいかに今回の資料2−1の報告書(案)の方に盛り込むかというところが中心になると思いますので、その流れで御説明申し上げたいと思います。
 それでは、資料2−1の1ページ、「はじめに」のところに寄せられている、「健康日本21(第2次)」の推進に関する検討と、今回の当地域保健対策検討会との整合性をもっととる必要があるのではないかという御意見でございます。確かに、当検討会の目的は体制整備という観点からの検討でございますけれども、整合性をとる必要はあるという認識でございます。
 その結果、2ページの1つ目の丸のところに赤で記載したような形で、全体的な基調として、健康寿命の延伸とともに、健康格差の縮小の実現の課題という認識の中で進めていくことを記載させていただいております。
 「はじめに」の部分は以上でございます。
 次に、4ページの? 地域保健活動を取り巻く社会環境の現状及び課題は、「課題」は間違いでして、「動向」でございます。ここでは、在宅系サービスの拡充などの長期ビジョンの内容にも触れるべきではないかといった御指摘でございました。社会保障と税の一体改革をとらまえての御発言でございました。
 そこで、6ページ、7ページで、従来からあった国と地方のあり方見直しの進展と、社会保障を支える財政の現状と今後の方向性との、両者の項目をひっくり返してございます。最後に7としまして、ここに「社会保障と税一体改革大綱」に基づく内容に触れさせていただきまして、長期ビジョンにこたえる形をとらさせていただいたところでございます。
 次に、8ページの第?章 地域保健及び関連する主な施策の動向でございます。
 ここでは、まずWHOで行っているポリオ根絶、麻しん排除は、地域保健の力があってこそできるものなので、この辺りも記載してはどうかといった御意見でございました。これにつきましては、8ページの1の(1)の1)の?の3つ目の丸に、麻しんについての記載を入れる形で対応させていただいてございます。
 2つ目の、NCDについては、どういう経緯で対策が求められるようになっているかと、突如NCDというのが出てきたことに違和感があるということから、経緯のようなものを含めて記載ということでございました。これについては、10ページ、5)生活習慣病対策のところで、日本における過去からの健康対策の流れ。11ページに、近年の慢性疾患の発症や悪化などの拡大の文脈の中で、このNCD対策というものが必要になってくるという流れを記載させていただいてございます。
 3つ目の丸で、医療計画の見直しにおいて、指針の見直しを踏まえ、その内容を反映すべきという御指摘もございました。これは、今後この報告書を受けて、私ども、指針の見直しを図っていこうと思ってございまして、その中でこの御意見につきましても念頭に置きながら対応させていただきたいと思います。
 それから、4つ目の丸、地域保健基盤動向の関係でございました。これにつきましては、16ページの一番下、2.地域保健基盤の動向の保健所の中で、保健所の組織体制が一律でないような観点からの記載がございます。これについても、このような細かな記載も必要であろうということで、17ページの1つ目の丸に所要の記載をさせていただいているところでございます。
 18ページには、その出典を入れさせていただいてございます。
 次に、第?章 住民ニーズの多様化・高度化に対応した地域保健対策の推進でございます。ここではソーシャル・キャピタルというのが非常に中心的でございまして、数多くの御意見をいただいているところでございます。
 まず初めに、ソーシャル・キャピタルという用語をほかの用語に変えるかどうかということについては、御意見の1つ目として、「ソーシャル・キャピタル」は新しい概念であるが、地域保健対策に取り入れるべき考え方であり、その用語についても報告書たたき台にて記載している「ソーシャル・キャピタル」を使用していくのがよいのではないかといった御意見、このまま活用したらいいのではないかという御意見について、私どものこの報告書もそれを前提にした形にさせていただきました。
 2つ目の「ソーシャル・キャピタルの有効活用」については、「ソーシャル・キャピタルによる健康づくり、健康なまちづくりの展開」とした方がよいのではないかということで、標題の2ポツ目を「ソーシャル・キャピタルに立脚した健康づくり、健康なまちづくりの展開」という形で、ただ単なるソーシャル・キャピタルではなく、そのような活用方策の概念を含めたイメージのタイトルにさせていただきました。
 3つ目の〇でございますけれども、ソーシャル・キャピタルの言葉の意味として「人と人との絆づくり」など、もっとわかりやすい言葉で表現するとともにどうして重要なのかについてもわかりやすく説明し、また、2ページの1つ目の丸、ソーシャル・キャピタルの活用は重要であるけれども、広く理解されているとは言えない状況にある。地方自治のレベルでは「市民協働」という言葉もあって、この辺りの議論の状況を踏まえて理解しやすくという、よりわかりやすくという御要請がございました。
 それを踏まえまして、私どもの方では、19ページの2.の(1)の1つ目、2つ目の丸に、より明確にこの辺りを入れさせていただいたところでございます。
 次に、2ページの2つ目の丸、ソーシャル・キャピタルについては、地域のネットワークのほか、生活衛生や食品衛生の同業組合といった、いろいろなタイプがある。その特徴に応じて類型化して、行政がそれぞれのソーシャル・ネットワークにどうアプローチすればよいかといった整理もあるのではないかということでございました。確かに、このソーシャル・キャピタルの概念は非常に広いということもございますので、そこをより明確にという観点から、20ページの(2)の1)の丸の2つ目で、なかなか難しい部分もありますが、一応類型化した形のより具体的な記載をして、わかりやすくなるように努めてみました。
 次の3つ目の丸から6つ目でございます。特に保健師さん等は、これまでもソーシャル・キャピタル的なものづくりとか連携をやってきている。今回のこの新しいソーシャル・キャピタルとの違いがわかりにくい。また、従前から、保健師さんもその辺りをやってきたのだというのも認識論としてあるのではないかという御指摘でございました。
 その辺りを踏まえまして、21ページの2つ目の丸から、保健所や市町村の保健師等が関わって、地域のソーシャル・キャピタルを通じたアプローチはなされてきたが、特に都市部における地域のソーシャル・キャピタルの低下や様々な事業を運営するための事務作業に追われる現状により、このようなアプローチが困難な状況に直面していることも事実であり、このような現状に対応するためにはということで、新たな取組みをより明確化した形で、ここに記載させていただきました。
 それから、?の3つ上の丸でございます。超高齢化社会においては、高齢者同士の支え合い、あるいは障害者やがん患者がピアカウンセリングという形で、お互いに行っていくようなことも非常に重要ということで、21ページの3つ目の丸に、高齢者同士で支え合う社会、互いに障害を持ちながら助け合う社会を構築していくことも必要であるといった記載を新たに追加させていただいたところでございます。
 また、住民参画についても、場というものに重きを置いて、さまざまな課題を検討していく必要があるということにつきましても、同じ丸の中で記載させていただいております。
 最後の丸の、ソーシャル・キャピタル自体については何の異論もないけれども、学校や企業の場の活用については、一部のうまくいっているところがあるのみで、それを一般化、普遍化していく方法も検討する必要があるのではないかという御指摘もございました。
 これにつきましては、22ページから23ページにかけて散在しましたけれども、それぞれその部分をより明確化するために、たとえば22ページには、国の取組みにおいても、地方自治体の取組みを推進するためのガイドライン等の作成など、具体的な方法論の提示が必要であるという認識論を述べております。
 それから、23ページの一番下におきましても、ソーシャル・キャピタルを活かした地域づくり、社会づくりに関連して、現在、政府において寄附税制の見直しやソーシャル・キャピタル育成の支援に資する事業の実施等、実際既に取り組まれておりますので、こういうことも紹介し、地方自治体の方で御活用いただくことで、この辺の記載を入れさせていただいております。
 また、ソーシャル・キャピタルというのは、特に健康の観点の中で、保健所あるいは市町村保健センターが拠点として役割を果たしているということをより強調するために、「健康」の観点でのという文言を入れさせていただいているところでございます。
 以上が第?章でございます。
 次に、第?章 医療や介護福祉等の関連施策との連携の推進でございます。
 ここでは、資料1の2ページの下2つの丸、共通事項だと思いますけれども、1つは、前?章がソーシャル・キャピタルでずっとうたわれているのに、?章の医療関連のところでは、ソーシャル・キャピタルが出てこないようなイメージを受けるということで、医療においてはソーシャル・キャピタルの果たせる役割が、権限や情報の把握において、保健分野に比べて一定の制約があることは事実だけれども、その旨を記載してもらいたいということ。
 それから、保健所が最も重要な機関であるということもイメージしてもらいたい。
 それから、一番下の丸におきましても、医療連携においては保健所が中心となることが期待されるが、そうした中、活動をしている「がんに関する患者や家族の会」あるいは「小児科など地域の医療を守るための会」など、医療分野で活動しておられるソーシャル・キャピタルの意見というものも、この中に反映させていくような記載にはならないかということです。
 私ども事務局でそれらを検討させていただきましたけれども、25ページの医療連携の更なる推進の冒頭に入れるのは、やや唐突感があると思いましたので、次の(2)地域医療連携体制の構築に向けた保健所関与のあるべき姿の中で、今、それぞれ御指摘を受けました内容について、26ページに所要の記載をさせていただく形をとらさせていただきました。
 その次、第?章、29ページに参りたいと思います。この章については、構成員の方々から御意見はございませんでしたけれども、事務局の方でより精査いたしまして、?章のタイトル、従前は「頻発する健康危機管理事案に」という表現をしておりましたけれども、頻発するかどうかという概念判断がなかなか難しいところもあるということで、「健康危機管理事案に備えた体制整備」というタイトルにさせていただきたいと思ってございます。
 あと、ここは、生活衛生分野、食品関係の分野のそれぞれの記載で、それぞれの担当課の方から少し追加修正をさせていただきたいという提案が来てございますので、本日、それぞれの担当課長が来ていますので、各担当課長に説明をさせていただきます。
○堀江生活衛生課長 30ページをごらんいただきたいと思います。少し細かいのですけれども、参考資料2とあわせてごらんいただけたらと思います。
 生活衛生関係分野において、住民の安全・安心を確保するために、営業者の自主努力、地域のソーシャル・キャピタルの活用、保健所の衛生規制という3層構造になっていますという御説明を、1月27日のこの会でさせていただきましたが、1ページの下にありますように、店舗における衛生責任者の明確化ということで、主任となるクリーニング師、管理理容師、管理美容師の明確化をするということが、実効ある監視指導につながるのではないか。
 前々回ですか、保健所の監視指導の濃度に大きな差があるという話、これは別のところに書いてあるわけでございますけれども、その辺の実効を上げるためにも、こういう事項が大事なのではないかということで、1月27日の資料に盛り込んだのですけれども、少し補足させていただきたいということで、30ページに、「また、衛生責任者を明確化するために、主任となるクリーニング師、管理理容師及び管理美容師を明示することが望ましい」という記載にさせていただいております。
 生活衛生課の方からは以上です。
○滝本監視安全課長 監視安全課の滝本です。食品関係では、この?章のほかにも、先ほどちょっと説明から漏れておりましたけれども、?章、14ページに少し追記もさせていただいておりますので御説明いたします。
 ?章、施策の動向というところでございますが、今回のこの検討会の一つのテーマとして、関係者間のネットワークがあるということにかんがみまして、1つだけ追記させていただいております。これは、関係者間のネットワークがうまく働いたという事例の紹介でございます。数年前まで原因不明の食中毒として扱われておりました寄生虫による食中毒ですけれども、これが現場の食品衛生監視員の気付きとか、地方衛研あるいは国立の研究機関での研究という関係者間の連携がうまく進み、その病因物質が解明したという動きがございましたので、追加的に記載させていただきました。
 それから、先ほどの?章に戻りますが、これも補足的に、行政側だけではなくて、企業側においても食品安全に対するコンプライアンスといった意識の向上が見られるのではないかということで、この部分についても追記させていただいたところでございます。
 以上でございます。
○木村大臣官房参事官 それ以外では、32ページの3ポツの上に、本来であれば、3)地方衛生研究所の充実・強化というものが入ってございましたけれども、これは対人部門、対物部門、全般に関わる話でございますので、?章の基盤の方に移らせていただきました。また後に御説明申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、35ページの第?章につきましては御意見がございませんでした。また、私どもの方でも修正はしてございません。省略させていただきたいと思います。
 次に、41ページの第?章までおめくりいただければと思います。今後の地域保健を見据えた地域保健基盤のあり方、ここにつきましては、幾つか御意見をいただいてございます。
 まず1点目、人材育成において、ソーシャル・キャピタルの育成が必要であるということを強調すべきではないかということで、41ページの(1)、1)の上から3つ目の丸の中に追加記述をさせていただきまして、より明確化を図らせていただいたところでございます。
 それから、2つ目の丸でございますけれども、ソーシャル・キャピタルの活用を推進していく観点から、人材育成についても、行政の職員以外に、職域、学校、地域等のソーシャル・キャピタルで活動している人材も明確に記載すべきではないかといった御意見がございました。これにつきましては、43ページの(2)望ましい人材育成のあり方の中で、その部分を追加記述の形で取り入れさせていただいているところでございます。
 それから、3つ目の御意見、保健所の業務については、基本指針では、市町村の求めに応じて専門的な立場から技術的助言等の援助に努めることとなっており、この表現が保健所の主体的取組みを阻害しているとの意見があるということで、市町村の求めがなくても、やらなければならないことはやるということを示すべきではないかといった御意見がございました。これについては、検討会の中でも幾つか議論させていただいたところでございます。
 それを踏まえまして、44から45ページにかけて記載してございます。これにつきましては、参考資料の方に、地域保健法に基づく保健所の業務という形で、地域保健法の関係の部分の法律を抜き出して示させていただいております。
 地域保健法第6条を見ていただければと思いますが、保健所は、次に掲げる事項につき、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うということで、1号から14号までの事項について、企画、調整、指導、また必要な事業を行っていくということになってございます。
 また、地域保健法第7条におきまして、保健所は、前条に定めるもののほか、地域保健の健康の保持及び健康を図るために必要があるときは、次に掲げる事業を行うことができるということで、1号から4号までのものを事業として行うことができるとなってございます。
 そして、地域保健法第8条で、都道府県の設置する保健所は、前二条に定めるもののほか、所管区域の市町村の地域保健対策の実施に関し、市町村の求めに応じ、技術的助言、市町村職員の研修その他必要な援助を行うことができるとなってございます。
 まず、前提として、最初に8条ありきではなくて、6条、7条があり、そのほかに8条が来ているという流れの中で、幾つか表現として誤解を招くようなところもあったかもしれませんので、報告書(案)の44ページの2の(1)の2つ目の丸で、全国保健所長会からの提言の記載をさせていただきました。
 そして、それらを踏まえまして、一番下のところで、地域保健法について、保健所の業務は、6条及び7条に定められた「母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項」等の「企画、調整、指導及びこれらに必要な事業」等を行うほか、8条にあるように「所管区域内の市町村の地域保健対策の実施に関し、市町村相互間の連絡調整を行い、及び市町村の求めに応じ、技術的助言、市町村職員の研修その他必要な援助を行うことができる」とされております。
 地域保健法第6条及び7条に定められた事項については、保健所が、必ずしも市町村の求めに応じて実施するものではく、広域的、専門的かつ技術的拠点として、分野横断的かつ重層的な支援を市町村に対して行うことが求められているという形で、保健所が、必ずしも市町村の求めに応じて実施するものではないという表現で、より正確な形で記載させていただきました。ここは御指摘の点についての再修正案でございます。
 その次の4つ目の丸、市町村と保健所のコミュニケーションや連携が不足しているのは事実であり、コミュニケーションを図り、お互いの仕事を理解し合うことの大切さを提言として記載してはどうかということで、これにつきましては、45ページの上から2つ目の丸に、それぞれ所要の記載を追加させていただいております。
 それから、個別施策によっては、保健所設置市と都道府県との間で、権限や責任の関係が複雑となり混乱する例がある。このような点については、平時より都道府県と市町村でコミュニケーションをとることが大事だということについての記載という御指摘でございます。これにつきましても、真ん中に「特に」という形で追加記載させていただいて、より明確化させていただいているところでございます。
 なお、先ほど申しましたように、2ポツの重層的な連携強化、更にはその上の全体の基盤の位置付けの中で、地方衛生研究所の充実・強化を(2)に持ってまいりました。そこで全般的な流れを記載しながら、46ページに法的な御議論とか、より強化すべきことが必要であるとか、その他の上の?の下3つについて、地方衛生研究所を地域保健法に位置付けることを明記してはどうかとか、全国協議会からは、法への位置付けについて国へ要望しているとか、あるいは17年の中間報告においても、求める機能が課題として挙がっていた。その課題として残っていることを記載したらどうかという御意見を踏まえまして、1つ目の丸に、地方衛生研究所の公衆衛生情報等の収集・解析・提供業務について、国、都道府県・指定都市、地方衛生研究所、保健所、市町村のネットワークの中の地方拠点としての役割も求められており、さらなる充実強化の観点から、その位置づけについて引き続き検討する必要があるという形で、非常に重要性はよく認識しおり、役割もあるけれども、その中身については引き続き検討が必要という整理で記載させていただいております。
 あと、(3)にタイトルを入れていますのは、これは先ほどの44ページ、45ページと同じ流れでございまして、最初、2ポツには中項目の両括弧の項目が入っていなかったので、地方衛生研究所の充実・強化をここへ持ってきたことによりまして、それぞれ(1)(2)(3)という新たなタイトルをつけて、より整理区分したものでございます。
 本文は以上でございます。
 その他のところで御意見をいただきましたけれども、報告書の構成として、「はじめに」に経緯・目的を記載し、最後に、提言、将来の取組む方向などをまとめて記載してはどうかという御意見がございました。私ども、これを受けて検討しましたが、初めのところは全体の大きな流れといいましょうか、報告書のつくり、見立てを中心にさせていただきまして、多面的に検討した結果を「おわりに」で簡潔にまとめていこうという形で、今回、47から49ページにかけての新たな記述を追加させていただいております。
 47ページの上から4つ目の丸につきましては、現状の認識論を書いてございます。国民の社会環境が大きく変化してきており、健康分野においては、住民ニーズが多様化、高度化していくこと。
 そして、基礎自治体への業務移管というものが対人保健分野では特に進んでおり、そして、東日本大震災においてもそうでしたけれども、「人と人との絆」、「人と人との支え合い」というものが、改めてその重要性が認識され、また、一般的にもソーシャル・キャピタルを活用していくことによって、この「人と人との絆」というものがより強くなっていくという文脈の中で、次の5つ目の丸から、以下の事項を提言するという形で、5つの提言事項を挙げさせていただいております。
 1つ目が、住民主体の健康なまちづくりに向けた地域保健体制の構築ということで、地域のソーシャル・キャピタルに立脚した活動の展開といったものが主眼になるということ。
 2つ目に、介護福祉等の関連施策連携を推進するための体制の強化、特に市町村の縦割りではなく、地方自治体での情報共有を進めるといった流れの推進。
 3つ目として、健康危機管理体制の強化、リスク・コミュニケーションなど、地域のソーシャル・キャピタルの活用といったものも、この中に含有するということ。
 4点目としまして、地域保健対策におけるPDCAサイクルの確立で、情報の標準化、評価、そしてその公表ということを着実に進めていくということでの改善。 
 最後に5点目としまして、これからの地域保健基盤のあり方ということで、地域保健人材としてのソーシャル・キャピタルの「核」となる人材を位置づけていくということ。
 そして、人材育成に当たっては、国は育成指導者の養成のみならず、地域における当該指導者の支援を行い、都道府県・保健所と市町村は、互いに連携を深めて計画的に人材育成に取組む。
 そして、国、都道府県・保健所と市町村は、特定の分野に限らず、分野横断的かつ重層的な連携を図っていくといった観点が相まって、新たな地域保健活動の展開をしていくということで、このための体制整備が必要であるという旨を記載させていただいているところでございます。
 以上、取組みでございますが、あと、人口構成などの提示とか少子高齢化についてのグラフや、図表を入れていただければという御意見がございましたけれども、これは報告書でございますので、必要最小限のものにさせていただきたいと考えてございます。
 あと、その他の最後の御指摘は、今後の方向性として、検討された内容が具体的に施策として、広く地域住民が安心して暮らせるよう実現されて、評価し効果が上がるような連携にしたいということでしたが、そういう内容にもなっているのではないかと、思っているところでございます。
 以上、今回の資料2−1の説明でございますけれども、50ページに載せております報告書の概要は、全体の流れを示す形をポンチ絵として前回の検討会でお示しいたしました。そして、これを受けて、施策が進んだ場合に、今後の私どもの地域保健の新たな展開がどのように開けていくかという、むしろ未来をイメージしていく必要があると思いまして、お手元に資料2−2という形で1枚、ポンチ絵として示させていただいてございます。
 これは、一番下の土台に、先ほど申しました5つの施策を、具体的な施策として体制整備を図っていく。そういう土台の中で、上に乗っております地域協働を推進するための具体的な施策というものが記載されております。その1つ目に、特にソーシャル・キャピタルの核となる人材というものを、今後しっかり根付かせていかなければならない。その例として、健康意識を持ち、実践する「健人」など、ソーシャル・キャピタルの核となる方々を計画的に発掘し、育成していくという住民主体の保健活動の推進が、これから求められるのではないかということ。
 それから、学校保健委員会など、学校を取り巻く協議の場への積極的参画とか、あるいは企業、同業者組合などによる取組みを促進する環境整備を図っていくこと。
 また、危機管理の観点から、リスク・コミュニケーションを含めた地域へのわかりやすい情報提供の推進。
 そして、各種保健施策のほか、医療・介護福祉施策との連携による効果的な施策の展開。
 こういう具体的な施策を通じて、上に書いてございます住民個人をさまざまな形でサポートしていく。そして、住民主体の今後の明るい地域保健というものをイメージしていけるのではないかと、御参考までにこの資料を提示させていただきましたので、これについても御議論いただければ幸いでございます。
 事務局の方の説明は以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。本日の説明でございますけれども、前回の検討会での御意見や、その後事務局に構成員の皆様方から寄せられた意見、大方反映されているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。それで、修正点だけではなしに、報告書のこういった記載が重要だという意見でも結構でございますが、構成員の皆さんから御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、岡構成員。
○岡構成員 私は、主に医療連携のところで検討会に参加させていただいたと思っております。報告書の第?章の医療連携のことは、よく書いてあると思って読ませていただきました。
 いきなり「おわりに」に飛んで恐縮ですが、医療連携の重要性というのを最終的に「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」に反映させていくということを前提として、「おわりに」の記載内容についての意見です。「以下の事項を提言する」という文章があって、その中に提言の項目が書いてあります。では、提言の中に医療連携がどこにあるかと48ページの2を見ると、「介護福祉等の関連施策連携の推進」ということで、「施策の連携を通じ」ということと、「保健所は情報を提供する」という書き方になっており、保健所と医療連携についての記憶がありません。
 医療崩壊、医師不足とかがあって医療そのものが非常に大変なときに、医療に関われる行政の組織として保健所の役割は重要です。ですから、医療連携体制の調整に積極的に保健所が関与することの重要性ということを、48ページの2に書いていただきたいと思いました。これは医療連携における保健所の役割ということを次の指針に生かすという意味で、提言に入れていただきたいということでございます。
 以上です。
○林座長 場所は2のところでよろしいですか。
○岡構成員 はい。「介護福祉等」と書いてありますけれども、25ページの?を見ると、どちらかというと私どもは、介護よりむしろ医療の方を中心に議論していただいた記憶があるので、ここは「医療等の」と、医療を中心に書いていただいた方がありがたいなと思います。
○林座長 廣田構成員、どうぞ。
○廣田構成員 医療連携についてなのですけれども、今まで保健所は、医療機関に対して指導的な立場で立ち入りをして、医者が足りないから充足してくださいと言って帰ってきたわけですけれども、今の時代は、充足してくださいと言っても、こんなに医者がいないのにどうしてくれると、逆に言われて帰ってくる状態なので、限られた資源の中でどうやって地域の中心の病院と、ほかの医療機関、あるいは保健福祉部門と連携していくかという調整が保健所の重要な役割になっておりますので、そこの部分を、今、岡構成員がおっしゃられましたように、もう一言書いていただけるといいのではないかと思います。
○林座長 いかがでしょうか。私の印象ですけれども、保健所と医療の関係を見ると、今、保健所の数は非常に少ないわけです。したがって、カバーしている地域がかなり大きくなってきている。その地域の中で複数の病院、医療施設があったりするわけです。保健所の役割というのは、個々の病院の問題に対して、何か働きかけたり、何かの役割を担うということなのか、それとも点としてじゃなくて、面として、その地域の医療のあり方全体に対して、一つの企画というかアイデアを出すとか考え方を打ち出す。そのどちらにウェートを置いたらよろしいでしょうか。
○岡構成員 今、言っていただいた中では、後者の方になります。だから、面として、それぞれの医療機関をどう連携させていって、地域全体で医療をどう機能させていけるのかという面を調整していくのが保健所だと思っています。
○林座長 そうすると、地域医療計画に関わるという話に近いですね。
○岡構成員 そうですね。特に今、5疾病5事業で医療機関の機能分類をして医療計画の中に医療機関名を書き込んでいって、地域にある医療資源を整理連携させていくことが求められる中で、保健所というのは地域医療全体を見ていくという面で非常に重要な役割を果たしていると思います。
○林座長 この項目について、先ほどおっしゃったように、介護・福祉を頭出ししているけれども、医療・介護・福祉ぐらいの書き方だったらよろしいのではないかという意見で受け取ってよろしいですか。
○岡構成員 はい。
○林座長 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
○大井田構成員 この前の続きで、46ページの衛研の話、何回も話して申しわけないのですが、赤い字の上から4行目、「その位置づけについて引き続き検討」、もう「位置づけ」ではなく、私は「あり方」を検討していただきたいと思っている。道州制になったときに、保健所はそのまま残ると思うのですけれども、地方衛生研究所はどうするのか。
 実は、日本公衆衛生学会はCDCに派遣したのです。そうしたら、「この1年で初めて来た日本人で、中国は毎月来ている。日本の感染症安全対策に対する考えはどうなっているのか」と言われたようです。政府の代表だと勘違いされました。学会の代表ですが、国、感染研、地方衛生研究所のあり方をもう少し明確にした方がいいのではないかということを考えさせられました。
 ですから、せめて法律という言葉を出していただきたい。これは難しいとわかっておりますけれども、位置づけじゃなくて、根本的なあり方というものをもう少し考えていただきたいなというのが私の主張です。中国はチャイナCDCをつくっているわけです。ジャパンCDCをつくるのはなかなか難しいと思います。10年後、20年後を目指すこともどこかに書くことも必要だと私は思いますが、いかがでしょうか。
○林座長 もうちょっと踏み込んで説明していただければありがたいのですけれども、おっしゃっているのは、業務内容のどの部分についての、どういう業務内容に関しての法的な位置付けでしょうか。
○大井田構成員 法的な位置付けというのは、この前も言ったとおり、今、宙ぶらりんになっていますから、明確にしていただいて、市町村保健センターも地域保健法の中で位置づけされたわけですから、衛研もそのようにしていただくといいなと思っています。でも、それは法律改正ですから、この時代、簡単にできることじゃないのは重々承知しています。その含みを込めた文章にしていただくといいかなと思っているのです。そうしないと、もう一回原点に帰りますけれども、この報告書の目玉はなかなかないのではないかという気がしているわけですね。それで主張させていただいた。
 もう一つは、地域保健は永遠だと思います。国家体制、道州制になろうが、都道府県体制であろうが変わらないと思いますけれども、衛研というのは違うのではないかということで手を挙げたわけです。
○林座長 私の質問は、例えば昔、基幹保健所というものがございましたね。あの時代は、検査部門は保健所が持っておったわけです。その部分が今では大体なくなってきて、衛生研究所の方に移っているわけですね。現在、地方衛生研究所の主な業務は、調査研究、情報のモニタリングというものがあろうかと思うのですけれども、先生の言う法的な位置付けというのは、この調査研究、情報のモニタリングという面なのか、あるいは何か踏み込んだ行政規制的な機能を含めた法的な位置付けなのか、そこが恐らく一番重要かと思うのです。
○大井田構成員 私は前者だと思っています。
○林座長 というのは、例えば行政権限を行使して、何か規制的な権限を持ったとき、保健所機能とぶつかってしまうのではないかという問題が1つあるのですね。
○大井田構成員 済みません、私も前者だと思っております。
○林座長 前者というと。
○大井田構成員 要するに、業務内容をどうするかと。
○林座長 そのこと自体を議論してほしいということですか。はい。
○大井田構成員 それから、システムですね。こんなことを言うと怒られますけれども、明確だから言いますけれども、例えば鳥取県は58万の県で、いかがなものかと。北陸3県で人口が300万なのです。隣の新潟県は250万。この規模の中で衛研が各県1つずつあるわけです。それは厚生省の仕事じゃなくて、もっと上のレベルの仕事ですけれども、考えなければいけないのではないかと思っております。そうしないと、人の面も仕事の面もなかなか充実できないと考えております。
○林座長 先ほどの法律的な位置付けという、その内容について、岡部構成員なり小澤構成員なり、御意見ございませんか。どの面に関しての法律的な位置付けでしょうか。
○小澤構成員 我々、地方衛生研究所全国協議会で法的な位置付けについて一番重要視しているのは、各地方衛生研究所を設置している地方自治体の裁量によって、地方衛生研究所というのはどうにでもなる組織なのです。ですから、極端な話を言えば、首長が地方衛生研究所は機能を余り発揮しなくていいと思えば、財政や人員を幾らでも削ることができる。つまり、ある意味でナショナルミニマムという考え方が、地方衛生研究所には成立しない。
 そうすると、物すごく財政が厳しくなってくると格差が広がってきて、下位に近いところは機能が非常に危なくなってきているという状況が生じているということで、そこは何とかしてほしい。
 というのは、地方衛生研究所というのは健康危機管理の技術的拠点ですから、そこがだめになってしまうと、A県の地方衛生研究所とB県の地方衛生研究所で実力差があって、B県は全然だめだとなると、その地域住民にとっては物すごい健康リスクになるわけですね。だから、そういうことがそのまま何の修正もされずに固定してしまうことは非常に危ないということがあります。だから、そこは何とかしなければいけない。
 ただ、それを実現するのに法的位置づけをするのがいいのかどうかという方法論に関しては、我々にはなかなかわかりにくいので、ともかく底上げを全体としてしなければいけないということはたしかです。地方衛生研究所というものが、非常に格差もあるけれども、機能も違うし、いろいろなところでバラエティーに富んでいますので、それをとにかく全部底上げするというのは、手法論としては非常に難しいと思うので、そこはどうやっていいのか、我々自身も正直な話、かなり苦慮しているところです。
○林座長 今の御意見というのは、技術的な側面に関する強化と全国的な標準化みたいなことをおっしゃったわけですね。それは、先ほど大井田構成員もおっしゃったように、一つの在り方問題ですね。
○小澤構成員 もう一つは、今、地方自治体に権限が移譲されていて、ある意味自分たちで好き勝手にやれる状況になっていますので、それを例えば3県が集まって基幹の地方衛生研究所をつくってやるというようなことは、建前としてはできると考えられますけれども、実際にはそれはとても不可能に近い。そういう基幹地方衛生研究所をつくるという構想は、多分だめですね。それぞれの地方自治体の枠内で、どうやって最低限の機能を維持してもらうかというところに立ち至っている。
 だから、余り理想論を語ったり、非常に高いところを目指すという感じでは、もう既になくなっているというのが私の認識です。
○林座長 技術レベルを維持するということですね。
○小澤構成員 はい。
○林座長 岡部構成員、いかがですか。
○岡部構成員 感染症の分野の話になりますけれども、実際に起きている新型インフルエンザの場合でも、あるいは盛り込んでいただいた、はしかの対策、あるいはSARSが起きたときでも、常に国側から言うと、対策上、疾病の状況とか病原体の管理、保管、輸送といったものについて、すべて求めるわけですね。地研の立場になって言うと、そこに法的な位置付けがないために、先ほど小澤先生がおっしゃったような格差があるために、例えば菌株の収集とか検査にばらつきが出てくる。
 しかし、地研の方は、私たちは法的に位置付けられていないので、そこに十分な予算要求ができないとか機能の配分ができないという話が出てくるので、そういうことを総合して、先ほどの機能強化という意味では、その位置付けとして法的な位置付けであったり、あるいは機能的な位置付けを、この場合だと引き続き検討になるわけですけれども、そこについては解決していかなければいけない課題であるということが私は必要だろうと思っています。
○林座長 ノンコミュニカブル・ディジーズに関してはいかがですか。あるいは環境面というのも衛研の仕事かと思いますが。
○小澤構成員 環境は地方環境研究所がありますので、そちらの方にほぼ機能が行っています。ただ、地方環境研究所は、むしろ地方衛生研究所よりもかなり厳しい状況にあって、地方衛生研究所の場合は次官通知が一応ありますけれども、環境研究所の方はそういったものが全くない。例えば名古屋市長が言うように、市の環境研究所はもう要らぬと言われても、それに抵抗するすべは余りないのではないか。
 それから、環境問題に関して言えば、今、ローカルな環境問題というのは、要するに公害問題みたいなものはほとんどなくて、非常にグローバルな話とか広域の話とか、生物多様性というわけのわからないような話になっていますので、こういう地方環境研究所が問題にすべきイシューというものがローカルでなくなっているので、地方環境研究所は本当に必要なのかという議論が出てきてもおかしくない状況です。
○林座長 どうぞ。
○廣田構成員 先日、北海道の衛生研究所の方の放射性物質のモニタリングの話をお聞きしたのですけれども、福島第1原発の事故が起きる前からずっと続けていて、そういう何もないときに続けることによって、この1年間、どういう変化があったのかというのを非常に細かく研究されていて、私はちょっとびっくりしたのです。そのモニタリングも、一時は仕分けで必要ないのではないかということが言われていたということでした。ですから、きちっと位置付けて環境のモニタリングのようなこともやっていかなければいけないのではないかと思います。
○林座長 その情報が保健所の方に伝わっていなかったということですか。
○廣田構成員 ホームページにリアルタイムで公表されていますので、私どもはわかりますけれども、住民の方にももう少し情報提供するのは衛生研究所だけではなかなかできないと思うので、その辺は保健所も連携してやっていけば、よりよいものになるのではないかなと思います。
○林座長 今の御意見は、保健所との連携の問題ですね。それで、先ほど小澤構成員から出たお話は、技術的な問題についてレベルを保持するということですね。
 例えば、昔、基幹保健所があったように、もし衛生研究所と保健所が組織的に一体になった形をとれば、それも一つのあり方論として考えられる話じゃないかと思います。それで、自動的に法的位置付けもできてしまう格好にもなるわけですけれども、それがいいかどうかという議論は、また更にその先が出てこようかと思います。そういう意味での全体としての在り方論は、今後も引き続き検討された方がよろしいと私は受けとめられるのですけれども、いかがでしょうか。
○小澤構成員 実際に政令市型の保健所と地方衛生研究所は、ほとんど同じ庁舎内にあったりして、かなり一体化に近いような状況になっているところはあります。そういうところは、保健所と地方衛生研究所の連携がかなりうまくいっているところがあります。ところが、都道府県型の場合は、大体、中央に地方衛生研究所があって、幾つもの保健所との連携ということになると、そこはコミュニケーションがなかなかうまくいかないというところがあります。
○林座長 局長、どうぞ。
○外山健康局長 地衛研のことにつきましては、大井田構成員がおっしゃるように、もし法制化が必要なら必要であると書いていただければいいと思いますけれども、今回、45ページに地方衛生研究所の充実・強化ということで、この報告書では項目として出ていますから、我が方はこれを踏まえて大臣告示をつくるわけです。
 ただ、大きな柱は、法律でこういう柱立てにしようというのはありますけれども、その下ぐらいには地衛研という標題を立てて、もうちょっと位置付けを高めようかなと思います。次官通知は昔からあるわけでありますけれども、固まりとしての地衛研の在り方について、そういう形で出れば、大臣告示の方が上ですから、そういった形で少し前進するのではないかなと思っております。
 それから、今、いろいろ議論が行われておりますけれども、どういった要件があったら法定事項になるのかということは、先生、今、議論されているように、調査研究レベルでもあるし、権限的な議論もあるわけです。例えば市町村保健センターは権限がないのですけれども、地域保健法を構成する大きな要素になっています。
 ただ、これは今後の議論だと思いますけれども、こういう地衛研の持つ問題というのはこれからの議論ですが、私は権限がないと法定事項に必ずするということにはならないのではないかと思っています。ですから、一つの考え方として、今、議論になっている保健所は、まず権限があるわけですから、その一類型と言ったらおかしいかもしれませんが、そういった議論というのは、あり得る話だと思っております。
 ただ、これにつきましても、逆にまた非常に大きな話でありますから、別途、この報告書を受けて、我々としては問題意識を持ちながら、きちっとやっていきたいと思っております。
 私、国会の関係でちょっと早く退室させていただくので、本来であれば最後にごあいさつするわけですけれども、ちょっとあいさつします。
 平成22年4月にこの検討会が開催されて以来、1年8か月、10回ということで、震災を挟んで3年越しということでございまして、大変な貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。まだ最終報告書をもらっていないわけでありますけれども、いろいろお聞きしまして、学校や企業等あるいは地域の支援といったソーシャル・キャピタルの活用など、新しい方向性もいただけるのではないかなと思っております。
 我が方としては、座長預かりになるかどうかわかりませんが、いただいた報告書を基に、これからできる限り地域保健対策の推進に関する基本的な指針に盛り込むといった形でやっていきたいと思います。そういうことを通じて、先生方からいただいた御労苦にこたえたいと思っておりますので、まだ途中ですけれども、私、退席しますので、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
○林座長 ありがとうございます。それで、局長は間もなく退室されるわけですけれども、この報告書の中で、先ほどの件についても盛り込んでも構わない、基本指針に書いても構わないという御趣旨だと思います。
 ただ、私が思うに、現場の方の気持ち、御意向というのは一方であるものの、それを非常に強い形で強調して報告書に盛り込んだり、基本指針に盛り込んだ場合、今度、その議論がこういう委員会ではなくして、国政のレベルとか知事会レベルに上がっていくわけですね。そのときに、果たして皆さんが望んでおられるような形で進むのかどうか。逆に、それを強調したがために、じゃ、保健所のサブユニットとしてつくったらどうかという意見が出てくる可能性もなきしもあらず。
 その辺、非常に慎重であるべきなのか、あるいはそうなった方がいいのだという意見もひょっとしたらあるかもしれないのですが、持っていき方が、とにかく我々の手中にはないわけですから、そのときにどういう形になるかということもある程度念頭に入れながら発言していかないと、どういうふうな形に展開するか。はい。
○小澤構成員 地方衛生研究所の法的位置付けを明確にしてほしいというのは、常に厚生労働省にお願いしているということもあるのですけれども、それだけではだめなので、全国知事会に議題として上げてもらうということを一時考えたことがあって、そういう働きかけをしたのです。そうしましたら、それをやると、むしろマイナスの結果になる。要するに、地方分権を損なうという観点から、逆の結論が知事会から出てくる可能性があるので、非常にリスキーですという話があって、それで断念しました。
 結局、全国衛生部長会に地方衛生研究所が今、かなり危機的状況にあるので、もう少し何とかするように、それを少なくともちゃんと認識してくださいという話を、ここ2年ぐらいお願いして働きかけをしているという状況です。ですから、働きかけによってはマイナスの結果に出るかもしれないというリスクも、一応あるということは考えてやっているのです。
○林座長 そうしたら、今、提案された表現で大体よろしいですか。法的とか入れた方がよろしいですか。
○小澤構成員 私自身には、それがいい結果を生むのかマイナスなのか、よくわからないので。
○林座長 だれにもわからないです。
○小澤構成員 その法的という言葉を入れた方がいいのかどうかというのは、厚生労働省の意見の方が私はあれなのではないかと思います。
○林座長 そうしたら、この委員会の報告書として、座長一任のもとで厚労省、事務局とすり合わせしてよろしいですか。
○小澤構成員 はい。
○林座長 承知いたしました。では、なるべくリスキーにならず、ポジティブな方向で何とか文言を考えるように努力したいと思います。いずれにしても、問題意識としては、この報告書で強調させていただくというスタンスにさせていただきたい。
 ほかの部分について、何か意見ございますか。どうぞ。
○羽佐田構成員 48ページの介護福祉等の関係施策連携を推進するための体制の強化の部分でありますけれども、3番目の丸に市町村は、縦割りに陥らず、地方自治体内での情報共有を進めるという部分がございます。ここにできれば、縦割りで苦しんでいるという現実があるものですから、「総合的な地域保健の推進に必要な組織体制を構築する」などという、組織横断的な委員会か何かをつくる、構築するような表現を入れていただければ、より指針として体制の強化になるのかなと考えておりますので、是非お願いしたいと思います。
○林座長 丸としては、幾つ。
○羽佐田構成員 3つ目の丸です。
○林座長 連携体制のほかに、どういう文言を入れれば。
○羽佐田構成員 組織横断的な、縦割りに陥らずというところではあるのですけれども、厚生労働省の方でも、通達が健康局と保険局から来たものが、市町村におりてきた段階では、保健センターと国保担当部門、介護担当部門と、部が違ったりすることがよくあるものですから、連携の場がなかなかとれないということがあります。市区町村の組織内で情報の共有を進める委員会というか、組織体制を、1つ統合的なものを構築していただければという意味合いなのです。
○林座長 これに関連して何か御意見ございますか。そのほか、どうぞ。
○秦構成員 私は、平素、食生活改善推進協議会のボランティアとして地域で活動しておりますが、今、羽佐田先生がおっしゃったように、地域へおりてきたときに縦割りで、それぞれ分野で一生懸命、今までの法令とか条例に従ってやっているのですけれども、こういう健康づくりは、私たち生活者は、すべての人が健康で長生きしていただくためには、まず安心・安全で生活できるようにするには、横の連携で隣の団体が何をしているのかがわかりにくいのです。
 だから、今回、皆さんのニーズを取り入れて、本当に素敵なまとめの案ができたと思うので、それを生活者の中にいかに深く浸透して活動できるか、普及啓発と言うとおかしいのですけれども、これを現場でいかに生かしていただけるかということをお願いしたいと思っております。
○林座長 全くそのとおりなのですけれども、多分、縦割りの問題があるから、今回の報告書では連携が強く強調され、そしてソーシャル・キャピタルという話が出てきていると思います。1つは、国レベルでの縦割りの問題と地方での縦割りもあるわけで、双方の問題があるわけですね。国は今度、地域保健室、生活習慣病対策室、がんの部門、保健指導室も含めてですか、4月1日から組織変わりすると聞いているのですが。
○木村大臣官房参事官 新年度の4月1日から、今、座長が申された室が1つの新しい課になりまして、がん対策・健康増進課という課になる予定でございます。そのことにより、今までの室ごとで個別にやってきたものが、より施策が融合された形になっていくものと認識しております。
○林座長 そういう流れになってきて、国の縦割りもある程度解消しようという努力があるわけです。国は、それは自分のことだから自分で決められるのですが、地方の方も同じような改革をされないと、その話がなかなか成り立たないということもあって、それぞれ自分の持ち場において努力していく必要はあるのかなと。それが今度の報告書(案)の趣旨じゃないかなという気がしますけれども、この中で国の委員会として、皆さんの意見で書き込める部分は書き込みたいと思います。
 ただ、地方の努力ということが伴わないと、幾ら書き込んでも絵にかいたもちになってしまいますので、その辺のバランスのとり方が、この表現として報告書(案)に出てくるかと思います。どうぞ。
○廣田構成員 細かい点で申し訳ないです。47ページの下から2行目に「保健所・市町村保健センターは学校保健委員会への参加等を通じて」とあるのです。前回、座長から保健所は学校保健委員会に参加しているのでしょうと言われたのですけれども、帰って聞いてみたら、ほとんど参加していないのですね。学校は数が多いですから、それに保健所長はもとより、保健師が参加するということもまずないようです。学校保健委員会自体の設置が今、8割をちょっと超えたぐらいで、それがない学校もあると思いますけれども、市町村でどの程度参加されているのかというのは。
○林座長 そういう調査はありますか。
○廣田構成員 それは文科省で、だれが参加しているかというのは調査されているのでしょうか。
○木村大臣官房参事官 そこまでは現在把握しておりません。
○廣田構成員 ですから、ここにこう書いていただくことで、保健所は無理かもしれないですけれども、地元の保健センターから参加していただければ、それでいいと思うのですけれども、バックデータを求められたときに把握していないということだと、どうなのかなと思ったのです。北海道の道教委の方にはちょっと問い合わせをしているのですが、多分、保健所は参加していないと思います。
○林座長 私が大分昔、国立公衆衛生院時代に学校衛生室長というのを務めたことがあって、そのころは学校保健委員会というものに保健所はかなり参加しているということを聞いていたのですけれども、それから時間が経っているので離れてしまったのかもしれません。いずれにしても、そういうデータがなければ、何かの折に一度調査するのはよろしいかなと。調査するのは、そんなに難しい話じゃないですね。
○木村大臣官房参事官 事務局の中でも、その辺りを調べてみたいと思います。
○林座長 どうぞ。
○曽根構成員 48ページの5.これからの地域保健基盤のあり方の一番下の丸、国、都道府県・保健所と市町村は、特定の分野に限らず、分野横断的かつ重層的な連携を図ると書いてありますが、これは恐らく44ページに今回いろいろ書き込んでいただいた、2.国、都道府県・保健所と市町村分野横断的、重層的な連携強化の中の(1)都道府県・保健所と市町村の連携強化のところの要約になると思います。その割には漠然とし過ぎていて、もう少し具体的に、例えば市町村の求めに応じてというところの解釈も含めて、特に地域健康保健法の本来の6条、7条に基づいてきちんと保健所独自でやっていかなければいけないことを強調した方がよいかと思います。
 あるいは、市町村と都道府県・保健所の連携が希薄になっているので、もう少し具体的にきちんとコミュニケーションをとる方策を考えるとか、あるいは個別施策の重複権限等についてきちんと整理して業務を行わなければならないとか、書き込んでいただいた方が提言として生きるのかなと思います。
○林座長 今の御意見というのは、44ページに書き込んだ方がよろしいのですか。48ページですか。
○曽根構成員 48ページの一番下の丸の1行半ぐらいのところ、もうちょっと具体性を持たせて提言として書いた方が生きるのではないかということです。
○林座長 例えばどういう文言にすればよろしいですか。
○曽根構成員 国、都道府県・保健所と市町村で、それぞれの連携方策を明示するとか、あるいは、これはこれとしても、特に問題となっている保健所と市町村の連携の在り方を、もう一つ丸をつくって具体的に書いていただく形もあるかと思います。せっかく今回、44ページにかなり書き込んでいただいたので、それを48ページのところでもう一つ丸を設けるなどして、保健所の役割、それから保健所と市町村の連携、それから保健所設置市の都道府県との連携の在り方のところを3行程度でまとめていただければと思います。
○林座長 加藤代理の方から、今の保健所と市町村の連携について、もうちょっと具体的な書きぶりがあった方がいいという意見だったのですけれども、どういう表現がよろしいか、お考えがありますか。
○加藤代理 保健所と市町村の連携については、意見交換をしたり、コミュニケーションを積極的にとることを通じて連携を図っていくということが、45ページの2つ目の丸の赤字の後に書いてあるのです。コミュニケーションを十分にとるという体制が日常できていないと、市町村と保健所が連携しながら物を進めていくというのは非常に難しいのかなと思っています。
 もう一点、市町村と保健所が地域の健康課題とか取組むべき方向性がきちんと共有された時点では、比較的スムーズにその方向性に向かって連携が進んでいくのかなと思っているのですが、その課題を共通認識するに当たって、コミュニケーションが非常に大事なのかなとは考えています。まとまらなくて表現にはつながらないのですけれども、一応そんなことを思いました。
○林座長 課題認識を共有し、コミュニケーションを図ることによって、更に一層強い連携を目指すとか、そういうようなことですか。
○加藤代理 そんな感じです。
○林座長 はい。山本構成員。
○山本構成員 48ページの3.健康危機管理体制の強化についての部分ですが、全般的な地域保健に関する基盤整備とか、そういう平時のシステム、体制整備はいろいろな視点からこの報告書の中に書かれているのですけれども、緊急時対応という観点から見た部分がが書かれているのはこの健康危機管理体制の強化というところかと思います。
 緊急時対応も大きく2つに分けられると思うのですが、1つは、緊急時に適切に、スムーズに対応できるように平時から準備しておくべきことがあると思います。もう一つは、実際に、例えば自然災害とか広域の食中毒や感染症アウトブレイクが起きたとき、あるいは故意の事案が起きたときにどうするか。そういう場合に、例えば法律が壁になってなかなかうまくいかないとか、予算がないとか、ほかの自治体などの管轄だといった壁がいろいろあると思います。
 この48ページの3にポツが3つあるのは、緊急時対応の平時からの備えということだと思うのですけれども、いざ何かが起こった場合、今が緊急時というときの対応については、縦割りに陥らないとか、特に重層的、分野横断的な対応が求められるという文言があると、良いのではないかという気がしました。
○林座長 緊急時の対応体制ですか。
○山本構成員 そうです。ふだんからの緊急時に対する備えだけじゃなくて、今が緊急時というときに、先ほどおっしゃっていたように、検査機能なども自治体によっては差があることがありますね。そういう場合も、ほかのところにすぐ支援を求められるとか、予算がないからこれはできないといったことも超越して、とにかくそのときにするべきことをすぐできるようにする、とか、そういういろいろな壁を乗り越えられるような分野横断的、重層的対応が特に求められる。
○林座長 国が積極的な調整機能を果たすべきだという感じですか。
○山本構成員 そういうことだと思います。緊急時に壁にぶつかってできないということがないような形で。
○林座長 それはどうしてもできるのですよ。今の災害対策基本法の性格から言って、そうなっている。あれは、基礎自治体の要請が県に行かなければ県も動かないのです。県から中央政府に要請が来なければ、中央政府は動けない。それが災害対策基本法の性格なのです。唯一、国がすぐに動けるのは原子力災害対策基本法。だけれども、それの1次対応は業者、電力会社です。そういう意味で、国が緊急時で動かせるのは防衛省の自衛隊だけです。
 厚労省は車も持っていないし、ショベルカーも持っていないし、何か具体的な対応は可能というわけじゃなくて、ほかの県に対して調整する。例えば何とか県に要請して、その隣の県の災害を助けてやってもらえないだろうかという調整機能は発揮できるのですけれどもね。
○山本構成員 頭にあったのは、保健所とか地衛研が何かが起こったときに動きやすいような形ということだったのですけれども、そういうときにも、ほかの自治体にすぐに連絡できて、応援・支援を要請できるという緊急時に動きやすい形というのが1つあるといいのかなと思いました。
○林座長 確かにそうなのです。それは、地衛研の話を聞いても、日ごろからそういう話が多いですね。
○小澤構成員 健康危機対策の緊急時の業務支援というのは、首長間でかなりいろいろな協定が結ばれていまして、ブロックごとに、そういう場合に例えば地方衛生研究所とか保健所などが、それぞれの地域で地方公共団体の壁を超えて協力し合う。それぞれの協定というのはかなりできていますけれども、それは今のところ、全国一律にきちっとそういう枠組みが構築されているわけではなくて、地域ごとにかなり格差があるということと。
 それから、緊急時の応援体制だけを取り決めてもだめで、平常時にそういう連携といったものをある程度構築していないと、緊急時にいきなりそれをやろうとしても難しい。だから、平常時からのいろいろな連携体制をそれぞれの自治体間で締結するということを、ある意味国が音頭をとって、そういうことを進めることは非常に重要なことだと思います。
○林座長 確かにこの報告書では、国と都道府県の関係は書いてあるのです。都道府県と市町村の関係も書いてあるのです。たしか今おっしゃったように、都道府県間の連携の問題というのは強調されていないという面があります。今の問題提起は、多分そのことだと思います。
 ただ、今おっしゃったように、国が都道府県に対して協力するようにと要請することは可能なのでしょうけれども、命令することはできないというところで、どういう表現にすればいいか。緊急時の都道府県間の連携という言葉を一言入れればいいのかなという気がするのです。はい。
○廣田構成員 それと、災害が起きたときのことですけれども、東日本大震災でも保健所は余り表には出ていないですけれども、医療とか住民の生活を維持するということで、かなり調整機能を発揮していると思うのです。足りない部分もあったかもしれませんけれどもね。ですから、保健所に調整機能があるということを2つ目の丸に書き込んでいただけたらなと思います。
○林座長 1つ参考になるかどうかわかりませんが、国から先に言い出す話もあるけれども、都道府県の方から先に言い出す話も実はあります。一つの例を挙げますと、去年10月に歯科口腔保健法という法律が議員立法でできたのです。それは理念法であるがために、余り具体的なことは書いていないのです。今度、委員会が立ち上がって、かなり具体的なことが書き込まれたのですけれども、それはもともと国が法律をつくったという動きが先にあったのではなくして、都道府県が歯科口腔保健条例というものをいっぱいつくったのです。27都道府県がつくった。それに押された形で国会が動き出して国法としてつくっていったといういきさつがあります。
 それで、国の方としても非常に乗り出しやすくなって、今度、更に多くの県が歯科口腔保健分野について条例をつくるということを到達目標、5年後か何かの一つの目標値を設定して書き込んでいるのです。そういう方法論もあるので、場合によっては都道府県の方も頑張っていただいた方が国も動きやすいというのもあるのかなと思います。どうぞ。
○曽根構成員 48ページのこれからの地域保健基盤のあり方の2番目の丸ですけれども、「人材育成に当たって、国は」というところで、その後に「都道府県・保健所と市町村は、互いに連携を深め、計画的に人材育成に取組む」と書かれております。本文の方では、もうちょっと具体的に人材育成計画を立ててということも書いてあります。ここを単にうちは計画的にやっていますよと返されておしまいになってしまっては困るので、「計画的」にというところを、「計画を立てて体系的に」という形で書き込んでいただくと、計画を立ててきちんとやらなければいけないということが伝わると思います。
○林座長 体系的にという言葉を入れるということですね。
○曽根構成員 「計画を立てて体系的」にということです。
 もう一つ、資料2−2の図は、これも報告書の中に入るものですか。
○木村大臣官房参事官 先生方の了解が得られれば、報告書の中に入れていきたいと思います。
○曽根構成員 この中で、緑色の上に幾つか丸がありますけれども、業を通じて住民の健康課題を共有するネットワーク。これは、業界団体のことですが、これは志に基づく縁なのかどうか疑問です。いわゆる業界団体とか業界という言葉の方がふさわしいのかなと思いました。というのは、右の上の方の志に基づく縁の部分、ここに書かれたNPOとか患者会は志という言葉でくくれると思うのですが、左下の緑のところはもう少し別の言葉を当てはめた方がフィットすると思います。
 その2点です。
○林座長 いかがですか。参事官、何か。
○木村大臣官房参事官 御指摘のとおりだと思います。ここをもう少し表現を工夫する必要があるかなと、また事務局で考えてみたいと思います。
○林座長 かなり意見が出たかと思うのですけれども、最後に何かございませんでしょうか。どうぞ。
○吉田構成員 いつもちょっとずれたようなことを言って申し訳ないですけれども、今、提言で非常に重要なところを議論していただきまして、なるほどなと思ったのですが、この報告書というのは、提言だけじゃなくて、全体を見て報告書という解釈でよろしいのですね。これまでせっかく議論してきて、これだけ立派なことが書いてあって、提言書まですごくこだわられていて、この提言書に載っていないと省かれてしまうのかなという感じがちょっとしたのです。あくまでも、この提言があって、この報告書の内容とともに考えていただけるということでよろしいでしょうか。
○木村大臣官房参事官 その方向で私ども、考えております。ですから、「おわりに」というのは、全体が結構長くていろいろな分野にまたがっていたものですから、それが鳥瞰的に簡潔に見られるようにという配慮でつくらさせていただいております。
○吉田構成員 保健師の育成とか、細かいことも必要だと思いますので、そんなところもあればと思って確認させていただきました。
 あと、済みません、余談になるかもしれませんが、ソーシャル・キャピタルの表現についてというのはあったのですが、ソーシャル・キャピタルという言葉を、我々行政や関係者がしっかり理解して、その言葉がむしろ普及することがソーシャル・キャピタルの育成になるのではないかなと、前回の課題としてあったものですから、私もいろいろ考えました。
 例えばメタボという言葉にしましても、メタボリック・シンドロームを一言で説明しろというと、なかなか難しいけれども、浸透することによって、これは一般の方にも浸透していったということがありますし、絆という言葉も、講演を頼まれたときに自分は使うのですが、この会ではあえて使わなかったのです。絆という言葉も非常に表現が難しいと思うのです。しかし、その意味というのは重要であるということがわかるものですから、まさにソーシャル・キャピタルという言葉を積極的にこういった場に反映していただきますと、地域保健に対しての根強い土台ができるのではないかと思います。
 どうも失礼いたしました。
○林座長 ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。厚労省の方として、是非この言葉が日本社会に定着すように活動していただければ、また構成員の皆さんも、その役割を果たしていただいて、普及していただければと思います。
 さて、そろそろ意見も出し尽くされたようですので、報告書は本日出された意見を踏まえて、小さい部分かと思いますが、書き直させていただいて、書きぶりについては座長の私に一任していただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○林座長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。
 一応、議論はこれで終了させていただきたいと思いますけれども、この委員会は一昨年の7月から開催して、かなり回数を重ねてきたわけでございますけれども、途中で昨年、大震災が起きたために、議論の方向が健康危機管理、災害救助の方に非常に振っていったといういきさつもございました。更に、それから1年経って、また地域保健全体として、災害関係のことも含めてどう報告書を練り上げていくか、この間いろいろ議論があったかと思います。
 この中にも、災害そのものに関連した話だけではなく、例えば食品衛生の問題についても放射能のことが言及されておりますし、多分その事故がなければそういうことも意識に上らなかったのではないかという気がします。そういう流れで進んでまいりましたわけでございますが、構成員の皆さんに多大な御努力をいただいて、やっと今日、このような形でほぼまとめさせていただけるような形になったところでございます。
 この報告書に沿って、これから日本の地域保健が展開されていくわけでございますが、恐らくそのうちまた、5年なり、10年までかからないかもしれませんが、社会がまた変化してきますので、そのときはそのときの課題に沿って書き直していく、そのための委員会も立ち上がるかと思います。
 私が個人的に今、つらつら考えていることでございますが、ここまで高齢化が進みますと、少子化の問題は少子化の問題なりに大きいのですけれども、高齢化の問題というのは、多分1990年代辺りから日本社会の価値観の転換が起きたような気がします。それまでは、日本社会は終身雇用で進んでまいりましたし、その後、金融革命が起きて、私どものような年代はとてもじゃないけれども、ついていけないような時代になってきたわけです。終身雇用もなくなったし、それを当てにしていた人はこれからどんどん高齢化の範疇に入っていくわけでございます。
 そのために、老人性のうつなどがどうもかなりあらわれているようでございます。ちなみに、今の自殺者が非常に多いという話の中で、60歳以上の人が4割ぐらい含まれていると思います。その人たちがどうやって暮らしていくか。うつのほかに、また生物的に脳機能が落ちてきますから、そのうち認知症が加わってきて、老健施設などを見ておりますと、うつから認知症へ、そして認知症から80を超えると嚥下障害が起きて、それで誤嚥性肺炎で亡くなっていくというので、一つのパターンみたいになっております。
 そういう意味でも、高齢者のこれからの地域での在り方、地域での暮らし方みたいなものが、恐らく今後大きな課題になっていくのではないか。そのためにも、今、準備段階として、地域に高齢者の存在感が感じられるようなソーシャル・キャピタルの構成を、今の段階から推進していくことによって、将来、超高齢化の社会に対応できる、そこの段階に今、来ているのではないかという気がします。これは私の個人的な意見でございますが、また世の中の推移を皆さんとともに眺めていきたい、分析していきたいと思います。
 予定の時間より少々早いのですけれども、これで本日の会を閉めたいと思います。長い間の構成員の皆さんに御協力に厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 事務局の方からはありますか。
○木村大臣官房参事官 いえ、特にございません。どうもありがとうございました。


(了)

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