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2011年10月11日 平成23年度第1回化学物質のリスク評価検討会

労働基準局安全衛生部

○日時

平成23年10月11日(火)15:30〜17:30


○場所

経済産業省別館1020号会議室


○議事

○瀧ヶ平室長補佐 それでは皆様お揃いでございますので、「第1回化学物質のリスク評価検討会」を開催させていただきます。
 本日は大変お忙しい中ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。平成23年度の初回でありますが、ご出席いただいている皆様方は、平成23年6月に合同会議を開催したばかりですので、資料1の2枚目に参集者の名簿がございますので、それで委員の紹介とさせていただきたいと思います。なお、本日は所用により、池田委員、西川委員、内山委員、原委員がご欠席となってございます。
 座長の選出を行いたいと思います。どなたかご推薦等はございますか。ないようでしたら、引き続き名古屋先生に座長をお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
                 (異議なし)
○瀧ヶ平室長補佐 それでは、名古屋先生に座長をお願いしたいと思います。それでは座長、以下の進行をよろしくお願いいたします。
○名古屋座長 それでは、引き続き座長を仰せ付かりました。皆さんとまた検討していきながら、よりよい成果を上げていきたいと思います。事務局から、資料の説明、確認等をお願いします。
○瀧ヶ平室長補佐 お手元のほうに、2分割で資料をお配りしています。片方のほう、「第1回化学物質のリスク評価検討会」の次第が書いてあるもの。資料1が要綱、いまお話した参集者名簿が別紙1、2、3となっていまして、その裏側に資料2とあります。資料3「職場における健康障害防止のためのナノマテリアルのリスク評価について」、資料4「『ナノマテリアルのリスク評価の方針』に係る検討方法(案)」、資料5として「ナノマテリアルのリスク評価における主要な課題(案)」、資料6として「リスク評価の対象とするナノマテリアルの候補選定の基準(案)」、資料8として「ナノマテリアルに係るリスク評価終了までの間における健康障害防止措置の指導について」、「参考資料」がある束。もう一方が、資料7-1.から14.までが「リスク評価候補物質選定参考資料」となってございます。落丁等があればお申し出ください。
○名古屋座長 よろしいですか。それでは、第1回ということですので、事務局より開催要綱等の説明をお願いします。
○瀧ヶ平室長補佐 資料1をご覧ください。要綱については昨年とほぼ同じですので、詳しい説明は省略します。1点、昨年まで4「その他」の(3)に、報告書をまとめた段階で終了するという形でしたが、リスク評価自体が継続して行われるということで、その(3)を落としています。
 また、今回はナノ物質に関する検討ということで、要綱で、状況により特別に参集者をお願いすることができることになっているのですが、資料1の裏側に資料2があります。「ナノマテリアルのリスク評価の方針検討に係る有識者の参集について」で、ナノ物質について詳しい方として、産業技術総合研究所の江馬先生、国立衛研の広瀬先生、また櫻井先生は「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」の座長ですので、この検討会のほうに、特別委員として参集していただいています。江馬先生、広瀬先生については、日程調整がつかなかった関係で、本日は欠席ですが、次回の検討会には出席していただくことになっています。以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。よろしいですか。本日の議題に入ります。第1の議題で、「『ナノマテリアルのリスク評価の方針』に係る検討方法について」ということで、事務局から資料についてお願いします。
○松井化学物質評価室長 それでは、資料3と資料4を説明します。まず資料3ですが、これは6月の「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」で決定された、ナノマテリアルのリスク評価に関する当面の方向という形の資料です。
 1番をご覧いただきます。厚生労働省では平成21年に、ナノマテリアルの有害性などについてはまだ十分な知見が得られていないということで、ばく露防止のための予防的な対応を通達で指導していますが、2番にあるように、その後、経済産業省委託研究のNEDOプロジェクトをはじめとして、いろいろな調査研究が進展してきていますので、そういった、ナノマテリアルの健康障害リスクに関する知見が増加してきていると。このようなことを踏まえまして、3番にあるように、早急にナノマテリアルのリスク評価の実施について検討すべきであると、6月に決めていただいています。その実施に当たり、まず、この「化学物質のリスク評価検討会」において、リスク評価の方針の検討を行っていただきます。
 「検討項目」として、1頁の下のほうから2頁の半分ぐらいまで、3項目あります。ナノマテリアルのリスク評価に当たり、他の物質と違うような手法が必要かどうか、必要であれば、現在までの技術開発の状況を勘案して当面はどういう手法を用いるべきかを、アという項目で検討していただきます。
 次の、2頁のイが本題のようなものですが、実際のリスク評価の、どういう具体的物質をリスク評価できるかを検討いただくということです。(ア)としまして、当面のリスク評価の対象とすべき物質の候補を選定していただくと。加えて(イ)としまして、リスク評価の実施のために不足しているものがあれば、どういう情報が不足しているか、物質ごとに明確にしていただこうと。
 それから、ウとしまして、このペーパーの1にあった厚生労働省の指導の通達ですが、その後、ナノマテリアルの健康障害関連については知見が蓄積してきていると考えられるので、もし通達に加えるべきことがあれば併せてご議論いただこうと。こちらのリスク評価検討会に、3項目の検討課題を投げていただいている状況です。
 資料4をご覧ください。この資料はいまの3項目について、事務局のほうで検討方法についての案を示して、事前に各参集者にお送りしまして、検討をいただいて、意見をいただいたところです。例えば、1頁の右の欄にあるような見え消しと二重下線の所は、ご意見を踏まえて修正した部分です。いただいたご意見につきましては、4頁以下に別紙「検討会参集者からの御意見について」ということで、それぞれ表にしてあります。左の欄に、いただいたご意見。右側に資料への反映状況、あるいは事務局から、こういうふうにしていただければということで提案をまとめています。
 1頁に戻ります。先ほどの検討項目のア「ナノマテリアルのリスク評価手法について」です。これにつきましては、「対象とする検討項目」として、主要なナノマテリアルに共通のもので、個別のナノマテリアルのリスク評価の前に共通的な方向を示しておくべきと考えられる項目を対象に検討してはどうかということでしたが、やはりリスク評価は個別の物質でかなり違ってくるので、その検討にかなりを委ねるべきであるというご意見がありました。ここは主要なナノマテリアルに、共通的に留意すべきような点などを項目としてリストアップしまして、それについて検討していくことにしてはどうかと。右の欄の中段に「検討の進め方」というのがありますが、検討項目をリストアップして、それぞれについて、留意すべきことと、当面用いるべき妥当な手法を検討していただいてはどうかと考えています。具体的には資料5で、また検討いただければと思います。
 2頁で、検討項目のイ「リスク評価の対象候補物質について」です。これは、まず選定基準を決めてから、それに、この頁の左下にある物質が企画検討会のほうで示されています。これはOECDのナノマテリアルに関する作業部会の中で、スポンサーシップの取組みの中で有害性の情報を整理している物質ですが、これは当初、スポンサーシップが走り始めたときの物質に合わせています。この物質について、それぞれの基準を当てはめてみてはどうかということで案を作っています。右の欄の下の(注)にありますように、酸化チタンについては、既にリスク評価検討会において、ナノサイズのものもリスク評価をするという決定をしていただいています。
 3頁のウ「現行の予防的対応に関する通達について」です。これについては後ほど別の資料で説明しますが、事務局のほうから、現行通達のエッセンスとその項目に沿って想定される主要な検討項目を説明して、それを参考にして検討していただいてはどうかと考えています。
 4頁です。先月、各参集者にこの資料をお送りしたときにいただいた意見です。1.としまして、基本的に従来の「リスク評価の手法」。つまり、このリスク評価検討会で、いろいろな物質をリスク評価している手法を「リスク評価の手法」とまとめていますが、それに準拠すべきであろうと。それが不適切であることが明らかな場合に、個別に手法を検討してはどうかとのことでした。これについては、基本的に先ほど説明した検討の方法がこれに沿っていると思います。物質共通で検討するのは「留意点等」という表現にしています。
 2.としまして、既にいくつかの評価が公表されているので、その内容を吟味して問題点を整理すべきであると。有害性評価については、今回、特別に2名の方に検討に加わっていただいていますが、それだけではなくて、リスク評価の手法についてもNEDOプロジェクトの関係者を招聘してはどうかというご指摘です。
 前段のところ、既に公表されているリスク評価の報告などについては、右の欄に資料8と書いてありますが、これは間違いで資料7です。申し訳ありません。別途に綴っている、たくさんある資料のほうに反映しているつもりです。それから、NEDOプロジェクトの関係者の招聘について。有害性については江馬先生に次回から来ていただきますが、リスク評価手法全体については、先ほどのご意見にもありましたように、個別ごとの物質によるところが大きいと思われるので、今後、個別物質のリスク評価の実施の場合、検討会において必要とのことであれば、あるいは次回以降、もしもリスク評価検討会の中で必要であれば、またご検討いただければと思います。
 3.につきましては、ナノマテリアルはそれぞれ異なる特性を持っているので、共通化した手法の確立は非常に困難だと思っていると。それぞれについて、実際の材料を使って影響とばく露を評価すべきであろうということです。これにつきましては、先ほどの1頁の見え消し部分で、共通的な方法とはせずに、「留意点等」までで、留めているというような資料の修正をしています。
 4.としまして、課題を抽出するのはいいが、そのあとは、解決法まではいかなくても、評価法の指針とかガイダンス等を作ってはどうかというご意見です。事務局では当初、特にそこまでは想定していませんでしたが、もし検討会の議論の中で必要であれば、そのような検討も必要かと思います。
 5.につきましては、先ほど、主要なナノマテリアルに共通のものと資料の最初で言っていましたが、これについては、当初の意図としては、リスク評価手法に関連する知見が比較的豊富な物質で、その中でも特殊な物質は除いたものという意味合いで使っていました。これについても、ほかの意見がいろいろありましたので、特にここの部分に集中して検討するかどうかは別にして、必要に応じて検討していただければと思います。
 6.につきましては、評価を行うときの重量濃度なのか、表面積なのか、あるいは個数濃度なのかという話に関連します。資料5のほうでそういった課題がまた出てきますので、そこで併せて検討していただければと思います。
 6頁です。候補物質の選定につきましては、まず現実にリスクが懸念される物質があれば、それに絞ってから検討して、それから広げるべきではないかということですが、これは選定基準などの議論の際に反映していただければと思います。ウの通達の部分です。何か懸念がある物質があれば、その状況を検討して、必要なら改訂すればよいということですが、これを踏まえたご検討をしていただければと思います。
 資料3、4の説明は以上でございます。
○名古屋座長 ありがとうございました。基本的にはアとイとウの話をして、そのあと、個別にご意見をお聞きしていきたいと思います。いちばん最初、アとイとウの中で、何かご質問等はありますか。
○花井委員 その前に。
○名古屋座長 はい、どうぞ。
○花井委員 確認なのですが。最初の説明にあった、資料3の1頁の第4項、2行目に、「年内を目途に結論を得るものとする」とは、これはリスク評価の方針の検討を行って、その検討したことに関しての結論を得るという意味ですよね。
○松井化学物質評価室長 いまの3項目について、ア、イ、ウと下にありますが、それについて一定の結論を出していただくということです。
○花井委員 これから出てくる話かもしれないのですが、前回辺りで議論は終わっていることなのかもしれないのですが、いまの事務局の考え方として、何年間ぐらいにどのぐらいの物質をやるとか、そんな計画とか予定はあるのですか。
○松井化学物質評価室長 まず、現段階では事務局で明確に決めているものはありません。酸化チタンについては、今年度から始めて結論を得るまでに3、4年かかるかと。今年は測定法の検討から始めていますので、やはりその後続物質も同じような期間が必要なのかと思います。あとで検討していただくのですが、先ほど検討する候補の物質を13ほど挙げていて、それ以外の物質になると情報が相当に少なくなると考えられますし、13の中でも相当に情報が少ない物質があると思います。事業者のほうも管理に必要な検討がありますので、できるものから、できるだけ早めに進めていきたいのが実情です。
○花井委員 お考えはわかりましたか。
○名古屋座長 そうしたら、どうでしょうか。そこに書かれていることの中の共通性は、たぶん先ほど話したようになくて、個々のナノマテリアルについて評価を行うという形にはなるかと思います。測定についてはそれほど議論することはないと思いますが、たぶん、有害性の評価や、リスク評価の手法の話になるのではないかと思います。いまの事務局等の説明で、よろしいですか。
 そうしましたら、アとイとウのところの意見がないようでしたら、例えば、別紙の「検討会参集者からの御意見について」の中で、事務局がある程度お答えを書いてくれていますが、その中で、もう少し付け加えるとか、あるいはその中に意見があるかどうか。その辺のところでもかまいませんので、よろしくお願いします。よろしいですか。そうすると、そこもそのとおりという形で。そうすると、検討会の項目事項で、他の物質と異なるということで、事務局がまとめてくれたような形の検討案で、そのまま進めていく形になります。よろしいですか。
 そういうことで、資料4は、事務局が作った形のとおりをそのまま踏襲して進めていく形にします。ウについては、また資料の中で、通達とかが必要かどうかについて、あとの話になるかと思いますが、リスク評価の手法と選定物質候補については、ここに書かれたような形の中で進めていくことでよろしいでしょうか。わかりました。では、資料5について説明してください。
○松井化学物質評価室長 それでは資料5です。この資料についても事前にお送りして、いただいたご意見の本文に反映しているものについては見え消し、二重線あるいは備考欄に示しておりまして、3頁以降、いただいたご意見とそれの反映状況を示しております。
 1、2頁の項目の1から5が最初に案として示していたものです。1「有害性及びばく露評価のための測定方法について」は、測定の基準といいますか、従来の重量濃度なのか、表面積なのか、粒子数で考えるべきなのかといういろいろな議論があるということです。
 2「同じ種類のナノマテリアルの中の有害性の違いについて」は、例えば同じカーボンナノチューブであっても、その構造で有害性はさまざまに異なるという話があります。そういったことを考える中で、空気中やあるいは溶液の中で粒子がどのように凝集して二次的な粒子を作っているか、というところがかなり大きいのではないかというご指摘があり、二重線のところに入れています。
 3は、濃度の測定に当たり、バックグラウンドとして存在しているほかのナノ粒子との区別が難しい、というような指摘があるということで挙げております。
 次に4「他の物質と複合することによる予期しないリスクについて」は、かなり広範には考えられるのでしょうが、一例を挙げると、カーボンナノチューブの製造のときに使っている触媒の金属がカーボンナノチューブの中に入っていると、それが有害性に影響を与える、などが指摘されておりますので、そういったことの留意が必要ではないかということです。
 5は、有害性の試験を行うときに、分散させたり小さな粒子の状態で有害性を見るべきだということで、さまざまに工夫が行われておりますけれども、一方で、そういった調整を行うことによっても有害性の試験結果に影響があると。調整の仕方で、有害性が異なってしまうことがあると指摘されております。
 6から9は、ご意見をいただき追加しています。6の「二次粒子の粒径について」は、先ほどお話しましたものとダブりますけれども、空気中や溶液の中で凝集して二次粒子を形成しているので、一次粒子だけの情報では有害性を考えるときには少し足りないのではないか、二次粒径についての情報も重要だという指摘があります。
 7、8、9はかなり個別のリスク評価に絡んできますけれども、実はご意見をいただいた方は6も含めて1人の方で、今日ご欠席です。場合によっては、今日の検討会の意見で「個別物質の検討のときに検討したら」という意見が出たらどうしますかとお聞きしたところ、「それであれば、それにしたがってください」というようにお聞きしております。
 7は、不溶性のナノマテリアルの肺毒性が相当指摘されてきているところで、この有害性試験のエンドポイントとして、肺の炎症が多く使われているのですが、炎症反応を伴わない胸膜等への組織沈着の可能性について、どうですかというご指摘です。
 8は、ナノマテリアルの有害性情報が限られている中で、実験動物の亜慢性毒性試験の結果をヒトに外挿をするということが行われているわけですけれども、例えば発がん性のおそれがあると指摘されている物質については、この手法はどの程度活用できるのでしょうか、という指摘がありました。
 9「不確実係数について」は、ナノマテリアルのリスク評価に当たって、特別の不確実係数が必要かどうかというお話がありました。
 3頁以下、いろいろご意見をいただいており、個別の項目に関係するところはこれから検討していただくことに関係することが多いので、事務局のほうでは、これからの議論に反映させていただければというようなことを書いている項目がかなりあります。1.の意見は、先ほどの資料4の文章の修正に反映させた意見ですので、既にご説明したとおりです。2.は、先ほどの2頁の6から9の項目の追加のご意見です。3.も2.と関連するのですが、指摘として、発がん性がエンドポイントであるようなもので、期間に関係なくリスクが発生するはずであると。発がん性がエンドポイントであるようなものは、基本的に発がん性を念頭においたリスク評価だけでいいのではないか。短期のもので基準を設定するのにちょっと疑問があるというご意見です。これは議論の過程で考えていただければと思います。
 4頁は、4.、5.、6.が先ほどの重量濃度なのか表面積なのか、個数濃度なのかというようなところに関してのご指摘です。4.は、現在、気中重量濃度でリスク評価をやってきておりますので、それを踏まえ、気中濃度で明らかに不適切と判断される物質であれば、個別に検討したらいいのではないかということです。表面積や粒子・繊維数などを指標とするのが適切と判断するための情報が十分ある物質は少ないのではないか、というご指摘です。
 5.は、将来的に国際的に統一された測定法が提案されるのであれば、それに準拠すべきだと思うけれども、現状ではいちばん測りやすい個数濃度基準が現実的な選択ではないかということです。
 6.は、有害性の強さは重量よりも表面積や表面活性などに相関する可能性が高いのかもしれないけれども、実際に管理を行うときには重量や個数で、これは測定の関係で重量や個数になる可能性が高いと思われると。重量と表面積などの間の話は、換算式ができていればよいのではないかということです。ただ、物質の中でいろいろな違いがあるので、重量と表面積等の換算が一律に決められないので、そこが問題だということです。
 次の7.から9.は「同じ種類のナノマテリアルの中の有害性の違い」についてご指摘をいただいております。7.は、現実的な手法として、市場で使用されているものから代表的なものを複数選んで評価を実施すべきだろうということです。8.は、酸化チタンのようにデータがある場合には、それに基づいて評価できると思うと。ただ、個別の構造が違うような製品の使用状況はどの時点で把握するのか、というご指摘がありました。9.は、有害性の違いに粒子の凝集状態が重要である。10.は、測定のときのバックグランドとの区別ですが、例がカーボンナノチューブを挙げてあるので、ナノマテリアル全般にかかる問題でなければ共通的な議論からは外れるのではないかということです。11.は「他の物質との複合によるリスク」ですが、複合影響について検討をする場合は、どんな物質と複合しているか、複合している相手方の物質についても選定基準が必要ではないか、というご意見でした。資料5の説明は以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。この資料についてご意見、ご質問等ありますか。これは測定法との絡みなので、なかなか難しいところがあるかもしれませんけれども、1つ、まだナノに対する一次、二次粒子と凝集体の生体影響がはっきりしないので、どう測定するかは難しいと思うのです。個別に思うところは、面積でいこうが表面積でいこうが、そこのところの影響は評価が出来ていませんし、もし、個数濃度で評価するのであれば個数濃度のデータが出た時点で評価できるのですが、いまは出ていませんよね。重量分析で出てきている分があるので、それをどう扱うかと言うことだと思います。
 それから市販されているナノ粒子を対象とした測定器を考えると、あえてナノとして扱うかどうかは、私は一次的な評価方法を重量方法で行って、それから先に情報として個数濃度が必要になったり、あるいは表面積の評価が出てきたら表表面を二次的な測定法するという方が、ナノ粒子の管理には合っているように思います。はじめからナノ粒子をターゲットにするのは、計測器としても現場で使用できる測定器は、まだ、十分に開発されておりませんし、難しいのかという気はします。
 その辺のところはどうなのでしょうか。例えばカーボンチューブを見ても、初期のカーボンチューブといまドイツで開発されているカーボンチューブとは全然形態が違いますので、生体影響を考えてかなり長くて、渦を巻いているような形で、アスベストと違う形態をしていますので、形態を見ただけで随分違うということになってくると、どうしてもFE-SEM的な電子顕微鏡が必要になってきます。この辺のところのことを考えて、ちょっとご意見をいただければありがたいという気がします。
○圓藤委員 私もナノはよくわからないので教えていただきたいのですが、有害性評価をしたときのナノの、例えばサイズとか粒径で評価したのと、実際にそれを使っている人がばく露するときには凝集が起こっていて違うというような、その有害性の評価とばく露時の評価がずれていることはあり得るのですか。
○松井化学物質評価室長 詳しい方はいろいろいらっしゃると思うのですが、事務局のほうでいろいろな既存資料をまとめているところでは、有害性の試験ではナノの有害性だということで、できるだけ分散させて小さな粒子でばく露させようというように、非常に労力をかけていらっしゃるように思われますけれども、ただ、実際、作業現場の測定事例を見ると、どちらかというと凝集しているものが圧倒的に多いというデータが多くは見られます。
○圓藤委員 そこのギャップはどうするのですか。
○名古屋座長 以前の研究の酸化チタンの影響を見ていると、どれも凝集体の影響しか出てこないと思える。本当にナノ粒子の影響なのかと、現場に行って測定すると凝集体が多くて、個別に飛んでいる粒子を測定すること自体のほうが逆に難しいかと思います。
 7、8番辺りはよくわからないですけれども、肺炎症を使用する場合、これはこのあとまた議論が出てくるのかと思いますけれども、この評価方法のところで、生体影響のところになるかなと思いますけれども。
○櫻井委員 いま圓藤先生がおっしゃったことは誰もが思う問題点ですけれど、資料5の7頁のところで、宮川委員が6月29日の議事録の中で言っていらっしゃるように、4行目ですが、「非常に毒性の高いものを対象として問題があるかどうかリスクを見る」というのは、当面の方針だと思うのです。だから動物実験でも、努力して分散したような状況をできるだけ作り出して実験をやっていると理解しています。その結果得られたものでばく露限界値を決定したとすると、いちばんリスクが高いという方向で考えているわけですから。現場で測定される場合には、凝集しているとしたら、それによって有害性が下がる方向であるということも予測できるし、あるいはそうでもなくて、実際に吸入されるとサーファクタントの影響とか、あるいは衝突の影響でまた分散するとしても、それは何と言いますか、完全に実験条件でやったところまで分散しないかもしれないとか。それは改めてまた考えるしかないだろうという気がします。
○名古屋座長 そういう動物実験というのは最大値であって、現場はそれに近づくかもしれないけれど、もう少し低いリスクかもしれませんと。
○櫻井委員 その可能性もあるだろう、というように個人的には思っております。
○花井委員 それに関連して、この資料にいろいろな凝集とかサイズという話があるのですが、サイズ分布というのですか、その「分布」という言葉があまり出てこないのです。やはりばく露を評価するときも有害性を評価するときも、そのナノ材料がどういうサイズ分布をしているのか、それが1つ非常に重要だと思うのですけれども、その点はどこかに、考えるときに忘れてはいけないと思います。
○名古屋座長 ただ、WPSは、我々も現場に持っていきますけれども、1千万円近い測定器でなかなか現場に持って行けないので、せいぜい持って行ってCPCですから、30ナノから100ナノぐらいまでの粒子を測定しています。WPSを持って行ければ当然現場の粒度分布を見られるのですが、ではどの測定機関でもそれを持って行けるかというと、精密機器ですので持って行けないのが現状で、そういうデータが現場から上がってきていないのではないかと。動物実験のとき、たぶんチャンバーの中のWPSで、要するに粒度分布は全部見ていらっしゃるのだと思うのですが、現場の中のデータはなかなか難しいかもしれないということです。
 あともう1つは、ナノの現場の測定は結構できるのですが、それを公表することができないと、守秘義務を結ばないと測定できないというのがいちばんのネックになっています。我々も昨年、厚生科研で数カ所の現場測定に息ましたが、守秘義務の関係で1カ所の現場しか公表で来ませんでした。今年は、まだ一カ所も公表できない状況です。経験として私たちは頭の中で持っているけれども、それをどう表に出せるかということはいまのところできないので、結果的にはチャンバー実験をしたデータしか外に出せないよという、いますごい障壁の中にいて。できたら早くそういう障害が取り除ければありがたいかなと思う。
 そういう意味から考えると粒度分布はものすごく大切でして、測定する機械との整合性を取ってみていても結構違いますので、それから時間とともに粒度分布も変わってきていますので、確かにそれは大切なことだと思っています。盛り込むことは大賛成です。
○櫻井委員 一言追加させていただいてよろしいですか、先ほどの凝集の問題ですが。ナノ粒子の凝集したものは肺に沈着した場合、そのまま凝集していたとしても、表面積としては個別のナノ粒子の表面積を全部足したものとほぼ等しい、というようなデータがNEDOでも出ていたような気がするのです。そうだとすると、必ずしもバラバラにならなくても表面積としては効いてくる可能性があると。ただ、エアロダイナミック的には吸入した場合にどこまでいくか、という問題はあるだろうとは思いますけれども、ちょっと注意しなければならない点だと思います。
○名古屋座長 ほかによろしいですか。バックグランドも難しくて、カーボンナノチューブですとその形態というのは比較的バックグランド、要するに環境中にないので識別は簡単ですけれども、ほかの粒子は識別が難しいですよね。窓を開けられた瞬間に、外から入ってきた粒子とカーボンの識別が難しい。どうしても高倍率の電子顕微鏡の力を借りてこないと識別はできないというので、バックグランドの取り扱いが難しいかと思います。
 4の「他の物質と複合する」というような、これはなかなか難しいですね。確かにナノカーボンを作っている工場へ行くと混ぜて複合している部分があるけれども、その結果が出てくるのは先なのかなという。作っているわけではないので分からないけれど、現場へ行って見てくると、確かに金属を混ぜている部分はよく目にするのですが、これは動物実験の結果が出てくるまでなかなか難しいかという気はします。
○櫻井委員 これについて、ナノではなくてもどのような粒子でも当然考えることですよね。ナノのほうがより程度が大きいかもしれないという想定に基づいて、こういう意見が述べられているのだと思いますけれども、あるデータに基づいているかどうかというところを知りたいとは思います。
○名古屋座長 ほかにありますか。状況がわからないので、測定とかいろいろなことを決める、測定する機械の範囲が決められた中で決めるというのは難しいと思いますけれども、いまのご意見をいただきながら、また先に進めてもよろしいですか。また戻ってもかまいませんので、取りあえずもう一歩先に進めていきたいと思います。
 次の議題の、「ナノマテリアルのリスク評価における主要な課題について」。資料6の選定物質の基準ということで、よろしくお願いいたします。
○松井化学物質評価室長 資料6です。これからナノマテリアルのリスク評価の候補の選定をいただくわけですけれども、その場合の基準をどうしたらいいかということで案を作っております。大きく2つありまして、1つ目は当たり前の話といえば当たり前ですが、ナノマテリアル以外の同じ化学組成の少し大きな物質と比べて違う有害性がある、あるいは有害性が大きいかということが認められるかどうかということです。そうでなければ、ナノマテリアルだけ取り上げて評価をする必要がなくなりますので。(1)として、まず有害性を認める報告があるかどうか。ここに動物実験までの話で最初書いてあったのですが、培養細胞を使った試験でもいろいろなナノマテリアルで特殊な有害性と考えられるものが報告されていますと、後のほうに出てきますけれど、ご意見をいただき、培養細胞を用いた試験の結果を含めた文章に修正をしてあります。(2)は、その有害性が類似の物質とナノマテリアルだから異なっている、ということが考えられるのかどうかということです。
 次の2が「技術的な観点から、当面リスク評価が実施可能であるかどうか」というところです。これがおそらく議論の中心になってくるのかと思います。リスク評価をいままでやってきていただいており、有害性の評価の小検討会とばく露の小検討会に分かれて検討していただいて、それを今まで、合同の検討会で結論を出していただいております。1つは有害性の評価の観点からすると、評価値を設定しないと通常はリスク評価ができないことがありますので、これが1つの基準ではないのかということです。3つポツがありまして、通常は関係機関の設定した許容濃度、産業衛生学会とかACGIHとかの濃度を、妥当なものを採用してリスク評価に使っているのですが、そういうものか、それに準ずるものがあるのかどうかということ。2つ目のポツは、そういうものが存在しない場合は、試験データのNOAELから評価値を導くという手法を取っているので、それができるような試験データがあるかということ。3つ目は、特に事務局で想定しているものはないのですが、これら2つがない場合は、評価値の設定に活用可能なほかの手法があるかというようなことを基準として挙げております。
 (2)のばく露は、測定ができないと先ほどの評価値と比べられないということで、ばく露実態を把握するための測定手法があるかどうかと。通常は個人ばく露を測定しているのですが、ナノ物質の場合それも難しいかもしれないので、場としての作業環境の測定といったものも含めて考える必要があるのではないか。さらにそれらができない場合には、信頼できる推定方法があるかというような案を作っております。
 2から4頁はいただいたご意見です。1.は先ほどの1の有害性があるかどうか、あるいはほかの大きさの物質と異なるかという話です。いただきましたのは中災防の方の報告で、多層カーボンナノチューブを用いた染色体異常試験で、ほかの化学物質にはない構造異常ではなくて倍数体の異常が強く出るという結果がありますと。そういう観点からすると、培養細胞を用いた試験で、ナノマテリアルに特有の有害性があると考えられるということです。
 次の頁の2.は、先ほど個人ばく露測定ではなくて、「場としての作業環境を測定する」というのも含めてというように申し上げましたけれども、そこの問題点を指摘いただいています。環境濃度と個人ばく露濃度が乖離しやすい作業形態がいくつかあり、粉体の投入もその1つで、ナノマテリアルではよくある作業ではないのかということで、作業環境測定は実際外してもよいのではないかというご意見です。さらに次のポツで、個人ばく露濃度と場の環境濃度が異なるとすると、シュミレーションによるばく露濃度の推定もなかなか困難ではないのか、というご指摘です。
 3.の組成との関係は、これまでの公開の評価報告を吟味するしかないかと思いますということです。考え方として単分子、微粒子物質、粉体、ポリマーという材料の流れの中で捉えるべきと考えるということですが、これは議論をいただければと思います。
 4.は、許容濃度等はいくつかの提案がある中で、その内容を吟味して、提案に至る過程において、考え方、データ等に何か不具合があるのなら、それを検討するという進め方しかないと考えますということです。こちらのほうも議論の中で検討をいただければと思います。
 4頁の5.、6.は同じナノマテリアルの中のいろいろな違いということです。5.は二酸化チタンについて、ナノサイズとサブミクロンサイズ、ルチルとアナターゼを考慮して、それぞれ評価値がどの程度変わるか検討するのがよいということです。これについては具体の酸化チタンのリスク評価の中で議論をしていただくのかというように、事務局では思われます。
 6.のカーボンナノチューブについても、単層と多層の違いを当然考慮すべきだけれども、データは十分あるのか、これも議論をいただければと思います。以上です。
○名古屋座長 この課題に対して、質疑応答をよろしくお願いします。特にリスク評価の観点から評価値の設定のところ、これはどうでしょうか。あればいいのですが、なかったときのところは、これは一次評価値を決められているときの考え方をそのままこれに使えるかどうかわかりませんが、これはどうなのでしょうか。NEDOが出している値を使える部分もあるのだと思うのですが、ほかになかなかデータが出てきてないのか。いままで大前先生たちの委員会でやってくるその流れは、そのままここでは使えそうもないのですか、それとも使えそうなのですか、先生のご感想だと。
○大前委員 今度、酸化チタンを今年やることになっていますが、そちらを見ないと何とも言えないですね。
○名古屋座長 難しいですね。
○宮川委員 基本的にはいままでやっていた一次評価値の求め方は、比較的安全サイドに乗ったもので、そこでかなり低い値が出たとしても、ACGIHなり産衛学会なりの基本濃度として相当議論されたものがある場合には、基本的には最後はそこでいくということで二段構えであったと思います。
 私の個人的な感じでは、少しデータを見せていただいたところだと、基本的には同じ考え方で、現段階で大きな不都合があるということにはなっていない気はしますが、問題はナノのものについてはACGIHや産衛で許容濃度が出ているものがまずないので、そこは期待できない。それに変わるものを大急ぎで、たくさんの物質についてこの委員会で作ってということも無理ですし、同じものをよそが作ってくれるかというと、それも なかなか期待できないのではないかということで、一次評価値の求め方をいままでどおりでやってみて、そこで不具合がある場合に何か考えるという方向ぐらいしか、いまのところないのではないかという気がしています。
○名古屋座長 測定のところは、棗田さん、ばく露濃度の測定値はこの前開発できると言ったけれども、これは実際できているのですか。
○棗田氏 どうお答えするか難しいところですが、いくつか文献上では試作品みたいのが出ています。一応、その開発された大学の先生にはうちの委員会に入っていただいて、実際使えるものか、どれぐらいのサイズかをデータを出していただいて検討しないといけないと思うのです。
 もう1つNIOSHの酸化チタンの手法に関しては、普通にサイクロンで取り、それを電顕で見て数えるというのでしょうか、パーセンテージを出すと言っているのですが、何視野数えるのかは、NIOSHの簡易な報告のものにはまだ載ってなくて、電顕のメーカーとも相談したのですが、仮に300視野を見るとしても、おそらく1サンプル3、40〜50分かかってしまいますので、そうすると1日に何サンプル見られるのかが、その辺りについてはまだこれから検討に入る形です。ですから、できればサンプラーで取ってしまいたいのが本当のところですが、そうすると今度、たぶん表面積とかそういうのをどうするのかが出てくるので、どちらにしてもすぐ今年中に手法が全部完成するとはお約束できないかなと。
○名古屋座長 我々がやっているのは、ナノよりは少し粒子は高いのだけれども、シーオータスは240ナノ以下は取れるので、シーオータスは私たちは一応ばく露の環境管理をしようと思っている部分、そこは一応きちんとしたデータが出ているので。ただ、100以下になってくると、どうなのだろうと、なかなか難しいかと。電顕で数えるにしても、普通のSEMではまず数えられないので、どうしてもFE-SEMを使わないと無理なので、たぶん普通の電顕だとぼけてしまって数はできないので、結局、FE-SEMかかなりいい電顕を使わないと。
○棗田氏 たぶんTEMで見る。
○名古屋座長 TEMで見たらもっと大変でしょう。
○棗田氏 視野の大きさがすごい小さい。
○名古屋座長 大きさが全然違うから。
○棗田氏 そうすると200視野では足りないという話になるので、その辺りをどこまでやるのかと。そう思います。
○名古屋座長 あと、ご意見の2.の中に「作業環境測定は対象から外してもよいのではないか」と書かれている。思うのは、これは場の測定のA測定、B測定されていて、たぶん投入作業も形態的にはばく露が高くなるのだと思うのですが、できたら補完する形の測定の位置づけでいいのかと。要するに、個人サンプルはなかなか使える測定器がない地点では、例えばB測定のCPCを使いながら、そこでB測定を補完する測定という形でやられたほうがいいのかと思います。やはり場の測定はしておいたほうがいいのかと。もしかしたら、局所排気装置があればそこで取ってくれて、なければないで安全だと思うのですが、作業環境測定を外してしまうのはつらいかなという個人的な気はしました。
 あとは、選定する基準というところの中で来ると、どういう選び方をするか。たぶん、これはこのあとに出てくる13物質を選ばなくてはいけないのですが、この中の評価値がなくても、先生、助けてくださいという形でしかない。
○櫻井委員 企画検討会にかかわっている者としても、これの優先順位には非常に大きな関心があるわけですが、当面それほどナノ粒子の有害性に関する情報のある物質は限られているとしたら、まずそれからいくしかないだろうと思うのです。それ以外のものについて、きちんとした有害性に関するデータがどんどん出てくるとは予想できないわけです。そういう状況の中で、ナノ粒子の有害性の情報が出てくるのと、現場でのナノ粒子の測定とどちらが困難かといえば、測定のほうが容易なのではないかと思うのです。ですから、実際にナノ粒子がどれぐらいばく露しているかという方向を、先に進めるという行き方はないでしょうかというご検討をいただきたい。
○名古屋座長 大賛成ですが、先生、ただそのときにそれを13物質を全部やるのはなかなか大変なので、その際の優位性をどうするかと。
○櫻井委員 その際の順位をどうするかということになりますが。
○名古屋座長 そうなのです。そこだけ。有害性が出てこなかったら、たぶん扱っている事業者数とか、それに携っている人の多さとか、そういう形かなと。あるいは作業形態の中でばく露しやすい形態とか。そういう形は、濃度がないのであるのかというのはあるけれども。たぶんカーボン、フラーレン、酸化チタン、カーボンブラック、特にカーボンブラックなどはものすごく多いでしょうね。
○圓藤委員 ナノですか。
○名古屋座長 はい、小さい業者がありますから。そうすると、結構そういう所はかなり多くなってくるのかという思いはあるのですが。酸化亜鉛はどうなのかと、銀とか。
○松井化学物質評価室長 事務局からご参考までですが、これはあとで説明しようと思っていたのですが、資料7のたくさんある綴りのいちばん下に資料7-14.という1枚紙が入っています。これは次回、先ほどの基準などを想定して事務局で既存資料をずっと整理したのですが、かなり大部になるので、便宜的に1枚紙でこのようなデータぐらいならありますというのを整理しております。
 この表ですが、「主要な許容濃度等」というところですが、これはカーボンブラックはACGIHのTLVが設定されていますので、これは別格ですが、それ以外でそれに準ずるものというと、これはいろいろご意見はあると思うのですが、一応、NEDOプロジェクトの提案とNIOSHの勧告ぐらいかということで、それを入れてあります。カーボンナノチューブはNIOSHのドラフトしか出てなくて、別にレコメンデイションでも何でもないのですが、一応参考までに入れていると。
 次の欄の「主要な有害性試験等」というのは、一応、吸入ばく露試験があれば、それがどのぐらいの期間のものがあるかを入れていて、なければその他の試験方法でやられていますというのを入れています。「主な測定法の情報」は、これもいろいろ議論はあるかとは思うのですが、その物質に特定した測り方を公表している主なものを入れていて、いちばん右の欄の「作業環境濃度等の調査情報の有無」というのは、平成22年度の委託調査などで集めた情報の中で調査の例があるものは「有」と、ないものは「無」というふうにしており、大雑把に見るとこのような状況だということです。
○名古屋座長 でも、この情報があるだけでも随分選びやすいかという気がしますが。
○花井委員 優先順位を付けるとか、あるいは複数物質を並列してやるとか、いろいろなやり方があると思うのです。それと、どういう評価手法を検討するかと、それによっても随分違ってくると思うのです。有害性の論文を1つ読むにも、かなりの専門性が要求されますよね。そういう意味ではどのぐらいのそういう専門家を、専門家というか専門性を持った人を手当てできるのか、あるいはしようとしているのか。その辺は何かアイディアはあるのですか。
○松井化学物質評価室長 一応、事務局で考えていますのは、いまの仕組みの中災防で、有害性なら委員会でそれぞれの担当の先生なりが要約していただいた有害性情報を評価してもらって、それをこちらのリスク評価検討会でご検討いただくと。ばく露実態調査は、同じく中災防に測定法の検討をいただいて、使えるものがあれば、それでもって現場のばく露実態の調査をして評価値と比べて評価をしていくという、従来の手法でどの程度できるのかと、それをまず検討したいというところです。
○花井委員 先ほど1物質3、4年というお話もありましたし、それでいま13物質と考えれば数十年になってしまうわけですね。それを複数で何かやるとしたら、かなりのマンパワーが必要だと思うのですが、その辺も覚悟されている話なのですか。
○松井化学物質評価室長 私どものリスク評価で、年間10数物質リスク評価をやってきていますので、ナノマテリアルでない物質ですが。例えばインジウムの化合物とか、コバルトとかといったものをずっとやってきて、先ほど申し上げましたような期間で年間10数物質をこなしてきていて、それのベースに乗せたらナノマテリアルはどこが違って、どういうふうに対応していったらいいのかというところで、取りあえずベースの議論のための資料を作っていますが。
○花井委員 それはこれから議論する中でいろいろ変わってくるというか、決まってくることだと思うのですが、先ほどの凝集の問題、あるいはサイズ分布の問題にしても何にしても、かなりいままでの単分子の有機物質のリスク評価とは違う世界だということは、覚悟しておかないといけないと思うのですが、その辺はよろしくお願いしますというのも変ですが。
○松井化学物質評価室長 いや、私どものほうでむしろ検討をお願いすることで、役所としてはナノマテリアルの使用量が相当増えていくことが見込まれますので、そろそろリスク評価についても手がけて、制度的な規制に至るところに結び付く取組みはしておかないといけないと思っていますので、そこの検討をよろしくお願いしたいというところですが。
○大前委員 いまおっしゃっているのはたぶん中災防ですから、こちらの委員会だと思うのですが、今回ナノで酸化チタンを初めてやることになっています。酸化チタンはたぶんほかのところでいうと情報量は多いと思うのですが、いままでやってきたやり方ですと、オリジナルではなくて二次評価文書を使ってやるのがいままでのルールなのです。例えばNEDOのまとめたものとか、環境省のまとめたものとか、産業衛生学会の勧告、提案理由とか、そういうものを使ってやるのがいままでのやり方だったのですが、今回それで、ナノの酸化チタンでそれでいけるかどうか。オリジナルの文献がどのぐらいあるかということと、委員がそれをどれぐらい読み込めるかは、酸化チタンのあれでやってみないとわからないのです。先ほどやってみないとわからないと言ったのはそういう理由で、見当がつかないという。
 おそらくほかの物質はもっと情報が少なくて、先ほどのカーボンナノチューブなどで、中に鉄が入っているとか何かいろいろなことがあるので、そこをきちんと読み込んで初期リスク評価書ができるかは、非常にいまわからない状態なのです。少なくとも二次評価文献からおそらく駄目だと思うのです。そうすると、例えば産業衛生学会をやっている、基本の電解みたいな、ああいうレベルの読み込みができる人でないと、なかなか上がってこないのではないかという感じはするのです。いずれにしても今回やる酸化チタンが初めての例で、これで大体見当が付くと思うので、これをやってみて初期リスク評価のやり方がある程度決まるのではないかと思います。
○清水委員 資料6の1.ですが、これは私はもう一度読み直して驚いたわけです。いま大前先生がおっしゃったように、原著を読まないと駄目ではないかという気を強く持つ文献です。これは中災防の浅倉さんがやっているのですが、私も相当のいろいろな染色体異常試験を読んでいますが、こういう倍数体だけが非常に強く出てくるのは非常に珍しいのです。しかも、これは多層カーボンナノチューブですが、孫引きでこの文献が引用した2009年の文献がありまして、これは単層カーボンナノチューブです。シングルのほうです。それでも同じような倍数体が出てくると。しかも非常に強い染色体CHLを使った染色体異常試験では、構造異常が出ないという非常に面白いデータです。この実験では、クリソタイルを対象物質に置いています。クリソタイルも同じ傾向になるのです。ですからオリジナルをきちんと読まないと、評価が非常に難しいのではないかと感じます。
○名古屋座長 あと、よろしいですか。でも、今日のところを見ると、間違いなく有害性を認める方向については、要するに議論の上に乗せてきて、その評価方法として、例えば7-14.の形を見ると、フラーレンまではある程度許容が出ているから、そこは対象になると。それから先のところは測定結果を見てみないとわかりませんが、測定のあるものとほかのものについては、先生方の評価方法のところで決まって、評価が上がってくるものを対象に優先順位を付けてもらう形に今日のところは一応収めて。また、またこれは次回以降検討したいと思いますが、あるものについては、先ほどあるようにそこを使って優先順位はたぶん上がってくるのだと思います。その他については、有害性を認める情報があるかどうかというところを見ていただいて、それに対していま宮川さんが言われたように、ある程度現状の段階で評価手法で行ったときに、それがうまく乗っかるものがあったら、たぶんそこは入ってくるのかという形で、優先順位をこれから決めていきたいと思っています。今日のところは、このぐらいのところしか進まないかと。
○大前委員 最近数年の日本産業衛生学会で産業医大の森本先生のところが、ナノであれはニッケルだったと思うのですが、結構系統的に実験をやられているのですよね。だから候補物質が13ありますが、場合によってはそれも加えたらいいかと思いますが。
○宮川委員 先ほど大前先生からもお話がありましたが、実はナノの文献収集の仕事を少ししたことがあり、吸入のvivoの試験は非常に少ないです。ということは、いままでのように吸入のvivoの実験、あるいは経口でも、経口がこの肺のほうに当てはまるかどうかわからないですが、主として問題になりそうな吸入のvivoの実験は少ないので、二次文献を引かなくても、もしそれが取れるものであれば、読み込みは難しいかもしれませんが論文の数としてはそう多くはならないのだろうと。
 問題は、その代わりに気管内投与の実験がたくさんありまして、それを用いてどう評価するか、それが使えるかどうか、どう使うかが、たぶん評価のための基準に入っていないのです。それは使えないとするのか、何らかの新しい法を考えて使う方向でいくのか、これは非常に大きなところになるので、そこを少し考えておいていただかないと、実際に作業を始める人が困るのではないかという気がします。
 そのほか、いま指摘がありましたが、逆にいうと、vitroの試験は相当あるものが多かった。ただ、そこはナノサイズと大きなサイズと、あるいは表面処理や結晶系の違いを加えて、相対的にどちらが強いというものはいろいろな物質について山のように出てくるわけですが、そこを最後どう解釈するかがいろいろと難しいところがあるので、その辺は是非、大前先生の委員会でよく検討していただければと思います。
○名古屋座長 あと議論しておくことはありますか。よろしいですか。今日はまとめるわけではなくて、意見を聞いてという形だと思いますが、そういう形の中で、これから13物質の中から優先順位を決めて、次回以降決めていければという形だったと思います。そうしましたら、今日のところはここで止めてよろしいですか。
 次、「その他」ということで、今後の項目ということの中で、これは資料8と説明がなかったですか。
○松井化学物質評価室長 まず次回の検討会が、資料の綴りのいちばん下に「今後の予定」というのがありますが、第2回を10月27日、第3回を少し飛んで11月30日に予定しています。第2回の検討項目ですが、この資料では議事は単純に書いていますが、事務局では大きく2つ考えております。1つは、先ほどのナノマテリアルのリスク評価の課題が資料の5にありましたが、手法の留意点の検討、これを次回は江馬先生等に入っていただき、さらに詳しい方も入れてご議論いただくということで、これについては次回またご議論いただいて、第3回まで少し期間が空きますので、その間に事務局で論点整理のようなことをして、取りまとめ等を検討していただくということができればと思っています。
 2つ目の項目は、物質の選定ということで、資料7に結構量のある資料をお配りしていますが、これを次回までに適宜見ていただきます。資料の構成は、一応先ほどの選定基準の項目に沿ってまとめております。概略は先ほど説明しました資料7-14.にあるのですが、個別の情報は、先ほど宮川部長からお話のありました委託調査で、これは中災防が取りまとめた報告書があって、宮川部長に委員会の座長をやっていただいたのですが、そこからの情報とNEDOプロジェクトの報告書などの情報から、既存の情報を一応取りまとめていますのでご覧いただきます。たぶんどの辺で線を引いて、どのような順位づけをそれぞれ想定されるかによると思うのですが、そこを重点的に見ていただくのがいいのかもしれませんが、そこの検討を次回お願いしたいと思っています。
 先ほど検討項目にありましたウの行政指導通達の関係ですが、これは次回ご議論いただけるかどうかわからないのですが、一応、資料8ということで、こういうことでご検討いただけないかというのを少し整理しています。
 資料8をご覧いただき、左側の欄に「現行の行政指導通達の概要」をまとめています。右側が「想定される主要な検討項目」です。事務局で、それほど大した項目立てはできていないのですが、「現行の行政指導通達の項目」ですが、一番目に通達の「対象物質」の範囲が書いてあり、2として「対象作業」が書いてあります。3として「ばく露防止等の対策」ということで、これが本体、3番が本体ですが、それで(1)で「基本的考え方」があります。この順番で考えていくと、「基本的考え方」の中で、ばく露防止等の対策を講じる上で参考となる知見があれば、これに基づいて実効あるばく露防止対策を講じることを独自に対応してもいいですと書いてあるのですが、こういう独自のものとしてどのようなものがあるのかなというのが、1つご検討いただく項目としてはあるのかということがあります。
 2頁に(3)「作業環境管理」については、通達では特に具体の物質という特定はせずに、基本的な密閉化とか、局所排気装置の設置とか、そういうことが書いてあるわけですが、こういった原則的な管理に加えて、具体にこの物質についてはこういう管理方法を指導すべきだということがあるのかということ。中段に行き、特に作業環境の測定に当たっては、具体的な方法の指導があるのかと。作業環境の管理に当たって、事業者が基準値等として活用できる濃度を示すことができる物質がありますか、ということもご検討いただきたいと思っています。
 以下、(4)「作業管理」については、具体的に指導すべき物質はありますかということと。3頁に行きまして、(5)「健康管理」についても、物質によって具体的な指導すべきことはありますかと。
 非常に簡単なペーパーですが、現行の通達が特に物質を特定せずに原則的な管理になるように書いてありますので、物質によっては情報が蓄積されていて、何か具体的な指導の必要な物質があるかどうかを、先ほどの対象物質の選定の検討のあと、その検討などを踏まえてご議論いただければと思っています。
○名古屋座長 これについて何かありますか。
○花井委員 具体的な管理方法を指導すべき物質はあるかというのは、そういう問題が提起されているのですが、ここ数年、前の指針が出てからナノ材料に関して何か懸念があるとか、そういう情報は厚生労働省のほうにあるのですか、来ているのですか。
○松井化学物質評価室長 具体の物質で懸念があるということではなくて、むしろ事業者が作業の管理なりをやられる中で、もう少し具体的に書いたほうが事業者としては取り組みやすいのではないかというお話は聞いています。
○名古屋座長 あと、現場へ行って気づくことは、この通達を作ったときも、我々はナノに対してはきちんとした情報があまりないときに作っています。そのため、結局アスベストと横並びにナノの通達を作っているので、現場へ行くとかなり厳しい規制がかかっていて、現場でそれほど厳しいマスクをしなくてもいいと思う事があります。少し緩くしてあげたほうがいいかという現場もあります。そういうことはできるのですか。
○松井化学物質評価室長 科学的根拠に基づいて、健康障害防止措置としてそういうことにすべきだということであれば、ご議論いただければと。
○名古屋座長 要するに管理がきちんとされていても、結局マスクはマスクで規定されているので、それをしなくてはいけなくなってしまうということ。せっかくリスク評価をしてもというよくある話ですが、なかなかきちんとできない部分はあるかということになります。
○半田化学物質対策課長 室長が申し上げたとおりであり、とにかく予防的措置でということで決めていますので、現状の最新のデータに基づいて、ここまでやればよいし、そういうことがわかればファクトに基づいてやっていきたい、改定すべきは改定していきたいと。
 もう1つは、ここに先生方がお集まりいただいてご議論いただくわけですが、それでもなおわからない部分はあると思うのです。それはまたそれで整理していただいて、なおこういう課題が残っていると。そういうところにはしょうがないですから予防的に何らかの措置を講じていただいて、そういう課題に関しては、さらに私どももまた別の研究の枠組みがありますので、そういった中で研究を進めていくとか。
 また、同時にこういうことを進めるに当たり、経済産業省とも連携をしてやっていくようにしていますし、さらにOECD辺りとの全体的な流れの中にもきちんと乗ってやっていきたいと考えております。そういう取組みも進めていますので、然様にご承知いただければと存じます。
○名古屋座長 そうしましたら、いまのところ8のところ、これから健康障害指導という形のところを先ほどもご説明していただきましたが、これを踏まえて次回以降検討していかなくてはいけないかと思います。あと、5のところと、6、5というところの中で、先ほどは議論がありませんでしたが、今日はこれで大丈夫ですか。5のところとか、4のところでしたか。4のところという形のものはありません。一応了解されて通りましたが、もし、また次回以降、何かありましたら、そこのところに振り返っていきたいと思います。4のところの中で検討項目はよろしいですか。まだ少し時間がありますが、よろしいですか。わかりました。
○寺島化学物質情報管理官 今後の予定の第3回、11月30日の場所についてはまだ未定ということで、改めて連絡させていだだきます。
○名古屋座長 ご検討をいろいろありがとうございました。議事進行が悪くて申し訳ありませんでしたが、以上で本日の予定は終了しました。これで本日の検討会を閉会します。どうもありがとうございました。


(了)

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