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2011年11月30日 平成23年度第3回化学物質のリスク評価検討会

労働基準局安全衛生部

○日時

平成23年11月30(水)14:00〜16:00


○場所

経済産業省別館825号会議室


○議事

○瀧ヶ平室長補佐 本日は大変お忙しい中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。ただいまより平成23年度「第3回化学物質のリスク評価検討会」を開催します。本日は、西川委員が所用でご欠席です。原委員が遅れてまいります。また、本日はナノ関係の業界団体からお二人に出席いただいていますので、ご紹介させていただきます。ナノテクノロジービジネス推進協議会事務局長林様、テイカ株式会社岡山研究所専任次長奥田様です。
 それでは、議事については座長からお願いします。
○名古屋座長 事務局から、議事資料の確認をよろしくお願いします。
○瀧ヶ平室長補佐 お手元に資料をお配りしています。資料1はリスク評価終了までの間における健康障害防止措置の指導について、資料2はリスク評価終了までの間における健康障害防止措置の指導について、事前にいただいた意見と、それに添付資料を3つほどマスク関係の文書を付けています。資料3は13物質の「有害性」と書いてあるものを付けています。資料4はリスク評価候補物質選定参考資料の(追加分)、資料5はナノマテリアルのリスク評価の方針(企画検討会への報告案)、参考資料1は基準局長通達、参考資料2は酸化ニッケルのナノ粒子について、参考資料3は参集者名簿を付けています。落丁等はありませんか。
○名古屋座長 本日の議題に入りたいと思います。議題1について、事務局から説明をよろしくお願いします。
○松井化学物質評価室長 資料1をご覧ください。この資料は、左側の欄に現行の平成21年3月に出した行政通達の概要をまとめていて、右側に想定される主要な検討項目を事務局で簡単に整理しました。なお、平成21年3月の行政指導通達本体は参考資料1にありますので、適宜参考にしていただければと思います。
 前回まで2回、ナノマテリアルのリスク評価に当たっての留意点と対象物質の候補について検討をいただきましたが、3つ目の項目として、これから個別の物質のリスク評価を行っていくわけですが、このリスク評価は制度による規制の判断になるような材料、根拠を検討いただくこともありまして、3年から4年の期間をかけていままで行ってきていますので、その間ナノマテリアルについてはどう扱うかがあります。結果的には、平成21年3月に労働基準局から行政指導通達を出していますので、これに沿った管理を事業者にお願いをすることになるわけですが、平成21年3月の通達については平成20年度に有識者に集まっていただいた検討会で、なかなか情報がない中で検討いただきました。その結果を基に通達していますので、個別の物質の有害性なりばく露の情報があまり盛り込まれていない状況にあります。ですので、リスク評価の終了までの間に何か具体的に盛り込む事項がありましたら、検討をいただけないかということです。
 ただ、これから個別のリスク評価を行って検討いただきますので、その個別の物質の検討の中で、例えば評価値や労働現場における測定方法といったものを行政指導の中で盛り込むべきかどうかという検討も出てくるかと思います。いままでのリスク評価の途中段階で、行政指導に反映させることはあまりやってこなかったものですから、検討するとなるとリスク評価に当たっても、それに留意しながらやっていかないといけない。そういったことも含めてご検討いただければと思います。
 資料の説明です。資料1の左側の欄をご覧いただきますと、現行の行政指導通達の概要ですが、対象物質としては少なくとも1つの次元が1〜100nmであるナノ物質と、ナノ物質により構成されるナノ構造体ということで、これはISOの定義や最近出たEUの欧州委員会の勧告の定義とも基本的には整合しているものです。2として対象作業は、1.ナノマテリアル等を製造し、又は取り扱う作業と、2.として廃棄又はリサイクルの作業が対象になっています。3番目のばく露防止等の対策ですが、(1)基本的考え方として、1つ目のポツにあるように予防的アプローチの考え方で対策を講じるようお願いをしています。ただし、3つ目のポツにあるように、ばく露防止等の対策を講じる上で参考となる知見があれば、これに基づいて独自の対応を行って差し支えないと通達に書いていますが、右の欄にどのような知見を別途用いることができるのかということが考えられます。(2)ナノマテリアルに関する調査というのは、使用されているナノマテリアルの中身に関する情報の収集が必要であるということをお願いをしております。
 2頁の作業環境管理ということで、2つほど○があります。製造・取扱装置は原則として密閉式でお願いをしていて、密閉化が困難な場合、局所排気装置やプッシュプル型換気装置を設置するように。3つ目の○にあるように、除じん装置についてはナノマテリアルを捕集できるフィルターを備えた除じん装置を設ける。4つ目の○は、作業環境中のナノマテリアルの濃度の把握をお願いをしています。
 右の欄は、作業環境管理に当たって具体的な管理方法を、行政指導すべき物質はあるでしょうかというのが1つの検討項目で、作業環境中の濃度の把握は、測定についてさらに具体的な方法を指導すべき物質はあるか。それから、事業者が基準値として活用できるような濃度を示すことができるかということを挙げています。2頁の下の(4)作業管理についても、さらに具体的な方法を指導すべき物質はあるでしょうかということが検討項目かと思います。(4)の中に○が5つありますが、作業規程を作って、それに沿って作業をしていただく、3頁の2つ目の○で粉じんの発散等が問題になりますので、有害な作業場についてはナノマテリアルの捕集が可能なフィルターを付けた掃除機による掃除などをしていただく。次の作業場と外部との汚染防止は、作業衣などに付着したナノマテリアルを外部に持ち出さないように処理していただくということでお願いをしています。
 保護具については、ばく露のおそれがないことが確認できないときには、呼吸用保護具ということで、1.から3.で並んでいる送気マスクなどのような給気式の呼吸用保護具、2.3.は防じんマスクと電動ファン付き呼吸用保護具ですが、いずれも粒子捕集効率は99.9%以上のものを付けていただく。呼吸用保護具の選定は、本体の参考1の後ろに具体的な選定方法についても入れています。保護具は必要に応じ保護手袋、ゴーグル型保護眼鏡、保護衣等を付けていただく。最後に作業記録の保存で、これを長期に保存するよう努めていただく。
 (5)健康管理、(6)安全衛生教育のそれぞれをお願いをしていて、(7)その他の措置ということで、爆発火災防止対策、緊急事態への対応の策定なり対応をお願いをしています。4頁の4の情報の伝達で、表示やMSDSの交付等についてもお願いをしています。
 資料2です。事前に先生方に意見がないかということでお願いをしたところで、左側の欄に4つほどご指摘をいただいています。1.の呼吸用保護具については、ナノ粒子の捕集が確認されているのでしょうかと、それについては参考資料1の8頁をご覧いただきたいと思います。先ほど申し上げた通達の本体の別添として、「呼吸用保護具の選択の方法」というのを若干詳しめに付けていますが、8頁の下から2行目のポツの途中から、最近の文献により、50nm前後の粒径に対して捕集効率の低くなるろ過材が確認され、N95又はRS2、DS2のろ過材の捕集効率が基準の95%を下回る結果が報告されている。そのため、防じんマスクのろ過材として99.9%以上の捕集効率のろ過材を使用することとしているということです。
 ご指摘がありましたので、少し参考となるような報告を探して資料2に添付をしています。3種類あります。添付資料1-1は、捕集効率が80%とか95%の防じんマスクの捕集性能の試験をしていますが、それぞれ想定している捕集効率を下回ることはなかったという報告が出ています。添付資料1-2はメーカーの方の報告ですが、新しく開発した非常に捕集効率のいい呼吸用保護具のフィルタ性能の試験をされていますが、30〜200nmの範囲で0.001以下の透過率という結果が出ている報告です。添付資料1-3もメーカーの方の報告ですが、いろいろな種類の防じんマスクをテストされていて、一部捕集効率95%のもので95%を下回る捕集効率が出ていますが、それ以外のものは想定している捕集効率が確保されている。基本的には通達でお願いしているような防じんマスク等については捕集性能が確認されているということです。
 資料2の1頁の2.で、局所排気装置の具体的な性能要件(制御風速など)についても明示したほうがいいのではないかというご指摘がありました。これは、検討会での議論をお願いしたいと思います。3.の作業環境の濃度の把握に当たって、ナノサイズ粒子を対象としていない粉じん計等を用いても、一定程度作業環境管理には効果があるので、そういったものを用いても良いとしていますが、これは不十分な場合もあるのではないかということで、これについても議論をお願いをしたいと思います。4.の行政指導に対する産業界の対応はどうなのでしょうか。産業界からのメンバーがおられないというご指摘ですが、本日お二人にお願いをしています。
 参考として、添付資料2に経済産業省の調査の結果を要約して載せていますが、「ナノマテリアルの製造事業者のリスク管理の例」ということで、経済産業省で調査された事業者からの情報提供の結果公表から抜粋をしたものを、参考までに付けています。資料の説明は以上です。
○名古屋座長 どうもありがとうございました。議論を始める前に、今日お越しの業界の2人の方々のお話を聞いてから、議論に入りたいと思います。初めにナノテクノロジービジネス推進協議会事務局長林さん、よろしくお願いします。
○林氏 私からお話をさせていただきます。このナノテクノロジービジネス推進協議会ですが、主に産業界の企業が大体190社集まっていて、そのうちナノマテリアルを扱っているのが30社強ぐらいいて、特にカーボンナノチューブ、フラーレンについては、すべてのメーカーが集まっています。粉体については奥田さんが今日来られていますので、私は主にナノカーボン関係についてお話をしたいなと思います。
 厚労省からのナノマテリアルに関する予防的対応というものが平成21年に出されて、約3年が経過していますが、その間の産業界の対応と現状がどうなっているかについてお話をしたいと思います。まず、私どもの直接の会員である原料メーカー、材料メーカーは、先ほどの添付資料にもありましたように設備の密閉化をはじめとして、ほぼこの対応で求められていることについて厳格に遵守がされていることは、私どものヒアリングからも同じ結果が得られていて、そこについて特に問題があるとか、何か足らないという話は聞いていません。問題は、その材料メーカーからサプライチェーンとして供給している二次業者、三次業者の場合に大きな影響が出ていて、現状この通達そのものというのはここにも書いてあるように、予防的アプローチで書かれていることが特徴で、当然3年前にそれほど化学的な知見があったわけではありませんので、内容的には非常に曖昧です。管理レベルが定められているわけではないし、具体的に保護具はどういうものを選びなさいというのはありますが、それ以外は大体こんな感じという中身になっている。そうなると、実際に産業界でそれを活用すると、どういう現象が起きるかというと、厳しめに見る傾向があるということです。
 保護具の例からいっても、選定の手順の中にほとんど飛散が見られないケースがいちばん左側にあるわけですが、カーボンナノチューブを樹脂に混ぜ込むときに、実際には直接に樹脂に混ぜ込むわけではなくて、前段階で1回カーボンナノチューブを混ぜたコンパウンドというのを作りまして、それを樹脂に混ぜ込みます。そのコンパウンドにCNTを混ぜ込む段階というのは、当然飛散が考えられるわけです。その場合には材料メーカーと同じような対応を取るのが妥当だと思いますが、その次のコンパウンドを使って、今度は樹脂の中に入れて複合材を作るケースの場合は計測方法の問題がありますので、本当にないというのはこの段階では非常に言いにくいのですが、現在の計測方法からいったらほとんど検出されない。そういう状況であっても、結局ほとんどないということを解釈していくと、密閉化が要るとか保護具が要るとかとだんだん膨らんできて、そこまでやるのだったらやめておこうかという話になるわけです。
 樹脂の複合化の話をした場合に、別にカーボンナノチューブに限らず樹脂には難燃剤を混ぜたり、ガラス繊維を混ぜたり、可塑剤を混ぜたりと、いろいろな工程があるわけです。いろいろなものを実際に混ぜ込んでいるわけですが、カーボンナノチューブを混ぜ込む場合だけはこういう処置をしなければいけない。ほかのものを混ぜ込むときにはしなくてもいい。となると、カーボンナノチューブというのは危ないものなのだねという反応が当然出てくるわけです。だったら、使うのをやめておこうかという話になるところが怖いところかなと思っていて、それはこの通達云々という問題よりも、基準がきちんと決められていないところから発生しているのではないかなと思っています。この通達が出された時期というのは、ナノ材料のリスクがクローズアップされた時期でもありますので、粒子仮説や繊維仮説という問題が取り上げられまして、未知のリスクがいろいろと存在していると宣伝された時期ではありますが、現実にどういうリスクがあるのかということを見た場合に、あのときの問題にしてもCNTを注射器で腹内に入れた場合に中皮腫が発生したという事例があったわけです。それも入れている量が3mgとか1mgとか。カーボンナノチューブで1mgといったら数万本とか数十万本です。それを入れて発生したということが取り沙汰されているわけですが、そういう方法で実際にリスクを評価できるのかどうかが問題としてあると思います。だから、どういう基準で評価したときに、本当にリスクがあるのかどうかというリスク評価の基準をしっかり定めないと、先ほどお話したような問題が発生してしまうと思っています。
 ただ、あれから約3年が経過して、いろいろなデータが積み上がってきています。今年について言えば、NEDOの中西プロジェクトの結果等も上がってきまして、その中でこれは議論の余地がいろいろとあると思いますが、肺から入れた場合の炎症の発生に関して、ばく露の許容量がある、ない。実際には「ある」と示されたわけですが、いまの段階だとわりとデータが集まってきていますので、どういう方法で評価するのかというのを是非決めていただきたいと思っています。いずれにしても、ナノ材料を日本で産業化をしていくことに対して、何らかの手を打たないといまの状況では逆風だなと感じていて、現状のままでは日本ではナノの産業は成長できない状況になっていると思います。そういう意味からも、リスクの評価方法を統一していただいて、是非適切な基準を決めていただきたい。既に、これがないとナノ材料については前へ進まない状況になっています、その適切な基準というのが、我々の希望するところです。
 安全以外でも、例えば先ほどのばく露量を現場でどう測るのかについても、いまは決まった方法がありません。したがって、どうやって測ればいいのかという測り方についても基準を決めて、標準化をしていくことが要ると思います。そういうことがナノテクを発展させることにつながって、行く行くは社会貢献につながると考えています。
 ただ、もう1つ問題がありまして、その評価の仕方で現状ですと安全評価するのに、もし90日間吸入ばく露という方法を採った場合に、1件評価するのにおそらく億に近いお金がかかります。そういうものが評価基準として定められますと、これもこれでまたいろいろと問題が出てくると思います。大手はできるかもわかりませんが、なかなかできない所が多いことからも、過大な費用がかかるような評価方法は避けるべきだと思っていて、簡易的な計測方法が課題になってくると考えています。以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。続いてテイカ株式会社岡山研究所専任次長奥田さん、よろしくお願いいたします。
○奥田氏 私どもは酸化チタンのメーカーです。酸化チタンは、通常の白色顔料の酸化チタン、ナノマテリアルの酸化チタンの両方を生産しています。白色顔料の酸化チタンは生産キャパではありますが、年間6万トンあります。ナノマテリアルの酸化チタンの生産キャパが、年間公称2,400トンです。酸化チタンの製造を始めたのは、いまから60年ほど前になります。ナノは、いまから20年ほど前で、比較的歴史は浅いのです。
 これらの作業環境、特にナノに関して作業環境管理はどうしているかというと、ほとんど密閉式です。大体原料投入から最終の包装まで、いくつかプロセスがあります。原料を投入します。その投入原料というのは、バルクの酸化チタンを作っている所から中間体をスラリーで持ってきます。ですから液状物質からスタートします。そのあとも、密閉式でペーハー調整や後処理を行います。最終の乾燥、粉砕、包装して、最後の包装工程だけが唯一オープンになっています。基本的に生産工程は密閉型で、密閉でないところは局所排気を付けている。年に1回、作業環境の測定を外部機関に委託して行っています。その委託機関の評価によると、第1管理区分又はNEDOプロのナノ酸化チタン0.6mg/m3と、十分クリアする数字は出ています。ただ、いろいろな表面処理をしている銘柄の中では若干舞いやすい粉に関しては予防的な措置として局所排気ではなくて、そこを区切ってプッシュプル型を今期導入していこうと考えています。
 作業管理に関しては、作業マニュアルを管理しています。私どもはISOの認証をもちろん受けていますから、そういう規定類というのは比較的きちんと整備していると思っています。保護具に関しては、一応プロセスは密閉化した上で、保護具、特にマスクですね。特に、ナノマテリアル対応マスクと言われるものを使用しています。作業員に関しては、酸化チタンは労安法の通知対象物質又はじん肺法に該当していますから、労安法の対応としてはMSDSに記載して通知しています。じん肺法に基づいて、定期的にじん肺の健康診断を受けていただいています。
 先ほど、事務局長から安全性の話がありました。もちろん、私どもも製造メーカーですから、大変その事の成行きには注目しています。1つ、NEDOの結果が出たというのは大きな成果ですが、いまOECDでもスポンサーシートプログラムで酸化チタンとかカーボンナノチューブとか、59のエンドポイントについての試験が行われると聞いています。ですから、その結果は大変注目しています。そういう結果に基づいて、ハーモナイズしたような規制なり管理が出てくることを望みます。
 最後に、私どもはこの通達というのは非常に重要視して受け止めています。サプライチェーンという言葉がありましたが、公称2,400トンのナノを作っていて、それが大手から中小零細まで、いろいろなサプライチェーンに行きます。大手さんは、原料を投入するときや局所排気稼働時はマスクをしていらっしゃると思うので、たぶん問題ないと思いますが、中小零細に至りましては毎日の定形作業でないとか、年に何回かしか作業しないとか、そういうところがむしろ、こういう予防措置の通達から漏れてくるのかなというところは危惧するところではあります。以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。いまの意見を踏まえまして、せっかくいらっしゃいますから何かお聞きすることはありますか。よろしいですか。では、議論をしていく中でお聞きしたいことができたらお話を聞く形で、先に進めたいと思います。
 資料1のナノマテリアルに関わるリスク評価終了までの間の健康障害防止措置ということですが、これに対する質問等は資料2です。まず資料1でお気づきの点を質疑応答の後に資料2の4はいまお聞きしましたが、1、2、3の議論をしていかなければいけないと思いますが、この前にこの中で議論しておくところはありますか。
○広瀬氏 1番の1〜100nmの対象物質の定義ですが、EUの基準の中にもあったと思いますが、1〜100nmの粒子を50%以上含むのは分布があるので、何パーセントまで含むというのは結構大きな議論でした。ヨーロッパは最初は数パーセントという話が、最終的には50%に落ち着いたと思いますが、それによって対象範囲が随分変わるというので、ここだけで決められる問題ではないのですが、検討課題としては挙げておいたほうがいいと思いました。
○名古屋座長 ナノマテリアルに対しては一次元的な100nmと、二次元的なものと三次元的なもので、各すべてにおいて100nm以下でISOは書いてありますよね。それにプラス、パーセントも入れようという形ですか。
○広瀬氏 粒子で、μgからnmまでの範囲のものが普通製品なので、全部が100nm以下で収まっているというのもあるでしょうけれども、そうではないのも結構あるので。
○名古屋座長 そうすると、その中に大体50%ぐらい含まれているものを対象物質にしようかで検討しなさいということですか。
○広瀬氏 少なくとも、しておいたほうが、「1%しか入っていないですが、やらなければいけないですか」という話から。難しい議論ですが、化学というよりは行政的な感じがあります。
○名古屋座長 ほかに、何かお気づきの点はありますか。若干、作業環境測定の中で、あとにも出てくる通常サイズの粒子を測定する機械で、粉じん計を用いると書いてあるところは、たぶん質問の資料2の3番目にかかってくるのかなと思いますが、そのときに議論しようかなと思っています。マスクのところも1番になりますので、その次に議論しましょうか。そうすると、ここはよろしいですか。ここは、また何かありましたら戻るという形で、資料2を議論していきたいと思います。
 事前にご意見をいただいたところに対して、一応討議を期待していますと書かれていますのでということですね。「市販されている呼吸用保護具はナノ粒子の捕集は確認できるでしょうか」に対しては、一応防じんマスクのナノに対する捕集ということについては明星先生とほかの文献に書かれていますので、とりあえず取れるのでしょうということだと思います。ただ99.9%は取れるけれども、ものによっては95%と80%は、メーカーでも少し漏れるとは書いてあります。ただ、先ほど林さんの意見もありましたが、確かに濃度によってマスクを決めないと、例えば樹脂の中に入れているところを裁断するときも、ナノの粒子はあまり飛んでいません。しかし、そうはいってもナノを扱っているので、99.9%の捕集効率の防じんマスクをしているのです。実際に測ってみても、電子顕微鏡レベルでやっとナノ粒子が確認できるレベルの環境でも、99.9%の捕集効率の防じんマスクをしなくてはいけない。要するに行政の人が入ってくると、そういう指導をされてしまうというので、タイベックを着ながら測定しているのを見ているのですが、その辺のところもあるので、濃度に応じてマスクを使い分ける形のものも少しあってもいいのかなという気はしますが、その辺はどうでしょうか。皆さんのご意見を聞きたいと思います。
 ここに書かれているように、ばく露のおそれがないことが確認できないのが99.9%だと思いますが、ある程度濃度がわかり、かつその中のところが反響していたらもう少し。特に明星先生から出ている資料1-1を見るとわかりますが、これはNEDOの研究でやられたものですが、普通のナノを扱っているものでも、80%は80%のナノに対して効果があるし、95%に対しても95%の捕集効果があるよと書かれていて、それをすべて99%で行くのではなくて、使いやすさもあるので、その辺を検討してくださいと結論に書かれているので、それはあるのかなと思っています。一応確認はされているということではありますが、この扱いはどうしましょうか。ここは、いま書かれている通達をどうかするということで、ご意見を聞いておく形でよろしいのですか。変えるということではないのですよね。
○松井化学物質評価室長 もちろん、ここでこう変えたほうがいいということであれば、行政のほうで検討させていただきます。あるいは、ここを変えるか変えないかも含めて検討したほうがいいという項目を挙げていただければ、今後どう検討するかというのはまた事務局で検討します。
○名古屋座長 3つの論文しか出ていないので、これに対応してすぐにマスクの選定をする。例えばインジウムのように濃度によってマスクの防御率が決められてというのはなかなか難しいかもしれませんが、濃度に応じてマスクのグレードを変えるものを検討してもらう形では置いておいてもいいのかなと。この辺はどうでしょうか。あくまでも99.9%しか駄目だよとしてしまうのかどうかというところだと思いますが。
○松井化学物質評価室長 事務局から提案をさせていただきます。先ほど林事務局長のお話にもありましたように、基準がないというのがおそらく事業者は対応にいちばんやりにくいなというところかと思います。濃度の基準がないことと、どうやって測ったらいいかという基準もないということがありまして、そういったものは個別の物質ごとに検討しないと難しいのかなということもあります。今後個別の物質のリスク評価を行っていただくときに、途中段階で評価値なり測定方法なりを検討いただきますので、その都度これを行政指導のほうに移していいかという検討の方法もあるのかなと思われます。
○名古屋座長 そのほうが、リスク評価されるときにばく露の濃度も出てきますし、現場の状況もわかります。少し情報収集もできるから、そちらのほうがいいのかなという気はします。そうすると、個別の濃度に対応した測定方法。測定はそんなに変わらないかもしれないと思いますので、そうした方法もあるかなと思いますがどうでしょうか。
○花井委員 確認です。いま基準値というお話がありましたが、有害性の基準値のことなのか、ばく露量を測定する基準的な手法のことなのか、その辺は分けて議論したほうがいいと思います。それで林さんにお尋ねしますが、いくつか問題を出された中で、リスク評価の手法がないというようなことを言われましたが、例えばの話でNEDOプロジェクトで今回いくつか出ましたね。ああいった、かなり議論を重ねて出てきたような結果というか手法というか、そういうものがあれば使って進めていけるものなのか、まだ不足しているものなのかはどうでしょうか。
○林氏 それで行くと決めていただければ、それはそれでありがたいことだと思います。ただ先ほど言いましたように、90日間吸入ばく露はしんどいねと。例えば気管内注入法や短期間のばく露、そういうもう少し簡便な方式を希望する。それは費用の面です。ただ、いちばんの問題は、この方法で行きましょうと決めていただくことです。この方法で評価しましょうと。それによって、良い悪いの結果が出るようにしていただきたいということです。
○花井委員 具体的な測定法も含めてということですね。簡便に。
○林氏 そうです。問題は、それがおそらく日本だけで決められないのではないかと思います。世界的な合意がないと、より標準に近いものまで持っていかないと、現状では厳しいかなと思っています。
○圓藤委員 有害性とかもですよね。
○林氏 そうです。
○櫻井委員 要するにNEDOで提案しているのは、一定の規格というか、もの。この製品だと、こういう数字になるのだというものなので、実際にはその他いろいろ、それぞれのメーカー取扱いによって違うから、90日間とまでいかなくても28日とかで、ばく露限界値を設定しなければならないと考えていらっしゃるのですね。だから、そこをどのように考えるかをまとめてほしいということですね。
○林氏 そうです。今回のNEDOプロジェクトはエンドポイントが、たしか肺の炎症ですよね。それで行くならそれで行くと決めていただければありがたいということです。
○圓藤委員 お聞きしますが、それは新規物質について化審法みたいなところで届出をするときに、そういうデータを付けなさいということになっていることを想定しているわけですか。
○林氏 具体的にそこまでは考えていませんが、現状ナノ物質というのは危ないらしいというふうに、風評という言い方はおかしいですが、それがありまして、それが本当に危ないのか危なくないのかをはっきりさせないと、ビジネスとしては成立させるのが難しい状況になっているということです。とにかく、我々からすれば危なくないということを証明したいということです。
○名古屋座長 有害性の評価。
○林氏 はい。それも全部が危なくないということではなくて、ここまでだったら危なくないというものが。
○圓藤委員 それは評価委員等がばく露実験をやってくださるということですか。
○林氏 それは我々はもちろんやりますが、その基準を我々が勝手に決めたらまずいですよね。
○名古屋座長 難しい問題ですね。この委員会では、なかなか決めきれない問題かもしれません。要するに、動物実験のところのお話でしょう。有害性のリスク評価になってくるから。
○圓藤委員 要は、通常の動物実験ですよね。
○櫻井委員 ただ、キャラクタラリゼーションをやって、一定の物質についてこうだという提案をしていますよね。けれども、それをどれぐらい拡大解釈できるかというところまでは踏み込んでいませんので、そこが問題なのですね。
○林氏 難しい問題がいろいろとありまして、吸入の場合は肺ですが、実際に皮膚からというケースもありますし、食道系に入った場合というのもあるでしょうから、その中でリスクをどう評価するかがここの課題だと思います。それをいろいろな評価方法がある中で、この方法で行きましょうと決定をしていただくというか、そういうことが現状は必要かなと思っています。
○櫻井委員 NEDO的な発想からいくと、気管内注入で相対的に比較するということを一般論として提案していますよね。それが使えるならばそれでいいだろうということになると思いますが。
○林氏 それがオーソライズされるのだったら、我々としてもありがたいです。
○櫻井委員 そのあたりが検討課題。
○名古屋座長 有害性の評価ですから、ここでは取扱いが難しいかもしれませんが、一応留めておいて、大前先生のところで決めるわけにはいきませんよね。ここは動物実験の話ですからね。なんとなく、それが必要なのだということはよくわかるけれども、そこに踏み込んだところまでは、いまここではできないかなということでよろしいですか。一応議事録に留めてもらったことで我々は、結果が出てきたときには結構対応できますが、そこのところをどうするかは難しいかなという気はします。
 申し訳ありませんが、先に進めます。マスクについて1つあるのは、参考資料1の後ろに通達があって、12頁に参考だと思いますが防護係数5,000が入っている。これは、マスクの防護係数を書いただけで、これを使えということではないと理解してよろしいですか。
○松井化学物質評価室長 これはそうです。普通の付表2をそのまま付けると著作権上問題があるので、まとめて書いただけです。
○名古屋座長 5,000は相手がわからなくて、消火をするときに消防士が付けて行くマスクなのでナノ取り扱い作業場で使用するのは、大変かなと。防護係数5,000は厳しいかなと思っている。参考ということだったら、大体ありだということですね。そしたら、マスクのところはこのあとリスク評価をした中で現状に合わせていって、もしかしたら99.9%ではなくて、濃度はわかりませんが、それに応じて若干80%とか95%を使う検討も盛り込む形でよろしいですか。
 2の行政通達の局所排気装置を設定していると記載されていますが、要するに具体的な性能要件について明示したらよいのではないか。これはどうしましょうか。1つ難しいのは、いまの粉じん則で対象にしている粉じんの場合、総粉じんを対象にしているので、かなりハードな吸引速度の制御風速になっているのと、プッシュプル換気の場合はどちらかというと吸入性粉じんを対象にしているので、0.2(m/s)という設定をしています。ナノは総粉じんで対応するのか、もしかしたら吸入性粉じんに対応するのかということになってくると、制御風速の部分は総粉じんですから、かなり大きな粒子を対象にしている。プッシュプルの場合は、性能要件は対象にしているのは吸入性粉じんですから0.2でOKになっているのですが、制御風速を局所排気装置に設定したときに、小さな粒子をそのまま制御風速で管理するのはなかなか難しいかなと。というのは、ナノ粒子を取り扱っている作業場で秤量室の場合、原材料を秤量するときに、局所排気の制御風速を守っている箇所で秤量したら原材料は飛んでいってしまって、なくなってしまいます。だから、秤量はできないよということがあって、漏れない程度の管理はしていますが、制御風速まできちんと制御されてしまうと、ほとんどのカーボンとかカーボンブラックとかはダクトに持っていかれてしまうというのがあるので、作業現場ではもしかしたらそれはいいかもしれないけれども、場所によって難しいのかなというのがある。漏れない管理をしておけばいいということのほうがいいのかなという気はしますが、どうでしょうか。それとも制御風速をきちんと決めたほうがいいですか。作業工程によって違ってくると思いますが、いまのところは、制御風速まで性能要件として決定することはどうでしょうか。
 これは、現場へ行ってきちんと見てこないと制御風速はわからないと思いますが、1つあるのはリスク評価のときに現場へ行かれて、風速を測ってきたときにきちんとそこで決定するやり方もあるのかな。あえてここで決めなくて、現場の状況を把握してきて作業工程ごとに決めるのか、あるいは局所排気装置だったら従来どおりの制御風速でいいのかどうか。あるいは秤量のようなところで制御風速を決めてしまうと、材料を持っていって何もできなくなってしまうよ。これはまた違うのかどうかということで、ここもリスク評価をする中で、出てきたデータで決める形も1つあるかなと。これはどうしましょうか。
○圓藤委員 粒径が小さければ風速は低くても、集められるのですか。
○名古屋座長 プッシュプルの場合は、吸入性粉じんに相当するということで小さくしていますので、物質が最低で動ける速度が0.2と規定しています。だから、有機溶剤と同じ形で0.2にしてOKだよということで、プッシュプルは捕測面のスピードを0.2に決めているわけで、でも粉じん則を決めた当時はまだ吸入性粉じんの測定はなかったですから、総粉じんを対象にしてやっているので大きい吸引風速でないと漏れてしまう。そのため、かなり大きな風速が要るねという形で決めているというか、同じ粉じんを扱っていても、粉じん則の場合とプッシュプルでは対象認識が粉じんの場合は違うよと言われています。ナノはもっと小さいですから、たぶん0.2(m/s)もあれば漏洩することは無いと思います。ただ、先ほど言ったように樹脂の中に入れて粉砕するときにはかなり大きな粒子が出てきますので、それは持って行かれなくても、ナノの作業ではないけれども粉じんの作業なので、粉じん則をそのまま適用するかなということにあるかもしれないと思います。
○圓藤委員 ということは、ナノの作業環境管理濃度みたいなものが決まったら、それを守るような風速にしたらいいということですか。
○名古屋座長 リスク評価の初期評価や詳細評価に行ったときに出てきた値と勘案して、その間に濃度が出てきたら、作業環境管理区分のところと制御風速で決めるのか、そうではなくてリスク評価をしていって第1管理区分だから、それでOKかなという評価の仕方があるのかなと。だから、明示したほうがいいかどうかに対しては、いまのところは明示するよりは、どちらかというと初期リスク評価の結果を受けて明示したほうがいいのか、あるいは作業環境管理みたいなものであえて明示しなくても、環境管理がうまくいっていればいいよとするのかどうかということを検討したほうがいいのかなと。いまここで明示するとか明示しないとか決めないほうがいいのかなと思いますが、どうでしょうか。一応そういうことにしておきますか。よろしいですか。
○松井化学物質評価室長 特化則の管理濃度が決まった場合には、局所排気装置などはその管理濃度が保てるように稼働させる、性能を決めることになっていて、その場合は特に制御風速を決めてはいないのですが。
○名古屋座長 だから、管理濃度を決めて特化則になったときに、性能要件の中に2つあって、抑制濃度にするのか、制御風速にするのかという形ですね。もしかしたら、ナノのときに制御風速で決めずに、抑制濃度で決めるやり方もあるのかなと。
○松井化学物質評価室長 わかりました。
○名古屋座長 だから、普通の作業のときには制御風速は要るけれども、秤量の場合はそれはなかなか難しい。そしたら、もしかしたら抑制濃度というやり方もあるのかなということ。だから現場がまだわかっていないので、性能要件としてどちらを使うかは、そのあとに決めてもいいのかなと思っている部分があるということです。よろしいですか。
 3は、ナノ測定機の利用が困難な場合は、通常のナノサイズの粒子を測定する機器で粉じん等を用いると書いてありますが、どうでしょうかということです。ここはどうしましょうか。1つあるのは、通常サイズの粒子を測定する機器である粉じん計を用いる場合、要するにナノサイズの測定の利用が困難な場合には、通常サイズの粒子を測定する機器が粉じんという場合ちょっと困るのは、いまのデジタル粉じん計ですと0.3以下の粒子の対応が困難ですよね。そうすると、そこの現場で測ったときにカウントを打たないからといって、では粉じんがないのかというとそうではなくて、小さな粒子はあって大きな粒子がないからカウントを打たないよということ。そうするとイレギュラーしてしまうので、できたらCPCのような比較的ナノを測れるものと通常のデジタル粉じん計で同時に測定して、デジタル粉じん計がカウントを打たなくてCPCがカウントを打つようでしたらナノが多いので、それはナノで管理しなければいけないよ。逆に、CPCのカウントが少なくてデジタル粉じん計のカウントが多いときにはナノが少ない可能性があるので、デジタル粉じん計による管理で良いかなと思います。そうは言ってもナノサイズの粒子がないから通常のデジタル粉じん計を使っていくというのは怖い気がするので、せめてCPCとデジタル粉じん計を併用して測られた中で、ここの場所はナノの管理をしなければいけない現場なのか、デジタル粉じん計でできる現場なのかという形の測定はあってもいいのかなと思います。いま、測定機のことを考えると。
 ほかに粒度分布を測るのは、通常WPSで測定するのですが、WPSはおよそ1000万円ぐらいするので、現場測定に用いるのは無理かなと思います。そうすると、通常サイズの粉じんを測定する機器でナノ粒子を測定するというのは、いまの状況では危ないかなと。当時は、まだそういう機械がそれほどなかったので、粉じんと同じ扱いの計測を書いたのですが、最近は粒度分布計で、ナノのところまで測れる機械ができているので、ある程度そうした計測器と併用して測定するシステムを作っておいたほうが安全なのかなという気がします。
○大前委員 いつも聞くのは凝集体となっているから、単離しているものはほとんどないという話をよく聞きますが、凝集体の場合は通常のデジタル粉じん計でいいということですか。
○名古屋座長 凝集体のサイズが0.3よりも大きいときはいいのです。サイズが0.3より小さい凝集体がたくさんあるわけです。そうすると、たぶんパーチカルカウンターで0.3でもカウントしないけれども、CPCはカウントする。それは、同じ凝集体としても凝集体の大きさは200nmとか、そういうものがあるかもしれない。300nmより大きかったとしたら、それは2つの粉じん計で測ることができるけれどもということで、同じ凝集体でも300nmより下の凝集体が入ると、CPCのようなナノを対象にした測定機で測っておいたほうがいいのかなと思います。
○櫻井委員 ナノ粒子であってもナノマテリアルであっても、ばく露限界値は個数ではなくて重量で勧告することになると思います。ですから、ここの意見の内容の左に書いてあるのは少し矛盾しています。もともと重量濃度で勧告して、それが重量で測定するのだったら、ばく露限界値が極めて小さいのでなければ普通にできるわけです。いま議論していらっしゃるのは、個数をカウントすることによって代替する話ですが、基本的には重量を測って。
○名古屋座長 たぶん、個数を重量に換算する。要するに相対濃度のK値と同じようにCPCで測ったあとで、CPC用のK値を掛けてナノ粒子濃度求める。例えばいまのところはシーオータスは、240nm以下とか100nm以下の質量濃度が測定できる分粒装置はありますが、360万円とか高いので、もう少し経ったら少し安くなると思います。そしたらそれを使って、100nmに対する質量濃度とCPCを合わせていって、併行測定をしてK値を求めて、重量に換算する方法はできると思いますが、そこで管理すればいいかなと思っています。
○櫻井委員 いまみたいに、凝集していくような場合、あまり問題なさそうに感じています。
○名古屋座長 そうすると、本来的にはそういうのを測れる質量計があればいいのですが、いまのところたぶんないので、個数濃度のものをある程度質量に換算するシステムがOKだとしたら管理できていくのかなと思います。ただ、相対濃度計で測っているとナノ粒子をイレギュラーしてしまって、ナノの影響が強く出てきたときに嫌だなと思ったので、ある程度きちんと測れる機械が100万円という高い機械ですが、あるので現状の機械できちんと測られたほうがいいのかなと思ったということです。
○櫻井委員 最初から重量で測るとどうなのですか。それも、そんな面倒ではないと思います。
○名古屋座長 時間がかかると思います。そんなに高い濃度ではないので。
○櫻井委員 0.何mg/m3ぐらいのオーダーだったら測れますか。
○名古屋座長 濃ければいいのですが、普通の樹脂のほうにナノを入れていって、複合材にして作っている現場は、まずナノの粒子はかなり時間をかけても測れない部分がある。
○林氏 0.000。
○櫻井委員 μgオーダーだったら重量で測るのは。
○名古屋座長 それと1時間とかその測定時間ではなくて、2時間、3時間でもっと時間をかけて、重さが測れるだけの濃度を取って換算する形になるのかなと思います。
○櫻井委員 ナノマテリアルの種類にもよりますね。それほど低い数字にならないものもあると思います。酸化チタン。
○奥田氏 数字の大小ですか。個数の。ちょうどNEDOプロでも、実際の作業環境、作業しているときのばく露濃度の測定をCPCでしていましたが、ナノを捕測するのは難しいです。結果でいったら数百ナノ以上、もちろん凝集した状態でしょうけれども、そういう結果が得られていたかと思います。ですから、ナノマテリアルの定義にも及ぶのかもわかりませんが、どういう測定手段を用いるのかが大変重要なことかと思います。
○名古屋座長 そうしたら、ここのところはそういう形の議論でまとめていただければありがたいかなと。4は、いま業界から説明があったように、できたらきちんとした測定方法を決めることと、特に難しかったのは有害性のリスク評価はここでは決めかねますが、そういう形のものが決まればいいねということだと思います。
 資料2まではよろしいですか。引き続き、事務局から議題2の資料の説明をよろしくお願いします。
○松井化学物質評価室長 それでは、取りまとめ案のほうもご説明をさせていただきます。資料4をご覧ください。前回、資料3でリスク評価の対象候補物質のご検討をいただいたときに、もう少し有害性の情報があるというご指摘がございましたので、資料4に追加分をまとめております。これは主に江馬先生からご指摘のありました生殖・発生毒性のところの追加と、あと鉄の関係で一部、前回の資料で不明確なところがございましたので、そこを原典に当たっております。
 簡単にご説明しますと、資料の2頁は、酸化チタンの生殖・発生毒性について、培養細胞の試験の結果を追加しております。
 3頁にまいりまして、カーボンブラックについては、生殖毒性について前回情報が得られなかったというふうに整理しておりましたが、今回ご指摘に沿って2つ有害性の情報を追加しております。上がマウスの精子形成に影響があるという実験データ、下が培養細胞への影響です。
 4頁にまいりまして、フラーレンの生殖・発生毒性について、ラットの静脈内注射で胎盤や胎児に移行が見られたという試験結果を追加しております。
 5頁は、銀の生殖・発生毒性の培養細胞の試験結果を追加しております。
 6頁も、同様にシリカの生殖・発生毒性の培養細胞への試験結果を追加しております。
 7頁は鉄ですが、生殖・発生毒性のウシの精子への投与ということで、結果は影響を受けなかったという結果が出ております。
 8頁にまいりまして、これは資料3の鉄の情報が少し不明確なところがありましたので、追加をしております。鼻部吸入ばく露の4週間の試験で、これは試料が蛍光性の染料を包み込んだ磁性ナノ粒子ということで、薬品の体内の標的臓器への移行のデリバリーシステムなどの試験研究が行われていることに関連した、こういう試料を使っているようです。結果として粒子が脳とかほかの臓器に分布したということと、いちばん下にあります脾臓における髄外造血がひき起こされたという結果が出ております。先生方に事前にお送りした資料で、結果の1つ目のポツが「脳を貫通している可能性」と書いておりましたが、正確には「脳血管関門を通過している可能性」ということで訂正させていただきます。
 9頁、ポリスチレンの生殖・発生毒性の培養胚への投与試験を追加しております。
 最後の頁に資料3-14.という一欄表のところで、2.カーボンブラックのところに、生殖毒性試験の気管内投与試験があるということと、鉄のところで反復投与毒性の4週間の試験があるということで、下線部を追加しております。
 もう1つ追加情報で参考資料2が、前々回、大前先生のほうから、産業医大の森本先生が使われている酸化ニッケルについての検討をしてはどうかというお話があったのですが、酸化ニッケルは使用量等のデータがございませんで、どうもあまり使われていないようです。森本先生にも伺いまして、一応、森本先生のグループで使われているのは、主に有害性試験の陽性対照物質として使っているということで伺っておりますので、その辺を森本先生の総説などから状況をまとめさせていただいております。以上が追加の有害性情報等です。
 次に資料5です。前回までの検討の結果の報告案です。この案につきましては、先生方に1度お送りいたしまして、ご指摘いただいたところで下線部になっておりますのは、表現等を修正した部分です。
 1つ目の検討項目のリスク評価手法の留意点ですが、これを2、3頁の別表にまとめまして、今後、個別物質のリスク評価を行うに当たって、留意していくということにしてはどうかということです。
 2頁にまいりまして、留意すべき項目ということで、1〜5にまとめております。1が有害性及びばく露評価のための測定法ということで、留意すべき内容として、通常、重量濃度を基準として有害性ばく露の評価を行っているのですが、ナノマテリアルの場合は、表面積や粒子数を基準とすることが適当な場合があると言われているということで、当面、用い得るべき妥当な手法ということで、1.としまして、有害性に関する情報が重量濃度を基準としている場合が多いこと等を勘案し、評価の一次的な基準としては、原則として、重量濃度という議論がございました。2.としまして、さらに詳細な評価を行うに当たっては、必要に応じ表面積や個数濃度を基準とした評価を行うと。3.として、そのために必要な情報収集を有害性情報の収集やばく露実態調査に当たって、可能な限り収集を行うということにしてはどうかということです。
 2として、同じ種類のナノマテリアルの中でいろいろな有害性の違いがあるということです。
 留意すべき内容については、結晶構造や粒子等の形状、表面処理、粒子の凝集状態、粒子サイズ、その分布、あるいは化学的な修飾によって有害性が変わるということがございます。
 当面用いるべき妥当な手法として、1.として酸化チタンの中のアナターゼ型とルチル型、カーボンナノチューブの単層構造のものと多層構造のもの、フラーレンとフラーレンに官能基を修飾して水溶化したもの等ですが、同じ種類のものであっても、特性の相当程度異なるものは、グループ分けして、リスク評価に当たって配慮を行う必要があると。
 2.としまして、同じグループの中では有害性の高いものに着目して、全体の評価に役立てると。
 3.としまして、このため必要な情報、有害性が異なる要因となる情報を可能な限り収集するということではどうかということです。
 3番目、有害性で用いられる試料が、留意すべき内容の部分も合わせて申し上げますと、気中や溶液中でできるだけ分散させて試験をしているのに対して、労働現場では凝集していて大きな粒子となっているということで、有害性試験と労働現場のばく露で状態が異なっている可能性が大きいという部分ですが、当面用いるべき妥当な手法ということで、粒子が小さいほうが有害性が大きい可能性があるので、基本的には、粒子を分散させた有害性試験では安全側を見ることができていると想定をして、ばく露の状況と比較を行うということ。それから、懸濁のための媒体の有害性の影響や粒子のサイズの分布についても、情報収集を行うということです。
 4としまして、有害性評価に当たって留意すべき事項ということで、いくつかご指摘があります。1.としまして、嗅覚神経から脳への粒子の移行ということがありますので、神経毒性の検討に当たって注意が必要ということがございます。2.としまして、不溶性のナノマテリアルの肺毒性が多く指摘されているところで、先ほどの話にもありましたが、肺の炎症反応をエンドポイントとして使用しているけれども、炎症反応を伴わない胸膜等への組織沈着にも注意が必要であるという議論がございましたので、留意事項として考える必要があると。
 3.ですが、亜慢性の試験のヒトへの外挿というのが行われているところですが、発がん性のおそれのある物質については、この方法の限界も注意が必要だということで、それぞれに指摘されたことをまとめてございます。これらについては、個別のナノマテリアルのリスク評価に当たって注意が必要であるとまとめてございます。
 5としまして、ばく露評価に当たって留意すべき事項ということで、バックグラウンドとの区別、2.は守秘義務の関係です。これらは、それぞれ個別のナノマテリアルのばく露実態調査に当たって、対応方策を検討する必要があるというまとめにしてございます。
 1頁に戻っていただきまして、2つ目の検討事項としまして対象候補物質です。前回にご議論いただいたところの概要をまとめて見ております。酸化チタンについては、すでにリスク評価をやることはお決めいただいておりまして、本年度にばく露評価のための測定法の検討と有害性評価書案の作成を行っていると。
 ここで書いております測定法の検討、有害性評価書案の作成は、それぞれ委託調査で行っていることを指しておりまして、本年度これを行いまして、この検討会でご議論いただくのは、来年度の初めか早ければ今年度の末というタイムスケジュールになりますが、そういうスケジュールをもって本年度から着手しているという表現をしておりますので、ご了解いただきたいと思います。ほかに「24年度から」と書いてあるものが後ろに出てきますが、同様です。
 (2)としましてカーボンブラックについては、前回の議論で候補物質とすべきであろうということで、平成24年度に測定法と有害性評価書案の作成を行うこととしたいとしております。
 (3)のカーボンナノチューブにつきましては、厚生労働省の委託試験で、日本バイオアッセイセンターで2年間の長期ばく露試験を来年度から実施することにしておりまして、今年度13週間の試験を実施しております。発がん性の試験結果が出た時点ですぐにリスク評価ができるように、平成24年度から測定法の検討等を実施することとしたいという案です。
 前回の議論で、(4)のフラーレンと銀についても候補物質とすべきであるということでした。ここにつきましては、前回優先順位を検討という名古屋座長のお話がございましたが、事務局のほうで多少予算などを考慮しまして、フラーレン、銀については、(1)〜(3)の3物質と比べて少し遅れて着手してはどうかという案です。
 (5)としてその他のナノマテリアルについても、比較的製造・取扱い量が多いものについては、継続して有害性情報の収集を実施する必要があるということにしております。
 少し飛びまして4頁に、いま申し上げました物質について、この案どおり取り上げると、想定でこのくらいのスケジュールでできるのかというものを挙げております。酸化チタンにつきましては、今年度、平成24年度に初期評価、平成25年度に詳細評価をやったとすると、平成26年度にリスク評価のとりまとめが実施できて、さらに措置、つまり制度的な規制を前提にさらに検討するとすれば、制度的な健康障害防止措置の検討を平成26年度にやって、あくまで必要な場合ですが、法制度に基づく規制を平成27年度で、想定でいうとこのくらいのスケジュールかと思います。カーボンブラックはそれの1年遅れで、カーボンナノチューブは厚生労働省の委託のがん原性試験の結果を待ってですので、それより若干遅れると。フラーレン及び銀は、さらにそれに続くと、想定でいうとこのくらいのタイムスパンなのかというのを整理しております。
 6、7頁に、事前にいただいたご意見を表に整理しております。左側がご意見の内容で、右側が反映状況等です。1.については、粒子サイズの分布が重要ですというご指摘で、取り上げる場所を少し増やしているのが反映状況です。
 2.、留意すべき内容にナノマテリアルの「形状」を明記したほうがよいということで、ご指摘に沿って直してございます。
 3.の留意すべき内容の守秘義務のようなことですが、これはばく露評価に当たっての障害ではあるのですが、現状でいうと研究開発を目的として測定した場合に、その公表に少し問題があるということですので、一応現状を述べているということです。
 4.の酸化チタンの現状の話ですが、これについては右の欄にありますように、今年度、ナノサイズの酸化チタンについては測定法の検討を行っているので、平成22年度にはナノサイズ以外のものを先行させてばく露実態調査を行ったということです。
 5.は、ばく露の測定法の表現があまり適切でないということで、ご指摘に沿って表現を直しております。
 6.,7.は、カーボンナノチューブの現状認識の表現が少し適切でないということで、ご指摘に沿って直してございます。
 8.ですが、スケジュールを考えると、取りまとめ案は妥当だと思うけれども、検討の方法としてオリジナルの論文を精読するとか、あるいはNEDOプロジェクトの関係者を招いてじっくり話を聞くとか、そういうことも必要ではないでしょうかということですが、今回はナノマテリアルのリスク評価を実施するための最初の取っかかりの部分をご議論いただいたということですので、今後、個別の物質のリスク評価をいただくときに、こういった手法も検討してはどうかというのが事務局の提案です。
 9.として、ばく露実態調査は非常に大変で、予算もかかりますというご指摘で、そのとおりですが、個別のリスク評価に当たっては、測定方法の検討から始めますので、それを踏まえてでき得ることでやっていくということで考えられるのではないかということです。資料の説明は以上です。
○名古屋座長 資料4と資料5について、参考資料2はありましたが、何かご質問、ご意見等はありますか。
○花井委員 いちばん最後になってるばく露の実態調査、これが非常に重要だというのはよくわかるのですが、リスク評価という意味ではばく露評価がなければいけないのですが、参考1のスケジュールに書いてある酸化チタンのばく露実態調査の初期評価と詳細評価と。これは具体的には、例えばどのようなイメージなのでしょうか。
○松井化学物質評価室長 初期評価は、製造・取扱いのある事業場から一定割合で報告をもらうと。実際、今年ですと中災防に委託をして、ばく露実態、個人ばく露測定を事業場で行っていただいているのですが、それは初期評価というのは、全体から比較的ばく露が高そうな所を、コントロールバンディングで抽出したものから一定割合で行っていただいておりまして、それを踏まえてリスク評価の検討をして、これはリスクが高そうだと。つまり、例えば2次評価値を超えている事業場がいくつかあると。この作業はばく露が高そうだということになりますと、それをさらに詳細に調べるというのを2年目にやっていると。
○花井委員 手法に関しては、違いはそれほどないということですか。
○松井化学物質評価室長 そうですね、ターゲットは絞り込まれるということで考えていただければと思います。2年目は、理想的にはもう少し少量を扱っていたり、いろいろなバリエーションが出てまいりますので、それも考慮してばく露実態調査をやるようにはしております。
○花井委員 そういう意味ではばく露評価が、従来ここで議論してきた有機物とか、そういったものに関しては測定できるという前提で、実際測定してきているわけですが、先ほどの議論も聞いてみると、100ナノ以下のそういうものに関しては非常に測定が難しくて、現場から上がってこないのではないかということも懸念されるような気もするのですが、これは非常に高価な測定器をもってやれば、ナノ粒子の個数濃度云々も実際得られる、そういう見通しのもとにやっているということですか。
○松井化学物質評価室長 このリスク評価については、特に事業者に測定を行っていただいているわけではなくて、委託調査で、現状では受託者は中災防で測定をいただいていまして、その前段でどのような測定法を使うのかというのも、中災防でまず検討をいただいているのがいままでのやり方で、今回の酸化チタンのナノサイズのものについても、今年度の委託調査で中災防、棗田さんが中心になってご検討いただいているという状況で、若干難しい点もあるというふうには聞いておりますが、まずそこの測定法の検討をやって、どういう方法ならばく露を調べられるかということから始めていくということです。
○花井委員 その辺を最初のころの議論と合わせて考えると、産業界は非常に何か簡便な方法が必要だ、そういうものがなければできないというお話もあったように思うのです。実際の物質のリスク評価となると、自分の所で製造して使っていこうと、それはそれぞれ違うわけですから、やはり事業者が主体的にやらなければいけないと思うのですが、簡便といったら変ですが、そういう自分たちができる手法の開発と、現在考えられている数百万円だか数千万円だかする装置との間のギャップは、かなりあるような感じがするのですが、その辺は見通しというか構想としてはどういうことになるのでしょうか。
○名古屋座長 それは、現時点で中災防が議論しているところの現状はどうかということだと思います。要するに、平成23年度は測定法の検討が入っていますので、これからまだ検討されるのでしょうが、現状はどうでしょうかというお話をお聞きできればということだと思います。よろしくお願いします。
○棗田氏 酸化チタンに関しては、NIOSHがBICというものを出していまして、そこで一応手法みたいなものを出していまして、それに基づいて少し検討をしているのです。ただ、その手法は、電子顕微鏡で最後のぞいてやるという話になっているのですが、その手法を電顕のメーカーに聞いたところ、1検体何シェア見るのかというところがあるのですが、テムで見るとおそらく1検体30万ぐらい取らないと、とてもできないという話ですので、おそらくいまのところその手法を使うのは難しいと。
 もう1つ有力になりそうな手法としては、金沢大学が開発されているナノ個人サンプラー、一応論文上では出ていまして、その先生に委員会のほうに入っていただきまして、サンプラーを提供していただいて、それがどのナノサイズに対応できるのかというところもあるのですが、もし、それがうまく対応ができるのであれば、それの場合はその捉えたものがほぼ、酸化チタンであれば、別にナノ粒子であればそのまま原子吸光の中で溶かして分析してしまえばいいということなので、それだとかなり実用性が高く、可能性が高いと思うのです。ただ、これがフラーレンとか、例えばカーボン、そういったものにそのまま適用可能かと言われると、またそれは検討が必要という形ですので、おそらく来年度以降、そういったものを含めて、CPCとか、そういったもので考えていかざるを得ないのかと。粉じんでいうK値みたいなもので将来的には考えていかざるを得ないかと思っているのです。
 ただ、どこをターゲットにするのかが、実は先に決まらないと、測定法も決めるのが難しい部分があります。有害性を見て、例えば表面積までという話は一応ないということにはなっていますが、カーボンナノチューブなどですと、形態を確認しないで、ただ粒子径だけでいいのかという問題も出てくると思いますので、そのあたりは私よりはたぶん名古屋先生たちのほうがお詳しいと思いますが、その辺を含めておそらく平成24年、うまく落とせればうちで検討するという形になると思うのです。ただ、うちでなくても、同じことをおそらく来年度以降検討せざるを得ないかと思います。
 ただ、いまのところ、うまくいけば個人サンプラーで取る方法ももしかするとできるかもしれない。ただ、正直、今年度中に完全に結果を出せるところまでいけるかというのは、完全にお約束が、受託者がこのようなことを言ってはいけないのですが、正直かなり難しい面があって、そこは完全に絶対できるというふうにお約束はできないと思います。
○名古屋座長 このとき手法としては、例えば個人サンプラーではなくて、B測定のような形のでクリアするという形もありますよね。
○棗田氏 そうですね。ですから、定点測定のような形でCPCを使って、どこか発生源近傍で長い間引く機械等を使って、それでK値的な形でやるという方法は現実的に可能ではないかと思います。
○花井委員 測定法の問題は、中災防とか厚生労働省だけでなくて、経済産業省とか文部科学省とか、ほかも関係した問題なのだと思うのですが、その辺は全体的にはいろいろやっているのですか、ここで、このような質問をしては申し訳ないのですが、もしご存じでしたら。
○林氏 先ほどお話されたレベルだと思います。検討はされていると思いますが、有力なものがあるという状況ではないと思います。
○名古屋座長 ただ、現状の話をすると、日本は意外と作業現場の測定はしているのです。ただ、研究論文などの報告文が出せないと。先ほど言った守秘義務が掛かっていて研究論文が出せないと。ヨーロッパは結局チャンバー的な実験をしていて論文は出ているのだけれども、なぜ日本は現場の測定結果出せないかというと、現場ではたぶん心配をされていて、ナノ粒子があるかどうかを測定してくださいと言うことで測定をするけれども、ではその結果をオープンできるかというと、オープンできないのです。ということで、ほとんど現場での研究論文が出てきていないのは、要するに予防的な感覚の中でナノは危ないと思われていると。これを一旦出されたら困ってしまう部分が業界にあるために、要するに守秘義務を掛けないと、私たちが測定できないということは、そこで出てこないので、測定することは結構行っているのです。だから、結局、オープンにできていないから、情報として発信できていないというのが現状だと思います。
○花井委員 そういうのは発信できていなくても、現場がきちんと測定して問題ないということの実績はあると。
○名古屋座長 たぶん、そういうことが分かるのは、業界は、この業種は危なくない、有害性の評価がきちんとできればいつでも測定していって、このレベルができたら、うちの管理区分はこうですよと出せるのだけれども、そこのところはきちんとはっきりしないと、風評被害的なものがあるといけないという形で、怖さという形のものだけがあるので、なかなか外に出せないという形になっている部分の悪循環だと思います。
 本来はきちんと測定した濃度を見ると、シリカに比べてはるかに安全なレベルの濃度だけれども、しかしながら、ナノというのはどのようなものなのだろうね、危ないねというのが先行に立ってしまって、なかなか出てこない部分があるのかと思っています。是非、ここで検討されたことがこのスケジュールに乗ってくると、たぶんナノ測定からいろいろなことが出てくるので、そうしたら、もっともっとオープンになってきて、現場での測定結果もオープンに出来るのではないかと少し思っています。よろしいでしょうか。
○原委員 1つだけ、バックグラウンドの測定は、現場で除外してできていると考えてよろしいのでしょうか。現状の測定で、バックグラウンドとナノの粒子を区分けして分析ができていると現状はなっている、というふうに考えてよろしいのでしょうか。
○名古屋座長 いや、カーボンブラックとカーボンナノチューブのように、普通のカーボン粒子はディーゼル、排ガスがいっぱいありますよね。それと温度を掛けることによってECを除外していって、ナノのところまで行けるという形のものの研究は一部の限られた研究者は研究しています。では現場ではどうかというと、電子顕微鏡で観察しますが、電子顕微鏡で見てしまうと、外の粒子と建家の中の粒子の区別はなかなか難しいです。、だからバックグラウンドをどう差し引いていくかも難しいかと。逆に戸を開けてしまったら、ナノを取り扱う現場では窓などを開放することはないと思うのだけれども、普通の所だったら、逆に外から空気を入れてしまうと、そこをきちんと除外していないと、たぶん外にある小さなナノ粒子を現場に入れてしまって、外の粒子なのか作業環境から出ている粒子なのかの区別は、なかなかつけないというのが難しい。だから、バックグラウンドをどうするかというもの大きな問題と思います。
○原委員 大都市で残っていると、わかりました。
○名古屋座長 たぶんそういう意味では、いまテムを使った測定という形のものがありますが、テムでやったら大変なことになるので、難しいのかということだと思います。ただ、フラーレンとか、カーボンとか、こういうカーボン系のものは、熱のところを使えばある程度できるのだろう。ただ、これは研究者ができるところで、一般のレベルでできるかというのは、なかなか難しいという現状だと。その点から考えると、チタンのような形で、いま分析ができる部分と、それから粒子を重量濃度で測ったときに、それを逆に溶かしてチタンだけで測るという形になれば、比較的バックグラウンドは要りませんので、それはできるかということだと思います。いずれにしても、ばく露を測るのがなかなか難しいので、是非いい測定器ができると嬉しいなと個人的には思っています。そうしますと、このところは、よろしいですか。
○大前委員 資料4ですが、江馬先生から頂いた資料ですが、培養細胞の実験の結果がたくさんあって、構造異常をしめす結果が結構あるのですが、これはナノ特有の結果なのか、あるいはナノでもマイクロでも出るものなのか、あるいは銀などですとたぶんイオンに殺菌能力があるので、粒子とイオンの差異を区別はできるものなのですか。
○江馬氏 いや、それは現状にはそこまで書いてないので、ただそういう効果があったという記載に、今のところ止どまっているということです。
○名古屋座長 そうしましたら時間もありませんが、先ほどのところの中で、カーボンブラックとカーボンナノチューブ、フラーレンと銀、これはもうリスク評価の対象とすることでよろしいでしょうか。あと、残りのシリカから始まって酸化セリウムのところまでは、今回は見送るということで確認してもよろしいでしょうか。あとは、そうすると、いまお話になりました資料5のところ、これは企画検討会の報告案ですが、一応ここに書かれていることと、それから2頁以降の各個別の留意すべき事項、有害性のばく露評価の測定とか、2の有害性の違いとか、その辺のところで何かありますか。これが固まれば、そのまま検討委員会の案として企画検討会に出せるということです。一応、対象物質については確認いたしましたが、資料5のところの2頁以降、3頁まで、何かありますか。このままでよろしいでしょうか。このところを企画検討委員会に出す案として、これでよろしいでしょうか。あるいは1頁のところの文章を引っくるめて、よろしいでしょうか。ありませんでしょうか。
○櫻井委員 ちょっと教えていただきたい点は、バックグラウンドとして存在するたぶんナノ粒子、これは実はどの程度のレベルの濃度で存在するのか。それと、ばらばらであるのか、それとも凝集してあるのか、それをきちんと区別しているのか。そのあたりは知識がないものですから、お教えいただきたいと思います。
○名古屋座長 たぶんディーゼルから出ているので凝集体だと思います。ほとんど凝集体。ただ、ガソリンから出てきたのは、不完全燃焼等がわかりませんが、普通、大気から出ているのはほとんど凝集体だと思っていただければ間違いないと思います。
○櫻井委員 それをどこかへぶつけると、パラパラッとなるというタイプのものですか。
○名古屋座長 オープンフェイスで捕集した粒子を電子顕微鏡で見るので、そのときに凝集体で見ているというだけなので、慣性衝突といってぶつけているわけではないので、何ともわかりません。いずれにしても、下手すると中のところの電子顕微鏡の形態と外の形態は同じでもあります。では、区別するのは難しいかと。
○櫻井委員 そうですか。わかりました。
○名古屋座長 先ほど言いましたように、カーボンブラックとかフラーレンのような形のもの、特にカーボンブラックのようなものは元素なのですが、熱のところで違ってくるので、950度まで上げていくと、そこで分析できるという研究者がいらっしゃいますので、そこでは技術的な研究段階とはいいながら、比較的できるという報告は学会等で発表されていますので、できると思うのです。
 ただ、普通の所でそれができるかというと、その高価な機械を持ってないので、難しいかもしれないので、バックグラウンドへ、必ず我々もナノの所へ行って外の濃度を測りますが、では外で測ったものをそのまま室内で引いていいのかどうかは、なかなか難しい部分があって、どうバックグラウンドを対応するかと。ただ、比較的プラントのような密閉された中で測るときには、外の影響はそれほどないのでいいのですが、工場などで測ると、やはり外の換気が入ってきますので、難しいかという部分はあると思います。
○櫻井委員 通常、我々は外の空気を吸っていますから、常時そういうナノ粒子にばく露しているわけですよね。
○名古屋座長 そうです。
○櫻井委員 それのリスク評価というものを別に考える必要があるわけですよね。それを全然考えないで言っているのも、おかしな話なのです。
○名古屋座長 そうかもしれません。前も管理濃度委員会でカドミの濃度を決めるときに、米とかほかの植物から入ってきて、私たちは潜在的にそういうものを持っているので、そこに今日工場から入ってくるものが入ってきたときに、ではそこのものの濃度を決めるときに、そういうものを少し低くしたらどうかという議論をされたことはあったと思うのですが、先生の言われているのはそれと同じ絡みですよね。
○櫻井委員 同じ話です。
○名古屋座長 そうですね。だから、バックグラウンドをこれからどうするかというのは、これは検討される。初期評価のときにもそこができるかどうかはわかりませんが、その辺のところもたぶん検討課題で検討してくれているのだと思いますので、よろしくお願いいたします。答えになってないかもしれませんが、よろしいでしょうか。
 あと、どうしましょう。そうしましたら、1、2、3、4、5はこのままでよろしいですか。このまま検討会に、要するに企画検討会に送るということでよろしいでしょうか。
                  (了承)
○名古屋座長 そうしましたら、ただいまの議論を含めまして、最後にカーボンブラックとカーボンナノチューブ、フラーレン、銀は、優先順位としてリスク対象にするということです。企画検討会のほうにつきましては、本日議論したのを踏まえて若干直すところがあるかと思いますが、それを事務局から各委員に送付して、確認してもらった上で、報告書の細部にわたって、座長一任ということですが、それでよろしいでしょうか。
                  (了承)
○名古屋座長 ありがとうございました。それでは、ご検討をいろいろありがとうございました。予定は一応本日で終了しますが、これは事務局からのご挨拶ということで、よろしいですか。あと、何かやっておくことはありますか。
○松井化学物質評価室長 資料5の3の今日ご議論いただいた行政指導通達の関係は、今日の議論を踏まえてまとめたものを、先ほど名古屋座長からお話のありましたように、各先生にお送りしてご意見をいただくということですので、よろしくお願いします。
○名古屋座長 よろしいですか。一応これで終わりという形でよろしいですね。
○松井化学物質評価室長 どうもありがとうございました。
○名古屋座長 では、本日のリスク評価検討会は閉会します。長い間どうもありがとうございました。


(了)

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