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2011年11月15日 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第7回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年11月15日(火) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第18,19,20会議室(17階)


○出席者

磯部構成員、岩上構成員、上原構成員、河崎構成員、久保野構成員、鴻巣構成員、
笹井構成員、白石構成員、千葉構成員、野村構成員、広田構成員、堀江構成員、
町野構成員、良田構成員

○議題

(1) 入院制度について
(2) その他

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは定刻となりましたので、ただ今より「第7回保護者制度・入院制度に関する作業チーム」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御参集をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本作業チームは公開でございます。作業チームでの審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定でございますので、あらかじめ御了解くださいますよう、お願いいたします。
 磯部構成員は若干遅れているようでございますけれども、本日、全員の構成員が御出席の予定でございます。
 それでは、ここから町野座長の方に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○町野座長 前回の第6回までの作業チームでは保護者制度について御議論いただきました。本日からは入院制度、特に医療保護入院制度についての御議論をしていただくことになります。
 その議論の前提として、地域における精神医療福祉の体制の充実について、現在、どのような検討が行われているのか、入院制度の在り方の検討はその中でどのように位置づけられるべきか、ということについて共通認識を得ておきたいと考えています。
 そのような観点から、10月13日に開催されました「第23回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」で「精神障害者の地域生活の実現に向けて」と題する資料が提出されております。
 まず、初めにその内容について事務局より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○本後課長補佐 それでは、資料1「精神障害者の地域生活の実現に向けて」について御説明をさせていただければと思います。
 この資料ですけれども、昨年6月の閣議決定「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」などを踏まえまして検討チームですとか、その他の場で検討を行った結果をまとめた、あるいは今後の検討課題をまとめたものでございます。
 まず、2ページ目でございます。
 昨年6月の閣議決定の内容ですけれども、これは改めて御確認ということになりますが、閣議決定の中で医療ということで3点、政府としてお約束をさせていただいております。
 1点が、作業チームで御検討いただいております、強制入院、強制医療介入などについて、いわゆる保護者制度の見直しも含め、その在り方を検討し、24年内を目途にその結論を得る。
 2点目が「社会的入院」を解消するため、退院支援や地域生活における支援に係る体制の整備について、平成23年内にその結論を得るということです。
 この資料につきましては、この2点目について様々な検討の結果まとめたものを御報告するものでございます。
 3点目といたしまして、精神科医療現場における医師や看護師などの人員体制の充実のための方策について検討し、24年内を目途に結論を得ると。
 この3点が閣議決定されております。
 具体的には、地域生活の支援あるいは社会的入院の解消について検討を進めてまいりました。
 3ページ目をお開きいただければと思います。
 「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念を実現するための新たな取り組みと今後の検討課題ということで、新たな取り組みを7点まとめております。
 最初、大きな箱といたしましては「地域移行、社会的入院の解消に向けた、病院からの退院に関する明確な目標の設定」ということで、来年度から始まります、第3期の障害福祉計画における明確な目標値を設定していこうということでございます。
 大きな2番目といたしましては、その退院の受け皿となる様々な支えを地域で整備していくということでございます。
 医療面での支えとして、アウトリーチの充実、精神科救急医療体制の構築、医療計画に記載すべき疾病への追加の3点を挙げております。
 「福祉・生活面での支え」ということで、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスの基盤整備というのはかなり進んできている面もありますけれども、それに加えて新たな取り組みとして、地域移行支援、地域定着支援の創設、地域生活に向けた訓練と、状態悪化時のサポートなどを合わせて実施するといったことを挙げております。
 認知症に関しましては、今、まだ検討を進めているところでございます。
 具体的には4ページ目からです。
 最初の「病院からの退院に関する明確な目標値の設定」ということに関しましては、都道府県おける障害福祉計画の中で24年度から定めるものとして目標値を定めていくというものでございます。
 1つは1年未満入院者の平均退院率を今よりも引き上げていこうというもの。
 もう一つは、長期入院の方の退院を促進していくという意味で、特に5年以上かつ65歳以上の退院者数に着目して目標値を定めていくというものでございます。
 具体的には8ページ目をお開きいただければと思います。
 今の精神科病院の入院者数を見てみますと、20歳以上40歳未満、40歳以上65歳未満の入院者数は年々減少しております。一方で65歳以上の方については、年々逆に増加している状況にございます。
 特に5年以上の方々については、主には長期で入院されている統合失調症の方ということになりますので、5年以上65歳以上の方に着目するということで、長期入院している統合失調症の方の地域移行を進めていけないかどうかということでございます。
 資料11ページでございます。
 受け皿となる仕組みの1つ目ですけれども「アウトリーチ(訪問支援)の充実」ということで、平成23年度の予算で「精神障害者アウトリーチ推進事業」をスタートさせまして、将来的にはこの事業の一般制度化を目指す形で事業を進めているところでございます。
 16ページをお開きください。
 2点目ですが「精神科救急医療体制の構築」ということです。
これも検討会を開催いたしまして、5月から9月まで御議論をいただきました。その中で、各都道府県は24時間365日対応できる精神医療相談の窓口、精神科救急情報センターを設置すること。
 それから、継続して診療している自院の患者さんに夜間、休日も対応できる体制、いわゆるミクロ救急の体制を確保すること。輪番という体制だけではなくて、こういった体制も確保すべきであるということが提言されております。
 続きまして医療計画に関してでございます。19ページをお開きください。
 精神疾患の患者数が非常に多いということを踏まえまして、さきの社会保障審議会医療部会の中で、精神疾患を医療計画に記載すべき疾病、今、これは4大疾病がその疾病になっておりますが、そこに追加するという方向性が示されております。
 これに関しては、20ページの下の箱ですが、具体的内容について、医療計画の見直し等に関する検討会において検討が行われることになっておりまして、その結果を踏まえまして、各都道府県に対して指針を示す予定になっております。
 この検討会はちょうど明日開催されまして、精神疾患に関して検討が行われる予定となっております。
 新たな取組5、21ページでございます。ここからは、福祉生活面での支えということになります。改正の障害者自立支援法の中で地域移行支援、地域定着支援という新しいサービスが盛り込まれております。
 地域移行支援に関しましては、入院中から住居の確保や新生活の準備などの支援を行うということ。地域定着支援に関しましては、退院後あるいは地域生活をしている方に対して24時間の連絡相談などのサポートをするということで、相談支援の充実という流れの中で新しくメニュー化されたものでございます。
 特に地域移行支援に関しましては、現在の補助事業であります精神障害者地域移行・地域定着支援事業を個別給付化したということになりますので、大きな主な対象としては精神障害のある方を対象にしている事業でございます。
 23ページ、24ページは、改正障害者自立支援法の関係もありますけれども、主には報酬などの関係で出てくる話でございます。
 現在の精神障害者生活訓練施設、いわゆる援護寮についてもう少しバージョンアップした形で地域の拠点として位置づけられるようにという形に規制の見直しということでございます。
 特に24ページを見ていただければと思います。
 今の精神障害者生活訓練施設につきましては、新体系に移行した後、主に宿泊型自立訓練に移行することを想定しております。
 その宿泊型自立訓練に関しましては非常に使いにくいという指摘がございましたので、そういったことも踏まえ、報酬の提言の見直し、空いた部屋に関しては短期入所を行うことができるようにするといった規制の見直しを行うことで、個々の宿泊型自立訓練の事業所が入院から地域移行に至る間の中間的な役割を果たすだけではなくて、地域で暮らしている方がレスパイトあるいはちょっと調子が悪いなというときにショートステイが活用できる、そういった拠点として機能できることを目指しております。
 これは移行経過措置ということではなくて、新しくこういった事業所を立ち上げるときにも適用するという方向で議論を進めております。
 以上が地域生活を支えるためにということで、様々これまで検討してきたメニューを御紹介させていただきました。
 27ページ以降が、同じくこの作業チームで検討を進めていただいておりました「保護者に対する責務規定の削除」になります。
 先ほどの地域生活の支援という関係でいきますと、30ページ以降がそれと大きく関係をしてまいります。
 措置入院からの退院時の支援ということで、保護者という観点からすると、措置患者の引取義務が保護者の義務として規定されていたところに対応するものでございます。現在は保健所のかかわりが入院時に限られていて、入院中あるいは退院時に関しては具体的な役割が規定されていないことになっております。それが、31ページですが、今後はそういった形ではなくて、入院中あるいは退院に際しても保健所が関わりを深くしていくという方向性。それから、保健所だけで例えば住まいを探すといったことは難しいと思いますので、御本人の希望に応じてということになりますけれども、地域移行支援、地域定着支援のサービスを活用していくといった形で退院の調整あるいは退院後の生活の定着を図っていくという方向にしていけないかという御議論をいただいたところでございます。
 同じ話は医療保護入院に関しましても起こる話だということが、この作業チームでも御指摘をいただいておりまして、行政の関わりという意味では措置入院と異なりますけれども、33ページ、地域移行支援、地域定着支援のサービスが適切に関わることによって退院に向けた円滑な取り組みが進められていくことも期待されるということでございます。
 以上のような取り組みを全体としてまとめたのが35ページでございます。
 ちょうど真ん中辺りに「退院準備中の患者」というところがありますが、退院準備中の患者さんが地域移行支援を使ってグループホームあるいは自宅に移行する。その後は地域定着支援といったサービスを使って、地域でまさに定着する支援が行われる。
 同じようにその左、退院準備中の患者さんがいて、中間的な役割として先ほどの宿泊型自立訓練の事業所を利用する。その上で自宅なりに移っていく。
 この宿泊型自立訓練の事業所、ショートステイもできることに規制緩和をするということですので、そうしますと、退院して生活をしている方、ずっと地域で生活を継続している方、あるいは左隅にあります、退院後不安定な方といった方がショートステイを利用することで、支援を受けながら地域生活を継続できることも期待されるということでございます。
 こういったことで地域生活を支える仕組みを充実させていくということで、当然、そこは入院の在り方にも影響を及ぼしてくるということになります。
 この地域生活の支援に関して議論を進めてきたわけですけれども、残された課題としては、この上のところにあります、入院が必要であるが同意が困難な方に関する入院の手続。
 入院ということになりますと、当然、退院をどうしていくのかという議論にもつながっていく、あるいは一緒に考えていかなければいけない課題になりますので、地域生活の支援をどう充実させていくのか、あるいはこことの連携をどう考えていくのかということは重要な課題になってくると思われます。
 もう一つ、課題といたしましては、精神科病院の人員体制。黄色の精神科病院の中の議論ということは閣議決定で項目にはなっておりますが、具体的な検討がまだなされていないということで、今後は、36ページにありますとおり、入院制度に関する検討、精神科医療現場における人員体制の充実のための方策の2点が検討課題となってまいります。
 入院制度に関する検討に関しましても、地域生活全体の中で御議論をいただければと考えております。
 説明は以上でございます。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 非常に包括的な説明をいただきました。ここから10分ぐらい質疑応答と言いますか、御議論いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 はい、お願いします。

○河崎構成員 河崎です。
 この資料は10月13日の検討チームに出された資料ではありますが、当日は他の議論が非常に活発に行われましたので、この資料そのものの議論があまりなされていなかったと思います。
 その中で今回もう一度事務局の方に確認をしたいと思っておりますのは、4ページ目の新たな取組1「病院からの退院に関する明確な目標値の設定」の着眼点2でございます。
 5年以上かつ65歳以上の退院者数でございますが、確かに、それぞれの精神科の病院で5年以上でかつ65歳以上の方たちをどう地域移行を進めていくのかというのは、非常に大きな課題になっているという認識はございますが、その辺りに着眼をされて、できるだけこういう方たちの退院を増やしていこうということだろうと思います。
 その場合に、こういう方たちをどういう形で退院を実現していくのか、あるいは、地域の中でこの方たちを支えるシステムづくりをどうしていくのかというところについて、残念ながら今回のこの中では見えてこないなと思っております。
 もし、その辺り、何か御説明を願えるのであればありがたいなと思います。

○本後課長補佐 退院者数に関しまして具体的に明確な目標値を定めるという一番の大きな趣旨は、障害福祉計画の中で具体的にサービスの整備をどれぐらいしなくてはいけないかということにつなげていくということが一番大きな目標でございます。
 10ページになりますが、実際に障害福祉サービスを整備していくというのは、主には市町村の役割ということになってまいります。したがって、真ん中にありますけれども、5年以上65歳以上の入院患者の退院者数も含めまして、全体で退院者数がどれぐらいになるのかということを都道府県で推計をいたしまして、それを市町村に提供する形で、実際に地域移行支援事業がどれぐらいなるのか、あるいは、グループホーム、ケアホームをどれぐらい整備しなくてはいけないのかというところに具体的につなげていきたいということでございます。
 グループホーム、ケアホーム、既にあるサービスについては地域自立支援協議会などがうまく機能しているところでは、必要な施設数あるいはどれぐらいの人数が必要かということを推計できるわけですが、この障害福祉計画の策定も通じまして、そういった具体的な基盤整備につなげていきたいと考えています。
 もう一つ、特に高齢で長期に入院されている方については、退院してみようというところにまでつながってくるときに、病院の中で非常にいろいろな働きかけをしておられると認識をしております。
 そういった取り組みがなければ、なかなか地域に生活してみようということにならないということもありますので、その病院における働きかけに対して促進をしていけないかということで、9ページにあります、高齢入院患者地域支援事業ということで、今、24年度の概算要求で要求をしているところでございます。
 病院の中にチーム、病院のスタッフの方、それから、外の相談支援専門員の方といった方々がチームをつくって、そのチームが退院に向けた意欲の喚起ですとか働きかけ、環境調整を行うといった事業を実施した場合に、その医療機関に助成をするといった事業を新たにつくりたいということで要求をしているところでございます。

○河崎構成員 1点だけ。
 全体的なお考えとするとよく理解はできるのですが、ただ、5年以上65歳以上の入院患者さん、多くは統合失調症であろうと先ほどの説明にもございましたが、そういう方たちの状態像であるとか、あるいは精神症状がどの程度の重さがまだ残っているのかという具体的なデータをしっかりと取りながら、本当にどういうサポートシステムが必要なのかというところを同時に今後はより詳細に検証しながら、そういう全体の方向に向かって構築をしていっていただきたいなと思います。
 これはお願いでございます。

○町野座長 ありがとうございます。
 それでは、野村構成員の方からお願いします。

○野村構成員 これからの議論の進め方の前提として、医療保護入院の家族による同意義務は必ず廃止するということで進めていただきたいと思います。

○町野座長 では、広田構成員お願いします。

○広田構成員 前から忘れっぽいのですけれど、認知症になったかなと思うぐらい、これを見忘れていたのですね。
 今、河崎構成員がお話されたように、これは出ていたのですが、これの論議ではなくて、議事録で出てくると思いますけれど、非常に私は不愉快な展開になったのです。
 この中身について、日本の精神医療の被害者である精神医療サバイバーとして夜中の2時まで危機介入の相談をやっていて、患者兼相談員という視点から見たとき、とてもこの中身ではないと思うのです。
 患者である相談員の私が望むものは、やはり何よりも安心して暮らせる住宅があって、そして、24時間安心して利用できる精神科の医療が、精神科救急、総合病院の精神科も含めて確保できていて、食事などができる地域生活支援サービスなのですね。
 これが、内閣府の総合福祉部会でも突出して相談支援というのですが、今、マスコミの人も見えているけれど、相談というけれど、人間、暮らしていく中で、相談より寝て食べるところです。
 それがなくて、相談相談とやって、それは何度も言っていますけれども、国及び地方自治体のこういう委員会とか検討会は、本当に家族の不安と、専門家のハローワークだなとずっと十何年間感じています。
 そういう中で、寝るところ、安心して生活するところ、食べられるところ、それからホームヘルプサービス。私、使わせていただいていますが、本当に助かっています。ただ単に何かをやっていただくというだけではなくて、本当にティッシュペーパーの1箱を置くあれが、私が思い浮かばないようなことをやっていただいて、こんな形でホームヘルパーさんということでした。
 多くの仲間が望んでいることは、相談支援でもなければアウトリーチでもないですよ。訪問看護など来られても、何のためにくるのかと私は思いたい。これは本当に専門家のハローワークだと思っています。
 それよりも、ホームヘルパーさんが来てくれて、一緒に買い物に行ったり、一緒に料理をつくったりという生活です。生活がなくて、話を聞いてくれる人。大体、相談する話の中身がないですもの。話し相手です。話し相手と、言うならば仲間同士です。安心して話せるピア・サポートですよ。そういうものだと思います。
 それから、生活費。そして、安定した人はいわゆる仕事するといったことで、本当に人間が生活していくときに、相談支援が突出して出てきたら、相談相談と、精神障害者とは何なの。
 それから、何かプランをつくるというけど、プランをつくるほどの相談なのかということ。生活支援センターでピア相談をやっていますけれど、本当に生活支援センターで相談援助といって、他のことよりも相談相談とやっていますけれども、いろいろな話を聞いたときに、これは私たち職員が聞かなくても、仲間同士お話する話ではないですかという形のインテークをしないで、全部受けてしまうのです。それで他の仕事をやれないでそちらだということで、横浜ですと、いわゆるA型というところが5,000万で打っているわけです。おととい聞いたのですが、それにいろいろな付加価値がついて6,000万ぐらいだそうです。
 それでB型というところは3,000万なのです。ものすごくお金を投資していて、年間1人当たり100万とかそれ以上のお金がかかる。その人が旧作業所に行っていれば更に100万。それにデイケアも行っていると更に100万。そして今度は生活保護といったら、本当にその辺のサラリーマン以上のコストがかかるのです。
 そういうことを国民に説明できるかといったら、説明できないのがこれです。もっと、精神障害者である前に1人の人間として豊かに、尊厳を持って、地域の子どもがいっぱいうちに遊びに来ていますけれど、地域の住民として子どもと遊んだり、近所の人と話をしたりする中で、人間としての力をつけていきます。
 そういうところの原点であるはずの生活を、精神障害者の社会資源ですか、そこが相談支援ということで、ただただ傾聴・共感という名の下の受け止められない職員たちですよ。そういうことをいつまでもやっているのはおかしいということで、今、国が進めようとしている、ここには値段が入っていないけれど、7億円のアウトリーチにも私は反対ですし、もっと、精神障害者である前に1人の人間として、地域住民として安心して暮らせるような施策であってほしい。
 何よりも、社会的入院の仲間が出てきたときに、地域の愛が必要です。その人が出てきたいろいろな状態から少しずつよくなっていたものを受け止めてくれる、見守ってくれる。勿論、家族もそうです。皆さん方の専門家もそうかもしれない。でも、地域のそういう温かい愛がなくて、ただ単に出て行って、あの人、ずっといなかったけれど、このころは住んでいるわねという冷たい現在の日本社会。見守るのではなくて見張っているような、言論の自由もないような社会では、本当に立ち行かないので、そういうことを日精協さんも、こころの構想会議も、いろいろな職能団体も、患者会、家族会もあるけど、いろいろな人たちがいるけれど、みんなで、そういう人を理解してくれではなくて、温かく見守る愛が必要なのですということを国で打てるといいという感じにしたい。この内容について私はアウトリーチには反対だし、相談支援が突出していることは力関係でどうしても負けてしまっているけれども、本来の人間が暮らしていく基本的な暮らしとは違うと思っています。
 以上です。

○町野座長 それでは、堀江構成員、次お願いします。

○堀江構成員 3〜4ページにかけてです。
 3ページに取組6と取組7があると思います。
 認知症の方たちなどで、この間、千葉に行って話を聞いていたら、家で盗まれたようなものがあったら、あのおばあちゃんではないのみたいな話がある。それを相談センターの人が、これは相談といっても、ただ相談を受けているだけでなくて相談支援活動に入っていますけれども、そういう人たちから見ても、地域がもっと掘り起こされないとだめだよねという話が出ます。
 要は、住民の協力体制を6と7と分けているのだけれども、どうして分けているのかなと思うぐらい、認知症の人もいるし、精神疾患の人もいるし、いろいろな人たちがサポートを必要としているときにできるような体制というのを、認知症は別、こちらは別と縦割りではなくて、何とか横割りで、地域に行くと総合的に対応できる方向を目指してほしいし、それが住民の気持ちを掘り起こすような方向を考えてほしいなと思っています。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。
 それでは、白石構成員。時間がかなり押していますので、よろしくお願いします。

○白石構成員 医療機関のことについて。
 先ほどの6ページ「着眼点設定の考え方」で、こういう方向で進めていただくということを前提としてお伺いしたいのは、資料の中にもあるのですが、1年未満の人の退院と5年以上の退院ということに着眼したということは、1年〜5年未満の人の問題がどう扱われるかというところが、いわゆるニューロングステイと言われるような人たちの可能性があり、こういう人たちが5年以上にならないようにするという辺りのこともとても大事ではないかと思うので、特に着眼点として6ページに1と2が挙がっているけれども、その間はどうなのかというところが1つ確認したいことです。
 あと、とても言いにくいのですが、こういう目標値を設定したときに現実には地域差とか病院による差もあると思うのです。そういう辺りについて何らかの対応を、それは難しいことは重々承知してはいるのですけれども、どう考えていったらいいのか、少し意見交換があるといいのかなと思いました。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございます。
 事務局から何かございますか。

○本後課長補佐 1年以上5年未満の方ということですが、全体の状況といたしましては、8ページ目に先ほど少し御説明した入院者数の推移が載っておりますけれども、20歳以上40歳未満ですと1年以上5年未満が大きく減少しております。それから、40歳以上65歳未満についても減少をしております。
 65歳以上に関しましては5年以上についても同じように、1年以上5年未満についてもかなり増加をしております。1年以上5年未満の増加に関して非常に多いのは認知症の方であります。
 ですので、1年以上5年未満の方の対応と5年以上の方の対応は少し分けて考える必要があるのではないかということでございます。
 特に1年以上5年未満の方は認知症の方が多いということになりますと、認知症の方ができるだけ早い期間で退院するための施策としてどういうことが必要なのかにつきましては、まさに今、認知症の方の検討チームで検討を進めていることでありますので、まだ、ここに関しては具体的なところは出ていないのですけれども、ここであえてそこを分けて書いたということは、主な状態像が違うところに対応しているわけでございます。
 あと、地域差、病院の間の格差というものは当然あると思います。ここでもある一定の目標を定めるに当たっての指標という形ではお示ししておりますけれども、これは各都道府県で状況に応じて設定していただくための指標ということでお話をしておりますので、ここから先は都道府県が実情に応じて定めていただくという形になると考えております。

○町野座長 ありがとうございました。
 いろいろ御議論がまだあると思いますけれども、まさにここから先が医療保護入院と地域資源の在り方、いろいろなことがありますので、既にかなりの問題、とにかく退院ということが想定されている患者さんはどういうイメージなのか、地域におけるサポートはどういうイメージなのかと、いろいろなことが絡み合っているあれなので、これからかなり長丁場だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは続きまして、本日会の議論のテーマであります医療保護入院について、まず、事務局より資料2〜5に基づいた説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○本後課長補佐 それでは、資料2と書いてある冊子をご覧いただければと思います。
 まず最初に今後の検討の進め方ということで、簡単なイメージを書いております。
 これは、今までと同じように、大体作業チーム3回+検討チームを1回という形を1クールといたしまして、既に作業チーム、最初の3回は日時が決まっておりますが、これを1クールとして、大体来年の夏ぐらいまでに3クールぐらい回していければと考えております。その中でだんだん議論を深めていただければと考えております。
 資料3からが、医療保護入院の制度についての資料でございます。
 最初は「医療保護入院の制度と現状」ということでまとめております。
 医療保護入院の制度、入院時の手続といたしましては、入院を必要とする精神障害者で、自傷他害のおそれはないが任意入院を行う状態にはない方を対象として、本人の同意がなくても精神保健指定医の診察、保護者の同意があれば入院させることができるという制度になっております。まさに法律上もそういった規定の仕方になっております。
 具体的には、保護者が選任されていない場合は、4週間に限り扶養義務者の同意により医療保護入院が行われるという手続もございます。
 保護者になる人がいない場合あるいは保護者が義務を果たせない場合には、市町村長が保護者になるという仕組みもございます。
 基準に適合する精神科病院では、緊急やむを得ない場合、精神保健指定医の代わりに特定医師の診察により、12時間に限って本人に同意がなくても入院をさせることができることになっております。
 4ページ目「入院中の手続」です。
 精神科病院の管理者は、入院後10日以内に都道府県知事に届け出ることになっておりまして、県の精神医療審査会において入院の必要性があるかどうかということの審査を行うことになっております。
 その後は12か月ごとに定期報告を行い、そのたびごとに精神医療審査会において審査を行う形になっております。
 続きまして、「医療保護入院の現状」でございます。
 これは、文章でも書いてありますが、参考資料24ページをご覧いただければと思います。
 下の段ですが、「入院形態別の患者数の推移」ということで、平成11年を境にしまして、それまで増えていた任意入院が減りまして、医療保護入院の数が増えているという状況になっております。
 これは、1つには平成11年の制度改正の中で、任意入院が行える状態にないという方が医療保護入院の対象になるということが明確化されたこと、それから、その後の認知症による入院患者さんの増加が影響しているものと考えられます。
 25ページ「在院期間別の患者数の推移」でございます。
 最初のページは措置入院の患者さんの状況になっておりますけれども、その次の26ページが医療保護入院の患者さんの推移になっております。
 全体で約12万5,000人ぐらいの患者さんが入院をされておりますが、その中で1年未満の方が35%、1年以上5年未満の方が30%、5年以上の方が35%といった割合になっております。
 任意入院の患者さんが約18万人おられますけれども、比べますと若干5年以上の方が少ない割合になっております。
 年齢別の患者数の推移が次のグラフでございます。27ページは措置入院ですけれども、28ページが医療保護入院の患者さんということになります。
 ここでは、65歳以上の方が現在では約半数ということになっておりまして、5年前、平成16年と比べましても、割合でいくと10%ぐらい増えているということになっております。年々65歳以上の方の割合が、医療保護入院の患者さんの中では増えている状況にございます。
 29ページ、それを年齢階級と在院期間で分けて見たものでございます。
 医療保護入院の状況については30ページでありますけれども、全体的にいきますと40歳以上65歳未満の方はだんだん減少しておりまして、65歳以上の方が増加をしていることになっております。
 その中で増えているのは、全体としては65歳以上で1年以上5年未満の割合が増えているということでございます。
 31ページ目からが疾病分類別の患者数になります。
 それぞれの入院形態の中で、どの疾病がどのぐらいの割合を占めているかというものであります。
 医療保護入院につきましては、認知症の方の割合が増えております。平成20年ですと約2割が認知症になっております。一方で統合失調症の方の割合は、徐々にでありますが減少しているところでございます。
 32ページ「入院形態別の患者数の推移」です。
 これは、その疾病の中でどの入院形態で入院されているかというものでございます。統合失調症の方については、数は少しずつ減ってはおりますけれども、その割合はほぼ一定という形になっております。
 一方で認知症の方につきましては、平成13年から比べまして平成20年ですと医療保護入院の割合が非常に高まっている。現在では6割が医療保護入院の患者さんということになっております。
 これが統計上から見た今の医療保護入院の現状でございます。
 資料の5ページ(3)に医療保護入院制度の変遷をまとめてございます。
 医療保護入院につきましては、まず、明治33年、ちょうど1900年に制定された精神病者監護法によりまして、配偶者、4親等内の親族または戸主などは、行政庁の許可を得て精神病者を自宅に監置することができるという仕組みにされておりました。いわゆる、私宅監置あるいは座敷牢と言われていた制度でございます。
 昭和25年に制定された精神衛生法でその制度が廃止されまして、精神病院の長が診察の結果、入院の必要があると認める場合で保護義務者の同意がある場合には、本人の同意がなくても入院させることができるということで、当時は同意入院という形で制度が創設されております。
 昭和62年の改正で、同意入院の呼称が患者本人の同意がある入院と誤解されるおそれれがあったということから、医療保護入院という名称に改められております。
 更に、精神保健指定医の診察の結果に基づくということが必須の要件とされております。
 それから、緊急を要するケースへの対応ということで、扶養義務者の同意による医療保護入院ですとか、応急入院の制度が創設されております。
 また、大きな改正としましては、この改正で精神医療審査会の制度が創設されまして、同意入院の入院時の報告、定期報告、退院の請求などについて審査が行われることになっております。
 更に平成11年の改正で、医療保護入院の要件として、任意入院が行われる状態でないものということが明記されております。
 更に移送の仕組みが設けられたのが11年の改正でございます。
 17年の改正では、まさに緊急の場合ということで、特例措置の制度が新設されております。
 これが今までの大きな改正の経緯ということでございます。
 続きまして「医療保護入院の法的性格」でございます。
 判例上の整理をまず挙げております。48年の判例を引いており、そのまま書いております。
 判例によりますと、医療保護入院は精神障害者の医療及び保護を目的として保護義務者と精神病院の管理者が行う有償の準委任契約であり、精神障害者本人という第三者のためにする契約としての性質を有するものであると判示をされております。
 ここの第三者のためにする契約は、誰かと誰かが契約をして、その契約の効果を別の第三者に及ぼすという契約でありまして、ちょうど生命保険の契約はそれに当たるものであります。
 ただ、民法上は第三者がその効果を受けるためには、受益の意思表示が必要とされております。※のところですが、昭和48年の判決では、第三者のためにする契約としながらも、受益の意思表示は不要という整理だという形にされておりますので、ストレートに第三者のためにする契約と整理できるのかどうかということに関しましては議論があるところだろうと考えております。
 6ページ目です。
 判例1の「・」の一番下、「ただし、精神障害者は有効な受益の意思表示をなしうるとは限らないため、特約で第三者たる精神障害者は、受益の意思表示をまたずに当然に治療および保護のため適切な措置を求める権利を取得すべきものと定められたものとみるのが相当である」と判示をされております。
 したがいまして、ここをもって第三者のためにする契約であると断言できるかどうかは議論があるところだと考えております。
 一方で同じように費用の支払いがどう整理されるかを10ページにまとめております。一番下の「費用の負担について」というところでございます。
 医療保険の制度に基づきますと、医療の提供、療養の給付に伴う負担金は、療養を受けた者が負担することになっております。したがって、入院医療が行われた精神障害者本人が負担することが制度上は原則になっております。
 実際には精神保健福祉法第42条などで書かれていますとおり、保護者は支出した費用について精神障害者またはその扶養義務者に費用償還の請求権を持つとされているといった規定がありますので、保護者が負担することも想定しつつ、こういった求償の規定を精神保健福祉法で設けているものでございます。
 以上が現在の状況それから法的な性格、変遷の整理ということでございます。
 2つ目、11ページ下ですけれども、医療保護入院が生じる事例ということで、幾つか事例を用意させていただいております。
 今後の議論をより具体的に行っていくためには、非常に理論的な議論だけではなくて、実際にどういうケースがあるのかということをベースにしながら御議論をお願いしたいと考えておりまして、事例を幾つか用意させていただきました。
 資料でいきますと、15ページでございます。
 全部で6事例用意させていただいております。かいつまんでそれぞれの事例について御説明をさせていただきます。
 最初の事例は初発・未治療で統合失調症。それから家族が同居されていて、徐々に悪化していったケースでございます。
 25歳の男性で母親と同居されている。役所に勤めましたけれども、入庁直後から上司に非常に注意をされている。3か月を過ぎたころから、上司や同僚が自分の悪口を言っているということをお姉さんに昼夜問わず電話をするようになる。半年後に職場で空笑、独語が目立ち、自分の行動を上司が妨害していると言って、上司の書類を破いたり、暴言があったりして、自宅待機となる。
 自宅待機となった後も自分の悪口を言っていると言って毎日職場に電話をしているということで、心配したお姉さんとお母さんが総合病院の精神科に相談を持ちかけた。
 本人を病院に連れて行ったところ、本人はだましたな、自分を患者扱いしていると言って騒ぎ出した。診察では、上司が自分の悪口を言うということを繰り返している。お医者さんが説得しても本人は納得をしない。
 幻聴による迷惑行為がある。母や姉に対する暴力行為が予期されるということなどから、医療保護入院が必要と判断して、母親の同意を得て医療保護入院となりました。
 この場合は、入院直後は落ち着かなかったもののだんだんと落ち着いて、2か月後に任意入院に変更し、4か月目に退院した例でございます。
 事例2は、先ほどと異なっている点は治療中断、1回医療にかかっているというケースでございます。
 28歳の女性で、高卒後、働いているときに幻聴が聞こえるようになって、24歳のときに1年間任意入院をした。退院した後、病院のデイケアに通いながら過ごしていたが、就労継続B型にも通所をするようになりました。そのころ、高校の同級生と付き合い始める。
彼氏からデブ、やせろと言われ、気にするようになって、その影響で薬を減らし始める。病院には通っていたのですけれども、だんだんその頻度を減らしていって、中断3か月目ごろから化粧が歌舞伎役者のように派手になってきてしまった。
 市の保健師さんが母親に連絡したところ、自室の押し入れにも隠しているようだという話があって、保健師さんの働きかけで医療機関にかかったというケースでございます。
 事例3は、未治療の統合失調症の方で独居、近隣の住民の方からの苦情が発端で入院に至ったというケースでございます。26歳の男性で今、パチンコ店の清掃業務についておられます。
 転職して、次第に自分は神様の身代わりであるということをお客さんに話しかけるようになって、転職2か月後、同僚がアパートを訪れると意味不明の文章を書いた紙が至るところに張られていた。同僚が声掛けをすると、今、神様と対話をしていたと話す。
 転職3か月後から夜中に念仏のような口調で大声で騒いだり太鼓を叩くということで、住民が幾ら苦情を言っても、本人は「邪魔をしないでください」と繰り返すのみで、ついに警察に電話をされてしまう。警察から保健所につながって、病院の受診につながって、医療保護入院に至るというケースでございます。
 事例4は、頻回入院を繰り返している統合失調症の方で、独居、この方も近隣の住民からの苦情が発端になったケースでございます。
 48歳の女性で、25歳のときに誰かに追われていると訴えるようになり、入院をする。その後も医療保護入院、任意入院を繰り返している。次第に認知機能や生活能力の衰えが目立ち、家事のほとんどを夫が行うようになる。
 その夫が交通事故で亡くなった後、ゴミを家の中にため込んでいる。次第に家の前にも積み上げるようになって、住民が市役所の環境担当課に相談して自宅を訪問する。環境担当課から市の保健師さんにつながって、医療保護入院につながっていくというケースでございます。
 事例5が、未治療のアルツハイマー型認知症の方で、家族の同居しているケース。家族の負担感が増したことが発端で医療保護入院になったケースでございます。
 当初は俳句教室に通っていたが、会員の中で自分の財布を盗んだ人がいるといった訴えが続き、トラブルになって退会する。その後も娘さんにもそういうことを訴えるようになり、次第に隣家へ侵入しようとして、何度も警察沙汰になって、近所との関係も悪化していく。
 娘さん夫婦の寝室にも入り、夜中に探していくという行動があって、ついには娘さんの旦那さんが仕事に支障があるということで別居してしまう。娘さんの疲労がピークに達して精神科病院を紹介され、入院につながっていくというケースでございます。
 事例6は、治療中の統合失調症の方で家族と同居していて、治療はしていたのですが家族とのトラブルが発端で入院に至ってしまうというケースでございます。
 24歳の男性で、誰かに追われているという訴えがあり、仕事を辞めて自室に引き込もるようになる。次第に昼夜逆転の生活で、母親以外の家族とは顔も合わせない生活になってきている。身なりにも構わなくなってきている。
 そういったことから入院を勧められ、3か月間入院をしました。退院後しばらくは状態が落ち着いていたわけですけれども、薬も飲んでいましたが、退院半年後に部屋をお母さんが片づけたことをきっかけに興奮をして、興奮状態が続くということになってしまった。それで御両親が何とか自家用車に乗せて病院を受診して、入院につながったというケースでございます。
 これは、入院後なかなかそういった症状がおさまらずに入院を継続しているケースでございます。
 少し事例の状況を御説明させていただきましたけれども、こういった事例の中で具体的にどういった判断が可能なのか、あるいはどういった支援が可能なのかということを念頭に置きながら検討をいただければと考えております。
 資料の12ページにお戻りをいただければと思います。
 こういった状況を踏まえまして、検討に当たっての留意点とさせていただいておりますが、検討する際に皆様に是非お願いをしたい点でございます。
 1つは、医療保護入院に二面性があるということでございます。
 医療保護入院は、本人にとっては強制性を伴うが、治療にアクセスができる、家族にとっては本人の意思に反する手続きになる一方で、本人に治療を受けさせることができるということで、本人、家族いずれにとっても利点と問題点の二面性がある。
 その中で、本人にとっての強制性と保護者の負担が課題になっているということでございます。
 留意点の2番目としては、医療保護入院の制度自体の持つ制度的な課題があるということでございます。
 保護者による同意という構成をとっているために、保護者の同意がなければ入院の必要性があったとしても入院ができない状況がございます。
 退院をしたくても、保護者の同意がなければ退院することができない状況もあり得るということでございます。
 特に入院の必要性があったとしても入院できないということは、まさに保護者による同意という構成をとっている制度そのものが併せ持つ課題ということになります。
 留意点3、治療へアクセスする方法という観点でございます。
 現在は医療保護入院が治療へアクセスする権利を保障するために設けられた唯一の制度ということになっております。他に医療保護入院を代替する手段があるかどうかということが論点になり得るということでございます。
 保護者に関する検討をいただいていた中で、精神障害者アウトリーチの事業、それから、諸外国における継続通院処遇の事業、結核治療における取り組みを御紹介させていただきました。
 こういったものも含めまして、医療保護入院を代替する手段があるかどうかということでございます。
 留意点4、精神疾患による症状のために家族や周囲の人、地域住民が何らかの負担を感じていることが多いというのは、先ほどの事例のとおりでございます。
 現実に生じ得るこうした課題に対して、地域精神保健医療福祉という観点から、医療保護入院でどのような解決方法が考えられるかということでございます。
 5番目といたしましては、保護者の負担という課題に対して、保護者以外の人が同意するという形で課題の解決を図ることは可能かということでございます。
 具体的には、保護者による同意を行政や司法が代替して行うべきという意見が、この間結構聞かれましたが、この点に関しては慎重な検討が必要かと考えております。
 1つは、保護者の役割を行政や司法が行う場合に、公的機関が関わるということで性質上、強制性がより強まるおそれがあるということでございます。
 それから、行政や司法の関与ということで、医療費の自己負担の公費負担化につながることといたしますと、現在の財政状況の下では非常に実現性が乏しい仕組みであるということでございます。
 3番目といたしましては、現在の医療保護入院の数から考えますと、実務的には非常に対応することは困難ではないかということでございます。
 こういった点もお含みおきの上、御検討をお願いできればと考えております。
 留意点6は、入院時の手続ということだけではなくて、入院後の医療保護入院の継続の期間について、実際どういう状況であるのかということを踏まえながら、そういった点にも着目できないかということでございます。
 留意点7は、入院に同意できない状況について分けて考えられるかどうか。統合失調症に代表されるように、病識がないために入院を拒んでいる場合と、再発を繰り返している統合失調症の患者さんや認知症の患者さんに代表されるように、判断能力自体が減退しているために意思表示が困難な場合を分けて考えることができるかどうかということでございます。
 こういった点を御留意いただいて、検討をいただければと考えております。
 最後に、恐縮ですけれども、資料57ページをお開きください。
 次回11月18日金曜日の作業チームですが、先ほど御説明した事例を用いまして、医療保護入院に至った背景、それから、医療保護入院に至らないためにどういう支援ができたのか、退院するためにはどういう状態になっていることが必要か、あるいはどういう支援があれば退院することが可能かということについて、事例を使ってケーススタディをお願いできればと考えております。
 少し長くなりましたが、説明は以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。
 医療保護入院に関する調査についても続けてお願いできるでしょうか。

○本後課長補佐 では、続きまして59ページ、資料6「医療保護入院患者に対する調査について」です。
 医療保護入院の患者さんに関して、今、わかっている統計情報といたしますと、先ほど御説明した情報となりますけれども、入院に至るまでの経過、保護者の続柄、あるいは退院後に必要になるサービスといったことについて、更に詳細に把握した上で検討に資するようにしたいと考えておりまして、精神科病院、大体15病院程度の閉鎖病棟を対象に500事例ぐらいを集め、調査をいたしたいと考えております。
 具体的には、入院患者さんの概要、性別、診断名、入院歴、受療中断の有無といったこと。それから、入院時の状況、利用していたサービスとか精神症状、同居している方の有無。それから、入院の経路、相談を誰がやったか、どういうきっかけで入院に至ったかといったことについて調査する。それから、保護者の状況、現在の治療内容、退院後に必要なサービスといったことについて調査をした上で、検討に資するようにしたいと考えております。
 61ページ以降に調査票を示しておりますので、ご覧いただければと考えています。
 以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。
 それでは、ただ今の事務局からの説明につきまして、包括的にいろいろ御議論いただきたいと思います。
 今の御説明にもありましたように、次回18日に事例に基づいたケーススタディをやるということになっておりまして、私がコーディネート役になり、いわば素人の観点から専門家の意見を聞きたいというつもりでおります。
 それに備えまして幾つか、今の事務局の御説明、事例等についていろいろ御議論をいただきたいと思います。詳細については次回以降やるという話ですけれども、今の段階でいろいろ御議論があると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、野村構成員、どうぞ。

○野村構成員 まず、問題が発生したときに、ということは、迷惑が起こって訴えがあったときですね。それは病状が悪化したときもあるし、家庭環境、家族関係などで非常にトラブルが起きて大騒ぎになることもありますが、まず訪問をして御本人を説得することに大きな力を注ぐべきだろうと思います。
 医療を受けていなければ、医療を受けるような説得を丁寧に上手に行う。それから、御本人を取り巻いている家族との関係性を調整する必要もあると思います。
 家族関係を調整することを行わないでいきなり、騒いでいるからパトカーに乗せて精神科病院に連れていくというのは大変問題があると思います。なぜ本人が騒ぐのか、御本人の気持ちをきっちり聞いて、いろいろ周りの調整をすれば解決することがあれば、そのことをまず手を入れていくということは、地域の心理の方も福祉の方も協力してやることが必要だと思いますが、訪問してそのような手だてを講じる。
 それから、そういうことをしても迷惑行為がどうしてもなくならない場合が問題なのですが、私はいきなり病院に連れていくのは大問題だと思っております。
 強制性を多少伴っても、移送という手段を使ってでも、生活施設のようなところにしばらく連れていって、そこで治療を加えながら、なるべく普通の生活を保ちながら、そこで迷惑行為を落ち着かせるようなことができないだろうかと思います。
 精神科の病院に強制入院すると、非常に本人はショックを受けるし、しかも社会にとってマイナスのイメージが非常に強まりますね。私の友達がいたとして、その人が強制的に精神科病院に入院されたというと、かなり私も動揺します。どうしてだろう、その人は本当に信頼できるのだろうかと。
 強制入院を経験したということは、本人にとって大きなマイナスになることは御本人自身が大変訴えていることです。ですから、人生の中で精神科の病院にできれば入院しない方が御本人にとっても、御本人の人間的な価値としても非常に幸せなことではないかと私は思います。
 それから、生活施設で、では家に逃げ帰られるとどうするのだということがありますので、やはり外出の制限とかができないだろうか。クライシスアウトというか、病院と普通の生活の中間的な何か施設がないだろうか。
 例えば、ショートステイなどでは御本人が同意してできることですけれども、同意しない場合に病院に預ける以外の何か、その方を支える方法がないだろうかということも1つの検討課題なのではないかと思います。
 それから、御本人が周りに迷惑をかけていないときには御本人を説得することを大切にするべきであって、いきなり御本人が同意しないのに病院に担ぎ込むことは極力減らした方がいいのではないか。
 では、御本人が、病気がどんどん悪くなって回復が非常に悪くなるのに、放っておいていいのかという問題がございますが、そういう場合には何か人権擁護機関が立ち会って、御本人の権利を徹底的に守った上で強制的な治療を加えるということはあり得ることではあると思います。でも、できるだけそれはなくすべきで、御本人が拒否している場合には説得でずっと関わっていくべきではないかと思います。
 それから、先ほどのアンケートですけれども、調べるものを見ましたら、御本人の病気のところばかり、あるいは問題行動のところばかり着目されていまして、御本人がこれから何をやってどう生きていきたいのか、人生をどのように築いていきたいのかという辺りも着目をしなければいけないのではないかという印象を持ちました。
 そして、その方が望んでいる方向に向けて周りが支援をしていくような組み立て方ができるような支援の方法を考えるための調査を行えるともっといいのかなと考えました。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。
 それでは、良田構成員。

○良田構成員 私は、12ページからの「検討に当たっての留意点」を御説明いただいて、非常に消極性を感じました。
 例えば、医療保護入院が治療へアクセスする権利を保障するために設けられた唯一の制度である、他にこういう医療保護入院に代わる手段があるのかどうかという問いかけがありますが、私たちのこの作業チームは、やはりそれに代わるものをしっかりと考えていかなければいけないチームだと思うのですね。
 今までの家族に依存して、家族が同意して、家族が退院を引き受けなければ入院を継続するという現状というものが、社会的入院者を生み出していく大きな要因になってきたという歴史的な経過をやはり忘れてはいけないと思うのです。
 それがいまだに、ずっと何十年も尾を引いていて、莫大なお金も人手もかかっているし、いろいろな意味で問題をずっと持ち続けているわけですから、今と同じような制度であったならば、同じようなことになってしまうのではないかと私は思いますので、ここは是非、英知を使って、そして人も使って、必要ならばお金もきちんと使って、新しい制度を生み出していく、考え出していくことが、これから時間もあることですから、しっかりと考えていかなければいけないことだと思います。
 安易に今までのようなものがいいとか、家族がしている方がアクセスしやすいといったことであってはいけないと思っています。
 以上です。

○町野座長 では、堀江構成員。

○堀江構成員 参考資料24ページ「入院形態別在院患者数の推移」というのがあって、平成11年で線が引かれている、下の段の右上の方です。
 結局、任意入院が平成11年度からぐっと下がっていって保護入院が増えているのです。それの分析が多分4ページなのだろうと思うのですが、4ページの下の○ですが、社会的な理由等により適用されている不適切な事例も生じていたことから、適切な運用を図るようにとなったならば保護入院が増えたと。
 逆ならば、社会的な理由でどこも入れているのが多いよという話のわけですから、それを精査していったらもっと減るはずなのに、一気に増え始めるという、この分析にはなっていないのです。
 もしかして、普通だと診療報酬とか何かの加算というくだらないことも考えたくなるようなこと。それは専門家の方は十分御存じのことだろうと思うから、そこの辺はどういうことなのかをまず教えていただきたい。

○町野座長 この辺り、事務局の方で何か説明ありますか。

○本後課長補佐 具体的にこう増えてきたということが明確に関係づけられるかどうかというのはわからないのですけれども、資料の通し番号で言う4ページですが、真ん中から下の辺りの○に、医療保護入院は11年を境に増加に転じている。これは平成11年の法改正により、医療保護入院の対象者が明確化された、具体的には任意入院を行う状態にない人を対象にするとされたということ。
 それから、先ほどにもありましたとおり、認知症による入院患者さんが増えていて、かつその中で医療保護入院に伴う患者さんが増えていることが影響していると考えられます。
 この11年の改正につきましては、やはり入院に同意できない状態の方については、できる限り適切な手続の下で入院をしていただくという形で人権の擁護を図ることが一番大きな目的であったかと思います。
 ですので、むしろ医療保護入院という手続に乗せるという形で、そこの適正な手続、あるいは入院される方の権利の擁護を図ってきたのが、この11年の改正の一番大きな柱だったのかなと考えております。

○町野座長 今の点は、実はよくわからないところがあるのですが、私が記憶している範囲では、その当時の議論の中で、任意入院にすると手続的な届け出とかがない、非常に簡便に物事が処理できる。他方で、本人が本当に承諾しているかどうかわからないような意思能力のときでも、文句ないねと言って入れてしまうことがある。そのような状態はよろしくないのでないかということで任意入院にするのが適切ではないという格好になったという話です。
 そのことを境として、医療保護入院に振られる事例が増えたのではないかと思われますけれども、それは私、現場にいない者ではわからないところがあります。
 そういうことでよろしゅうございますか。
 では、他ございますか。では、広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 この間、神奈川県の精神科救急医療連絡調整会議でも発言しているのですが、神奈川県のソフト救急窓口というのは、いわゆる任意入院を扱わない、医療保護入院だということで、私はしょっちゅう話しています。夜中の2時まで地元の警察へよく行っていまして、昨日もいました。救急隊の現場にもよく行っています。
 そういうところで関わると必ず、私が携帯電話でソフト救急窓口に電話しても「警察官はどう判断しているのか」という、おかしな話をしだして、それでかなり窓口とやり合うのです。
 警察の人が出てきまして、私と同じ話をする。「警察官は事件や事故を解決する人で医者ではない」と、私も警察官も同じ話をするのですが、そこの人が地方の人だと親から連絡をとって、何年前はどうだったかということをソフト救急窓口が聞きたがるのです。そのことが前提の中で、私が関わったお話を2例出します。
 この間、5時間半かかったのですが、10時半ごろ行ったら、「やっと来てくれた、大変な人がいるから」ということです。
 事態は大変で、足も腐ったような状態で、御自分が全くお金がない、何日も食べていない、眠れていない状態です。結局、5時間半かかって、ソフト救急を脅すような形で救急車に私も警察も乗って、救急隊は「その病院は絶対診ない」と言ったのですが、「診ると約束をしているから連れていって」ということで行きました。
 結果的に医療保護入院になったのです。
 私が医療保護入院に同意したのは、この人自身の人権を守るために多少行動制限が伴うのかな。例えば開放病棟に入っていて、出入り自由ということでは、この人の人権を守れないのではないかという判断の下で医療保護入院に私は同意しました。
 そうしたら、家族がわかりませんから、「誰が保護者になるのですか」と聞いたら、精神保健指定医が、「広田さんがなるわけにはいきませんよね」と言うから、私は「しょっちゅうこういうところに来ていますから、なっていたら大変なことになってしまいますよ」と言ったら、「横浜市長」の同意で入院ということで決まったのです。
 結果的に割と早く退院できて「田舎に帰った」。
 その前の例は交番のそばにいて大騒ぎしている人が電話をかけてきて、やはりソフト救急に電話をして、私が話をしたら、「本人を出してください。」本人はものすごい興奮状態でした。
 そうしたら、ソフト救急窓口が、「任意入院で入ったとしても、この状態ですと医療保護入院に切り替える可能性があるから、保護者と一緒に行ってください」というわけです。
 横浜市内の方だったから、御本人に「家族と一緒に来てほしい」と話をしたら、私から母親に電話してくださいということで、自分で手帳も出せなくて、私が出してお母さんに、「何々交番にいますから、お嬢さんは入院を必要としています、来てください」と連絡しました。
 お母さんをそろえて、救急隊を呼んで、「行き先は芹香病院。保護者もそろっています」と言ったら、救急隊の救急救命士も親しいのですが、「広田さん、ここまでやってくれれば我々もありがたい。本当に精神科はいつも行き先がなくて困っているのです」ということでした。
 そのときに私が保護者を用意したのは、これだけ大変な状態の人を、私がいくら人権擁護人として付き添っていったとしても、やはり御家族が行った方がいいと思って呼んだということ。
 その窓口が言った、「こういう状態ですから、もしかすると任意入院で入ったとしても医療保護入院に代わる可能性があります」と言われたときに、そこの窓口とけんかしなかったのです。
 精神医療の被害者である私でもけんかをしなかった。それはやはり中に入ったときに最初に申し上げた例と同じように、ただ単に、全開放のところでいつでも出入り自由では彼女の人道上、人権上、守れないのではないかと思って、そういう話に同意して行ったのですが、医療保護入院というのは、本当は患者にとって嫌ですよ。そこになる前の段階で何とかなった方がありがたいですね。野村さんが言ったように、なるべくなら入院しない方がいい。
 ただ、入院したから損すると言っている患者ばかりではないのです。被害を受ければ、やはりスティグマが残るし、私のような被害者もいるけれど、そこに行ったことによって、盲腸を手術したらお腹が痛いのが治ったように、いい医療を提供していただければいいということで、いい医療を提供しなければいけない時代に当然、前から入っているわけです。
 それと、家族との関係の迷惑行為だったら、何度も言っていますが世帯分離をする形が一番ベストだと感じています。
 ということで、逆に医療関係者にお伺いしたいのですが、患者としては、それは任意入院でいきたい。でも、私が判断した医療保護入院というのは入った中の段階で、本人を守るためにも多少の制限があるでしょうという形の仕方がない医療保護入院を人権擁護人として同意しているけれど、医療側としての医療保護入院とうのはどういう理由かということを、これから来年夏まで議論していくということで、ちょっと伺っておきたいと思って発言させていただいています。
 よろしくお願いします。

○町野座長 では、白石構成員、いいですか。

○白石構成員 直接お答えになるかどうかわからないのですけれども、医療保護入院の問題を今、広田構成員のおっしゃったことで考えると、ここでは医療保護入院という入院の制度のことを問題にしているわけです。
 野村さんや良田さんがおっしゃったことは、医療保護入院を使うことの弊害のお話をされたのだと思います。必要最小限にする仕組みが1つ、必要だということは当然ですし、それから今、広田構成員がおっしゃったように入った後のことが実は大切なのです。ですけれども、医療保護入院が制度として全くなくていいのかどうかということの議論がここで求められていると思うのです。
 医療保護入院をなくして他の方法で、少なくとも現在、一挙に何らかの対応ができるのかということを現実的に考えていかなければいけないのではないか。そう考えると、やはり必要最小限にする努力とか、入った後でその人の人権が守れて、最終的にメリットがあったとなる成果をもたらすような在り方を考えることと併せて、医療保護入院の入院制度としての在り方を議論する。
 そこで問題になることは何かと言うと、やはり適切な制度として医療保護入院が適切かどうかということになると思うのです。
 家族の同意で入院している制度ということをあまり強く前に打ち出さない方が私はいいと思っています。現実はそうなのですが、要するに先ほど来の定義から言うと、任意入院ができないときに、しかも自傷と他害の恐れがない、措置入院の対象でもないときにする、非自発入院というのが医療保護入院の本質的な在り方だと思うのです。
 誰かが同意しているということで、今、保護者が同意しているという具体的な制度にはなっていますけれども、本質としては自傷他害がはっきりとした形でないが、放っておけない、任意入院にならない、そういう人のための強制入院が医療保護入院なわけです。
 その制度の適切性とか今後あるべき姿を議論するということで、要するに必要最小限にすることと制度の在り方の議論と、入った後の本人の治療ができて、人権侵害にならないようにすることの3本が必要ではないかと思います。

○広田構成員 だから、医療側としての医療保護入院、私はよくわからないのですが、任意入院があって医療保護入院があるときに、その人が全開放の、任意入院というのは当然ですよね、本人の意思で入っていますから、私の場合、それでは、本人の人権が担保できないだろうから、医療保護入院をしぶしぶ了解しているのだけれども、医療側の話を聞きたい。医療側が言う医療保護入院は何でしょうかということです。

○町野座長 それでは、河崎構成員お願いします。

○河崎構成員 広田さんの御質問に直接答える内容になるかならないかわかりませんが、私たちは、精神保健福祉法上では任意入院になるように努めなければならないという規定があるわけです。
 ですから、例えばその患者さんに対して自らが治療に同意をされて、入院をして治療を受けるということをやはり説得をして、できるだけそのようになるように努めなければならないわけですから、原則は任意入院になるように医療の現場では行っているということだろうと思います。
 ただ、その際に入院されてから何か、例えば開放病棟なり、あるいはその人の安全を守る上で問題が生じるかもしれないというような、いわゆる予見性をどこまで私たちがきっちりと判断ができるのかというのは、また違う次元の問題として出てきます。
 例えば、任意入院で入っていただいて、その中で治療的かかわりをしていく途中で、やはり御本人の安全を守るために、もしくはその方の本質的な意味での治療に対する同意という部分で、これはやはり医療保護入院に変えなければいけないというような場面も日常的にはかなりの数、遭遇することがございます。
 ですから、やはりリアルタイムにそういう入院形態ということに関しては、そのときの判断で変更しなければいけないこともあるというのは、御理解をしていただきたいと思います。
 もう一点、よろしいでしょうか。
 先ほどの白石先生の考えに私もまさしく賛同いたします。
 つまり、私たちも医療を提供する立場からしますと、できるだけ入院せずに地域の中で生活をしながら、そして、それを支えて医療サービスを提供することが理想だろうと思いますし、そうなっていくようにも努力しているつもりです。
 でも、やはりそうは言っても、どうしても御本人が医療を受けるということが理解なされずに、同意ができずに、いわゆる非自発的に入院という事態は起こり得るわけです。
 そのときにどういう法的なバックボーンがあって私たちが治療できるのかというところはしっかりとした法体制を確保していただかなければ、これは逆に言うと人権の擁護の部分で大きな問題になると思いますので、是非、この作業チームでは現実的な面での検討を行っていただきたいなと思っております。
 以上です。

○町野座長 それでは、堀江構成員。

○堀江構成員 河崎先生、前段のところの御説明の中に、いわば患者さんのために医療保護入院に切り替えなければならないとおっしゃった。私もそういう事態はあるだろうと思うし、体験もありますが、そういう場合に、いつの時点で切り替えられて同意入院になるのか。
 私は説明を全然受けずにその後なのですが、そういうことは一般的にあるのでしょうか。

○河崎構成員 ですから、例えば任意入院という入院形態から医療保護入院という入院形態に変更するということは、入院中にはあり得る話ですし、日常的にはよくございます。
 その後、治療を行って、また御本人に治療を受けるということに対する同意をしっかりと自覚できるようになってきたら、そこでまた任意入院に切り替える。

○堀江構成員 大体、一般的に民間病院では、全部そうされていますか。ずっとそのままにされているみたいで。誤解ですね。

○河崎構成員 それは認識が違うと思います。

○町野座長 では、済みません。

○千葉構成員 千葉でございます。
 うちがいいのだか、他はどうなのかということになりますと、調査をしないとわからないのですが、一般的には現在、うちなどであれば2週間に1回、出勤しているドクターと全部の病棟からの代表者、メディカルスタッフを全部集めたところで、症例の検討ということで医療保護入院の方々の妥当性について全部、レビューをかけることにしているのです。
 つまり、現在の状態がこういう状態であるということで、いつから医療保護入院になっていて、こういう状態のこの容態のために今、医療保護入院になっているということを言って。
 他から、もういいのではないか、こういう状態で本人もこういうことを言っているし、この先の治療計画はこうなっているから任意入院でよろしいのではないですかということがしょっちゅうスタッフの方からも出て、それに対して主治医は主治医としての意見を言い、そこのところで結構「そうですね」ということも多いのです。
 ですから、恐らく私が思うには、まだまだだと言われればそのとおりかもしれないのですけれども、多くの病院でそういう形で任意入院にし、入院の継続性について審査をしてやっているという方向にあると思います。
 もう一つは、任意入院で治療をしていける状態というのは、その状態像の様々にあるかと思うのですが、本来的には通院医療へと切り替えができる位置に近いことだろうと私は思います。
 ですから勿論、ストレス疾患のために入院している云々ということはあるかと思うのですが、御本人から病気の治療に対しての同意が得られ、そして、それが夜間等の管理等が必要でない状況になってくるということは、必ずしもそう長く入院をしている状態があるのかどうかということには一部疑問は出てくるだろうと思います。
 ただ、御存じのように、現在の状況の中で、地域の中で生活する人たちの場がないとか、おっしゃられているとおり、社会的入院の部分があって、そういうものの整備ができていないということも、そういった任意入院の方がまだ入院としての処遇を受けていることも多いのではないかと私は思っています。

○町野座長 今、任意入院についての議論が若干出ましたけれども、法律的に言うと、任意入院というのは現在のところ、完全な自由入院ではないのです。任意で入ったときについては、中で行動の制限条項もかかりますし、退院したいと言っても退院させるのは適切ではないと思ったときは72時間のホールディングパワーがあって、その間に医療保護入院に切り替えることもできます。
 こういうことから、現在の任意入院ができたときに、ある法律家の方から、これはペテンだ、自由に入ったのに出られなくなるのはおかしいではないかと言う議論もあったわけですけれども、結局、現在のところこれで行われているということです。
 任意入院以外の、いわばこれによらない自由入院を認めないということに現在、行政指導ではなっていると了解しておりますが、そのような了解でよろしいですか。
 法律外の、いわば法律の規定のない、精神保健福祉法に規定のない、完全なボランタリーな入院でというのはないという具体に厚労省はたしか昔、指導したと思うのですが、それでよろしいですか。

○本後課長補佐 はい。

○町野座長 ということです。
 では、野村構成員どうぞ。

○野村構成員 本人の権利は非常に弱い立場にあると思うのです。
 これから家族が手を引いて、保護者を辞めて、もし公的機関が同意をすることになった場合に御本人の権利、人権はよほどしっかり守らなければいけないと思うのです。
 今は医療機関側と家族とが「そうしましょう」と両方で決めてしまって、御本人の発言、意思が、非常に立場が弱いように思いますから、これを御本人の権利と言うか、御本人の希望というものをしっかり守って、御本人のペースに合わせて治療をしていただくということをこれから考え直していかなければいけないと私は思うのですが、それは精神医療審査会では無理だと思うのです。
 たくさんの医療機関の方や家族のいろいろな方からは精神医療審査会はあれでは困るよということを聞いていますので、もっと徹底的に本人の人権とか本人が願っていることを、自分で決断して、自己決定して行う権利を医療の場でも守っていかないといけないと思うのですが、それはこれから大いに改革する部分が私はあるように思います。
 以上です。

○町野座長 では、岩上構成員。

○岩上構成員 岩上です。
 内容というより留意点のところなのですが、幾つか留意点として挙げていただいているのですが、もう一つ、総合福祉部会の方から様々な医療に関する提言が出ているわけです。それをそのまま採用するとかしないという問題ではなく、そこをやはり留意するということにしておかないと、障害者基本法の改正の際も様々な提言が出たことに対し、厚労省の内部で検討していますからというお答えをしているわけなので、だとすると、総合福祉部会で出たことをある意味、留意点として挙げていくべきだと思っています。
 それがない中で、留意点の5にあるような強い反対意見がありましたというのは、ここだけ急に出てくるわけです。これはできませんよと、非常に誘導的な感じがするわけです。
 そこだけ出てくるというのはとてもおかしいと思うので、基本的にはその辺の総合福祉部会との連動性については一応、確認を。その話は今まで出たことがないので、そこは一体どうなっているのかなというのは、事務局からお聞きしたいなと思います。
 以上です。

○本後課長補佐 この議論自体、もともと推進会議の閣議決定に基づくものですし、その中でも様々な提言をいただいております。
 8月30日に総合福祉部会で認められたことについても、様々な御提言をいただいている。それは当然、踏まえた上での検討ということになります。

○町野座長 この部分というのは、かなりいろいろな考え方があり得るところなのです。
 多くの国では医療保護入院的な、要するに本人のために強制的に入れるタイプと他害の場合とパラレルに考えていて、両方とも同じような審査の方法をとるやり方なのです。
 ところが日本ではこれが最初から違っているところで、これが横並びになるということについては非常な反発、抵抗があるというのは、私も理解できるところであります。
 では、白石構成員。

○白石構成員 白石です。
 まさに岩上構成員がおっしゃったことが、医療保護入院の検討の核心だと私は思っております。
 障害者権利条約を批准するに当たって、国内の様々な法制度をそれに合致するような形に改めていかなければいけない中で、医療保護入院がそれに耐えられるものなのか。逆に耐えられるものにしなければ存続しないわけですので、そこの議論をここでしていくと私は理解しております。
 前も発言させていただいたかもしれませんけれども、成年後見制度。私は成年後見法学会に属しておりまして、去年、横浜で国際会議をやったときに成年後見制度そのものが障害者権利条約に違反をしている、本来存続できない制度であるという議論がございました。
 それに対して成年後見の必要性を認識している者が、それでも成年後見制度が成り立つとしたらどういう前提、条件の下でなのかということを議論して、必要性と補充性の2つのことが結論として出ていると思います。
 まさに医療保護入院も必要性があって、必要最小限に行うものであるということを制度上、保障することができたときに障害者権利条約にも耐えて国内法として存続できるものになる。必要性や補充性ということをどう制度の上で構成していくのかというのが、この部会の非常に大きな課題だと理解しております。

○町野座長 他に、ございますか。
 では、広田構成員どうぞ。

○広田構成員 もう一回伺います。
 私は、医療保護入院が医療側にとってどういうことなのですかということで、先ほど町野先生が後で、いわゆる任意入院も拘束されるというお話をされたではないですか。
 そうすると、いわゆる任意入院の範疇の拘束と医療保護入院の拘束はどう違うのですか。
 任意入院と医療保護入院は入り口だけの違いなんですか、中では同じなのですか。

○町野座長 それは後でそちらの方から御説明いただきたいと思いますが、法律上は同じになっているのです。中に入っても、入り口でどういう格好で入っても一応、行動の制限条項はかかっていることは確かです。
 しかしながら、だからといって任意入院で入った人間を最初から拘束しておくということはやらないので、できるだけ拘束しないようにしながらずっと進んでいるだろうと思います。
 そして、平成11年の改正のときに任意入院に全部、それまで安易に入院をやられていたというか、この手の問題があるということは確かだと思うのです。だから、やはり身体の拘束とか行動の制限が伴うような場合というのは基本的に医療保護入院でやるべきなのであって、最初から任意入院でできるからと入れるのは適切ではないということでこういう条文になったということで理解しております。
 現在もそのような、いわばなるべく行動の制限をしないということでやっているのではないかと思います。

○河崎構成員 原則、私たちの認識は任意入院の際は行動制限というものはしないという形の入院形態であるという認識をしています。
 ただ、病状に応じて、行動の制限が治療上必要になる場合には行うこともある。そのときにはきっちりと手続を行って、そういう行動制限を行うという法の仕組みだと私は理解しています。
 もしそれが、例えば拘束であるというふうに長く続くような行動制限の場合には、できるだけ速やかに医療保護入院に切り替えていくという指導も当局からは受けていると思っています。

○広田構成員 私も、まさに白石先生おっしゃるとおり、国連の権利条約批准のところで引っかかってくると思うのです。ですから、極めて貴重な検討会のわけです。
 そこで大事なのは、私も警察救急隊の現場とても詳しいです。神奈川のいわゆるおかしな医療保護入院がソフト救急の概念になっていますが、そういうものの背景にある医療者側の本音をきちんと聞いて、それをどうやって変えていけるか。変えていって権利条約になじんでいけるかということで、日本は建前だけをここでときどき話をして、裏舞台が本音で動いたりするのです。ここだけの話ではないです。昨日もフリージャーナリストの話を聞いてきましたけれど、いろいろな世界で。
 そういうことですから、是非ここで本音で医療者側が言っていただかないと、なぜでは医療保護入院があって、しかも3分の1以上もいるわけです。たしか数的に言えばそうですよね。
 だから、自分の意思で入院したにもかかわらず閉鎖病棟の中にいるという、いろいろなおかしなことが日本の精神科医療の中で構造上、起きているじゃないですか。
 そういうものを医療がここで本音を言わない限り、建前だけで言っていたら、私みたいに本音を言っていたら叩かれますが、でも、本音を言わないことには本物の論議にならないと思うのです。
 医者は2人しかいないのですが、本音を言っていただいて、よりよい、そして権利条約に持ちこたえられるものにしていきたいではないですかということです。
 以上です。

○町野座長 では、お医者さんの。

○千葉構成員 そう言われるとありがたい話なので、言わせていただけるかなと思います。
 是非、医療そのものをしている医師は性善説で考えていただきたいと思います。
 ちゃんと病気が治ってほしい、それだから治療行為を行っている。医師としての本質はそこにあるべきであるし、また、そのとおりに努力をさせていただいていると思います。
 要するに速やかに我々がそういう治療行為をして、早くよくなっていただいて、早く回復をしていただくというのが本来的な基本なわけですから、そのための治療をする手段として、治療を導入する手段として行っていると思っていただきたいと思うのです。
 ですから、それができるような法整備をきちんとしていただいて、我々はそれを守りつつ、そういうものをできるだけ早くしたいということ。
 それと、以前にもお話しましたけれども、その手続のためにとても煩雑な思いをさせられているのが実は今の現場でして、勿論、それがどうしても必要であるというのなら、もう少し、様々な補助であるとか医療秘書であるとか事務の使い方とか、もっといろいろしなければいけないと思います。
 ドクター自らが書類の山を少しして、患者さんのところに行かないといけないと思いつつも行けないという状態というのを解消していただきたいというのが本音と言えば本音です。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 まだいろいろ御議論はあるだろうと思いますけれども、これから来年の夏までやるという、非常にあれですので。
 本日、皆様から医療保護入院に対する御意見をいろいろいただいたわけですけれども、この議論に関しての今日のことを若干整理いたしますと、背景にはとにかく地域精神医療への推進の方向がある。これはとにかく進めなければいけない。
 それを背景にしながら、そもそも措置入院とは別にソフトな、いわば強制入院であるところの現在の医療保護入院、このようなタイプのものを置いておく必要があるのかどうか、これを廃止するべきかどうかが、まず、最初のところにある問題であろうと思います。
 これを維持すべきだ、多くの人はそのようにお考えのように私は思いますけれども、どのような要件によってそのような強制的入院、名前として医療保護入院という名前が残るかどうかはわかりませんが、そのようなものにすべきかということはやはり考えなければいけない。
 その際には、今日の御議論にもありましたとおり、安易にいわば強制入院に頼らないということを置きながら、必要最小限度のものに、それを本当に必要な場合に限るとした上で、しかも患者本人の権利を保護しながらこれを実行していくという要件としては何が適切なのかということがあるだろうと思います。
 その上で、いわば保護者の同意という現在のやり方というのが適切かどうか、それに代わるべき何か手段があるのかどうか、そこらは議論しなければいけないことになるだろうと思います。
 それから、今日は、あまり議論は出ませんでしたけれども、恐らく最後のところで事務局も先ほどおっしゃられましたとおり、医療費の負担の問題があります。
 現在のところ、一応スムーズに大体流れているようなのですが、このような状態をどうするかという話です。制度を変えたとき、一遍にそちらまで変わってしまうのか、変えるべきなのかという問題もある。これは、まさに現実を見ながら進んでいかなければいけない話だろうと思います。
 恐らく精神医療全部について医療費公費負担だという考え方もある得なくはないわけでしょうけれども、これは恐らく一遍にできる話ではないだろうと思います。
 ここらのことを議論しながらやはりやらなければいけないことになろうと思いますが、18日にというのは3日後にすぐに検討会があるということですから、このことを意識しながら、また密度の高い議論をしていただきたいと思います。
 最後に今後のスケジュールについて、事務局からお願いいたします。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 次回の作業チームですけれども、11月18日金曜日の18時から、場所は厚生労働省の専用12会議室を予定しております。また、よろしくお願いします。

○町野座長 それでは、今日はこれで閉会といたします。どうも、大変ありがとうございました。


(了)
<照会先>

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電話: 03-5253-1111(3055)

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