ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働基準局が実施する検討会等 > 平成23年度管理濃度等検討会 > 第2回平成23年度管理濃度等検討会の議事録




2012年3月16日 第2回平成23年度管理濃度等検討会の議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課環境改善室

○日時

平成24年3月16日(金)15:00〜16:30


○場所

中央合同庁舎5号館共用第6会議室


○議題

ベリリウム及びその化合物の管理濃度等の検討について等

○議事

○座長 定刻より5分ほど早いですが、今日ご出席予定の方々は既にお揃いですので、ただいまから「第2回平成23年度管理濃度等検討会」を開催いたします。菅野委員は少々遅れるとのご連絡がありました。議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○小西係長 お手元の「会議次第」をご覧いただきますと、「配付資料一覧」があります。こちらに基づき、ご説明いたします。資料番号2-1は第1回の検討結果について、資料番号2-2は検討対象物質の概要、資料番号2-3は検討対象物質の測定技術に係る資料です。資料番号2-4はACGIHの提案理由で、ベリリウムのものですが、机上配付のみとしております。資料番号2-5は日本産業衛生学会の提案理由で、オルト-フタロジニトリルを付けておりますが、こちらも机上配付としております。資料番号2-6ですが、できれば今回報告書をまとめていただきたいと考えており、報告書(案)です。
 参考資料番号2-1は、ベリリウムに関して健康診断の結果を提出した事業場に対して調査をしましたので、その調査結果の概要です。参考資料番号2-2はベリリウム及びその化合物に関する資料として、これを取り扱っている企業についての資料です。こちらは机上配付のみとしておりまして、企業名等の具体的な発言はお控えください。カラー刷りのものが今回新たに配付したもので、白黒のものは平成22年度の管理濃度等検討会で机上配付したものですが、再度お配りしております。もう1つ、両面1枚ものですが、松村委員から「OSHAの呼吸保護計画書の内容」として資料をいただいておりますので、こちらも配付しております。不足等ありましたら、お申し出くださいますようお願いいたします。
○座長 資料のほうは揃っておられるようですので、議事に入ります。今日の議題は、(1)第1回検討会の概要について、(2)「ベリリウム及びその化合物」及び「オルト-フタロジニトリル」に関する管理濃度、測定方法、局所排気装置の性能要件について、(3)平成23年度管理濃度等検討会報告書についてとなっております。まず、第1回検討会の概要から入ります。事務局から説明をお願いいたします。
○小西係長 資料番号2-1をご覧ください。前回、「インジウム及びその化合物」と「エチルベンゼン」と「コバルト及びその化合物」についてご議論いただきました。1つ目が「インジウム及びその化合物」についてです。こちらはACGIHのTLV-TWAが1969年の値であることと、改正予定の特定化学物質障害予防規則において、作業環境測定結果に応じた呼吸用保護具を使用することを規定する予定となっていることもありまして、管理濃度は当面定めないことになっております。局所排気装置の性能要件は「制御風速」、測定方法は「ろ過捕集方法」、分析方法は「誘導結合高周波プラズマ質量分析装置を用いる方法」となっております。
 2つ目の「エチルベンゼン」については、管理濃度を20ppmとする。局所排気装置の性能要件は有機溶剤中毒予防規則の対象物質となるため「制御風速」、測定方法は「固体捕集方法」、分析方法は「ガスクロマトグラフ分析方法」とする。測定方法については少し議論をお願いしたい部分があるのですが、報告書の取りまとめのときにお願いしたいと思います。
 3つ目は「コバルト及びその化合物」について、管理濃度及び局所排気装置の性能要件を0.02mg/m3とする。測定方法は「ろ過捕集方法」、分析方法は「原子吸光分析方法」とするとなっております。
 インジウムのところで呼吸用保護具を使用することに関して、前回の検討会の議論の際に松村委員から資料をいただきまして、その際にも説明いただきましたが、今回も資料をいただいておりますので、できれば松村委員からその概要を説明していただきたいと思います。
○松村委員 前回、「インジウム及びその化合物」が作業環境管理だけでは有害性を十分低減できない恐れがあり、そのような場合は呼吸用保護具を一定の効果を期待して使わなくてはいけないということで、呼吸用保護具が環境濃度をどのぐらい低くする能力があるかを示す防護係数についてお話をしました。アメリカのOSHAでは防護係数を公表しているのですが、その防護係数を期待して使うためには、事業場ごとに呼吸保護計画をしっかり立てて、そのとおり実行した場合のみ、防護係数を期待して使ってもよろしいと言っていますので、呼吸保護計画の項目だけ列挙したものを作りました。日本でも防じんマスクの選択使用・保守管理とか、防毒マスクの選択使用・保守管理という通達があるのですが、もっと細かく求めています。それを全部“Written program”として、作業場ごとに書いた計画書を作ることを求めています。
 その中身ですが、まず作業工程として、どのような工程で、どのような物質を使い、どのぐらいばく露の危険があるかを特定しなさいと。また、呼吸用保護具を必要とする労働者の健康状態の医学的な健診をしなさいということで、アンケート調査ではたばこを吸っているかとか、咳が出るかなど調査し、呼吸器の疾病がある人を呼吸の負担から除くという趣旨だと思いますけれども、検診も求めています。また、呼吸用保護具の密着性が必要なものについては、密着性試験の手順を書きなさい。また、日常的な作業における呼吸用保護具の使用手順と、予測される緊急事態に対する使用手順も書きなさいと。それから洗浄や殺菌、保管、検査、修理、廃棄、その他メンテナンスに関することも書きなさいと。
 また、ろ過式ばかりではなくて、ボンベを背負うような給気式のものもあるわけですから、その場合には給気の質や量、給気速度を確認する手順を書きなさい。これは規格があるからだけではなく、使用者ごとに確認をさせるということです。また、労働者が日常的な作業及び緊急時にばく露する可能性が高い呼吸障害因子に対する労働者のトレーニング、これはリスクに対する教育ですが、どのような有害物質があるか、ガスや粒子があるのかとか、どのくらいばく露するとどうなるかといった内容のようです。また、正常に使う場合の装着方法として、donningとdoffing、どういう場合に使ってはいけないかという使用の限界、保守管理に関する事項、労働者が日常的にやらなければならないことを書きなさいと。上記の計画は定期的に再評価しなさいということです。
 また、呼吸用保護具の使用が要求されない場所も特定しなさいと。それから、これはちょっとおもしろいのですが、呼吸用保護具が必要ないと言っているところでも、労働者が自分で買ってきたマスクを自発的に使う場合には、事業主はそのマスクを使うことについての危険性もあることを情報として示さなければいけないということを言っています。そのような場合、やはり呼吸用保護具は清潔に管理、保管されて労働者が使っていることをきちんと確認する手順も必要であるということまで言っています。ただし、使い捨て防じんマスクはその対象にはしない。また、呼吸保護計画を実施するための能力のある管理者を選任しなさい。そして事業主は呼吸保護計画の実施に関する呼吸用保護具の提供、トレーニングの機会の提供、医学的検査を無料でしなければいけないと言っています。
 あとは呼吸用保護具の種類の選択ですが、これは非常に危険性の高い、IDLHと言うのですけれども、直ちに生命及び健康に危険を及ぼす環境で使うような場合には、最高度の防護が期待できるようなものを使いなさいと言っています。それは自給式のボンベを背負うような呼吸器、またはエアラインマスクのような給気式のもので、緊急時にはラインを切って逃げられるような、小型のボンベが付いている複合式のものです。また、一般的な要求事項として、作業場のセーフティファクター、これは日本の作業環境測定に相当すると思うのですが、作業場の評価をして、ばく露限界濃度の何倍の有害性があるかということを根拠にして保護具を選択しなさいと言っています。その他個別にそういう評価ができていないところは、すべてIDLHだと思ってマスクの種類を選定しなさいということです。また、酸欠のところはIDLHであるということです。
 日本と比べると、日本の作業環境管理というのは1つの作業場単位ですが、この場合は作業のprocedureごとに特定しなさいと言っているので、作業の工程ごとにということです。アメリカは個人ばく露の世の中ですから、作業者一人ひとりのばく露に注目して、それに合わせた呼吸用保護具の選択をしなさいと言っていると思います。また、特定の密着性試験の内容や医学的健診の内容といったことはそれぞれ別の文書があるので、このAppendix Dの中に医学的健診のためのアンケート調査の項目まで書いてはあるのですが、本文の中に直接そこまで細かくは書いてありません。以上です。
○座長 ご質問、ご議論があればお願いいたします。OSHAの場合は、定常的に呼吸用保護具を使用することを前提としているのですか。
○松村委員 別に定常的にということではなくて、必要な場合ということです。作業工程ごとに、それが何時間続く作業なのかとか、そのようなことまでは個別の問題だろうと思うので、それはそれぞれの作業場に合った計画を立てればいいのだと思うのです。計画そのものを書いた書式になっているので、たぶん、OSHAの監督官などがそれを見ることができるということだと思います。
○座長 日本の場合、前提は呼吸用保護具を使用としない作業環境を。
○松村委員 作業環境測定の理念はそうでしたけれども。
○座長 理念はそうですよね。ですから、第3から第2に落とす期間はやりなさいと。ただ、それは一定の限られた期間ですからね。
○松村委員 最近、アメリカの学会でも聞いていると、第1は工学的な対策で、それができないところは呼吸用保護具だと言っています。かつてアメリカから人を呼んで日本で講演してもらったときに、日本からそういう質問があって、日本は前提にしていない、アメリカは前提にしているだろうと言って、大変な反発を食ったことがあるのです。
○座長 それは食うでしょう。
○松村委員 日本は呼吸用保護具の要らない作業環境を前提にしたけれども、それだけでは済まなくなっているわけですよね。
○座長 インジウムがまさにそうなので。
○松村委員 ですから、どちらからいっても、最終的には完全防御は1つのアプローチだけではいかないのだと思います。
○座長 大変参考になります。このような計画書だけ出させるということですね。
○松村委員 はい。
○座長 それはチェックするわけではないかもしれないけれども。
○松村委員 チェックがどうかということまではわからなかったです。ただ、書いてあれば、それは証拠になりますし、アメリカは訴訟社会ですから、それをどう書いたか、それが適当だったか、守ったか、守らなかったかというのは、たぶん訴訟の根拠になると思います。
○座長 そうですね。ほかに何かご質問があればお願いいたします。「検討結果について」というところは、よろしいですか。エチルベンゼンのところだけ、後ほど若干議論を。
○明星委員 書きぶりで、インジウムの用いる方法のところだけが「精度良く、測定が可能」と書いてありますが、残りのところは「方法とする」となっています。これには何か意味があるのですか。
○小西係長 特段ございませんので、「用いる方法とする」としたいと思います。
○座長 インジウムのところは「用いる方法とする」といたしましょう。何か意味があるように思えますが、みんな同じです。次に、2つ目の議題に入ります。今日は管理濃度等の見直しを検討する物質が2つあるのですが、まずはベリリウム及びその化合物について、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小西係長 資料番号2-2、「ベリリウム及びその化合物」について、平成22年度の管理濃度等検討会においてもご検討いただきましたが、持越しとなっております。検討対象物質の概要ですが、前回とほぼ同じですので繰り返しになりますが、いま一度説明いたします。資料番号2-2の上段にベリリウム及びその化合物の記載があります。主な用途としては、宇宙・エレクトロニクス・機械工業のベリリウム銅その他の合金類、原子力工業での使用、エレクトロニクス及びマイクロエレクトロニクスでベリリウム酸化物としても用いられているというものです。生産・輸入量ですが、ベリリウム鉱石の年間世界生産量は約1万トンとなっております。現在の管理濃度は0.002mg/m3、産業衛生学会の許容濃度は0.002mg/m3(1963年)です。ACGIHは、(インハラブル粒子として)0.00005mg/m3となっております。その他IARCの発がん性が「1」とか、ACGIHの発がん性区分が「A1」となっております。
 ベリリウムに関しては、昨年度の管理濃度等検討会で、健康診断を提出した事業所を対象に調査することとしておりました。そのため労働基準監督署に提出された健康診断の結果報告書がありますので、都道府県労働局を通じて調査をお願いし、調査した結果の概要が参考資料2-1に記載してあります。総数は163事業場です。いま現在提出があって登録されている事業場は163ということですが、1年間の確定された数字ではありませんので、この数字は今後変わっていく可能性があります。
 参考資料2-1の30頁、結果の概要ですが、「ある」と回答したのは57事業場で、これをこちらで区分いたしました。マル1の「製造」は、ベリリウム合金などを溶解したり、ベリリウムを含んだ合金を切削するような加工、酸化ベリリウムなどを封入する作業ですが、こちらが18事業場ありました。そのうち溶解、切削を行っているのは4事業場、溶解や切削はしているのですが、含有率3%未満が明確であるものが4事業場ありました。マル2「研究」ですが、何らかのベリリウム化合物を用いた研究開発をしているところが10事業場ありました。マル3「分析」ですが、ベリリウムを試薬等として用いているところが21事業場ありました。マル4は「X線装置」ですが、主にX線の透過窓にベリリウムの合金を用いた装置を使用しているというもので、透過窓に直接手で触れるというものではないようですが、それでも健康診断はしているところが8事業場ありました。マル2・マル3・マル4については、いずれも作業頻度が低いものが多かったということです。また、「ない」と答えた事業場が100いくつかあるのですが、それらの事業場は現在は「ない」ということで、過去使っていた作業者がいたなどの理由で健康診断を受けているというものです。
 3の考察ですが、こういった事業場を集計しますと、マル1として、事業場は限定されているようですが、ベリリウム合金のインゴット製造や切削作業を行っている4事業場については、より適切な作業管理が必要になってくるのではないかと思われます。マル2として、X線装置の透過窓にベリリウムを用いた装置を使用している事業場や、分析のときの試薬としてベリリウムを含んだ溶液を用いているという場合は、直接触れないとか含有率が3%未満の場合が多いのではないかと思われます。マル3として、ベリリウム化合物を機械設備に封入するような作業をしているところは、密閉された工程になっていると記載されている事業場が多く、ベリリウム化合物自体を製造等しているわけではなさそうです。
マル4として、そのほかの製造している事業場は、ベリリウムの合金を買ってきてX線透過窓としてX線装置にロウ付けするとか、添加物として何らかのベリリウム合金を加えるとか、ガラス管内にベリリウム化合物(酸化ベリリウム等)を封入し、試薬として製品とするなどといったものがあります。マル5として、ベリリウム合金の含有率が3%未満としている4事業場については、特化則の適用にはならないと思われますが、溶解等をしている作業ですので、適切な作業管理の実施ということが望ましいと思われます。
 資料番号2-3には測定技術に係る資料が掲載してあります。上段にはベリリウム及びその化合物を記載しておりまして、これは平成22年度のものと全く同じものです。資料の説明は以上です。
○座長 いままでのところでご質問、ご意見があればお願いいたします。
○小西係長 失礼しました。机上配付の参考資料2-2の概略も説明いたします。こちらは米国の管理基準(OSHA Be PEL)の動向がどうなっているか、経皮接触の予防措置として、この企業はどのようなことをしているのか、この企業でベリリウムの管理濃度を下げていくとどうなるかというシミュレーション、この企業としての要望事項というものです。大きく4点書かれておりまして、まず3頁の米国におけるベリリウムの衛生管理です。OSHAにおいてばく露管理を要求しているのは、溶接・切断作業のみでして、これ以外に明確な規定はないそうです。仮に現行のPEL(2μg/ m3)を上回るような場合は、作業者にマスク着用を指示しているということです。4頁は動向ですが、2011年秋のAgenda でBeの格付けを“prerule stage”から“long term actions”に格下げということです。これは直近の情報で、この会社の在米の事業場から情報を入手したということで、そのような状況だとのことです。
 5頁からは、この企業においてどういった作業着・防護具を使用してばく露を防いでいるかということが写真入りで記載してあります。こちらの企業では電動ファン付呼吸用保護具を2009年から使用しているということで、ヘルメットやお面とか、首から下は耐熱の作業着、前掛け、手甲軍手、安全靴に足甲も付けているということです。6頁はメンテナンス時の作業着と防護具です。同様に電動ファン付呼吸用保護具を使用しているということですが、不織布製の使い捨ての防じんつなぎというものを上からガバッと付けているということです。7頁は休憩室で、このような対策をしているということです。8頁は洗浄の装置で、浴槽などが備え付けられているということです。
 9頁は掲示の内容です。10頁はこの企業において実施した作業環境測定の測定値の結果から、管理濃度をどれぐらい下げると管理区分がどうなるかといったことをシミュレーションしたというものです。こちらが11、12頁に記載されております。13頁は、現在ベリリウムを取り扱う場所において、局所排気装置を設置しており、そこでの抑制濃度を測定した平均と制御風速との関係の表です。これを見ると、制御風速が一部非常に高い値になっているところがあるということです。14頁はこの企業の要望事項です。
○座長 いまのような情報があるわけですが、今日ご議論いただかなければならないのは、現在の管理濃度0.002mg/m3を改正するか否かです。改正するとすれば、どのような値とするかという点がメインだと思います。
○名古屋委員 改正しないでよければ、それはそれでいいと思いますし、問題ないのかなと思うのですけれども、1点あるのは、もともと管理濃度の考え方というのは、現場の作業環境の濃度でも疾病が起こらないという濃度が管理濃度で、塩ビの管理濃度を決定した時はそのような考え方でした。今日出された参考資料2−2の内容を見てしまうと、この会社の現場の測定では気中濃度は下がってきていて、1.0μg/m3までなら適用可能ですと、現場のデータはそこまでの濃度でしたら作業環境管理を維持できますと書いてあるのです。そうすると今までの産衛の許容濃度やACGIHの値を取るよりは現場に近いというので、産衛より少し下がりますが、0.001mg/m3を採用するというのもあるのかなと思います。現状維持でもいいか、現場で作業環境管理が可能な濃度を採るかの判断です。改正ということで少し努力をしていただけるのだったら、0.001mg/m3が管理濃度の1つのあり方かと思います。
○中明委員 質問させてください。参考資料2-1、30頁の中に2-2のデータも数に入っていますか。
○小西係長 はい、この企業も数に入っています。
○中明委員 そうするとベースとして、日本全国でもそんなにはないですよね。その中でも4事業場が関連すると言えば関連する。
○小西係長 おそらく、ベリリウムが関連するような所はあまり多くない。
○中明委員 そうですよね。難しいところですね。わかりました。
○座長 163のうち、現在は取り扱っていないけれども、健康診断はやっているという所が106ですね。これは過去にばく露者がいたので、念のためにやっているということでしょう。よくあることだと思います。
○中明委員 ACGIHの説明の中でも、潜伏期間があるからというのは一応触れていますので、それで経過を見ていらっしゃると思います。
○座長 残りの57事業場で、現在取扱いがあると。ただ、マル1の製造絡みとそれ以外のマル2研究、マル3分析絡みとでは、だいぶばく露のレベルが違うだろうとは思います。
○中明委員 4事業場以外は、あまり問題にならないのかなという気はします。どうしても管理濃度を決めなくてはいけないと考えるかどうかというのも、1つあると思うのです。参考資料2-2でいくと、今までどおり企業として1なら1でやっていけば、それはそれでいいのではないかという気もしないでもないのです。ですから当面は決めないという形で、行政としてもそれでいいかどうかというのはあるのです。確かにアメリカの管理濃度が下がれば、それに対応して数値を下げていかなければいけないのですけれども、ACGIH自体、かなり感作性の部分が多い。これを読むと、それで決めてしまっているという感じですよね。そうなると、やはり現場としてはきついのかなという気はありますよね。ほかの物質もそうだと思います。それだったら、ある程度できる範囲で考えておく。いま名古屋委員が言った数値を出しておくというのも、1つあると思います。出さないでよければ、そのままという。しかし、そのままというわけにはいかないですよね。
○座長 いまは任意です。そのままという案もあるだろうし、0.001にするという案もあるし、なくしてしまうという案もあるかもしれない。
○中明委員 インジウムとはまた別だけれども、当面は外してしまうというのも手かなという気がするのです。
○座長 その辺りの特質ですね。インジウムはもともと管理濃度がないですからね。ベリリウムは管理濃度があることはあるのです。
○中明委員 そうすると、やはり何か作っておいたほうがいいのかもしれない。
○座長 ACGIHの0.00005mg/m3、現在の2μg/m3の1/40ということで非常に低いのです。これは確かに感作をゼロにしたいようですが、これを読んでみますと、非常に個体差があるようですね。遺伝的素因の違いがもろに出ている可能性があるだろうと思います。そこまで全員を保護するとしたら、ここまで下げなければならないということはあるのだろうと思います。それと、皮膚からの吸収が非常に効いている可能性があると。だから。
○中明委員 研究者がかなり気にしていますね。
○座長 ですから、この数字自体も空気中の濃度だけで管理できないわけです。参考資料2-2の企業も非常に皮膚吸収などを防護している。そうせざるを得ない。
○中明委員 二重にしていますよね。ですから承知はしていると思うのです。
○松村委員 管理濃度というのは作業場の幾何平均値に対する値なので、その中で局所はもっと高い所もあるし、そうでない所はもっと低くなっているだろうと思うのです。こういう感作性のようなものの場合に、作業環境測定の結果が管理濃度以下ならば全部マスクをしなくてもいいとは言えないですよね。作業の種類によって違いますから。
○名古屋委員 現場のデータを報告してくれた企業では、電動ファンを付けて作業を行っています。もう1つ考えてほしかったのは、ベリリウムの含有率から特化則の適用を受けない作業場で、溶接を行っている事業場があるのです。そこは含有率から特化則の適用からは外れているけれども、局所的に濃度が高いので、やはりそうした高濃度が予想される作業では、電動ファン付きのマスク、特にベリリウムについては電動ファン付きマスクを装着してほしいと思います。そうすると、特化則の適用を受けないこうした事業場でもマスクをしているのでということで、安心できると思います。ほかの所を合わせても4事業場ですから、電動ファン付き呼吸用保護具を装着させることは、できるのではないかと思います。やはり電動ファンは付けてほしいということです。特化則を外れているからいいと思うと、結局、短時間ですごくばく露する溶接作業や溶断がありますので、1μg/m3で管理し、かつ電動ファン付きマスクをしてほしい。実際にやっている所があるのと、今までやっていない所を見逃してしまうとまずいので、電動ファン付きマスクを付けてもらえれば、管理できるのではないかと思います。
○松村委員 先ほど皮膚からの吸収という話もあったのですが、化学防護服がどのぐらい効果を期待できるものかという問題があるのです。確かに汚れ防止に有効ですけれども、昨年の原発事故の後で、自衛隊の人が発電プラントの直近まで行って、みんな科学防護服を着て外から放水したりしたわけですよね。それで東電のJヴィレッジに帰ってきてこの服を脱いだら、その下の服に放射能がすごくたくさん付いていたというのです。ですから、これは決して気密されているとか密閉されているというものではないということを、最近の防護研究会の発表で話を聞いたのです。確かにそうだと思います。日本ではこれを期待し過ぎて使っているような気がするのです。ですから下の服までちゃんと洗浄などの対処をしないといけない。
○名古屋委員 前にもお話したように、ここの会社は作業着は、作業場所内で着替え、作業場の外に出てこないシステムになっています。作業場の中で着替え、脱いだ作業着は、作業場内で洗濯をするので、ベリリウムは、一切外部へは出てこないというシステムになっているのです。
○松村委員 すごく理想的な設備ができている。
○名古屋委員 だから大丈夫でしょう。
○松村委員 よくわかっていますね。
○名古屋委員 メンテナンスのときは作業着よりは、使い捨ての防護服を付けたほうがいいでしょうという形で使われていると。私が行ったときには。
○松村委員 使わないよりは使ったほうがいいと思います。
○名古屋委員 作業場の中で始末して、作業場からは外部には絶対に出てこないようなシステムになっているのです。
○安達副主任 参考資料2-2の6頁のような姿で作業をされています。この会社では、6頁の作業着で作業をして、作業が終わると7頁の所で一連のことをやって、作業着を全部外へ出すことなく洗濯をします。髪の毛などに残っているものはすべて入浴などをして、それらが終わってから外に出られるという管理をしていると聞いています。
○松村委員 さすがですね。これなら大丈夫ですね。
○小西委員 希望的なことを言うと、通常の作業でも使い捨ての不織布を使ってやってもらえれば、なおいいのではないかという気はします。それと、安全靴の上の所に足カバーが付いていないですよね。メンテナンスのときにも付けていないみたいです。それで本当に持出しをやめるのであれば、そういうところも少し進めてもいいのかなという気がします。それからもっと気になるのが、これにはエアシャワーが付いていますが、エアシャワーの中の空気を採った後のフィルターを、どうやって処理しているのかというところまで気になってしまうのです。
○名古屋委員 それはHEPAでやっています。
○小西委員 HEPAでやっているけれども、そのHEPAを交換しなければいけないでしょ。
○名古屋委員 それはちゃんと防護で同じにやっています。
○小西委員 足洗いの水の所もありますよね。だから、それをやるのであれば、逆に足の所などは使い捨てのもので処分してしまったほうが、後の処理のことを考えるといいのではないかという気がします。1μg/m3までは一応この分析の条件からいっても耐えられるのであれば、1μg/m3でもいいのかなという気がします。そういう形できちんと管理に目を向けてもらうという意味では、それがいいのかなという気がします。
○明星委員 感作性を管理濃度で全部できるかどうか。
○座長 基本的なポイントは、おっしゃるとおりだと思います。TDIなどもそうです。ピークがちょっと高いと、平均で管理できない可能性があるわけです。その点もだからどうなのだろう。
○中明委員 管理濃度を決めるときに、感作作用をあまり入れるのはどうかなという気が私はするのです。
○座長 こういう強い感作性のある化学物質については、現在までの管理濃度の考え方だけで管理できないですよね。
○中明委員 そうだと思います。感作を入れるのだったら、感作に対応した管理濃度を決めないと駄目ではないかという気がします。
○座長 もし徹底的にやるならね。それは極めて低い数字になる。
○中明委員 それは座長が言うように、個々人のレベルとの関係になってくる部分があるから。
○座長 そうなると、もし遺伝的素因がわかるならば、そういう方には遠慮していただくしかないという方向へ行ってしまうわけです。
○中明委員 そういう作業には就けないということになってしまうと思うのです。
○座長 もう1つは、現にアメリカでも日本でもそうやっていると思うのですけれども、感作が見つかったらその方は外す。ということは、感作が成立したかどうかをいつもチェックしておく必要がある。そこが健康診断のほうにも項目が入って然るべきなのです。いまは入っていないですよね。それも条件になりますか。そういう気がします。
○安達副主任 管理濃度で管理を期待する部分と、感作のような部分ですと、前回ご議論いただいたときは事業場が非常に少なかったので、個別の対応という意見がありました。今回もすべて事業場が把握できていますので、例えば防護のやり方を指導ベースで個別にやるとか、方法としてはいろいろ考えられ、ですから管理濃度だけで必ずしも完結しなくても、指導の部分で当面はフォローするということもあります。例えば防護具のあり方なども、何かしら対応は可能だと考えております。
○座長 今回は管理濃度を、特段変えなくてもいいかもしれないというニュアンスが入っているわけですか。
○安達副主任 仮に変えないにしても、もし、いい事例により対応できて水平展開できれば、そのままということが考えられます。
○座長 変えないとしても、実際には同じように成果を上げる可能性はあるだろうということですね。
○安達副主任 感作ですとかそういう部分により適切に対応するということでは、そういうことも考えられます。
○座長 ほかの事業場で1μg/m3で対応できるかできないかという部分が、疑問として残るという発想もありますね。しかし、そこまで考えなくてもいいかなという気もするのです。
○名古屋委員 今回の初期リスク評価、詳細リスク評価という流れからくると、ベリリウムに関しては本来的に管理濃度を設定する物質ではないのです。要するに事業場対応という形の対応になるべきです。だから昔から決まっているものをどうするかというときに、やはり決めていかなくてはいけないということで決めるのではないかと思います。
○座長 そうですね。
○松村委員 事業場対応というのは、具体的にどういうことですか。個人ばく露を測るということですか。
○名古屋委員 管理濃度を決めるのではなくて、事業場だけを指導するということです。その作業に共通性がないから、その事業場特有なのでそこについてやりましょうという評価の仕方を今はしていますので。
○座長 これは比較的限定された事業場なので、徹底的にやるという方向もあるわけです。ただ、少し気になるのはいちばん下の3%未満とか、ちょっとわからない部分があるのです。
○名古屋委員 母合金を買って溶解しているから、特化則から外れているという所が4事業場ある。そこでお願いしたいのは、そこが測定義務から外れてしまうとまずいので電動ファン付きのマスク、要するにマスクを装着して作業管理してほしいということかと思います。
○座長 もう1つ気になるのは、0.00005の根拠になっているデータのいちばん中心になっているのは、ACGIHのドキュメントの8頁の左側の上の辺りです。昔からのを全部調べて、Lifetime Weighted Averageになっているのです。それでLTWが0.05μg/m3以下では1人も感作は見つからなかった、0.05〜0.1だったら3人見つかったというデータになっております。これがいちばんの中心になっていると思うのです。
 こういう低い数字のLifetimeできているのは、製造などではないと思います。通常はほとんどばく露がないのではないかと思われるような所です。製造などだったら、いまでも1がやっとというようなことを言っているのですから。こういう低い所で何十年も働いているというのは、そうでない職場なのです。そこでも発生しているわけです。ですから非常に厄介な物質で、極めて低濃度でも遺伝的素因のある人は感作してしまう。そういうことを考えますと、研究や測定分析を何となく注意から外していいのかという気がするのです。つまり、これは健康診断で感作のテストをやっていないと思います。
○中明委員 まずやっていないです。
○座長 いずれにしても、この方々には健診の義務がかかっているわけですから、その中の項目として感作に関する項目を入れることによって対応できますね。そうすると管理濃度を2のままにするか1にするかというのは、それほど重要なことではないのです。
○中明委員 重要ではないです。
○座長 そうは言っても1のほうが気持ちはいいのですが、どうしますか。
○小西委員 会社としてこういう資料を出されたときに、「もう対応は大丈夫ですよ」と言ってきているわけですよね。「自分の所では今、これだけの設備で管理しているので、そこまでは対応できます」と折角前向きに言っておられるので、それだったらそれを使うのも一考かなと思います。折角の努力を無駄にしないためにも、それがいいかなという気がします。
○座長 そうですね。
○松村委員 個別の現場を、実際に名古屋先生はご覧になっているのですか。
○名古屋委員 見ています。
○松村委員 非常によくやった結果が、こうだと思っていいですか。
○名古屋委員 改善して改善してここまで持ってきているけれども、これから先はちょっときついということです。
○松村委員 では、努力は認めると。
○名古屋委員 同時にすべてのものが外へはクローズされていて、内からは出てこないというシステムになっています。そうは言っても健診と、適用から外れている所もあるから、電動ファン付き呼吸用保護具できちんと管理してほしい。この2つが付けられれば、たぶんベリリウムは大丈夫ではないかと思いますと言ったのです。
○座長 ところで1μg/m3にしたとすると、実質的には95%タイルの所で管理をしていますから、個人ばく露濃度で言うと0.5ぐらいと、ほぼパラレルと考えてもいいですか。
○名古屋委員 そうですね。
○座長 そうすると、ACGIHの言っている0.05の10倍の所までは行っていますということですよね。もう1つは、トータルのものを出すか、これインハラブルかという点があります。ACGIHはインハラブルと言っているのですけれども、そこはあまり違いがないですか。
○名古屋委員 何リッターで引いているか。20Lで引けばそこは一緒です。ただ日本の場合は30と10と、あまり決めていないので、どちらで採っているかですよね。
○小西委員 感作性でいくのだったら、インハラブルで見なければいけないのかもしれない。
○名古屋委員 ニッケルがそうですからね。
○座長 トータルでは駄目という理由を。
○小西委員 それがどんな割合になっているかというのは、実際のデータがなければ。
○座長 実際に粉じんの出ている分布によって違いますからね。
○小西委員 そうですね。インゴットの溶解などをやっているので、小さいのかなという気もします。
○座長 小さいだろうと思います。
○小西委員 逆に小さいから、集まって大きくなるということはないのかという問題がありますよね。
○名古屋委員 ニッケルの場合は粉状ニッケルだったから、大きな粒子があって影響するということだったようです。
○座長 それははっきりインハラブルに指定する必要があったかもしれない。この場合は、小さければどちらでも同じだと思うのです。わかりました。皆様の全体的な意見の内容から考えますと、管理濃度は改正して1μg/m3にすると。それだけではなくて、適正な作業管理と健康管理を行うことを前提として、管理濃度を2μg/m3から1μg/m3に下げるということになるのですか。それでよろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○座長 では、そのように決めさせていただきます。ありがとうございました。そうしますと、局所排気装置の性能要件については今までと同様に、管理濃度と同じ数字の1μg/ m3ということになりますが、よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○座長 次の検討物質は、オルト-フタロジニトリルです。事務局から資料の説明をお願いします。
○小西係長 オルト-フタロジニトリルについても、平成22年度に一度検討いただき、持越しの物質です。まず4頁の資料2-2をご覧ください。下段のほうにオルト-フタロジニトリルの概要が書いてあります。主な用途としては、青色染料の中間体です。生産・輸入量のデータは見つかりませんでした。日本産業衛生学会が2009年に0.01mg/m3を勧告しております。
 資料2-3は、オルト-フタロジニトリルの測定技術にかかる資料です。ここで4つほど定量下限を記載しておりますが、上の3つは平成22年度と同じです。下の4つ目の部分が、今回新たに追加したものです。こちらは前回、平成22年度の管理濃度検討会の議論の中で、蒸気圧を見ると、ろ過捕集で集めてきても蒸発してしまって、精度よく測定分析できないのではないかという意見がありましたので、菅野委員のほうでご検討いただいて、今回追加したものです。その詳細が6頁です。固体捕集方法で、ガスクロマトグラフ質量分析法で分析した結果、定量下限がオルト-フタロジニトリルで0.09ngということが出ております。
○菅野委員 1つ訂正があります。7頁の定量下限が0.09ngというのは2L中ですので、実際には45ng/m3となります。ですからミリグラムにすると0.000045mg/m3です。
○座長 0.000045mg/m3ですか。いずれにしても0.01mg/m3に対して十分な感度はあるということですね。
○管野委員 10分の1以下までは測れると思います。
○座長 ただ数字がちょっと違っている。5頁の数字を0.00000009を、0.000045に直せばいいわけですか。
○菅野委員 次の頁はサンプル当たりの量を示しておりますので、0.09ngは正しいのですが、前の頁の表に書くときには、45×10-6mg/m3に相当しますので。
○座長 前の頁というのは。
○小西係長 資料番号2-3の事務局で作った表が間違えております。ここが45ng/m3になるということだと思います。
○座長 変えればいいのですね。
○松村委員 何番目ですか。
○小西係長 いちばん下のガスクロの所です。
○菅野委員 これをミリリッターで直せばいい。
○座長 45ng/m3とすればいいわけですね。
○菅野委員 はい。それでこれを示したわけではないと思うのですが、試料の採取方法はろ過捕集プラス固体捕集ですので。
○小西委員 点々ではないのですね。
○菅野委員 はい。
○座長 それはどこですか。
○小西委員 資料番号2-3の試料採取の所です。
○菅野委員 はい。これは全体的に書いてありますので、ここで修正するのがいいかどうかは分かりませんけれども、次の頁の「オルト-フタロジニトリルの分析法」で、固体捕集と書いてあるのです。ただガラス繊維フィルターを前置しておりますので。
○小西委員 ガスクロでやる場合は、ろ過捕集プラス固体捕集という意味ですよね。
○菅野委員 そういうようになります。
○座長 どこをどう修正すればいいですか。
○小西委員 だから吸光度でやる場合と、高速液クロでやる場合と、ガスクロでやる場合のところの試料採取方法のろ過捕集というのがいちばん上にありますね。今度はそれとは別に、ろ過捕集プラス固体捕集が必要だということです。
○菅野委員 ガイドブックでは「相補型ろ過捕集法」と表記されておりますが。
○名古屋委員 ろ過捕集の後ろに。
○菅野委員 固体捕集を付けるということです。
○小西委員 テナックス管を付けるということです。
○座長 事務局はおわかりいただけましたか。修正をよろしくお願いします。そうしますとオルト-フタロジニトリルについては、6頁にお示しいただいたような分析法によって、適切に分析可能であるということですが、何かご質問、ご意見はありますか。まず試料採取及び分析の方法については、よろしいでしょうか。
○明星委員 ろ過捕集では不十分ということですか。
○菅野委員 ろ過捕集だと通気していますから蒸発してしまいますので、ごくごく一部分しか採れません。
○明星委員 過小評価するという。
○松村委員 それはテナックス管のほうからも、フィルターを通過したものが検出されているということですか。
○菅野委員 ほとんどテナックスのほうにしか検出されません。
○松村委員 ほとんど出ないのですか。
○菅野委員 はい。
○明星委員 蒸発してしまう。
○松村委員 では、通過しても量は少ないのですね。
○中明委員 粒子ではないですよね。ガスですよね。
○松村委員 サブリメーションというか、再蒸発してしまう。
○中明委員 要するに、これはフィルターを付けないと駄目という話ですね。しかし全部で2Lしか採っていないのでしょ。2Lでしか採っていないのは、要するにフィルターを過ぎてしまって、テナックスにみんな集まってしまうという説明でしょ。
○菅野委員 そうです。
○松村委員 反対でしょ。ほとんどろ紙で採れているのでしょ。
○菅野委員 いや、ほとんどろ紙に採れません。
○中明委員 だからテナックスだけでいいのではないかと私は言っているわけです。しかし、それはまずいと言うのでしょ。
○菅野委員 安全のためと言いますか、粒子状物質だと突き抜けてしまいますので。
○座長 粒子状物質としても。
○菅野委員 粒子状物質はテナックス管では捕集できませんので、フィルターを置いておくしか方法がないのです。
○座長 やはり両方使うしかないということですか。状況によってどちらかにというのは。
○名古屋委員 フィルターの径などは指定しなくてもいいのですか。これを15使っていて、テナックスではなかなか繋ぎにくいではないですか。
○菅野委員 これはテナックス管に直接フィルターを入れています。
○名古屋委員 テナックス管の中に入れてしまうのですか。
○菅野委員 ですから加熱脱着も一遍にできるということです。
○名古屋委員 そういうことですか。わかりました。テナックス管の中にろ紙も入れる。
○小西委員 もしそうだとすると、ろ過捕集できるコードというのが、いままでの方法論でありますよね。逆に言うと、それを本当だったら外さなければいけないのかもしれませんね。
○名古屋委員 そういうことですね。
○小西委員 方法論の捕集だけはちゃんと外さなければいけないのではないですか。
○菅野委員 ろ過捕集は、アメリカではメタ-フタロジニトリルが5mg/m3だったのです。その程度のレベルですと、ろ過捕集でも抜ける量が相対的に少ないので大丈夫かもしれませんけれども、2桁下になりましたので、ほとんど蒸発してしまう。
○小西委員 こういうものだったら、ある程度大丈夫ということですね。わかりました。
○名古屋委員 しかし、やはり「ろ過捕集」という言葉は要るのです。
○小西委員 高濃度の場合はそれで対応できると。TDIなどもそうですよね。液クロでなければ駄目だというのは、管理濃度の対応としてやったときに、10分の1のときには液クロでなければ駄目だけれども、高濃度であれば別に吸光度でいいということですよね。
○亀澤環境改善室長 質問です。これは結局、ろ過捕集であれば物性として全部採り切れなくて抜けてしまっているものがあると。高濃度だったらそんなに正しくは測っていないけれども、ちょっと抜けても、まあまあよかったのかなということだったのですね。しかし本来きちんと測定するためには、今回先生がご提案になったろ過捕集プラス固体捕集という方法でなければ、今までも正しく捕捉できなかったということですよね。本来、測定基準は事業場の濃度にかかわらず、正しく測定する試料採取方法にすべきであるとなると、ろ過捕集だけという方法は適切ではないということですか。
○菅野委員 その点は非常に難しいです。この方法だと、逆に高濃度のほうは測り難いところがあります。
○松村委員 普通でも抜けてしまうという意味ですか。
○菅野委員 いや、抜けるのではなくて捕集はできるのですが、捕集量が多すぎるのです。適当に濃度を見積もって、スプリクトをかければ測れなくはないのですけれども、自動的にはいかない。
○小西委員 最大に採れる濃度と時間を、それ以上採っては駄目よというものを、今まで計測法であまり正確に出していませんよね。それがこういう物質については、それ以上のサンプリングをしては駄目だよということが、やはりどうしても必要になってくるのですよね。
○名古屋委員 前もテナックスを使ったときに、定量下限はOKだけれども、高濃度になった場合、検量線が曲がって使えないということで、高濃度領域が意外と駄目なのです。ほかの分析は1個ずつ溶液で塗れますけれども、テナックスは1回で全部液を出してしまうわけです。そうすると量が多すぎると、今度は逆に駄目になってしまうというのがあって、その辺が難しいですよね。
○菅野委員 難しいのですけれども、この濃度だったらと。
○名古屋委員 当然そうです。
○菅野委員 これ以外だと、ちょっと難しいと思います。
○名古屋委員 低い所はこれでOKだけれども。
○小西委員 管理濃度の10分の1を分析するのであればいいのですよね。
○名古屋委員 そのためにはこれしかないということです。
○小西委員 それが難しいところですね。
○座長 管理濃度の10倍ぐらいは大丈夫ですか。
○菅野委員 今のところ確認できたのは5倍ぐらいです。
○名古屋委員 たぶん大体駄目でしょう。
○明星委員 逆に浮いているときは粒子ですか。
○菅野委員 もちろん両方あると思います。蒸気圧がこの濃度の10倍以上は高いので、袋の中に入っているときは固体であっても、それが出れば蒸発します。ただ浮遊している状態だと、蒸発速度はそんなに大きくないと思うのですけれども、フィルター上にトラップされると、周りは空気がジャンジャン通りますので、蒸発速度が上がってしまう。
○明星委員 何が言いたいかというと、サンプリング用がものすごく低いので、粒子を吸い込むにしては大丈夫かなと。
○菅野委員 これは一応名古屋先生の毎秒19cmと言われたもので、きちんとやりました。
○明星委員 吸込み速度。
○菅野委員 ただ、向きとか何かにもよりますので、その点で現実には難しいと思います。
○名古屋委員 テナックス管が小さいから、秒速としては。
○座長 わかりました。
○松村委員 しかし、こういう複合的な捕集というのは、ダイオキシンとかは大体こういうようにしてやっていますよね。ですから一連のそういうものがあることはあるのです。
○座長 いま言ったような議論の内容が適切に反映される。
○小西係長 ちょっと確認させてください。高濃度用のために、一応ろ過捕集方法も残しておくほうがいいということですか。
○菅野委員 先ほど申し上げたように、高濃度というのはミリグラムパー立方メートルの範囲ですので、これを0.01にするということになれば、それは許し難い高濃度なので、除外してもいいのではないかと私は思います。
○座長 そういうことなら除外しましょうよ。
○小西委員 そういうことになるとろ過捕集と吸光光度、ろ過捕集と高速液クロはなくすということですか。
○菅野委員 ろ過捕集だけというのは、もう取ったほうがいいのではないかと思います。
○小西委員 いままではろ過捕集と吸光光度、ろ過捕集と液クロの両方の組合わせですよね。それをやめて、ろ過捕集プラス固体捕集のガスクロという方法にするのですね。
○菅野委員 はい。
○座長 では、そういう結論にします。なお、オルト-フタロジニトリルの管理濃度がまだですよね。それが先のような気がするのです。
○名古屋委員 前は0.01で決めようと言っていたけれども、分析方法が駄目なので。
○座長 もうほとんど結論は出ているのですけれども、改めて確認させていただきます。オルト-フタロジニトリルの管理濃度は、0.01mg/m3でよろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○座長 ありがとうございました。試料採取方法はいま言ったようなことで、分析方法はガスクロということですね。
○菅野委員 先ほど読んだ限りでは大丈夫だと思うのですが、資料番号2-5の産衛学会の許容濃度の勧告の提案理由139頁に書いてある0.08mg/m3という作業現場の濃度は、この勧告には全く関係していないと理解してよろしいのですね。たぶん動物実験から決めるしかないということになっていたと思います。動物実験から決定されたのであれば、全く問題ないと思います。
○大前委員 動物実験から決めていますので大丈夫です。
○座長 動物実験からです。不確実性係数等を使って、50分の1にして作ったデータでやっております。よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○座長 ありがとうございました。元へ戻りますが、ベリリウムに関する試料採取と分析方法は、もうすでに前回決めたのでしたか。
○名古屋委員 ここは分析は問題なかったのです。ACGIHになると問題が出ていますけれども、今度はそれより上ですので、分析方法は大丈夫です。
○座長 大丈夫ですね。では、それも問題なしと。議題2については終わりました。次に議題3、「平成23年度管理濃度等検討会報告書について」に入ります。事務局から説明をお願いします。
○小西係長 資料2-6をご覧ください。こちらはインジウムとエチルベンゼンとコバルトといった、前回までの議論の結果を記載しており、これに本日のベリリウムとオルト-フタロジニトリルにかかる記載を追記していきたいと考えております。まずは「はじめに」ということで、検討の趣旨が書いてあり、委員名簿と検討経緯、1月24日と3月16日に検討したということが書いてあります。
 4番目からが検討結果です。新たに管理濃度の設定を検討した物質が書いてあります。マル1のインジウムについては管理濃度は設定しないと。その理由として検討概要の所に、ACGIHは1969年の値であること、現在、産衛学会は許容濃度を設定されていないこと、改正予定の特化則において、作業環境測定結果に応じた呼吸用保護具を使用する予定になっていることから、当面は定めないことが適当であると記載しております。マル2がエチルベンゼンです。こちらの管理濃度案は20ppmとしております。マル3がコバルトです。こちらの管理濃度案は0.02mg/m3と記載しております。マル4がオルト-フタロジニトリルです。こちらは本日の議論の結果を踏まえて記載することになります。管理濃度は0.01mg/m3、試料採取方法はろ過捕集方法プラス固体捕集方法というのを、ここに記載することになろうかと思います。次に、すでに管理濃度が設定されている物質ということで、マル5のベリリウムです。管理濃度改正案としては0.001mg/m3、先ほどの作業管理と健康管理をする必要があるという旨を記載したいと考えております。
 (2)が測定方法です。マル1のインジウムは「ろ過捕集方法」、分析方法は「誘導結合高周波プラズマ質量分析装置を用いる方法」です。マル2ですが、試料採取方法です。分析方法は「ガスクロマトグラフ分析方法」です。前回、「固体捕集方法」ということで一応の結論としましたけれども、その後に混合有機溶剤の場合は直接捕集で採取したほうが良いのではないか、固体捕集と両方を採取する方法とした方が良いのではないかという意見もあり、ここについて議論をいただきたいと思い、ペンディングの(P)という記載をしております。マル3がコバルトです。試料採取方法は「ろ過捕集方法」、分析方法は「原子吸光分析方法」です。マル4がオルト-フタロジニトリルです。試料採取方法はろ過捕集方法プラス固体捕集方法です。分析方法はガスクロマトグラフ分析方法と改正することにしたいと思います。ベリリウムについては、試料採取方法と分析方法の改正はなしと認識しております。
 (3)が局所排気装置の性能要件です。マル1のインジウムは制御風速です。マル2のエチルベンゼンは有機溶剤中毒予防規則での規制ですので、制御風速です。マル3のコバルトは、管理濃度と同じ値ということで0.02mg/m3です。マル4のベリリウムは管理濃度と同じ値ということで、0.001mg/m3です。マル5のオルト-フタロジニトリルも管理濃度と同じ値ということで、0.01mg/m3と記載したいと思います。
○座長 ただ今のことで、エチルベンゼンの所だけ。
○名古屋委員 これを書いたときに松村先生が、「エチルベンゼンは直接捕集法でなくてもいいのですか」と言われて、私が「固体捕集でいいんじゃないですか」と言って、そこだけで終わってしまったのです。しかし実際には混合有機溶剤で直接捕集法でやっている所が多く、固体捕集だけに固定してしまうと、同じ現場で直接捕集と固体捕集の2つをやらなくてはいけなくなってしまいます。本来は固体捕集でできるのですけれども、いまは直接捕集でもできるので、あえて固体捕集ではなくて直接捕集法も入れてあげたほうが現実的かなということで、直接捕集法も入れていただければということです。日測協さんのほうにも問合せがあったと思いますし、私のほうにもありましたので、そこまで考えずに、これからはだんだん固体捕集かなと思って言ったのです。しかし現実を考えると、混合有機溶剤なので、直接捕集法も合わせていただければありがたいと思います。
○座長 いかがでしょうか。よろしいですか。
                 (異議なし)
○座長 では、ここは「固体捕集方法又は直接捕集方法」とする。ほかにはよろしいでしょうか。今日の決定事項を入れていただいて、大体問題はないかと思います。ベリリウムの書き方などについては、事務局のほうにお願いします。管理濃度は決まったわけですが、作業管理と健康管理の所を付け加えていただければと思います。
 ほかに何かお気付きの点はありますか。ないようでしたら報告書(案)については、いま申し上げた線で取りまとめることにします。このたびの管理濃度等検討会は、以上で終了させていただきます。事務局から連絡事項はありますか。
○小西係長 報告書案は本日の議論の内容を盛り込み、メール等で委員の皆様に見ていただきたいと思います。その後、櫻井座長にご確認ということでよろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○座長 ありがとうございます。では、そのようにお願いいたします。では、亀澤室長からどうぞ。
○亀澤環境改善室長 このたびは2回のご検討ということで、前回にお願いのご挨拶を申し上げて、今日は御礼のご挨拶を申し上げるというのは、ちょっと短かかったなという気はしておりますけれども、先生方には年度末の大変ご多忙のところ、本検討会にご出席していただき、ご議論いただきましてありがとうございました。
 このたびは5物質についてご検討いただきました。従来の管理濃度の検討の流れとは若干違った物質が出てきたのではないかと思っております。今後も健康影響についての知見が蓄積されていく中で、ACGIHや日本産業衛生学会などの許容濃度という点では、だんだん厳しい方向に向かっていくと思うのです。工学的な対策という点でいくと、なかなかそれに追い着いていかないというか、若干限界のある物質も出てくるだろうと思っております。そういう点では工学的対策で、できるだけ対策を取っていただいた上で、個人個人のばく露をどう減らしていくか、それをどう確認していくかということが、非常に大事になってくるのではないかと感じた検討会だと思います。
 今年度の検討会は、この会をもって終了となります。おまとめいただいた結果は今後、パブコメなどの手続を経て告示改正を行っていくわけです。この中で、先ほどベリリウムについてもご議論いただきましたけれども、関係事業場に対する指導をしっかりとしていきたいと思っております。先生方におかれましては引き続きご指導いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。今回は本当にありがとうございました。
○座長 以上で終わります。今日はお忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働基準局が実施する検討会等 > 平成23年度管理濃度等検討会 > 第2回平成23年度管理濃度等検討会の議事録

ページの先頭へ戻る