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2011年12月22日 第5回職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ議事要旨

労働基準局労働条件政策課賃金時間室

○日時

平成23年12月22日(木)14:30~16:30


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省共用第9会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)



○議題

職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告案について

○議事

○出席者
(参集者)
岡田委員、小林委員、佐藤主査、澤木委員、杉山委員、冨高委員、内藤委員、西谷委員、松本委員、輪島委員

(政府側)
熊谷大臣官房審議官(労働条件政策担当)、本多大臣官房参事官(賃金時間担当)、亀井賃金時間室長補佐

○議事要旨
○ 資料1 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告案について、事務局から説明が行われた。

○ 資料1について、以下の議論がなされた。
<1.はじめに(1)問題の現状>
・ 「いじめ・嫌がらせ」「パワーハラスメント」という言葉について、報告書の中でどちらを使用するか整理が必要。

<1.はじめに(2)取組の必要性・意義>
・ 「誰にとっても、職場は他には代え難い居場所であるとともに」の部分について、職場への価値観が多様化しているなかで、「誰にとっても」といえるのかどうか。
・ 「誰にとっても、職場は他には代え難い居場所」は「職場は人生の中で多くの時間を過ごす場所である」というように修正してはどうか。
・ 「最悪の場合は生きる希望を失いかねない」は、表現として強すぎないか、より適切な表現に修正してはどうか。
・ 職場のいじめを苦にして自殺する人がいるのも事実であり、「最悪の場合は生きる希望を失いかねない」という書きぶりのままででよいのではないか。

<1.はじめに(3)問題の背景>
・ 「職場のいじめ・嫌がらせ問題が生じた背景としては」から「企業間・労働者間競争の激化」までの部分について、「労働者間競争」ではなく、「社員間競争」とした方が一般的ではないか。
・ 「労働者間競争」というと、主体が労働者になる印象だが、むしろ成果主義により競争を課せられている面があることが伝わるように書くべきではないか。
・ 「価値観の多様化」については、画一的な価値観の中に多様化した価値観が受け入れられないことからいじめが始まるケースが多いと思われるので、そういったことを分かりやすく書くべきではないか。
・ 背景となっている要因を改善するため、仕事の進め方を変える必要があることについても触れるべきではないか。
・ 組織が頻繁に変化している中で、組織論にまで踏み込むのは限界があるのではないか。
・ こうした要因への対応については、本来は労使が自ら取り組むべきことであるので、「自主的に」という文言を入れるべき。
・ 「労使」という言葉が続くため、整理した方がよいのではないか。
・ この問題に取り組む必要性として、パワハラという言葉に管理者が振り回されて弱腰になったり、指導との線引きの判断が困難なため、何もできなくなって競争力を欠いてしまうなどの混乱が生じていることを分かりやすく書くべきではないか。
・ 何がパワーハラスメントに当たるかが分からず上司も混乱しているということは、企業内のレベルではなく、もう少し広い範囲で情報が共有されていないということが大きいと思う。判断するための物差しがまだないため、そういう事象が起きており、だからこそ報告書を取りまとめて何かやりましょうというと結びつければよいのではないか。
・ 何がパワーハラスメントに当たるかが分からずに先送りすると問題が大きくなってしまい、全体の生産性が落ちてしまうので、早期に対応することが必要であるということが書ければよいのではないか。

<2.どのような行為を職場からなくすべきか(1)共通認識の必要性>
・ 注6の部分で、「顧客や取引先から従業員に対する行為は含まれない」とされているが、第三者からのいじめ・嫌がらせが問題になりつつある中で、これらを除外してしまってよいのか。
・ 第三者からの行為については、この場での議論がまだ詰められていないので、なお検討の必要がある。ただ、顧客や取引先からのいじめ・嫌がらせも存在するということを表現するために注を付している。
・ 第三者からの行為について、この報告案は、パワーハラスメント一般ではなく、「このワーキング・グループで取り上げたパワーハラスメントとは」の共通認識を整理している。パワーハラスメント一般で考えると、顧客や取引先からの行為もあるが、ここで取り上げるパワーハラスメントは、誰が解消できるかという観点から範囲を決めている。
・ いじめ・嫌がらせは社会全体の問題であるという考え方だと、職場だけでなく学校も全部含めて社会問題であるが、この場で議論してきたのは、会社の経営者なり職場の管理者が、社内でそういう行為を発見したら直ちに予防する措置をとるべきだということ。また、従業員は従業員でそういう行為に気づいて報告なり相談をする体制をしっかりすれば解決・予防ができるということではないか。まず、職場の中で解決するという部分の仕組みを考えるべき。
・ 第三者まで含めると、対応策もこれまで議論してきた内容と全く違ってくる。この報告書では、職場で解決しなければならないことに限定することが適切。
・ 書き方について、「パワーハラスメントとは…」という形で書くと、今後対象を広げられなくなる。範囲は広くとった上で、その中でも今回の提言で対応すべき範囲はどの範囲かという示し方にしてはどうか。
・ 「同じ職場」について、同じような所で働いている人というイメージがあるが、遠くで在宅で仕事をしている人もいるし、例えば、関西の研究所と東京の研究所で一緒に仕事をしていながら、そこでハラスメントが起こるということもあり得るので、「同じ」と付ける必要があるか疑問。
・ この案では、他の定義のように「職場において」といった行為が行われる場所でパワーハラスメントを整理するのではなく、「同じ職場で働く者に対して」という人間関係により整理している。
・ 顧客や取引先からの行為も社会的に問題になってきているので、「同じ職場」と書くと、ここが漏れる可能性がある。企業が解決できる部分ということで言えば、顧客や取引先からの行為について注書きではなく、本文中に書いて、こういうことをやってはいけないということを全ての企業に認識してもらうほうがよいのではないか。
・ これまで議論してきた予防・解決するべき「職場の」パワーハラスメントの範囲を示した上で、この範囲以外にも取引先等から行われるものもある、という構成としてはどうか。

・ なくすべき行為の名称として、「パワーハラスメント」で本当によいのか。これは新語で、裁判でも使われているとしても、新しい言葉をここで使うと、それが新たな概念定義になり、変な誤解をされるおそれがあるので、今回は使わないほうがいいのではないか。また、安易に外来語を使用するべきではなく、誰にとっても分かりやすい言葉を使用するべき。
・ 職場からなくすべき行為を表現した新しい概念を世の中に問う場合に、昔から日本語としてある「いじめ・嫌がらせ」という言葉を用いるか、比較的新しい「パワーハラスメント」という言葉を用いるか、どちらが世の中に浸透しやすいかを考えると後者ではないかと考え、案はパワーハラスメントとした。
・ また、いじめ・嫌がらせという言葉は、学校のいじめなどの印象から、悪意を前提に読み込む方が多いと思われる。辞書でも嫌がらせは悪意を前提とする説明がされていることが多い。
しかし、今回なくすべき行為として取り上げている行為は、悪意が前提とは限らない。その点でも、いじめ・嫌がらせよりパワーハラスメントの方が適当ではないかと考えた。
・ 「パワーハラスメント」という言葉のイメージとして、権力のある上司が部下に強要するようなことを思い浮かべるが、注6に記載しているとおり、同僚間のいじめ・嫌がらせもかなりあると思うので、それも含めた職場の問題を解決するという意味では、注6は大変重要。
・ 上司を過度に萎縮させてはいけない旨の記述が4頁にも6頁にもあるので、まとめて書いた方がよいのではないか。

<2.どのような行為を職場からなくすべきか(2)パワーハラスメントの行為類型>
・ 行為類型5については4とまとめて書くか、もう少し分かりやすくする必要があるのではないか。
・ 行為類型6の「私的なことに過度に立ち入ること」自体に違和感はないが、注8に違和感がある。個人情報保護の観点から私生活上の情報に立ち入らないようになっている現状であるが、人事管理上必要なときに、管理職として当然把握しておくべき情報もあるということではないか(輪島)
・ 行為類型6の注8については、ワーク・ライフ・バランス支援のため、親の介護の必要性があるかどうかということを管理職として多少聞いておかないと支援のしようがないことがあるので、あったほうがよいのではと思ったが、削除しても差し支えない。
・ 行為の継続性や重大性もパワーハラスメントに該当するか否かの判断に含めるべきではないか。

<3.どのようにしたらパワーハラスメントをなくすことができるか(2)パワーハラスメントを予防・解決するために>
・ 行政の役割が重要と書いているが、労使団体と連携することについても盛り込めないか。
・ 経営者がパワーを持っているのだから、その人たちがどう認識するかが重要ではないか。この問題に取り組むことが、結局企業にとってどれだけいいかということをきちんと伝える必要があり、この問題は労使協調してと言うだけでは、いつまでも取組が進まないのではないか。
・ 企業や労働組合の上部団体の役割や企業グループとしての取組についても書くべきではないか。
・ 企業グループの役割については、いま各社悩んでいるところであり、こちらが決めてどうこうということではないのではないか。
・ グループにカバーされていない中小企業がたくさんあるのではないか。
・ 対策を行う組織の役割分担について記述する必要があるのではないか。
・ 予防的取組として、例えば、労使で構成される衛生委員会でメンタルヘルスの背景としてこの問題を取り上げることは可能ではないか。
・ 既存の労使対話の組織で対応することは一つの手であるが、実効性の観点も大切ではないか。既存の機能だけではうまく回っていかないので、もう一つ何かやらないといけないということではないか。
・ 労使対話の組織を新しく設けるのは組合にとってハードルが高い。
・ 既に人事や総務にセクシュアルハラスメントの相談窓口がある場合、その窓口を他のものも受けられるように拡大するという方法もあるのではないか。
・ また行うべきことが増えるのかと企業に受け止められないよう、セクシュアルハラスメント対策など既存の枠組みを活用することについても触れるべきではないか。
・ 外部専門家との連携については、産業カウンセラーなど具体的に記述すると分かりやすくなるのではないか。
・ 産業保健スタッフの関わりについても触れるべきではないか。
・ 外部専門家ではなく、外部リソースとして、労働局やNPOなどを例示してはどうか。
・ 弁護士を追加してはどうか。
・ 幾つか例を挙げていただいたが、労使が取り組むべき例を書いており、労働局はなじまないのではないか。また、社会保険労務士でも相談を行っている例もあるようなので、弁護士など適切に例示をするのも難しいのではないか。
・ 「パワーハラスメントが問題とされなかった時代の行き過ぎた指導方法を当然のものと捉えている者が幹部職員にいると」の部分について、若い人でも行き過ぎた指導方法を当然と捉えている者もいるので、幹部職員のみがそのように捉えているように読める表現振りは改めるべき。
・ 職場のいじめ・パワーハラスメント対策の重要性が理解できない幹部職員がいると取組が進まないという書き方に変更してはどうか。
・ 対応責任者を決めることは重要であるが、文章にしたときに分かりにくくなっている。担当者の機能に応じた名称とするべきではないか。
・ 周知啓発や相談窓口を担う担当者の役割として、研修も含めるとより総合的な担当者というイメージになるのではないか。
・ 「適材適所の人事」という記述については、適材適所であるかどうかということは結果を見ないと判断が難しいので、記述を改めるべき。
・ 注10を本文に書いてはどうか。
・ 人事については、様々な意味の人事異動があり、本人のためを思って、あえて不向きなところに回すこともあるため、言い過ぎであるように感じる。

<4.終わりに>
・ 企業に訴えかけるという観点から、対策に取り組むことでより強い企業ができるということを打ち出してはどうか。
・ いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントの問題は十分に理解されていないが、取組をはじめないと企業経営上も大変であり、働く人も困ってしまうということをまとめて、まず今回挙げた職場のパワーハラスメントは労使で取り組んでいただきたいということを書くといいのではないか。
・ 4.については、どちらかと言えば円卓会議において検討されるべき内容ではないか。
~以上~


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