ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(労働条件分科会) > 第95回労働政策審議会労働条件分科会 議事録




2011年12月5日 第95回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成23年12月5日(月)
17:45〜20:15


○場所

中央合同庁舎5号館19階 専用第23会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、岩村委員、権丈委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、島田委員、新谷委員、?松委員、中島委員、安永委員

【使用者代表委員】

池田委員、伊丹委員、伊藤委員、田中委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員

【事務局】

金子労働基準局長、熊谷審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、青山労働条件政策課調査官

○議題

1 有期労働契約について
2 その他

○議事

○岩村分科会長 それでは、皆様おそろいでございますので、ただいまから第95回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催することにいたします。
 本日は、公益委員の田島委員、村中委員、労働者代表の宮本委員が御欠席ということでございます。また、使用者代表の田中委員は所用により途中退席される御予定ということでございます。
 議事に入ります前に、定足数につきまして事務局から報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○青山調査官 定足数について御報告いたします。
労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、早速議事に入ることにいたします。手元の議事次第にございますように、議題は「有期労働契約について」でございます。
 前回は、論点4に入ったところで時間がちょうど来たということで終了ということになりました。そこで本日は、まず、論点4につきまして事務局から改めて今日、御提出いただいている資料について御説明をいただき、その後、議論に入るということにいたしたいと思います。
 それでは、まず、説明をお願いいたします。
○青山調査官 御説明いたします。
 資料1をごらんください。これは前回の分科会の配付資料と同じものでございますが、改めて御説明いたします。
 これは論点4、期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消についての議論の参考資料です。表の方に「期間の定めの有無にかかわらず均等に取り扱うべき処遇の種類として、何を想定するか」ということで、処遇の例を(1)〜(4)まで並べております。これは職務関連給付か否かなどの点で性格に違いあることを踏まえまして、種類を分けて掲げた例でございます。順に御説明します。
 裏側に各手当や給付の実態がございますので、裏を主にごらんいただきながらお聞きいただければと思います。
 1つ目が「通勤手当など」です。通勤手当につきまして、事業所の支給割合を見ますと、有期に対しても正社員に対しても8割強で支給しているということで、これから下で見ていくほかの処遇と比べれば、支給の有無についての差は少ないかと思いますけれども、この調査は支給しているか否かということでございます。これ以上の具体の内容まで調べたものではございませんので、御議論はあるかと思います。
 2つ目は「教育訓練など」でございます。裏の実態を見ていただきますと、データを見ますと、上から3つ目の「正社員と比較して少ないが、業務に必要な教育訓練機会は正社員とほぼ同じ」が1番、26%。その次が上の「全般的に正社員とほぼ同じ教育訓練が与えられている」が25.3%。次が3つ下の「教育訓練機会はほとんどない」、その次が「全般的に教育訓練機会は正社員と比べて少ない」という順になっております。
 これは訓練の動機とか目的などにより、さまざまな実態があるようでございますので、このような区分けもしながらの御議論があるかと思います。
 (3)が「退職金」と掲げております。これはデータを見ていただきますとわかりますとおり、退職金がある事業所割合で見ますと「有期に退職金がある」が11.4%、「正社員に退職金がある」のが82.8%ということで差はあるということでございます。
 具体的な給付の水準でございますが、裏の3の?にありますけれども、水準を聞いております。聞き方が正社員と比較してということなのですけれども、詳細を申し上げますと、比較する正社員は人事管理方針や職務内容、とりわけ責任の程度が最も似通った者、一般職の正社員などを例にとりまして、その平均的な者と同じ勤続年数で退職した場合の平均との比較をしてくださいというふうに聞いております。
 その結果、?にありますとおり「2割未満」が29.6%、「同額程度」が19%、「2割以上4割未満」が17.4%、「4割以上6割未満」が12.6%となっております。
 その次(4)が「職務(業務と責任)等に密接に関連する処遇(基本給など)」と掲げましたが、データの方は裏ですけれども、基本給の水準のデータを挙げました。これも比較する正社員は先ほど申しましたのと同じ人事管理方針や職務内容、とりわけ責任程度が最も似通った者と比較してくださいと言って聞いたものでございまして、結果を見ますと「6割以上8割未満」が30.4%、「8割以上10割未満」が23%、「4割以上6割未満」が14.5%、「同額程度」が13.2%等々の状況になっております。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、今日の参考ということで付いているペーパーの4番目ですが、「期間の定め」を理由とする不合理な処遇の解消ということにつきまして、皆様から御意見などをいただきたいと思います。
 工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 ありがとうございます。
 この4項の「期間の定め」を理由とする不合理な処遇の解消ですが、合理的な理由がない不利益取扱いの禁止の条文化に当たっては原則的な考え方を示す規定とすべきであると考えておりまして、余り精緻な要件は規定すべきではないと考えております。
 例えばパートタイム労働法の第8条、短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止でありますとか、第9条の賃金に関してですが、要件が精緻に設計されております。しかし、実態として職場の賃金制度や福利厚生、教育制度などはさまざまだと考えておりまして、合理的な理由がない差別的取扱いを解消していくという取組みをすすめていくのは個々の職場の労使でなければ基本的に難しいのではなかろうかなと考えております。
 したがいまして、合理的な理由のない不利益取扱い禁止の条文化に当たりましては、精緻な要件というのは難しいのではなかろうかということで、原則的な考え方を示すような規定とすべきと考えております。また、その立証責任は使用者側で行うべきだろうと考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかには、いかがでございましょうか。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 私どもの例をひいて話をしたいと思います。
通勤手当は2km以上ということで、これは正社員と実は長時間のパートタイマーに適用していまして、短時間のパートタイマーは実は適用していません。ですから、1週20時間前後のグループには基本的には通勤手当は払っていないのですが、ただ、結果的に採用条件、労働市場、受給関係の中で地域に応じて、対応をしているというのが実情でございます。
 ですから、実際に今、1週で10時間契約の方が私どもには400人いて、1週間で12時間契約が1,000人いるのですが、その方々に関しては、基本的には地方であればお支払いしていないということです。実際にふだん買い物に行かれるような距離でお勤めに来ていただいているような、あるいはお子さんを保育園に送って帰りにちょっと寄られるとか、そういった形態が結構あります。ですので、一律的な対応というのは大変難しいという感想を持っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 工藤委員に御質問ですけれども、精緻な規定をするべきでない、原則的なものにするべきだという御主張はわからないわけではないのですけれども、しかし、不利益な取扱いについて原則的な規定のみで対応できるのかどうかということになると、かなり難しいのではないかと思っているのですが、その点について精緻な規定をすべきでないというのは、そうしたらどうやったら不利益に当たるのか、当たらないのかということを証明するのかということについての具体的なイメージがわかないので、その点について教えていただきたいということ。
 2つ目は、立証責任についてはよく御指摘が労働側の委員からあるのですけれども、その点についてもどう考えるべきなのかというのは公益の委員の先生から整理について御教示をいただきたいと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 職場の要は労使関係であって、職場のさまざまな制度については、労使でないとわからないという思いが非常に強くあります。各企業で行っていることはおそらくさまざまでしょうし、先ほど伊藤委員から言われた通勤交通費を出すか出さないかの判断基準も相当ばらつきがあると思います。
 だから、これは画一的な取扱いにはなじまない部分もあろうかと思いますので、ここは一つひとつ個々の職場の労使関係の中で見ていくのが筋であり、基本だろうという思いであります。
 以上です。
○岩村分科会長 安永委員、どうぞ。
○安永委員 基本的には、先ほど私どもから申し上げたように、何が合理的理由となるのか、何が不利益取扱いとなるのかというのは、司法の判断によるべきだと思います。ただ、御心配のように判例法理の形成までには時間がかかって、何を基に判断をすればいいのかというところは悩まれることもあろうかと思いますので、そういった意味では労使が拠り所となるようなことについて話し合って例えばガイドラインを示すとか、それが難しいのであれば、厚労省の方から労使の意見をくみ取っていただいて、何らかのものを出すとか、そういった営みはできないものかと思います。
 職務内容の違いとか責任の違い、成果の違い、職務遂行能力の違いなどで合理的な理由となり得るということもあるだろうと思っておりますし、例えばそれらが違っても共通的に扱うべきだということもあろうかと思っていますので、それらについて労使で積み上げて、何らかの形で出すといったことなどができるかどうかというところも、私も法律上よくわからないところがありますので、そこら辺を御教示いただけたらと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今の点、何か事務局の方でお考えはありますでしょうか。
○田中労働条件政策課長 今、安永委員なり工藤委員からガイドラインとか労使でという話になりましたけれども、自主的労使でという枠組みでありますと、勿論、いろいろ可能性があるなとは思うのですが、従前から申し上げていますように労働契約法の中で一定の義務規定を現実的な効力のあるものとして作るという前提になりますと、いろいろ問題もあり、ガイドラインとの関係等々を整理しながら考えていかないといけない。ガイドライン自体がどのような法的な性質あるいは考え方の下に成り立つのかというところも議論があるのではないかと思っております。
○岩村分科会長 山川委員、どうぞ。
○山川委員 先ほどのお尋ねで、御質問の趣旨にもよりますけれども、ごく基本的に言えば、立証責任は裁判等が中心ですが、裁判でなくても同じような考えは妥当し得ると考えます。要するに、ある事実が存否不明なときにどうするか。立証責任を負うというのは事実が存否不明なときに不利益を受けるということになります。したがって、どちらかに証明がつく場合には立証責任の問題として解決する必要はないということになります。
 したがって、この参考ということですけれども、期間の定めのみを理由とする不合理な処遇を禁止するという場合に、不合理であるということについて、裁判でしたら原告側が立証責任を負うとするか、具体的には、不合理であるということを根拠づける具体的な事実、具体的に何が不合理であるかどうかということが問題になってくるわけです。そのように不合理であることについて立証責任を負うか、あるいは、合理的な理由がある場合には別であるという、ただし書きみたいな表現ぶりだとすると、合理的な理由があることを根拠づける事実を言わば被申立人というか、被告に立つ方で主張、立証、特に立証する責任を負う。基本的な整理はそんなところです。
 要は、事実の存否が不明の場合の取扱い、それは具体的な事実について問題になる、そんな感じかと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今ほど、輪島委員から私どもの提案しております一般的、大綱的な規定に関して御懸念が示されたわけでありますけれども、この分野ではたしか韓国が2007年から期間制労働者保護法が施行されているとお聞きしておりますし、その中には私どもが考えているような大綱的、一般的な規定がたしか規定されていたのではないかと思います。その辺のところで先行している韓国の事例に対して、どういう条文になっていて、それがどういう評価がされているのか、もしおわかりになれば教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 事務局の方で何か情報をお持ちですか。
○青山調査官 探しますので、ちょっとお待ちください。
○岩村分科会長 すぐに見つからないようでしたら、後ほどということでよろしいでしょうか。
 それでは、ほかにいかがでございましょうか。
 では、事務局、お願いします。
○青山調査官 以前、有期研で発表くださった専門家の方のつくられた資料から御紹介しますけれども、韓国の期間制及び短時間労働者の保護等に関する法律の第8条で差別的取扱いの禁止として、使用者は期間制労働者または短時間労働者であることを理由に当該事業または事業場で同種または類似業務に従事している期間の定めのない労働契約を締結した労働者に比べて差別的処遇をしてはならないという規定だということでございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 このような条文、法律をつくって、それを施行してその効果なりが社会的にどのような影響を与えるのかというのは、社会的実験としてはなかなか難しいと思っております。ただ、韓国と日本の労働慣行は日本とヨーロッパとの違いに比べてかなり近いと思います。
 そういった意味では、韓国がこのような有期労働契約に対する規制のルールを導入しているということでありますので、これらも今後の論議の中で参考にしていくべきではないかと考えております。
 以上であります。
○岩村分科会長 それでは、お待たせいたしました。池田委員、どうぞ。
○池田委員 基本的に労務担当者の皆さんは、不合理なものが具体的に何なのかということを明確でないと、非常に管理上は混乱を招くことは事実だと思うのです。ですから、それぞれについて、通勤手当は実情に即して払っているでしょうし、教育訓練においても業務内容とか責任等で、それぞれ労務管理担当の皆様が合理的だと思ってやっていらっしゃることが多い。それが相手にとっては不合理になるかもしれませんが。
 やはりどういうことが本当に具体的に不合理なのか、合理的なのかということが列挙されていないと、予め想定して対応できないわけでありまして、ですから、その辺の規制の強化をすること自体が不合理なのではないかと私は思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 教育訓練の件ですけれども、労働側が言う教育訓練というのはどういうものを想定しているのかということを教えていただきたい。
業務遂行上必要なものと福利厚生的なもの、キャリア形成的なものとか、さまざまなものがあると思います。いわゆる正社員に対するものということになれば、例えば新入社員の段階だとか管理職になった段階とか、さらなるシニアな管理職になったときとか、そういうところでの必要な人材育成というものと目先の業務遂行というものついては、教育訓練という言葉で一言に言ってもおのずと違いがあると思いますので、不利的な取扱いに当たる教育訓練というものがどういうものなのかということを、まず教えていただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 労側はいかがでございましょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど来、申し上げておりますように、期間の定めの有無を理由とした合理的な理由のない不利益取扱いは禁止するべきであるというのは、私どものずっと一貫した主張であります。
 そのときに今、輪島委員からも御指摘がありましたように、例えば教育訓練についてはどう考えるのかとか、職務の違いについてはどう考えるのか、あるいは成果とか業績の違いをどう評価するのか等々の合理性の理由については、工藤委員、安永委員が申し上げておりますように、現場を一番よく知っているのは労使でありますので、労使でその辺の基準を策定していってはどうかと考えています。
 もしそれが中央レベルでの労使ということで、例えば厚生労働省と一緒にこの三者構成の審議会の中でつくれるのではあれば、それが一番望ましいと思いますし、それが司法判断の際の参考となれば、これは非常にいいと私どもは思っておりますので、その辺の扱いについては一緒に考えていったらどうかと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 教育訓練についてですけれども、まず、中小企業でも当然、業務に必要なことはやっているわけですが、今、労使で協議してということをおっしゃいましたけれども、中小企業自体、労働組合があるのは極めて少ないわけでございます。カウンターパートとして、どういったところと協議をするかということを考えた場合に非常に難しいということを考えると、そこを一般的な規定にしておいて労使の定めの協議に任せたのでは、カウンターパートがしっかりしているところはいいのでしょうけれども、中小企業の現場だとかなり混乱を来してしまうということがあるのではないかということがとても心配がされるところであります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 多分、今の御議論をお聞きしていると、要するに、何が不合理的な取扱いなのかということについての労使双方ともに何となく共通して認識があるのは、いずれにしろ中身がそれほどそう簡単に明確に決まるものではないというところであって、そして、使側とすれば、勿論、業務運営上、不合理なものとされると非常に困るので、できるだけあらかじめ予見可能性を持っておきたいという御要望がある。
 他方、労側としては、そこは個々の企業の実情によるので、それに応じる形で考える。とりわけ今、三浦委員の御指摘のあったような中小企業のケースなどを考えると、先ほど安永委員がおっしゃったように、場合によっては中央の労使で何かガイドラインなり指針といったものを考えてはどうか、そういうのが労側のお考えかと思って伺っていました。
 ただ、法制上、契約法の枠の中でそれができるかというのは、先ほど事務局がお答えになったように別途検討を要することなのかなというのが今のところの議論の言わば状況かな、労使双方のお話を伺っていると、そういう状況なのかなとは思います。
 その上で論点4について更に御意見等がありましたら、お願いしたいと思います。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 論点4のポイントになるのは、期間の定めのみを理由としたというところだと思うのですが、期間の定めゆえに、例えば責任の所在が違うとか転勤の有無が異なる、職務設計が異なる。期間の定めというものだけを切り出すということは、現実的には余り考えられないのではないかなと思います。
 期間の定めというものが1つの要件になって、いろいろな要素が異なってくるゆえにさまざまな処遇あるいは退職金等々、退職金は少し前払い的に考え方ときに、そういった要素への判断が変わってきているというのが現実だと思います。ここに書かれている期間の定めのみを要件としたというお考えを、例えば労働契約法等々で盛り込まれるというのは、現実論に落としていくのに非常に困難ではないかなという意見を持っています。それが1つ。
 もう一つ、教育訓練については難しいところなのですが、業務上必要な教育訓練は、多分この分析にあらわれた中でも実施されている方にかなり含まれていて、実施されていない方に含まれているのがキャリアであったり、あるいはもう少し自己啓発的なものであったりするかと思うのですけれども、ここは正社員でも余り受けたくない人は結構います。ただ、受けたくないけれども会社から言われて教育訓練を、結構たくさんやっている会社もありますから、受ける。
 一方で、今、議論させていただいている期間の定めのある方たちは、むしろ家庭との両立等を考えたときに、自己選択性がある形が本当は一番望ましいのであって、排除でなければいいのだろうなと思うのです。
 前回の委員会でも申し上げましたけれども、私は、期間の定めのある形で働いている人たちの意思みたいなものが必ずあると思うので、その意思が反映される法律があればいいのですが、ここが非常に難しい切り口なので、1つの選択肢としてこういう働き方が尊重される道は残されるべきではないかなと思っています。教育訓練のところもそれを踏まえての意見を今、申し上げました。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 退職金のことについて労働側の委員はどのようにお考えなのかの御意見をいただきたいと思います。
○岩村分科会長 退職金についてはどうかというお尋ねでございますが、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 私どもとしては、この均等をめぐる論議としては、等しきものは等しくというのが大原則と考えておりまして、その等しさを測るときに何をもって測るかというところで、その合理性の基準をどうするのかということが重要であると思っております。
 退職金というのは賃金の後払いなのか、退職金の性格づけにも関わってくると思うのですけれども、それは等しいものは等しくという原則の中からどういう基準で算定して支払うのかということと密接に関連いたしますので、企業労使の中で今後、ガイドライン的なものをつくり上げていったらどうかと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、池田委員、どうぞ。
○池田委員 退職金の問題は、やはり特に注意したいのは、会社側が短期の人に払うのと長期の人とは退職金の考え方が違うのは当然であって、有期労働契約者は職務給に対して払う、正社員は仕事の責任に対する、勤続年数とかそれに応じて当然、責任も出てくるわけです。それから、業務遂行能力、管理能力も出てくるわけですから、当然、その査定の基準が違って当たり前なので、それを1つのものにすること自体が企業側にとってはものすごく負担になるでしょうし、雇用そのものを控える根拠になってくるのではないかと思います。退職金は、基本的に最初から根本の考え方を直さないと、なかなか不利益の取扱いの対象としては難しいような気がいたします。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 基本給についても同じような考え方ということで、よろしいのですか。4番について。
○岩村分科会長 労側のお考えですか。
 では、新谷委員、お願いします。
○新谷委員 先ほど来、申し上げているとおりでありまして、合理性の基準について、それは基本給についても同じ考え方でございます。ただ、池田委員から御発言があった格差があって当たり前というところも本当にそうなのかというところは一緒に考えたいのです。
 例えば、有期の方でも正社員以上に支払われているケースがあります。例えば、正社員だと3年過ぎないと退職金は支給しないとかいう規定に対して、有期の方については3年経てば退職慰労金みたいなものをお支払いになっているところもあるわけです。ですから、支払われている賃金なり退職金の性格が一体どういうものなのか、それはどういう基準でお支払いになられているのか、合理性があるのかないのかということについてのガイドラインをつくる際に労使で十分話をさせていただいたらどうかと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 よろしゅうございましょうか。
 では、伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 今、基本給の話に言及されたので申し上げたいのですが、新谷委員なり労働側の皆さんが言わんとすることの意味はわからないでもないのですけれども、これを法律で規定するときに、先ほど池田委員もおっしゃっていましたが、期間の定めのある契約の方と定めのない方では、現実に賃金の体系が違っているということをどう乗り越えていくのかが大きな議論になるわけです。その場合往々にして同一労働同一賃金という職務価値的な考え方で考える人もいらっしゃることは承知しています。
 しかし、現在、7割ぐらいの企業は職能資格制度を持っていると聞いています。こうした中でどのように均等や均衡をどう判断していくのかというのは、法的な規制ができたとしても相当程度難しい課題になっていくのだろうと思います。
 もちろん先ほど工藤委員がおっしゃったように、企業労使としてその企業を発展させよう、自分たちの雇用の安定、あるいは処遇の改善を図っていこうとしたときに、だれが見てもおかしい差を容認するというのは企業経営にとっても好ましくないということは事実ですので、単純に契約の仕方が違うから差はあっていいのだというのも乱暴だと思います。
 しかし、現実的に60歳以上まで長期に雇用させようとする今の日本で職能資格的な賃金体系をすぐに職務主義的な賃金体系に移行できると私は思っていませんので、技術的には相当難しい問題があるということを十分に考えてこの議論をしていかないといけないと思います。
 したがって、均等、均衡を目指すことはいいのですけれども、そのことで単純な幻想を抱かせるような議論になると、相当問題が生じてくるのではないかと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 日本の賃金の体系が職能給を中心としているというのは、私どもも十分認識をしております。ですから、合理性の判断というのは対象となる労働条件によっても違うと思うのです。おっしゃるように基本的な賃金であるとか退職金は、それぞれ職務なり在職中の成果に基づいて支払うとか、その基準が職務にくっ付いて支払われる体系ですが、そうではない体系もあると思うのです。
 例えば、先ほど伊藤委員がおっしゃったような通勤費のようなもの、これは職務と基本的には関係ありませんので、ここに期間の定めの違いによって、先ほどの例ですと、労働時間の短時間ということでありましたけれども、仮にそれが契約期間の長短なり有無によって差別というか区別がつけられているというのであれば、それはまた違う考え方ができると思うのです。
 単に職務の価値ということで、あるいは同一労働同一賃金だということであれば、対象となる射程がかなり変わってくると思うのです。ですから、それぞれの労働条件の持っている性格によってその合理性の判断は変わってくると思います。それに関しては十分に労使で話をさせていただいたらどうかと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
論点4について、ほかにございますか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、論点4につきましては以上とさせていただきまして、次に参考のペーパーにあります論点5の「その他必要な手続的ルールの明確化」について議論を少しさせていただきたいと思います。
この論点につきましても参考資料を事務局でつくっていただいておりますので、まず、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○青山調査官 参考1をまず見ていただきますと、論点5の内容ですけれども、「労働契約の期間の設定及び変更については、労使の個別合意によるべきことを明確化するとともに、契約更新の判断基準を労働契約の内容として明確化するよう使用者に求めることについて、どのように考えるか」という論点でございました。
 これについて資料No.2で説明資料を用意しておりますので、御説明いたします。今、読み上げましたととおり、論点5は2つの内容に前段、後段で分かれておりますので、1つずつ御説明いたします。
 1つ目が前段にありました、契約期間の設定及び変更でございます。この趣旨は、契約期間の定めというものは雇用関係の終了に関わる重要な労働条件でありますので、労働者の個別事情を踏まえる必要性が特に高いということで、新たに期間の定めを設定する、すなわち有期労働契約とするということをしたり、期間の長さを変更したりということについては、長期雇用を前提として労働条件の変更の柔軟性の観点から認められている就業規則の変更法理によるのではなく、個別の労使の合意によらなければ行えないということを明確化することについて、どう考えるかという趣旨でございます。
 参考で東武スポーツ事件とありまして、裏にこの裁判の判決の概要を載せておりますけれども、以前も御紹介したことがあるので、簡単に申し上げますと、もともと無期契約であったゴルフ場のキャディ職について雇用期間を1年とする有期にしたり、賃金を変更するといった変更をしようとした事例でございます。
 これは、事業主より口頭で説明がされたり、その後、就業規則の改定がされたのですが、個別の合意もされたと認めがたいという判断とともに、裁判所は就業規則変更の合理性自体も判断しております。というのは、今、就業規則の変更については合理性をもって効力を判断するという法理があるということでございますので、判決の抜粋の下線部を中心に見ていただきますと、雇用契約の期間の定めがあるということは相当程度不利な内容の変更であるということを言った上で、就業規則の合理性を判断するという判決となっていまして、ここでは「十分な検討資料と検討時間を与える必要がある」とかとありますけれども、そうした不利益性とかきちんと協議したか等々の就業規則の合理性の判断がなされまして、結果的に問題があったということで就業規則の変更の合理性も認めなかったという事案でございます。
 現在は、このような合意の有無のみならず、就業規則の変更自体も判断されておりますけれども、今回の論点5は個別の合意が必要であるということを明確化するものでございます。
 2番の更新の判断基準の明示でございます。更新の判断基準は、現行、大臣告示で使用者に明示を求めてはいますけれども、それが労働契約の内容として定まることは、予測可能性と納得性を高めるために重要と考えられます。
 このため、労働契約で内容を定めるという趣旨でございますので、その基準につきましては労基法15条の明示義務がある労働条件に含まれるとともに、書面の交付により明示するよう求めることについてどう考えるかという趣旨でございますので、御説明までさせていただきました。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、この論点5につきまして御意見あるいは御質問などを伺いたいと思います。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 質問ということでお願いをしたいのですが、実は私どもは時間契約者が頭数2万人を超えるのです。それを以前1年契約で同じ時期に更新をするということをやっておりまして、その中で非常に一人ひとりに時間を取れないという問題が出てまいりました。契約時間の長短によって短い方々を半年に変更しております。始期をずらして契約期間の時期をずらしたということがありまして、これは当然、労組の意見をつけて就業規則変更の届け出をするわけなのですが、そういった変更も問題になってくるのか、できないのか。お伺いしたいと思います。
○岩村分科会長 それでは、事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 おそらく今おっしゃったのは、契約更新の際に、1年だったものを更新の時期が来たときに半年に次はしてくださいと順々に変えていったということではないかと受け止めました。
 恐らく契約更新については、更新後の契約期間を含めて更新の際に個別に労使の合意が行われているはずだと思います。そういう労働条件を一律に提示するという会社の態度は当然あるとしても、実際の更新のときには個々に労働者と合意をしているはずだと考えています。
 したがって、今回の措置はそういうものではなくて、例えば契約期間の途中で個別合意なしに契約期間を変えるような場合、あるいは無期だったものを個別同意なしに有期に変えてしまうような場合、また更に雇止めしてしまうような、こういった場合を問題としておりますので、御指摘のような更新のときの契約期間をある程度一律的に変えて個別合意を求めていく、こういった運用について特に何か問題視してそれを規制しようというものではございません。
○岩村分科会長 よろしゅうございましょうか。
 ほかにいかがでございましょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今回の提案については、東武スポーツ事件ということで事案の紹介がございましたけれども、これに類似の事案というのは私どもも幾つか聞いてございます。東武スポーツ事件は、労働者全員を丸ごと無期から有期に変更してしまったという事案であったわけでございます。労働契約法の第3条、労使対等の立場において、合意に基づいて労働契約は締結するのだという原則から考えれば、今回提案されております内容については是非、契約のルールとして明確化をするべきであると考えるところでございます。
 それと更新の判断基準の明示についても提案をいただいているわけでありますけれども、これについても基本的に賛成をしたいと思っております。
この論議が始まった際に、有期労働契約の問題には雇止めの恐怖というものがあって、それによって労働者の正当な権利の行使が阻害される事例というお話を申し上げたところです。雇止めが怖くて年次有給休暇の申請ができないとか、産休、育休の取得をためらうとかいうことを申し上げたと思います。
 今回の更新の判断基準は、きちんと法律に基づいて明示をされるということであれば、こういった問題に対する防止策につながるものだと思いますので、これについては是非、この方向で検討を進めるべきではないかと考えております。
 以上であります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 今の年休とか育休が取れないというのは確かに問題だと思います。ただ、それというのは本件で処理をするのではなくて現状の法的枠組みの中で労働者保護の対応ができるようにはなっているのではないでしょうか。事務局でおわかりになるのであれば、教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、お願いします。
○田中労働条件政策課長 それぞれ法定の育休の請求あるいは年休の請求に関して、請求したからといって不利益取扱いをしてはならないという規制は別途存在をしております。
 労働側の御指摘の問題は、そういう法的権利自体が、有期労働契約が自動的に終了するという事実によって主張がしにくくなっているのではないかという視点が入っていると理解をしております。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 なので、そういう点について、不合理、不適正な利用という観点で課題があるとすれば、論点を絞って議論するということは何度も使用者側としては申し上げていたとおりであります。このような点を今後、議論を深めたいと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかに論点5、いかがでございましょうか。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 更新の有無あるいは判断基準、これは明示しているかというアンケートがございましたけれども、前回の調査よりも非常に増加をしているというのが実情だと思います。これは、パートタイムの労働指針等の労働条件の通知書でも記載例ということでパンフレットに載っていることなどの表れではないかなということも思います。
 従って、現状の枠の中で指導を徹底していくということでも十分、改善傾向にある中でそれを加速させるということでも十分足り得るような気がいたします。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員 この問題は大臣告示として、締結、更新、雇止めというルールが定められていると聞いておりますので、労使双方は本当にこれが定着しているものと考えております。これを法制化された場合には、まず企業は紛争を恐れるわけでありますから、契約を更新しないことを前提とした有期労働契約が増える可能性は十分にあります。雇用の不安定化を招くのではないかということで、このルールの法制化に反対するものであります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは、論点5につきましては、この辺とさせていただきたいと思います。
 引き続きまして、前回の分科会で労使双方から追加で論点が提示されております。これにつきまして各側から、それぞれ追加する論点の御趣旨を御説明いただいて、その後に御意見あるいは御質問などをいただきたいと思います。
 それでは、今日の資料では資料No.3ということで出させていただいております。そこに書かれている順序で恐縮ですが、労側の方からまずお願いをできればと思います。よろしくお願いをいたします。
○新谷委員 では、御指名でございますので、私の方から趣旨を改めて申し上げたいと思っております。
 最初の「雇止め予告」の制度化でございます。これについては、現行の大臣告示の中に規定をされておりまして、あらかじめ更新しないことが明示されているものを除いて、3回以上更新し、または雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務をしている場合について30日前までに雇止めを予告しなければならないというものでございます。
 平成23年の有期労働契約の実態調査においても、雇止めをめぐるトラブルに関して、雇止めの予告がなかった、あるいは遅かったという点が指摘をされております。更新を繰り返して働いているのに突然、予告もなく契約が終了するということについては労働者にとっては大変重要な、深刻な問題であると考えているところでございます。
 この大臣告示に規定されております、30日前の雇止め予告について対象を広げて、更に予告のなかった場合に手当の制度化を図るということについて是非、検討するべきであるということを私どもとしては考えたいと思っております。
 2つ目の、有期を理由とすることの理由の明示であります。これについては、2003年に労働基準法の改正論議がされた際に衆参両院の附帯決議において、適切な措置並びに特段の配慮を行うべき事項として追記をされた内容でございます。
 これも先ほどの実態調査の中にさまざまな問題が指摘されているわけでございまして、トラブルの回避という面から、有期であることの理由をきちんと明示していただいて、不合理、不適正な利用の回避を図るということから、是非、大臣告示の中にこの部分を追加して使用者に義務づけをするということを検討いただけないかということでございます。
 以上であります。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、引き続いて使用者側の方からお願いをいたします。
○輪島委員 前回、「多様な正社員」のことについて総論的に申し上げましたが、再度申し上げておきたいと思います。基本的に今の有期労働についてどう課題を整理していくのか、政策的にどういう方向に持っていくのかということになりますと、全体的な状況からすれば、固定化であるとか二極化であるとか、そういうものを労働政策ないし労働法制で適切な方に誘導していくということが重要ではないかと思っているところでございます。
 そういう意味で、労働側の委員は無期化、無期原則を御主張されているわけですけれども、その中で言えば、いわゆる正社員になるということが1つの方向性であろうと思います。正社員への道ということであれば、例えば今、企業で正社員を募集している会社がたくさんあるわけですから、現状の有期で働いているところから、そういう正社員の求人をしている企業へ転換をしていく。そこで必要であれば、求職者支援制度やさまざまな社会資源を使って他社で正社員になっていく手段が必要だろう。
 もう一方で、雇用管理区分ということについては更に研究が必要だと思いますし、現状でも法制度的には特に制約がないわけですけれども、多様な正社員というアイデアは雇用政策研究会の報告書にもありますし、この審議会の前段であります有期研でも御指摘があるわけであります。また、連合総研の方でもその重要性について御指摘をしている報告書もあるわけであります。
 なので、そういう観点に立って、いわゆる多様な正社員という呼ばれ方をしておりますけれども、俗に言う職種限定だとか地域限定であるとか、ある一定程度の、現在の正社員の労働契約に加えて、いわゆる特約のイメージなのかもしれませんが、そういう契約によって長く働いていく、正社員として働いていくという仕組みが工夫の余地があるのではないかと思っているところでございます。
 それから第2点目、労働基準法14条の1回の契約期間の上限でございますけれども、これにつきましても現在の枠組みでは、これも本審議会で申し上げましたとおり、労働契約期間につきましては短くしてはいけません、また、長くしてはいけませんという法律になっているわけでありますので、有期であれば、その期間については非常に強い雇用保障があるわけでありまして、先ほどの多様な正社員というところの長く働いていくという仕組みに政策的に誘導していくということであれば、1回の契約期間の上限を現状の3年、5年という原則から延ばしていくという必要があるのではないかと思っているところでございます。
 また、前々回、労働基準法の改正でなされました附則の137条の点についても、いわゆる人身拘束という観点の弊害がもしないということであれば、片面的な取扱いということについては改正の検討余地があるのではないかと思っているところでございます。
 ついでながらですけれども、今の資料No.3の前のページの参考条文、労働基準法14条のところに「契約期間等」という表現がありまして、実はある大手の人事を担当している方とお話をして、勿論、この14条の趣旨を十分わかっての御発言ですけれども、しかしながら言われたのは、14条をよく読むと、「期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える期間について締結してはならない」と書いてあって、どこにも1回の上限だとは書いていない。本当にそれはそう読むのかと御指摘を受けたことがあります。一般の人が労基法第14条の条文を読んで、1回の上限なのかどうかということについてだれでもわかる条文になっているのかというと、実はなっていないのではないかと思います。
 ですから、ここでも括弧もたくさん付いているので「(1回の上限に限り)」とか補足的なものを入れていただかないと、有期研でも誤解という御指摘を受けたわけですけれども、誤解のないような条文の整理ということも一方で必要なのではないかと思っているところです。
 最後の点は、この間申し上げなかった点で追加的で申し訳なかったのですが、そういうふうに考えているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、今、それぞれ労側、使側から追加の論点について御説明いただきましたので、各論点について御意見あるいは御質問などをいただきたいと思います。
 まず、労側からお示しいただきました1番目「雇止め予告」の制度化については、いかがでございましょうか。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 前回の平成23年のアンケートでございますが、雇止めの経験のある方が2割、その2割の中でトラブルの経験がある方が2割ということであったかと私は認識をしております。ですから、今の大臣告示及び解雇に関する法理の類推というのは結構機能しているのではないかと認識をしております。
 使用者側もそういった法律、告示を遵守して対応しているという認識をしておるのですが、いかがでしょうか。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 島田委員、どうぞ。
○島田委員 多分、使用者側、経営側の方はそれを認識されて対応されていることは間違いないと思います。ただし、何割かでもまだトラブルがあるのも事実で、それが訴訟になっていくのも事実です。
 要するに、制度化しないがためにそれが100%にならないわけです。大臣告示だから今、80%で経営側の方は止まっているという話ですから、その20%をなくそうとする努力は制度化するしかないというのが労働側の考えで、経営側がそれをやっていないではなくて、大臣告示だからサボっているのではなくて、そういうものを周知し切れなかったりとか知らなかったりという方がいらっしゃるのだったら、制度化してしまえば、それは経営側としては知らざるを得ないし、それに対応するという意味で労働側は言っているわけです。そう感じ取っていただければ、ありがたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 今の問題ですけれども、制度化すれば100%になるというのは、実態から見ると、必ずしも100%になるとは限らないと思います。制度化されても、それを具体的に現場でしていくという努力がなければ100%に近付くことはないわけで、今、まさに大臣告示の下で現場で努力をして引き上げてきたということがあるということを是非、理解していただきたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 予告手当については少し危ないところがあるように思います。というのは、心理として予告手当は、今、正社員にありますけれども、お金を払えば逆に雇止めできるというとらえ方をかえって想起する懸念があるのではないか。
 この雇止めのところは、非常に今、ナーバスな問題であり慎重に扱わなければいけない問題であるということを使用者側も理解をして、いろいろな行政の御指導もいただきながら対応をして、今、8割、ほかの委員がおっしゃっていたところまで来ているのですが、ここに逆に手当が制度化されると、手当を払えばいいではないかということが出てくるのではないか。今の現状を一つひとつ、きちんといろいろな御指導をいただきながら改善をしていく方が現実的ではないかなと私自身は感じております。
 手当の制度化には余り積極的に、これを進めたら100%になるでしょうとは逆に思わないという趣旨でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員 この問題は大企業も大変だと思いますけれども、中小企業、零細企業、特に小規模な事業者にとりましては、現実的には今の法律でも守っていくのが大変な事業者がたくさんあると思います。雇止めの予告については、従来でも大臣告示で決められているところに一生懸命、定着しているわけですから、これ以上書き換える必要もないということであると思います。
 特に商工会議所でも小規模事業者のアンケートをとりましたところ、雇止め時に特別な手当を支給するということは困難という企業は70%以上出ておりますから、経済的に困難だということが小規模事業者では現実問題としてアンケート上に出ておりますので、こういうことが導入されると、本当に規制強化には反対だという事業者がたくさん出てくると思います。経済的合理性からしても、とても無理という現実の問題が出ていると思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 私どもとしては、そんなに難しいことを申し上げているつもりはないと思うのです。30日より前に予告をしてほしい、予告しないのであれば手当を払うということが第一義的に申し上げている内容であります。企業の経営も人員計画もそんなに急に人を採ったり切ったりということではなくて、計画的に要員の管理をされているはずでありますから、この有期契約が何日前に終了するということをあらかじめおっしゃっていただきたいということを第一義的に申し上げているわけです。
 田中委員からこれが金銭解決的に使われるのではないかという危惧をおっしゃっていただいたのですけれども、例えば労働基準法20条の解雇予告手当、あれがあるからといって解雇がばんばんできるかというと、そういうことでもありませんし、雇止めについては雇止め法理というのがきちんとありますので、予告なり手当というものを制度化すれば、それが雇止めをしやすくする、それを助長するということにはならないのではないかと思います。
 私どもとしては、あらかじめ、きちんと予告してくださいということを是非、お願いしたいところであります。
○岩村分科会長 大体、1番目については議論が出尽くしたのかなと思いますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、次に労側から追加していただきました2番目で、有期労働契約を締結する理由の明示を締結時に行わせるということについては、いかがでございましょうか。御意見あるいは御質問などがあればと思います。
 では、伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 2番目の労側の問題提起に関してなのですが、わからないところがあります。それは前から議論されてきた論点1との関係なのですけれども、あくまでも有期労働契約を締結することの理由を明示させるということは1の締結事由規制の問題とセットで考えないと理解されないのではないか。逆に言いますと、論点5の議論を前回から議論して、労側の皆さんが随分主張されていましたけれども、そのことは論点1とセットで議論されているのかお聞きしたいと思います。
 その件について言えば、さんざん議論し非常に難しいということが明らかですので、基本的には論点5を単独でも論点1とセットでも導入するということは、法制化することと同じ意味になるので非常に難しいのではないか、反対の立場で意見を申し上げたいと思います。
○岩村分科会長 ほかに。
 今、労側に御質問だったと思うのですが、いかがでございましょうか。
○新谷委員 論点1の入口規制、要するに、有期労働契約を締結するに際して合理的な事由を求めるということと、今回ここで示しております有期労働契約であることの理由の開示は基本的に別のものだと思っております。
 法律的な義務と伊丹委員がおっしゃったのですけれども、ここは法律的な義務を求めているわけではなくて、大臣告示に追加して運用としてきちんと守っていただきたいということです。先ほども、大臣告示がきちんと守られているではないかという使用者側からの御意見がありましたように、ここも大臣告示にすることによってルールとしてきちんと運用していただきたいと考えているところであります。
 これは論点1のものとは別と考えているところであります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、池田委員、どうぞ。
○池田委員 理由を明示する場合は、事前にアルバイト、パート募集のところにまで書くということなのですか。こうこうこういう理由でアルバイト、パートを募集していますと合理的な理由を書かないとだめになってしまうのか。応募されてから、こういう理由ですと説明することは、来た人に交通費を払ったりするのは全くナンセンスだと思うので、そうすると、一つひとつの応募、募集する段階から明示するということになるのですか。
○岩村分科会長 いかがでしょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これは無用なトラブルを防止するという意味で私どもは考えております。今、応募をした自分の仕事が一体いつまで、どういう理由で有期でやられるのかといったことを御説明いただいた方がトラブルの防止につながるのではないかなと考えているところであります。
 以上です。
○岩村分科会長 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 もう一度、御質問ですけれども、論点1と今の点についてはセットだと、よくお使いになるセット論なのかどうかということになるわけですけれども、結局、締結事由規制と一体と考えられるので、そこについてであれば、導入については賛成ができないと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでございましょうか。
 それでは、次に使用者側から追加で提示されました論点に移りたいと思います。
 まず、多様な正社員についてということでございますが、これについて御意見あるいは御質問などありますでしょうか。
 中島委員、どうぞ。
○中島委員 ありがとうございます。
 いわゆる多様な正社員について御説明をいただいたのですけれども、勤務地限定とか職種限定などの無期労働契約ということを想定されているようなのですが、少しまだイメージがよくわからないと思っております。
 特に今でも正社員というものについても一律的な定義があるわけではないこともございますし、更には今でも個別企業の中で一定程度、勤務地限定や職種限定というのが正社員の方でいらっしゃると思いますが、その方とどのようなところが違うのかイメージがわかないと思います。
 しかも、このような雇用の区分を設けて雇用保障の程度や処遇に格差をつけて、また新たな格差がつくり出されてしまうのではないかということも懸念しておりますので、これについてあまり議論をするのではなくて、正社員転換制度の導入を促進するためにはどのようにやっていったらいいのかということを議論すべきではないかと考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ほかには、いかがでしょうか。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 そこのところで議論をするべきではないというところがよくわからないのです。中島委員にお伺いをしたいのは、多様な正社員というのは多分、経営側が使う言葉なので、少し手あかが付いてイメージが悪いのかもしれません。しかし、逆に考えていただいて、安永委員も新聞のインタビューで答えていましたが、今、柔軟な働き方というのを正社員ないし無期の契約の中で考えることができるのだろうかと経営側としては立ち止まってしまうわけです。
 であれば、いろいろなバリエーションを持つ無期ないし正社員というものを労使で話し合いをするということは重要なのではないかと思っています。
 そこでもう一つよくわからない点があります。労働側の御主張は無期原則とか無期転換ということを御主張になるわけです。そうなると、それは期間の定めのない労働契約で働く人たちの処遇が多様化するということを一方で意味するわけで、それは私たちの言葉で言うと、多様な正社員になるのですけれども、その議論をすべきでないのは何故かというのがよくわからないというか、そこが同じ統一のイメージで双方で議論ができるのかということが大事なポイントなのではないかなと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 安永委員、どうぞ。
○安永委員 名前を出していただきましたので、言うまいかなと思っておりましたが、せっかくですので、ありがとうございます。
 多様な正社員の議論は非常に興味深い議論ではあると思っています。私のインタビューで答えた新聞なども読んでいただいておるようですが、今、有期雇用で働いて、自ら進んで働いている皆さんも有期であることを選択しているわけでなくて、そのような自分に合った働き方がたまたま有期しかなかったということだと理解をしています。
 そこで、この多様な正社員について法律的にこうしないと、そのようなことができないのかと言えば、もしできないということであれば教えていただきたいのですが、個別労使の中で話し合いをして、実際にやられているところもあると認識をしています。やってみたら問題があったので、やめたというところもあるだろうと思っていますので、それは、有期の議論をするから法律の議論をしないといけないという問題ではないと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 言葉が足らないのかもしれませんが、法律の中で多様な正社員を位置づけるということを申し上げたことは多分一度もないのではないかと思います。
 今の状況の有期で働く人たちの課題、不合理、不適正なものをどういうふうに政策的に誘導していくのかという1つの選択肢としてあり得るべき議論ではないかと申し上げているということです。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 たびたびこの多様な正社員という話が出てきますので、法律論議ではないと輪島委員がおっしゃるのですけれども、正社員の定義づけなり位置づけは本当に各社でまちまちだと思うのです。今日、御列席の使用者側委員の会社においても、正社員というのは一体何と何の要素が重なり合えば正社員と呼ぶのか、本当にまちまちだと思うのです。
 それを法律論議ではないというものの、では、労働政策として全国一律に何らかの指標を示して進めていくということに対してはもう少し深掘りした、正社員のあり方なり正社員の定義なりというところがないと、そういう基本があって初めて多様なというのがバリエーションとして考えられると思うのです。
 是非、公益の先生にお伺いしたいのは、正社員というのが法律論議ではないというのですけれども、仮に何らかの統一的な法律論としてとらえたときに、どう処理ができるのかというのを一度教えていただきたいと思っております。
○岩村分科会長 大変な難問でありまして、むしろ守島先生から少しお話をいただいた方がいいのかなというようには思いますが、いかがでございましょうか。
○守島委員 答えられるかどうかよくわかりませんけれども、正社員という考え方は多分、人事管理上の1つの言葉であって、法律的には私の理解ですと、有期か無期かという話、それと労働条件がどう違うか、そういう話になってくるのだろうなと思います。
 したがって、今回議論されている多様な正社員という議論は多分、個別企業の人事管理上の問題としてとらえられるポイントではないかなと思って、そういう意味では前回もうちょっと議論をした方がいいのではないかという発言を申し上げたのですけれども、ただ、労働側の御懸念もそれはある。つまり、それを使って労働条件の意図的な非合理的な引下げであるとか、そういうものにつながっていくというのは多分よくないことだと思いますから、その意味ではこの議論は、まさに輪島委員おっしゃるように、法律の枠組み内で話しをするというよりは多分、人事管理の問題として現場の労使交渉にゆだねていくという方向が正しいのではないかなと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは、使側の方から御提示いただきました2番目の論点の方に移りたいと思います。基準法14条の1回の契約期間の上限についてということですが、これについて御意見あるいは御質問等ありますでしょうか。
 島田委員、どうぞ。
○島田委員 まず、スタートに法律の書き方が誤解される、その部分は私もこれを読んでわからない部分がありました。3年、5年が1回の契約期間なのかどうか、更新を繰り返して3年、5年なのかという、要するに、ロングタイムの期間なのか1回なのかわからなかった個人ではあります。
 ただ、その中でいろいろな調査を見てみると、この期間が延ばされたにもかかわらず、今、使用者側がやられている契約というのは大体6か月単位が一番多いのが実態だろうと思います。
 実際に1回の契約期間が1年とか2年、3年という方はほとんどこの調査によると見受けられない実態ですね。だから、これを延ばすことによって利用が本当に増えるのかといったら、そうも見えないし、今の状況でいけば、更新回数の制限がなければ結局6か月単位で更新が続いていくという今のやり方が多分、踏襲されると私は思います。
 だから、その意味で言ったら、今回提案されている部分の引き上げ、もっと5年にしたら、6年にしたらという意味はよほど重大な理由がない限りないのではないか。逆に言ったらもっと短くして1年でやってください、2年でやってくださいと言った方が変に3年、5年にするよりはいいのかなと思います。実態として、今、6か月単位以下の方が大体8〜9割、それでみんな契約しているわけですから、増えるとは思えないと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 1年を超える契約はたしか14%なので、それを遅々として進まないというふうにとらえるか、もう少し長い目で見てくださいというふうに見るかどうかということだと思っています。
○岩村分科会長 では、高松委員、どうぞ。
○高松委員 ありがとうございます。
 雇用の在り方についての労働側の原則論なのですが、期間の定めのない直接雇用、ここを基本ということで冒頭から申し上げている次第です。したがって、そういう観点から言えば、有期労働契約については原則が期間の定めのない直接雇用ということですから、例外的なものという位置づけで契約期間の上限については限定されるべきものだろうと思っていますし、そういう意味でいけば、今、発言がありましたとおり、できれば短いにこしたことはない、こんなふうに思っています。
 加えてその上で、附則の137条についてなのですが、仮に今、3年となっている上限のままの場合、人身拘束の弊害がずっと議論されていますけれども、そういう概念が依然として存在をしている。そのために今の附則の137条があるのだろうと思っています。
 2003年の労基法の改正の際の審議会においても、これをめぐってさまざまな意見があったと思っていますし、労働側からも若年定年制の問題あるいは転職阻害、人身拘束、こういった議論があったと聞いてございます。その結果、この附則という形で整理されたものと思っておりますから、上限の関係はもとよりですが、この137条の取扱いについても、そういう経過を踏まえた上でこの審議会においても扱っていただきたいなと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 高松委員にお伺いしますけれども、現時点での人身拘束の弊害というのは具体的に何なのかということを教えていただきたい。
 それから、公益委員の先生にお伺いしたいのですが、先ほどのことに戻って、短くしてはいけない、長くしてはいけないという宙ぶらりんな法律体系になっている理由は何なのか。それは改善した方がいいのではないかと私は思っているのですけれども、その点についてどう考えるべきなのかということの御見解をお示しいただきたい。
○岩村分科会長 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これは一巡目の論議のときにも大分、論議をさせていただいて、それでアンケートの中にもありましたように、損害賠償の請求を求められたかどうかというのも数がたしか上がっていたと思います。
 やはり契約の解除によって使用者が契約に要した費用の請求をするということを恐れて、退職の申し出がなかなかしにくいということが現実としてありますので、これについては、附則137条にありますように、1年を超えるということについては1つの区切りとしてこれを設けていくべきではないかと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 あの調査は私もうろ覚えですけれども、業種的には情報通信とか金融というスキルが非常に高いところでの課題が業種的にはあるわけで、そうでない、いわゆる人身拘束のところで何の課題があるのかというのをお聞かせ願いたいという趣旨です。
○岩村分科会長 多分、労側にすると、今、お答えになったということでしょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 逆に私どもの方からもお聞きしたいのですけれども、なぜ137条があると経営にとっては邪魔なのか、そこを具体的にまた教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ここで何度も申し上げていてあれですけれども、人身拘束の弊害があれば別に今のまま残しても構わないと言っているわけで、だから、何が問題なのかというのを労側が端的におっしゃっていただいて、それが納得できれば別に残すということについては、そうだと思っているということは、これまでも何度か申し上げているところです。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これも何度かのやりとりをしていますので、同じことになりますけれども、外形的には損害賠償の請求があったということ、それは潜在的に言えば、それを恐れて契約の解約を自ら言い出しにくい実情にある。その弊害を防止するために137条が国会において修正がかけられたという経過を是非、踏まえるべきだと私どもは繰り返し申し上げているとおりであります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 先ほど、公益に投げられた質問は。では、荒木委員、お願いします。
○荒木委員 有期契約は短過ぎてはけしからん、長過ぎてもけしからん、どうすればいいのだという御質問だと思いますけれども、2003年の改正のときにこの審議会で議論したのは、細切れ雇用ということでは質の高い雇用関係にはならないのではないか、一定期間、3年程度、雇用関係が継続するということであれば、使用者も3年使う人であれば、きちんと教育訓練もするであろう、そういう中で労働者も技能を高めていく。そういう細切れではない一定の間、労使双方が雇用関係を継続するような有期契約、短期雇用でない中期雇用というものを構想すべきではないかというのがこの審議会での結論であったと思います。それが国会では修正されたということであります。
 国会の修正を法律家として見た場合に、2つ指摘したい点があります。1つは、1回の契約が3年というのが人身拘束だということであれば、現在、労働基準法14条は1回の契約は5年までというものを認めております。しかし、これについてはなぜ137条の規制対象としていないのか、平仄が合わないのではないかという疑問がわきます。
 もう一つ、137条は、例えば3年の有期契約を結んでいた場合、使用者は3年間はやむを得ない事由がない限り解雇することができませんが、労働者は1年を過ぎたらいつでも退職することができます。そして、「いつでも」退職ということは、1年を超えたら即日退職ができるということであります。
 しかし、無期契約の労働者であっても、民法上2週間の予告をしないと解約できないのですから、有期契約の場合、即日解約ができるというのは、自由に解約できるはずの無期契約よりも有期契約の解約の方が容易にできるということとなり、客観的に見てバランスがとれないのではないかという問題があります。
 国会修正ということで入ったのですが、できたものを見ますと、法律家としてはバランスの点でいかがかなという印象を抱く次第です。
○岩村分科会長 山川委員、どうぞ。
○山川委員 補足ですけれども、短くしてはいけないという御発言の趣旨は多分、労働契約法17条2項についてではないかと思います。労働基準法14条の改正の趣旨については荒木委員のおっしゃったとおりです。労働契約法17条2項は、私がこの審議会等で関与したわけではないのですけれども、短くしてはならないということは特に書いてはなくて、必要以上に短い期間を定めることによって反復して更新することのないように配慮しなければならないと、正直言って一読してわかりにくい部分があることは確かかと思いますが、要するに、例えば1年必要な契約期間であれば、2か月契約を5回更新する、そういうことをすることがないように配慮しなければならないということで、短い契約自体を締結してはならないとは17条2項では書かれていないのではないかと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 私どもは労働相談という活動を全国で展開していますし、また、私どもの相談に来ている中にもありますけれども、ブラック企業というのが最近ありまして、インターネットでも調べてもらうと、いろいろ悲惨な事案が出ております。ブラック企業に勤めていて辞めたくても辞められないといった事例でありますとか、採用にかかった費用、求人広告に費用をかけているので、そのかけた費用分は働けと、それで企業を辞められないといったようなものであるとか、それに対する損害賠償の請求をするぞという脅しであるとかいったものが来ております。
 これは、労働弁護団の文献の中にもこういった事案が出ておりますので、必要であれば、そういった文献をお示しします。私どもとしては、137条の意義は今日的にも残っていると思いますので、是非、これは存続させるべきだと考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員 私も前回申し上げたのですが、今、特に若者の就職を何とかしなくてはいけないということを別個に考えるべきだとお願いをしておりますけれども、同時に今、被災地では特に長期を望む人が多くて、それと同時に土木など、男性の求人ばかりで女性の求人先がすごく少なくて非常にバランスが欠けていて、求人とのバランスが悪いということがあります。
 そういう被災地の問題も含めまして、一回の契約期間の上限を延ばすということが、今の雇用関係の問題点を解決するには1つの解決方法であるのではないかという観点も考えられると思うのです。そういうことで3年にこだわらず、5年、6年、若者を特に長期雇用できるところであれば、企業も真剣に考えてくれるかもしれませんし、女性にとっても被災地でもある程度長く働けるのだということであれば、求人を行う企業が出てくるかもしれません。やはり現状に即した柔軟性のある雇用形態を考えると、3年にこだわらず、延ばせるのであれば延ばした方が労働力の需給関係にはいいのではないか、雇用が安定化するのではないかという考えを持っております。
 以上です。
○岩村分科会長 大体、論点はこの点については出尽くしたかと思いますので、よろしゅうございましょうか。
(「はい」と声あり)
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 まだいろいろ御意見等あろうかと思いますけれども、前回議論しました論点につきましてもまだ議論が尽くされていないという御意見もちょうだいしているところでございます。残りの時間でそうした論点につきまして発言しておきたいという御意見があろうかと思いますので、御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 では、荒木委員、お願いします。
○荒木委員 前回、論点1と2の関係について私見を申し上げました。論点1は、いわゆる入口規制、合理的な理由がなければ有期契約を結ばせないという規制です。論点2は、有期契約が反復継続されている場合に、それが期間の定めのない契約に移行するような更新回数規制とか利用可能期間の上限規制です。
 この点について労働側の御意見として、更新回数規制とか上限規制という出口規制については入口規制とセットでなければ、とるべきではないのではないかというお考えをお聞きしました。
 この入口と出口はセットでと言われる趣旨は、出口規制だけを入れますと、その手前で雇止めされて雇用が失われてしまう、そういう弊害があるのではないかという御懸念だったと思います。
 そういう懸念が出ることについては、それなりに理解できる点もあります。しかし、この点は必ず入口規制とセットでないと議論できないのだろうかと言いますと、実は入口規制は入口規制で問題がある。諸外国を見ておりますと、入口規制、つまり締結事由規制をしますと、その客観的な事由に該当するのかどうかで非常に紛争が多発する、そしてさらに市場対策、失業対策という形でどんどん新しい締結事由が追加され、またわかりにくくなり、更に紛争を惹起するということもあります。
 それから、入口規制をしますと、すべての方をいきなり無期契約で雇えるかと言うとそうはならない、雇いづらいということになると、長期的には雇用の縮小効果をもたらす、そういう弊害も予想できるところです。
 他方、出口規制は、有期契約を反復継続している場合に安定雇用に移行させるというものです。規制の性質を考えますと、入口規制は、有期契約は不安雇用だからなるべく使わせない、有期契約は原則禁止して例外的にしか使わせないという考え方です。それに対して出口規制というのは、有期契約を使うこと自体は禁止しないけれども、それが濫用になる場合にはこれを規制しようという、禁止規制でなくて濫用規制という性格なのだろうと思います。
 そこで、濫用規制というものがきちんと根付いていけば、全体の雇用政策としては無業・失業状態にいる方が有期契約という、途中の「ステップ雇用」と言ってもいいと思いますが、そのステップの状態を経て安定雇用に移行できる、そういう流れができてくれば、これは雇用政策全体としては非常に意義があることではないかという気もいたします。したがって、入口と出口と常にセットでなければ議論できないのだろうかという点について、なお検討の余地があるのではないかという気がしているところです。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今、論点1と2の関係についての御意見だったと思います。
 労側で新谷委員がお手が挙がっておりましたので、どうぞ。
○新谷委員 今、荒木先生から前回を振り返ってまとめをしていただきまして、私どもとしては重く受け止めたいと思っております。
 私どもの雇用の原則というのは、たびたび申し上げておりますように、期間の定めのない直接雇用が原則であるべきということから言えば、私どもとしては入口規制であるべきというのは前回から申し上げているところであります。
 その一方で、今、荒木先生から御指摘いただいたような入口規制に伴う弊害であるとかいうことも、それは非常に懸念するところでもあります。
 それと出口の規制について私どもは、前回、申し上げておりますように、上限期間の手前において雇止めが起こってしまうという弊害、副作用をどう評価するかということが重要だと考えております。
 今、荒木先生から濫用規制についても十分検討するべきであるという御発言もいただきましたが、出口規制の導入を検討するということについて、今、何の規制もありませんので、一定程度、無期雇用への転換が図られるということについての重要性は認識をするところでございます。
 出口規制によって一定程度、無期化につながるという効果が期待できるのであれば、このメリット、デメリットを両面にわたって慎重に見極めながら、今後、検討を進めていく価値はあるのではないかということで、これについても1と2の組合せということではなくて、出口についても単独で検討することについては、やぶさかではないと考えているところでございます。
 ただし、長期の反復継続という規制の中身については、まだよくわからないところがございまして、今後の制度の設計の仕方、長期というもののとらえ方によっては、上限手前での雇止めというのが多く発生する懸念がまた増えてくると思います。私どもが考えます無期雇用の原則というものから乖離した効果を発生するような「長期」というのはあり得ないと考えておりますので、具体的な「長期」の年数制度設計については慎重に私どもとしては考えたいということで申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今の新谷委員の御意見というのは、論点1と論点2のセットということではなく論点2単独で議論するということについてはやぶさかでない。ただ、乱用となる長期の問題については、なおまた今後、議論させていただきたいとう御趣旨であったかと思います。
 使側は、むしろ入口規制のない出口規制については一応検討に値するというお考えを前回おっしゃられたように思いますが、今、労側の方の御発言がありましたけれども、これについてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 前回、私どもの方で申し上げた上限規制を検討し得るということの趣旨ですけれども、今の雇止め法理の予測可能性の低さというものを補うということを申し上げて、上限規制を適切に組み合わせるという視点が必要だということを申し上げたということです。有期労働契約の利用の原則としてそれを認めつつ、不合理、不適正な労働契約の利用について規制が考え得るという基本的な立場で意見を述べたということであります。
 私どもとしては、論点(案)で示されている1〜5については、何度もこれまで申し上げてきましたように、何かの規制が入るということについては反対の立場でございます。そういう意味で、これまで労働側がセット論ということをおっしゃっていたということを理解して、前回はばら売りしないのですかと言ったら、しませんとおっしゃったので、なぜそういうふうに今日、突然、方針転換をおっしゃるのかが理解できませんけれども、私どもとしての基本的な考え方については依然、大きな隔たりがあるのではないかと思っているところです。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今、使側からも御意見がありまして、なお労使の考え方についての差はあると思います。ただ、先ほどの労側の御意見の表明もあって、論点1と論点2のセットでない形で論点2を取り上げて議論していくということ自体はできるのではないか。
 その点は、議論していくこと自体は使側もお乗りいただけるのではないかと思うのですが、そこはいかがでございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 そこの点でも、例えばこの間、論点2のところでクーリング期間の件でどう考えるのかであるとか、今、有期研のところで言いますと、回数制限とか利用可能期間制限であるとか、そういうことを示されていますけれども、私どもはその範囲の中で言えば、これまで申し上げてきたように、それを安易に入れることによって雇止めがむしろ増えていくのではないかと思っています。
 ということになると、雇止め防止策または前回申し上げたように、有期を有期として長期に活用できる仕組みであるとか適用除外であるとか、いろいろな論点があることは事実です。前回も労働側からはその議論を深めたいという趣旨の発言はありましたが、本当に深まるのだろうかということがよくわかりませんので、今のところ、ウェルカムということかと分科会長から問われると、余り議論していくことは生産的ではないと私どもとしては思っております。
○岩村分科会長 ウェルカムかという趣旨で申し上げたつもりはなくて、論点2を始めとして論点3以下の点について、必ずしも今までもそれほど具体的な論点、制度設計ということについての議論をしてきたわけではないので、その点を少し具体的に労使の間で議論を詰めていくというところで使側の方でも議論に応じていただけるのではないかなと思っているのですが。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 それの趣旨は、労働側の方から具体的な内容について提案があるという意味ですか。
○岩村分科会長 いえ、今後、具体的な中身を労使でそれぞれ詰めていくということです。特に具体的にまだ労側からどうのこうのという前提ではなくて、今後、話を詰めていくという趣旨でございます。
○輪島委員 分科会長にお伺いをしたいのは、今のところ、年内に建議を得る、諮問されている案件ではありませんけれども、現在の予定ではそのスケジュール感をどうするのか。今後、深めていくといっても、今日は12月5日ですから、深めていくという状況なのかどうかということがよくわかりませんけれども、それがなし得るのでしょうか。
○岩村分科会長 御指摘のところはわかっておりますけれども、現在のところ、年内最後が12月26日でしたか、そこで分科会がセットされておりますので、時間的に確かに輪島委員が御指摘のように非常に苦しいところではありますが、このスケジュールを念頭に置きながら26日に一応のとりまとめに達するよう努力させていただきたいと思っております。
 山川委員、どうぞ。
○山川委員 具体的に、時間の関係は今、分科会長のおっしゃられたような点はあろうかと思いますが、例えばどういう制度設計をするかについての基本的な事項に関しては、先ほど輪島委員もおっしゃられたように、ある程度、使用者側から投げかけられた部分があるのではないか。前も申し上げましたけれども、クーリング期間の問題ですとか、労働者、対象者本人の意思をどのようにかけていくかとか、そういう点の検討事項はある程度既に投げかけられた部分があるのではないかと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 論点1についてどういうものが想定されるのかと労働側委員に御質問をすれば、それは使用者がわかっているのだから、使用者が考えなさいという回答があって、全く議論は深まっていません。論点2についてもこれまで、山川先生の御指摘のとおり、論点についてはそういうように私どもとしては提案をさせていただいておりましたけれども、そういう意味でなかなか乗ってきていただけないという状況の中で今後、できるのかどうかということについては非常に深い疑念を抱いているということでございます。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 事務局としては、山川先生がおっしゃられたような基本的な論点というのもありますし、実は結構、それ以外のところについても、制度の導入をすべきかどうかを判断するために議論しなければならないような項目がたくさんあるとは思います。
 時間との関係でございますけれども、この点はまさに事務局の仕事ではないかという部分もありますが、労使のそういう疑問点あるいは課題認識といったものをよく整理をさせていただく努力はさせていただきたいと思っております。
○岩村分科会長 今、事務局の方からも表明されましたけれども、今までの議論の中で、論点2についても具体的な制度設計ということを考えるに当たってのポイントというのは、この検討の議論の中で幾つか示されていたと私自身も、先ほど山川委員も御指摘になりましたが、そのように思っております。
 そうした点を中心としつつ、可能であれば次回にでも事務局と私の方で整理をさせていただいて具体的な検討項目を挙げる形でお出しをして、それをベースに議論をするということをさせていただければと思っています。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 よくわからないのは、なぜ論点2だけ具体的なものを出して次回、議論しなくてはならないのか。これまでについては、さまざまな論点について使用者側としては労働側委員に質問をしてきたと思いますけれども、なぜそれについて論点2だけの議論をするのかということに理解ができないわけですが、なぜでしょう。
○岩村分科会長 済みません、私の説明不足で、別に次回論点2だけをやろうという趣旨ではございません。今日、この後、もう少し時間がありますから、まだ議論されていない部分も含めて議論をいただければいただいて、それをベースにほかの論点についても含めた形での議論のベースになるような資料を作成したいという趣旨でございます。
 先ほど、論点2についてと申し上げたのは、それは私の説明不足で申し訳ございません。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今、分科会長の方からお話がありましたように、論点2だけでは、せっかく1年やってきてこれでおしまいかということになります。せっかく2巡目の論議に際して1〜5まで示していただき、勿論、私ども労側も使側も追加の論点をお示しさせていただきましたので、それらも含めて是非、公益委員、分科会長を中心にまとめに向けての御尽力をいただければと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 もう一度、労働側委員にお伺いしたいのですけれども、ばら売りをしないと言っていたのに、なぜばら売りをするのかということについて明確にもう一度、御説明をいただけるでしょうか。
○岩村分科会長 新谷委員、よろしいでしょうか。
○新谷委員 これは先ほども言いましたように、社会的実験ができればいいのですけれども、こういう人工的な規制を入れた場合、入口の規制も2番目の出口の規制もそうなのですが、どういう結果が招来するかというのは本当によくわからない、本当に悩むところです。
 これは前回の例でもありましたように、例えば日本と労働環境の似ている韓国において、数字を前回示していただきましたが、半数が契約終了で、半数が正規職転換あるいは継続雇用といったものをどのように評価するかということで論議になったと思います。
 私どもとしては先ほど申し上げましたように、上限手前での雇止めが発生する副作用を非常に懸念する一方で、一定割合で無期に転換できるというものが仮にあるとすれば、私どもが考えております雇用の原則は無期であるというものに1歩でも2歩でも近付くのではないかという中で、先ほど荒木先生がまとめていただいたような濫用規制の在り方をどうするかというのは当然考えないといけないと思います。無期に1歩でも2歩でも近付けるということの中から、入り口規制と出口の規制というものは、それぞれ独立で検討を進めていってはどうかということを申し上げているわけでございます。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 先ほど、多様な正社員というワードについては手あかが付いているということは申しましたけれども、それについては議論するべきではないとおっしゃって、それは無期に転換する仕組みですよね、そういう仕組みについては議論しないのに、論点2について議論するということについては、どういう整合性があるのか。
 もう一つは、論点1についてセットではないと言うけれども、論点1についても導入すべきだという御主張は変わらないわけですね。その点について、セットではなくてばら売りだけれども、1と2と両方だよという話なのかどうかというのがよくわからないのですが。
○岩村分科会長 まず、多分、多様な正社員ということについては労側としては、非常に先ほどは懸念を示されたとは思いますが、先ほどの御議論の中では、そういう懸念はあるものの、多様な正社員という言葉で使うかどうかはともかくとして、柔軟性を持ったものについては検討していきたいということはお答えになったように思います。
 それから、少なくとも分科会長の立場としては、輪島委員のこだわりもわかるのですが、今日、論点1と論点2のセットということではなく、論点2以下についての検討ということで労側としてもお考えになるということをお答えいただいておりますので、論点1の扱いについては分科会長預かりということにしていただいておいて、具体的なむしろ論点2以下の議論ということにさせていただけるといいのかなと思います。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほども私が申し上げたように、2巡目の論議に際して論点ペーパーが示されて1〜5の論点が示されたわけでありますから、今日の結論として2以下についての検討ということでは私どもとしても、なかなかわかりましたと申し上げにくいところでございます。
 私どもとしては、入口規制ということを雇用の基本の在るべき姿として考えておりますので、2についての懸念ということは先ほど荒木先生からもおっしゃっていただいたとおりでありますし、2についての濫用規制の問題、これもおっしゃっていただいたとおりであります。
 ですから、今、示されている論点それぞれついて、どういうふうに先生の方でおまとめをいただけるのかということをトータルで是非、御判断いただければと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 わかりました。
 先ほど論点1については預かるということを申し上げましたけれども、今、労側のそういう御意向でありますので、もともと御指摘のようにこちら側がお出ししたペーパーでもあるのですから、論点1以下ということでもって検討させていただいた上で、次回、事務局と私の方で相談させていただいて、この後、年末までの間で検討すべき問題というのを提示させていただきたいと思います。
 そういうことで、次回以降、非常に期間が短いですけれども、事務局も汗をかいていただいて何とか12月26日までのところで、次期通常国会の日程との関係で、法改正につなげるとすると、そこのところが1つの締めのところになりますので、そこを目指して最大限努力をさせていただきたいと思います。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 それの御趣旨は、今まで議論をしてきて、労使の議論の結果として法改正をするかしないかという話であって、法律改正をするかしないか、次期通常国会に法案を上程するか上程しないかという締切りが先にあって、それに向けて審議会で議論をするという話は全く本末転倒でありますし、前回も前々回も労働側の委員から議論を更に深めていきたいと、個別の論点について私の方で問題提起申し上げれば、更に深めていきたいということで軽く受け流されていて、ずっとここまで来ているわけです。
 であるのに最終的なお尻については付き合ってほしいというのは、少し変な話なのではないかと思っております。
○岩村分科会長 ただ、第2ラウンド目を始めるときに一応のスケジュール感というのはお示しをしまして、それについては労使双方、同意をいただいていると私としても理解しております。
 いずれにしても、今回の有期契約をめぐる議論については、法改正ということを念頭に置きつつ議論をさせてきていただいたということも事実でございまして、そういう意味で当初お示ししたスケジュールの感じに沿った形で、この後、尽力させていただきたい、その点で労使双方の御理解をいただきたいと私としては考えております。
 局長、どうぞ。
○金子局長 有期労働契約につきまして御検討をしていただいているわけでございますけれども、政府の方針といたしまして、有期労働契約につきましては法改正も当然、念頭に置きながら成長戦略の具体的な道筋の中で決めてもいただいておりますので、是非、その政府の方針につきましては御理解を賜って、今、分科会長からございましたようなスケジュール感を持って御協力いただけるようにお願いをしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 お願いはよくわかるのですけれども、個人的に思うのは、審議に協力してきたのは使用者側だと思っています。それであるのに、お尻を合わせろというところは、そうですかと簡単に引き下がれるような状況ではないと思います。
○岩村分科会長 分科会の議事の進め方について分科会長のいろいろ不手際があって、使側にそういう感想を持たせてしまったとすると、それは大変申し訳ないと思います。
 ただ、他方で、これまでの分科会の議論の中で、今後、詰めて制度設計に当たって論点となるようなさまざまな事柄というのが提起されてきて、それについて勿論、労使双方それぞれ感覚、感想の違いはあろうかと思いますけれども、議論はされてきている。
 そういう意味で、先ほど申し上げましたように、次回に向けて私と事務局でペーパーを用意していくために必要な素材というものは、この分科会の席上に一定程度表れているのではないかと思っておりますので、使側の御不満というのも議事進行上、確かにあろうかとは思いますが、そういう状況も、今、申し上げたようなこれまでの議論の中身等も勘案した上で次回の運び方ということについて御理解をいただければと思います。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 議事録に残りますので、今までの審議に協力してきたのは使側だけだという言い方は私どもとしては承諾しがたいところがございます。これは何回も使用者側から異議がありましたように、使用者側はもともと1〜5の論点についてやりたくないのだという前提の中で御論議をされてきたわけでありますし、私どもとしては今日、1と2の組合せの件については見解を表明いたしましたけれども、その他の論点についても十分、私どもとしても論議を尽くしているつもりでありますので、その点については申し上げておきたいと思います。
○岩村分科会長 いずれにしろ、そこのところは労使双方、議論の在り方についてそれぞれお考えがあり、また議事進行の在り方に関わる御不満等もあろうかと思います。
 今、いろいろ御意見を伺いましたが、今日、労側の御意見の表明もあり、使側としてはなかなかそう簡単に了解できないという御意見もあって、わかるところもあるのですが、他方、先ほど申し上げましたように、この分科会の場での議論で制度設計の基本的なことに関わるようなもの、論点は大体議論されていると思いますので、それをうまく生かしながら進めさせていただければと思います。
 労使双方、いかがでございましょうか。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員 この論点のテーマの命題が労働者の継続した能力形成と将来的な人生設計ということがあるのですけれども、私も何度も申し上げているように、働いている労働者も多様な人たちがいらっしゃるわけですね。若い人たちの問題もあるし、女性の問題もあるし、それから、被災者の問題もあるし、その辺のところを画一的な規制をすることが本当に現状に即しているのかどうかということを、これからも公益の先生方が考える場合に大いに検討していただく必要があるのではないかということです。
 もう一つ、今、局長もおっしゃったように、最賃の問題もそうですけれども、成長戦略の2020年までの目標というのは、経済成長が前提なので、今、この時期に本当に日本経済がどうなっているかという現状を踏まえていただきたい。海外シフトもする、少子化から国内の労働力がどんどん減っていってしまう、雇用の企業も減ってきてしまう現状の中で、本当に今、経済成長が付いていっていないわけですから、規制の方ばかりすることが、本当に不平、不満を解消して、本当に労働力を増やすということにどれだけの効果をもたらすかという側面も十分、先生方で検討していかないといけないと思います。どういう経済効果があるのか、雇用効果があるのかということを。
 ただ、濫用規制ということは、これは今の法律でもって十分、私も詳しいことはわかりませんけれども、今までの例を見れば、悪いことをやっているところは法律に照らして更正されているわけです。だから、濫用が全部ではないわけだと思うので、今の労働規制、労働法が十分ではないのかということも十分論点として見ていただかないといけない。経営者側としては、本当に今、何でこの時期にこの規制が必要なのかという思いである。今の日本に即してこれが本当に労働者のためにいいことなのか、現状の把握というものを十分検討していただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そのほかにいかがでしょうか。
 次回の進め方については、なかなか御了解は難しいのかもしれませんけれども、御理解いただければと思いますが、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 確認ですけれども、何が示されるとイメージするのでしょうか。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 申し訳ございません。具体的にイメージをここの場ではっきりとお示しすることはできませんけれども、今日の段階で論点1〜5、プラス追加論点につきまして、それぞれ懸念の事項、課題の事項といったものが示されたわけでございますが、必ずしもウェートづけとか、あるいは十分な整理がされていないと思います。
 事務局として、できるだけ中立的、技術的に整理をできる部分はやっていきたいと思います。これは座長とも御相談しつつ、労使の御意見もまた賜りながら整理をしていきたいと思っておりますので、そのプロセスの中で具体化をしていきたいと思います。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 今、事務局が説明したとおりで、次回以降、とりまとめの方向に向けて26日に何とか着地点を見つけたいと思っておりますので、それにつながる形でのペーパーはお出ししたい。ただ、どこまで詰められるかというのは、この後、事務局と私の方で労使の御意見も聞きながら検討させていただきたいと思っているところであります。
 よろしゅうございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 論点1も含めて私どもも胸に手を当ててよく考えてみたのです。?業務の一時的増大であるとか、季節的なものということで新谷委員が御指摘になったのは、クリスマスと年末年始とお中元、これが季節的業務だと例示をされていました。よく考えてみると、年末年始であるのか、それから、2月になると節分があったり、3月になると花見があったり、卒業とか入学とか、季節的なもので四季折々に応じていろいろなものがあると考えると、それは全部?に該当するということなのかなと思います。
 そうすると、使用者側が自分で考えればわかるだろうと労働側に御指摘をいただいたので、?については非常に広い概念なのではないかと考えています。
 ?につきましても、自動車産業の期間従業員が対象になるという御指摘だったので、これの点でおいても非常に広い概念が?に該当するのではないかと、私どもとしては分析をしたわけです。それが正しいのか、正しくないのかということも一個一個を詰めさせていただいて、それが今後、分科会のまとめになると考えてよろしいかどうかということですが。
○岩村分科会長 そこのところは、今、御質問があって、確かに先ほど労側の方も一応私どもの方でお出しした論点1からも含めて検討してほしいという御要望もありましたので、今、輪島委員が御指摘になった点も含めて私と事務局の方で検討させていただいて、その取扱いということは次回以降、またお示しさせていただきたいと思います。
 よろしゅうございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 議論に素材になるものであるということを期待して、分科会長の手腕に期待をして、次回に待ちたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
ということで使側も御了承いただきましたので、次回、12月ごろまでのとりまとめというスケジュール感を前提にしながら努力させていただきたいと思います。
 今、主として次回の進め方ということで議論が集中していたのですが、前回までに取り上げた論点について何か追加的に御発言はございますか。よろしいでしょうか。
 では、今、お話しましたように、私と事務局で、労使のお考えも伺いつつ、また、これまでの議論等も踏まえながら次回に論点ペーパーをまた出させていただいて、その上で先ほど来、申し上げているスケジュール感を念頭に置きながら議論を進めさせていただきたいと思います。
 大体予定していた議事は以上ということになりますけれども、よろしゅうございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 確認ですけれども、それは3ラウンドの議論という位置づけになるということですか。
○岩村分科会長 言わばそうとお考えいただいて、よろしいと思います。
 それでは、最後に事務局の方から何かございますか。
○青山調査官 次回の労働条件分科会の日時につきましては調整の上、皆様にお伝えしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○岩村分科会長 今、お話ししましたように、この後、また労使からいろいろ御意見等を伺うことがあろうかと思いますので、お忙しいとは存じますけれども、御協力の方をよろしくお願いしたいと思います。
 本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。
 議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては新谷委員、使用者代表につきましては池田委員にそれぞれお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、今日は遅くまでお忙しい中、ありがとうございました。終了とさせていただきます。


(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(労働条件分科会) > 第95回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

ページの先頭へ戻る