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2011年11月24日 第94回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成23年11月24日(木)
9:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎5号館12階 専用第12会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、岩村委員、権丈委員、田島委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、島田委員、新谷委員、?松委員、中島委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】

池田委員、伊丹委員、伊藤委員、田中委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員

【事務局】

金子労働基準局長、熊谷審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、青山労働条件政策課調査官

○議題

1 有期労働契約について
2 その他

○議事

○岩村分科会長 おはようございます。今日は早朝からありがとうございます。定刻よりちょっと早いんですが、皆様おそろいでございますので、始めさせていただきたいと思います。第94回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催させていただきます。
 本日は公益代表の村中委員、労働者代表の?松委員が御欠席でございます。また、公益代表の守島委員は所用により途中で退席されるということでございます。
 議事に入ります前に、定足数につきまして、事務局から報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○青山調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、早速に議事に入りたいと存じます。議題はお手元の議事次第にありますように「有期労働契約について」でございます。
 前回お配りしまして、今日は参考1でお手元にございます「有期労働契約の在り方に関する論点(案)」につきましては、検討の方向性を示す性格のものではないということを確認した上で、ここで示している論点に沿って御議論をいただくことにつきまして、前回御了承いただきました。そして、このペーパーにあります論点1の「1 有期労働契約の締結への対応」について御議論をいただいたところで、前回は時間で終了となっております。
 前回も申し上げましたが、論点1については、最後少ししり切れになった感もございまして、また次回少し議論しましょうということは申し上げたと存じます。そういうことで、今日は論点2を中心に議論を進めてまいりたいとは思っておりますけれども、前回の最後のところの経緯もございますので、論点1につきまして、前回御発言などがまだ完全には終わっていないということでございましたら、簡潔に御発言をいただきたいと存じます。
 宮本委員、お願いいたします。
○宮本委員 ありがとうございます。
 今、分科会長がおっしゃるとおりでありまして、前回、言いそびれたところがあります。雇用の原則は期間の定めがないということは、これまでも労側としては申し上げておりますし、改めて今回も申し上げたいと思っております。最近、特に企業は単年度の業績ですとか、あるいは経常収支を単年度で重視をしているところが非常に目立つわけでありますけれども、企業経営というものあるいは雇用というものも、当然ながら永続的であるべきだと考えているわけであります。このように考えれば、有期労働契約というのは、やはり例外的な扱いであるということ、そして、有期労働契約を締結するためには合理的な理由を必要とするという、いわゆる入り口規制というものが必要だと考えているところであります。原則は、期間の定めのない雇用であるということを改めて申し上げたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 輪島委員のお手が挙がりましたので、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 今日は参考No.1のペーパーですけれども、使用者側にとっては前回申し上げましたので、長々とは申し上げませんが、参考No.1というペーパーは非常に不満だと思っております。特にリードの部分については不満が多くて、これは前回申し上げたとおりです。
 論点1〜5を見ても、よく考えてみると、これまで第1ラウンドで労働側委員がおっしゃっていた点がすべて入っていますが、使用者側が提案した多様な正社員等が論点の中に入っていないことからすると、新谷委員からすると100点のペーパーなのではないかと思っています。?〜?がすべて法制化をされるのではないかという強い危機感を私どもは持っているということなので、今日は慎重審議をお願いしたいとお願いをした上で、今おっしゃった宮本委員の点ですけれども、是非お示しをいただきたいことが2つございます。
 1点目は、有期は例外だということで?〜?というものが締結事由規制に該当するということを前回おっしゃったわけですけれども、?〜?というのが、統計上は1,700万人という人たちがいわゆる非正規です。議事録を見てみますと、新谷委員はその中の有期はほぼ1,700万人に近いのではないかという御発言もされているわけなので、1,700万人に近い方たちの中で、締結事由規制に該当する部分がどれぐらいになって、該当しない部分がどれぐらいになるのかということをお示しいただきたいと思っています。
 2番目ですけれども、聞くところによると、韓国の締結事由規制はそもそも適用除外というものがあるということで、半分ぐらいが適用除外になっている。日本でいうと1,700万人の半分がそもそも根っこから適用除外になっていて、半分の人に締結事由規制がかかるという仕組みと伺っているわけです。この間は適用除外というお話はなかったんですけれども、そのようなものが設けられるのかどうかということも含めてお示しをいただきたいと思います。
 とりあえず以上です。
○岩村分科会長 労側への御質問だったと思いますが、その点、労側の方はいかがでしょうか。
○新谷委員 今の使用者側委員からの御質問でございますが、非正規労働者の数は労働力調査で1,700万人と出ているわけですけれども、そのうち雇用形態別にみた場合に有期契約労働者の総数が一体何人なのかという公式の統計がないわけであります。これは入り口の論議のとき、有期労働契約の現状をどう見るかというときに随分論議をさせていただいて、結論としては厚労省が出された1,200万人という、アンケート調査を基に1,700万人に比率をかけた数字が最低ラインで、それから1,700万人の間で有期労働契約の方々がおられるであろうというところが本分科会における報告の内容ではなかったかと思っております。
 そのときに、私どもが提起しております?〜?の有期労働契約の締結を認める合理的理由の割合は何人なのかということでありますけれども、これは前回も輪島委員がおっしゃっていたように、私どもが1月に機関決定でこの内容を決めたときに、もっと早く知らせてほしかった、全然中身が変わっていないのではないかという御指摘もあったとおりでありまして、既に使用者側委員も1月段階でこの数字というか、このカテゴリーについては御存知だったわけでありますし、使用者側の団体として、有期労働契約を活用される際の理由というのは、私どもよりも経営側の方がよく御存知なはずであります。?〜?については1回シミュレーションをされてみたら、一体どうなるかというのは、私ども以上に使用者団体の方が御存知ではないかと思いますので、これは一度御検討されたらどうかと思っております。
 それと、韓国の期間制労働者保護法の適用除外については、今日も御専門の先生が御出席だと思いますので、適用除外の例なり、韓国の事例などは、あとの2の論点のところに絡むと思いますので、是非公益の先生からその内容について御開示いただければと思っております。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 是非質問にお答えをいただきたいと思っているのは、労働側としてどのようにお考えになるのかという2点です。経営側として検討してはどうかというのはこちらで検討することでありますので、そちらとして、お考えはどうなのかということをお示しいただきたい。
 不思議に思うのは、今回の有期労働契約のあり方に関する議論は、ある意味で労働側の委員がこれをやるべきだという御主張を強くそれぞれにされているわけなので、言ってみれば与党側であります。与党側がこれを導入するべきだということについての理論的な証拠を示すのがまず必要なのではないか。そうならないと、恐らく国会では耐えられないのではないかと思います。
 その2点について、重ねてお伺いをいたします。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 1,700万人と言われている非正規労働者のうち、私どもは有期契約労働者の数をそれに近い数字だととらえておりますけれども、先ほど申し上げたように、政府統計の中でも具体的な数字がないわけであります。雇用形態別で、労働契約の期間の定めの有無について調査した数字というのはないわけでありまして、だから、1,200〜1,700万人というゾーンの中で話をしているわけであります。
 また、現在も有期労働契約の締結に際しては、何らの制限、法的な規制もないわけでありまして、私どもが主張しております有期事業から始まって、業務の一時的・臨時的増大への対応といったところも、公式な統計データはございません。
 使用者側の方々が一番御存知だと申し上げたのは、例えば今日御出席の伊藤委員からは、前々から御自身の企業の中で、有期契約労働の方々をたくさん活用されているという御発言もございました。私どもが提起している理由に当てはめてみたときに、伊藤委員のところだとどういう構成になるのかといった数字が、一番の生のデータだと思っております。申し上げたように、私どもは公のデータで?〜?に対応する数字はどうなのかといっても、政府にないような数字は私どもにもございませんので、私どもはあるべき論としての論を展開しておりますので、具体的な数字については、使用者側でもし必要であればお調べいただいたらどうかと思っております。
 以上です。
○輪島委員 2点目はいかがですか。
○岩村分科会長 お尋ねのところは、適用除外の問題についてはいかがかということですね。
○新谷委員 韓国の事例というのはよくわかりませんけれども、要するに有期労働契約を締結するに際しての合理的理由というものを?〜?でお示ししております。?で?〜?に準ずる合理的な理由を有するもの、という形で構成させていただいておりますので、基本的にはこの範囲の中で検討していくべきと考えているところでございます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 確認をすると、適用除外というのは設けなくて、?のその他準ずる理由というところで除いていくという御趣旨でよろしいんですね。
○新谷委員 はい。
○輪島委員 ありがとうございます。
○岩村分科会長 島田委員、どうぞ。
○島田委員 今、いろいろと御議論があったと思うのですが、法律というのはそのときどきの状況によって、基本原則にのっとりながら、雇用情勢によって規制をしたり、緩めたりというのが多分出てくるんだろうと思います。そういう中で、今、有期契約労働について議論しているのは、間違いなく日本国内において、このまま有期契約労働の人たちが増えていっていいんだろうかということがあるからだろうと思います。日本国内においてどうすることが一番正しいか、私どもにもわからないところがあります。ただ、安心感を持って働けるということが1つあるだろうと思います。そして、そのときにお給料、福利厚生を含めて、それが満足できるものであるか、というのが多分あるのだと思います。
 その中の1つとして、安心感というのは、前にも申し上げましたように、統計的に見たときには、辞めさせる事由、辞める事由が会社側にあるか、労働側にあるかの違いだけであって、実際は長く働かれている方が多く、また何十回と更新されている方が日本の場合はある。長く働く方は長期の契約というか、原則、無期契約にした方がいいのではないかと思います。
 今、厚労省でいろいろなアンケートをとったときに、無期を正社員と感じるような聞き方をされているんだと思います。労働者に有期と無期のどちらがいいですかと言ったら、無期がいいというのが本来であって、経営側の方は逆に言ったらコストが高い、有期労働契約が活用できなくなったら経営が成り立たないというのは、有期以外は正社員しかないという感覚の中でいろんな返事をされているんだろうと思います。
 でも、我々がいつも言っているように、今回の原則無期というのは、本当は正社員と言いたいんだけれども、言い切れないなら、労働条件は別にして安心感を持って雇用をしてほしい。伊藤委員の企業も含めて、我々の職場では従業員の3分の1がどんどん入れ替わっていく世界ですから、無期であろうが、有期であろうが関係なく、3分の1の方は自主的に辞められていくのが現実です。ですから、そうしたときに有期労働契約が必要なのかといったら、どうだろうというのが我々の考えです。
 そういう意味でいったら、日本の社会を考えるときに、有期労働契約というものをこのまま無限定にしておけば、どんどん増えていく可能性があります。経営側の見方からいったら多分そうなるでしょう。本当にこれでいいのかと考えたときの歯止めとして考えようとしたら、今、何かの規制を入れるべきなのではないか。そうしたら、入り口の段階で、この有期労働契約はだめです、いいですということをはっきりさせない限り、認めてしまって、途中からこれはだめですという話をできるかといったら、なかなか難しいだろうと思っています。そういう意味で、今の情勢の中で有期労働契約をどうするかと考えたとき、ある程度は認めながら増やさない方法を考えると、やはり入り口規制しかないと労働側は考えて、今、発言しているということです。
 これ以上言っても議論にならないので、これが最後の発言になるかもしれませんが、我々はそう考えて発言をしているということです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 先回の会議で新谷委員から、私どもの業界というのは大きな季節変動がないというお話をいただきまして、そのとおりでございまして、年中無休に近い形をとっておりますから、当然ながら一定の人員が常に必要でございます。年末年始、中元は当然売上げのピークがございますので、増強を図って対応しているというのが現実でございます。
 前回申し上げましたけれども、仕事の内容、責任の程度が自分の希望に合っているとか、勤務時間の日数が短くて自分の希望に合っているとか、多様なニーズがあります。入社のハードルも高くなく、退職される者も自己都合で退職をされていくということで、人を確保しているというのが実情でございます。
 したがいまして、私どもの業界というのは、景気の変動によって減産などがあって、通常の労働者と同じ働き方や労働時間をしている有期契約者を不安定に生み出している、雇用の不安定を生み出している業界ではないということです。一律的な規制というのは、わざわざそれを適用することが果たして社会にとって、日本にとって大事なことなのかと思いますから、雇用の創出を妨げるようなことは反対であると、私ども経営側は思っております。
○岩村分科会長 続いてお手が挙がっていたのは輪島委員ですので、お願いします。
○輪島委員 ありがとうございます。
 島田委員の御発言は非常によく理解するところで、無期なのか、長期なのか、無期の中の正社員というのは、私どもの頭の中でなかなか切り替えが難しいので、そういう点についても、できれば論点3のところで議論したいと思っています。
 とりあえずそれだけです。最後の発言と言わずに、何度も御発言をいただければと思います。
○岩村分科会長 工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 縷々いろいろと言ってきておりますが、要は今後20年なり30年なりを考えたときに、雇用社会をどういうふうに考えるのかというところでありまして、有期労働契約の問題というのはこれまでも当然あって、有期労働契約で働いている方々はおられたわけであります。近年、大きく違っていると思っておりますのは、その数であり、割合だと思っております。特に主たる生計者でありますとか、将来を担う若者が有期労働契約でしか働けないという実態です。これが増加しているという点でございます。
 日本の社会の安定を支えてきたのは、やはり厚みのある中間層の存在であったと思っておりまして、中間層が委縮するようなことになってくると、雇用社会というのは安心または安定というものに乏しいものになってくるのではないかという思いであります。
 やはり今後20年なり30年なりを考えたときに、有期労働契約をこれ以上多く増やすのは問題であろうという思いもありまして、そういう点で合理的でない有期労働契約の理由を制限していくこと、すなわち締結事由をきちっと規制していくことが、この問題を考えていくべき第一のポイントではなかろうかと考えるところでございます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 田中委員、三浦委員ということでお願いしたいと思います。
○田中委員 ありがとうございます。意見という意味で、2つの観点について述べさせていただきたいと思います。
 先ほど来の御意見の中で合理的理由というのがありますが、常に議論されるのは、雇う側の合理的理由についてで、こういう合理的な理由がなければこういう契約はだめだという議論になっていると感じます。しかし働く側にも理由がありますので、働く側の合理的理由についても、きちんと議論すべきではないかと思っています。
 具体的にいいますと、私はこうしたい、こういう働きをしたいというのは合理的な理由になり得るのか。今までの議論では合理性を明確にするのは非常に難しいように思いますし、そういう個人の意思、選択というものを確実に救えるかというとそうではないのではないかと思います。個人の働き方に関する意思を、確実に拾うことも大事であり、そういった個人の意思の多様化をふまえ雇用形態の多様化が必要になってきたのではないかと思います。
 前々回、事務局から出していただいたいろいろな調査結果を拝見していますと、7割ぐらいの方は正社員の経験があって有期契約で働いておられる。有期契約で働いておられる方は、半々で不満、満足があるということが読みとれます。また、今現在有期契約の雇用スタイルを望んでいる方が6割を超えているという事実もあります。この事実の根っこにあるものをきちんと見定めないといけないのではないかと思っております。
 2番目の観点は、今、おっしゃった新卒のところです。今まで御調査をいただいた結果の中で、新卒は有期でないと働けないというようなメディアの報道の事実は、なかなかクリアーに出てきておりませんが、新卒の議論は、現在有期契約で働いている方の7割にあたる新卒以外の方の議論と少し分けて議論をしないといけないと思います。新卒については、雇用創出という観点から議論をしていくことが必要ではないかと思います。有期が無期になったからといって、新卒の方が無期で働けるようになる。ということに直結しないのではないでしょうか。雇用創出の議論と契約形態の合理性については是非分けて今後議論するという観点も入れていただきたい。
 この2点について意見を述べさせていただきたいと思います。
○岩村分科会長 続けて、三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 ありがとうございます。
 先ほどのお話の中で、適用除外というのは基本的に設けないというのを労働側では考えていらっしゃる。その中でこれらに準ずる合理的理由がある場合というところで、そういったものを拾っていくんだという内容だったと思うんですけれども、これらに準ずる合理的理由がある場合というのは、どの程度のことを考えて、具体的にどんなことを念頭に置いて考えていらっしゃるのかということをまずお聞きしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今、三浦委員から労側にお尋ねがあったんですが、いかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 前回7つの事由を入り口での規制にしてはどうかという提起を申し上げまして、使用者側の委員としても、真剣にこれを御議論いただけるということであれば、今後の論議をますます深めていきたいと思っております。
 その前提で、今、7番目に入れてあります準ずる理由というのは、一体何を考えているのかということでありますけれども、例えば昼間学生アルバイトであります。あと、外国人の実習制度で入ってこられている方々であるとか、まさしく?〜?の事由に該当するような、だれが見ても明らかに客観的合理性を備えた事由をその中に入れてはどうかと考えております。本当に真剣に考えていただけるのであれば、ここの?の事由について、例えばこういうことはどうかというような御提案をいただけたらと思っているところでございます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 今、これからそういったことをいろいろ考えられるという話があったわけですけれども、将来的に合理的理由がいろいろ出てくるとすれば、例外というのを広げていくことも考えられるんでしょうか。
 今のお話の中にはなかったんですけれども、例えばトライアル雇用という形でジョブ・カードを活用して試用的な有期雇用の人たちが、将来、無期の雇用につながっていくケースもあるわけですが、そういうことについては、7のところに該当すると考えられる。現在の状況ですから、これから考えるということであれば別でしょうけれども、そういったことでいいだろうかということが1つ疑問であります。
 ついでにもう一つ言わせていただきます。観点は違うんですけれども、派遣法の改正において、登録型の派遣というものを認めるような形で、今、常設されているものの修正をしたらどうかという話がこの前新聞報道であったんですが、そういった形の派遣労働が認められるようになった場合、合理的な理由のどれに該当してくるのかということについて、もう一つ確認をしておきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 労側、いかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 トライアル雇用についてどうかという御提起をいただいたと思っております。先ほど申し上げましたように、7つの事由の7番目の事由は一体何が該当するのかというのは、経営側として、これを真剣に取り上げていただくのであれば、私どもとしてはこれから十分に検討させていただきたいと思っております。
 それと、労働者派遣法の話が出てきました。修正がどうなるかというのは国会の話なので、この場での議論ではないと思いますけれども、派遣というのは間接雇用ではありますけれども、派遣元との関係でいくと、これは直接労働契約を結んでおりますので、それは1〜7の事由に該当するかどうかということで判断されると考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 池田委員、どうぞ。
○池田委員 私は2つの観点で挙げたいんですけれども、1つは今回また東北の方へ行ってきたんですが、気仙沼から石巻の方まで、大分整理されてきております。私の友人がボランティアの協力を得て石巻で事業を再開したんですが、これは何でやったかというと、地元のために貢献をしたい、雇用を増やしたいということです。私の友人は大変な苦労をして、1億近い金を借りて再開したわけですが、現実問題として働き手がない。なぜかというと、失業保険をもらっていた方がいいということと、会社とか家がなくなってしまったので、就業意欲がなくなってしまって、そちら方が楽だということです。今、地元ではやっているのはパチンコ屋さんで、パチンコで遊んでいる人が多い。現実に被災地ではそういうことで、今、政府が失業保険を打ち切るという政策を出していますけれども、確かにみんな働く意欲が少し落ちてきているみたいだということで、失業保険の問題があります。
 もう一つは、私も最低賃金をずっとやっていたんですけれども、今、生活保護とのバランスの問題があります。10年やっていて、何で生活保護の見直しをもう一度しないのかという話をしていたんですが、今日たまたまテレビでやっていましたが、生活保護をもらっていたタクシーの運転手さんが、一生懸命働いても、生活保護と同じ金額だということでした。その方はあえてもう一回タクシーの運転手を始めたということでありますけれども、やはり2兆円近くお金を使っても、逆に生活保護をもらっている方が楽だということで働かない人も増えているということです。
 今、企業の方、経営者の方は、何とか日本の国の中で雇用を増やそうという努力を皆さんしているのではないかと思います。非常に景気のところもあるし、例えばコンビニ業界などは非常にいいようですから、季節的にどんと人を増やせる。それから、震災とかタイの影響などで雇用できないところは、時期的に人を雇えなくなる。だけれども、いいところは人を増やしていける。今、企業によっては外国からも人を連れてきて日本でやろうとか、タイから連れてきているようですから、経営者というのは、基本的に何とか雇用を増やそうということに労力していることは確かだと思います。
 その意味で、有期雇用というのは、やはり先輩方が一生懸命考えたもので、一方では先ほど余り合理的ではないというお話がありましたけれども、日本においては非常に合理的な制度だったのではないかと思っています。今、日本として考えなければならないのは、企業がどんどん海外にシフトしていくときに、日本の国内で雇用しにくい規制を強化することは、本当に日本の将来にとっていいことなのか。
 賃金というのは、国が払うか、企業が払うか2つしかないので、企業が払い過ぎると国が還付する。ただ、国が払うのも企業なりもらっている皆さんが税金で払っているわけですから、基本的には個人から企業が払っているんです。だから、どちらかを活性化しないことにはどうしようもないので、今、日本が考えなければいけないことは、雇用を増やす、企業を活性化させる、なるべく日本の企業が海外に出ていかないで、日本で生産性を増やしてもらう。元気のいい企業にはどんどん雇用してもらう、だめなところには、どこかでバランスをとってもらうことかで必要です。
 有期雇用というのは、企業の皆さんもそれに合わせて一生懸命努力されて、一定の雇用を維持してきているのではないかと思うので、そこにはそれなりの合理的な理由があったのではないかと思います。そういう観点からも慎重に審議をして、我々経営者側としては、今後ますますここの部分においての規制を強化することは、若者の将来に関わってくると思っています。若者はまた別の対策として考えるべきだと思っているので、その辺の失業保険の問題もあるし、生活保護の問題、いろいろ考えますと、今、本当に有期契約を規制すべきなのかということに、非常に疑問を感じている次第です。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 次の論点等もございますので、できれば、今、お手の挙がっている方のところで、ここの部分についての今日の議論は閉じさせていただきたいと思います。今、労側の方で新谷委員と安永委員がお手を挙げて、使側で輪島委員がお手を挙げられましたので、それで一応論点2に移らせていただくことにしたいと思います。
 それでは、今、使側から幾つか御発言がありましたので、まず労側の方で御発言いただきたいと思います。それでは、安永委員からお願いいたします。
○安永委員 ありがとうございます。
 今までずっと議論をさせていただいて、今日も議論を全体的に聞いていますと、対立の構図というのは、経営側の皆さんはそれぞれ個別企業ごとの経営状況を見ながら御判断をされ、そういう立場で発言をされており、労働側の方は、将来の日本の雇用の在り方も含めて、全体的な観点から、日本の中で雇用がどうあるべきかという議論をしているという印象を持って聞いております。
 その中で、雇用の創出を妨げるとか、雇用機会が減少する、海外へ行ってしまうということは、労働政策において常に経営者側の皆さんが主張される点でございます。実はそれぞれの労使関係でも、春闘のときにも必ず出てくる話で、これ以上賃上げなどをすると海外へ出ていくという感じで、いつも脅されるんです。昔の先輩たちのときは、労働組合の方が脅すんだと聞いておりましたが、最近はそういう形で、経営側の方が労働側を脅すことが多いんですが、私たちとしては、日本で事業活動をする限り、そこに仕事があるわけで、その仕事がある限りは雇用があると思っております。事業活動を日本でする限りは、規制がどうであるかによって必要な労働力が減るということではないと思っております。
 それから、失業者の雇用促進のための有期雇用という話がございました。もし経営側がこのお話で入り口規制にのって、その上で失業者の雇用促進はその中でどうするかという議論をされるのであれば、労働側としてもそれはのれる話だろうと思います。それらの具体的な議論をするということであれば、是非させていただきたいと思います。
 それから、これは前にも申し上げましたが、有期労働契約の働き方を自ら選んでいる人が多いという発言がございました。確かにアンケートの結果などを見ると、そのようなことですが、それは自分に合った働き方が有期でしかないから、現状がそうなっているということでございまして、自分に合った働き方が無期ならば、皆さんそれを選ぶわけです。先ほど正社員まではいかないまでも無期をという話がありましたけれども、そのようなことが仮にできるとするならば、無期契約を自ら選ぶ方の方が多くなっていくのではないかと思います。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 使用者側からたくさんご意見をいただきましたので、まとめて申し上げたいと思っています。
 新卒の採用のところなんですけれども、これは一巡目のときにも申し上げましたように、非常に名前の通った女子大の就職部で調べたら、新卒採用の求人はほとんど無期がなくて、有期での求人でしかなかったという現状が昨今出てきております。これから日本の社会を担う若者の働き口が、非常に雇用の不安定な有期しかないという現状をどう考えるか。
 これは仄聞なので確かなことは申し上げられないんですけれども、経団連の雇用対策委員をされていたある経営者の方が、自分のお孫さんが就職をする際に、やはり同じようなことが起こって、自分の経験した就職戦線の時代と違って、今のお孫さんの時代だと、ほとんど正規社員の雇用がないという現状を目にした。これを見て、自分たち経営者は何をやってきたんだろうということを実感されたということを、あるセミナーで聞いたことがございます。
 先ほど工藤委員が申し上げたように、この論議というのは、今日の日本の雇用社会をどう見るか、プラスこれから20年、30年先の日本の雇用をどう見るかという点で、非常に重要な岐路にあると思っておりまして、そういった日本の雇用の在り方というところで、御自分たちの子どもさん、お孫さんの時代の雇用をどうするかという視点でも是非御議論をいただきたいと思っております。
 それと、東日本大震災の被災地の話が出てまいりました。私どもも連合として、多分日本の民間組織では一番多い数のボランティアを派遣したと思います。毎日300人ずつ、延べで3万5,000人を被災地に送りました。私自身も22日間、石巻、気仙沼にずっと入っておりまして、被災地での状況を身にしみて実感しているところでございます。確かに、今、働く場がなかなかない、それが就職につながらないというところを見てみますと、余りいい求人が来ていないんです。現在、復旧から復興に向けてのフェーズが変わってきておりますけれども、非常に短期の雇用しかない中で、踏ん切りがつけられない方が多いというのも分析として出ておりまして、失業者がパチンコ屋で遊んでいるというご指摘は、ちょっと分析が偏っているのではないかと思います。
 被災地での雇用を考えたときに、これから東北での復興を目指すときに、どんな雇用でもいいのかというと、そうではないと思います。これはディーセント・ワーク、人間らしい働きがいのある働き方というものを提供しないと、雇用の質が悪いとなかなか踏み切れないことがありますから、働く場があれば何でもいいということでは決してないと私どもは考えております。
 最後に、海外移転と合理的な理由の規制との関係が出されているんですが、これも最近感じることなんですけれども『日本経済新聞』等で六重苦という言葉が出ております。このルーツをたどっていくと、経産省のある研究会の報告から出ているようでありますけれども、もともと五重苦があって、電力不足で六重苦になった。もともとの五重の中に、日本の強い労働規制、解雇規制があるという話が出ております。
 先ほども池田委員のお話の中に、有期労働契約は働き方としては非常に合理的な選択だったのではないかということがありましたけれども、日本の競争条件というのは、諸外国、特にヨーロッパとか韓国との比較においてイコールフィッテングになっているかというと、決してそうではないんです。なぜ日本の雇用規制が厳しいと言われるのかといいますと、無期の雇用規制と有期の雇用規制のギャップが大き過ぎるから、そう見えています。ヨーロッパの無期の解雇規制と日本の無期の解雇規制はほとんど一緒なんです。唯一違うのは、ヨーロッパ、韓国もそうですけれども、有期労働契約に対する規制が入っているにもかかわらず、日本にはほとんど何の規制も入っていない。だから、低い方に水が流れるように、解雇規制の緩い有期にどんどんシフトが進み、今日のように4割近くが有期契約労働者になってしまって、雇用の不安定と処遇の格差が生じてしまっている。情緒的に日本の解雇規制はきついんだ、労働規制はきついんだということをおっしゃる方が多いのですが、よく分析する必要があると思います。私どもも有期契約労働をすべてこの世の中からなくせと言っているわけではなくて、?〜?の合理的な理由がある場合に限って、規制をかけるべきではないかという提言をしているわけでありまして、是非そこのところは真剣に論議をいただきたいと思っているところであります。
 以上であります。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 労働側の委員が大所高所のお話で、使用者側は目先の商売の話をしておりますので、そういう意味で議論がすれ違っていると思います。ただ、私どもの人事管理の現場のところの話をもう少ししていただきたいと思っています。これは感想です。
 それから、少し前に戻りますけれども、先ほどの7の除外規定のところも、学生とか外国人というお話がありました。前回も申し上げましたが、労働側委員は、これが業務指定なのかどうなのかというところを明確にしていただかないと、よくわからない。いきなり人で指定をして、学生という身分であれば除外になるということで、それでいいのかどうかということは、制度をつくったときに混乱をするのではないか。夜間の学生だったらどうするのかとか、大学院の人だったらどうするのかとか、高校生だったらどうするのかとか、いろんな話になります。そういうことも含めて、大所高所の議論は幾らやってもいいとは思いますけれども、その点で現場の話をしていただきたいと思います。
 論点1についてわからないと思っているのは、冒頭に申し上げしたように、入り口規制の対象が広いのか、広くないのかということです。おっしゃっている原則が無期で、例外が有期だと御指摘がありますから、有期というのはどれぐらいの規模にするのか。1〜7に該当するということであれば、どれぐらいのボリューム感なのかということが全くわからずに議論が進んでいくことについては、非常に違和感を感じるわけでございます。
 そこで、新谷委員にもう一つだけお伺いをしたいと思いますが、前回、中島委員から、自動車メーカーにおいて、期間従業員が一時的な増大に対応するための考慮に該当するということで、その締結事由規制の例外条項に当たると御指摘がありました。その中でも申し上げましたけれども、例えばマックスで1,000人いるときに、量的な変動ということで500人になったり、100人になったりということがあると思って、工場の操業を完全に停止しない限り、そこは完全に0人にならないと思っています。生産工程が稼働している限りにおいて、そこには恒常的な業務が存在することになりますので、少なくても一定規模の期間従業員というのは、その業務に従事するということが実態になるだろうと思います。更に正社員と同じ仕事をしていることになるわけです。
 そういう現状の中で、労働側は以前から恒常的な業務については、有期ではなくて無期にすることを主張しているわけですけれども、そうであるならば、期間従業員の雇用を業務の一時的な増大に対応するための考慮に該当すると考えること自体が矛盾になるのではないかと思うわけです。その点について、是非御見解を示していただきたい。
 労側が提案する締結事由規制の例外条項でありますが、今の期間従業員を2年11か月で雇い止めにするという運用ですけれども、それ自体が該当するのであれば、雇い止めをする必要がなくなると思います。なので、業務の一時的な増大に当たる状態が常に継続して達成している限りにおいては、何ら制約を受けずに期間従業員を活用することができるわけなので、一時的というものをどういうふうに定義をするのか、またはその一時的が数年、3年ぐらい続いていると、それはそれで適切なのかどうかということ、それが業務の波動性によってまた増大してきたときには、一時的というのは延長されるのかどうかということも含めて、是非御見解を示していただきたい。
 もう一つ、先ほど申しましたが、数字的にはっきりしないのは何となくわかります。事務局にお伺いをしますけれども、例外というのはどういう状態なのか。ふわっとしたまま議論が進んで、法案をつくるときにどういう状況になるのかというのがよくわからないので、その点について、数字とかそういうものがあるのであれば、お示しをいただきたいと思っております。
 それから、終わってしまうので、論点だけ言っておきたいんですけれども、先ほど申しましたように、業務量の一時的増大について、前回、最後の興に乗ってきたときに止まってしまったので、この点についても、雇い入れ時点なのか、雇い止め時点なのか。一時的というのは、先ほど申しましたように、どういう状態なのかということです。例外業務以外の業務もあると思いますので、それを兼用するとか、どうするのかということも是非議論する必要があるのではないかと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 労側は今日すぐにお答えになりますか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 たくさん御発言になったんですけれども、私は輪島委員の質問の趣旨がよくわからなくて、業務の臨時的、一時的増大への対応というのは、字義どおり見てもらったらいいと思っています。
 業務で跛行性の強い産業があるわけです。先ほど伊藤委員がおっしゃった流通のような余り跛行性のない産業もあれば、非常に負荷変動の多い産業もあるわけでありまして、私どもとしては、産業実態に応じて考えております。先ほど輪島委員は大所高所から私どもの発言をとらえておっしゃったわけですけれども、私どもはあるべき論とともに、産業の実態に対応する規制を考える。今の雇用に影響を与えないということも当然考えておりまして、そういった意味でいくと、負荷変動の大きな産業については、業務の一時的、臨時的な増大への対応も合理的な事由の中に含んで考えていくということであります。
 先ほどありましたように、製造業の中でも自動車産業のようなモデルチェンジの頻度やヒット車が出たときの対応というのが想定されるわけでありまして、それは一体何年がいいのかというのは、輪島委員からありましたように、これから論議を深めていきたいということであれば、これから一緒に考えさせていただきたいと思っております。
 以上であります。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 今後議論を深めたいということであれば、先ほどの学生や外国人、例外事由も含めて、私どもも分科会長に提出をしたいと思います。それで議論を深めていただくということでお約束をいただいてよろしゅうございましょうか。
○岩村分科会長 この議論は今日先をやってみて、その上で振り返って、今後の議事進行をどうするかということについては、また事務局とも相談してみたいと思いますので、今日のところはあずかりにさせていただければと思います。
○輪島委員 提出することについてもあずかりですか。
○岩村分科会長 そこもあずからせていただきたいと思います。
○輪島委員 新谷委員は今後深めたいということなので、ゴールを見据えながら、私どもも深めたいと思っていますので、その点について御配慮いただきたいと思います。
○岩村分科会長 承知しました。
 あと、事務局にお尋ねがありましたけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○田中労働条件政策課長 1〜7の項目についての数字的な話だと思います。勿論法律案を提出する段階で、それぞれの要件とか、例外要件も含めて、どういう方が具体的にそれに該当し、その方々がどのぐらいの規模になるのか、産業別に見てどうなるのかといったところは、勿論十分に分析してお答えできる状況にする必要があると考えております。
○岩村分科会長 一般論としては、多分こういう規制をするといったときに、どういう人たちが具体的に該当して、どのぐらい人数がいて、どういう影響が及ぶのかというのは立法事実の上では重要なところなので、そこを詰めないとなかなか法律化するのは難しいだろうという気はいたします。
 それでは、大変恐縮ですけれども、論点2に移らせていただきたいと思います。論点2は「2 有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応」でございます。これにつきまして、各側から御意見などをいただきたいと思います。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 具体的な議論の前なんですけれども、いただいている論点2を読んでみても、具体的にどういうルールをつくっていくことを考えているのか、あるいはどういったルールが考えられるかということがよくわからない、はっきりしないところがありますので、まずその辺について具体的に御説明をいただきたいと思います。
○岩村分科会長 具体的にわからないところをもう少しお示しいただいた方が、多分事務局も答えやすいと思います。
○三浦委員 例えば「長期にわたり反復更新された場合」ですけれども、更新回数の問題とか、年数の問題などがあると思います。「期間の定めのない労働契約への円滑な転換」ですけれども、これはどういった形で円滑な転換が行われることが考えられるのかということです。例えば一定の状況になったときに、自動的にそういった期間のない労働契約になると考えるのか、先ほどからもあるように、有期で働くことを選択している人たちもいるわけですけれども、そういった人たちについて、何か考えられることがあるのかということもあるわけですので、その辺について少し御説明をいただけたらと思います。
○岩村分科会長 事務局、お願いいたします。
○田中労働条政策課長 論点2は「2 有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応」ということでお示ししておりますけれども、イメージといたしましては、有期労働契約研究会報告を御紹介した際に幾つかの整理をいただいているわけですが、その中で更新回数や利用可能期間に係るルールという形で整理いただいた項目があったと思います。具体的にはEU諸国などで、EU指令などに基づいて一般化している有期労働契約の利用に係る上限の期間あるいは上限の回数を明確に定めて、それを超えて労働契約が継続したときには、期間のない労働契約に転換していく。こういうルールをどう考えるかということの視点を示させていただいていると考えております。
 期間の定めのない労働契約への円滑な転換ですけれども、上限を定めますと、上限を超えて引き続き雇用される方と、上限の前に雇い止めになったり、自ら辞めたりする方がいらっしゃいます。有期研究会報告では、このルールの課題として、上限手前での雇い止めを誘発する、あるいは業種、職種、年齢などにより、更新などの実態が多様だという課題も示されているところであります。こうした幾つかの課題を踏まえて、いかに円滑に期間の定めのない労働契約に転換が図れるかということは、仕組みの在り方にかかっていると思います。そういったことを御議論いただく項目ではないかと、事務局としては考えております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 期間の定めのないというと、先ほどの島田委員の議論の論点3に近いんですか。そこはいわゆる出口規制という意味の利用可能期間の上限を設けて、そこで転換をしていくことが今の説明の趣旨と理解すればよろしいんでしょうか。
○岩村分科会長 事務局、どうぞ。
○田中労働条件政策課長 一般に出口規制と言われているものであります。確認のために申し上げますと、期間の定めのない労働契約が一定年数あるいは一定の更新回数に到達して、それを超えて継続をしている場合、期間の定めのない雇用に転換していく。勿論正社員かどうかというのは法律上の概念ではありませんので、あくまで有期から無期に転換するということでありまして、それ以外の労働条件をどうするかということについては、直ちにここで議論の対象にするということはないということでございます。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 いわゆる出口規制ということについて、私どもも従来から反対の立場をとっているわけですけれども、その点に関して、3番の論点のいわゆる雇い止め法理との関係で、前回の不合理、不適正な利用の現状になっているのかという問題意識を申し上げましたが、大きな課題は、雇い止め法理においての予測可能性の欠如が、現状の課題を担っていると理解をしております。先ほども申しましたように、論点3のところでそういうことを申し上げたいと思っていたんですけれども、今の点でいうと、そういう意味での予測可能性というのは、明確にクリアーになるという理解でよろしいのかどうかということだけ確認をしておきたいです。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 予測可能性の内容について、どのような内容を考えるかによっても違いますけれども、単純化すれば、論点2については、先ほど申し上げましたように、明確に有期の利用ができる期間とか更新回数を定めますので、そういう点での明確さというものは得られると考えております。
○岩村分科会長 今、問答が続いているので、輪島委員、お願いいたします。
○輪島委員 ありがとうございます。
 そういう観点でいえば、先ほど申しましたように、予測可能性がクリアーになるという点では、論点3よりは論点2の方が重要だと思います。後で申しますけれども、雇い止め法理というものの予測可能性の観点からいえば、論点2の今の点がクリアーになれば、むしろ雇い止め法理の方が不要になるのではないかと思います。
 EUで一般化しているということは、前回、荒木先生からも御説明があったわけですけれども、各国の事情を踏まえてしなければ、一口に上限規制、出口規制を言っても、多様な実態からすると難しいのではないかと思っています。したがいまして、そのことについて、いいか悪いかという議論をこれからするわけですけれども、何となく制度設計のイメージがないと難しいと思っているところです。
 そこで、労側に御質問をさせていただきたいと思いますけれども、期間の定めのない労働契約に転換するという仕組みですが、これも導入をしろという御主張と理解してよろしゅうございましょうか。
○岩村分科会長 それでは、先ほど労側のお手が挙がっていましたので、労側の御発言と、今、輪島委員からお尋ねがありましたので、併せてお話いただければと思います。
○新谷委員 論点2について使用者側はどんな反応をするのかと思って、ずっとお聞きしていたら、やはりそういうことかと思いました。予測可能性の懸念はずっと発言をされてきていて、出口規制は反対の立場であるけれども、予測可能性が高まるのであれば、これについては興味をお示しになられたわけであります。経営側がおっしゃる予測可能性というのは、紛争なく合法的に契約の終了にもっていきたいという意思だと、今の発言を通じて感じたところであります。
 私どもとしては、再三申し上げておりますように、雇用の基本は期間の定めのない雇用でありまして、そういった意味では、一見すると、長期にわたる反復更新をされた場合、無期に誘導する政策をとろうではないかという御提起だと思うんですけれども、これは入り口の規制とセットでないと非常に危ういものになりかねないと考えております。要するに入り口の段階では、無制限に有期労働契約を利用可能にしておいて、出口で規制をかけることについては、上限となる時期に近づきますと、やはり企業はリスクを回避する行動に出るわけでありまして、これは雇い止めを誘発する懸念が非常に高いと思っております。
 先ほども伊藤委員の御発言の中で、負荷の変動が余りなくて、雇用の変動はない産業なんだとありましたけれども、こういった人工的な規制を仮に入れて、入り口の規制もなく、2番の論点だけを規制に加えた場合、多分新たな雇い止めが出てくる可能性があると考えております。伊藤委員もおっしゃったように、上限が近づけば、無期にするのか、雇い止めをするのかという決断に迫られたときに、何割かの方は雇い止めという選択をされる方が出てくるのではないかと思っています。
 後ほど論点になると思いますけれども、先行している韓国の期間制労働者保護法の運用の実態なども多分そういうことになっているのではないかと思っておりまして、私どもとしては、論点2については、入り口とのセットであれば検討に値するかと思っておりますが、組み合わせがなくて、単独で2だけの出口の規制であれば、非常に懸念があるということを申し上げておきたいと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 池田委員、どうぞ。
○池田委員 私ども商工会議所では中小企業が多いんですが、小規模の事業者に雇い止め等を実施する問い合わせをしたところ、規制がかけられた場合、7割ぐらいのところが雇い止めを実施するという情報が入っております。仮にそういう規制が入った場合、それ以前に解雇するという形の中で、また中小零細企業というのは、今、人を雇うのが大変なので、即それに対応するような人を雇うといっても、なかなかそういう人が来てくれないが現実ですから、かえって雇用を減らすという危険性があると思います。
 この間、無期にした場合、正社員とはちょっと違うんだというお話の中でも、それがどういうふうに違うのかということが具体的になっていないと、中小企業の雇用が失われるということが現実問題で出てくると思います。
 レジャーでよく安近短と言いますけれども、安全なところで、近いところで、短い時間で遊べるということです。中小企業、大企業もそうだと思うんですが、今、有期で働いているところは、安心なところ、近いところ、短い時間ということは、採用されている方の大多数がそれに近いのではないかと思っているんです。危険なところであって、遠いところで、何時間働くかわからないところに有期の人が行くのかといったら、大体の方が行けなくなってしまうのではないかと思うし、そういうところに関しては、雇用がしにくくなることが現実問題として出てくると思います。ですから、応用性のある、企業にとっても雇いやすい方法、雇用される方にとっても、自分の好みにあった短い時間で安心して働ける場所、責任感のないところというのが、働きやすい場所を探す1つのいい方法なのではないかと思っています。
 実際に中小企業、零細企業では、長い間働いているパートの方がたくさんいらっしゃいます。これは家族的経営の中で一緒になってやっているわけで、辞めたら、すぐにその代理がいるかといったら、そんなにいないわけで、今度こういう規制があったらごめんね、国でこういう規制がきてしまったら辞めてくださいとお願いをして、辞めてもらうしかなくなるわけです。逆に今の人たちを切ってしまうことは、長期にならないのではないかという感じがするんです。だから、その辺は慎重に考えていただかないと、かえって今の雇用をなくすことにつながると思います。
 今、米欧の雇用形態というのは、もう参考にならないのではないかと思います。あれだけ失業率が増えているし、企業もみんなおかしくなってしまっているわけですから、日本はどうするのかというところで、向こうを参考にできない。逆に言えば、日本は正社員を解雇するのは非常に難しいですから、逆にそちらに及び腰になるかもしれません。欧米は金銭的に解決できることもあるそうですけれども、かえって、それが失業率を増やしているのが現実問題です。だから、日本の失業率が少ないということは、労使関係の合意の中で、今の機能が非常に有効に働いていると思います。特に中小企業は人が足らないというのが現実ですから、もっと雇いやすい方法にしてもらいたいのが現実ではないかと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 この会議に当たり、業界大手、各社人事の情報を得ながら出席をさせていただいているわけですけれども、いずれにしろ、回数という問題に関しては、雇い止めというのは避けられないでしょう。ですから、かえって雇用不安になるでしょう。それから、働く方のキャリア形成に阻害をするということが、当然ながら発生するのではないかという意見はございました。
 ただ、そういった面と、先ほどの論点1に戻ってしまいますが、期間工の話で、私も愛知県出身なものですから、輪島委員が先回話をされましたので、チラシを見ましたら、やはりたくさんございました。期間工募集ということなのに、期間を一切書いてない。あるいは3か月で更新あり、6か月ごとの更新で希望に応じますとなっています。これは臨時的、一時的なのかということを思いまして、働く側の公平性という観点から、論点1も含めて検討しないとおかしな話になってくるだろうということを感じました。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 伊藤委員と同じですけれども、論点1の全体がわからずに2とセットだということは、よくわからないことになりますので、1の論点についてクリアーにならないといけないと思います。ばら売りしない、切り売りはしないということだとすると、全体がわからないのにセットになるのかということも議論ができないので、そこの点についての御配慮をいただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 宮本委員、どうぞ。
○宮本委員 ありがとうございます。
 私どもも中小企業の労働組合の集まりであります。私どものところには2,000企業の労働組合がありますけれども、そのうち300人未満は約8割、100人未満が65%ぐらいを占めています。
 先ほど池田委員がおっしゃったことに反論すれば、私どものものづくりの現場というのは、有期労働者が少ないと思っています。国内の大変厳しい中で、企業経営を継続していくためには、スキルあるいはキャリア形成というのは非常に大事なところであります。特に技能の伝承というのは、日本のものづくりにとって大事な部分でありまして、例えば先ほどありましたように、合法と言われても、2年11か月で仮に更新、雇い止めをするということになれば、技能の伝承も何もできないわけであります。
 そういう結果から、今、我々の足元、中小企業のものづくりの現場というのは、無期あるいは正規と言われる労働者がほとんどであるということです。今、国内のものづくり企業というのは厳しい中でありながら、労使の中で話し合われているのは、一人ひとりの労働者、一人ひとりの技術者の付加価値を高めていく、そのためにどうしたらいいかということです。単なる能力開発だけではなくて、雇用の在り方そのものについても、中小企業、特にものづくりの中小企業の現場というのは、今、真剣に考えているということだけはお伝えしたいと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 島田委員、どうぞ。
○島田委員 議論を聞いていてよくわからなくなったんですけれども、労側がセットと言っているのはそういう意味ではなくて、2を認めようとしたら1を入れないと認めづらいという話で、2を単独で入れてくださいとか、2を議論したいという話ではないんです。
 伊藤委員も言われましたけれども、基本的にどういう年数なり回数で入れるかは正確にはわかりませんが、本気でそれをやったら、我々も個人として考えても、雇い止めが起こるのは必然だろうと思います。先ほど言ったように、1の議論が経営側の皆さんが期間の定めのない雇用というものを御理解されて、それが必要だと思っているんだったら、雇い止めがなくなってくるんだろうけれども、そうではない時代であれば、一旦雇い止めをして、次にもう一度雇い直そうかという話も起こるだろうと思っています。そういうことはゼロにはならない。そういう意味で、先ほど新谷委員が言われたように、韓国がその先例をやったわけだから、一体どのぐらいの人が無期化されたのかというデータがあれば教えていただきたいと思います。
 結果を聞いてからお聞きしたいところがあるんですけれども、セットというのがあるとしたら、年数かどうかは別にしても、入り口から無期雇用をしたときに、本当に今の正社員的な雇い方ができるかといったら、多分企業的には難しいでしょう。有期雇用というのは、雇う費用をすごく低くして雇っているわけです。その意味でいったら、その人物を判断するとか、その業務での適正を判断するための一定の期間、有期雇用は認めてもいいのではないかという意味での2番があれば、そういう部分も考えられるかもしれないけれども、無期雇用にしようという一方で、有期労働契約を何回も更新しながら働いてきたところをどこかで雇い止めるというような話もあり得るのは、ちょっとややこしくなるのではないかと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 今、韓国についての御質問がありましたので、事務局から韓国のことにお答えいただいて、その上で輪島委員に御発言いただきます。
○青山調査官 今、御質問のありました韓国の期間制労働者法について御説明します。この法律は、期間制及び短時間労働者保護等に関する法律で、2007年7月に施行されております。有期の部分につきましては、有期労働契約は2年を超えて継続すると、期間の定めのない労働契約にみなされるという規律です。
 データですけれども、韓国政府が毎月有期労働者の期間満了者のうち、勤続年数1年6か月以上となった人についての契約のその後の措置状況を調査しております。最新の発表を見ましたら、月によって変動はあるのですが、2010年8月以降、期間満了者の中で契約終了者の割合は5割程度となっているものと承知しております。措置状況の内訳としては、期間満了者のうち、契約終了、正規職への転換、継続雇用、その他という4つの選択肢があります。
 今、一番初めの契約終了がおおむね5割程度に推移していると話したのですが、一部ということで、最新の月の数字を申し上げますと、2011年8月の数字で、契約終了が53.3、正規職転換が26.8、継続雇用が19.5、その他が0.4となっております。
 1か月前の7月ですと、契約終了52.3、正規職転換23.3、継続雇用23.9、その他0.5となっていまして、ほぼ同じ傾向です。
 ちなみに、この母数となっている契約満了者の対象ですけれども、この法律は一部の類型の労働者などに適用除外となっておりまして、適用除外を除いた、適用されている人についての数と把握しております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 島田委員、よろしいでしょうか。
○島田委員 1つわからないんですけれども、継続雇用というのは、法律的に認められる世界ですか。要するに正規社員に転換しろとか、無期雇用、期限のないものにしなさいという意味なのか。継続というのはそういう意味なのか、教えてください。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○青山調査官 この調査の発表資料だけを見ると、契約終了、正規職への転換、継続雇用しかありません。一方では、法律の仕組みが2年を超えて継続すると無期とみなされるというものなので、継続雇用というものが法律的には無期とみなされる、法律だけ見るとそう思います。ただ、それ以上、調査上の定義や内容がないものですから、雇用が続いている人のうち、正規職転換になった人以外ととらえるしかないと思っております。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 私から1つ質問なんですが、適用除外がありますね。それはどのぐらいなんですか。要するに適用を受けている人と、適用の対象外になっている人の比率がどのぐらいかというのはわかりますでしょうか。
○青山調査官 データが古いんですが、83回の分科会にも同様の資料を出したころは、まだ韓国政府が適用除外と適用者を分けて発表していましたので、その数を御紹介します。
 2010年6月ですけれども、勤続年数が1年6か月以上の期間制勤労者中、法適用者が43.2%、法適用除外者が56.8%です。
 適用除外の内容なんですけれども、事業の完了に必要な期間を定めた場合とか、休職労働者の代替とか、55歳以上の高齢者、専門的技術、知識、福祉施策等による雇用、他法令の定めで一定の教員などが適用除外となっております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 お待たせしました。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 韓国の点で1点だけです。その数字というのは、法律の施行の影響でそういうふうになっていると理解するんですか。それとも従来からですか。どういうふうに数字を理解するんですか。
○岩村分科会長 事務局、お願いします。
○青山調査官 これは確かに法施行後に政府が行っている調査ですけれども、施行前の数字がはっきりわかりません。かつ契約終了、正規職転換、継続雇用の理由までは、発表資料ではわからないものですから、影響かどうかは判然としていないです。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 私も十分な知識があるわけではないんですけれども、施行前と余り変わらないと聞いています。その点はいかがですか。わからないですか。
○青山調査官 それはわからないです。
○岩村分科会長 島田委員、どうぞ。
○島田委員 1例だけなんですけれども、韓国でも労働組合があるところがあって、電機メーカーを含めて、この施行のために全員が首を切られるということがあって、それに対する紛争があったのは事実です。その支援を我々日本側もしたことがあります。そういう意味では、同じかどうかは別にしても、そういう紛争が増えてきた。だから、経営側が雇い止めをして、次にまた違う人を採用することが現実にはたくさん起こったということです。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 先ほどのセット論の話ですけれども、よくわからないのは、論点1の入り口規制でそもそも対象になる人を絞っていくわけです。原則が無期なので、例外としての有期は、雇用者全体に占める割合が小さいわけです。そういう入り口規制をやります。一方、出口規制は、対象を絞った有期の人が雇い止めになるかならないかということについてということで、それでセットだとおっしゃるわけですけれども、論点1と論点2というのはそもそも別で、セットにはならないのではないかと思っていたんですが、その点はどうなんでしょうか。対象が違うわけですね。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど申し上げたように、私どもとしては、論点1の入り口規制をまず検討するべきだと考えております。そういった意味でいくと、2で提起をされている内容を検討するのであれば1とのセットと申し上げただけであって、2を単独の論点として積極的に展開するつもりはございません。
 先ほど申し上げたように、副作用の懸念が非常に大きい。韓国の事例にしても、契約終了が5割を超えているという現状もございますし、伊藤委員が業界団体で事前に打ち合わせをされた中でも雇い止めをされるということで、流通業界においてもそうなんだと感じた次第でございますし、キャリア形成を阻害する可能性もある。この懸念は、私どもも全く同じ懸念を抱いておりまして、人工的な規制が入ったときに、有期労働契約の方々の二極分化が起こる可能性があるとも考えているんです。要するに優秀な方といいますか、企業として残ってほしい方に対しては教育投資がなされて、そうでない方は投資されなくて、キャリア形成が阻害される。一定の年限がきたときには、無期に転換される方と、そうでない方が出てくる。それがまた負の連鎖で、次の契約にいっても、そういうことで契約されない方が出てくる可能性がある。そういった負の拡大再生産といいますか、なかなか無期に転換されない方がどんどん連鎖で増えていく可能性もあると考えております。
 だから、もともと2の論点は、そういった副作用の防止策がない限り、検討が難しいと思っておりますが、もし検討するのであれば、1との絡みで検討するということで申し上げた次第でございます。
 以上です。
○岩村分科会長 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 1の入口規制と2の出口規制の関係について少し議論がされておりますので、労働側の御見解を確認したいんですけれども、入口規制では合理的な理由がなければ有期契約は締結できないが、合理的な理由がある限り更新は認めるということなのか。ドイツはそういう考え方です。それに対して、フランスは合理的な理由があっても、1年6か月あるいは1回を超える更新は認めない。すなわち合理的な理由があっても、一定以上の期間ないし回数は認めない。1と2の関係については、ドイツとフランスでも対応が異なっているんです。労側の言われる入口規制というのは、どちらを念頭に置かれているのかを少し教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 いかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 1と2について、組み合わせの議論になっているわけでありますけれども、組み合わせのところはいろんな組み方があると考えております。ただ、私どもとしては、再三申し上げておりますように、雇用の基本が期間の定めのない雇用を原則とするべきということであれば、入り口で合理的理由がある場合に限って非常にパスを狭くして、例外的なもののみを有期として、それで通ったパスの後は、出口規制として一定の年限をもしかけるのであれば、その年限に到達すれば、これは無期に誘導するべきである。ただ、副作用の防止策がとられていない限り、出口の規制というのは非常に危ういものとなってくると思いますので、ここの組み合わせについて、少し検討する必要があると考えております。
○岩村分科会長 伊丹委員、お願いします。
○伊丹委員 質問です。韓国の適用除外の話は情報がなかったのでよくわからなかったのですが、2に関する副作用等について諸外国での事例も含め詳しく教えていただけないでしょうか。
○岩村分科会長 荒木委員、お願いします。
○荒木委員 私も実態をよく承知しているわけではありませんけれども、入口規制をせずに出口規制だけを行っている国ですが、ドイツは2年間は客観的な理由がなくてもいい。従前雇っていた人をもう一度雇うことはできないということなんですが、そこは最近3年経ってから認めるという新しい判決が出たこともありますけれども、原則として、ドイツは入口規制はやめるという方向に転換したと理解しております。
 スウェーデンも同様であります。
 オランダも3年間について客観的な理由は要らない。しかし、3年を超える場合には無期契約に転換させるということであります。
 イギリスも4年間以上使った場合には無期への転換ということで、規制をしております。入口規制ではなくて、出口規制にシフトしているというのは、前回お話したとおりであります。
 先ほど島田委員と新谷委員の両方のお話は整合すると思って聞いていたんですけれども、入口規制をやった場合、島田委員はいきなり正社員で雇うというのは難しいでしょうということをおっしゃいました。そうだとすると、ある程度の有期契約の利用というものは認めざるを得ないのではないか。それを労働側は合理的な理由がある場合に限定しようということであります。
 ドイツなどは、合理的な理由があれば、2年を超えても有期契約は使ってよろしいという規制であります。
 フランスはどうかといいますと、フランスは1年半を超えたら、理由があっても使えないということなんですが、実はフランスには合理的な理由のほかに福祉的雇用というものがあって、雇用政策のための有期は認めているんです。これは現実的な必要とは全く別問題で認めております。
 もう一つ、フランスには伝統的に有期契約が認められていた業種というのは、そのまま有期契約を使うことを認めております。これも現実的な必要とは関係なく認めております。その結果、前回お話したように、フランスの有期契約労働者はヨーロッパの中ですごく少なくて、みんな無期になっているかというとそんなことはなくて、十数パーセントの有期契約労働者は現に存在するということであります。したがって、入口規制をする場合にも、入口を認めてよい事業を結局のところは雇用政策的にかなり広く解釈する。その結果、入口の合理的理由に該当するかどうかで、相当な紛争が生じているという状況は観察できるところであります。
 それから、出口規制をした場合、それが雇止めにつながってしまうのではないか、そういう懸念は研究会報告でも指摘をしたところです。そこで考えていただきたい1つの点は、現在、日本では出口規制をしておりません。しかしながら、製造業では、御承知のとおり、どこでも2年11か月ということで、雇止めをやっております。法規制をやっていないにもかかわらず、現に出口規制があるかのごとく雇止めをやっている。その問題に対処しなくていいんでしょうかという点も考えていただきたいというのが1つです。
 それから、今日の前半の議論で、私も大変関心を持ってお聞きしていた点は、労側の方から、有期契約と正社員という議論で考えると、この問題はうまく議論できないのではないか。有期契約といわゆるぴかぴかの正社員の間に無期契約というものを考えないと、労働条件の問題などについて、労使が共通した解を見出すのはなかなか難しいのではないか。これは大変重要な指摘だと考えております。
 逆に言いますと、今、雇止めという問題が起きているのは、無期に転換したら、今の正社員と同じような労働条件を与えなければいけないのではないか。労働者の方も正社員化されてしまえば、正社員と同じような全国への配置転換とか、あるいは残業義務とか、そういった正社員と同じような負担がなければ、正社員転換はできないのではないか。そういう状況では、やはり今のまま有期でいいという方が出てくると思います。
 しかし、有期契約研でもヒアリングをいたしましたけれども、やはり有期契約というのは不安定雇用なんです。不安定な中で更新が続けば、結果的に安定雇用と言ってよいかというと、私は少し違うのではないかと思っております。期間が満了になれば、次に更新されないかもしれないという不安の中で、契約関係を展開する。そうしますと、いろんな労働条件の不満があっても、場合によっては労基法上保障されている権利の行使すらもためらう。こういうことをやったら、次に更新されないのではないかという不安があるとヒアリングでも御指摘があったところでもあります。長期的に有期契約で雇っていいという場合、それをそのまま続けることは、実は正当な権利主張や労働条件改善の要求ができないままの状態に労働者を置いておくということでもある。これに対して、何らかの出口規制で対応する必要はないのかという点についても、検討していただければありがたいと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 先ほどお手が挙がっていたのは、池田委員ですね。
○池田委員 私が申し上げたのは、先ほど宮本さんのおっしゃったものづくりの問題です。ものづくりの問題というのは、非常に大きな問題だと思います。今、若者はものづくりよりも金づくりの方に走ってしまっています。ネットでやるようになっているから、これから海外へ出て行くにも、海外では日本の人たちが何千人の人たちを使っているわけです。ものづくりの世界というのは、どうしても日本の伝統的技術を広げていくことが絶対に必要なことだと思うので、これは労使双方ともに若者の問題をどうするかということは、十分に別の観点で論議すべきだと思います。
 同時に規制をかけた場合、最初はやはり試用で雇うんでしょうから、有期になるのかもしれない。その後は会社が拘束できるのかといったら、その人は嫌だから辞めてしまえという。入った人たちは一方的に辞める権利があって、使用者側は辞めさせるのが大変です。若者を育てていくという観点に関しては、どちらが本当にいいのかということを十分に論議する必要があると思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 島田委員、どうぞ。
○島田委員 新谷委員がしゃべられる前に1つお願いしたいと思います。荒木先生から言われた部分のドイツなのか、フランスなのかと言われると、これは非常に難しい。個人的気持ちでいえばドイツだろうという感覚はあります。でも、問題は1の入り口規制がどういう条件かというのが合意していない中で、どうだと言われても困る部分があります。入口規制を労側が考えているものと違う方法でやられたときに、2の規制もなしですと言われたら、それはまたおかしな話になるんですけれども、基本的に有期雇用がある期間認められて、入り口規制から除外されているんだったら、事業がなくなれば雇用が終了するというのは、当然理解し合った中で契約を結んで入っているわけですから、その労働条件云々を要求できるかどうか、契約更新における不安というのは、ある程度リスクを背負わなければいけないと思っています。何年がいいのかというのは難しいですけれども、20年の有期雇用というのは多分ないんでしょうから、何年でどうだというのはわからない。
 ただ、ある部分で入り口規制から除外されるものが本当に正当であれば、有期契約というのは成り立っている世界だろうと思っているので、余り更新回数の制限云々というのは、普通は要らないんだろうと思っていますけれども、条件をどうするか、労使の中で本当に一致した条件を今ここで決められるんだったら、その中で本当に2の議論をするべきかどうかということについては、話し合ったらいいと思っています。
 そして、先ほど荒木先生が言われたように、今の雇い止めの中身というのは、多分正社員化をするときに、それが無理だということで雇い止めが起こっているから、期間の定めのない雇用というものをハードルの高いものであるとみんなが理解されて、労使とも多分そういう感覚があるんです。そういう認識がなくなれば、雇い止めの数というのは、製造業においても減っているのかもしれない。そういう意味で、そのような事態に対してどのように補完するかあるいは手当するかという議論は余りしなくてもいいのではないか。入り口でしっかりした制度を労使が確認してつくったら、多分2のような制度はつくらなくても、今のところはいけると思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 1と2の組み合わせのところは、今、島田委員が申し上げたとおりでありまして、1の合理的事由の中身を確定しないと、2の適用除外は確定しないと思います。ただ、論理的にいえば、臨時的、一時的業務であるとか、業務の一時的な増大といったものは適用除外にはなり得ないというのが論理的な帰結だと思いますけれども、その他については、1との組み合わせでどう設計するかということに関わってくるのではないかと思います。
 それと、荒木委員から御発言があった中で、有期というものと正社員の間に無期という概念が出てきて、重要な論点だという御指摘があったんですけれども、これについても、先ほど事務局から説明があったように、正社員というものの法律的な概念がはっきりしない中で、単なる無期社員をどういうカテゴリーで位置づけるのかというのは、非常に不安があります。例えば有期から正社員に向けての中間過程として、ステップアップするときの過程として、無期を置くと想定されているのではないかと思うんですけれども、私のところでは逆のパターンが起こって、ステップダウンした事例がございます。要するに正社員に手を挙げさせて、勤務地限定にして、労働条件を引き下げて、単なる無期にしたという実態もあるわけでございまして、こういう制度を仮につくったとしたときに、いろんな面で活用のされ方があるのではないかと思っています。
 まず正社員そのものの定義づけがわからない中で、今、厚生労働省が色々な研究会等々で多様な正社員というものをお考えになられているのかもしれませんけれども、私どもとしては、心配する点があるということを申し上げておきます。おっしゃったように、雇い止めの恐怖を減らすための方策をどうするかというのは、非常に重要だと思っています。それは全然異論がないところでありまして、それは前々から労働側が申し上げている内容で、それはどうすれば解消できるのかといったときに、2の論点では危ない面があるのではないかということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 山川委員、どうぞ。
○山川委員 1と2の関係は種々議論されておりますけれども、2については、御指摘があったように、ここで書かれているのはやや抽象的なものですから、関連性は勿論双方で議論をするとしましても、一応整理すると、2については仮にこれを考える場合には、第一に要件の問題が出てくると思います。それも更に2つに分かれて、これはまだそこまで入る状況ではないと思いますけれども、年数とか期間とか更新回数といったことです。それから、先ほど御指摘がありましたように、本人の希望をどう考えるかという点、これが要件面の論点になります。
 それから、効果面では、いわゆる出口規制での条件を超えた場合には、どのような状態になるかということが、無期か正社員か、あるいはほかにもあるかもしれませんけれども、要は雇用安定を図ることができるような状態になるという論点がもう一つあります。
 3つ目は弊害の問題です。これは双方から懸念が指摘されておりますけれども、1との関係で弊害は発生しないように設計していくのか。
 それから、この点に関しましては、83回の資料でわりと見やすい表が出ております。日本と欧米、韓国も含めた資料ですけれども、荒木委員が先ほどおっしゃられましたように、入口と出口規制の色分けといいますか、一方だけとか両方という整理もありますし、弊害については、例えばクーリング期間の問題などもありますので、一応2における論点も把握した上で関連性も含めて改めて議論してはいかがかと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 先ほどの荒木委員からのお話の中で、伺っていて私が思ったのは、ドイツの場合はある意味韓国の制度とのミックスチャーみたいなところがあって、最初の2年間のところは結局入り口規制をかけていない。その上で入り口規制がかかるということですので、韓国の制度とのミックスチャーみたいなところだという印象を持ちました。
 それから、フランスについては、荒木委員が紹介されたとおりなんですが、他方で非常に気をつけて考えなければいけないのは、前回か前々回に申し上げましたけれども、フランスの場合は無期契約で雇われている労働者について、要するに経営上の理由による解雇の経営上の理由というのは非常に幅が広いんです。したがって、日本の整理解雇で要求されるような経営上の困難というのは必ずしも必要ではないんです。そういう意味で、無期契約のところの雇用調整の幅というのが実は大きいということを前提としながら、フランスの制度というのは理解する必要があるということです。
 もう一つは、フランスについて荒木委員が触れられたように、そういう仕組みをとっていることによって雇用が増えたかというと、そうではないんです。結局、有期雇用を使って若年者を雇うという政策をとらざるを得なくなったということを考える必要があります。それは私からのコメントであります。
 工藤委員、どうぞ。お待たせしました。
○工藤委員 ありがとうございます。
 先ほど池田委員から製造業のお話がありまして、期間をどうするのかというのは、非常に問題になってくるだろうと思いながら、労働側も同じように考えております。
 韓国の例でもありましたが、試用期間が従来3か月程度だったところで、期間制労働者保護法ができてから、それが実質的に1年から2年に長期に拡大したということで、通常の正規雇用の前の試用期間が長くなってきている実態もあると聞いております。これまでの企業の雇用慣行とか、更に人材の補充といった点で、この期間が長くなっているというのが固定化されてきていると聞いておりまして、そうなってくると、労働条件の質の低下でありますとか、雇用の不安、大きな面で否定的な部分が大分出てきていると考えております。したがって、1の入り口規制のところで一緒に考えないといけない。
 韓国の実態を見ますと、日本でも新卒者を始めとしたところの若年層の雇用への影響が大きくなっていくのではなかろうか。要は日本の雇用慣行全体に大分影響が出る可能性がある。したがいまして、今後出口規制のところを検討する上においては、やはり1とセットにして考えないといけないというのと、こういう試みの期間をどういうふうに考えるのかというところも一緒に議論しなくてはならないのではなかろうかと思います。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 感想というか、今、工藤委員が御発言になったので、工藤委員にお答えいただければと思いますけれども、入り口規制をどう設計するのか。つまり狭い除外のところを設定して、そうなると、そもそも有期で活用することが難しいわけです。それで出口規制のところもセットにすることになると、今の経済状況も含めて、1とセットにしたときに、どういう絵姿を考えていらっしゃるのかというのがよくわからないんです。入り口規制をするわけですね。原則は無期なんだから、有期は例外で小さいわけです。そこのところがよくわからないんです。是非教えていただきたいと思います。
 それから、先ほどの荒木委員の点で、私どももそういうふうに思っていて、ただ、企業の中の頭は、どうも無期と正社員の区別ができない。今の労働条件、特に雇用管理の中のいわゆる雇用管理区分というのをどう設定するかというのは、かなり詳細に設計をしないと難しいのではないか。
 ただし、今まで申し上げてきたように、経営労働政策委員会報告の中でも、ここ何年か言ってきた短時間正社員とか、今度の議論になっている多様な正社員という正社員の部分と先ほど御提案があった無期社員は、この間の審議会の資料ですと、右側の上の第1象限のところに、フルタイムで無期の象限があります。そこは第1象限が正社員ですけれども、その中に雇用管理区分を新しく設けなくてはいけないことになるので、そこはどうやって工夫をして、まず無期に転換していくのか。荒木先生がおっしゃるようにぴかぴかな正社員にするために、あとは何をしていくのかという雇用政策上の必要性を議論する必要があるし、そういうふうに誘導するための施策と、法的にはどういうことが必要なのかを議論する必要があるのではないか思います。
○岩村分科会長 工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 長期的な視点で考えると、無期の雇用を雇用の原則に置いた上で考えるべきだというのがベースでありまして、今でも労働者の3分の1ぐらいが有期になっている。これに対して、色々な規制を入れていくというのは相当きついのではないかという御質問だと思うんですけれども、我々は3分の1ぐらいの不安定な方々が存在していることが問題だろうと思っております。この人たちが社会的にもきちっと生活できるような環境をつくることが大事だと思っておりまして、要は不安定な層をなくしていきたいというのが思いであります。したがいまして、不安定な雇用というのは、安定的な経営とイコールではないと思っておりまして、全体でこれを考える中において、不安定な雇用で働く層をなくしていきたいというのが思いであります。
○岩村分科会長 そろそろ論点3に移りたいんですが、まず守島委員からお願いしたいと思います。
○守島委員 先ほど輪島委員が言われたことで、ちょっと気になる部分があります。多分荒木先生のおっしゃったこととの関連なんですけれども、無期、有期という話と、正社員、非正社員という話は、どこかで連動するということを前提にしない議論もあり得る。キャリアトラックみたいなものは、別のタイプの無期社員ができてしまうことになるのかもしれませんけれども、私のつたない知識でいうと、人材管理的には不可能ではないだろうと思っていて、そういう複線型の管理をしていく中で、有期の人たちを無期に転換していく道が開けるということであれば、先ほど工藤委員が言われたような安定性、荒木先生が言われたような発言の力という意味、そういう意味での政策的な考え方で進めていくことは十分に可能だと思っています。全員をぴかぴかの正社員にしなければいけないという議論でも、私は必ずしもないようには思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 まず新谷委員に御発言いただいて、その後、使側にお願いしたいと思います。
○新谷委員 先ほどの工藤委員の御発言ですが、若者の就業との関係で私どもが懸念しておりますのは、入り口規制なしに出口規制だけをやったときに、韓国で起こっているようでありますけれども、試用期間的に有期雇用が使われるという懸念をしております。先ほども予測可能性の話が使用者側から出ましたけれども、今は試用期間をそんなに長くとれないわけでありますが、仮に中間規制が入ってくると、採用の形態を大きく変更する可能性があると思っています。採用のコストも非常に低い。有期の利用可能期間の間に見極めをして、無期に転換させる、いわゆるぴかぴかの正社員に登用させる層と、合法的に利用可能期間が終われば、そこで雇い止めを生じせしめる層が出てくる懸念があると考えています。
 例えば今、関東の鉄道会社でこんな事例が起こっています。1年間の有期雇用を4回更新して、5回目はない。ただし、5回目のときに正社員登用の道があって、それで4割近く登用するんですけれども、6割は雇い止めという形で、入職の形態を分けているんです。2の規制を入り口規制なしに導入して、出口だけに規制をかけるとなると、日本の採用形態が変わる可能性があるという懸念がございます。これは韓国で起こっている事例を踏まえた懸念です。
 先ほど来、有期と無期と正社員というカテゴリーで、守島先生からも軸が違うのではないかとございました。有期、無期と正規、非正規は軸が違うのではないかということなんですが、有期と正社員があって、その中間に無期というカテゴリーが出てきて、これがどうも多様な正社員と一緒なのか、一緒ではないのかという論議が進められつつあって、我々はそこを非常に懸念するところであります。ぴかぴかの正社員と言っている、ぴかぴかといったものは一体何なのかというところがはっきりしないのに、それが多様な正社員という形で語られて、それが単なる無期社員である。あたかも一緒のような論議になっておりまして、そこは労働者側の第3カテゴリーができて、先ほど申し上げたように、ぴかぴかの正社員であったはずのものが、そこまで引き下げられる可能性が懸念として残っている中では、一歩前に進んでそこを論議できないところがありますので、これについて申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 田中委員、お願いします。
○田中委員 ありがとうございます。
 1986年に雇用機会均等法が施行されたわけですけれども、その前の議論をもう一回聞いているような気がしてしまいました。今、議論されている有期から無期への中間、期間だけが無期だけれども正社員です。責任とか配置転換などは少し楽です。という職務はもともと現実的にあって、それを雇用機会均等のいろんな議論の中で見直してきたのではないでしょうか。その中で、現実的には派遣社員や有期契約の方に一部業務を移管していくという形もうまれました。前にも申し上げましたが、高齢者雇用の促進についても同様ですが、有期契約という形態は、雇う側だけではなくて、働く側も含めて、時代のいろんな流れの中で要請を受けて1つの有機的な働き方として位置づけられてきたと思います。今、これにいろんな軋轢が出てきている部分があるので、見直しましょう。ということでこの場があるのであり、それには異論はありません。しかし、もう一回あのようなトラックをおおっぴらにつくるということは、正直言って、私たちは時代を逆行しているのではないか。という懸念を持ちました。
 もう一回戻ったときに同じようなひずみができてきて、また見直しをして、有期とか派遣の方に定型業務をお願いしていったように、仕事を切り出していくということが、また起こるんだろうか。時代は変わっているのに、議論が後戻りしていくとしたら、これはもったいないので、もし今のような議論をしていくのであれば、当時なぜそういうトラックをやめてきたかという理由をもう一回、おさらいして、議論し直さないといけないのではないかというのが、正直言って、今、お話を聞いていた感想です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 先ほどの新谷委員の関東の鉄道会社と自動車産業の期間工は何が違うのかがよくわからなくて、自動車産業の方は全く問題がなく、すべて2年11か月で雇い止めになっているわけです。それと何が違うのかがよく聞き取れなかったので、もう一度御説明をいただければと思います。
 それから、守島先生に御提起いただいた点は、否定をするというよりは、長くなっている人は無期で活用しなければいけないのではないかという議論も一方であって、そのときに素朴に言われたのは、もし現状で変わらなければ、短時間正社員ではなくて、無期時間給社員というカテゴリーにしたときに、その人の定年はどうするのかと言われたんです。それはぴかぴかの正社員と区別しておかなくてはならないんです。
 法令上の60歳定年が、そのまま無期の時間給社員に適用するのかどうかはわからないので、そうすると、雇用管理区分としては分けて、別の就業規則を付けて、別の管理をすることが適切なのか、適切ではないのかということをこちらで議論していて、違いが出てきたときに、どういうふうにするのか。長くなってくれば、労働条件について何か考えなければいけないのか。そういうことからすると、切れているのか、別なのかというところと、別にしても全く構わないとは思いますが、その点でどういうふうに整理をするのかということについて、今、何も指標がないので、新しいものをつくることについて踏み出すのは、なかなか勇気が要ると思っているということです。
 分科会長が3にいきたいのはよくわかるんですけれども、2だけ別途もう一回切り出して議論ができるのではないかと思います。その点がよろしければ、3にいってもいいとは思うのですけれども、まだセットの話、1がよくわからないのと、生煮えだというのは整理をしていただければありがたいと思います。
○岩村分科会長 守島委員はお時間があるので、お答えいただければと思います。
○守島委員 私の発言の意図は、そういう議論を進めていかないといけない段階に入ったのではないかということだけですから、それさえ共有されれば、それで構わないと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、よろしいでしょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 時間のない中ですけれども、御質問をいただいたので、お答えをしておきたいと思います。
 いろんな文献を読むと、韓国で従来3か月程度であった試用期間が、今回、導入された法律によって1年半ぐらいに延びているという報告が論文で出ておりまして、これは非常に憂慮すべき事象が起こっているのではないかと思うわけです。ですから、先ほども申し上げたように、入り口の規制をなしに、入り口はフリーで契約をしていいということであれば、新卒採用の形態が日本においても大きく変わってしまう可能性があると思っています。
 先ほど申し上げた事例は、期間工の話ではなくて不更新条項の話なんです。要するに4回しか更新しなくて、5回目はないという前提で契約をする。要するに1年の契約ですから、5年目にはすべての契約が終了するという前提なのにもかかわらず、実際は5年目のときに正社員登用の試験があって、それで4割近く登用されているという実態があります。要するにそれが試用期間的に現在でも使われている可能性があって、仮に今回の規制が入ったときには、それが堂々と合法的に使われる可能性があるということを申し上げたわけであります。そこをどういうふうに防止するかということも併せて考えておかないと、これが単独で導入されたときには、非常に懸念が多いということを改めて申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 先ほどの議事進行の件ですけれども、いずれにしても、今日、第1点目と第2点目を議論させていただいて、空中戦のところもあって、具体論に入っていかない部分もありましたので、事務局とも相談しながら、1点目、2点目の議論を含めて、そこを詰めるのかどうかということはもう少し考えさせていただきたいと思います。今日のところはまだ論点が残っておりまして、論点3に進ませていただきたいと思います。
 今日のペーパーにあります論点3というのは「3 不合理な『雇止め』への対応」でございます。これにつきまして、御意見をいただければと思います。
 工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 ありがとうございます。
 雇い止め法理でございますが、特に一巡目の議論のときに、経営者の方々からは、予測可能性の低さを御指摘いただいているところでございますが、裁判所に行かないと有効か無効かわからないというのは、解雇の場合も同様だと思います。しかしながら、解雇権濫用法理が2003年に労働基準法第18条の2に入りまして、今、労働契約法の16条に移行しています。成文化されたことの意義は、やはり法律の専門家以外にも広くルールとして知られるようになったということであって、極めて大きいと認識しております。六法を見れば、使用者の目にも、労働者の目にも、だれの目にもわかるということは非常に重みがあることだと思っております。
 雇い止め法理の法文化というのは、結果として個別労使紛争の防止にもつながるのではないかと思いまして、法制化を行うべきだと考えております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ここで言う制定法化ですけれども、なぜ事務局が制定法化することを提案しているのかについて御説明をいただきたいということと、工藤委員は、予測可能性が高まらないことについては、是認するということでよろしいですか。
○岩村分科会長 事務局から御説明をいただきたいと思います。
○田中労働条件政策課長 雇い止め法理につきましては、既に中間のとりまとめの段階においても、労使ともに実務上判例法理として定着しているという御理解でありまして、そういう意味では共通のルールとして明確化することが適当であろうと考えております。
 その際、明確化の方法として、今日も付けさせていただいておりますけれども、最高裁の判例の趣旨を制定法として明記することが適当ではないかと考えております。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 雇い止め法理を制定法化することの意義というのは、先ほど工藤委員が申し上げたように、六法に載って、これはだれが見てもわかるということの意味は非常に大きいと思います。今の判例法理、東芝柳町工場事件であるとか、日立メディコ事件というのは、労使関係の限られたごく一部にしか浸透していないわけでありまして、確立した判例を制定法化することの意味というのは、非常に大きいと思います。
 そのときに、先ほど2の論点でも、使用者側委員が非常に関心を示しておりました予測可能性の問題があると思います。2の論点について、輪島委員はこれから興味を示して、継続して議論してはどうかというようなことを先ほどもおっしゃっていたんですけれども、我々が制定法化を求めるのは、何も予測可能性を高めるだけということを申し上げているわけでございません。経営側の予測可能性というのは、紛争なく合法的に雇い止めをするためにはどうしたらいいのかということを最大の眼目としてお考えになっていると思いますけれども、私どもはそんなことは考えておりません。今回、制定法化するに当たっては、ややもすると、判例のある一面のみを取り出した解釈が世の中にひとり歩きする懸念があります。とくに、東芝柳町工場事件では、実質無期といったときに、更新手続の杜撰さだけが強調されてしまっていて、それが実質無期となるような要件であるかのようにとらえられ、注目されていることを非常に懸念するところであります。
 要するに更新手続さえきちっとしておれば、実質無期にはならないのではないかという解釈が先行していることを非常に懸念しておりまして、今後制定法化するに当たっては、東芝柳町工場事件の持っている意味、今回の事例にもありますように、トータルとしての事件の読み方を参考資料2の5ページにありますように、実質無期となるための状況、雇い止めされた事例とか、本工に登用させる言動があったとか、こういったものも、もろもろの判断要素としてあるわけであります。最後の更新手続をとっていたわけではないということだけが、どうも世の中に出ていっておりますので、今回の制定をするに当たっては、東芝柳町工場事件の判決の内容をきちっと反映させたものにする必要がありますし、また日立メディコ事件の合理的期待の保護というところもきちんと条文化する必要があると考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 予測可能性が高まることと、制定法化することは別かどうかを伺っています。その点も御回答いただきたいです。
○岩村分科会長 いかがでしょうか。
○新谷委員 使用者が望んでいるように、要件をがちがちに定めて、この要件だけを回避すれば合法的に雇い止めができるといった内容で制定法化をするべきではないと思っています。私どもは、今、申し上げたとおり、使用者側が言っているように、予測可能性を高める、合法的に雇い止めをするための法律をつくる意味はないということを申し上げているわけでありまして、判例の判旨をきちっとくみ取って制定法化をするべきだと考えております。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 先ほどおっしゃった雇い止め法理というのは、まさに出口規制として現状でもワークしていると思っています。その点でいうと、人事部門だけではなくて、普通の営業などの管理職でも、3年経ったら正社員にしなければいけないという理解は、一般的に正しい理解ではないのですけれども、割と行われているのではないかと思います。そういう意味では、変な言い方ですけれども、都市伝説のように広まってのではないかと思っています。ただ、それが広まってはいるけれども、本当にわかっていないので、その点について何が問題なのかといえば、予測可能性の問題だろうと思うわけです。ですから、制定法化することと予測可能性を高めることは全く違うことだと思います。
 前回、新谷委員が広範な雇い止め法理ということをおっしゃって、それは普通に読んで、普通の理解なのかどうかはよくわかりませんけれども、その点についてもし法制定化するのであれば、雇い止め法理と予測可能性というのは非常に大事な論点だと思いますので、それを補う必要があるだろうと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 たびたび予測可能性とおっしゃっているんですけれども、経営側が考えている予測可能性というのは一体どういうことなのか、もう一度教えていただけませんか。
○岩村分科会長 輪島委員、お願いします。
○輪島委員 これは何度も申しましたけれども、企業としては、有期労働契約の人たちの活用をある一面では雇用量の調整に活用していることがあるわけです。それは現実にあるわけなので、それを踏まえれば、必要なときに必要な雇い止めを確実にできることが必要だと思います。それが望ましいわけですけれども、これまでの裁判例では、これに抵触することがないように、予防的に3年程度で雇い止めを余儀なくされている。先ほど荒木先生が御指摘になったとおりで、予防的にやってしまって、本当はもっと長く働いてほしい人も含めて雇い止めにしてしまうという弊害が、実際には起こってしまっているのではないか。
 基本的には長く安定して働いてほしいと活用しているんだけれども、100年に一度のリーマンショックのようなことがあると、そのときには雇い止めをせざるを得ない。けれども、そのときには疑問の余地なく、予測可能性が高まる必要はあるだろうと思っているところです。今の判例法理を適用されることを回避するような行動になってしまっているということについては、むしろデメリットが大きいのではないかと思っています。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 そういうことなんだろうと、伺っていて思いました。確実に雇い止めできるための条件をきちっと整えたいというのが、経営側としての意図だと思います。要するに解雇権濫用法理が類推適用されないための要件として、これとこれがあるということを明らかにして制定法化したいというお考えだと思うんですけれども、そうなると、今、持っている解雇権濫用法理の運用が大きく後退する可能性があると思っております。ですから、制定法化するに当たっては、これまでの2つの大きな最高裁判例について、あるべき姿をきちっと読み込んでいただいて、制定法化するべきではないかと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 本質的には正社員の雇用を守るためということが別にあるわけで、そのことを抜きにして考えていただくのは、バランスの悪い話なのではないか。これも再三申し上げている点です。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今の御発言は一体何を意図されたのかわかりません。正社員の何たらという話は、もうちょっとわかりやすく説明いただけますか。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 長くなってもいいですか。
○岩村分科会長 なるべく簡潔にお願いします。
○輪島委員 先ほどの2008年のリーマンショックをどう考えるかということですけれども、100年に一度の社会問題としてとらえることではないか。企業はかなり批判をされたわけですけれども、雇用調整をするということになれば、非正社員から雇用調整をすることについては、基本的にはいろいろな裁判例でも認められていることだと考えられますので、そのことを御理解いただきたい。何度も第1ラウンドで申し上げてきたように、企業経営については景気の波動性があるわけですから、それに対応するための人事管理はどうしても必要になります。右肩上がりの経済成長の中で日本的経営というものが確立をされて、その中に日本型雇用、長期の人材活用の仕組みができてきたわけですけれども、その一方で、正社員への解雇、労働条件の不利益変更というのは難しいことになってきたわけですから、その中で企業の雇用の考え方、どういうふうに要員管理をしていくのかという点で、有期の活用というのが実態として進んできたことは、紛れもない事実だろうと思います。ですから、企業経営の波動性について、労働側も基本的には御理解をいただけるものだと思っているわけです。
 そうであるから、いわゆる2008年の非正規切りと言われた社会的な問題をどう解決するのかということになれば、経済の成長というのが一番大事な話であって、よい仕事を増やすことが一番大事なのに、非正規の規制強化ばかりの話をしているということは、やはり本末転倒だろうと思っています。国全体で雇用量を安定的に増やすことが、まさに、今、総理がおっしゃっている中間層を増やす政策なんだろうと思いますけれども、非正規の規制強化、有期の規制強化の問題は何も解決しないのではないかと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 解雇権濫用法理については、事業の必要に基づく解雇、いわゆる整理解雇のところについて、今、御発言があったと思うんですけれども、解雇権濫用法理は4類型あるというのは御承知のとおりで、そのうちの1つが事業の必要性による解雇、整理解雇になると思います。予測可能性を高めたいとおっしゃるのであれば、例えば解雇権濫用法理の中の1類型であります整理解雇の4要件については、最高裁判例では示されておりませんし、裁判事例によっては揺れ動いておりますので、もし使用者側で興味があるのであれば、この際、整理解雇の4要件についても法制化を考えるところまで踏み込んでいくことについて、お考えになったらどうかと思います。
 それと、御発言の中で、厚みのある中間層を増やそうということで、非常にいいことをおっしゃったと思っています。ところが、一方で、1995年に日経連が雇用のポートフォリオという提言を出されて、雇用の形を分けて管理をするというものが導入されました。私は95年の雇用ポートフォリオが日本の中間層を消してしまったと思っております。非正規労働者の数がこんなに増えて、しかも、非正規の方々の処遇の低さというのは御承知のとおりでありまして、4人に1人が年収200万円以下という状況にあるわけであります。
 今日、論点の4番目で均等待遇の話をする予定になっておりますけれども、是非厚みのある中間層を増やすということであれば、雇用形態にかかわらず、均等な待遇を受けるための方策をどうするかということは、一緒に考えていただきたいと思っております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 バトルです。解雇権について提起をしろということであれば、適切な時期に提起をさせていただきたいと思いますが、私は今そんなことは考えていないんです。長く働いていただいて、そこについてインセンティブを付ける。人材活用していくことが大事で、辞めさせたいと思っているわけではないので、そのことは御理解をいただきたいと思います。
 それから、95年までさかのぼって御指摘をいただいて、大変ありがたいと思うのですが、95年の報告書によって世の中が変わったのか、それともそういう状況があるのをとらえて分析をしたのかというところは、全く立脚点が違うと思いますので、その点だけコメントしておきたいと思います。
○岩村分科会長 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 雇止め法理の立法化については、ほかの関係が問題となるんですけれども、労働側が主張されたように入口規制をした場合、つまり合理的な理由がある場合にしか有期契約は結んではいけないという規制がある上に、更に雇止め法理、すなわち無期契約と同視できる状態になったとか、雇用継続の期待が生じたという場合に雇止め法理が適用されるという両方の規制が重なって、客観的な理由があっても、雇止め法理が適用されるという前提で議論されているのかどうかというのが、1つ確認したい点です。
 もう一点ですけれども、現在の雇止め法理の効果は、期間満了を理由として、契約の終了を使用者の方で主張できないということですが、その後、契約はどうなるかというと、期間の定めのある契約として更新されたという状況になります。したがって、これは2番目の出口規制とは異なります。2番目の方は安定雇用に転化するのですけれども、雇止め法理の場合は有期のまま存続するということで、不安定雇用という状況はそのまま続くということであります。これについては、どういう立法化をすべきとお考えなのかも確認したいと思っております。
○岩村分科会長 労側へのお訪ねです。いかがでしょうか。お願いいたします。
○新谷委員 2つ御質問をいただいて、確かに入り口規制との組み合わせによって、雇い止め法理の位置づけというのは変わってくると思います。ですから、これは入り口規制との関係でどういうものにするかが重要です。反復更新が本当に起こらない状況になってくると、雇い止め法理の在り方も変わってくると思いますので、この組み合わせをどうするかというのは、今後考えていきたいと思っています。
 雇い止め法理で解雇権濫用法理が類推適用された後の効果の問題ですが、今の判例では、同じ契約期間の有期労働契約が継続されるということが効果として認められるということで、有期のままということでありますけれども、私どもの事前の検討の中では、そこに一歩踏み込んで、これを無期に転換させてはどうかということも論議しております。効果の点についても、雇い止め法理の単なる法制定化だけではなくて、一歩踏み込んで法をつくることになってきますので、それについても是非一緒に論議をさせていただければと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 先ほど少し申し上げましたけれども、まだ論点2のところがよくわからないので、その点は重要だと思っています。
 先ほど申しましたように、予測可能性という観点からいくと、論点2のところがそれなりの機能があるということをどう私どもとして理解するのかということを理解した上で、雇い止め法理の3が必要なのかどうかということが、検証される必要があるのではないかと思っています。
 2番目の質問ですけれども、前回も申しましたけれども、不合理、不適正な理由というところをどう考えるのか。政策的にどういうふうに誘導していくべきなのかということですけれども、前回、申し上げましたけれども、長期間にわたって何度も契約を更新して、その後も同様の雇用が継続するということを双方が了解をしている、14条の告示に基づいて双方が了解している状況で突然雇い止めをしてしまうということについては、不合理、不適正だろうと思っているわけです。また、対象になる方が主たる生計者であったり、若年者であったりということも、更に問題を大きくしていると思います。それを前提にした場合、今の有期の人たちをそうでない状況に導くためには、どういうふうにするのかということがお尋ねの趣旨ではないかと思います。
 そこで、現状の多種多様な有期の働き方をどういうふうに政策的に誘導していくのかということですが、労働側がおっしゃることも事実で、正社員にしていくことは重要だろうと思います。前回お示ししましたように、ハローワークにも正社員の求人がありますし、私の自宅にも求人広告が入りますけれども、正社員の募集はたくさんあります。なので、まずそういう状況から脱するということであれば、他社の正社員になるという仕組みをどういうふうにつくるのかということです。
 10月1日から求職者支援法制度が施行されていますし、それがうまくフィットする状況ではないのかもしれませんが、要件をもう少し緩くして、今、有期で働いている人たちが、違う教育訓練を受けてトランスファーできるような仕組みをつくる必要があるだろう。
 2つ目は、先ほど少し申しましたけれども、多様な正社員という考え方であろう。それは地域限定とか職種限定とか、いろいろな議論がありますけれども、そのことも論点としては重要だろうと考えております。調べてみましたら、連合総研では2009年に雇用ニューディールという報告書を出していて、多様な正社員についても議論が必要だというコメントがありますので、そう無下にも言わず、お付き合いいただきたいと思います。
 3点目は、先ほど申しました短時間正社員という正社員カテゴリーです。ここについても、私どもは5〜6年前から必要だということを言ってきました。それから、雇児局の方で割と啓発な事業もしていただいておりますし、先進事例が幾つか出てきておりますけれども、定着がなかなか難しいという状況であります。他社でぴかぴかの正社員になる状況と、多様な正社員であるとか、短時間正社員という方向性があるだろう。
 4番目は、有期から無期に転換をする。これは先ほど島田委員がおっしゃった点で、私どももそこが重要だろうと思います。守島先生とやりとりをしたように、まだよくわからないところがあるので、キャリアアップの仕組みをどうやって考えるのかというのは重要だろうと思っています。
 もう一つ、無期化というのを再三おっしゃいますけれども、先ほど工藤委員も少しおっしゃった長期化、長く働いていくという政策も必要だろうということで、それは有期を有期として長期で活用する。ただし、先ほどから言っているように、本人が希望するということを前提にした長期、有期から有期へということですけれども、その点については、中間的整理には少し書かれていますが、契約終了についての紛争の防止をどういうふうにするのかということについても、議論が必要だろうと思います。
 6点目ですけれども、1回の上限の引き上げということも論点に加えるべきなのではないか。つまり短くしてはいけません、長くしてはいけませんという今の法体系はバランスが悪いのではないかと思います。ですから、その点について長く活用してくださいという仕組みは、長期化というアイテムから必要ではないかと思います。
 それから、先ほどの長期化ではないけれども、ある意味では論点2に関係しますが、短期市場を構築するということも一方で必要ではないか。明確にするという意味です。先ほど事務局からあった一定経過後の無期化ということですけれども、予測可能性を高めるという意味では、先ほど申しましたように、論点としてはあるのではないかと思っています。
 ただし、論点2のところで抜けてしまったんですけれども、クーリング期間というものもきちんと置く必要があるだろう。クーリング期間を空ければ、もう一度職場に戻ってこられる仕組みがございます。先ほどのドイツも、そういう観点からは厳しい制限だったものを緩くしているわけですから、そういう意味でのクーリング期間の議論が必要だろうと思います。
 それから、冒頭申し上げました適用除外というものをどういうふうにするのかということも含めて、多様な実態をどういうふうに政策的に流していくのかということ、法制と雇用政策とを組み合わせて、現状を変えていくことが重要なのではないかと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど荒木先生からお問い合わせがあったので、逆に荒木先生に教えていただきたいんですけれども、例えば出口の規制で○年経過後、利用可能期間を○年に設定した後に、○年以内での雇い止めというケースと、○年ジャストのときの雇い止めがあったら、それぞれ今の判例法理の東芝柳町工場事件、日立メディコ事件で考えた場合に、例えば○年経ったときに合理的期待というものが減殺されるのかどうか。法律で○年が上限と決まっているんだから、その時点での雇い止めは、基本的に合理的期待というのは生じないんだ、あるいはそれは減るんだということになるのか。もし仮に、出口規制は雇い止め法理に影響を与えないということであれば、出口規制を設けたとしても、雇い止め法理の意義というのは随分残ると思いますので、その辺を労働法的に見たときの考えがあれば教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 荒木委員、お願いします。
○荒木委員 雇止め法理については、こういう場合には雇止め法理が適用され、期間満了で雇用契約を終了できないんだということの、まさに予測可能性がないというのが現状であります。今の例も仮に出口規制をした場合、その間にどれだけ反復更新したかによるわけです。例えば仮に上限を4年として、2年契約を1回だけ更新した場合と、1か月契約を何十回も更新した場合、上限の中であっても、反復更新の回数、更に雇い入れのときあるいは更新のときに、どのような雇用継続への期待を使用者が与えたか。まじめに働けば切られることはないですということを言っていたかどうか。そういうことをすべて総合判断して結論を出します。
 したがって、実務家の弁護士の先生もそうですが、我々研究者も雇止め法理が予測可能性がないのは、問題だとしております。2年11か月で製造業が実際上雇止めをしているのは、予測可能性がないので、予防的にやっている。本当は企業としてはもっと使っていいと思っているかもしれませんが、そのような形で、予測可能性のなさが雇用縮小、雇用を減少する方向で作用しているという問題があるんだろうと思います。ですので、一概には何とも言えないという問題があろうかと思います。
 先ほどの韓国の例で、従来試用期間が短かったのは、有期契約を試用に使うということになったのではないかという議論がありました。もう一つ、新谷委員から有期契約の労働者は正規に転換する人と、切られてしまう人に二分化されるのではないかという御指摘もありました。現象としては重要な視点だと思っておりますが、現状のままでいきますと、雇止め法理しかないわけです。そうすると、裁判になるまでは、別に違法ということではなく、ずっと有期で使われる状態が続きます。しかし、訴訟になるリスクを考えた製造業は、予防的に非常に短いところで切ってしまうといとう問題が生じています。
 そこで、有期契約はいろんな雇用調整のために企業が使っているという部分もありますし、雇用調整を全く否定することは経済が死んでしまいますので、それは無理だと思いますが、有期契約で働いている方が1回の試用期間だけで、あとは問題なく無期に移れるかというと、有期の雇用の中で、入職時はそれほど職業能力がなかった方が、有期で更新されていく中で技能を身につけて、まさに正社員化していくという状況は現状でもありますし、そういう機能を有期契約により持たせることが、無業、失業者の方を安定的な雇用につなげるためのステップ雇用として、有期契約の意義を高めることになると思います。
 そういう方向での有期契約のメリットの面をなるべく発揮させるような施策として、どういうことが考えられるかということを検討する必要があるのではないか。そういう点で、現在の雇止め法理というのは、雇用政策的に無業、失業からの有期契約、そこで技能を積んで、正社員、無期社員に誘導するという効果を備えたものではありません。事後的にこれで雇用を切った、それは信義に反しますということでチェックをするところにとどまっている。その点も併せて、雇止め法理については評価をすべきではないかと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 山川委員、どうぞ。
○山川委員 今、荒木委員がお答えになったとおりですが、若干補足させていただきますと、2の論点で出口規制を入れたとしても、期間の長さとの関係で、例えば東芝柳町工場事件は、一番短いものですと、2か月で5回の更新で解雇権濫用法理が類推適用されていますので、期間が長くなると、雇止め法理が適用される余地はかなり出てくると思います。
 ただ、本日の資料にも出ていますが、その場合、最高裁が初めて雇止めに解雇権濫用法理が類推される要件を一般論として示したのは、主たる争点は違うんですけれども、9ページのパナソニックプラズマディスプレイ事件で、これは日立メディコと東芝柳町工場の事件をまとめて、有期契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、または雇用継続に合理的な期待が認められる場合には、雇止めは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときには許されない。これが雇止め法理の定式だと思います。
 そうすると、先ほどのような上限規制との関連でも、この要件での適用によって類推の有無が左右されるということになるかと思います。上限規制を置く場合、それがきちんと納得されて、説明されているのであれば、合理的期待の有無の判断要素としてカウントされるということはあろうかと思います。
 ついでながら、先ほどの輪島委員の御発言等を伺っていると、ある程度労使間に一致点もあるように思います。少なくとも現在の一定部分の有期雇用については、正社員という言葉を使うかどうかはありますけれども、より安定して、かつキャリアアップも図れてという状況にしていくことが望ましいという点では、何らかの一致が見られる。先ほど大所高所の議論というお話がありましたが、今、輪島委員からそういうお話もありましたので、その点では一部でも一致が図られるという気がいたしております。つまり安定とかキャリアアップとか、処遇の見直しという点について、どういうふうに図っていくかという点で更に検討を進めていってはいかがかと思っております。
 多様な正社員との関係で、先ほど田中委員から御指摘のあった均等法以前の問題は、確かに似たような状況が出てきていると思いますけれども、その時との違いは、均等法の場合は、要するに女性であるという理由で一般職に振り分けるということが一番の問題だったわけでありまして、その時と現在とは違う点がある。つまり過去の例を見ると、複数のキャリアトラックが存在していた時代があって、今でも一般職という形で存在はしているので、その辺りは、例えば無期化した後の状況をどう考えるかという点についても、1つの参考資料にはなると思っております。
 それから、1点だけ、先ほどの荒木委員の御発言との関係では、雇止め法理の場合は、効果はあくまでも無期化するというものではなくて、雇止めは合理的な理由がなければ許されないという、有期を前提とした言わば安定化ということでありまして、ある意味ではそれが企業へのアンケート調査等でも、雇止めはあるかもしれないが、やむを得ない場合に限って行うという回答が多数ですので、判例はある意味では実態に近いものをルールとして設定しているという感じがしております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 できれば、論点4のさわりだけでも今日やっておきたいと思います。論点3については、今日の議論を伺っていますと、すべてり論点を論じ尽くしたというところではありませんので、先ほど輪島委員からも御指摘をいただきましたように、今後の議事運営の在り方の中で考えさせていただきたいと思います。
 どうぞ。
○池田委員 雇い止めをしたりするときは、中小企業でもみんな苦しいときなんです。いいときはこんなことはしないので、今の解雇権だけでも、中小企業にとっては非常に重荷になっているわけです。ですから、これ以上法制化するのは、弁護士さんの仕事が増えるだけで、中小企業は弁護士さんを雇うほどの力のないところがたくさんあるわけですから、労使が自主的に話し合ってやれる範囲を残しておいていただきたいと思います。何が何でも法制化ということで、今でも失業保険などについては、会社も協力して、長くやっているパートの方でも入れているわけです。その辺はパイオニアでもどこでもそうですけれども、社員からカットされる大手も多いわけですから、余りがんじがらめの法制化をされることは、大いに考えていただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 今日のペーパーの論点4に移ります。「4 『期間の定め』を理由とする不合理な処遇解消」というところですが、総論的なことでも結構ですので、今日御意見だけでも伺っておきたいと思います。
 安永委員、お願いいたします。
○安永委員 ありがとうございます。
 さわりということで、参考に出していただいている調査結果の抜粋のところに触れておきたいと思います。
 1点目、通勤手当がある事業所割合ということが記載されておりますが、これは単なる支給の有無だけでございますので、私はこれをもって実態とは思っておりません。私どもの傘下の構成組織に聞いてみましても、正社員の場合は必要な額がすべて支払われるけれども、有期の場合は上限が1万円であるとか、3駅分しか出ないとか、自家用車で通勤することは許されていても、正社員は駐車場に止めていいけれども、有期の方は自分で借りて止めてくださいといったこともありますので、支給の有無だけで実態を表しているとはいえないと思っております。
 4番目のところで、正社員と比較した基本給の水準が示されております。比較対象とする正社員は人事管理方針や職務内容、とりわけ責任の程度が最も似通ったものの平均なものとの比較ということでございますが、6割以上8割未満のところが30.4%ということで、ここに山があるように思っておりますが、その数字をどのように評価するかということだと思います。その上で更に低いところ、4割から6割というところについて、直感としてはこれは合理的な格差なのかというところでいうと、疑問があると言わざるを得ません。
 そこで、使用者側の方にお伺いしたいんですが、有期契約労働者の基本給を決める場合、どのような点を考慮して決定されているか。例えば正社員と比べて5割に設定するとした場合、どのような理由で5割なのかということなどについてお聞かせいただきたいと思います。
 それから、パート労働法の13条で、パートタイム労働者から求められたときは、事業主がそのパートタイムの労働者の待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明することが義務づけられていると認識しておりますが、実態としてどの程度具体的な説明がされているのか。そういう事例があれば、お聞かせ願いたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 事務局の方でお願いします。
○青山調査官 資料の説明をしておりませんので、簡単にいたします。
 資料No.1をお開きください。
 表の方は、期間の定めの有無にかかわらず均等に取り扱うべき処遇の種類として、何を想定するかということで、御議論の参考として、処遇の種類を少し分けております。職務の関連の度合いなども違うかと思いまして、通勤手当など、教育訓練など、退職金、最後に職務等に密接に関連するする処遇(基本給など)ということで挙げております。
 裏に実態を載せておりまして、今、既に一部引用なさいましたけれども、通勤手当があるかということですが、8割以上ございます。
 教育訓練の割合は、業務に必要な訓練は同じとか、少ないということで2割ずつぐらいある。
 退職金ですが、有期にある場合は1割、正社員が8割ということで差がある。出している場合についても、額の違いがございまして、同額程度が19.0%、2割未満が29.6%という対応です。
 最後は正社員と比較した基本給の水準ということで、今、言われましたけれども、6割以上8割未満が3割、8割以上10割未満、4割以上6割未満という順番に多くなっております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 済みません。資料を出していただいていたのを失念しまして、説明いただくのを忘れました。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 通勤手当ですけれども、所得税法の問題が企業の人事管理上一番大きいと思うんですが、その点についても、御説明いただきたいと思います。
○岩村分科会長 お願いします。
○田中労働条件政策課長 所得税法は基本的に細かい種類の区分があるんですけれども、通勤手当については、非課税とされている部分が認められておりまして、通常の基本給と区別して通勤手当を支払われる際の基準として、通勤手当の非課税枠といったものも意識されていると考えております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 2kmですね。
○田中労働条件政策課長 車などで通勤する場合、一番最低限の区分として、非課税の部分で2kmというのがたしかあったと思います。
○輪島委員 2kmまでが非課税でしたね。
○岩村分科会長 そこはどうですか。
○田中労働条件政策課長 恐らく2kmまでは、通勤手当として認めない取扱いだったと思います。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 論点4ですけれども、中間的整理のところの表現は、均衡均等からくるテーマと思っていたのですが、こういうふうに不合理な処遇の対象と変わったのはなぜかというのをお聞きしたいです。
○岩村分科会長 事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 10月24日にさまざまな研究会の説明をさせていただきましたけれども、給付の種類によって、職務関連の度合いによって待遇が違うというのがヨーロッパの例でございました。そういうことも踏まえて、典型的なものを挙げさせていただいておりますけれども、給付について、有期と無期の処遇の違いの存否についてどのように評価し、問題があればどのように是正するかということを御議論いただきたいという考えで、こういう形で資料を提出させていただきました。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 もう時間がないので、その点だけコメントを付けて、次回もう一度資料の説明を含めて、リセットいただきたいと思います。
 それと、安永委員から御質問をいただいたので、それは次回にお答えをしたいと思います。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 時間がありませんので、論点4について総論的なことを申し上げておきたいと思います。
 有期労働契約に関わる問題点というのは、ずっと論議してきましたけれども、やはり雇用の不安定さの問題と処遇の格差という大きく2つの問題点があると思っています。雇用の不安定さに対しては、入り口規制を入れることによってコントロールをするべきであるという主張をしておりますし、処遇格差についてはまさしく4の論点にありますように、期間の定めを理由とする不合理な処遇格差を禁止する。不利益取扱いの禁止を実現することによって、処遇格差がある現実を是非是正すべきであると考えております。ですから、4の論点というのは重要な意味を持っていると思いますので、これについては十分に時間をかけて論議をさせていただきたいと思っております。
 それと、次回の論議の際に多分残ったところはやると思いますけれども、分科会長から更に追加の論点があればという御発言がありましたが、それは発言してよろしいですか。
○岩村分科会長 お願いします。
 その後、使側からありましたら、同じことをお願いできればと思います。
○新谷委員 先ほど輪島委員は何点かおっしゃったので、それも含まれているのではないかと思いますが、私どもとしては、今回示されております大きな5つの論点以外に是非論議をしていただきたいのは、雇用の不安定に係るところでありますけれども、雇い止めの予告を制度化していただきたいと思っております。これは労働基準法には30日前までの解雇についての予告と、それに対応した手当の支払いの義務というものがあるわけでありますけれども、雇い止めも有期労働契約の方々にとっては、それが示されるか、示されないかによって、次への準備をどうするかという問題が当然ありますので、是非これを制度化するための論議をいただきたいと思います。予告が30日未満であった場合、その満たない分については、手当も支払うということもセットで是非論議をしていただきたいと思っております。
 もう一つは、手続のルール化を検討いただきたいと思っております。有期について先ほど7つの類型があるということで、合理的な事由について申し上げたところでありますけれども、雇用の原則は無期であるという原則に立てば、なぜこの契約が有期なのかというところの理由の明示を手続ルールとして組み込めないか。今、手続ルールの面でいきますと、大臣告示というものがありますので、この中に組み込めるような検討をしていただきたいと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 輪島委員、お願いいたします。
○輪島委員 コメントを言わせていただきます。
 期間の定めを理由とするという資料No.1ですけれども、期間の定めを理由とするということは、人事管理上非常に大きな点だと思っています。人事管理上はそのことが決定的に要因になるのではないかと思います。したがって、期間の定めがあることについての処遇の相違ということも、必然的には起こり得ると思っているということだけコメントを付けておきたいと思います。
 それから、追加的な論点は先ほど申しましたので、それでよろしいですか。
 1点だけ、今、労側がおっしゃった点の手続ルールの明確化と入り口規制の締結事由規制との違いをそのときにお示しいただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 その点は次回ということで続けたいと思います。
 今日は分科会長の議事進行の不手際もあって、論点4のところは非常に中途半端な形になりましたけれども、今日議論しました論点1〜3、更に論点4も含めて、事務局とともに少し整理をさせていただいて、次回の議事についてどういうふうにするかということを考えさせていただきたいと思います。また、今、労側あるいは使側から途中で御要望がありました点につきましても、次回で議論できるように考えてまいりたいと思います。
 最後に事務局から何かございますでしょうか。
○青山調査官 次回の労働条件分科会の日程につきましては、調整の上、委員の皆様にお知らせしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村分科会長 日程については、調整後お知らせするということでございますので、日程調整の御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。
 議事録の署名でございますが、労働者側は島田委員、使用者側は輪島委員にそれぞれお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今日はお忙しい中どうもありがとうございました。朝早くから、長時間にわたって御苦労様でございました。


(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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